ICカード読み取り装置
【課題】よりカード挿入がルームミラー一体型ETC車載器を提供する。
【解決手段】運転席側側面および助手席側側面に、それぞれカード挿入口を設ける。また、一方のカード挿入口からETCカード70が挿入された場合と、他方のカード挿入口からETCカードが挿入された場合とでは、ICチップ71の位置が異なるので、いずれのカード挿入口からカードが挿入された場合にも、ICチップ71の端子と接触可能なように接触リード部50を形成する。さらに、カード挿入方向によってICチップ71内の端子配置が変わってしまうので、端子信号切替回路を設けるとともに、挿入位置検知スイッチ40にてカード挿入位置を検知して、それに基づいて端子信号切替回路にて端子信号を切り替えてその後の処理に用いる。
【解決手段】運転席側側面および助手席側側面に、それぞれカード挿入口を設ける。また、一方のカード挿入口からETCカード70が挿入された場合と、他方のカード挿入口からETCカードが挿入された場合とでは、ICチップ71の位置が異なるので、いずれのカード挿入口からカードが挿入された場合にも、ICチップ71の端子と接触可能なように接触リード部50を形成する。さらに、カード挿入方向によってICチップ71内の端子配置が変わってしまうので、端子信号切替回路を設けるとともに、挿入位置検知スイッチ40にてカード挿入位置を検知して、それに基づいて端子信号切替回路にて端子信号を切り替えてその後の処理に用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカードが挿入されて、そのICカードから情報を読み取るICカード読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路によって構成されたカード型の記憶媒体が多数用いられている(たとえば、特許文献1)。カード型の記憶媒体の一種として、プラスチックなどでできたカードに極めて薄い半導体集積回路(すなわちICチップ)を埋め込んだICカードも普及し始めている。このICカードから情報を読み取る読み取り装置には、接触式と非接触式とがあり、接触式の読み取り装置にはICカードに埋め込まれているICチップの各端子と接触する接触端子が設けられている。ICチップの各端子と、読み取り装置の各接触端子とが接触することにより、ICチップ内に記憶されている情報を読み取ることができるようになる。
【特許文献1】特開2005−183074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ICカードに埋め込まれているICチップは、カードの中央から少しずれた位置に埋め込まれている。そのため、読み取り装置への挿入方向が異なると、カード挿入状態におけるICチップの位置が異なることになる。従って、ICカードは、所定の向きで読み取り装置に挿入する必要がある。
【0004】
ところで、ICカードを利用するシステムとして自動料金収受システムが知られている。自動料金収受システムは、一般的にETCシステム(ETCは登録商標)と呼ばれており、有料道路の料金所ゲートに設置された路側無線装置と、車両に搭載され、ICカードであるETCカードが挿入された車載器との間で無線通信を行うことにより料金収受に必要な情報を無線通信するシステムである。
【0005】
このETCシステムに利用するETC車載器として、ルームミラー一体型のものが知られている。ルームミラー一体型のETC車載器は、ルームミラー背面に設けられたカード挿入口に、運転席側の側面からカードを挿入するようになっている。
【0006】
このETC車載器に挿入するETCカードは、運転者が所有するカードである必要はなく、助手席に乗る者が所有するカードを差し込んで利用することもできる。しかし、従来のルームミラー一体型のETC車載器は、運転席側からしかカードを挿入することができないので、助手席に乗る者が所有するカードを利用しようとする場合であっても、運転席側からカードを挿入しなければならなかった。
【0007】
ルームミラー一体型のETC車載器に限らず、読み取り装置の側面にカード挿入口が設けられている装置の場合において、一方の側面にのみカード挿入口が設けられていると、利用者にとってカード挿入が容易とは言えないこともある。たとえば、そのカード挿入口が右側面に設けられている場合、左利きの者にとってはカードが挿入しにくいことになる。
【0008】
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、よりカード挿入が容易なICカード読み取り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その目的を達成するための請求項1記載の発明は、互いに挿入方向が異なるカード挿入口を複数備えていることを特徴とするICカード読み取り装置である。
【0010】
このように、挿入方向が異なる複数のカード挿入口を備えていれば、カード挿入者は、自身の位置や利き手などの事情に合わせて都合のよい挿入口を選択できるようになるので、よりカード挿入が容易となる。
【0011】
上記ICカード読み取り装置は、たとえば、請求項2記載のように、有料道路の自動料金収受システム用に車両に搭載されるICカード読み取り装置に用いることができる。
【0012】
自動料金収受システム用に車両に搭載されるICカード読み取り装置は、一般的にETC車載器と呼ばれており、このETC車載器は、前述のように、運転席からカードを挿入することもあるが、助手席からカードを挿入することもあるので、カード挿入口が複数あることによって、カード挿入が容易となる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のICカード読み取り装置において、前記カード挿入口として、カード挿入方向が互いに180度異なっている2つのカード挿入口を備えているものである。このようにすれば、2つのカード挿入口からのカード挿入方向が互いに最も異なる方向となるので、いずれかのカード挿入口がカード挿入者にとって都合のよい方向となる可能性が高い。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載のICカード読み取り装置において、車両のルームミラー背面に装着され、運転席側の側面および助手席側の側面に前記カード挿入口を備えていることを特徴とする。このようにすれば、カード挿入口が運転席側の側面にしかない場合に比較して、助手席側からカードを容易に挿入できるようになる。
【0015】
また、請求項3または4記載のように、2つのカード挿入口を備える場合、請求項5記載のようにすることが好ましい。その請求項5記載の発明は、請求項3または4に記載のICカード読み取り装置において、前記ICチップの各端子と接触する接触リード部として、前記2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にもそのICカードのICチップに形成されている端子と接触可能な共通接触リード部を備え、
ICカードがどちらのカード挿入口に差し込まれたかを検知する挿入位置検知手段と、その挿入位置検出手段によってカードが挿入されたことが検知されたカード挿入口の位置に基づいて、前記共通接触リード部を介して前記ICチップの端子から検出される端子信号を切り替える端子信号切替回路とを備えていることを特徴とする。
【0016】
このように、2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にもICチップの端子と接触可能な共通接触リード部を設ければ、金などの高価な材料を必要とする接触リード部の数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
【0017】
なお、ICカードの挿入方向の違いにより、共通接触リード部が接触するICチップの端子が異なってくる。そのため、単に共通接触リード部を設けるだけでは、挿入方向が違う場合に、同じ共通接触リード部を介して検出することができる信号が異なってしまうのであるが、請求項5記載の発明では、カードが挿入されたカード挿入口の位置を挿入位置検知手段によって検知して、それに基づいて端子信号切替回路により端子信号を切り替えるようにしているので、挿入方向が異なっても同じ信号をICチップから得ることができる。
【0018】
また、上記共通接触リード部は、請求項6記載のように固定型とすることもできるし、請求項7記載のように可動部を有するものとすることもできる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載のICカード読み取り装置において、前記共通接触リード部は、一方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の第1端子と接触する第1接点部と、他方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の第2端子と接触する第2接点部と、それら第1接点部と第2接点部とを連結する連結部とを備えていることを特徴とする。
【0020】
