説明

ICタグ読取システム

【課題】
センサ等のハードウェアを設けることなく、処理対象のICタグに対してのみ処理を行うこと。
【解決手段】
ICタグとの読み書き等の通信処理を行うリーダライタを制御してICタグの識別子を取得し、識別子に該当する、ICタグが貼付された物品の入荷、出荷等のステータスを遷移し、ステータスが遷移した物品の入荷、出荷等のステータスを記憶し、その物品のステータスを参照することで、リーダライタを制御して取得したICタグの識別子に対し、読み書き等の通信処理の対象かどうかを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触でIC(Integrated Circuit)タグを含むICタグに対する情報の読み書きを制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な分野へのICタグの適用が拡大している。特に、UHF(Ultra High Frequency)帯のICタグは読取距離が長いために、物流現場などへの活用が期待されている。ただし、読取距離が長いがために、ICタグリーダライタのアンテナ付近に置かれているものなど、所望のICタグ以外のICタグも読み取ってしまうことが多い。そのため、利用者は読取結果から所望のICタグ以外のICタグを取り除くなどの作業を行う必要があり、負担が大きい。
【0003】
このような問題に対し、特許文献1では、予め非接触で通信するべきICタグとの間の最大距離を設定し、リーダライタからの距離が該最大距離以下である各ICタグを処理対象とすることで、上記問題の解決を試みている。
【0004】
【特許文献1】WO/2006/061890
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献に記載の技術によれば、ICタグとリーダライタとの間の距離は距離センサやICタグからの電波の返り値などにより測定するとしている。距離センサにより測定する場合は当然のことながらICタグのリーダライタのほかに距離センサの設置が必要となる。また、ICタグからの電波の返り値を利用する場合、その測定結果は周辺の電波環境に大きく左右され、またその電波環境は時々刻々と変化する。そのため、ICタグが適用されるような実環境に適用するにはその時々によって正確な測定値を得られるようリーダライタのチューニングなどを行う必要がある。
そこで、本発明の目的は、センサなどハードウェア機器の設置を必要とすることなく、また周辺の電波環境に左右されないで、読取対象となるICタグを特定し読取などの処理を制御する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明では、物品に貼付されるICタグについて、その物品の状況(入出荷を含む流通状況やICタグに対する情報の書き換え済かなど)を管理し、装置自身が管理すべき状況を特定し、これらを比較して、その結果に応じて読み書きを許容するか否かなどの判断を実行することで状況に応じた読み書きの制御を行うものである。
【0007】
より詳細には、以下の構成を含む。
【0008】
物品等に貼付されたICタグと非接触での読み書き処理を行うICタグ読取システムにおいて、ICタグとの読み書き等の通信処理を行うリーダライタを制御してICタグの識別子を取得するリーダライタ制御部と、前記リーダライタ制御部が取得したICタグの識別子から、ICタグが貼付された物品の入荷、出荷等のステータスを遷移する物品ステータス遷移部と、前記物品ステータス遷移部により遷移された、物品の入荷、出荷等のステータスを記憶する物品ステータス記憶部と、前記物品ステータス記憶部が記憶する物品のステータスを参照することで、前記リーダライタ制御部が取得したICタグの識別子に対し、読み書き等の通信処理の対象かどうかを判断する処理対象判断部とを備えることを特徴とする。
【0009】
その他、本願が開示する課題、およびその解決手段は、発明を実施するための最良の形態の欄、および図面により明らかになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、センサなど特別な機器の設置を行うことなく、また周辺の電波環境に左右されることなく、読取対象となるICタグを特定し読取などの処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態などについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を適用したICタグ読取システムを、製品の入出荷管理に適用した場合の外観図を表す。つまり、物品として製品を用いた例である。
【0012】
図1のICタグ読取システムは、工場や物流センタなどの一つ乃至複数の拠点に設置される拠点サーバ1、拠点内の入荷・出荷ゲート等に設置される一つ乃至複数のリーダ制御端末2から構成される。拠点サーバ1とリーダ制御端末2は拠点内のイントラネット等により有線もしくは無線で接続されている。
【0013】
なお、拠点サーバ1、リーダ制御端末2はそれぞれ演算処理を行う際に用いられる記憶手段としてのメモリと、前記演算処理を行う演算処理装置とを少なくとも備えるコンピュータとして構成される。なお、メモリは、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。演算処理は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される演算処理装置が、メモリ上のプログラムを実行することで実現される。また、前記コンピュータは、通信のためのネットワークインタフェースを備える。
【0014】
拠点サーバ1は各拠点にて、リーダ制御端末2から収集された製品の読取情報の保持とリーダ制御端末2への送信を行う。
