説明

HIVインテグラーゼ阻害剤としての[ピラゾロ[3,4−B]ピリジン−2−イル]−安息香酸誘導体

本発明は、式(I)の化合物およびこれらの医薬品として許容できる塩を提供する。ここで、CX、m、n、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rb’は、本明細書において定義されたとおりである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HIVインテグラーゼを阻害し、特異な構造および物理化学的性質を特徴とする、一連の新規な[ピラゾロ[3,4-B]ピリジン-2-イル]-安息香酸誘導体に関する。この阻害特性は、レトロウイルス、例えば、HIVウイルス(HIV-1およびHIV-2ウイルスを含む)などに対する抗ウイルス特性を有する化合物を提供するために有利に用いることができる。これらの[ピラゾロ[3,4-B]ピリジン-2-イル]-安息香酸誘導体は、その医薬品組成物を含めて、HIVインテグラーゼの活性を阻害するために使用することができ、したがって、HIVの複製を低減させるために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)レトロウイルスは、AIDS(後天性免疫不全症候群)の原因物質である。HIV-1レトロウイルスは、主としてCD4レセプター(58 kDaの膜貫通タンパク)を使用して、ウイルスのエンベロープ糖タンパク(gp 120)と、CD4(+)ヘルパー-Tリンパ球内および特定のその他の細胞内に見られるCD4(+)分子の特異的領域との間の高い親和性相互作用によって、細胞内に入り込む(Lasky L. A.ら、Cell vol. 50, p. 975 - 985 (1987))。HIV感染は、患者における臨床症状が全くない、「無症候性」と呼ばれる感染の直後に続く期間によって特徴付けられる。次いで、免疫システムの進行性HIV-誘発性破壊が日和見性感染の感受性を高め、最終的にはAIDS-関連症候群(ARC)と呼ばれ、例えば、持続性全身性リンパ性節腫、発熱、体重減少などの症状を特徴とする症候群をもたらし、本格的なAIDSの症状が続く。レトロウイルスの細胞内への侵入後、ウイルスRNAは、DNAに変換され、このDNAはその後宿主細胞のDNAにインテグレートされる。ウイルスゲノムによってエンコードされた逆転写酵素が、これらの反応の初期を触媒する(Haseltine W. A. FASEB J. vol 5, p. 2349 - 2360 (1991))。少なくとも3つの作用が逆転写酵素によるものである:DNAマイナス鎖のウイルスRNAからの合成を触媒するRNA依存性DNAポリメラーゼ活性、RNA-DNAハイブリッドからRNA鋳型を切断するリボヌクレアーゼH(RNアーゼH)活性、および第二のDNA鎖のマイナス鎖DNA鋳型からの合成を触媒するDNA依存性DNAポリメラーゼ活性である(Goff S. P. J. Acq. Imm. Defic. Syndr. VoI 3, p. 817 - 831 (1990))。逆転写が終わった時には、今やDNAの形態(プロウイルスとよばれる)となったウイルスゲノムは、宿主のゲノムDNAに組み込まれ、宿主の転写システムによってウイルスの遺伝子発現のための鋳型の役目をする(Rothら、1989)。プレインテグレーション複合体は、インテグラーゼ、逆転写酵素p17、およびプロウイルスDNAからなる(Bukrinsky M. L, Proc.
Natn. Acad. Sci. USA vol. 89 p.6580 - 6584 (1992))。リン酸化p17タンパクは、プレインテグレーション複合体の宿主細胞の核内へのターゲティングにおいて中心的な役割を果たす(Gallay et al., 1995)。
【0003】
プロウイルスによって作られた最初のRNA転写産物は、tatおよびrevと呼ばれるウイルスによってコードされた2種のタンパク質によって調節される、宿主細胞のRNAポリメラーゼIIによって合成される。これらのウイルスタンパクは、ポリプロテインとして形成される。
【0004】
ウイルスのポリプロテインの転写後調節には、Env(エンベロープ)プロテインのプロセシングおよびグリコシル化、ならびに、GagおよびGag-Polポリプロテインにおけるp17プロテインのN-末端残基のミリスチル化が含まれる。ウイルスのプロテアーゼは、GagおよびGag-Polポリプロテインの成熟プロテインへのプロセシングに関与する。このプロセシングは、ウイルスの感染に不可欠なステップである。
【0005】
多数の合成抗ウイルス剤が、HIVの複製周期のさまざまな段階を遮断するために設計されてきた。これらの薬剤には、ウイルスのCD4(+)ヘルパー-Tリンパ球(例えば、可溶性CD4)への結合に干渉する化合物、ウイルスの逆転写酵素を阻害する化合物(例えば、ジダノシンおよびジドブジン(AZT))、細胞からのビリオンの出芽を阻害する化合物(インターフェロン)、またはウイルスのプロテアーゼを阻害する化合物(例えば、リトナビルおよびインディナビル)が含まれる。これらの薬剤のいくつかは、臨床試験で効果がなかった。その他、主としてウイルスの複製の初期段階を標的とした薬剤は、慢性的に感染した細胞内での感染性ビリオンの産生に全く効果がなかった。さらに、これらの薬剤の多くの治療有効量での投与は、細胞毒性および望ましからぬ副作用、例えば、貧血、神経毒性、および骨髄抑制などをもたらす。抗プロテアーゼ化合物は、その存在形態において、典型的に大きくかつ複雑なペプチド性分子であり、生物学的利用能が低くかつ一般に経口投与に適合しない傾向がある。これらの化合物は、例えば、悪心、下痢、肝臓異常、および腎臓結石等の副作用を示すことが多い。
【非特許文献1】Bukrinsky M. L, Proc. Natn. Acad. Sci. USA vol. 89 p.6580 - 6584 (1992)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
市販の公知の抗ウイルス剤はいずれも、HIVインテグラーゼを標的としていない。
HIVインテグラーゼの働きを効果的に阻害することができ、HIV感染を低減させるために使用することができる化合物が求められている。
本発明は、これらの要求およびその他の要求を満たそうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、[ピラゾロ[3,4-B]ピリジン-2-イル]-安息香酸化合物ならびにこれらの医薬品として許容できる誘導体類(例えば塩類)のクラスに関する。
【0008】
したがって、本発明は、その第一の態様において、式I:
【0009】
【化1】

【0010】
の化合物および医薬品として許容できるこれらの誘導体(医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物を含む)を提供する。
nは、例えば、0から4(0、1、2、3、または4)であってよく、mは、例えば、0から4(0、1、2、3、または4)であってよく、当然ながらnおよびmの合計は利用可能な位置の数(すなわち4)を超えてはならず、
CXは、-CHO、-CH=N-OR3(例えば、-CH=N-OH)、-CH=N-NR3R4(例えば、-CH=N-NH2)、-CH=N-R5、および-CH(OR3)2からなる群から選択されてよく、
R1は、例えば、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、および- OR(例えば、-OH)からなる群から選択されてよく、
R2は、例えば、-H、-CO2H、-CONR3R4、および-COR6からなる群から選択されてよく、
R3は、例えば、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、アリル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、および-Ra-COOHからなる群から選択されてよく、ここで、Raは、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基であってよく、
Rbは、開裂可能なユニット(例えば、生理学的に開裂可能なユニット)であってよく、このユニットの開裂によって、本化合物がインテグラーゼ阻害剤(HIVインテグラーゼ阻害剤)を放出する。たとえば、Rbは、酵素的もしくは代謝的に開裂可能なユニット、または、腸内および/もしくは胃腸内の条件(pH)もしくは他の生理学的条件で加水分解され得る結合であってよく、
より詳細には、Rbは、例えば、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、アリル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、Rb’-CO-、(HO)2P(O)、および(MO)2P(O)からなる群から(独立に)選択されてよく、ここで、Mは、アルカリ金属(例えば、Na、K、Csなど)またはアルカリ土類金属(例えば、Ca、Mgなど)であってよく、
Rb’は、例えば、H、炭素原子1個〜6個の直鎖状または分岐状アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、ブチル、iso -ブチル、tert-ブチル、tert-ブチル-CH2-など)、炭素原子3個〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロヘキシルなど)、および、炭素原子3個〜6個をそのシクロアルキル部分に有し、炭素原子1個〜3個をそのアルキル部分に有するシクロアルキルアルキル基(例えば、シクロプロピル-CH2-、シクロヘキシル-CH2-など)からなる群から選択されてよく、
R4は、例えば、H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、-CH2CH2OH、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-( l,2,3,4-テトラヒドロキノリル)、-CO2R3、-CONR3R3、-COR6、2-ヒドロキシ-6-メチルニコチニル、ホルミル、(炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で)置換されたかまたは非置換のベンジル、(非置換であるかまたはフェニル、モノ-、ジ-、もしくはトリ-ヒドロキシ置換された)フェニル、(炭素原子1個〜6個の)直鎖状アルキル基もしくは(炭素原子3個〜6個の)分岐状アルキル基でo,-、m,-、p,-位が置換されたフェニルからなる群から選択されてよく、
R5は、ピペリジン(1-、2-、3-ピペリジン)およびモルホリン(1-モルホリン)からなる群から選択されてよく、
R6は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、-NH2、フェニル〔非置換または置換フェニル、例えば、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、(炭素原子1個〜6個の)直鎖状アルキル基または(炭素原子3個〜6個の)分岐状アルキル基でo,-、m,-、p,-位が置換されたフェニル〕、-CH2CH2OH、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-(l,2,3,4-テトラヒドロキノリル)、o,-、m,-、p,-位が直鎖状または分岐状のアルキル基で置換されたピリジル、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたピリジル、ニコチニル〔(モノ、ジ、トリ)置換ニコチニル、例えば、ヒドロキシ置換ニコチニル、アルキル置換ニコチニル、例えば、2-OH-6-Meニコチニル、または非置換ニコチニル〕、および-OR7からなる群から選択されてよく、かつ、
R7は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、または炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基であってよい。
【0011】
本発明に本願される式Iの化合物の典型的な実施態様には、
CXが、例えば、-CHO、-CHNO-Ra-COOH、-CHNO-R3、-CH=N-R3R4、-CH=N-R5からなる群から選択される化合物であって、
R3は、より特に、-Hおよび炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基からなる群から選択されてよく、
R4は、例えば、H、-COR6、ホルミル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基または炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたベンジル、 非置換ベンジル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、置換または非置換のフェニルからなる群から選択されてよく、
R5は、ピペリジンおよびモルホリンからなる群から選択されてよく、
R6は、より特に、-NH2、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたフェニル、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたフェニル、非置換ニコチニル、ニコチニル(炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および/または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されたもの)、および-OR7からなる群から選択されてよく、かつ、
R7は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基からなる群から選択されてよい、
化合物が含まれる。
【0012】
本発明に本願される式Iの化合物の模範的な実施態様には、
CXが-CH=N-R3R4である化合物、およびR3が-H(例えば、-CH=N-HR4)である化合物であって、
R4は、より特に、H、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、ホルミル、〔(例えば、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基または炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で)置換された〕ベンジル、(置換または非置換の)フェニル、-COR6からなる群から選択されてよく、
R6は、より特に、-NH2、-OR7、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、フェニル(置換または非置換;例えば、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、o,-、m,-、p,-位が直鎖状または分岐状のアルキル基で置換されたフェニルなど)、およびニコチニル〔(モノ、ジ、トリ)置換ニコチニル、例えば、ヒドロキシ置換ニコチニル、アルキル置換ニコチニル、例えば、2-OH-6-Meニコチニル、または非置換ニコチニル〕からなる群から選択されてよく、かつ、
R7は上述により定義した通りである、
化合物も含まれる。
【0013】
本発明によれば、CXは、より特に、例えば、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHNOH、-CHNNH2、-CHN-1-ピペリジン、-CHN-1-モルホリン、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)〔例えば、-CHN-NH-(CO-2-OH-フェニル)〕、-CHN-NH-(CO-ジ-ヒドロキシフェニル)〔例えば、-CHN-NH-(CO-2,3-ジOH-フェニル)〕、-CHN-NH-(CO-トリ-ヒドロキシフェニル)〔例えば、-CHN-NH-(CO-2,3,4-トリOH-フェニル)〕、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(COOMe)、-CHN-NH-(CONH2)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択されてよい。
【0014】
本発明の一実施態様によれば、CXは、例えば、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択されてよい。
【0015】
さらに、本発明の特定の実施態様によれば、CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)からなる群から選択されてよい
【0016】
-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)基は、より特に、-CHN-NH-(CO-モノ-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-(CO-ジ-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-(CO-トリ-ヒドロキシフェニル)など、例えば、-CHN-NH-( CO-2-OH-フェニル)、-CHN-NH-( CO-3-OH-フェニル)、-CHN-NH-( CO-4-OH-フェニル)、-CHN-NH-( CO-5-OH-フェニル)、-CHN-NH-( CO-2,3-ジ-OHフェニル)、-CHN-NH-( CO-2,4-ジ-OHフェニル)、-CHN-NH-( CO-3,4-ジ-OHフェニル)、-CHN-NH-( CO-2,3,4-トリ-OH-フェニル)、-CHN-NH-( CO-3,4,5-トリ-OH-フェニル)などからなる群から選択されてよい。
【0017】
本発明の一実施態様では、式Iの化合物は、例えば、-COOHまたは-Hが3’-位にある化合物を包含する。
【0018】
本明細書において包含される化合物の典型的な実施態様には、例えば、
− mが0、1、または2であってよい、式Iの化合物、
− nが0、1、または2であってよい、式Iの化合物、
− -COORb’基が3’,-位または4’,-位にあってよい、式Iの化合物、
− Rb’が例えば-Hであってよい、式Iの化合物、
− Rbが、より特に、-H、(HO)2P(O)、および(MO)2P(O)(式中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である)からなる群から選択されてよい、式Iの化合物、
− CXが-CHOであってよい式Iの化合物、および/または
− R1およびR2がいずれも-Hであるかまたはmおよびnがいずれも0であってよい、式Iの化合物
が含まれる。
【0019】
本発明のさらなる実施態様では、R2が-Hまたは-COOHであってよい式Iの化合物が包含される。本発明のその他の典型的な実施態様では、nが例えば0または1であってよい化合物である。
【0020】
本発明の別の実施態様では、R1が、より特に、-H、-F、-Cl、-Br、および-OHであってよい式Iの化合物が包含される。より詳細には、Clが、例えば、2’-位、4’-位、および/または6’-位にあってよい。本発明によれば、mはより特に0、1、または2であってよい。
【0021】
例えば、Cxが-CHOであり、R1およびR2がいずれも-Hであるかまたはmおよびnがいずれも0であり、-COORb’基が4’,-位にあり、Rb’が-Hであり、Rbが-Hである化合物が包含される。
【0022】
本発明の化合物には、R1が-OHであってよい化合物およびR2が-CO2Hであってよい化合物、より特にR2が4’-位の-CO2Hであってよい化合物も含まれる。
【0023】
さらなる態様では、本発明は、式IA:
【化2】

