説明

FRP製駆動シャフト

【課題】FRP円筒と端部の金属製ジョイントとの結合強度を高めることができ、高い伝達トルクが得られるFRP製駆動シャフトを得ること。
【解決手段】FRP円筒10の両端部に、金属製の端部ジョイント20を結合してなるFRP製駆動シャフト100において、端部ジョイント20を、FRP円筒10内に圧入されるセレーション部31を有する圧入ジョイント30と、FRP円筒10の外周に固定される円筒状アウタカラー40とから構成し、この圧入ジョイント30と円筒状アウタカラー40とに、互いに係合して回転を伝達する非円形係合部(非円形断面軸部32、非円形係合穴43)を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両のプロペラシャフト(ドライブシャフト)に用いられるFRP製駆動シャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
FRP製駆動シャフトは、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチックス)円筒の両端部に金属製の端部ジョイントを結合してなるもので、軽量という利点がある。しかし、FRP円筒と端部ジョイントとの結合強度を如何にして高くするかが一つの技術的課題であり、従来各種の提案がなされている(特許文献1ないし3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平1-91118公報
【特許文献2】実開平6-32726公報
【特許文献3】特開2004-308700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、FRP円筒と端部ジョイントを、両者間を径方向に貫通する締結部材を介して結合する構造を前提として、FRP円筒側の新たな繊維構造を提案している。しかし、径方向の貫通部材で結合する構造は貫通部分に応力集中が生じ、依然としてFRP円筒あるいは貫通部材の破損が生じやすい。
【0005】
特許文献2は、端部ジョイントを、FRP円筒に挿入固定される金属ヨークと、FRP円筒の外周に嵌められてこの金属ヨークに溶接固定されるアウタカラーとから構成することを提案している。しかし、金属ヨークとアウタカラーとを溶接する際、FRP円筒が熱により損傷するおそれが高く、同文献に記載されているような機械的強度を得ることは全く困難である。
【0006】
特許文献3は、FRP円筒と端部ジョイントとの間に中間円筒部材を介在させ、この中間円筒部材の外周面をFRP円筒にセレーション結合させ、内周面を端部ジョイントとスプライン結合させる構造を提案している。しかし、端部ジョイントからFRP円筒にトルクが伝達される際、FRP円筒自体が破損するおそれが高い。特にFRP円筒が、炭素繊維を熱硬化性樹脂シート中に含浸させてなる複数のプリプレグを筒状に巻回して熱硬化させた複数のFRP層からなる場合には、層間の剥離現象が生じ、破損に繋がるおそれがある。
【0007】
本発明は、以上の問題意識に基づき、FRP円筒と端部の金属製ジョイントとの結合強度を高めることができ、高い伝達トルクが得られるFRP製駆動シャフトを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、FRP製駆動シャフトにおけるFRP円筒の破損は、FRP円筒の両端部に挿入された端部ジョイントと該FRP円筒との間でトルクが伝達される際、FRP円筒には、該円筒内に挿入された端部ジョイントを介してその内周面に大きな力が加わるのに対し、外周面にはFRP円筒の肉厚を介して間接的に力が加わるに過ぎないため、内外周に大きな応力差、さらには層間の剥離現象が生じることが原因であるとの結論に達し、本発明に至ったものである。
【0009】
本発明は、FRP円筒の両端部に、金属製の端部ジョイントを結合してなるFRP製駆動シャフトにおいて、端部ジョイントを、FRP円筒内に圧入されるセレーション部を有する圧入ジョイントと、FRP円筒の外周に固定される円筒状アウタカラーとから構成し、この圧入ジョイントと円筒状アウタカラーとに、互いに係合して回転を伝達する非円形係合部をそれぞれ形成したことを特徴としている。
【0010】
非円形係合部は、具体的には、加工性を考慮すると、小判状穴と小判状断面軸部(一対の平行平面部を有する穴部と軸部)から構成するのがよい。
【0011】
具体的な一態様では、圧入ジョイントとして、セレーション部の径が最大径の棒状圧入ジョイントを用い、円筒状アウタカラーには、FRP円筒の外周面に固定される筒状部と、この筒状部の端部に位置する端面部とを設ける。そしてこの端面部にFRP円筒の外径内に収まる大きさの非円形係合穴を形成し、圧入ジョイントには、この非円形係合穴に係合する非円形断面軸部を形成する。この態様では、FRP円筒内に圧入ジョイントのセレーション部を圧入した後、円筒状アウタカラーをFRP円筒の外周面に嵌めて固定し、同時に圧入ジョイントの非円形断面軸部に円筒状アウタカラーの非円形断面穴を嵌めることができる。
