説明

ICタグを備えるシート状成形材

【課題】 流れ方向の切断長さに対応する間隔でICタグを取り付けたICタグを備えるシート状成形材の提供。
【解決手段】シート状成形材を切断してなる切断シート内の各ブランクのエリア内に、ICタグが少なくとも1個含まれるように、所定間隔で配置されたICタグを有するICタグ付きテープリールを用意して、該テープリールからテープを巻き出し、前記シート状成形材の流れ方向に供給し、該シート状成形材に前記テープを固着し、前記シート状成形材を所定の切断長さで切断して得られる端から端まで前記テープが固着された切断シートであって、該切断シートは、シート状の表面材と、前記一の面に対向する面を構成するシート状の裏面材を備え、前記テープは、前記表面材と前記裏面材の間に配され、前記テープと前記表面材との間には、非接着部分が形成され、該非接着部分は、シート状成形材の箱圧縮強さを低減させない幅を有するシート状成形材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグを備えるシート状成形材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ICタグを貼り付けた段ボールとして、ラベルに装着したICタグをコルゲータ上で表ライナの中しん側に貼り付けてから片段と貼合する段ボールが特許文献1に提案されている。この特許文献1に示されている製造方法は、ICタグを離型紙の上に半切りで打貫かれた個々のICタグラベルとして扱う方法で、ICタグラベルを付けたウェブの巻取りリールから同ウェブを繰り出しながら、上下の回転・押圧ローラで同ウェブを挟んで送りながら、走行する表ライナ(中しん側)の所定の位置に完結的にICタグラベルを貼り付け、他のロールでICタグラベルが取り外されたウェブを巻き取る方法である。このICタグラベルの貼り付け位置の確定は表ライナに付けられたマークをセンサ等で読み取って行うものである。
【0003】
しかし、コルゲータは毎分200mから300mで高速運転される広幅マシン(幅約2m)であり、このマシンにこの間欠式ラベラを最大取り数に合わせて多数設置することは、ラベラ用のスペースを別途とる必要があって、長さが100mを超える大型マシンの大幅改造を伴う。またコルゲータは、段ボールシートの接着強度とシートのフラット性を良好に保つためには、貼合速度を低下・変動させる運転は不適当であり、表ライナの走行速度をあまり落とさずに特許文献1に示されている間欠式ラベラを用いると、機械的にもトラブルが発生しやすい。このことにより、ICタグ貼りの不良ロスと、ICタグを傷めることによる品質ロスが多発するものと予測される。したがって、本来使い捨てられる段ボール箱に、現段階で数十円/個以上もする高価なICタグの貼り付け加工費が高く付くことになり、元々安価な包装容器においてICタグの取り付けは困難となる。
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,667,092号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような従来の欠点に鑑み、流れ方向の切断長さにおおよそ対応する間隔でICタグを取り付けたICタグを備えるシート状成形材を提供する。また、このICタグ付テープの貼り付け加工をシートの接着強度とシートのフラット性を良好に保てるように、一般段ボールを生産する際と同様の高速運転速度を略維持してICタグ付テープをシート状成形材に確実に固着するシート状成形材の製造方法、及び、シート状成形材に正常に作動するICタグの装着を保証する品質管理製造技術を発揮可能なシート状成形材の製造方法を開示する。
【0006】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面は専ら解説のものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、シート状成形材を切断してなる切断シート内の各ブランクのエリア内に、ICタグが少なくとも1個含まれるように、所定間隔で配置されたICタグを有するICタグ付きテープを巻回してなるICタグ付きテープリールを用意して、該ICタグ付きテープリールを保持するリールスタンドから前記ICタグ付きテープを巻き出し、前記シート状成形材の流れ方向に供給し、該シート状成形材に前記ICタグ付きテープを固着し、前記流れ方向に走行する前記シート状成形材を所定の切断長さで切断して得られる端から端まで前記ICタグ付きテープが固着された切断シートであって、該切断シートは、該切断シートの一の面を構成するシート状の表面材と、前記一の面に対向する面を構成するシート状の裏面材を備え、前記ICタグ付きテープは、前記表面材と前記裏面材の間に配され、前記ICタグ付きテープと前記表面材との間には、非接着部分が形成され、該非接着部分は、シート状成形材の箱圧縮強さを低減させない幅を有することを特徴とするシート状成形材である。
請求項2記載の発明は、シート状成形材を切断してなる切断シート内の各ブランクのエリア内に、ICタグが少なくとも1個含まれるように、所定間隔で配置されたICタグを有するICタグ付きテープを巻回してなるICタグ付きテープリールを用意して、該ICタグ付きテープリールを保持するリールスタンドから前記ICタグ付きテープを巻き出し、前記シート状成形材の流れ方向に供給し、該シート状成形材に前記ICタグ付きテープを固着し、前記流れ方向に走行する前記シート状成形材を所定の切断長さで切断して得られる端から端まで前記ICタグ付きテープが固着された切断シートであって、該切断シートは、該切断シートの前記一の面若しくは該一の面に対向する面に、連続的に固着されるICタグ付きテープを備え、該ICタグ付きテープがシート状成形材用引き裂き帯として使用可能となることを特徴とするシート状成形材である。
請求項3記載の発明は、シート状成形材を切断してなる切断シート内の各ブランクのエリア内に、ICタグが少なくとも1個含まれるように、所定間隔で配置されたICタグを有するICタグ付きテープを巻回してなるICタグ付きテープリールを用意して、該ICタグ付きテープリールを保持するリールスタンドから前記ICタグ付きテープを巻き出し、前記シート状成形材の流れ方向に供給し、該シート状成形材に前記ICタグ付きテープを固着し、前記流れ方向に走行する前記シート状成形材を所定の切断長さで切断して得られる端から端まで前記ICタグ付きテープが固着された切断シートであって、該切断シートは、該切断シートの一の面を構成するシート状の表面材と、前記一の面に対向する面を構成するシート状の裏面材を備え、前記切断シートの前記一の面若しくは該一の面に対向する面に、ICタグ付きテープが連続的に固着されるとともに該ICタグ付きテープがシート状成形材用引き裂き帯として使用可能となることを特徴とするシート状成形材である。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記ICタグ付きテープがプラスチックフィルム製テープ基材に電子回路をプリントすることにより形成され、該電子回路上に保護コートが被覆されてなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート状成形材である。
請求項5記載の発明は、前記ICタグの間隔が、5cm以上300cm以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のシート状成形材である。