の化合物および医薬品として許容できるこれらの誘導体(医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物を含む)に関する。式中、CX、m、n、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rb’ は、本明細書において定義したとおりである。
【0024】
本発明によれば、CXは、より特に、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHNOH、-CHNNH2、-CHN-1-ピペリジン、-CHN-1-モルホリン、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(COOMe)、-CHN-NH-(CONH2)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択されてよい。
【0025】
より詳細には、CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択されてよい。
【0026】
さらにより詳細には、CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)からなる群から選択されてよい。
【0027】
本発明の特定の実施態様の化合物には、Czが、例えば、-CHOであってよい化合物が含まれる。
【0028】
本発明に包含される式IAの化合物の一実施態様には、Cxが-CHOであってよく、nが1であってよく、R2が4’-位または5’-位の-COOHであってよい化合物が含まれる。本発明の他の実施形態には、mが0であってよく、R1がHであってよい式IAの化合物が含まれる。Rbが例えばHである式IAの化合物も、本発明に包含される。Rb’が例えばHである式IAの化合物も、本発明に包含される。
【0029】
本発明ののさらなる実施態様は、Cxが-CHOであってよく、nが1であってよく、R2が例えば5’-位の-COOHであってよく、mが1であってよく、R1が例えば4’-位の-OHであってよい、式IAの化合物を提供する。
【0030】
本発明によれば、式IAの化合物には、例えば、Cxが-CHOであってよく、mが1出会ってよく、R1が例えば4’-位または6’-位の-Clであってよい、化合物が含まれ得る。
【0031】
本発明の化合物のその他の特に典型的な実施態様には、Cxが-CHNO-CH2-COOHであってよい、化合物が含まれる。
【0032】
本発明のより具体的な実施態様では、Cxが-CHNO-CH2-COOHであってよく、mが0であってよく、nが1であってよく、R2が-COOHであってよい、式IAの化合物も包含される。本発明によれば、R2が例えば5,-位にあってよい。
【0033】
本発明のその他の典型的な実施態様には、Cxが-CHNO-CH2-COOHであってよく、mが1であってよく、nが0であってよく、R1が例えば-Clであってよい、式IAの化合物が包含される。本発明によれば、R1が例えば4’-位にあってよい。
【0034】
本発明のさらなる典型的な実施態様では、Cxが例えば-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)であってよい。
【0035】
より詳細に、本発明によれば、Cxが-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)であってよく、mが0であってよく、nが1であってよく、R2が-COOHであってよい、式IAの化合物も包含される。本発明によれば、R2が5,-位にあってよい。
【0036】
本発明によればまた、Cxが-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)であってよく、mが1であってよく、nが0であってよく、R1が-Clであってよい、式IAの化合物も包含される。本発明によれば、R1は、より特に4,-位にあってよい。
【0037】
本発明のさらに典型的な実施態様では、Cxが-CH=N-NHCOR6であってよく、R6が例えばフェニル基(置換または非置換;例えば、モノ、ジ、またはトリヒドロキシ置換フェニル)であってよい。
【0038】
本発明のその他の実施態様では、Cxは、例えば、-CHN-NH-( CO-2-OH-フェニル)、-CHN-NH-( CO-2,3-ジ-OH-フェニル)、または-CHN-NH-( CO-2,3,4-トリ-OH-フェニル)、またはその他のヒドロキシフェニルであってよい。本発明によれば、mが0であってよく、nが1であってよく、R2が-COOHであってよい。R2は、例えば、5,-位にあってよい。
【0039】
本発明のさらなる実施態様には、例えば、Cxが-CHNO-アリルであってよく、mが1であってよく、R1が-Clであってよく、nが0であってよく、R2が-Hであってよい、式IAの化合物が含まれる。
【0040】
本明細書に包含される化合物の典型的な実施態様には、例えば、
− R2が、より特に-Hまたは-COOH、またはさらに特に-COOHであってよい、式IAの化合物、
− R1が、より特に-H、-F、-Cl、-Br、および-OHからなる群から選択されてよく、さらに特に-Clまたは-OHである、式IAの化合物、
− mが0、1、または2であってよい、式IAの化合物、
− nが0、1、または2であってよい、式IAの化合物、
− -COORb’基が3’,-位、4’,-位、または5’,-位にあってよい、式IAの化合物、
− Rb’が例えば-Hであってよい、式IAの化合物、
− Rbが、例えば、-H、 (HO)2P(O)、および(MO)2P(O)(式中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である)からなる群から選択されてよい、式IAの化合物、
− R2が、4’,-位、または5’,-位にある-COOHであってよい、式IAの化合物、
− R1が、4’,-位、または6’,-位にある-Clまたは-OHであってよい、式IAの化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであってよい、式IAの化合物、
− R2が、4’,-位、または5’,-位にある-COOHであってよく、mが0、または1であり、nが1または2である、式IAの化合物、
− R1が、4’,-位、または6’,-位にある-Clまたは-OHであってよく、mが1、2、または3であり、nが0または1である、式IAの化合物、
が含まれる。
【0041】
したがって、本発明に包含される式IAの化合物の例には、これらに限定されないが、
− Cxが-CHOであり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R2が4’,-位にある-COOHであり、mが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHOであり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R2が5’,-位にある-COOHであり、R1が4’,-位にある-OHである、式IAの化合物、
− Cxが-CHOであり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R2がHであり、R1が4’,-位にある-Clである、式IAの化合物、
− Cxが-CHOであり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R2がHであり、R1が6’,-位にある-Clである、式IAの化合物、
− Cxが-CHNO-CH2-COOHであり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R2が5’,-位にある-COOHであり、mが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHNO-CH2-COOHであり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R1が4’,-位にある-Clであり、nが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)であり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R2が5’,-位にある-COOHであり、mが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)であり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R1が4’,-位にある-Clであり、nが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)であり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R2が5’,-位にある-COOHであり、mが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CH=N-OR3であり、R3が、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基からなる群から選択され、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R1が4’,-位にある-Clであり、nが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHNO-アリルであり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R1が4’,-位にある-Clであり、nが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHNO-アルキルであり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R1が4’,-位にある-Clであり、nが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHN-NH-Bzであり、式IAの化合物、
− Cxが-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)であり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R1が4’,-位にある-Clであり、nが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHN-NH-(COOMe)であり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R1が4’,-位にある-Clであり、nが0である、式IAの化合物、
− Cxが-CHN-NH-(CONH2)であり、RbおよびR b’がいずれも-Hであり、R1が4’,-位にある-Clであり、nが0である、式IAの化合物、
が含まれる。
【0042】
追加的な一態様では、本発明は、式IA’:
【化3】

