説明

H3モジュレーターとして使用される置換されたピペリジンスピロピロリジノン及びピペリジノン

本発明は、式(I)
【化1】


(式中、R1、R2、R3、m、n及びpは明細書に記載した通りである)の一連の置換N−フェニル−ビピロリジンカルボキサミドを開示し、そして請求する。より詳しくは、本発明の化合物は、H3受容体のモジュレーターであり、従って、特に中枢神経系に関連する疾患を含むH3受容体によって調節されるさまざまな疾患の治療及び/又は予防における薬剤として有用である。さらに、また、本発明は、置換N−フェニル−ビピロリジンカルボキサミド及びそのための中間体の製造方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一連の置換されたピペリジンスピロピロリジノン及びピペリジノン誘導体に関する。本発明の化合物は、H3受容体のモジュレーターであり、そのため、特に中枢神経性系に関連する疾患を含むH3受容体によって調節されるさまざまな疾患の治療及び/又は予防における薬剤として有用である。さらに、また、本発明は、置換されたピペリジンスピロピロリジノン及びピペリジノン並びにそのための中間体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒスタミンは、マスト細胞、腸クロム親和様細胞及びニューロンから放出される偏在性のメッセンジャー分子である。ヒスタミンの生理学的作用には、薬理学的に定義された4つの受容体(H1、H2、H3及びH4)が介在している。すべてのヒスタミン受容体は、7つの膜貫通ドメインを示し、そしてGタンパク質共役受容体スーパーファミリー(GPCR)のメンバーである。
【0003】
H1受容体は、ジフェンヒドラミン及びフェキソフェナジンのような典型的抗ヒスタミン剤(アンタゴニスト)の開発により薬理学的に定義されたヒスタミン受容体ファミリーの第1のメンバーであった。免疫系のH1受容体の拮抗作用はアレルギー反応の治療に一般的に使用されるが、H1受容体は、種々の末梢組織及び中枢神経性系(CNS)においても発現される。脳内では、H1は覚醒状態、気分、食欲及びホルモン分泌の制御に関与している。
【0004】
また、H2受容体はCNSで発現され、そこでは、認知を含むいくつかのプロセスを調節することができる。しかし、H2受容体アンタゴニストは、主にヒスタミンが介在する壁細胞による胃酸分泌を阻害することによって胃潰瘍を改善するために開発されてきた。代表的なH2アンタゴニストとしては、シメチジン、ラニチジン及びファモチジンが含まれる。
【0005】
H4受容体機能は十分に定義されていないが、免疫調節及び炎症プロセスに関与している可能性があることにさらに注意しなければならない。
【0006】
一方、H3受容体は、CNS、心臓、肺及び胃においても薬理学的に確認されている。H3受容体は、他のヒスタミン受容体とはかなり異なり、低い配列相同性を示す(H1:30%、H2:28%、H4:51%)。H3は、脳内におけるヒスタミンニューロンのシナプス前自己受容体並びに中枢及び末梢神経性系の両方におけるヒスタミンを含まないニューロン(nonhistamine-containing neurons)中のシナプス前ヘテロ受容体である。ヒスタミンに加えて、H3は、アセチルコリン、ドーパミン、ノルエピネフェリン及びセロトニンを含む他の神経伝達物質の放出及び/又は合成も調節する。特に注目されるのは、H3によるヒスタミン放出のシナプス前調節により、脳内のH1及びH2受容体の有意な調節が可能であるということである。H3は、複数の神経伝達物質のシグナル伝達経路を調節し、多様な生理学的プロセスに寄与することができる。実際に、広範な前臨床エビデンスは、H3が認知、睡眠覚醒サイクル及びエネルギー恒常性において役割を果たしていることを示している。
【0007】
H3機能のモジュレーターは、肥満及び中枢神経系障害(統合失調症、アルツハイマー病、注意欠如多動性障害、パーキンソン病、うつ病及びてんかん)、睡眠障害(ナルコレプシー及び不眠症)、心臓血管障害(急性心筋梗塞)、呼吸器障害(喘息)、及び消化管
障害の治療に有用でありうる。一般に非特許文献1及び非特許文献2参照。
【0008】
特許文献1は、メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニストを有する、置換されたビス−ピロリジンを含む一連の化合物を記載している。しかし、そこに記載された化合物がH3受容体部位で活性であることは報告さていない。
【0009】
本明細書に記載された全ての参考文献は、それらの全体で参照により本明細書に組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第7,223,788号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Hancock. Biochem. Pharmacol. 2006 Apr 14;71(8):1103-13
【非特許文献2】Esbenshade et al. Mol Interv. 2006 Apr;6(2):77-88, 59
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、H3受容体調節性CNS障害を治療するための選択的H3受容体リガンドとして一連の置換されたピペリジンスピロピロリジノン及びピペリジノンを提供することである。
【0013】
また、本発明の目的は、本明細書に記載された置換されたピペリジンスピロピロリジノン及びピペリジノンの製造方法を提供することである。
【0014】
他の目的及び本発明の適用性のさらなる範囲は、以下の詳細な説明から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
さて、式(I)の化合物は、H3受容体アンタゴニスト及び/又は逆アゴニストとして有用であることが見出された。従って、本発明の実施によれば、式(I):
【化1】

[式中、
mは、1又は2であり;
nは、1又は2であり;
pは、1又は2であり;
1は、水素、(C1−C6)アルキル、CF3、(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキルであり;
2は、水素、ハロゲン、(C1−C6)アルキル又はCF3であり;
3は、水素、(C1−C6)アルキル、(C3−C7)シクロアルキル、tert−ブチルオキシカルボニル、(C3−C7)シクロアルキル(C1−C6)アルキル、置換又は非置換のテトラヒドロピラニル、置換又は非置換のテトラヒドロピラニルメチル、置換又は非置換のフラニルメチル、置換又は非置換のベンジル、(C1−C6)アルコキシメチルカルボニル、置換又は非置換の(C3−C7)シクロアルカンカルボニル、置換又は非置換のベ
ンゾイル、置換又は非置換のベンジルカルボニル、置換又は非置換のナフチルカルボニル、置換又は非置換のピリジンカルボニル、置換又は非置換のフランカルボニル、置換又は非置換のテトラヒドロピランカルボニル、置換又は非置換のベンゼンスルホニルであり、ここにおいて、置換基は、ハロゲン、トリフルオロメトキシ、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)アルキル又はCF3、ベンジルオキシカルボニルから選ばれる]の化合物が提供される。
【0016】
本発明は、式(I)の化合物の種々のエナンチオマー又はジアステレオマーを含む式(I)の化合物の種々の塩をさらに含む。
【0017】
また、本発明の別の態様において、1つ又はそれ以上の式(I)の化合物を含む種々の薬学的組成物並びにH3受容体が部分的に及び/又は完全に介在する種々の疾患の緩和におけるその治療上の使用を提供する。
【0018】
発明の詳細な説明
本明細書に使用される用語は、以下の意味を有する:
本明細書に使用されるように、「(C1−C6)アルキル」の語句は、メチル及びエチル基、並びに直鎖又は分枝状プロピル及びブチル基を含む。具体的なアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル及びtert−ブチルである。「(C1−C6)アルコキシ」、「(C1−C6)アルコキシ(C1−C6)アルキル」、又は「ヒドロキシ(C1−C6)アルキル」のような派生した語句は、それに応じて解釈すべきである。
【0019】
本明細書に使用されるように、「シクロアルキル」という語句は、知られている環式基の全てを含む。「シクロアルキル」の代表例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル及び同様のものが含まれるが、なんら制限されるわけではない。「シクロアルコキシ」、「シクロアルキルアルキル」、「シクロアルキルアリール」、「シクロアルキルカルボニル」のような派生した語句は、それに応じて解釈すべきである。
【0020】
本明細書に使用されるように、「(C1−C6)ペルフルオロアルキル」の語句は、前記アルキル基中の水素原子の全てがフッ素原子で置き換えられることを意味する。具体例としては、トリフルオロメチル及びペンタフルオロエチル、並びに直鎖又は分枝状ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、ウンデカフルオロペンチル及びトリデカフルオロヘキシル基が含まれる。派生した語句、「(C1−C6)ペルフルオロアルコキシ」は、それに応じて解釈すべきである。
【0021】
本明細書に使用されるように、「(C6−C10)アリール」の語句は、置換又は非置換のフェニル又はナフチルを意味する。
置換フェニル又はナフチルの具体例としては、o−、p−、m−トリル、1,2−、1,3−、1,4−キシリル、1−メチルナフチル、2−メチルナフチルなどが含まれる。また、「置換されたフェニル」又は「置換されたナフチル」は、本明細書にさらに定義される可能な置換基のいずれか又は当分野で知られているものを含む。派生した語句、「(C6−C10)アリールスルホニル」は、それに応じて解釈すべきである。
【0022】
本明細書に使用されるように、「(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキル」の語句は、本明細書に定義された(C6−C10)アリールが本明細書に定義された(C1−C4)アルキルにさらに結合していることを意味する。代表例としては、ベンジル、フェニルエチル、2−フェニルプロピル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル及び同様のものが含まれる。同様に、「(C6−C10)アリールカルボニル」の語句は、それに応じて解釈すべきである。代表例としては、ベンゾイル、ナフタイルカルボニル及び同様のもの
が含まれる。
【0023】
本明細書に使用されるように、「ヘテロアリール」の語句は、知られているヘテロ原子を含有する芳香族基の全てを含む。代表的な5員ヘテロアリール基としては、フラニル、チエニル又はチオフェニル、ピロリル、イソピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及び同様のものが含まれる。代表的な6員ヘテロアリール基としては、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル及び同様のものが含まれる。二環式ヘテロアリール基の代表例としては、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ピリドフラニル、ピリドチエニル及び同様のものが含まれる。派生した語句「ヘテロアリールカルボニル」、例えば、ピリジンカルボニル、フランカルボニル及び同様のものは、それに応じて解釈すべきである。
【0024】
本明細書に使用されるように、「複素環」の語句は、知られている還元されたヘテロ原子を含有する環式基の全てを含む。代表的な5員複素環基としては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、2−チアゾリニル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル及び同様のものが含まれる。代表的な6員複素環基は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル及び同様のものが含まれる。種々の他の複素環基としては、アジリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル及びトリアゾカニル、及び同様のものが含まれるが、なんら制限されるわけではない。派生した語句「複素環カルボニル」及び「ヘテロシクロアルキル(C1−C6)アルキル」は、それに応じて解釈すべきである。
【0025】
「ハロゲン」又は「ハロ」は、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを意味する。
【0026】
本明細書に使用されるように、「患者」は、例えばラット、マウス、イヌ、ネコ、モルモットのような温血動物及びヒトのような霊長類を意味する。
【0027】
本明細書に使用されるように、「薬学的に許容しうる担体」の語句は、非毒性溶媒、分散剤、賦形剤、佐剤、又は薬学的組成物、すなわち、患者に投与できる剤形の形成を可能にするために本発明の化合物と混合される他の物質を意味するこのような担体の一例は、非経口投与に典型的に用いられる薬学的に許容しうる油である。
【0028】
本明細書に用いられる「薬学的に許容しうる塩」の用語は、本発明の化合物の塩が、薬の製造に用いることができることを意味する。しかしながら、他の塩は、本発明による化合物又はその薬学的に許容しうる塩の製造に有用でありうる。本発明の化合物の適切な薬学的に許容しうる塩としては、例えば、本発明による化合物の溶液を塩酸、臭化水素酸、硝酸、スルファミン酸、硫酸、メタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、ケイ皮酸、2−フェノキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、炭酸又はリン酸のような薬学的に許容しうる酸の溶液と混合することによって形成することができる酸付加塩が含まれる。また、オルトリン酸一水素ナトリウム及び硫酸水素カリウムのような酸金属塩を形成することもできる。また、このように形成された塩は、一又は二酸塩として存在してもよく、そして実質的に無水で存在することができ、又は水和することができる。さらにまた、本発明の化合物が酸性部分を担持する場合、その適切な薬学的に許容しうる塩としては、アルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム又はマグネシウム塩、及び適切な有機リガンドと形成された塩、例えば第四級アン
モニウム塩が含まれうる。
【0029】
「立体異性体」の語句は、空間におけるそれらの原子の配向性のみが異なる個別分子のすべての異性体に用いられる一般的な用語である。典型的に、通常、少なくとも1つの不斉中心のため形成される鏡像異性体(エナンチオマー)が含まれる。本発明による化合物が2つ又はそれ以上の不斉中心を有する場合、さらにジアステレオ異性体として存在してもよく、また、ある種の個別分子は、幾何異性体(シス/トランス)として存在してもよい。同様に、本発明のある種の化合物は、一般に互変異性体として知られている、迅速平衡にある2つ又はそれ以上の構造的に異なる形態の混合物で存在してもよい。互変異性体の代表例としては、ケト−エノール互変異性体、フェノール−ケト互変異性体、ニトロソ−オキシム互変異性体、イミン−エナミン互変異性体などが含まれる。すべてのこのような異性体及びあらゆる比率におけるそれらの混合物が本発明の範囲内に包含されることは理解すべきである。
【0030】
本明細書に用いられるように、『R』及び『S』は、キラル中心の特異的な配置を表すために有機化学で一般に使用される用語として用いられる。『R』(レクタス)という用語は、結合に沿って最も低い優先順位の基に向かって見たときに、時計回りの関係の基の優先順位(最も高いものから二番目に低いものに対して)を有するキラル中心の配置のことである。『S』(シニスター)という用語は、結合に沿って最も低い優先順位の基に向かって見たときに、反時計回りの関係の基の優先順位(最も高いものから二番目に低いものに対して)を有するキラル中心の配置のことである。基の優先順位は、順位規則に基づいており、その際、優先順位は第1に原子番号に基づく(原子番号が減少する順序)。優先順位のリスト及び議論は、Stereochemistry of Organic Compounds, Ernest L. Eliel,
Samuel H. Wilen and Lewis N. Mander, 編集者, Wiley-Interscience, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に含まれる。
【0031】
(R)−(S)系に加えて、特にアミノ酸に関して絶対配置を表すためにより古いD−L系も本明細書において用いることができる。この系では、主鎖の番号1の炭素が最上部になるようにフィッシャー投影式の向きを合わせる。接頭辞『D』は、官能(決定)基がキラル中心において炭素の右側にある異性体の絶対配置を表すために用いられ、そして『L』は、それが左にある異性体のそれを表わすために用いられる。
【0032】
広い意味で、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容できる置換基を含むものとする。本明細書に記載された特定の実施態様のいくつかにおいて、「置換された」という用語は、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C1−C6)ペルフルオロアルキル、フェニル、ヒドロキシ−CO2H、エステル、アミド、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)チオアルキル、(C1−C6)ペルフルオロアルコキシ、−NH2、Cl、Br、I、F、−NH−低級アルキル及び−N(低級アルキル)2からなる群より独立して選ばれる1つ又はそれ以上の置換基で置換されたことを意味する。しかしながら、また、当業者に知られている他の適切な置換基はいずれもこれらの実施態様に用いることができる。
【0033】
「治療上有効な量」は、列記された疾患、障害又は状態の治療に有効である化合物の量を意味する。
【0034】
「治療」という用語は、以下のことである:
(i)疾患、障害及び/又は状態にかかりやすいかもしれないが、かかったとまだ診断されていない患者において疾患、障害又は状態が生じるのを予防すること;
(ii)疾患、障害又は状態を抑制すること、すなわち、その進行を抑えること;そして(iii)疾患、障害又は状態を軽減すること、すなわち、疾患、障害及び/又は状態の
退縮させること。
【0035】
従って、本発明の実施によれば、式Iの化合物が提供される:
本発明は、式(I)の化合物の種々のエナンチオマー又はジアステレオマーを含む式(I)の化合物の種々の塩をさらに含む。
【0036】
また、本発明の別の態様において、1つ又はそれ以上の式(I)の化合物を含む種々の薬学的組成物並びにH3受容体が部分的に及び/又は完全に介在する種々の疾患の緩和におけるその治療上の使用が提供される。
【0037】
従って、本発明の実施によれば、式I:
【化2】