また、請求項7記載の発明は、請求項5に記載のICカード読み取り装置において、2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にも、ICカードの挿入に連動してそのICカードに接近する方向に移動する可動基台と、その可動基台を移動可能に収容して可動基台の移動方向を案内する固定案内枠と、その固定案内枠に設けられた固定リードとを備え、
前記共通接触リード部は、前記可動基台上に設けられ、一方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の端子と接触し、他方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの前記所定の端子とは異なる他の端子と接触する接点部と、前記可動基台に設けられ、前記接点部に接続するとともに、前記ICカードが挿入された状態では、前記接点部とは反対側の端部が前記固定リードと接触する可動基台側リード部とから構成されていることを特徴とする。
【0021】
また、請求項8記載の発明は、請求項3乃至7のいずれかに記載のICカード読み取り装置において、前記2つのカード挿入口にそれぞれ設けられ、そのカード挿入口を開閉する開閉部材と、前記2つの開閉部材をカード挿入口が開く方向にそれぞれ付勢する2つの付勢部材と、前記ICカードの挿入に連動して、そのICカードが挿入された側とは反対側のカード挿入口に設けられた前記開閉部材を前記付勢部材による付勢方向とは反対方向に押して、前記開閉部材をカード挿入口が閉じる位置まで移動させる移動部材とをさらに備えていることを特徴とする。
【0022】
このようにすれば、2つのカード挿入口の一方にカードが挿入されることにより、他方のカード挿入口からさらにカードを挿入することができなくなるので、誤動作防止、機器は損防止等が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用されたETC車載器10の取り付け状態を示す図である。また、図2は、図1のII矢視図である。
【0024】
図1、2に示すように、本実施形態のETC車載器10は、車両のルームミラー12の背面に取り付けられて、ルームミラー12と一体化されている。このETC車載器10は、図2に示すように、助手席側の側面14にカード挿入口16設けられている。また、図示しない運転席側の側面にも同様のカード挿入口が設けられている。
【0025】
図3は、上記ETC車載器10の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、ETC車載器10は、ASIC20と、端子信号切替回路30と、挿入位置検知スイッチ40と、接触リード部50とを備えている。
【0026】
ASIC20は、半導体集積回路によって構成されたコンピュータであり、挿入位置検知スイッチ40からの信号に基づいて、端子信号切替回路30の切替制御を行うとともに、その端子信号切替回路30を介して供給されるETCカード(図示せず)に記憶された情報に基づいて、カード認証などのETC車載器としての公知の種々の処理を実行する。
【0027】
端子信号切替回路30は、ASIC20からの切替指示信号に基づいて、接触リード部50を介して検出できるETCカード内の信号を切り替えてASIC20に供給する。
【0028】
挿入位置検知スイッチ40および接触リード部50の概略図を図4に示す。図4は、ETC車載器10の装置基板60上に、挿入位置スイッチ40および接触リード部50が配置されている状態を示す図である。また、二点差線でETCカード70がカード挿入口16から挿入されたときの位置をそれぞれ示す。なお、図4では、ETCカード70が2枚挿入された状態となっているが、これは説明の便宜上であり、実際にはいずれか1枚のみが挿入される。
【0029】
挿入位置検知スイッチ40は、挿入位置検知手段として機能するものであり、2つの傾斜押圧面41、42を備えている。ETCカード70が挿入されていない状態では、図示しないスプリングからの付勢力によって、それら傾斜押圧面41、42は、装置基板60に対して傾斜した位置となっている。そして、ETCカード70が左右いずれかから挿入されると、ETCカード70の端面によっていずれかの傾斜押圧面41、42が装置基板60側へ押圧される。これによって、図示しない挿入位置検知スイッチ40の内部に傾斜押圧面41、42に対応してそれぞれ設けられた2組の接点のうちのいずれかが接触状態となるので、挿入位置検知スイッチ40により、どちらのカード挿入口16からETCカード70が挿入されたかが検知できる。
【0030】
カード挿入位置検知スイッチ40によって検知されたカード挿入位置を示す信号はASIC20へ出力される。ASIC20では、その信号に基づいて、端子信号切替回路30へ切替指示信号を出力するかどうかを決定する。
【0031】
接触リード部50は、3つの共通接触リード部52と6つの個別接触リード部53とからなり、それらが1つのリード部基板51に固定されている。リード部基板51は、使用状態の姿勢において両端の矩形部分の位置が上下方向(図4の上下方向)に異なった帯板状部材であり、その両端の矩形部分が斜めに配置されている連結部分によって連結されている。
【0032】
3つの共通接触リード部52は、いずれも同様の形状であり、且つ、互いに平行にリード部基板51上に固定されている。それら共通接触リード部52は、図左方向からETCカード70が挿入された場合に、そのETCカード70に埋め込まれたICチップ71の所定のA端子(第1端子に相当)と接触する第1接点部521と、図右方向からETCカード70が挿入された場合に、ICチップ71の所定のC端子(第2端子に相当)と接触する第2接点部522と、それら第1接点部521および第2接点部522を連結する連結部523とを有している。
【0033】
6つの個別接触リード部53は、そのうちの3つが、リード部基板51の長手方向一方の端部において、3つの共通接触リード部52の第1接触部521とそれぞれ平行に配置されている。そして、他の3つは、リード部基板51の長手方向他方の端部において、3つの共通接触リード部52の第2接触部522とそれぞれ平行に配置されている。
【0034】
図5は、接触リード部50の長手方向一方の端部の拡大斜視図である。図5に示すように、第1接点部521およびそれに対向する個別接触リード部53の端部は、いずれも、山型に上側に曲成されており、この部分がICチップ71の各端子と接触する。なお、図5において、54は端子信号切替回路30からのリード線が接続される接続部であり、この接続部54は、各接触リード部52、53につき、それぞれ1つずつ設けられている。従って、第1接点部521および第2接点部522の2つの接点部を有する共通接触リード部52の場合、第1、第2接点部521、522のいずれからの信号も、この接続部54から端子信号切替回路30へ出力される。
【0035】
このように構成された接触リード部52は、図4の左側からETCカード70が挿入された場合、3つの共通接触リード部52の第1接点部521は、上側から順に、ICチップ71のA、B、C端子とそれぞれ接触し、ICチップ71の他の端子D、E、Fは、個別接触リード部53と接触する。一方、図右側からETCカード70が挿入された場合、3つの共通接触リード部52の第2接点部522が、上側から順に、ICチップ71のC、B、A端子とそれぞれ接触し、ICチップ71の他の端子D、E、Fは、個別接触リード部53と接触する。
【0036】
図6は、本実施形態におけるASIC20の処理の一部を示すフローチャートである。この図6に示す処理は、所定周期で繰り返し実行するようになっている。
【0037】
まず、ステップS10では、ETCカード70が挿入されたか否かを判断する。この判断は、挿入位置検知スイッチ40からの信号の有無に基づいて行う。この判断が否定された場合には、本ルーチンを一旦終了する。一方、肯定判断の場合にはステップS20において、挿入位置検出スイッチ40からの信号の種類(レベル)に基づいて、左側(助手席側)からの挿入であるか否かをさらに判断する。この判断が否定判断である場合には、直接、ステップS40へ進む。一方、ステップS20が肯定判断である場合には、ステップS30において、切替指示信号を端子信号切替回路30へ出力する。これによって、端子信号切替回路30では、ICチップ71のA端子から検出される端子信号とC端子から検出される端子信号とを切り替えてASIC20へ供給する。
【0038】
そして、ステップS40では、端子信号切替回路30を介して供給されるICチップ71からの各端子信号に基づいて、公知のカード初期化処理およびカード認証処理を実行して、挿入されたETCカード70が使用可能であるか否かなどを判断する。
【0039】
以上、説明した本実施形態によれば、カード挿入口16を運転席側の側面および助手席側の側面14に備えているので、助手席からも容易にETCカード70を挿入することができる。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図7は、第2実施形態のETC車載器80の内部の機械的構成を示す斜視図である。