【0012】
また、圧入ジョイントに、セレーション部に続けて該セレーション部より大径のフランジ部を設ける態様では、円筒状アウタカラーに、FRP円筒より大径の端面部を設け、この端面部に、FRP円筒の外径からはみ出す大きさの非円形係合穴を形成する。一方、圧入ジョイントには、セレーション部と大径フランジ部の間に介在させて、この非円形係合穴に係合する非円形断面軸部を形成する。この態様では、FRP円筒の外周面に円筒状アウタカラーを嵌めて固定した後、圧入ジョイントのセレーション部をFRP円筒内に圧入し、同時に非円形断面軸部を円筒状アウタカラーの非円形係合穴に嵌める。セレーション部と大径フランジ部を有する圧入ジョイントは一部材から構成することも、後に結合される大径フランジ部材とセレーション軸部材の二部材から構成することもできる。
【0013】
FRP円筒の外側に位置する円筒状アウタカラーの筒状部の軸方向長は、FRP円筒の内側に位置するセレーション部の有効セレーション長と略同一、あるいはそれよりも長くすることが強度の観点から好ましい。後者の場合、円筒状アウタカラーの筒状部のうち内側にセレーション部が存在しない部分とFRP円筒を、さらに径方向の貫通リベット(ブラインドリベット)で結合すると、FRP円筒と円筒状アウタカラーの結合強度を高めることができる。
【0014】
アウタカラーは、全円筒状部材で構成するほか、断面半円筒状の2つの分割アウタカラーと、この2つの分割アウタカラーを結合する結合部材とから構成することができる。この構成によれば、円筒状アウタカラーの内周面を圧入ジョイントに軸方向から通す必要がないので組立が容易である。
【0015】
FRP円筒の両端部外周には、セレーション部の圧入に対する耐性及び強度を高めるために周方向の繊維成分を含む補強FRP層を円筒状に設けることが好ましい。
【0016】
本発明のFRP製駆動シャフトは、FRP円筒の構成、樹脂(例えば熱可塑性樹脂)、繊維を問わずに適用可能であるが、特に炭素強化繊維を熱硬化性樹脂シート中に含浸させてなる複数のプリプレグを筒状に巻回して熱硬化させた複数のCFRP層からなるCFRP円筒に適用したとき、CFRP層の層間剥離を防いで高強度のFRP製駆動シャフトを得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のFRP製駆動シャフトは、端部ジョイントを、FRP円筒内に圧入されるセレーション部を有する圧入ジョイントと、FRP円筒の外周に固定される円筒状アウタカラーとから構成し、この圧入ジョイントと円筒状アウタカラーとに、互いに係合して回転を伝達する非円形係合部をそれぞれ形成したから、端部ジョイントとFRP円筒との間でトルクが伝達されるとき、FRP円筒の内外に同時にトルクが加わる。このため、FRP円筒に加わる内外の荷重差(トルク差)に起因する破損が生じにくい。特にFRP円筒が複数のプリプレグを筒状に巻回して熱硬化させた複数のFRP層からなる場合には、複数のFRP層に大きな剥離荷重が加わることがないため、剥離破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係るFRP製駆動シャフトの分解状態を示す斜視図である。
【図2】同部分断面である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るFRP製駆動シャフトの組立状態を示す斜視図である。
【図4】同部分断面図である。
【図5】圧入ジョイントと円筒状アウタカラーの非円形係合部を示す図4のV-V線に沿う断面図である。
【図6】円筒状アウタカラーの変形例の部分断面図であり、(A)は分解状態を示す図、(B)は組立状態を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るFRP製駆動シャフトのFRP円筒と端部ジョイントの結合部を示す部分断面図である。
【図8】圧入ジョイントと円筒状アウタカラーの非円形係合部を示す図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【図9】図6の第1の変形例を示す部分断面図である。
【図10】図6の第2の変形例を示す部分断面図である。
【図11】図6の第3の変形例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
図1ないし図5は、本発明の実施の形態1に係るFRP製駆動シャフト100の構成を示している。FRP製駆動シャフト100は、FRP円筒10の両端部に、金属製の端部ジョイント20を結合してなる。本実施形態では、2つの端部ジョイント20は同一の構成を有しているため同一の符号を付して説明する。
