MOPAレーザー照明器のためのQスイッチ発振器シードソース方法及び装置
高利得光ファイバーおよび/または光学パルスの光学ロッド振幅における峻険なパルスを回避および/または補償する制御された高ダイナミックレンジ増幅を有するシードパルス信号のためのQスイッチレーザーまたはQシードソースを使用する装置、方法およびシステムである。随意に、光学出力はLIDARまたは照明用に使用される(例えば、画像取り込み用)。いくつかの実施形態において、良好に制御されたパルス形状は、広いダイナミックレンジ、長い持続時間および狭すぎない輝線幅を有して制御される。いくつかの実施形態におぃて、利得媒体を有する光学的空洞内でのQスイッチを開放すると、増幅が比較的遅く増大し、ここで利得媒体を通る各ラウンドトリップが光学パルスの振幅を増加させ。他の実施形態は、Qシードパルスを得るために、準Qスイッチ装置又は複数の振幅変調を使用する。これらの構成は、広いダイナミックレンジを有する光学パルスを提供し、非常に高いパワーのMOPAデバイスにおける峻険なパルス、非線形のスペクトルの広がりなどの問題を改善する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、「MOPAレーザー照明器のためのQスイッチ発振器シードソース方法及び装置」と題する、2009年11月23日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスらによって2009年11月23日に出願された、米国仮特許出願第61/263,736号についてアメリカ合衆国法典第35巻第119条(e)項の下での優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は次のものと関係づけられる:
−「HIGH−POWER LASER SYSTEM HAVING DELIVERY FIBER WITH NON−CIRCULAR CROSS SECTION FOR ISOLATION AGAINST BACK REFLECTIONS」と題する、2010年4月12日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスによって出願された米国仮特許出願第61/343,947号;
−「HIGH BEAM QUALITY AND HIGH AVERAGE POWER FROM、LARGE−CORE−SIZE OPTICAL−FIBER AMPLIFIERS; SIGNAL AND PUMP MODE−FIELD ADAPTOR FOR DOUBLE−CLAD FIBERS AND ASSOCIATED METHOD」と題する、2010年4月12日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスによって出願された米国仮特許出願第61/343,948号;
−「INLINE FORWARD/BACKWARD FIBER−OPTIC SIGNAL ANALYZER」というタイトルの、2010年8月11日にトルガ イルマズらによって出願された米国特許出願第12/854,868号;
−「METHOD AND APPARATUS FOR IN−LINE FIBER−CLADDING−LIGHT DISSIPATION」と題する、2010年4月12日にヨンダン フーによって出願された米国仮特許出願第61/343,949号;
−「METHOD AND APPARATUS FOR IN−LINE FIBER−CLADDING−LIGHT DISSIPATION」と題する、2010年6月3日にヨンダン フーによって出願された米国特許出願第12/793,508号;
−「OPTICAL−FIBER ARRAY METHOD AND APPARATUS」と題する、2010年8月23日にヨンダン フーらによって出願された米国特許出願第12/861,773号;
−「FIBER RAMAN AMPLIFIER PUMPED BY AN INCOHERENTLY BEAM COMBINED DIODE LASER、」と題する、2002年9月24日にロイ ミードらに発行された米国特許第6,456,756号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR DRIVING LASER DIODES」と題する、2010年9月7日にローレンス エー.ボルショワ(Borshowa)に発行された米国特許第7,792,166号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR PUMPING AND OPERATING OPTICAL PARAMETRIC OSCILLATORS USING DFB FIBER LASERS」と題する、2009年11月17日にアンガス ジェー.ヘンダーソンに発行された米国特許第7,620,077号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR GENERATING CONTROLLED−LINE WIDTH LASER−SEED−SIGNALS FOR HIGH−POWERED FIBER−LASER AMPLIFIER SYSTEMS」と題する、2009年5月26日にエリック シー.ホネア(Honea)らに発行された米国特許第7,539,231号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR GENERATING CHIRP−SLICE CONTROLLED−LINE WIDTH LASER−SEED SIGNALS」と題する、2007年1月12日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスらによって出願された米国特許出願第11/623,058号;
−「ULTRAVIOLET LASER SYSTEM AND METHOD HAVING WAVELENGTH IN THE 200−NM RANGE」と題する、2008年12月30日にデービッド シー.ゲルステンベルガーらに発行された米国特許第7,471,705号;
−「FIBER−OR ROD−BASED OPTICAL SOURCE FEATURING A LARGE−CORE, RARE−EARTH−DOPED PHOTONIC−CRYSTAL DEVICE FOR GENERATION OF HIGH−POWER PULSED RADIATION AND METHOD」と題する、2008年6月24日にファビオ ジ テオドロらに発行された米国特許第7,391,561号;
−「MULTI−SEGMENT PHOTONIC−CRYSTAL−ROD WAVEGUIDES FOR AMPLIFICATION OF HIGH−POWER PULSED OPTICAL RADIATION AND ASSOCIATED METHOD」と題する、2008年9月30日にファビオ ジ テオドロらに発行された米国特許第7,430,352号;
−「OPTICAL HOLLOW−CORE DELIVERY FIBER AND HOLLOW−ENDCAP TERMINATION AND ASSOCIATED METHOD」と題する、2008年5月27日にクリストファー ディー. ブルックスらに発行された米国特許第7,379,648号;
−「METHOD AND APPARATUS FOR SPECTRAL−BEAM COMBINING OF MEGAWATT−PEAK−POWER BEAMS FROM PHOTONIC−CRYSTAL RODS」と題する、2008年6月10日にファビオ ジ テオドロらに発行された米国特許第7,386,211号;
−「MONOLITHIC OR RIBBON−LIKE MULTI−CORE PHOTONIC−CRYSTAL FIBERS AND ASSOCIATED METHOD」と題する、2008年7月15日にファビオ ジ テオドロらに発行された米国特許第7,400,804号;
−「SYSTEM AND METHOD FOR AIRCRAFT INFRARED COUNTERMEASURES TO MISSILES」と題する、2008年9月30日にスティーヴン シー. ティッドウェルに発行された米国特許第7,429,734号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR SPECTRAL−BEAM COMBINING OF HIGH−POWER FIBER LASERS」と題する、2007年4月3日にアンドリュー ジェイ.ブラウンらに発行された米国特許第7,199,924号;
−「METHOD AND APPARATUS FOR OPTICAL GAIN FIBER HAVING SEGMENTS OF DIFFERING CORE SIZES」と題する、2006年11月30日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスによって出願された米国特許出願第11/565,619号;
−「HIGH−ENERGY EYE−SAFE PULSED FIBER AMPLIFIERS AND SOURCES OPERATING IN ERBIUM’S L−BAND」と題する、2008年1月22日にジョン ディー.ミネリーらによって出願された米国特許出願第12/018,193号;
および
−「SPECTRALLY BEAM COMBINED LASER SYSTEM AND METHOD AT EYE−SAFER WAVELENGTHS」と題する、2009年11月23日にロイ ディー.ミードによって出願された米国特許出願第12/624,327号;
これらはすべて参照によってそれら全体について本明細書に組み入れられている。
【0003】
本発明は、概して光学導波路と関係し、特には、高いパワーおよび高エネルギーのパルス主発振器電力増幅器(MOPA)照明器用のQスイッチレーザーおよび「Qスイッチ」状のシードソース(Q−switched−like−seed sources)とより関係し、高利得光ファイバーと光ロッド増幅器中の過度な峻嶮なパルスを防ぐために、パルス化されたシードソースは制御された広いダイナミックレンジを有する。
【背景技術】
【0004】
現在の技術的水準にかかる況のファイバーレーザーおよびファイバー増幅器は、誘導ブリユアン散乱(SBS)のような望まれない非線形効果を回避しながら、出力パルスが約1マイクロ秒以上の間続き、数ミリジュールのエネルギーを出力するくらいの非常に大きなパワーレベルにまでレーザーパルスを増幅させるのに困難を抱えている。SBSは、長いパルス持続時間(約5ナノ秒(nsec)より長いパルス)、および非常に狭い輝線幅(比較的広い輝線幅を有するレーザー信号はSBSの分解を引き起こしにくい)によって増幅する。
【0005】
光利得ファイバーが、比較的大きなエネルギー量を蓄積するために長時間(例えば100分の1マイクロ秒あるいは1000分の1マイクロ秒)に渡って光学的にポンピングされ、その後、誘発放出増幅によって蓄積されたエネルギーを取り出すために、光シードパルス(レーザー源からの低級パワーのレーザーパルス)が光利得ファイバーの導波路コアへ放たれるようなレーザー設計を、(エルビウムドープ光ファイバー増幅器(EDFAs)のような)希土類元素ドーパントをドープした光利得ファイバーは可能にする。シードパルスの前縁が最も高い利得をむかえる一方で、後のパルスの一時的な部分がより低い増幅量を受けるために、残念なことに、これは通常峻嶮なパルスをもたらす。
【0006】
峻嶮なパルスの問題を解決する1つのアプローチは、振幅変調によってシードパルスを形成すること(パルスの後半に増大する振幅が後続するシードパルスに低振幅前縁を与えること)であるが、満足のいくエネルギー抽出、パルス波形、および非線形効果の回避を得るための十分なダイナミックレンジ、および、きめ細かい制御を提供するのは大変困難である。ファイバー増幅器またはファイバーレーザーが上記の効果を補うよう設計される場合でさえも、より大きなファイバーサイズおよび/または長さ、ポンプパワーなどへ段々高まる時、1つのファイバーから得られる最大パワーには限界があるだろう。
【0007】
様々な発明は分光ビーム結合(spectral−beam combining)を使用する。「Beam combining of diode laser array elements for high brightness and power」と題する、サンチェス−ルビオらに対する米国特許第6,192,062号、および「High−power multi−wavelength external cavity laser」と題する、サンチェス−ルビオらに対する米国特許第6,208,679号は、分光ビーム結合の基本的技術について記載しており、その両方は、参照によって本明細書に組み入れられる。
【0008】
幾つかの実施形態では、分光ビーム結合に使用されるグレーティングは「ブレーズ(blazed)」であり、すなわち、グレーティングの表面全体に垂直なベクトルに関して非対称の側壁角を有するV字型溝によって形成されている。「Optical Diffraction Grid」と題する、ハイデンハインらに対する米国特許第3,728,117号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、非対称の溝を有する、ブレーズグレーティングを作る方法について記載している。「High−efficiency, multilevel, diffractive optical elements」と題する、スワンソンらに対する米国特許第4,895,790号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、ステップ形状(stepped profiles)を作るための2進法のフォトリトグラフィーを使用して、非対称の溝を有するブレーズグレーティングを作る方法について記載している。「Diffraction Grating with Reduced Polarization Sensitivity」と題する、2000年8月1日にチョードリに対して発行された米国特許第6,097,863号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、信号を分散するための低い偏光依存性を備える、反射型回折グレーティングについて記載している。チョードリのグレーティングは、伝送帯域幅内の効率変動を少なくするように向けられた、分化する2つの直交方向における回折効率間の差異を小さくするために形作られるファセットを含む。「Patterned Multi−Layer Structure and Manufacturing Method」と題する、1982年2月2日にヤノらに対して発行された米国特許第4,313,648号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、型のある(縞のある)多層物品(multi−layer article)の製造方法について記載している。
【0009】
「DIFFRACTIVE OPTICAL ELEMENT」と題する、タカダらに対する米国特許第6,822,796号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、誘電体コーティングを備える非対称の溝を有する、ブレーズグレーティングを作る方法について記載している。「Grating device with high diffraction efficiency」と題する、フースらに対する米国特許第6,958,859号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、誘電体コーティングを有する、ブレーズグレーティングを作る方法について記載している。
【0010】
「MULTILAYER DIELECTRIC DIFFRACTION GRATINGS」と題する、1999年5月25日にペリーらに対して発行された米国特許第5,907,436号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、高い回折効率を持った誘電性のグレーティング構造の設計および製造について記載している。当該グレーティングは、多層の上部にグレーティング構造を備えた、インデックス誘電体材料(index dielectric materials)を交互にする多層構造を有しており、調整可能な効率の回折グレーティングおよび可変性の光学的帯域幅を得る。
【0011】
「HIGH POWER FIBER GAIN MEDIA SYSTEM ACHIEVED THROUGH POWER SCALING VIA MULTIPLEXING」と題する、2001年4月3日にワールトらに発行された米国特許第6,212,310号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、動作の異なる波長、パルスまたは偏光モードを備えた複数のファイバー利得ソースの多重化によるパワースケーリングの方法について記載しており、これは、単一モードまたはマルチモードファイバーに与えられる、例えば何十ワットから何百ワットまでに渡るような高電力出力を提供するための複数のファイバー利得ソースの多重結合を通して達成される。
【0012】
「ALL−SILICON RAMAN AMPLIFIERS AND LASERS BASED ON MICRO RING RESONATORS」と題する、2009年5月12日にヤンらに対して発行された米国特許第7,532,656号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、レーザービームを生成するためのデバイスについて記載している。当該デバイスは、マイクロリングから離れて配置してあるシリコン光導波路の少なくとも1つを有するシリコン光学マイクロリングを含む。当該マイクロリングの半径および横断面の寸法、導波路の横断面の寸法、およびマイクロリングと導波路の間の距離は、マイクロリングの1つ以上の対のウィスパリング−ギャラリー−モード(whispering−gallery−mode)の共振振動数がシリコンの光学的フォノン周波数によって分離されるように決定される。
【0013】
「METHOD AND APPARATUS FOR WAVEGUIDE OPTICS AND DEVICES」と題する、2001年12月11日にベンデットらに対して発行された米国特許第6,330,388号、および、「METHOD AND APPARATUS FOR WAVEGUIDE OPTICS AND DEVICES」と題する、2003年10月21日にベンデットらに発行された米国特許第6,636,678号の両方は、参照によって本明細書に組み入れられている。これらの特許は、調整可能な導波路レーザーを生成するための光学構造および方法について記載している。1つの実施形態では、導波路は、イオン拡散によって1つの又は複数の希土類元素をドープしたガラス基板の範囲内に定義される。導波路中のミラーまたは反射グレーティングのようなフィードバック要素はさらに、レーザー光が光学的にまたは他の方法でポンピングされる場合に当該レーザー光が当該導波路から出力されるように、レーザー空洞共振器を定義する。反射グレーティングによって反射される波長、および、空洞共振器の実効長を変化させ、その結果、選択された波長にレーザーを調整する方法が開示される。これらの特許はまた、ガラス基板上の希土類元素をドープしたレーザーおよび光学部品(optics)を統合するための装置および方法について記載している。
【0014】
「Rare−earth doped phosphate−glass lasers and associated methods」と題する、2005年11月29日にベンデットらに対して発行された米国特許第6,970,494号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、ガラス基板上のレーザーおよび光学部品を統合する工程について記載している。複数の導波路を備える光学活性なランタニド元素種をドープしたガラス基板から形成された光学的(例えばレーザー)要素は、基板内のチャネルによって定義される。レーザー要素は、個々の導波路のモノリシックアレイを随意に含み、当該導波路は異なる共振特性を備えるレーザー空洞共振器を形成する。
【0015】
「Compact apparatus and method for integrated photonic devices having folded directional couplers」と題する、2004年11月2日にベンデットらに対して発行された米国特許第6,813,405号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、主平面と、第1の導波路セグメントと第2の導波路セグメントを有するガラス基板、および第1の導波路セグメントと第2の導波路セグメントを繋ぐ折りたたまれたエバネッセントカプラ(evanescent coupler)を含む、統合されたフォトニック装置について記載している。折りたたまれたエバネッセントカプラは、第1の導波路セグメントの第1の長さ、および第1の導波路セグメントと平行し、隣接する第2の導波路の等しい長さの部分によって形成される。第1の長さは、折りたたまれていないエバネッセントカプラ中の第1の波長を伝送するために必要とされる、エバネッセントカプラの2分の1の長さと実質的に等しい。リフレクタ(例えば第1の波長の光を高度に反射し、また第2の波長の光を高度に透過する誘電体ミラー)は、折りたたまれたエバネッセントカプラの終端に位置する。
【0016】
「APPARATUS AND METHOD FOR INTEGRATED PHOTONIC DEVICES HAVING GAIN AND WAVELENGTH−SELECTIVITY」と題する、2002年12月10日にベンデットに対して発行された米国特許第6,493,476号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、統合されたフォトニック装置について記載しており、当該フォトニック装置は主平面を有するガラス基板を含み、そこでは当該ガラス基板が複数の領域を含み、各々の領域は異なる屈折率を有しており、第1の領域は第1の屈折率を、および第2の領域は第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有し、さらに当該ガラス基板は、基板の主平面に沿って形成された第1の導波路を含み、そこでは第1の導波路は基板の隣接する部分の真性屈折率よりも高い屈折率を有し、第1の導波路はガラス基板の第1の領域および第2の領域を通過する。
【0017】
「Fiberoptic reconfigurable devices with beam shaping for low−voltage operation」と題する、2008年7月22日にチャオらに対して発行された米国特許第7,403,677号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許第7,403,677号は、感動幅WRに関して400ミクロンの限界寸法未満の横断面の寸法を少なくとも1つ備えた平行ビームに光ビームを平行にするレンズを使用することで、光ビームに対して動作するための装置および方法について記載している。当該装置は、感動幅の範囲内に配された、例えば300ミクロン未満の小さな厚みのバルクの(bulk)電気光学材料を有し、平行ビームは経路に沿ってそれを横断する。当該装置は、平行ビームに対して動作を行なうために、低い動作電圧または駆動電圧、例えば400V未満、をバルクの電気光学材料に適用するための電圧源を有する。当該光ビームを平行にするためのレンズは、屈折率分布型(GRIN)レンズまたは好ましくはC−レンズのような自由空間コリメーターである。「Single−mode fiber optic saturable absorber」と題する、1988年10月18日にソリンらに対して発行された米国特許第4,778,237号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許第4,778,237号は、光学信号を処理するための光ファイバーの飽和性吸収体が、対向面を形成するためにクラッディングの一部が取り除かれる光ファイバーを含むことについて記載している。非線形の光吸収特性を有する光吸収物質は対向面へと適用され、その結果、光学信号エネルギーの一部がファイバーからそれが吸収される物質へと伝送される。デバイスは光学信号およびノイズを選択的に減少させ、パルスの広がり、およびシステムノイズの増幅により引き起こされるパルス波形の歪みを小さくするために使用されることができる。
【0018】
「MEMS optical cross−connect switch」と題する2002年5月28日にウッドらに対して発行された米国特許第6,396,975号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許第6,396,975号は、光学信号を入力ファイバーから2つ以上の出力ファイバーのうちの1つへ切り替えることができるMEMS(マイクロエレクトロメカニカル(microelectromechanical))構造について記載している。1つの実施形態では、MEMS光クロスコネクトスイッチは、第1のマイクロエレクトロニクスの基板を含み、当該基板は当該基板の表面に配置されたポップアップミラー、および可変的に調整された磁場発生源のような回転磁場発生源を有する。回転磁場発生源は、反射しない状態から反射する状態まで、ポップアップミラーの確実な操作を可能にする。さらに、当該発明は、基板の表面に配置されるポップアップミラーを有する第1のマイクロエレクトロニクス構造、および第1の基板に対して固定の位置関係で配置される位置決め構造を有するMEMS光クロスコネクトスイッチで具体化される。その位置決め構造は、第1のマイクロエレクトロニクス基板に対して固定の位置関係にある第2のマイクロエレクトロニクス基板から伸びる位置決め構造を含んでもよい。位置決め構造は、反射する状態へとポップアップミラーを作動した場合にポップアップミラーのさらなる運動を制限する役目を果たす。
【0019】
「Single−mode fiber optic saturable absorber」と題する、1988年10月18日のソリンらに対する米国特許第4,778,237号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許第4,778,237号は、光学信号を処理するための光ファイバー飽和性吸収体が、対向面を形成するためにクラッディングの一部が取り除かれる光ファイバーを含むことを記載する。非線形の光吸収特性を有する光吸収物質は、光学信号エネルギーの一部がファイバーからそれが吸収される物質へと伝送されるように、対向面に適用される。デバイスは光学信号およびノイズを選択的に減じ、パルスの広がり、およびシステムノイズの増幅により引き起こされるパルス波形の歪みを小さくするために使用されることができる。
【0020】
「System and method for a passively Q−switched, resonantly pumped, erbium−doped crystalline laser」と題する、2007年4月10日のヤングらに対する米国特許第7,203,209号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許7,203,209は、第1のミラーと第2のミラーの間で形成された共振空洞を含むレーザーについて記載している。レーザー利得を生みだすための、感作されていないエルビウムドープした結晶利得媒体は共振空洞内に配置される。飽和性吸収体は共振空洞内に配置される。ポンプソースは利得媒体にエネルギーを与えるように位置付けられる。75ナノ秒未満の持続時間を有する出力パルスがレーザーによって生成されるように、飽和性吸収体、レーザー利得、共振器の長さ、および第2のミラーは選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
例えば、U.S.強電力レーザーイニシアティブ(RELI)用に提案されているような、指向性エネルギー(DE)兵器用のファイバーレーザーからの分光ビーム結合したレーザービームを含む、新規でかつ非自明な結合を得るために、本発明は本明細書に記載される任意の先行技術特許と共にまたは組み合わせて使用されることができる。幾つかの実施形態では、本発明は、目に安全な波長でDE用のラマン−ファイバー増幅器またはレーザーをポンプする高電力レーザーを製造する。
【0022】
改善されたレーザーシステムの、特にはMOPA設計で使用するためのQスイッチファイバーレーザーおよび/またはファイバー光増幅器の必要性がある。他のファイバーレーザー代替物が利用可能である一方、本発明は改善されたパフォーマンス(より高い出力電力)および/またはより低いコストを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
幾つかの実施形態では、本発明は、長持続レーザーパルスの高利得光ファイバー増幅における峻嶮なパルスを回避する、および/または補う、制御された高ダイナミックレンジ振幅を有するシードソースとしてQスイッチレーザーを使用する装置、方法およびシステムを提供する。幾つかの実施形態では、出力は照明目的(例えば、画像取得のためにシーンを照射すること)のために使用される。幾つかの実施形態では、十分に制御されたパルス波形はダイナミックレンジ、長持続、および狭すぎない輝線幅を有して得られる。幾つかの実施形態では、利得媒体を有する光空洞においてQスイッチを開放すると、増幅は比較的ゆっくりと高まり、そこでは利得媒体を通る各ラウンドトリップが光学パルスの振幅を増大させる。この構造は非常に幅の広いダイナミック(すなわち1つのラウンドトリップ後の非常に低い振幅、および光が再三に及んで利得媒体を通る時間に渡っての比較的ゆっくりで制御された増大)を有する光学パルスをもたらす。
【0024】
本明細書に使用されるように、Qスイッチは、それがレーザー空洞においてレーザーを発するのを可能にするためには不十分な信号を伝搬する(すなわちレーザーを発する信号波長の光の閾値下の量、通常は、循環させるのに最低限または無の信号を可能にする)場合には「閉鎖(closed)」または「オフ」と認識され、またそれがレーザー空洞においてレーザーを発するのを可能にするために十分な信号を伝搬する(すなわちレーザーを発する信号波長の光の閾値を超える量、通常は、循環させるのに最大限または全ての信号を可能にする)場合には「開放(open)」または「オン」と認識される、レーザー空洞内にある光学要素である。通常は、Qスイッチは可変的に透過性の要素として構成され、Qスイッチが「オン」の場合には信号光を透過し、Qスイッチが「オフ」の場合には信号光を透過しない。他の実施形態では、Qスイッチは可変的な透過性半導体要素として構成され、そこでは、Qスイッチが「オン」の場合には、レーザーを発するのを可能にするために半導体を透過的にするよう、Qスイッチ駆動回路が十分な電力を供給し、Qスイッチが「オフ」の場合には、透過性がレーザーを発するのを可能にするために十分な電力を供給しない。および幾つかの実施形態では、この同一の半導体要素はまた、十分な電力が適用される場合、さらなる光学利得を供給する。また他の実施形態では、Qスイッチは可変的な反射率要素(reflectance element)として構成され、そこでは、Qスイッチが「オン」の場合には、Qスイッチは、レーザー空洞中でレーザー発射を引き起こすのに十分な信号を反射し、Qスイッチが「オフ」の場合には、レーザーを発するのを可能にするのに十分な信号を反射しない。
【0025】
幾つかの実施形態では、振幅増加率に関してさらなる微細な粒度の制御を提供するために、Qスイッチそれ自体は電子制御の下で(完全閉鎖から完全開放に至るというよりもむしろ)徐々に開放される。幾つかの実施形態では、音響光学変調器(AOM)はQスイッチとして使用され、(例えば、もし方形パルスによって駆動されるように)もし完全に駆動される場合に開放するよりも更にゆっくりと作動するように電子制御されている(例えば、幾つかの実施形態では、それは制御されたスロープの傾斜パルスによって駆動される)。
【0026】
幾つかの実施形態では、本発明は、一方向性のリングの周りでの光の移動を強化するのを補助する光アイソレーター、シード信号の輝線幅を狭め制御するのを補助する帯域通過フィルター、シード信号を偏光するための偏光子および/または偏光保持ファイバー、一時的なパルス波形を制御するためのQスイッチに連結されたQスイッチドライバー、およびフィードバックとしてシード信号の一部をレーザーリングに連結させ、シード信号の別の一部を1つ以上の外部の光パワー増幅器に連結させる出力カプラ、などを含むQスイッチリングシードレーザー構造において希土類元素をドープした(RE−doped)光学利得ファイバーを提供する。シード信号の高ダイナミックレンジおよび振幅制御は、さもなければ同一の1つ以上の外部の光パワー増幅器および主発器振電力増幅器(MOPA)構成における従来のシードパルスを使用して起こる峻嶮なパルスを回避するかまたは補う。
【0027】
幾つかの実施形態では、本発明は、以下に記載されている図1A、図1B1、図1B2、図1B3、図1C1、図1C2、図1D1、図1D2、図1E1、図1E2、図1E3、図1F1、図1F2、図1F3、図1G1、1G2および図1G3に示されているような、Qスイッチレーザーからの「Qスイッチシード信号」を提供する。他の実施形態では、本発明は、以下に記載される図2Aおよび図2Bに示されるような、シードパルス用のレイジングエネルギーを蓄積するためのラージコア利得ファイバーを使用する構成において、Qスイッチの代わりにパルスポンプされたスモールコア利得ファイバーを使用する準Qスイッチ(quasi−Q−switch)レーザーからの「準Qスイッチシード信号」を提供する。また他の実施形態では、本発明は、Qスイッチ信号によく似た前縁を有するシードパルスを形成するために、後になって勾配を増大させる、非常にゆっくりと増加する前縁を有する高ダイナミックレンジのパルスを形成するための複数の光学振幅増幅変調器を使用しながら、以下の図5A、図5B、および図5Eに記載されるような装置を使用しながら、その出力を変調する従来のレーザーまたは制御された輝線幅の自然放射増幅光(ASE)デバイスから「「Q」状のシード信号(Q−like seed signals)」を提供する。
【0028】
本明細書で使用されているように、「Qシード信号」は、Qスイッチシード信号、準Qスイッチシード信号、およびQ様シード信号を含む、ガウスの、またはガウスのような一時的な強度形状を有する信号についての総称用語である。本明細書で使用されているように、「Qシードソース」は、Qシード信号を生成するパルス発光ソースについての総称用語である。本明細書で使用されているように、「光」信号、および「光学」信号は各々、(一般に紫外線と呼ばれる)約100nmから約400nmの間の波長の電磁放射線(EMR)、(可視領域の両端を定義する正確な波長、すなわちヒトによって知覚される波長、は個体および光の強度によって異なり得るが、紫から赤までの可視光である)約400nmから約700nmの間の電磁放射線、または(一般に赤外線と呼ばれる)約700nmから約10,000nmの間の電磁放射線を含む。さらに幾つかの実施形態では、本発明は100nmより短い、または10,000nmより長い波長を有するEMR信号を使用することを企図する。
【0029】
幾つかの実施形態では、本発明は、峻嶮なパルスを回避しながら、非常に高いパワーにまでQシード信号を十分に増幅させる、ファイバーまたはロッドに基づいた電力増幅器または電力増幅器チェーン(一連のファイバーに、あるいはロッドに基づいた利得媒体)によって増幅される、QシードソースからのQシード信号を用いるMOPA機器を提供する。
【0030】
幾つかの実施形態では、本発明の新規のシードソースは非常にコンパクトで、頑丈で、およびコスト効率が良い。幾つかの実施形態では、新規のシードソースには5n秒以下の短いパルスを生成する能力がある。幾つかの実施形態では、Qスイッチシードソースは、そのQスイッチとして固体増幅器を使用する。幾つかの実施形態では、Qスイッチシード信号は、パワー増幅段を含む、ファイバー増幅段において峻嶮なパルスを招かない。幾つかの実施形態では、Qスイッチシード信号は誘導ブリユアン散乱(SBS)または変調不安定性を招かない。幾つかの実施形態では、本発明は、最小のスペクトルの広幅化を伴う共伝搬(co−propagating)ポンピングスキームを使用する。幾つかの実施形態では、その輝線幅はスペックルを最小化するように調整される。幾つかの実施形態では、その輝線幅は照明器検出器システムの検出サブシステムにおいて使用される波長フィルターと一致するように調整される。
【0031】
峻嶮なパルスが生じず、したがって、パルスの輝線幅が減少しないことにより、本発明は狭帯域増幅にとって重要である。
【0032】
幾つかの実施形態では、本発明は、ファイバーベースのシステムからガウス型の高パルスエネルギーを提供する。
【0033】
本発明によって生成されるQスイッチパルスは、非線形性として自己位相変調を示す。しかしながら、本発明によって生成されるQスイッチパルスは、電力増幅器帯域幅の外側の波長への信号パルスのスペクトルの広幅につながる、四光波混合を示さず、およびその結果として電力増幅器のエネルギー抽出能力のエネルギーのクランピングを示さない。
【0034】
本発明は、ロングレンジの画像収集システム(カメラ用の照明するシーン)用照明器により長いレンジを提供する、より高いパルスエネルギーの信号および改善された光・ディスタンシングおよびレンジング(light−distancing−and−ranging)(LIDAR)システムを可能にする。
【0035】
発明の幾つかの実施形態の別の態様は、高電力信号パルスからのポンプ・レーザーを保護するためにQスイッチがオンの場合にポンプ・レーザーへの経路のスイッチを切るのと同様、レイジング空洞における信号光をQスイッチするという2つの機能を提供する1ポート−2ポート(1x2)の電気的に制御された光スイッチの使用である。
【0036】
また本発明の幾つかの実施形態の別の態様は、レーザーシードソースの振幅変化ノイズを減らすノイズアベレージャーの使用である。幾つかの実施形態では、前記ノイズは、ノイズアベレージャーによって減少され、当該ノイズアベレージャーは、信号を複数の部分に分け、その後(例えば面状の光学機器の異なる長さの表面波線路に、または異なる長さの光ファイバーに、各々の部分を通すことによって)各部分を異なる量の時間で遅らせて、その後、遅れた部分を互いに再結合する(混合する)。
【0037】
他の実施形態では、本発明は1.94ミクロンの医用レーザーに使用される。さらに他の実施形態では、それは材料処理システムに使用される。また他の実施形態では、本発明は赤外線逆探知装置(IRCM)に使用される。幾つかの実施形態では、本発明は、軍用規格を満たした(ミル−スペック−認証)高いパルスエネルギーレーザーシステムを可能にする、非常に頑丈な装置を提供する。
【0038】
本発明は、軍事の戦術システムにとって、および、高度防衛プログラム(defense Advanced Program)、並びに、照明器市場、アクティブイメージング、材料処理、医療用(2つの−ミクロン波長版)、IRCM;軍事の応用、監視システム、医療システム、産業使用、DIAL用のレーザーなどにとって重要である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1A】図1Aは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(101)のブロック図であり、当該サブシステム(101)は(グラフ化されたプロット(88)として示される)増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される、(グラフ化されたプロット(81)として示される)シードパルス(91)を出力するQスイッチレーザシードソース(110)を含む。
【図1B1】図1B1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(102)のブロック図であり、当該サブシステム(102)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)により増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチレーザーシードソース(120)を含む。
【図1B2】図1B2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(182)のブロック図であり、当該サブシステム(182)は増幅されたパルス(68)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(62)を出力するポンプドスルーQスイッチリングレーザーシードソース(180)を含む。
【図1B3】図1B3は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(183)のブロック図であり、当該サブシステム(183)は増幅されたパルス(67)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(63)を出力するポンプドスルーQスイッチレーザシードソース(181)を含む。
【図1B4】図1B4は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(185)のブロック図であり、当該サブシステム(185)は、増幅されたパルス(68)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(62)を出力するポンプドスルーQスイッチリングレーザーシードソース(184)を含む。
【図1B5】図1B5は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(187)のブロック図であり、当該サブシステム(187)は、増幅されたパルス(64)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(61)を出力するブリーチドパルスQスイッチソース(197)を含む。
【図1C1】図1C1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(103)の概略図であり、当該サブシステム(103)は増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチレーザーシードソース(130)を含む。
【図1C2】図1C2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(103)のブロック図であり、当該サブシステム(103)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチレーザーシードソース(130)を含む。
【図1D1】図1D1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(104)の概略図であり、当該サブシステム(104)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するフラットパックパッケージされた半導体レーザーベースのQスイッチレーザーシードソース(140)を含む。
【図1D2】本発明の幾つかの実施形態によると、図1D2はサブシステム(104)のブロック図であり、当該サブシステム(104)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチレーザシードソース(140)を含む。
【図1E1】図1E1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(105)の概略図であり、当該サブシステム(105)は増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、フラットパックパッケージされた希土類元素ドープしたレーザーベースのQスイッチレーザーシードソース(150)を含む。
【図1E2】図1E2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(105)のブロック図であり、当該サブシステム(105)は、Qスイッチとして半導体光増幅器を使用し、および、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(150)を含む。
【図1E3】図1E3は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(105’)のブロック図であり、当該サブシステム(105’)は、光学ポンプした面状導波路光増幅器(155’)をQスイッチとして使用し、および、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(150’)を含む。
【図1F1】本図1F1は発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(106)の概略図であり、当該サブシステム(106)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、フラットパックパッケージされた希土類元素ドープしたレーザーベースのQスイッチレーザーシードソース(160)を含む。
【図1F2】図1F2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(106)のブロック図であり、当該サブシステム(106)は増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチリングレーザーシードソース(160)を含む。
【図1F3】図1F3は本発明の幾つかの実施形態による代替のサブシステム(106’)のブロック図であり、当該サブシステム(106’)は、光学ポンピングした面状導波路光増幅器(165’)をQスイッチとして使用し、および、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(160’)を含む。
【図1G1】図1G1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(1071)の概略図であり、当該サブシステム(1071)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、フラットパックパッケージされた希土類元素ドープしたレーザーベースのQスイッチレーザーシードソース(170)を含む。
【図1G2】図1G2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(1072)のブロック図であり、当該サブシステム(1072)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチリングレーザーシードソース(170)を含む。
【図1G3】図1G3は本発明の幾つかの実施形態による代替のサブシステム(1073)のブロック図であり、当該サブシステム(1073)は、光学ポンピングした面状導波路光増幅器(175’)をQスイッチとして使用し、および、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(170’)を含む。
【図2A】図2Aは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(201)のブロック図であり、当該サブシステム(201)は、増幅された準Qスイッチパルス(94)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される準Qスイッチシードパルス(90)を出力する準Qスイッチリングレーザーシードソース(210)を含む。
【図2B】図2Bは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(202)のブロック図であり、当該サブシステム(202)は、増幅された準Qスイッチパルス(94)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される準Qスイッチシードパルス(90)を出力する準Qスイッチリングレーザーシードソース(220)を含む。
【図3A】図3Aはサブシステム(301)のブロック図であり、当該サブシステム(301)は、増幅されたパルス(93)(グラフ化されたプロット(83)として示される)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される傾斜シードパルス(92)(グラフ化されたプロット(82)として示される)を出力する従来方法で変調した傾斜パルスレーザーシードソース(50)を含む。
【図3B】図3Bは2つの信号の詳細なグラフ(302)であり、当該信号はシードパルス(92)の最初の部分の峻嶮なパルスから生じる、傾斜シードパルス(92)の強度対時間を示すプロット(82)および増幅したパルス(93)の強度対時間を示すプロット(83)を含む。
【図3C】図3Cは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(101)(前図1Aに図示)のブロック図であり、当該サブシステム(101)は、増幅されたパルス(98)(グラフ化されたプロット(88)として示される)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)(グラフ化されたプロット(81)として示される)を出力するQスイッチレーザーシードソース(110)を含む。
【図3D】図3Dは、本明細書の幾つかの実施形態によるQスイッチシードパルス(91)の強度対時間を示すプロット(81)、および増幅したパルス(98)の強度対時間を示すプロット(87)を含む、2つの信号の詳細なグラフ(304)である。
【図3E】図3Eは、本明細書の幾つかの実施形態によるQスイッチシードパルス(91)の強度対時間を示すプロット(81)、および増幅したパルス(98)の強度対時間を示すプロット(87)を含む、2つの信号の詳細なグラフ(305)である。
【図4A】図4Aは、本明細書の幾つかの実施形態による輸送手段または設備(408)に取り付けられるQシードMOPAサブシステム(100)を含むシステム(401)のブロック図である。
【図4B】図4Bは、本明細書の幾つかの実施形態による出力ビームが分光ビームコンバイナーで結合される複数のQシードMOPAサブシステム(100)を含むシステム(402)のブロック図であり、その全ては輸送手段または設備(409)に取り付けられる。
【図5A】図5Aは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(501)の概略図であり、当該サブシステム(501)は増幅されたパルス(598)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される「Q」状のシードパルス(591)を出力するレーザーおよび直列/並列変調結合(「Q」状のシードパルス発生器と呼ばれる)を含む。