[式中、
mは、1又は2であり;
nは、1又は2であり;
pは、1又は2であり;
1は、水素、(C1−C4)アルキル、CF3、(C1−C4)アルコキシ−(C1−C4)アルキルであり;そして
2は、水素、ハロゲン、(C1−C4)アルキル又はCF3であり;
3は、水素、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、例えばtert−ブチルオキシカルボニル、(C3−C7)シクロアルキル(C1−C6)アルキル、置換又は非置換の複素環、例えばテトラヒドロピラニル、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル(C1−C6)アルキル、例えばテトラヒドロピラニルメチル、置換又は非置換の5又は6員環ヘテロアリール(C1−C6)アルキル、例えばフラニルメチル、置換又は非置換のベンジル、(C1−C4)アルコキシメチルカルボニル、置換又は非置換の(C3−C7)シクロアルカンカルボニル、置換又は非置換のベンジルカルボニル、置換又は非置換の(C6−C10)アリールカルボニル、例えばナフチルカルボニル、ベンゾイル、など、置換又は非置換の5又は6員環ヘテロアリールカルボニル、例えばピリジンカルボニル又はフランカルボニル、置換又は非置換の複素環カルボニル、例えばテトラヒドロピランカルボニル、置換又は非置換のベンゼンスルホニル、ここにおいて、置換基はハロゲン、トリフルオロメトキシ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキル又はCF3から選ばれる]の化合物が提供される。
【0038】
本発明は、式(I)の化合物の種々のエナンチオマー又はジアステレオマーを含む式(I)の化合物の種々の塩をさらに含む。先に及び後に具体例として示したように、薬学的に許容しうる塩を含む形成することができる塩の全ては、本発明の一部である。先に及び後に示したように、式(I)の化合物の考えられるエナンチオマー及びジアステレオマー形態の全ては、本発明の一部である。
【0039】
また、一実施態様において、
n、p及びmは、1であり;
1は、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル又はメトキシメチルであり;
2は、水素、フッ素、塩素、メチル、エチル又はCF3であり;そして
3は、水素、メトキシメチルカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、シク
ロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジル、フラニルメチル、シクロペンタン−カルボニル、シクロヘキサンカルボニル、トリフルオロメトキシベンゾイル、フルオロベンゾイル、ベンジルカルボニル、ナフチルカルボニル、ベンゼンスルホニル、フルオロベンゼンスルホニル又はメトキシベンゼンスルホニルである、式(I)の化合物が提供される。
【0040】
また、本発明の別の実施態様において、
nは2であり、そしてmは1であるか;又はnは1であり、そしてmは2であり;pは、1又は2であり;
1は、メチル又はエチルであり;
2は、水素、フッ素、塩素、メチル、エチル又はCF3であり;そして
3は、水素、イソプロピル、tert−ブチルオキシカルボニル、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジル、フラニルメチル、テトラヒドロピラニルメチル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、テトラヒドロピランカルボニル、ベンゾイル、トリフルオロメトキシベンゾイル、フルオロベンゾイル、ベンジル−カルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジンカルボニル、フランカルボニル又はベンゼンスルホニルである、式(I)の化合物が提供される。
【0041】
本発明のさらなる態様において、本発明の範囲によって包含される以下の化合物を列挙することができるが、なんら制限されるわけではない:
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル;
4−{[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−メチル−カルバモイル}−4−プロピル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.
5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
【0042】
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−ベンゼンスルホニル−2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン 塩酸塩;
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン 塩酸塩;
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン 塩酸塩;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−
[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ
[4.5]デカン−1−オン;
【0043】
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
3−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(ピリジン−4−カルボニル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−(フラン−3−カルボニル)−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−ベンゾイル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−(4−フルオロ−ベンゾイル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−シクロヘキサンカルボニル−2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−イソプロピル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
【0044】
9−シクロヘキシルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.
5]ウンデカン−1−オン;
9−ベンジル−2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−フラン−2−イルメチル−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(4−フルオロ−ベンゾイル)−2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロヘキサンカルボニル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンタンカルボニル−2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
【0045】
8−シクロプロピルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロヘキシルメチル−2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{2−フルオロ−4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−フェニルアセチル−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(2−メトキシ−アセチル)−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−(ナフタレン−2−カルボニル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−ベンゾイル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(フラン−3−カルボニル)−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−フラン−2−イルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;及び
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン。
【0046】
また、上の全ての化合物は、その薬学的に許容しうる塩を含みうるかどうかにかかわらず、対応する塩を含むことができる。
【0047】
本発明の別の態様において、本発明の式(I)の化合物によって包含される以下の化合物を列挙することができるが、なんら制限されるわけではない:
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジ
アザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
3−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)
−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−イソプロピル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−シクロヘキシルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
【0048】
9−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−ベンジル−2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−フラン−2−イルメチル−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
8−シクロプロピルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{2−フルオロ−4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−フラン−2−イルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;及び
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン。
【0049】
また、薬学的に許容しうる塩を含む上記化合物の考えられる全ての塩は、本発明の一部である。
【0050】
本発明の別の態様において、本発明の化合物は、式(II):
【化3】

(式中、R1、R2、R3、m、n及びpは、先に定義された通りである)の特異的な立体異性形態によって表すことができる。
【0051】
本発明の化合物は、当業者に知られている方法のいずれかによって合成することができる。具体的に、本発明の化合物の製造に用いられる出発物質のいくつかは、知られているか又はそれ自体商業的に入手可能である。また、本発明の化合物及び前駆体化合物のいくつかは、文献に報告され、そして本明細書にさらに記載されたような類似化合物を製造するために用いられる方法によって製造することができる。例えば、R. C. Larock, “Comprehensive Organic Transformations,” VCH publishers, 1989参照。
【0052】
また、種々の有機反応において、反応における望ましくない参入を回避するため、例えばアミノ基のような反応性官能基を保護する必要がありうることはよく知られている。慣用の保護基は、標準的な実施方法に従って用いることができ、そして当業者に知られており、例えば、T. W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry” John Wiley and Sons, Inc., 1991参照。例えば、適切なアミン保護基としては、スルホニル(例えば、トシル)、アシル(例えば、ベンジルオキシカルボニル又はt−ブトキシカルボニル)及びアリールアルキル(例えば、ベンジル)が含まれるが、なんら制限されるわけではなく、それらは、必要に応じて加水分解又は水素化によって後で除去することができる。他の適切なアミン保護基としては、塩基触媒による加水分解によって除去することができるトリフルオロアセチル[−C(=O)CF3]、又は固相樹脂に結合したベンジル基、例えばメリフィールド樹脂に結合した2,6−ジメトキシベンジル基(エルマンリンカー)又は酸接触加水分解によって、例えばTFAを用いて除去することができる2,6−ジメトキシ−4−[2−(ポリスチリルメトキシ)エトキシ]ベンジルが含まれる。
【0053】
より具体的には、本明細書に記載された化合物及びそのために用いられる種々の前駆体は、スキーム1〜5の以下の方法に従って合成することができ、その際、R1、R2、R3、m及びnは、特に明記しない限り、式Iに定義された通りである。
【0054】
例えば、スキーム1は、式(4)(式中、Rは、本明細書に定義された通りである)の中間体[1,3']−ピロリジニル−ピロリジンの製造を説明する。まず、スキーム1、工程1において、式(1)の適切に保護された(例えばtert−ブチルオキシカルボニル(boc))ピロリジノンを知られている還元的アミノ化方法のいずれかによって式(2)の望ましい置換されたピロリジンと縮合して式(3)の中間体を形成する。例えば、このような縮合反応は、窒素雰囲気のような不活性雰囲気中、トリアセトキシボロヒドリドのような還元剤の存在下で一般に実施する。反応は、周囲より低い(sub-ambient)、周囲の又は周囲より高い(super-ambient)反応温度及び圧力のいずれかで実施することができる。典型的に、このような反応は、窒素の大気圧で、室温で実施する。次いで、当業
者に知られている方法を用いて反応混合物を処理して式(3)の中間体を単離する。
【0055】
次いで、スキーム1、工程2において、中間体(3)を脱保護して所望の式(4)の[1,3']−ピロリジニル−ピロリジンを形成する。このような脱保護反応は、一般に酸性条件下、例えば塩酸の存在下で周囲より低い温度から周囲温度、例えば約−10℃から室温の範囲の温度で実施する。しかし、式(3)の中間体の性質に応じて、他の適切な反応温度を用いることもできる。
【0056】
【化4】

【0057】
スキーム2は、式(9)(式中、Rは、本明細書に定義された通りである)の[1,3']ピロリジニル−ピロリジンの鏡像異性的に純粋な異性体の製造を説明する。スキーム2、工程1において、式(5)の適切に保護された(例えばboc)ピロリジン又はピペリジンアルコールをp−トルエンスルホニルクロリドで処理して式(6)の中間体を形成する。この反応は、例えば適切な有機溶媒、好ましくはジクロロメタンのような非プロトン性溶媒中、トリエチルアミン及びDMAPのような適切な塩基の存在下、周囲より低い又は周囲温度条件で反応を実施するような、当業者に知られている方法のいずれかを用いて実施することができる。
【0058】
スキーム2、工程2において、式(6)の中間体を望ましい式(7)のピロリジン又はピペリジンと縮合させる。また、このような縮合反応は、式(8)の中間体を得るために当業者に知られている方法のいずれかを用いて実施することができる。典型的に、このような縮合反応は、アセトニトリルのような溶媒の存在下、炭酸カリウムのような塩基の存在下で、周囲温度から周囲より高い温度条件で実施する。
【0059】
次いで、スキーム2、工程3において、式(8)の中間体をジオキサンのような適切な溶媒中で塩酸のような酸と反応させて所望の式(9)の中間体の立体特異的異性体を形成する。ここで、式(9)の中間体は、本発明のプロセスに従って高エナンチオマー純度で容易に形成できることが見出され、その具体的な詳細を、種々の実施例として以下に提供する。一般に、エナンチオマー純度は、キラルHPLCを用いて測定することができる。
【0060】
【化5】

【0061】
スキーム3は、式(13)の中間体の製造を説明する。スキーム3、工程1において、式(10)の商業的に入手可能なピペリジン―1,4―ジカルボキシル酸性1−tert−ブチルエステル4−エチルエステルを、THF中、HMPAの存在下でnBuLiのような適切な塩基、続いてアルケニルハライドで処理して式(12)の中間体を形成する。この反応は、文献(Nagumo, S.; Matoba A.; et al, Tetrahedron, 2002, 58(49), 9871-9877; Stafford, J. A.; Heathcock, C. H. J. Org. Chem., 1990, 55(20), 5433-5434)に報告されたような当業者に知られている方法のいずれかを用いて実施することができる。スキーム3、工程2において、プロパノール及び水中でOsO4及びNaIO4によりアルケン(12)を切断してアルデヒド(13)を形成する。
【0062】
【化6】

【0063】
スキーム4は、本発明の化合物の製造を説明する。式(13)のアルデヒドを知られている還元的アミノ化方法のいずれかによって式(16)の望ましい商業的に入手可能なブロミドと縮合させて式(17)の中間体を形成する。例えば、このような縮合反応は、一般に窒素雰囲気のような不活性雰囲気中、トリアセトキシボロヒドリドのような還元剤の存在下で実施する。反応は、周囲より低い、周囲の又は周囲より高い反応温度及び圧力のいずれかで実施することができる。典型的に、このような反応は、窒素の大気圧で、室温で実施する。次いで、反応混合物を当業者に知られている方法を用いて処理して式(17)の中間体を単離する。次いで、THFのような非プロトン性溶媒中触媒量の塩基、例え
ばカリウムt−ブトキシドによって環化を開始して式(18)の化合物を形成する。次いで、式(18)の中間体をスキーム1及び2に従って製造したアミン中間(4)又は(9)と縮合させて本発明の化合物(19)を形成する。
【0064】
【化7】

【0065】
スキーム5は、式(19)の化合物からのさらなる誘導体化を説明する。保護基の除去によりアミン(20)を得る。このアミンは、還元的アミノ化条件下でアルキル化するか又は、カルボン酸若しくはスルホン酸若しくはその酸塩化物又は酸無水物を用いてアシル化してアミド又はスルホンアミドを形成することができる。
【化8】

