説明

GABAレセプタークロライドイオノフォアの潜在的アロステリック調節特性を有するアンドロスタンステロイドおよびプレグナンステロイド

本発明は、構造1、2、および3の化合物、ならびに、ストレス、不安、気分障害、てんかん発作、鬱状態の緩和、薬物およびアルコール依存症、記憶障害、月経前緊張症候群、および神経系の損傷の治療のための、GABAレセプタークロライドイオノフォア複合体のアロステリックモジュレーターとしてのこれらの化合物の使用を記述する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンドロスタンステロイド化合物およびプレグナンステロイド化合物、ならびに、ストレス、不安、気分障害、てんかん発作、鬱状態の緩和、薬物およびアルコール依存症、記憶障害、月経前緊張症候群、および神経系の損傷の治療のための、GABAレセプタークロライドイオノフォア複合体のアロステリックモジュレーターとしてのこれらの化合物の使用を記述する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、アンドロスタンおよびプレグナンステロイド類の内因性代謝産物に関連する方法および化合物を包含する。アロプレグナノロン(3α-ヒドロキシ-5α-プレグナン-20-オン)およびA環が還元されたプロゲステロンの代謝産物を含む特定の内因性ステロイド類は、潜在的、立体選択的な、GABA受容体の陽性アロステリックモジュレーターである(BelelliおよびLambert、2005)。これらの神経ステロイドは、GABA受容体の活性を増強する他の薬剤と同様に、抗不安作用、催眠鎮静作用、抗痙攣作用、および一般的な麻酔作用を有する。アロプレグナノロンおよびA環が還元された神経ステロイド類は、一般に、核ホルモン受容体によって介される古典的なホルモン活性を有さない。これらのGABA受容体調節活性を考慮すると、天然の神経ステロイドは、潜在的に治療に用いることができるはずである(Gasiorら、1999)。しかし、これらは、薬剤物質として理想的な特性を有していない。天然の神経ステロイドは、代謝によってホルモン性活性物質に変換され(Rupprecht, 2003)得るため、生分解性に乏しいためである。したがって、改良された薬物動態学的および薬力学的特性を有する合成類縁体に対する満たされていない要求が存在する。3-位を構造的に修飾すると、二級の3-ヒドロキシル置換基の代謝が阻害されるが、GABA受容体調節活性の維持が可能である(Hogenkampら、1997)。このような類縁体の1つとして、ガナキソロン(アロプレグナノロンの3β-メチル誘導体)が、てんかんに対して現在臨床開発段階にある(Monaghanら、1999; Rogawski, 2006)。
【0003】
アロプレグナノロンの17-位をさまざまな官能基で置換すると、GABA受容体調節活性は維持される。例えば、天然に存在する神経ステロイドである、アロテトラヒドロデオキシコルチコステロン(5α,3α-THDOC)、アンドロステンジオール、および、17-位にO-CCH2OH基、アルコール基、およびケト基を有するアンドロステロンは、GABA受容体調節活性を、プロトタイプであるアロプレグナノロンであって17-位にアセチル置換基を有する化合物と同様に有する。加えて、合成17β-カルボニトリル類縁体は、GABA受容体調節活性を有し、アロプレグナノロンと同等の有効性を有する(Wittmerら、1996)。
【0004】
興味深いことに、天然の(16-17不飽和の)フェロモンである3α-アンドロステノールは、17-位の置換基を有さないが、有効性は低減するものの、なおGABA受容体調節活性を維持している(Kaminski et al., 2006)。総合すると、これらのデータは、さまざまな疾患状態を治療するための、神経ステロイド骨格に基づくGABA受容体モジュレーターの重要な役割を示唆している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Wittmerら、Mol. Pharmacol. 50, 1581-1586, 1996
【非特許文献2】Kaminskiら、J. Pharmacol. Exp. Ther. 317:694-703, 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、アロステリックなGABA活性を有する新規なプレグナンおよびアンドロスタンステロイドを提供することである。
本発明のさらなる目的は、ヒトまたは動物における、痙攣、てんかん、鬱病、薬物およびアルコール依存症、不安、記憶障害、ならびに神経系損傷の治療のための、これらの新規な化合物の使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のこれらの目的およびその他の目的のいずれか、あるいは両方が、下記式1、式2、または式3を有するステロイド誘導体の発見によって達成された。
【化1】

【0008】
添付の図との関連を考慮して、以下の詳細な説明を参照することによって、本発明および本発明に伴う利点がより理解されるであろう。これにより、より完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】図1Aは、A-2aを、抗不安効果の高架式ゼロ迷路試験により評価した際に得られた結果を示すグラフである。迷路のオープンアームで過ごした時間が、A-2aの治療用量によって有意に増強された。
【図1B】図1Bは、A-2aを、抗不安効果の高架式ゼロ迷路試験により評価した際に得られた結果を示すグラフである。迷路のオープンアームへの進入回数が、A-2aの治療用量によって有意に増強された。
【図2】図2は、A-2a、A-2b、およびB-5による、ペンチレンテトラゾール(PTZ)誘導痙攣からの保護の割合を示すグラフである。これらの化合物は、5〜13 nMのEC50範囲の潜在的抗痙攣活性を示した。
【図3】図3は、A-2aの、2つの異なる痙攣モデルにおける試験を示すグラフであり、この合成神経ステロイドが、マウスにおいて化学的に誘導された痙攣(PTZ)および電気的に誘導された痙攣(6 Hz)の両者を軽減する能力を実証している。
【図4】図4は、A1〜A2を合成するための合成スキームを示す。
【図5】図5は、B1〜B7を合成するための合成スキームを示す。
【図6】図6は、C1〜C8を合成するための合成スキームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、アロステリックなGABA活性に関連することが既に見出されたプレグナンステロイドおよびアンドロスタンステロイドの構造的特徴から発展したものである。したがって、本発明は、改良された薬理学的および薬物動態的特性を有するさらなる類縁体がそこからさらに得られる可能性がある一連の化合物を提供する。従来技術には、ステロイドの3α-オール類における17β-アセチル置換基のGABA活性に対する有用性が記載されている。本研究では、われわれは、17β-ニトロ基または17β-チオアルキル基が、17β-アセチルに対する生物学的な等価基として働き、かつ、アンドロスタンおよびプレグナンステロイド系の3α-OH-5αHと組み合わされた場合に、[3H]-フルニトラゼパムアッセイにおいて、GABA活性に対して、完全アゴニスト活性およびアロプレグナノロンとの同等性が観察されることを明らかにする。これらの誘導体は、GABAに対する[35S]TBPSアッセイにおいて、アロプレグナノロンと同等でもある。
【0011】
11β-位を芳香族基で置換することによる、GABAのアロステリック効力に対する影響は、3α-OH, 5α-Hを有するアンドロスタンおよびプレグナンステロイドについては、これまで調べられていなかった。本研究では、われわれは、1つおきに置換された芳香族基で11β-位を置換すると、アロプレグナノロンと比較して、GABAのアロステリック効力が増強されたアンドロスタンおよびプレグナンステロイドが得られることを、GABAに対する[35S]TPBSアッセイおよび[3H]-フルニトラゼパムアッセイの両方で実証する。
【0012】
本出願に開示する新規な構造的特徴には、17β-ニトロ基、17β-チオメチル基、および11β-(4-ジメチルアミノフェニル)基が含まれる。これらの官能基は、以前の発明の17β-アセチルおよび11β-H化合物と比較して、さまざまな溶解性、代謝、および薬物動態学的特性を有するであろう。これらは、配合または投与を助ける可能性がある。加えて、このような化合物が、痙攣、てんかん、鬱病、薬物およびアルコール依存症、不安、記憶障害、神経系損傷、ならびに他の潜在的な治療の分野における用途に有用である。
【0013】
【化2】