請求項6記載の発明は、前記ICタグ付きテープの幅が、2mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のシート状成形材である。
請求項7記載の発明は、前記ICタグ付きテープの幅が、4mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項6記載のシート状成形材である。
請求項8記載の発明は、前記切断シートを得た後、該切断シートが所望形状に打ち抜き加工されることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のシート状成形材である。
請求項9記載の発明は、前記シート状成形材が切断される前に、エンコーダの下方をシート状成形材が走行し、前記エンコーダは、該エンコーダの下方を流れるシート状成形材の通過長さの信号を生産管理装置に送り、検出手段は、シート状成形材に固着されたICタグの位置信号を前記生産管理装置に送り、該生産管理装置によって、前記打ち抜き加工によって生ずるトリム内に前記ICタグが存在するか否かが前記エンコーダと前記検出手段の信号に応じて演算されることを特徴とする請求項8記載のシート状成形材である。
【0009】
請求項10記載の発明は、シート状成形材を切断してなる切断シート内の各ブランクのエリア内に、ICタグが少なくとも1個含まれるように、所定間隔で配置された前記ICタグを有するICタグ付きテープを巻回してなるICタグ付きテープリールを用意して、該ICタグ付きテープリールを保持するリールスタンドから前記ICタグ付きテープを巻き出し、前記シート状成形材の流れ方向に供給し、該シート状成形材に前記ICタグ付きテープを固着し、前記流れ方向に走行する前記シート状成形材を所定の切断長さで切断して得られる端から端まで前記ICタグ付きテープが固着された切断シートであって、該切断シートは複数の層を備え、前記ICタグ付きテープは、前記複数の層間に配されるとともに接着剤或いは粘着材を用いることなしに固着されることを特徴とするシート状成形材の切断シートである。
請求項11記載の発明は、前記複数の層が湿紙の層であり、前記ICタグ付きテープの固着が、該湿紙の層間に前記ICタグ付きテープを配した後、前記切断シートを乾燥させることにより行われることを特徴とする請求項10記載のシート状成形材の切断シートである。
請求項12記載の発明は、前記切断シートがプラスチック製切断シートであり、前記ICタグ付きテープの固着が熱溶融により行われることを特徴とする請求項10記載のシート状成形材の切断シートである。
請求項13記載の発明は、前記複数の層間の貼合が、デンプン糊又は酢酸ビニルエマルジョンを用いて行われることを特徴とする請求項10記載のシート状成形材の切断シートである。
請求項14記載の発明は、前記ICタグ付きテープがプラスチックフィルム製テープ基材に電子回路をプリントすることにより形成され、該電子回路上に保護コートが被覆されてなることを特徴とする請求項10乃至13いずれかに記載のシート状成形材の切断シートである。
請求項15記載の発明は、前記ICタグの間隔が、5cm以上300cm以下であることを特徴とする請求項10乃至14いずれかに記載のシート状成形材の切断シートである。
請求項16記載の発明は、前記ICタグ付きテープの幅が、2mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項10乃至15いずれかに記載のシート状成形材の切断シートである。
請求項17記載の発明は、前記ICタグ付きテープの幅が、4mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項16記載のシート状成形材の切断シートである。
請求項18記載の発明は、前記切断シートを得た後、該切断シートが所望形状に打ち抜き加工されることを特徴とする請求項10乃至17いずれかに記載のシート状成形材の切断シートである。
請求項19記載の発明は、前記シート状成形材が切断される前に、エンコーダの下方をシート状成形材が走行し、前記エンコーダは、該エンコーダの下方を流れるシート状成形材の通過長さの信号を生産管理装置に送り、検出手段は、シート状成形材に固着された前記ICタグの位置信号を前記生産管理装置に送り、該生産管理装置によって、前記打ち抜き加工によって生ずるトリム内に前記ICタグが存在するか否かが前記エンコーダと前記検出手段の信号に応じて演算されることを特徴とする請求項18記載のシート状成形材の切断シートである。
【0010】
本発明のICタグ付テープでは、シート状成形材にそのままで一体的に備えられるICタグ付テープであって、テープ基材にICタグを適宜間隔状に有していることを特徴とする。
本発明におけるICタグとは、外部の無線アンテナから電波を受けて読み込んだデータをICチップ内に一体化した内部アンテナから発信するように封止したICチップとアンテナからなるICタグ、前記ICタグをインレット(基盤フィルム)に取り付けたインレット付ICタグ、前記ICタグに外部アンテナを取り付けた外部アンテナ付ICタグ、インレット及び外部アンテナ付ICタグ、これらの各ICタグをラミネートフィルム等のカバー材に固着したものを含む。更には、ICタグの代替として、このプロセッサ機能をもつように印刷方式で形成した有機トランジスタを用いるものも含まれる。基本的には、論理・記憶回路を持つ非接触タイプの無線プロセッサと情報を発信する無線アンテナを最低限有する構成物(ICチップ)を連続する基材(テープ基材)に固着・形成してあるICタグであればよい。
テープ基材は、幅が2mm乃至100mm、好ましくは4mm乃至10mmであり、このテープ基材におけるICタグの間隔は、5cm以上300cm以下の略一定間隔になる。
そして、かかるICタグ付テープは、カットテープ、封緘材、結束材、表示材等に、そのまま使用することが可能であり、用途に応じてテープ基材の材質等を適宜選択することになる。
【0011】
シート状成形材では、前記したICタグ付テープを備えていることを特徴とする。シート状成形材はICタグ付テープを備えているものであればよく、同テープを備えた段ボール、同テープを備えた紙、同テープを備えた合成樹脂シート、同テープを備えた合成樹脂フィルム、同テープを備えたその他のシート状の成形材が対象となり、例えば段ボールである場合、片段と表ライナ又は中ライナの間にICタグ付テープを位置決めなしで端から端まで備えてあるものであってもよい。また、段ボールの表または裏ライナ側表面に粘着材付のICタグ付テープを位置決めなしで端から端まで備えてあるものであってもよい。更に、抄き合わせを行う紙においては、構成する紙層間に上述のICタグ付テープを位置決めなしで端から端まで備えてあるものであってもよい。また、シート状成形材には、前記に加えて、各種のパッケージ製品等の加工品も含まれる。
【0012】
シート状成形材の製造方法において、シート状成形素材の流れ方向に沿い上記のICタグ付テープを供給し、シート状成形素材にICタグ付テープを備え、所定の長さに切断して、ICタグ付テープを備えたシート状成形材として切断シートを製造する。
シート状成形素材は、段ボール、紙、合成樹脂シート、合成樹脂フィルム、その他のシート状の成形素材であり、このシート状成形素材に供給されるICタグは、それらの素材の表面に供給されるようにしてもよいし、各素材の成形過程で抄き込まれるように供給されてもよい。
