説明

ICタグ付きシート

【課題】 1枚のシートから複数の同一形状の短冊を作成する場合に、ICタグ付きの短冊の作成を容易に行う。
【解決手段】 1枚のシートから複数の同一形状の短冊13を作成するためのシート11において、短冊13の横方向の1辺の長さ以下の間隔でシート11の横方向にICタグ12を設けるとともに、短冊13の縦方向の1辺の長さ以下の間隔でシート11の縦方向にICタグ12を設けたことを特徴とするICタグ付きシート10を提供する。上記のICタグ付きシート10を所定の大きさの短冊13に切断することによって、複数枚のICタグ付き短冊が作成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグが付されたシート状記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
名刺に取り付けられたICタグに名刺の記載内容等のデータを記憶させることによって、可視情報だけでなく様々な情報を電子データで受け渡すことのできる技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、名刺に取り付けられたICタグに電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレスなどのデータが書き込まれており、このICタグに書き込まれている電話番号などのデータをタグリーダを用いて読み取ることができるようになっている。このタグリーダは電話機等に接続されており、タグリーダで読み取られた電話番号を電話機に送信することによって、電話機に宛先の電話番号が入力されるようになっている。これによって、ユーザが電話番号などをを入力する手間が省け、また、データの正確な入力が可能になる。
【特許文献1】特開2002−183693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の従来技術には以下のような問題点がある。このようなICタグ付きの名刺を作成する場合、可視情報を印刷した名刺を作成するとともに、名刺に1つずつICタグを貼り付ける作業が必要となり、非常に手間がかかる。この問題は、名刺の場合のみならず、葉書など、比較的小さなサイズのシート状記録媒体にICタグを取り付けたものを多数作成する際に共通する問題である。
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、1枚のシートから複数の同一形状の短冊を作成する場合に、ICタグ付きの短冊を容易に作成することのできる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の課題を解決するために、本発明は、1枚のシートから複数の同一形状の短冊を作成するためのシートにおいて、前記短冊の横方向の1辺の長さ以下の間隔で前記シートの横方向にICタグを設けるとともに、前記短冊の縦方向の1辺の長さ以下の間隔で前記シートの縦方向にICタグを設けたことを特徴とするICタグ付きシートを提供する。
上記のICタグ付きシートを所定の大きさの短冊に切断することによって、複数枚のICタグ付き短冊が作成される。
前記短冊の横方向の1辺の長さの2分の1以下の間隔で前記シートの横方向(または縦方向)にICタグを設けることが好ましい。
また、前記短冊の縦方向の1辺の長さの2分の1以下の間隔で前記シートの縦方向(または横方向)にICタグを設けることも好ましい。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、1枚のシートから複数の同一形状の短冊を作成する場合に、ICタグ付きの短冊を容易に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<構成>
図1は、本発明の実施形態におけるICタグ付きシート10の構成を示す図である。シート11の用途は、例えば、名刺、葉書、切手などである。また、裏面に粘着材が塗布されている記名用のラベルなどでもよい。すなわち、比較的小さなサイズのシート状記録媒体であり、1枚のシートを分割することによって同一形状の短冊を複数作成する場合がこれに相当する。以下の説明においては、名刺の例を用いて説明する。
シート11の材質は、紙、プラスティックフィルムなどいかなるものでもよい。シート11のサイズは、例えばJIS(日本工業規格)で定められたA4、A3、B5、B4など、通常、画像形成装置による画像形成に用いられるサイズであるが、規格外のサイズであってもよい。
【0007】
ICタグ12は、外部装置との間で非接触式にて電子データの授受を行う、いわゆる無線ICタグである。ICタグ12は、電子データの書き込み/読み出しが可能な不揮発性の半導体メモリ、コイル状のアンテナ等からなり、外部の機器との間でマイクロ波、誘導電磁界等を用いて通信を行うことができる。ICタグ12に書き込まれる電子データの内容は、名刺の表面あるいは裏面に形成される可視情報と同様の内容、例えば、会社名、所属部署名、氏名、所在地、電話番号、ファクシミリ番号、電子メールアドレスなどである。これらの電子データは、タグライタによってICタグ12に書き込まれる。可視情報は公知の画像形成装置を用いてシート11の表面または裏面に画像形成される。この画像形成装置内部にタグライタを設け、画像形成の過程の前または後、あるいは、画像形成と同時にこのタグライタによってICタグ12に電子データを書き込むようにしてもよい。
【0008】