【0014】
本発明のステロイド誘導体は、上述した構造式1、式2、および式3からなる誘導体である。
【0015】
本発明の範囲内において、用語ヘテロ原子は、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、またはホウ素を意味する。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味し、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。アラルキル、アラルケニル、またはアラルキニルは、アリル置換基を有する置換分を運ぶC1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、またはC2-C4アルキニル基を意味する。ヘテロアリールは、互いに縮合または連結していてもよい1つ以上の環状構造を構成する5個〜12個の水素ではない原子からなる単位であって、1個〜5個のヘテロ原子を含み、一般に当業者に芳香族性の電子的特性を有すると考えられている単位である。
【0016】
ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、またはヘテロアラルキニルは、ヘテロアリール置換基を有する、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、またはC2-C4アルキニル基を意味する。
【0017】
「場合により置換された」は、置換されていないか、ヘテロ原子、および/またはハロゲン、および/または1個〜4個の炭素原子のアルキル基、および/または2個〜4個の炭素原子のアルケニルおよび/またはアルキニル基、および/または3個〜7個の炭素原子のシクロアルキル基、および/または6個〜12個の炭素原子のアリールおよび/またはヘテロアリール基であって、そのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基がさらに1個以上のヘテロ原子および/またはハロゲンで置換されていてもよい基で1個以上置換されていることを意味する。置換は、環状アミンヘテロ環のCH2基に直接存在していてもよい。その価数が許容される場合、ヘテロ原子は、その炭素鎖内に置換されていてもよく、あるいは炭素鎖に単結合または二重結合による結合によって置換されていてもよい。例えば、-CH2CH2C(=O)H、-CH2(C=O)CH3、-CH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2OH、CH3CH2CH2O-、-CH2CH2C(=O)NH2、CH3CH2C(=O)NH-、-CH2CH2COOCH3、CH3CH2COO-、およびCF3CC-はいずれも、この定義に当てはまる。
【0018】
価数および立体的な考慮が許容される全ての場合において、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびシクロアルキル基は、さらなる二重結合または三重結合、および/または分岐鎖を有していてもよい。
【0019】
本発明の1つの実施態様では、構造式1に現れるR基は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4アルケニル、またはヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;
【0020】
は、OH、またはOR14であり、
式中、R14は、HCO-もしくは(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-(但し、R、R、R、R、R、R、R、およびR10= Hであり、R= CH3であり、かつ、二重結合が存在しない場合には、R14はCH3-CO-ではない)、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、または ヘテロ環-CO-であり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-X-CO-、C2-18アルケニル-X-CO-、C2-18アルキニル-X-CO-、C6-10アリール-X-CO-、またはヘテロ環-X-CO-〔式中、Xは、OまたはNR11であり、式中、R11は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環である〕であり;あるいは、R14トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、またはC2-4アルキニルであり;あるいはR14は、HO-SO2-またはその塩であり;
あるいは、Rは、NR15R16であり、
式中、R15は、H、OH、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、ヘテロ環であり、あるいは、R15は、OR17であり、式中、R17は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環、C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;かつ、
式中、R16は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり、あるいは、R16は、H-CO-または(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO、C3-6シクロアルキル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;
【0021】
は、H、ハロゲン、シアノ、アジドまたは(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
【0022】
は、H、または(場合により置換されていてもよい)Meであり;
【0023】
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、OR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり、またはRは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、またはC2-4アルケニルであり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中R16は、先に定義したとおりであり、かつ、n = 0、1、または2である)であり;
【0024】
は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
【0025】
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、またはOR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-18アルキニル、C2-18アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、Rは、COOR18〔式中、R18は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環である〕であり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、n = 0、1、または2である)であり;
【0026】
は、H、シアノ、アジド、ハロゲン、チオシアノ、OH、またはOR16(式中、R16は、上述したとおりである)であり、またはRは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4-アルケニル、ヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;かつ、
【0027】
10は、H、ケト、ハロゲン、シアノ、チオシアノ、アジド、または NR15R16(式中、R15およびR16は、上述したとおりである)であり;あるいは、R10は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、R10は、OR16であり、式中、R16は、上述したとおりであるか、またはR16トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R16は、=CH2または=CHR19〔式中、R19は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、またはC6-10アリールである〕であり;あるいは、R10は、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、かつ、n = 0、1、または2である)であり;
本発明は、構造式1の化合物、およびその立体異性体、ならびに医薬品として許容可能なその組成物に関する。
【0028】
本発明の別の実施態様では、構造式2に現れるR基は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環、2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4アルケニル、またはヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;
この場合において、mは0、1、または2であり;
【0029】
は、OH、またはOR14であり、式中、R14は、HCO-もしくは(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-(但し、R、R、R、R、R、R、R、およびR10= Hであり、R= CH3であり、かつ、二重結合が存在しない場合には、R14はCH3-CO-ではない)、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-X-CO-、C2-18アルケニル-X-CO-、C2-18アルキニル-X-CO-、アリール-X-CO-、またはヘテロ環-X-CO-(式中、Xは、OまたはNHである)であり;あるいは、R14トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、またはC2-4アルキニルであり;あるいはR14は、HO-SO2-またはその塩であり;
あるいは、Rは、NR15R16であり、
式中、R15は、H、OH、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、ヘテロ環であり、あるいは、R15は、OR17であり、式中、R17は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環、C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;かつ、
式中、R16は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり、あるいは、R16は、H-CO-または(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO、C3-6シクロアルキル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;あるいは、R16は、C1-18アルキル-X-CO-、C2-18アルケニル-X-CO-、C2-18アルキニル-X-CO、アリール-X-CO、またはヘテロ環-X-CO-(式中、Xは、OまたはNHである)であり;
この場合において、mは0、1、または2であり;
【0030】
は、H、ハロゲン、シアノ、アジドまたは(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;この場合において、mは0、1、または2であり;
【0031】
は、H、または(場合により置換されていてもよい)Meであり;この場合において、mは0、1、または2であり;
【0032】
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、OR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり、またはRは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、またはC2-4アルケニルであり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中R16は、先に定義したとおりであり、かつ、n = 0、1、または2である)であり;この場合において、mは0、1、または2であり;
【0033】
は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;この場合において、mは0、1、または2であり;
【0034】
は、H、シアノ、または(場合により置換されていてもよい)C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;この場合において、mは0、1、または2であり;
【0035】
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、またはOR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-18アルキニル、C2-18アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、Rは、COOR18〔式中、R18は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環である〕であり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、n = 0、1、または2である)であり;この場合において、mは0、1、または2であり;
【0036】
は、H、シアノ、アジド、ハロゲン、チオシアノ、OH、またはOR16(式中、R16は、上述したとおりである)であり、あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4-アルケニル、ヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;この場合において、mは0、1、または2であり;かつ、
【0037】
10は、H、ケト、ハロゲン、シアノ、チオシアノ、アジド、または NR15R16(式中、R15およびR16は、上述したとおりである)であり;あるいは、R10は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、R10は、OR16であり、式中、R16は、上述したとおりであるか、またはR16トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R16は、=CH2または=CHR19〔式中、R19は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、またはC6-10アリールである〕であり;あるいは、R10は、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、かつ、n = 0、1、または2である)であり;この場合において、mは0、1、または2であり;
本発明は、構造式2の化合物、およびその立体異性体、ならびに医薬品として許容可能なその組成物に関する。
【0038】
本発明の別の実施態様では、構造式3に現れるR基は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環、2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4アルケニル、またはヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;
【0039】
は、OH、またはOR14であり、式中、R14は、HCO-もしくは(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-(但し、R、R、R、R、R、R、R、およびR10= Hであり、R= CH3であり、かつ、二重結合が存在しない場合には、R14はCH3-CO-ではない)、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、または ヘテロ環-CO-であり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-X-CO-、C2-18アルケニル-X-CO-、C2-18アルキニル-X-CO-、C6-10アリール-X-CO-、またはヘテロ環-X-CO-であり;あるいは、R14トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、またはC2-4アルキニルであり;あるいはR14は、HO-SO2-またはその塩であり;
あるいは、Rは、NR15R16であり、
式中、R15は、H、OH、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、ヘテロ環であり、
あるいは、R15は、OR17であり、式中、R17は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環、C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;かつ、
式中、R16は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり、あるいは、R16は、H-CO-または(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO、C3-6シクロアルキル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;
【0040】
上記式中、Xは、OまたはNR100であり、式中、R100は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、
Xは、NOR110であり、式中、R110は、H、またはC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、またはヘテロアリールであり、これらの基は場合により置換されていてもよく;あるいは、
Xは、(H, H)、(H, OH)、(H, OSi(C1-6アルキル)3)、または(H, OCOR111)であり、式中、R111は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、またはヘテロアラルキニルであり、これらの基は場合により置換されていてもよく;あるいは、
Xは、下記式で表され:
【化3】

〔式中、Yは、-(CH2)m-であり、式中、mは、0〜3の整数であり、あるいは、Yは、-(CH2)n-Z-(CH2)p-であり、式中、nは、0〜2の整数であり、pは、0〜2の整数であり、Zは、(場合により置換されていてもよい)ヘテロ原子であるか、あるいは、Zは、1個または2個のC1-6アルキル基で置換された炭素原子である〕;
【0041】
は、H、ハロゲン、シアノ、アジドまたは(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
【0042】
は、H、または(場合により置換されていてもよい)Meであり;
【0043】
は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
【0044】
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、またはOR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-18アルキニル、C2-18アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、Rは、COOR18〔式中、R18は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環である〕であり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、n = 0、1、または2である)であり;
【0045】
は、H、シアノ、アジド、ハロゲン、チオシアノ、OH、またはOR16(式中、R16は、上述したとおりである)であり、またはRは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4-アルケニル、ヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;
【0046】
11は、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、C2-18アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、またはヘテロアラルキニルであり、これらは任意に置換されていてよく;
あるいは、R11は、下記式で表され;
【化4】

【0047】
式中、R50およびR60は、それぞれ独立に、H、ハロゲン;(R70R80N(O)r)-であり、式中、rは、0または1であり、
70およびR80は、それぞれ独立に、H、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、またはC2-6アルキニル(これらは任意に置換されていてよい);下記構造式II:
【化5】

〔式中、qは、0または1であり、Yは、-(CH2)m-(式中、mは、0〜5の整数である)であり、あるいは、Yは、-(CH2)n-Z-(CH2)p-(式中、nは、0〜2の整数であり、pは、0〜2の整数であり、Zは、場合により置換されていてもよいヘテロ原子であり、かつ、CH2基は、場合により置換されていてもよい);N-イミダゾリル;-N-ピロリル-;HO-;CF3SO2O-;C1-6アルキル-O-;C1-6パーフルオロアルキル-O-;C1-6アルキル-S-;C1-6アルキル-CH(OH)-;NC-;HCC-;C6H5CC-;2’-フリル;3’-フリル;2’-チオフェニル;3’-チオフェニル;2’-ピリジル;3’-ピリジル;4’-ピリジル;2’-チアゾリル;2’-N-メチルイミダゾリル;5’-ピリミジニル;C6H5-;H2C=CH-;C1-6アルキル;MeC(=CH2)-;C1-6アルキル-CO;HCO;C1-6アルキル;C=NOR120またはHC=NOR120(式中、R120は、H、またはC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12 アリール、またはヘテロアリールであり、これらは任意に置換されていてもよい)〕であり;
あるいは、R50およびR60は、組み合わされて以下の環:
【化6】

(式中、Wは、CH2、CH、NH、N、O、またはSであり、かつ、R90は、HまたはC1-6アルキルである)を形成していてよく;
あるいは、R50およびR60は、組み合わされて以下の環:
【化7】

(式中、AおよびBは、それぞれ独立に、H、F、またはC1-6alkylであり、あるいはAおよびBは、組み合わされて=Oを形成する)を形成していてよく;
あるいは、R50およびR60は、組み合わされて以下の環:
【化8】