ICタグ間隔がシート状成形素材の流れ方向より短く設定されたICタグ付テープをシート状成形素材に位置決めなしで供給する。
ICタグ付テープが供給されるシート状成形素材の流れ方向において、ICタグを作動させることでICタグの位置を検知するアンテナ付きのリーダ・ライタからの信号と、走行するシート状成形素材の切断長さを計測するエンコーダからの信号を用いてICタグの位置を生産管理装置が演算し、切断シート内に1個のケースを製作するための成形エリア内に、ICタグが存在する切断シートを良品として識別し、ICタグが存在しない切断シートを不良品として識別し、それぞれの信号を生産管理装置が発信するようにする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高速で連続生産される段ボール等のICタグ付シート状成形材の製造ラインに有用である。
シート状成形材が段ボールである場合、ICタグ付テープを片段とライナの間に挿入した場合、連続するテープとして原紙間に挟まれることから、ICタグ付テープは所定の位置に強固に固定される。また、粘着材付に仕上たICタグ付テープを用いて段ボールの裏ライナ表面に固着した場合でも、十分な固着面積と固着力が得られる。したがって、段ボール箱に加工する製函工程において、送りロールによる摩擦又は衝撃があっても脱落することはなく、また輸送箱に加工されて出荷される物流過程において輸送振動・落下衝撃によるICタグの脱落を防止でき、輸送箱同士の磨耗が生じても表ライナより内側にICタグが存在することでICタグの損傷を防止できる。
また、適宜の幅にスリットしたテープ基材に適宜間隔でICタグを取り付けたICタグ付テープをリールに巻いておき、このテープをコルゲータの高速貼合に合わせて連続して繰り出して固着できる。このテープの固着方法は、機械的な取扱いが容易になる。したがって、このICタグの貼り付け加工は手穴等の補強用紐入れ(貼合工程において片段とライナの間へ紐を挿入する)と同様のサンドウィッチ加工として扱える。この挿入に用いるICタグ付テープには粘着材または接着剤の塗布は必須ではない。また、このテープを粘着材塗布のICタグ付テープに仕上ると一般の胴切り・陳列箱用のカセットテープ貼り(段ボールの裏ライナ側にカットテープを貼着する)と同様に貼り加工を行える。従来から行われているこれらの加工法と比べ、本発明のICタグ付テープのテープ貼りがなされることによる新たな品質問題及び生産性の問題は発生しない。ここに示す2種類のICタグ付テープの固定法は、従来のラベルとして一枚ずつ剥離・転移後に固着するに比較して、品質保証の面及び加工ロス率低減で効果がある。
本発明に係るICタグ付テープを用いるICタグ貼り付け加工法は、従来の小さなICタグラベルを高速で一個ずつ所定の位置に貼る加工法に比べ、機構的にシンプルになる。ICタグをテープ状にすることで取扱いがやりやすくなり、これをシート状成形材例えば段ボール原紙の紙幅に対するテープの位置を指定するだけで、段ボールの流れ方向(マシン方向)に対するICタグの貼り位置を指定する必要がないため、ICタグ付テープの貼り付け装置はリールの駆動装置つき保持装置とテープのガイドからなる比較的簡易的な装置で済む。基本的には前記した従来のテープ・紐加工に使用されている装置をそのまま、または若干の改造を加えることで使用できるようになる。このような簡易的装置を使用することで、ICタグ付テープの貼り加工費を安価にすることができる。
シート状成形材例えば段ボールケースの内側、又は、切断シートの上に貼る方法においては、テープが露出していることで、ICタグ付テープを備えたケース又は切断シートとして明確に目視でき、他の無加工(ICタグ付テープ無し)のものと識別できる。これは段ボール加工工程及び顧客の保管管理において品質トラブルを未然に防ぐ効果がある。特に、ICタグ付ケースが完全普及する途中の段階において効果がある。同時に、このICタグ付テープはICタグに損傷を与えることがないように、シート状成形材そのものの取扱注意を促す効果もある。
顧客のスペックに基づいてコルゲータのスリッタで所定の幅寸法に切り、後続のカット装置で所定長さに切った切断シートに確実に最低一個のICタグが貼られていることを保証できる効果がある。
また、段ボール工場には1000点以上スペックがあり、これによって分類される切断長さも500種類以上の極めて多種類になる。全ての顧客のスペックに合わせたICタグ付テープを在庫することは不可能であり、また、他品目又は他の顧客の生産品との共通性をある程度保ってICタグ付テープのリール換えの頻度を低減する必要があるために、所定長さに対して、大まかに合わせたICタグ間隔のテープを用いるのが実際的な方法である。このようなテープをICタグの位置を考慮することなく繰り出して固着する段ボール生産において、アンテナ付のリーダ/ライタがICタグを作動させることでICタグの存在を検知し、エンコーダが切断長さを計測すると同時にリーダ/ライタの信号とエンコーダが出す信号を用いて演算すれば、切断シートの中にICタグが1個存在するシートを良品として識別し、それ以外を不良品として排除する信号を発信できる。これらの信号を受け取る装置間の信号ループの中で、不良シート除去装置が不良品信号で確実に不良シートを除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の一実施形態として、ICタグ付テープの構成、これを段ボールに貼り付ける製造方法及びこの段ボールの検査方法を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に示す本発明のICタグ付テープ(30)は、図1(a)及び図1(b)に示す2種類の構成が代表的である。(ここで言うICは、シリコン半導体等を使用したICの他に、プラスチックフィルム上に印刷方式で電子回路等をパターン形成する有機トランジスタを含む)。
図1(a)のICタグ付テープ(30)では、連続するテープ基材(2)にICタグ(20)が略一定間隔で取り付けられており、テープ基材(2)は、段ボールにICタグ(20)を取付けやすくするため、2mm乃至100mm幅に形成されている。このICタグ(20)は、IC(チップに保護材が付けられているもの)(3)とアンテナ(通常はICに包含されている内部アンテナと区別して外部アンテナとも呼ばれる)(4)で構成されている。
図1(b)のICタグ付テープ(30)では、IC(3)及びアンテナ(4)の下に別の基盤フィルム(インレット)(5)を配置したものである。このICタグ(20)ではこれら3個のパーツ(IC、アンテナ、基盤フィルム)から構成されていて、テープ基材(2)を任意に選定できる。
図2の本発明のICタグ付テープ(30)では、前記した図1(a)或いは図1(b)におけるICタグ(20)上にラミネートフィルム等のカバー材(6)が張設されて形成されている。
【0016】
図1の2種類のテープは、ICタグ(20)がテープ基材(2)の表面に見えていて、ラミネートフィルム等のカバー材(6)が付与されていない態様のものである。テープ基材(2)を任意に選定できるが、紙系の基材(厚さは0.05mmから0.2mmの範囲で、茶模造紙、クラフト紙等が使用される。耐水性をある程度付与した一般的紙を使用するとアルカリ性の糊液の影響を排除できる)を用いると、アンテナ部の蒸着加工その他の加工がやりやすくなり、価格的に有利になる。また、プラスチックフィルム上に印刷方式で有機トランジスタを形成し、この有機トランジスタを略一定間隔で形成して、所定幅に整えながら紙管に巻きつけると、ICタグ付テープ(30)が巻かれたリール(1)を容易に作成することができるようになる(図2参照)。