【0066】
すでに先に記載したように、本発明の化合物は、容易に塩に転換することができる。よ
り詳しくは、本発明の化合物は、塩基性であり、そして本発明のこのような化合物は、遊離塩基の形態で又はその薬学的に許容しうる酸付加塩の形態で有用である。酸付加塩は、使用にとってより都合のよい形態をとることができ;そして実際には、塩の形態の使用は、遊離塩基形態の使用に本質的に等しい。酸付加塩の製造に用いることができる酸としては、好ましくは、遊離塩基に固有の有益な阻害作用がアニオンに起因する副次的効果によってそこなわれないように、遊離塩基と合わせたときに、薬学的に許容しうる塩、すなわちアニオンが塩の薬学的用量で患者に非毒性である塩を生じるものが含まれる。前記塩基性の化合物の薬学的に許容しうる塩は好ましいが、例えば、塩が精製及び同定のためにだけ形成されるとき、又はそれがイオン交換法によって薬学的に許容しうる塩を製造する際の中間体として用いられるときのように、特定の塩がそれ自体で中間生成物としてしか望まれない場合であっても、すべての酸付加塩は、遊離塩基の形態の供給源として有用である。
【0067】
この実施態様の別の態様において、本発明の化合物で予防及び/又は治療することができる特定の疾患、障害又は状態としては、以下のものが含まれるが、なんら制限されることはない:睡眠関連障害(具体例としてナルコレプシー、注意欠陥、概日リズム睡眠障害、閉塞性睡眠時無呼吸、周期性四肢運動及びレストレスレッグ症候群、過度の眠気及び投薬副作用による嗜眠状態、などが含まれるが、なんら制限されるわけではない)、神経障害(列挙できる具体例としては、認知症、アルツハイマー病、多発性硬化症、てんかん及び神経因性疼痛が含まれるが、なんら制限されるわけではない)、神経心理学的及び認知障害(いくつかの具体例としては、統合失調症、注意欠陥多動性障害、アルツハイマー病、うつ病、季節性感情障害及び認知障害が含まれるが、なんら制限されるわけではない)。また、特定の障害としては、統合失調症に関連する認知障害(CIAS)、不安障害、例えば全般性不安、パニック障害及び心的外傷後ストレス障害、並びに大うつ病性障害が含まれる。他の障害としては、アルツハイマー型認知症(DAT)、神経系疾患に関連する認知障害、例えばアルツハイマー、パーキンソン、ハンチントン、加齢関連の認知障害、軽度認知障害、血管性認知症、レビー小体型認知症及び他のあらゆる認知関連の認知障害が含まれる。
【0068】
具体例として以下に記載するように、式(I)の化合物は、H3受容体と結合し、そしてH3機能活性に対して逆アゴニズムを示す。従って、本発明の化合物は、H3受容体リガンドで改善される疾患又は状態の治療において有用性を有することができる。より詳しくは、本発明の化合物は、受容体の活性に拮抗することによってH3受容体の機能を調節するH3受容体リガンドである。さらに、本発明の化合物は、受容体の基礎活性を阻害する逆アゴニストであってもよいし、又は受容体活性化アゴニストの作用を完全に阻止するアンタゴニストであってもよい。また、さらに、本発明の化合物は、H3受容体を部分的に阻止する又は部分的に活性化する部分アゴニストであってもよいし、又は受容体を活性化するアゴニストであってもよい。従って、本発明の化合物は、機能出力(functional output)、ヒスタミン状態(histamine tone)及び又は組織状況(tissue context)に応じてアンタゴニスト、逆アゴニスト及び/又は部分アゴニストとして特異的に作用することができる。従って、これらの化合物の特異的な活性により、上に具体的に列挙された複数の疾患状態を改善する有用性を得ることができる。
【0069】
従って、本発明の一態様において、患者に式(I)の化合物の治療上有効量を投与することを含む、患者における疾患の治療方法であって前記疾患が睡眠関連障害、認知症、アルツハイマー病、多発性硬化症、認知障害、注意欠如多動性障害及びうつ病からなる群より選ばれる前記方法が提供される。
【0070】
本明細書に特別に記載された病理及び疾患状態は、制限するためではなく、むしろ本発明の化合物の有効性を説明するためであることは、当業者によって容易に理解される。従
って、本発明の化合物は、H3受容体の効果によって生じたあらゆる疾患の治療に使用できることを理解すべきである。すなわち、上記のように、本発明の化合物は、H3受容体のモジュレーターであり、そしてH3受容体がすべてに又は部分的に介在するあらゆる疾患状態を改善するために効果的に投与することができる。
【0071】
本明細書に記載された本発明の化合物の種々の実施態様の全ては、本明細書に記載された種々の疾患状態の治療方法に用いることができる。本明細書に記載されたように、本発明の方法に使用される化合物は、H3受容体の効果を阻害し、それによって、H3の活性のために生じた効果及び/又は状態を緩和することができる。
【0072】
本発明の方法の別の実施態様において、本発明の化合物は、当分野で知られている方法のいずれかによって投与することができる。具体的には、本発明の化合物は、経口、筋肉内、皮下、直腸、気管内、鼻腔内、腹腔内又は局所経路によって投与することができる。
【0073】
また、最終的に、本発明のさらに別の実施態様において、薬学的に許容しうる担体及び式(I)の化合物のエナンチオマー、立体異性体及び互変異性体並びにその医薬上許容しうる塩、溶媒和物又は誘導体を含む式(I)の化合物を含む薬学的組成物が提供され、前記化合物は本明細書に記載された式Iに示す一般構造を有する。
【0074】
本明細書に記載されたように、本発明の薬学的組成物は、H3阻害活性を特徴としており、従って、患者においてH3の効果のため生じたあらゆる疾患、状態又は障害の治療に有用である。また、上記のように、本明細書に記載された本発明の化合物の好ましい実施態様の全ては、本明細書に記載された薬学的組成物の製造に使用することができる。
【0075】
好ましくは本発明の薬学的組成物は、経口、非経口、鼻腔内、舌下又は直腸投与のための、又は吸入若しくは通気による投与のための錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、無菌非経口液剤又は懸濁剤、定量エアゾール剤又は液体スプレー剤、点滴剤、アンプル、自己注射器又は坐剤といったような単位剤形中にある。別法として、組成物は、週1回又は月1回の投与に適した形態であってもよい;例えば、デカン酸塩のような活性化合物の不溶性塩を適応させて筋肉内投与のためのデボー製剤を提供することができる。活性成分を含む浸食性ポリマーを想定してもよい。錠剤のような固形組成物を製造するには、主要活性成分を薬学的担体、例えば慣用の錠剤化成分、例えばコーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム又はゴム、及び他の薬学的希釈剤、例えば水と混合して本発明の化合物又はその薬学的に許容しうる塩の均一な混合物を含む固形予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均一と称する場合、組成物が錠剤、丸剤及びカプセル剤のような等しく有効な単位剤形に容易に細分することができるように、活性成分が組成物の全体を通じて均一に分散されたことを意味する。次いで、この固形予備処方組成物を本発明の活性成分0.1〜約500mgを含む、上記タイプの単位剤形に細分する。風味付けされた単位剤形は、活性成分1〜100mg、例えば1、2、5、10、25、50又は100mgを含む。新規組成物の錠剤又は丸剤は、コーティングするか又は別途、調合して持続作用の利点を有する剤形を提供することができる。例えば、錠剤又は丸剤は、内側投薬及び外側投薬成分を含むことができ、後者は前者をおおう外皮の形態にある。2つの成分は、胃中での崩壊を阻止するのに役立つ腸溶層によって分割することができ、そして内側成分は損傷を受けることなく十二指腸に入ることができ、すなわち放出を遅延することができる。このような腸溶層又はコーティングには、さまざまな物質を用いることができ、このような物質には、多くのポリマー酸並びにポリマー酸とセラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような物質との混合物が含まれる。
【0076】
本発明の新規組成物を経口的に又は注射によって投与するために組み込むことができる
液体形態としては、水性液剤、適切に風味付けされたシロップ剤、水性又は油懸濁剤、及び綿実油、ゴマ油、ヤシ油又は落花生油のような食用油で風味付けされた乳剤、並びにエリキシル剤及び同様の薬学的ビヒクル(vehicle)が含まれる。水性懸濁剤に適した分散又は懸濁化剤としては、合成及び天然ゴム、例えばトラガカント、アカシア、アルギナート、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチンが含まれる。
【0077】
本発明の薬学的組成物は、当分野で知られている方法のいずれかによって投与することができる。一般に、本発明の薬学的組成物は、経口、筋肉内、皮下、直腸、気管内、鼻腔内、腹腔内又は局所経路によって投与することができる。本発明の薬学的組成物の好ましい投与は、経口及び鼻腔内経路による。経口又は鼻腔内経路によって薬学的組成物を投与するための知られている方法はいずれも本発明の組成物の投与に使用することができる。
【0078】
本明細書に記載された種々の疾患状態の治療において、適切な投薬レベルは、1日当たり約0.01〜250mg/kg、好ましくは1日当たり0.05〜100mg/kg、そして特に1日当たり約0.05〜20mg/kgである。化合物は、1日当たり1〜4回のレジメンで投与することができる。
【0079】
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、それらは説明のために提供するのであって、本発明の範囲をなんら制限することはない。
【実施例】
【0080】
実施例(一般的)
以下の実施例及び製造に使用したように、その中に使用される用語は、記載された意味を有する:「kg」は、キログラムのことであり、「g」は、グラムのことであり、「mg」は、ミリグラムのことであり、「μg」は、マイクログラムのことであり、「pg」は、ピコグラムのことであり、「lb」は、ポンドのことであり、「oz」は、オンスのことであり、「mol」は、モルのことであり、「mmol」は、ミリモルのことであり、「μmole」は、マイクロモルのことであり、「nmole」は、ナノモルのことであり、「L」は、リットルのことであり、「mL」又は「ml」は、ミリリットルのことであり、「μL」は、マイクロリットルのことであり、「gal」は、ガロンのことであり、「℃」は、摂氏の温度差のことであり、「Rf」は、保持因子のことであり、「mp」又は「m.p.」は、融点のことであり、「dec」は、分解のことであり、「bp」又は「b.p.」は、沸点のことであり、「mmHg」は、水銀のミリメートルにおける圧力のことであり、「cm」は、センチメートルのことであり、「nm」は、ナノメートルのことであり、「abs.」は、無水のことであり、「conc.」は、濃縮されたもののことであり、「c」は、g/mLにおける濃度のことであり、「DMSO」は、ジメチルスルホキシドのことであり、「DMF」は、N,N−ジメチルホルムアミドのことであり、「CDI」は、1,1'−カルボニルジイミダゾールのことであり、「DCM」又は「CH2Cl2」は、ジクロロメタンのことであり、「DCE」は、1,2−ジクロロエタンのことであり、「HCl」は、塩酸のことであり、「EtOAc」は、酢酸エチルのことであり、「PBS」は、リン酸緩衝食塩水のことであり、「IBMX」は、3−イソブチル−1−メチルキサンチンのことであり、「PEG」は、ポリエチレングリコールのことであり、「MeOH」は、メタノールのことであり、「MeNH2」は、メチルアミンのことであり、「N2」は、窒素ガスのことであり、「iPrOH」は、イソプロピルアルコールのことであり、「Et2O」は、エチルエーテルのことであり、「LAH」は、水素化アルミニウムリチウムのことであり、「ヘプタン」は、n−ヘプタンのことであり、「HMBA−AM」樹脂は、4−ヒドロキシメチルベ安息香酸ンアミノメチル樹脂のことであり、「PdCl2(dppf)2」は、1,1(−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドDCM錯体のことであり、「HBTU」は、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートのことであり、「DIEA」は、ジイソプロピルエチルアミンのことであり、「CsF」は、フッ化セシウムのことであり、「MeI」は、ヨウ化メチルのことであり、「AcN」、「MeCN」又は「CH3CN」は、アセトニトリルのことであり、「TFA」は、トリフルオロ酢酸のことであり、「THF」は、テトラヒドロフランのことであり、「NMP」は、1−メチル−2−ピロリジノンのことであり、「H2O」は、水のことであり、「BOC」は、t−ブチルオキシカルボニルのことであり、「ブライン」は、飽和塩化ナトリウム水溶液のことであり、「M」は、モルのことであり、「mM」は、ミリモルのことであり、「μM」は、マイクロモルのことであり、「nM」は、ナノモルのことであり、「N」は、正常のことであり、「TLC」は、薄層クロマトグラフィのことであり、「HPLC」は、高性能液体クロマトグラフィのことであり、「HRMS」は、高分解能質量スペクトルのことであり、「L.O.D.」は、乾燥減量のことであり、「μCi」は、マイクロキュリーのことであり、「i.p.」は、腹腔内のことであり、「i.v.」は、静脈内のことであり、anhyd=無水;aq=水性;min=分;hr=時間;d=日;sat.=飽和;s=一重線、d=二重線;t=三重線;q=四重線;m=多重線;dd=二重線の二重線;br=ブロード;LC=液体クロマトグラフィ;MS=質量分析器;ESI/MS=エレクトロスプレーイオン化/質量分析器;RT=保持時間;M=分子イオン、「~」=約。
【0081】
反応は、一般に窒素雰囲気下で実施した。溶媒を硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして回転蒸発器において真空下で蒸発させた。TLC分析は、EM Scienceシリカゲル60 F254プレートを用いてUV照射により可視化して実施した。フラッシュクロマトグラフィは、Alltechパック詰めのシリカゲルカートリッジを用いて実施した。1H NMRスペクトルは、ASW5mmプローブを備えたGemini 300又はVarian Mercury 300分光計において300MHzで実施し、そして特に明記しない限り、通常、D2O、DMSO−D6又はCDCl3のような重水素化溶媒中、周囲温度で記録した。化学シフト値( )は、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を基準にして100万分率(ppm)で示した。
【0082】
保持時間(RT)及び関連する質量イオンを測定するための高圧液体クロマトグラフィ−質量分析(LCMS)実験は、以下の方法の1つを用いて実施した:
質量スペクトル(MS)は、Micromass質量分析器を用いて記録した。一般に、使用した方法は、陽電子スプレーイオン化であり、100から1000まで質量m/zを走査した。液体クロマトグラフィは、Hewlett Packard 1100 Series Binary Pump & Degasserにおいて実施した;使用した補助検出器は、以下の通りである:Hewlett Packard 1100 SeriesUV検出器、波長=220nm、そしてSedere SEDEX 75 Evaporative Light Scattering (ELS)検出器 温度=46℃N2圧力=4bar
LCT:勾配(AcN+0.05%TFA):(H2O+0.05%TFA)=5:95(0分)〜95:5(2.5分)〜95:5(3分)。カラム:YMC Jsphere 33×2 4μM,1ml/分
MUX:カラム:YMC Jsphere 33×2,1ml/分 勾配(AcN+0.05%TFA):(H2O+0.05%TFA)=5:95(0分)〜95:5(3.4分)〜95:5(4.4分)
LCT2:YMC Jsphere 33×2 4μM、(AcN+0.05%TFA):(H2O+0.05%TFA)=5:95(0分)〜95:5(3.4分)〜95:5(4.4分)
QU:YMC Jsphere 33×2 1ml/分,(AcN+0.08%ギ酸):(H2O+0.1%ギ酸)=5:95(0分)〜95:5(2.5分)〜95:5(3.0分)
【0083】
以下の実施例は、本発明の化合物の製造に用いる種々の出発物質の製造に使用される方法を記載する。
【0084】
中間体
中間体(i)
2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化9】

DCE(60mL)中のN−BOC−3−ピロリジノン(4.22g,22.9mmol)及び2−メチルピロリン(1.95g,22.9mmol)(HCl塩は、エーテル中の1M HCl 22.9mLを2−メチルピロリンのDCM溶液に加えてから蒸発させることによって製造した)の溶液にN2下、室温で粉末状ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドをゆっくり加えた。黄色がかった乳白色の溶液を室温で一夜撹拌した。LC/MS−m/z 255及び199(基準及びM−tBu)。反応を水性NaHCO3溶液(100mL)でクエンチした。二層を分離し、そして水層をDCM(20mL×2)で抽出した。合わせたDCM抽出物を炭酸水素ナトリウム(10mL)及びブライン(5mL×2)で洗浄し、乾燥(無水炭酸カリウム)させ、濾過し、そして真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム上で精製し、DCM及びDCM中の7.5%MeOHで溶離して表題化合物5.50g(収率:94%)を液体として得た。
MS:255(M+H+);TLC:0.5(DCM中の10%MeOH)
【0085】
中間体(ii)
2−メチル−[1,3']ビピロリジニル塩酸塩
【化10】

2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.50g,21.62mmol)を0℃でジオキサン中の4M HCl 20mLにより処理した。溶液を窒素下、室温で一夜撹拌した。TLC(DCM中の10%MeOH)は、出発物質を検出しなかった。撹拌しながら溶液にN2を通過させた。排出口をKOH溶液に通過させてHClを30分間吸収させた。溶媒を蒸発乾固によって除去して吸湿性の粘着性物質5.3g(約100%)として表題化合物を得た。この物質をさらに精製することなく、以下に説明する後の工程に使用した。
LCMS:RT=0.35分,MS:155(M+H)
1H NMR (D2O, 300MHz):δ 4.30 (m), 3.85 (m), 3.76 (s), 3.5 (m), 3.46 (m), 3.32 (m), 2.66 (m), 2.28 (m), 2.10 (m), 1.46 (bs).
【0086】
中間体(iii)
(R)−3−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化11】

機械的撹拌棒及び250ml滴下ロートを備えた2L丸底フラスコにp−トシルクロリド(58g,305mmol,1.5当量)及び無水DCM600mlを加えた。溶液を氷水浴で冷却した。Et3N(65ml)及びDMAP(2.65g)を加えた。DCM200ml中の(R)−3−(−)−N−Boc−ヒドロキシピロリジン(38g,203mmol,1.0当量)の溶液をゆっくり加えた。反応混合物を室温で一夜を撹拌するのにまかせた。TLCは反応の完了を示した。生成物はRf値0.3(TLCは、DCM中で展開した)を有した。反応物を氷水浴によって冷却した。ポリマー担持されたトリスアミン(32g)を加え、そして30分間撹拌した。トリスアミンビーズを濾過し、そしてDCM300〜400mLですすいだ。有機溶液をH3PO4(1M)溶液200mLで2回、続いて飽和NaHCO3溶液(200mL)及びブライン(200mL)で洗浄した。有機相をK2CO3で乾燥させた。濃縮した後、粗生成物を750gシリカゲルカートリッジ(DCM〜DCM中の5%MeOH)によって精製して淡褐色の油(52g,75%)として表題化合物を得た。
MS:363(M+Na+);TLC(DCM)Rf=0.3
1H NMR (CDCl3, 300MHz), δ (ppm): 7.80 (d, 9.0Hz, 2H), 7.35 (d, 7.8Hz, 2H), 5.04
(bs, 1H), 3.45 (m, 4H), 2.46 (bs, 3H), 2.05 (m, 2H), 1.43 (s, 9H).
【0087】
中間体(iv)
(S)−3−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化12】