【図5B】図5Bは、シードソース(520)が並列に接続された変調器(5251)と(5252)のみを有する代替的な実施形態である、サブシステム(502)の概略図であり、それぞれの出力はコンバイナー(526)によって接続され、その後、その出力は変調器(5253)を通して直列に接続される。
【図5C】図5Cは、各々を異なる時間で遅らせた32の部分を平均化することで得られるシミュレートされたノイズ信号(512)(図5Aおよび図5Bを参照)のプロット(1512)およびノイズが減少した信号(512’)(図5Aおよび図5Bを参照)のプロット(1512’)を示す、概略的なグラフ(503)である。
【図5D】図5Dは、光学変調素子(例えば、図5Aのサブシステム(501)の幾つかの実施形態、または図5Bのサブシステム(502)の幾つかの実施形態では、変調器(5251)、(5252)、および(5253))をそれぞれ駆動させるために使用される、理想化された電気パルス(571)、(572)、および(573)のプロットを示す、概略的なグラフ(504)である。
【図5E】図5Eは、光学変調素子(例えば、図5Fのサブシステム(506)の幾つかの実施形態では、変調器(5254)、(5255)、および(5256))をそれぞれ駆動させるために使用される、理想化された電気パルス(574)、(575)、および(576)のプロットを示す、概略的なグラフ(505)である。
【図5F】図5Fは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(506)の概略図であり、当該サブシステム(506)は、増幅されたパルス(597)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される「Q」状のシードパルス(591)を出力するレーザーおよび直列変調結合(560)(「Q」状のシードパルス発生器(560)と呼ばれる)を含む。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の詳細な説明は、例証の目的で多くの特定の例を包含しているが、当業者は、以下の多くの変更および以下の詳細な例への変更が発明の範囲内にあることを認識するであろう。従って、本発明の以下の好ましい実施形態は、一般性の任意の損失なしに、かつ請求された本発明に限定を課することなしに述べられる。さらに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明において、その一部分を形成する添付図面が言及される。それらは本発明が実施され得る特定の実施形態によって示される。他の実施形態が利用され得ること、及び構成の変更が本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることは、理解される。
【0041】
図に一般に現われる参照符号の先行のディジットは、その成分が最初に導入される図番号に同じ参照符号が多数の図に現われる参照符号の先頭の桁は、当該構成が最初に導入される図番と対応し、その結果、同一の参照符号は本明細書を通じて複数の図面に現れる同じ構成要素に言及するために使用される。信号と接続は同一の参照符号またはラベルによって言及され得るが、実際の意味は説明の文脈におけるその使用から明らかになるであろう。本明細書における説明において、特定の個々の図面の説明において明示的に記載されていない種々の図面における参照符号は、先に記載された図面における同一の参照符号について記載された、対応する構成要素又は信号に言及する。
【0042】
本発明によれば、「主発振器」レーザーからの比較的低出力のQスイッチパルスは、シード信号としてされ、当該シード信号は、高ポンピング主−発信パワー−増幅システムにおける光パワー増幅器によって増幅され、当該高ポンピング主−発信パワー−増幅システムは、レーザー及び/又は利得セクションのうちの少なくともいくつかのための光ファイバー及び/又は光ロッド利得媒体を含む(主発振器の後の1つ以上の利得セクションは本明細書において増幅器チェーンと呼ぶ)。いくつかのそのようなシステムは、画像取得のためのパルス照明器として使用される。幾つかの実施形態では、出力パルスは、持続時間において約1マイクロ秒の全幅半値(FWHM)の等級である。他の実施形態では、パルス持続時間は、約0.1マイクロ秒乃至約10マイクロ秒である。さらに他の実施形態では、Qスイッチシードパルス持続時間は1〜2ナノ秒程度の短さである。高い増幅ファイバーまたはロッドの光学利得媒体を有する従来のシステムは、パルスの前縁が高度に増幅され、後にパルスの一部が低い増幅に到達するように、パルスが到着するまでは、ポンプソースから大きいエネルギー量を格納する。当該前縁は、SBSのような不適当な非線形の効果につながる、峻嶮なパルス及び高ピークパワーへと導く。これをアドレス(address)するための1つの方法は、シードパルスを形成するためにシードパルスを振幅変調し、かつ当該シードパルスを最初は低い強度(それは増幅器チェーンから最も高い利得を経験する)から、当該パルスの後方で高い強度まで傾斜させるように構成された光学変調素子を提供することである(格納されたエネルギーは部分的に使い果たされているため、増幅器チェーンからの増幅は少ない)。
【0043】
幾つかの実施形態では、本発明は、Qスイッチレーザー空洞からシードパルスを提供する。幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザー空洞はリングレーザーとして構成され、その一方で、他の実施形態では、リニア・レーザー構造が使用される。Qスイッチレーザー空洞のQスイッチが開かれる(例えば、完全閉鎖から、完全開放まで)場合、空洞における信号の強度は、空洞の長さに関連づけられる時間に依存する(利得媒体を介した各ラウンドトリップによって、空洞に格納されたエネルギーが消耗されるまで、パルス強度が増加し、したがって、空洞の長さ及び/又は少なくとも部分的な幾何学的特徴が、一時的なパルス波形を制御する)。幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザー空洞のQスイッチは、シードパルスの一時的な波形に対する追加の制御を達成するために一時的に形成されたパルス(例えば傾斜したパルス)によって駆動される。幾つかの実施形態では、シード信号パルスのレーザービームを発する波長および輝線幅を、誘導ブリユアン散乱(SBS)を防止するのに充分信号パルスがスペクトル的に広くなるように制御するために、バンドパス波長フィルターは、Qスイッチレーザー空洞の中で使用される。加えて、Qスイッチシードパルスは、複数の縦のレーザービームを発するモードを有する。当該モードはシードパルスを、SBSを防止するのに充分にスペクトル的に広くする。
【0044】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されているシステムは、他のシステムまたは構成要素と組み合わされ、その結果、増幅された出力パルスはさらに(例えば、2008年9月30日に発行された、「MULTI−SEGMENT PHOTONIC−CRYSTAL−ROD WAVEGUIDES FOR AMPLIFICATION OF HIGH−POWER PULSED OPTICAL RADIATION AND ASSOCIATED METHOD」と題する米国特許第7,430,352号に記載された如き、さらなる増幅によって)、あるいは2008年6月10日に発行された、「METHOD AND APPARATUS FOR SPECTRAL−BEAM COMBINING OF MEGAWATT−PEAK−POWER BEAMS FROM PHOTONIC−CRYSTAL RODS」と題する米国特許第7,386,211号、および2007年4月3日に発行された、「APPARATUS AND METHOD FOR SPECTRAL−BEAM COMBINING OF HIGH−POWER FIBER LASERS」と題する米国特許第7,199,924号に記載されるような分光ビームを組み合わせることによって、あるいは、2008年1月22日に出願した、「HIGH−ENERGY EYE−SAFE PULSED FIBER AMPLIFIERS AND SOURCES OPERATING IN ERBIUM’S L−BAND」と題する米国特許出願第12/018,193号に記載されたような特定の波長領域で動作することによって、あるいは2009年11月17日に発行された、「APPARATUS AND METHOD FOR PUMPING AND OPERATING OPTICAL PARAMETRIC OSCILLATORS USING DFB FIBER LASERS」と題する米国特許第7,620,077号に記載されているような光パラメトリック発振器(OPO)のような非線形の波長変換によって、あるいは、2008年12月30日に発行された、「ULTRAVIOLET LASER SYSTEM AND METHOD HAVING WAVELENGTH IN THE 200−NM RANGE」と題する米国特許第7,471,705号に記載されたとおりの、波長を2倍にするか、3倍にするか、4倍にするか、5倍にすることによって、あるいは、2009年11月23日にロイ ディー. ミードによって出願された、「SPECTRALLY BEAM COMBINED LASER SYSTEM AND METHOD AT EYE−SAFER WAVELENGTHS」と題する米国特許出願第12/624,327号に記載されるようなラマン波長延長と分光ビームの結合(SBC)によって、あるいは、2008年9月30日に発行された、「SYSTEM AND METHOD FOR AIRCRAFT INFRARED COUNTERMEASURES TO MISSILES」と題する米国特許第7,429,734号に記載されるような特定方向にビームを向けることによって、さらに処理され、おのおのは、参考として本明細書に組み入れられた。幾つかの実施形態では、本発明は、2010年9月7日にローレンス エイ. ボーショアに対して発行された、「APPARATUS AND METHOD FOR DRIVING LASER DIODES」と題する米国特許第7,792,166号に記載されるような回路によって生成された電流パルスによって駆動される1つ以上のポンプ・レーザー・ダイオードを使用する。これは参考として本明細書に組み入れられた。
【0045】
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による総括的なサブシステム(101)のブロック図である。幾つかの実施形態では、サブシステム(101)は、増幅されたパルス(98)(グラフ化されたプロット(88)のとおりに示される)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチ・パルスレーザシードソース(110)を含む(例示的なシードパルス対時間の任意の単位(A.U.)での強度は、グラフ化されたプロット(81)である)。Qスイッチ・シードパルス(91)は、従来の光学変調素子によって生成されたパルスより微細な粒状の制御を有する(よりよいダイナミックレンジ)最初の傾斜の漸増を提供する。Qスイッチ・レーザーシードソース(110)におけるQスイッチが開放すると(充分な信号光が空洞損失を克服せしめ、その結果レイジングが生じる)、空洞内のシードパルス及び空洞から出るシードパルスは、パルスシード信号を生成するように、比較的徐々に強度を増加させ、1以上の非常に高い利得光ファイバー増幅器(112)によって増幅されると、パルスシード信号は、さもないと増幅器チェーン(112)に生じる過度に峻嶮なパルスを防止する一時的な波形を有する。幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)による増幅後の出力パルス(98)は、シードパルス(91)が行ったよりわずかに長いFWHM持続時間を有するが、パルス波形は、増幅器(112)から、以下に記載された図3Aおよび図3Bにおいてパルス波形の比較で示されるように、従来の通りに形成されたパルスを使用して可能なエネルギー抽出よりも完全なエネルギー抽出を可能にする。幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)は、ポンプ光が伝播する光ファイバー(114)によって第1ファイバー増幅器(113)に光学的に結合されるポンプ・レーザー(115)によって光学的にポンピングされる、第1ファイバー増幅器(113)を含む。幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)は、増幅器(116)へポンプ光を導く別の光ファイバー(114)によって第2ファイバー増幅器(113)に光学的に結合される別のポンプ・レーザー(118)によって光学的にポンピングされる、第2のファイバー増幅器(116)のような1つ以上の追加の増幅段を含む。幾つかの実施形態では、増幅された出力パルスは、送達ファイバー(117)を使用して送達される。(例えば、幾つかの実施形態では、これは、2008年5月27日に発行された、「OPTICAL HOLLOW−CORE DELIVERY FIBER AND HOLLOW−ENDCAP TERMINATION AND、ASSOCIATED) METHOD」と題する、同一出願人に譲渡された米国特許第7,379,648号に記載されたようなファイバー・エンド・キャップ(119)を有する中空コア・ファイバー(117)である。これは参考のために本明細書に組み入れられた。
【0046】
図1B1は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチ・リングレーザーシードソース(120)を含むサブシステム(102)のブロック図である。幾つかの実施形態では、サブシステム(102)は、パルス出力ビーム(98)によって照射されるシーンから画像情報を得る撮像デバイス(本明細書に示されない)を含む画像収集システムなどのより大きなシステムの一部である。幾つかの実施形態では、サブシステム(102)は希土類ドープファイバー増幅器(REDFA)(121)を含む。これは、(半導体レーザーダイオードのような)ポンプ・レーザー(128)によって光学的にポンピングされる。幾つかの実施形態では、REDFA (121)は偏光維持エルビウムドープファイバー増幅器(EDFA)(部品番号Er−25−05−PM、カナダ、G2C 1S9 ケベック州 スイート121 ジャン−ぺリン 2700のCoractive社などより入手可能)と、ポンプ・アンド・信号・光マルチプレクサー(OMUX)189(部品番号PMWDM−EDFA−1−1−2−1−0、アメリカ合衆国 07840ニュージャージー州 ハケットタウン スイート101 ニューバーグ ロード 43−AのMicro−Optics社から入手利用可能)を含む。幾つかの実施形態では、ポンプ・レーザー(128)は、出力がサブシステム(102)に供給される限り、実質的に連続的なベースで(すなわち、ポンプ光出力はCWである)、ポンプ光がREDFAに適用されるように、直流電流によって駆動された1つ以上の連続的な波(CW)のレーザーダイオード(アメリカ合衆国、95035カリフォルニア州、ミルピータス、マッカーシー ブールバード 430NのJDS Uniphase Corporationから入手可能な、カタログ番号30−7602−560の560mW 976nmの波長のポンプ・ダイオードなど)を含み、他の実施形態において、ポンプ・レーザー(128)はパルス電流によって駆動され、その結果、シードパルスが必要とされる(例えばとして要求された方式で)直前にポンプ光がREDFA(121)に適用される。幾つかの実施形態では、REDFA(121)から信号出力は、一方向の光アイソレーター(122)(光アイソレータ(122)は単一方向(この図では時計回り)でのみ信号光が移動することを保証するのを助ける)、波長帯域フィルター(123)(波長帯域フィルター(123)は信号光波長および輝線幅を設定するのを助ける)、および偏光子(124)(偏光子(124)はより良好な信号ビームの品質を得るために信号光を極性化するのを助ける)を通り抜ける。他の実施形態では、REDFA(121)およびポンプ・レーザー(128)は、エレクトロニクスおよびドライバ(いくつかの実施形態では、アメリカ合衆国、95035カリフォルニア州、ミルピータス、グレート モール ドライブ 1323のLightwave2020社から入手可能な、部品番号MOAPG20NQA12439などのMSA Compact Low Costプレアンプリファイア EDFA(利得ブロック)で実施される。
【0047】
幾つかの実施形態では、アイソレーター(122)、フィルター(123)および偏光子(124)は、単一のパート(例えば、ハイパワーの使用のために定偏光(PM)アイソレーター(単一偏光、単段)に一体化されたカスタム狭帯域が固定され、PANDA 1550ピグテール・ファイバを有するPMフィルター(1541.35nmの波長を備える)。例えば、アメリカ合衆国、07840ニュージャージー州、ハケッツタウン、スイート101、ニューバーグ 43−AのMicro−Optics, Inc.より、部品番号PM−FF−1541.35nm (CH−45−100GHz)+SPFI−SS−2(Standard 1550nm Panda)− 1−0−ECF−HPとして入手可能)。
【0048】
幾つかの実施形態では、電子式Qスイッチドライバー回路(127)(いくつかの実施形態において、「Fiberoptic reconfigurable devices with beam shaping for low−voltage operation」と題する、2008年7月22日にチャオらに対して発行された米国特許第7,403,677号に記載されているような光スイッチドライバーを含み、参考のために、本明細書に組み入れられており、アメリカ合衆国、01801マサチューセッツ州、ウォーバーン、キャボット ロード 15のAgiltron Inc.から、部品番号SWDR−112211112として入手可能)が、Qスイッチ(125)に動作可能に結合され、Qスイッチ(125)の透過及び/又は吸収を制御する。幾つかの実施形態では、Qスイッチ(125)は、ダンプ(129)(例えば、光アブソーバー)に信号光を向ける1掛ける2(1X2)光スイッチとして構成され(この場合、Qスイッチ(125)は、1−入力、2−出力の光マルチプレクサー(OMUX)として実施され、それは米国特許第7,403,677号に記載されたような光スイッチを含み、アメリカ合衆国、01801マサチューセッツ州、ウォーバーン、キャボット ロード 15のAgiltron Inc.から、部品番号NSSW−125115131として入手可能)、それが「オフ」及び「オン」である場合、出力カプラ(126)に信号光を向け、任意の信号光を受け取る。当該信号光はQスイッチ(125)の低出力を出し、シード信号(91)として一部を伝送し、一部をREDFA(121)に反射して、リングレーザー(120)へのレイジング・フィードバック(lasing feed back)提供する。Qスイッチ(125)が充分に開放していると(かつ、したがって透過的か、非吸収)、充分な信号光は出力カプラ(126)に到達し、その結果、REDFA(121)に反射される部分は、レイジングを持続するのに充分であり、REDFA(121)に格納されたエネルギーが消耗されるまで増幅され、それにより、図1Aのプロット(81)にグラフ化されたQスイッチパルスを形成する。幾つかの実施形態では、シード信号(91)は、光学利得ファイバー(113)(それは幾つかの実施形態では光学利得ファイバー(113)へポンプ光を送達するために連結される1つ以上の光ファイバー114を通して送達される1つ以上のポンプ・レーザー・ダイオード(118)からポンプ光によって光学的にポンピングされるREDFAである)によって増幅され、次に、光学利得媒体(116)(それは幾つかの実施形態では光学利得媒体(116)へポンプ光を送達するために結合される1つ以上の追加の光ファイバー(114)を介して送達されるポンプ・レーザー・ダイオード(118)からポンプ光によってポンピングされる)によってさらに増幅される。幾つかの実施形態では、光学利得媒体(116)はREDFAまたは希土類元素のドープしたロッド(すなわち、光ファイバーに類似するが、充分に大きい(例えば1mm以上)直径を有し、ロッドは、従来の光学利得ファイバーがそれ自体の重量の下で曲がる状態でその形状を維持する)を含む。いくつかのそのような実施形態において、光学利得ファイバー(113)及び/又は光学利得媒体(116)は、1つ以上のラージ・モード・エリア・コア又は信号導波路(例えば直径が50ミクロン以上の導光路)を有するフォトニック結晶構造(すなわち、2008年7月15日に発行された、「MONOLITHIC OR RIBBON−LIKE MULTI−CORE PHOTONIC−CRYSTAL FIBERS AND ASSOCIATED METHOD」と題する米国特許第7,400,804号に記載されたようなフォトニッククリスタルファイバ(PCF)、フォトニック結晶ロッド(PCR)、フォトニック結晶リボン)である。幾つかの実施形態では、光学利得ファイバー(113)及び/又は光学利得媒体(116)は、共同伝搬方向(信号光と同じ向き)及び/又は反伝搬方向(信号光としての正反対方向)でポンプ光(クラッド層へ)を送り出させる複数クラッド構造である。幾つかの実施形態では、送達ファイバー(117)およびエンドキャップ(119)は図1Aのために上述した通りである。幾つかの実施形態では、サブシステム(102)は、さら制御回路(ここでは示されない(例えばプログラムド・マイクロコントローラ))を含み、当該制御回路(102)は、動作可能にQスイッチドライバー回路(127)とポンプ・レーザー(118)および(128)に結合され、当該制御回路(102)は、タイミング、パルス強度レベルなどを制御し、電力供給を制御する。ここでは示されていないが、当該制御回路(102)は、制御回路、Qスイッチドライバー(127)、ポンプ・レーザー(118)および(128)に電流を供給する。
【0049】
いくつかの実施形態において、図1Aのサブシステム(101)または図1B1のサブシステム(102)(あるいは本明細書に記載されている他の図における他のサブシステムのいずれか)、並びに、それぞれの制御回路および電源は、以下に記載された図4Aおよび図4Bに示されるように、輸送手段(水中輸送手段(例えば潜水艦)、(駆逐艦、ミサイル巡洋艦または航空母艦などの)水上艦艇、(ヘリコプターまたはジェット戦闘機などの)航空機など)、及び/又は(Humvee(登録商標)または戦車のような)陸上輸送手段、またはビルディング若しくはバンカー設備)に取り付けられる。
【0050】
約50ナノ秒未満の持続時間のパルスは、従来のQスイッチレーザーから得るのが難しい。なぜなら、パルス持続時間が、共振器長によって、少なくとも部分で測定されるためであり、従来のQスイッチレーザーが長さの中に空洞を少なくとも数センチメートル有するためである。(図1C1および図1C2において示され、かつ以下に記載された)サブシステム(103)、及び(図1D1および図1D2において示され、かつ以下に記載された)サブシステム(104)の形態は、振動が50ナノ秒未満(および、いくつかの実施形態において5ナノ秒未満という短い、あるいは約1ナノ秒未満というさらに短いFWHMパルス持続時間)のQスイッチパルス(104)を得るために使用することができる。幾つかの実施形態では、そのような短い共振器長のQスイッチレーザーは単一周波数レーザーとして使用され、レーザーはLIDARシステムの照明器として使用される。
【0051】
幾つかの実施形態では、パルス繰り返し周期は約10,000〜20,000のパルス/秒(pps)で比較的短い。幾つかの実施形態では、この短い繰返し率と短いパルス持続時間(例えば約1ナノ秒)は、(例えば10mWの領域における)低パワーポンプレーザーの使用が、(例えば約100ワット以上;20,000ppsでは、パルス間の遅延が約50,000ナノ秒であるので、パルスが約1ナノ秒で、効率が約20%といった低さであれば、利得は約10,000回であろう)ハイパワーの出力パルスを得ることを可能にする(いくつかの実施形態において、本発明は、約1.8〜2.1ミクロンおよびツリウム・ドーピングの波長を使用して60〜70%の能力を得ており、10mWの領域のポンプパワーをもつより高い出力電力を生じ、そしてより高いポンプ・パワー・レーザソースの使用によりさらに高い出力電力を生じている)。
【0052】
Qシードパルス(Qスイッチレーザーからパルスまたは本明細書に記載され、そしてQスイッチパルスに類似した前縁の一時的な形状を有する他のシステムの1つからのパルス)の使用は、より高い効率と、出力ファイバー増幅器(112)からのエネルギーの高い出力抽出を可能にするものの1つの主要因である。
【0053】
他の実施形態では、長いQスイッチパルスが本発明によって生成され、特定の実施形態では、パルスは持続時間においては、約100ナノ秒もの長い持続時間である。幾つかの実施形態では、パルスはレーザーから長距離(例えば約20〜30マイル(30〜50km))離れた対象を照らすために使用される。幾つかの実施形態では、パルス繰り返し周期は約10,000〜20,000のパルス/秒(pps)で比較的短い。
【0054】
幾つかの実施形態では、レーザーシステムは、約1.5ミクロンから約2.1ミクロンまでの比較的目に安全な波長を出力する。いくつかのそのような実施形態では、ツリウム(Tm)およびホルミウム(Ho)で共ドープされる光ファイバーを有するファイバー増幅器が使用されて、約2ミクロンの波長で40%から50%の効率を得ている(いくつかの実施形態において、約2ミクロンの波長でのレイジングは、約1.5ミクロンの波長でのレイジングよりはるかにより効率的である)。幾つかの実施形態では、ツリウムでドープされる光ファイバーを有するファイバー増幅器は約1.8〜2.1ミクロンの領域での波長で60%から70%の効率を得るために使用される。
【0055】
図1B2は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(68)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(62)を出力するQスイッチによってポンピングされたリングレーザーシードソース(180)を含むサブシステム(182)のブロック図である。幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(180)は、電気的に制御された「lxN」(1掛けるN方式、ここで、Nは2以上の整数値である)光スイッチ(例えば、幾つかの実施形態では、一方の側に1つのポートを有し、当該1つのポートは他方の側の2つのポートのうちの選択された1つに接続される電気式制御の下で切り替え可能である「1x2」(1掛ける2方式、ここで、スイッチの第1ポートは選択的に第2ポート又は第3ポートのどちらかに光学的に接続される)によってポンプ光が送達される以外は、図1B1のために上述されたように、希土類ドープファイバー増幅器(REDFA)(121)を含む。その一方で、他の実施形態において、1x3、1x4または他のタイプのlxN−方式若しくはMxN方式が使用され、M及び/又はNポート・スイッチまたは光スイッチは使用され、1以上の値を有する)。幾つかの実施形態では、REDFA(121)は、レイジング出力が所望でないあいだ、Qスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)を介してポンプ光を向けることによって両端からポンピングされ(例えば、図1B2において、両方は低部の結合(lower connection)を介して光を接続する)、その後、振動がQスイッチ出力パルス(62)が直接接続されているファイバー・ピグテール(pigtail)(72)を介して出力されることが所望される場合、Qスイッチ(1251)及び、Qスイッチ(1252)の両方が、それらの他の接続状態に切り替えられる(例えば、図1B2において、両方は上部の結合(upper connection)を介して光を接続する)。Qスイッチが信号パルスの生成に対して「オフ」である場合に限り、両方のスイッチがポンプ・レーザー・ダイオードに光学的に接続するので、1x2(1対2)の光スイッチを使用することは、Q−スイッチング機能を提供するだけでなく、このようにQスイッチ光パルスからの損傷に対してポンプ・レーザー・ダイオード(128)を保護する。両方のスイッチは、Qスイッチが信号パルスの生成に対して「オン」であるである場合、ポンプ・レーザー・ダイオードから分離する。幾つかの実施形態では、Qスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)は、各々1x2の光スイッチ/変調器である(この場合、Qスイッチ(1251)は2入力、1出力光スイッチとして実施され、またQスイッチ(1252)は1入力、2出力光スイッチとして実施される;また、いくつかの実施形態では、各々、米国特許第7,403,677号に記載されるような光学「Nano−switch」(登録商標)を含み、参考として本明細書に組み入れられた。そしてアメリカ合衆国、01801マサチューセッツ州、ウォーバーン、キャボット ロード15のAgiltron社から、部品番号NSSW−125115131として入手可能である)。図1B2の残りの部分は図1B1の対応する部位の番号と同様である。幾つかの実施形態では、ポンプ・レーザー・ダイオード(128)と、それぞれのQスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)の間の光ファイバー接続に含まれ、ここで、信号パルス間の時間の間、REDFA(121)の増幅された自然放出光(ASE)からの可能な損害から、ポンプ・レーザー・ダイオード(128)をさらに保護するために、ファイバブラッググレーティング(FBG)は、ポンプ波長の光を送信し、かつREDFA(121)の信号の波長の光を閉鎖するか、分散させるように構成される。幾つかの実施形態では、Qスイッチ出力パルス(62)は増幅器チェーン(112)によって増幅され、増幅出力パルス(68)として出力される。
【0056】
図1B3は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(67)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(63)を出力するパンプド・スルー・Qスイッチレーザー・シードソース(181)を含んでいるサブシステム(183)のブロック図である。幾つかの実施形態では、レーザーシードソース(181)は、リングレーザーとしてよりむしろ2−リフレクタのリニア・レーザーとしてレイジング空洞が設計されている以外は、図1B1および図1B2のために上述されたようなREDFA(121)を含む。幾つかの実施形態では、高反射率FBG(HRFBG)(223)は1つの終端(図1B3内での左手側端部)でリフレクタを形成し、部分的に伝達する、低反射率FBG(LRFBG)(224)は、対向端部(図1B3内での右手側端部)でリフレクタを形成する。幾つかの実施形態では、レイジング出力が所望でない間、REDFA(121)は、Qスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)を介してポンプ光を向けることによって両端部からポンピングされ(例えば、図1B3において、両方は低部の結合を通じて光を接続する)、そして、その後、Qスイッチ出力パルス(63)が直接接続されたファイバー・ピグテール(72)によって出力されることが所望である場合、Qスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)の両方が、それらの他の接続状態に切り替えられる(例えば、図1B3において、両方は上部の結合を介して光を接続する)。
幾つかの実施形態では、Qスイッチ出力パルス(63)は増幅器チェーン(112)によって増幅され、増幅出力パルス(63)として出力される。いくつかの実施形態(図示せず)では、偏光及び/又は追加的フィルター機能を提供するために、(偏光子(124)及び/又はフィルター(123)などの)追加の偏光子およびフィルターは、空洞(HRFBG(223)とLRFBG(224)の間)に含まれる。幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)からの増幅された反射パルスに対してシードソース(181)のための保護を提供するために、光アイソレーターは、シードソース(181)(例えばLRFBG(224)とファイバー・ピグテール(72)の間)の出力で提供される。図1B3の他の態様および参照符号が付された要素は、図1B1および図1B2の記載の説明において上述された通りである。
【0057】
図1B4は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(68)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(62)を出力するQスイッチによってポンプドスルーリングレーザーシードソース(184)を含んでいるサブシステム(185)のブロックである。幾つかの実施形態では、REDFA(121)が、ポンプドスルーQスイッチリングレーザーシートソース(184)において他の一端(光スイッチ(1252)が省略されていることを除いて図1B2に類似している構成で光スイッチを介して)のみからポンピングされることを除いて、Qスイッチリングレーザーシードソース(184)は図1B2のポンプドスルーQスイッチリングレーザーシードソース(180)に類似し、その一方でポンプドスルーQスイッチリングレーザーシードソース(180)における対応するREDFA(121)は両端からポンピングされる。他の実施形態(図示せず)では、REDFA(121)は、その他の端部から(光スイッチ(1251)が省略され、光スイッチ(1252)が保持されることを除いて、図1B2に類似した構成において、シードソースがレイジングするときの出力端)ポンピングされる。他の態様は図1B2のために上述されたものと同一である。
【0058】
図1B5は、本発明のいくつかの実施形態による、ブリーチドパルスQスイッチシードソース(197)を含んでいるサブシステム(187)のブロック図である。ブリーチドパルスQスイッチシードソース(197)は高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(61)を出力する。高電力増幅器(112)は、増幅されたパルス(64)を出力する。幾つかの実施形態では、Qシードソース(197)はそれ自体がQスイッチとして作用する、ブリーチドパルス増幅器を含んでおり、ここで、空洞はブリーチングファイバー部(196)を含み、前記ブリーチングファイバー部(196)の変化する透過度によって、その透過度は、充分に高い出力パルスがそれによって伝播される時間の間に増加し、そしてレイジング光強度が増加するにつれて、結果としての出力パルスはよりゆっくりと振幅を増加する(例えば、幾つかの実施形態では、計算可能な量のポンプ・エネルギーは、レイジングの開始を妨げる飽和性吸収体が利得媒体(191)に受け取られ、格納されるまで、レイジングの開始は、空洞内の高強度光学的視野を生成し、損失した飽和性吸収体を迅速に飽和し、空洞Qを増加させ、その結果Qスイッチ出力パルス(61)が生じる。幾つかの実施形態では、飽和性吸収体(196)は軸方向に長さ1ミリメートル未満であり得るが、これは、ヤングらへの米国特許第7,203,209号、又はソリンらへの米国特許第4,778,237号に記載されているように、いくつかの短パルスとマイクロレーザ応用分野において望ましい。当該米国特許は、参考のために全体を本明細書に組入れた。)前記ブリーチングファイバー部は、利得媒体(191)(例えば、いくつかの実施形態において、電気的にポンピングされる(複数の電気的なリード(193)(導電性のピンまたは表面実装のはんだ付けをすることができるコネクションであって、図1D1のために以下に記載されたような電力及び/又は制御信号を提供する)を介して)半導体利得媒体、あるいは他の実施形態中で、光学的にポンピングされる半導体若しくは光ファイバー利得媒体)に格納されたポンプ出力を使用する(信号(192)の)高出力のQスイッチパルス形成に応答時間にわたって透過的に増加する。幾つかの実施形態では、サブシステム(187)によって生成されたパルスは、利得媒体からの入力と、要素(196)のブリーチング特性による光パワー形成のタイミングによって、それらのタイミングが制御されるという点で「フリーランニング」である。他のいくつかの実施形態では、光学変調素子(例えばAOMまたはEOM(図示されない))は、レイジング空洞(例えば、飽和性吸収体要素(196)に隣接するか、或いは直列に配される)に含まれており、Qスイッチの動作が実施可能になるように、利得媒体からの光が飽和性吸収体要素(196)に達することを許されるか否か、そしていつ利得媒体からの光が飽和性吸収体要素(196)に達することを許されるかを測定することを支援するパルス発生器によって駆動される。他の態様は上述された通りである。
【0059】
図1C1は、小型及び/又はモジュール化されたQスイッチレーザシードソース(130)を含むサブシステム(103)の概略図で、当該Qスイッチレーザシードソース(130)は本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する光増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力する。幾つかの実施形態では、利得媒体および1つのミラーを有する光学利得手段(131)は共にパッケージされる(例えば、複数の電気的リード(133)(導電性のピンまたは表面実装のはんだ付け可能なコネクションであって、デバイス(131)に電力および制御信号を提供し、そして随意に、デバイス(131)から、レーザー光パワー、温度などの出力診断信号)および1以上の光学的出力(132)(例えば、光ファイバー・ピグテールまたは他のオプティカルカプラであって、右方に伝播する出力信号および左方に伝播するフィードバック信号の両方を運ぶ)。幾つかの実施形態では、光学的出力(132)は、Qスイッチとして作用し、光学的に出力カプラ(136)に接続される変調器(134)(すなわち、デバイス(131)の最も近いパッケージの外側にある光学変調素子)に光学的に接続される(変調器(134)の背後から信号の制御された所定の波長および輝線幅の部分を反射することにより、光学フィルター機能を提供するファイバブラッググレーティング(FBG)など、この変調器がデバイス(131)の利得媒体に対して「オープン」(信号光に透過的)であれば、そのときQスイッチシード・信号レイジングモードを制御する)に接続される。出力カプラ(136)は、またシード・信号(91)として信号の一部を送信し、その後、増幅器チェーン(112)によって増幅され、出力信号(98)として出力される。
【0060】
図1C2は、本発明のいくつかの実施形態による、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力するQスイッチレーザーシードソース(130)を含んでいるシステム(103)のブロック図である。図1C2は、図1C1におい示されるサブシステム(103)の一実施形態の追加の詳細を示す他の図であり、2つの図において同じ参照符号は同一の要素および信号に言及している。幾つかの実施形態では、デバイス(131)は従来の半導体レーザーダイオードであり、当該半導体レーザーダイオードは、レイジングフィードバックを防止するために、その出力・ファセットに耐反射コーティングを加えることにより特に修正されている。さもなければ、出力カプラ(136)からの充分なフィードバック光がQスイッチ・変調器(135)の前方及び後方に伝送されない。幾つかの実施形態において、Qスイッチドライバー(137)は、Qスイッチ・変調器(135)の光伝送特性を制御するために電気制御信号を提供する。図1C2のサブシステム103の他の態様は上述された通りである。
【0061】
図1D1は、フラットパックでパッケージされた半導体レーザーベースのQスイッチレーザシードソース(140)を含んでいるサブシステム(104)の概略図であり、本発明のいくつかの実施形態によって、Qスイッチレーザシードソース(140)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力する。幾つかの実施形態において、サブシステム104は、Qスイッチレーザー・シード(140)の光学的要素が実質的にすべて、当該含まれた要素に電気的及び光学的接続性を提供する単一のパッケージ内若しくは単一のパッケージ上にパッケージされることを除いて、図1C1のサブシステム(103)に機能上実質的に類似している。幾つかの実施形態において、Qスイッチレーザー・シードソース(140)(例えば、幾つかの実施形態において、これは、複数の電気的なリード(143)(導電性のピンまたは表面実装のはんだ付可能なコネクションであって、光学利得デバイス(141)及び/又はQスイッチドライバー(147)に電力及び/又は制御信号を供給し(図1D2を参照)、及び、随意に、前記デバイス(141)若しくはQスイッチレーザーシードソース(140)の他の要素からのレーザー光パワー、温度などの出力診断信号を随意に出力する)を有する「バタフライ」パッケージである)は、利得媒体と一つのミラーを有するデバイス(141)を含む。幾つかの実施形態において、光学利得デバイス(141)から光出力は、Qスイッチとして作用し、出力カプラ(146)(デバイス(141)の利得媒体に対して後の信号の制御された所定の波長およびラインの幅の部分の反射によって、光学フィルター機能を提供するファイバブラッググレーティング(FBG)などであって、ついでQスイッチシード・信号レイジングモードを制御する)に光学的に接続された内部変調器(145)(すなわち、Qスイッチレーザー・シードソース(140)のパッケージに対して内部の光学変調素子)に光学的に接続される。出力カプラ(146)は、またファイバー(71)におけるシード信号(91)としてレンズ(142)および随意の出力・フェルール(149)を通して信号の一部を送信し、その後、それは増幅器チェーン(112)によって増幅され、信号(98)として出力される。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態において、サブシステム(104)は、6cm3(例えば、2cm×3cm×1cm)未満の体積の単一のパッケージで実施される。他の実施形態では、単一のパッケージは20cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは10cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは8cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは5cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは4cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは3cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは2cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは1cm3未満の体積である。
【0063】
本発明の幾つかの実施形態において、サブシステム(104)は、(光ファイバー(71)を介して)50ナノ秒未満の全幅半値(FWHM)持続時間を有するシード信号パルス(91)を出力する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)はった40ナノ秒のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は30ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は20ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は10ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は5ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は5ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。
【0064】
発明の幾つかの実施形態において、サブシステム(104)は、40ナノ秒と50ナノ秒を含んでこの間で全幅半値(FWHM)持続時間があるシード信号パルス(91)を出力する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は30ナノ秒と40ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は20ナノ秒と30ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は10ナノ秒と20ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は5ナノ秒と10ナノ秒を含んでこの間で全幅半値(FWHM)持続時間があるシード信号パルス(91)を出力する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は3ナノ秒と5ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は1ナノ秒と3ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。
【0065】
図1D2は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力するQスイッチレーザ・シード・ソース(140)を含んでいるサブシステム(104)のブロック図である。図1D2は、図1D1で示されるシステム(104)の一実施形態の追加の詳細を示す他の図であり、および2つの図における同じ参照符号は同一の要素および信号に言及する。幾つかの実施形態では、光学利得デバイス(141)は従来の半導体レーザーダイオード(光学的利得媒体及びレフレクター)であり、当該半導体レーザーダイオードは、レイジングフィードバックを防止するために、その出力・ファセットに耐反射コーティングを加えることにより特に修正されている。さもなければ、出力カプラ(146)からの充分なフィードバック光がQスイッチ・変調器(145)の前方及び後方に伝送されない。幾つかの実施形態では、Qスイッチ・変調器(145)は半導体光増幅器を含んでおり、当該半導体光増幅器は、もし電力が供給されなければ、信号の波長の光を吸収し、その場合、半導体は透過的になるか、あるいは信号の波長をさらに増幅する。幾つかの実施形態では、Qスイッチドライバー(147)は、Qスイッチ・変調器(145)の光伝送及び/又は増幅特性を制御するために、電気制御信号を提供する。図1D2のサブシステム(104)の他の態様は上述の通りである。いくつかの実施形態(図示せず)では、Qスイッチドライバー(147)は、(Qスイッチレーザー・シードソース(140)の光学要素用の筐体にないパッケージにおける)チップから実施される。幾つかの実施形態において(図示せず)、レンズ(142)およびフェルール(149)は省略される。また、フィードバック要素グレーティング(146)の出力(例えば、幾つかの実施形態ではファイバーブラッググレーティングを使用して実施された)はファイバー・ピグテール(71)に直接接続され、シードソース(140)のパッケージから伸びる。
【0066】
図1E1はサブシステム(105)の概略図であり、当該サブシステム(105)は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力する、フラットパックパッケージされた希土類元素ドープ・レーザーに基づいたQスイッチレーザー・シードソース(150)を含む。幾つかの実施形態では、上記サブシステムのうちの電気的にポンピングされた半導体レーザーダイオード利得媒体(141)又は(131)は、光学的にポンピングされた希土類元素ドープ光導波路(REDOW)の面状利得媒体(151)によって置換され、当該面状利得媒体(151)が、いくつかの実施形態において、半導体ダイオード・ポンプ・レーザー(158)によって光学的にポンピングされ、当該半導体ダイオード・ポンプ・レーザー(158)が、ダイクロイックミラー(153)によってREDOW利得媒体(151)に結合されることを除いて、サブシステム(105)は、図1C1のサブシステム(103)と図1D1のサブシステム(104)の機能と、幾分類似している。幾つかの実施形態では、本明細書に示されるように、光信号波長はダイクロイックミラー(153)によって送信され、ポンプ波長は、ダイクロイックミラー(153)によって反射される(他の実施形態では、Qスイッチ(155)およびその高い反射率(HR)のミラー並びにポンプ・レーザー(158)の位置は交換される。また、その場合、光信号波長はダイクロイックミラー(153)によって反射され、ポンプ波長はダイクロイックミラー(153)によって送信される。より高いパワー信号パルスが反射され、ダイクロイックミラー(153)によって移動しないので、そのような形態は、ダイクロイックミラー(153)への損傷の可能性を低減する。また、低パワーポンプ・レーザービームはダイクロイックミラー(153)を介して送信される。
幾つかの実施形態では、フィルター及び出力カプラ(156)は、レイジングフィードバックのために信号光の所定の波長と輝線幅の部分を反射し、レンズ(152)及びシード信号としてのファイバー結合フェルール(159)を介してシード信号ファイバー(71)に送信する。従って、Qスイッチ(155)が充分に透過的になると、レイジング空洞が、左側のHRミラー(154)と右方への出力カプラ(156)の間で形成され、光学的にポンピングされた利得媒体(151)が光学的利得を提供している。幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザ・シード・ソース(150)の光学的要素は、単一のパッケージ内若しくはパッケージ上で、パッケージ化され、当該パッケージは、含まれる要素との電気的および光学的接続性を提供している。
【0067】