【0017】
図3には本発明のICタグ付テープを有するシート状成形材における一実施形態として、段ボールを例示している。
図3(a)の段ボール(40)は、表ライナ(8)と中しん(10)と裏ライナ(9)とICタグ付テープ(30)からなり、ICタグ付テープ(30)は図1(a)或いは図1(b)の態様のもので、波形の中しん(10)と表ライナ(8)の間に固着されている。そして、ICタグ(20)が装着されている側は、表ライナ(8)側に向けて配設されている。ここでテープ(30)の固着状態とは、ICタグ付テープ(30)の周囲に接着剤を用いてテープ基材(2)を移動できない状態に周囲を固めている態様のものも含むものである。
図3(b)の段ボール(40)は、表ライナ(8)と中しん(10)と裏ライナ(9)とICタグ付テープ(30)からなり、ICタグ付テープ(30)は図2の態様のもので、テープ基材(2)側を表ライナ(8)の表面に粘着材(7)で接着されている。そして、ICタグ(20)が装着されている側はカバー材(6)が表面材として露呈している。
【0018】
図4には、本発明のICタグ付テープを有するシート状成形材における一実施形態として、包装箱を例示しており、この包装箱(60)では、ICタグ付テープ(30)をカットテープとして採用している。
【0019】
図5には本発明のICタグ付テープを有するシート状成形材における一実施形態として、表紙カバー、帯を例示しており、この表紙カバー(70)或いは帯(71)では、ICタグ付テープ(30)が紙層間に埋設或いは表面に接着される等して一体的に配設されている。またICタグ付テープ(30)は切り取り目線(72)から切り離し可能に形成してある。他の態様の一例として、図6に例示しているように、ICタグ付テープ(30)をハードカバー(73)の背部分に配設してあるものとしてもよいし、図7に例示するように、ICタグ付テープ(30)で包装袋(74)の底部分を形成してあるものとしてもよい。
また、図示していないが、このICタグ付テープ(30)は、シート状成形材の切断長さ全体に機械的に取付ける以外に、商品自体を展示して販売する一般商品(衣料品、食器、家具等)に用いることができる。従来のICタグ・ラベルと比べても、テープの特性から曲面或いは角部に長く巻きつけて貼ることができる。したがって、ICタグを固定しにくい表面状態を持つ商品に対しても、ICタグが流通過程或いは店舗で脱落しにくくなる。このICタグ付テープを粘着材付の巻きテープとして準備しておけば、包装機械で容易に商品に取付けられるし、野菜等の結束紐として機能させることもできる。
自動テープ繰り出し機の切断長さの設定をICタグの取り付け間隔より大きめにしておけばよい。この場合には、切断されるICタグ付テープ内に2個のICタグ(20)が存在する確率があり、データを読み取るリーダ・ライタ(96)の運用ソフトをICタグ(20)の選択使用が行われるように変更する必要がある。
【0020】
図8乃至図10には本発明のシート状成形材の製造方法における一実施形態として、前記した図3(a)の段ボールの製造方法を実施するのに採用した製造装置を例示している。
製造装置(80)は、裏ライナロール(81)から供給される裏ライナ(9)をヒータロール(82)で加熱し、この裏ライナ(9)と、別に中しんロール(83)から蒸気・ヒータロール(84)及び糊付け装置(85)並びに波付け装置(86)を経て供給されてくる波状中しん(10)をプレスベルト(87)で貼り合わせる。そして、かかる片段(50)の中しん(10)頂部に糊付け装置(88)で糊付けし、この片段(50)と、表ライナロール(89)からヒータロール(90)を経て供給されてくる表ライナ(8)を上下のロール(91)で貼り合わせる。この際、片段(50)と表ライナ(8)間にはICタグ付テープリール(1)からICタグ付テープ(30)を供給する。かかる重合状の表ライナ(8)と中しん(10)と裏ライナ(9)とICタグ付テープ(30)からなる段ボール(40)は、熱盤群(92)を通過させて貼合し、スリッタ(93)で幅切りした後、カッター装置(94)で切断してICタグ付テープ(30)が配設された切断シート(100)を形成している。カッター装置(94)による切断工程は生産管理装置(95)に制御されて進められる。
生産管理装置(95)は、ICタグ付テープ(30)が走行する段ボール(40)の流れ方向において、ICタグ(20)を作動させることでICタグ(20)の位置を検知するアンテナ付のリーダ・ライタ(96)の信号と、走行する段ボール(40)の切断長さを計測するエンコーダ(97)の信号を用いてICタグ(20)の位置を演算し、切断シート(100)内に1個のケースを製作するための成形エリア内に、ICタグ(20)が存在する切断シート(100)を良品として識別し、ICタグ(20)が存在しない切断シート(100)を不良品として識別し、当該不良品をラインから自動的に排除する信号を発信するようにしてある。
【0021】
次に、かかる製造装置(80)による段ボールの製造方法について説明する。ICタグ付テープ(30)は、片段(50)と表ライナ(8)を貼り合わせる工程で組み込まれ、波形の中しん(10)と表ライナ(8)の間に固定されている。そして、ICタグ(20)が装着されている側を表ライナ(8)側に向けてあると、コルゲータのグルーマシンによって自動的に中しん(10)の段頂に付着されるデンプン糊はICタグには触れないことになるので好ましい。この組み込まれたICタグ付テープ(30)は、この後にコルゲータの熱盤パートを通過して行くが、熱盤と接する表ライナ(8)の裏側にあるため、90℃付近以上の温度にはならない。したがって、ICタグ(20)の性能は保持される。
【0022】
この方法では、段ボール(40)の貼合に一般的に用いるデンプン糊または酢酸ビニルエマルジョンで接着する材料のテープ基材(2)を用いていれば、通常の段ボールの貼合工程において、ICタグ付テープ(30)のいずれかの片側を中しん(10)で接着剤により固着することになる。したがって、テープ基材(2)がデンプン糊または酢酸ビニルエマルジョンで接着しない材質である場合、ICタグ付テープ(30)の表ライナ(8)側にはデンプン糊が塗布されず、段ボール構造体としては欠陥ともいえる部分的な非接着部分(ドライストリーク)が生じることになる。しかし、段ボールにおいて非接着部分が5mm程度であればデータ的にこの部分が重要な箱圧縮強さを低下させることはないことが明らかとなっている。そのため基本的には中しん(10)の段頂に塗布されるデンプン糊と接着しないプラスチック系のテープ基材(2)を選定しても、箱圧縮強さを低下させる問題は生じない。
【0023】
通常、この片段(50)と表ライナ(8)の間にICタグ付テープ(30)を入れる場合は、コルゲータの操作側の通路スペースにキャスタ付架台を設け、ここにリールスタンドを最大幅切り数に合わせて複数個セットし、熱盤群(92)入口に向けて傾斜をつけてICタグ付テープ(30)が所定の位置に入るようにしたガイド付装置(図示せず)を設置する。
【0024】