【0041】
ETC車載器80は、第1実施形態の装置基板60と同様の平面寸法を有する装置基板90を備えており、その装置基板90の長手方向中央に固定案内枠100が嵌め込まれている。なお、図7には示していないが、第2実施形態のETC車載器80も、第1実施形態と同様の挿入位置検知スイッチ40を備えている。
【0042】
固定案内枠100は、装置基板90と平行な長方形状の底板部101の外縁に、その底板部101に対して垂直方向に立ち上がる枠部102が固定されたものであり、その枠部102の上縁が装置基板90と同一面に位置するように、装置基板90に固定されている。また、底板部101は、その各辺が装置基板90の各辺と平行とはなっておらず、装置基板90の各辺と平行な状態から、その装置基板90と平行な平面内において所定角度回転させられた配置となっている。
【0043】
この固定案内枠100内に、直方体形状の可動基台110が収容されている。可動基台110は、固定案内枠100内をその長手方向(すなわち装置基板90の長手方向)に移動可能となっており、短辺方向の長さは、固定案内枠100の短辺方向長さよりもわずかに短い長さとなっている。また、可動基台110の上面は、装置基板90と略同一面となっている。
【0044】
この可動基台110の長手方向中央には、上方に突き出す柱状の突起111が形成されている。この突起111は、回転板120に形成された長孔121に嵌め入れられている。
【0045】
上記回転板120は、長手状であり、長孔121はその長手方向の一方の端部に形成されている。この回転板120は、その長手方向の中央付近に位置し、装置基板90に相対回転可能に固定された支持軸130に固定されて、支持軸130と一体回転するようになっている。
【0046】
この支持軸130の装置基板90と回転板120との間には、小ギヤ140が支持軸130に相対回転不能に固定されている。この小ギヤ140は、2つのピニオンギヤ142と常時噛み合っている。なお、2つのピニオンギヤ142も、回動板120が回動してもその回動板120が衝突しないように、その厚さが設定されている。また、2つのピニオンギヤ142は、それぞれ、ラック150とも常時噛み合っている。
【0047】
ラック150において、装置基板90と平行になる上面には、上方に突き出す突板151が2つ、それぞれ所定の位置に固定されている。また、ラック150には、上下方向に貫通するとともにラック150の長手方向に平行な長孔152が形成されている。一方の長孔152の形成場所は、一方の突板151と回転板120との間であり、他方の長孔152の形成場所は他方の突板151と回転板120との間である。この2つの長孔152には、装置基板90に固定された柱状の突起154がそれぞれ嵌め入れられている。これら長孔152および突起154は、ラック150の移動方向をその長手方向に規定するためのものである。
【0048】
上記突板151は、ETCカードが挿入されたときには、そのETCカードの端面によって押圧されるようになっている。突板151がETCカードによって押圧されると、その突板151を固定しているラック150がそのラック150の長手方向へ移動し、ラック150と噛み合っている2つのピニオンギヤ142およびそのピニオンギヤ142と噛み合っている小ギヤ140は回転させられる。
【0049】
そして、小ギヤ140の回転によって、その小ギヤ140と一体回転するように構成されている支持軸130および回転板120が回転する。この回転板120の回転によって、その回転板120に形成されている長孔121に嵌め入れられている突起111が移動させられるので、その突起111を固定している可動基台110が、固定案内枠100に案内されて、固定案内枠100の長手方向の一方に移動させられる。
【0050】
図8は、可動基台110および固定案内枠100の構成を詳しく示す拡大斜視図である。可動基台110には、前述の突起111の他に、嵌合突条112が形成されている。この嵌合突条112は、可動基台110の長手方向の一対の側面において、その長手方向に平行に形成されている。固定案内枠100の枠部102には、この嵌合突条112を収容して、可動基台110を案内する案内凹部103が形成されている。
【0051】
また、可動基台110には、8つの板状のリード板161〜168が固定されている。リード板161は、接点部161a、第1リード部161b、第2リード部161c、第3リード部161d、および第4リード部161eから構成されている。
【0052】
接点部161aは、ICチップ71の端子と接触する部分であり、可動基台110の長手方向中央付近に位置させられ、山型に上側に曲成されている。第1リード部161bは、可動基台110の上面に固定され、一方の端が接点部161aに連結し、ラック150に対して平行に(従って、可動基台110の上面の長手方向辺に対しては斜めに)可動基台110の上面の短辺まで延びでいる。
【0053】
第2リード部161cは、可動基台110の幅方向側面(嵌合突条112が設けられていない側面)に固定されており、一方の端が第1リード部161bの一端に連結され、そこから下方に延びている。第3リード部161dは、第2リード部161cと同じ側面に固定され、一方の端が第2リード部161cの一端に連結され、そこから可動基台110の幅方向に平行に延びて、他方の端が可動基台110の長手方向側面(嵌合突条112が設けられている側面)から突き出している。
【0054】
第4リード部161eは、一方の端が第3リード部161dの一端に連結された鉤板状であり、先端は、可動基台110の長手方向側面に向かうように曲成されている。
【0055】
他のリード板162〜168も、リード板161と同様の構成を有する接点部、第1乃至第4リード部から構成されている。
【0056】
固定案内枠100の内面には、固定リード171〜178が固定されている。固定リード171と175、172と176、173と177、174と178は、それぞれ互いに対向して設けられ、且つ、互いに鏡像の関係にある形状を有している。これら固定リード171〜178は、いずれも、枠部102の可動基台110の長手方向側面に対向する側面および底板部101に固定されている。なお、図8には、8つの固定リード171〜178が示されているが、図8には図示していない固定案内枠100の長手方向他方の端部にも、同様の8つの固定リード171〜178が固定されている。
【0057】
固定リード171〜178は、いずれも、一方の端部が枠部102に配置されており、その端部から枠部102の長手方向に平行に延びた後、垂直に底板部101まで立ち下がり、そこから、底板部101上を対向する固定リードに向かって延びた形状を有している。
【0058】
これら固定リード171〜178は、それぞれリード板165、166、161、162、168、167、164、163と接触するために設けられている。固定リード171〜178の枠部102側の端部の垂直方向高さ、およびその端部の枠部102の長手方向における長さは、可動基台110が長手方向に移動させられて枠部102の幅方向側面に接する状態(後述する図9の状態)において、端部が対応するリード板の第4リード部に接することができるように設定されている。なお、固定リード71〜178の底板部101側の端部には、端子信号切替回路30からのリード線が接続される。
【0059】
図9は、第2実施形態において、ETCカード70が挿入された状態を示す図であって、(A)は運転席側からETCカード70が挿入された状態、(B)は助手席側からETCカード70が挿入された状態をそれぞれ示している。
【0060】
運転席側のカード挿入口16からETCカード70が挿入されると、そのETCカード70の端面によって運転席側のカード挿入口16に近い側の突板151がラック150の長手方向に平行移動させられ、これによってラック150に作動的に連結された可動基台110が固定案内枠100に案内されて、挿入されたETCカード70に近づく方向に移動させられる。このとき、固定案内枠100が装置基板90に対して傾斜して配置されているため、可動基台110は図の上下方向にも移動させられる。
【0061】
そして、図9(A)のように、ETCカード70が完全に挿入された状態では、可動基台110に固定されている8つのリード板161〜168の各接点部が、それぞれ、ICチップ71と重なる位置となる。この図9(A)に示す状態では、ICチップ71のA〜F端子は、それぞれ、リード板165、166、167、161、162、163と接触する。
【0062】
一方、助手席側のカード挿入口16からETCカード70が挿入されると、そのETCカード70の端面によって助手席側のカード挿入口16に近い側の突板151がラック150の長手方向に平行移動させられ、可動基台110は、固定案内枠100に案内されることにより、挿入されたETCカード70のICチップ71に近づく方向に、上下および左右方向に移動させられる。
【0063】
そして、図9(B)のように、ETCカード70が完全に挿入された状態では、可動基台110に固定されている8つのリード板161〜168の各接点部が、それぞれ、ICチップ71と重なる位置となる。この図9(B)に示す状態では、ICチップ71のA〜F端子は、それぞれ、リード板164、163、162、168、167、166と接触する。