幾つかの実施形態において、エルビウムにドープした面状導波路は、本発明の様々な実施形態の中で使用される。エルビウムにドープした面状導波路の1つの利点は、技術的水準のシリコン技術と適合性があるので、それが非常にコンパクトであるということである。また、エルビウムの蓄積時間(増幅が生じる上部の励起状態の1/e減衰時間)は、約10ミリ秒(ミリ秒)である。本発明のいくつかの実施形態は、以下の特許の1つ以上に記載されたものに似た面状導波路、格子、カプラ及び/又はレーザーを使用する。2009年5月12日にヤンらに発行された、「ALL−SILICON RAMAN AMPLIFIERS AND LASERS BASED ON MICRO RING RESONATORS」と題する米国特許第7,532,656号、2001年12月11日にベンデットらに発行された、「METHOD AND APPARATUS FOR WAVEGUIDE OPTICS AND DEVICES」と題する米国特許第6,330,388号、また2003年10月21日にベンデットらに発行された、「METHOD AND APPARATUS FOR WAVEGUIDE OPTICS AND DEVICES」と題する米国特許第6,636,678号、および2005年11月29日に、ベンデットに発行された「RARE−EARTH DOPEDホスファート−GLASS LASERS AND ASSOCIATED METHODS」と題する米国特許第6,970,494号、2004年11月2日にベンデッドらに発行された、「COMPACT APPARATUS AND METHOD FOR INTEGRATED PHOTONIC DEVICES HAVING FOLDED DIRECTIONAL COUPLERS。」と題する米国特許第6,813,405号、また、2002年12月10日にベンデッドに発行された、「APPARATUS AND METHOD FOR INTEGRATED PHOTONIC DEVICES HAVING GAIN AND WAVELENGTH−SELECTIVITY」と題する米国特許第6,493,476号は、引用によって本明細書に組み入れられた。本発明のいくつかの実施形態は、 「Coefficient determination related to optical gain in erbium−doped silicon−rich silicon oxide waveguide amplifier」(エイチ・エス・ハンら著、アプライド・フィジックス、論文、81, 3720 (2002); doi: 10.1063/l .1520710, 発行日(2002年11月11日))、または「Exciton−erbium energy transfer in Si nanocrystal−doped Si02」(ピー・ジー・キック、エイ・ポールマン著、マテリアルズ・サイエンスおよびB81(2001)3−8)、若しくは「Exciton−erbium energy transfer in Si nanocrystal−doped Si02」(ピー・ジー・キック、エイ・ポールマン著、ジャーナル、アプライド・フィジックス、88巻、第4、pp1992−1998、2000年8月15日)に記載されたものに似ている面状導波路を使用しており、それらは各々引用によって本明細書に組み入れられた。
【0068】
図1E2は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力するQスイッチレーザ・シード・ソース(150)を含んでいるサブシステム(105)のブロック図である。幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザー・シードソース(150)(例えば、幾つかの実施形態では、これは、複数の電気的リード(導電性のピンまたは表面実装のハンダ付け可能なコネクションであって、ポンプ・ダイオードレーザー(158)及び/又はQスイッチドライバー(157)への電力及び/又は制御信号を供給し、Qスイッチレーザー・シード(150)のポンプ・ダイオードレーザー(158)または他の要素から、随意に、レーザー光パワー、温度などの診断信号(本明細書では示されない)を出力する)を有する「バタフライ」パッケージに存在する)は、光学的にポンピングされる利得媒体を含んでおり(例えば、面状のガラス又はシリコン基板上(又は基板中)に形成された希土類元素ドープ)、当該光学的にポンピングされる利得媒体は、ポンプ・レーザー・ダイオード(158)からの光を使用して、光学的にポンピングされる。幾つかの実施形態では、光利得デバイス(151)は、その光導波路の各終端にレンズまたは他の集光要素(例えば、GRIN(屈折率勾配)集光要素)を含んでいる。幾つかの実施形態では、光利得媒体(151)からの光出力は、Qスイッチとして機能し、(光学利得媒体(151)への戻り信号の所定の制御された波長および輝線幅の部分を反射することにより、光学フィルター機能を提供し、その後、それはQスイッチシード・信号レイジングモードを制御するファイバブラッググレーティング(FBG)のような)出力カプラ(156)によって反対側の端部で結合されたレーザー光空洞の左端を形成する光学的にHRミラー(154)に結合される、内部電気的にポンピングされる半導体ダイオード光増幅器(155)(すなわち、Qスイッチレーザー・シードソース(150)のパッケージに対して内部の光増幅器)にダイクロイックミラー(153)を介して1つの終端で光学的に結合される。光増幅器(155)に充分な電力が供給される場合、光増幅器(155)は信号波長の光に対して透過的になるか、あるいは信号波長の光を増幅し、及びQスイッチは「オン」であるが、不充分な電力が印加されるか、或いは電力が加えられない場合、光増幅器(155)は信号波長の光を吸収するようになり、及びQスイッチは「オフ」である。出力カプラ(156)は、ファイバー(71)におけるシード信号(91)としてレンズ(152)および随意の出力フェルール(159)を介して信号の一部を送信する。当該シード信号(91)は、その後、増幅器チェーン(112)によって増幅され、信号(98)として出力する。他の実施形態では、マッハ−チェンダー(Mach−Zehnder)デバイスなどが、Qスイッチユニットとして半導体光増幅器(155)の代わりに使用される。いくつかの実施形態(図示せず)では、Qスイッチドライバー(157)は、チップ(Qスイッチレーザ・シード・ソース(150)の光学要素用の筐体にはないパッケージにおいて)によって実施される。幾つかの実施形態において(図示せず)、レンズ(152)およびフェルール(159)は省略され、フィードバック要素グレーティング(156)(例えば、幾つかの実施形態において、ファイバーブラッググレーティングを使用して実施される)の出力は、シードソース(150)のパッケージから延びるファイバー・ピグテール(71)に直接接続される。
【0069】
図1E3は代替のサブシステム(105´)のブロック図であり、それはQスイッチレーザー・シードソース(150´)を含んでいる、当該Qスイッチレーザー・シードソース(150´)は、Qスイッチとして光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(155´)を使用し、シードパルス(91)を出力する。当該シードパルス(91)は、本発明のいくつかの実施形態によって増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される。幾つかの実施形態において、サブシステム(105´)は、図1E2のサブシステム(105)においてQスイッチとして作用する電気的にポンピングされた半導体ダイオード光増幅器(155)が、光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(155´)及びその半導体レーザーダイオードQスイッチポンプソース(158´)と置換されることを除いて、サブシステム(105)に実質的に類似している。光増幅器(155´)にQスイッチ・ポンプソース(158´)から充分な光ポンプ光が供給されると、光増幅器(155´)は信号波長に対して透過的になるか、あるいは信号波長を増幅し、かつQスイッチが「オン」である。しかし、不充分な光ポンプ光が適用されるか、或いはポンプ光が適用されない場合、光増幅器(155´)は信号波長の光を吸収するようになり、Qスイッチは「オフ」である。Qスイッチが「オフ」である場合、信号ポンプダイオード(158)からのエネルギーは、光利得媒体(151)中の希土類元素のドーパント・イオンに格納される。その後、Qスイッチが「オン」にされると、レイジングが始まり、光利得媒体(151)中の蓄積エネルギーはシード信号パルス(91)として出力される。
【0070】
幾つかの実施形態において、面状導波路技術が使用され、ポンプ・レーザー・ダイオードもシリコン導波技術に組み入れることができる。当該シリコン導波技術は面状波長分割マルチプレクサ(WDM)のために使用され、ポンプ・レーザー・ダイオードは面状光学基板上でポンプ導光路にバッド接合(bud−couple)され得る。例えば、「Exciton−erbium energy transfer in Si nanocrystal−doped Si02」(エイチ・エス・ハンら著、アプライド・フィジックス、論文、81, 3720 (2002); doi: 0.1063/1.1520710, 発行日:200年11月11日)、マテリアル・サイエンス・アンド・エンジニアリング(B81、(2001)、3−8)、或いは「Exciton−erbium energy transfer in Si nanocrystal−doped Si02」(ピー・ジー・キック、エイ・ポールマン著、ジャーナル、アプライド・フィジックス、88巻、第4、1992〜1998頁)参照。これらは、各々引用によって本明細書に組み入れられた。
【0071】
幾つかの実施形態において、Qスイッチ・面状導波路光増幅器(155´)は、もし充分なQスイッチ・ポンプ光が供給されなければ、約1550nmの信号光を吸収するTm(ツリウム)のような希土類元素でドープされる(例えば、半導体レーザーダイオード(158´)によって供給される約780nmの光、及びそのポンプ光が半導体レーザーダイオード(158´)によって供給されるとき、信号増幅器面状導波路増幅器(155´)は、Er(エルビウム)でドープされるか、YbEr(イッテルビウムとエルビウム)で共ドープされ、約1550nmの信号光を増幅する)。他の実施形態では、信号光利得チップ(155´)用の希土類元素のドーパントは、Qスイッチシードパルスの特定の所望のレイジング波長のために選ばれる。幾つかの実施形態では、Yb3+は、980〜1100nm(1060nmなど)の範囲での様々な信号波長でのレイジングのためにグラス利得媒体(例えば、面状導波路光増幅器(155´)用面状基板又はグラス利得ファイバー若しくは増幅器チェーン(112)用利得ロッド)のうちのいくつかまたはすべてをドーパントとして使用する。他の実施形態では、Er3+、Nd3+およびPr3+は他の波長範囲のために使用され、一般的に3レベルレーザー又は4レベルレーザー及び増幅器において、30nmまたは50nmもの同調範囲を有し得る。幾つかの実施形態において(図示せず)、Qスイッチ・ドライバー(157)は、チップ(Qスイッチレーザーシード(150´)の光学的要素用の筐体に存在しないパッケージ)で実施される。幾つかの実施形態において(図示せず)、レンズ(152)およびフェルール(159)は省略され、そしてフィードバック・グレーティング(156)(例えば、幾つかの実施形態では、ファイバーブラッググレーティングを使用して実施される)の出力は、シードソース(150´)のパッケージから伸びるファイバー・ピグテール(71)に直接接続される。
【0072】
図1F1は、サブシステム(106)の概略図であり、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって、増幅されたシードパルス(91)を出力する希土類元素でドープされたレーザーに基づくQスイッチリングレーザーシードソース(160)がパッケージされたフラットパックを含む。
幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(160)は、複数の信号・リフレクタを含み(信号波長の光の高反射性のミラー(1610)及び/又は(1611)、信号波長の光を反射し、及びポンプ波長の光を伝送するダイクロイックミラー(163)、及び信号波長の光を部分的に反射し、かつ部分的に伝送する出力カプラ・ビームスプリッター(164))、リング光信号経路を形成する。リング光信号経路では、信号波長は、光学的ポンプド利得媒体(161)(いくつかの実施形態においては、図1E1の利得媒体(151)に実質的に似ている)によって増幅され、ダイクロイックミラー(163)(当該ダイロイックミラーは光学的ポンプド利得媒体(161)中に反伝播方向でポンプ・レーザー(168)の光を伝送する)から反射する。いくつかの実施形態では、信号光は、またQスイッチ(165)およびFIP(組み合わせられたフィルター・アイソレーター・偏光子)光学エレメント(166)(いくつかの実施形態では、FIP光学エレメント(166)は、信号の波長の光のためのフィルター及び/又はアイソレーター及び/又は偏光子を含む)によって選択的に通過する。幾つかの実施形態では、Qスイッチ(165)が開く場合、単一方向での、およびFIP光学要素(166)によって測定される波長および輝線幅(随意に偏光する)で、レイジングが開始する。幾つかの実施形態において、リング信号経路への様々な成分は、他の脚体(例えば、幾つかの実施形態では、FIP光学エレメント(166)は、光増幅器(161)(ダイクロイックミラー(163)とミラー(1610)の間の左の脚体、またはミラー(1610)と、以下に述べられた図1F2で示されるような出力カプラ(164)の間の最下段脚体で)の後に位置し、増幅された信号がリングレーザーシードソース(160)を出る前記光増幅器(1611)からの増幅された信号をさらに除去するために、出力カプラ(164)に増幅された信号が到達する前に。位置づけられる。
【0073】
図1F2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(106)のブロック図であり、当該サブシステム(106)は、増幅されたパルスを出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチリングレーザーシードソース(160)を含む。幾つかの実施形態では、Qスイッチリングレーザーシードソース(160)(例えば、幾つかの実施形態において、これは複数の電気的なリードを有する「バタフライ」パッケージ(導電性のピンまたは表面実装のはんだ付け可能なコネクションであって、ポンプ・ダイオードレーザー(168)および/またはQスイッチドライバー(167)に電力および/または制御信号を提供し、そして随意にポンプ・ダイオード(168)またはQスイッチレーザーシードソース(160)の他の要素から、レーザー光パワー、温度などの診断信号(図示されない)を出力する)でパッケージされる)は、光学的にポンピングされた光学利得媒体(例えば面状のガラスまたはシリコン基板上に(または基板中に)形成された希土類ドープ導波路)を有する光学利得デバイス(161)を含んでおり、当該光学的にポンピングされる利得媒体は、ポンプレーザーダイオード(168)からの光を使用して光学的にポンピングされる。幾つかの実施形態では、光学利得デバイス(161)はその光導波路の各終端にレンズまたは他の集光要素(例えばGRIN集光要素)を含んでいる。幾つかの実施形態では、光学利得媒体(161)からの光出力は、Qスイッチとして機能し、光学要素(166)(幾つかの実施形態では、レイジング信号の、および/またはレイジングをリングの周りで一方向にするアイソレーターの、および/またはレイジング信号を偏光する偏光子の、波長および輝線幅を決定する帯域フィルター)を介してHRミラー(1610)から反射するように、出力カプラミラー(164)(部分的に反射性であり、部分的に透過性なミラー)に光学的に結合される、内部の光学振幅変調器(165)(幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザーシードソース(160)のパッケージに対する内部の半導体光増幅器)を介してダイクロイックミラー(163)に単一方向(この図内では反時計回り)へ反射するように、1つの終端で光学的に結合され、反射した部分はフィードバック信号を利得要素(161)へ向ける別のHRミラーに、図1F2の右上角で、結合される。この光学信号経路はリングレーザー光共振器を形成し、その後、それはQスイッチシード信号レイジングモードを制御する。出力カプラ(164)はまた、ファイバー(71)におけるシード信号(91)としてレンズ(162)および随意の出力フェルール(169)を通して信号の一部を送信し、その後、それは増幅器チェーン(112)によって増幅され、信号(98)として出力される。幾つかの実施形態(図示されない)では、Qスイッチドライバー(167)は、(Qスイッチレーザシードソース(160)の光学要素用の筐体にないパッケージ中の)チップから実施される。幾つかの実施形態(図示されない)では、レンズ(162)およびフェルール(169)は省略される。また、フィルター−アイソレーター−偏光子(166)の出力(例えば、幾つかの実施形態ではファイバーブラッググレーティングを使用して実施された)はファイバーピグテール(71)に直接接続され、シードソース(160)のパッケージから伸びる。
【0074】
図1F3は代替サブシステム(106’)のブロック図であり、それはQスイッチレーザーシードソース(160’)を含んでおり、当該Qスイッチレーザーシードソース(160’)は、Qスイッチとして光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(165’)を使用し、シードパルス(91)を出力する。当該シードパルス(91)は本発明の幾つかの実施形態によって増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される。幾つかの実施形態では、サブシステム(106’)は、Qスイッチとして作用する電気的にポンピングされた半導体ダイオード光増幅器(165)が、光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(165’)およびその半導体レーザーダイオードQスイッチポンプソース(168’)と置換されること、そしてリングにおける幾つかの光学要素の幾何学的特徴および位置が変わったことを除いて、前述の図1F2のサブシステム(106)と実質的に類似している。幾つかの実施形態では、信号ポンプダイオード(168)は、信号利得要素(165)(幾つかの実施形態では、信号利得要素(165)は、1つの表面中に、または表面上に形成される希土類元素ドープした信号増幅導波路を有する面状基板を含む)の中へ、ダイクロイックミラー(163’)によって反射されるレーザーポンプ光を提供する。その一方で信号光は、信号Qスイッチ要素(165’)の中へダイクロイックミラー(163’)を介して送達される。光増幅器(165’)に(充分な電気的信号がQスイッチドライバー回路(167’)から供給される場合に限りポンプ光を出力する)Qスイッチポンプソース(168’)から充分な光学ポンプ光が供給される場合、光増幅器(165’)は信号の波長に対して透過的になる、及び/又は増幅し、Qスイッチは「オン」である。しかし、不充分な光学的ポンプ光またはポンプ光が適用されない場合、光増幅器(165’)は信号の波長の光を吸収し、Qスイッチは「オフ」である。Qスイッチが「オフ」である場合、信号ポンプダイオード(168)からのエネルギーは、信号増幅光学利得媒体(165)における希土類元素のドーパントのイオンに格納される。その後、Qスイッチが「オン」にされる場合、レイジングは、FIP光学要素(166)によって決定されるような信号の波長、輝線幅、方向および偏光で始まり、光学利得媒体(165)に格納されたエネルギーの多くはシード信号パルス(91)として出力される。幾つかの実施形態では、Qスイッチ・面状導波路光増幅器(165’)は、充分なQスイッチ・ポンプ光が供給されなければ、約1550nmの信号光を吸収するTm(ツリウム)のような希土類元素でドープされる(例えば半導体レーザーダイオード(168’)によって供給される約780nmの光、および、信号増幅器面状導波路光増幅器(165)は、Er(エルビウム)でドープされるか、またはYbEr(イッテルビウムとエルビウム)で共ドープされ、そのポンプ光が半導体レーザーダイオードで供給される場合、それは約1550nmの信号光を増幅する)。他の実施形態では、信号光利得チップ(165)用の希土類元素ドーパントは、Qスイッチシードパルスの特定の所望のレーザー光線を発する波長に選択される。幾つかの実施形態では、Yb3+は、980〜1100nm(1060nmのような)の領域中の様々な信号の波長でレーザー光線を発するためのガラス利得媒体(例えば、面状導波路光増幅器(165)用の平面基板、または増幅器チェーン(112)用のガラスファイバーまたは、ロッド)においてドーパントとして使用される;Er3+、Nd3+およびPr3+は他の波長領域のために使用され、一般に30nmまたは50nmもの同調領域を各々有し得る。幾つかの実施形態(図示せず)では、Qスイッチドライバー(167’)は、(Qスイッチレーザーシードソース(160’)の光学要素用の筐体中にないパッケージ中の)チップから実施される。幾つかの実施形態(図示せず)では、レンズ(162)およびフェルール(169)は省略される。また、フィルター−アイソレーター−偏光子(166)(例えば、幾つかの実施形態では、ファイバーブラッググレーティングを使用して実施される)の出力はファイバーピグテール(71)に直接接続し、シードソース(160’)のパッケージから伸びる。
【0075】
図1G1は本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(1071)の概略図であり、当該サブシステム(1071)は増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、フラットパックパケージされた希土類元素ドープしたレーザーベースのQスイッチリングレーザーシードソース(170)を含んでいる。幾つかの実施形態では、Qスイッチシードパルスリングレーザー(170)における信号光は、(図1F1のサブシステム(106)において使用される自由空間伝搬およびミラーよりもむしろ)様々な光学要素を相互に接続する光ファイバーを使用して運ばれる。他の実施形態では、Qスイッチリングレーザーシードソース(170)における信号光は、Qスイッチシードパルスリングレーザー(170)の様々な光学要素を相互に接続する(グラスまたはシリコン基板上に形成された)面状導波路を使用して運ばれる。幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(170)は、複数の曲がった導波路(光ファイバー導波路または面状導波路)、光学利得導波路(171)からの信号の波長の光をQスイッチ(175)へ向かって送達する波長分割マルチプレクサー(WDM)(173)を含み、その後、当該Qスイッチは信号光を光学要素(176)(例えば、幾つかの実施形態では、光学要素(176)はフィルター、アイソレーターおよび偏光子を含んでいる)に選択的に通す。WDM(173)はまた、光学利得導波路(171)中へポンプレーザー(178)からのポンプ波長の光を送達する。幾つかの実施形態では、光学要素(176)は、信号光を出力カプラ・ビームスプリッター(174)に通し、当該出力カプラ・ビームスプリッターは、フィードバックとして信号の波長の光の一部を光学利得導波路に送達し、出力シードパルスとして信号の波長の光の残部を送達する。これらの光学要素はリングレーザー光学信号経路を形成する。リング光学信号経路において、信号の波長は光学的にポンピングされた利得媒体(171)(幾つかの実施形態では、図1E2の利得媒体(151)と実質的に類似している)と遭遇し、当該利得媒体(171)によって増幅され、Qスイッチ(175)へ向かって(光学的にポンピングされた利得媒体(171)中へ反伝搬方向でポンプ・レーザー(178)の光を送達する)WDM(173)によって送達される。幾つかの実施形態では、その後、信号光は、Qスイッチ(175)を介して、FIP光学要素(176)(幾つかの実施形態では、FIP光学要素(176)は、信号の波長の光用のフィルター及び/又はアイソレーター及び/又は偏光子を含んでいる)を選択的に通り、当該Qスイッチ(175)はQスイッチドライバー(177)によって制御される。幾つかの実施形態では、Qスイッチが開放する場合、レイジングはFIP光学要素(176)によって決定される単一の方向で、そして波長および輝線幅(および随意に偏光子)で開始する。幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(170)のリング信号経路における様々な要素は、異なる順序で配列されるか、またはリングの他の脚に移される。幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(170)は、複数のはんだ付けできる、または、ソケットにはめられる(socketable)電気的コネクタを有する電子パッケージに取り付けられ、それはまた、増幅器チェーン(112)に直接接続される光ファイバーピグテール(72)を含んでいる。出力カプラ(174)に直接接続される光ファイバーピグテール(72)と、光学結合フェルール(179)(幾つかの実施形態では、より容易に再構成されるように接続を切ることができる)を介して接続され、そしてその中へシードソース(170)の自由空間レーザー出力信号がレンズ(172)を使用して集光されなければならない図1F1の光ファイバー(71)と、の間の差異を留意されたい。
【0076】
図1G2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(1072)のブロック図であり、当該サブシステム(1072)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチリングレーザーシードソース(170)を含んでいる。幾つかの実施形態では、図1G2のサブシステム(1072)は、QスイッチがQスイッチドライバー回路(177)によって駆動される半導体ダイオード光増幅器として実施されるという更なる詳細をもって、図1G1のサブシステム(1071)と実質的に類似している。
【0077】
図1G3は本明細書の幾つかの実施形態による代替的なサブシステム(1073)のブロック図であり、当該サブシステム(1073)は、Qスイッチレーザーシードソース(170’)を含んでおり、当該Qスイッチレーザーシードソース(170’)は、Qスイッチとして光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(175’)を使用し、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される、シードパルス91を出力する。幾つかの実施形態では、Qスイッチ(175)(図1G1を参照)が、Qスイッチドライバー回路(177’)によって電気的に駆動されるレーザーダイオード(178’)によってポンピングされる光学的にポンピングされた光増幅器(175’)として実施されるというさらなる詳細をもって、図1G3のサブシステム(1073)は図1G1のサブシステム(1071)と実質的に類似している。もし光学的にポンピングされた光増幅器(175’)がQスイッチポンプレーザーダイオード(178)から充分なポンプ光を受けなければ、それはリングにおけるレイジングが生じない程度まで信号光を吸収するが、充分なポンプ光が提供される場合、光学的にポンピングされた光増幅器(175)は、レイジングが発生するのに充分な信号を送達し、Qスイッチシード信号パルスが出力される。幾つかの実施形態(図示されない)では、Qスイッチドライバー(177’)は、(Qスイッチレーザーシードソース(170’)の光学要素用の筐体中にないパッケージ中の)チップから実施される。幾つかの実施形態(図示されない)では、レンズ(172)およびフェルール(179)は省略される。また、出力カプラ(174)の出力は、シードソース(170’)のパッケージから伸びる直接接続しているファイバー・ピグテール(71)である。
【0078】
幾つかの実施形態では、標準のQスイッチは使用されないが、むしろ、図2Aおよび図2Bについて下記に記載されているような、準Qスイッチが使用される。幾つかの実施形態では、全グラス準Qスイッチが使用される。幾つかの実施形態では、PM(偏光維持)ファイバーまたは要素は必要とされない。この設計の幾つかの実施形態では、ファイバーの長さが、ファイバー波長(ファイバーの長さ)の機能として信号の波長の再吸収の依存のために、準Qスイッチに影響するので、ファイバーの長さは適切に選ばれる必要がある。
【0079】
図2Aは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(201)のブロック図であり、当該サブシステム(201)は、増幅された準Qスイッチパルス(94)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される準Qスイッチシードパルス(90)を出力する、準Qスイッチリングレーザーシードソース(210)を含んでいる。幾つかの実施形態では、シードソース(210)は比較的高電力の光学的にポンピングされた光増幅器(HP A)(211)を含んでおり、それはポンプ波長レーザーダイオード(118)の複数からのポンプ・レーザー光を使用してポンピングされ、当該ポンプレーザーダイオード(118)は光ファイバー(114)を使用して光学的にポンピングされた光増幅器(211)に光学的に接続される。光学的にポンピングされた光増幅器(211)からの出力は、光ファイバーによって出力カプラ(219)に接続され、リングがレーザー光線を発する場合、準Qスイッチ光学シードパルス(90)は、光ファイバーピグテール(72)を介して光増幅器チェーン(112)に送られ、当該光増幅器チェーン(112)は増幅された出力パルス(94)を形成するためにシードパルス(90)を増幅する。幾つかの実施形態では、出力カプラ(219)に入る光の一部は、フィードバック信号として、比較的低電力の光学的にポンピングされた光増幅器(LPA)(215)に向けられ、当該LPA(215)は、それが供給されるポンプ光でない場合には(すなわち、準Qスイッチが「オフ」である場合には)リングにおけるレイジングを防ぐために信号光の充分な量を吸収する一方で、その後、準Qスイッチドライバー(217)が準Qスイッチポンプダイオード(218)に電力を供給する場合にはリングにおける信号光を送達および/または増幅することによって準Qスイッチとして作動し、今度は当該準Qスイッチポンプダイオード(218)が、光ポンピングを光ファイバー(214)を介してLPA(215)に提供し、その後当該LPAは信号光を吸収するよりもむしろ増幅する。幾つかの実施形態では、LPA(215)は、高電力増幅器(211)からのASEフィードバックを少なくするためにスモールモードフィールド径を有している。LPA(215)は、ポンプがオンの場合に空洞の透過性を導くようポンピングされ、パルス化される
【0080】
幾つかの実施形態では、LPA(215)は、HPA(211)用に使用されるのと同じ希土類元素のイオンでドープされない。例えば、幾つかの実施形態では、電力増幅器は、エルビウムドープファイバー増幅器(EDFA)またはエルビウム‐イッテルビウム共ドープファイバー増幅器(EYDFA)であり、ツリウムドープファイバー(TmDF)は、それがCバンドとLバンド中で吸収するので、LPA(215)用に使用される。この場合、TmDFは、LPA(215)のドープコアにHPA(211)からのCバンドおよびLバンドの信号光の吸収を止めるために790nmの波長でポンプ光を使用して、ポンピングされ、それにより、準Qスイッチにシードパルス(90)を開かせ放射させる。この特定の場合の利点は、Tmの蓄積時間が0.6m秒(もし純粋なエルビウムドーパントがLPA(215)の中で使用される場合の10m秒の代わりに)であるということである。したがって、幾つかの実施形態では、TmDFはより高い繰返し率を可能にする。しかしながら、他の実施形態では、LPA(215)は、HPA(211)と同じ希土類元素のイオンでドープされる(例えば、幾つかの実施形態では、LPA(215)およびHPA(211)は両方ともEDFAまたはEYDFAを含む)。
【0081】
その後、LPA(215)からの低電力の増幅された信号は、FIP光学要素(216)(それは幾つかの実施形態では信号光の波長及び輝線幅をフィルターにかけ、信号光を一方向分離し、及び/又は偏光する)を通り、およびHPA(211)に入る。幾つかの実施形態では、HPA(211)は、ラージコア、少なくとも40ミクロンのモードエリア直径を有するラージ・モード・エリア・ファイバー(例えば連続波(CW)のポンピングされた光ファイバーまたはロッド)として実施され、一方でLPA(215)はスモールコア、25ミクロンに過ぎないモードエリア直径のスモールモードエリアファイバーとして実施される。幾つかの実施形態では、LPA(215)のより小さなモードエリア直径はHPA(211)からのASEフィードバックを抑止するように作用する。
【0082】
図2Bは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(202)のブロック図であり、当該サブシステム(202)は、増幅された準Qスイッチパルス(94)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(90)を出力する準Qスイッチリニアレーザーシードソース(220)を含んでいる。幾つかの実施形態では、シードソース(220)のレーザー共振器は、1つの端部の高反射率ファイバーブラッググレーティング(HRFBG)(223)と、反対側の端部の低反射率ファイバーブラッググレーティング(LRFBG)出力カプラ(224)(それは部分的に信号の一部を反射し、向けられた信号の一部を通す)の間で形成される。幾つかの実施形態では、シードソース(220)は比較的高電力の光学的にポンピングされた光増幅器(HPA)(221)を含んでおり、それはポンプ波長レーザーダイオード(118)の複数からのポンプ・レーザー光を使用してポンピングされ(幾つかの実施形態では、サブシステム(202)が動作中のときポンプ・レーザーが実質的に常にオンである場合、CWポンピングされる)、当該ポンプレーザーダイオード(118)は光ファイバー(114)を使用して光学的にポンピングされた光増幅器(221)に光学的に接続される。光学的にポンピングされた光増幅器(221)の1つの端部からの増幅された出力は、光ファイバーによって出力カプラ(224)に接続され、空洞がレーザー光線を発する場合、準Qスイッチ光学シードパルス(90)は光ファイバーピグテール(72)を介して光増幅器チェーン(112)に運ばれ、当該光増幅器チェーン(112)は増幅された出力パルス(94)を形成するためにシードパルス(90)を増幅する。幾つかの実施形態では、(図の右に向かって出力カプラ(224)に入る)光の一部は、HPA(221)を介してフィードバック信号として後ろに反射され、当該HPA(221)はそれを増幅し、フィルター(226)を介して信号光を比較的低電力の光学的にポンピングされた光増幅器(LPA)(225)に通す。光増幅器(LPA)(225)は、LPA(225)が供給されるポンプ光でない場合には(すなわち、準Qスイッチが「オフ」の場合には)リングにおけるレイジングを防ぐために充分な量の信号光を吸収し、一方で、その後、準Qスイッチドライバー(227)が準Qスイッチポンプダイオード(228)に電力を供給する場合には空洞における信号光を増幅することで準Qスイッチとして作動し、今度は当該準Qスイッチポンプダイオード(228)が、光ポンピングを、光ファイバーを介して、LPA(225)に供給する。その後、当該LPA(225)は信号光を両方向に、吸収するのではなくむしろ、増幅する−最初は、ファイバーブラッググレーティングが合わせられる波長および輝線幅を有する信号光を反射する、HRFBGに向かって、そしてその後フィルター(226)の後方に向かって。幾つかの実施形態では、フィルター(226)はまた、さもなければHPA(221)(図の左側に移動する信号光)からLPA(225)へ、およびLPA(225)(図への右側に移動する信号光)からHPA(221)へ、通る増幅された自然放出光(ASE)を取り除くのを補助するためにフィルタリングする波長および輝線幅バンドパスを提供する。幾つかの実施形態では、フィルター(226)によって提供されるASEフィルタリングは、それが、LPA(225)における利得ファイバーをブリーチ(bleach)し得る、HPA(221)からLPA(225)に入る特定のASE波長を減らすので、準Qスイッチスモールコア増幅器(LPA225)の性能を上げる。幾つかの実施形態では、光学要素(223)、(225)、(226)、(221)、(224)の1つ以上及び/又は、それらを互いに接続する光ファイバーは、準Qスイッチ出力シード信号(90)が偏光されるように、偏光要素又は偏光維持(PM)要素である。その後、LPA(225)からの低出力で、2度増幅された(左側の方向に1度増幅され、右側の方向に2度目に増幅された)信号は、フィルター(226)(幾つかの実施形態では、それは信号光の波長と輝線幅を偏光する、及び/又はフィルターする)を通って、HPA(221)へ入る。幾つかの実施形態では、HPA(221)は、ラージコア、少なくとも40ミクロンのモードエリア直径を有するラージモードエリアファイバー(例えば連続波(CW)のポンピングされた光ファイバーまたはロッド)として実施され、一方で、LPA(225)はスモールコアモードエリア直径が25ミクロンに過ぎないスモールモードエリアファイバーとして実施される。幾つかの実施形態では、LPA(225)のより小さなモードエリア直径はさらにHPA(221)からのASEフィードバックを抑止するために作用する。
【0083】
図3Aは、サブシステム(301)のブロック図であり、当該サブシステム(301)は、グラフ化されたプロット(83)に示される増幅したパルス(93)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される(グラフ化されたプロット(82)に示される)傾斜シードパルス(92)を出力する、従来通りに変調した傾斜パルスレーザーシードソース(50)を含んでいる。幾つかの実施形態では、シードソース(50)は、従来通りに形成された(例えば、レーザーへのパワー入力の変調によって、あるいは、約0の振幅で開始し経時的にシードパルス(92)を形成するために増加する強度を有するシードパルスを得るためにレーザーからのレーザービーム出力の変調によって(グラフ化されたプロット(82)はパルス(92)についての強度対時間を示している))傾斜シードパルスを出力する分布帰還型レーザー(DFBL)を含む。シードパルス(92)は増幅器チェーン(112)に接続される(幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)は、3つの連続的に接続している光ファイバー利得段を含む(すなわち、第1段の増幅された出力信号は第2段に入力信号として接続され、第2段の増幅された出力信号は第3段に入力信号として接続され、第3段の増幅された出力信号は、出力信号(93)である(グラフ化されたプロット(83)はパルス(93)についての強度対時間を示している))。好適なダイナミックレンジ(すなわち、最初の立ち上がりエッジを充分ゆっくり立ち上がらせる)を得る際の困難さにより、シードパルスは峻険なパルスを経験し、そこではパルスの最初の部分が非常に増幅され、パルスの非常に小さな最初の部分にとって過度のピークパワー(それは利得ファイバー及び/又は信号パルスの非線形な広がりに損害を与える)をもたらすが、最終的に増幅器チェーン(112)からの理想よりも低い総エネルギー抽出をもたらす(スペクトルの広がりは(あまり増幅されない波長を有する)利得媒体の利得帯域を超えて伸びるパルスの輝線幅の大部分をもたらし、これは利得媒体がパルスのそれらの波長を増幅できないことを意味する−その後、エネルギー抽出は「クランプされる」と言われる)。さらに、従来のDFBLソースは、狭い輝線幅を有するレーザー信号を出力し、それは、本発明にとって所望の高パワーまで増幅される場合に、誘導ブリユアン散乱(SBS)問題をもたらし、しばしばファイバー増幅器及び/又はシードソースへの破滅的な損害に帰結する。またさらに、非常に高ピークパワーレベルで、ビームは自己集束作用(self−focusing behavior)をまたしばしば経験し、これもまたファイバー増幅器への破滅的な損害に帰結する。
【0084】
図3Bは、2つの信号(図3Aの増幅器チェーン(112)についての入力シードパルスおよび出力増幅パルス)の詳細なグラフ(302)であり、当該グラフは、図3Aの傾斜シードパルス(92)の強度対時間を示すプロット(82)、およびシードパルス(92)の最初の部分の峻険なパルスからもたらされる図3Aの増幅パルス(93)の強度対時間を示すプロット(83)を含む。
【0085】
図3Cは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(101)のブロック図(前に図1Aで示されている)であり、当該サブシステム(101)は、(グラフ化されたプロット(88)に示される)増幅したパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される(グラフ化されたプロット(81)に示される)シードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(110)を含んでいる。様々な実施形態では、サブシステム(101)は、図1B1、図1B2、図1B3、図1B4、図1B5、図1C1、図1C2、図1D1、図1D2、図1E1、図1E2、図1E3、図1F1、図1F2、図1F3、図1G1、図1G2、図1G3のQスイッチシードソースサブシステムに示される任意の構成として、または上記の図の記載に関して記載されているように図2A−図2Bの準Qスイッチシードソースサブシステムに示される任意の構成として実施される。
【0086】
図3Dは本発明の幾つかの実施形態による2つの信号(図3Cの増幅器チェーン(112)についての入力Qスイッチシードパルスおよび出力増幅パルス)の詳細なグラフ(304)であり、当該グラフは、図3CのQスイッチシードパルス(91)の強度対時間を示すプロット(81)、および図3Cの増幅されたパルス(98)の強度対時間を示すプロット(88)を含む。見ることができるように、増幅出力パルスは、峻険なパルスを回避し、高エネルギー抽出を獲得しながら、シードパルスの基本的な一時的な形状を保存する。(最初のパルスの輝線幅が過度に狭くないので、SBS問題は回避され、(エネルギー抽出に関連した)高ピークパワーが回避されるため、非線形のスペクトルの幅の広がりが回避される。このため増幅器チェーンの利得帯域幅の内にパルスの輝線幅を維持し、また、エネルギー抽出はこのように増加される。)
【0087】
図3Eは本発明の幾つかの実施形態では、(図3Cの信号(91)及び(98)に依然として対応する、僅かに異なる状態とより高いポンプパワーおよび増幅レベルに対応する)2つの信号の詳細なグラフ(305)であり、当該グラフは、Qスイッチシードパルス信号(91)の強度対時間を示すプロット(81)、および、増幅されたパルス信号(98)の強度対時間を示すプロット(87)を含む。幾つかの実施形態では、出力パルスは約6mJのエネルギーおよび過剰な峻険なパルスを有さない形状をとっており、このように高エネルギー抽出および非線形問題をほとんど或いは全くなくすことを可能にする。
【0088】
本発明の方法の幾つかの実施形態はさらに、筐体がある輸送手段を提供する工程(図4Aおよび図4Bを参照);電力を供給する工程;電力を使用し、MOPA形態においてQシードレーザーを有している1台以上の光ファイバー増幅器を制御し動力を供給する工程;及び、輸送手段に対する複数の異なる可能な方向の1つへの単一出力ビームの出力方向を制御する工程を含む。
【0089】
図4Aは本発明の幾つかの実施形態による輸送手段または設備(408)に取り付けられたQシードMOPAサブシステム(100)を含むシステム(401)のブロック図である。様々な実施形態では、QシードMOPAサブシステム(100)は、図1Aのサブシステム(101)、図1B1のサブシステム(102)、図1B2のサブシステム(182)、図1B3のサブシステム(183)、図1C1のサブシステム(103)、図1D1のサブシステム(104)、図1E1のサブシステム(105)、図1F1のサブシステム(106)、あるいは図1G1のサブシステム(1071)(各々はQスイッチレーザーシードパルスを供給する)に示されるような;図2Aのサブシステム(201)または図2Bのサブシステム(202)(各々は準Qスイッチレーザーシードパルスを供給する)に示されるような;あるいは図5Aのサブシステム(501)、図5Bのサブシステム(502)、あるいは図5Fのサブシステム(506)、(各々は「Q」状のシードパルスを提供する)示されるような、および、本明細書に記載されている様々な装置および方法の実施形態を使用して実施される。幾つかの実施形態では、システム(401)は輸送手段または設備(408)((例えばヘリコプター、ジェット戦闘機、ミサイル、自律飛行型輸送手段または、自律飛行型ロボットなどの)機体、(駆逐艦、フリゲート艦、航空母艦、ホバークラフト、潜水艦などの)軍艦機、(戦車、Humvee(登録商標)などのような)陸上輸送手段、または(実験室、製造工場またはバンカーのような)陸上設備)を含む。幾つかの実施形態では、輸送手段または設備(408)は、他の要素に電力を供給する1つ以上のバッテリー及び又は電源(418)、1つ以上のレーザー制御装置(412)、1つ以上の画像算出及び画像分析コンピューター又は回路(414)、1つ以上のプロセッサ信号(420)、1つ以上のビームポインター(430)、および/またはシーンに関する画像情報を取得する1つ以上のイメージャー(416)を含む(これらのユニットの1つ以上は幾つかの実施形態においては省略され得る)。幾つかの実施形態では、MOPAレーザーサブシステム(100)の各々はQスイッチレーザー・シードソースを含んでいる。幾つかの実施形態では、MOPAレーザーサブシステム(100)からの出力ビーム(98)は、画像取得(例えば、シーンをカバーするためにビームの幅を広げることによってか、又は結像される複数の点の各々に対して光学パルスを送るためにビームスキャンすることによって)とLIDAR測定(一般に、狭い幅のビームパルスを複数の方向の1つに送り、反射パルスが検出されるまで時間の遅れを測定することによって−例えばあるシーンまたはターゲット(70)から反射したパルス)のための照明または信号光(99)を供給するためにビームポインター(430)によって特定の方向に向けられる。
【0090】
図4Bは本発明の幾つかの実施形態によるシステム(402)のブロック図であり、それは複数のQシードMOPAサブシステム(100)を含んでおり、当該QシードMOPAサブシステム(100)の出力ビーム(98)は分光ビームコンバイナー装置(440)で結合され、全て輸送手段または設備(409)に取り付けられている。様々な実施形態では、複数のQシードMOPAサブシステム(100)の各々は、図1A、図1B1、図1B2、図1B3、図1C1、図1C2、図1D1、図1D2、図1E1、図1E2、図1E3、図1F1、図1F2、図1F3、図1G1、図1G2、図1G3、図2A、図2B、図5A、図5B、または図5Fに示されるような、および本明細書に記載されている様々な装置および方法の実施形態を使用して実施される。幾つかの実施形態では、分光ビームコンバイナー(440)が、複数のレーザーサブシステム(100)からの複数のパルスを分光ビーム結合(SBC)させ、単一のはるかに高いエネルギーのSBC出力パルス(96)にするのを可能にし、その後、これが出力ビーム(95)を形成するために随意のビームポインター(430)によって随意に向けられる、という点を除いて、図4Bのサブシステム(402)は図4Aのシステム(401)と実質的に類似している。幾つかの実施形態では、システム(402)は輸送手段または設備(409)((例えばヘリコプター、ジェット戦闘機、ミサイル、自律飛行型輸送手段または、自律飛行型ロボットなどの)機体、(駆逐艦、フリゲート艦、航空母艦、ホバークラフト、潜水艦などの)軍艦機、(戦車、Humvee(登録商標)などのような)陸上輸送手段、または(実験室、製造工場またはバンカーのような)陸上設備)を含む。幾つかの実施形態では、輸送手段または設備(409)は、他の要素に電力を供給する1つ以上のバッテリー及び又は電源(418)、1つ以上のレーザー制御装置(412)、1つ以上の画像算出及び画像分析コンピューター又は回路(414)、1つ以上のプロセッサ信号(420)、1つ以上のビームポインター(430)、および/またはシーンに関する画像情報を取得する1つ以上のイメージャー(416)を含む(これらのユニットの1つ以上は幾つかの実施形態においては省略され得る)。システム(402)はまた、複数のMOPAレーザーサブシステム(100)を含んでおり、その出力ビームはSBCユニット(440)によって結合される。幾つかの実施形態では、MOPAレーザーサブシステム(100)の各々はQスイッチシードソースを含み、そこでは複数のそのようなソースからのパルスがそのうちに同期される(例えば、幾つかの実施形態では、ビームの明るさを増すために同時に又は略同時に生じる)。幾つかの実施形態では、SBC(440)からの出力パルスビーム(96)は、画像取得、LIDAR測定など(例えばシーンまたはターゲット(70)に関して)のための照明または信号光を提供するためにビームポインター(430)(ある実施形態では、これは制御装置(412)のもと制御される)によって出力ビーム(99)として特定の方向に向けられる。QシードMOPAソースによって供給される独特な非常に効率的なエネルギー抽出は、システム(402)およびシステム(401)を、従来のレーザー照明器ソリューションを使用しては利用できない新しい結合にする、独特な能力と独特な高性能のパルスおよび高エネルギー光パルスを供給する。
【0091】
図5Aは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(501)の概略図であり、当該サブシステム(501)は、増幅されたパルス(598)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される「Q」状のシードパルス(591)(すなわち、Qスイッチレーザーからのパルスの一時的な形状に類似する一時的な形状を有するパルスであり、幾つかの実施形態では、当該パルスは、Qスイッチレーザーによって得られる輝線幅と類似した、広いスペクトルの輝線幅を有する)を出力する、レーザーおよび直列/並列変調器結合(直列/並列「Q」状のシードパルス発生器と呼ばれる)(510)を含んでいる。幾つかの実施形態では、直列/並列「Q」状のシードパルス発生器(510)は、広帯域レーザーデバイス(511)を含んでおり、その動作(例えば、パワーレベル、温度など)はシステム制御装置(5279)によって制御され、シード−入力スプリッター(524)に接続されCWレーザー信号(512)を出力する(幾つかの実施形態では、ノイズアベレージャー(540)を通った後で)。図5Aの文脈では、CWレーザー信号は、ある期間に渡って(例えば、幾つかの実施形態では、安定したレーザー動作を得るために、1秒以上、さらに恐らく15分以上)略一定の強度(すなわち、所与の振幅ノイズの量を除いて略一定である)を有するレーザー信号であり、それは最後の「Q」状のシード信号(幾つかの実施形態では、それは1000マイクロ秒に過ぎない、および恐らく10マイクロ秒に過ぎないFWHMの持続時間を有する)の長さと比較して非常に長い。