(式中、CH2基は、それぞれ独立に、任意に置換されていてもよい)を形成していてよく;かつ、
13は、水素、チオ-C1-4-アルキル、チオ-C2-4-アルケニル、ニトロ、シアノ、C1-4アルコキシ、置換C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、アミノカルボニル、モノ-C1-4-アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-4-アルキルアミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、チオ、スルホンアミド、C2-4-アルキニルオキシ、場合により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ、場合により置換されていてもよいC6-10アリール-C1-4-アルキルオキシ、場合により置換されていてもよい、アセチル基の1,3-ジオキソラン-4-オン、場合により置換されていてもよい、アセチル基の1,3-ジオキサン-4-オン、場合により置換されていてもよい、アセチル基の1,3-オキサチオラン-5-オン、場合により置換されていてもよい、アセチル基の1,3-オキサチオアン-5-オン、-O-C(O)-NR’R”、-C(O)-CH2-J-G、
-C(O)-CH2-O-T、-C(O)-CH2-O-E、-C(O)-CH2-Q-G、-C(O)-CH2-J’-Q-G、または -C(O)-CH2-J’-Q-Lのうちの1つであり;
上記式中、R’およびR”は、独立に、水素、または場合により置換されていてもよいC1-4アルキルを表し、あるいは互いに一緒になってこれらが結合している窒素と共に3〜6員のヘテロ環を形成し;
Jは、S、SO、またはSO2のうちの1つであり;
J’は、O、S、SO、またはSO2のうちの1つであり;
Qは、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、またはC2-4アルキニルのうちの1つであり;
Gは、C-に結合したヘテロ-C5-10-アリール、場合により置換されていてもよいC6-10アリール、窒素含有ヘテロ-C5-10-アリール基の四級アンモニウム塩、またはアミノ置換C6-10アリール基の四級アンモニウム塩のうちの1つであり;
Tは、C-に結合したヘテロ-C5-10-アリール、または窒素含有ヘテロ-C5-10-アリール基の四級アンモニウム塩であり;
Eは、場合により置換されていてもよいC6-10アリール、またはアミノ置換 C6-10 アリール基の四級アンモニウム塩であり;
Lは、アミノ、アミド、シアノ、チオシアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシル、C1-4アルコキシ、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルカノイルオキシ、水素、スルフェート、チオスルフェート、スルホネート、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、またはメルカプトのうちの1つである。
【0048】
[本化合物を包含する特定の非限定的な例]
17β-ニトロ-5α-アンドロスタン-3α-オール; 3α-ヒドロキシ-3β-メチル-17β-ニトロ-5α-アンドロスタン; 3α-ヒドロキシ-17β-チオメチル-5α-アンドロスタン; 11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-17β-ニトロ-5αエストラン; 3βヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17-オキシム; 17β-ニトロ-5α-アンドロスタン-3β-オール; 17β-ニトロ-21-ノル-23-オキソ-17α-コラン-3α-オール; 5'-メチルスピロ-[アンドロスタン-17β, N-oxido-2'-ピロリジン]-3α-オール; 5'-メチルスピロ-[アンドロスタン-17β, 2'-ピロリジン)]-3α-オール; 1'-ホルミル-5'-メチルスピロ-[アンドロスタン-17β, 2'-ピロリジン]-3α-オール; 17β-ニトロ-5α-アンドロスタン-3α-オールベンゾイルエステル; 17βアミノ-5α-アンドロスタン-3α-オールベンゾイルエステル; 17β-(アセチルアミノ)-5α-アンドロスタン-3α-オールベンゾイルエステル; 17β-(アセチルアミノ)-5α-アンドロスタン-3α-オール; 17β-[(1-オキソプロピル)-アミノ]-5α-アンドロスタン-3α-オールベンゾイルエステル; 17β-[(1-オキソプロピル)-アミノ]-5α-アンドロスタン-3α-オール; 17β-(N-オキシド-2-プロパンイミン)-5α-アンドロスタン-3α-オール; 3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17-チオン; 3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-チオール; 3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホキシド(両方のジアステレオマー); 3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホン; 3α-ヒドロキシ-17-(2-フラニル)-5α-アンドロスト-16-エン; 3α-ヒドロキシ-17β-(2-フラニル)-5α-アンドロスタン; 11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-17β-ヒドロキシ-エストラン塩酸塩; 11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラ-17-オン塩酸塩; 11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラン-17-オキシム;11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラン-17-オキシム; 11β-[4-(N,N,N-ジメチル-N-(オキシ)アミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラン-17-オキシム; 3αアミノ-5α-アンドロスタン-17-オン; 3αアミノ-17β-ニトロ-5α-アンドロスタン塩酸塩; 3α-ジメチルアミノ-17β-ニトロ-5α-アンドロスタン塩酸塩 3α-N-ヘキシルアミノ-17β-ニトロ-5α-アンドロスタン塩酸塩; 3α-N(3-フェニルプロピル)-17β-ニトロ-5α-アンドロスタン塩酸塩; 3α-アセトアミド-5α-17β-ニトロ-アンドロスタン。
【0049】
アミノ基を有する本発明のこれらの化合物は、そのアミンと共に形成される塩を含んでいてもよい。医薬品として許容可能な適切な塩は、当業者に公知であり、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、およびハライドを含む。
【0050】
本発明の化合物は、さまざまな方法で投与することができる。経口経路で活性な本発明の生成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤(舌下錠および口腔錠を含む)、ソフトゼラチンカプセル(ソフトゼラチンカプセル内に用いられる溶液を含む)、水性または油性の懸濁液、エマルジョン、ピル、ロゼンジ、トローチ、錠剤、シロップ、またはエリキシル剤などで投与することができる。非経口投与で活性な本発明の生成物は、蓄積注射、インプラント(Silastic TMおよび生分解性インプラントを含む)、皮膚パッチ、皮膚クリーム、または筋肉内注射および静脈内注射によって投与することができる。
【0051】
組成物は、医薬組成物の製造分野における当業者に知られている任意の方法によって調製することができ、このような組成物は、甘味剤、香味剤、着色剤、および保存料からなる群から選択される1以上の剤を含有することができる。活性成分と、毒性を有さず、医薬品として許容可能な、錠剤の製造に適する賦形剤とを混合して含有する錠剤は、許容可能である。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウムなど)、造粒剤または崩壊剤(例えば、スターチ、ゼラチン、またはアカシアなど);および潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルクなど)であってよい。錠剤は、コーティングされていなくても、消化管内での分解および吸収を遅延させ、それによってより長い期間にわたって持続した作用をもたらすために、公知の技術によってコーティングされていてもよい。例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートなどの時間遅延物質を、単独で、あるいはろう状物質と共に、用いることができる。
【0052】
経口用途のための製剤は、ハードゼラチンカプセルとして提供することもでき、この場合、活性剤は、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリン、と共に混合される。あるいは、ソフトゼラチンカプセルとして提供することもでき、この場合、活性剤は、水、または油性媒体、例えば、ピーナッツオイル、液状パラフィン、またはオリーブオイルなどと混合される。
【0053】
本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合された活性剤を含有する。このような賦形剤には、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドキシプロピルエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、およびアカシアガム、ならびに、分散剤もしくは湿潤剤、例えば、天然由来のリン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)との縮合生成物、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)との縮合生成物、またはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導された部分エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)との縮合生成物が含まれる。水性懸濁液は、1種以上の保存料(例えば、エチル-またはn-プロピル-p-ヒドロキシベンゾエート)または1種以上の着色剤、1種以上の香味剤(例えば、ショ糖、アスパルテーム、またはサッカリン)、を含有することもできる。眼科用製剤では、当分野で知られているように、浸透圧を調整する。
【0054】
油性懸濁液は、活性剤を、植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ごま油、もしくはココナッツ油など)、または鉱物油(例えば、液状パラフィンなど)など中に懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤(例えば、ミツロウ、固形パラフィン、またはセチルアルコールなど)を含有していてよい。甘味剤は、口当たりのよい経口剤を提供するために添加することができる。これらの組成物は、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸など)を添加することによって保存することができる。
【0055】
水を添加することによって水性懸濁液を調製するために好適な、本発明の分散可能な粉末および顆粒は、分散剤、懸濁化剤、および/または湿潤剤と混合された活性剤と、1種以上の保存料とから製剤化することができる。好適な分散剤、懸濁化剤、または湿潤剤は、上述したものによって例示される。追加的な賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、および着色剤が存在していてもよい。
【0056】
本発明の医薬品は、水中油型のエマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油(例えば、オリーブオイルまたはラッカセイ油など)、鉱物油(例えば、液状パラフィンなど)およびこれらの混合物であってよい。好適な乳化剤には、天然由来のガム(例えば、アカシアガムおよびトラガカントガムなど)、天然由来のリン脂質(例えば、大豆レシチンなど)、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されたエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエートなど)、およびこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなど)が含まれる。乳化剤は、甘味剤および香味剤を含有していてもよい。
【0057】
シロップおよびエリキシル剤は、甘味料(例えば、グリセロール、ソルビトール、またはスクロースなど)を用いて製剤化することができる。このような製剤は、鎮痛剤、保存料、香味剤、または着色剤を含有していてもよい。
【0058】
本発明の医薬組成物は、無菌の注射用製剤の形態(例えば、注射用滅菌水性懸濁液または注射用滅菌油性懸濁液など)にすることができる。この懸濁液は、上述した好適な分散剤または湿潤剤を用いて、当分野で知られた方法にしたがって製剤化することができる。無菌注射用製剤は、医薬品として許容可能な毒性を有さない希釈剤または溶媒中の無菌注射用溶液もしくは懸濁液(例えば、1,3-ブタンジオールの溶液など)であってよい。用いることができる許容可能なビヒクルまたは溶媒には、水、Ringer’s溶液、等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。加えて、滅菌した不揮発性油も、溶媒または懸濁媒体として通常採用することができる。この目的のために、任意のブランドの不揮発性油(合成モノ-もしくはジ-グリセリドを含む)を採用することができる。加えて、脂肪酸(例えば、オレイン酸など)を、注射用製剤の製造に同様に用いることができる。滅菌は、当業者にしられている従来の方法(例えば、無菌濾過または放射線照射など)によって行うことができる。
【0059】
水性製剤(例えば、水中油型エマルジョン、シロップ、エリキシル剤、および注射用製剤など)は、安定化に最も適するpHを達成するように製剤化することができる。最適pHの決定は、当業者に公知の従来の方法によって行うことができる。適切な緩衝剤を、製剤のpHを維持するために用いることもできる。
【0060】
本発明の化合物は、薬物の直腸投与のための座薬の形態で投与することもできる。これらの組成物は、通常の温度では固体であり、直腸温度では液状であり、したがって直腸内で溶解して薬剤を放出する、適切な非刺激性の賦形剤を、薬剤と混合することによって調製することができる。
【0061】
これらは、座薬、吸入、粉末、およびエアロゾル製剤を含み、経鼻、眼内、経膣、および直腸内の経路によって投与することができる。
【0062】
局所経路で投与されることが好ましい本発明の製品は、アプリケータースティック、溶液、懸濁液、エマルジョン、ゲル、クリーム、軟膏、ペースト、ゼリー、ペイント、パウダー、およびエアロゾルとして投与することができる。
【0063】
本発明による化合物は、任意の温血ほ乳類(例えば、ヒト、ペット動物、または家畜など)に投与することができる。ペット動物には、イヌ、ネコなどが含まれる。家畜には、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどが含まれる。
【0064】
担体物質と混合して1つの投与形態を形成する活性剤の量は、治療する疾患、保みゅ得動物種、および投与の具体的な方法に応じてさまざまである。治療に効果的な量を、定常的な実験によって決定することができ、かつ、類似のステロイド化合物を用いる同じ疾患状態の治療に用いる量から類推することができる。例えば、ステロイド類の単位用量は、活性剤0.1ミリグラム〜1グラムの活性剤含量であることが好ましい場合がある。より好ましい単位用量は、0.001〜0.5グラムである。しかし、任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、当業者に十分理解されているように、採用した化合物の活性;治療を受ける個人の年齢、体重、一般的健康状態、性別、および食事;投与の回数および経路;排泄速度;先に投与された他の薬剤;および治療下にある特定の疾患の重篤度を含むさまざまな要因に依存することを理解されたい。
【0065】
本発明の化合物は、図4、図5、および図6に示した手順にしたがって合成することができる。A-2a,bのタイプの化合物であって、R= HまたはCH3であるものは、Pachettらの方法(Patchett, A.A., Hoffman, F., Giarrusso, F.F., Schwam, H. and Arth, G.E., 1962, 「The Synthesis of 17β-Amino-17α-(2′-carboxyethyl)androstane Lactams」, J Org. Chem. 27, 3822)にしたがって、必須のオキシム(J. Med. Chem 2000, 3201-3204)A-1a,bから、ジオキサン水中のN-ブロモコハク酸イミド、次いで、水素化ホウ素ナトリウムを用いることによって合成することができる(図4参照)。
【0066】
B-1〜B-7のタイプの化合物は、3β-メチル-3α-トリフルオロアセトキシ-5α-アンドロスタン-17-オンを、Swannらの方法(Swann,D.A.; Turnbull,J.H.; TETRAB; Tetrahedron; EN; 24; 1968; 1441-1444)にしたがって、酢酸/トルエンスルホンサン中のベンジルチオールで処理し、次いで、メタノール中の水酸化ナトリウムでエステルを開裂させることによって合成することができる。得られたビスベンジルチオB-2を、液体アンモニア中のナトリウムを使用して開裂させてチオンB-3を得ることができる。チオンB-3の、17β-チオールB-4への還元は、トリtert-ブトキシ水素化アルミニウムリチウムによって達成することができる。B-4をヨウ化メチルで処理すると、B-5を与える選択的なアルキル化が達成される。その後、メタクロロ過安息香酸を用いて、ジクロロメタン中、0℃で酸化すると、ジアステレオマー性のスルホキシドB-6が得られ、これらを、シリカゲルクロマトグラフィーによって個々の異性体に分離する。メタクロロ過安息香酸を用いてさらに酸化すると、スルホンB-7が得られる(図5参照)。
【0067】
化合物C1〜C8は、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-17β-hydroxy-5α-エストロ-4-エン-3-オン(Cleve, Arwed; Scheidges, Cornelius; Neef, Guenter; Ottow, Eckhard; Elger Walter; Beier, Sybille.「Preparation of 11-β-aryl-4-estrenes as antiestagens and antiglucocorticoids」, EP 404283)から合成した。化合物C-1を、液体アンモニウム中のリチウム金属で処理してC-2を中程度の収率で得た。Cookおよびその共同研究者による方法(Cook, C. E., R. C. Corley and M. E. Wall (1968). Steroids. LXXIX.「Synthesis and reactions of oxiranes obtained from 3- and 17-keto steroids.」J. Org. Chem. 33(7): 2789-2793)にしたがって、C-2に、ヨウ化トリメチルスルホニウムを立体特異的に付加させると、エポキシドC-3が得られる。テトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウムを用いてC-3の環を開裂させると、C-4が高い収率で得られた。過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムを用いてC-4を酸化し、次いで、ピリジン中のヒドロキシルアミン塩酸塩で処理すると、オキシムC-6が中程度の収率で得られた。C-6のアニリン基を、ジクロロメタン中のメタクロロ過安息香酸を用いて、N-オキシドとして保護した。最後の酸化は、Pachettらの方法(Patchett, A.A., Hoffman, F., Giarrusso, F.F., Schwam, H. and Arth, G.E., 1962, 「The Synthesis of 17β-Amino-17α-(2′-carboxyethyl)androstane Lactams」, J Org. Chem. 27, 3822)にしたがって、N-ブロモコハク酸イミド、次いで、水素化ホウ素ナトリウムのジオキサン水を用いて実施した。水中の硫酸第二鉄を用いてN-オキシドを脱保護すると、目標分子であるC-8が中程度の収率で得られた(図6参照)。
【0068】
本発明を一般的に記述してきたが、さらなる理解は、本明細書に示した特定の具体例を参照することによって得られるであろう。これらの具体例は、説明のみを目的とするものであり、特に指定しない限り、本発明を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0069】
[合成方法]
特に言及しない限り、商業的な供給元から入手した試薬グレードの化学品および無水溶媒を、さらに精製することなく使用した。湿気および大気に敏感な反応および試薬の移し変えはいずれも、窒素またはアルゴン雰囲気下で行った。ハクソウクロマトグラフィー(TLC)は、EM Science社の予めコーティングされたシリカゲル60F-254プレートで行った。化合物は、通常、UV光(254 nm)またはp-アニスアルデヒドスプレーで可視化した。分取カラムクロマトグラフィーは、EM Science社のシリカゲル60Å(230-240メッシュ)を用いた。溶液は、ロータリーエバポレーターを用い、周囲温度にてウォーターアスピレーター圧下で濃縮した。融点は、Mel-Tmp IIで測定し、較正しなかった。特に指定しない限り、1H-NMRは、溶媒としてのCDCl3中、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて、Brucker Advance 300スペクトロメーター、300 MHzで得た。マススペクトルは、通常、Hewlett Packard 5989A装置で70 eVの電子衝撃によって得た。元素分析は、Atrantic Microlab Inc.社(アトランタ、GA)が実施した。
【0070】
[実施例1]:17β-ニトロ-5α-アンドロスタン-3α-オールの合成
3α-(t-ブチルジメチルシロキシ)-5α-アンドロスタン-17-オキシム;
ヒドロキシルアミン塩酸塩(2 g, 29 mmol)を、3α-(t-ブチルジメチルシロキシ)-5α-アンドロスタン-17-オン(約13 mmol)の無水ピリジン(200 mL)溶液に添加した。この溶液を、室温にて14時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られたオイルを、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製した(ヘキサン/EtOAc:7:3)。3α-(t-ブチルジメチルシロキシ)-5α-アンドロスタン-17-オキシム (4.85 g, 88%)を集め、光沢のある白色固体として単離した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.01, (s, 6 H), 0.76 (s, 3 H), 0.87 (s, 9 H), 0.88 (s, 3 H), 1.89-1.16 (m, 22 H), 2.55-2.46 (m, 2 H), 3.94 (s, 1 H).
【0071】
3α-(t-ブチルジメチルシロキシ)-17β-ニトロ-5α-アンドロスタン;
KHCO3(5.8 g, 57 mmol)のH2O(60 mL)中の溶液を、ジオキサン(50 mL)中のNBS(5.1 g, 29 mmol)に添加した。この懸濁液を、室温にて0.25時間撹拌し、ジオキサン(150 mL)中の3α-(t-ブチルジメチルシロキシ)-5α-アンドロスタン-17-オキシム (4.0 g, 9.5 mmol)を滴下によって添加した。急速に淡緑色になる。この反応液を室温にて10時間撹拌した。この溶液を0℃に冷却し、NaBH4 (2.66 g, 67 mmol)を少しずつに分けて添加した。大量のガスの発生が観察される。この反応液を一晩撹拌し、徐々に室温に加温した。反応液を、飽和NH4Cl水溶液(50 mL)でクエンチし、その最初の体積の4分の1に濃縮した。得られた懸濁液を、水(100 mL)とEtOAc (200 mL)との間で分配させ、相を分離した。次いで、水相をEtOAc (3 × 100 mL)で抽出し、有機相を合わせ、塩水(100 mL)で洗浄し、無水にし(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。得られたオイルを、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製した(ヘキサン/EtOAc:6:4)。固体生成物(3.36 g, 84%)を集め、さらに精製することなく使用した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.01 (s, 6 H), 0.72 (s, 3 H), 0.82 (s, 3 H) 0.88 (s, 9 H), 2.03-0.89 (m, 23 H), 2.67-2.41 (m, 1 H), 3.94 (br s, 1 H), 4.35 (dd, J = 9, 9 Hz, 1 H).
【0072】
17β-ニトロ-5α-アンドロスタン-3α-オール;
HCl水溶液(1 M, 20 mL)を、3α-(t-ブチルジメチルシロキシ)-17β-ニトロ-5α-アンドロスタン(2.89 g, 6.6 mmol)のメタノール(100 mL)中の懸濁液に添加し、室温にて一晩撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、EtOAc (100 mL)と塩水(50 mL)との間で分配させ、相を分離した。次いで、水相をEtOAc (2 × 50 mL)で抽出し、有機相を合わせ、飽和NaHCO3水溶液(50 mL)、塩水(50 mL)で洗浄し、無水にし(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。得られた半固体を、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製(ヘキサン/EtOAc:7:3)して、17β-ニトロ-5α-アンドロスタン-3α-オール(1.05g, 49%)を、淡黄色固体として得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.73 (s, 3 H), 0.79 (s, 3 H), 2.05-0.86 (m, 23 H), 2.70-2.52 (m, 1 H), 4.05 (br s, 1 H), 4.37 (dd, J = 9, 9 Hz, 1 H).
【0073】
[実施例2]:3α-ヒドロキシ-3β-メチル-17β-ニトロ-5α-アンドロスタンの合成
3α-ヒドロキシ-3β-メチル-17β-ニトロ-5α-アンドロスタン;
KHCO3(0.55 g, 5.46 mmol)のH2O(20 mL)中の溶液を、ジオキサン(40 mL)中のNBS(0.50 g, 2.73 mmol)に添加した。この懸濁液を、室温にて0.25時間撹拌し、3β-メチル-3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17-オキシム1 (0.29 g, 0.91 mmol)のジオキサン(40 mL)中の溶液を滴下添加した。この青い溶液を、室温にて10時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。次いで、NaBH4 (0.25 g, 6.83 mmol)を注意深く添加した。3時間後、H2O (100 mL)を添加し、このスラリーをCH2Cl2 (3 × 100 mL)で抽出した。有機相を合わせ、無水にし(Na2SO4)、減圧下で濃縮して白色固体を得た。この固体を、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製した(エーテル/アセトン:8.5:1.5)。得られた白色固体を、EtOAc/ヘキサンから再結晶して、白色針状晶(0.10 g, 33%)を得た。固体生成物(3.36 g, 84%)を集め、さらに精製することなく使用した。
融点 211-213 ℃. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.72 (s, 3H), 0.76 (s, 3H), 0.79-1.75 (m, 25H), 2.03-2.08 (m, 2H), 2.48-2.58 (m, 1H), 4.34-4.40 (dd, J = 9, 9 Hz, 1H). 元素分析C20H33NO3 理論値C: 71.6, H: 9.91, N: 4.17.測定値C: 71.71, H: 9.97, N: 4.21.
オキシムについての参考文献:J. Med. Chem 2000, 3201-3204
【0074】
[実施例3]:3α-ヒドロキシ-17β-チオメチル-5α-アンドロスタンの合成
17,17-ビスベンジルチオ-5α-アンドロスタンe-3α-オール;
トルエンスルホンサンを、ベンジルメルカプタン(2.41 g, 19.4 mmol)および3α-トリフルオロアセトキシ-5α-アンドロスタン-17-オン (3.0 g, 7.76 mmol)の氷中の良好に撹拌された溶液に添加した。この反応液を室温で18時間撹拌し、減圧下で濃縮した。得られたオイルを、95% EtOH (140 mL)に溶解して取り出し、1N KOH (60 mL)を添加した。次いで、このスラリーを4時間加熱還流させ、冷却し、H2O (200 mL)で希釈した。この混合物を、CH2Cl2 (3 × 250 mL)で抽出し、有機相を合わせ、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮した。得られたオイルを、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製(石油エーテル/アセトン:9:1)して、白色固体を得た。この白色固体を、EtOAc/石油エーテルから再結晶して、無色針状晶(3.76 g, 93%)を得た。固体生成物(3.36 g, 84%)を集め、さらに精製することなく使用した。
融点 184-185 ℃. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.78 (s, 3H), 1.06 (s, 3H), 0.98-2.07 (m, 25H), 3.85-4.02 (m, 5H), 7.23-7.35 (m, 10H).
参考文献:Swannら、Tetrahedron, Vol 24 1441-1444 1968
【0075】
3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17-チオン;
THF/Et2O (40:100 mL)中の17,17-ビスベンジルチオ-5α-アンドロスタンe-3α-オール(3.76 g, 7.22 mmol)を、Na (3.32 g, 144.4 mmol)の液体NH3中の懸濁液に、-78 °C、N2下で滴下により添加した。この青い溶液を、-78 °Cにて3時間撹拌した。次いで、この反応液を、飽和NH4Cl (50 mL)およびH2O (150 mL)を添加することによってクエンチした。得られた2相の混合物を、CH2Cl2 (3 × 200 mL)で抽出した。有機相を合わせ、無水にし(MgSO4)、濃縮して橙色の半固体を得た。この半固体を、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製した(エーテル/アセトン:8:2)。得られた固体を、EtOAc/ヘキサンから再結晶して、サーモン色の固体(1.06 g, 48%)を得た。固体生成物(3.36 g, 84%)を集め、さらに精製することなく使用した。
融点 172-173 ℃. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.82 (s, 3H), 0.89 (s, 3H), 0.90-1.68 (m, 21H), 1.99-2.03 (m, 2H), 2.59-2.69 (ddd, J=9, 9, 21 Hz, 1H), 2.90-3.00 (dd, J=9, 9 Hz, 1H), 4.06 (m, 1H). 元素分析 C19H30OS 理論値C: 74.45, H: 9.87, S: 10.46. 測定値C: 74.33, H: 10.01, S: 10.47.
【0076】
3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-チオール;
トリ-t-ブトキシリチウムアルミニウムハイドライドのTHF (6.27 mL, 6.27 mmol)中の1.0 M溶液を、3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17-チオン(0.64 g, 2.09 mmol)のTHF (60 mL)溶液に、0℃、N2下で、滴下により添加した。この溶液を、0℃にて2時間撹拌し、次いで、さらに2時間室温で撹拌した。飽和NaHCO3 (75 mL)を添加し、このスラリーを、CH2Cl2 (3 × 100 mL)で抽出した。有機相を合わせ、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮した。得られた白色固体を、ヘプタンから再結晶して、白色粉末(0.61 g, 95%)を得た。
融点 169-170 ℃. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.70 (s, 3H), 0.79 (s, 3H), 0.80-1.70 (m, 23H), 2.16-2.18 (m, 2H), 2.58-2.69 (dd, J=9, 18 Hz, 1H), 2.90-3.00 (dd, J=9, 9 Hz, 1H), 4.06 (m, 1H). 元素分析 C19H32OS 理論値C: 73.97, H: 10.45, S: 10.39. 測定値C: 73.82, H: 10.73, S: 10.28.
【0077】
3α-ヒドロキシ-17β-チオメチル-5α-アンドロスタン;
ヨウ化メチル(0.35 g, 2.48 mmol)を、無水DMF (50 mL)中の、3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-チオール(0.61 g, 1.98 mmol)およびK2CO3 (1.38 g, 10 mmol)の良好に撹拌した懸濁液に、この懸濁液を室温で4時間撹拌し、H20 (100 mL)を添加した。この2相の混合物を、CH2Cl2 (3 × 150 mL)で抽出し、有機相を合わせ、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮した。得られた固体を、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製した(エーテル/アセトン:8:2)。得られた固体を、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製(石油エーテル/アセトン:9:1)して白色固体を得た。この固体を、ヘプタンから再結晶して、白色粉末(0.19 g, 30%)を得た。
融点 151-153 ℃. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.74 (s, 3H), 0.79 (s, 3H), 0.80-1.55 (m, 23H), 1.63-1.69 (m, 1H), 2.11 (m, 4H), 2.51-2.57 (dd, J=9, 9 Hz, 1H), 4.05 (m, 1H). 元素分析 C20H34OS 理論値C: 74.47, H: 10.62, S: 9.94. 測定値C: 74.26, H: 10.81, S: 9.89.
【0078】
[実施例4]:(+)および(-) 3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホキシドの合成
(+)および(-) 3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホキシド;
MCPBA (0.16 g, 0.71 mmol, 77%)を、3α-ヒドロキシ-17β-チオメチル -5α-アンドロスタン(0.19 g, 0.59 mmol)のCH2Cl2 (100 mL)溶液に0℃にて添加した。この溶液を、0℃にて0.5時間撹拌し、飽和NaHCO3 (50 mL)を添加した。この2相の混合物を、CH2Cl2 (3 × 100 mL)で抽出し、有機相を合わせ、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮した。得られた半固体を、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製(Et2O /アセトン:9:1)して、約0.050 gの各ジアステレオマーと、約0.075 gの混合フラクションを得た。
【0079】
トップスポット(11474-36t):この固体を、EtOAc/ヘキサンから再結晶して、3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホキシドを、無色針状晶として得た(0.50 g, 50%)。
融点 245-247 °C. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.79 (s, 3H), 0.87 (s, 3H), 0.80-1.95 (m, 24H), 2.30-2.33 (dd, J = 9, 9, Hz, 1H), 2.37-2.44 (m, 1H), 2.49 (s, 3H), 4.05 (m, 1H). 元素分析 C20H34O2S 理論値C: 70.96, H: 10.12, S: 9.47. 測定値C: 70.86, H: 10.21, S: 9.44.
【0080】
ボトムスポット:この固体を、EtOAc/ヘキサンから再結晶して、3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホキシドを、無色針状晶として得た(0.50 g, 50%)。
融点 251-253 °C. 1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.79 (s, 3H), 1.03 (s, 3H), 0.98-2.41 (m, 24H), 2.48 (s, 3H), 2.59-2.63 (dd, J = 9, 9 Hz, 1H), 4.05 (m, 1H). 元素分析 C20H34O2S 理論値C: 70.96, H: 10.12, S: 9.47. 測定値C: 70.77, H: 10.01, S: 9.40.
【0081】
[実施例5]:3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホンの合成
3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホン;
MCPBA(0.10 g, 0.44 mmol)を、3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホキシド(0.075 g, 0.22 mmol)のCH2Cl2 (50 mL)中のジアステレオマー混合物に、添加した。この溶液を室温にて2時間撹拌し、飽和NaHCO3(50 mL)を添加し、この2相の混合物を、CH2Cl2 (3 × 100 mL)で抽出した。有機相を合わせ、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮した。得られた固体を、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製した(アセトン/石油エーテル:6:4)。生成物を集め、EtOAc/ヘプタンから再結晶して、3α-ヒドロキシ-5α-アンドロスタン-17β-メチルスルホンを白色粉末として得た(0.061 g, 78%)。
融点 223-226 °C. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.79 (s, 3H), 1.04 (s, 3H), 0.80-2.32 (m, 25H), 2.80 (s, 3H), 2.86-2.93 (dd, J=9.6, 9.6 Hz, 1H), 4.13 (m, 1H). 元素分析 C20H34O3S 0.25 H2O 理論値C: 66.90, H: 9.68, S: 8.93. 測定値C: 67.05, H: 9.62, S: 8.79.
【0082】
[実施例6]:11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-17β-ニトロ-エストランの合成
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-5α-17β-ヒドロキシ-エストラ-3-オン;
リチウム金属(0.04 g, 6.35 mmol)を、液体NH3 (40 mL)に、-78 °Cで添加し、15分間撹拌した。無水THF (25 mL)を添加し、次いで、無水THF (25 mL)、t-ブタノール (0.30 mL)、および11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-5α-17β-ヒドロキシエストロ-4-エン-3-オン(1.0 g, 2.54 mmol)の溶液を速やかに添加した。この青い溶液を-78℃にて5分間撹拌した後、固体NH4Clでクエンチした。次いで、飽和NH4Cl (150 mL)を添加し、この2相の溶液を、EtOAc (3 × 150 mL)で抽出した。有機抽出液を合わせ、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮した。得られた半固体を、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製(石油エーテル/アセトン:8.5:1.5)して、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-5α-17β-ヒドロキシ-エストラ-3-オンを無色の半固体(0.80 g, 80%)として得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.52 (s, 3H), 0.93-2.25 (m, 24H), 2.93 (s, 6H), 3.15 (m, 1H), 3.52 (dd, J=7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.41 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.23 (d, J=8.7 Hz, 2H).
【0083】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-スピロ-3α-オキシラニル-17β-ヒドロキシ-5α-エストラン;
鉱物油中のNaHの60%懸濁液(0.16 g, 4.05 mmol)を、トリメチルスルホオキソニウムヨーダイド(0.89 g, 4.05 mmol)の無水DMSO (100 mL)溶液に、N2下で添加した。この溶液を、室温で2時間、すなわち、ガスの発生が止まるまで撹拌した。次いで、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-5α-17β-ヒドロキシ-エストラ-3-オン(0.80 g, 2.02 mmol)の無水DMSO (15 mL)溶液を滴下により添加した。この懸濁液を、室温で8時間撹拌し、NaClの飽和溶液(200 mL)を添加した。この2相の混合物を、CH2Cl2 (3 × 150 mL)で抽出し、有機抽出液を合わせ、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮した。得られたオイルを、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製(石油エーテル/アセトン:8:2)して、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-スピロ-3α-オキシラニル-17β-ヒドロキシ-5α-エストランを、無色オイル(0.40 g, 48%)として得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.45 (s, 3H), 0.98-1.99 (m, 23H), 2.07 (d, J=13.2 Hz, 1H), 2.49 (d, J=4.8 Hz, 1H), 2.53 (d, J=4.8 Hz, 1H), 2.87 (s, 6H), 3.20 (m, 1H), 3.47 (dd, J=7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.58 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.19 (d, J=8.7 Hz, 2H).
【0084】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-17β-ヒドロキシ-5α-エストラン;
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-スピロ-3α-オキシラニル-17β-ヒドロキシ-5α-エストラン(0.40 g, 0.98 mmol)のTHF (15 mL)溶液を、良好に撹拌した、無水THF (50 mL)中のLiAlH4 (0.11 g, 2.94 mmol)の懸濁液に、0℃にてN2下で、滴下により添加した。この懸濁液を、室温に戻し、室温に8時間保った。セライト(1.0 g)を添加した後、H2O (0.15 mL)および10% NaOH (0.15 mL)を添加した。この粘稠な懸濁液をガラス漏斗で濾過し、濾過されたケーキをCH2Cl2 (2 × 50 mL)で洗浄した。得られた濾液を減圧下で濃縮し、白色固体を得た。この固体を、MeOH (25 mL)に溶解して取り出し、無水エーテル中のHClの1.0 M溶液(1.0 mL)を添加した。この溶液を減圧下で濃縮し、得られた固体を、CH3CN/石油エーテルから再結晶して、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-17β-ヒドロキシ-5α-エストラン塩酸塩(0.43 g, 94%).を白色結晶として得た。
融点 230-232 ℃分解 1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ 0.19 (s, 3H), 0.85 (s, 3H), 0.62-1.80 (m, 24H), 1.90-1.95 (d, J=13.2 Hz, 1H), 3.05 (s, 6H), 3.17 (m, 1H), 3.27-3.32 (dd, J=8.7, 8.7 Hz, 1H), 7.23-7.26 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.43-7.46 (d, J=8.4 Hz, 2H). 元素分析 C27H42ClNO2 0.25 H2O 理論値C: 71.65, H: 9.46, N: 3.09 測定値C: 71.90, H: 9.46, N: 3.25.
【0085】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラ-17-オン;
過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(0.35 g, 0.10 mmol)を、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-17β-ヒドロキシ-5α-エストラン(0.38 g, 0.91 mmol)、4-メチルモルホリン -N-オキシド(0.21 g, 1.82 mmol)、および4Å 粉末化モレキュラーシーブ(0.05 g)の無水CH2Cl2 (50 mL)溶液に、室温、N2下で、添加した。この黒い懸濁液を、10時間撹拌し、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(0.21 g, 0.60 mmol)を、再び添加した。この黒い懸濁液を、室温でさらに3時間撹拌し、セライトのパッドを通して濾過した。この濾液を、減圧下で濃縮し、得られた黒いオイルを、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製(石油エーテル/アセトン:8.5:1.5)して、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラ-17-オン塩酸塩(0.10 g, 28%)を、白色固体として得た。塩酸塩は、1.1 当量の無水Et2O中の1.0 M HClを、EtOAc中のアミンに添加することによって調製した。得られた固体を濾過し、Et2Oで洗浄し、乾燥させた。
融点 222-225 ℃分解 1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ 0.67 (s, 3H), 1.12 (s, 3H), 1.01-1.74 (m, 18H), 1.97 (m, 1H), 2.00-2.21 (m, 4H), 2.46-2.57 (m, 1H), 3.36 (s, 6H), 3.57 (m, 1H), 7.54-7.57 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.70-7.79 (d, J=8.4 Hz, 2H). 元素分析 C25H4ClNO2 0.25 H2O 理論値C: 71.97, H: 9.05, N: 3.10 測定値C: 71.95, H: 9.09, N: 3.07.
【0086】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラン-17-オキシム;
ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.038 g, 0.54 mmol)を、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラ-17-オン(0.10 g, 0.24 mmol)の無水ピリジン(20 mL)溶液に、室温にてN2下で、添加した。この溶液を、室温で18時間撹拌し、飽和NaHCO3 (100 mL)を添加した。この2相の混合物を、CH2Cl2 (3 × 100 mL)で抽出し、有機相を合わせ、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮して、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラン-17-オキシムを、白色固体(0.10 g, 98%)として得た。この生成物を、さらに精製することなく用いた。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ 0.55 (s, 3H), 0.98 (s, 3H), 0.98-1.36 (m, 18H), 1.76-1.88 (m, 4H), 2.09 (m, 1H), 2.32 (m, 2H), 2.77 (s, 6H), 3.20 (m, 1H), 6.58-6.61 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.15-7.18 (d, J=8.7 Hz, 2H).
【0087】
11β-[4-(N,N-ジメチルN-(オキシ)アミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラン-17-オキシム;
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラン-17-オキシム(0.10 g, 0.24 mmol)のCH2Cl2 (5 mL)溶液を、ヘキサフルオロアセトン(0.026 g, 0.12 mmol)、および30% H2O2 (0.053 mL, 0.47 mmol)のCH2Cl2 (15 mL)溶液に、良好な撹拌下、滴下により添加した。この溶液を、室温で3時間激しく撹拌し、H2O (50 mL)を添加した。この2相の混合物を、H2O (3 × 50 mL)で抽出し、水性抽出物を合わせ、減圧下で濃縮して、11β-[4-(N,N-ジメチルN-(オキシ)アミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラン-17-オキシムを、白色固体(0.10 g, 99%)として得た。この固体を、さらに精製することなく用いた。
1H-NMR (300 MHz, CD3OD) δ 0.60 (s, 3H), 1.10 (s, 3H), 0.63-1.66 (m, 18H), 1.87-2.05 (m, 4H), 2.23-2.28 (d, J=13.5 Hz, 1H), 2.44 (m, 2H), 3.47 (m, 1H), 3.60 (s, 6H), 7.63-7.66 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.85-7.88 (d, J=8.7 Hz, 2H).
【0088】
11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-17β-ニトロ-5α-エストラン;
H2O (2 mL)中のKHCO3 (0.20 g, 2.04 mmol)を、良好に撹拌したNBS (0.18 g, 1.02 mmol)のジオキサン(8 mL)溶液に添加した。この懸濁液を、室温で0.25時間撹拌し、11β-[4-(N,N-ジメチルN-(オキシ)アミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-5α-エストラン-17-オキシム(0.15 g, 0.34 mmol)のジオキサン(2 mL)溶液およびH2O (2 mL)を添加した。この淡緑色の溶液を、室温で10時間撹拌し、新たに調製した飽和FeSO4 (50 mL)水溶液を添加した。この褐色の懸濁液を、室温で0.25時間激しく撹拌し、EtOAc (3 × 100 mL)で抽出した。有機相を合わせ、飽和FeSO4 (3 × 100 mL)で洗浄し、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮した。得られた褐色のオイルを、THF/H2O (20:2, 22 mL)で溶解して取り出し、0℃に冷却した。NaBH4 (0.09 g, 2.38 mmol)を添加し、さらに、この反応を室温に戻し、2時間撹拌した。水(50 mL)を添加し、この2相の混合物をCH2Cl2 (3 × 100 mL)で抽出した。有機抽出液を合わせ、無水にし(MgSO4)、減圧下で濃縮した。得られたオイルを、中圧カラムクロマトグラフィーを用いてシリカゲルで精製(石油エーテル/アセトン:9:1)して、11β-[4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]-3α-ヒドロキシ-3β-メチル-17β-ニトロ-5α-エストランを白色結晶(0.010 g, 7%)として得た。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.48 (s, 3H), 1.13 (s, 3H), 0.86-1.63 (m, 17H), 1.76-1.82 (m, 1H), 1.84-1.95 (m, 3H), 1.99-2.07 (m, 1H), 2.36-2.39 (d, J=7.8 Hz, 1H), 2.42-2.51 (m, 1H), 2.99 (s, 6H), 3.29 (m, 1H), 4.27 (dd, J=5.4, 5.4 Hz, 1H), 6.60-6.62 (d, J=5.1 Hz, 2H), 7.19-7.21 (d, J=5.1 Hz, 2H).
13C-NMR (500 MHz, CDCl3) δ 13.83, 23.49, 24.34, 25.20, 31.42, 31.89, 31.92, 33.11, 37.63, 38.28, 38.52, 38.78, 40.64, 42.16, 46.02, 46.21, 47.04, 50.89, 54.73, 69.61, 95.37, 112.07, 130.26, 132.18, 148.16.
HRMS: C27H40N2O3の[M+H]+ 理論値 441.3117, 測定値 441.3116.
【0089】
本発明の化合物の生物学的活性の詳細を、in vitroおよびin vivo試験により評価した。
【0090】
[放射性リガンド結合アッセイ]
組織の調製。ラットの大脳皮質ホモジネートおよび結合アッセイは、基本的に文献(Carterら、1997)に記載のとおりに実施した。要約すると、成熟した雄のSprague-Dawleyラット(Charles River Laboratories, Raleigh, NC)を過剰CO2により窒息させて殺し、断頭し、その脳を迅速に取り出し、ドライアイス上で冷却して-76℃で貯蔵する。凍結した皮質を、10倍量の氷冷した0.32 Mのショ糖溶液内に入れ、テフロン(登録商標)ガラスホモジナイザーでホモジナイズした。このホモジネートを、1500 x gの遠心分離にかけた(4℃にて10分間)。この上清を保持し、10,000 x gの遠心分離にかけて(4℃にて20分間)、P2ペレットを得た。このP2ペレットを、200 mM NaCl(pH 7.4)を含有する等量の50 mM Na+/K+ リン酸緩衝液に再び懸濁させ、10,000 x gの遠心分離にかけた(4℃にて10分間)。このペレットを、さらに2回洗浄し、体積1/10の緩衝液に再び懸濁させ、-76℃にてアッセイする時まで貯蔵した。
【0091】
[35S]TBPS結合アッセイ。これらのアッセイを、1.4 mLのポリプロピレンチューブ(Matrix Technologies, Hudson, NH)内で実施した。最終的な0.5 mL体積中に、各チューブは、100μLの皮質膜懸濁液(400μgのタンパク質、最後に添加)、2μMの[35S]TBPS(64〜165 Ci/mmol)、6.25μMのGABA、および、100%のDMSO中の6つの異なる濃度の1つの試験化合物(5μLで添加、DMSOの最終濃度は1%)を含有していた。この試験化合物を、アッセイチューブに、96穴ヘッドを有するBiomekFX自動液体ハンドラー(Beckman-Coulter, Fullerton, CA)を用いて添加した。非特異的結合は、200μMのピクロトキシンの存在下で測定した。アッセイは、室温(RT)で2時間インキュベートし、その後、96穴ハーベスター(Brandel Scientific, Gaithersburg, MD)を使用して、96穴GF/Bガラスフィルタープレートを通して減圧濾過することによって停止させた。採取(harvesting)に先だって、濾過プレートを0.15%のBSAおよび0.1%のPEIを含有する緩衝液中に20分間予め浸漬させた。フィルター上に残っている放射能は、TopCount社の12個の検出器を有するシンチレーションカウンター(Packard Instruments, Meriden, CT)で測定した。この測定には、ウェル1個当たり20μLのMicroScint20(Packard Instruments)を使用し、標準的な液体シンチレーションカウンティング技術を用いた。
【0092】
[3H]フルニトラゼパム結合アッセイ。このアッセイは、アッセイが、20μgの組織ホモジメート、1.9μMのGABA、および1.0 nMの[3H]フルニトラゼパム(74.1〜85 Ci/mmol)を含有していたこと以外は、[35S]TBPSアッセイについて記述したとおりに実施した。Clonazepam(1.0μM)を、非特異的結合の測定に用いた。
【0093】
データの分析。アロプレグナノロンおよび試験化合物のIC50もしくはEC50、およびEmaxの値を、Prism(version 3, GraphPad Software, San Diego, CA)を用いて、結合データに3つのパラメーターの式(three-parameter logistic equation)をフィッティングさせることによって算出した。結果を下記表2に示す。
【0094】
【表1】