【0064】
このように、図9(A)の状態と(B)の状態とでは、ICチップ71の各端子と接触するリード板が全て異なるので、第2実施形態においても、挿入位置検知スイッチ40からの信号に基づいてASIC20においてカード挿入方向が判断される。そして、その判断に基づいてASIC20から端子信号切替回路30に切替指示信号が出力され、端子信号切替回路30では、その切替指示信号に基づいて信号の切替処理が行われる。
【0065】
なお、図9(A)の状態では、一番上側に位置する2つのリード板164、168を除く6つのリード板161〜163、165〜167によってICチップ71からの端子信号を検出しており、反対に、図9(B)の状態では、一番下側に位置する2つのリード板161、165を除く6つのリード板162〜164、166〜168によってICチップ71からの端子信号を検出している。このように、ICチップ71からの端子信号を検出するのに必要な数よりも上下方向に多くのリード板を設けることにより、可動基板110の上下方向の移動量を少なくすることができる
また、リード板162、163、166、167は、どちらからETCカード70が挿入された場合にも、ICチップ71の端子と接触する。従って、それらのリード板162、163、166、167は、共通接触リード部として機能する。
【0066】
図10は、図8のETC車載器80の長手方向一方の端側を拡大して示す図である。図10に示すように、装置基板90の長手方向の端部には、開閉部材180がカード挿入口16に平行に配置されている。この開閉部材180は、カード挿入口16に平行に装置基板90の立壁部分に支持されている支持軸190に相対回転不能に固定されている。一方、支持軸190は回転可能とされているので、支持軸190の回転によって開閉部材180は支持軸190周りに回転する。
【0067】
開閉部材180は、短板部181と、その短板部181よりも支持軸190に対して直交する方向の長さが長く、短板部181に対して直交する長板部182とからなる。支持軸190には、付勢部材として機能するねじりコイルバネ192が巻きつけられており、このねじりコイルバネ192により、開閉部材180は図10に示す位置となるように付勢されている。
【0068】
開閉部材180が図10に示す位置となっている状態では、開閉部材180の短板部181はラック150の端面と対向している。ETCカード70によって突板151が押されることによりラック150が開閉部材180方向へ移動させられると、ラック150によって開閉部材180が支持軸190の周りに回転(移動)させられる。このラック150が移動部材に相当する。
【0069】
ETCカード70が図9に示す位置まで挿入された状態では、開閉部材180の長板部182がカード挿入口16を塞いだ状態となり、そのカード挿入口16から別のカードが挿入されてしまうことが防止される。
【0070】
以上、説明した第2実施形態においても、カード挿入口16を運転席側の側面および助手席側の側面14に備えているので、助手席からも容易にETCカード70を挿入することができる。
【0071】
また、第2実施形態では、一方のカード挿入口16からETCカード70が挿入されると、他方のカード挿入口16が塞がれるようになっているので、他方のカード挿入口16から別のカードが挿入されてしまうことがない。従って、誤動作防止、機器は損防止等が図られる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0073】
たとえば、前述の実施形態では、ASIC20とは別に、端子信号切替回路30を備えていたが、ASIC20内において、接触リード部50からの信号を切り替えるようにしてもよい。すなわち、ASIC20が端子信号切替回路30としても機能するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明が適用されたETC車載器10の取り付け状態を示す図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図1のETC車載器10の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】挿入位置検知スイッチ40および接触リード部50の概略図を示す図である。
【図5】接触リード部50の長手方向一方の端部の拡大斜視図である。
【図6】第1実施形態におけるASIC20の処理の一部を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態のETC車載器80の内部の機械的構成を示す斜視図である。
【図8】可動基台110および固定案内枠100の構成を詳しく示す拡大斜視図である。
【図9】第2実施形態において、ETCカード70が挿入された状態を示す図であって、(A)は運転席側から、(B)は助手席側からETCカード70が挿入された状態をそれぞれ示している。
【図10】図8のETC車載器80の長手方向一方の端側を拡大して示す図である。
【符号の説明】
【0075】
10:ETC車載器(ICカード読み取り装置)
12:ルームミラー
16:カード挿入口
30:端子信号切替回路
40:挿入位置検知スイッチ(挿入位置検知手段)
50:接触リード部
52:共通接触リード部
521:第1接点部
522:第2接点部
523:連結部
70:ETCカード(ICカード)
71:ICチップ
80:ETC車載器(ICカード読み取り装置)
100:固定案内枠
110:可動基台
150:ラック(移動部材)
161:リード板
161a:接点部
161b:第1リード部(可動基台側リード部)
161c:第2リード部(可動基台側リード部)
161d:第3リード部(可動基台側リード部)
161e:第4リード部(可動基台側リード部)
171〜178:固定リード
180:開閉部材
192:ねじりコイルバネ(付勢部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカードが挿入されて、そのICカードから情報を読み取るICカード読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路によって構成されたカード型の記憶媒体が多数用いられている(たとえば、特許文献1)。カード型の記憶媒体の一種として、プラスチックなどでできたカードに極めて薄い半導体集積回路(すなわちICチップ)を埋め込んだICカードも普及し始めている。このICカードから情報を読み取る読み取り装置には、接触式と非接触式とがあり、接触式の読み取り装置にはICカードに埋め込まれているICチップの各端子と接触する接触端子が設けられている。ICチップの各端子と、読み取り装置の各接触端子とが接触することにより、ICチップ内に記憶されている情報を読み取ることができるようになる。
【特許文献1】特開2005−183074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ICカードに埋め込まれているICチップは、カードの中央から少しずれた位置に埋め込まれている。そのため、読み取り装置への挿入方向が異なると、カード挿入状態におけるICチップの位置が異なることになる。従って、ICカードは、所定の向きで読み取り装置に挿入する必要がある。
【0004】
ところで、ICカードを利用するシステムとして自動料金収受システムが知られている。自動料金収受システムは、一般的にETCシステム(ETCは登録商標)と呼ばれており、有料道路の料金所ゲートに設置された路側無線装置と、車両に搭載され、ICカードであるETCカードが挿入された車載器との間で無線通信を行うことにより料金収受に必要な情報を無線通信するシステムである。
【0005】
このETCシステムに利用するETC車載器として、ルームミラー一体型のものが知られている。ルームミラー一体型のETC車載器は、ルームミラー背面に設けられたカード挿入口に、運転席側の側面からカードを挿入するようになっている。
【0006】
このETC車載器に挿入するETCカードは、運転者が所有するカードである必要はなく、助手席に乗る者が所有するカードを差し込んで利用することもできる。しかし、従来のルームミラー一体型のETC車載器は、運転席側からしかカードを挿入することができないので、助手席に乗る者が所有するカードを利用しようとする場合であっても、運転席側からカードを挿入しなければならなかった。
【0007】
ルームミラー一体型のETC車載器に限らず、読み取り装置の側面にカード挿入口が設けられている装置の場合において、一方の側面にのみカード挿入口が設けられていると、利用者にとってカード挿入が容易とは言えないこともある。たとえば、そのカード挿入口が右側面に設けられている場合、左利きの者にとってはカードが挿入しにくいことになる。
【0008】