【0092】
図5Aのサブシステム(501)の他の実施形態中では(図5Bのサブシステム(502)、および図5Fのサブシステム(506)の他の幾つかの実施形態についても同様に)、デバイス(511)は広帯域レーザーを使用するのではなく、代わりに、「APPARATUS AND METHOD FOR GENERATING CONTROLLED−LINEWIDTH LASER−SEED−SIGNALS FOR HIGH−POWERED FIBER−LASER AMPLIFIER SYSTEMS」と題する2009年5月26日にエリック シー.ホネアらに発行された米国特許第7,539,231号(参照によって本明細書に組み入れられている)に記載されているような、制御された輝線幅の増幅した自然放出光(ASE)デバイスを使用する。
【0093】
さらに他の実施形態では、図5Aのデバイス(511)用の広帯域CWレーザーを使用するのとは対照的に、パルスダイオードレーザーは、さもなければ図5Aのサブシステムと類似するサブシステムへのデバイス(511)用に使用され、および、(「APPARATUS AND METHOD FOR GENERATING CHIRP−SLICE CONTROLLED−LINE WIDTH LASER−SEED SIGNALS」と題する、2010年4月20日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスに発行された米国特許第7,701,987号に記載されているような)チャープ−スライス配置は、チャープレーザーパルスを発生させるために、そしてその後、図5Aの変調器(5251)、(5252)、および(5253)の1つ以上についての入力レーザー信号として使用されるチャープレーザーパルスの適切な時間−スライス部分を選択するために使用される。前記チャープシードパルスは、SBSを回避するのに充分に速いレートでパルスの周波数(したがって波長)を変更することにより、SBSを回避する。温度、レーザーダイオードに供給されるアイドル電流、およびレーザーダイオードに供給される電流のパルス波形および大きさを選択することで、チャープレーザー信号の各種パラメータは調節され得る。使用されるチャープパルスの適切な開始時間および終了時間を選択することで、その後、開始の波長および波長の変化量は設計によって選択され得る。その後、複数の増幅変調器の各々に入力される信号の部分の大きさを(適切な信号スプリッター(524)によって)、および各々の変調器を駆動させる電気的なパルスの開始時間(チャープスライスの開始時間と関連する)を選択することで、一時的な形状、スペクトル成分(およびその経時的な変化)、および波長、に対する大きな制御が得られる。
【0094】
幾つかの実施形態では、デバイス(511)からの信号(幾つかの実施形態では、図5Aで示されるような広帯域の半導体レーザーまたは光導波路ベースのレーザー、あるいは、他の実施形態では、その代わりに使用される、制御された輝線幅ASEソースまたはスライス−チャープレーザーから(上述の米国特許第7,539,231号または米国特許第7,701,987号においてより完全に記載されているように))は好ましくない量の振幅ノイズ(すなわち強度またはパワーにおける短期間の変化)を有するだろう。幾つかの実施形態では、前記ノイズは、ノイズアベレージャー(540)によって減少され、当該ノイズアベレージャー(540)は、信号を複数の部分に分けて、その後、各々の部分を異なる量の時間遅らせ(例えば、各々の部分を面状の光学デバイスの異なる長さの表面波線路、または異なる長さの光ファイバーに通すことによって)、そしてその後、互いに遅れた部分を再結合する(混合する)。例えば、入力信号(512)が32の部分に分けられるとすれば、その各々は異なるインクリメントな量で遅らされ、その後、他の部分と再結合させられ、結果として生じる平均化された信号(512’)は入力信号(512)の32ポイントの移動平均であると見られるかもしれない。幾つかの実施形態では、ノイズアベレージャー(540)はシード−ミキシングスプリッターを含んでおり、それは、デバイス(511)からの信号(512)を複数の部分(例えば、様々な実施形態では、2,4,8,16,32、64、または128、あるいは他の適切な数の部分)に分割し、そこで各々の部分はその各々の光ファイバー(または面状導波路)経路(542)〜経路(544)を通り、複数の経路の1つずつが異なる長さ(図5Aに示される複数の経路(542)〜経路(544)の描写によって表わされ、そこでは直線経路(542)が最も短く、深く曲った経路(544)が最も長く、および様々な中間の長さを有する複数の他の異なる長さの経路もまた提供される)を有する。複数の経路(542)〜(544)からの光は、その後、減少したノイズの平均化した信号(512’)を形成するために、シード−ミキシングコンバイナー(549)によって互いに再結合される。これらの信号の描写は、さらに以下に記述されている図5Cに示される。
【0095】
再び図5Aを参照すると、幾つかの実施形態では、ノイズアベレージャー(540)からのノイズが減少した信号(512’)はシード−エンベロープスプリッター(524)に結合され、一方で、他の実施形態では、ノイズアベレージャー(540)は省略され、デバイス(511)からの信号(512)はシードエンベロープ・スプリッター(524)に直接接続される。留意されるように、シードミキシングスプリッター(541)はその入力光学信号を複数の部分に分割するために使用され、その各々はシードミキシングコンバイナー(549)によって単一の信号(512’)へ再結合される前に、異なる遅延を受ける。対照的に、シードエンベロープ・スプリッター(524)はその入力光学信号を複数の部分に分けるために使用され、その各々は、シード−出力コンバイナー(526)によって単一の信号(591)へ再結合される前に、異なるエンベロープ(振幅)変調を受ける。
【0096】
様々な実施形態において、シードエンベロープ・スプリッター(524)は、光学的初期シード信号(512)または(512´)の少数部分を、光学信号経路(513)(例えば、幾つかの実施形態では、光学信号経路(513)は、変調器(5251)に、スプリッター(524)からの信号を結合する光ファイバーを含む)に出力する((本明細書に示された実施形態のように)いくつかの実施形態において、例えば1%、あるいは、他の実施形態中で0.1%、0.2%、0.5%、2%、5%又は10%若しくは初期シード信号(512)または(512´)の他の適切な少数部分)。シードエンベロープ・スプリッター(524)は、初期シード信号(512)または(512´)の大多数の部分を出力する((本明細書に示された実施形態のように)いくつかの実施形態において、例えば99%、あるいは、他の実施形態において、99.9%、99.8%、99.5%、98%、95%又は90%、若しくは入力信号のうちの他の適切な大多数の部分)を光学信号経路(514)(例えば、幾つかの実施形態において光学信号経路(514)は、変調器(5252)にスプリッター(524)からの信号を結合する光ファイバーを含む)に出力する。初期シード信号(512)または(512´)の非常に小さい部分のみを光学信号経路(513)に送ることによって、「Q」状のシードパルス信号(591)の前縁の非常に早い部分は、非常に小さな値(実際の0の信号光強度)でスタートし、ついで、(「Q」状のシードパルス信号(591)の前縁の後の部分の強度の上昇率と比較して)比較的非常にゆっくりと(強度の上昇率を)上昇させる。光の微少量のみが経路(513)に沿って通過するので、変調器(5251)が「オフ」であるであるとき、経路(516)への光の出力量は非常に小さく、最終シードパルス(591)に良好な消光率を提供している。対照的に、トータルパルスの非常に大きい部分は、複数の振幅変調器(5252)・・・(5253)を介して連続的に通過する。連続する形態は、この下部経路のために高消光率(すなわち、変調器が「オフ」であるとき、複数の連続する変調器(5252)〜(5253)を通過した光強度が、事実上零であることが望まれる)を達成するために使用され、その一方で、変調器(5251)を経た上部経路の高消光率が、スプリッタ(524)によって経路(513)を通過する初期シード信号(512)または(512´)の非常に小さい割合によって、一部が達成される。
【0097】
幾つかの実施形態において、クロック/タイマー−パルス制御器(5270が(システム制御器(5279)の制御下で)、複数の電子ドライバ(例えば、電子ドライバ(5271)、電子ドライバ(5272)、電子ドライバ(5273))のタイミングを制御し、その結果、電子ドライバ(5271)からの電気的変調パルスがまず立ち上がり(各シードパルスに対して時間T1で)、変調器(5251)を介する光の小量がまず緩慢に増加し始め、シード出力コンバイナ(526)を通過して、「Q」状のシードパルス(591)の一部になる。その後、電子ドライバ(5272)からの電気的変調パルスが、ついで立ち上がり(各シードパルスに対して時間T2で)、その結果変調器(5252)を介する光の適量が、ついで緩慢に増加し始めるが、変調器(5252)からの出力信号(515)は、ついで、「Q」状のシードパルス(591)が「オフ」であると想像されるとき(すなわち、信号(591)上の「Q」状のシードパルス間で)、1以上の追加の変調器(例えば、変調器(5253))を通過して、消光率を増加させる。その後、電子ドライバ(5273)からの電気的な変調パルスが、ついで立ち上がり(各シードパルスに対して時間T3で)、変調器(5253)による適度な光量が緩慢に増加し始め、そして変調器(5253)からの出力信号(517)は、コンバイナー(526)によって変調器(5251)からの出力信号(516)と結合され、「Q」状のシードパルス(591)の全体を形成する。連続する変調器(5252)および(5253)のさらなる利点は、パルスの開始に非常に近いところ(例えば、各シードパルスに関する時間T2および時間T3の間の時間で)の増加率(ramp−up−rate)がさらに緩慢にされることである。なぜなら、変調器の1つだけ(変調器(5252))が「オン」になり始め、その一方で、当該パルスにおける後の増加率が比較的より速い。というのは連続する変調器(5252)及び(5253)が、それらの完全「オン」状態(それらの透過状態)へと増加するからである。幾つかの実施形態において、電子ドライバ(5271)からの電気的なパルスは、時間Tiで開始し、時間T6で終了するプロット(571)の一時的な形態を有し、電子ドライバ(5272)から電気的なパルスは、時間T2において開始し、時間T5で終了するプロット(572)の一時的な形態を有し、及び電子ドライバ(5273)からの電気的なパルスは、時間T3において開始し、時間T4において終了するプロット(573)の一時的な形態を有する。時間に対する電気的信号(例えば、電流または電圧振幅)のこれらのプロットは、以下に述べる図5Dに、より詳細に示される。
【0098】
図5Bは、代替の実施形態であるサブシステム(502)の概略図であり、変調器(5251)および(5252)のみが並列に結合され、それらの個々の出力はコンバイナー(526)によって互いに結合され、その出力は、その後、変調器(5253)を介して連続的に結合され、その出力(592)は増幅器チェーン(112)に接続される。図5Aのために記載された直列/並列の「Q」状のシードパルス発生器(510)とは対照的に、この代替的な形態は、本明細書において並列/直列の「Q」状のシードパルス発生器(520)という。幾つかの実施形態において、(上述のとおりの)ノイズアベレージャー(540)がノイズ振幅の減少のために含まれており、その一方で、他の実施形態においては、ノイズアベレージャー(540)が省略されている。図5Aのサブシステム(501)のための場合、シードエンベロープ・スプリッター(524)は、変調器5251へ光信号(513)として光信号(512)(あるいは(512´))の非常に小さい部分を送信し、当該光信号(513)は、電子ドライバ(EDI)(5271)からの初期低振幅・低立ち上がりの電気的信号の制御下で徐々に「開放され」、時間T1で徐々に立ち上がり始め、そして徐々に増加する光信号(513)の量を、信号(516)として増加することによって可能にするために、変調器(5251)を制御する。変調器(5251)からの低振幅・低立ち上がりの光信号波形(516)は、最初に「オフ」の変調器(5253)によって、さらに減衰され減じられ、いつ変調器(5253)が「オフ」であるかによって、変調器(5251)からの初期の光量の漏れ光量を小さくすることさえできる。幾つかの実施形態において、変調器(5252)は、より高い消光率を達成するために類似の信号(例えば、単一の電子ドライバ(5272)から)によって、各々駆動される2つ以上の光学変調素子の直列の組み合わせである。時間Tlの、わずかな時間T2後に、変調器(5252)は、電子ドライバ(5272)から立ち上がりの遅い電気的信号の制御下で徐々に「開放され」、その電子ドライバ(5272)は時間T2で開始し、変調器(5252)を制御して、信号(517)として光信号(514)が徐々に増加することを可能にする。変調器(5253)が、時間T3で徐々に開放し始める電子ドライバ(ED3)(5273)からの立ち上がりの遅い電気的信号の制御下で徐々に開かれるとき、シード出力・コンバイナー(SOC)(526)は信号(516)および信号(517)を結合し、その後、変調器(5253)を通過して、時間T3まで「オフ」状態に留まり、時間T3のさらに後まで、結合された信号(516)及び(517)の漏れ量だけにするのを可能にする。これは、「Q」状のシード信号パルスを提供し、その初期の前縁での2〜3個の光子から前縁上で後に徐々に増加を加速するまで、徐々に増大する。したがって、パルスを急峻にすることを防止する。さもなれば出力増幅チェーン(112)で生じる。
【0099】
図5Cは、図5Aまたは図5Bの信号(512)のシミュレートされたノイズ部分のプロット(1512)と、信号(512)の32の等しい部分を平均化することによって得られ、おのおのが異なる時間の量だけ遅延した、図5Aまたは図5Bのノイズが低減した信号(512´)のノイズ部分のプロット(1512´)を示す概略のグラフである。シミュレートされたノイズ振幅のプロット(1512)は、プラス1又はマイナス1の振幅の偏差をもつ平均値(1)に正規化された(もちろん、実際のレーザー信号(512)は、非常に小さいパーセンテージの平均強度のノイズ振幅をもち得るのであり、しばしば1%を下回り得る)。プロット(1512´)は、信号(512)のシミュレートされたノイズ部分のプロット(1512)の32の時間移動平均を表わす。見られ得るように、そのような移動平均(1512´)はノイズ(1512)の振幅上のローパスフィルタに類似しており、ノイズ(1512)の振幅変化の量のおよそ4分の1(約25%)までその振幅変化を減らすと共にノイズの周波数を低減する。
【0100】
図5Dは、図5Aのサブシステム(501)または図5Bのサブシステム(502)のいくつかの実施形態において、それぞれの光学変調素子(5251)、(5252)および(5253)を駆動するために使用される、理想化された電気的なパルス(571)、(572)および(573)のプロットを示す概略のグラフ(504)である。幾つかの実施形態において、これらのパルスの1つ以上の前縁(増幅器チェーン(112)でのエネルギーは、トレーリングエッジが生じる時までにほとんど消耗されるので、それは最も重要な特徴である)は、ガウスの一時的な形態に近似する。幾つかの実施形態において、電子ドライバ(5271)(プロット(571))からの電気的なパルスは、各シードパルスに対して時間T1で開始し(すなわち、時間T1より後)、各シードパルスに対して時間T6で終了する。電子ドライバ(5272)(プロット(572))からの電気的なパルスは、各シードパルスに対して時間T2で開始し、各シードパルスに対して時間T5で終了する。また、電子ドライバ(5273)(プロット(573))からの電気的なパルスは、各シードパルスに対して時間T3で開始し(すなわち、時間T1より後)、各シードパルスに対して時間T4で終了する。前述されるように、シードパルス(591)の前縁でのタイミングおよび徐々の増加率は、サブシステム(501)またはサブシステム(502)の効率的な機能化にとってトレーリングエッジより重要である。さらに、幾つかの実施形態では、振幅変調が本質的に乗法関数であり、乗法関数は可環(commutative)であるので、変調器(5252)および(5253)を駆動する電気的なパルスのタイミングおよび形態は交換することができる(プロット(573)の電気的なパルスは、その代りに、変調器(5252)に送達可能であり、プロット(573)の電気的パルスは変調器(5253)に送達可能である)。他の実施形態は、3を超える電気的信号の結果として、3を超える数の光学変調素子、および3を超える数の電気的信号を使用する。
【0101】
図5Eは、図5F(以下に記載される)のサブシステム(506)のいくつかの実施形態において個々の光学変調素子(5254)、(5255)および(5256)を駆動するために使用される、理想化された電気的パルス(574)、(575)および(576)のプロットを示す概略のグラフ(505)である。パルスの開始時刻間の相対的な遅延のために、すべての変調器はT1〜T2において「オン」にし始めているわけではないので、パルス中で増加率についての肌理の細かい微細な制御のための能力を非常に初期に提供し、そして、シードパルスの強度のために高いダイナミックレンジを提供する。図5Aおよび図5Bについて記載されたように、図5Fのサブシステム(506)は、「Q」状のシードパルス(592)の一時的な形状、およびスペクトル成分(時間とともに変わるスペクトル成分でさえ)について、単独制御を可能にする。
【0102】
図5Fは、本発明のいつかの実施形態によって、増幅されたパルス(597)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される「Q」状のシードパルス信号(596)(プロット(582)によって表された振幅を有する)を出力するレーザーと直列変調器の組合せ(直列変調器の「Q」状のシードパルス発生器と言う)(560)を含むサブシステム(506)の概略図である。幾つかの実施形態では、直列変調器の「Q」状のシードパルス発生器(560)は広帯域のレーザー(511)を含み、その動作(例えば、電力レベル、温度など)がシステム制御器(5279)によって制御され、そして幾つかの実施形態では、CWレーザー信号(512)(プロット(583)によって表される)を出力し、CWレーザー信号は光信号経路(513)(例えば、幾つかの実施形態では、光信号経路(513)は、変調器(5254)にレーザー(511)からの信号を結合する光ファイバーを含む)に結合される。光信号経路(533)にCWレーザー信号(512)を送信することによって、および複数の直列接続された変調器(5254)、(5455)・・・(5256)を介して「Q」状のシードパルス信号(596)の前縁の非常に早い部分は、極めて小さい値(事実上、零の信号光強度)からスタートすることができ、そして、その後、(強度の増加率を)比較的、非常に、ゆっくりと増加する(「Q」状のシードパルス信号(596)の前縁の後の部分の強度の増加率と比較して)。なぜなら、変調器(5254)を通過した光の時間に対する増加率が、他の変調器によって低減されるからであり、当該他の変調器は、シードパルスの初期の部分の間「オフ」である(光の漏れ量だけを通過させる)からである。光の微少量のみが、後に「オフ」となる変調器(複数の電子ドライバ(5275)によって駆動される複数の変調器(5275)〜(5276)。ここでの説明においては省略符号によって示されるとおり)を通過するので、変調器(5254)が「オフ」であるとき(シードパルスの開始前)、経路(532)への光出力の量は非常に小さく、最終の「Q」状のシードパルス信号(596)によい消光比を供給する。対照的に、変調器(5254)は一度「オン」を開始すると、パルスの合計の大部分が、後のパルスの時間に対する高い上昇率を達成するために、複数の振幅変調器(5255)〜(5256)を連続的に通過する。幾つかの実施形態では、クロック/タイマー・パルス制御器(5270)(システム制御器(5279)の制御下で)は、電子ドライバ(5274)、電子ドライバ(5275)および電子ドライバ(5276)(それぞれ、変調器(5254)、(5255)および(5256)に接続される)のタイミングを制御し、その結果、電子ドライバ(5274)からの電気的変調パルス(量対時間プロット(574)によって表わされる)が、まず立ち上がり(各シードパルスに対する時間T1で)、その結果、変調器(5254)を介する光出力の小量(大きさ対時間のプロット(584)によって表わされた信号(534))が、最初に緩慢な増加を開始し、漏れ信号光として「オフ」の変調器(5255)〜(5256)を介して僅かに通過し、「Q」状のシードパルス(596)の初期(緩慢な傾斜)部分となる。ついで、電子ドライバ(5275)(大きさ対時間プロット(575)によって表わされた)からの電気的変調パルスは、2番目に立ち上がり(各シードパルスに対して時間T2で)、その結果、変調器(5254)と、そしてその後変調器(5255)を介した光の適量(量対時間のプロット(585)によって表わされる信号(535))は、次に緩慢に増加し始めるが、変調器(5255)からの出力信号(535)は、1つ以上の追加の変調器(例えば、省略記号が変調器(5255)および(5256)間で示される)を通過して、「Q」状のシードパルス(596)が「オフ」である(すなわち、パルス間で)と思われるときに、消光比を増加させる。その後、電子ドライバ(5276)からの電気的変調パルスは3番目に立ち上がり(各シードパルスに対して時間T3で)、その結果、変調器(5254)そして次に変調器(5255)を介して適度な光量が増加し始め、変調器(5256)からの出力信号(532)は「Q」状のシードパルス(596)の和である。連続する変調器(5255)および(5256)のさらなる利点は、非常に近いパルスの開始(例えば、各シードパルスに対する時間T2および時間T3の間の時間)に増加率がさらに遅くされることである。なぜなら、いくつかの変調器のうちの一つだけ(変調器(5255))が「オン」になり始めるからであり、その一方で、パルスにおける後の増加率が比較的もっと速い。なぜなら、直列接続された3つの変調器(5254)、(5255)および(5256)のすべてが、それぞれの完全「オン」状態(それらの透過状態)に向かって増加するからである。
【0103】
図5Fについて、各シードパルスに対して異なる逐次増加開始時間(T1)、(T2)及び(T3)をもつ直列接続された変調器(5254)、(5255)および(5256)の組み合わせは、システム制御器(5279)及び/又はクロック/タイマー・パルス制御器(5270)内に(例えば、制御命令として)プログラムされ得るが(システム制御器(5279)の制御下で)、シミュレートされた「Q」状のシードパルス(596)を提供するものであり、「Q」状のシードパルス(596)は、そのパルス形状を変更するためにQスイッチシードレーザーを再度カスタマイズする必要性はなく、容易に条件及び/又はシステム構成(例えば、所与の増幅チェーン(112)に光学的ポンプ出力を供給する異なる増幅器チェーン(112)又は異なるポンプ・レーザー)を変更するようにカスタマイズされ得る。さもなければ必要とされ得る。
【0104】
図5Aおよび図5Bについては、インプットシードエンベロープ・スプリッター(524)の組合せは、様々な量のレーザー信号(512)を(例えば0.1%−99.9%スプリッターと1%−99%スプリッターを交換することによって)直列/並列パルス・パルスエンベロープ変調器・アレイの種々の枝に送達する他のスプリッターのために交換可能であり、また各シードパルスに対する異なる連続する増加開始時間Tl、T2...T3は、システム制御器(5279)及び/又はクロック/タイマー・パルス制御器(5270)に(例えば、制御命令として)プログラムされ得る(システム制御器(5279)の制御下で)が、シミュレートされた「Q」状のシードパルス(591)(図5A)または(592)(図5B)を提供する。当該シミュレートされた「Q」状のシードパルス(591)(図5A)または(592)(図5B)は条件及び/又はシステム構成(例えば、所与の増幅器チェーン(112)に光学的ポンプ出力を供給する種々の増幅器チェーン(112)又は種々のポンプ・レーザー)を再度カスタマイズする必要はなく、変更するように容易にカスタマイズすることができ、そのパルス形状を変更するために再度カスタマイズする必要はない。シミュレートされた「Q」状のシードパルス(591)が提供できなければ、必要とされ得る。
【0105】
さらに、図5Aの「Q」状のシードパルス(591)、図5Bの「Q」状のシードパルス(592)、又は図5Fの「Q」状のシードパルス(596)のスペクトル成分(波長および輝線幅、並びに、いくつかの実施形態において、チャープ(時間の経過に伴う波長の変化−以下のパラグラフ参照))は、パルスの一時的な形状に対する調節(制御器(5270)およびドライバ(5271)、(5272)、...(5273)の制御下で)とは無関係に、(デバイス(511)(システム制御器(5279)に制御されるとおりによって制御される)及び/又は広帯域のレーザー(図5Aで示されるとおり)、制御された輝線幅ASEソース、またはデバイス(511)のための光源としてのスライスド・チャープド(sliced−chirped)レーザーパルスの間の選択によって)調節され得る。
【0106】
幾つかの実施形態では、低い部分カウント、低い部分コスト及び/又はより単純な構成は、Qスイッチシードレーザー(図1A〜1G3に記載されたとおり)または準Qスイッチで生じたシードレーザー(図2A−2Bに記述されているとおり)を使用すると、低コスト、故障がなく丈夫で、信頼できるシステムにつながる一方で、「Q」状のシードパルス(図5A−5Bおよび図5Fに記述されたとおり)を提供する他の実施形態は、シード信号パルス形状およびスペクトルの内容に関して単独制御を提供する。
【0107】
幾つかの実施形態では、本発明は装置およびプロセスを提供し、高電力の増幅された、Qスイッチの一時的な形状のパルスレーザ・信号(半導体ポンプ・レーザーを使用してポンピングされ、提供された、Ybドープのファイバー電力増幅器から、Qスイッチで一時的な形状のパルスの約1050nm〜1150nmの波長を有するQシード信号など)は、ファイバブラッググレーティング(FBG)を有するカスケード処理されたラマン・コンバーター(CRC)ファイバーを使用して、複数の異なるより長い波長に変換され、複数の連続した長い波長のおのおので重複する共振器空洞を形成するのであるが、例えば、共有して譲渡された同時係属中の発明者ロイ ディー.ミードによって2009年11月23日に出願された「SPECTRALLY BEAM COMBINED LASER SYSTEM AND METHOD AT EYE−SAFER WAVELENGTHS」と題する米国特許出願第12/624,327号に記載されており、引用によって本明細書に組み入れられた。幾つかの実施形態では、複数のカスケード処理されたラマン・コンバーター(CRC)ファイバーシステムから出力されるレーザー光は、約1400(nm)〜約1500nmまでの一般的な範囲に複数の異なる緊密に間隔を置かれた狭帯域波長にある。ヒトの眼の前部(例えば角膜)が前記波長に比較的不透過的であるので、前記波長の出力は、可視スペクトル(約400nm〜約700nm)または700nmから1350nmの赤外線(IR)波長に近い波長よりもヒトの眼にとって比較的より安全であり(したがって、これらはより眼に安全な波長と呼ばれる)、角膜が比較的透過的であり、眼のレティナへの恒久的な損傷が容易に起こり得る。
【0108】
幾つかの実施形態では、本発明は装置とプロセスを提供し、約1500nmと2000nmの間の眼に安全な波長は、ツリウムとホルミウムで共ドープされたファイバー電力増幅器によって提供される。
【0109】
幾つかの実施形態では、本発明は、Qスイッチの一時的な形状のシードパルスから増幅されたパルスを生成する工程、光ファイバー中で増幅されたQスイッチの一時的な形状のシードパルスを1300nmより長い波長へラマンシフトすることによりレーザー光の複数の異なる波長を生成する工程、複数のラマンシフトされた波長を単一のラマンシフトされた出力ビームに分光ビームを組み合わせる工程を含む方法を提供する。
【0110】
前記方法のいくつかの実施形態は、筐体を有する輸送手段を提供する工程、電力を供給する工程、電力を使用し、複数の光ファイバーで増幅されるQスイッチの一時的な形状のパルスのラマンレーザービームを制御し、動力を供給する工程、および前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つでの単独出力ビームの出力方向を制御する工程を含む。
【0111】
幾つかの実施形態では、本発明は、第1のポンプソースを使用して、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号を生成する工程、第2のポンプソースを有する光学利得ファイバーを提供する工程、少なくとも1ミリジュール(1mJ)のパワーを有する出力ビームを得る、光学利得ファイバーにおいてQスイッチパルスレーザーシード信号を増幅する工程を含む方法を提供する。
【0112】
前記方法のいくつかの実施形態は、さらに、筐体を有する輸送手段を提供する工程、電力を供給する工程、電力を使用して、ポンプソースを制御し、動力を供給する工程、および輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つでの出力ビームの出力方向を制御する工程を含む。
【0113】
方法の幾つかの実施形態において、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号の生成は、単一方向のリング空洞の内部の信号を光学的に振幅変調する工程を含む。
【0114】
方法の幾つかの実施形態において、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号を生成する工程は、共振器内の信号を光学的に振幅変調する工程を含み、当該工程は、6cm3(例えば、3cm×2cm×1cm)未満の容積を有する単一のパッケージ内で実施される。他の実施形態では、単一のパッケージは20cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは10cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは8cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは7cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは5cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは4cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは3cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは2cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは1cm3未満の容積を有する。
【0115】
前記方法のいくつかの実施形態では、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号の生成は、50ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する光パルスを生成する工程を含む。
【0116】
前記方法のいくつかの実施形態では、Qスイッチパルスレーザーシード信号の増幅工程は、少なくとも4mJの電力をもつビーム・パルスを出力することを含む。
【0117】
前記方法のいくつかの実施形態において、シード信号はSBSの課題を低減するために7THz以上の輝線幅を有する。
【0118】
幾つかの実施形態において、本発明は、Qスイッチパルスレーザーシード信号を出力するように構成された、Qスイッチシードレーザー、および第1のポンプソースを有し、動作可能にQスイッチシードレーザーに結合され、少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビーム・パルスを得る、光学利得ファイバー内でQスイッチパルスレーザーシード信号を増幅するように構成されたた光学利得ファイバーを含む装置を提供する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも2mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも3mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも4mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも5mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも6mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも7mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも8mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも10mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも15mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも20mJの電力を有する。
【0119】
前記装置のいくつかの実施形態は、筐体、前記輸送手段に取り付けられた電力供給、電源から電力を受け取るために効果的に動作可能に結合された第1のポンプソースに動力を供給し制御するために動作可能に結合されたレーザー制御装置、および光学利得ファイバーから出力ビームを受け取るために動作可能に結合され、前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つの方向に出力ビームを向けるのに動作可能なビーム方向制御器をさらに含む。
【0120】
幾つかの実施形態では、本発明は、Qシードパルスの前縁のために、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と充分に一致する一時的な形状を有するQシード信号を出力する光源を構成するパルスQシードソースと、第1のポンプソースを有し、動作可能にパルスQシードソースに結合され、少なくとも1ミリジュール(1mJ)のエネルギーを有する出力ビームを得る、光学利得ファイバーでQシードパルスを増幅するように構成された光学利得ファイバーを含む装置を提供する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも2mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも3mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも4mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも5mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも6mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも7mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも8mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも10mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも15mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも20mJのエネルギーを有する。
【0121】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、半導体ダイオード・レーザーにQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と充分に一致する前縁を有するパルスを放射させる電気的なパルスによって駆動される半導体ダイオード・レーザーを含む。
【0122】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、電気光学変調素子(EOM)を介して結合されたCWレーザー・信号を出力する半導体ダイオード・レーザーを含み、当該電気光学変調素子はCWレーザー・信号からの振幅変調パルスを電気的光学変調素子に放射させる電気的パルスによって駆動され、当該振幅変調パルスは、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形態と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する。
【0123】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、音響光学変調素子(AOM)を介して結合されたCWレーザー・信号を出力する半導体ダイオード・レーザーを含み、当該音響光学変調素子(AOM)はCWレーザー・信号から振幅変調パルスを音響光学変調素子に放射させる電気的パルスによって駆動され、当該振幅変調パルスは、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形態と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する。
【0124】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、変調器にチャープ・パルスレーザ信号から振幅−変調された一時的な部分(slice)を放射させる電気的パルスによって駆動される、第1の変調器を介して結合される、チャープ・パルスレーザ信号を出力するチャープ半導体ダイオード・レーザーを含み、その後、当該チャープ・パルスレーザ信号は、第2の電子的に制御された振幅変調器を介して結合され、当該振幅変調器は、Qスイッチ状の振幅変調されたエンベロープをパルス部分に課し、当該エンベロープはQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するQシードパルスの前縁を形成する。
【0125】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、電子的に制御される振幅変調器を介して結合される制御された輝線幅のASE信号を出力する制御された輝線幅のASE信号ソースを含み、当該制御された輝線幅のASE信号は、Qスイッチ状に振幅変調されたエンベロープを当該制御された輝線幅のASE信号に課し、当該エンベロープはQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するQシードパルスの前縁を形成する。
【0126】
いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも100ギガヘルツ(GHz)の輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも10THzの輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題をほぼ低減するためにシード信号は少なくとも100THzの輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも0.1ナノメータ(nm)の輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも0.2nmの輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも0.4nmの輝線幅を有する。いくつかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号は少なくとも0.6nmの輝線幅を有する。いくつかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号は少なくとも0.8nmの輝線幅を有する。いくかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号は少なくとも1nmの輝線幅を有する。
【0127】
前記装置のいくつかの実施形態では、Qスイッチシードレーザーは、容積が6立方センチメーター(6cm3)未満の単一のパッケージ内で実施される。他の実施形態では、単一パッケージの容積が20cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が10cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が7cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が5cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が4cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が3cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が3cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が2cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が1cm3未満である。
【0128】
前記装置のいくつかの実施形態では、Qスイッチシードレーザーは、50ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する光パルスを生成する。
【0129】
前記装置のいくつかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも4ミリジュール(mJ)の電力を有する。
【0130】
前記装置のいくつかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号は少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を有する。
【0131】
幾つかの実施形態では、本発明は、少なくともQシードパルスの前縁のために、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致する一時的な形状を有するQシード信号を出力するように構成された光源を有するパルスQシードソースと、第1のポンプソースを有し、動作可能にパルスQシードソースに結合され、1ミリジュール(1mJ)未満のエネルギーを有する出力ビームを得るために光学利得ファイバーでシードパルスを増幅するように構成された光学利得ファイバーを含む装置を提供する。
【0132】
幾つかの実施形態では、装置は、筐体を有する輸送手段、当該輸送手段に取り付けられ電源、当該電源から電力を受け取るために動作可能に結合された第1のポンプソースに動力を供給し制御するために動作可能に結合されたレーザー制御装置、および光学利得ファイバーから出力ビームを受け取るために動作可能に結合され、そして前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つに出力ビームを向けるのに動作可能なビーム方向制御器を含む。
【0133】
装置のいくつかの実施形態では、パルスシードソースは、半導体ダイオード・レーザーにQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有するパルスを放射させる電気的なパルスによって駆動される半導体ダイオード・レーザーを含む。
【0134】
装置のいくつかの実施形態では、パルスシードソースは、半導体ダイオード・レーザーを含み、当該半導体ダイオード・レーザーは連続波(CW)レーザー信号を出力する、連続波(CW)レーザー信号は電気的パルスによって駆動される電気光学変調器(EOM)を介して結合され、電気的パルスは、電気光学変調素子に連続波レーザー・信号からの振幅変調パルスを放射させる。振幅変調パルスは、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する。
【0135】
装置の幾つかの実施形態において、パルスシードソースは、音響光学変調素子(AOM)を介して結合されるCWレーザー信号を出力する半導体ダイオード・レーザーを含んでおり、当該音響光学変調素子は電気的なパルスによって駆動され、当該電気的なパルスはCWレーザー・信号から振幅変調されたパルスを音響光学変調素子に放射させる。当該振幅変調されたパルスはQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有している。
【0136】
装置のいくつかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号には少なくとも1テラヘルツ(THz)のビーム強度の全幅半値(FWHM)輝線幅を有する。
【0137】
幾つかの実施形態では、本発明は、光学利得ファイバーおよび第1のポンプソースを提供する工程、Qシード信号パルスの少なくとも前縁のために、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致する一時的な形状を有するQシード信号パルスを生成する工程、ポンプ光を供給するために、光学利得ファイバーを第1のポンプソースに結合する工程、及び、少なくとも1ミリジュール(1mJ)のエネルギーを有する出力ビームを得るために光学利得ファイバーにおいてQシード信号パルスを増幅する工程を含む方法を提供する。
【0138】
幾つかの実施形態では、前記方法は輸送手段を提供する工程を含み、当該輸送手段には筐体と電源が取付けられており、前記電源から電力を受け取り、当該電力を動作可能に結合して前記第1のポンプソースに動力を与え、制御する。前記方法はさらに前記光学利得ファイバーから出力ビームを受け取り、光学利得ファイバーから出力ビームを受け取り輸送手段に対して複数の異なる可能な方向のうちの1つでの出力ビームを向ける工程を含む。
【0139】
前記方法のいくつかの実施形態では、パルスシードソースは、半導体ダイオード・レーザーにQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有するパルスを放射させる電気的なパルスによって駆動される半導体ダイオード・レーザーを含む。
【0140】
前記方法の幾つかの実施形態において、Qシード信号パルスの生成工程は、連続波(CW)レーザー信号を出力するために半導体ダイオード・レーザーを使用して、電気光学変調素子(EOM)を介してCWレーザー・信号を結合する工程と、EOMに連続波レーザー・信号から振幅変調パルスを放射させる電気的パルスによりEOMを駆動する工程を含み、当該振幅変調パルスはシードパルスの前縁を有し、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致する。
【0141】
方法の幾つかの実施形態において、Qシード信号パルスを生成する工程は、CWレーザー・信号を出力するために半導体ダイオード・レーザーを使用する工程と、音響光学変調素子(AOM)を介してCWレーザー・信号を結合する工程と、音響光学変調素子にCWレーザー・信号からの振幅変調パルスを放射させる電気的パルスによってAOMを駆動する工程を含み、当該振幅変調パルスは、シードパルスの前縁を有し、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致する。
【0142】
前記装置のいくつかの実施形態において、SBSの問題を低減するために、シード信号は少なくとも1テラヘルツ(THz)のビーム強度全幅半値(FWHM)輝線幅を有する。
【0143】
前記装置の幾つかの実施形態において、パルスQシードソースは、レイジング空洞内での利得媒体、光学的ポンプソースおよび前記空洞内のQスイッチとしてのlxNの電気的制御された光スイッチを含むQスイッチレーザーを含んでおり、ここで、光スイッチは第1の状態を含み、第1の状態は前記光学的ポンプソースからの光を利得媒体に光学的に結合し、同時に前記空洞内の信号レイジングを妨げる。前記光スイッチは、さらに空洞内の信号レイジングを許す第2の状態を含む。幾つかの実施形態では、前記第2の状態で、例えば、部分的に伝達性を有するミラー、エバネセントファイバーカプラなどを介してレイジング信号が出力される。(図1B2または図1B4の参照符号126など)。
【0144】
幾つかの実施形態では、本発明は、レイジング空洞内での利得媒体、光学的ポンプソース、前記空洞内のQスイッチとしてのlxNの電気的に制御された光スイッチを含んでいるQスイッチレーザーを含む装置を提供し、ここで、光スイッチは第1の状態及び第2の状態を含む複数の状態を有し、第1の状態は前記光学的ポンプソースからの光を利得媒体に光学的に結合し、同時に前記空洞内の信号レイジングを妨げ、第2の状態は空洞内の信号レイジングを許す。
【0145】
前記装置の幾つかの実施形態において、lxNの光スイッチは1x2の、電気的に制御された光スイッチである。前記装置のいくつかの実施形態において、lxNの光スイッチは1x3の電気的に制御された光スイッチである。
【0146】
幾つかの実施形態では、本発明は、第2の光学的ポンプソースを有する光学利得ファイバーを含む装置、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号を生成するための手段、及び少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビームを得るための光学利得ファイバーにおけるQスイッチパルスレーザーシード信号を増幅するための手段を含む装置を提供する。
【0147】
幾つかの実施形態では、前記装置は、筐体を有する輸送手段、ポンプソースを制御し、動力を供給するための手段、及び輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つでの出力ビームの出力方向を制御するための手段をさらに含む。
【0148】
前記装置の幾つかの実施形態において、シード信号を生成するための手段は、1方向のリング空洞内で信号を光学的に振幅変調する手段を含む。前記装置の幾つかの実施形態において、シード信号を生成するための手段は、6cm3未満の容積を有する単一のパッケージ内で実施される空洞内で信号を光学的に振幅変調する手段を含む。前記装置のいくつかの実施形態では、シード信号を生成するための手段は、50ナノ秒未満の全幅半値(FWHM)持続時間を有する光パルスを生成するための手段を含む。
【0149】