【0095】
EC50の値は、プレグナノロンに対する値であり、試験化合物のEmaxを、アロプレグナノロンについて測定したEmaxの百分率(percentage)で表した。アロプレグナノロンの存在下で測定した[3H]フルニトラゼパムの平均増強率は、約60%であった。[35S]TBPSの限定された阻害または[3H]フルニトラゼパムの増強が、10,000 nMの最大濃度で起こる場合に、IC50もしくはEC50の値を10,000 nMより大とした。活性剤についてのこれらのデータは、少なくとも3回の独立した実験からの平均値±SD(標準偏差)で報告した。
【0096】
[マウスモデルでの試験]
雄のNIH Swissマウス(25〜30 g)を、ケージ1個当たり2匹入れた。動物を、飼育条件(温度22〜26℃、湿度40〜50%)に保ち、人工的な12時間の明/暗サイクルに置き、食餌と水を自由に摂取させた。動物は、少なくとも5日間飼育条件に順応させた。実験は、明/暗サイクルの明るい時期(午前9:30〜午後3:30の間)に実施し、少なくとも30分間の間実験室に順応させた。動物は、米国実験動物保護認定協会によって十分に認定された施設内で維持し、国立神経疾患・言語障害・脳卒中研究所によって確立されたプロトコルの下で、国立研究所協議会の実験動物の管理使用のための指針(National Academy Press, Washington, DC; http://www.nap.edu/readingroom/books/labrats/)に厳密に従って実施した。
【0097】
ステロイドの溶液は、滅菌した0.9%生理食塩水中40%のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン溶液であり、毎日新たに調製した。さらなる希釈は、滅菌生理食塩水を用いて行った。ステロイドは、腹腔内注射した。痙攣剤であるペンチレンテトラゾール(PTZ; Sigma-Aldrich)は、使用直前に生理食塩水に溶解した。薬剤溶液はいずれも、動物の体重の0.01 nL/gに相当する体積で投与した。
【0098】
PTZ痙攣試験を、文献(Kokateら、1994)に記載されているとおりに実施した。要約すると、マウスにPTZ(80 mg/kg)を、試験ステロイドの注射後15分後に皮下注射し、30分間観察した。5秒より長く続く間代発作を起こさないマウスを、保護されたとして記録した。用量反応曲線を得るために、ステロイドを、50%保護をもたらす用量(ED50)に及んでいるいくつかの用量で試験した。6〜10匹のマウスを各用量で試験した。ED50値および相当する95%信頼限界を、log-プロビット分析によって決定した。
【0099】
6 Hz痙攣試験を、試験ステロイドの注射後15分後に、文献(Kaminskiら、2004)に記載されているとおりに実施した。要約すると、3秒の角膜刺激(200μ秒の継続時間、32 mA 6 Hzの単極方形パルス)を、定電流装置によって送った(ECT Unit; Ugo Basile, Comerio, Italy)。眼内麻酔剤(0.5%のテトラカイン)を、刺激の15分前に角膜に適用した。刺激に応答して、動物は、「呆然とした」姿勢であって、後ろ足で立ち、機械的な動作を伴う姿勢を、未処理の動物で60秒〜120秒間示した。動物は、痙攣の後、それぞれの通常の探索的行動を再開する。実験における評価項目は、痙攣に対する保護である。刺激後10秒以内にそれぞれの通常の探索行動を再開した場合に、動物が保護されたと考える。統計的な比較は、PTZ試験において上述したものと同様である。
【0100】
抗不安活性を、上述した高架式ゼロ迷路試験(Kaminskiら、2006)で評価した。迷路(Hamilton-Kinder, Poway, CA)を、薄暗い照明下の部屋の中央に置いた。各マウスを、それぞれそのホームケージから取り出し、閉じたアームの内側に置いた。5分間の試験セッションを、三脚に取り付けたビデオカメラで記録した。オープンエリア内の時間の百分率およびオープンエリアに進入した回数を、記録されたテープから、Observer 3.0ソフトウェア(Noldus, Wageningen, The Netherlands)を用いて記録した。動物は、四肢が全てクローズドエリアを離れた場合にオープンエリアにオープンエリアに進入したとみなされる。オープンエリア時間は、一旦四肢の1つがクローズドエリア内に入った時点で終了したとみなされる。これらの測定値の増加は、抗不安活性を反映する。用量応答データは、一元配置の分散分析によって分析した。個々の用量について、対照(ビヒクル処理)の値からの差異を、Dunnett’s試験を用いる事後比較によって同定した。
【0101】
本明細書に記載した一連のGABAA受容体リガンドは、内因性神経ステロイドアロプレグナノロンと同程度であることを特徴とする結合特性を示す。
【0102】
当業者であれば、上述した教示を踏まえて、本発明をさまざまに変形および変更することが今や可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲内で、本発明を、本明細書の具体的な記載たとは異なる態様で、本発明の精神および範囲を逸脱することなく実施することができることを理解されたい。
【0103】
[米国特許文献]
1. Upasani, R. B.; Xia, H. Methods, Compositions and Compounds for Allosteric Modulation of the GABA Receptor by Members of the Androstane and Pregnane Series, U.S. Patent No. 6,143,736, November 7, 2000.
2. Upasani, R. B.; Xia, H. Method, Compositions, and Compounds for Allosteric Modulation of the GABA Receptor by Members of the Androstane and Pregnane Series, U.S. Patent No. 5,939,545, August 17, 1999.
3. Upasani, R. B.; Fick, D. B.; Hogenkamp, D. J.; Lan, N. C. Neuroactive Steriod of the Androstane and Prgnane Series, U.S. Patent No. 5,925,630, July 20, 1999.
4. Upasani, R. B.; Xia, H.; Hogenkamp, D. J. Methods for Allosteric Modulation of the GABA Receptor by Members of the Androstane and Pregnane Series, U.S. Patent No. 6,277,838 B1, August 21, 2001.
5. Patchett, A. A.; Metuchen, G. E.; Arth, C.; Hoffman, F. G. Alkanoylthio and Pyrazolo Androstane Derivatives, U.S. Patent No. 3,094,521, June 18, 1963.
【0104】
[他の刊行物]
1. Belelli, D., Lambert, J.J., 2005. Neurosteroids: endogenous regulators of the GABAA receptor. Nat. Rev. Neurosci. 6, 565-575.
2. Carter, R.B., Wood, P.L., Wieland, S., Hawkinson, J.E., Belelli, D., Lambert, J.J., White, H.S., Wolf, H.H., Mirsadeghi, S., Tahir, S.H., Bolger, M.B., Lan, N.C., Gee, K.W., 1997. Characterization of the anticonvulsant properties of ganaxolone (CCD 1042; 3α-hydroxy-3β-methyl-5α-pregnan-20-one), a selective, high-affinity, steroid modulator of the γ-aminobutyric acidA receptor. J. Pharmacol. Exp. Ther. 280, 1284-1295.
3. Gasior, M., Carter, R.B., Witkin, J.M., 1999. Neuroactive steroids: potential therapeutic use in neurological and psychiatric disorders. Trends Pharmacol. Sci. 20, 107-112.
4. Hogenkamp, D.J., Tahir, S.H., Hawkinson, J.E., Upasani, R.B., Alauddin, M., Kimbrough, C.L., Acosta-Burruel, M., Whittemore, E.R., Woodward, R.M., Lan, N.C., Gee, K.W., Bolger, M.B., 1997. Synthesis and in vitro activity of 3β-substituted-3α-hydroxypregnan-20-ones: allosteric modulators of the GABAA receptor. J. Med. Chem. 40, 61-72.
5. Kaminski, R.M., Livingood, M.R., Rogawski, M.A., 1994. Allopregnanolone analogs that positively modulate GABA receptors protect against partial seizures induced by 6-Hz electrical stimulation in mice. Epilepsia 45, 864-867.
6. Kaminski, R.M., Marini, H., Ortinski, P.I., Vicini, S., Rogawski, M.A., 2006. The pheromone androstenol (5α-androst-16-en-3α-ol) is a neurosteroid positive modulator of GABAA receptors. J. Pharmacol. Exp. Ther. 317:694-703.
7. Kokate, T.G., Svensson, B.E., Rogawski, M.A., 1994. Anticonvulsant activity of neurosteroids: correlation with γ-aminobutyric acid-evoked chloride current potentiation. J. Pharmacol. Exp. Ther. 270, 1223-1229.
8. Monaghan, E.P., McAuley, J.W., Data, J.L., 1999. Ganaxolone: anovel positive allosteric modulator of the GABAA receptor complex for the treatment of epilepsy. Expert Opin. Investig. Drugs 8, 1663-1671.
9. Rogawski, M.A., 2006. Diverse mechanisms of antiepileptic drugs in the development pipeline. Epilepsy Res. 69, 273-294.