【0020】
FRP円筒10は、炭素強化繊維を熱硬化性樹脂シート中に含浸させてなる複数のプリプレグを筒状に巻回して熱硬化させた複数のCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチックス)層からなる。
【0021】
端部ジョイント20は、FRP円筒10の内周面11内に圧入されるセレーション部31を有する圧入ジョイント30と、FRP円筒10の外周面12に接着固定される円筒状アウタカラー40とを有している。FRP円筒10の両端部には、セレーション部31の圧入に対する耐性及び強度を高めるために周方向の繊維成分を含む補強FRP層13が円筒状に形成されている。
【0022】
圧入ジョイント30は、セレーション部31の径が最大径の棒状圧入ジョイントからなり、セレーション部31に続けて非円形断面軸部(小判状断面軸部)32が形成されており、セレーション部31と反対側の端部に回転伝達部(接続セレーション部)33が形成されている。
【0023】
円筒状アウタカラー40は、FRP円筒10の外周面12に接着固定される筒状部41と、この筒状部41の端部に位置する端面部42とを有し、この端面部42に、FRP円筒10の外径内に収まる大きさの非円形係合穴(小判状穴)43が形成されている。
【0024】
図5に示すように、圧入ジョイント30の非円形断面軸部32と円筒状アウタカラー40の非円形係合穴43は、互いに係合して回転を伝達する非円形係合部を構成する。
【0025】
以上の構成のFRP製駆動シャフト100は、FRP円筒10の内周面11に圧入ジョイント30のセレーション部31を圧入した後、円筒状アウタカラー40をFRP円筒10の外周面12に嵌めて接着固定し、同時に圧入ジョイント30の非円形断面軸部32に円筒状アウタカラー40の非円形係合穴43を嵌めることで組み立てられる(図1ないし図4)。図4に示すシャフト組立状態では、FRP円筒10の外側に位置する円筒状アウタカラー40の筒状部41の軸方向長Dは、FRP円筒10の内側に位置するセレーション部31の有効セレーション長dと略同一である。有効セレーション長とは、セレーション部31のうち先端のテーパ部を除くFRP円筒10の内周面11と噛み合う部分の軸方向長を意味する。
【0026】
本FRP製駆動シャフト100を車両のプロペラシャフトとして用いる態様では、圧入ジョイント30の両端部の回転伝達部33がエンジン回転部とディフェレンシャルギヤ(図示せず)にそれぞれ接続され、FRP製駆動シャフト100に回転トルクが加わると、端部ジョイント20とFRP円筒10の間で回転トルクが伝達される。
【0027】
本実施形態では、FRP円筒10の内周面11に圧入ジョイント30のセレーション部31が圧入され、FRP円筒10の外周面12に円筒状アウタカラー40が接着固定され、圧入ジョイント30の非円形断面軸部32と円筒状アウタカラー40の非円形係合穴43が互いに係合して回転を伝達する非円形係合部を構成するので、FRP円筒10と端部ジョイント20の結合強度を高めることができ、高い伝達トルクを得ることができる。また、FRP円筒10の内外に同時に回転トルクが加わるため、FRP円筒10に加わる内外の荷重差(トルク差)に起因する破損が生じにくい。特にFRP円筒10が複数のプリプレグを筒状に巻回して熱硬化させた複数のFRP層からなる場合には、複数のFRP層に大きな剥離荷重が加わることがないため、剥離破損を防止することができる。
【0028】
図6は、円筒状アウタカラー40を断面半円筒状の2つの分割アウタカラー44、45と、この2つの分割アウタカラー44、45を結合するリング部材(結合部材)46、47とから構成した変形例を示している。すなわち、FRP円筒10の内周面11に圧入ジョイント30のセレーション部31を圧入した後、FRP円筒10の外周面12に、分割アウタカラー44、45を径方向から包み込むようにして突き合わせ、分割アウタカラー44の端部小径部44a、44bと分割アウタカラー45の端部小径部45a、45bにそれぞれ、予めFRP円筒10の外周に嵌めておいたリング部材(結合部材)46、47を嵌合する。分割アウタカラー44、45はさらに接着または溶接してもよい。以上により、分割アウタカラー44、45とリング部材46、47が組立てられて円筒状アウタカラー40が完成する。この構成によれば、円筒状アウタカラー40の内周面を圧入ジョイント30に軸方向から通す必要がないので組立が容易である。
【0029】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係るFRP製駆動シャフト200のFRP円筒10と端部ジョイント20’の結合部を示す断面図である。実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0030】