丸底フラスコに無水DCM80mLを入れた。溶媒を排出し、そして窒素でパージした。この溶媒に(3S)−1−BOC−3−ピロリジノール(Astatechから入手した)、(16.32g,33.8mmol)、DMAP(0.4g)を加えた。溶液を氷水浴で冷却した。この冷溶液にDCM20mL中のp−トルエン−スルホニルクロリド(9.67g,50.87mmol,1.5当量)の溶液を加えた。氷水浴をはずし、そして溶液は窒素下で一夜撹拌した。TLC(SMについてはDCM中の5%MeOH,I2可視化;生成物についてはDCM,UV)は、反応の完了を示した。ポリマー担持されたアミン(4.5g)の添加によって反応をクエンチし、30分間撹拌した。DCM50mLを加え、そして濾過した。濾過パッドをDCMで洗浄した。有機物をH3PO4(1M,2×50mL)、続いてNaHCO3(50mL,ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥(K2CO3)させ、濾過し、そして濃縮して液体を得た。DCM中の0〜2%MeOHを用いてAnalogixにおける110gシリカゲルカラム上でこれを精製して純粋な生成物8.82g(収率77%)を得た。
TLC(DCM)Rf=0.3 LC:Rt=3.55分,全体イオンに基づいて100%純粋,MS:363(M+Na);342,327,286(基準)
1H NMR (300MHz, CDCl3), d (ppm): 7.81 (d, 8.7Hz, 2H), 7.37 (d, 8.7Hz, 2H), 5.04 (bs, 1H), 3.45 (m, 4H), 2.46 (s, 3H), 1.44 (s, 9H).
【0088】
中間体(v)
(2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化13】

トシラート(52g,0.15mol,1.0当量)、(2S)−2−メチルピロリジン(25.2g,0.3mol,2.0当量)、無水CH3CN(500ml)及び乾燥K2CO3粉末(50g,36mmol,2.4当量)を機械的撹拌機及び還流冷却器を備えた2L丸底フラスコに加えた。生成した懸濁液を75℃で20時間撹拌した。加熱ブロックを88℃に設定した。
LC/MSは、m/z 363で少量の出発物質を示した。反応混合物を真空で濃縮した。残留物を水200mLとDCM400mLとの間で分配した。水層をDCM50mLで2回洗浄した。有機抽出物を合わせ、そして飽和NaHCO3溶液150mL、ブライン150mLで洗浄し、そしてK2CO3で乾燥させた。粗物質をシリカゲルカラムによって精製し、DCM中の5〜10%MeOHで溶離した。生成物は、254nm及び280nmで弱いUV吸収をなお有した。淡黄色の油を得た。収量:24.5g(64%)
LCMS:RT=1.27分,MS:255(M+H)
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ (ppm): 3.15 (m, 2H), 3.3 (m, 3H), 2.97 (m, 1H), 2.71
(m, 1H), 2.47 (m, 1H), 1.98 (m, 2H), 1.96-1.67 (m, 4H), 1.46 (s, 9H), 1.06 (d, 6.2Hz, 3H).
【0089】
中間体(vi)
(2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化14】

中間体(2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルと実質的に同じやり方で3−(3R)−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルをR−(−)−2−メチルピペリンジン(Advanced Asymmetricsから入手した)と縮合することによって表
題化合物を製造した。
LCMS:RT=1.05分,MS:255(M+H)
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ (ppm): 3.30 (m, 1H), 3.14 (bs, 2H), 2.91 (m, 1H), 2.75 (m, 1H), 2.51 (m, 1H), 2.07-1.69 (m, 6H), 1.46 (s, 9H), 1.10 (d, 6.0Hz, 3H).
【0090】
中間体(vii)
(2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化15】

3−(3S)−(トルエン−4−スルホニルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(6.82g,19.97mmol,1当量)及びS−(+)−2−メチルピペリンジン(Advanced Asymmetricsから入手した)、(3.40g,40mmol,2当量)を無水CH3CN(65mL)中に溶解した。この無色の溶液に、室温で粉末K2CO3(粉末,325メッシュ,98+%,6.10g,44.2mmol,2.2当量)を加えた。80℃に維持した油浴上で懸濁液を撹拌しながら窒素下で24時間加熱した。TLC(SMについてはDCM中の3%MeOH、生成物についてはDCM中の7.5%MeOH)は、SMがほとんど完全に消費されたことを示した。LC/MSは、m/z 363で非常に少量のSMを示した。懸濁液を乾燥するまで濃縮した。残留物を水(25mL)及びDCM(80mL)中に溶解し、二層を分離し、そして水層をDCM(20mL×2)で抽出した。合わせたDCM抽出物を炭酸水素ナトリウム(25mL)及びブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(無水炭酸カリウム)させ、濾過し、そして真空で濃縮した。粗生成物をAnalogixにおいてシリカゲルカラム(70g)上で精製し、DCM中のMeOH(0〜7.5%)で溶離して粘着性の物質として表題化合物4.08g(80.3%)を得た。
LCMS:RT=1.14分,MS:255(M+H)
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ (ppm): 3.30 (m, 1H), 3.14 (bs, 2H), 2.91 (m, 1H), 2.75 (m, 1H), 2.51 (m, 1H), 2.07-1.69 (m, 6H), 1.46 (s, 9H), 1.10 (d, 6.0Hz, 3H).
【0091】
中間体(viii)
(2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化16】

中間体(2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルと実質的に同じやり方で3−(3S)−(トルエン−4−スルホ
ニルオキシ)−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及びR−(−)−2−メチルピペリンジン(Advanced Asymmetricsから入手した)を縮合することによって表題化合物を製造した。
LCMS:RT=1.09分,MS:255(M+H)
1H NMR (300 MHz, CDCl3), δ (ppm): 3.15 (m, 2H), 3.3 (m, 3H), 2.97 (m, 1H), 2.71
(m, 1H), 2.47 (m, 1H), 1.98 (m, 2H), 1.96-1.67 (m, 4H), 1.46 (s, 9H), 1.06 (d, 6.2Hz, 3H).
【0092】
中間体(ix)(2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル二塩酸塩
【化17】

2(2S)−メチル−[1,3'(3'R)]ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステル(7.91g,31.14mmol)を0℃でジオキサン中のHCl28.8mLで処理した。溶液を窒素下、室温で一夜撹拌した。TLC(DCM中の10%MeOH)及びLC/MSでは、いずれも出発物質が検出しされなかった。反応は完了したと判断した。
撹拌しながら溶液にN2を通過させた。排出口をKOH溶液に通過させてHClを1時間吸収させた。蒸発乾固によって溶媒を除去して吸湿性の非常に濃厚な粘着性のもの(2HCl塩,水和−正確な組成は不明)8.07g(約100%)として表題化合物を得た。
MS:155(M+H)
1H NMR: (D2O, 300 MHz), δ (ppm): 11.6 (bs, 1H), 9.1 (bs, 1H) 4.12 ( m, 1H) 3.5,
(m, 2H), 3.3-3.1 ( m, 3H), 2.4-2.1 (m, 4H), 2.4(m, 2H), 1.6 (m, 1H), 1.4(d, 6.0
Hz,3H).
【0093】
中間体(x)(2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル二塩酸塩
【化18】

(2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステル(24.5g)を、乾燥1,4−ジオキサン30ml中に溶解した。HCl溶液(85ml,ジオキサン中4M)を0℃で加え、そして室温で撹拌するのにまかせた。約20分後に茶色のゴムが現れた。4時間後、反応は完了した。撹拌しながらN2をフラスコに1時間通過させた。排出口をKOH溶液に通過させてHClを吸収した。溶媒を真空によって除去して吸湿性の淡褐色ゴム29gを得た。
LCMS:RT=0.37分,MS:155(M+H)
1H NMR: (D2O, 300 MHz), δ (ppm): 11.6 (bs, 1H), 9.1 (bs, 1H) 4.12 ( m, 1H) 3.5,
(m, 2H), 3.3-3.1 (m, 3H), 2.4-2.1 (m, 4H), 2.4(m, 2H), 1.6 (m, 1H), 1.4(d, 6.0 Hz,3H)
【0094】
中間体(xi)
(2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル二塩酸塩
【化19】

中間体(2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル二塩酸塩と実質的に同じやり方で2(2R)−メチル−[1,3'(3'S)]ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルの酸加水分解によって表題化合物を製造した。
MS:155(M+H)
1H NMR: (D2O, 300 MHz), δ (ppm): 11.6 (bs, 1H), 9.1 (bs, 1H) 4.12 ( m, 1H) 3.5,
(m, 2H), 3.3-3.1 ( m, 3H), 2.4-2.1 (m, 4H), 2.4(m, 2H), 1.6 (m, 1H), 1.4(d, 6.0
Hz,3H).
【0095】
中間体(xii)
(2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル二塩酸塩
【化20】

中間体(2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル二塩酸塩と実質的に同じやり方で2−(2R)−メチル−[1,3'(3'R)]ビピロリジニル−1'−カルボン酸tert−ブチルエステルの酸加水分解によって表題化合物を製造した。
MS:155(M+H)
1H NMR: (D2O, 300 MHz), δ (ppm): 11.6 (bs, 1H), 9.1 (bs, 1H) 4.12 ( m, 1H) 3.5,
(m, 2H), 3.3-3.1 (m, 3H), 2.4-2.1 (m, 4H), 2.4(m, 2H), 1.6 (m, 1H), 1.4(d, 6.0 Hz,3H)
【0096】
中間体(xiii)
4−アリル−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化21】

250mLのRBF中にジイソプロピルアミン6.1g(60mmol)を計量し、そしてTHF中に溶解した。この溶液を−78℃に冷却した。これにヘキサン中の2.5Mブチルリチウム(60mmol)24mLを加え、そして15分間撹拌し、20分間0℃に温まらせ、−78℃に再冷却した。これにTHF(10mL)中のピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル(12.87g,50mmol)を加えた。色の変化はほとんどなかった。これを−78℃で45分間撹拌した。次いで、カニューレを介してHMPA5g及びヨウ化アリル10.92gの混合物を加えた。溶液はなお透明で、非常に薄い黄色であった。この混合物を−78℃で20分間撹拌してから乾燥氷浴をはずし、そして撹拌を続け、40分かけて反応混合物を室温に温まるのにまかせた。反応混合物を氷(約50g)、飽和NH4Cl水溶液(50mL)及びエーテル(50mL)中に注いだ。二層を分離し、水層をエーテル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(K2CO3)させ、濾過し、そして真空で濃縮して黄色の液体として表題化合物15g(100%)を得た。
LC RT=3.45分,MS:198,242(M−tBu)
NMR (300MHz, CDCl3) δ: NMR (300MHz, CDCl3): 5.68 (m, 1H); 5.07 (, bs, 1H), 5.04
(d, 10.2Hz, 1H), 4.17 (q, 7.2, 2H), 3.88 (ブロード d, 9Hz, 2H), 2.9 (ブロード t, 12.9Hz, 2H), 2.27 (d, 7.8Hz, 2H), 2.1 (ブロード d, 13.2Hz), 1.45 (s, 9H), 1.26
(t, 7.2Hz, 3H).
【0097】
中間体(xiv)
4−(2−オキソ−エチル)−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化22】

4−アリル−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル(2.97g,10mmol)をiPrOH(50.0mL)及びH2O(10.0mL)中に溶解した。これに、水(40.0mL)中のNaIO4(4.68g,21.8mmol)の水溶液を加え、続いて室温でOsO4(8.4mg,結晶,ひとかたまりで)を加えた。溶液を室温で撹拌した。30分後、乳白色の濁りが形成された。撹拌を一夜続けた。TLC及びLC/MSは、SMを検出しなかったが、まだ非常に乳白色であった。反応混合物を氷水(20mL)及びEtOAc(30mL)に注いだ。二層を分離し、そして水層をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、そして乾燥するまで濃縮して液体を得た。液体を減圧蒸留にかけてイソプロパノールを除去した。残留液を50gシリカゲルカラム上で精製し、DCM中のMeOH(0〜5%)で溶離した。注:生成物はUV活性ではなかった。アニスアルデヒド可視化を使用した。生成物画分を集め、そして濃縮して液体として表題化合物1.03g(収率34%)を得た。
LC/MS:RT=2.84分,MS:300
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 9.73 (t, 1.8Hz, 1H), 4.22 (q, 7.2Hz, 2H), 3.69 (m, 2H), 3.20 (m, 2H), 2.68 (m, 2H), 2.12 (m, 2H), 1.52 (m, 2H), 1.49 (s, 9H), 1.27 (t, 7.2Hz, 3H).
【0098】
中間体(xv)4−[2−(4−ブロモ−2−メチル−フェニルアミノ)−エチル]−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化23】

2−メチル−4−ブロモ−アニリン(0.637g,3.427mmol)をDCE(1
5mL)中に溶解し;この溶液にDCE(35mL)中の4−(2−オキソ−エチル)−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル(1.03g,3.425mmol)の溶液を移した。フラスコを室温で水浴中に沈めた。次いで、この透明な溶液に酢酸(0.647g,10.8mmol,3.1当量)を加え、続いて粉末NaBH(OAc)3(2.18g,10.3mmol,3当量)をN2下、室温で加えた。黄色がかった乳白色の懸濁液を室温で一夜撹拌した。
LC/MSは、2.103(186/188)の少量のアニリンsmとともにt=4.930分でm/z469/471を示した。TLC(DCM中の5%MeOH)は、アルデヒドのSMを示さなかったが、アニリンを示した。反応物をDCM(20mL)で希釈し、氷水浴で冷却し、そして1N NH4OH10mLでクエンチした。二層を分離し、そして水層をDCM(15mL×3)で抽出した。合わせたDCM抽出物を炭酸水素ナトリウム(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、乾燥(無水炭酸カリウム)させ、濾過し、そして濃縮した。生成物を40gシリカゲルカラム上で精製し、DCM中の0〜2%MeOHで溶離して油として表題化合物0.65g(41%)を得た。
LC/MS RT=3.96分,MS:469/471(M+H+)
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 7.21-7.13 (m, 2H), 6.42 (d, 8.4Hz, 1H), 4.15 (q, 7.2Hz, 2H), 3.88 (m, 3H), 3.13 (m, 2H), 2.93 (m, 2H), 2.16 (bd, 2H), 2.26 (s, 3H), 1.88
(m, 2H), 1.46 (s, 9H), 1.43 (m, 2H), 1.42 (t, 7.2Hz, 3H).
【0099】
中間体(xvi)
4−[2−(4−ブロモ−フェニルアミノ)−エチル]−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化24】

実質的に上記と同じやり方で望ましいアルデヒド1.75gからこの中間体を合成して無色の液体として表題生成物1.45g(収率54%)を得た。
LC/MS:RT=3.81分;MS:455/457
【0100】
中間体(xvii)
4−[2−(4−ブロモ−2−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−エチル]−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化25】

