説明

HIVインテグラーゼ阻害剤

本開示は、概して、HIVインテグラーゼを阻害し、ヒトDNAへのウィルスの組み込みを阻害する式(I)の新規化合物(その塩を含む)に関連する。この作用により、該化合物はHIV感染症およびAIDSの治療に有用となる。本発明はまた、HIVに感染した患者の治療のための医薬組成物および治療方法を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮出願番号第61/252,047(2009年、10月15日出願)の利益を主張する。
【0002】
本願は、HIVインテグラーゼを阻害し、ウィルスのヒトDNAへの組み込みを防止する式(I)の新規化合物(その塩を含む)に関連する。この作用により、該化合物はHIV感染症およびAIDSの治療に有用となる。本発明はまた、HIVに感染した患者を治療するための医薬組成物および方法を包含する。
【背景技術】
【0003】
ヒト免疫不全ウィルス(HIV)は、免疫系の破壊、および致命的な日和見感染を撃退する能力の欠如を特徴とする後天性免疫不全症候群(AIDS)の病原因子として同定された。最近の統計(UNAIDS: Report on the Global HIV/AIDS Epidemic, December 1998)により、世界で約3300万人もの人々がこのウィルスに感染していることが示された。既に多くの人々が感染していることに加え、このウィルスの蔓延が続いている。1998年の推計から、その年だけで600万人近い新たな感染者が存在することが示された。同じ年において、約250万人がHIVおよびAIDSで死亡した。
【0004】
現在、感染に対抗するために用いることができる多くの抗ウィルス薬が存在する。これらの薬物は、それらが標的とするウィルスタンパク質および作用様式に基づき、4つのクラスに分類することができる。具体的には、サキナビル、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アタザナビル、ダルナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ロピナビルおよびチプラナビルは、HIVが発現するアスパルチルプロテアーゼの競合阻害剤である。ジドブジン、ジダノシン、スタブジン、ラミブジン、ザルシタビン、エムトリシタビン、テノホビルおよびアバカビルは、基質の模倣物として振舞うことによりウィルスcDNAの合成を停止させるヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤である。非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤は、ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツおよびエトラビリンであり、非競合的(または不競合的)メカニズムによりウィルスcDNAの合成を阻害する。エンフビルチドおよびマラビロクはウィルスのホスト細胞への侵入を阻害する。これらの薬剤の単独使用はウィルス複製の低減に効果的である。効果は一時的なものでしかなく、ウィルスは直ちに全ての既知の薬剤に対する耐性を獲得する。しかしながら、併用療法は、多くの患者においてウィルスの減少、および耐性獲得の抑制に非常に効果的であることが示されている。併用療法が広く利用可能なアメリカ合衆国において、HIVが関連する死亡者数は減少している(Palella, F. J.; Delany, K. M.; Moorman, A. C.; Loveless, M. O.; Furher, J.; Satten, G. A.; Aschman, D. J.; Holmberg, S. D. N. Engl. J. Med. 1998, 338, 853-860)。
【0005】
不運なことに、全ての患者が応答するわけではなく、多くの患者ではこの療法は失敗する。実際、約30−50%の患者において、併用療法は最終的には失敗に終わる。治療の失敗は、殆どの場合においてウィルスの耐性の出現によるものである。ウィルスの耐性は、感染の経過におけるHIV−1の速やかなターンオーバーおよびウィルスの速い変異速度による。このような状況において、不十分な薬力、複雑な薬剤レジメンの不良な服薬コンプライアンスおよび曝露に対する内因的な薬理学的バリアーによるウィルスの不十分な抑制が、耐性の出現に適した素地を提供する。さらに憂慮すべきは、血漿中のウィルス量が検出可能なレベルを下回る場合(<50 コピー/ml)においても、低レベルの複製が継続することを示唆する最近の発見である(Carpenter, C. C.; Cooper, D. A.; Fischl, M. A.; Gatell, J. M.; Gazzard, B. G.; Hammer, S. M.; Hirsch, M. S.; Jacobsen, D. M.; Katzenstein, D. A.; Montaner, J. S.; Richman, D. D.; Saag, M. S.; Schechter, M.; Schooley, R. T.; Thompson, M. A.; Vella, S.; Yeni, P. G.; Volberding, P. A. JAMA 2000, 283, 381-390)。明らかに、好ましくは他のウィルス酵素を標的として耐性獲得の速度を低減し、ウィルス複製をさらに抑制する新たな抗ウィルス薬が必要とされている。
【0006】
HIVは、逆転写酵素、アスパルチルプロテアーゼ、およびインテグラーゼの3つの酵素を発現する。3つの全てがAIDSおよびHIV感染症の治療の標的である。HIVインテグラーゼは、感染直後に細胞内で形成されるウィルスのプレインテグレーション複合体の成分である(Chiu, T.K.; Davies, D.R. Curr. Top. Med. Chem. 2004, 4, 965-977)。この酵素は、プロウィルスDNAのホストゲノムへの組み込み(integration)を触媒し、ウィルスの感染性に不可欠である。過去の実験において、プロウィルスクローンにおけるインテグラーゼの活性部位の変異により、ホスト染色体への挿入能力が欠如することで複製不能となったウィルスが産生されることが示された(Englund, G.; Theodore, T.S.; Freed, E.O.; Engleman, A.; Martin, M.A. J. Virol. 1995, 69, 3216-3219)。選択的HIVインテグラーゼ阻害剤が培養細胞において効果的な抗ウィルス活性を有することが示されており(Hazuda, D.J.; Felock, P.; Witmer, M.; Wolfe, A; Stillmock, K.; Grobler, J.A.; Espeseth, A.; Gabryelski, L.; Schleif, W.; Blau, C.; Miller, M.D. Science, 2000, 287, 646-650)、このクラスの阻害剤が異なるクラスのHIV阻害剤を含む併用レジメンの一部として非常に有効であることは明らかである。HIVインテグラーゼ阻害剤、ラルテグラビル(Isentress(登録商標))は、48週間の治験の結果に基づき、既治療患者における使用が認可された(Cooper, D.A.; Gatell, J.; Rockstroh, J.; Katlama, C.; Yeni, P.; Lazzarin, A.;, Xu, X.;, Isaacs, R.; Teppler, H.; Nguyen, B.Y. 15th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections, Boston, MA., Feb 3-6, 2008 Abst. 105LB: Evering, T.H.; Markowitz, M. Drugs Today, 2007, 43, 865-877)。さらに、第2のインテグラーゼ阻害剤、エルビテグラビル(elvitegravir)(GS-9137)では、未治療患者および既治療患者においてブースト用リトナビルと併用する第2相治験が成功した(Zolopa, A. 14th Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections, Los Angeles, CA. Feb 25-28, 2007 Abst. 143LB)。故に、HIV−1インテグラーゼは新たな抗HIV−1療法の標的となる可能性を秘めている。
【0007】
本発明は、技術的なアドバンテージ、例えば、本発明の化合物が新規であり、HIVインテグラーゼを阻害することを提供する。さらに、本発明の化合物は、例えば、1つまたはそれ以上のそれらの作用機序、結合、阻害効率、標的選択性、溶解性、安全性プロファイル、またはバイオアベイラビリティに関し、医薬的使用におけるアドバンテージを提供する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、式(I)の化合物(その塩を含む)、それらの医薬組成物、ならびにHIVインテグラーゼの阻害およびHIV感染者またはAIDSの治療におけるそれらの治療を包含する。
【0009】
本発明の一態様は、式(I):
【化1】

[式中、
は、テトラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、またはピロリルであり;Rは、ハロおよびアルキルから選択される0から3個の置換基で置換された1個のベンジル部分で置換され;Rは、0から2個のアルキル置換基で置換され;
は、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、またはジオキソチアジニルであり;
はアルキルであるか;
およびRは、一緒になって、
【化2】

であり;
は水素またはアルキルであり;
は水素またはアルキルであるか;
およびRは、一緒になって、C3−6アルキレンまたはCHCHOCHCHである]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩である。
【0010】
本発明の別の一態様は、
が、トリアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであり;Rが1個のハロ置換基で置換された1個のベンジル部分で置換され;Rが0から1個のアルキル置換基で置換され;
が、アルコキシ、シクロアルキル、またはモルホリニルであり;
がアルキルであるか;
およびRが、一緒になって、
【化3】

であり;
がアルキルであり;
がアルキルである、
式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩である。
【0011】
本発明の別の一態様は、
がトリアゾリル、N−メチルトリアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、N−メチルイミダゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであり、1個のp−フルオロベンジル部分で置換され;
が、エトキシ、シクロペンチル、またはモルホリニルであり;
がメチルであるか;
およびRが、一緒になって、
【化4】

であり;
がメチルであり;
がメチルである、
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩である。
【0012】
本発明の別の一態様は、Rがトリアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであり;Rがハロおよびアルキルから選択される0から3個の置換基で置換された1個のベンジル部分で置換され;Rが0から2個のアルキル置換基で置換された式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩である。
【0013】
本発明の別の一態様は、RおよびRが一緒になって
【化5】