の化合物および医薬品として許容できるこれらの誘導体(医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物を含む)に関する。式中、CX、m、n、R1、R3、R4、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rb’ は、本明細書において定義したとおりである。
【0043】
本発明によれば、CXは、より特に、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHNOH、-CHNNH2、-CHN-1-ピペリジン、-CHN-1-モルホリン、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(COOMe)、-CHN-NH-(CONH2)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択されてよい。
【0044】
より詳細には、CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択されてよい。
【0045】
さらにより詳細には、CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)〔例えば、-CHN-NH-(CO-モノ-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-(CO-ジ-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-(CO-トリ-ヒドロキシフェニル)など〕からなる群から選択されてよい。
【0046】
本発明の典型的な一実施態様では、Cxは、例えば、-CH=N-OR3であってよい。本発明によれば、R3は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、およびアリル基からなる群から選択されてよい。
【0047】
式IA’の本発明のその他の典型的な実施態様では、Cxが-CHNNH2であっていてよい式IA’の化合物、ならびにCxが-CHN-1-ピペリジン、-CHN-1-モルホリン、-CHN-NH-2-ピリジン、または-CHN-NH-ホルミルであっていてよい式IA’の化合物も包含される。
【0048】
本発明によれば、式IA’の化合物には、例えば、mが0であり、R1が-Hである化合物が含まれる。Rbが例えばHでありR b’ が例えばHである化合物も本発明に包含される。
【0049】
本明細書に包含される化合物の典型的な実施態様には、例えば、
− RbおよびR b’がいずれも-Hである、式IA’の化合物、
− R1が、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、および-Iからなる群から選択され、さらに特に、R1が-Clまたは-OHである、式IA’の化合物、
− mが0、1、または2である、式IAの化合物、
が含まれる。
【0050】
したがって、本発明に包含される式IAの化合物の例には、これらに限定されないが、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHOであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHNOMeであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHNOEtであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHNO-アリルであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHNO-t-ブチルであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHNOHであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHNNH2であり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHN-1-ピペリジンであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHN-1-モルホリンであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHN-NH-2-ピリジンであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHN-NH-ホルミルであり、mが0である、式IA’の化合物、
− RbおよびR b’がいずれも-Hであり、Cxが-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)であり、mが0である、式IA’の化合物、
が含まれる。
【0051】
したがって、さらなる態様では、本発明は、式IB:
【0052】
【化4】

の化合物および医薬品として許容できるこれらの誘導体(医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物を含む)に関する。式中、CX、n、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rb’ は、本明細書において定義したとおりである。
【0053】
本発明によれば、CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)からなる群から選択されてよい。
【0054】
本発明によれば、典型的な式IBの化合物には、例えば、nが0であり、R2がHである化合物が含まれる。Rbが例えばHでありR b’ が例えばHである式IBの化合物も本発明に包含される。
【0055】
本発明によれば、R1は、例えば、-OH、-Cl、-F、-Br、-Iなどのうちの1つであってよい。
【0056】
本発明によればさらに、CXは、例えば、-CH=N-NR3R4、例えば、-CHN-NH-(COOMe)、-CHN-NH-(CONH2)であってよい。本発明によれば、R3およびR4は本明細書に定義したとおりであってよく、例えば、R3はHであってよく、R4は(置換または非置換の)ベンジル、例えば、-CHN-NH-Bz、-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)などであってよい。
【0057】
さらに別の態様では、本発明は、式IC:
【化5】

の化合物および医薬品として許容できるこれらの誘導体(医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物を含む)に関する。式中、CX、m、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rb’ は、本明細書において定義したとおりである。
【0058】
本発明によれば、CXは、より特に、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択されてよい。
【0059】
より具体的には、CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)からなる群から選択されてよい。
【0060】
本発明によればまた、R1は、H、-F、-Cl、-Br、-Iおよび-OHからなる群から選択されてよく、さらに特に-H、-Cl、および-OHからなる群から選択されてよい。
【0061】
さらに本発明によれば、R2は本明細書に定義したとおりであってよく、特に、例えばHまたは-COOHであってよい。
【0062】
本発明は、式I、IA、IA’、IB、および/またはICの少なくとも1種の化合物と、医薬品として許容できる担体とを含む、医薬組成物にも関する。本医薬組成物は、例えば、医薬品として許容できる量の本発明のこのような1種以上の化合物を含んでいてよい。本医薬組成物は、インテグラーゼ(HIVインテグラーゼを含む)を阻害し、したがってHIV感染に対する保護を提供するために使用され得る。
【0063】
本発明は、式I、IA、IA’、IB、および/またはICの少なくとも1種の化合物の、医薬組成物、医薬製品、または薬剤を調製するための使用に関する。式I、IA、IA’、IB、および/またはICの化合物は、HIV感染の治療および/または予防のため、かつ/あるいは後天性免疫不全症候群(AIDS)の出現の予防のため、かつ/あるいは、HIVの複製および/またはその細胞変性作用を低減するため、かつ/あるいは、HIVインテグラーゼ酵素を阻害するための、薬剤の調製において使用することができる。
【0064】
本発明はさらに、式I、IA、IA’、IB、および/またはICの少なくとも1種の化合物の、HIV感染および/またはAIDSの治療および/または予防のための、HIVの複製および/またはその細胞変性作用を低減し、かつ/あるいはHIVインテグラーゼ酵素を阻害するための使用に関する。
【0065】
本発明は、HIV感染および/またはAIDSの治療および/もしくは予防の方法(例えば、AIDSの出現を遅くさせるための方法)であって、これを必要とする個人の、HIVの複製および/またはその細胞変性作用を低減し、かつ/あるいはHIVインテグラーゼ酵素を阻害するなどのための方法に関する。本発明によれば、本方法は、式I、IA、IA’、IB、および/またはICの化合物(または医薬組成物、薬剤など)を、これを必要とする個人に投与する工程を含む。
【0066】
本発明は、より詳細には、HIVの複製(例えば、インテグレーション)を低減する方法であって、式I、IA、IA’、IB、および/またはICの化合物(または医薬組成物、薬剤など)を細胞に供給する工程、またはこれを必要とする個人にこのような化合物を投与する工程を含む方法に関する。
【0067】
本発明は、式I、IA、IA’、IB、および/またはICの化合物を調製するプロセスまたは方法、ならびに、これらの化合物を調製するための中間体化合物の使用にも関する。
【0068】
本発明の化合物には、上述により定義した式I、IA、IA’、IB、および/またはICの化合物の医薬品として許容できる誘導体が含まれ得る。「医薬品として許容できる誘導体」は、本発明の化合物の、医薬品として許容できる任意の塩(Na、K、Csなど)、アセタール、(すなわち、ジメチルアセタール、ジエチルアセタールなど)オキシム、またはエステル(例えば、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルエステルなど)を意味する。
【0069】
さらに、表現「医薬品として許容できる誘導体」は、受容者に投与すると、本発明の化合物または本発明の化合物の抗ウイルス的に活性な代謝産物または残基を(直接的にまたは間接的に)もたらし得るような構造を有する任意の他の化合物をいうと理解されたい。したがって、本発明の化合物は、選択的な生物学的特性を増強させるために適切な官能性を付加することによって変形することができる。このような変形は、当分野において周知であり、所与の生物学的システム(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透性を増強させる変形、経口の生物学的利用能を増強させる変形、注入による投与を可能にするために溶解性を増大させる変形、代謝を変化させる変形、および排出速度を変化させる変形が含まれる。
【0070】
本発明の化合物は、適切な場合にはこれらの医薬品として許容できる誘導体を含めて、インテグラーゼ、例えば特に、HIVインテグラーゼへの親和性を有する。したがって、これらの化合物は、このようなインテグラーゼの阻害剤として有用であり得る。すなわち、これらは特に、HIVインテグラーゼ阻害剤として有用である。これらの化合物は、単独で使用することができ、あるいは、ウイルス感染を治療または予防するため、あるいは感染の可能性を低減するため、あるいはARCおよび/またはAIDSの発現可能性を低減するための、他の治療薬もしくは予防薬(例えば、抗ウイルス剤、抗生物質、免疫調節剤、またはワクチンなど)と組み合わせて使用することができる。
【0071】
本発明によれば、本発明の化合物は、ヒトCD4+ T-細胞におけるHIVウイルスの複製を、HIVインテグラーゼがその後の宿主細胞機構によるウイルスの複製のためにその二本鎖DNAを宿主のゲノムDNAにインテグレートする活性を阻害することによって、阻害することができる(Sakai H., J. Virol. Vol. 67 p. 1169 - 1174 (1993))。これらの新規な化合物は、したがって、最初のまたはその後の宿主細胞の感染を阻害し得る。したがって、これらの化合物は、無症候性のHIV-1感染、AIDS関連症候群(ARC)、後天性免疫不全症候群(AIDS)、AIDS関連認知症、または免疫システムの類似の疾患を結果として招き得る、HIV(例えばHIV-1)および関連ウイルスによる感染を治療または予防するための治療剤および予防剤として有用である。本明細書において用いる用語「HIVインテグラーゼ」および「インテグラーゼ」は、1型および2型のヒト免疫不全ウイルスによってコードされたインテグラーゼ酵素と同義的に用い、これに言及する。特に、この用語は、ヒト免疫不全ウイルス1型インテグラーゼを包含する。
【0072】
用語「医薬品として有効量」は、患者のHIV感染の治療または予防(例えば、HIVの複製を低減、AIDSの出現、感染の可能性の低減、AIDSの進行の可能性の低減など)に有効な量を意味する。本明細書ではまた、「医薬品として有効量の」は、単回投与もしくは複数回投与またはいかなる用量もしくは経路での摂取の場合であっても、単独もしくは他の治療薬との組合せでの摂取の場合であっても、所望の治療効果を与える量として解釈することができる。本発明の場合は、「医薬品として有効量の」は、HIV〔HIV-1およびHIV-2のみならず関連ウイルス(例えばHTLV-IおよびHTLV-II、ならびにサル免疫不全ウイルス)〕の感染サイクル(例えば、複製、再感染、成熟、発芽の阻害等)、およびそのライフサイクルにおいてインテグラーゼに依存しているあらゆる有機体に対して阻害効果を有する量として理解することができる。
【0073】
用語「予防に有効な量」は、患者のHIV感染の予防またはAIDSの予防(例えば、AIDSの出現の遅延、感染可能性の低減、AIDSの進行の可能性の低減など)に有効な量を意味する。本明細書において、「患者」は、ヒトを含む哺乳動物を意味する。
【0074】
用語「医薬品として許容できる担体」、「医薬品として許容できるアジュバント」、および「生理学的に許容できる媒体」は、本発明の化合物1種以上と一緒に患者に投与することができ、その薬理学的活性を損なわない、毒性のない担体またはアジュバントを意味する。
【0075】
本明細書では、「炭素原子1〜6個の直鎖状アルキル基」は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルを含む。
【0076】
本明細書では、「炭素原子3〜6個の分岐状アルキル基」は、例えば、限定されないが、イソブチル、tert-ブチル、2-ペンチル、3-ペンチル等を含む。
【0077】
本明細書では、「炭素原子3〜6個のシクロアルキル基」は、例えば、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル(すなわちC6H11)を含む。
【0078】
適切な塩基に由来する塩として、アルカリ金属(例えばナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)塩、アンモニウム塩、およびN-(C1-4アルキル)4塩が挙げられる。
【0079】
本発明によって想定される置換基および変数の組合せは、安定な化合物の形成を実現する組合せだけである。本明細書では、用語「安定」は、当分野において公知な方法での製造および哺乳動物への投与を可能にするために十分な安定性を有する化合物を意味する。
【0080】
本明細書で、「範囲」または「物質の群」を本発明の特定の特徴(例えば、温度、濃度、時間など)の観点から記載する場合には、その中の下位の範囲またはサブグループの個々の構成および組合せが、いかなるものであれ、本発明に関連し、また明示的に本明細書に取り込まれる。従って、特定した範囲または群はいずれも、ある範囲または群の各々および全ての構成を個々に記載するための省略法としてのみならず、その中に包含される、各々および全ての可能性のある下位の範囲またはサブグループを記載するための省略法として理解するべきである。またこのことは、その中のいずれの下位の範囲またはサブグループに関しても同様である。従って、例えば、
− 炭素原子の数については、炭素原子1〜6個という範囲の記載は、本明細書において、各々および全ての個々の炭素原子数のみならず、下位の範囲(例えば、炭素原子1個、炭素原子3個、炭素原子4〜6個等)を包含しているものとして、
− 反応時間については、1分以上の時間は、本明細書において、各々および全ての個々の時間のみならず、1分を超える下位の範囲(例えば、1分、3〜15分、1分〜20時間、1〜3時間、16時間、3〜20時間等)を包含しているものとして、
− さらに、他のパラメーター(例えば、濃度、構成要素等)に関して同様に、
理解するべきである。
【0081】
本明細書では特に、化合物の化学式がそれぞれ、それによって記載された各々および全ての個々の化合物のみならず、各々および全ての可能性のあるクラス、サブグループ、またはサブクラスの化合物を、このようなクラスまたはサブクラスが特定の化合物を含んで積極的に定義されていようと、特定の化合物または組合せを排除して定義されていようと、含むことを理解するべきである。たとえば、化学式(例えばI)の排他的な定義の例は以下のように読むことができる:「但し、AおよびBの一方が-COOHであり、他方がHであるとき、-COOHはX’-位を占めることができない」。
【0082】
本発明の化合物は、容易に入手できる安価な出発物質から従来技術を使って容易に合成することができる。一般に、本発明の誘導体は、ピリドキサールから本分野における知識によって直接的であると認められる一連のシーケンスにより、容易に入手できる安価な試薬および簡単な技術を使って容易に得ることができる。以下に示すアプローチによって、ピリドキサールを所望のHIVインテグラーゼ阻害剤に、標準的な技術を用いて変換することができる。
【0083】
スキーム1に、アミノアリールカルボン酸1とピリドキサールとのカップリングの一般例を示す。
【0084】
NaNO2および塩酸での処理により、適切なアミノアリールカルボン酸1(すなわち、オルト、メタ、またはパラ体)をジアゾ化すると、相当するジアゾニウム塩中間体(1-N2+Cl-)が得られ、これを直ちにピリドキサールの塩基性溶液に添加する。得られた反応生成物から、化合物2が65%の平均収率で得られた。次いで、化合物2を、適切な極性溶媒(例えば、水または酢酸など)中、酸で処理して、表題化合物3を65〜95%の収率で得た。
【0085】
【化6】