【0015】
リーダ制御端末2は製品の読取情報を収集し、拠点サーバ1に提供する。リーダ制御端末2には、ICタグを読み取るためのリーダ3が一つ乃至複数接続され、さらにリーダ3にアンテナ6が一つ乃至複数接続されている。出荷および入荷する製品4にはそれぞれICタグ5が貼付されており、内蔵するICチップ内の記憶装置に少なくとも個体認識のためのユニークID(Identifier:識別子)が書き込まれている(これは製品を直接識別するものであっても、タグ自身を識別するものであっても構わない)。フォークリフト等で製品4を運搬する際、リーダ3に接続されたゲート状のアンテナ6がICタグ5を読み取ることでユニークIDを取得し、出荷する製品4もしくは入荷した製品4が何であるかが分かる。以下ではこのユニークIDを製品IDと記す。この製品IDにより、製品4は個品レベルでの管理が可能となる。
【0016】
以上で述べたように、拠点サーバ1とリーダ制御端末2はツリー構造になっており、一つの拠点サーバ1に対し一つ乃至複数のリーダ制御端末2が接続する。リーダ制御端末2とリーダ3、リーダ3とアンテナ6の関係も同様である。
なお、拠点サーバ1、リーダ制御端末2がそれぞれ同一の端末であってもよい。また、リーダ制御端末2はリーダからの読取結果の受信と拠点サーバ1への送信を同一のリーダ制御端末2で行うと記載したが、それぞれ異なる端末で行うとしてもよいし、入荷と出荷を別の端末で行うとしてもよい。また、前記端末・サーバのほか、各端末・サーバの設定を行う図示しない端末を別に設置してもよい。
【0017】
図2は、図1にて示したICタグ読取システムのブロック図である。以下、ICタグ読取システムの詳細についてこの図を用いて説明する。
【0018】
リーダ制御端末2は、各拠点の入荷ゲートや出荷ゲートなどに設置されるリーダ3を制御する端末である。リーダ3は入出荷時に製品4のICタグ5を読み取ることで製品IDを取得し、入荷もしくは出荷の対象となった製品4を特定する。リーダ制御端末2の設置場所等によってその端末が入荷のみを担当するのか、出荷のみを担当するのか、両方を担当するのかは異なる。実施する業務は予め対応するアプリケーションがインストールされているか、作業開始時に作業者からの入力によって選択されるか、などにより特定される。
通信部21は拠点サーバ1から受信した情報の演算部24への送信、および演算部24から受信した情報の拠点サーバ1への送信を行う。
【0019】
入出力部22は、リーダ制御端末2を使用する作業者とのインタフェースで、作業者からの入力の受付、および作業者の確認画面への読取結果の出力等を行う。
【0020】
リーダ制御部23は、リーダ制御端末2に接続されている一つないし複数のリーダ3の制御を行い、演算部24から受け取った読取開始、停止などの命令のリーダ3への送信、およびリーダ3が読み取った製品IDの受信と演算部24への送信を行う。
演算部24は通信部21、入出力部22およびリーダ制御部23から受信した情報を加工するなどし、通信部21を通して拠点サーバ1への在庫情報等の提供や入出力部22への出力情報の提供などを行う。演算部24にはアプリケーション格納部24aのほか、読取フィルタ機能24b、フィルタリスト管理機能24cなどがある。
【0021】
アプリケーション格納部24aは、リーダ制御端末2で実施可能なアプリケーションが格納される。入荷ゲートに設置されている場合は入荷アプリケーションが、出荷ゲートに設置されている場合には出荷アプリケーションが実施可能である。入出荷両方実施される場合には、両方のアプリケーションが実施可能である。作業者は作業開始時にこれらのアプリケーションを起動する。起動されたら、アプリケーション格納部24aから演算部24のメモリに該当するアプリケーションが展開され、入出荷情報の作成、拠点サーバ1への送信などを行う。
【0022】
読取フィルタ機能24bは、前述のアプリケーションのサブルーチンとして呼び出され、起動する。この機能は各アプリケーションが入出荷情報を作成する際、ICタグ5読取時に「フィルタリスト」7により読取結果のフィルタリングを行う機能である。例えば読取対象でない製品IDをリストに記載しリスト上の製品IDを除外したり、逆に読取対象の製品IDをリストに記載しリスト上の製品IDのみを読取結果とする機能である。以降では前者を除外リスト、後者を抽出リストとする。例えば、入荷登録した製品4を一時的に入荷ゲート付近に置いた場合、次の入荷製品4を読取する際に誤って読み取ってしまう可能性がある。入荷製品4が3つの場合に読取結果として「4」と画面に表示された場合、作業者は誤って読み取った製品IDを目視等により特定し削除しなければならない。この場合、既に入荷した製品ID、つまりその拠点の在庫製品4の製品IDを除外リストに登録しておき、以後はこの製品IDを読み取っても読取結果から除外すれば、誤って読み取った場合にも自動的に削除することができる。同様に、出荷ゲートにて出荷登録済みの製品4を出荷ゲートのリーダで読み取らないようにするには、在庫製品4の製品IDを抽出リストに登録しておき、以後は読取結果からリスト上の製品IDのみを抽出し読取結果とすることもできる。フィルタリスト7の例を図3に記す。この例のように、ヘッダ情報として後述するフィルタリスト7の分類71を保持し、本体にフィルタ対象となる製品ID72が列挙されている。使用するフィルタリスト7はアプリケーションごとに設定可能であり、またそのフィルタリスト7を除外リストとして使用するか抽出リストとして使用するか、についてもアプリケーションごとに設定可能である。
【0023】
本実施形態では、入荷アプリケーションでは除外リストとして、出荷アプリケーションでは抽出リストとして設定されたフィルタリストを使用することとする。これらの設定情報は設定ファイルに予め記述され、アプリケーション起動時に読み込まれる。ICタグ5読取時のフィルタリングの処理については後述する。