である、式(I)の化合物である。
【0014】
本発明の別の一態様は、RおよびRがメチルである式(I)の化合物である。
【0015】
本発明の別の一態様は、RおよびRが一緒になってプロピレン、ブチレン、またはCHCHOCHCHである式(I)の化合物である。
【0016】
式(I)の化合物について、R、R、R、RおよびRを含む可変置換基のいずれの事例の範囲は、可変置換基のいずれの他の事例の範囲とも独立して用いることができる。従って、本明細書は異なる態様の組み合わせを包含する。
【0017】
特に断らない限り、これらの用語は以下の意味を有する。「アルキル」は、1から6個の炭素を含む直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味する。「アルケニル」は、2から6個の炭素を含み、少なくとも1つの二重結合を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味する。「アルキニル」は、2から6個の炭素を含み、少なくとも1つの三重結合を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味する。「シクロアルキル」は、3から7個の炭素を含む単環式環系を意味する。「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」は、モノハロからペルハロまでの全てのハロゲン化異性体を含む。炭化水素部分を有する用語(例えば、アルコキシ)は、炭化水素部分の直鎖および分枝鎖の異性体を包含する。括弧でくくられた、および複数の括弧でくくられた用語は、当業者に結合の関係を明確にするものと意図される。例えば、((R)アルキル)といった用語は、置換基Rでさらに置換されたアルキル置換基を意味する。
【0018】
「ジオキソチアジニル」は、
【化6】

を意味する。
【0019】
本発明は、化合物の全ての医薬的に許容される塩の形態を包含する。医薬的に許容される塩は、そのカウンターイオンが化合物の生理活性または毒性に大きく影響せず、薬理学的に等価なものとして機能するものである。これらの塩は、市販の試薬を用い、一般的な有機の技法に従って製造することができる。陰イオンの塩の形態は、例えば、酢酸塩、アシストレート、ベシレート、臭化物、塩化物、クエン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、およびキシナホ酸塩である。陽イオン性の塩の形態は、例えば、アンモニウム、アルミニウム、ベンザチン、ビスマス、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、リチウム、マグネシウム、メグルミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、ピペラジン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛の塩である。
【0020】
いくつかの本発明の化合物は立体異性体の形態で存在する。本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む化合物の全ての立体異性体の形態を包含する。立体異性体の製造方法および分離方法は技術分野で周知である。本発明は、化合物の全ての互変異性体の形態を包含する。互変異性体のペアの例を下に示す。
【化7】

【0021】
本発明は、本発明の化合物に存在する原子の全ての同位体を包含すると意図される。同位体は、同じ原子番号を有するが異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例として、限定されないが、水素の同位体は重水素およびトリチウムを含む。炭素の同位体は、13Cおよび14Cを含む。一般的に、本発明の同位体標識化合物は、当業者に周知の一般的な技法、または非標識試薬の代わりに適当な同位体標識試薬を用いる本明細書中に記載されるものと類似の工程により、製造することができる。かかる化合物は様々な利用の可能性を有しており、例えば、生物学的活性の測定におけるスタンダードおよび試薬として用いられ得る。安定な同位体の場合、かかる化合物では、生物学的、薬理学的、または薬物動態学的性質を好ましい方に改変する可能性がある。
【0022】
合成方法
化合物は、当業者により為され得る変法を含む下記のものなどの当該分野で周知の方法により製造することができる。いくつかの試薬および中間体は当該分野で周知のものである。他の試薬および中間体は、容易に利用可能な材料を用いて当該分野で周知の方法により製造することができる。化合物の合成の記載に用いられる変数(例えば、番号を振られた「R」置換基)は、変数の製造方法の説明のみを目的とするものであり、請求項または本明細書の他のセクションにおいて用いられる変数と混同されるべきではない。以下の方法は説明が目的のものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
スキームで用いられる略語は、当該分野おける一般的な慣習に従うものとする。本明細書および実施例において用いられる化学略語は、以下のように定義される:「NaHMDS」:ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド;「DMF」:N,N−ジメチルホルムアミド;「MeOH」:メタノール;「NBS」:N−ブロモスクシンイミド;「Ar」:アリール;「TFA」:トリフルオロ酢酸;「LAH」:水素化アルミニウムリチウム;「BOC」、「DMSO」:ジメチルスルホキシド;「h」:時間;「rt」:室温または保持時間(文脈による);「min」:分;「EtOAc」:酢酸エチル;「THF」:テトラヒドロフラン;「EDTA」:エチレンジアミンテトラ酢酸;「EtO」:ジエチルエーテル;「DMAP」:4−ジメチルアミノピリジン;「DCE」:1,2−ジクロロエタン;「ACN」:アセトニトリル;「DME」:1,2−ジメトキシエタン;「HOBt」:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール 水和物;「DIEA」:ジイソプロピルエチルアミン;「Nf」:CF(CFSO−;「TMOF」:オルトギ酸トリメチル。
【0024】
スキーム1
【化8】

スキーム2
【化9】

スキーム3
【化10】

スキーム4
【化11】

スキーム5
【化12】

スキーム6
【化13】

スキーム7
【化14】

スキーム8
【化15】

スキーム9
【化16】

スキーム10
【化17】

【0025】
生物学的方法
HIVインテグラーゼ阻害活性
HIVインテグラーゼに対するインビトロにおける阻害活性を評価するため、5pmolのビオチン標識基質DNAを100μgのストレプトアビジンコートPVT SPAビーズ(Amersham Pharmacia Biotech)と結合させた。組み換えインテグラーゼ(0.26ng)をそのビーズと共に37℃で90分間インキュベートした。結合しなかった酵素を洗浄して除去し、次いで、阻害剤およびP33標識した標的DNA(0.1 fmol)を加えた。最終濃度10mMのEDTAを加えて反応を停止させた。サンプルをTopCountNXT(Packard)でカウントし、CPMを強度の測定に用いた。反応条件は、A. Engelman and R. Craigie , J. Virol. 69, 5908-5911 (1995)に記載される。基質および標的DNAの配列は、Nucleic Acid Research 22,1121-1122 (1994)に記載される。結果を表1に示す。
【表1】

【0026】
HIV複製の阻害
NL4−3由来のnef遺伝子のセクションをウミシイタケルシフェラーゼ(Renilla Luciferase)遺伝子で置き換えた組み換えNL−Rlucウィルスを構築した。NL−RLucウィルスは、2つのプラスミド、pNLRLucおよびpVSVenvをコトランスフェクションすることにより調製した。pNLRLucはpUC18のPvuII部位に組み込んだNL−Rluc DNAを含み、pVSVenvはLTRに連結したVSV Gタンパク質遺伝子を含む。トランスフェクションは、1:3のpNLRLuc:pVSVenvの比において、LipofectAMINE PLUS(Invitrogen, Carlsbad, CA)を用い、製造者の指示に従って293T細胞に対して行われ、産生された偽型ウィルスはMT−2細胞で力価測定を行った。
【0027】
化合物に対するウィルスの感受性は化合物の段階希釈物の存在下において決定した。50%有効濃度(EC50)は指数関数型のMedian Effect方程式(Median Effect equation、(Fa) = 1/[1+ (ED50/薬物濃度)m])を用いて算出した(Johnson VA, Byington RT. Infectivity Assay. In Techniques in HIV Research. ed. Aldovini A, Walker BD. 71-76. New York: Stockton Press.1990)。少なくとも2つの実験の結果がEC50値の算出に用いられた。結果を表2に示す。
【表2】