【0086】
表題化合物3を、さらに、適切なO-置換オキシム類、N’-置換ヒドラジン類、N’-置換ヒドラジド類、N’,N’-ジ置換ヒドラジン類、N’,N’-ジ置換ヒドラジド類と反応させることによって修飾して、表題化合物4または5を得ることができる。
【0087】
【化7】

【0088】
当業者であれば理解できるように、上述した合成スキームは、本明細書中に記載され請求の範囲に含められた化合物を合成することができる全ての手段の包括的なリストを意図したものではない。さらなる方法が、当業者には明らかであろう。
【0089】
本発明の新規な化合物は、インテグラーゼ、特にHIV-1、最も好ましくはHIV-2およびHTLV-1インテグラーゼに対する優れたリガンドである。したがって、これらの化合物は、複製の初期段階の事象(すなわち、ウイルスDNAのヒトゲノムへのインテグレーション)を標的とし且つ阻害すること可能であり、これによってウイルスの複製を阻止することができる。
【0090】
HIV感染またはAIDSの予防または治療における使用に加えて、本発明の化合物は、そのライフサイクルにおける必須の事象がインテグラーゼ(HIVインテグラーゼに類似したインテグラーゼ)に依存するその他のウイルスに対する阻害剤または遮断剤としても使用することができる。このような化合物は、インテグラーゼを阻害することによってウイルスの複製周期を阻害する。インテグラーゼは成熟ビリオンの産生に必須であるため、このプロセスを阻害すると、感染性ビリオンの産生および複製を阻害によって、ウイルスの伝播を効果的に遮断する。本発明の化合物は、インテグラーゼの酵素活性を有利に阻害し、かつ、インテグラーゼがウイルスのヒト細胞のゲノムへのインテグレーションを触媒する能力を阻害する。
【0091】
本発明の化合物は、HIVおよび他のウイルス(そのライフサイクルの必須事象がインテグラーゼに依存するウイルス)による感染の治療または予防のための従来の方法で使用することができる。このような治療方法、用量レベル、および必要条件は、当分野の従来技術により、利用できる方法および技術から選択することができる。例えば、本発明の化合物は、ウイルス感染患者への投与のための、医薬品として許容可能なアジュバントと、医薬品として許容可能な方法で、かつ、ウイルス感染の重症度を軽減するのに有効な量で組み合わせることができる。さらに、本発明の化合物は、従来ワクチンに利用されている医薬品として許容可能なアジュバントと組み合わせることができ、予防に有効な量を投与して個体をHIV感染などのウイルス感染から長期間にわたって保護することができる。このため、本発明の新規なインテグラーゼ阻害剤は、(生理学的に開裂可能なユニットの開裂に基づいて、)哺乳動物におけるウイルス感染(HIV感染を含む)を治療または予防するための薬剤として投与することができる。本発明の化合物は、健康な患者またはHIV感染患者に、単独の薬剤として、あるいはHIVの複製サイクルと干渉する他の抗ウイルス剤との組合せで投与することができる。本発明の化合物を、ウイルスのライフサイクル中の異なる事象を標的とする他の抗ウイルス剤と一緒に投与することにより、これらの化合物の治療効果が増強される。例えば、同時投与する抗ウイルス剤は、ウイルスのライフサイクルの初期の事象(例えば、細胞侵入、逆転写、およびウイルスDNAの細胞DNAへの組み込み等)を標的とする薬剤であってよい。このような初期のライフサイクル事象を標的とする抗ウイルス剤には、ジダノシン(ddI)、ザルシタビン(ddC)、スタブジン(d4T)、ジドブジン(AZT)、ポリ硫酸化された多糖類であるsT4(可溶性CD4)(ウイルスの宿主細胞への付着および吸収を阻害する)、CD4を有するTリンパ球上のCD4受容体にウイルスが結合することを妨げる他の化合物が含まれる。他のレトロウイルス逆転写酵素阻害剤(例えばAZTの誘導体類等)を、ウイルスの感染および感染に伴う症状を実質的に軽減または排除するための治療上の処置を提供するために、本発明の化合物と同時投与してもよい。他の抗ウイルス剤の例として、ガンシクロビル、ジデオキシシチジン、ホスカルネットナトリウム(trisodium phosphonoformate)、エフロールニチン、リバビリン、アシクロビル、αインターフェロン、およびトリメトトレキサートが挙げられる。加えて、例えば、逆転写酵素の非リボヌクレオシド阻害剤(例えば、TIBO、ネビラピン、デラビルジンなど)を使用して、本発明の化合物の効果を増強してもよい。同様に、ウイルスの脱コート阻害剤、トランス活性化タンパク質(例えば、TatまたはRev)、またはウイルスのプロテアーゼ阻害剤を使用して、本発明の化合物の効果を増強してもよい。これらの化合物は、他のHIVインテグラーゼ阻害剤と一緒に同時投与してもよい。
【0092】
本発明の組合せ療法は、組合せの各構成剤がHIVの複製の異なるサイトに作用するため、HIVの複製阻害に相乗的な効果を発揮する。このような組合せを使用すると、所与の従来の抗レトロウイルス剤の、所望の治療効果または予防効果のために必要とされる投与量を、その薬剤を単剤療法で投与する場合と比較して有利に低減することもできる。これらの組合せは、従来の単剤の抗レトロウイルス剤療法の副作用を、それらの薬剤の抗レトロウイルス活性を阻害することなしに軽減または除去することができる。これらの組合せは、単剤療法に対する抵抗性の可能性を、付随するあらゆる毒性を最小限に抑えながら低減する。これらの組合せはまた、付随する毒性を増加させることなしに、従来の薬剤の有効性を高める。好ましい組合せ療法は、本発明の化合物を、AZT、3TC、ddI、ddC、d4T、コンビビル、ザイアジェン、サスティバ、ネビラピン、およびデラビルジンと一緒に投与することを含む。
【0093】
あるいは、本発明の化合物はまた、他のHIVプロテアーゼ阻害剤、例えば、サキナビル、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、およびアンプレナビル等と同時投与して、多様なウイルスの突然変異体または他のHIV類似種の構成種に対する治療または予防効果を高めることができる。
【0094】
本発明の化合物の投与は、例えば、単独の薬剤としても、レトロウイルス逆転写酵素阻害剤(例えば、AZT誘導体など)またはHIVアスパルチルプロテアーゼ阻害剤との組合せでも行うことができる。本発明の化合物とレトロウイルス逆転写酵素阻害剤またはHIVインテグラーゼ阻害剤との同時投与は、実質的な相乗効果を発揮することができ、それによって、ウイルスの感染性およびその随伴症状を予防、実質的に軽減、または完全に除去しうる。
【0095】
本発明の化合物は、免疫調節剤(例えば、ブロピリミン、抗ヒトαインターフェロン抗体、IL-2、GM-CSF、メチオニンエンケファリン、インターフェロンα、ジエチルジチオカルバメート、腫瘍壊死因子、ナルトレキソン、およびrEPO)、抗生物質(例えば、イセチオン酸ペンタミジン)、またはワクチン類との組合せで投与して、HIV感染(例えばAIDSおよびARC等)に随伴する感染症および疾患を予防または治療することもできる。
【0096】
本発明の化合物を他の薬剤との組合せ療法で投与する場合、患者に順次投与しても同時に投与してもよい。あるいは、本発明の医薬または予防薬組成物は、本発明のインテグラーゼ阻害剤と別の治療薬または予防薬との組合せからなっていてもよい。
【0097】
本発明は本明細書で開示された化合物のHIV感染の予防および治療のための使用に焦点を当てているが、本発明のこれらの化合物はまた、そのライフサイクルにおいて不可欠な事象のために類似のインテグラーゼに依存する他のウイルスに対する阻害剤としても使用することができる。これらのウイルスとして、これらだけに限定されないが、他の疾患の原因となるレトロウイルス、例えば、サル免疫不全症ウイルス、HTLV-I、HILV-II等が挙げられる。
【0098】
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物および医薬品として許容できるその塩の任意のものを、任意の、医薬品として許容できる担体、アジュバント、または媒体と共に含む。本発明の医薬組成物において使用することができる医薬品として許容できる担体、アジュバント、または媒体としては、これらだけに限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン等)、緩衝物質(例えばリン酸塩等)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、植物性飽和脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩類または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩等)、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス類、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられる。
【0099】
本発明の医薬組成物は、経口で、吸入スプレーにより非経口で、局所に、直腸に、点鼻で、口腔剤で、経膣的に、または埋め込み型のリザーバで投与することができる。したがって、本明細書では経口投与または注入による投与が本発明に包含されることがわかる。本発明の医薬組成物は、任意の従来の毒性のない、医薬品として許容できる担体、アジュバント、または媒体を含んでいてもよい。本明細書において、用語「非経口の」は、皮下の、皮内の、静脈内の、筋肉内の、関節内の、滑液嚢内の、胸骨内の、髄腔内の、病変内の、および頭蓋内の注入または注射技術を含む。
【0100】
本医薬組成物は、滅菌した注入可能な剤形、例えば、滅菌した注入可能な水溶液または油性懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween 80等)を使用して、当業者に周知の技術により製剤化することができる。滅菌した注入可能な製剤はまた、毒性のない、非経口で許容できる希釈剤または溶媒(例えば、1,3-ブタンジオール溶液)中の滅菌した注入可能な溶液または油性懸濁液であってよい。使用することができる許容可能な媒体および溶媒として、マンニトール、水、リンガー液、および等張食塩液が挙げられる。加えて、無菌の不揮発性油類が従来から溶媒または懸濁媒体として使われている。本目的のためには、合成モノ−またはジグリセリド類を含め、いずれのブランドの不揮発性油を使うこともできる。脂肪酸、例えば、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体等が注入剤の調製に有用であり、医薬品として許容できる天然の油、例えばオリーブ油、またはヒマシ油、特にこれらがポリオキシエチレン化されたものが有用である。これらの油の溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、例えば、Ph. HeIv.または類似のアルコール等を含有していてよい。
【0101】
本発明の医薬組成物は、経口的に許容できるいかなる投与形態で経口投与することもできる。経口的に許容できる投与形態としては、これだけに限定されないが、カプセル、錠剤、ならびに水性懸濁液および溶液が挙げられる。経口で使用する錠剤の場合、通常使用される担体として、乳糖およびコーンスターチが挙げられる。潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム等も通常加えられる。カプセル形態での経口投与のために有用な希釈剤として、ラクトースおよび乾燥したコーンスターチが挙げられる。水性懸濁液が経口で投与される場合、活性成分を乳化剤および分散剤と組み合わせる。所望する場合は、ある種の甘味料、および/または香味料および/または着色剤を加えることができる。
【0102】
本発明の医薬組成物は、直腸に投与するための座剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、本発明の化合物を、室温で固体であるが直腸温では液体であり、したがって直腸内で溶解して活性成分を遊離する、適切な非刺激性の賦形剤と共に混合することにより調製する。このような物質としては、これだけに限定されないが、ココアバター、ミツロウ、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0103】
本発明の医薬組成物の局所性投与は、所望の治療が局所への適用により容易に行える領域または器官を含む場合に特に有用である。皮膚への局所適用のためには、本医薬組成物は、担体中に溶解又は懸濁した活性成分を含有する適切な軟膏で製剤化すべきである。本発明の組成物の局所性投与のための担体としては、これだけに限定されないが、鉱物油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン化合物またはポリオキシプロピレン化合物、乳化性ワックス、および水が挙げられる。あるいは、本医薬組成物は、担体中に溶解又は懸濁した活性成分を含有する適切なローションまたはクリームで製剤化することができる。好ましい担体としては、これだけに限定されないが、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が挙げられる。本発明の医薬組成物は、直腸座剤により、または適切なニート(neat)の製剤で、下部消化管に局所適用することもできる。局所経皮性パッチも本発明に含まれる。
【0104】
本発明の医薬組成物は、経鼻エアロゾルまたは吸入により投与することができる。このような組成物は、医薬製剤分野の当業者に周知の技術により調製することができ、ベンジルアルコールまたは他の適切な防腐剤、生物学的利用能を増強するための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または当業者に公知の他の可溶化剤もしくは分散剤を使って、生理食塩水溶液として調製することができる。
【0105】
約0.01〜約25mg/体重1kg/日の間の投与量レベル、例えば、活性成分化合物が約0.5〜約25mg/体重1kg/日の間である投与量がウイルス感染(HIV感染を含む)の予防および治療では有用である。典型的には、本発明の医薬組成物は、1日に約1回から5回で、あるいは別法として連続的な注入によって投与される。このような投与は、慢性治療または急性治療として利用できる。担体物質と組み合わせて単回投与形態を調製するための活性成分の量は、治療する患者および特定の投与方式によって変化する。典型的な製剤は、活性化合物を約5%から約95%含有してよい(w/w)。例えば、このような製剤は、活性化合物を約20%から約80%含有してよい。
【0106】
患者の状態が改善すると、本発明の化合物、組成物、または組合せの維持用量を必要ならば投与することができる。その後、投与の量もしくは頻度、またはその両方は、症状に応じ、改善された状態が維持するレベルにまで低減することができる。症状が所望のレベルにまで緩和されると、治療を終了する。しかし、患者は、いずれかの疾患症状(特にAIDS)の再発の都度に、長期に渡る断続的治療を必要とする場合がある。
【0107】
当業者であれば理解できるように、上述により列挙した投与量より少ないまたは多い投与量が要望される可能性がある。特定の患者のための特定の用量および治療レジメンは、採用した特定の化合物の活性、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与時間、排泄率、薬剤の組合せ、感染の重篤度および経過、患者の感染のしやすさ、ならびに治療担当医師の判断を含む様々な要因によって異なる。
【0108】
本発明の化合物は、効率的にインテグラーゼ(特にHIVインテグラーゼ)に結合する市販試薬としても有用である。市販試薬として、本発明の化合物およびこれらの誘導体は、標的とするDNA分子のインテグラーゼによる組み込みを阻害するため使用することができ、あるいは、誘導体化してアフィニティークロマトグラフィー用の拘束基質として安定な樹脂に結合させることができる。市販のインテグラーゼ阻害剤の特性を示すこれらの使用およびその他の使用は、当業者に明らかであろう。
【0109】
本明細書の記述において、下記略号を使用する:
【表1】