実質的に上記と同じやり方で望ましいアルデヒド1.75gからこの中間体を合成して黄色の液体として表題生成物2.03g(収率66%)を得た。
LC/MS:RT=4.18分;MS:523/525
【0101】
中間体(xviii)
4−[2−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−エチル]−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化26】

実質的に上記と同じやり方で望ましいアルデヒド1.75gからこの中間体を合成して琥珀色の液体として表題生成物1.97g(収率71%)を得た。
LC/MS:RT=3.95分;MS:473/475
【0102】
中間体(xix)2−(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化27】

THF(40mL)中の4−[2−(4−ブロモ−2−メチル−フェニルアミノ)−エチル]−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル(3.42mmol)の透明な溶液に室温(室温の水浴)でカリウムt−ブトキシド(THF中1M)1mL(1mmol,0.3当量)の溶液を加えた。透明な溶液は少し濁った。30分後、TLC(DCM中の5%MeOH)は、反応が完了したことを示し(スポットからスポットへ)、LC/MSは、生成物ピーク423/425(t3.267分)を検出した。反応物を氷水浴中で冷却し、DCM100mLで希釈し、水20mLでクエンチした。二層を分離し、水層をDCM(2×20mL)で抽出した。合わせたDCM抽出物をブラインで洗浄し、そして回転蒸発器において濃縮して白色固形物として表題化合物0.90g(収率63%)を得た。
LC RT=4.00分,MS:423/425;
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 7.42 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.00 (d, 8.4Hz, 1H), 4.03 (m, 2H), 3.64 (t, 6.9Hz, 2H), 3.06 (m, 2H), 2.17 (s, 3H), 2.13 (m, 2H), 1.96 (m, 2H), 1.57 (m, 2H), 1.47 (s, 9H).
【0103】
中間体(xx)2−(4−ブロモ−フェニル)−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化28】

上記と同じやり方で望ましいアニリン1.44gからこの中間体を合成して淡褐色の固形物として表題生成物0.955g(収率74%)を得た。
LC/MS:4.13分/409.09
【0104】
中間体(xxi)
2−(4−ブロモ−2−トリフルオロメチル−フェニル)−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化29】

上記と同じやり方で望ましいアニリン2.04gからこの中間体を合成して黄色の固形物として表題生成物1.79g(収率97%)を得た。
LC/MS:RT=4.13分/MS:477
【0105】
中間体(xxii)
2−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化30】

上記と同じやり方で望ましいアニリン1.98gからこの中間体を合成して茶色の固形物として表題生成物1.75g(収率98%)を得た。
LC/MS:RT=3.98分 MS:427
【0106】
中間体(xxiii)
4−ブタ−3−エニル−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化31】

THF(160mL)及びジイソプロピルアミン(9.92mL,70.8mmol,1.2当量)の混合物を−78℃に冷却し、そしてヘプタン中のn−BuLiの2.5M溶液(28.3mL,70.8mmol,1.2当量)をゆっくり加えた。溶液を15分間撹拌し、20分間0℃に温まらせ、そして−78℃に冷却し直した。THF10mL中のエチルN−Bocピペリジン−4−カルボキシレート(11mL,59mmol,1当量)を滴加し、40分間撹拌した後、室温に温まらせた。反応混合物を12時間撹拌し、分液ロートに移し、水500mLでクエンチし、そして酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮して黄色の油(13.9g,76%)として表題化合物を得た。
LC/MS:RT=4.15分 MS:312
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 5.75 (ddt, 1H), 5.02 (d, 1H), 4.96 (t, 1H), 4.18 (q, 2H), 3.89-3.86 (m, 2H), 2.88 (t, 2H), 2.11 (d, 2H), 1.99-1.93 (m, 2H), 1.66-1.57 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.43-1.32 (m, 2H), 1.27 (t, 3H)
【0107】
中間体(xxiv)
4−(3−オキソ−プロピル)−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化32】

4−ブタ−3−エニル−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル(13.5g,43.48mmol,1当量)をi−PrOH(217mL)中に溶解し、そして水217mL中のNaIO4(20.23g,94.6mmol,2.18当量)の溶液、続いてOsO4(37mg,0.144mmol,0.003当量)を加えた。反応混合物を6時間激しく撹拌した。次いで、反応混合物を水1500mLでクエンチし、分液ロートに移し、そして酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥させ、そしてシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(300gカラム,ヘプタン中の30%EtOAc;50mL/分)によって精製した。これにより淡褐色の油として表題化合物8.5g(63%)を得た。
LC RT=3.62分,MS:314;
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 9.75 (s, 1H), 4.17 (q, 2H), 4.16-4.14 (m, 2H), 2.87 (t, 2H), 2.43 (dt, 2H), 2.10 (d, 2H), 1.85 (t, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.36 (dd, 2H), 1.27 (t, 3H).
【0108】
中間体(xxv)
4−[3−(4−ブロモ−2−メチル−フェニルアミノ)−プロピル]−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化33】

2−メチル−4−ブロモ−アニリン(1.68g,9.05mmol,1当量)を1,2−ジクロロエタン(95 mL)中に溶解した。1,2−ジクロロエタン95mL中の4−(3−オキソ−プロピル)−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル(2.8g,9.05mmol,1当量)の溶液を先の溶液に加え、続いて氷無水酢酸(1.74g,28.05mol,3.1当量)及びNaBH(OAc)3(5.76g,27.15mmol,3当量)を加えた。反応混合物を48時間撹拌し、水200mLでクエンチし、分液ロートに移し、そしてジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥させ、そしてシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(200gカラム,ヘプタン中の25%EtOAc;50mL/分)によって精製した。これにより淡褐色のゴムとして表題化合物3.78g(86%)を得た。
LC RT=4.82分,MS:383;
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 7.16 (dd, 1H), 7.15 (s, 1H), 6.40 (d, 1H), 4.16 (q, 2H),
3.87 (d, 2H), 3.41 (s, 1H), 3.09-3.09 (m, 2H), 2.89 (t, 2H), 2.13 (s, 1H), 2.09
(s, 3H), 1.66-1.52 (m, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.26 (d, 3H), 1.27-1.17 (m, 2H), 0.88
(t, 3H)
【0109】
中間体(xxvi)
4−[3−(4−ブロモ−フェニルアミノ)−プロピル]−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化34】

実質的に上と同じやり方でこの中間体を合成した。
LC RT=4.65分、MS:469(M+H);
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 7.23 (d, 2H), 6.44 (d, 2H), 4.16 (q, 2H), 3.87 (d, 2H), 3.61 (s, 1H), 3.04 (t, 2H0, 2.88 (t, 2H), 2.10 (d, 2H), 1.63-1.48 (m, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.26 (d, 3H), 0.88 (t, 3H)
【0110】
中間体(xxvii)
4−[3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−プロピル]−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル
【化35】

実質的に上と同じやり方でこの中間体を合成した。
LCRT=4.82分,MS:487(M+H);
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 7.16-7.03 (m, 2H), 6.65 (t, 1H), 4.16 (q, 2H), 3.84-3.72
(m, 2H), 3.08 (q, 2H), 2.88 (t, 2H), 2.10 (d, 2H), 1.66-1.52 (m, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.40-1.34 (m, 1H), 1.26 (d, 3H), 0.88 (t, 3H).
【0111】
中間体(xxviii)
2−(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)−1−オキソ−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化36】

4−[3−(4−ブロモ−2−メチル−フェニルアミノ)−プロピル]−ピペリジン−1,4−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル4−エチルエステル(3.78g,7.81mmol,1当量)をTHF(80mL)中に溶解した。THF中のNaOt−Buの1M溶液(7.8mL,7.8mmol,1当量)を加え、そして反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を48時間撹拌し、水250mLでクエンチし、分液ロートに移し、そしてジクロロメタン(2×150mL)で抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で乾燥させ、そしてシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(200gカラム,ヘプタン中の50%EtOAc;50mL/分)によって精製した。これにより淡褐色のゴムとして表題化合物2.49g(73%)を得た。
LC RT=4.08分,MS:437(M+H);
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 7.40 (s, 1H), 7.35 (dd, 1H), 6.96 (d, 1H), 3.85-3.71 (m,
2H), 3.60-3.54 (m, 1H), 3.39-3.22 (m, 3H), 2.21-2.04 (m, 3H), 2.12 (s, 3H), 1.97-1.88 (m, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.31-1.24 (m, 2H).
【0112】
中間体(xxix)
2−(4−ブロモ−フェニル)−1−オキソ−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化37】

実質的に上と同じやり方でこの中間体を合成した。
LC RT=3.97分,MS:423(M+H);
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 7.49 (d, 2H), 7.09 (d, 2H), 3.83-3.75 (m, 2H), 3.64-3.60
(m, 2H), 3.31-3.22 (m, 2H), 2.18-2.04 (m, 2H), 1.98-1.90 (m, 4H), 1.46 (s, 9H),
1.31-1.24 (m, 2H).
【0113】
中間体(xxx)
2−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−1−オキソ−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化38】

実質的に上と同じやり方でこの中間体を合成した。
LC RT=4.05分,MS:441(M+H);
NMR (300MHz, CDCl3) δ: 7.33-7.28 (m, 2H), 7.09 (t, 1H), 3.80-3.72 (m, 2H), 3.59-3.55 (m, 2H), 3.36-3.27 (m, 2H), 2.16-2.04 (m, 2H), 1.99-1.90 (m, 4H), 1.46 (s, 9H), 1.31-1.24 (m, 2H)
【0114】
実施例1
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化39】

超音波処理で補助して(2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニルのHCl塩をMeOH2mL中に溶解した。溶液にDCM50mLを加えた。溶液を氷水浴で冷却した。N2下で撹拌しながら、この溶液に粉末KOH(0.5g,9.5mmol,アミン塩に対して2.6当量)を加えた。撹拌を1時間続けた。撹拌しながら粉末K2CO3 0.5gを加えて微細な懸濁液を形成した。セライトパッドを通して懸濁液を濾過し、TLC(DCM中の20%MeOH,アニスアルデヒド可視化,起点のちょうど上の白色スポット)によってアミンが溶出されなくなるまでDCMですすいだ。溶液を乾燥するまで濃縮し;残留物を撹拌しながら高真空下で1時間さらに乾燥させ、無水トルエン中に再溶解し、そして使用準備ができた。
撹拌棒を有する20mLバイアルにPd2(dba)3(0.01当量,0.002036mmol,2mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピル−ビフェニル(0.05当量,0.01018mmol,5mg)、及びナトリウムt−ブトキシド(2.5当量,0.509mmol,50mg)を入れた。バイアルの脱気及びN2の再充填を3回繰り返した。2−(4−ブロモ−2−メチル−フェニル)−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル(86mg,0.2mmol);トルエン9.5mL中に溶解した0.82gから製造し、1mLを各反応に用いた)の溶液を入れ、そして赤色の溶液を室温で1分間撹拌し、そしてトルエン中のアミン(1.11当量,各1mL,ビピロリジン60mg,0.22mmolに対応する)を入れた。フラスコを排気し、そしてN2で充填し直した。90℃に設定された油浴中で反応物を2.5時間加熱し、室温に冷却するのにまかせた。トルエンを減圧下で蒸発させた。残留物をDCM(10mL)及び水性NaHCO3(2mL)中に再溶解した。二層を分離し、そして水層をDCM(3×5mL)で抽出した。合わせたDCM抽出物を炭酸水素ナトリウム(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、乾燥(無水炭酸カリウム)させ、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を10gシリカゲルカラム上で精製し、DCM及びDCM中の5%7N NH3 MeOHで溶離して半固形物として表題化合物を得た。
LC,RT=2.63分;MS:497
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 6.96 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 4.04 (m, 2H), 3.59 (t, 6.6Hz, 2H), 3.45-3.17 (m, 5H), 3.02 (m, 3H), 2.79 (m, 1H), 2.54 (q, 6.0Hz, 1H), 2.30-1.90 (m, 9H), 1.76 (m, 3H), 1.62-1.39 (m, 12H), 1.14 (d, 6.3Hz, 3H).
【0115】
実施例2
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化40】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造して半固形物として表題化合物を得
た。
LC,RT=2.66分;MS:497.
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 6.96 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 4.04 (m, 2H), 3.59 (t, 6.6Hz, 2H), 3.50 (t, 7.2Hz, 1H), 3.37 (dt, 2.2Hz, 9.3Hz, 1H), 3.245 (m, 3H), 3.04 (m, 3H), 2.77 (m, 1H), 2.54 (q, 6.0Hz, 1H), 2.17-1.90 (m, 9H), 1.76 (m, 3H), 1.62-1.39 (m, 12H), 1.14 (d, 6.3Hz, 3H).
【0116】
実施例3
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化41】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造して半固形物として表題化合物を得た。
LC,RT=2.56分;MS:497
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 6.96 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 4.04 (m, 2H), 3.59 (t, 6.6Hz, 2H), 3.45-3.17 (m, 5H), 3.02 (m, 3H), 2.79 (m, 1H), 2.54 (q, 6.0Hz,
1H), 2.30-1.90 (m, 9H), 1.76 (m, 3H), 1.62-1.39 (m, 12H), 1.14 (d, 6.3Hz, 3H).
【0117】
実施例4
2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化42】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造して半固形物として表題化合物を得た。
LC,RT=2.61分;MS:497
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 6.96 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 4.04 (m, 2H), 3.59 (t, 6.6Hz, 2H), 3.50 (t, 7.2Hz, 1H), 3.37 (dt, 2.2Hz, 9.3Hz, 1H), 3.245 (m, 3H), 3.04 (m, 3H), 2.77 (m, 1H), 2.54 (q, 6.0Hz, 1H), 2.17-1.90 (m, 9H), 1.76 (m, 3H), 1.62-1.39 (m, 12H), 1.14 (d, 6.3Hz, 3H).
【0118】
実施例5
2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化43】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造して半固形物として表題化合物を得た。
LC,RT=2.62分;MS:497
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm):2組のスペクトルが観察された。
【0119】
実施例6
2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化44】

2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル(150mg)を0℃でジオキサン中の4M HCl 1mL(過剰)で処理した。撹拌を室温で1時間続けた。溶媒を蒸発させた。そして固形物を高真空下、室温で2時間さらに乾燥させて褐色の固形物として表題化合物を得た。
LC,RT=1.41分;MS:397
【0120】
実施例7
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化45】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=1.38分;MS:397
【0121】
実施例8
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化46】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=1.4分;MS:397
【0122】
実施例9
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化47】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=1.35分;MS:397
【0123】
実施例10
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−l)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化48】