【0028】
医薬組成物およびその使用
本発明の化合物はHIVインテグラーゼを阻害する。HIVインテグラーゼ阻害剤は、細胞におけるウィルスの組み込みを防止し、HIV−1複製を阻害するジケト酸化合物のクラスに属する(Hazuda et al. Science 2000, 287, 646)。最近、HIVインテグラーゼ阻害剤であるラルテグラビルが、AIDSおよびHIV感染症の治療用にFDAに認可された。
【0029】
かくして、本発明の別の一態様は、治療上の有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を医薬的に許容される担体と共に投与することを特徴とする、ヒト患者におけるHIV感染症の治療方法である。
【0030】
本発明の別の一態様は、AIDSまたはHIV感染症の治療薬の製造における式(I)の化合物の使用である。
【0031】
本発明の別の一態様は、治療上の有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を、ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV吸着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV出芽または成熟阻害剤およびHIVインテグラーゼ阻害剤からなる群より選択される治療上の有効量の少なくとも1つのAIDSまたはHIV感染症の治療に用いられる別の薬剤と共に投与することを特徴とする、ヒト患者におけるHIV感染症の治療方法である。
【0032】
本発明の別の一態様は、該薬剤がヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤である方法である。
【0033】
本発明の別の一態様は、該ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤が、アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノホビル、ザルシタビン、およびジドブジンからなる群より選択されるか、またはその医薬的に許容される塩である方法である。
【0034】
本発明の別の一態様は、該薬剤が非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤である方法である。
【0035】
本発明の別の一態様は、該非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤が、デラビルジン、エファビレンツ、およびネビラピンからなる群より選択されるか、またはその医薬的に許容される塩である方法である。
【0036】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIVプロテアーゼ阻害剤である方法である。
【0037】
本発明の別の一態様は、該HIVプロテアーゼ阻害剤が、アンプレナビル、アタザナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビルおよびホスアンプレナビルから選択されるか、またはその医薬的に許容される塩である方法である。
【0038】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIV融合阻害剤である方法である。
【0039】
本発明の別の一態様は、該HIV融合阻害剤が、エンフビルチドもしくはT−1249、またはその医薬的に許容される塩である方法である。
【0040】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIV吸着阻害剤である方法である。
【0041】
本発明の別の一態様は、該薬剤がCCR5阻害剤である方法である。
【0042】
本発明の別の一態様は、該CCR5阻害剤が、Sch−C、Sch−D、TAK−220、PRO−140、およびUK−427,857から選択されるか、またはその医薬的に許容される塩である方法である。
【0043】
本発明の別の一態様は、該薬剤がCXCR4阻害剤である方法である。
【0044】
本発明の別の一態様は、該CXCR4阻害剤がAMD−3100、またはその医薬的に許容される塩である方法である。
【0045】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIV出芽または成熟阻害剤である方法である。
【0046】
本発明の別の一態様は、該HIV出芽阻害剤または成熟阻害剤がPA−457、またはその医薬的に許容される塩である方法である。
【0047】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIVインテグラーゼ阻害剤である方法である。
【0048】
本発明の別の一態様は、治療上の有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、ならびに、ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV吸着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV出芽または成熟阻害剤およびHIVインテグラーゼ阻害剤からなる群より選択されるAIDSまたはHIV感染症の治療に用いられる少なくとも1つの別の薬剤、ならびに医薬的に許容される担体を含む医薬組成物である。
【0049】
本発明の別の一態様は、該薬剤がヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤である組成物である。
【0050】
本発明の別の一態様は、該ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤が、アバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノホビル、ザルシタビン、およびジドブジンからなる群より選択されるか、またはその医薬的に許容される塩である組成物である。
【0051】
本発明の別の一態様は、該薬剤が非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤である組成物である。
【0052】
本発明の別の一態様は、該非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤が、デラビルジン、エファビレンツ、およびネビラピンからなる群より選択されるか、またはその医薬的に許容される塩である組成物である。
【0053】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIVプロテアーゼ阻害剤である組成物である。
【0054】
本発明の別の一態様は、該HIVプロテアーゼ阻害剤が、アンプレナビル、アタザナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビルおよびホスアンプレナビルからなる群より選択されるか、またはその医薬的に許容される塩である組成物である。
【0055】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIV融合阻害剤である組成物である。
【0056】
本発明の別の一態様は、該HIV融合阻害剤がエンフビルチドもしくはT−1249、またはその医薬的に許容される塩である組成物である。
【0057】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIV吸着阻害剤である組成物である。
【0058】
本発明の別の一態様は、該薬剤がCCR5阻害剤である組成物である。
【0059】
本発明の別の一態様は、該CCR5阻害剤が、Sch−C、Sch−D、TAK−220、PRO−140、およびUK−427,857からなる群より選択されるか、またはその医薬的に許容される塩である組成物である。
【0060】
本発明の別の一態様は、該薬剤がCXCR4阻害剤である方法である。
【0061】
本発明の別の一態様は、該CXCR4阻害剤がAMD−3100またはその医薬的に許容される塩である方法である。
【0062】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIV出芽または成熟阻害剤である組成物である。
【0063】
本発明の別の一態様は、該出芽または成熟阻害剤がPA−457、またはその医薬的に許容される塩である組成物である。
【0064】
本発明の別の一態様は、該薬剤がHIVインテグラーゼ阻害剤である組成物である。
【0065】
式(I)の化合物を少なくとも1つの抗HIV薬と共に投与することを意味する「組み合わせ」、「共投与(coadministration)」、「併用(concurrent)」および類似の用語は、AIDSおよびHIV感染症の分野の医師に理解されるように、該成分が多剤併用抗レトロウィルス療法または高活性抗レトロウィルス療法(HAART)の一部分であることを意味する。
【0066】
「治療上の有効」は、AIDSおよびHIV感染症の分野の医師に理解されるように、有意義な患者の利益の提供に必要な薬剤の量を意味する。一般的に、治療の最終目的は、ウィルス負荷の抑制、免疫機能の回復および維持、クオリティ・オブ・ライフの改善、およびHIVに関連する病的状態および死亡率の減弱である。
【0067】
「患者」は、AIDSおよびHIV感染症の分野の医師に理解されるように、HIVウィルスに感染し、治療を受ける必要がある個人を意味する。
【0068】
「治療」、「療法」、「レジメン」、「HIV感染症」、「ARC」、「AIDS」および関連する用語は、AIDSまたはHIV感染症の分野の医師に理解される通りに用いられる。
【0069】
本発明の化合物は、通常、治療上の有効量の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含み、一般的な賦形剤を含んでいてもよい医薬組成物として提供される。治療上の有効量は、有意義な患者の利益の提供に必要な量である。医薬的に許容される担体は、許容できる安全性プロファイルを有する一般的に知られた担体である。組成物は、全ての一般的な固体および液体の剤形、例えば、カプセル剤、錠剤、ロゼンジ剤、および散剤、ならびに、懸濁液、シロップ剤、エリキシル剤および溶液を包含する。組成物は一般的な製剤技法を用いて製造され、標準的な賦形剤(結合剤および湿潤剤など)および媒体(水およびアルコールなど)が組成物に通常用いられる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th edition, Mack Publishing Company, Easton, PA (1985)を参照。
【0070】
固形組成物は、通常、用量単位に製剤化され、1回の投与あたり約1から1000mgの活性成分を提供する組成物が好ましい。用量の例は、1mg、10mg、100mg、250mg、500mg、および1000mgである。一般的に、別の抗レトロウィルス薬は、その種類の薬剤が臨床的に用いられる場合と同様の単位範囲で存在するであろう。典型的には、0.25−1000mg/単位である。
【0071】
液体組成物は、通常、用量単位範囲にある。一般的に、液体組成物は、1−100mg/mLの容量単位範囲にあろう。用量の例は、1mg/mL、10mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、および100mg/mLである。一般的に、別の抗レトロウィルス薬は、その種類の薬剤が臨床的に用いられる場合と同様の単位範囲で存在するであろう。典型的には、1−100mg/mLである。
【0072】
本発明は全ての一般的な投与方法を包含するが、経口および非経口の方法が好ましい。一般的に、投薬レジメンは、臨床で用いられる他の抗レトロウィルス薬と同様のものとなるであろう。典型的には、1日あたりの用量は1−100mg/kg体重である。一般的に、経口投与ではより多くの化合物が必要とされ、非経口投与では比較的少量となる。しかしながら、具体的な投薬レジメンは、適切な医学的判断において医師により決定されるであろう。
【0073】
本発明はまた、本発明の化合物を併用療法において投与する方法も包含する。即ち、本発明の化合物を、AIDSおよびHIV感染症の治療に有用な別の薬剤と組み合わせて、しかし別々に、用いることができる。これらの薬剤は、例えば、HIV吸着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV細胞融合阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、出芽および成熟阻害剤、免疫調節剤および抗感染症薬である。これらの併用方法において、一般的に、式(I)の化合物は1日あたり1−100mg/kg体重の用量において別の薬剤と組み合わせて投与されるであろう。別の薬剤は、一般的に、治療に用いられる量において投与される。しかしながら、具体的な投薬レジメンは、適切な医学的判断において医師により決定されるであろう。
【実施例】
【0074】
スキームで用いられる略語は、全般に、当該分野で用いられる慣習に従うものとする。本明細書および実施例で用いられる化学略語は以下のように定義される:「NaHMDS」:ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド;「DMF」:N,N−ジメチルホルムアミド;「MeOH」:メタノール;「NBS」:N−ブロモスクシンイミド;「Ar」:アリール;「TFA」:トリフルオロ酢酸;「LAH」:水素化アルミニウムリチウム;「BOC」、「DMSO」:ジメチルスルホキシド;「h」:時間;「rt」:室温または保持時間(文脈による));「min」:分;「EtOAc」:酢酸エチル;「THF」:テトラヒドロフラン;「EDTA」:エチレンジアミンテトラ酢酸;「EtO」:ジエチルエーテル;「DMAP」:4−ジメチルアミノピリジン;「DCE」:1,2−ジクロロエタン;「ACN」:アセトニトリル;「DME」:1,2−ジメトキシエタン;「HOBt」:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;「DIEA」:ジイソプロピルエチルアミン、「Nf」:CF(CFSO−;および「TMOF」:オルトギ酸トリメチル.
【0075】
本明細書で用いられる略語は以下のように定義される:「1x」:1回、「2x」:2回、「3x」:3回、「℃」:摂氏、「eq」:当量、「g」:グラム、「mg」:ミリグラム、「L」:リットル、「mL」:ミリリットル、「μL」:マイクロリットル、「N」:規定度、「M」:モル濃度、「mmol」:ミリモル、「min」:分、「h」:時間、「rt」:室温、「RT」:保持時間、「atm」:気圧、「psi」:ポンド毎平方インチ、「conc.」:濃縮、「sat」または「sat’d」:飽和、「MW」:分子量、「mp」:融点、「ee」:鏡像体過剰率、「MS」または「Mass Spec」:質量分析、「ESI」:エレクトロスプレーイオン化質量分析、「HR」:高解像度、「HRMS」:高解像度質量分析、「LCMS」:液体クロマトグラフィー連結質量分析、「HPLC」:高圧液体クロマトグラフィー、「RP HPLC」:逆相HPLC、「TLC」または「tlc」:薄層クロマトグラフィー、「NMR」:核磁気共鳴分光法、「1H」:プロトン、「δ」:デルタ、「s」:一重線、「d」:二重線、「t」:三重線、「q」:四重線、「m」:多重線、「br」:ブロードな、「Hz」:ヘルツ、および「α」、「β」、「R」、「S」、「E」、および「Z」:当業者に周知の立体化学記号.
【0076】
説明が目的である前述の例に本開示が限定されないこと、および本発明の本質から逸脱することなく他の特定の形態で本開示が具現化され得ることは当業者には明らかであろう。故に、実施例は、前述の例ではなく付属の請求項に関し、全ての場合において例示的なものであって限定的ではないと考慮されることが望ましく、請求項と同等の範囲および意義において行われる全ての改変が本発明に包含されると意図される。
【0077】
中間体1
【化18】