ラミネートフィルム製のテープ状カバー材(6)とテープ基材(2)でICタグ(20)をサンドウィッチしたICタグ付テープ(30)(図2を参照)を形成することもでき、このICタグ付テープ(30)を段ボール(40)に貼る際にICタグ(20)表面が傷まることを防止できる。このICタグ付テープ(30)を片段(50)と表ライナ(8)の間に挿入して、波形の中しん(10)と表ライナ(8)の間に固定することもできる。また、このサンドウィッチ構造のICタグ付テープ(30)は、一般の段ボール加工に使用するカットテープ(缶ビール用で使用されるラップラウンドケースのディスプレー用の粘着材付引き裂き帯)と類似の粘着材(7)を塗布した粘着材付のICタグ付テープ((30)に仕上ることができる。
【0025】
このカバー材(6)(ラミネートフィルム)に表面処理を施しておけばブロッキングを防止でき、リールに巻き取ることができる。このカバー材(6)を有するテープ構造にすることによって、カットテープと同様に段ボールの裏ライナ(9)側に連続して固着させることができる。テープ基材(2)の紙の厚さを0.05mmから0.1mmの薄い範囲で使用し、ラミネートフィルム製のカバー材(6)は10マイクロメートルから60マイクロメートルの厚さの延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、通常のカットテープに近い厚さにして、同等の引張強さを維持する構成にするなら、カットテープの機能も兼ね備えることができる。
【0026】
この粘着材付のICタグ付テープ(30)は有機トランジスタをICに使用した場合、プラスチックフィルム製のテープ基材(2)の上に直接、アンテナを含む電子回路をプリントできるため、電子回路の部分に保護コートを被覆して、コルゲータ・オンマシン加工に必要な強度を持ったテープ基材(2)を選定し、このテープ基材(2)の一方の表面に粘着材を塗布することにより、ラミネートフィルム製のカバー材(6)が不要になり、カットテープと同様の一層ICタグ付テープ(30)に仕上ることができる。
【0027】
粘着材を塗布したICタグ付テープ(30)のリール(1)を設置する場所はコルゲータのカッター装置(94)の上流である。この製造装置(80)には、高速で走行する段ボール(40)のスピードに追随できるようにする駆動装置(図示せず)がついており、ICタグ付テープ(30)の貼り付け開始時に高速運転する際に過度のテンションがICタグ付テープ(30)に負荷されないようにする上で好ましい。
【0028】
ICタグ付テープ(30)のICタグ(20)同士の間隔について説明する。この間隔は顧客スペックが関係する。基本的には、1ケースに仕上るシート面積中に1個のICタグ(20)が貼り付けられている必要がある。したがって、ICタグ(20)を取付けるために使用するICタグ付テープの間隔は、一般的には、コルゲータのカッター装置(94)で所定の長さに切られるシート長さによって決められる。このシート長さは顧客の種々のスペックに基づいて切られ、段ボール工場では1000点以上のスペックがあることから、切断シート長さは千差万別である。これによって分類される切断長さも500種類以上のきわめて多種類になる。全ての顧客の全スペックに合致させたICタグ間隔を有するICタグ付テープ(30)を在庫することは不可能である。したがって、他品目または他の顧客の生産品との共通性をある程度保ち、ICタグ付テープ(30)のリール1換えの頻度を低減するために所定長さに対して、おおよそ合わせたICタグ間隔のICタグ付テープ(30)を用いるのが実際的である。
【0029】
ICタグ間隔が関係する段ボールブランクの流れ寸法は、段ボール工場に設置されているシングルフェーサの段ロールの種類によって、または受注する品目等によって偏りが生じる。細かい段のGフルート(厚さ1mm程度)、Bフルート(3mm程度)等を用いて作る箱は菓子箱のような比較的小さな箱である。Aフルート又は二層の複両面段ボールを使用するものは、花卉箱・パソコン箱等のやや大きめの箱である。事務機・家具等の大形の箱まで含めて作る工場もある。この中で平均的なサイズであるみかん箱・小型テレビ箱等は天面にフラップがつくA−1形で作られるが、展開状態でのシート切断長さ(流れ方向)はおおよそ1.2mから1.8mである。
【0030】
これに対し、缶ビール等のラップラウンド形式になると切断シート(100)の1ケース当りの流れ方向のシート切断長さは短くなり、30cmから60cm程度になる(カッター装置(94)の設定切断長さは、1ケース当たりの寸法が小さい場合には2ケース分、または3ケース分を合わせて大きい寸法にして切る)。一枚の両面段ボール又は複両面段ボールシートで作る大型の箱(A−1形)の流れ方向の最大シート切断長さは280cm程度である。したがって、1ケースに仕上るシート面積に対して1個のICタグ(20)が貼り付けられている必要があるため、段ボール箱の最小ICタグ間隔は、30cm付近となる。また、段ボール箱の最大ICタグ間隔は、280cm付近となる。
【0031】
上記のICタグ付テープ(30)は段ボール原紙を用いないプラスチック製段ボールについても、ICタグ付テープ(30)のICタグ間隔を略同様の仕様で使用することができる。このICタグ付テープ(30)の固着技術についてプラスチック製段ボールの生産機における熱溶融で貼合する工程において同様に適用させることができる。
【0032】
また、上述のICタグ付テープ(30)の固着技術は、段ボールのように紙を段繰りまたは空気層を設けて積層することがない包装材にも適用できる。加工紙とプラスチックフィルムをそれぞれ1枚、または複数枚をラミネートして形成された積層厚紙を用いて容器の形に成形するミルクカートンのような紙パック、または、ラミネートを行わない単シートをそのまま使用する目薬カートン・菓子容器のような板紙を用いる紙器、または化粧品・ギフト品に用いられるプラスチックシートを用いる折り畳みプラスチック容器(透明プラスチックシートを材料にした容器はクリアパッケージと呼ばれる)に対してもICタグ付テープ(30)を使用することができる。
【0033】
前者の積層体についてはラミネート加工の際に、内部、表側、または裏側のいずれかに一定間隔でICタグ(20)を形成したICタグ付テープ(30)を位置決めなしで連続的に固着できる。抄紙機及び押出機で単層に仕上られる単層の紙器・折り畳みプラスチック容器については、紙またはプラスチックシートの表側又は裏側にICタグ付テープ(30)をシート長さに合わせて切断しながら、断続的にICタグ付テープ(30)を固着する。この中で例外的に抄紙機で単層に仕上られ、巻取りから連続的に板紙を繰り出しながら簡易容器に仕上るマルチパックがある。この生産方式のマルチパックは、連続的な加工を施す印刷加工又はしわ取り加工のパートでICタグ付テープ(30)を連続固着する。これらの比較的小型の容器は輸送容器と異なり、個装パッケージであり外力による損傷がほとんどないため、容器の外側にもICタグ付テープ(30)を固着使用できる。容器サイズも輸送容器より小さく、ICタグ付テープ(30)のICタグ間隔は段ボール容器のそれより小さくなり、30cmから100cmの範囲である。
また前者の積層体の一種ともいえるものに一般的な紙がある。この紙は、調整した天然繊維を他の添加物とともに水を加えて懸濁状態にした紙料液(パルプ液)を抄紙機の走行するメッシュ網上でフロー・脱水して薄い湿紙を形成し、次に、これを複数層、順次抄き合わせてから乾燥させることで多層紙にするが、この紙の製造において、この走行する湿紙間に最終切断長さより若干短めの一定間隔を有しているICタグ付テープ(30)をリールから連続的に繰り出し、乾燥させた紙の層間に最低1個のICタグ(20)が存在するように固着する。この場合のテープ基材(2)は紙料との結合を良好にするために薄い同質の紙を用いるのが好ましい。このICタグ(20)の間隔は、紙幣、証券等に仕上がる紙の流れ方向における最終切断長さに規定されるが、小さいものでは最低5cm程度になる。