2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(40mg,0.1mmol)に5mL中のシクロペンタン−カルボキシアルデヒド(CAS 872−53−7,MW98.14)(30mg,0.3mmol)の溶液、続いて粉末ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドをN2下、室温で加えた。黄色がかった乳白色の懸濁液を室温で一夜撹拌した。DCM(5mL)、水性NaHCO3(2mL)及びNaOH(1N,1mL)を用いて反応をクエンチした。二層を分離し、そして水層をDCM(5mL)で抽出した。合わせたDCM抽出物を炭酸水素ナトリウム(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、乾燥(無水炭酸カリウム)させ、濾過し、そして溶液を10gwatersシリカゲルカラム上に直接装填し、DCM、続いてDCM中の5%7N NH3/MeOH)で溶離した。画分を集めたものを蒸発させて固形物を得た。
LC,RT=1.65分;MS:479
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 6.96 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 3.55 (t, 7.2Hz, 2H), 3.45-3.17 (m, 5H), 3.44-3.19 (m, 3H), 2.53 (q, 8.1Hz, 1H), 2.25 (m, 3H), 2.07-1.91 (m, 8H), 1.74 (m, 4H), 1.62-1.41 (m, 12H), 1.20 (m, 2H), 1.14 (d, 6.3Hz, 3H).
【0124】
実施例11
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−l)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化49】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=1.68分;MS:479
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 6.96 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 2.55 (t, 7.2Hz, 2H), 3.50 (t, 7.2Hz, 1H), 3.45-3.10 (m, 4H), 3.01 (m, 1H), 2.89 (m, bs, 1H), 2.78
(六重線, 6.9Hz, 1H), 2.50 (q, 8.4Hz, 1H), 2.27 (m, 3H), 2.07-1.91 (m, 8H), 1.74
(m, 4H), 1.62-1.41 (m, 12H), 1.20 (m, 2H), 1.13 (d, 6.3Hz, 3H).
【0125】
実施例12
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−l)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化50】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=1.7分;MS:479.
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 6.96 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 3.55 (t, 7.2Hz, 2H), 3.45-3.17 (m, 5H), 3.44-3.19 (m, 3H), 2.53 (q, 8.1Hz, 1H), 2.25 (m, 3H), 2.07-1.91 (m, 8H), 1.74 (m, 4H), 1.62-1.41 (m, 12H), 1.20 (m, 2H), 1.14 (d, 6.3Hz, 3H).
【0126】
実施例13
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−l)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化51】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=1.67分;MS:479.
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 6.96 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 2.55 (t, 7.2Hz, 2H), 3.50 (t, 7.2Hz, 1H), 3.45-3.10 (m, 4H), 3.01 (m, 1H), 2.89 (m, bs, 1H), 2.78
(六重線, 6.9Hz, 1H), 2.50 (q, 8.4Hz, 1H), 2.27 (m, 3H), 2.07-1.91 (m, 8H), 1.74
(m, 4H), 1.62-1.41 (m, 12H), 1.20 (m, 2H), 1.13 (d, 6.3Hz, 3H).
【0127】
実施例14
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−l)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化52】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=1.63分;MS:479
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm):2組のスペクトルが観察された。スペクトルの割り当ては不明瞭であった。
【0128】
実施例15
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化53】

DCM中の酸塩化物の溶液に2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン(約20mg,0.06mmol)、続いて炭酸カリウム(40mg,過剰)を加えた。無色の懸濁液を窒素下、室温で一夜撹拌するのにまかせた。DCM(5mL)及び水性炭酸水素ナトリウム溶液(2mL)を用いて反応をクエンチした。二層を分離し、水層をDCM(5mL)で抽出した。合わせたDCM溶液をK2CO3で乾燥させ、10gシリカゲルカラム上に直接装填し、DCM及びDCM中のMeOHの5%7N NH3溶液で溶離して表中のような生成物を得た。
LC,RT=2.52分;MS:585
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 7.49 (d, 8.4Hz, 2H), 7.25 (d, 8.4Hz, 2H), 6.95 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 3.62 (m, 2H), 3.45-3.21 (m, 5H), 2.99 (m, 1H), 2.80 (m, 1H), 2.54 (q, 8.4Hz, 1H), 2.24 (m, 1H), 2.19-1.91 (m, 8H), 1.87-1.39 (m, 10H), 1.15 (d, 6.3Hz, 3H).
【0129】
実施例16
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化54】

実施例15と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=2.62分;MS:585
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 7.49 (d, 8.4Hz, 2H), 7.25 (d, 8.4Hz, 2H), 6.95 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 3.62 (m, 2H), 3.51 (t, 7.2Hz, 1H), 3.42-3.20 (m, 4H), 3.02 (m, 1H), 2.78 (m, 1H), 2.54 (q, 8.4Hz, 1H), 2.24-1.92 (m, 9H), 1.87-1.39 (m, 10H), 1.14 (d, 6.3Hz, 3H).
【0130】
実施例17
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化55】

実施例15と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=2.62分;MS:585
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm): 7.49 (d, 8.4Hz, 2H), 7.25 (d, 8.4Hz, 2H), 6.95 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 3.62 (m, 2H), 3.45-3.21 (m, 5H), 2.99 (m, 1H), 2.80 (m, 1H), 2.54 (q, 8.4Hz, 1H), 2.24 (m, 1H), 2.19-1.91 (m, 8H), 1.87-1.39 (m, 10H), 1.15 (d, 6.3Hz, 3H).
【0131】
実施例18
2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化56】

実施例15と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC,RT=2.62分;MS:585
1H NMR (CDCl3, 300 MHz), δ (ppm):2組のスペクトルが観察された。
スペクトルの割り当ては不明瞭であった。
【0132】
実施例19
2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1
'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化57】