本実施形態の圧入ジョイント50は、FRP円筒10の内周面11内に圧入されるセレーション部51と、このセレーション部51に続けて該セレーション部51より大径の大径フランジ部52を有している。また、圧入ジョイント50には、セレーション部51と大径フランジ部52の間に介在させて、非円形断面軸部(小判状断面軸部)53が形成されている。図7に示すように、圧入ジョイント50は、セレーション部51を有するセレーション軸部材と、このセレーション軸部材に結合される大径フランジ部52を有する大径フランジ部材の二部材から構成されている。尚、圧入ジョイント50は、セレーション部51と大径フランジ部52を一体に有する一部材から構成することもできる。
【0031】
円筒状アウタカラー60は、FRP円筒10の外周面12に固定される筒状部61と、この筒状部61の端部に位置する端面部62とを有し、この端面部62に、非円形係合穴(小判状穴)63が形成されている。端面部62は、FRP円筒10より大径に形成されており、非円形係合穴63は、FRP円筒10の外径からはみ出す大きさに形成されている。
【0032】
これにより、図8に示すように、圧入ジョイント50にセレーション部51より大径の大径フランジ部52を設けた本実施形態においても、圧入ジョイント50の非円形断面軸部53と円筒状アウタカラー60の非円形係合穴63を、互いに係合して回転を伝達する非円形係合部として構成することができる。
【0033】
以上の構成のFRP製駆動シャフト200は、FRP円筒10の外周面12に円筒状アウタカラー60を嵌めて接着固定した後、圧入ジョイント50のセレーション部51をFRP円筒10の内周面11に圧入し、同時に圧入ジョイント50の非円形断面軸部53を円筒状アウタカラーの非円形係合穴63に嵌めることにより組み立てられる。図7に示すシャフト組立状態では、FRP円筒10の外側に位置する円筒状アウタカラー60の筒状部61の軸方向長Dは、FRP円筒10の内側に位置するセレーション部51の有効セレーション長dと略同一である。本FRP製駆動シャフト200を車両のプロペラシャフトとして用いる態様では、両端の大径フランジ部52がエンジン回転部とディフェレンシャルギヤにそれぞれ接続される。
【0034】
図9に示すように、FRP円筒10の外側に位置する円筒状アウタカラー60の筒状部61の軸方向長Dを、FRP円筒10の内側に位置するセレーション部51の有効セレーション長dよりも長くしてもよい。この態様では、図10に示すように、円筒状アウタカラー60の筒状部61を、内側にセレーション部51が存在しない部分において、FRP円筒10と径方向の貫通リベット(ブラインドリベット)70で結合するとより高い強度が得られる。
【0035】
さらには、図11に示すように、円筒状アウタカラー60の筒状部を、端面部62に向かって肉厚になるようなテーパ形状の筒状部61’とすることも可能である(コーン状アウタカラー)。
【0036】
以上の実施形態では、圧入ジョイントと円筒状アウタカラーの非円形係合部を小判形状(一対の平行平面部を有する穴部と軸部)とした場合を例示して説明したが、回転(トルク)を伝達可能であれば、多角形状などのあらゆる形状とすることができる。
【0037】
以上の実施形態では、FRP円筒をプリプレグ法で作成した多層円筒としており、多層円筒の場合に層間剥離を防止するという効果が得られる。しかし、本発明は、FRP円筒の構成及び製法は問わずに適用することができる。例えば、フィラメントワインディング法などで製造したあらゆる構成のFRP円筒を適用可能である。
【符号の説明】
【0038】
100 FRP製駆動シャフト
10 FRP円筒
11 円筒内周面
12 円筒外周面
13 補強FRP層
20 端部ジョイント
30 圧入ジョイント
31 セレーション部
32 非円形断面軸部(小判状断面軸部)
33 回転伝達部(接続セレーション部)
40 円筒状アウタカラー
41 筒状部
42 端面部
43 非円形係合穴(小判状穴)
44 45 分割アウタカラー
46 47 リング部材(結合部材)
45a 45b 46a 46b 端部小径部
200 FRP製駆動シャフト
20’ 端部ジョイント
50 圧入ジョイント
51 セレーション部
52 大径フランジ部
53 非円形断面軸部(小判状断面軸部)
60 円筒状アウタカラー
61 筒状部
61’ テーパ状筒状部
62 端面部
63 非円形係合穴(小判状穴)
70 貫通リベット(ブラインドリベット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FRP円筒の両端部に、金属製の端部ジョイントを結合してなるFRP製駆動シャフトにおいて、