【0024】
フィルタリスト管理機能24cは、上記のアプリケーションとは独立して起動し、前述のフィルタリスト7の更新などを行う機能である。フィルタリスト7の更新は拠点サーバ1から配信される、後述する差分データにより更新する。
【0025】
拠点サーバ1は設置されている拠点の製品在庫の管理、および拠点内のリーダ制御端末2の管理を行う。
【0026】
拠点サーバ1の通信部11は、リーダ制御端末2から受信した情報の演算部12への送信、および演算部12から受信した情報のリーダ制御端末2への送信を行う。
【0027】
演算部12は、通信部11から受信した情報を加工するなどしてDBに登録する。また、DBから情報を検索・取得し、加工してリーダ制御端末2へ提供する。演算部12には製品ステータス管理機能12a、フィルタリスト管理機能12b、フィルタリスト配信機能12c、端末管理機能12dなどがある。製品ステータス管理機能12aは製品ステータスのDBへの登録・更新、およびDBからの取得などを行う。フィルタリスト管理機能12bはリーダ制御端末2が利用するフィルタリスト7の管理などを行う。フィルタリスト配信機能12cはフィルタリスト7の差分データ8のリーダ制御端末2への配信などを行う。端末管理機能12dは拠点内のリーダ制御端末2の新規登録などの管理を行う。
【0028】
演算部12が利用するDBは主に以下である。
製品ステータスDB13は拠点サーバ1が設置されている拠点が関与した製品4のステータス情報、およびステータスとフィルタリスト7の内容の関係を保持するDBである。製品ステータスDB13が保持する製品ステータステーブル13aの例を図4Aに記す。このテーブルは一つのレコードが一つの製品4を表し、製品ID131aと製品のステータスを表すステータス132a、DBに登録された日時を表す登録日時133aなどを保持する。このレコードは製品が初めて拠点に入ってきた入荷時や製造時などに登録され、以降ステータスが変化すると更新される。ステータス132aとは製品の状態を表し、拠点に入荷して在庫となっている製品は「入荷済み」、他の拠点へ出荷した製品は「出荷済み」などを値として格納する。リーダ制御端末2から入荷情報として受信した際には該当する製品4のステータス132aが「入荷済み」となり、出荷情報として受信した際にはステータス132aが「出荷済み」となる。
【0029】
製品ステータスDB13はさらに製品ステータスとフィルタリスト7の内容の関係を表すフィルタ−ステータス関係テーブル13bも保持する。このテーブルの例を図4Bに記す。このテーブル13bはフィルタリスト7の用途先の分類を表す分類131bと、それに紐づく製品のステータスを表すステータス132bを保持する。例えば「入荷用」という分類131bのフィルタリスト7に記載される製品IDは、ステータス132bが「入荷済み」となっている製品IDであることを示す。本実施形態では、「出荷用」という分類131bのフィルタリスト7も「入荷用」と同様にステータスが「入荷済み」となっている製品IDのリストであるとする。
【0030】
端末管理DB14は拠点サーバ1が設置されている拠点内のリーダ制御端末2の情報を保持するDBである。端末管理DB14が保持するテーブル例を図5に図示する。このテーブルでは一つ乃至二つのレコードが一つのリーダ制御端末2を表し、リーダ制御端末2を一意に特定する端末ID141、リーダ制御端末2への通信時に必要なIPアドレスを表すアドレス142、送付した差分データに対応するフィルタリスト7の分類を表す分類143、送付したフィルタリスト7の差分データ8のバージョンを表す送付バージョン144、などを保持する。分類143は前述のようにフィルタリスト7の用途先の分類を表し、本実施形態では入荷アプリケーションと出荷アプリケーションの二つの用途先があるためにそれぞれで使用する入荷用フィルタリストと出荷用フィルタリストの二つの分類143があるとする。複数の分類143のフィルタリスト7を一つのリーダ制御端末2で使用する場合は分類143の数だけレコードが存在する。このテーブルはリーダ制御端末2の初期登録時にレコードが追加される。登録時の処理については後述する。
【0031】
差分データDB15はリーダ制御端末2に送付する、もしくは送付したフィルタリスト7の差分データ8のファイルとそのバージョン管理に関する情報を保持するDBである。差分データ8とは、リーダ制御端末2のフィルタリスト7を更新するための情報で、フィルタリスト7から削除する製品IDと追加する製品IDを記したものである。差分データ8のファイルの構成例を図6Aに記す。ヘッダ情報として差分データ8が対象とするフィルタリスト7の分類を表す分類81を保持し、本体部分に対象となる製品の製品ID82、フィルタリストに追加するか削除するかを表す追加/削除83を保持する。差分データDB15はこの差分データを過去のものも含めて保持する。
【0032】
また、リーダ制御端末2に送付した差分データ8のバージョン管理用の配信管理テーブル15aも保持しており、図6Bにその例を記す。このテーブルは一つのレコードが一つの差分データ8を表しており、差分データ8の対象となるフィルタリスト7の分類を表す分類151a、差分データ8のバージョンを表すバージョン152a、差分データ8の作成日時を表す作成日時153a、差分データ8のファイル名を表すファイル名154aなどを保持する。新しいバージョンの差分データ8が作成された際にレコードが追加される。差分データ8の作成・配信時の処理については、後述する。
【0033】
次に、ICタグ読取システムの動作の概要について説明する。図7は、リーダ制御端末2の入荷/出荷情報作成におけるフィルタリスト7を用いた読取結果のフィルタ処理のフローチャートを示したものである。以下、この図に沿って処理を説明する。
【0034】