【発明を実施するための最良の形態】
【0110】
本節では、本明細書に記載されたいくつかの化合物の合成について記述する。これらの実施例は、単に説明の目的であって、決して本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。本節では、本発明の化合物の合成の詳細を示す。
【0111】
[材料および方法]
分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、0.25mmのシリカゲルE. Merck 60 F254プレートで行い、示した溶媒系で溶離した。分取クロマトグラフィーは、シリカゲル60(EM Science社)を使用し、示した溶媒系、および適切な溶出速度を可能にする正の空気圧でのフラッシュ・クロマトグラフィーにより行った。化合物の検出は、溶離したプレート(分析用または分取用)をヨウ素、UV光に曝露することにより、ならびに/または、分析用プレートを、3%の硫酸および1%酢酸を含有するエタノール中のp-アニスアルデヒド2%溶液で処理した後加熱することにより行った。あるいは、分析用プレートは、3%の酢酸を含有するエタノール中の0.3%ニンヒドリン溶液、ならびに/または、濃硫酸(90mL)を含む水(750mL)中の、(NH4)6Mo7O2420gおよびCe(SO4)2のポリ水和物8.3gから作った、CAM溶液で処理してもよい。
【0112】
特に示していない限り、いずれの出発物質も、例えばAldrich社またはSigma社等の市販供給元から購入した。
【0113】
融点(mp)は、融点測定装置Buchi 530を用いてキャピラリー管中で測定し、未補正である。
【0114】
質量スペクトルは、Hewlett Packard LC/MSD 1100 systemで、APCIを用い、ネガティブモードまたはポジティブモードのいずれかで記録した。
【0115】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、リバースプローブまたはQNPプローブを備えたBruker AMX-II-500で記録した。試料は、データ取得のために、重クロロホルム(CDCl3)、重水(CD2O)、または重ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)に溶解し、内部標準としてテトラメチルシランを用いた。化学シフト()は100万分の1(ppm)で表し、結合定数(J)はヘルツ(Hz)で表し、多重度を一重線はs、二重線はd、2つの二重線は2d、二重の二重線はdd、三重線はt、四重線はq、五重線はquint.、多重線はm、およびブロードな一重線はbr sと表した。
【0116】
[一般的合成方法]
A.ピリドキサールのジアゾ安息香酸へのカップリングの一般的方法
方法A:
1 mmolのアミノ安息香酸を、5 mlの2N HClに(必要であれば溶解を助けるためにエタノールと共に)溶解し、氷/塩浴中で0〜5℃に冷却した。1 mmolのNaNO2を少しずつ小分けにして添加すると、5分の間にジアゾニウム塩が形成された。次いで、1 mmol(263 mg)のピリドキサールを、0.5 mLの飽和NaOHが添加された10 mLの氷水に溶解した。ジアゾニウム塩を、少しずつ小分けにして1分間の間に亘って添加し、得られた橙赤色溶液そ15分間そのままにした。その後、この溶液を、1〜4時間で室温に戻した。この赤い溶液を氷浴中で冷却し、6N HClを滴下して赤色沈殿物を形成させた。この沈殿物を濾過により取り出し、氷水で洗浄した後乾燥した。この反応の収率は、20〜99%の範囲で変動した。
方法B:
1 mmolのアミノ安息香酸を、2 mlの2N HClに(必要であれば溶解を助けるためにエタノール5 mlと共に)溶解し、氷/塩浴中で0〜5℃に冷却した。1 mmolのNaNO2を少しずつ小分けにして添加すると、5分の間にジアゾニウム塩が形成された。次いで、1 mmol(263 mg)のピリドキサールを、0.5 mLの飽和NaOHが添加された2 mLの氷水に溶解した。ジアゾニウム塩を、少しずつ小分けにして1分間の間に亘って添加し、得られた橙赤色溶液そ15分間そのままにした。その後、この溶液を、1〜4時間で室温に戻した。この赤い溶液を氷浴中で、黄色沈殿物が得られるまで冷却した。この沈殿物を濾過し、乾燥した。この反応の収率は、20〜80%の範囲で変動した。
【0117】
B.ピラゾロ形成の一般的方法
ピリドキサール誘導体(5 mmol)の酢酸5 mL中の懸濁液に、2 mLの12N HClを添加し、80℃に加熱した。この溶液は、生成物が形成されるにしたがって赤褐色になった。その後、この溶液を、熱時濾過し、濾液を砕いた氷に注いだ。黄褐色の沈殿を濾過し、乾燥した(90%より高い収率)。
【0118】
C.オキシム形成の一般的方法
[ピラゾロ[3,4-B]ピリジン-2-イル]-安息香酸誘導体(0.01 mmol)を、pH 6に緩衝化した水2〜5 mL中のヒドロキシルアミン塩酸塩の20%溶液に添加し、20分間撹拌した。このpHを、生成物の沈殿が完了するまで塩酸で調節した。沈殿を濾過し、乾燥した(約65〜95%の収率)。
【0119】
D.ヒドラゾン形成の一般的方法
[ピラゾロ[3,4-B]ピリジン-2-イル]-安息香酸誘導体(0.01 mmol)を、pH 6に緩衝化した水2〜5 mL中のヒドラジン塩酸塩の20%溶液に添加し、20分間撹拌した。このpHを、生成物の沈殿が完了するまで塩酸で調節した。沈殿を濾過し、乾燥した(約65%の収率)。
【実施例】
【0120】
[一般式Iの誘導体の調製の具体例]
以下の化合物を、スキーム1、2、および3にまとめた方法を用いて、いずれもピリドキサール体から調製した。
【0121】
実施例1.5-(4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル)-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な3, 5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびBにしたがって得られた。最終生成物は85%の収率で得られた。
LC/MS M+1 = 342.1 95%
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.59 s 3H, 8.43 s 1H, 8.72 s 2H, 9.25 s 1H, 10.6 s 1H
【0122】
実施例2.2-クロロ-5-(4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル)-安息香酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な2-クロロ-5 -アミノ-安息香酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびBにしたがって得られた。. 最終生成物は70%の収率で得られた。
LC/MS M+1 = 332.1
1H NMR (D2O/NaOD) δ:2.10 s 3H, 8.0 d (J= 7.4 Hz) 1H, 8.32 d (J= 7.4 Hz) 1H, 8.47 s 1H, 9.28 s 1H, 10.6 s 1H
【0123】
実施例3.4-クロロ-3-(4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4- b]ピリジン-2-イル)-安息香酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な 4-クロロ-5-アミノ-安息香酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびBにしたがって得られた。最終生成物は88%の収率で得られた。
LC/MS M+1 = 332.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.65 s 3H, 7.89 d (8 Hz) 1H, 8.09 d (8 Hz) 1H, 9.20 s 1H, 10.59 s 1H
【0124】
実施例4.4-(4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル)-安息香酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な 4-アミノ-安息香酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびBにしたがって得られた。最終生成物は95%の収率で得られた。
LC/MS M+1 = 298.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.65 s 3H, 8.11 d( J=8Hz) 1H, 8.25 d(J=8Hz)lH, 9.20 s 1H, 10.59 s
【0125】
実施例5.4-(4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル)-フタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な 3-アミノ-フタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびBにしたがって得られた。最終生成物は 85% の収率で得られた。
LC/MS M+1 = 342.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.65 s 3H, 8.00 d(J=7.4) 1H, 8.32 d (J=7.4) 1H, 8.47 s 1H, 9.28 s 1H, 10.6 s 1H
【0126】
実施例6.5-(4-ホルミル-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシ-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な 2-ヒドロキシ-5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびBにしたがって得られた。最終生成物は65% の収率で得られた。
LC/MS M+1 = 358.2
1H NMR (D2O/NaOD) δ:2.33 s 3H, 7.33 s 2H, 8.26 s 2H, 9.92 s 2H
【0127】
実施例7.5-[4-(カルボキシメトキシイミノ-メチル)-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Cによってカルボキシメトキシルアミンと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 415.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.58 s 3H, 4.90 s 2H, 8.46 s 1H, 8.67 s 2H, 8.84 s 1H, 9.05 s 1H
【0128】
実施例8.5-[5-ヒドロキシ-4-(メトキシイミノ-メチル)-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Cによってメトキシルアミンと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 371.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.51 s 3H, 4.13 , 3H, 8.45 s 1H, 8.70 s 2H, 8.76 s 1H, 9.10 s 1H, 10.0 s 1H
【0129】
実施例9.5-[4-(エトキシイミノ-メチル)-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3 ,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Cによってエキシルアミンと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 385.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:1.35 t(6Hz) 3H, 2.60 s 3H, 4.45 q(J=6Hz) 2H, 8.70 s 2H, 8.80 s 1H, 9.1 s 1H, 10.0 s 1H
【0130】
実施例10.5-[4-(アリロキシイミノ-メチル)-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Cによってエキシルアミンと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 397.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.55 s 3H, 4.77 d (J= 6Hz) 2H, 5.31 d( J=6Hz) 1H, 5.40 d (J=I 5hz) 1H, 5.98-6.10m 1H, 8.36 s 1H, 8.65 s 2H, 8.71 s lH, 9.01 s 1H, 10.01 s 1H
【0131】
実施例11.5-[4-(tert-ブトキシイミノ-メチル)-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Cによってt-ブトキシルアミンと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 413.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:1.41 s 9H, 2.56 s 3H, 8.45 s 1H, 8.67 s 2H, 8.78 s 1H, 9.09 s 1H.10.05 s 1H
【0132】
実施例12.PL-402の調製
この生成物は、商業的に入手可能な2-クロロ-5 -アミノ-安息香酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例2)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Cによってアリルオキシアミンと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 387.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.54 s 3H, 4.76 brs 2H, 5.31 d (J=6Hz) 1H, 5.49 q (J=6Hz) 6.01 m 1H, 7.7 d (J= 8Hz) 1H, 8.22 d (J= 8Hz) 1H, 8.42 s 1H, 8.78 s 1H, 8.99 s 1H
【0133】
実施例13.3-[4-(カルボキシメトキシイミノ-メチル)-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-4-クロロ-安息香酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な2-クロロ-5 -アミノ-安息香酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例2)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Cによってカルボキシメトキシルアミンと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 405.0
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.61 s 3H, 4.95 s 2H, 7.76 d (J=8Hz) 1H, 8.22 d (J=8Hz) 1H, 8.46 s 1H, 8.73 s 1H, 9.00 s 1H
【0134】
実施例14.5-[5-ヒドロキシ-4-(ヒドロキシイミノ-メチル)-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Cによってヒドロキシルアミンと反応させ、70%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 357
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.55 s 3H, 8.61 s 2H, 8.74 s 1H, 9.15 s 1H, 10.18 s 1H, 12.01 s 1H
【0135】
実施例15.5-(4-ヒドラゾノメチル-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4- b]ピリジン-2-イル)-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによってヒドラジンと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 356.1
1H NMR (D2O) δ:2.25 s 3H, 8.12 s 1H, 8.17 s 2H, 8.25 s 1H, 8.37 s 1H
【0136】
実施例16.5-[5-ヒドロキシ-6-メチル-4-(ピペリジン-l-イルイミノメチル)-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによって1-アミノピペリジンと反応させ、69%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 424.2
【0137】
実施例17.5-[5-ヒドロキシ-6-メチル-4-(モルホリン-4-イルイミノメチル)-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによって4-アミノモルホリンと反応させ、69%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 426
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.43 br s 4H, 2.55 s 3H, 3.66 br s 4 H, 3.80 br s 4H, 8.20 s 1H, 8.41 s 1H 8.66 s 2H, 9.34 s 1H
【0138】
実施例18.5-{5-ヒドロキシ-4-[(2-ヒドロキシ-6-メチル-ピリジン-3- カルボニル)-ヒドラゾノメチル]-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル}-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによって2-ヒドロキシ-6-メチルニコチニルヒドラジドと反応させ、79%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 491
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.33 s 3H, 2.62 s 3H, 6.43 d 1H J= 7, 8.32 d 1H J= 7, 8.41 s 1H, 8.72 s 2H, 9.00 s 1H, 9.40 s 1H, 11.5 s 1H, 12.7 s 1H, 13.3 s 1H
【0139】
実施例19.5-{4-[(2,3-ジヒドロキシ-ベンゾイル)-ヒドラゾノメチル]-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル}-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによって2,3-ジヒドロキシ-安息香酸ヒドラジドと反応させ、77%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 492
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.55 s 3H, 6.71 t j=6, 7.03 d 1H J=6 , 7.48 d 1H J= 6, 8.4 s 1H, 8.7 s 2H, 9.1 s 1H, 9.3 s 1H, 12.55 s 1H
【0140】