【0034】
段ボールにおけるICタグ付テープ(30)のICタグ(20)の貼り位置は段ボールの貼合方向である流れ方向において特定する必要はない。ICタグ付テープ(30)を段ボール(40)に対して位置決めなしで繰り出し、製函工程のダイカッタで打貫かれる場合を含めて、ケースに仕上げる流れ方向と幅方向からなるカットエリア内の任意の位置にICタグ(20)が1個存在するようにする。実際的には、抜き打ち等でトリムとしてカス落しにならない部分が長くなる部分をICタグ付テープ(30)の貼り位置に選択する。この生産に使用するICタグ付テープ(30)のICタグ間隔とシート切断長さが一致しない場合には、近似する間隔にICタグ(20)を設けているICタグ付テープ(30)を使用することになり、これが一般的な生産方式になる。スペック切断長さ(トリムが生じる場合はトリム分を除外した切断長さ)よりICタグ(20)の間隔が長い場合には、ある頻度でICタグ(20)が無い切断シートが発生する。反対に、スペック切断長さ(トリムが生じる場合はトリム分を除外した切断長さ)に対してICタグの間隔が短い場合には、ある頻度でICタグ(20)が2個以上の複数個が存在する切断シート(100)が発生する。
【0035】
切断長さに対してどの程度までのオーバーハング(ICタグ間隔の方が大きくずれている)またはアンダーハングを認めるかは、段ボールメーカのロス率の見極め及び生産スケジュールで決定される。つまり、スペック長さに対して、ICタグ(20)の大きなオーバーハングがあると、ICタグ(20)が無い不良シートとして排除する生産ロス率が高くなり、メーカとして限度を設けることになる。この限界値を低く抑えるには、ICタグ間隔を細かく何十通りかになるICタグ付テープ(30)を用意し、注文に備える必要がある。この間隔の設定と用意する種類は受注の内容に関係する。更には、平均シート単価とICタグ(20)またはICタグ付テープ(30)の価格が関係する。
【0036】
ICタグ付テープ(30)を有する段ボール箱の製造において、段ボール(40)とICタグ(20)のロスを最低限にしてICタグ付テープ(30)の在庫種類を少なく抑える管理を行うことが必要になる。例をあげると、比較的切断長さの種類が集中する範囲の切断長さに対しては、±5cmになるICタグ間隔のICタグ付テープ(30)を用いる。実際のシート切断長さを125cmとした場合、ICタグ間隔が120cmであるシート切断長さより短いICタグ付テープ(30)を使うと、25枚のうち1枚はICタグ(20)が2個貼られてしまい、切断シート(100)とICタグ付テープ(30)に4%のロスが生じる計算になる。反対にICタグ間隔が130cmであるシート切断長さより長いICタグ付テープ(30)を使うと、26枚に1枚はICタグ(20)のない切断シート(100)が生じる。ともにロスが発生するが後者のほうが若干少なくなる。
【0037】
しかし、ICタグ運用ソフトで2個のうちどちらかのICタグ(20)を選択使用するように規定しておけば、ICタグ(20)が2個貼られていても、その切断シート(100)は不良シートにはならない。つまり、顧客との仕様決定において2個貼りを許容するならば、基本的には切断シート(100)の切断長さよりICタグ間隔が短いICタグ付テープ(30)を選択使用する方がICタグ(20)の位置に起因するシートロスは生じないため、有利である。更には後述するトリム寸法の中にICタグ(20)が入らないようにICタグ付テープ(30)を選択使用するならば、カットオフ後の工程でICタグ(20)の位置及び存在個数によって不良シートとして除去する必要がなくなる。
【0038】
また、顧客のスペックによってICタグ(20)が2個貼られている切断シート(100)を許容できない場合、スペック切断長さよりICタグ間隔を大きくすると、ある頻度で生じるICタグ(20)のない切断シート(100)を除去する必要がある。反対に、スペック切断長さよりICタグ間隔を小さくすると、ある頻度で生じるICタグ(20)が2個貼られている切断シート(100)を除去する必要がある。
これらのICタグ無しの不良の切断シート(100)が、連続して生産される切断シートにないことを保証する生産体制を構築する必要がある。
【0039】
ICタグ付テープ(30)を有する段ボール(40)の検査方法について説明する。最も簡単な方法は、カッター装置(94)によって切断された切断シート(100)が搬送され始めたときに、カッター装置(94)の下流にある無線アンテナ付のリーダ・ライタ(96)(走行するシートに接近して設置されている)が、切断シート(100)の通過を知らせるセンサから切断シートが通過中であるという信号の出ている間に、切断シート(100)内にICタグ(20)が1個存在することを読取・検知できれば、良品として次工程のオートスタッカに移動させる。また、リーダ・ライタ(96)が、切断された切断シート(100)が通過中であるという信号の出ている間に、ICタグ(20)を読取・検知したことの信号を発しない場合、或いはICタグ(20)が2個存在していることの信号を発しない場合には、その切断シート(100)を不良シートとしてオートスタッカの前で除去する。
【0040】
しかし、ICタグ(20)が2個付いていることが良品として承認されている場合には、切断された切断シート(100)が通過中であるという信号の出ている間に、切断シート(100)内にICタグ(20)が2個存在することを読取・検知できれば、良品として次工程のオートスタッカに移動させる。当然ながら、所定のシート長さに対してICタグ付テープ(30)におけるICタグ間隔が極端に小さければ、2個存在が良品で3個存在が不良ということの検査条件の設定もあり得る。
【0041】
この検査方法は図9に示すように、エンコーダ(97)の信号を利用する方法である。通常エンコーダ(97)の信号を基に所定のシート長さを演算し、エンコーダ(97)とリーダ・ライタ(96)及びカッター装置(94)の位置関係を数値化しておけば、カッター装置(94)に段ボールを所定長さで切断する指示を生産管理装置(95)に出すが、この所定長さでカットされる予定の切断シート(100)の寸法内にICタグ(20)が1個又は2個存在するかをエンコーダ(97)とリーダ・ライタ(96)で読取・検知する。ICタグ(20)の作動する信号を発するアンテナ付リーダ・ライタ(96)をカッター装置(94)の上流に設置して、このICタグの読取信号は、ICタグの位置信号として活用できる。このリーダ・ライタ(96)が出すICタグ存在の信号を生産管理装置(95)が受けて、ICタグ(20)が切断する所定長さ内であるかを判断し、切断する所定長さ内でICタグ(20)が存在していることの信号であれば、その切断シート(100)の切断を指示し、切断する所定長さ内にICタグ(20)が存在していることの信号がなければNG信号を出すようにプログラムする。
【0042】