最初に作業者の入力により、アプリケーション格納部24aからアプリケーションを起動する。入荷作業を行う場合は入荷アプリケーションを、出荷作業を行う場合は出荷アプリケーションを起動する。このとき、設定情報を読み込み、使用するフィルタリスト7と使用方法(除外/抽出)を取得する。例えば、ここではフィルタリスト7を拠点内在庫の製品IDのリストとする(S101)。このリストは、設定情報のうち拠点内在庫のフラグが立っている製品IDを抽出して作成される。
【0035】
ここで、フィルタ処理に関しては、以下の態様も含まれる。当該装置での状況を示すステータス情報を記憶しておき、製品ステータステーブル13aのステータス132aのうち、記憶されたステータス情報に対応する製品IDを抽出してもよい。また、ステータスに関しては、その時系列の順序を記録しておき、当該装置でのステータスの直前のステータスをこの順序の情報から特定し、これに合致するものとしてもよい。
【0036】
以下、読取回数だけ処理S111までの処理を繰り返す。ここでいう読取回数とは、例えばフォークリフトでアンテナ6のゲートを通過しICタグ5の読取を行う場合は、通過する回数のことである。入出荷の物量によっては、一度の通過で足りる場合もあれば複数回通過する必要がある場合もある(S102)。
【0037】
ゲートを通過する際に、リーダ3がアンテナ6を経由して製品4のICタグ5を読み取って一つ乃至複数の製品IDを取得し、起動した演算部24の入荷/出荷アプリケーションに渡す。アプリケーションにて読み取った製品IDの数量をカウントし、画面等に表示する(S103)。
【0038】
以下、読取フィルタ機能24bにより、読み取った製品IDの数量だけ処理S109までの処理を繰り返す(S104)。
【0039】
S101にて取得したフィルタリスト7を参照し、読み取った製品IDがフィルタリスト7中に有るかを確認する(S105)。有る場合は処理S107へ、ない場合はS108へ移る(S106)。
【0040】
製品IDがフィルタリストにある場合で、リストを除外リストとして使用する場合はその製品IDを読取結果から取り除く。例えば入荷アプリケーションの場合、拠点内在庫の製品IDは再度入荷するはずがないので拠点内在庫リストを除外リストとしてフィルタリングする(S107)。
【0041】
製品IDがフィルタリストにない場合で、リストを抽出リストとして使用する場合はその製品IDを読取結果から取り除く。例えば出荷アプリケーションの場合、拠点内の在庫以外の製品IDは出荷するはずがないので拠点内在庫リストを抽出リストとしてフィルタリングする(S108)。
【0042】
以上の処理を読み取った製品IDに対し行う(S109)。
【0043】
S104からS109までの処理により、読取フィルタ機能は読取内容からフィルタリングしたものを読取結果とし、アプリケーションに渡す。アプリケーションは例えば画面に数量や製品IDの表示を行う(S110)。
【0044】
処理S102から処理S111までの処理により、入荷した/出荷する各製品の情報を読み取ったら、フィルタリングした読取結果を登録する。オンラインで拠点サーバ1に接続している場合はただちに送信する、オフラインの場合はリーダ制御端末2内のファイルに登録する、などする(S112)。
【0045】
以上が、リーダ制御端末2の入荷/出荷情報作成におけるフィルタリスト7を用いた読取結果のフィルタ処理の流れである。
【0046】
以上の処理により、既に読取登録済みの物品がリーダ付近に置かれた場合など読取対象でない物品を誤って読み取っても、読取結果として含まないことが可能になり、これにより作業者は読取対象でないIDを取り除くなどの作業を行うことなく業務を効率的に遂行することが可能となる。
【0047】
次に、リーダ制御端末2のフィルタリスト7の更新方法について説明する。本実施形態では、フィルタリスト7は拠点内在庫の製品IDであるため、入出荷が発生するとフィルタリスト7も更新する必要がある。また、拠点内に複数のリーダ制御端末2が存在する場合は、一つのリーダ制御端末2の入出荷結果を他のリーダ制御端末2のフィルタリスト7に反映する必要がある。
【0048】
フィルタリスト7の更新方法について二通りを想定する。一つは拠点サーバ1からリーダ制御端末2へのプッシュ配信により更新する方法、もう一つはリーダ制御端末2から拠点サーバ1へのリクエストにより更新する方法である。以下、それぞれの処理について説明する。
【0049】
図8は、拠点サーバ1からのプッシュ配信によりリーダ制御端末2のフィルタリスト7を更新する場合のICタグ読取システムの処理のフローチャートを示したものである。この方法はリーダ制御端末2が常にオンラインで拠点サーバ1と接続されている環境で、拠点サーバ1側で設定されたスケジュールによって一斉にリーダ制御端末2のフィルタリスト7を更新する場合や、常時接続でなくても、リーダ制御端末2から入出荷情報を拠点サーバ1に送信する際に接続し、このときに差分データ8の配信も合わせて行う場合などを想定している。以下、この図に沿って処理を説明する。
【0050】
拠点内の一つのリーダ制御端末2から図6の処理により作成された入出荷情報が拠点サーバ1に送信される(S201a)。拠点サーバ1はこの情報を受信することで、受信待機状態からフィルタリスト更新処理を開始する(S201b)。
【0051】
拠点サーバ1の製品ステータス管理機能12aは、入出荷情報の内容から製品ステータス管理DB13の製品ステータステーブル13aの該当する製品ID131aについてステータス132aと登録日時133aを登録・更新する(S202)。
【0052】