10. Rupprecht, R., 2003. Neuroactive steroids: mechanisms of action and neuropsychopharmacological properties. Psychoneuroendocrinology 28, 139-168.
11. Wittmer, L.L., Hu, Y., Kalkbrenner, M., Evers, A.S., Zorumski, C.F., Covey, D.F., 1996. Enantioselectivity of steroid-induced γ-aminobutyric acidA receptor modulation and anesthesia. Mol. Pharmacol. 50, 1581-1586
12 Patchett, A. A.; Hoffman, F. G.; Giarrusso, F. F.; Schwam, H.; Arth, G. E. The Synthesis of 17b-Amino-17a(2'-carboxyethyl)androstane Lactams. J.Org. Chem. 1962, 27, 3822.
13. Hamilton NM (2002) Interaction of steroids with the GABA(A) receptor. Curr. Top Med Chem 2:887-902.
14. Wang MD, He YJ, Eisenman LN, Fields C, Zeng CM, Mathews J, Benz A, Fu T, Zorumski E, Steinbach JH, Covey DF, Zorumski CF, and Mennerick S (2002) 3 Beta-Hydroxypregnane Steroids Are Pregnenolone Sulfate-Like Gaba(a) Receptor Antagonists. J. Neuroscience 22:3366-3375.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式1の化合物、およびその立体異性体、ならびに医薬品として許容可能なその組成物:
【化1】