2−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−(4−フルオロフェニル)プロパンニトリル(J. Org. Chem. 2003, 68, 50-54から):2−(ジフェニルメチレンアミノ)アセトニトリル(1.21g、5.47mmol、1.0当量)のCHCl(9.12mL)溶液に臭化4−フルオロベンジル(0.75mL、6.02mmol、1.1当量)、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(0.10g、0.547mmol、0.1当量)、およびNaOH(0.99mLの10M水溶液、9.85mmol、1.8当量)を加えた。反応物を激しく18時間撹拌し、その時点におけるTLC分析により、出発物質のニトリルが完全に消費されたことが示された。反応物を水に加え、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせ、乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(5−30% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(1.65g、収率92%)を粘稠性の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ pm 7.54 - 7.65 (m, 2 H), 7.38 - 7.48 (m, 4 H), 7.31 - 7.38 (m, 2 H), 7.00 - 7.09 (m, 2 H), 6.89 - 6.97 (m, 2 H), 6.84 (d, J=6.30 Hz, 2 H), 4.35 (dd, J=7.81, 6.04 Hz, 1 H), 3.10 - 3.29 (m, 2 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 329.25.
【0078】
中間体2
【化19】

2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロパンニトリル 塩酸塩:2−(ジフェニルメチレンアミノ)−3−(4−フルオロフェニル)プロパンニトリル(1.65g、5.02mmol、1.0当量)のTHF(20.1mL)溶液にHCl(5.53mLの1M水溶液、5.53mmol、1.1当量)を加えた。3時間撹拌後、反応物を水に注ぎ、エーテルで洗浄した(x3)。10M NaOHを加えて水層を中和し、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、次いで、減圧濃縮し、表題化合物(0.77g、収率93%)を無色の油状物として得た。簡便のため、該アミンをエーテルに溶かし、2M HCl/エーテルで処理し、生じた白色の固形物を濾取することにより、塩酸塩に変換した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.24 - 7.29 (m, 2 H), 7.01 - 7.08 (m, 2 H), 3.85 - 3.96 (m, 1 H), 2.92 - 3.07 (m, 2 H), 1.60 (d, J=7.55 Hz, 2 H).
【0079】
中間体3
【化20】

3−(ベンジルオキシ)−N−(1−シアノ−2−(4−フルオロフェニル)エチル)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド:3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボン酸(0.80g、2.42mmol、1.0当量)のCHCl(12mL)スラリーに、DMF(1滴)、次いで、オキサリルクロリド(0.34mL、3.87mmol、1.6当量)を加えた。気体の発生が起こった。1.5時間撹拌後、反応物を窒素気流下で濃縮し、酸塩化物を白色の固形物として得た。該酸塩化物をCHCl(10mL)にとり、2−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロパンニトリル 塩酸塩(0.58g、2.91mmol、1.2当量)およびトリエチルアミン(1.35mL、9.69mmol、4当量)のCHCl(10mL)溶液にゆっくりと加えた。1時間撹拌後、反応物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(10−70% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(1.20g、〜収率100%)を粘稠性の無色の油状物として得、高真空下で泡状物質とした。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.70 (d, J=8.81 Hz, 1 H), 7.48 - 7.54 (m, 2 H), 7.30 - 7.40 (m, 3 H), 7.20 - 7.25 (m, 2 H), 6.98 -7.07 (m, 2 H), 5.28 - 5.36 (m, 2 H), 5.19 - 5.27 (m, 1 H), 3.95 - 4.06 (m, 4 H), 3.04 - 3.12 (m, 1 H), 2.94 - 3.01 (m, 1 H), 1.57 (s, 3 H), 1.54 (s, 3 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 477.25.
【0080】
中間体4
【化21】

3−(ベンジルオキシ)−2−(4−クロロ−5−(4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−2−イル)−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン(Org. Lett. 2004, 6, 629-631から):3−(ベンジルオキシ)−N−(1−シアノ−2−(4−フルオロフェニル)エチル)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド(0.48g、1.01mmol、1.0当量)およびCCl(0.24mL、2.52mmol、2.5当量)のアセトニトリル(10mL)溶液(窒素雰囲気下)にPPh(0.39g、2.52mmol、2.5当量)を加えた。反応物を45℃(油浴)で加熱した。18時間撹拌後、反応物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。残渣をCHCl(10mL)および0.5M NaOH(20mL)で処理し、激しく撹拌した。4時間撹拌後、混合物を水に注ぎ、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(20−80% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、粘稠性の黄色の油状物を得た。該油状物をエーテルにとり、先に単離した物質の結晶と共に播種した。結晶化後、固形物を濾取し、表題化合物(0.32g、収率64%)を灰白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 10.17 (s, 1 H), 7.28 - 7.41 (m, 5 H), 6.91 - 6.96 (m, 4 H), 5.27 (s, 2 H), 3.95 - 4.11 (m, 4 H), 3.77 (s, 2 H), 1.67 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 495.14.
【0081】
中間体5
【化22】

3−(ベンジルオキシ)−2−(4−クロロ−5−(4−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:3−(ベンジルオキシ)−2−(4−クロロ−5−(4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−2−イル)−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン(0.03g、0.061mmol、1.0当量)のTHF(0.6mL)溶液にNaH(3mgの60% ミネラル油懸濁物、0.073mmol、1.2当量)を加えた。気体の発生が起こった。10分間撹拌後、MeI(0.005mL、0.085mmol、1.4当量)を加えた。2.5時間撹拌後、LCMS分析によりアルキル化が完了したことが示された。反応物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、次いで、減圧濃縮した。粗生成物のLCMS分析により、アルキル化における〜2:1 の位置選択性が示された。粗生成物を逆相プレパラティブHPLCで精製し、表題化合物(0.021g、収率68%)を粘稠性の淡黄色の油状物として得た。位置選択性は、δ 3.22のN−Me基からδ 3.92のベンジル性CHまでのnOeの観測により確認した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.18 - 7.25 (m, 5 H), 7.07 - 7.13 (m, 2 H), 6.93 - 7.01 (m, 2 H), 5.14 (s, 2 H), 4.04 (s, 4 H), 3.92 (s, 2 H), 3.22 (s, 3 H), 1.57 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 509.18.
【0082】
中間体6
【化23】

N,3−ジメトキシ−N,9,9−トリメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド:3−メトキシ−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボン酸(0.70g、2.75mmol、1.0当量)のCHCl(9mL)スラリーにDMF(1滴)、次いで、オキサリルクロリド(0.34mL、3.85mmol、1.4当量)を加えた。気体の発生が起こった。1時間撹拌後、反応物を窒素気流下で濃縮し、酸塩化物を白色の固形物として得た。該酸塩化物をCHCl(10mL)にとり、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン 塩酸塩(0.322g、3.30mmol、1.2当量)およびトリエチルアミン(1.15mL、8.26mmol、3当量)のCHCl(10mL)溶液にゆっくりと注いだ。30分間撹拌後、反応物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(30−100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(0.81g、収率99%)を粘稠性の無色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 3.96 - 4.07 (m, 4 H), 3.93 (s, 3 H), 3.64 (s, 3 H), 3.34 (s, 3 H), 1.60 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 298.25.
【0083】
中間体7
【化24】

2−アセチル−3−メトキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:N,3−ジメトキシ−N,9,9−トリメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド(0.40g、1.35mmol、1.0当量)のTHF(13mL)溶液(0℃(氷/水浴、窒素雰囲気下)に、CHMgBr(0.63mLの3M エーテル溶液、1.88mmol、1.4当量)を加えた。3時間撹拌後、1N HCl(10mL)を加えて注意深くクエンチした。1時間撹拌後、反応物を水に注ぎ、CHCl(x5)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(20−100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(0.054g、収率16%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 3.98 (s, 3 H), 3.96 - 4.05 (m, 4 H), 2.52 (s, 3 H), 1.61 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 253.23.
【0084】
中間体8
【化25】