装置のいくつかの実施形態では、振動がQスイッチで生じたパルスレーザシード信号を増幅するための方法は、少なくとも4mJのパワーでビーム・パルスを出力するための手段を含む。
【0150】
前記装置のいくつかの実施形態では、シード信号を生成するための手段は、SBSの問題を低減するために少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を備えたシード信号を生成する。
【0151】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている実施形態は、この出願の最初と、他の箇所に挙げられ、本発明の範囲内で組み合わせを形成するために引用によって本明細書に組み込まれた装置及び方法の実施形態と組み合わされる。
【0152】
上記の記載があくまでも説明のためのものであり、かつ限定されるものでないことが意図されることは理解される。本明細書に記述されるような様々な実施形態の多数の特徴及び特性および利点は前述の記載で説明されたが、様々な実施形態の構成並びに機能の詳細と共に、他の多くの実施形態および詳細への変更が、上記の記載を精査した際に当業者には明白になるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲並びに特許請求の範囲の権利が及ぶ均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、用語「含む(including)」及び「ここで(in which)」は、それぞれ、「含む(comprising)」及び「ここで(whrein)」の平易な英語の均等物として使用される。さらに、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、単にラベルとして使用され、それらの対象に数の要件を課するように意図されていない。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、「MOPAレーザー照明器のためのQスイッチ発振器シードソース方法及び装置」と題する、2009年11月23日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスらによって2009年11月23日に出願された、米国仮特許出願第61/263,736号についてアメリカ合衆国法典第35巻第119条(e)項の下での優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は次のものと関係づけられる:
−「HIGH−POWER LASER SYSTEM HAVING DELIVERY FIBER WITH NON−CIRCULAR CROSS SECTION FOR ISOLATION AGAINST BACK REFLECTIONS」と題する、2010年4月12日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスによって出願された米国仮特許出願第61/343,947号;
−「HIGH BEAM QUALITY AND HIGH AVERAGE POWER FROM、LARGE−CORE−SIZE OPTICAL−FIBER AMPLIFIERS; SIGNAL AND PUMP MODE−FIELD ADAPTOR FOR DOUBLE−CLAD FIBERS AND ASSOCIATED METHOD」と題する、2010年4月12日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスによって出願された米国仮特許出願第61/343,948号;
−「INLINE FORWARD/BACKWARD FIBER−OPTIC SIGNAL ANALYZER」というタイトルの、2010年8月11日にトルガ イルマズらによって出願された米国特許出願第12/854,868号;
−「METHOD AND APPARATUS FOR IN−LINE FIBER−CLADDING−LIGHT DISSIPATION」と題する、2010年4月12日にヨンダン フーによって出願された米国仮特許出願第61/343,949号;
−「METHOD AND APPARATUS FOR IN−LINE FIBER−CLADDING−LIGHT DISSIPATION」と題する、2010年6月3日にヨンダン フーによって出願された米国特許出願第12/793,508号;
−「OPTICAL−FIBER ARRAY METHOD AND APPARATUS」と題する、2010年8月23日にヨンダン フーらによって出願された米国特許出願第12/861,773号;
−「FIBER RAMAN AMPLIFIER PUMPED BY AN INCOHERENTLY BEAM COMBINED DIODE LASER、」と題する、2002年9月24日にロイ ミードらに発行された米国特許第6,456,756号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR DRIVING LASER DIODES」と題する、2010年9月7日にローレンス エー.ボルショワ(Borshowa)に発行された米国特許第7,792,166号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR PUMPING AND OPERATING OPTICAL PARAMETRIC OSCILLATORS USING DFB FIBER LASERS」と題する、2009年11月17日にアンガス ジェー.ヘンダーソンに発行された米国特許第7,620,077号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR GENERATING CONTROLLED−LINE WIDTH LASER−SEED−SIGNALS FOR HIGH−POWERED FIBER−LASER AMPLIFIER SYSTEMS」と題する、2009年5月26日にエリック シー.ホネア(Honea)らに発行された米国特許第7,539,231号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR GENERATING CHIRP−SLICE CONTROLLED−LINE WIDTH LASER−SEED SIGNALS」と題する、2007年1月12日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスらによって出願された米国特許出願第11/623,058号;
−「ULTRAVIOLET LASER SYSTEM AND METHOD HAVING WAVELENGTH IN THE 200−NM RANGE」と題する、2008年12月30日にデービッド シー.ゲルステンベルガーらに発行された米国特許第7,471,705号;
−「FIBER−OR ROD−BASED OPTICAL SOURCE FEATURING A LARGE−CORE, RARE−EARTH−DOPED PHOTONIC−CRYSTAL DEVICE FOR GENERATION OF HIGH−POWER PULSED RADIATION AND METHOD」と題する、2008年6月24日にファビオ ジ テオドロらに発行された米国特許第7,391,561号;
−「MULTI−SEGMENT PHOTONIC−CRYSTAL−ROD WAVEGUIDES FOR AMPLIFICATION OF HIGH−POWER PULSED OPTICAL RADIATION AND ASSOCIATED METHOD」と題する、2008年9月30日にファビオ ジ テオドロらに発行された米国特許第7,430,352号;
−「OPTICAL HOLLOW−CORE DELIVERY FIBER AND HOLLOW−ENDCAP TERMINATION AND ASSOCIATED METHOD」と題する、2008年5月27日にクリストファー ディー. ブルックスらに発行された米国特許第7,379,648号;
−「METHOD AND APPARATUS FOR SPECTRAL−BEAM COMBINING OF MEGAWATT−PEAK−POWER BEAMS FROM PHOTONIC−CRYSTAL RODS」と題する、2008年6月10日にファビオ ジ テオドロらに発行された米国特許第7,386,211号;
−「MONOLITHIC OR RIBBON−LIKE MULTI−CORE PHOTONIC−CRYSTAL FIBERS AND ASSOCIATED METHOD」と題する、2008年7月15日にファビオ ジ テオドロらに発行された米国特許第7,400,804号;
−「SYSTEM AND METHOD FOR AIRCRAFT INFRARED COUNTERMEASURES TO MISSILES」と題する、2008年9月30日にスティーヴン シー. ティッドウェルに発行された米国特許第7,429,734号;
−「APPARATUS AND METHOD FOR SPECTRAL−BEAM COMBINING OF HIGH−POWER FIBER LASERS」と題する、2007年4月3日にアンドリュー ジェイ.ブラウンらに発行された米国特許第7,199,924号;
−「METHOD AND APPARATUS FOR OPTICAL GAIN FIBER HAVING SEGMENTS OF DIFFERING CORE SIZES」と題する、2006年11月30日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスによって出願された米国特許出願第11/565,619号;
−「HIGH−ENERGY EYE−SAFE PULSED FIBER AMPLIFIERS AND SOURCES OPERATING IN ERBIUM’S L−BAND」と題する、2008年1月22日にジョン ディー.ミネリーらによって出願された米国特許出願第12/018,193号;
および
−「SPECTRALLY BEAM COMBINED LASER SYSTEM AND METHOD AT EYE−SAFER WAVELENGTHS」と題する、2009年11月23日にロイ ディー.ミードによって出願された米国特許出願第12/624,327号;
これらはすべて参照によってそれら全体について本明細書に組み入れられている。
【0003】
本発明は、概して光学導波路と関係し、特には、高いパワーおよび高エネルギーのパルス主発振器電力増幅器(MOPA)照明器用のQスイッチレーザーおよび「Qスイッチ」状のシードソース(Q−switched−like−seed sources)とより関係し、高利得光ファイバーと光ロッド増幅器中の過度な峻嶮なパルスを防ぐために、パルス化されたシードソースは制御された広いダイナミックレンジを有する。
【背景技術】
【0004】
現在の技術的水準にかかる況のファイバーレーザーおよびファイバー増幅器は、誘導ブリユアン散乱(SBS)のような望まれない非線形効果を回避しながら、出力パルスが約1マイクロ秒以上の間続き、数ミリジュールのエネルギーを出力するくらいの非常に大きなパワーレベルにまでレーザーパルスを増幅させるのに困難を抱えている。SBSは、長いパルス持続時間(約5ナノ秒(nsec)より長いパルス)、および非常に狭い輝線幅(比較的広い輝線幅を有するレーザー信号はSBSの分解を引き起こしにくい)によって増幅する。
【0005】
光利得ファイバーが、比較的大きなエネルギー量を蓄積するために長時間(例えば100分の1マイクロ秒あるいは1000分の1マイクロ秒)に渡って光学的にポンピングされ、その後、誘発放出増幅によって蓄積されたエネルギーを取り出すために、光シードパルス(レーザー源からの低級パワーのレーザーパルス)が光利得ファイバーの導波路コアへ放たれるようなレーザー設計を、(エルビウムドープ光ファイバー増幅器(EDFAs)のような)希土類元素ドーパントをドープした光利得ファイバーは可能にする。シードパルスの前縁が最も高い利得をむかえる一方で、後のパルスの一時的な部分がより低い増幅量を受けるために、残念なことに、これは通常峻嶮なパルスをもたらす。
【0006】
峻嶮なパルスの問題を解決する1つのアプローチは、振幅変調によってシードパルスを形成すること(パルスの後半に増大する振幅が後続するシードパルスに低振幅前縁を与えること)であるが、満足のいくエネルギー抽出、パルス波形、および非線形効果の回避を得るための十分なダイナミックレンジ、および、きめ細かい制御を提供するのは大変困難である。ファイバー増幅器またはファイバーレーザーが上記の効果を補うよう設計される場合でさえも、より大きなファイバーサイズおよび/または長さ、ポンプパワーなどへ段々高まる時、1つのファイバーから得られる最大パワーには限界があるだろう。
【0007】
様々な発明は分光ビーム結合(spectral−beam combining)を使用する。「Beam combining of diode laser array elements for high brightness and power」と題する、サンチェス−ルビオらに対する米国特許第6,192,062号、および「High−power multi−wavelength external cavity laser」と題する、サンチェス−ルビオらに対する米国特許第6,208,679号は、分光ビーム結合の基本的技術について記載しており、その両方は、参照によって本明細書に組み入れられる。
【0008】
幾つかの実施形態では、分光ビーム結合に使用されるグレーティングは「ブレーズ(blazed)」であり、すなわち、グレーティングの表面全体に垂直なベクトルに関して非対称の側壁角を有するV字型溝によって形成されている。「Optical Diffraction Grid」と題する、ハイデンハインらに対する米国特許第3,728,117号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、非対称の溝を有する、ブレーズグレーティングを作る方法について記載している。「High−efficiency, multilevel, diffractive optical elements」と題する、スワンソンらに対する米国特許第4,895,790号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、ステップ形状(stepped profiles)を作るための2進法のフォトリトグラフィーを使用して、非対称の溝を有するブレーズグレーティングを作る方法について記載している。「Diffraction Grating with Reduced Polarization Sensitivity」と題する、2000年8月1日にチョードリに対して発行された米国特許第6,097,863号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、信号を分散するための低い偏光依存性を備える、反射型回折グレーティングについて記載している。チョードリのグレーティングは、伝送帯域幅内の効率変動を少なくするように向けられた、分化する2つの直交方向における回折効率間の差異を小さくするために形作られるファセットを含む。「Patterned Multi−Layer Structure and Manufacturing Method」と題する、1982年2月2日にヤノらに対して発行された米国特許第4,313,648号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、型のある(縞のある)多層物品(multi−layer article)の製造方法について記載している。
【0009】
「DIFFRACTIVE OPTICAL ELEMENT」と題する、タカダらに対する米国特許第6,822,796号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、誘電体コーティングを備える非対称の溝を有する、ブレーズグレーティングを作る方法について記載している。「Grating device with high diffraction efficiency」と題する、フースらに対する米国特許第6,958,859号(参照によって本明細書に組み入れられている)は、誘電体コーティングを有する、ブレーズグレーティングを作る方法について記載している。
【0010】
「MULTILAYER DIELECTRIC DIFFRACTION GRATINGS」と題する、1999年5月25日にペリーらに対して発行された米国特許第5,907,436号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、高い回折効率を持った誘電性のグレーティング構造の設計および製造について記載している。当該グレーティングは、多層の上部にグレーティング構造を備えた、インデックス誘電体材料(index dielectric materials)を交互にする多層構造を有しており、調整可能な効率の回折グレーティングおよび可変性の光学的帯域幅を得る。
【0011】
「HIGH POWER FIBER GAIN MEDIA SYSTEM ACHIEVED THROUGH POWER SCALING VIA MULTIPLEXING」と題する、2001年4月3日にワールトらに発行された米国特許第6,212,310号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、動作の異なる波長、パルスまたは偏光モードを備えた複数のファイバー利得ソースの多重化によるパワースケーリングの方法について記載しており、これは、単一モードまたはマルチモードファイバーに与えられる、例えば何十ワットから何百ワットまでに渡るような高電力出力を提供するための複数のファイバー利得ソースの多重結合を通して達成される。
【0012】
「ALL−SILICON RAMAN AMPLIFIERS AND LASERS BASED ON MICRO RING RESONATORS」と題する、2009年5月12日にヤンらに対して発行された米国特許第7,532,656号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、レーザービームを生成するためのデバイスについて記載している。当該デバイスは、マイクロリングから離れて配置してあるシリコン光導波路の少なくとも1つを有するシリコン光学マイクロリングを含む。当該マイクロリングの半径および横断面の寸法、導波路の横断面の寸法、およびマイクロリングと導波路の間の距離は、マイクロリングの1つ以上の対のウィスパリング−ギャラリー−モード(whispering−gallery−mode)の共振振動数がシリコンの光学的フォノン周波数によって分離されるように決定される。
【0013】
「METHOD AND APPARATUS FOR WAVEGUIDE OPTICS AND DEVICES」と題する、2001年12月11日にベンデットらに対して発行された米国特許第6,330,388号、および、「METHOD AND APPARATUS FOR WAVEGUIDE OPTICS AND DEVICES」と題する、2003年10月21日にベンデットらに発行された米国特許第6,636,678号の両方は、参照によって本明細書に組み入れられている。これらの特許は、調整可能な導波路レーザーを生成するための光学構造および方法について記載している。1つの実施形態では、導波路は、イオン拡散によって1つの又は複数の希土類元素をドープしたガラス基板の範囲内に定義される。導波路中のミラーまたは反射グレーティングのようなフィードバック要素はさらに、レーザー光が光学的にまたは他の方法でポンピングされる場合に当該レーザー光が当該導波路から出力されるように、レーザー空洞共振器を定義する。反射グレーティングによって反射される波長、および、空洞共振器の実効長を変化させ、その結果、選択された波長にレーザーを調整する方法が開示される。これらの特許はまた、ガラス基板上の希土類元素をドープしたレーザーおよび光学部品(optics)を統合するための装置および方法について記載している。
【0014】
「Rare−earth doped phosphate−glass lasers and associated methods」と題する、2005年11月29日にベンデットらに対して発行された米国特許第6,970,494号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、ガラス基板上のレーザーおよび光学部品を統合する工程について記載している。複数の導波路を備える光学活性なランタニド元素種をドープしたガラス基板から形成された光学的(例えばレーザー)要素は、基板内のチャネルによって定義される。レーザー要素は、個々の導波路のモノリシックアレイを随意に含み、当該導波路は異なる共振特性を備えるレーザー空洞共振器を形成する。
【0015】
「Compact apparatus and method for integrated photonic devices having folded directional couplers」と題する、2004年11月2日にベンデットらに対して発行された米国特許第6,813,405号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、主平面と、第1の導波路セグメントと第2の導波路セグメントを有するガラス基板、および第1の導波路セグメントと第2の導波路セグメントを繋ぐ折りたたまれたエバネッセントカプラ(evanescent coupler)を含む、統合されたフォトニック装置について記載している。折りたたまれたエバネッセントカプラは、第1の導波路セグメントの第1の長さ、および第1の導波路セグメントと平行し、隣接する第2の導波路の等しい長さの部分によって形成される。第1の長さは、折りたたまれていないエバネッセントカプラ中の第1の波長を伝送するために必要とされる、エバネッセントカプラの2分の1の長さと実質的に等しい。リフレクタ(例えば第1の波長の光を高度に反射し、また第2の波長の光を高度に透過する誘電体ミラー)は、折りたたまれたエバネッセントカプラの終端に位置する。
【0016】
「APPARATUS AND METHOD FOR INTEGRATED PHOTONIC DEVICES HAVING GAIN AND WAVELENGTH−SELECTIVITY」と題する、2002年12月10日にベンデットに対して発行された米国特許第6,493,476号は、参照によって本明細書に組み入れられている。この特許は、統合されたフォトニック装置について記載しており、当該フォトニック装置は主平面を有するガラス基板を含み、そこでは当該ガラス基板が複数の領域を含み、各々の領域は異なる屈折率を有しており、第1の領域は第1の屈折率を、および第2の領域は第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有し、さらに当該ガラス基板は、基板の主平面に沿って形成された第1の導波路を含み、そこでは第1の導波路は基板の隣接する部分の真性屈折率よりも高い屈折率を有し、第1の導波路はガラス基板の第1の領域および第2の領域を通過する。
【0017】
「Fiberoptic reconfigurable devices with beam shaping for low−voltage operation」と題する、2008年7月22日にチャオらに対して発行された米国特許第7,403,677号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許第7,403,677号は、感動幅WRに関して400ミクロンの限界寸法未満の横断面の寸法を少なくとも1つ備えた平行ビームに光ビームを平行にするレンズを使用することで、光ビームに対して動作するための装置および方法について記載している。当該装置は、感動幅の範囲内に配された、例えば300ミクロン未満の小さな厚みのバルクの(bulk)電気光学材料を有し、平行ビームは経路に沿ってそれを横断する。当該装置は、平行ビームに対して動作を行なうために、低い動作電圧または駆動電圧、例えば400V未満、をバルクの電気光学材料に適用するための電圧源を有する。当該光ビームを平行にするためのレンズは、屈折率分布型(GRIN)レンズまたは好ましくはC−レンズのような自由空間コリメーターである。「Single−mode fiber optic saturable absorber」と題する、1988年10月18日にソリンらに対して発行された米国特許第4,778,237号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許第4,778,237号は、光学信号を処理するための光ファイバーの飽和性吸収体が、対向面を形成するためにクラッディングの一部が取り除かれる光ファイバーを含むことについて記載している。非線形の光吸収特性を有する光吸収物質は対向面へと適用され、その結果、光学信号エネルギーの一部がファイバーからそれが吸収される物質へと伝送される。デバイスは光学信号およびノイズを選択的に減少させ、パルスの広がり、およびシステムノイズの増幅により引き起こされるパルス波形の歪みを小さくするために使用されることができる。
【0018】
「MEMS optical cross−connect switch」と題する2002年5月28日にウッドらに対して発行された米国特許第6,396,975号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許第6,396,975号は、光学信号を入力ファイバーから2つ以上の出力ファイバーのうちの1つへ切り替えることができるMEMS(マイクロエレクトロメカニカル(microelectromechanical))構造について記載している。1つの実施形態では、MEMS光クロスコネクトスイッチは、第1のマイクロエレクトロニクスの基板を含み、当該基板は当該基板の表面に配置されたポップアップミラー、および可変的に調整された磁場発生源のような回転磁場発生源を有する。回転磁場発生源は、反射しない状態から反射する状態まで、ポップアップミラーの確実な操作を可能にする。さらに、当該発明は、基板の表面に配置されるポップアップミラーを有する第1のマイクロエレクトロニクス構造、および第1の基板に対して固定の位置関係で配置される位置決め構造を有するMEMS光クロスコネクトスイッチで具体化される。その位置決め構造は、第1のマイクロエレクトロニクス基板に対して固定の位置関係にある第2のマイクロエレクトロニクス基板から伸びる位置決め構造を含んでもよい。位置決め構造は、反射する状態へとポップアップミラーを作動した場合にポップアップミラーのさらなる運動を制限する役目を果たす。
【0019】
「Single−mode fiber optic saturable absorber」と題する、1988年10月18日のソリンらに対する米国特許第4,778,237号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許第4,778,237号は、光学信号を処理するための光ファイバー飽和性吸収体が、対向面を形成するためにクラッディングの一部が取り除かれる光ファイバーを含むことを記載する。非線形の光吸収特性を有する光吸収物質は、光学信号エネルギーの一部がファイバーからそれが吸収される物質へと伝送されるように、対向面に適用される。デバイスは光学信号およびノイズを選択的に減じ、パルスの広がり、およびシステムノイズの増幅により引き起こされるパルス波形の歪みを小さくするために使用されることができる。
【0020】
「System and method for a passively Q−switched, resonantly pumped, erbium−doped crystalline laser」と題する、2007年4月10日のヤングらに対する米国特許第7,203,209号は、参照によって本明細書に組み入れられている。特許7,203,209は、第1のミラーと第2のミラーの間で形成された共振空洞を含むレーザーについて記載している。レーザー利得を生みだすための、感作されていないエルビウムドープした結晶利得媒体は共振空洞内に配置される。飽和性吸収体は共振空洞内に配置される。ポンプソースは利得媒体にエネルギーを与えるように位置付けられる。75ナノ秒未満の持続時間を有する出力パルスがレーザーによって生成されるように、飽和性吸収体、レーザー利得、共振器の長さ、および第2のミラーは選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
例えば、U.S.強電力レーザーイニシアティブ(RELI)用に提案されているような、指向性エネルギー(DE)兵器用のファイバーレーザーからの分光ビーム結合したレーザービームを含む、新規でかつ非自明な結合を得るために、本発明は本明細書に記載される任意の先行技術特許と共にまたは組み合わせて使用されることができる。幾つかの実施形態では、本発明は、目に安全な波長でDE用のラマン−ファイバー増幅器またはレーザーをポンプする高電力レーザーを製造する。
【0022】
改善されたレーザーシステムの、特にはMOPA設計で使用するためのQスイッチファイバーレーザーおよび/またはファイバー光増幅器の必要性がある。他のファイバーレーザー代替物が利用可能である一方、本発明は改善されたパフォーマンス(より高い出力電力)および/またはより低いコストを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
幾つかの実施形態では、本発明は、長持続レーザーパルスの高利得光ファイバー増幅における峻嶮なパルスを回避する、および/または補う、制御された高ダイナミックレンジ振幅を有するシードソースとしてQスイッチレーザーを使用する装置、方法およびシステムを提供する。幾つかの実施形態では、出力は照明目的(例えば、画像取得のためにシーンを照射すること)のために使用される。幾つかの実施形態では、十分に制御されたパルス波形はダイナミックレンジ、長持続、および狭すぎない輝線幅を有して得られる。幾つかの実施形態では、利得媒体を有する光空洞においてQスイッチを開放すると、増幅は比較的ゆっくりと高まり、そこでは利得媒体を通る各ラウンドトリップが光学パルスの振幅を増大させる。この構造は非常に幅の広いダイナミック(すなわち1つのラウンドトリップ後の非常に低い振幅、および光が再三に及んで利得媒体を通る時間に渡っての比較的ゆっくりで制御された増大)を有する光学パルスをもたらす。
【0024】
本明細書に使用されるように、Qスイッチは、それがレーザー空洞においてレーザーを発するのを可能にするためには不十分な信号を伝搬する(すなわちレーザーを発する信号波長の光の閾値下の量、通常は、循環させるのに最低限または無の信号を可能にする)場合には「閉鎖(closed)」または「オフ」と認識され、またそれがレーザー空洞においてレーザーを発するのを可能にするために十分な信号を伝搬する(すなわちレーザーを発する信号波長の光の閾値を超える量、通常は、循環させるのに最大限または全ての信号を可能にする)場合には「開放(open)」または「オン」と認識される、レーザー空洞内にある光学要素である。通常は、Qスイッチは可変的に透過性の要素として構成され、Qスイッチが「オン」の場合には信号光を透過し、Qスイッチが「オフ」の場合には信号光を透過しない。他の実施形態では、Qスイッチは可変的な透過性半導体要素として構成され、そこでは、Qスイッチが「オン」の場合には、レーザーを発するのを可能にするために半導体を透過的にするよう、Qスイッチ駆動回路が十分な電力を供給し、Qスイッチが「オフ」の場合には、透過性がレーザーを発するのを可能にするために十分な電力を供給しない。および幾つかの実施形態では、この同一の半導体要素はまた、十分な電力が適用される場合、さらなる光学利得を供給する。また他の実施形態では、Qスイッチは可変的な反射率要素(reflectance element)として構成され、そこでは、Qスイッチが「オン」の場合には、Qスイッチは、レーザー空洞中でレーザー発射を引き起こすのに十分な信号を反射し、Qスイッチが「オフ」の場合には、レーザーを発するのを可能にするのに十分な信号を反射しない。
【0025】
幾つかの実施形態では、振幅増加率に関してさらなる微細な粒度の制御を提供するために、Qスイッチそれ自体は電子制御の下で(完全閉鎖から完全開放に至るというよりもむしろ)徐々に開放される。幾つかの実施形態では、音響光学変調器(AOM)はQスイッチとして使用され、(例えば、もし方形パルスによって駆動されるように)もし完全に駆動される場合に開放するよりも更にゆっくりと作動するように電子制御されている(例えば、幾つかの実施形態では、それは制御されたスロープの傾斜パルスによって駆動される)。
【0026】
幾つかの実施形態では、本発明は、一方向性のリングの周りでの光の移動を強化するのを補助する光アイソレーター、シード信号の輝線幅を狭め制御するのを補助する帯域通過フィルター、シード信号を偏光するための偏光子および/または偏光保持ファイバー、一時的なパルス波形を制御するためのQスイッチに連結されたQスイッチドライバー、およびフィードバックとしてシード信号の一部をレーザーリングに連結させ、シード信号の別の一部を1つ以上の外部の光パワー増幅器に連結させる出力カプラ、などを含むQスイッチリングシードレーザー構造において希土類元素をドープした(RE−doped)光学利得ファイバーを提供する。シード信号の高ダイナミックレンジおよび振幅制御は、さもなければ同一の1つ以上の外部の光パワー増幅器および主発器振電力増幅器(MOPA)構成における従来のシードパルスを使用して起こる峻嶮なパルスを回避するかまたは補う。
【0027】
幾つかの実施形態では、本発明は、以下に記載されている図1A、図1B1、図1B2、図1B3、図1C1、図1C2、図1D1、図1D2、図1E1、図1E2、図1E3、図1F1、図1F2、図1F3、図1G1、1G2および図1G3に示されているような、Qスイッチレーザーからの「Qスイッチシード信号」を提供する。他の実施形態では、本発明は、以下に記載される図2Aおよび図2Bに示されるような、シードパルス用のレイジングエネルギーを蓄積するためのラージコア利得ファイバーを使用する構成において、Qスイッチの代わりにパルスポンプされたスモールコア利得ファイバーを使用する準Qスイッチ(quasi−Q−switch)レーザーからの「準Qスイッチシード信号」を提供する。また他の実施形態では、本発明は、Qスイッチ信号によく似た前縁を有するシードパルスを形成するために、後になって勾配を増大させる、非常にゆっくりと増加する前縁を有する高ダイナミックレンジのパルスを形成するための複数の光学振幅増幅変調器を使用しながら、以下の図5A、図5B、および図5Eに記載されるような装置を使用しながら、その出力を変調する従来のレーザーまたは制御された輝線幅の自然放射増幅光(ASE)デバイスから「「Q」状のシード信号(Q−like seed signals)」を提供する。
【0028】
本明細書で使用されているように、「Qシード信号」は、Qスイッチシード信号、準Qスイッチシード信号、およびQ様シード信号を含む、ガウスの、またはガウスのような一時的な強度形状を有する信号についての総称用語である。本明細書で使用されているように、「Qシードソース」は、Qシード信号を生成するパルス発光ソースについての総称用語である。本明細書で使用されているように、「光」信号、および「光学」信号は各々、(一般に紫外線と呼ばれる)約100nmから約400nmの間の波長の電磁放射線(EMR)、(可視領域の両端を定義する正確な波長、すなわちヒトによって知覚される波長、は個体および光の強度によって異なり得るが、紫から赤までの可視光である)約400nmから約700nmの間の電磁放射線、または(一般に赤外線と呼ばれる)約700nmから約10,000nmの間の電磁放射線を含む。さらに幾つかの実施形態では、本発明は100nmより短い、または10,000nmより長い波長を有するEMR信号を使用することを企図する。
【0029】
幾つかの実施形態では、本発明は、峻嶮なパルスを回避しながら、非常に高いパワーにまでQシード信号を十分に増幅させる、ファイバーまたはロッドに基づいた電力増幅器または電力増幅器チェーン(一連のファイバーに、あるいはロッドに基づいた利得媒体)によって増幅される、QシードソースからのQシード信号を用いるMOPA機器を提供する。
【0030】
幾つかの実施形態では、本発明の新規のシードソースは非常にコンパクトで、頑丈で、およびコスト効率が良い。幾つかの実施形態では、新規のシードソースには5n秒以下の短いパルスを生成する能力がある。幾つかの実施形態では、Qスイッチシードソースは、そのQスイッチとして固体増幅器を使用する。幾つかの実施形態では、Qスイッチシード信号は、パワー増幅段を含む、ファイバー増幅段において峻嶮なパルスを招かない。幾つかの実施形態では、Qスイッチシード信号は誘導ブリユアン散乱(SBS)または変調不安定性を招かない。幾つかの実施形態では、本発明は、最小のスペクトルの広幅化を伴う共伝搬(co−propagating)ポンピングスキームを使用する。幾つかの実施形態では、その輝線幅はスペックルを最小化するように調整される。幾つかの実施形態では、その輝線幅は照明器検出器システムの検出サブシステムにおいて使用される波長フィルターと一致するように調整される。
【0031】
峻嶮なパルスが生じず、したがって、パルスの輝線幅が減少しないことにより、本発明は狭帯域増幅にとって重要である。
【0032】
幾つかの実施形態では、本発明は、ファイバーベースのシステムからガウス型の高パルスエネルギーを提供する。
【0033】
本発明によって生成されるQスイッチパルスは、非線形性として自己位相変調を示す。しかしながら、本発明によって生成されるQスイッチパルスは、電力増幅器帯域幅の外側の波長への信号パルスのスペクトルの広幅につながる、四光波混合を示さず、およびその結果として電力増幅器のエネルギー抽出能力のエネルギーのクランピングを示さない。
【0034】
本発明は、ロングレンジの画像収集システム(カメラ用の照明するシーン)用照明器により長いレンジを提供する、より高いパルスエネルギーの信号および改善された光・ディスタンシングおよびレンジング(light−distancing−and−ranging)(LIDAR)システムを可能にする。
【0035】
発明の幾つかの実施形態の別の態様は、高電力信号パルスからのポンプ・レーザーを保護するためにQスイッチがオンの場合にポンプ・レーザーへの経路のスイッチを切るのと同様、レイジング空洞における信号光をQスイッチするという2つの機能を提供する1ポート−2ポート(1x2)の電気的に制御された光スイッチの使用である。
【0036】
また本発明の幾つかの実施形態の別の態様は、レーザーシードソースの振幅変化ノイズを減らすノイズアベレージャーの使用である。幾つかの実施形態では、前記ノイズは、ノイズアベレージャーによって減少され、当該ノイズアベレージャーは、信号を複数の部分に分け、その後(例えば面状の光学機器の異なる長さの表面波線路に、または異なる長さの光ファイバーに、各々の部分を通すことによって)各部分を異なる量の時間で遅らせて、その後、遅れた部分を互いに再結合する(混合する)。
【0037】
他の実施形態では、本発明は1.94ミクロンの医用レーザーに使用される。さらに他の実施形態では、それは材料処理システムに使用される。また他の実施形態では、本発明は赤外線逆探知装置(IRCM)に使用される。幾つかの実施形態では、本発明は、軍用規格を満たした(ミル−スペック−認証)高いパルスエネルギーレーザーシステムを可能にする、非常に頑丈な装置を提供する。
【0038】
本発明は、軍事の戦術システムにとって、および、高度防衛プログラム(defense Advanced Program)、並びに、照明器市場、アクティブイメージング、材料処理、医療用(2つの−ミクロン波長版)、IRCM;軍事の応用、監視システム、医療システム、産業使用、DIAL用のレーザーなどにとって重要である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1A】図1Aは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(101)のブロック図であり、当該サブシステム(101)は(グラフ化されたプロット(88)として示される)増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される、(グラフ化されたプロット(81)として示される)シードパルス(91)を出力するQスイッチレーザシードソース(110)を含む。
【図1B1】図1B1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(102)のブロック図であり、当該サブシステム(102)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)により増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチレーザーシードソース(120)を含む。
【図1B2】図1B2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(182)のブロック図であり、当該サブシステム(182)は増幅されたパルス(68)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(62)を出力するポンプドスルーQスイッチリングレーザーシードソース(180)を含む。
【図1B3】図1B3は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(183)のブロック図であり、当該サブシステム(183)は増幅されたパルス(67)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(63)を出力するポンプドスルーQスイッチレーザシードソース(181)を含む。
【図1B4】図1B4は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(185)のブロック図であり、当該サブシステム(185)は、増幅されたパルス(68)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(62)を出力するポンプドスルーQスイッチリングレーザーシードソース(184)を含む。
【図1B5】図1B5は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(187)のブロック図であり、当該サブシステム(187)は、増幅されたパルス(64)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(61)を出力するブリーチドパルスQスイッチソース(197)を含む。
【図1C1】図1C1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(103)の概略図であり、当該サブシステム(103)は増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチレーザーシードソース(130)を含む。
【図1C2】図1C2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(103)のブロック図であり、当該サブシステム(103)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチレーザーシードソース(130)を含む。
【図1D1】図1D1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(104)の概略図であり、当該サブシステム(104)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するフラットパックパッケージされた半導体レーザーベースのQスイッチレーザーシードソース(140)を含む。
【図1D2】本発明の幾つかの実施形態によると、図1D2はサブシステム(104)のブロック図であり、当該サブシステム(104)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチレーザシードソース(140)を含む。
【図1E1】図1E1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(105)の概略図であり、当該サブシステム(105)は増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、フラットパックパッケージされた希土類元素ドープしたレーザーベースのQスイッチレーザーシードソース(150)を含む。
【図1E2】図1E2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(105)のブロック図であり、当該サブシステム(105)は、Qスイッチとして半導体光増幅器を使用し、および、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(150)を含む。
【図1E3】図1E3は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(105’)のブロック図であり、当該サブシステム(105’)は、光学ポンプした面状導波路光増幅器(155’)をQスイッチとして使用し、および、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(150’)を含む。
【図1F1】本図1F1は発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(106)の概略図であり、当該サブシステム(106)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、フラットパックパッケージされた希土類元素ドープしたレーザーベースのQスイッチレーザーシードソース(160)を含む。
【図1F2】図1F2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(106)のブロック図であり、当該サブシステム(106)は増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチリングレーザーシードソース(160)を含む。
【図1F3】図1F3は本発明の幾つかの実施形態による代替のサブシステム(106’)のブロック図であり、当該サブシステム(106’)は、光学ポンピングした面状導波路光増幅器(165’)をQスイッチとして使用し、および、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(160’)を含む。
【図1G1】図1G1は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(1071)の概略図であり、当該サブシステム(1071)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、フラットパックパッケージされた希土類元素ドープしたレーザーベースのQスイッチレーザーシードソース(170)を含む。
【図1G2】図1G2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(1072)のブロック図であり、当該サブシステム(1072)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチリングレーザーシードソース(170)を含む。
【図1G3】図1G3は本発明の幾つかの実施形態による代替のサブシステム(1073)のブロック図であり、当該サブシステム(1073)は、光学ポンピングした面状導波路光増幅器(175’)をQスイッチとして使用し、および、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(170’)を含む。
【図2A】図2Aは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(201)のブロック図であり、当該サブシステム(201)は、増幅された準Qスイッチパルス(94)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される準Qスイッチシードパルス(90)を出力する準Qスイッチリングレーザーシードソース(210)を含む。
【図2B】図2Bは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(202)のブロック図であり、当該サブシステム(202)は、増幅された準Qスイッチパルス(94)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される準Qスイッチシードパルス(90)を出力する準Qスイッチリングレーザーシードソース(220)を含む。
【図3A】図3Aはサブシステム(301)のブロック図であり、当該サブシステム(301)は、増幅されたパルス(93)(グラフ化されたプロット(83)として示される)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される傾斜シードパルス(92)(グラフ化されたプロット(82)として示される)を出力する従来方法で変調した傾斜パルスレーザーシードソース(50)を含む。
【図3B】図3Bは2つの信号の詳細なグラフ(302)であり、当該信号はシードパルス(92)の最初の部分の峻嶮なパルスから生じる、傾斜シードパルス(92)の強度対時間を示すプロット(82)および増幅したパルス(93)の強度対時間を示すプロット(83)を含む。
【図3C】図3Cは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(101)(前図1Aに図示)のブロック図であり、当該サブシステム(101)は、増幅されたパルス(98)(グラフ化されたプロット(88)として示される)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)(グラフ化されたプロット(81)として示される)を出力するQスイッチレーザーシードソース(110)を含む。
【図3D】図3Dは、本明細書の幾つかの実施形態によるQスイッチシードパルス(91)の強度対時間を示すプロット(81)、および増幅したパルス(98)の強度対時間を示すプロット(87)を含む、2つの信号の詳細なグラフ(304)である。
【図3E】図3Eは、本明細書の幾つかの実施形態によるQスイッチシードパルス(91)の強度対時間を示すプロット(81)、および増幅したパルス(98)の強度対時間を示すプロット(87)を含む、2つの信号の詳細なグラフ(305)である。
【図4A】図4Aは、本明細書の幾つかの実施形態による輸送手段または設備(408)に取り付けられるQシードMOPAサブシステム(100)を含むシステム(401)のブロック図である。
【図4B】図4Bは、本明細書の幾つかの実施形態による出力ビームが分光ビームコンバイナーで結合される複数のQシードMOPAサブシステム(100)を含むシステム(402)のブロック図であり、その全ては輸送手段または設備(409)に取り付けられる。