[式中、Rは、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4アルケニル、またはヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;
は、OH、またはOR14であり、
式中、R14は、HCO-もしくは(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-(但し、R、R、R、R、R、R、R、およびR10= Hであり、R= CH3であり、かつ、二重結合が存在しない場合には、R14はCH3-CO-ではない)、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、または ヘテロ環-CO-であり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-X-CO-、C2-18アルケニル-X-CO-、C2-18アルキニル-X-CO-、C6-10アリール-X-CO-、またはヘテロ環-X-CO-であり;あるいは、R14トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、またはC2-4アルキニルであり;あるいはR14は、HO-SO2-またはその塩であり;
あるいは、Rは、NR15R16であり、
式中、R15は、H、OH、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、ヘテロ環であり、
あるいは、R15は、OR17であり、式中、R17は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環、C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;かつ、
式中、R16は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり、あるいは、R16は、H-CO-または(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO、C3-6シクロアルキル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;
上記式中、Xは、OまたはNR100であり、式中、R100は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、
Xは、NOR110であり、式中、R110は、H、またはC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、またはヘテロアリールであり、これらの基は場合により置換されていてもよく;あるいは、
Xは、(H, H)、(H, OH)、(H, OSi(C1-6アルキル)3)、または(H, OCOR111)であり、式中、R111は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、またはヘテロアラルキニルであり、これらの基は場合により置換されていてもよく;あるいは、
Xは、下記式:
【化2】