2−(1−(4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル)−3−メトキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:窒素雰囲気下の2−アセチル−3−メトキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン(0.12g、0.476mmol、1.0当量)のTHF(4.8mL)溶液に、CuBr2(0.21g、0.951mmol、2.0当量)を加えた。3時間撹拌後、反応物を50℃に加熱した(油浴)。23時間撹拌後、固形物を濾過し、濾液を減圧濃縮し、クルードな中間体臭化物を得た(1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.44 (s, 2 H), 4.03 - 4.04 (m, 3 H), 3.93 - 4.10 (m, 4 H), 1.62 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 331.12)。LCMS分析により、〜80%の中間体臭化物、〜10%の出発物質、および〜10%のジブロモ化産物の存在が示された。クルードな中間体臭化物を窒素雰囲気下でホルムアミド(4.8mL)にとり、140℃(油浴)に加熱した。4時間撹拌後、LCMSによりイミダゾールへの変換が完了したことが示された。反応物を周囲温度に冷却し、NaH(49mgの60% ミネラル油懸濁物、1.24mmol、2.6当量)、次いで、4−ブロモベンジルブロミド(0.18mmol、1.41mmol、3当量)を加えた。4時間撹拌後、反応物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、次いで、減圧濃縮した。粗生成物を逆相プレパラティブHPLC、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(1% トリエチルアミン/酢酸エチルで溶出)で精製し、表題化合物(0.042g、収率23%)を粘稠性の淡黄色の油状物として得た。位置選択性は、δ 5.14のベンジル性のCHからδ 7.72およびδ 7.66のイミダゾールのプロトンまでのnOeの観測により確認した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.72 (d, J=1.51 Hz, 1 H), 7.66 (d, J=1.26 Hz, 1 H), 7.14 - 7.20 (m, 2 H), 7.01 - 7.09 (m, 2 H), 5.14 (s, 2 H), 3.98 - 4.06 (m, 4 H), 3.92 (s, 3 H), 1.68 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 385.18.
【0085】
中間体9
【化26】

2−(4−フルオロフェニル)アセトヒドラジド:ヒドラジン(0.46mL、14.49mmol、2.5当量)のCHCl(29mL)溶液に、2−(4−フルオロフェニル)アセチルクロリド(0.79mL、5.79mmol、1.0当量)をゆっくりと30秒間かけて加えた。混合物を軽く加熱すると、白色の沈殿物が観察された。45分間撹拌後、混合物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、CHClを層状にし、濃厚なエマルジョンを形成した。このエマルジョンを中サイズのガラスフリットに通して濾過し、二相性の均一な溶液を得た。これをCHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、次いで、減圧濃縮し、表題化合物(1.22g、収率124%)を白色の固形物として得た。生成物は高純度であるため、過剰な収率の原因は不明である。過剰な収率は、酸塩化物の測定誤差を反映している可能性がある。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.19 - 7.24 (m, 2 H), 6.99 - 7.07 (m, 2 H), 6.60 (s, 1 H), 3.85 (d, J=2.01 Hz, 2 H), 3.52 (s, 2 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 169.22.
【0086】
中間体10
【化27】

tert−ブチル 2−(4−フルオロベンジル)−2−ホルミルヒドラジンカルボキシレート:tert−ブチル 2−(4−フルオロベンジル)ヒドラジンカルボキシレート(0.6g、2.50mmol、1.0当量)のEtOH(2.5mL)溶液にギ酸エチル(0.81mL、9.99mmol、4.0当量)を加え、混合物を50℃に加熱した(油浴)。4時間撹拌後、反応物を周囲温度に冷却し、3日間撹拌した。次いで、反応物を50℃(油浴)で3時間加熱し、さらに、ギ酸エチル(1.0mL、12.28mmol、4.9当量)を加えた。さらに4時間撹拌し、反応物を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(10−70% 酢酸エチル/ヘキサンで溶出)で精製し、表題化合物(0.11g、収率16%)を無色の油状物として得、ゆっくりと結晶化した。未反応のtert−ブチル 2−(4−フルオロベンジル)ヒドラジンカルボキシレートを母液から回収した。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.20 (s, 1 H), 7.20 - 7.25 (m, 2 H), 7.00 - 7.08 (m, 2 H), 6.27 (s, 1 H), 4.58 (s, 2 H), 1.43 (s, 9 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 269.22.
【0087】
中間体11
【化28】

N−(4−フルオロベンジル)ホルムヒドラジド:tert−ブチル 2−(4−フルオロベンジル)−2−ホルミルヒドラジンカルボキシレート(0.11g、0.410mmol、1.0当量)のCHCl(1.02mL)溶液にTFA(1.02mL)を加えた。気体の発生が見られた。30分間撹拌後、反応物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、次いで減圧濃縮し、表題化合物(0.056g、収率81%)を粘稠性の黄色の油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm (第1の互変異性体) 8.24 (s, 1 H), 7.18 - 7.31 (m, 2 H), 7.00 - 7.14 (m, 2 H), 4.47 (s, 2 H), 4.11 (s, 2 H), (第2の互変異性体) 8.37 (s, 1 H), 7.18 - 7.31 (m, 2 H), 7.00 - 7.13 (m, 2 H), 4.62 (s, 2 H), 3.63 (s, 2 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 169.27.
【0088】
中間体12
【化29】

3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド:3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボン酸(0.60g、1.82mmol、1.0当量)のCHCl(9mL)スラリーにDMF(1滴)、次いで、オキサリルクロリド(0.22mL、2.54mmol、1.4当量)を加えた。気体の発生が見られた。1時間撹拌後、反応物を窒素気流下で濃縮し、酸塩化物を白色の固形物として得た。該酸塩化物をCHCl(5mL)にとり、NHOH(10mL)に滴下して加えた。1時間撹拌後、反応物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、次いで減圧濃縮し、表題化合物(0.54g、収率90%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.50 - 7.60 (m, 2 H), 7.28 - 7.40 (m, 3 H), 7.21 (s, 1 H), 5.64 (s, 1 H), 5.32 (s, 2 H), 3.95 - 4.09 (m, 4 H), 1.62 (s, 5 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 330.22.
【0089】
中間体13
【化30】

3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボチオアミド:窒素雰囲気下の3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド(0.54g、1.64mmol、1.0当量)のTHF(33mL)溶液に、ローソン試薬(0.40g、0.98mmol、0.6当量)を加えた。次いで、黄色の溶液を70℃(油浴)に加熱した。1時間撹拌後、反応物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(30−100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(0.28g、収率49%)を淡黄色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.04 (s, 1 H), 7.63 (s, 1 H), 7.50 - 7.57 (m, 2 H), 7.27 - 7.41 (m, 3 H), 5.30 (s, 2 H), 3.96 - 4.08 (m, 4 H), 1.62 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 346.17.
【0090】
中間体14
【化31】

3−(ベンジルオキシ)−N,9,9−トリメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド:3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド(0.40g、1.21mmol、1.0当量)のCHCl(4mL)スラリーにDMF(1滴)、次いで、オキサリルクロリド(0.15mL、1.70mmol、1.4当量)を加えた。気体の発生が見られた。2時間撹拌後、反応物を窒素気流下で濃縮し、酸塩化物を白色の固形物として得た。該酸塩化物をCHCl(4mL)にとり、ゆっくりとMeNH(2.42mLの2M MeOH溶液、4.84mmol、4当量)のCHCl(3mL)溶液に加えた。30分間撹拌後、反応物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)。次いで減圧濃縮し、表題化合物(0.41g、収率99%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.54 - 7.60 (m, 2 H), 7.28 - 7.40 (m, 3 H), 5.27 (s, 2 H), 3.97 - 4.07 (m, 4 H), 2.92 (d, J=5.04 Hz, 3 H), 1.62 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 344.
【0091】
中間体15
【化32】

3−(ベンジルオキシ)−N,9,9−トリメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボチオアミド:窒素雰囲気下の3−(ベンジルオキシ)−N,9,9−トリメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド(0.40g、1.17mmol、1.0当量)のTHF(12mL)溶液にローソン試薬(0.28g、0.70mmol、0.6当量)を加えた。次いで、黄色の溶液を50℃に加熱した(油浴)。1時間撹拌後、反応物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(20−100% 酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、表題化合物(0.38g、収率90%)を黄色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.19 (s, 1 H), 7.45 - 7.57 (m, 2 H), 7.29 - 7.42 (m, 3 H), 5.25 (s, 2 H), 3.93 - 4.12 (m, 4 H), 3.17 (d, J=5.04 Hz, 3 H), 1.62 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 360.19.
【0092】
中間体16
【化33】

5−(ベンジルオキシ)−2−エトキシ−1−メチル−6−オキソ−1,6-ジヒドロピリジン−4−カルボン酸:撹拌したLiOH・HO(1.26g、30mmol)のEtOH(100mL)溶液(40℃)に、エチル 5−(ベンジルオキシ)−1−メチル−2−(メチルチオ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−4−カルボキシレート(WO2004062613の製造方法により製造)(6.7g、20mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で5時間撹拌し、次いで、濃縮した。残渣をHCl(50mL)水溶液にとり、EtOAc(2X100mL)で抽出した。有機フラクションを合わせて乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、目的生成物(6g、収率99%)を灰白色の固形物として得、さらに精製することなく次工程に用いた。
【0093】
中間体17
【化34】