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、よりカード挿入が容易なICカード読み取り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その目的を達成するための請求項1記載の発明は、互いに挿入方向が異なるカード挿入口を複数備えていることを特徴とするICカード読み取り装置である。
【0010】
このように、挿入方向が異なる複数のカード挿入口を備えていれば、カード挿入者は、自身の位置や利き手などの事情に合わせて都合のよい挿入口を選択できるようになるので、よりカード挿入が容易となる。
【0011】
上記ICカード読み取り装置は、たとえば、請求項2記載のように、有料道路の自動料金収受システム用に車両に搭載されるICカード読み取り装置に用いることができる。
【0012】
自動料金収受システム用に車両に搭載されるICカード読み取り装置は、一般的にETC車載器と呼ばれており、このETC車載器は、前述のように、運転席からカードを挿入することもあるが、助手席からカードを挿入することもあるので、カード挿入口が複数あることによって、カード挿入が容易となる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のICカード読み取り装置において、前記カード挿入口として、カード挿入方向が互いに180度異なっている2つのカード挿入口を備えているものである。このようにすれば、2つのカード挿入口からのカード挿入方向が互いに最も異なる方向となるので、いずれかのカード挿入口がカード挿入者にとって都合のよい方向となる可能性が高い。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載のICカード読み取り装置において、車両のルームミラー背面に装着され、運転席側の側面および助手席側の側面に前記カード挿入口を備えていることを特徴とする。このようにすれば、カード挿入口が運転席側の側面にしかない場合に比較して、助手席側からカードを容易に挿入できるようになる。
【0015】
また、請求項3または4記載のように、2つのカード挿入口を備える場合、請求項5記載のようにすることが好ましい。その請求項5記載の発明は、請求項3または4に記載のICカード読み取り装置において、前記ICチップの各端子と接触する接触リード部として、前記2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にもそのICカードのICチップに形成されている端子と接触可能な共通接触リード部を備え、
ICカードがどちらのカード挿入口に差し込まれたかを検知する挿入位置検知手段と、その挿入位置検出手段によってカードが挿入されたことが検知されたカード挿入口の位置に基づいて、前記共通接触リード部を介して前記ICチップの端子から検出される端子信号を切り替える端子信号切替回路とを備えていることを特徴とする。
【0016】
このように、2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にもICチップの端子と接触可能な共通接触リード部を設ければ、金などの高価な材料を必要とする接触リード部の数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
【0017】
なお、ICカードの挿入方向の違いにより、共通接触リード部が接触するICチップの端子が異なってくる。そのため、単に共通接触リード部を設けるだけでは、挿入方向が違う場合に、同じ共通接触リード部を介して検出することができる信号が異なってしまうのであるが、請求項5記載の発明では、カードが挿入されたカード挿入口の位置を挿入位置検知手段によって検知して、それに基づいて端子信号切替回路により端子信号を切り替えるようにしているので、挿入方向が異なっても同じ信号をICチップから得ることができる。
【0018】
また、上記共通接触リード部は、請求項6記載のように固定型とすることもできるし、請求項7記載のように可動部を有するものとすることもできる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載のICカード読み取り装置において、前記共通接触リード部は、一方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の第1端子と接触する第1接点部と、他方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の第2端子と接触する第2接点部と、それら第1接点部と第2接点部とを連結する連結部とを備えていることを特徴とする。
【0020】
また、請求項7記載の発明は、請求項5に記載のICカード読み取り装置において、2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にも、ICカードの挿入に連動してそのICカードに接近する方向に移動する可動基台と、その可動基台を移動可能に収容して可動基台の移動方向を案内する固定案内枠と、その固定案内枠に設けられた固定リードとを備え、
前記共通接触リード部は、前記可動基台上に設けられ、一方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の端子と接触し、他方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの前記所定の端子とは異なる他の端子と接触する接点部と、前記可動基台に設けられ、前記接点部に接続するとともに、前記ICカードが挿入された状態では、前記接点部とは反対側の端部が前記固定リードと接触する可動基台側リード部とから構成されていることを特徴とする。
【0021】
また、請求項8記載の発明は、請求項3乃至7のいずれかに記載のICカード読み取り装置において、前記2つのカード挿入口にそれぞれ設けられ、そのカード挿入口を開閉する開閉部材と、前記2つの開閉部材をカード挿入口が開く方向にそれぞれ付勢する2つの付勢部材と、前記ICカードの挿入に連動して、そのICカードが挿入された側とは反対側のカード挿入口に設けられた前記開閉部材を前記付勢部材による付勢方向とは反対方向に押して、前記開閉部材をカード挿入口が閉じる位置まで移動させる移動部材とをさらに備えていることを特徴とする。
【0022】
このようにすれば、2つのカード挿入口の一方にカードが挿入されることにより、他方のカード挿入口からさらにカードを挿入することができなくなるので、誤動作防止、機器は損防止等が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明が適用されたETC車載器10の取り付け状態を示す図である。また、図2は、図1のII矢視図である。
【0024】
図1、2に示すように、本実施形態のETC車載器10は、車両のルームミラー12の背面に取り付けられて、ルームミラー12と一体化されている。このETC車載器10は、図2に示すように、助手席側の側面14にカード挿入口16設けられている。また、図示しない運転席側の側面にも同様のカード挿入口が設けられている。
【0025】
図3は、上記ETC車載器10の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、ETC車載器10は、ASIC20と、端子信号切替回路30と、挿入位置検知スイッチ40と、接触リード部50とを備えている。
【0026】
ASIC20は、半導体集積回路によって構成されたコンピュータであり、挿入位置検知スイッチ40からの信号に基づいて、端子信号切替回路30の切替制御を行うとともに、その端子信号切替回路30を介して供給されるETCカード(図示せず)に記憶された情報に基づいて、カード認証などのETC車載器としての公知の種々の処理を実行する。
【0027】
端子信号切替回路30は、ASIC20からの切替指示信号に基づいて、接触リード部50を介して検出できるETCカード内の信号を切り替えてASIC20に供給する。
【0028】
挿入位置検知スイッチ40および接触リード部50の概略図を図4に示す。図4は、ETC車載器10の装置基板60上に、挿入位置スイッチ40および接触リード部50が配置されている状態を示す図である。また、二点差線でETCカード70がカード挿入口16から挿入されたときの位置をそれぞれ示す。なお、図4では、ETCカード70が2枚挿入された状態となっているが、これは説明の便宜上であり、実際にはいずれか1枚のみが挿入される。
【0029】
挿入位置検知スイッチ40は、挿入位置検知手段として機能するものであり、2つの傾斜押圧面41、42を備えている。ETCカード70が挿入されていない状態では、図示しないスプリングからの付勢力によって、それら傾斜押圧面41、42は、装置基板60に対して傾斜した位置となっている。そして、ETCカード70が左右いずれかから挿入されると、ETCカード70の端面によっていずれかの傾斜押圧面41、42が装置基板60側へ押圧される。これによって、図示しない挿入位置検知スイッチ40の内部に傾斜押圧面41、42に対応してそれぞれ設けられた2組の接点のうちのいずれかが接触状態となるので、挿入位置検知スイッチ40により、どちらのカード挿入口16からETCカード70が挿入されたかが検知できる。