製品ステータスの変更内容により、フィルタリスト管理機能12bはフィルタリスト7を更新するための差分データ8を作成する。本実施形態では、分類71が入荷用のフィルタリスト7も出荷用のフィルタリスト7も共に拠点内の在庫製品の製品IDをフィルタリスト上の製品IDとしているため、ステータス132aが新しく「入荷済み」となった製品をフィルタリスト7に追加し、「入荷済み」から「出荷済み」にステータス132aが変更になった製品をフィルタリスト7から削除する必要がある。分類71が入荷用、出荷用それぞれについて図6Aに示す差分データ8を作成する。作成したら、差分データDB15に作成した差分データ8を登録するとともに、差分データ8の最新バージョンを配信管理テーブル15aから取得し新しいバージョンを採番して、配信管理テーブル15aに作成した差分データ8に関する情報を登録する(S203)。
【0053】
次に、フィルタリスト配信機能12cは作成した差分データ8を配信するリーダ制御端末2を取得する。端末管理DB14より、作成した差分データ8の分類81に該当する分類143を保持する端末ID141を端末管理DB14のテーブルから取得する(S204)。
【0054】
以下、S204で取得した端末それぞれについて、フィルタリスト配信機能12cは処理S213までの処理を繰り返す(S205)。
リーダ制御端末2の端末ID141を基に端末管理DB14のテーブルを参照し、該当する分類143の送付バージョン144を取得する。このバージョンとS203にて作成した差分データ8のバージョンを比較し、S203にて作成した差分データ8以外に過去の差分データ8で未配信の差分データ8があるかどうかを確認する(S206)。
【0055】
S203にて作成した差分データ8以外に未配信の差分データ8がある場合はS208の処理へ、ない場合はS209aの処理へ移る(S207)。
【0056】
未配信の差分データ8がある場合は、端末管理DB14のテーブルが保持する配信済みの差分データ8のバージョン144と差分データDB15の配信管理テーブル15aの該当する分類151aの差分データ8のバージョン152aを参照し、未配信の差分データ8のファイルを全て取得する。これらの差分データ8とS203で作成した最新の差分データ8の内容をマージし、配信先端末向けの差分データ8を作成する。追加する製品IDと削除する製品IDに同一の製品IDがある場合は相殺する(S208)。
【0057】
以上により作成した差分データ8を該当するリーダ制御端末2にプッシュ配信する。送信に成功し、リーダ制御端末2が正常に差分データ8を受信したら、リーダ制御端末2は正常終了メッセージを拠点サーバ1に返信する(S209a)。リーダ制御端末2のフィルタリスト管理機能24cは、受信した差分データ8に基づいて該当する分類71のフィルタリスト7を更新する(S209b)。
【0058】
処理S209aにて送信に成功した場合は処理S211へ、リーダ制御端末2から正常終了メッセージが返信されない場合は差分データ8の送信に失敗したとして、処理S212aへ移る(S210)。
【0059】
差分データ8の送信に成功した場合は、端末管理DB14のテーブルの該当する端末ID141・分類143のレコードの送付バージョン144を処理S203にて作成し採番したバージョンに更新する(S211)。
送信に失敗した場合は、配信先のリーダ制御端末2に対して送信失敗メッセージを送信する(S212a)。リーダ制御端末2はこのメッセージを受信したら、リーダ制御端末2側からリクエストメッセージを拠点サーバ1に送信するなどのエラー処理を行う(S212b)。
【0060】
以上、処理S205から処理S211もしくは処理S212aまでの処理を実行したら、別のリーダ制御端末2の端末IDについて同様の処理を繰り返す。処理S204にて取得した端末ID全てについて処理を行ったら、処理S201bに戻り受信待機状態に戻る(S213)。
【0061】
以上が、拠点サーバ1からのプッシュ配信によりリーダ制御端末2のフィルタリスト7を更新する場合のICタグ読取システムの処理である。
【0062】
次に、リーダ制御端末2からのリクエストにより差分データ8を提供しフィルタリスト7を更新する場合のICタグ読取システムの処理について説明する。図9はこの場合のICタグ読取システムの処理のフローチャートを示したものである。この方法はリーダ制御端末2が拠点サーバ1とオフラインの環境に設置されている場合など、リーダ制御端末2側で設定されたスケジュールに従って日次等のバッチ処理によりフィルタリスト7を更新する場合を想定している。以下、この図に沿って処理を説明する。
【0063】
まず、リーダ制御端末2から、拠点サーバ1に差分データ8のリクエストメッセージが送信される。このメッセージにはリーダ制御端末2の端末IDもしくはアドレスが含まれるものとする(S301a)。拠点サーバ1はこの情報を受信することで、受信待機状態からフィルタリスト更新処理を開始する(S301b)。
【0064】
拠点サーバ1のフィルタリスト配信機能12cはこのリクエストメッセージを受信すると、メッセージからリーダ制御端末2の端末IDもしくはアドレスを抽出する。抽出した端末ID/アドレスから端末管理DB14のテーブルを検索し、該当するリーダ制御端末2のレコードを取得し、該当するフィルタリスト7の分類143を取得する。本実施形態では入荷用、出荷用、その両方の三パターンである(S302)。
【0065】
該当するフィルタリスト7の分類143において、それぞれ送付バージョン144を取得する。このバージョンと、差分データDB15の配信管理テーブル15aの同じ分類151aの最新のバージョン152aを比較し、未配信の差分データ8の有無を確認する(S303)。
【0066】
未配信の差分データ8が一つでもある場合は処理S305へ、一つもない場合は配信する差分データなしとして処理S301bへ戻り、リクエスト待機状態となる(S304)。
未配信の差分データ8が一つでもある場合は、該当する差分データ8のファイルを差分データDB15から取得する。複数ある場合は、差分データ8をマージして配信用の差分データ8を作成する(S305)。