実施例20.5-{5-ヒドロキシ-6-メチル-4-[(2,3,4-トリヒドロキシ-ベンゾイル)-ヒドラゾノメチル]-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル}-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによって2,3,4-トリヒドロキシ-安息香酸ヒドラジドと反応させ、77%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 508
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.61 s 3H, 6.45 d 1H J=7, 7.45 d 1H J= 7, 8.45 s 1H, 8.70 s 2H, 9.00 s 1H, 9.31 s 1H, 12.41 s 1H
【0141】
実施例21.5-[5-ヒドロキシ-6-メチル-4-(ピリジン-2-イル-ヒドラゾノメチル)-ピラゾロ[3 ,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによって2-ピリジルヒドラジンと反応させ、65%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 433.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.64 s 3H, 7.11 s 1H, 7.40 t (J= 7Hz) 1H, 8.02-8.18 m 2H, 8.80 s 2H, 8.91 s 1H, 9.55 s 1H
【0142】
実施例22.5-[4-(ホルミル-ヒドラゾノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによってホルミルヒドラジドと反応させ、85%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 384.1
【0143】
実施例23.5-{5-ヒドロキシ-4-[(2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ヒドラゾノメチル]-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル}-イソフタル酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な5-アミノ-イソフタル酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例1)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによってサリチル酸ヒドラジドと反応させ、88%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 476.1
1H NMR (DMSO-d6) δ:2.62 s 3H, 6.92-7.03 m 2H, 7.46 brs 1H, 7.93 d (J=6.8 Hz) 1H, 8.44 s 1H, 8.71 s 2H, 9.00 s 1H, 9.32 s 1H, 11.3 brs 1H, 11.67 brs 1H, 12.30 s 1H
【0144】
実施例24.2-クロロ-5-[5-ヒドロキシ-4-(メトキカルボニル-ヒドラゾノメチル)-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-安息香酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な2-クロロ-5 -アミノ-安息香酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例2)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法DによってNH2NHCOOMeと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
Pl-423
LC/MS M+1 = 404.8
【0145】
実施例25.2-クロロ-5-[5-ヒドロキシ-4-(アミノカルボニル-ヒドラゾノメチル)-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル]-安息香酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な2-クロロ-5 -アミノ-安息香酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例2)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによってセミカルバジドと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 389.1
【0146】
実施例26.5-[4-(ベンゾイル-ヒドラゾノメチル)-5-ヒドロキシ-6-メチル-ピラゾロ [3,4-b]ピリジン-2-イル]-2-クロロ-安息香酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な2-クロロ-5 -アミノ-安息香酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例2)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによってベンゾイルヒドラジドと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 450.8
【0147】
実施例27.5-{4-[(4-tert-ブチル-ベンゾイル)-ヒドラゾノメチル]-5-ヒドロキシ- 6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル}-2-クロロ-安息香酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な2-クロロ-5 -アミノ-安息香酸とピリドキサールとから一般的方法A、方法AおよびB(実施例2)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによって4-tert-ブチルベンゾイルヒドラジドと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 506.2
【0148】
実施例28.2-クロロ-5-{5-ヒドロキシ-4-[(2-ヒドロキシ-6-メチル-ピリジン-3-カルボニル)-ヒドラゾノメチル]-6-メチル-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-2-イル}-安息香酸の調製
この生成物は、商業的に入手可能な2-クロロ-5 -アミノ-安息香酸 とピリドキサールとから一般的方法D、方法AおよびB(実施例2)にしたがって得られた。濾過した生成物を、その後、一般的方法Dによって2-ヒドロキシ-6-メチル-ニコチニルヒドラジドと反応させ、80%の収率で生成物を得た。
LC/MS M+1 = 481.8
【0149】
[生物学的評価]
〔In vitroでのインテグラーゼ阻害アッセイ〕
表1のために、HIV-1阻害アッセイを公知の手順(IGEN International, Inc. 2002; ORIGEN(登録商標)HIV Integrase assay, A highly Sensitive and Rapid method to measure Integrase Activity and to Identify Inhibitors)にしたがって、M8 Electroluminescence analyzer(IGEN International社)を使用して行った。
【0150】
〔In vitroでの抗ウイルスアッセイおよび細胞毒性アッセイ〕
− 本化合物のEC50を評価するために、さまざまな薬剤濃度のものを、感染した細胞と共に6日間インキュベートした後、細胞の代謝活性をMTTアッセイによりモニターした。(A. J. Japourら、Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 37, 1095- 1101 , 1993、および、R. Pauwelsら、Journal of Virological Methods, 20, 309-321を参照されたい。)
− ウイルスの実験室株NL4.3を野生種ウイルスとして用いた。さらに、使用した細胞系列は、HIV-1に高度に感受性があるT-細胞系列であるMT-4であった。また、WT臨床株も用いた。耐性の問題を克服するために、われわれは、特定の商業的に入手可能な阻害剤に対して耐性を示すように設計されたNL4.3変異体で、阻害剤をアッセイした。
− ウイルスを除外した以外は同じMTTアッセイを、本化合物のCClC50を評価するために用いた。
【0151】
表1に列挙した化合物をスキーム1、2、3にしたがって、さらに詳細には上述により列挙した実施例に記載されたとおりに、調製した。表1に列挙した化合物の番号(Ex. No.)は、上述に示した実施例番号に対応する。これらの化合物の潜在的な有用性を示す活性も、同じ表に列挙する。表1には、2’-位、3’-位、4’-位、5’-位、および1つの場合には6’-位の炭素が表1に示されるとおりに置換された、式Iの化合物を示す。これらの化合物の潜在的な有用性を示す、式IおよびIbの化合物のIC50、EC50、ならびにCClC50の結果も、表1に示す。
【0152】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物および医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物であって、
式中、
nは、0、1、2、3、または4であり、
mは、0、1、2、3、または4であり、
CXは、-CHO、-CH=N-OR3、-CH=N-NR3R4、-CH=N-R5、および-CH(OR3)2からなる群から選択され、
R1は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、および- OR3からなる群から選択され、
R2は、-H、-CO2H、-CONR3R4、および-COR6からなる群から選択され、
R3は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、アリル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、および-Ra-COOHからなる群から選択され、
Raは、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基であり、
Rbは、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、アリル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、Rb’-CO-、(HO)2P(O)、および(MO)2P(O)からなる群から選択され、
Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、
Rb’は、H、炭素原子1個〜6個の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素原子3個〜6個のシクロアルキル基、および、炭素原子3個〜6個をそのシクロアルキル部分に有し、炭素原子1個〜3個をそのアルキル部分に有するシクロアルキルアルキル基からなる群から選択され、
R4は、H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、-CH2CH2OH、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-( l,2,3,4-テトラヒドロキノリル)、-CO2R3、-CONR3R3、-COR6、2-ヒドロキシ-6-メチルニコチニル、ホルミル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基または炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたベンジル、 非置換ベンジル、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたフェニル、および炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択され、
R5は、ピペリジンおよびモルホリンからなる群から選択され、
R6は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、-NH2、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたフェニル、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたフェニル、-CH2CH2OH、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-(l,2,3,4-テトラヒドロキノリル)、非置換ピリジル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたピリジル、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたピリジル、非置換ニコチニル、ニコチニル(炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および/または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されたもの)、および-OR7からなる群から選択され、かつ、
R7は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基からなる群から選択される、
化合物および医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物。
【請求項2】
CXは、-CHO、-CHNO-Ra-COOH、-CHNO-R3、-CH=N-R3R4、-CH=N-R5からなる群から選択され、
R3は、-Hおよび炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基からなる群から選択され、
R4は、H、-COR6、ホルミル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基または炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたベンジル、 非置換ベンジル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたフェニル、および炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択され、
R5は、ピペリジンおよびモルホリンからなる群から選択され、
R6は、-NH2、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたフェニル、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたフェニル、非置換ニコチニル、ニコチニル(炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および/または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されたもの)、および-OR7からなる群から選択され、かつ、
R7は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基からなる群から選択される、
請求項1の化合物。
【請求項3】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHNOH、-CHNNH2、-CHN-1-ピペリジン、-CHN-1-モルホリン、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(COOMe)、-CHN-NH-(CONH2)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項2の化合物。
【請求項4】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項3の化合物。
【請求項5】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)からなる群から選択される、請求項4の化合物。
【請求項6】
CXが-CHN-NH-(CO-モノ-ヒドロキシフェニル)である、請求項5の化合物。
【請求項7】
CXが-CHN-NH-(CO-ジ-ヒドロキシフェニル)である、請求項5の化合物。
【請求項8】
CXが-CHN-NH-(CO-トリ-ヒドロキシフェニル)である、請求項5の化合物。
【請求項9】
CXが-CHN-NH-(CO-2-OH-フェニル)である、請求項6の化合物。
【請求項10】
CXが-CHN-NH-(CO-2,3-ジ-OH-フェニル)である、請求項7の化合物。
【請求項11】
CXが-CHN-NH-(CO-2,3,4-トリ-OH-フェニル)である、請求項8の化合物。
【請求項12】
CXは、-CH=N-R3R4であり、
R3は、-Hであり、
R4は、H、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基または炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたベンジル、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたフェニル、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたフェニル、および-COR6からなる群から選択され、
R6は、-NH2、-OR7、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたフェニル、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたフェニル、非置換ニコチニル、ニコチニル(炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および/または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されたもの)からなる群から選択され、かつ、
R7は、請求項1に定義したとおりである、請求項1の化合物。
【請求項13】
R1が、-H、-F、-Cl、-Br、および-OHからなる群から選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
mが、0、1、または2である、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
nが、0、1、または2である、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
-COORb’基が3’,-位または4’,-位にある、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
Rb’が-Hである、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
Rbは、-H、 (HO)2P(O)、および(MO)2P(O)(式中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である)からなる群から選択される、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
CXが-CHOである、請求項5の化合物。
【請求項20】
R1およびR2がいずれも-Hであるかまたはmおよびnがいずれも0である、請求項19の化合物。
【請求項21】
-COORb’基が4’,-位にある、請求項20の化合物。
【請求項22】
Rb’が-Hである、請求項21の化合物。
【請求項23】
Rbが-Hである、請求項19から22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
式IA:
【化2】