【0030】
カード挿入位置検知スイッチ40によって検知されたカード挿入位置を示す信号はASIC20へ出力される。ASIC20では、その信号に基づいて、端子信号切替回路30へ切替指示信号を出力するかどうかを決定する。
【0031】
接触リード部50は、3つの共通接触リード部52と6つの個別接触リード部53とからなり、それらが1つのリード部基板51に固定されている。リード部基板51は、使用状態の姿勢において両端の矩形部分の位置が上下方向(図4の上下方向)に異なった帯板状部材であり、その両端の矩形部分が斜めに配置されている連結部分によって連結されている。
【0032】
3つの共通接触リード部52は、いずれも同様の形状であり、且つ、互いに平行にリード部基板51上に固定されている。それら共通接触リード部52は、図左方向からETCカード70が挿入された場合に、そのETCカード70に埋め込まれたICチップ71の所定のA端子(第1端子に相当)と接触する第1接点部521と、図右方向からETCカード70が挿入された場合に、ICチップ71の所定のC端子(第2端子に相当)と接触する第2接点部522と、それら第1接点部521および第2接点部522を連結する連結部523とを有している。
【0033】
6つの個別接触リード部53は、そのうちの3つが、リード部基板51の長手方向一方の端部において、3つの共通接触リード部52の第1接触部521とそれぞれ平行に配置されている。そして、他の3つは、リード部基板51の長手方向他方の端部において、3つの共通接触リード部52の第2接触部522とそれぞれ平行に配置されている。
【0034】
図5は、接触リード部50の長手方向一方の端部の拡大斜視図である。図5に示すように、第1接点部521およびそれに対向する個別接触リード部53の端部は、いずれも、山型に上側に曲成されており、この部分がICチップ71の各端子と接触する。なお、図5において、54は端子信号切替回路30からのリード線が接続される接続部であり、この接続部54は、各接触リード部52、53につき、それぞれ1つずつ設けられている。従って、第1接点部521および第2接点部522の2つの接点部を有する共通接触リード部52の場合、第1、第2接点部521、522のいずれからの信号も、この接続部54から端子信号切替回路30へ出力される。
【0035】
このように構成された接触リード部52は、図4の左側からETCカード70が挿入された場合、3つの共通接触リード部52の第1接点部521は、上側から順に、ICチップ71のA、B、C端子とそれぞれ接触し、ICチップ71の他の端子D、E、Fは、個別接触リード部53と接触する。一方、図右側からETCカード70が挿入された場合、3つの共通接触リード部52の第2接点部522が、上側から順に、ICチップ71のC、B、A端子とそれぞれ接触し、ICチップ71の他の端子D、E、Fは、個別接触リード部53と接触する。
【0036】
図6は、本実施形態におけるASIC20の処理の一部を示すフローチャートである。この図6に示す処理は、所定周期で繰り返し実行するようになっている。
【0037】
まず、ステップS10では、ETCカード70が挿入されたか否かを判断する。この判断は、挿入位置検知スイッチ40からの信号の有無に基づいて行う。この判断が否定された場合には、本ルーチンを一旦終了する。一方、肯定判断の場合にはステップS20において、挿入位置検出スイッチ40からの信号の種類(レベル)に基づいて、左側(助手席側)からの挿入であるか否かをさらに判断する。この判断が否定判断である場合には、直接、ステップS40へ進む。一方、ステップS20が肯定判断である場合には、ステップS30において、切替指示信号を端子信号切替回路30へ出力する。これによって、端子信号切替回路30では、ICチップ71のA端子から検出される端子信号とC端子から検出される端子信号とを切り替えてASIC20へ供給する。
【0038】
そして、ステップS40では、端子信号切替回路30を介して供給されるICチップ71からの各端子信号に基づいて、公知のカード初期化処理およびカード認証処理を実行して、挿入されたETCカード70が使用可能であるか否かなどを判断する。
【0039】
以上、説明した本実施形態によれば、カード挿入口16を運転席側の側面および助手席側の側面14に備えているので、助手席からも容易にETCカード70を挿入することができる。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図7は、第2実施形態のETC車載器80の内部の機械的構成を示す斜視図である。
【0041】
ETC車載器80は、第1実施形態の装置基板60と同様の平面寸法を有する装置基板90を備えており、その装置基板90の長手方向中央に固定案内枠100が嵌め込まれている。なお、図7には示していないが、第2実施形態のETC車載器80も、第1実施形態と同様の挿入位置検知スイッチ40を備えている。
【0042】
固定案内枠100は、装置基板90と平行な長方形状の底板部101の外縁に、その底板部101に対して垂直方向に立ち上がる枠部102が固定されたものであり、その枠部102の上縁が装置基板90と同一面に位置するように、装置基板90に固定されている。また、底板部101は、その各辺が装置基板90の各辺と平行とはなっておらず、装置基板90の各辺と平行な状態から、その装置基板90と平行な平面内において所定角度回転させられた配置となっている。
【0043】
この固定案内枠100内に、直方体形状の可動基台110が収容されている。可動基台110は、固定案内枠100内をその長手方向(すなわち装置基板90の長手方向)に移動可能となっており、短辺方向の長さは、固定案内枠100の短辺方向長さよりもわずかに短い長さとなっている。また、可動基台110の上面は、装置基板90と略同一面となっている。
【0044】
この可動基台110の長手方向中央には、上方に突き出す柱状の突起111が形成されている。この突起111は、回転板120に形成された長孔121に嵌め入れられている。
【0045】
上記回転板120は、長手状であり、長孔121はその長手方向の一方の端部に形成されている。この回転板120は、その長手方向の中央付近に位置し、装置基板90に相対回転可能に固定された支持軸130に固定されて、支持軸130と一体回転するようになっている。
【0046】
この支持軸130の装置基板90と回転板120との間には、小ギヤ140が支持軸130に相対回転不能に固定されている。この小ギヤ140は、2つのピニオンギヤ142と常時噛み合っている。なお、2つのピニオンギヤ142も、回動板120が回動してもその回動板120が衝突しないように、その厚さが設定されている。また、2つのピニオンギヤ142は、それぞれ、ラック150とも常時噛み合っている。
【0047】
ラック150において、装置基板90と平行になる上面には、上方に突き出す突板151が2つ、それぞれ所定の位置に固定されている。また、ラック150には、上下方向に貫通するとともにラック150の長手方向に平行な長孔152が形成されている。一方の長孔152の形成場所は、一方の突板151と回転板120との間であり、他方の長孔152の形成場所は他方の突板151と回転板120との間である。この2つの長孔152には、装置基板90に固定された柱状の突起154がそれぞれ嵌め入れられている。これら長孔152および突起154は、ラック150の移動方向をその長手方向に規定するためのものである。
【0048】
上記突板151は、ETCカードが挿入されたときには、そのETCカードの端面によって押圧されるようになっている。突板151がETCカードによって押圧されると、その突板151を固定しているラック150がそのラック150の長手方向へ移動し、ラック150と噛み合っている2つのピニオンギヤ142およびそのピニオンギヤ142と噛み合っている小ギヤ140は回転させられる。
【0049】
そして、小ギヤ140の回転によって、その小ギヤ140と一体回転するように構成されている支持軸130および回転板120が回転する。この回転板120の回転によって、その回転板120に形成されている長孔121に嵌め入れられている突起111が移動させられるので、その突起111を固定している可動基台110が、固定案内枠100に案内されて、固定案内枠100の長手方向の一方に移動させられる。
【0050】
図8は、可動基台110および固定案内枠100の構成を詳しく示す拡大斜視図である。可動基台110には、前述の突起111の他に、嵌合突条112が形成されている。この嵌合突条112は、可動基台110の長手方向の一対の側面において、その長手方向に平行に形成されている。固定案内枠100の枠部102には、この嵌合突条112を収容して、可動基台110を案内する案内凹部103が形成されている。
【0051】
また、可動基台110には、8つの板状のリード板161〜168が固定されている。リード板161は、接点部161a、第1リード部161b、第2リード部161c、第3リード部161d、および第4リード部161eから構成されている。
【0052】