【0067】
作成した差分データ8のファイルを、リクエストのあったリーダ制御端末2に対しリクエストに対する返信として送信する(S306a)。送信が正常に行われたら、リーダ制御端末2のフィルタリスト管理機能24cは該当する分類71のフィルタリスト7を更新する(S306b)。
【0068】
以下、送信に成功した場合は処理S308を行い、失敗した場合は処理S309a・S309bを行う。これらの処理内容はそれぞれ前述の図7の処理S211、処理S212a・S212bと同一である。これらの処理が行われたら、再び処理S301bに移りリクエスト待機状態に戻る。
以上が、リーダ制御端末2からのリクエストにより差分データ8を提供しフィルタリストを更新する場合のICタグ読取システムの処理である。
【0069】
以上の処理により、拠点内に複数のリーダ制御端末が存在する場合においても、その端末がオンラインであるかオフラインであるかに関係なく、リーダ制御端末が読み取った物品の結果を拠点内の他のリーダ制御端末のフィルタリストに反映することができる。これにより、あるリーダ制御端末で読み取った物品が他のリーダ制御端末で再び読取結果に含まれることなく、作業者は自分の作業対象とするリーダ制御端末での読取対象の物品の読取結果のみを参照し、円滑に業務を遂行することが可能となる。また、差分となるデータのみ配信するため、在庫物品が大量にある場合などフィルタの該当物品が多数となる場合でも、送信するデータ量が少なくて済むためにネットワークに負荷をかける可能性を少なくすることが可能である。在庫物品が少量の場合などは、後述する方法によりフィルタリストをそのまま配信するとしてもよい。
【0070】
次に、拠点内にリーダ制御端末2を新しく設置し、拠点サーバ1にその内容を登録する際の処理について説明する。図10はこのときのフローチャートを示したものである。以下、この図に沿って処理を説明する。
【0071】
登録作業者のリーダ制御端末2上の画面に対する入力に応じて、登録手続き処理を行う。この際、リーダ制御端末2で使用するフィルタリスト7の分類71を一つ乃至複数指定する。この内容と端末ID、アドレスを含んだ新規登録依頼メッセージを拠点サーバ1に送信する(S401a)。拠点サーバ1は新規登録依頼メッセージを受信する(S401b)。
【0072】
新規登録依頼メッセージから、端末管理機能12dは端末ID、アドレス、使用するフィルタリスト7の分類を取得し、まず端末管理DB14のテーブルに端末ID141とアドレス142の検索をする(S402)。端末ID、アドレスいずれもテーブルにない場合は、端末ID、アドレス、使用するフィルタリストの分類を保持する新レコードをテーブルに登録する。このときは送付バージョン144は未登録のままである(S403)。
【0073】
ただし、既に端末管理DB14のテーブルに同一の端末IDとアドレスの両方またはいずれかが登録されている場合は、同一のリーダ制御端末2と判断し、二重での登録は行わずに処理S404へ処理を進める。端末IDとアドレスの両方が同一のレコードに存在する場合は、既存のリーダ制御端末の更新と判断し、端末管理DBへの端末の登録は行わずに処理S405へ処理を移す(S404)。端末IDとアドレスのどちらかのレコードが存在する場合は、整合性が保持できないために新規登録失敗のメッセージをリーダ制御端末に返信し(S405a)、リーダ制御端末2側にて端末ID・アドレスの変更などの新規登録失敗時の処理を行う(S405b)。
【0074】
フィルタリスト管理機能12bは、処理S402にて取得したフィルタリストの分類について製品ステータス管理DB13のフィルタ−ステータス関連テーブル13bからリストアップする製品のステータス132bを取得する。さらに、該当するステータスの製品IDを製品ステータステーブル13aから取得する。取得した製品IDにより、フィルタリスト7を作成する(S406)。
【0075】
フィルタリスト配信機能12cは、処理S406にてフィルタリスト管理機能12bが作成したフィルタリスト7を新規登録依頼メッセージの送信元リーダ制御端末2に送信する(S407a)。リーダ制御端末2が正常にファイルを受信したら送信が正常に終了したとし、リーダ制御端末から正常終了のメッセージを受信する(S407b)。このメッセージが受信できない場合は、フィルタリストの送信に失敗したとする。
【0076】
フィルタリスト7のファイル送信に成功した場合は、処理S409の処理へ、失敗した場合は処理S410aの処理へ移る(S408)。
【0077】
ファイル送信に成功したら、差分データDB15の配信管理テーブル15bに登録されている、同じ分類で最新のバージョン152aを取得し、処理S403で登録した、もしくは処理S404で検索した端末管理DB14のテーブルの該当する端末ID141・アドレス142、分類143のレコードの送付バージョン144に登録する(S409)。
ファイル送信に失敗したら、リーダ制御端末2にフィルタリスト7の送信失敗メッセージを送信する(S410a)。リーダ制御端末2はこのメッセージを受信したら、再度新規登録を行うなどの処理を実行する(S410b)。
【0078】
処理S409および処理S410aの処理を実行したら、再び新規登録依頼受信待機の状態(S401b)に戻る。
【0079】
以上が、拠点内にリーダ制御端末2を新しく設置し、拠点サーバ1にその内容を登録する際の処理である。
【0080】
なお、前記の例では、新規に登録するリーダ制御端末2に配信するフィルタリスト7のファイルは登録依頼があった際に作成するものとしたが、入出荷情報の登録があったときなど製品のステータスが変更した際にフィルタリスト7のファイルを予め作成・更新して保持しておき、リーダ制御端末2の登録依頼があった際にはそのファイルを配信する、などとしてもよい。
【0081】