の化合物および医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物であって、
式中、
nは、0、1、2、3、または4であり、
mは、0、1、2、3、または4であり、
CXは、-CHO、-CH=N-OR3、-CH=N-NR3R4、-CH=N-R5、および-CH(OR3)2からなる群から選択され、
R1は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、および- OR3からなる群から選択され、
R2は、-H、-CO2H、 -CONR3R4、および-COR6からなる群から選択され、
R3は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、アリル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、および-Ra-COOHからなる群から選択され、
Raは、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基であり、
Rbは、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、アリル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、Rb’-CO-、(HO)2P(O)、および(MO)2P(O)からなる群から選択され、
Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、
Rb’は、H、炭素原子1個〜6個の直鎖状または分岐状アルキル基、炭素原子3個〜6個のシクロアルキル基、および、炭素原子3個〜6個をそのシクロアルキル部分に有し、炭素原子1個〜3個をそのアルキル部分に有するシクロアルキルアルキル基からなる群から選択され、
R4は、H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、-CH2CH2OH、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-( l,2,3,4-テトラヒドロキノリル)、-CO2R3、-CONR3R3、-COR6、2-ヒドロキシ-6-メチルニコチニル、ホルミル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基または炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたベンジル、 非置換ベンジル、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたフェニル、および炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたフェニルからなる群から選択され、
R5は、ピペリジンおよびモルホリンからなる群から選択され、
R6は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基、-NH2、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたフェニル、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたフェニル、-CH2CH2OH、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-(l,2,3,4-テトラヒドロキノリル)、非置換ピリジル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基で置換されたピリジル、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたピリジル、非置換ニコチニル、ニコチニル(炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および/または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されたもの)、および-OR7からなる群から選択され、かつ、
R7は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および炭素原子3個〜8個のシクロアルキル基からなる群から選択される、
化合物および医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物。
【請求項25】
CXは、-CHO、-CHNO-Ra-COOH、-CHNO-R3、-CH=N-R3R4、-CH=N-R5からなる群から選択され、
R3は、-Hおよび炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基からなる群から選択され、
R4は、H、-COR6、ホルミル、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基または炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基で置換されたベンジル、 非置換ベンジル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジルからなる群から選択され、
R5は、ピペリジンおよびモルホリンからなる群から選択され、
R6は、-NH2、非置換フェニル、モノ-、ジ-、またはトリ-ヒドロキシ置換フェニル、非置換ニコチニル、ニコチニル(炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基、炭素原子3個〜6個の分岐状アルキル基、および/または少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されたもの)、および-OR7からなる群から選択され、かつ、
R7は、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基からなる群から選択される、
請求項24の化合物。
【請求項26】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHNOH、-CHNNH2、-CHN-1-ピペリジン、-CHN-1-モルホリン、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(COOMe)、-CHN-NH-(CONH2)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項25の化合物。
【請求項27】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項26の化合物。
【請求項28】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)からなる群から選択される、請求項28の化合物。
【請求項29】
CXは、-CHN-NH-(CO-モノ-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-(CO-ジヒドロキシフェニル)、および-CHN-NH-(CO-トリヒドロキシフェニル)からなる群から選択される、請求項28の化合物。
【請求項30】
R2が、Hまたは-COOHである、請求項24から29のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
R1が、-H、-F、-Cl、-Br、および-OHからなる群から選択される、請求項24から30のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
R1が、-Clまたは-OHである、請求項31の化合物。
【請求項33】
mが、0、1、または2である、請求項32の化合物。
【請求項34】
nが、0、1、または2である、請求項30から33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
-COORb’基が3’,-位、4’,-位、または5,-位にある、請求項24から34のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
Rb’が-Hである、請求項24から35のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項37】
Rbは、-H、 (HO)2P(O)、および(MO)2P(O)(式中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である)からなる群から選択される、請求項24から36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
R2が-CO2Hである、請求項24の化合物。
【請求項39】
R2が4’,-位、または5,-位にある、請求項38の化合物。
【請求項40】
R1が、-Clまたは-OHである、請求項24または39の化合物。
【請求項41】
R1が4’,-位、または6,-位にある、請求項40の化合物。
【請求項42】
RbおよびRb’がいずれも-Hである、請求項38から41のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
R2が4’,-位または5,-位の-COOHであり、mが0または1である、請求項26または27の化合物。
【請求項44】
Rが4’,-位または6,-位の-Clまたは-OHであり、nが0または1である、請求項26または27の化合物。
【請求項45】
Rbが、-H、 (HO)2P(O)、または(MO)2P(O)(式中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である)であり、Rb’が-Hである、請求項43または44に記載の化合物。
【請求項46】
CXが-CHOである、請求項27の化合物。
【請求項47】
RbおよびRb’がいずれも-Hである、請求項46の化合物。
【請求項48】
R2が-Hまたは-CO2Hである、請求項47の化合物。
【請求項49】
R2が4’,-位の-COOHであり、mが0である、請求項48の化合物。
【請求項50】
R2が5’,-位の-COOHであり、R1が-OHである、請求項48の化合物。
【請求項51】
R1が4’,-位にある、請求項50の化合物。
【請求項52】
R2が-Hである、請求項48の化合物。
【請求項53】
R1が-Clである、請求項52の化合物。
【請求項54】
R1が4’,-位にある、請求項53の化合物。
【請求項55】
R1が6’,-位にある、請求項54の化合物。
【請求項56】
CXが-CHNO-CH2-COOHである、請求項26または27の化合物。
【請求項57】
RbおよびRb’がいずれも-Hである、請求項56の化合物。
【請求項58】
R2が-COOHであり、mが0である、請求項57の化合物。
【請求項59】
R2が5’,-位にある、請求項58の化合物。
【請求項60】
Rが-Clであり、nが0である、請求項57の化合物。
【請求項61】
R1が4’,-位にある、請求項60の化合物。
【請求項62】
CXが-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)である、請求項26または27の化合物。
【請求項63】
RbおよびRb’がいずれも-Hである、請求項62の化合物。
【請求項64】
R2が-COOHであり、mが0である、請求項63の化合物。
【請求項65】
R2が5’,-位にある、請求項64の化合物。
【請求項66】
Rが-Clであり、nが0である、請求項63の化合物。
【請求項67】
R1が4’,-位にある、請求項66の化合物。
【請求項68】
CXが-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)である、請求項27の化合物。
【請求項69】
RbおよびRb’がいずれも-Hである、請求項68の化合物。
【請求項70】
R2が-COOHであり、mが0である、請求項69の化合物。
【請求項71】
R2が5’,-位にある、請求項70の化合物。
【請求項72】
CXが-CHN-NH-(CO-2-OH-フェニル)である、請求項71の化合物。
【請求項73】
CXが-CHN-NH-(CO-2,3-ジ-OH-フェニル)である、請求項71の化合物。
【請求項74】
CXが-CHN-NH-(CO-2,3,4-トリ-OH-フェニル)である、請求項71の化合物。
【請求項75】
CXが-CHNO-R3であり、R3が、-H、炭素原子1個〜6個の直鎖状アルキル基からなる群から選択される、請求項25の化合物。
【請求項76】
RbおよびRb’がいずれも-Hである、請求項75の化合物。
【請求項77】
Rが-Clであり、nが0である、請求項76の化合物。
【請求項78】
R1が4’,-位にある、請求項77の化合物。
【請求項79】
CXが-CHNO-アリルである、請求項78の化合物。
【請求項80】
CXが-CHN-NH-Bzまたは-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)である、請求項27の化合物。
【請求項81】
RbおよびRb’がいずれも-Hである、請求項80の化合物。
【請求項82】
Rが-Clであり、nが0である、請求項81の化合物。
【請求項83】
R1が4’,-位にある、請求項82の化合物。
【請求項84】
CXが-CHN-NH-(COOMe)および-CHN-NH-(CONH2)からなる群から選択される、請求項26の化合物。
【請求項85】
RbおよびRb’がいずれも-Hである、請求項の84化合物。
【請求項86】
Rが-Clであり、nが0である、請求項の85化合物。
【請求項87】
R1が4’,-位にある、請求項の85化合物。
【請求項88】
式IA’:
【化3】