接点部161aは、ICチップ71の端子と接触する部分であり、可動基台110の長手方向中央付近に位置させられ、山型に上側に曲成されている。第1リード部161bは、可動基台110の上面に固定され、一方の端が接点部161aに連結し、ラック150に対して平行に(従って、可動基台110の上面の長手方向辺に対しては斜めに)可動基台110の上面の短辺まで延びでいる。
【0053】
第2リード部161cは、可動基台110の幅方向側面(嵌合突条112が設けられていない側面)に固定されており、一方の端が第1リード部161bの一端に連結され、そこから下方に延びている。第3リード部161dは、第2リード部161cと同じ側面に固定され、一方の端が第2リード部161cの一端に連結され、そこから可動基台110の幅方向に平行に延びて、他方の端が可動基台110の長手方向側面(嵌合突条112が設けられている側面)から突き出している。
【0054】
第4リード部161eは、一方の端が第3リード部161dの一端に連結された鉤板状であり、先端は、可動基台110の長手方向側面に向かうように曲成されている。
【0055】
他のリード板162〜168も、リード板161と同様の構成を有する接点部、第1乃至第4リード部から構成されている。
【0056】
固定案内枠100の内面には、固定リード171〜178が固定されている。固定リード171と175、172と176、173と177、174と178は、それぞれ互いに対向して設けられ、且つ、互いに鏡像の関係にある形状を有している。これら固定リード171〜178は、いずれも、枠部102の可動基台110の長手方向側面に対向する側面および底板部101に固定されている。なお、図8には、8つの固定リード171〜178が示されているが、図8には図示していない固定案内枠100の長手方向他方の端部にも、同様の8つの固定リード171〜178が固定されている。
【0057】
固定リード171〜178は、いずれも、一方の端部が枠部102に配置されており、その端部から枠部102の長手方向に平行に延びた後、垂直に底板部101まで立ち下がり、そこから、底板部101上を対向する固定リードに向かって延びた形状を有している。
【0058】
これら固定リード171〜178は、それぞれリード板165、166、161、162、168、167、164、163と接触するために設けられている。固定リード171〜178の枠部102側の端部の垂直方向高さ、およびその端部の枠部102の長手方向における長さは、可動基台110が長手方向に移動させられて枠部102の幅方向側面に接する状態(後述する図9の状態)において、端部が対応するリード板の第4リード部に接することができるように設定されている。なお、固定リード71〜178の底板部101側の端部には、端子信号切替回路30からのリード線が接続される。
【0059】
図9は、第2実施形態において、ETCカード70が挿入された状態を示す図であって、(A)は運転席側からETCカード70が挿入された状態、(B)は助手席側からETCカード70が挿入された状態をそれぞれ示している。
【0060】
運転席側のカード挿入口16からETCカード70が挿入されると、そのETCカード70の端面によって運転席側のカード挿入口16に近い側の突板151がラック150の長手方向に平行移動させられ、これによってラック150に作動的に連結された可動基台110が固定案内枠100に案内されて、挿入されたETCカード70に近づく方向に移動させられる。このとき、固定案内枠100が装置基板90に対して傾斜して配置されているため、可動基台110は図の上下方向にも移動させられる。
【0061】
そして、図9(A)のように、ETCカード70が完全に挿入された状態では、可動基台110に固定されている8つのリード板161〜168の各接点部が、それぞれ、ICチップ71と重なる位置となる。この図9(A)に示す状態では、ICチップ71のA〜F端子は、それぞれ、リード板165、166、167、161、162、163と接触する。
【0062】
一方、助手席側のカード挿入口16からETCカード70が挿入されると、そのETCカード70の端面によって助手席側のカード挿入口16に近い側の突板151がラック150の長手方向に平行移動させられ、可動基台110は、固定案内枠100に案内されることにより、挿入されたETCカード70のICチップ71に近づく方向に、上下および左右方向に移動させられる。
【0063】
そして、図9(B)のように、ETCカード70が完全に挿入された状態では、可動基台110に固定されている8つのリード板161〜168の各接点部が、それぞれ、ICチップ71と重なる位置となる。この図9(B)に示す状態では、ICチップ71のA〜F端子は、それぞれ、リード板164、163、162、168、167、166と接触する。
【0064】
このように、図9(A)の状態と(B)の状態とでは、ICチップ71の各端子と接触するリード板が全て異なるので、第2実施形態においても、挿入位置検知スイッチ40からの信号に基づいてASIC20においてカード挿入方向が判断される。そして、その判断に基づいてASIC20から端子信号切替回路30に切替指示信号が出力され、端子信号切替回路30では、その切替指示信号に基づいて信号の切替処理が行われる。
【0065】
なお、図9(A)の状態では、一番上側に位置する2つのリード板164、168を除く6つのリード板161〜163、165〜167によってICチップ71からの端子信号を検出しており、反対に、図9(B)の状態では、一番下側に位置する2つのリード板161、165を除く6つのリード板162〜164、166〜168によってICチップ71からの端子信号を検出している。このように、ICチップ71からの端子信号を検出するのに必要な数よりも上下方向に多くのリード板を設けることにより、可動基板110の上下方向の移動量を少なくすることができる
また、リード板162、163、166、167は、どちらからETCカード70が挿入された場合にも、ICチップ71の端子と接触する。従って、それらのリード板162、163、166、167は、共通接触リード部として機能する。
【0066】
図10は、図8のETC車載器80の長手方向一方の端側を拡大して示す図である。図10に示すように、装置基板90の長手方向の端部には、開閉部材180がカード挿入口16に平行に配置されている。この開閉部材180は、カード挿入口16に平行に装置基板90の立壁部分に支持されている支持軸190に相対回転不能に固定されている。一方、支持軸190は回転可能とされているので、支持軸190の回転によって開閉部材180は支持軸190周りに回転する。
【0067】
開閉部材180は、短板部181と、その短板部181よりも支持軸190に対して直交する方向の長さが長く、短板部181に対して直交する長板部182とからなる。支持軸190には、付勢部材として機能するねじりコイルバネ192が巻きつけられており、このねじりコイルバネ192により、開閉部材180は図10に示す位置となるように付勢されている。
【0068】
開閉部材180が図10に示す位置となっている状態では、開閉部材180の短板部181はラック150の端面と対向している。ETCカード70によって突板151が押されることによりラック150が開閉部材180方向へ移動させられると、ラック150によって開閉部材180が支持軸190の周りに回転(移動)させられる。このラック150が移動部材に相当する。
【0069】
ETCカード70が図9に示す位置まで挿入された状態では、開閉部材180の長板部182がカード挿入口16を塞いだ状態となり、そのカード挿入口16から別のカードが挿入されてしまうことが防止される。
【0070】
以上、説明した第2実施形態においても、カード挿入口16を運転席側の側面および助手席側の側面14に備えているので、助手席からも容易にETCカード70を挿入することができる。
【0071】
また、第2実施形態では、一方のカード挿入口16からETCカード70が挿入されると、他方のカード挿入口16が塞がれるようになっているので、他方のカード挿入口16から別のカードが挿入されてしまうことがない。従って、誤動作防止、機器は損防止等が図られる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0073】
たとえば、前述の実施形態では、ASIC20とは別に、端子信号切替回路30を備えていたが、ASIC20内において、接触リード部50からの信号を切り替えるようにしてもよい。すなわち、ASIC20が端子信号切替回路30としても機能するようになっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明が適用されたETC車載器10の取り付け状態を示す図である。
【図2】図1のII矢視図である。
【図3】図1のETC車載器10の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】挿入位置検知スイッチ40および接触リード部50の概略図を示す図である。
【図5】接触リード部50の長手方向一方の端部の拡大斜視図である。