この検査方法であれば、1枚の切断した切断シート(100)の寸法内に打ち抜き加工又はグルーイング加工等の製函工程で生じる落ち代が含まれている場合でも、正確にICタグ(20)が無いことの不良を検出できる。図10はラップラウンドケースの切断シート(100)を打ち抜くための切断シートのブランクの配置図である。これは打ち抜き刃が入る位置を示し、同時にトリム(12)を示している。この図では2丁取りであるため、トリム(12)は流れ方向において3箇所ある。このトリム(12)内にICタグ(20)が含まれるかを加味した計算の元、つまり製函工程の打ち抜き刃によって損傷を受けるか否かを生産管理装置(95)が取り込んで図10のトリムデータを用いて計算する。段ボール箱に加工される実質的な段ボールエリア内にICタグ(20)が損傷なく、また切り落とされることなく有ると生産管理装置(95)が判断した切断シート(100)を良品として次工程のオートスタッカに送る。この生産管理装置(95)による検査管理システムを用いることで、切断シート(100)にICタグ(20)が有ることの保証をすることができる。
【0043】
実際にはアンテナ部があるICタグ(20)には小さいながらもサイズがあり、ラインでICタグ(20)の位置を線引することはできない。したがって、トリム(12)に関する不良寸法範囲をICタグ(20)のサイズに合わせて大きめに設定することになる。この不良寸法範囲は検知精度を加味して幾分更に大きくする。ICタグ(20)はICタグ付テープ(30)巾を小さくする付け方をすると、テープ基材(2)の繰り出し方向に対して縦長に設置されるため、この不良寸法範囲は大きめになるが、ICタグ(20)をテープの繰り出し方向に対して、横長に設置するとこの不良寸法範囲は小さめになる。
【0044】
上述のトリムデータを加味した不良寸法範囲の算出、及び検知精度を加味して生産管理装置(95)が良品シートを判断する演算は、カットオフの後においても基本的にはリーダ・ライタ(96)の信号と、通過する切断長さを計算するエンコーダ(97)の信号を採取すれば同様に行える。しかし、通過する切断シートを搬送ベルト上で動揺させることなく、また精度よくエンコーダ(97)の信号を採取するのは比較的困難である。
【0045】
生産管理装置(95)はICタグ不良のNG信号をオートスタッカの上流側にあって上下動するダイバータ(98)に送る。このダイバータ(98)は搬送ベルト(99)端を下方に動かし、不良シートを搬送ベルト(99)の下側に入るように誘導してライン上から除去する。このようにしてオートスタッカの下のストッカには不良シートが溜置かれる。このNGの信号を受けて不良シートを排除するシステム自体は、短尺シートが発生するスリッタ寸法替え時のNG信号、及び原紙に含まれる欠点場所を表示する銀紙(ラベル)をセンサが検知し、単に切断された段ボール製の切断シート(100)にICタグ(20)が存在しているかを検知するだけでなく、そのICタグ(20)に固着加工段階等で負荷される外的衝撃によって生じる可能性がある性能不良を無線アンテナ付のリーダ・ライタでチェックできることにあり、品質保証に役立つことである。
【0046】
上記の段ボール製切断シート(100)に対するICタグ不良品検知・除去システムは、巻取りの板紙を連続的に印刷・打ち抜きするマルチパックの生産及び積層シートを用いる紙パック生産においても、有効な検査・品質保証方法である。巻取りを使用しない単層構造の厚板紙とプラスチックシートに対するICタグ不良品の検知・除去は、切断シート(100)の打ち抜き後にある最終工程のフォールディング工程(折り曲げ・接着を行う)で行う。カートンまたは切断シート(100)が1個ずつ高速度で通過する検査する列の中で、通過をCCDカメラで検知して信号を発し、これに対応する位置で無線アンテナ付リーダ・ライタがICタグ(20)の読取の信号を出して、生産管理装置がデータを統合して不良品を横に除去する装置、またはそのカートンに紫外線蛍光液を瞬時に吹き付ける既設装置に指示を与える。無線アンテナ付リーダ・ライタが検査パートでICタグ(20)の作動不良(ICタグ無しも含む)及び2つの固着を判別した信号でこれらのいずれかの装置で除去または吹きつけ等をするようにする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)及び(b)は本発明のICタグ付テープにおける一実施形態をそれぞれ例示している斜視図である。
【図2】本発明のICタグ付テープにおける他の一実施形態を例示している斜視図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明のシート状成形材における一実施形態をそれぞれ例示している断面図である。テープ基材の上に設けた2種類のICタグの概略構造図である。(上下が逆に表示)
【図4】本発明のシート状成形材における他の一実施形態を例示している斜視図である。
【図5】本発明のシート状成形材における他の一実施形態を例示している斜視図である。
【図6】本発明のシート状成形材における他の一実施形態を例示している斜視図である。
【図7】本発明のシート状成形材における他の一実施形態を例示している斜視図である。
【図8】本発明のシート状成形材の製造方法を実施するのに採用した製造装置における一実施形態を例示している概略図である。
【図9】製造装置における検査部門のブロック図である。
【図10】トリムが生じる抜き打ち刃の配置図である。
【符号の説明】
【0048】
1・・・・・・ICタグ付テープが巻かれたリール
2・・・・・・テープ基材
3・・・・・・IC
4・・・・・・外部アンテナ
5・・・・・・基盤フィルム(インレット)
6・・・・・・カバー材
7・・・・・・粘着材
8・・・・・・表ライナ(シート状成形素材、表面材)
9・・・・・・裏ライナ(シート状成形素材、裏面材)
10・・・・・中しん(シート状成形素材)
11・・・・・デンプン糊
12・・・・・トリム
20・・・・・ICタグ
30・・・・・ICタグ付テープ
40・・・・・段ボール(シート状成形材)
50・・・・・片段
60・・・・・包装箱
70・・・・・表紙カバー
71・・・・・帯
72・・・・・切取目線
73・・・・・ハードカバー
74・・・・・包装袋
80・・・・・製造装置
81・・・・・裏ライナロール
82・・・・・ヒータロール
83・・・・・中しんロール
84・・・・・蒸気・ヒータロール
85・・・・・糊付け装置
86・・・・・波付け装置
87・・・・・プレスベルト
88・・・・・糊付け装置
89・・・・・表ライナロール
90・・・・・ヒータロール
91・・・・・ロール
92・・・・・熱盤群
93・・・・・スリッタ
94・・・・・カッター装置
95・・・・・生産管理装置
96・・・・・リーダ・ライタ
97・・・・・エンコーダ
98・・・・・ダイバータ
99・・・・・搬送ベルト
100・・・・切断シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状成形材を切断してなる切断シート内の各ブランクのエリア内に、ICタグが少なくとも1個含まれるように、所定間隔で配置されたICタグを有するICタグ付きテープを巻回してなるICタグ付きテープリールを用意して、
該ICタグ付きテープリールを保持するリールスタンドから前記ICタグ付きテープを巻き出し、前記シート状成形材の流れ方向に供給し、該シート状成形材に前記ICタグ付きテープを固着し、
前記流れ方向に走行する前記シート状成形材を所定の切断長さで切断して得られる端から端まで前記ICタグ付きテープが固着された切断シートであって、
該切断シートは、該切断シートの一の面を構成するシート状の表面材と、前記一の面に対向する面を構成するシート状の裏面材を備え、
前記ICタグ付きテープは、前記表面材と前記裏面材の間に配され、
前記ICタグ付きテープと前記表面材との間には、非接着部分が形成され、