(式中、CX、m、R1、R3、R4、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rb’ は、請求項1で定義したとおりである)
の化合物および医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物。
【請求項89】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHNOH、-CHNNH2、-CHN-1-ピペリジン、-CHN-1-モルホリン、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(COOMe)、-CHN-NH-(CONH2)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項88の化合物。
【請求項90】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項89の化合物。
【請求項91】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)からなる群から選択される、請求項90の化合物。
【請求項92】
CXは、-CHN-NH-(CO-モノ-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-(CO-ジヒドロキシフェニル)、および-CHN-NH-(CO-トリヒドロキシフェニル)からなる群から選択される、請求項91の化合物。
【請求項93】
RbおよびRb’がいずれも-Hである、請求項88の化合物。
【請求項94】
R1が、-H、-OH、-F、-Cl、-Br、および-Iからなる群から選択される、請求項93の化合物。
【請求項95】
R1が、-Clまたは-OHである、請求項94の化合物。
【請求項96】
mが、0、1、または2である、請求項95の化合物。
【請求項97】
CXが-CHOであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項98】
CXが-CHNO-Meであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項99】
CXが-CHNOEtであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項100】
CXが-CHNO-アリルであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項101】
CXがCHNO-t-ブチルであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項102】
CXが-CHNOHであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項103】
CXが-CHNNH2であり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項104】
CXが-CHN-1-ピペリジンであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項105】
CXが-CHN-1-モルホリンであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項106】
CXが-CHN-NH-2-ピリジンであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項107】
CXが-CHN-NH-ホルミルであり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項108】
CXが-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)であり、mが0である、請求項96の化合物。
【請求項109】
式IB:
【化4】

(式中、CX、n、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rb’ は、請求項1で定義したとおりである)
の化合物および医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物。
【請求項110】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHNOH、-CHNNH2、-CHN-1-ピペリジン、-CHN-1-モルホリン、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(COOMe)、-CHN-NH-(CONH2)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項109の化合物。
【請求項111】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項110の化合物。
【請求項112】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)からなる群から選択される、請求項111の化合物。
【請求項113】
nが0であり、Rが-Hである、請求項109から112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項114】
Rbが、-H、 (HO)2P(O)、または(MO)2P(O)(式中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である)であり、Rb’が-Hである、請求項113の化合物。
【請求項115】
R1が、-Cl、-F、-Br、-I、および-OHからなる群から選択される、請求項109から114のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項116】
R1が-OHまたは-Clである、請求項115の化合物。
【請求項117】
式IC:
【化5】

(式中、CX、m、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rb’ は、請求項1で定義したとおりである)
の化合物および医薬品として許容できるこれらの塩または溶媒和物。
【請求項118】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHNOH、-CHNNH2、-CHN-1-ピペリジン、-CHN-1-モルホリン、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(COOMe)、-CHN-NH-(CONH2)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項117の化合物。
【請求項119】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNO-Me、-CHNOEt、-CHNO-アリル、-CHNO-t-Bu、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、-CHN-NH-2-ピリジン、-CHN-NH-ホルミル、-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)、-CHN-NH-Bz、および-CHN-NH-(4-t-Bu Bz)からなる群から選択される、請求項118の化合物。
【請求項120】
CXは、-CHO、-CHNO-CH2-COOH、-CHNOEt、-CHN-NH-(CO-2-OH-6-Meニコチニル)、および-CHN-NH-(CO-ヒドロキシフェニル)からなる群から選択される、請求項119の化合物。
【請求項121】
Rbが、-H、 (HO)2P(O)、または(MO)2P(O)(式中、Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である)であり、Rb’が-Hである、請求項117から120のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項122】
R1が、-Cl、-F、-Br、-I、および-OHからなる群から選択される、請求項117から121のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項123】
R1が、-H、-OH、または-Clである、請求項122の化合物。
【請求項124】
R2が-Hまたは-COOHである、請求項123の化合物。
【請求項125】
請求項1から124のいずれか一項に記載の化合物と、医薬品として許容できる担体とを含む医薬組成物。
【請求項126】
HIV感染を治療もしくは予防するため、AIDSを治療もしくは予防するため、あるいはHIVの複製を低減させるための医薬組成物を製造するための、請求項1から124のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項127】
HIV感染もしくはAIDSを予防もしくは治療するため、あるいはHIVの複製を低減させるための、請求項1から124のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項128】
請求項1から124のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を投与する工程を含む、HIV感染もしくはAIDSを予防もしくは治療するため、あるいはHIVの複製を低減させるための方法。


【公表番号】特表2008−546813(P2008−546813A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518578(P2008−518578)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【国際出願番号】PCT/CA2006/001049
【国際公開番号】WO2007/000043
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(501153452)アンブリリア バイオファーマ インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】