【図5A】図5Aは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(501)の概略図であり、当該サブシステム(501)は増幅されたパルス(598)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される「Q」状のシードパルス(591)を出力するレーザーおよび直列/並列変調結合(「Q」状のシードパルス発生器と呼ばれる)を含む。
【図5B】図5Bは、シードソース(520)が並列に接続された変調器(5251)と(5252)のみを有する代替的な実施形態である、サブシステム(502)の概略図であり、それぞれの出力はコンバイナー(526)によって接続され、その後、その出力は変調器(5253)を通して直列に接続される。
【図5C】図5Cは、各々を異なる時間で遅らせた32の部分を平均化することで得られるシミュレートされたノイズ信号(512)(図5Aおよび図5Bを参照)のプロット(1512)およびノイズが減少した信号(512’)(図5Aおよび図5Bを参照)のプロット(1512’)を示す、概略的なグラフ(503)である。
【図5D】図5Dは、光学変調素子(例えば、図5Aのサブシステム(501)の幾つかの実施形態、または図5Bのサブシステム(502)の幾つかの実施形態では、変調器(5251)、(5252)、および(5253))をそれぞれ駆動させるために使用される、理想化された電気パルス(571)、(572)、および(573)のプロットを示す、概略的なグラフ(504)である。
【図5E】図5Eは、光学変調素子(例えば、図5Fのサブシステム(506)の幾つかの実施形態では、変調器(5254)、(5255)、および(5256))をそれぞれ駆動させるために使用される、理想化された電気パルス(574)、(575)、および(576)のプロットを示す、概略的なグラフ(505)である。
【図5F】図5Fは本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(506)の概略図であり、当該サブシステム(506)は、増幅されたパルス(597)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される「Q」状のシードパルス(591)を出力するレーザーおよび直列変調結合(560)(「Q」状のシードパルス発生器(560)と呼ばれる)を含む。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の詳細な説明は、例証の目的で多くの特定の例を包含しているが、当業者は、以下の多くの変更および以下の詳細な例への変更が発明の範囲内にあることを認識するであろう。従って、本発明の以下の好ましい実施形態は、一般性の任意の損失なしに、かつ請求された本発明に限定を課することなしに述べられる。さらに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明において、その一部分を形成する添付図面が言及される。それらは本発明が実施され得る特定の実施形態によって示される。他の実施形態が利用され得ること、及び構成の変更が本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることは、理解される。
【0041】
図に一般に現われる参照符号の先行のディジットは、その成分が最初に導入される図番号に同じ参照符号が多数の図に現われる参照符号の先頭の桁は、当該構成が最初に導入される図番と対応し、その結果、同一の参照符号は本明細書を通じて複数の図面に現れる同じ構成要素に言及するために使用される。信号と接続は同一の参照符号またはラベルによって言及され得るが、実際の意味は説明の文脈におけるその使用から明らかになるであろう。本明細書における説明において、特定の個々の図面の説明において明示的に記載されていない種々の図面における参照符号は、先に記載された図面における同一の参照符号について記載された、対応する構成要素又は信号に言及する。
【0042】
本発明によれば、「主発振器」レーザーからの比較的低出力のQスイッチパルスは、シード信号としてされ、当該シード信号は、高ポンピング主−発信パワー−増幅システムにおける光パワー増幅器によって増幅され、当該高ポンピング主−発信パワー−増幅システムは、レーザー及び/又は利得セクションのうちの少なくともいくつかのための光ファイバー及び/又は光ロッド利得媒体を含む(主発振器の後の1つ以上の利得セクションは本明細書において増幅器チェーンと呼ぶ)。いくつかのそのようなシステムは、画像取得のためのパルス照明器として使用される。幾つかの実施形態では、出力パルスは、持続時間において約1マイクロ秒の全幅半値(FWHM)の等級である。他の実施形態では、パルス持続時間は、約0.1マイクロ秒乃至約10マイクロ秒である。さらに他の実施形態では、Qスイッチシードパルス持続時間は1〜2ナノ秒程度の短さである。高い増幅ファイバーまたはロッドの光学利得媒体を有する従来のシステムは、パルスの前縁が高度に増幅され、後にパルスの一部が低い増幅に到達するように、パルスが到着するまでは、ポンプソースから大きいエネルギー量を格納する。当該前縁は、SBSのような不適当な非線形の効果につながる、峻嶮なパルス及び高ピークパワーへと導く。これをアドレス(address)するための1つの方法は、シードパルスを形成するためにシードパルスを振幅変調し、かつ当該シードパルスを最初は低い強度(それは増幅器チェーンから最も高い利得を経験する)から、当該パルスの後方で高い強度まで傾斜させるように構成された光学変調素子を提供することである(格納されたエネルギーは部分的に使い果たされているため、増幅器チェーンからの増幅は少ない)。
【0043】
幾つかの実施形態では、本発明は、Qスイッチレーザー空洞からシードパルスを提供する。幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザー空洞はリングレーザーとして構成され、その一方で、他の実施形態では、リニア・レーザー構造が使用される。Qスイッチレーザー空洞のQスイッチが開かれる(例えば、完全閉鎖から、完全開放まで)場合、空洞における信号の強度は、空洞の長さに関連づけられる時間に依存する(利得媒体を介した各ラウンドトリップによって、空洞に格納されたエネルギーが消耗されるまで、パルス強度が増加し、したがって、空洞の長さ及び/又は少なくとも部分的な幾何学的特徴が、一時的なパルス波形を制御する)。幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザー空洞のQスイッチは、シードパルスの一時的な波形に対する追加の制御を達成するために一時的に形成されたパルス(例えば傾斜したパルス)によって駆動される。幾つかの実施形態では、シード信号パルスのレーザービームを発する波長および輝線幅を、誘導ブリユアン散乱(SBS)を防止するのに充分信号パルスがスペクトル的に広くなるように制御するために、バンドパス波長フィルターは、Qスイッチレーザー空洞の中で使用される。加えて、Qスイッチシードパルスは、複数の縦のレーザービームを発するモードを有する。当該モードはシードパルスを、SBSを防止するのに充分にスペクトル的に広くする。
【0044】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されているシステムは、他のシステムまたは構成要素と組み合わされ、その結果、増幅された出力パルスはさらに(例えば、2008年9月30日に発行された、「MULTI−SEGMENT PHOTONIC−CRYSTAL−ROD WAVEGUIDES FOR AMPLIFICATION OF HIGH−POWER PULSED OPTICAL RADIATION AND ASSOCIATED METHOD」と題する米国特許第7,430,352号に記載された如き、さらなる増幅によって)、あるいは2008年6月10日に発行された、「METHOD AND APPARATUS FOR SPECTRAL−BEAM COMBINING OF MEGAWATT−PEAK−POWER BEAMS FROM PHOTONIC−CRYSTAL RODS」と題する米国特許第7,386,211号、および2007年4月3日に発行された、「APPARATUS AND METHOD FOR SPECTRAL−BEAM COMBINING OF HIGH−POWER FIBER LASERS」と題する米国特許第7,199,924号に記載されるような分光ビームを組み合わせることによって、あるいは、2008年1月22日に出願した、「HIGH−ENERGY EYE−SAFE PULSED FIBER AMPLIFIERS AND SOURCES OPERATING IN ERBIUM’S L−BAND」と題する米国特許出願第12/018,193号に記載されたような特定の波長領域で動作することによって、あるいは2009年11月17日に発行された、「APPARATUS AND METHOD FOR PUMPING AND OPERATING OPTICAL PARAMETRIC OSCILLATORS USING DFB FIBER LASERS」と題する米国特許第7,620,077号に記載されているような光パラメトリック発振器(OPO)のような非線形の波長変換によって、あるいは、2008年12月30日に発行された、「ULTRAVIOLET LASER SYSTEM AND METHOD HAVING WAVELENGTH IN THE 200−NM RANGE」と題する米国特許第7,471,705号に記載されたとおりの、波長を2倍にするか、3倍にするか、4倍にするか、5倍にすることによって、あるいは、2009年11月23日にロイ ディー. ミードによって出願された、「SPECTRALLY BEAM COMBINED LASER SYSTEM AND METHOD AT EYE−SAFER WAVELENGTHS」と題する米国特許出願第12/624,327号に記載されるようなラマン波長延長と分光ビームの結合(SBC)によって、あるいは、2008年9月30日に発行された、「SYSTEM AND METHOD FOR AIRCRAFT INFRARED COUNTERMEASURES TO MISSILES」と題する米国特許第7,429,734号に記載されるような特定方向にビームを向けることによって、さらに処理され、おのおのは、参考として本明細書に組み入れられた。幾つかの実施形態では、本発明は、2010年9月7日にローレンス エイ. ボーショアに対して発行された、「APPARATUS AND METHOD FOR DRIVING LASER DIODES」と題する米国特許第7,792,166号に記載されるような回路によって生成された電流パルスによって駆動される1つ以上のポンプ・レーザー・ダイオードを使用する。これは参考として本明細書に組み入れられた。
【0045】
図1Aは、本発明のいくつかの実施形態による総括的なサブシステム(101)のブロック図である。幾つかの実施形態では、サブシステム(101)は、増幅されたパルス(98)(グラフ化されたプロット(88)のとおりに示される)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチ・パルスレーザシードソース(110)を含む(例示的なシードパルス対時間の任意の単位(A.U.)での強度は、グラフ化されたプロット(81)である)。Qスイッチ・シードパルス(91)は、従来の光学変調素子によって生成されたパルスより微細な粒状の制御を有する(よりよいダイナミックレンジ)最初の傾斜の漸増を提供する。Qスイッチ・レーザーシードソース(110)におけるQスイッチが開放すると(充分な信号光が空洞損失を克服せしめ、その結果レイジングが生じる)、空洞内のシードパルス及び空洞から出るシードパルスは、パルスシード信号を生成するように、比較的徐々に強度を増加させ、1以上の非常に高い利得光ファイバー増幅器(112)によって増幅されると、パルスシード信号は、さもないと増幅器チェーン(112)に生じる過度に峻嶮なパルスを防止する一時的な波形を有する。幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)による増幅後の出力パルス(98)は、シードパルス(91)が行ったよりわずかに長いFWHM持続時間を有するが、パルス波形は、増幅器(112)から、以下に記載された図3Aおよび図3Bにおいてパルス波形の比較で示されるように、従来の通りに形成されたパルスを使用して可能なエネルギー抽出よりも完全なエネルギー抽出を可能にする。幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)は、ポンプ光が伝播する光ファイバー(114)によって第1ファイバー増幅器(113)に光学的に結合されるポンプ・レーザー(115)によって光学的にポンピングされる、第1ファイバー増幅器(113)を含む。幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)は、増幅器(116)へポンプ光を導く別の光ファイバー(114)によって第2ファイバー増幅器(113)に光学的に結合される別のポンプ・レーザー(118)によって光学的にポンピングされる、第2のファイバー増幅器(116)のような1つ以上の追加の増幅段を含む。幾つかの実施形態では、増幅された出力パルスは、送達ファイバー(117)を使用して送達される。(例えば、幾つかの実施形態では、これは、2008年5月27日に発行された、「OPTICAL HOLLOW−CORE DELIVERY FIBER AND HOLLOW−ENDCAP TERMINATION AND、ASSOCIATED) METHOD」と題する、同一出願人に譲渡された米国特許第7,379,648号に記載されたようなファイバー・エンド・キャップ(119)を有する中空コア・ファイバー(117)である。これは参考のために本明細書に組み入れられた。
【0046】
図1B1は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチ・リングレーザーシードソース(120)を含むサブシステム(102)のブロック図である。幾つかの実施形態では、サブシステム(102)は、パルス出力ビーム(98)によって照射されるシーンから画像情報を得る撮像デバイス(本明細書に示されない)を含む画像収集システムなどのより大きなシステムの一部である。幾つかの実施形態では、サブシステム(102)は希土類ドープファイバー増幅器(REDFA)(121)を含む。これは、(半導体レーザーダイオードのような)ポンプ・レーザー(128)によって光学的にポンピングされる。幾つかの実施形態では、REDFA (121)は偏光維持エルビウムドープファイバー増幅器(EDFA)(部品番号Er−25−05−PM、カナダ、G2C 1S9 ケベック州 スイート121 ジャン−ぺリン 2700のCoractive社などより入手可能)と、ポンプ・アンド・信号・光マルチプレクサー(OMUX)189(部品番号PMWDM−EDFA−1−1−2−1−0、アメリカ合衆国 07840ニュージャージー州 ハケットタウン スイート101 ニューバーグ ロード 43−AのMicro−Optics社から入手利用可能)を含む。幾つかの実施形態では、ポンプ・レーザー(128)は、出力がサブシステム(102)に供給される限り、実質的に連続的なベースで(すなわち、ポンプ光出力はCWである)、ポンプ光がREDFAに適用されるように、直流電流によって駆動された1つ以上の連続的な波(CW)のレーザーダイオード(アメリカ合衆国、95035カリフォルニア州、ミルピータス、マッカーシー ブールバード 430NのJDS Uniphase Corporationから入手可能な、カタログ番号30−7602−560の560mW 976nmの波長のポンプ・ダイオードなど)を含み、他の実施形態において、ポンプ・レーザー(128)はパルス電流によって駆動され、その結果、シードパルスが必要とされる(例えばとして要求された方式で)直前にポンプ光がREDFA(121)に適用される。幾つかの実施形態では、REDFA(121)から信号出力は、一方向の光アイソレーター(122)(光アイソレータ(122)は単一方向(この図では時計回り)でのみ信号光が移動することを保証するのを助ける)、波長帯域フィルター(123)(波長帯域フィルター(123)は信号光波長および輝線幅を設定するのを助ける)、および偏光子(124)(偏光子(124)はより良好な信号ビームの品質を得るために信号光を極性化するのを助ける)を通り抜ける。他の実施形態では、REDFA(121)およびポンプ・レーザー(128)は、エレクトロニクスおよびドライバ(いくつかの実施形態では、アメリカ合衆国、95035カリフォルニア州、ミルピータス、グレート モール ドライブ 1323のLightwave2020社から入手可能な、部品番号MOAPG20NQA12439などのMSA Compact Low Costプレアンプリファイア EDFA(利得ブロック)で実施される。
【0047】
幾つかの実施形態では、アイソレーター(122)、フィルター(123)および偏光子(124)は、単一のパート(例えば、ハイパワーの使用のために定偏光(PM)アイソレーター(単一偏光、単段)に一体化されたカスタム狭帯域が固定され、PANDA 1550ピグテール・ファイバを有するPMフィルター(1541.35nmの波長を備える)。例えば、アメリカ合衆国、07840ニュージャージー州、ハケッツタウン、スイート101、ニューバーグ 43−AのMicro−Optics, Inc.より、部品番号PM−FF−1541.35nm (CH−45−100GHz)+SPFI−SS−2(Standard 1550nm Panda)− 1−0−ECF−HPとして入手可能)。
【0048】
幾つかの実施形態では、電子式Qスイッチドライバー回路(127)(いくつかの実施形態において、「Fiberoptic reconfigurable devices with beam shaping for low−voltage operation」と題する、2008年7月22日にチャオらに対して発行された米国特許第7,403,677号に記載されているような光スイッチドライバーを含み、参考のために、本明細書に組み入れられており、アメリカ合衆国、01801マサチューセッツ州、ウォーバーン、キャボット ロード 15のAgiltron Inc.から、部品番号SWDR−112211112として入手可能)が、Qスイッチ(125)に動作可能に結合され、Qスイッチ(125)の透過及び/又は吸収を制御する。幾つかの実施形態では、Qスイッチ(125)は、ダンプ(129)(例えば、光アブソーバー)に信号光を向ける1掛ける2(1X2)光スイッチとして構成され(この場合、Qスイッチ(125)は、1−入力、2−出力の光マルチプレクサー(OMUX)として実施され、それは米国特許第7,403,677号に記載されたような光スイッチを含み、アメリカ合衆国、01801マサチューセッツ州、ウォーバーン、キャボット ロード 15のAgiltron Inc.から、部品番号NSSW−125115131として入手可能)、それが「オフ」及び「オン」である場合、出力カプラ(126)に信号光を向け、任意の信号光を受け取る。当該信号光はQスイッチ(125)の低出力を出し、シード信号(91)として一部を伝送し、一部をREDFA(121)に反射して、リングレーザー(120)へのレイジング・フィードバック(lasing feed back)提供する。Qスイッチ(125)が充分に開放していると(かつ、したがって透過的か、非吸収)、充分な信号光は出力カプラ(126)に到達し、その結果、REDFA(121)に反射される部分は、レイジングを持続するのに充分であり、REDFA(121)に格納されたエネルギーが消耗されるまで増幅され、それにより、図1Aのプロット(81)にグラフ化されたQスイッチパルスを形成する。幾つかの実施形態では、シード信号(91)は、光学利得ファイバー(113)(それは幾つかの実施形態では光学利得ファイバー(113)へポンプ光を送達するために連結される1つ以上の光ファイバー114を通して送達される1つ以上のポンプ・レーザー・ダイオード(118)からポンプ光によって光学的にポンピングされるREDFAである)によって増幅され、次に、光学利得媒体(116)(それは幾つかの実施形態では光学利得媒体(116)へポンプ光を送達するために結合される1つ以上の追加の光ファイバー(114)を介して送達されるポンプ・レーザー・ダイオード(118)からポンプ光によってポンピングされる)によってさらに増幅される。幾つかの実施形態では、光学利得媒体(116)はREDFAまたは希土類元素のドープしたロッド(すなわち、光ファイバーに類似するが、充分に大きい(例えば1mm以上)直径を有し、ロッドは、従来の光学利得ファイバーがそれ自体の重量の下で曲がる状態でその形状を維持する)を含む。いくつかのそのような実施形態において、光学利得ファイバー(113)及び/又は光学利得媒体(116)は、1つ以上のラージ・モード・エリア・コア又は信号導波路(例えば直径が50ミクロン以上の導光路)を有するフォトニック結晶構造(すなわち、2008年7月15日に発行された、「MONOLITHIC OR RIBBON−LIKE MULTI−CORE PHOTONIC−CRYSTAL FIBERS AND ASSOCIATED METHOD」と題する米国特許第7,400,804号に記載されたようなフォトニッククリスタルファイバ(PCF)、フォトニック結晶ロッド(PCR)、フォトニック結晶リボン)である。幾つかの実施形態では、光学利得ファイバー(113)及び/又は光学利得媒体(116)は、共同伝搬方向(信号光と同じ向き)及び/又は反伝搬方向(信号光としての正反対方向)でポンプ光(クラッド層へ)を送り出させる複数クラッド構造である。幾つかの実施形態では、送達ファイバー(117)およびエンドキャップ(119)は図1Aのために上述した通りである。幾つかの実施形態では、サブシステム(102)は、さら制御回路(ここでは示されない(例えばプログラムド・マイクロコントローラ))を含み、当該制御回路(102)は、動作可能にQスイッチドライバー回路(127)とポンプ・レーザー(118)および(128)に結合され、当該制御回路(102)は、タイミング、パルス強度レベルなどを制御し、電力供給を制御する。ここでは示されていないが、当該制御回路(102)は、制御回路、Qスイッチドライバー(127)、ポンプ・レーザー(118)および(128)に電流を供給する。
【0049】
いくつかの実施形態において、図1Aのサブシステム(101)または図1B1のサブシステム(102)(あるいは本明細書に記載されている他の図における他のサブシステムのいずれか)、並びに、それぞれの制御回路および電源は、以下に記載された図4Aおよび図4Bに示されるように、輸送手段(水中輸送手段(例えば潜水艦)、(駆逐艦、ミサイル巡洋艦または航空母艦などの)水上艦艇、(ヘリコプターまたはジェット戦闘機などの)航空機など)、及び/又は(Humvee(登録商標)または戦車のような)陸上輸送手段、またはビルディング若しくはバンカー設備)に取り付けられる。
【0050】
約50ナノ秒未満の持続時間のパルスは、従来のQスイッチレーザーから得るのが難しい。なぜなら、パルス持続時間が、共振器長によって、少なくとも部分で測定されるためであり、従来のQスイッチレーザーが長さの中に空洞を少なくとも数センチメートル有するためである。(図1C1および図1C2において示され、かつ以下に記載された)サブシステム(103)、及び(図1D1および図1D2において示され、かつ以下に記載された)サブシステム(104)の形態は、振動が50ナノ秒未満(および、いくつかの実施形態において5ナノ秒未満という短い、あるいは約1ナノ秒未満というさらに短いFWHMパルス持続時間)のQスイッチパルス(104)を得るために使用することができる。幾つかの実施形態では、そのような短い共振器長のQスイッチレーザーは単一周波数レーザーとして使用され、レーザーはLIDARシステムの照明器として使用される。
【0051】
幾つかの実施形態では、パルス繰り返し周期は約10,000〜20,000のパルス/秒(pps)で比較的短い。幾つかの実施形態では、この短い繰返し率と短いパルス持続時間(例えば約1ナノ秒)は、(例えば10mWの領域における)低パワーポンプレーザーの使用が、(例えば約100ワット以上;20,000ppsでは、パルス間の遅延が約50,000ナノ秒であるので、パルスが約1ナノ秒で、効率が約20%といった低さであれば、利得は約10,000回であろう)ハイパワーの出力パルスを得ることを可能にする(いくつかの実施形態において、本発明は、約1.8〜2.1ミクロンおよびツリウム・ドーピングの波長を使用して60〜70%の能力を得ており、10mWの領域のポンプパワーをもつより高い出力電力を生じ、そしてより高いポンプ・パワー・レーザソースの使用によりさらに高い出力電力を生じている)。
【0052】
Qシードパルス(Qスイッチレーザーからパルスまたは本明細書に記載され、そしてQスイッチパルスに類似した前縁の一時的な形状を有する他のシステムの1つからのパルス)の使用は、より高い効率と、出力ファイバー増幅器(112)からのエネルギーの高い出力抽出を可能にするものの1つの主要因である。
【0053】
他の実施形態では、長いQスイッチパルスが本発明によって生成され、特定の実施形態では、パルスは持続時間においては、約100ナノ秒もの長い持続時間である。幾つかの実施形態では、パルスはレーザーから長距離(例えば約20〜30マイル(30〜50km))離れた対象を照らすために使用される。幾つかの実施形態では、パルス繰り返し周期は約10,000〜20,000のパルス/秒(pps)で比較的短い。
【0054】
幾つかの実施形態では、レーザーシステムは、約1.5ミクロンから約2.1ミクロンまでの比較的目に安全な波長を出力する。いくつかのそのような実施形態では、ツリウム(Tm)およびホルミウム(Ho)で共ドープされる光ファイバーを有するファイバー増幅器が使用されて、約2ミクロンの波長で40%から50%の効率を得ている(いくつかの実施形態において、約2ミクロンの波長でのレイジングは、約1.5ミクロンの波長でのレイジングよりはるかにより効率的である)。幾つかの実施形態では、ツリウムでドープされる光ファイバーを有するファイバー増幅器は約1.8〜2.1ミクロンの領域での波長で60%から70%の効率を得るために使用される。
【0055】
図1B2は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(68)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(62)を出力するQスイッチによってポンピングされたリングレーザーシードソース(180)を含むサブシステム(182)のブロック図である。幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(180)は、電気的に制御された「lxN」(1掛けるN方式、ここで、Nは2以上の整数値である)光スイッチ(例えば、幾つかの実施形態では、一方の側に1つのポートを有し、当該1つのポートは他方の側の2つのポートのうちの選択された1つに接続される電気式制御の下で切り替え可能である「1x2」(1掛ける2方式、ここで、スイッチの第1ポートは選択的に第2ポート又は第3ポートのどちらかに光学的に接続される)によってポンプ光が送達される以外は、図1B1のために上述されたように、希土類ドープファイバー増幅器(REDFA)(121)を含む。その一方で、他の実施形態において、1x3、1x4または他のタイプのlxN−方式若しくはMxN方式が使用され、M及び/又はNポート・スイッチまたは光スイッチは使用され、1以上の値を有する)。幾つかの実施形態では、REDFA(121)は、レイジング出力が所望でないあいだ、Qスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)を介してポンプ光を向けることによって両端からポンピングされ(例えば、図1B2において、両方は低部の結合(lower connection)を介して光を接続する)、その後、振動がQスイッチ出力パルス(62)が直接接続されているファイバー・ピグテール(pigtail)(72)を介して出力されることが所望される場合、Qスイッチ(1251)及び、Qスイッチ(1252)の両方が、それらの他の接続状態に切り替えられる(例えば、図1B2において、両方は上部の結合(upper connection)を介して光を接続する)。Qスイッチが信号パルスの生成に対して「オフ」である場合に限り、両方のスイッチがポンプ・レーザー・ダイオードに光学的に接続するので、1x2(1対2)の光スイッチを使用することは、Q−スイッチング機能を提供するだけでなく、このようにQスイッチ光パルスからの損傷に対してポンプ・レーザー・ダイオード(128)を保護する。両方のスイッチは、Qスイッチが信号パルスの生成に対して「オン」であるである場合、ポンプ・レーザー・ダイオードから分離する。幾つかの実施形態では、Qスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)は、各々1x2の光スイッチ/変調器である(この場合、Qスイッチ(1251)は2入力、1出力光スイッチとして実施され、またQスイッチ(1252)は1入力、2出力光スイッチとして実施される;また、いくつかの実施形態では、各々、米国特許第7,403,677号に記載されるような光学「Nano−switch」(登録商標)を含み、参考として本明細書に組み入れられた。そしてアメリカ合衆国、01801マサチューセッツ州、ウォーバーン、キャボット ロード15のAgiltron社から、部品番号NSSW−125115131として入手可能である)。図1B2の残りの部分は図1B1の対応する部位の番号と同様である。幾つかの実施形態では、ポンプ・レーザー・ダイオード(128)と、それぞれのQスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)の間の光ファイバー接続に含まれ、ここで、信号パルス間の時間の間、REDFA(121)の増幅された自然放出光(ASE)からの可能な損害から、ポンプ・レーザー・ダイオード(128)をさらに保護するために、ファイバブラッググレーティング(FBG)は、ポンプ波長の光を送信し、かつREDFA(121)の信号の波長の光を閉鎖するか、分散させるように構成される。幾つかの実施形態では、Qスイッチ出力パルス(62)は増幅器チェーン(112)によって増幅され、増幅出力パルス(68)として出力される。
【0056】
図1B3は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(67)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(63)を出力するパンプド・スルー・Qスイッチレーザー・シードソース(181)を含んでいるサブシステム(183)のブロック図である。幾つかの実施形態では、レーザーシードソース(181)は、リングレーザーとしてよりむしろ2−リフレクタのリニア・レーザーとしてレイジング空洞が設計されている以外は、図1B1および図1B2のために上述されたようなREDFA(121)を含む。幾つかの実施形態では、高反射率FBG(HRFBG)(223)は1つの終端(図1B3内での左手側端部)でリフレクタを形成し、部分的に伝達する、低反射率FBG(LRFBG)(224)は、対向端部(図1B3内での右手側端部)でリフレクタを形成する。幾つかの実施形態では、レイジング出力が所望でない間、REDFA(121)は、Qスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)を介してポンプ光を向けることによって両端部からポンピングされ(例えば、図1B3において、両方は低部の結合を通じて光を接続する)、そして、その後、Qスイッチ出力パルス(63)が直接接続されたファイバー・ピグテール(72)によって出力されることが所望である場合、Qスイッチ(1251)及びQスイッチ(1252)の両方が、それらの他の接続状態に切り替えられる(例えば、図1B3において、両方は上部の結合を介して光を接続する)。
幾つかの実施形態では、Qスイッチ出力パルス(63)は増幅器チェーン(112)によって増幅され、増幅出力パルス(63)として出力される。いくつかの実施形態(図示せず)では、偏光及び/又は追加的フィルター機能を提供するために、(偏光子(124)及び/又はフィルター(123)などの)追加の偏光子およびフィルターは、空洞(HRFBG(223)とLRFBG(224)の間)に含まれる。幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)からの増幅された反射パルスに対してシードソース(181)のための保護を提供するために、光アイソレーターは、シードソース(181)(例えばLRFBG(224)とファイバー・ピグテール(72)の間)の出力で提供される。図1B3の他の態様および参照符号が付された要素は、図1B1および図1B2の記載の説明において上述された通りである。
【0057】
図1B4は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(68)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(62)を出力するQスイッチによってポンプドスルーリングレーザーシードソース(184)を含んでいるサブシステム(185)のブロックである。幾つかの実施形態では、REDFA(121)が、ポンプドスルーQスイッチリングレーザーシートソース(184)において他の一端(光スイッチ(1252)が省略されていることを除いて図1B2に類似している構成で光スイッチを介して)のみからポンピングされることを除いて、Qスイッチリングレーザーシードソース(184)は図1B2のポンプドスルーQスイッチリングレーザーシードソース(180)に類似し、その一方でポンプドスルーQスイッチリングレーザーシードソース(180)における対応するREDFA(121)は両端からポンピングされる。他の実施形態(図示せず)では、REDFA(121)は、その他の端部から(光スイッチ(1251)が省略され、光スイッチ(1252)が保持されることを除いて、図1B2に類似した構成において、シードソースがレイジングするときの出力端)ポンピングされる。他の態様は図1B2のために上述されたものと同一である。
【0058】
図1B5は、本発明のいくつかの実施形態による、ブリーチドパルスQスイッチシードソース(197)を含んでいるサブシステム(187)のブロック図である。ブリーチドパルスQスイッチシードソース(197)は高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(61)を出力する。高電力増幅器(112)は、増幅されたパルス(64)を出力する。幾つかの実施形態では、Qシードソース(197)はそれ自体がQスイッチとして作用する、ブリーチドパルス増幅器を含んでおり、ここで、空洞はブリーチングファイバー部(196)を含み、前記ブリーチングファイバー部(196)の変化する透過度によって、その透過度は、充分に高い出力パルスがそれによって伝播される時間の間に増加し、そしてレイジング光強度が増加するにつれて、結果としての出力パルスはよりゆっくりと振幅を増加する(例えば、幾つかの実施形態では、計算可能な量のポンプ・エネルギーは、レイジングの開始を妨げる飽和性吸収体が利得媒体(191)に受け取られ、格納されるまで、レイジングの開始は、空洞内の高強度光学的視野を生成し、損失した飽和性吸収体を迅速に飽和し、空洞Qを増加させ、その結果Qスイッチ出力パルス(61)が生じる。幾つかの実施形態では、飽和性吸収体(196)は軸方向に長さ1ミリメートル未満であり得るが、これは、ヤングらへの米国特許第7,203,209号、又はソリンらへの米国特許第4,778,237号に記載されているように、いくつかの短パルスとマイクロレーザ応用分野において望ましい。当該米国特許は、参考のために全体を本明細書に組入れた。)前記ブリーチングファイバー部は、利得媒体(191)(例えば、いくつかの実施形態において、電気的にポンピングされる(複数の電気的なリード(193)(導電性のピンまたは表面実装のはんだ付けをすることができるコネクションであって、図1D1のために以下に記載されたような電力及び/又は制御信号を提供する)を介して)半導体利得媒体、あるいは他の実施形態中で、光学的にポンピングされる半導体若しくは光ファイバー利得媒体)に格納されたポンプ出力を使用する(信号(192)の)高出力のQスイッチパルス形成に応答時間にわたって透過的に増加する。幾つかの実施形態では、サブシステム(187)によって生成されたパルスは、利得媒体からの入力と、要素(196)のブリーチング特性による光パワー形成のタイミングによって、それらのタイミングが制御されるという点で「フリーランニング」である。他のいくつかの実施形態では、光学変調素子(例えばAOMまたはEOM(図示されない))は、レイジング空洞(例えば、飽和性吸収体要素(196)に隣接するか、或いは直列に配される)に含まれており、Qスイッチの動作が実施可能になるように、利得媒体からの光が飽和性吸収体要素(196)に達することを許されるか否か、そしていつ利得媒体からの光が飽和性吸収体要素(196)に達することを許されるかを測定することを支援するパルス発生器によって駆動される。他の態様は上述された通りである。
【0059】
図1C1は、小型及び/又はモジュール化されたQスイッチレーザシードソース(130)を含むサブシステム(103)の概略図で、当該Qスイッチレーザシードソース(130)は本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する光増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力する。幾つかの実施形態では、利得媒体および1つのミラーを有する光学利得手段(131)は共にパッケージされる(例えば、複数の電気的リード(133)(導電性のピンまたは表面実装のはんだ付け可能なコネクションであって、デバイス(131)に電力および制御信号を提供し、そして随意に、デバイス(131)から、レーザー光パワー、温度などの出力診断信号)および1以上の光学的出力(132)(例えば、光ファイバー・ピグテールまたは他のオプティカルカプラであって、右方に伝播する出力信号および左方に伝播するフィードバック信号の両方を運ぶ)。幾つかの実施形態では、光学的出力(132)は、Qスイッチとして作用し、光学的に出力カプラ(136)に接続される変調器(134)(すなわち、デバイス(131)の最も近いパッケージの外側にある光学変調素子)に光学的に接続される(変調器(134)の背後から信号の制御された所定の波長および輝線幅の部分を反射することにより、光学フィルター機能を提供するファイバブラッググレーティング(FBG)など、この変調器がデバイス(131)の利得媒体に対して「オープン」(信号光に透過的)であれば、そのときQスイッチシード・信号レイジングモードを制御する)に接続される。出力カプラ(136)は、またシード・信号(91)として信号の一部を送信し、その後、増幅器チェーン(112)によって増幅され、出力信号(98)として出力される。
【0060】
図1C2は、本発明のいくつかの実施形態による、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力するQスイッチレーザーシードソース(130)を含んでいるシステム(103)のブロック図である。図1C2は、図1C1におい示されるサブシステム(103)の一実施形態の追加の詳細を示す他の図であり、2つの図において同じ参照符号は同一の要素および信号に言及している。幾つかの実施形態では、デバイス(131)は従来の半導体レーザーダイオードであり、当該半導体レーザーダイオードは、レイジングフィードバックを防止するために、その出力・ファセットに耐反射コーティングを加えることにより特に修正されている。さもなければ、出力カプラ(136)からの充分なフィードバック光がQスイッチ・変調器(135)の前方及び後方に伝送されない。幾つかの実施形態において、Qスイッチドライバー(137)は、Qスイッチ・変調器(135)の光伝送特性を制御するために電気制御信号を提供する。図1C2のサブシステム103の他の態様は上述された通りである。
【0061】
図1D1は、フラットパックでパッケージされた半導体レーザーベースのQスイッチレーザシードソース(140)を含んでいるサブシステム(104)の概略図であり、本発明のいくつかの実施形態によって、Qスイッチレーザシードソース(140)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力する。幾つかの実施形態において、サブシステム104は、Qスイッチレーザー・シード(140)の光学的要素が実質的にすべて、当該含まれた要素に電気的及び光学的接続性を提供する単一のパッケージ内若しくは単一のパッケージ上にパッケージされることを除いて、図1C1のサブシステム(103)に機能上実質的に類似している。幾つかの実施形態において、Qスイッチレーザー・シードソース(140)(例えば、幾つかの実施形態において、これは、複数の電気的なリード(143)(導電性のピンまたは表面実装のはんだ付可能なコネクションであって、光学利得デバイス(141)及び/又はQスイッチドライバー(147)に電力及び/又は制御信号を供給し(図1D2を参照)、及び、随意に、前記デバイス(141)若しくはQスイッチレーザーシードソース(140)の他の要素からのレーザー光パワー、温度などの出力診断信号を随意に出力する)を有する「バタフライ」パッケージである)は、利得媒体と一つのミラーを有するデバイス(141)を含む。幾つかの実施形態において、光学利得デバイス(141)から光出力は、Qスイッチとして作用し、出力カプラ(146)(デバイス(141)の利得媒体に対して後の信号の制御された所定の波長およびラインの幅の部分の反射によって、光学フィルター機能を提供するファイバブラッググレーティング(FBG)などであって、ついでQスイッチシード・信号レイジングモードを制御する)に光学的に接続された内部変調器(145)(すなわち、Qスイッチレーザー・シードソース(140)のパッケージに対して内部の光学変調素子)に光学的に接続される。出力カプラ(146)は、またファイバー(71)におけるシード信号(91)としてレンズ(142)および随意の出力・フェルール(149)を通して信号の一部を送信し、その後、それは増幅器チェーン(112)によって増幅され、信号(98)として出力される。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態において、サブシステム(104)は、6cm3(例えば、2cm×3cm×1cm)未満の体積の単一のパッケージで実施される。他の実施形態では、単一のパッケージは20cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは10cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは8cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは5cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは4cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは3cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは2cm3未満の体積である。他の実施形態では、単一のパッケージは1cm3未満の体積である。
【0063】
本発明の幾つかの実施形態において、サブシステム(104)は、(光ファイバー(71)を介して)50ナノ秒未満の全幅半値(FWHM)持続時間を有するシード信号パルス(91)を出力する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)はった40ナノ秒のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は30ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は20ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は10ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は5ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は5ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する。
【0064】
発明の幾つかの実施形態において、サブシステム(104)は、40ナノ秒と50ナノ秒を含んでこの間で全幅半値(FWHM)持続時間があるシード信号パルス(91)を出力する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は30ナノ秒と40ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は20ナノ秒と30ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は10ナノ秒と20ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は5ナノ秒と10ナノ秒を含んでこの間で全幅半値(FWHM)持続時間があるシード信号パルス(91)を出力する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は3ナノ秒と5ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。他の実施形態では、出力・シード信号パルス(91)は1ナノ秒と3ナノ秒の間でFWHM持続時間を有する。
【0065】
図1D2は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力するQスイッチレーザ・シード・ソース(140)を含んでいるサブシステム(104)のブロック図である。図1D2は、図1D1で示されるシステム(104)の一実施形態の追加の詳細を示す他の図であり、および2つの図における同じ参照符号は同一の要素および信号に言及する。幾つかの実施形態では、光学利得デバイス(141)は従来の半導体レーザーダイオード(光学的利得媒体及びレフレクター)であり、当該半導体レーザーダイオードは、レイジングフィードバックを防止するために、その出力・ファセットに耐反射コーティングを加えることにより特に修正されている。さもなければ、出力カプラ(146)からの充分なフィードバック光がQスイッチ・変調器(145)の前方及び後方に伝送されない。幾つかの実施形態では、Qスイッチ・変調器(145)は半導体光増幅器を含んでおり、当該半導体光増幅器は、もし電力が供給されなければ、信号の波長の光を吸収し、その場合、半導体は透過的になるか、あるいは信号の波長をさらに増幅する。幾つかの実施形態では、Qスイッチドライバー(147)は、Qスイッチ・変調器(145)の光伝送及び/又は増幅特性を制御するために、電気制御信号を提供する。図1D2のサブシステム(104)の他の態様は上述の通りである。いくつかの実施形態(図示せず)では、Qスイッチドライバー(147)は、(Qスイッチレーザー・シードソース(140)の光学要素用の筐体にないパッケージにおける)チップから実施される。幾つかの実施形態において(図示せず)、レンズ(142)およびフェルール(149)は省略される。また、フィードバック要素グレーティング(146)の出力(例えば、幾つかの実施形態ではファイバーブラッググレーティングを使用して実施された)はファイバー・ピグテール(71)に直接接続され、シードソース(140)のパッケージから伸びる。
【0066】
図1E1はサブシステム(105)の概略図であり、当該サブシステム(105)は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力する、フラットパックパッケージされた希土類元素ドープ・レーザーに基づいたQスイッチレーザー・シードソース(150)を含む。幾つかの実施形態では、上記サブシステムのうちの電気的にポンピングされた半導体レーザーダイオード利得媒体(141)又は(131)は、光学的にポンピングされた希土類元素ドープ光導波路(REDOW)の面状利得媒体(151)によって置換され、当該面状利得媒体(151)が、いくつかの実施形態において、半導体ダイオード・ポンプ・レーザー(158)によって光学的にポンピングされ、当該半導体ダイオード・ポンプ・レーザー(158)が、ダイクロイックミラー(153)によってREDOW利得媒体(151)に結合されることを除いて、サブシステム(105)は、図1C1のサブシステム(103)と図1D1のサブシステム(104)の機能と、幾分類似している。幾つかの実施形態では、本明細書に示されるように、光信号波長はダイクロイックミラー(153)によって送信され、ポンプ波長は、ダイクロイックミラー(153)によって反射される(他の実施形態では、Qスイッチ(155)およびその高い反射率(HR)のミラー並びにポンプ・レーザー(158)の位置は交換される。また、その場合、光信号波長はダイクロイックミラー(153)によって反射され、ポンプ波長はダイクロイックミラー(153)によって送信される。より高いパワー信号パルスが反射され、ダイクロイックミラー(153)によって移動しないので、そのような形態は、ダイクロイックミラー(153)への損傷の可能性を低減する。また、低パワーポンプ・レーザービームはダイクロイックミラー(153)を介して送信される。
幾つかの実施形態では、フィルター及び出力カプラ(156)は、レイジングフィードバックのために信号光の所定の波長と輝線幅の部分を反射し、レンズ(152)及びシード信号としてのファイバー結合フェルール(159)を介してシード信号ファイバー(71)に送信する。従って、Qスイッチ(155)が充分に透過的になると、レイジング空洞が、左側のHRミラー(154)と右方への出力カプラ(156)の間で形成され、光学的にポンピングされた利得媒体(151)が光学的利得を提供している。幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザ・シード・ソース(150)の光学的要素は、単一のパッケージ内若しくはパッケージ上で、パッケージ化され、当該パッケージは、含まれる要素との電気的および光学的接続性を提供している。
【0067】