また、前記の例では新規にリーダ制御端末2を新しく設置した場合の例を中心に記したが、既に設置され使用されているリーダ制御端末の業務を変更もしくは追加しようとした場合、すなわち入荷用を出荷用に変更する場合は、前述のように処理S402から処理S404を経て直接S406を行う。
【0082】
以上の処理により、拠点内に新しくリーダとその制御端末を新設する場合や、今まで使用していたリーダとその制御端末を別の業務に使用する場合などにおいても、その時点での物品のステータスに応じたフィルタリストの配信と、配信したフィルタリストの管理が可能とある。
【0083】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。上記の実施形態では製品の入出荷を例に説明したが、対象とする業務はその物品の状態・ステータスによって読取対象となるか否かが判断できるいかなる業務においても適用可能である。また、上記の実施形態では物流企業などを想定しているが、個人や一般消費者も同様である。
【0084】
また、以上の実施形態では、拠点サーバが製品のステータス情報などを一元管理するとして説明したが、各リーダ制御端末がそれぞれ実施した業務の対象となる製品に関る情報を分散して保持するなどの場合でも、拠点サーバが仮想的に一元管理するなど自由に参照可能であれば、実際の情報の所在場所はどこでも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施形態に関するICタグ読取システムの全体構成を示す外観図である。
【図2】本発明の実施形態に関するICタグ読取システムの全体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に関するフィルタリストの一例である。
【図4A】本発明の実施形態に関する製品ステータスDBが保持する製品ステータステーブルの一例である。
【図4B】本発明の実施形態に関する製品ステータスDBが保持するフィルタ−ステータス関連テーブルの一例である。
【図5】本発明の実施形態に関する端末管理DBが保持するテーブルの一例である。
【図6A】本発明の実施形態に関する差分データの一例である。
【図6B】本発明の実施形態に関する差分データDBが保持する配信管理テーブルの一例である。
【図7】本発明の実施形態に関するICタグ読取システムのフィルタリストを用いた読取結果のフィルタ処理のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に関するICタグ読取システムの拠点サーバからのプッシュ配信によりリーダ制御端末のフィルタリストを更新する処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に関するICタグ読取システムのリーダ制御端末からのリクエストによりフィルタリストを更新する処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に関するICタグ読取システムのリーダ制御端末を新規に登録する際の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0086】
1 拠点サーバ
2 リーダ制御端末
3 リーダ
4 製品
5 ICタグ
6 アンテナ
7 フィルタリスト
8 差分データ
11、21 通信部
12、24 演算部
12a 製品ステータス管理機能
12b フィルタリスト管理機能
12c フィルタリスト配信機能
12d 端末管理機能
13 製品ステータスDB
14 端末管理DB
15 差分データDB
22 入出力部
23 リーダ制御部
24a アプリケーション格納部
24b 読取フィルタ機能
24c フィルタリスト管理機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に貼付されたICタグに対して、リーダライタ装置を介して読み書き処理を行うICタグ読取システムにおいて、
予め、前記物品の状況を示すステータス情報と当該物品のICタグもしくは当該物品を識別する識別子を対応付けて記憶する記憶部と、
当該ICタグ読取システムで情報を読み取る場合の前記物品の状況を示すステータス情報を受付ける受付部と、
前記記憶部に記憶された情報のうち、受付けられたステータス情報に対応する情報を抽出し、抽出された情報に含まれる識別子を保持する抽出部と、
前記リーダライタ装置を介して、前記ICタグから当該ICタグもしくは当該物品の識別子を受信するリーダライタ制御部と、
前記リーダライタ制御部で受信された識別子が、前記抽出部で保持された識別子と一致するかを比較して、当該比較結果に応じて前記ICタグに対する、前記リーダライタ装置を介した読み書き処理を制御する制御部とを有することを特徴とするICタグ読取システム。
【請求項2】
請求項1に記載のICタグ読取システムにおいて、
前記抽出部は、受付けられたステータス情報に対応する情報として、受付けられたステータス情報と記憶部に記憶された情報に含まれるステータス情報が、一致もしくは記憶された情報に含まれるステータス情報の状況が、受付けられたステータス情報の直前の状況を示す情報を抽出することを特徴とするICタグ読取システム。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載のICタグ読取システムにおいて、
前記制御部は、前記比較結果が一致の場合に、前記ICタグに対する読み書き処理を実行することを特徴とするICタグ読取システム。
【請求項4】
請求項2に記載のICタグ読取システムにおいて、
前記制御部は、前記比較結果が一致の場合に、前記記憶部に格納された前記ステータス情報を、受付けられた前記ステータス情報に更新することを特徴とするICタグ読取システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のICタグ読取システムにおいて、