実施例15と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.55分,MS:585(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.49 (d, 8.4Hz, 2H), 7.25 (d, 8.4Hz, 2H), 6.95 (m, 1H), 6.39 (m, 2H), 3.62 (m, 2H), 3.51 (t, 7.2Hz, 1H), 3.42-3.20 (m, 4H), 3.02 (m, 1H), 2.78 (m, 1H), 2.54 (q, 8.4Hz, 1H), 2.24-1.92 (m, 9H), 1.87-1.39 (m, 10H), 1.14 (d, 6.3Hz, 3H).
【0133】
実施例20
2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化58】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=4.88分,MS:511(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 6.92 (d, 1H), 6.39-6.37 (m, 2H), 3.81-3.73 (m, 2H), 3.59-3.40 (m, 2H), 3.36-3.20 (m, 7H), 3.01-2.9 (m, 1H), 2.79-2.76 (m, 1H), 2.52 (q, 1H), 2.17-2.13 (m, 2H), 2.10 (s, 3H), 2.04-1.51 (m, 13H), 1.45 (s, 9H),
1.13 (d, 3H).
【0134】
実施例21
2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化59】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=4.68分,MS:497(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.01 (d, 2H), 6.52 (d, 2H), 3.83-3.75 (m, 2H), 3.58 (t, 2H), 3.50 (t, 1H), 3.38-3.19 (m, 7H), 3.04-2.98 (m, 1H), 2.79-2.75 (m,
1H), 2.53 (q, 1H), 2.19-2.10 (m, 4H), 2.03-1.71 (m, 7H), 1.52-1.47 (m, 2H), 1.45
(s, 9H), 1.13 (d, 3H)
【0135】
実施例22
4−{[2−フルオロ−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−メチル−カルバモイル}−4−プロピル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化60】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=4.9分,MS:515(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 6.98 (t, 1H), 6.30-6.23 (m, 2H), 3.79-3.72 (m, 2H), 3.54 (t, 2H), 3.47 (t, 1H), 3.36-3.19 (m, 7H), 3.00(dt, 1H), 2.77 (q, 1H), 2.51 (q, 1H), 2.17-2.09 (m, 4H), 2.03-1.75 (m, 7H), 1.52-1.46 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 1.12 (d, 3H).
【0136】
実施例23
3−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン塩酸塩
【化61】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=1.72分,MS:411(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.01 (d, 1H), 6.63-6.60 (m, 2H), 4.16 (t, 1H), 3.81-3.21 (m, 17H), 3.31 (s, 3H), 2.60-2.45 (m, 1H), 2.38-2.28 (m, 2H), 2.16-2.01 (m, 5H), 1.86-1.77 (m, 3H), 1.50 (d, 3H).
【0137】
実施例24
3−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン塩酸塩
【化62】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=1.59分,MS:397(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.09 (d, 2H), 6.74 (d, 2H), 4.16 (t, 1H), 3.81-3.19 (m, 17H), 2.60-2.47 (m, 1H), 2.38-2.27 (m, 2H), 2.15-1.97 (m, 5H), 1.84-1.76 (m, 3H), 1.50 (d, 3H).
【0138】
実施例25
3−[2−フルオロ−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン塩酸塩
【化63】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=1.74分,MS:415(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.13 (t, 1H), 6.53-6.49 (m, 2H), 4.21 (t, 1H), 3.76-3.21 (m, 17H), 2.57-2.50 (m, 1H), 2.36-2.26 (m, 2H), 2.12-1.97 (m, 5H), 1.84-1.77 (m, 3H), 1.50 (d, 3H).
【0139】
実施例26
3−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(ピリジン−4−カルボニル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化64】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.42分,MS:516(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 8.67-8.63 (m, 2H), 7.77-7.73 (m, 1H), 7.34 (dd,
1H), 6.93-6.91 (m, 1H), 6.40-6.38 (m, 2H), 4.20-3.88 (m, 4H), 3.60-3.21 (m, 7H), 3.05-3.02 (m, 1H), 2.81 (q, 1H), 2.55 (q, 1H), 2.13-1.46 (m, 17H), 1.15 (d, 3H).
【0140】
実施例27
9−(フラン−3−カルボニル)−2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化65】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.65分,MS:505(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.68 (s, 1H), 7.40 (t, 1H), 6.92 (d, 1H), 6.55 (s, 1H), 6.40-6.38 (m, 2H)4.05-3.91 (m, 2H), 3.64-3.56 (m, 4H), 3.42-3.30 (m, 2H), 3.27-3.21 (m, 2H), 3.02 (dt, 1H), 2.79 (q, 1H), 2.53 (q, 1H), 2.10 (s, 3H), 2.17-1.74 (m, 10H), 1.62-1.48 (m, 4H), 1.13 (d, 3H).
【0141】
実施例28
9−ベンゾイル−2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化66】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.67分,MS:501(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.31 (m, 5H), 7.22 (d, 2H), 6.94 (d, 2H), 4.00-3.90 (m, 1H), 3.68 (m, 2H), 3.50-3.15 (m, 9H), 2.96 (q, 1H), 2.65 (q, 1H), 2.10-1.67 (m, 11H), 1.59-1.54 (m, 2H), 1.37-1.23 (m, 1H), 1.17 (d, 3H).
【0142】
実施例29
9−(4−フルオロ−ベンゾイル−2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化67】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.74分,MS:519(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.34 (dt, 2H), 7.00 (t, 2H), 6.94 (d, 2H), 6.45
(d, 2H), 4.01-3.90 (m, 1H), 3.80-3.61 (m, 2H), 3.52 (t, 2H), 3.43 (t, 1H), 3.33-3.15 (m, 5H), 2.94 (dt, 1H), 2.72 (q, 1H), 2.46 (q, 1H), 2.10-1.37 (m, 14H), 1.06 (d, 3H).
【0143】
実施例30
9−シクロヘキサンカルボニル−2−[2−フルオロ−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化68】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.97分,MS:525(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 6.92 (t, 1H), 6.22-6.18 (m, 2H), 3.84-3.70 (m, 2H), 3.49-3.18 (m, 10H), 3.91 (q, 1H), 2.62 (q, 1H), 2.50-2.33 (m, 1H), 2.15-1.18 (m, 24H), 1.12 (d, 3H).
【0144】
実施例31
2−[2−フルオロ−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化69】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.45分,MS:527(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 6.93 (t, 1H), 6.24-6.18 (m, 2H), 3.95-3.75 (m, 6H), 3.48-3.30 (m, 10H), 3.19-3.13 (m, 2H), 3.04 (q, 1H), 2.74-2.67 (m, 2H), 2.4
0-2.32 (m, 1H), 2.13-1.43 (m, 15H), 1.17 (d, 3H).
【0145】
実施例32
9−イソプロピル−2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化70】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=1.77分,MS:453(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 6.91 (d, 1H), 6.39-6.36 (m, 2H), 3.53-3.48 (m, 2H), 3.38-3.18 *m, 5H), 2.99 (dt, 1H), 2.86-2.69 (m, 4H), 2.55-2.44 (m, 4H), 2.27-2.14 (m, 2H), 2.10 (s, 3H), 2.03-1.52 (m, 11H), 1.12 (d, 3H), 1.05 (d, 6H).
【0146】
実施例33
9−シクロヘキシルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化71】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.29分,MS:507(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 6.91 (d, 1H), 6.38-6.36 (m, 2H), 3.54-3.48 (m, 2H), 3.39-3.18 (m, 5H), 2.99 (dt, 1H), 2.77-2.66 (m, 4H), 2.51 (q, 1H), 2.23 (d,
2H), 2.13 (d, 2H), 2.09 (s, 3H), 2.03-1.43 (m, 17H), 1.24-1.16 (m, 4H), 1.12 (d, 3H), 0.91-0.83 (m, 3H).
【0147】
実施例34
9−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−
1−オン
【化72】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.33分,MS:451(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 6.93 (d, 2H), 6.43 (d, 2H), 3.48 (t, 2H), 3.41 (t, 1H), 3.29-3.12 (m, 4H), 2.91 (dt, 1H), 2.82-2.77 (m, 2H), 2.69-2.67 (m, 2H),
2.43 (q, 1H), 2.35-2.31 (m, 1H), 2.20 (d, 2H), 2.17-1.48 (m, 14H), 1.04 (d, 3H), 0.84-0.73 (m, 1H), 0.42 (m, 2H), 0.01 (m, 2H).
【0148】
実施例35
2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化73】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.24分,MS:481(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.01 (d, 2H), 6.51 (d, 2H), 4.00 (dd, 2H), 3.56
(t, 2H), 3.49 (t, 1H), 3.40-3.20 (m, 7H), 2.99 (dt, 1H), 2.99-2.83 (m, 2H), 2.76 (q, 1H), 2.53-2.44 (m, 5H), 2.28-1.54 (m, 16H), 1.12 (d, 3H).
【0149】
実施例36
9−ベンジル−2−[2−フルオロ−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化74】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.14分,MS:505(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) (ppm): 7.37-7.24 (m, 5H), 7.00 (t, 1H), 6.31-6.24 (m, 2H), 3.54-3.46 (m, 4H), 3.36-3.20 (m, 4H), 3.00 (dt, 1H), 2.79-2.74 (m, 3H), 2.52 (q, 1H), 2.35-2.27 (m, 4H), 2.04-1.76 (m, 10H), 1.60-1.54 (m, 3H), 1.13 (d, 3H).
【0150】
実施例37
2−[2−フルオロ−4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−フラン−2−イルメチル−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン
【化75】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2分,MS:495(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.37 (d, 1H), 6.98 (t, 1H), 6.31-6.23 (m, 3H), 6.18 (d, 1H), 3.56-3.44 (m, 5H), 3.35-3.18 (m, 4H), 2.99 (dt, 1H), 2.78-2.72 (m,
3H), 2.53-2.42 (m, 3H), 2.30-2.24 (m, 2H), 2.19-2.05 (m, 1H), 1.99-1.77 (m, 8H), 1.62-1.40 (m, 3H), 1.11 (d, 3H).
【0151】
実施例38
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化76】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.61分,MS:497(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.49 (d, 2H), 6.94 (d, 2H), 4.04 (d, 2H), 3.78-3.67 (m, 4H), 3.04 (t, 2H), 2.92 (dd, 2H), 2.83-2.50 (m, 4H), 2.07 (t, 2H), 1.98-1.6 (m,12H), 1.45 (s, 9H), 1.3 (d, 3H).
【0152】
実施例39
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化77】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.75分,MS:565(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.16 (d, 1H), 7.04 (2,H), 3.96 (d, 2H), 3.74 (d, 2H), 3.60 (d, 2H), 3.12-3.01 (m, 4H), 2.87 (m, 3H), 2.66 (dd, 1H), 2.10 (t,2H), 2.0-1.82 (m, 8H), 1.77-1.61 (m, 2H), 1.5 (d, 2H), 1.4 (s, 9H), 1.1 (d, 3H).
【0153】
実施例40
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化78】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.71分,MS:516(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.17 (t, 1H), 6.65 (dd, 2H), 3.99 (d, 2H) 3.68 (m, 4H), 3.09 (t, 2H), 2.95 (d, 2H), 2.74 (m, 4H), 2.09 (t, 2H), 1.99 - 1.62 (m,
10H), 1.54 - 1.41 (m, 11 H), 1.09 (d, 3H).
【0154】
実施例41
2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化79】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.74分,MS:497(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.37 (d,2H), 6.47 (d, 2H), 3.93 (d, 2H), 3.66 (t, 2H), 3.52 (t, 1H), 3.43-3.30(m, 2H), 3.19 (dd, 2H), 2.96 (t, 1H), 2.79 (m, 1H), 2.62 (m, 1H), 2.31 (m, 1H), 2.01-1.82 (m, 7H), 1.67 (m, 1H), 1.58 (d, 2H), 1.50-1.30 (m, 13H), 1.10 (d,3H).
【0155】
実施例42
2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化80】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.97分,MS:565(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.05 (d, 1H), 6.76 (d, 1H), 6.63 (dd, 1H), 3.98
(d, 2H), 3.66-3.40 (m, 5H), 3.32 (t, 1H), 3.23 (dd, 1H), 3.11 (t, 2H), 2.88 (m,
1H), 2.69 (m, 1H), 2.38 (m, 1H), 2.10-2.00 (m, 4H), 1.98-1.94 (m,2H), 1.78-1.70
(m, 1H), 1.60-1.40 (m, 13H), 1.08 9d, 3H).
【0156】
実施例43
2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化81】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.66分,MS:515(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.14 (t, 1H), 6.26-6.23 (m, 2H), 3.99 (d, 2H), 3.65 (t, 2H), 3.58 (dd, 1H), 3.49-3.34 (m, 2H), 3.30-3.04 (m, 4H), 2.86 (m, 1H),
2.65 (m, 1H), 2.36 (m, 1H), 2.11-1.93 (m, 7H), 1.78 (m, 1H), 1.65-1.43 (m, 15),
1.10 (d, 3H).
【0157】
実施例44
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化82】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.43分,MS:397(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.86 (d, 2H), 7.73 (d, 2H), 3.93-3.84 (m 5H), 3.67 (m, 2H), 3.60-3.56 (m, 2H), 2.50-2.35 (m, 4H), 2.24 (t, 2H), 2.13-2.09 (m, 4H), 1.88-1.80 (m, 4H), 1.53 (d, 3H).
【0158】
実施例45
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化83】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=1.89分,MS:465(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.57 (d, 2H), 7.44 (d, 1), 4.01 (d, 2H), 3.83 (m, 1H), 3.73 (t, 2H), 3.61-3.50 (m, 4H), 3.25-3.20 (m, 4H), 2.33-2.25 (m, 5H), 2.12-2.08 (m, 5H), 1.93-1.75 (m, 4H), 1.50 (d, 3H).
【0159】
実施例46
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化84】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.19分,MS:415(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.34 (t, 1H), 7.06 (dd, 2H), 3.91 (d, 2H), 3.86-3.80 (m, 1H), 3.75 (t, 2H), 3.60-3.49 (m, 5H), 3.26-3.21 (m, 2H), 3.18-3.10 (m,
2H), 2.35-2.23 (m, 4H), 2.18-1.78 (m, 8H), 1.53 (d, 3H).
【0160】
実施例47
2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化85】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.56分,MS:397(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.42 (dd, 2H), 6.72 (t, 2H), 3.84 (m, 3H), 3.61-3.49 (m, 6H), 3.24-3.19 (m, 3H), 2.47 (dd, 1H), 2.20 (t, 3H), 2.18-2.07 (m, 3H), 1.95-1.88 (m, 6H), 1.79-1.68 (m, 3H), 1.47 (t, 3H).
【0161】
実施例48
2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化86】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.9分,MS:465(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.27 (dd, 1H), 6.94 (d, 2H), 3.75-2.68 (m, 3H),
3.60-3.48 (m, 6H), 3.24-3.20 (m, 3H), 2.51 (dd, 1H), 2.25 (t, 3H), 2.15-2.07 (m, 3H), 1.92-1.79 (m, 7H), 1.70-1.63 (m , 3H), 1.48 (t, 3H).
【0162】
実施例49
2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化87】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.61分,MS:415(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.23-7.19 (m, 1H), 6.51(t, 2H), 3.76-3.70 (m, 3H), 3.61-3.51 (m, 6H), 3.25-3.21 (m, 3H), 2.48 (m, 1H), 2.26-2.20 (m, 3H), 2.17-2.09 (m, 3H), 1.91-1.76 (m, 7H), 1.68-1.60 (m, 3H), 1.47 (t, 3H).
【0163】
実施例50
8−ベンゼンスルホニル−2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化88】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=4.99分,MS:537(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.79 (d, 2H), 7.69-7.60 (m , 3H), 7.38 (d, 2H),
7.01 (d, 2H), 3.85-3.80 (m, 3H), 3.74 (t, 1H), 3.68-3.64 (m , 3H), 3.25-3.20 (m, 3H), 2.79 (t, 2H), 2.66 (t, 2H), 2.28-1.80 (m, 14H), 1.65 (m, 1H), 1.47 (d, 3H).
【0164】
実施例51
8−(4−フルオロ−ベンゾイル)−2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]
デカン−1−オン
【化89】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=4.59分,MS:519(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.52-7.44 (m, 4H), 7.21 (t, 2H), 7.03 (d, 2H), 3.86-3.82 (m, 6H), 3.48-3.30 (m, 3H), 3.2 (m, 3H), 2.8 (t, 2H), 2.35-1.98 (m, 8H), 1.90-1.77 (m, 6H), 1.45 (d, 3H).
【0165】
実施例52
8−シクロヘキサンカルボニル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2 S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化90】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=4.96分,MS:525(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.20 (t, 1H), 6.81 (d, 2H), 4.35-4.30 (m, 1H), 4.05-4.00 (m, 1H), 3.94-3.86 (m, 4H), 3.73 (t, 3H), 3.51-3.42 (m, 3H), 3.17-3.08
(m, 1H), 2.91-2.83 (m, 3H), 2.68 (m, 1H), 2.32-2.19 (m, 5H), 2.11-2.04 (m, 4H),
1.89-160 (m, 13H) 1.44 (d, 3H).
【0166】
実施例53
8−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化91】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=5.3分,MS:555(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.88-7.84 (m, 2H), 7.42-7.33 (m, 4H), 6.67 (d, 2H), 4.30-4.26 (m, 1H), 3.75 (t, 2H), 3.67-3.56 (m, 6H), 3.38-3.33 (m, 2H), 2.69
(t, 2H), 2.48-2.32 (m, 4H), 2.06-1.78 (m, 8H), 1.75 (m, 3H), 1.45 (d, 3H).
【0167】
実施例54
2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−2,8−
ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化92】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=4.26分,MS:509(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.39 (d, 2H), 6.67 (d, 2H), 4.39 (m,1H), 4.15 (m, 1H), 3.97 (m, 2H), 3.83 (t, 2H), 3.66.3.47 (m, 7H), 3.03-2.98 (m, 3H), 2.5-2.35 (m, 2H) 2.21 (t, 2H), 2.10-2.00 (m, 1H), 1.88-1.79 (m, 10H), 1.65-1.60 (m, 6H), 1.45 (d, 3H).
【0168】
実施例55
8−シクロペンタンカルボニル−2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化93】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=5.24分,MS:561(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.21 (d, 1H), 6.93 (m, 2H), 4.38-4.28 (m, 1H), 4.10-4.06 (m, 1H), 3.79-3.63 (m, 8H), 3.43-3.40 (m,3H), 2.50-2.50 (m,2H), 2.25 (m, 2H), 2.07 (m, 2H), 1.88-1.64 (m, 15H), 1.47 (d, 3H).
【0169】
実施例56
8−シクロプロピルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化94】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=1.92分,MS:469(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.22 (t, 1H), 6.85 (d, 2H), 3.94-3.82 (m, 3H), 3.77-3.70 (t, 2H), 3.68-3.60 (m, 2H), 3.53-3.42 (m, 2H), 3.36 (s, 2H), 3.27-3.19
(m, 2H), 3.02 (d, 2H), 2.91-2.83 (m, 2H), 2.32-1.79 (m,13H), 1.43 (d, 3H), 1.10-1.06 (m, 1H), 0.75 (s, 2H), 0.43 (d, 2H).
【0170】
実施例57
8−シクロペンチルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロ
リジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化95】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.91分,MS:497(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.21(t, 1H), 6.82 (d, 2H), 3.86 (d, 2H), 3.70 (t, 2H), 3.67-3.54 (m, 1H),3.34 (s, 2H), 3.23 (m, 1H), 3.18-3.09 (m, 4H), 2.88-2.78 (m, 2H), 2.57-2.39 (m, 4H), 2.20-1.45 (m, 20H), 1.40-1.17 (m, 5H).
【0171】
実施例58
8−シクロヘキシルメチル−2−{4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化96】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=4.41分,MS:561(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.11 (d, 1H), 6.81 (m, 2H), 3.65-3.62 (m, 3H), 3.60-3.46 (m, 2H), 3.35 (s, 2H), 3.25 (m, 1H), 2.92-2.84 (m, 4H), 2.71 (m, 1H), 2.46 (m, 1H), 2.19-2.08 (m, 8H), 2.01-1.94 (m, 2H), 1.82-1.45 (m, 13H), 1.35-1.24 (m, 2H), 1.15 (d, 3H), 0.93 (dd, 2H).
【0172】
実施例59
2−{2−フルオロ−4−[3−((2S,3S')−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化97】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.61分,MS:513(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.08 (t, 1H), 6.40-6.32 (m, 2H), 3.95-3.90 (m, 2H), 3.68-3.58 (m, 3H), 3.51-3.34 (m, 4H), 3.33 (s, 2H), 3.25 (m,1H), 2.89 (d, 4H), 2.69 (m, 1H), 2.45 (m, 1H), 2.22-1.90 (m, 11H), 1.89-1.40 (m, 8H), 1.38-1.20 (m, 2H), 1.15 (d, 3H).
【0173】
実施例60
2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−フェニルアセチル−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化98】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.01分,MS:569(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.98-7.91 (m, 4H), 7.60-7.50 (m, 3H), 7.17 (d, 1H), 6.82-6.80 (m, 2H), 4.48 (m, 1H), 3.81 (m, 1H), 3.67 (m, 2H), 3.58 (t, 1H), 3.46-3.34 (m, 4H), 3.27-3.21 (m, 2H), 3.04-2.97 (m, 1H), 2.92-2.82 (q, 2H), 2.65
(q, 1H), 2.25 (m, 2H), 2.10-1.95 (m, 3H), 1.83-1.78 (m, 3H), 1.68-1.40 (m, 3H),
1.18 (d, 3H).
【0174】
実施例61
8−(2−メトキシアセチル)−2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化99】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=4.31分,MS:523(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.21 (d, 1H), 6.90 (d, 2H), 4.30 (m, 1H), 4.21 (d, 2H), 4.05-3.97 (m, 1H), 3.93-3.75 (m, 2H), 3.69 (t, 2H), 3.61-3.57 (m, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.36-3.33 (m, 2H), 3.22-3.15 (m, 2H), 2.53-2.45 (m, 1H), 2.27-2.24
(m, 5H), 2.10-2.04 (m, 2H), 1.95-1.65 (m, 6H), 1.42 (d, 3H).
【0175】
実施例62
2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−(ナフタレン−2−カルボニル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化100】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.21分,MS:605(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.98-7.91 (m, 4H), 7.60-7.50 (m, 3H), 7.17 (d,
1H), 6.82-6.80 (m, 2H), 4.48 (m, 1H), 3.81 (m, 1H), 3.67 (m, 2H), 3.58 (t, 1H), 3.46-3.34 (m, 4H), 3.27-3.21 (m, 2H), 3.04-2.97 (m, 1H), 2.92-2.82 (q, 2H), 2.65
(q, 1H), 2.25 (m, 2H), 2.10-1.95 (m, 3H), 1.83-1.78 (m, 3H), 1.68-1.40 (m, 3H),
1.18 (d, 3H).
【0176】
実施例63
8−ベンゾイル−2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化101】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.93分,MS:555(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.49-7.44 (m, 5H), 7.21 (d, 2), 6.93 (m, 2H), 4.42 (m, 1H), 4.16-4.11 (m, 1H), 3.83-3.54 (m, 6H), 3.38-3.34 (m, 2H), 3.24-3.20 (m, 2H), 2.60-2.53 (m, 2H), 2.36-2.22 (m, 5H), 2.15-2.10 (m, 3H), 1.97-1.78 (m, 4H), 1.47 (d, 3H).
【0177】
実施例64
8−(フラン−3−カルボニル)−2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化102】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.75分,MS:545(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.88 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.21 (d, 1H), 6.87 (s, 2H), 6.64 (s, 1H), 4.38-4.06 (m, 2H), 3.82-3.66 (m, 4H), 3.58-3.52 (m, 1H), 3.43-3.33 (m, 5H), 3.01-2.92 (q, 1H), 2.39-2.28 (m, 1H), 2.26-2.05 (m, 5H), 1.99-1.80 (m, 4H), 1.74-1.60 (m, 3H), 1.35 (d, 3H).
【0178】
実施例65
8−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化103】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.19分,MS:621(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.74 (d, 2H), 7.18-7.04 (m, 3H), 6.89 (m, 2H), 4.02 (m, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.78-3.72 (m, 1H), 3.63-3.55 (m, 8H), 3.23 (m, 2H), 2.75-2.68 (m, 2H), 2.54-2.48 (m, 1H), 2.35-2.29 (m, 2H), 2.10-1.95 (m, 6H), 1.80-1.65 (m, 3H), 1.45 (d, 3H).
【0179】
実施例66
8−フラン−2−イルメチル−2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化104】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=2.22分,MS:531(M+H)
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.56 (s, 1H), 7.23 (d, 1H), 6.93 (d, 2H), 6.50 (s, 1H), 6.44 (s, 1H), 4.09-4.07 (m, 1H), 3.95-3.93 (s, 2H), 3.81-3.49 (m, 8H), 3.19-3.15 (m, 2H), 2.74-2.68 (m 2H), 2.54-2.49 (m, 2H), 2.36-2.17 (m, 4H), 2.15-2.07 (m, 4H), 1.82-1.74 (m, 3H), 1.47 (d, 3H).
【0180】
実施例67
8−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化105】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.72分,MS:505(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.29 (d, 1H), 6.94 (d, 2H), 4.15-4.10 (m, 1H), 3.80-3.53 (m, 8H), 3.40-3.33 (m, 2H), 3.04 (d, 2H), 2.55 (m, 2H), 2.39-2.17 (m, 6H), 2.13 (t, 1H), 2.08-2.00 (m, 3H), 1.83-1.76 (m, 1H), 1.47 (d, 3H), 1.2-1.15 (m, 1H), 0.79 (d, 2H), 0.49 (d, 2H).
【0181】
実施例68
2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
【化106】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.68分,MS:549(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.29 (d, 1H), 6.96 (d, 2H), 4.17 (m, 2H), 3.97-3.93 (d, 4H), 3.85-3.77 (m, 2H), 3.72-3.32 (m, 8H), 3.25-3.22 (m, 2H), 3.03 (d, 2H), 2.592.53 (m, 1), 2.38-2.11 (m, 8H), 2.08-1.95 (m, 2H), 1.83-1.74 (m, 4H), 1.44 (d, 3H), 1.44-1.35 (m, 2H).
【0182】
実施例69
2−[4−((2S,3S')−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン塩酸塩
【化107】