幾つかの実施形態において、エルビウムにドープした面状導波路は、本発明の様々な実施形態の中で使用される。エルビウムにドープした面状導波路の1つの利点は、技術的水準のシリコン技術と適合性があるので、それが非常にコンパクトであるということである。また、エルビウムの蓄積時間(増幅が生じる上部の励起状態の1/e減衰時間)は、約10ミリ秒(ミリ秒)である。本発明のいくつかの実施形態は、以下の特許の1つ以上に記載されたものに似た面状導波路、格子、カプラ及び/又はレーザーを使用する。2009年5月12日にヤンらに発行された、「ALL−SILICON RAMAN AMPLIFIERS AND LASERS BASED ON MICRO RING RESONATORS」と題する米国特許第7,532,656号、2001年12月11日にベンデットらに発行された、「METHOD AND APPARATUS FOR WAVEGUIDE OPTICS AND DEVICES」と題する米国特許第6,330,388号、また2003年10月21日にベンデットらに発行された、「METHOD AND APPARATUS FOR WAVEGUIDE OPTICS AND DEVICES」と題する米国特許第6,636,678号、および2005年11月29日に、ベンデットに発行された「RARE−EARTH DOPEDホスファート−GLASS LASERS AND ASSOCIATED METHODS」と題する米国特許第6,970,494号、2004年11月2日にベンデッドらに発行された、「COMPACT APPARATUS AND METHOD FOR INTEGRATED PHOTONIC DEVICES HAVING FOLDED DIRECTIONAL COUPLERS。」と題する米国特許第6,813,405号、また、2002年12月10日にベンデッドに発行された、「APPARATUS AND METHOD FOR INTEGRATED PHOTONIC DEVICES HAVING GAIN AND WAVELENGTH−SELECTIVITY」と題する米国特許第6,493,476号は、引用によって本明細書に組み入れられた。本発明のいくつかの実施形態は、 「Coefficient determination related to optical gain in erbium−doped silicon−rich silicon oxide waveguide amplifier」(エイチ・エス・ハンら著、アプライド・フィジックス、論文、81, 3720 (2002); doi: 10.1063/l .1520710, 発行日(2002年11月11日))、または「Exciton−erbium energy transfer in Si nanocrystal−doped Si02」(ピー・ジー・キック、エイ・ポールマン著、マテリアルズ・サイエンスおよびB81(2001)3−8)、若しくは「Exciton−erbium energy transfer in Si nanocrystal−doped Si02」(ピー・ジー・キック、エイ・ポールマン著、ジャーナル、アプライド・フィジックス、88巻、第4、pp1992−1998、2000年8月15日)に記載されたものに似ている面状導波路を使用しており、それらは各々引用によって本明細書に組み入れられた。
【0068】
図1E2は、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシード・パルス(91)を出力するQスイッチレーザ・シード・ソース(150)を含んでいるサブシステム(105)のブロック図である。幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザー・シードソース(150)(例えば、幾つかの実施形態では、これは、複数の電気的リード(導電性のピンまたは表面実装のハンダ付け可能なコネクションであって、ポンプ・ダイオードレーザー(158)及び/又はQスイッチドライバー(157)への電力及び/又は制御信号を供給し、Qスイッチレーザー・シード(150)のポンプ・ダイオードレーザー(158)または他の要素から、随意に、レーザー光パワー、温度などの診断信号(本明細書では示されない)を出力する)を有する「バタフライ」パッケージに存在する)は、光学的にポンピングされる利得媒体を含んでおり(例えば、面状のガラス又はシリコン基板上(又は基板中)に形成された希土類元素ドープ)、当該光学的にポンピングされる利得媒体は、ポンプ・レーザー・ダイオード(158)からの光を使用して、光学的にポンピングされる。幾つかの実施形態では、光利得デバイス(151)は、その光導波路の各終端にレンズまたは他の集光要素(例えば、GRIN(屈折率勾配)集光要素)を含んでいる。幾つかの実施形態では、光利得媒体(151)からの光出力は、Qスイッチとして機能し、(光学利得媒体(151)への戻り信号の所定の制御された波長および輝線幅の部分を反射することにより、光学フィルター機能を提供し、その後、それはQスイッチシード・信号レイジングモードを制御するファイバブラッググレーティング(FBG)のような)出力カプラ(156)によって反対側の端部で結合されたレーザー光空洞の左端を形成する光学的にHRミラー(154)に結合される、内部電気的にポンピングされる半導体ダイオード光増幅器(155)(すなわち、Qスイッチレーザー・シードソース(150)のパッケージに対して内部の光増幅器)にダイクロイックミラー(153)を介して1つの終端で光学的に結合される。光増幅器(155)に充分な電力が供給される場合、光増幅器(155)は信号波長の光に対して透過的になるか、あるいは信号波長の光を増幅し、及びQスイッチは「オン」であるが、不充分な電力が印加されるか、或いは電力が加えられない場合、光増幅器(155)は信号波長の光を吸収するようになり、及びQスイッチは「オフ」である。出力カプラ(156)は、ファイバー(71)におけるシード信号(91)としてレンズ(152)および随意の出力フェルール(159)を介して信号の一部を送信する。当該シード信号(91)は、その後、増幅器チェーン(112)によって増幅され、信号(98)として出力する。他の実施形態では、マッハ−チェンダー(Mach−Zehnder)デバイスなどが、Qスイッチユニットとして半導体光増幅器(155)の代わりに使用される。いくつかの実施形態(図示せず)では、Qスイッチドライバー(157)は、チップ(Qスイッチレーザ・シード・ソース(150)の光学要素用の筐体にはないパッケージにおいて)によって実施される。幾つかの実施形態において(図示せず)、レンズ(152)およびフェルール(159)は省略され、フィードバック要素グレーティング(156)(例えば、幾つかの実施形態において、ファイバーブラッググレーティングを使用して実施される)の出力は、シードソース(150)のパッケージから延びるファイバー・ピグテール(71)に直接接続される。
【0069】
図1E3は代替のサブシステム(105´)のブロック図であり、それはQスイッチレーザー・シードソース(150´)を含んでいる、当該Qスイッチレーザー・シードソース(150´)は、Qスイッチとして光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(155´)を使用し、シードパルス(91)を出力する。当該シードパルス(91)は、本発明のいくつかの実施形態によって増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される。幾つかの実施形態において、サブシステム(105´)は、図1E2のサブシステム(105)においてQスイッチとして作用する電気的にポンピングされた半導体ダイオード光増幅器(155)が、光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(155´)及びその半導体レーザーダイオードQスイッチポンプソース(158´)と置換されることを除いて、サブシステム(105)に実質的に類似している。光増幅器(155´)にQスイッチ・ポンプソース(158´)から充分な光ポンプ光が供給されると、光増幅器(155´)は信号波長に対して透過的になるか、あるいは信号波長を増幅し、かつQスイッチが「オン」である。しかし、不充分な光ポンプ光が適用されるか、或いはポンプ光が適用されない場合、光増幅器(155´)は信号波長の光を吸収するようになり、Qスイッチは「オフ」である。Qスイッチが「オフ」である場合、信号ポンプダイオード(158)からのエネルギーは、光利得媒体(151)中の希土類元素のドーパント・イオンに格納される。その後、Qスイッチが「オン」にされると、レイジングが始まり、光利得媒体(151)中の蓄積エネルギーはシード信号パルス(91)として出力される。
【0070】
幾つかの実施形態において、面状導波路技術が使用され、ポンプ・レーザー・ダイオードもシリコン導波技術に組み入れることができる。当該シリコン導波技術は面状波長分割マルチプレクサ(WDM)のために使用され、ポンプ・レーザー・ダイオードは面状光学基板上でポンプ導光路にバッド接合(bud−couple)され得る。例えば、「Exciton−erbium energy transfer in Si nanocrystal−doped Si02」(エイチ・エス・ハンら著、アプライド・フィジックス、論文、81, 3720 (2002); doi: 0.1063/1.1520710, 発行日:200年11月11日)、マテリアル・サイエンス・アンド・エンジニアリング(B81、(2001)、3−8)、或いは「Exciton−erbium energy transfer in Si nanocrystal−doped Si02」(ピー・ジー・キック、エイ・ポールマン著、ジャーナル、アプライド・フィジックス、88巻、第4、1992〜1998頁)参照。これらは、各々引用によって本明細書に組み入れられた。
【0071】
幾つかの実施形態において、Qスイッチ・面状導波路光増幅器(155´)は、もし充分なQスイッチ・ポンプ光が供給されなければ、約1550nmの信号光を吸収するTm(ツリウム)のような希土類元素でドープされる(例えば、半導体レーザーダイオード(158´)によって供給される約780nmの光、及びそのポンプ光が半導体レーザーダイオード(158´)によって供給されるとき、信号増幅器面状導波路増幅器(155´)は、Er(エルビウム)でドープされるか、YbEr(イッテルビウムとエルビウム)で共ドープされ、約1550nmの信号光を増幅する)。他の実施形態では、信号光利得チップ(155´)用の希土類元素のドーパントは、Qスイッチシードパルスの特定の所望のレイジング波長のために選ばれる。幾つかの実施形態では、Yb3+は、980〜1100nm(1060nmなど)の範囲での様々な信号波長でのレイジングのためにグラス利得媒体(例えば、面状導波路光増幅器(155´)用面状基板又はグラス利得ファイバー若しくは増幅器チェーン(112)用利得ロッド)のうちのいくつかまたはすべてをドーパントとして使用する。他の実施形態では、Er3+、Nd3+およびPr3+は他の波長範囲のために使用され、一般的に3レベルレーザー又は4レベルレーザー及び増幅器において、30nmまたは50nmもの同調範囲を有し得る。幾つかの実施形態において(図示せず)、Qスイッチ・ドライバー(157)は、チップ(Qスイッチレーザーシード(150´)の光学的要素用の筐体に存在しないパッケージ)で実施される。幾つかの実施形態において(図示せず)、レンズ(152)およびフェルール(159)は省略され、そしてフィードバック・グレーティング(156)(例えば、幾つかの実施形態では、ファイバーブラッググレーティングを使用して実施される)の出力は、シードソース(150´)のパッケージから伸びるファイバー・ピグテール(71)に直接接続される。
【0072】
図1F1は、サブシステム(106)の概略図であり、本発明のいくつかの実施形態によって、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって、増幅されたシードパルス(91)を出力する希土類元素でドープされたレーザーに基づくQスイッチリングレーザーシードソース(160)がパッケージされたフラットパックを含む。
幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(160)は、複数の信号・リフレクタを含み(信号波長の光の高反射性のミラー(1610)及び/又は(1611)、信号波長の光を反射し、及びポンプ波長の光を伝送するダイクロイックミラー(163)、及び信号波長の光を部分的に反射し、かつ部分的に伝送する出力カプラ・ビームスプリッター(164))、リング光信号経路を形成する。リング光信号経路では、信号波長は、光学的ポンプド利得媒体(161)(いくつかの実施形態においては、図1E1の利得媒体(151)に実質的に似ている)によって増幅され、ダイクロイックミラー(163)(当該ダイロイックミラーは光学的ポンプド利得媒体(161)中に反伝播方向でポンプ・レーザー(168)の光を伝送する)から反射する。いくつかの実施形態では、信号光は、またQスイッチ(165)およびFIP(組み合わせられたフィルター・アイソレーター・偏光子)光学エレメント(166)(いくつかの実施形態では、FIP光学エレメント(166)は、信号の波長の光のためのフィルター及び/又はアイソレーター及び/又は偏光子を含む)によって選択的に通過する。幾つかの実施形態では、Qスイッチ(165)が開く場合、単一方向での、およびFIP光学要素(166)によって測定される波長および輝線幅(随意に偏光する)で、レイジングが開始する。幾つかの実施形態において、リング信号経路への様々な成分は、他の脚体(例えば、幾つかの実施形態では、FIP光学エレメント(166)は、光増幅器(161)(ダイクロイックミラー(163)とミラー(1610)の間の左の脚体、またはミラー(1610)と、以下に述べられた図1F2で示されるような出力カプラ(164)の間の最下段脚体で)の後に位置し、増幅された信号がリングレーザーシードソース(160)を出る前記光増幅器(1611)からの増幅された信号をさらに除去するために、出力カプラ(164)に増幅された信号が到達する前に。位置づけられる。
【0073】
図1F2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(106)のブロック図であり、当該サブシステム(106)は、増幅されたパルスを出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチリングレーザーシードソース(160)を含む。幾つかの実施形態では、Qスイッチリングレーザーシードソース(160)(例えば、幾つかの実施形態において、これは複数の電気的なリードを有する「バタフライ」パッケージ(導電性のピンまたは表面実装のはんだ付け可能なコネクションであって、ポンプ・ダイオードレーザー(168)および/またはQスイッチドライバー(167)に電力および/または制御信号を提供し、そして随意にポンプ・ダイオード(168)またはQスイッチレーザーシードソース(160)の他の要素から、レーザー光パワー、温度などの診断信号(図示されない)を出力する)でパッケージされる)は、光学的にポンピングされた光学利得媒体(例えば面状のガラスまたはシリコン基板上に(または基板中に)形成された希土類ドープ導波路)を有する光学利得デバイス(161)を含んでおり、当該光学的にポンピングされる利得媒体は、ポンプレーザーダイオード(168)からの光を使用して光学的にポンピングされる。幾つかの実施形態では、光学利得デバイス(161)はその光導波路の各終端にレンズまたは他の集光要素(例えばGRIN集光要素)を含んでいる。幾つかの実施形態では、光学利得媒体(161)からの光出力は、Qスイッチとして機能し、光学要素(166)(幾つかの実施形態では、レイジング信号の、および/またはレイジングをリングの周りで一方向にするアイソレーターの、および/またはレイジング信号を偏光する偏光子の、波長および輝線幅を決定する帯域フィルター)を介してHRミラー(1610)から反射するように、出力カプラミラー(164)(部分的に反射性であり、部分的に透過性なミラー)に光学的に結合される、内部の光学振幅変調器(165)(幾つかの実施形態では、Qスイッチレーザーシードソース(160)のパッケージに対する内部の半導体光増幅器)を介してダイクロイックミラー(163)に単一方向(この図内では反時計回り)へ反射するように、1つの終端で光学的に結合され、反射した部分はフィードバック信号を利得要素(161)へ向ける別のHRミラーに、図1F2の右上角で、結合される。この光学信号経路はリングレーザー光共振器を形成し、その後、それはQスイッチシード信号レイジングモードを制御する。出力カプラ(164)はまた、ファイバー(71)におけるシード信号(91)としてレンズ(162)および随意の出力フェルール(169)を通して信号の一部を送信し、その後、それは増幅器チェーン(112)によって増幅され、信号(98)として出力される。幾つかの実施形態(図示されない)では、Qスイッチドライバー(167)は、(Qスイッチレーザシードソース(160)の光学要素用の筐体にないパッケージ中の)チップから実施される。幾つかの実施形態(図示されない)では、レンズ(162)およびフェルール(169)は省略される。また、フィルター−アイソレーター−偏光子(166)の出力(例えば、幾つかの実施形態ではファイバーブラッググレーティングを使用して実施された)はファイバーピグテール(71)に直接接続され、シードソース(160)のパッケージから伸びる。
【0074】
図1F3は代替サブシステム(106’)のブロック図であり、それはQスイッチレーザーシードソース(160’)を含んでおり、当該Qスイッチレーザーシードソース(160’)は、Qスイッチとして光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(165’)を使用し、シードパルス(91)を出力する。当該シードパルス(91)は本発明の幾つかの実施形態によって増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される。幾つかの実施形態では、サブシステム(106’)は、Qスイッチとして作用する電気的にポンピングされた半導体ダイオード光増幅器(165)が、光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(165’)およびその半導体レーザーダイオードQスイッチポンプソース(168’)と置換されること、そしてリングにおける幾つかの光学要素の幾何学的特徴および位置が変わったことを除いて、前述の図1F2のサブシステム(106)と実質的に類似している。幾つかの実施形態では、信号ポンプダイオード(168)は、信号利得要素(165)(幾つかの実施形態では、信号利得要素(165)は、1つの表面中に、または表面上に形成される希土類元素ドープした信号増幅導波路を有する面状基板を含む)の中へ、ダイクロイックミラー(163’)によって反射されるレーザーポンプ光を提供する。その一方で信号光は、信号Qスイッチ要素(165’)の中へダイクロイックミラー(163’)を介して送達される。光増幅器(165’)に(充分な電気的信号がQスイッチドライバー回路(167’)から供給される場合に限りポンプ光を出力する)Qスイッチポンプソース(168’)から充分な光学ポンプ光が供給される場合、光増幅器(165’)は信号の波長に対して透過的になる、及び/又は増幅し、Qスイッチは「オン」である。しかし、不充分な光学的ポンプ光またはポンプ光が適用されない場合、光増幅器(165’)は信号の波長の光を吸収し、Qスイッチは「オフ」である。Qスイッチが「オフ」である場合、信号ポンプダイオード(168)からのエネルギーは、信号増幅光学利得媒体(165)における希土類元素のドーパントのイオンに格納される。その後、Qスイッチが「オン」にされる場合、レイジングは、FIP光学要素(166)によって決定されるような信号の波長、輝線幅、方向および偏光で始まり、光学利得媒体(165)に格納されたエネルギーの多くはシード信号パルス(91)として出力される。幾つかの実施形態では、Qスイッチ・面状導波路光増幅器(165’)は、充分なQスイッチ・ポンプ光が供給されなければ、約1550nmの信号光を吸収するTm(ツリウム)のような希土類元素でドープされる(例えば半導体レーザーダイオード(168’)によって供給される約780nmの光、および、信号増幅器面状導波路光増幅器(165)は、Er(エルビウム)でドープされるか、またはYbEr(イッテルビウムとエルビウム)で共ドープされ、そのポンプ光が半導体レーザーダイオードで供給される場合、それは約1550nmの信号光を増幅する)。他の実施形態では、信号光利得チップ(165)用の希土類元素ドーパントは、Qスイッチシードパルスの特定の所望のレーザー光線を発する波長に選択される。幾つかの実施形態では、Yb3+は、980〜1100nm(1060nmのような)の領域中の様々な信号の波長でレーザー光線を発するためのガラス利得媒体(例えば、面状導波路光増幅器(165)用の平面基板、または増幅器チェーン(112)用のガラスファイバーまたは、ロッド)においてドーパントとして使用される;Er3+、Nd3+およびPr3+は他の波長領域のために使用され、一般に30nmまたは50nmもの同調領域を各々有し得る。幾つかの実施形態(図示せず)では、Qスイッチドライバー(167’)は、(Qスイッチレーザーシードソース(160’)の光学要素用の筐体中にないパッケージ中の)チップから実施される。幾つかの実施形態(図示せず)では、レンズ(162)およびフェルール(169)は省略される。また、フィルター−アイソレーター−偏光子(166)(例えば、幾つかの実施形態では、ファイバーブラッググレーティングを使用して実施される)の出力はファイバーピグテール(71)に直接接続し、シードソース(160’)のパッケージから伸びる。
【0075】
図1G1は本明細書の幾つかの実施形態によるサブシステム(1071)の概略図であり、当該サブシステム(1071)は増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力する、フラットパックパケージされた希土類元素ドープしたレーザーベースのQスイッチリングレーザーシードソース(170)を含んでいる。幾つかの実施形態では、Qスイッチシードパルスリングレーザー(170)における信号光は、(図1F1のサブシステム(106)において使用される自由空間伝搬およびミラーよりもむしろ)様々な光学要素を相互に接続する光ファイバーを使用して運ばれる。他の実施形態では、Qスイッチリングレーザーシードソース(170)における信号光は、Qスイッチシードパルスリングレーザー(170)の様々な光学要素を相互に接続する(グラスまたはシリコン基板上に形成された)面状導波路を使用して運ばれる。幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(170)は、複数の曲がった導波路(光ファイバー導波路または面状導波路)、光学利得導波路(171)からの信号の波長の光をQスイッチ(175)へ向かって送達する波長分割マルチプレクサー(WDM)(173)を含み、その後、当該Qスイッチは信号光を光学要素(176)(例えば、幾つかの実施形態では、光学要素(176)はフィルター、アイソレーターおよび偏光子を含んでいる)に選択的に通す。WDM(173)はまた、光学利得導波路(171)中へポンプレーザー(178)からのポンプ波長の光を送達する。幾つかの実施形態では、光学要素(176)は、信号光を出力カプラ・ビームスプリッター(174)に通し、当該出力カプラ・ビームスプリッターは、フィードバックとして信号の波長の光の一部を光学利得導波路に送達し、出力シードパルスとして信号の波長の光の残部を送達する。これらの光学要素はリングレーザー光学信号経路を形成する。リング光学信号経路において、信号の波長は光学的にポンピングされた利得媒体(171)(幾つかの実施形態では、図1E2の利得媒体(151)と実質的に類似している)と遭遇し、当該利得媒体(171)によって増幅され、Qスイッチ(175)へ向かって(光学的にポンピングされた利得媒体(171)中へ反伝搬方向でポンプ・レーザー(178)の光を送達する)WDM(173)によって送達される。幾つかの実施形態では、その後、信号光は、Qスイッチ(175)を介して、FIP光学要素(176)(幾つかの実施形態では、FIP光学要素(176)は、信号の波長の光用のフィルター及び/又はアイソレーター及び/又は偏光子を含んでいる)を選択的に通り、当該Qスイッチ(175)はQスイッチドライバー(177)によって制御される。幾つかの実施形態では、Qスイッチが開放する場合、レイジングはFIP光学要素(176)によって決定される単一の方向で、そして波長および輝線幅(および随意に偏光子)で開始する。幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(170)のリング信号経路における様々な要素は、異なる順序で配列されるか、またはリングの他の脚に移される。幾つかの実施形態では、リングレーザーシードソース(170)は、複数のはんだ付けできる、または、ソケットにはめられる(socketable)電気的コネクタを有する電子パッケージに取り付けられ、それはまた、増幅器チェーン(112)に直接接続される光ファイバーピグテール(72)を含んでいる。出力カプラ(174)に直接接続される光ファイバーピグテール(72)と、光学結合フェルール(179)(幾つかの実施形態では、より容易に再構成されるように接続を切ることができる)を介して接続され、そしてその中へシードソース(170)の自由空間レーザー出力信号がレンズ(172)を使用して集光されなければならない図1F1の光ファイバー(71)と、の間の差異を留意されたい。
【0076】
図1G2は本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(1072)のブロック図であり、当該サブシステム(1072)は、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(91)を出力するQスイッチリングレーザーシードソース(170)を含んでいる。幾つかの実施形態では、図1G2のサブシステム(1072)は、QスイッチがQスイッチドライバー回路(177)によって駆動される半導体ダイオード光増幅器として実施されるという更なる詳細をもって、図1G1のサブシステム(1071)と実質的に類似している。
【0077】
図1G3は本明細書の幾つかの実施形態による代替的なサブシステム(1073)のブロック図であり、当該サブシステム(1073)は、Qスイッチレーザーシードソース(170’)を含んでおり、当該Qスイッチレーザーシードソース(170’)は、Qスイッチとして光学的にポンピングされた面状導波路光増幅器(175’)を使用し、増幅されたパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される、シードパルス91を出力する。幾つかの実施形態では、Qスイッチ(175)(図1G1を参照)が、Qスイッチドライバー回路(177’)によって電気的に駆動されるレーザーダイオード(178’)によってポンピングされる光学的にポンピングされた光増幅器(175’)として実施されるというさらなる詳細をもって、図1G3のサブシステム(1073)は図1G1のサブシステム(1071)と実質的に類似している。もし光学的にポンピングされた光増幅器(175’)がQスイッチポンプレーザーダイオード(178)から充分なポンプ光を受けなければ、それはリングにおけるレイジングが生じない程度まで信号光を吸収するが、充分なポンプ光が提供される場合、光学的にポンピングされた光増幅器(175)は、レイジングが発生するのに充分な信号を送達し、Qスイッチシード信号パルスが出力される。幾つかの実施形態(図示されない)では、Qスイッチドライバー(177’)は、(Qスイッチレーザーシードソース(170’)の光学要素用の筐体中にないパッケージ中の)チップから実施される。幾つかの実施形態(図示されない)では、レンズ(172)およびフェルール(179)は省略される。また、出力カプラ(174)の出力は、シードソース(170’)のパッケージから伸びる直接接続しているファイバー・ピグテール(71)である。
【0078】
幾つかの実施形態では、標準のQスイッチは使用されないが、むしろ、図2Aおよび図2Bについて下記に記載されているような、準Qスイッチが使用される。幾つかの実施形態では、全グラス準Qスイッチが使用される。幾つかの実施形態では、PM(偏光維持)ファイバーまたは要素は必要とされない。この設計の幾つかの実施形態では、ファイバーの長さが、ファイバー波長(ファイバーの長さ)の機能として信号の波長の再吸収の依存のために、準Qスイッチに影響するので、ファイバーの長さは適切に選ばれる必要がある。
【0079】
図2Aは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(201)のブロック図であり、当該サブシステム(201)は、増幅された準Qスイッチパルス(94)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される準Qスイッチシードパルス(90)を出力する、準Qスイッチリングレーザーシードソース(210)を含んでいる。幾つかの実施形態では、シードソース(210)は比較的高電力の光学的にポンピングされた光増幅器(HP A)(211)を含んでおり、それはポンプ波長レーザーダイオード(118)の複数からのポンプ・レーザー光を使用してポンピングされ、当該ポンプレーザーダイオード(118)は光ファイバー(114)を使用して光学的にポンピングされた光増幅器(211)に光学的に接続される。光学的にポンピングされた光増幅器(211)からの出力は、光ファイバーによって出力カプラ(219)に接続され、リングがレーザー光線を発する場合、準Qスイッチ光学シードパルス(90)は、光ファイバーピグテール(72)を介して光増幅器チェーン(112)に送られ、当該光増幅器チェーン(112)は増幅された出力パルス(94)を形成するためにシードパルス(90)を増幅する。幾つかの実施形態では、出力カプラ(219)に入る光の一部は、フィードバック信号として、比較的低電力の光学的にポンピングされた光増幅器(LPA)(215)に向けられ、当該LPA(215)は、それが供給されるポンプ光でない場合には(すなわち、準Qスイッチが「オフ」である場合には)リングにおけるレイジングを防ぐために信号光の充分な量を吸収する一方で、その後、準Qスイッチドライバー(217)が準Qスイッチポンプダイオード(218)に電力を供給する場合にはリングにおける信号光を送達および/または増幅することによって準Qスイッチとして作動し、今度は当該準Qスイッチポンプダイオード(218)が、光ポンピングを光ファイバー(214)を介してLPA(215)に提供し、その後当該LPAは信号光を吸収するよりもむしろ増幅する。幾つかの実施形態では、LPA(215)は、高電力増幅器(211)からのASEフィードバックを少なくするためにスモールモードフィールド径を有している。LPA(215)は、ポンプがオンの場合に空洞の透過性を導くようポンピングされ、パルス化される
【0080】
幾つかの実施形態では、LPA(215)は、HPA(211)用に使用されるのと同じ希土類元素のイオンでドープされない。例えば、幾つかの実施形態では、電力増幅器は、エルビウムドープファイバー増幅器(EDFA)またはエルビウム‐イッテルビウム共ドープファイバー増幅器(EYDFA)であり、ツリウムドープファイバー(TmDF)は、それがCバンドとLバンド中で吸収するので、LPA(215)用に使用される。この場合、TmDFは、LPA(215)のドープコアにHPA(211)からのCバンドおよびLバンドの信号光の吸収を止めるために790nmの波長でポンプ光を使用して、ポンピングされ、それにより、準Qスイッチにシードパルス(90)を開かせ放射させる。この特定の場合の利点は、Tmの蓄積時間が0.6m秒(もし純粋なエルビウムドーパントがLPA(215)の中で使用される場合の10m秒の代わりに)であるということである。したがって、幾つかの実施形態では、TmDFはより高い繰返し率を可能にする。しかしながら、他の実施形態では、LPA(215)は、HPA(211)と同じ希土類元素のイオンでドープされる(例えば、幾つかの実施形態では、LPA(215)およびHPA(211)は両方ともEDFAまたはEYDFAを含む)。
【0081】
その後、LPA(215)からの低電力の増幅された信号は、FIP光学要素(216)(それは幾つかの実施形態では信号光の波長及び輝線幅をフィルターにかけ、信号光を一方向分離し、及び/又は偏光する)を通り、およびHPA(211)に入る。幾つかの実施形態では、HPA(211)は、ラージコア、少なくとも40ミクロンのモードエリア直径を有するラージ・モード・エリア・ファイバー(例えば連続波(CW)のポンピングされた光ファイバーまたはロッド)として実施され、一方でLPA(215)はスモールコア、25ミクロンに過ぎないモードエリア直径のスモールモードエリアファイバーとして実施される。幾つかの実施形態では、LPA(215)のより小さなモードエリア直径はHPA(211)からのASEフィードバックを抑止するように作用する。
【0082】
図2Bは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(202)のブロック図であり、当該サブシステム(202)は、増幅された準Qスイッチパルス(94)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅されるシードパルス(90)を出力する準Qスイッチリニアレーザーシードソース(220)を含んでいる。幾つかの実施形態では、シードソース(220)のレーザー共振器は、1つの端部の高反射率ファイバーブラッググレーティング(HRFBG)(223)と、反対側の端部の低反射率ファイバーブラッググレーティング(LRFBG)出力カプラ(224)(それは部分的に信号の一部を反射し、向けられた信号の一部を通す)の間で形成される。幾つかの実施形態では、シードソース(220)は比較的高電力の光学的にポンピングされた光増幅器(HPA)(221)を含んでおり、それはポンプ波長レーザーダイオード(118)の複数からのポンプ・レーザー光を使用してポンピングされ(幾つかの実施形態では、サブシステム(202)が動作中のときポンプ・レーザーが実質的に常にオンである場合、CWポンピングされる)、当該ポンプレーザーダイオード(118)は光ファイバー(114)を使用して光学的にポンピングされた光増幅器(221)に光学的に接続される。光学的にポンピングされた光増幅器(221)の1つの端部からの増幅された出力は、光ファイバーによって出力カプラ(224)に接続され、空洞がレーザー光線を発する場合、準Qスイッチ光学シードパルス(90)は光ファイバーピグテール(72)を介して光増幅器チェーン(112)に運ばれ、当該光増幅器チェーン(112)は増幅された出力パルス(94)を形成するためにシードパルス(90)を増幅する。幾つかの実施形態では、(図の右に向かって出力カプラ(224)に入る)光の一部は、HPA(221)を介してフィードバック信号として後ろに反射され、当該HPA(221)はそれを増幅し、フィルター(226)を介して信号光を比較的低電力の光学的にポンピングされた光増幅器(LPA)(225)に通す。光増幅器(LPA)(225)は、LPA(225)が供給されるポンプ光でない場合には(すなわち、準Qスイッチが「オフ」の場合には)リングにおけるレイジングを防ぐために充分な量の信号光を吸収し、一方で、その後、準Qスイッチドライバー(227)が準Qスイッチポンプダイオード(228)に電力を供給する場合には空洞における信号光を増幅することで準Qスイッチとして作動し、今度は当該準Qスイッチポンプダイオード(228)が、光ポンピングを、光ファイバーを介して、LPA(225)に供給する。その後、当該LPA(225)は信号光を両方向に、吸収するのではなくむしろ、増幅する−最初は、ファイバーブラッググレーティングが合わせられる波長および輝線幅を有する信号光を反射する、HRFBGに向かって、そしてその後フィルター(226)の後方に向かって。幾つかの実施形態では、フィルター(226)はまた、さもなければHPA(221)(図の左側に移動する信号光)からLPA(225)へ、およびLPA(225)(図への右側に移動する信号光)からHPA(221)へ、通る増幅された自然放出光(ASE)を取り除くのを補助するためにフィルタリングする波長および輝線幅バンドパスを提供する。幾つかの実施形態では、フィルター(226)によって提供されるASEフィルタリングは、それが、LPA(225)における利得ファイバーをブリーチ(bleach)し得る、HPA(221)からLPA(225)に入る特定のASE波長を減らすので、準Qスイッチスモールコア増幅器(LPA225)の性能を上げる。幾つかの実施形態では、光学要素(223)、(225)、(226)、(221)、(224)の1つ以上及び/又は、それらを互いに接続する光ファイバーは、準Qスイッチ出力シード信号(90)が偏光されるように、偏光要素又は偏光維持(PM)要素である。その後、LPA(225)からの低出力で、2度増幅された(左側の方向に1度増幅され、右側の方向に2度目に増幅された)信号は、フィルター(226)(幾つかの実施形態では、それは信号光の波長と輝線幅を偏光する、及び/又はフィルターする)を通って、HPA(221)へ入る。幾つかの実施形態では、HPA(221)は、ラージコア、少なくとも40ミクロンのモードエリア直径を有するラージモードエリアファイバー(例えば連続波(CW)のポンピングされた光ファイバーまたはロッド)として実施され、一方で、LPA(225)はスモールコアモードエリア直径が25ミクロンに過ぎないスモールモードエリアファイバーとして実施される。幾つかの実施形態では、LPA(225)のより小さなモードエリア直径はさらにHPA(221)からのASEフィードバックを抑止するために作用する。
【0083】
図3Aは、サブシステム(301)のブロック図であり、当該サブシステム(301)は、グラフ化されたプロット(83)に示される増幅したパルス(93)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される(グラフ化されたプロット(82)に示される)傾斜シードパルス(92)を出力する、従来通りに変調した傾斜パルスレーザーシードソース(50)を含んでいる。幾つかの実施形態では、シードソース(50)は、従来通りに形成された(例えば、レーザーへのパワー入力の変調によって、あるいは、約0の振幅で開始し経時的にシードパルス(92)を形成するために増加する強度を有するシードパルスを得るためにレーザーからのレーザービーム出力の変調によって(グラフ化されたプロット(82)はパルス(92)についての強度対時間を示している))傾斜シードパルスを出力する分布帰還型レーザー(DFBL)を含む。シードパルス(92)は増幅器チェーン(112)に接続される(幾つかの実施形態では、増幅器チェーン(112)は、3つの連続的に接続している光ファイバー利得段を含む(すなわち、第1段の増幅された出力信号は第2段に入力信号として接続され、第2段の増幅された出力信号は第3段に入力信号として接続され、第3段の増幅された出力信号は、出力信号(93)である(グラフ化されたプロット(83)はパルス(93)についての強度対時間を示している))。好適なダイナミックレンジ(すなわち、最初の立ち上がりエッジを充分ゆっくり立ち上がらせる)を得る際の困難さにより、シードパルスは峻険なパルスを経験し、そこではパルスの最初の部分が非常に増幅され、パルスの非常に小さな最初の部分にとって過度のピークパワー(それは利得ファイバー及び/又は信号パルスの非線形な広がりに損害を与える)をもたらすが、最終的に増幅器チェーン(112)からの理想よりも低い総エネルギー抽出をもたらす(スペクトルの広がりは(あまり増幅されない波長を有する)利得媒体の利得帯域を超えて伸びるパルスの輝線幅の大部分をもたらし、これは利得媒体がパルスのそれらの波長を増幅できないことを意味する−その後、エネルギー抽出は「クランプされる」と言われる)。さらに、従来のDFBLソースは、狭い輝線幅を有するレーザー信号を出力し、それは、本発明にとって所望の高パワーまで増幅される場合に、誘導ブリユアン散乱(SBS)問題をもたらし、しばしばファイバー増幅器及び/又はシードソースへの破滅的な損害に帰結する。またさらに、非常に高ピークパワーレベルで、ビームは自己集束作用(self−focusing behavior)をまたしばしば経験し、これもまたファイバー増幅器への破滅的な損害に帰結する。
【0084】
図3Bは、2つの信号(図3Aの増幅器チェーン(112)についての入力シードパルスおよび出力増幅パルス)の詳細なグラフ(302)であり、当該グラフは、図3Aの傾斜シードパルス(92)の強度対時間を示すプロット(82)、およびシードパルス(92)の最初の部分の峻険なパルスからもたらされる図3Aの増幅パルス(93)の強度対時間を示すプロット(83)を含む。
【0085】
図3Cは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(101)のブロック図(前に図1Aで示されている)であり、当該サブシステム(101)は、(グラフ化されたプロット(88)に示される)増幅したパルス(98)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される(グラフ化されたプロット(81)に示される)シードパルス(91)を出力する、Qスイッチレーザーシードソース(110)を含んでいる。様々な実施形態では、サブシステム(101)は、図1B1、図1B2、図1B3、図1B4、図1B5、図1C1、図1C2、図1D1、図1D2、図1E1、図1E2、図1E3、図1F1、図1F2、図1F3、図1G1、図1G2、図1G3のQスイッチシードソースサブシステムに示される任意の構成として、または上記の図の記載に関して記載されているように図2A−図2Bの準Qスイッチシードソースサブシステムに示される任意の構成として実施される。
【0086】
図3Dは本発明の幾つかの実施形態による2つの信号(図3Cの増幅器チェーン(112)についての入力Qスイッチシードパルスおよび出力増幅パルス)の詳細なグラフ(304)であり、当該グラフは、図3CのQスイッチシードパルス(91)の強度対時間を示すプロット(81)、および図3Cの増幅されたパルス(98)の強度対時間を示すプロット(88)を含む。見ることができるように、増幅出力パルスは、峻険なパルスを回避し、高エネルギー抽出を獲得しながら、シードパルスの基本的な一時的な形状を保存する。(最初のパルスの輝線幅が過度に狭くないので、SBS問題は回避され、(エネルギー抽出に関連した)高ピークパワーが回避されるため、非線形のスペクトルの幅の広がりが回避される。このため増幅器チェーンの利得帯域幅の内にパルスの輝線幅を維持し、また、エネルギー抽出はこのように増加される。)
【0087】
図3Eは本発明の幾つかの実施形態では、(図3Cの信号(91)及び(98)に依然として対応する、僅かに異なる状態とより高いポンプパワーおよび増幅レベルに対応する)2つの信号の詳細なグラフ(305)であり、当該グラフは、Qスイッチシードパルス信号(91)の強度対時間を示すプロット(81)、および、増幅されたパルス信号(98)の強度対時間を示すプロット(87)を含む。幾つかの実施形態では、出力パルスは約6mJのエネルギーおよび過剰な峻険なパルスを有さない形状をとっており、このように高エネルギー抽出および非線形問題をほとんど或いは全くなくすことを可能にする。
【0088】
本発明の方法の幾つかの実施形態はさらに、筐体がある輸送手段を提供する工程(図4Aおよび図4Bを参照);電力を供給する工程;電力を使用し、MOPA形態においてQシードレーザーを有している1台以上の光ファイバー増幅器を制御し動力を供給する工程;及び、輸送手段に対する複数の異なる可能な方向の1つへの単一出力ビームの出力方向を制御する工程を含む。
【0089】
図4Aは本発明の幾つかの実施形態による輸送手段または設備(408)に取り付けられたQシードMOPAサブシステム(100)を含むシステム(401)のブロック図である。様々な実施形態では、QシードMOPAサブシステム(100)は、図1Aのサブシステム(101)、図1B1のサブシステム(102)、図1B2のサブシステム(182)、図1B3のサブシステム(183)、図1C1のサブシステム(103)、図1D1のサブシステム(104)、図1E1のサブシステム(105)、図1F1のサブシステム(106)、あるいは図1G1のサブシステム(1071)(各々はQスイッチレーザーシードパルスを供給する)に示されるような;図2Aのサブシステム(201)または図2Bのサブシステム(202)(各々は準Qスイッチレーザーシードパルスを供給する)に示されるような;あるいは図5Aのサブシステム(501)、図5Bのサブシステム(502)、あるいは図5Fのサブシステム(506)、(各々は「Q」状のシードパルスを提供する)示されるような、および、本明細書に記載されている様々な装置および方法の実施形態を使用して実施される。幾つかの実施形態では、システム(401)は輸送手段または設備(408)((例えばヘリコプター、ジェット戦闘機、ミサイル、自律飛行型輸送手段または、自律飛行型ロボットなどの)機体、(駆逐艦、フリゲート艦、航空母艦、ホバークラフト、潜水艦などの)軍艦機、(戦車、Humvee(登録商標)などのような)陸上輸送手段、または(実験室、製造工場またはバンカーのような)陸上設備)を含む。幾つかの実施形態では、輸送手段または設備(408)は、他の要素に電力を供給する1つ以上のバッテリー及び又は電源(418)、1つ以上のレーザー制御装置(412)、1つ以上の画像算出及び画像分析コンピューター又は回路(414)、1つ以上のプロセッサ信号(420)、1つ以上のビームポインター(430)、および/またはシーンに関する画像情報を取得する1つ以上のイメージャー(416)を含む(これらのユニットの1つ以上は幾つかの実施形態においては省略され得る)。幾つかの実施形態では、MOPAレーザーサブシステム(100)の各々はQスイッチレーザー・シードソースを含んでいる。幾つかの実施形態では、MOPAレーザーサブシステム(100)からの出力ビーム(98)は、画像取得(例えば、シーンをカバーするためにビームの幅を広げることによってか、又は結像される複数の点の各々に対して光学パルスを送るためにビームスキャンすることによって)とLIDAR測定(一般に、狭い幅のビームパルスを複数の方向の1つに送り、反射パルスが検出されるまで時間の遅れを測定することによって−例えばあるシーンまたはターゲット(70)から反射したパルス)のための照明または信号光(99)を供給するためにビームポインター(430)によって特定の方向に向けられる。
【0090】
図4Bは本発明の幾つかの実施形態によるシステム(402)のブロック図であり、それは複数のQシードMOPAサブシステム(100)を含んでおり、当該QシードMOPAサブシステム(100)の出力ビーム(98)は分光ビームコンバイナー装置(440)で結合され、全て輸送手段または設備(409)に取り付けられている。様々な実施形態では、複数のQシードMOPAサブシステム(100)の各々は、図1A、図1B1、図1B2、図1B3、図1C1、図1C2、図1D1、図1D2、図1E1、図1E2、図1E3、図1F1、図1F2、図1F3、図1G1、図1G2、図1G3、図2A、図2B、図5A、図5B、または図5Fに示されるような、および本明細書に記載されている様々な装置および方法の実施形態を使用して実施される。幾つかの実施形態では、分光ビームコンバイナー(440)が、複数のレーザーサブシステム(100)からの複数のパルスを分光ビーム結合(SBC)させ、単一のはるかに高いエネルギーのSBC出力パルス(96)にするのを可能にし、その後、これが出力ビーム(95)を形成するために随意のビームポインター(430)によって随意に向けられる、という点を除いて、図4Bのサブシステム(402)は図4Aのシステム(401)と実質的に類似している。幾つかの実施形態では、システム(402)は輸送手段または設備(409)((例えばヘリコプター、ジェット戦闘機、ミサイル、自律飛行型輸送手段または、自律飛行型ロボットなどの)機体、(駆逐艦、フリゲート艦、航空母艦、ホバークラフト、潜水艦などの)軍艦機、(戦車、Humvee(登録商標)などのような)陸上輸送手段、または(実験室、製造工場またはバンカーのような)陸上設備)を含む。幾つかの実施形態では、輸送手段または設備(409)は、他の要素に電力を供給する1つ以上のバッテリー及び又は電源(418)、1つ以上のレーザー制御装置(412)、1つ以上の画像算出及び画像分析コンピューター又は回路(414)、1つ以上のプロセッサ信号(420)、1つ以上のビームポインター(430)、および/またはシーンに関する画像情報を取得する1つ以上のイメージャー(416)を含む(これらのユニットの1つ以上は幾つかの実施形態においては省略され得る)。システム(402)はまた、複数のMOPAレーザーサブシステム(100)を含んでおり、その出力ビームはSBCユニット(440)によって結合される。幾つかの実施形態では、MOPAレーザーサブシステム(100)の各々はQスイッチシードソースを含み、そこでは複数のそのようなソースからのパルスがそのうちに同期される(例えば、幾つかの実施形態では、ビームの明るさを増すために同時に又は略同時に生じる)。幾つかの実施形態では、SBC(440)からの出力パルスビーム(96)は、画像取得、LIDAR測定など(例えばシーンまたはターゲット(70)に関して)のための照明または信号光を提供するためにビームポインター(430)(ある実施形態では、これは制御装置(412)のもと制御される)によって出力ビーム(99)として特定の方向に向けられる。QシードMOPAソースによって供給される独特な非常に効率的なエネルギー抽出は、システム(402)およびシステム(401)を、従来のレーザー照明器ソリューションを使用しては利用できない新しい結合にする、独特な能力と独特な高性能のパルスおよび高エネルギー光パルスを供給する。
【0091】
図5Aは本発明の幾つかの実施形態によるサブシステム(501)の概略図であり、当該サブシステム(501)は、増幅されたパルス(598)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される「Q」状のシードパルス(591)(すなわち、Qスイッチレーザーからのパルスの一時的な形状に類似する一時的な形状を有するパルスであり、幾つかの実施形態では、当該パルスは、Qスイッチレーザーによって得られる輝線幅と類似した、広いスペクトルの輝線幅を有する)を出力する、レーザーおよび直列/並列変調器結合(直列/並列「Q」状のシードパルス発生器と呼ばれる)(510)を含んでいる。幾つかの実施形態では、直列/並列「Q」状のシードパルス発生器(510)は、広帯域レーザーデバイス(511)を含んでおり、その動作(例えば、パワーレベル、温度など)はシステム制御装置(5279)によって制御され、シード−入力スプリッター(524)に接続されCWレーザー信号(512)を出力する(幾つかの実施形態では、ノイズアベレージャー(540)を通った後で)。図5Aの文脈では、CWレーザー信号は、ある期間に渡って(例えば、幾つかの実施形態では、安定したレーザー動作を得るために、1秒以上、さらに恐らく15分以上)略一定の強度(すなわち、所与の振幅ノイズの量を除いて略一定である)を有するレーザー信号であり、それは最後の「Q」状のシード信号(幾つかの実施形態では、それは1000マイクロ秒に過ぎない、および恐らく10マイクロ秒に過ぎないFWHMの持続時間を有する)の長さと比較して非常に長い。
【0092】