〔式中、Yは、-(CH2)m-であり、式中、mは、0〜3の整数であり、あるいは、Yは、-(CH2)n-Z-(CH2)p-であり、式中、nは、0〜2の整数であり、pは、0〜2の整数であり、Zは、(場合により置換されていてもよい)ヘテロ原子であるか、あるいはZは、1個または2個のC1-6アルキル基で置換された炭素原子である〕であり;
は、H、ハロゲン、シアノ、アジドまたは(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
は、H、または(場合により置換されていてもよい)Meであり;
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、OR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり、またはRは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、またはC2-4アルケニルであり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中R16は、先に定義したとおりであり、かつ、n = 0、1、または2である)であり;
は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、またはOR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-18アルキニル、C2-18アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、Rは、COOR18〔式中、R18は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環である〕であり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、n = 0、1、または2である)であり;
は、H、シアノ、アジド、ハロゲン、チオシアノ、OH、またはOR16(式中、R16は、上述したとおりである)であり、またはRは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4-アルケニル、ヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;かつ、
10は、H、ケト、ハロゲン、シアノ、チオシアノ、アジド、または NR15R16(式中、R15およびR16は、上述したとおりである)であり;あるいは、R10は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、R10は、OR16であり、式中、R16は、上述したとおりであるか、またはR16トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R16は、=CH2または=CHR19〔式中、R19は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、またはC6-10アリールである〕であり;あるいは、R10は、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、かつ、n = 0、1、または2である)である]。
【請求項2】
構造式2の化合物:
【化3】