2−(4−フルオロフェニル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミド:2−(4−フルオロフェニル)アセトニトリル(1.35g、10mmol)および50% ヒドロキシルアミン(1.33g、20mmol)のEtOH(10mL)溶液を90℃で18時間撹拌し、次いで、冷却し、濃縮し、表題化合物(1.68g、収率100%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 8.04-7.85 (1H, br s), 7.24 (2H, dd, J = 8.6, 5.5 Hz), 7.01 (2H, t, J = 8.6 Hz), 4.46 (2H, s), 3.43 (2H, s). LCMS (M + H): 169.14.
【0094】
中間体18
【化35】

5−(ベンジルオキシ)−2−エトキシ−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン:5−(ベンジルオキシ)−2−エトキシ−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−4−カルボン酸(0.5045g、3mmol)、2−(4−フルオロフェニル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミド(0.9190、3.02mmol)、HATU(1.255g、3.3mmol)およびDIEA(0.5mL)の1,4−ジオキサン(20mL)混合物を100℃で6時間加熱した。混合物を冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、水(10mL)、飽和NaHCO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、茶色の残渣を得た。この残渣を、7:3 ヘキサン/EtOAcを溶出液として用いたシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(0.68g、収率52%)を黄色の固形物として得た。
1HNMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.41-7.38 (2H, m), 7.30 (2H, dd, J = 8.6, 5.2 Hz), 7.27-7.24 (3H, m), 6.99 (2H, t, J = 8.6 Hz), 5.24 (2H, s), 4.52 (2H, q, J = 7.0 Hz), 4.13 (2H, s), 3.47 (3H, s),1.44 (3H, t, J = 7.0 Hz). HRMS (M + H) calcd for C23H22N4O4F: 437.1625; found: 437.4719. Anal calcd for C23H21N4O4F: C, 63.29; H, 4.85; N, 12.83; found: C, 62.76; H, 4.84; N, 12.81.
【0095】
中間体19
【化36】

5−(ベンジルオキシ)−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−メチル−2−モルホリノピリミジン−4(3H)−オン:5−(ベンジルオキシ)−1−メチル−2−モルホリノ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−4−カルボン酸(WO2004062613の製造方法により製造、0.35g、1mmol)、2−(4−フルオロフェニル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミド(0.25、1.5mmol)、HATU(0.76g、2mmol)、DIEA(0.35mL)およびDMAP(10mg)の1,4−ジオキサン(5mL)混合物を110℃で5時間加熱した。混合物を冷却し、EtO(50mL)で希釈し、水(10mL)、飽和NaHCO(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、次いで乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、茶色の残渣を得た。この残渣を、1:1 ヘキサン/EtOAcを溶出液として用いたシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(0.24g、収率50%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.42-7.39 (2H, m), 7.32 (2H, dd, J = 8.4, 5.4 Hz), 7.28-7.25 (3H, m), 7.00 (2H, t, J = 8.6 Hz), 5.28 (2H, s), 4.14 (2H, s), 3.84-3.82 (4H, m), 3.55 (3H, s), 3.24-3.22 (4H, m). HRMS (M + H) calcd for C25H25N5O4F: 478.1491; found: 478.5663.
【0096】
中間体20
【化37】

5−(ベンジルオキシ)−2−シクロペンチル−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−4−カルボン酸:エチル 5−(ベンジルオキシ)−2−シクロペンチル−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−4−カルボキシレート(Naidu, B. N. Synlett, 2008の製造方法により製造)(1.1g、3.1mmol)およびLiOH・HO(0.25g、6mmol)の2:1 THF/HO(15mL)混合物を80℃で1時間加熱し、次いで、冷却した。反応混合物を濃縮し、残渣を1N HCl水溶液で酸性化し、得られた混合物を濾取して単離し、表題化合物(0.98g、収率97%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.56-7.52 (2H, m), 7.36-7.28 (3H, m), 5.42 (2H, s), 3.59 (3H, s), 3.20-3.14 (1H, m), 2.08-2.01 (2H, m), 1.93-1.78 (4H, m), 1.74-1.67 (2H, m). HRMS (M + H) calcd for C18H21N2O4: 329.1501; found: 329.1489.
【0097】
中間体21
【化38】

5−(ベンジルオキシ)−2−シクロペンチル−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン:撹拌した5−(ベンジルオキシ)−2−シクロペンチル−1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−4−カルボン酸(0.33、1mmol)のCHCl(3mL)溶液に、触媒量のDMF、次いで、3mLのオキサリルクロリドの溶液(2M、CHClに溶解)を加えた。得られた黄色の反応混合物を1時間撹拌し、濃縮し、黄色の油状物を得た。黄色の油状物を1,4−ジオキサン(9mL)に溶解し、撹拌した2−(4−フルオロフェニル)−N−ヒドロキシアセトイミドアミド(0.18g、1.1mmol)およびDIEA(0.2mL)の1,4−ジオキサン(1mL)溶液に加えた。室温で4時間後、反応混合物を90℃で14時間加熱した。混合物を室温に冷却し、7:1 ヘキサン/EtOAcを溶出液として用いたシリカゲルカラムフラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(0.29g、収率63%)を灰白色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.43-7.39 (2H, m), 7.33 (2H, dd, J = 8.6, 5.2 Hz), 7.28-7.23 (3H, m), 7.00 (2H, t, J = 8.6 Hz), 5.34 (2H, s), 4.14 (2H, s), 3.63 (3H, s), 3.21-3.14 (1H, m), 2.05-1.99 (4H, m), 1.88-1.80 (2H, m), 1.71-1.62 (2H, m). HRMS (M + H) calcd for C26H26N4O3F: 461.1989; found: 461.1979.
【0098】
中間体22
【化39】

3−(ベンジルオキシ)−N−(3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソプロピル)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド:3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボン酸(Naidu, B. N. et al, WO2005118593の製造方法により製造)(0.495g、1.5mmol)、1−アミノ−3−(4−フルオロフェニル)プロパン−2−オン 塩酸塩(Maeda, S. et al Chem. Pharm. Bull. 1984, 32, 2536-2543の製造方法により製造;0.406g、2mmol)、HATU(0.760g、2mmol)、EtN(0.56mL、4mmol)およびDMAP(60mg)のDMF(15mL)混合物を室温で撹拌した。4時間後、反応混合物をEtO(100mL)で希釈し、水(3X10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、表題化合物(0.57g、収率78%)を粘稠性の黄色の油状物として得、精製することなく次工程に用いた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 8.10-8.07 (1H, br s), 7.56 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.34-7.28 (3H, m), 7.19 (2H, dd, J = 8.6, 5.5 Hz), 7.03 (2H, t, J = 8.6 Hz), 5.29 (2H, s), 4.30 (2H, d, J = 4.9 Hz), 4.04-3.98 (4H, m), 3.75 (2H, s), 2.79 (6H, s), 1.62 (6H, s). HRMS (M + H) calcd for C26H27N3O5F: 480.1935; found: 480.1930.
【0099】
中間体23
【化40】

3−(ベンジルオキシ)−2−(5−(4−フルオロベンジル)チアゾール−2−イル)−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:3−(ベンジルオキシ)−N−(3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソプロピル)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド(0.12g、0.25mmol)およびローソン試薬(0.11g、0.275mmol)のトルエン(10mL)溶液を室温で15分間、60℃で30分間、および100℃で2時間撹拌した。混合物を冷却し、濃縮し、0.1% TFAを含んだ水/MeOHを溶出液として用いたC18カラム プレパラティブHPLCで精製し、表題化合物(0.05g、収率43%)を黄色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.78 (1H, s), 7.54-7.51 (2H, m), 7.32-7.29 (3H, m), 7.19 (2H, dd, J = 8.6, 5.2 Hz), 7.01 (2H, t, J = 8.6 Hz), 5.35 (2H, s), 4.15 (2H, s), 4.06-4.00 (4H, m), 1.66 (6H, s). HRMS (M + H) calcd for C26H25N3O3FS: 478.1601; found: 478.1623.
【0100】
中間体24
【化41】

3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボヒドラジド:撹拌した3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボン酸(Naidu, B. N. et al.,WO2005118593の製造方法により製造)(0.66g、2mmol)のCHCl(10mL)懸濁液(触媒DMFを含有する)に、オキサリルクロリド/CHCl(2M、2mL、4mmol)を室温で加えた。3時間後、得られた透明な反応溶液を濃縮して過剰のオキサリルクロリドを除去した。得られた残渣をCHCl(20mL)に再溶解し、無水ヒドラジン(0.34mL、10mmol)で処理した。室温で2時間後、反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(100mL)にとり、飽和NaHCO(10mL)、水(10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、白色の固形物を得た。これをEtO(20mL)に溶解し、濾過した。濾液を濃縮し、表題化合物(0.17g、収率27%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 8.35 (1H, s), 7.55 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.38-7.31 (3H, m), 5.30 (2H, s), 4.03-3.97 (6H, m), 1.60 (6H, s). HRMS (M + H) calcd for C17H21N4O5: 345.1563; found: 345.1577.
【0101】
中間体25
【化42】