次に、ICタグ12の取り付け位置について説明する。本実施形態では、シート11を名刺大に切断した際に、名刺(短冊)13の各々に1つ以上のICタグ12が設けられているように取り付けられている。同図においては、名刺13の各々に1つのICタグ12が設けられている例を示している。名刺の横方向の辺の長さと同一の間隔でシート11の横方向(または縦方向)にICタグ12を配置し、名刺の縦方向の1辺の長さと同一の間隔でシート11の縦方向(または横方向)にICタグ12を配置する。
このようにすれば、名刺の各々の常に同一の位置にICタグ12が設けられることになるから、ICタグ12の取り外しなどの際に便利である。ただし、名刺1枚につき1個以上のICタグ12が設けられていれば十分であり、そのためには、名刺の辺の長さ以下の間隔でICタグ12を設けておけばよい。名刺13の各々に1つ以上のICタグ12が設けられるためには、名刺の横方向の辺の長さ以下の間隔でシート11の横方向(または縦方向)にICタグ12を配置するか、または、名刺の縦方向の1辺の長さ以下の間隔でシート11の縦方向(または横方向)にICタグ12を配置するようにすればよい。
【0009】
また、図2に示すように、名刺13の各々に2つ以上のICタグ12が設けられているようになっていてもよい。すなわち、名刺の横方向の辺の長さの2分の1以下の間隔でシート11の横方向(または縦方向)にICタグ12を設ければよい。または。名刺の縦方向の辺の長さの2分の1以下の間隔でシート11の縦方向(または横方向)にICタグ12を設ければよい。このようにすれば、名刺13の各々に2つ以上のICタグ12が設けられることになるから、仮に1個のICタグが破損した場合でも、別のICタグが使用可能であるから、1枚の名刺にデータを確実に保持させることができる。
ICタグ12をシート11に取り付ける方法は任意である。裏面に粘着材が塗布されたICタグ12をシート11に貼り付けてもよいし、シート11が紙の場合、紙の製造時に紙の繊維の間隙にごま粒大のICタグ12を漉き込むようにしてもよい。
【0010】
上記のようにして作成されたICタグ付きシート10を名刺大に切断することによって、ICタグ付き名刺を容易に作成することができる。また、名刺の画像形成と同時に電子データをICタグ12に書き込むことができる。
上記のICタグ付きシート10を葉書、切手類等に適用することも可能である。葉書、切手に取り付けられたICタグ12に額面の金額および発行元などを表す電子データを書き込んでおけば、偽造防止に役立つ。
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、ICタグ付きシートを短冊の大きさに切断することによってICタグ付きの短冊を作成することができるから、1枚のシートから複数の同一形状の短冊を作成する場合に、ICタグ付きの短冊を容易に作成することができる。また、ICタグ付きシートに取り付けられている複数のICタグに同時に電子データを書き込むことができるから、電子データを埋め込んだICタグ付き短冊を多数作成することが容易になる。
【0012】
<変形例>
以上説明した形態に限らず、本発明は種々の形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形した形態でも実施可能である。
ICタグ12は名刺13のいずれの部位に取り付けても構わないが、通常、印刷がなされる部分を避けて、名刺の四隅のいずれか、あるいは、名刺の裏面に設けることが好ましい。四隅のいずれかにICタグ12を設けるようにすれば、名刺13の破棄やリサイクルの際に、名刺13の四隅をハサミ等で切り落とすことにより、ICタグ12を容易に取り外すことができる。
上記の実施形態においては、非接触式のICタグを用いた例を示したが、接触式のICタグを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ICタグ付きシート10の構成を示す図である。
【図2】ICタグ付きシート10の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0014】
10…ICタグ付きシート、11…シート、12…ICタグ、13…名刺(短冊)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のシートから複数の同一形状の短冊を作成するためのシートにおいて、
前記短冊の横方向の1辺の長さ以下の間隔で前記シートの横方向(または縦方向)にICタグを設けるとともに、
前記短冊の縦方向の1辺の長さ以下の間隔で前記シートの縦方向(または横方向)にICタグを設けた
ことを特徴とするICタグ付きシート。
【請求項2】
前記短冊の横方向の1辺の長さの2分の1以下の間隔で前記シートの横方向(または縦方向)にICタグを設けたことを特徴とする請求項1に記載のICタグ付きシート。
【請求項3】
前記短冊の縦方向の1辺の長さの2分の1以下の間隔で前記シートの縦方向(または横方向)にICタグを設けたことを特徴とする請求項1に記載のICタグ付きシート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−82438(P2006−82438A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270460(P2004−270460)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】