実施例1と実質的に同じやり方で表題化合物を製造した。
LC RT=3.4分,MS:451(M+H)
1H NMR (300MHz, CD3OD) δ (ppm): 7.6 (d, 1H), 6.95 (m, 2H), 4.24-4.21 (m, 1H), 3.86-3.80 (m, 1H), 3.75-3.67 (m, 3H), 3.56-3.48 (m, 3H), 3.40-3.34 (m, 2H), 3.26-3.21 (m, 2H), 2.63-2.57 (m, 1H), 2.42-2.23 (m, 5H), 2.15-2.08 (m, 4H), 1.91-1.81
(m, 4H), 1.52 (d, 3H).
【0183】
生物学的実施例
実施例70
本実施例70は、H3受容体リガンドとして本発明の化合物の有効性を示す。本発明の化合物は、アカゲザル(Macacca Mulatta)H3受容体を発現する哺乳動物細胞膜に結合する[3H]−メチルヒスタミン放射性リガンドと置き換わることが示された。これらの化合物は、1μM〜<1nMの範囲のアカゲザルH3親和定数(Ki)を示す。さらに、本発明の化合物は、GTPγS放射性リガンド結合アッセイによって細胞膜中のアカゲザルH3構成的機能活性を阻害することがわかった。基礎アカゲザルH3介在GTPgS放射性リガンド結合のこの阻害は、本発明の化合物がインバースアゴニストとして有用性を見出されることを示している。これらの化合物は、アカゲザルH3 GTPγS放射性リガンド結合を基礎レベルよりも0〜40%ほど低下させる。
【0184】
アカゲザルH3膜は、アカゲザル(Macacca Mulatta)445アミノ酸H3受容体を含むpcDNA5/FRT/TO(Invitrogen)で安定にトランスフェクションされたFlp-In T-REx 293細胞株(Invitrogen)から調製した。(Genbank #AY231164)。安定してトランスフェク
ションされた培養物を標準組織培養法によって組織培養フラスコ中で増幅(amplify)し、そして500ng/mlのテトラサイクリン(Cellgro)に24時間暴露することによってアカゲザルH3の発現を誘発した。誘発後、Cell Stripper(Cellgro)を用いて細胞をフラスコから分離した。細胞を遠心分離し(1Kxg、5分間)、そして沈殿物をエタノール乾燥氷浴中で凍結して細胞膜を粉砕した。凍結した細胞沈殿物を収穫細胞10ml/1000cm2で5mM HEPES(pH7.4,Invitrogen)中に再懸濁した。細胞懸濁液を、18ゲージ針(2〜3x)、続いて23ゲージ針(2〜3x)を通して抜き取り、さらに細胞膜を粉砕した。細胞懸濁液を遠心分離(40Kxg、30分間)した。細胞膜沈殿物を10mg/mlの最終タンパク質濃度で5mM HEPES中に再懸濁した(pH7.4,Invitrogen)。アカゲザルH3膜を液体窒素下で貯蔵した後、[3H]−メチルヒスタミン及びGTPγS放射性リガンド結合アッセイに使用した。
【0185】
アカゲザルH3放射性リガンド結合アッセイは、アカゲザルH3受容体膜(上記のように調製した)、[3H]−メチルヒスタミン(Perkin Elmer)及びWGA SPAビーズ(コムギ胚芽凝集素シンチレーション近接アッセイ)ビーズ(Amersham)を用いて実施した。アッセイは、96ウェルOpti-Plates(Packard)で実施した。各反応は、アカゲザルH3膜(総タンパク質20〜30mg)50μl、WGA SPAビーズ(0.1mg)50μl及び83Ci/mmol[3H]−メチルヒスタミン(最終濃度2nM)50μl並びに試験化合物50μlを含む。本発明の化合物及び/又はビヒクルを、10mM DMSO保存液から結合緩衝液で希釈した。アッセイプレートをTopSeal(Perkin Elmer)で密閉し、そして振盪機上で混合した(25℃、1時間)。TopCountシンチレーションカウンター(Packard)上でアッセイプレートを読み取った。結果をヒル変換によって分析し、そしてCheng-Prusoff式によってKi値を決定した。本発明の代表的な化合物のいくつかについて観察された結合データを表1にまとめた。
【0186】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【0187】
実施例71
本実施例は、動物モデルの覚醒状態の増強における本発明の化合物の有効性の研究を説明する。
雄Sprague Dawleyラット(Charles River, France)体重250±10gをZOLETILR 50(60mg/kg ip)で麻酔し、そして定位固定装置に取り付けた。皮質電極(直径0.9mmの小さなステンレス鋼ネジ式電極)を感覚運動皮質(縫合線の中央に対して側方1.5mm、そして冠状縫合線の後方1.5mm)、視覚による皮質(縫合線の中央に対して側方1.5mm、そして頭頂後頭縫合線の前方1.5mm)上、そして小脳(参照電極)上で骨にねじ込んだ。皮質電極をコネクター(Winchester,7リード線)に取り付け、そして歯科用のセメントで頭蓋に固定した。
【0188】
手術後の3週間回復後、動物をプレキシグラス円筒(直径60cm)中に置き、食物及び水を自由に摂取させた。室の温度を一定(21±1℃)に保ち、そして午前7時から午後7時まで明かりをつけた。連続した3日:対照日(D1)、投薬日(D2)薬物及び投薬後の日(D3)の間、午前10時から午後4時までラットの記録をとった。記録の15分前に、ビヒクル(D1及びD3)又は薬物(D2)を投与した。
【0189】
小脳皮質上に配置した参照電極との比較により感覚運動及び視覚皮質における活性を記録した。3つの段階に区別された:
・低電位の速い皮質電気(ECoG)活性を特徴とする覚醒状態(W);
・皮質電気活性における増加;睡眠紡錘波のいくつかのバーストで高振幅徐波の出現を特徴とするNREM睡眠(非急速眼球運動又は徐波睡眠:SWS);
・視覚野におけるシータ律動の過同期化(hypersynchronization)を特徴とするREM睡眠(急速眼球運動又は逆説睡眠:PS)。
【0190】
ECoGシグナルの分析は、10秒周期の逐次分光分析を用いて種々の睡眠相を判別するコンピュータ化されたシステム(Deltamedのソフトウェア「Coherence」)によって自動的に実施した。
【0191】
本発明の化合物を0.6%MTCトゥイーン中に溶解し、そして経口経路(po)によって投与した。注射体積は、0.5ml/体重100gであった。
【0192】
2タイプの分析:1時間周期及び6時間周期分析を用いて睡眠−覚醒状態の変数における本発明の化合物の効果を定量化した。
【0193】
結果は、分(1時間周期分析)で又は対照値(100%)のパーセンテージとして表わした。対照値からの有意な変動を測定するため、対応のある値(paired values)についてのスチューデントt検定を用いてデータの統計分析を実施した。
【0194】
実施例72
成体ラットにおけるストレス誘発性の超音波啼鳴試験(Stress-induced ultrasonic vocalizations test)
本実施例は、動物モデルにおける抗うつ剤として本発明の化合物の有効性の研究を説明する。
使用した方法は、Van Der Poel A.M, Noach E.J.K, Miczek K.A (1989) Temporal patterning of ultrasonic distress calls in the adult rat: effects of morphine and benzodiazepines. Psychopharmacology 97:147-8によって記載された技術を応用した。訓練セッションのため、ステンレス鋼の格子床を有するケージ(MED Associates, Inc., St. Albans, VT)中にラットを入れた。4回の電気ショック(0.8mA、3秒)を7秒毎に送り、続いて、超音波啼鳴(UV,22kHz)をUltravoxシステム(Noldus, Wageningen, The Netherlands)により2分間記録した。マイクロホンに接続した改良された超音波検出器(Mini-3 batモデル)を用いて超音波を可聴音に変換した。次いで、シグナルをフィルタリングしてコンピュータに送り、そこでUltravoxソフトウェアにより10ミリ秒を超えて持続したUVの各発作(bout)を記録した。UV持続時間(>40秒)に基づいてラットを選択し、そして訓練の4時間後に、試験にかけた。試験では、訓練に用いたものと同じケージ中にラットを入れた。1回の電気ショック(0.8mA、3秒)を送り、続いてUltravoxシステムによりUV(持続時間及び周波数)を2分間記録した。試験60分前に、本発明の化合物を経口投与した。
【0195】
実施例73
ラットにおける強制水泳試験
この実施例は、動物モデルにおける抗うつ剤として本発明の化合物の有効性の研究をさらに説明する。
方法は、Porsolt et al. (1977) Depression: a new animal model sensitive to antidepressant treatments. Nature 266:730-2によって記載されたのを改良したものである。高さ30cmまで水(21℃)が入った個別のガラス円筒(高さ40cm、直径17c
m)にラットを入れた。2回の水泳セッションを行った(訓練セッション15分、続いて24時間後、試験6分)。各水泳セッション後、ラットを加熱灯の下に置いて低体温を回避した。6分の試験中に無動持続時間(duration of immobility)を測定した。本発明の化合物を2回経口投与した(訓練セッションの15分後及び試験の60分前)。
【0196】
本発明を特定の前記実施例によって説明してきたが、それによって本発明が制限されると解釈すべきではなく;むしろ、本発明は、上記の一般的な範囲を包含する。種々の改変及び実施態様は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
mは、1又は2であり;
nは、1又は2であり;
pは、1又は2であり;
1は、水素、(C1−C4)アルキル、CF3、(C1−C4)アルコキシ−(C1−C4)アルキルであり;
2は、水素、ハロゲン、(C1−C4)アルキル又はCF3であり;そして
3は、水素、(C1−C4)アルキル、(C1−C6)アルキルオキシカルボニル、(C3−C7)シクロアルキル(C1−C6)アルキル、置換又は非置換の複素環、置換又は非置換のヘテロシクロアルキル(C1−C6)アルキル、置換又は非置換の5又は6員環ヘテロアリール(C1−C6)アルキル、置換又は非置換のベンジル、(C1−C4)アルコキシメチルカルボニル、置換又は非置換の(C3−C7)シクロアルカンカルボニル、置換又は非置換のベンジルカルボニル、置換又は非置換の(C6−C10)アリールカルボニル、置換又は非置換の5又は6員環ヘテロアリールカルボニル、置換又は非置換の複素環カルボニル、置換又は非置換のベンゼンスルホニルであり、ここにおいて、置換基はハロゲン、トリフルオロメトキシ、(C1−C4)アルコキシ、(C1−C4)アルキル又はCF3から選ばれる]の化合物、又はそのエナンチオマー若しくはジアステレオマー。
【請求項2】
n、p及びmは、1であり;
1は、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル又はメトキシメチルであり;
2は、水素、フッ素、塩素、メチル、エチル又はCF3であり;そして
3は、水素、メトキシエチルカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジル、フラニルメチル、シクロペンタン−カルボニル、シクロヘキサンカルボニル、トリフルオロメトキシベンゾイル、フルオロベンゾイル、ベンジル−カルボニル、ナフチルカルボニル、ベンゼンスルホニル、フルオロベンゼンスルホニル又はメトキシベンゼンスルホニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nは2であり、そしてmは1であるか;又は
nは1であり、そしてmは2であり;
pは、1又は2であり;
1は、メチル又はエチルであり;
2は、水素、フッ素、塩素、メチル、エチル又はCF3であり;そして
3は、水素、イソプロピル、tert−ブチルオキシカルボニル、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジル、フラニルメチル、テトラヒドロピラニルメチル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、テトラヒドロピランカルボニル、ベンゾイル、トリフルオロメトキシベンゾイル、フルオロベンゾイル、ベンジルカルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジンカルボニル又はフランカルボニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−
カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−1−オキソ−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−9−カルボン酸tert−ブチルエステル;
4−{[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−メチル−カルバモイル}−4−プロピル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−1−オキソ−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチルエステル;
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジ
アザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−ベンゼンスルホニル−2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−
2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン
2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン 塩酸塩;
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン 塩酸塩;
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン 塩酸塩;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−
1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
3−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(ピリジン−4−カルボニル)−2,9−ジアザ−スピロ
[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−(フラン−3−カルボニル)−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−ベンゾイル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−(4−フルオロ−ベンゾイル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−シクロヘキサンカルボニル−2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−イソプロピル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−シクロヘキシルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−ベンジル−2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−フラン−2−イルメチル−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−フルオロ−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(4−フルオロ−ベンゾイル)−2−{4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジ
ン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロヘキサンカルボニル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−カルボニル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンタンカルボニル−2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロプロピルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロヘキシルメチル−2−{4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{2−フルオロ−4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−フェニルアセチル−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(2−メトキシ−アセチル)−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−(ナフタレン−2−カルボニル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−ベンゾイル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−(フラン−3−カルボニル)−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−フラン−2−イルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;及び
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
からなる群より選ばれる請求項1に記載の化合物、又はその塩。
【請求項5】
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル(l))−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2R,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2R,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−((2S,3'R)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−[2−メチル−4−(2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−8−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
3−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
3−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−イソプロピル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−シクロヘキシルメチル−2−[2−メチル−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
9−ベンジル−2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
2−[2−フルオロ−4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−フェニル]−9−フラン−2−イルメチル−2,9−ジアザ−スピロ[5.5]ウンデカン−1−オン;
8−シクロプロピルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロペンチルメチル−2−{2−フルオロ−4−[4−(2S−2−メチル−ピロリジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−フェニル}−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
2−{2−フルオロ−4−[3−((2S,3'S)−2−メチル−ピペリジン−1−イル)−ピロリジン−1−イル]−フェニル}−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−フラン−2−イルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
8−シクロプロピルメチル−2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;及び
2−[4−((2S,3'S)−2−メチル−[1,3']ビピロリジニル−1'−イル)−2−トリフルオロメチル−フェニル]−8−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−2,8−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−1−オン;
からなる群より選ばれる請求項1に記載の化合物、又はその塩。
【請求項6】
式(II)
【化2】

(式中、R1、R2、R3、m及びnは、請求項1に定義された通りである)を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかの1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エナンチオマー若しくはジアステレオマーを、1つ又はそれ以上の薬学的に許容しうる担体、希釈剤又は賦形剤と組み合わせて含む、薬学的組成物。
【請求項8】
統合失調症に関連する認知障害(CIAS)、全般性不安、パニック障害及び心的外傷後ストレス障害のような不安障害、大うつ病性障害、アルツハイマー型認知症(DAT)、アルツハイマー、パーキンソン又はハンチントンから選ばれる神経系疾患に関連する認知障害、加齢による認知障害、軽度認知障害、血管性認知症、レビー小体型認知症、認知関連の認知障害、睡眠関連障害、注意欠陥多動性障害及びうつ病、及び肥満を治療するため、化合物がH3受容体機能を調節することができる薬学的組成物を製造するための請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩、エナンチオマー、若しくはジアステレオマーの使用。
【請求項9】
睡眠障害は、ナルコレプシー、概日リズム睡眠障害、閉塞型睡眠時無呼吸、周期性四肢運動及びレストレスレッグ症候群、薬物副作用に起因する過度の眠気及び嗜眠状態からなる群より選ばれる請求項8に記載の使用。
【請求項10】
睡眠障害はナルコレプシーである、請求項8に記載の使用。
【請求項11】
疾患は統合失調症に関連する認知障害(CIAS)である、請求項8に記載の使用。
【請求項12】
疾患はアルツハイマー型認知症(DAT)である、請求項8に記載の使用。

【公表番号】特表2012−511012(P2012−511012A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539716(P2011−539716)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/066673
【国際公開番号】WO2010/065803
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】