該非接着部分は、シート状成形材の箱圧縮強さを低減させない幅を有することを特徴とするシート状成形材。
【請求項2】
シート状成形材を切断してなる切断シート内の各ブランクのエリア内に、ICタグが少なくとも1個含まれるように、所定間隔で配置されたICタグを有するICタグ付きテープを巻回してなるICタグ付きテープリールを用意して、
該ICタグ付きテープリールを保持するリールスタンドから前記ICタグ付きテープを巻き出し、前記シート状成形材の流れ方向に供給し、該シート状成形材に前記ICタグ付きテープを固着し、
前記流れ方向に走行する前記シート状成形材を所定の切断長さで切断して得られる端から端まで前記ICタグ付きテープが固着された切断シートであって、
該切断シートは、該切断シートの前記一の面若しくは該一の面に対向する面に、連続的に固着されるICタグ付きテープを備え、
該ICタグ付きテープがシート状成形材用引き裂き帯として使用可能となることを特徴とするシート状成形材。
【請求項3】
シート状成形材を切断してなる切断シート内の各ブランクのエリア内に、ICタグが少なくとも1個含まれるように、所定間隔で配置されたICタグを有するICタグ付きテープを巻回してなるICタグ付きテープリールを用意して、
該ICタグ付きテープリールを保持するリールスタンドから前記ICタグ付きテープを巻き出し、前記シート状成形材の流れ方向に供給し、該シート状成形材に前記ICタグ付きテープを固着し、
前記流れ方向に走行する前記シート状成形材を所定の切断長さで切断して得られる端から端まで前記ICタグ付きテープが固着された切断シートであって、
該切断シートは、該切断シートの一の面を構成するシート状の表面材と、前記一の面に対向する面を構成するシート状の裏面材を備え、
前記切断シートの前記一の面若しくは該一の面に対向する面に、ICタグ付きテープが連続的に固着されるとともに該ICタグ付きテープがシート状成形材用引き裂き帯として使用可能となることを特徴とするシート状成形材。
【請求項4】
前記ICタグ付きテープがプラスチックフィルム製テープ基材に電子回路をプリントすることにより形成され、
該電子回路上に保護コートが被覆されてなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシート状成形材。
【請求項5】
前記ICタグの間隔が、5cm以上300cm以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のシート状成形材。
【請求項6】
前記ICタグ付きテープの幅が、2mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のシート状成形材。
【請求項7】
前記ICタグ付きテープの幅が、4mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項6記載のシート状成形材。
【請求項8】
前記切断シートを得た後、該切断シートが所望形状に打ち抜き加工されることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のシート状成形材。
【請求項9】
前記シート状成形材が切断される前に、エンコーダの下方をシート状成形材が走行し、
前記エンコーダは、該エンコーダの下方を流れるシート状成形材の通過長さの信号を生産管理装置に送り、
検出手段は、シート状成形材に固着されたICタグの位置信号を前記生産管理装置に送り、
該生産管理装置によって、前記打ち抜き加工によって生ずるトリム内に前記ICタグが存在するか否かが前記エンコーダと前記検出手段の信号に応じて演算されることを特徴とする請求項8記載のシート状成形材。
【請求項10】
シート状成形材を切断してなる切断シート内の各ブランクのエリア内に、ICタグが少なくとも1個含まれるように、所定間隔で配置された前記ICタグを有するICタグ付きテープを巻回してなるICタグ付きテープリールを用意して、
該ICタグ付きテープリールを保持するリールスタンドから前記ICタグ付きテープを巻き出し、前記シート状成形材の流れ方向に供給し、該シート状成形材に前記ICタグ付きテープを固着し、
前記流れ方向に走行する前記シート状成形材を所定の切断長さで切断して得られる端から端まで前記ICタグ付きテープが固着された切断シートであって、
該切断シートは複数の層を備え、
前記ICタグ付きテープは、前記複数の層間に配されるとともに接着剤或いは粘着材を用いることなしに固着されることを特徴とするシート状成形材の切断シート。
【請求項11】
前記複数の層が湿紙の層であり、
前記ICタグ付きテープの固着が、該湿紙の層間に前記ICタグ付きテープを配した後、前記切断シートを乾燥させることにより行われることを特徴とする請求項10記載のシート状成形材の切断シート。
【請求項12】
前記切断シートがプラスチック製切断シートであり、
前記ICタグ付きテープの固着が熱溶融により行われることを特徴とする請求項10記載のシート状成形材の切断シート。
【請求項13】
前記複数の層間の貼合が、デンプン糊又は酢酸ビニルエマルジョンを用いて行われることを特徴とする請求項10記載のシート状成形材の切断シート。
【請求項14】
前記ICタグ付きテープがプラスチックフィルム製テープ基材に電子回路をプリントすることにより形成され、
該電子回路上に保護コートが被覆されてなることを特徴とする請求項10乃至13いずれかに記載のシート状成形材の切断シート。
【請求項15】
前記ICタグの間隔が、5cm以上300cm以下であることを特徴とする請求項10乃至14いずれかに記載のシート状成形材の切断シート。
【請求項16】
前記ICタグ付きテープの幅が、2mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項10乃至15いずれかに記載のシート状成形材の切断シート。
【請求項17】
前記ICタグ付きテープの幅が、4mm以上10mm以下であることを特徴とする請求項16記載のシート状成形材の切断シート。
【請求項18】
前記切断シートを得た後、該切断シートが所望形状に打ち抜き加工されることを特徴とする請求項10乃至17いずれかに記載のシート状成形材の切断シート。
【請求項19】
前記シート状成形材が切断される前に、エンコーダの下方をシート状成形材が走行し、
前記エンコーダは、該エンコーダの下方を流れるシート状成形材の通過長さの信号を生産管理装置に送り、
検出手段は、シート状成形材に固着された前記ICタグの位置信号を前記生産管理装置に送り、
該生産管理装置によって、前記打ち抜き加工によって生ずるトリム内に前記ICタグが存在するか否かが前記エンコーダと前記検出手段の信号に応じて演算されることを特徴とする請求項18記載のシート状成形材の切断シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−347173(P2006−347173A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170172(P2006−170172)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【分割の表示】特願2004−133323(P2004−133323)の分割
【原出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【出願人】(503356967)
【Fターム(参考)】