3−(ベンジルオキシ)−N’−(2−(4−フルオロフェニル)アセチル)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボヒドラジド:撹拌した3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボヒドラジド(0.170g、0.49mmol)およびEtN(0.14mL、1mmol)のCHCl(10mL)溶液に2−(4−フルオロフェニル)アセチルクロリド(69mL、0.5mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。0.1% TFAを含有する水/MeOHを溶出液として用いたC18カラムのプレパラティブHPLCで反応混合物を精製し、表題化合物(0.078g、収率33%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 9.97 (1H, d, J = 7.0 Hz), 8.42 (1H, d, J = 6.7 Hz), 7.54 (2H, d, J = 6.7 Hz), 7.35-7.27 (5H, m), 7.05 (2H, t, J = 8.6 Hz), 5.36 (2H, s), 4.04-3.98 (4H, m), 3.64 (2H, s), 1.60 (6H, s). HRMS (M + H) calcd for C25H26N4O5F: 481.1887; found: 481.1866.
【0102】
中間体26
【化43】

3−(ベンジルオキシ)−2−(5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:撹拌した3−(ベンジルオキシ)−N’−(2−(4−フルオロフェニル)アセチル)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボヒドラジド(0.075g、0.16mmol)、PhP(0.074g、0.28mmol)およびDIEA(0.16mL、0.91mmol)の無水CHCN(3mL)溶液にヘキサクロロエタン(0.048g、0.20mmol)を室温で一度に加えた。4時間後、得られた黄緑色の反応混合物を、0.1% TFAを含有する水/MeOHを溶出液として用いたC18カラムのプレパラティブHPLCで精製し、表題化合物(0.072g、収率86%)を黄色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.42-7.40 (2H, m), 7.30-7.28 (3H, m), 7.24 (2H,dd, J = 8.2, 5.55.34 (2H, s), 4.20 (2H, s), 4.07-4.01 (4H, m), 1.64 (6H, s). Hz)), 6.99 (2H, t, J = 8.6 Hz), HRMS (M + H) calcd for C25H24N4O4F: 463.1782; found: 463.1788.
【0103】
実施例1
【化44】

2−(5−(4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:窒素雰囲気下の3−(ベンジルオキシ)−2−(4−クロロ−5−(4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−2−イル)−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン(0.03g、0.061mmol、1.0当量)のMeOH(3mL)溶液に、ギ酸(0.1mL、2.61mmol、43当量)および10% Pd/C(0.065g、0.061mmol、1.0当量)を加えた。反応物を5時間撹拌後、LCMS分析によりベンジルの水素化分解が完了したことが示されたが、塩素の還元は起こっていなかった。反応混合物を40℃(油浴)に加熱し、2時間撹拌した。この時、LCMS分析により、塩素の還元が完了していることが示された。反応物を周囲温度に冷却し、さらに16時間撹拌した。次いで、反応物をCeliteに通して濾過し、減圧濃縮した。残渣を飽和NaHCO水溶液に加え、CHCl(x5)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、次いで減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(7% MeOH/CHCl)で精製し、表題化合物(0.008g、収率36%)を黄褐色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, d7-DMF) δ ppm (メジャーなイミダゾール互変異性体) 13.14 (s, 1 H), 7.48 - 7.58 (m, 2 H), 7.39 (s, 1 H), 7.29 (t, J=8.56 Hz, 2 H), 4.21 - 4.25 (m, 2 H), 4.15 (s, 2 H), 4.08 (t, J=5.16 Hz, 2 H), 1.74 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 371.17.
【0104】
実施例2
【化45】

2−(5−(4−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:3−(ベンジルオキシ)−2−(4−クロロ−5−(4−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン(0.02g、0.039mmol、1.0当量)のEtOH(1mL)溶液に、ギ酸アンモニウム(0.04g、0.634mmol、16当量)および10% Pd/C(0.04g、0.376mmol、9.6当量)を加えた。4時間撹拌後、LCMS分析により生成物への変換の完了が示された。次いで、反応物をCeliteに通して濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(7% MeOH/CHCl)で精製し、表題化合物(0.008g、収率53%)を灰白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.09 - 7.19 (m, 2 H), 6.97 - 7.06 (m, J=8.62, 6.48, 2.27 Hz, 2 H), 6.90 (s, 1 H), 3.99 - 4.09 (m, 4H), 3.97 (s, 2 H), 3.95 (s, 3 H), 1.57 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 385.18.
【0105】
実施例3
【化46】

2−(1−(4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:窒素雰囲気下の2−(1−(4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル)−3−メトキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン(0.042g、0.109mmol、1.0当量)のジクロロエタン(1.1mL)溶液に、BBr・SMe(0.137g、0.437mmol、4.0当量)を加えた。次いで、反応物を80℃(油浴)に加熱した。1時間撹拌後、反応物を周囲温度に冷却し、水(5mL)で注意深くクエンチした。混合物を飽和NaHCO水溶液に注ぎ、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。粗生成物を逆相プレパラティブHPLCで精製し、表題化合物(0.017g、収率42%)を淡灰色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 11.34 (s, 1 H), 7.59 (d, J=1.01 Hz, 1 H), 7.42 (d, J=1.51 Hz, 1 H), 7.20 (dd, J=8.69, 5.16 Hz, 2H), 7.05 - 7.13 (m, 2 H), 5.16 (s, 2 H), 3.95 - 4.08 (m, 4 H), 1.58 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 371.24.
【0106】
実施例4
【化47】

2−(5−(4−フルオロベンジル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:窒素雰囲気下の3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボチオアミド(0.04g、0.116mmol、1.0当量)のアセトニトリル(1.2mL)スラリーに、MeI(0.011mL、0.174mmol、1.5当量)を加えた。反応物を50℃(油浴)で1時間加熱した。次いで、反応物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。2−(4−フルオロフェニル)アセトヒドラジド(0.058g、0.35mmol、3当量)、次いでメタノール(1mL)を残渣に加え、スラリーを70℃(油浴)で加熱した。1時間撹拌後、反応物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。DMF(1mL)を残渣に加え、溶液を150℃(油浴)で3.5時間加熱した。次いで、反応物を周囲温度に冷却し、3日間撹拌した。反応物を140℃(油浴)で2時間加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。残渣を飽和NaHCO水溶液に加え、CHCl(x2)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、次いで、減圧濃縮した。粗生成物を逆相プレパラティブHPLCで精製し、表題化合物(0.021g、収率49%)を灰色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.99 (s, 2 H), 7.21 - 7.39 (m, 2 H), 7.00 (t, J=8.69 Hz, 2 H), 4.17 (s, 2 H), 4.05 (s, 4 H), 1.62 (s, 6H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 372.16.
【0107】
実施例5
【化48】

2−(1−(4−フルオロベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:窒素雰囲気下の3−(ベンジルオキシ)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボチオアミド(0.042g、0.122mmol、1.0当量)のアセトニトリル(1.2mL)溶液に、MeI(0.038mL、0.61mmol、5当量)を加えた。反応物を40℃(油浴)で1時間加熱した。次いで、反応物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。N−(4−フルオロベンジル)ホルモヒドラジド(0.045g、0.268mmol、2.2当量)、次いで、DMF(1.5mL)を残渣に加え、該溶液を140℃(油浴)で加熱した。1時間撹拌後、反応物を周囲温度に冷却し、17時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO水溶液に加え、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。粗生成物を逆相プレパラティブHPLCで精製し、エーテルからトリチュレートし、表題化合物(0.024g、収率53%)を灰白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.10 (s, 1 H), 7.29 - 7.35 (m, 2 H), 7.07 - 7.14 (m, 2 H), 5.44 (s, 2 H), 4.02 - 4.10 (m, 4 H), 1.68 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 372.20.
【0108】
実施例6
【化49】

2−(5−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:窒素雰囲気下の3−(ベンジルオキシ)−N,9,9−トリメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボチオアミド(0.1g、0.278mmol、1.0当量)のアセトニトリル(0.9mL)溶液にMeI(0.070mL、1.11mmol、4当量)を加えた。反応物を50℃(油浴)で45分間加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。2−(4−フルオロフェニル)アセトヒドラジド(0.14g、0.84mmol、3当量)、次いで、DMF(2mL)を残渣に加え、スラリーを140℃(油浴)で加熱した。16時間撹拌後、反応物を周囲温度に冷却し、減圧濃縮した。残渣を飽和NaHCO水溶液に加え、CHCl(x3)で抽出した。CHCl抽出物を合わせて乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。粗生成物をDMF(〜1.5mL)で処理した。物質の溶解を試みた後、不溶性部分を濾取し、メタノールで洗浄し、表題化合物(0.024g、収率22%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.21 (dd, J=8.81, 5.29 Hz, 2 H), 7.03 (t, J=8.69 Hz, 2 H), 4.24 (s, 2 H), 4.04 (q, J=2.77 Hz, 4 H), 3.93 (s, 3 H), 1.57 (s, 6 H); LCMS (ES+, (M+H)+) m/z 386.22.
【0109】
実施例7
【化50】

2−エトキシ−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン:5−(ベンジルオキシ)−2−エトキシ−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン(0.150g、0.3421mmol)のTFA(5mL)溶液(黄色)を室温で6時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、得られた黄色の固形物を1:1 EtOH/HOと共に加熱し、濾過し、表題化合物(0.11g、97%)を淡黄色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 9.49 (1H, s), 7.30 (2H, dd, J = 8.4, 5.4 Hz), 7.02 (2H, t, J = 8.6 Hz), 4.52 (2H, q, J = 7.0 Hz), 4.15 (2H, s), 3.49 (3H, s),1.44 (3H, t, J = 7.0 Hz). HRMS (M + H) calcd for C16H16N4O4F: 347.1156; found: 347.3845. Anal calcd for C16H15N4O4F: C, 55.49; H, 4.36; N, 16.17; F, 5.48; found: C, 55.14; H, 4.32; N, 15.66; F, 5.85.
【0110】
実施例8
【化51】