上記端部ジョイントを、FRP円筒内に圧入されるセレーション部を有する圧入ジョイントと、FRP円筒の外周に固定される円筒状アウタカラーとから構成し、この圧入ジョイントと円筒状アウタカラーとに、互いに係合して回転を伝達する非円形係合部をそれぞれ形成したことを特徴とするFRP製駆動シャフト。
【請求項2】
請求項1記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記非円形係合部は、小判状穴と小判状断面軸部からなるFRP製駆動シャフト。
【請求項3】
請求項1または2記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記圧入ジョイントはセレーション部の径が最大径の棒状圧入ジョイントからなり、円筒状アウタカラーは、FRP円筒の外周面に固定される筒状部と、この筒状部の端部に位置する端面部とを有していて、この端面部にFRP円筒の外径内に収まる大きさの非円形係合穴が形成されており、上記圧入ジョイントには、セレーション部に続けて、上記円筒状アウタカラーの非円形係合穴に係合する非円形断面軸部が形成されているFRP製駆動シャフト。
【請求項4】
請求項1または2記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記圧入ジョイントは、セレーション部に続けて該セレーション部より大径のフランジ部を有し、円筒状アウタカラーは、FRP円筒より大径の端面部を備えていて、この端面部に、FRP円筒の外径からはみ出す大きさの非円形係合穴が形成されており、上記圧入ジョイントには、上記セレーション部と大径フランジ部の間に介在させて、この非円形係合穴に係合する非円形断面軸部が形成されているFRP製駆動シャフト。
【請求項5】
請求項4記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記圧入ジョイントは、セレーション部と大径フランジ部を一体に有する一部材からなるFRP製駆動シャフト。
【請求項6】
請求項4記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記圧入ジョイントは、セレーション部を有するセレーション軸部材と、このセレーション軸部材に結合される大径フランジ部材とからなるFRP製駆動シャフト。
【請求項7】
請求項3ないし6のいずれか1項記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記FRP円筒の外側に位置する上記円筒状アウタカラーの筒状部の軸方向長は、上記FRP円筒の内側に位置する上記セレーション部の有効セレーション長と略同一であるFRP製駆動シャフト。
【請求項8】
請求項3ないし6のいずれか1項記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記FRP円筒の外側に位置する上記円筒状アウタカラーの筒状部の軸方向長は、上記FRP円筒の内側に位置する上記セレーション部の有効セレーション長よりも長いFRP製駆動シャフト。
【請求項9】
請求項8記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記円筒状アウタカラーの筒状部は、内側にセレーション部が存在しない部分において、上記FRP円筒と径方向の貫通リベットで結合されているFRP製駆動シャフト。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記円筒状アウタカラーは、断面半円筒状の2つの分割アウタカラーと、この2つの分割アウタカラーを結合する結合部材とからなるFRP製駆動シャフト。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記FRP円筒の両端部外周には、周方向の繊維成分を含む補強FRP層が円筒状に形成されているFRP製駆動シャフト。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項記載のFRP製駆動シャフトにおいて、
上記FRP円筒は、炭素強化繊維を熱硬化性樹脂シート中に含浸させてなる複数のプリプレグを筒状に巻回して熱硬化させた複数のCFRP層からなるFRP製駆動シャフト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−52719(P2011−52719A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199988(P2009−199988)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000005175)藤倉ゴム工業株式会社 (120)
【Fターム(参考)】