[式中、mは0、1、または2であり、
は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4アルケニル、またはヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;
は、OH、またはOR14であり、
式中、R14は、HCO-もしくは(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-(但し、R、R、R、R、R、R、R、およびR10= Hであり、R= CH3であり、かつ、二重結合が存在しない場合には、R14はCH3-CO-ではない)、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-X-CO-、C2-18アルケニル-X-CO-、C2-18アルキニル-X-CO-、アリール-X-CO-、またはヘテロ環-X-CO-(式中、Xは、OまたはNHである)であり;あるいは、R14トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、またはC2-4アルキニルであり;あるいはR14は、HO-SO2-またはその塩であり;
あるいは、Rは、NR15R16であり、
式中、R15は、H、OH、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、ヘテロ環であり、
あるいは、R15は、OR17であり、式中、R17は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環、C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;かつ、
式中、R16は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり、あるいは、R16は、H-CO-または(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO、C3-6シクロアルキル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;あるいは、R16は、C1-18アルキル-X-CO-、C2-18アルケニル-X-CO-、C2-18アルキニル-X-CO、アリール-X-CO、またはヘテロ環-X-CO-(式中、Xは、OまたはNHである)であり;
は、H、ハロゲン、シアノ、アジドまたは(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
は、H、または(場合により置換されていてもよい)Meであり;
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、OR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり、またはRは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、またはC2-4アルケニルであり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中R16は、先に定義したとおりであり、かつ、n = 0、1、または2である)であり;
は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
は、H、シアノ、または(場合により置換されていてもよい)C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、またはOR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-18アルキニル、C2-18アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、Rは、COOR18〔式中、R18は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環である〕であり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、n = 0、1、または2である)であり;
は、H、シアノ、アジド、ハロゲン、チオシアノ、OH、またはOR16(式中、R16は、上述したとおりである)であり、あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4-アルケニル、ヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;かつ、
10は、H、ケト、ハロゲン、シアノ、チオシアノ、アジド、または NR15R16(式中、R15およびR16は、上述したとおりである)であり;あるいは、R10は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、R10は、OR16であり、式中、R16は、上述したとおりであるか、またはR16トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R16は、=CH2または=CHR19〔式中、R19は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、またはC6-10アリールである〕であり;あるいは、R10は、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、かつ、n = 0、1、または2である)である]。
【請求項3】
構造式3の化合物、およびその立体異性体、ならびに医薬品として許容可能なその組成物:
【化4】

[式中、Rは、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環、2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4アルケニル、またはヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;
は、OH、またはOR14であり、
式中、R14は、HCO-もしくは(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-(但し、R、R、R、R、R、R、R、およびR10= Hであり、R= CH3であり、かつ、二重結合が存在しない場合には、R14はCH3-CO-ではない)、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、または ヘテロ環-CO-であり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-X-CO-、C2-18アルケニル-X-CO-、C2-18アルキニル-X-CO-、C6-10アリール-X-CO-、またはヘテロ環-X-CO-であり;あるいは、R14トリメチルシリルまたはトリエチルシリルであり;あるいは、R14は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、またはC2-4アルキニルであり;あるいはR14は、HO-SO2-またはその塩であり;
あるいは、Rは、NR15R16であり、
式中、R15は、H、OH、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、ヘテロ環であり、
あるいは、R15は、OR17であり、式中、R17は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環、C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;かつ、
式中、R16は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり、あるいは、R16は、H-CO-または(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル-CO-、C2-18アルケニル-CO-、C2-18アルキニル-CO、C3-6シクロアルキル-CO-、C6-10アリール-CO-、またはヘテロ環-CO-であり;
式中、Xは、OまたはNR100であり、式中、R100は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、
Xは、NOR110であり、式中、R110は、H、またはC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、またはヘテロアリールであり、これらの基は場合により置換されていてもよく;あるいは、
Xは、(H, H)、(H, OH)、(H, OSi(C1-6アルキル)3)、または(H, OCOR111)であり、式中、R111は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6 アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、またはヘテロアラルキニルであり、これらの基は場合により置換されていてもよく;あるいは、
Xは、下記式で表され:
【化5】

〔式中、Yは、-(CH2)m-であり、式中、mは、0〜3の整数であり、あるいは、Yは、-(CH2)n-Z-(CH2)p-であり、式中、nは、0〜2の整数であり、pは、0〜2の整数であり、Zは、(場合により置換されていてもよい)ヘテロ原子であるか、あるいはZは、1個または2個のC1-6アルキル基で置換された炭素原子である〕;
は、H、ハロゲン、シアノ、アジドまたは(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
は、H、または(場合により置換されていてもよい)Meであり;
は、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;
は、H、ハロゲン、アジド、シアノ、チオシアノ、=O、OH、またはOR16(式中、R16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、NH2またはNR15R16(式中、R15およびR16は、先に定義したとおりである)であり;あるいは、Rは、(場合により置換されていてもよい)C1-18アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-18アルキニル、C2-18アルケニル、C6-10アリール、またはヘテロ環であり;あるいは、Rは、COOR18〔式中、R18は、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環である〕であり;あるいは、Rは、S(O)nR16(式中、R16は、先に定義したとおりであり、n = 0、1、または2である)であり;
は、H、シアノ、アジド、ハロゲン、チオシアノ、OH、またはOR16(式中、R16は、上述したとおりである)であり、またはRは、(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4-アルケニル、ヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;かつ、
11は、C1-18アルキル、C2-18アルケニル、C2-18アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-12アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、またはヘテロアラルキニルであり、これらは任意に置換されていてよく;
あるいは、R11は、下記式で表され;
【化6】

式中、R50およびR60は、それぞれ独立に、H、ハロゲン;(R70R80N(O)r)-であり、式中、rは、0または1であり、
70およびR80は、それぞれ独立に、H、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、またはC2-6アルキニル(これらは任意に置換されていてよい);下記構造式II:
【化7】

〔式中、qは、0または1であり、Yは、-(CH2)m-(式中、mは、0〜5の整数である)であり、あるいは、Yは、-(CH2)n-Z-(CH2)p-(式中、nは、0〜2の整数であり、pは、0〜2の整数であり、Zは、場合により置換されていてもよいヘテロ原子であり、かつ、CH2基は、場合により置換されていてもよい);N-イミダゾリル;N-ピロリル-;HO-;CF3SO2O-;C1-6アルキル-O-;C1-6パーフルオロアルキル-O-;C1-6アルキル-S-;C1-6アルキル-CH(OH)-;NC-;HCC-;C6H5CC-;2’-フリル;3’-フリル;2’-チオフェニル;3’-チオフェニル;2’-ピリジル;3’-ピリジル;4’-ピリジル;2’-チアゾリル;2’-N-メチルイミダゾリル;5’-ピリミジニル;C6H5-;H2C=CH-;C1-6アルキル;MeC(=CH2)-;C1-6アルキル-CO;HCO;C1-6アルキル;C=NOR120またはHC=NOR120(式中、R120は、H、またはC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-12 アリール、またはヘテロアリールであり、これらは任意に置換されていてもよい)〕であり;
あるいは、R50およびR60は、組み合わされて以下の環:
【化8】

(式中、Wは、CH2、CH、NH、N、O、またはSであり、かつ、R90は、HまたはC1-6アルキルである)を形成していてよく;
あるいは、R50およびR60は、組み合わされて以下の環:
【化9】

(式中、AおよびBは、それぞれ独立に、H、F、またはC1-6alkylであり、あるいはAおよびBは、組み合わされて=Oを形成する)を形成していてよく;
あるいは、R50およびR60は、組み合わされて以下の環:
【化10】

(式中、CH2基は、それぞれ独立に、任意に置換されていてもよい)を形成していてよく;かつ、
13は、水素、チオ-C1-4-アルキル、チオ-C2-4-アルケニル、ニトロ、シアノ、C1-4アルコキシ、置換C1-4アルコキシ、C2-4アルケニルオキシ、アミノカルボニル、モノ-C1-4-アルキルアミノカルボニル、ジ-C1-4-アルキルアミノカルボニル、スルフィニル、スルホニル、チオ、スルホンアミド、C2-4-アルキニルオキシ、場合により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ、場合により置換されていてもよいC6-10アリール-C1-4-アルキルオキシ、場合により置換されていてもよい、アセチル基の1,3-ジオキソラン-4-オン、場合により置換されていてもよい、アセチル基の1,3-ジオキサン-4-オン、場合により置換されていてもよい、アセチル基の1,3-オキサチオラン-5-オン、場合により置換されていてもよい、アセチル基の1,3-オキサチオアン-5-オン、-O-C(O)-NR’R”、-C(O)-CH2-J-G、
-C(O)-CH2-O-T、-C(O)-CH2-O-E、-C(O)-CH2-Q-G、-C(O)-CH2-J’-Q-G、または -C(O)-CH2-J’-Q-Lのうちの1つであり;
上記式中、R’およびR”は、独立に、水素、または場合により置換されていてもよいC1-4アルキルを表し、あるいは互いに一緒になってこれらが結合している窒素と共に3〜6員ヘテロ環を形成し;
Jは、S、SO、またはSO2のうちの1つであり;
J’は、O、S、SO、またはSO2のうちの1つであり;
Qは、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、またはC2-4アルキニルのうちの1つであり;
Gは、C-に結合したヘテロ-C5-10-アリール、場合により置換されていてもよいC6-10アリール、窒素含有ヘテロ-C5-10-アリール基の四級アンモニウム塩、またはアミノ置換C6-10アリール基の四級アンモニウム塩のうちの1つであり;
Tは、C-に結合したヘテロ-C5-10-アリール、または窒素含有ヘテロ-C5-10-アリール基の四級アンモニウム塩であり;
Eは、場合により置換されていてもよいC6-10アリール、またはアミノ置換 C6-10 アリール基の四級アンモニウム塩であり;
Lは、アミノ、アミド、シアノ、チオシアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシル、C1-4アルコキシ、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルカノイルオキシ、水素、スルフェート、チオスルフェート、スルホネート、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、またはメルカプトのうちの1つである]。
【請求項4】
構造式4の化合物、およびその立体異性体、ならびに医薬品として許容可能なその組成物:
【化11】

[式中、Rは、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4アルケニル、またはヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;
は、HまたはMeである]。
【請求項5】
構造5の化合物、およびその立体異性体、ならびに医薬品として許容可能なその組成物:
【化12】

[式中、Rは、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環、2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4アルケニル、またはヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;
は、HまたはMeであり;かつ、
は、H、シアノ、または(場合により置換されていてもよい)C1-8アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、C6-10アリール、またはヘテロ環である]。
【請求項6】
構造6の化合物、およびその立体異性体、ならびに医薬品として許容可能なその組成物:
【化13】

[式中、Rは、H、または(場合により置換されていてもよい)C1-4アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-4アルキニル、C2-4アルケニル、C6-10アリール、2-アリール置換エチニル、アリール置換C1-4アルキル、アリール置換C2-4-アルケニル、アリール置換C3-6シクロアルキル、ヘテロ環;2-ヘテロ環-置換エチニル、ヘテロ環-置換C1-4アルキル、ヘテロ環-置換C2-4アルケニル、またはヘテロ環-置換C3-6シクロアルキルであり;かつ、
は、HまたはMeである]。
【請求項7】
生物学的活性化合物の合成中間体としての、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項8】
生物学的活性化合物の合成中間体としての、請求項2に記載の化合物の使用。
【請求項9】
生物学的活性化合物の合成中間体としての、請求項3に記載の化合物の使用。
【請求項10】
ヒトまたは動物における、痙攣、てんかん、鬱病、薬物およびアルコール依存症、不安、記憶障害、ならびに神経系損傷の治療のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項11】
ヒトまたは動物における、痙攣、てんかん、鬱病、薬物およびアルコール依存症、不安、記憶障害、ならびに神経系損傷の治療のための、請求項2に記載の化合物の使用。
【請求項12】
ヒトまたは動物における、痙攣、てんかん、鬱病、薬物およびアルコール依存症、不安、記憶障害、ならびに神経系損傷の治療のための、請求項3に記載の化合物の使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−530004(P2010−530004A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512418(P2010−512418)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/067059
【国際公開番号】WO2008/157460
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(509343529)
【出願人】(509343530)
【出願人】(509343541)
【出願人】(509343552)
【出願人】(509343563)
【出願人】(509343574)
【出願人】(509343585)
【Fターム(参考)】