6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチル−2−モルホリノピリミジン−4(3H)−オン:5−(ベンジルオキシ)−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−メチル−2−モルホリノピリミジン−4(3H)−オン(0.216g、0.45mmol)のTFA(10mL)溶液(黄色)を室温で8時間撹拌した。次いで、反応物を濃縮し、得られた黄色の油状物をMeOHに溶解し、濃縮し、淡黄色のスラリーを得、それを水でトリチュレートし、表題化合物(0.141g、収率80%)を淡灰白色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 9.62 (1H, s), 7.30 (2H, dd, J = 8.4, 5.4 Hz), 7.01 (2H, t, J = 8.6 Hz), 4.15 (2H, s), 3.85-3.83 (4H, m), 3.58 (3H, s), 3.19-3.17 (4H, m). HRMS (M + H) calcd for C18H19N5O4F: 388.1421; found: 388.2924. Anal calcd for C18H18N5O4F: C, 55.81; H, 4.68; N, 18.08; F, 4.90; found: C, 56.16; H, 4.96; N, 17.40; F, 4.94.
【0111】
実施例9
【化52】

2−シクロペンチル−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン:5−(ベンジルオキシ)−2−シクロペンチル−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン(0.248g、0.54mmol)のTFA(5mL)溶液を室温で4時間撹拌した。次いで、得られた黄色の反応混合物を濃縮し、残渣をEtOH/HOから結晶化し、表題化合物(0.184g、収率92%)を黄色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 9.74 (1H, s), 7.30 (2H, dd, J = 8.2, 5.5 Hz), 7.01 (2H, t, J = 8.6 Hz), 4.15 (2H, s), 3.64 (3H, s), 3.21-3.15 (1H, m), 2.04-2.00 (4H, m), 1.89-1.82 (2H, m), 1.72-1.64 (2H, m). HRMS (M + H) calcd for C19H20N4O3F: 371.1520; found: 371.1535. Anal calcd for C19H19N4O3F: C, 61.61; H, 5.17; N, 15.12; F, 5.13; found: C, 61.92; H, 5.54; N, 14.87; F, 5.10.
【0112】
実施例10
【化53】

2−(5−(4−フルオロベンジル)オキサゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:3−(ベンジルオキシ)−N−(3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソプロピル)−9,9−ジメチル−4−オキソ−4,6,7,9−テトラヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−2−カルボキシアミド(0.16g、0.3337mmol)およびPOCl(2mL)のトルエン(15mL)混合物を5時間加熱還流し、次いで、冷却、濃縮し、得られた残渣をEtOAc(50mL)にとり、水(2X10mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、黄色の残渣を得た。0.1%TFAを含有する水/MeOHを溶出液として用いたC18カラムのプレパラティブHPLCで精製し、表題化合物を白色の固形物として得、MeOH/HOから結晶化し、無色の針状物質を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 11.04-10.92 (1H, br s), 7.26 (2H, dd, J = 8.6, 5.5 Hz), 7.04 (2H, t, J = 8.6 Hz), 6.86 (1H, s), 4.10 (2H, s), 4.07-4.02 (4H, m), 1.65 (6H, s). HRMS (M + H) calcd for C19H19N3O4F: 372.1360; found: 372.1356. Anal calcd for C19H18N3O4F: C, 61.45; H, 4.88; N, 11.31; found: C, 61.19; H, 4.74; N, 11.14.
【0113】
実施例11
【化54】

2−(5−(4−フルオロベンジル)チアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:3−(ベンジルオキシ)−2−(5−(4−フルオロベンジル)チアゾール−2−イル)−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン(0.051g、0.11mmol)のTFA(5mL)溶液を40℃で24時間撹拌した。次いで、反応混合物を冷却し、濃縮し、0.1%TFAを含有する水/MeOHを溶出液として用いたC18カラムのプレパラティブHPLCで精製し、表題化合物(0.033g、収率80%)を淡黄色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 11.51 (1H, s), 7.61 (1H, s), 7.22 (2H, dd, J = 8.6, 5.5 Hz), 7.03 (2H, t, J = 8.6 Hz), 4.17 (2H, s), 4.06-4.01 (4H, m), 1.60 (6H, s). HRMS (M + H) calcd for C19H19N3O3FS: 388.1131; found: 388.1118. Anal calcd for C19H18N3O3FS: C, 58.90; H, 4.68; N, 10.84; found: C, 58.87; H, 4.47; N, 10.87.
【0114】
実施例12
【化55】

2−(5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン:3−(ベンジルオキシ)−2−(5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン(0.071g、0.15mmol)のTFA(5mL)溶液を室温で22時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、0.1%TFAを含有する水/MeOHを溶出液として用いたC18カラムのプレパラティブHPLCで精製し、表題化合物(0.035g、収率60%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 9.71 (1H, s), 7.35 (2H, dd, J = 8.6, 5.5 Hz), 7.06 (2H, t, J = 8.6 Hz), 4.30 (2H, s), 4.07-4.03 (4H, m), 1.63 (6H, s). HRMS (M + H) calcd for C18H18N4O4F: 373.1312; found: 373.1326. Anal calcd for C18H17N4O4F: C, 58.06; H, 4.60; N, 15.04; found: C, 57.88; H, 4.72; N, 14.87.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
はテトラゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、またはピロリルであり;Rは、ハロおよびアルキルから選択される0から3個の置換基でさらに置換された1個のベンジル部分で置換され;Rは、0から2個のアルキル置換基で置換され;
は、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、またはジオキソチアジニルであり;
はアルキルであるか;
およびRは、一緒になって、
【化2】

であり;
は水素またはアルキルであり;
は水素またはアルキルであるか;
およびRは、一緒になって、C3−6アルキレンまたはCHCHOCHCHである]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
がトリアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであり;Rが1個のハロ置換基で置換された1個のベンジル部分で置換され;Rが0から1個のアルキル置換基で置換され;
が、アルコキシ、シクロアルキル、またはモルホリニルであり;
がアルキルであるか;
およびRが、一緒になって、
【化3】

であり;
がアルキルであり;
がアルキルである、
請求項1の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
が、トリアゾリル、N−メチルトリアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、N−メチルイミダゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであり、1個のp−フルオロベンジル部位で置換され;
が、エトキシ、シクロペンチル、またはモルホリニルであり;
がメチルであるか;
およびRが、一緒になって、
【化4】

であり;
がメチルであり;
がメチルである、
請求項2の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
が、トリアゾリル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルであり;Rが、ハロおよびアルキルから選択される0から3個の置換基で置換された1個のベンジル部分で置換され;Rが、0から2個のアルキル置換基で置換される、請求項1の化合物。
【請求項5】
およびRが、一緒になって、
【化5】

である、請求項1の化合物。
【請求項6】
およびRがメチルである、請求項1の化合物。
【請求項7】
およびRが、一緒になって、プロピレン、ブチレン、またはCHCHOCHCHである、請求項1の化合物。
【請求項8】
2−(5−(4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン;
2−(5−(4−フルオロベンジル)−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン;
2−(1−(4−フルオロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン;
2−(5−(4−フルオロベンジル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン;
2−(1−(4−フルオロベンジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン;
2−(5−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン;
2−(5−(4−フルオロベンジル)オキサゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン;
2−(5−(4−フルオロベンジル)チアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン;および
2−(5−(4−フルオロベンジル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−9,9−ジメチル−6,7−ジヒドロピリミド[2,1−c][1,4]オキサジン−4(9H)−オン;
からなる群より選択される、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項9】
2−エトキシ−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチル−2−モルホリノピリミジン−4(3H)−オン;および
2−シクロペンチル−6−(3−(4−フルオロベンジル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−5−ヒドロキシ−3−メチルピリミジン−4(3H)−オン;
からなる群より選択される、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項10】
治療上の有効量の請求項1の化合物、および医薬的に許容される担体を含む、HIV感染症の治療に有用な組成物。
【請求項11】
ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV吸着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV出芽または成熟阻害剤、およびHIVインテグラーゼ阻害剤からなる群より選択されるAIDSまたはHIV感染症の治療に用いられる治療上の有効量の少なくとも1つの別の薬剤、ならびに医薬的に許容される担体をさらに含む、請求項10の組成物。
【請求項12】
治療上の有効量の請求項1の化合物、またはその医薬的に許容される塩を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、HIV感染症の治療方法。
【請求項13】
ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系HIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV吸着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV出芽または成熟阻害剤、およびHIVインテグラーゼ阻害剤からなる群より選択されるAIDSまたはHIV感染症の治療に用いられる治療上の有効量の少なくとも1つの別の薬剤をさらに投与することを特徴とする、請求項12の方法。

【公表番号】特表2013−508280(P2013−508280A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534267(P2012−534267)
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/052177
【国際公開番号】WO2011/046873
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】