前記制御部は、前記比較結果が不一致の場合には、前記ICタグに対する読み書き処理を抑止もしくはエラーメッセージの出力を実行することを特徴とするICタグ読取システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のICタグ読取システムにおいて、
前記リーダライタ制御部は、前記リーダライタ装置から、当該リーダライタ装置で前記ICタグより読み取られたステータス情報を受信することを特徴とするICタグ読取システム。
【請求項7】
物品に貼付されたICタグに対して、リーダライタ装置を介して読み書き処理を行うICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法において、
予め、前記物品の状況を示すステータス情報と当該物品のICタグもしくは当該物品を識別する識別子を対応付けて記憶する記憶部を有し、
当該ICタグ読取システムで情報を読み取る場合の前記物品の状況を示すステータス情報を受付部で受付けと、
前記記憶部に記憶された情報のうち、受付けられたステータス情報に対応する情報を抽出し、抽出された情報に含まれる識別子を抽出部で保持し、
前記リーダライタ装置を介して、前記ICタグから当該ICタグもしくは当該物品の識別子をリーダライタ制御部で受信し、
前記リーダライタ制御部で受信された識別子が、前記抽出部で保持された識別子と一致するかを比較して、当該比較結果に応じて前記ICタグに対する、前記リーダライタ装置を介した読み書き処理を制御部で制御することを特徴とするICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載のICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法において、
前記抽出部は、受付けられたステータス情報に対応する情報として、受付けられたステータス情報と記憶部に記憶された情報に含まれるステータス情報が、一致もしくは記憶された情報に含まれるステータス情報の状況が、受付けられたステータス情報の直前の状況を示す情報を抽出することを特徴とするICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法。
【請求項9】
請求項7または8のいずれかに記載のICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法において、
前記制御部は、前記比較結果が一致の場合に、前記ICタグに対する読み書き処理を実行することを特徴とするICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法。
【請求項10】
請求項7に記載のICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法において、
前記制御部は、前記比較結果が一致の場合に、前記記憶部に格納された前記ステータス情報を、受付けられた前記ステータス情報に更新することを特徴とするICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれかに記載のICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法において、
前記制御部は、前記比較結果が不一致の場合には、前記ICタグに対する読み書き処理を抑止もしくはエラーメッセージの出力を実行することを特徴とするICタグ読取システム。
【請求項12】
請求項7乃至11のいずれかに記載のICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法において、
前記リーダライタ制御部は、前記リーダライタ装置から、当該リーダライタ装置で前記ICタグより読み取られたステータス情報を受信することを特徴とするICタグ読取システムを用いた読み書き制御方法。
【請求項13】
物品に貼付されたICタグに対して情報の読み書き処理を行うリーダライタ部を有し、当該リーダライタ部を介して読み書き処理を行うICタグ読取装置において、
予め前記物品の状況を示すステータス情報と当該物品のICタグもしくは当該物品を識別する識別子が対応付いたステータス関連情報を記憶するデータベースと接続し、前記記憶部に記憶されたステータス関連情報のうち、当該ICタグ読取装置における前記物品の状況を示すステータス情報に対応し、所定の識別子を受信する接続部と、
受信された前記識別子を格納する記憶部と、
前記リーダライタ部を介して前記ICタグから当該ICタグもしくは当該物品の識別子を受信するリーダライタ制御部と、
前記記憶部に格納された識別子と前記リーダライタ制御部で受信された識別子を比較して、当該比較結果に応じて前記ICタグに対する、前記リーダライタ装置を介した読み書き処理を制御する制御部とを有することを特徴とするICタグ読取装置。
【請求項14】
請求項13に記載のICタグ読取装置において、
前記接続部は、前記データベースから前記識別子として、所定の条件で更新されたステータス関連情報の識別子を受信し、
前記記憶部は、最新に受信された識別子を差分情報として、他の識別子と区別して記憶し
前記制御部は、前記差分情報から先に前記比較を実行することを特徴とするICタグ読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−95346(P2010−95346A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268102(P2008−268102)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】