【図6】第1実施形態におけるASIC20の処理の一部を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態のETC車載器80の内部の機械的構成を示す斜視図である。
【図8】可動基台110および固定案内枠100の構成を詳しく示す拡大斜視図である。
【図9】第2実施形態において、ETCカード70が挿入された状態を示す図であって、(A)は運転席側から、(B)は助手席側からETCカード70が挿入された状態をそれぞれ示している。
【図10】図8のETC車載器80の長手方向一方の端側を拡大して示す図である。
【符号の説明】
【0075】
10:ETC車載器(ICカード読み取り装置)
12:ルームミラー
16:カード挿入口
30:端子信号切替回路
40:挿入位置検知スイッチ(挿入位置検知手段)
50:接触リード部
52:共通接触リード部
521:第1接点部
522:第2接点部
523:連結部
70:ETCカード(ICカード)
71:ICチップ
80:ETC車載器(ICカード読み取り装置)
100:固定案内枠
110:可動基台
150:ラック(移動部材)
161:リード板
161a:接点部
161b:第1リード部(可動基台側リード部)
161c:第2リード部(可動基台側リード部)
161d:第3リード部(可動基台側リード部)
161e:第4リード部(可動基台側リード部)
171〜178:固定リード
180:開閉部材
192:ねじりコイルバネ(付勢部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに挿入方向が異なるカード挿入口を複数備えていることを特徴とするICカード読み取り装置。
【請求項2】
有料道路の自動料金収受システム用に車両に搭載される請求項1に記載のICカード読み取り装置。
【請求項3】
前記カード挿入口として、カード挿入方向が互いに180度異なっている2つのカード挿入口を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のICカード読み取り装置。
【請求項4】
車両のルームミラー背面に装着され、運転席側の側面および助手席側の側面に前記カード挿入口を備えていることを特徴とする請求項3に記載のICカード読み取り装置。
【請求項5】
前記ICチップの各端子と接触する接触リード部として、前記2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にもそのICカードのICチップに形成されている端子と接触可能な共通接触リード部を備え、
ICカードがどちらのカード挿入口に差し込まれたかを検知する挿入位置検知手段と、
その挿入位置検出手段によってカードが挿入されたことが検知されたカード挿入口の位置に基づいて、前記共通接触リード部を介して前記ICチップの端子から検出される端子信号を切り替える端子信号切替回路と
を備えていることを特徴とする請求項3または4に記載のICカード読み取り装置。
【請求項6】
前記共通接触リード部は、一方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の第1端子と接触する第1接点部と、他方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の第2端子と接触する第2接点部と、それら第1接点部と第2接点部とを連結する連結部とを備えていることを特徴とする請求項5に記載のICカード読み取り装置。
【請求項7】
2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にも、ICカードの挿入に連動してそのICカードに接近する方向に移動する可動基台と、
その可動基台を移動可能に収容して可動基台の移動方向を案内する固定案内枠と、
その固定案内枠に設けられた固定リードとを備え、
前記共通接触リード部は、
前記可動基台上に設けられ、一方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の端子と接触し、他方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの前記所定の端子とは異なる他の端子と接触する接点部と、
前記可動基台に設けられ、前記接点部に接続するとともに、前記ICカードが挿入された状態では、前記接点部とは反対側の端部が前記固定リードと接触する可動基台側リード部と
から構成されていることを特徴とする請求項5に記載のICカード読み取り装置。
【請求項8】
前記2つのカード挿入口にそれぞれ設けられ、そのカード挿入口を開閉する開閉部材と、
前記2つの開閉部材をカード挿入口が開く方向にそれぞれ付勢する2つの付勢部材と、
前記ICカードの挿入に連動して、そのICカードが挿入された側とは反対側のカード挿入口に設けられた前記開閉部材を前記付勢部材による付勢方向とは反対方向に押して、前記開閉部材をカード挿入口が閉じる位置まで移動させる移動部材と
をさらに備えていることを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載のICカード読み取り装置。
【請求項1】
互いに挿入方向が異なるカード挿入口を複数備えていることを特徴とするICカード読み取り装置。
【請求項2】
有料道路の自動料金収受システム用に車両に搭載される請求項1に記載のICカード読み取り装置。
【請求項3】
前記カード挿入口として、カード挿入方向が互いに180度異なっている2つのカード挿入口を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のICカード読み取り装置。
【請求項4】
車両のルームミラー背面に装着され、運転席側の側面および助手席側の側面に前記カード挿入口を備えていることを特徴とする請求項3に記載のICカード読み取り装置。
【請求項5】
前記ICチップの各端子と接触する接触リード部として、前記2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にもそのICカードのICチップに形成されている端子と接触可能な共通接触リード部を備え、
ICカードがどちらのカード挿入口に差し込まれたかを検知する挿入位置検知手段と、
その挿入位置検出手段によってカードが挿入されたことが検知されたカード挿入口の位置に基づいて、前記共通接触リード部を介して前記ICチップの端子から検出される端子信号を切り替える端子信号切替回路と
を備えていることを特徴とする請求項3または4に記載のICカード読み取り装置。
【請求項6】
前記共通接触リード部は、一方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の第1端子と接触する第1接点部と、他方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の第2端子と接触する第2接点部と、それら第1接点部と第2接点部とを連結する連結部とを備えていることを特徴とする請求項5に記載のICカード読み取り装置。
【請求項7】
2つのカード挿入口のいずれからICカードが挿入された場合にも、ICカードの挿入に連動してそのICカードに接近する方向に移動する可動基台と、
その可動基台を移動可能に収容して可動基台の移動方向を案内する固定案内枠と、
その固定案内枠に設けられた固定リードとを備え、
前記共通接触リード部は、
前記可動基台上に設けられ、一方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの所定の端子と接触し、他方のカード挿入口からICカードが挿入された場合にICチップの前記所定の端子とは異なる他の端子と接触する接点部と、
前記可動基台に設けられ、前記接点部に接続するとともに、前記ICカードが挿入された状態では、前記接点部とは反対側の端部が前記固定リードと接触する可動基台側リード部と
から構成されていることを特徴とする請求項5に記載のICカード読み取り装置。
【請求項8】
前記2つのカード挿入口にそれぞれ設けられ、そのカード挿入口を開閉する開閉部材と、
前記2つの開閉部材をカード挿入口が開く方向にそれぞれ付勢する2つの付勢部材と、
前記ICカードの挿入に連動して、そのICカードが挿入された側とは反対側のカード挿入口に設けられた前記開閉部材を前記付勢部材による付勢方向とは反対方向に押して、前記開閉部材をカード挿入口が閉じる位置まで移動させる移動部材と
をさらに備えていることを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載のICカード読み取り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−264936(P2007−264936A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87866(P2006−87866)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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