図5Aのサブシステム(501)の他の実施形態中では(図5Bのサブシステム(502)、および図5Fのサブシステム(506)の他の幾つかの実施形態についても同様に)、デバイス(511)は広帯域レーザーを使用するのではなく、代わりに、「APPARATUS AND METHOD FOR GENERATING CONTROLLED−LINEWIDTH LASER−SEED−SIGNALS FOR HIGH−POWERED FIBER−LASER AMPLIFIER SYSTEMS」と題する2009年5月26日にエリック シー.ホネアらに発行された米国特許第7,539,231号(参照によって本明細書に組み入れられている)に記載されているような、制御された輝線幅の増幅した自然放出光(ASE)デバイスを使用する。
【0093】
さらに他の実施形態では、図5Aのデバイス(511)用の広帯域CWレーザーを使用するのとは対照的に、パルスダイオードレーザーは、さもなければ図5Aのサブシステムと類似するサブシステムへのデバイス(511)用に使用され、および、(「APPARATUS AND METHOD FOR GENERATING CHIRP−SLICE CONTROLLED−LINE WIDTH LASER−SEED SIGNALS」と題する、2010年4月20日にマッテヤ ピー.サベージ−リュークスに発行された米国特許第7,701,987号に記載されているような)チャープ−スライス配置は、チャープレーザーパルスを発生させるために、そしてその後、図5Aの変調器(5251)、(5252)、および(5253)の1つ以上についての入力レーザー信号として使用されるチャープレーザーパルスの適切な時間−スライス部分を選択するために使用される。前記チャープシードパルスは、SBSを回避するのに充分に速いレートでパルスの周波数(したがって波長)を変更することにより、SBSを回避する。温度、レーザーダイオードに供給されるアイドル電流、およびレーザーダイオードに供給される電流のパルス波形および大きさを選択することで、チャープレーザー信号の各種パラメータは調節され得る。使用されるチャープパルスの適切な開始時間および終了時間を選択することで、その後、開始の波長および波長の変化量は設計によって選択され得る。その後、複数の増幅変調器の各々に入力される信号の部分の大きさを(適切な信号スプリッター(524)によって)、および各々の変調器を駆動させる電気的なパルスの開始時間(チャープスライスの開始時間と関連する)を選択することで、一時的な形状、スペクトル成分(およびその経時的な変化)、および波長、に対する大きな制御が得られる。
【0094】
幾つかの実施形態では、デバイス(511)からの信号(幾つかの実施形態では、図5Aで示されるような広帯域の半導体レーザーまたは光導波路ベースのレーザー、あるいは、他の実施形態では、その代わりに使用される、制御された輝線幅ASEソースまたはスライス−チャープレーザーから(上述の米国特許第7,539,231号または米国特許第7,701,987号においてより完全に記載されているように))は好ましくない量の振幅ノイズ(すなわち強度またはパワーにおける短期間の変化)を有するだろう。幾つかの実施形態では、前記ノイズは、ノイズアベレージャー(540)によって減少され、当該ノイズアベレージャー(540)は、信号を複数の部分に分けて、その後、各々の部分を異なる量の時間遅らせ(例えば、各々の部分を面状の光学デバイスの異なる長さの表面波線路、または異なる長さの光ファイバーに通すことによって)、そしてその後、互いに遅れた部分を再結合する(混合する)。例えば、入力信号(512)が32の部分に分けられるとすれば、その各々は異なるインクリメントな量で遅らされ、その後、他の部分と再結合させられ、結果として生じる平均化された信号(512’)は入力信号(512)の32ポイントの移動平均であると見られるかもしれない。幾つかの実施形態では、ノイズアベレージャー(540)はシード−ミキシングスプリッターを含んでおり、それは、デバイス(511)からの信号(512)を複数の部分(例えば、様々な実施形態では、2,4,8,16,32、64、または128、あるいは他の適切な数の部分)に分割し、そこで各々の部分はその各々の光ファイバー(または面状導波路)経路(542)〜経路(544)を通り、複数の経路の1つずつが異なる長さ(図5Aに示される複数の経路(542)〜経路(544)の描写によって表わされ、そこでは直線経路(542)が最も短く、深く曲った経路(544)が最も長く、および様々な中間の長さを有する複数の他の異なる長さの経路もまた提供される)を有する。複数の経路(542)〜(544)からの光は、その後、減少したノイズの平均化した信号(512’)を形成するために、シード−ミキシングコンバイナー(549)によって互いに再結合される。これらの信号の描写は、さらに以下に記述されている図5Cに示される。
【0095】
再び図5Aを参照すると、幾つかの実施形態では、ノイズアベレージャー(540)からのノイズが減少した信号(512’)はシード−エンベロープスプリッター(524)に結合され、一方で、他の実施形態では、ノイズアベレージャー(540)は省略され、デバイス(511)からの信号(512)はシードエンベロープ・スプリッター(524)に直接接続される。留意されるように、シードミキシングスプリッター(541)はその入力光学信号を複数の部分に分割するために使用され、その各々はシードミキシングコンバイナー(549)によって単一の信号(512’)へ再結合される前に、異なる遅延を受ける。対照的に、シードエンベロープ・スプリッター(524)はその入力光学信号を複数の部分に分けるために使用され、その各々は、シード−出力コンバイナー(526)によって単一の信号(591)へ再結合される前に、異なるエンベロープ(振幅)変調を受ける。
【0096】
様々な実施形態において、シードエンベロープ・スプリッター(524)は、光学的初期シード信号(512)または(512´)の少数部分を、光学信号経路(513)(例えば、幾つかの実施形態では、光学信号経路(513)は、変調器(5251)に、スプリッター(524)からの信号を結合する光ファイバーを含む)に出力する((本明細書に示された実施形態のように)いくつかの実施形態において、例えば1%、あるいは、他の実施形態中で0.1%、0.2%、0.5%、2%、5%又は10%若しくは初期シード信号(512)または(512´)の他の適切な少数部分)。シードエンベロープ・スプリッター(524)は、初期シード信号(512)または(512´)の大多数の部分を出力する((本明細書に示された実施形態のように)いくつかの実施形態において、例えば99%、あるいは、他の実施形態において、99.9%、99.8%、99.5%、98%、95%又は90%、若しくは入力信号のうちの他の適切な大多数の部分)を光学信号経路(514)(例えば、幾つかの実施形態において光学信号経路(514)は、変調器(5252)にスプリッター(524)からの信号を結合する光ファイバーを含む)に出力する。初期シード信号(512)または(512´)の非常に小さい部分のみを光学信号経路(513)に送ることによって、「Q」状のシードパルス信号(591)の前縁の非常に早い部分は、非常に小さな値(実際の0の信号光強度)でスタートし、ついで、(「Q」状のシードパルス信号(591)の前縁の後の部分の強度の上昇率と比較して)比較的非常にゆっくりと(強度の上昇率を)上昇させる。光の微少量のみが経路(513)に沿って通過するので、変調器(5251)が「オフ」であるであるとき、経路(516)への光の出力量は非常に小さく、最終シードパルス(591)に良好な消光率を提供している。対照的に、トータルパルスの非常に大きい部分は、複数の振幅変調器(5252)・・・(5253)を介して連続的に通過する。連続する形態は、この下部経路のために高消光率(すなわち、変調器が「オフ」であるとき、複数の連続する変調器(5252)〜(5253)を通過した光強度が、事実上零であることが望まれる)を達成するために使用され、その一方で、変調器(5251)を経た上部経路の高消光率が、スプリッタ(524)によって経路(513)を通過する初期シード信号(512)または(512´)の非常に小さい割合によって、一部が達成される。
【0097】
幾つかの実施形態において、クロック/タイマー−パルス制御器(5270が(システム制御器(5279)の制御下で)、複数の電子ドライバ(例えば、電子ドライバ(5271)、電子ドライバ(5272)、電子ドライバ(5273))のタイミングを制御し、その結果、電子ドライバ(5271)からの電気的変調パルスがまず立ち上がり(各シードパルスに対して時間T1で)、変調器(5251)を介する光の小量がまず緩慢に増加し始め、シード出力コンバイナ(526)を通過して、「Q」状のシードパルス(591)の一部になる。その後、電子ドライバ(5272)からの電気的変調パルスが、ついで立ち上がり(各シードパルスに対して時間T2で)、その結果変調器(5252)を介する光の適量が、ついで緩慢に増加し始めるが、変調器(5252)からの出力信号(515)は、ついで、「Q」状のシードパルス(591)が「オフ」であると想像されるとき(すなわち、信号(591)上の「Q」状のシードパルス間で)、1以上の追加の変調器(例えば、変調器(5253))を通過して、消光率を増加させる。その後、電子ドライバ(5273)からの電気的な変調パルスが、ついで立ち上がり(各シードパルスに対して時間T3で)、変調器(5253)による適度な光量が緩慢に増加し始め、そして変調器(5253)からの出力信号(517)は、コンバイナー(526)によって変調器(5251)からの出力信号(516)と結合され、「Q」状のシードパルス(591)の全体を形成する。連続する変調器(5252)および(5253)のさらなる利点は、パルスの開始に非常に近いところ(例えば、各シードパルスに関する時間T2および時間T3の間の時間で)の増加率(ramp−up−rate)がさらに緩慢にされることである。なぜなら、変調器の1つだけ(変調器(5252))が「オン」になり始め、その一方で、当該パルスにおける後の増加率が比較的より速い。というのは連続する変調器(5252)及び(5253)が、それらの完全「オン」状態(それらの透過状態)へと増加するからである。幾つかの実施形態において、電子ドライバ(5271)からの電気的なパルスは、時間Tiで開始し、時間T6で終了するプロット(571)の一時的な形態を有し、電子ドライバ(5272)から電気的なパルスは、時間T2において開始し、時間T5で終了するプロット(572)の一時的な形態を有し、及び電子ドライバ(5273)からの電気的なパルスは、時間T3において開始し、時間T4において終了するプロット(573)の一時的な形態を有する。時間に対する電気的信号(例えば、電流または電圧振幅)のこれらのプロットは、以下に述べる図5Dに、より詳細に示される。
【0098】
図5Bは、代替の実施形態であるサブシステム(502)の概略図であり、変調器(5251)および(5252)のみが並列に結合され、それらの個々の出力はコンバイナー(526)によって互いに結合され、その出力は、その後、変調器(5253)を介して連続的に結合され、その出力(592)は増幅器チェーン(112)に接続される。図5Aのために記載された直列/並列の「Q」状のシードパルス発生器(510)とは対照的に、この代替的な形態は、本明細書において並列/直列の「Q」状のシードパルス発生器(520)という。幾つかの実施形態において、(上述のとおりの)ノイズアベレージャー(540)がノイズ振幅の減少のために含まれており、その一方で、他の実施形態においては、ノイズアベレージャー(540)が省略されている。図5Aのサブシステム(501)のための場合、シードエンベロープ・スプリッター(524)は、変調器5251へ光信号(513)として光信号(512)(あるいは(512´))の非常に小さい部分を送信し、当該光信号(513)は、電子ドライバ(EDI)(5271)からの初期低振幅・低立ち上がりの電気的信号の制御下で徐々に「開放され」、時間T1で徐々に立ち上がり始め、そして徐々に増加する光信号(513)の量を、信号(516)として増加することによって可能にするために、変調器(5251)を制御する。変調器(5251)からの低振幅・低立ち上がりの光信号波形(516)は、最初に「オフ」の変調器(5253)によって、さらに減衰され減じられ、いつ変調器(5253)が「オフ」であるかによって、変調器(5251)からの初期の光量の漏れ光量を小さくすることさえできる。幾つかの実施形態において、変調器(5252)は、より高い消光率を達成するために類似の信号(例えば、単一の電子ドライバ(5272)から)によって、各々駆動される2つ以上の光学変調素子の直列の組み合わせである。時間Tlの、わずかな時間T2後に、変調器(5252)は、電子ドライバ(5272)から立ち上がりの遅い電気的信号の制御下で徐々に「開放され」、その電子ドライバ(5272)は時間T2で開始し、変調器(5252)を制御して、信号(517)として光信号(514)が徐々に増加することを可能にする。変調器(5253)が、時間T3で徐々に開放し始める電子ドライバ(ED3)(5273)からの立ち上がりの遅い電気的信号の制御下で徐々に開かれるとき、シード出力・コンバイナー(SOC)(526)は信号(516)および信号(517)を結合し、その後、変調器(5253)を通過して、時間T3まで「オフ」状態に留まり、時間T3のさらに後まで、結合された信号(516)及び(517)の漏れ量だけにするのを可能にする。これは、「Q」状のシード信号パルスを提供し、その初期の前縁での2〜3個の光子から前縁上で後に徐々に増加を加速するまで、徐々に増大する。したがって、パルスを急峻にすることを防止する。さもなれば出力増幅チェーン(112)で生じる。
【0099】
図5Cは、図5Aまたは図5Bの信号(512)のシミュレートされたノイズ部分のプロット(1512)と、信号(512)の32の等しい部分を平均化することによって得られ、おのおのが異なる時間の量だけ遅延した、図5Aまたは図5Bのノイズが低減した信号(512´)のノイズ部分のプロット(1512´)を示す概略のグラフである。シミュレートされたノイズ振幅のプロット(1512)は、プラス1又はマイナス1の振幅の偏差をもつ平均値(1)に正規化された(もちろん、実際のレーザー信号(512)は、非常に小さいパーセンテージの平均強度のノイズ振幅をもち得るのであり、しばしば1%を下回り得る)。プロット(1512´)は、信号(512)のシミュレートされたノイズ部分のプロット(1512)の32の時間移動平均を表わす。見られ得るように、そのような移動平均(1512´)はノイズ(1512)の振幅上のローパスフィルタに類似しており、ノイズ(1512)の振幅変化の量のおよそ4分の1(約25%)までその振幅変化を減らすと共にノイズの周波数を低減する。
【0100】
図5Dは、図5Aのサブシステム(501)または図5Bのサブシステム(502)のいくつかの実施形態において、それぞれの光学変調素子(5251)、(5252)および(5253)を駆動するために使用される、理想化された電気的なパルス(571)、(572)および(573)のプロットを示す概略のグラフ(504)である。幾つかの実施形態において、これらのパルスの1つ以上の前縁(増幅器チェーン(112)でのエネルギーは、トレーリングエッジが生じる時までにほとんど消耗されるので、それは最も重要な特徴である)は、ガウスの一時的な形態に近似する。幾つかの実施形態において、電子ドライバ(5271)(プロット(571))からの電気的なパルスは、各シードパルスに対して時間T1で開始し(すなわち、時間T1より後)、各シードパルスに対して時間T6で終了する。電子ドライバ(5272)(プロット(572))からの電気的なパルスは、各シードパルスに対して時間T2で開始し、各シードパルスに対して時間T5で終了する。また、電子ドライバ(5273)(プロット(573))からの電気的なパルスは、各シードパルスに対して時間T3で開始し(すなわち、時間T1より後)、各シードパルスに対して時間T4で終了する。前述されるように、シードパルス(591)の前縁でのタイミングおよび徐々の増加率は、サブシステム(501)またはサブシステム(502)の効率的な機能化にとってトレーリングエッジより重要である。さらに、幾つかの実施形態では、振幅変調が本質的に乗法関数であり、乗法関数は可環(commutative)であるので、変調器(5252)および(5253)を駆動する電気的なパルスのタイミングおよび形態は交換することができる(プロット(573)の電気的なパルスは、その代りに、変調器(5252)に送達可能であり、プロット(573)の電気的パルスは変調器(5253)に送達可能である)。他の実施形態は、3を超える電気的信号の結果として、3を超える数の光学変調素子、および3を超える数の電気的信号を使用する。
【0101】
図5Eは、図5F(以下に記載される)のサブシステム(506)のいくつかの実施形態において個々の光学変調素子(5254)、(5255)および(5256)を駆動するために使用される、理想化された電気的パルス(574)、(575)および(576)のプロットを示す概略のグラフ(505)である。パルスの開始時刻間の相対的な遅延のために、すべての変調器はT1〜T2において「オン」にし始めているわけではないので、パルス中で増加率についての肌理の細かい微細な制御のための能力を非常に初期に提供し、そして、シードパルスの強度のために高いダイナミックレンジを提供する。図5Aおよび図5Bについて記載されたように、図5Fのサブシステム(506)は、「Q」状のシードパルス(592)の一時的な形状、およびスペクトル成分(時間とともに変わるスペクトル成分でさえ)について、単独制御を可能にする。
【0102】
図5Fは、本発明のいつかの実施形態によって、増幅されたパルス(597)を出力する高電力増幅器(112)によって増幅される「Q」状のシードパルス信号(596)(プロット(582)によって表された振幅を有する)を出力するレーザーと直列変調器の組合せ(直列変調器の「Q」状のシードパルス発生器と言う)(560)を含むサブシステム(506)の概略図である。幾つかの実施形態では、直列変調器の「Q」状のシードパルス発生器(560)は広帯域のレーザー(511)を含み、その動作(例えば、電力レベル、温度など)がシステム制御器(5279)によって制御され、そして幾つかの実施形態では、CWレーザー信号(512)(プロット(583)によって表される)を出力し、CWレーザー信号は光信号経路(513)(例えば、幾つかの実施形態では、光信号経路(513)は、変調器(5254)にレーザー(511)からの信号を結合する光ファイバーを含む)に結合される。光信号経路(533)にCWレーザー信号(512)を送信することによって、および複数の直列接続された変調器(5254)、(5455)・・・(5256)を介して「Q」状のシードパルス信号(596)の前縁の非常に早い部分は、極めて小さい値(事実上、零の信号光強度)からスタートすることができ、そして、その後、(強度の増加率を)比較的、非常に、ゆっくりと増加する(「Q」状のシードパルス信号(596)の前縁の後の部分の強度の増加率と比較して)。なぜなら、変調器(5254)を通過した光の時間に対する増加率が、他の変調器によって低減されるからであり、当該他の変調器は、シードパルスの初期の部分の間「オフ」である(光の漏れ量だけを通過させる)からである。光の微少量のみが、後に「オフ」となる変調器(複数の電子ドライバ(5275)によって駆動される複数の変調器(5275)〜(5276)。ここでの説明においては省略符号によって示されるとおり)を通過するので、変調器(5254)が「オフ」であるとき(シードパルスの開始前)、経路(532)への光出力の量は非常に小さく、最終の「Q」状のシードパルス信号(596)によい消光比を供給する。対照的に、変調器(5254)は一度「オン」を開始すると、パルスの合計の大部分が、後のパルスの時間に対する高い上昇率を達成するために、複数の振幅変調器(5255)〜(5256)を連続的に通過する。幾つかの実施形態では、クロック/タイマー・パルス制御器(5270)(システム制御器(5279)の制御下で)は、電子ドライバ(5274)、電子ドライバ(5275)および電子ドライバ(5276)(それぞれ、変調器(5254)、(5255)および(5256)に接続される)のタイミングを制御し、その結果、電子ドライバ(5274)からの電気的変調パルス(量対時間プロット(574)によって表わされる)が、まず立ち上がり(各シードパルスに対する時間T1で)、その結果、変調器(5254)を介する光出力の小量(大きさ対時間のプロット(584)によって表わされた信号(534))が、最初に緩慢な増加を開始し、漏れ信号光として「オフ」の変調器(5255)〜(5256)を介して僅かに通過し、「Q」状のシードパルス(596)の初期(緩慢な傾斜)部分となる。ついで、電子ドライバ(5275)(大きさ対時間プロット(575)によって表わされた)からの電気的変調パルスは、2番目に立ち上がり(各シードパルスに対して時間T2で)、その結果、変調器(5254)と、そしてその後変調器(5255)を介した光の適量(量対時間のプロット(585)によって表わされる信号(535))は、次に緩慢に増加し始めるが、変調器(5255)からの出力信号(535)は、1つ以上の追加の変調器(例えば、省略記号が変調器(5255)および(5256)間で示される)を通過して、「Q」状のシードパルス(596)が「オフ」である(すなわち、パルス間で)と思われるときに、消光比を増加させる。その後、電子ドライバ(5276)からの電気的変調パルスは3番目に立ち上がり(各シードパルスに対して時間T3で)、その結果、変調器(5254)そして次に変調器(5255)を介して適度な光量が増加し始め、変調器(5256)からの出力信号(532)は「Q」状のシードパルス(596)の和である。連続する変調器(5255)および(5256)のさらなる利点は、非常に近いパルスの開始(例えば、各シードパルスに対する時間T2および時間T3の間の時間)に増加率がさらに遅くされることである。なぜなら、いくつかの変調器のうちの一つだけ(変調器(5255))が「オン」になり始めるからであり、その一方で、パルスにおける後の増加率が比較的もっと速い。なぜなら、直列接続された3つの変調器(5254)、(5255)および(5256)のすべてが、それぞれの完全「オン」状態(それらの透過状態)に向かって増加するからである。
【0103】
図5Fについて、各シードパルスに対して異なる逐次増加開始時間(T1)、(T2)及び(T3)をもつ直列接続された変調器(5254)、(5255)および(5256)の組み合わせは、システム制御器(5279)及び/又はクロック/タイマー・パルス制御器(5270)内に(例えば、制御命令として)プログラムされ得るが(システム制御器(5279)の制御下で)、シミュレートされた「Q」状のシードパルス(596)を提供するものであり、「Q」状のシードパルス(596)は、そのパルス形状を変更するためにQスイッチシードレーザーを再度カスタマイズする必要性はなく、容易に条件及び/又はシステム構成(例えば、所与の増幅チェーン(112)に光学的ポンプ出力を供給する異なる増幅器チェーン(112)又は異なるポンプ・レーザー)を変更するようにカスタマイズされ得る。さもなければ必要とされ得る。
【0104】
図5Aおよび図5Bについては、インプットシードエンベロープ・スプリッター(524)の組合せは、様々な量のレーザー信号(512)を(例えば0.1%−99.9%スプリッターと1%−99%スプリッターを交換することによって)直列/並列パルス・パルスエンベロープ変調器・アレイの種々の枝に送達する他のスプリッターのために交換可能であり、また各シードパルスに対する異なる連続する増加開始時間Tl、T2...T3は、システム制御器(5279)及び/又はクロック/タイマー・パルス制御器(5270)に(例えば、制御命令として)プログラムされ得る(システム制御器(5279)の制御下で)が、シミュレートされた「Q」状のシードパルス(591)(図5A)または(592)(図5B)を提供する。当該シミュレートされた「Q」状のシードパルス(591)(図5A)または(592)(図5B)は条件及び/又はシステム構成(例えば、所与の増幅器チェーン(112)に光学的ポンプ出力を供給する種々の増幅器チェーン(112)又は種々のポンプ・レーザー)を再度カスタマイズする必要はなく、変更するように容易にカスタマイズすることができ、そのパルス形状を変更するために再度カスタマイズする必要はない。シミュレートされた「Q」状のシードパルス(591)が提供できなければ、必要とされ得る。
【0105】
さらに、図5Aの「Q」状のシードパルス(591)、図5Bの「Q」状のシードパルス(592)、又は図5Fの「Q」状のシードパルス(596)のスペクトル成分(波長および輝線幅、並びに、いくつかの実施形態において、チャープ(時間の経過に伴う波長の変化−以下のパラグラフ参照))は、パルスの一時的な形状に対する調節(制御器(5270)およびドライバ(5271)、(5272)、...(5273)の制御下で)とは無関係に、(デバイス(511)(システム制御器(5279)に制御されるとおりによって制御される)及び/又は広帯域のレーザー(図5Aで示されるとおり)、制御された輝線幅ASEソース、またはデバイス(511)のための光源としてのスライスド・チャープド(sliced−chirped)レーザーパルスの間の選択によって)調節され得る。
【0106】
幾つかの実施形態では、低い部分カウント、低い部分コスト及び/又はより単純な構成は、Qスイッチシードレーザー(図1A〜1G3に記載されたとおり)または準Qスイッチで生じたシードレーザー(図2A−2Bに記述されているとおり)を使用すると、低コスト、故障がなく丈夫で、信頼できるシステムにつながる一方で、「Q」状のシードパルス(図5A−5Bおよび図5Fに記述されたとおり)を提供する他の実施形態は、シード信号パルス形状およびスペクトルの内容に関して単独制御を提供する。
【0107】
幾つかの実施形態では、本発明は装置およびプロセスを提供し、高電力の増幅された、Qスイッチの一時的な形状のパルスレーザ・信号(半導体ポンプ・レーザーを使用してポンピングされ、提供された、Ybドープのファイバー電力増幅器から、Qスイッチで一時的な形状のパルスの約1050nm〜1150nmの波長を有するQシード信号など)は、ファイバブラッググレーティング(FBG)を有するカスケード処理されたラマン・コンバーター(CRC)ファイバーを使用して、複数の異なるより長い波長に変換され、複数の連続した長い波長のおのおので重複する共振器空洞を形成するのであるが、例えば、共有して譲渡された同時係属中の発明者ロイ ディー.ミードによって2009年11月23日に出願された「SPECTRALLY BEAM COMBINED LASER SYSTEM AND METHOD AT EYE−SAFER WAVELENGTHS」と題する米国特許出願第12/624,327号に記載されており、引用によって本明細書に組み入れられた。幾つかの実施形態では、複数のカスケード処理されたラマン・コンバーター(CRC)ファイバーシステムから出力されるレーザー光は、約1400(nm)〜約1500nmまでの一般的な範囲に複数の異なる緊密に間隔を置かれた狭帯域波長にある。ヒトの眼の前部(例えば角膜)が前記波長に比較的不透過的であるので、前記波長の出力は、可視スペクトル(約400nm〜約700nm)または700nmから1350nmの赤外線(IR)波長に近い波長よりもヒトの眼にとって比較的より安全であり(したがって、これらはより眼に安全な波長と呼ばれる)、角膜が比較的透過的であり、眼のレティナへの恒久的な損傷が容易に起こり得る。
【0108】
幾つかの実施形態では、本発明は装置とプロセスを提供し、約1500nmと2000nmの間の眼に安全な波長は、ツリウムとホルミウムで共ドープされたファイバー電力増幅器によって提供される。
【0109】
幾つかの実施形態では、本発明は、Qスイッチの一時的な形状のシードパルスから増幅されたパルスを生成する工程、光ファイバー中で増幅されたQスイッチの一時的な形状のシードパルスを1300nmより長い波長へラマンシフトすることによりレーザー光の複数の異なる波長を生成する工程、複数のラマンシフトされた波長を単一のラマンシフトされた出力ビームに分光ビームを組み合わせる工程を含む方法を提供する。
【0110】
前記方法のいくつかの実施形態は、筐体を有する輸送手段を提供する工程、電力を供給する工程、電力を使用し、複数の光ファイバーで増幅されるQスイッチの一時的な形状のパルスのラマンレーザービームを制御し、動力を供給する工程、および前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つでの単独出力ビームの出力方向を制御する工程を含む。
【0111】
幾つかの実施形態では、本発明は、第1のポンプソースを使用して、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号を生成する工程、第2のポンプソースを有する光学利得ファイバーを提供する工程、少なくとも1ミリジュール(1mJ)のパワーを有する出力ビームを得る、光学利得ファイバーにおいてQスイッチパルスレーザーシード信号を増幅する工程を含む方法を提供する。
【0112】
前記方法のいくつかの実施形態は、さらに、筐体を有する輸送手段を提供する工程、電力を供給する工程、電力を使用して、ポンプソースを制御し、動力を供給する工程、および輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つでの出力ビームの出力方向を制御する工程を含む。
【0113】
方法の幾つかの実施形態において、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号の生成は、単一方向のリング空洞の内部の信号を光学的に振幅変調する工程を含む。
【0114】
方法の幾つかの実施形態において、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号を生成する工程は、共振器内の信号を光学的に振幅変調する工程を含み、当該工程は、6cm3(例えば、3cm×2cm×1cm)未満の容積を有する単一のパッケージ内で実施される。他の実施形態では、単一のパッケージは20cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは10cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは8cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは7cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは5cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは4cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは3cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは2cm3未満の容積を有する。他の実施形態では、単一のパッケージは1cm3未満の容積を有する。
【0115】
前記方法のいくつかの実施形態では、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号の生成は、50ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する光パルスを生成する工程を含む。
【0116】
前記方法のいくつかの実施形態では、Qスイッチパルスレーザーシード信号の増幅工程は、少なくとも4mJの電力をもつビーム・パルスを出力することを含む。
【0117】
前記方法のいくつかの実施形態において、シード信号はSBSの課題を低減するために7THz以上の輝線幅を有する。
【0118】
幾つかの実施形態において、本発明は、Qスイッチパルスレーザーシード信号を出力するように構成された、Qスイッチシードレーザー、および第1のポンプソースを有し、動作可能にQスイッチシードレーザーに結合され、少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビーム・パルスを得る、光学利得ファイバー内でQスイッチパルスレーザーシード信号を増幅するように構成されたた光学利得ファイバーを含む装置を提供する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも2mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも3mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも4mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも5mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも6mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも7mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも8mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも10mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも15mJの電力を有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも20mJの電力を有する。
【0119】
前記装置のいくつかの実施形態は、筐体、前記輸送手段に取り付けられた電力供給、電源から電力を受け取るために効果的に動作可能に結合された第1のポンプソースに動力を供給し制御するために動作可能に結合されたレーザー制御装置、および光学利得ファイバーから出力ビームを受け取るために動作可能に結合され、前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つの方向に出力ビームを向けるのに動作可能なビーム方向制御器をさらに含む。
【0120】
幾つかの実施形態では、本発明は、Qシードパルスの前縁のために、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と充分に一致する一時的な形状を有するQシード信号を出力する光源を構成するパルスQシードソースと、第1のポンプソースを有し、動作可能にパルスQシードソースに結合され、少なくとも1ミリジュール(1mJ)のエネルギーを有する出力ビームを得る、光学利得ファイバーでQシードパルスを増幅するように構成された光学利得ファイバーを含む装置を提供する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも2mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも3mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも4mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも5mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも6mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも7mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも8mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも10mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも15mJのエネルギーを有する。幾つかの実施形態では、出力ビーム・パルスは少なくとも20mJのエネルギーを有する。
【0121】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、半導体ダイオード・レーザーにQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と充分に一致する前縁を有するパルスを放射させる電気的なパルスによって駆動される半導体ダイオード・レーザーを含む。
【0122】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、電気光学変調素子(EOM)を介して結合されたCWレーザー・信号を出力する半導体ダイオード・レーザーを含み、当該電気光学変調素子はCWレーザー・信号からの振幅変調パルスを電気的光学変調素子に放射させる電気的パルスによって駆動され、当該振幅変調パルスは、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形態と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する。
【0123】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、音響光学変調素子(AOM)を介して結合されたCWレーザー・信号を出力する半導体ダイオード・レーザーを含み、当該音響光学変調素子(AOM)はCWレーザー・信号から振幅変調パルスを音響光学変調素子に放射させる電気的パルスによって駆動され、当該振幅変調パルスは、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形態と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する。
【0124】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、変調器にチャープ・パルスレーザ信号から振幅−変調された一時的な部分(slice)を放射させる電気的パルスによって駆動される、第1の変調器を介して結合される、チャープ・パルスレーザ信号を出力するチャープ半導体ダイオード・レーザーを含み、その後、当該チャープ・パルスレーザ信号は、第2の電子的に制御された振幅変調器を介して結合され、当該振幅変調器は、Qスイッチ状の振幅変調されたエンベロープをパルス部分に課し、当該エンベロープはQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するQシードパルスの前縁を形成する。
【0125】
幾つかの実施形態では、パルスQシードソースは、電子的に制御される振幅変調器を介して結合される制御された輝線幅のASE信号を出力する制御された輝線幅のASE信号ソースを含み、当該制御された輝線幅のASE信号は、Qスイッチ状に振幅変調されたエンベロープを当該制御された輝線幅のASE信号に課し、当該エンベロープはQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するQシードパルスの前縁を形成する。
【0126】
いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも100ギガヘルツ(GHz)の輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも10THzの輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題をほぼ低減するためにシード信号は少なくとも100THzの輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも0.1ナノメータ(nm)の輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも0.2nmの輝線幅を有する。いくつかの実施形態において、SBSの課題を低減するためにシード信号は少なくとも0.4nmの輝線幅を有する。いくつかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号は少なくとも0.6nmの輝線幅を有する。いくつかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号は少なくとも0.8nmの輝線幅を有する。いくかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号は少なくとも1nmの輝線幅を有する。
【0127】
前記装置のいくつかの実施形態では、Qスイッチシードレーザーは、容積が6立方センチメーター(6cm3)未満の単一のパッケージ内で実施される。他の実施形態では、単一パッケージの容積が20cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が10cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が7cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が5cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が4cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が3cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が3cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が2cm3未満である。他の実施形態では、単一パッケージの容積が1cm3未満である。
【0128】
前記装置のいくつかの実施形態では、Qスイッチシードレーザーは、50ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する光パルスを生成する。
【0129】
前記装置のいくつかの実施形態では、出力ビーム・パルスは、少なくとも4ミリジュール(mJ)の電力を有する。
【0130】
前記装置のいくつかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号は少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を有する。
【0131】
幾つかの実施形態では、本発明は、少なくともQシードパルスの前縁のために、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致する一時的な形状を有するQシード信号を出力するように構成された光源を有するパルスQシードソースと、第1のポンプソースを有し、動作可能にパルスQシードソースに結合され、1ミリジュール(1mJ)未満のエネルギーを有する出力ビームを得るために光学利得ファイバーでシードパルスを増幅するように構成された光学利得ファイバーを含む装置を提供する。
【0132】
幾つかの実施形態では、装置は、筐体を有する輸送手段、当該輸送手段に取り付けられ電源、当該電源から電力を受け取るために動作可能に結合された第1のポンプソースに動力を供給し制御するために動作可能に結合されたレーザー制御装置、および光学利得ファイバーから出力ビームを受け取るために動作可能に結合され、そして前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つに出力ビームを向けるのに動作可能なビーム方向制御器を含む。
【0133】
装置のいくつかの実施形態では、パルスシードソースは、半導体ダイオード・レーザーにQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有するパルスを放射させる電気的なパルスによって駆動される半導体ダイオード・レーザーを含む。
【0134】
装置のいくつかの実施形態では、パルスシードソースは、半導体ダイオード・レーザーを含み、当該半導体ダイオード・レーザーは連続波(CW)レーザー信号を出力する、連続波(CW)レーザー信号は電気的パルスによって駆動される電気光学変調器(EOM)を介して結合され、電気的パルスは、電気光学変調素子に連続波レーザー・信号からの振幅変調パルスを放射させる。振幅変調パルスは、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する。
【0135】
装置の幾つかの実施形態において、パルスシードソースは、音響光学変調素子(AOM)を介して結合されるCWレーザー信号を出力する半導体ダイオード・レーザーを含んでおり、当該音響光学変調素子は電気的なパルスによって駆動され、当該電気的なパルスはCWレーザー・信号から振幅変調されたパルスを音響光学変調素子に放射させる。当該振幅変調されたパルスはQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有している。
【0136】
装置のいくつかの実施形態では、SBSの問題を低減するためにシード信号には少なくとも1テラヘルツ(THz)のビーム強度の全幅半値(FWHM)輝線幅を有する。
【0137】
幾つかの実施形態では、本発明は、光学利得ファイバーおよび第1のポンプソースを提供する工程、Qシード信号パルスの少なくとも前縁のために、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致する一時的な形状を有するQシード信号パルスを生成する工程、ポンプ光を供給するために、光学利得ファイバーを第1のポンプソースに結合する工程、及び、少なくとも1ミリジュール(1mJ)のエネルギーを有する出力ビームを得るために光学利得ファイバーにおいてQシード信号パルスを増幅する工程を含む方法を提供する。
【0138】
幾つかの実施形態では、前記方法は輸送手段を提供する工程を含み、当該輸送手段には筐体と電源が取付けられており、前記電源から電力を受け取り、当該電力を動作可能に結合して前記第1のポンプソースに動力を与え、制御する。前記方法はさらに前記光学利得ファイバーから出力ビームを受け取り、光学利得ファイバーから出力ビームを受け取り輸送手段に対して複数の異なる可能な方向のうちの1つでの出力ビームを向ける工程を含む。
【0139】
前記方法のいくつかの実施形態では、パルスシードソースは、半導体ダイオード・レーザーにQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有するパルスを放射させる電気的なパルスによって駆動される半導体ダイオード・レーザーを含む。
【0140】
前記方法の幾つかの実施形態において、Qシード信号パルスの生成工程は、連続波(CW)レーザー信号を出力するために半導体ダイオード・レーザーを使用して、電気光学変調素子(EOM)を介してCWレーザー・信号を結合する工程と、EOMに連続波レーザー・信号から振幅変調パルスを放射させる電気的パルスによりEOMを駆動する工程を含み、当該振幅変調パルスはシードパルスの前縁を有し、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致する。
【0141】
方法の幾つかの実施形態において、Qシード信号パルスを生成する工程は、CWレーザー・信号を出力するために半導体ダイオード・レーザーを使用する工程と、音響光学変調素子(AOM)を介してCWレーザー・信号を結合する工程と、音響光学変調素子にCWレーザー・信号からの振幅変調パルスを放射させる電気的パルスによってAOMを駆動する工程を含み、当該振幅変調パルスは、シードパルスの前縁を有し、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致する。
【0142】
前記装置のいくつかの実施形態において、SBSの問題を低減するために、シード信号は少なくとも1テラヘルツ(THz)のビーム強度全幅半値(FWHM)輝線幅を有する。
【0143】
前記装置の幾つかの実施形態において、パルスQシードソースは、レイジング空洞内での利得媒体、光学的ポンプソースおよび前記空洞内のQスイッチとしてのlxNの電気的制御された光スイッチを含むQスイッチレーザーを含んでおり、ここで、光スイッチは第1の状態を含み、第1の状態は前記光学的ポンプソースからの光を利得媒体に光学的に結合し、同時に前記空洞内の信号レイジングを妨げる。前記光スイッチは、さらに空洞内の信号レイジングを許す第2の状態を含む。幾つかの実施形態では、前記第2の状態で、例えば、部分的に伝達性を有するミラー、エバネセントファイバーカプラなどを介してレイジング信号が出力される。(図1B2または図1B4の参照符号126など)。
【0144】
幾つかの実施形態では、本発明は、レイジング空洞内での利得媒体、光学的ポンプソース、前記空洞内のQスイッチとしてのlxNの電気的に制御された光スイッチを含んでいるQスイッチレーザーを含む装置を提供し、ここで、光スイッチは第1の状態及び第2の状態を含む複数の状態を有し、第1の状態は前記光学的ポンプソースからの光を利得媒体に光学的に結合し、同時に前記空洞内の信号レイジングを妨げ、第2の状態は空洞内の信号レイジングを許す。
【0145】
前記装置の幾つかの実施形態において、lxNの光スイッチは1x2の、電気的に制御された光スイッチである。前記装置のいくつかの実施形態において、lxNの光スイッチは1x3の電気的に制御された光スイッチである。
【0146】
幾つかの実施形態では、本発明は、第2の光学的ポンプソースを有する光学利得ファイバーを含む装置、Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号を生成するための手段、及び少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビームを得るための光学利得ファイバーにおけるQスイッチパルスレーザーシード信号を増幅するための手段を含む装置を提供する。
【0147】
幾つかの実施形態では、前記装置は、筐体を有する輸送手段、ポンプソースを制御し、動力を供給するための手段、及び輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つでの出力ビームの出力方向を制御するための手段をさらに含む。
【0148】
前記装置の幾つかの実施形態において、シード信号を生成するための手段は、1方向のリング空洞内で信号を光学的に振幅変調する手段を含む。前記装置の幾つかの実施形態において、シード信号を生成するための手段は、6cm3未満の容積を有する単一のパッケージ内で実施される空洞内で信号を光学的に振幅変調する手段を含む。前記装置のいくつかの実施形態では、シード信号を生成するための手段は、50ナノ秒未満の全幅半値(FWHM)持続時間を有する光パルスを生成するための手段を含む。
【0149】
装置のいくつかの実施形態では、振動がQスイッチで生じたパルスレーザシード信号を増幅するための方法は、少なくとも4mJのパワーでビーム・パルスを出力するための手段を含む。
【0150】
前記装置のいくつかの実施形態では、シード信号を生成するための手段は、SBSの問題を低減するために少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を備えたシード信号を生成する。
【0151】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されている実施形態は、この出願の最初と、他の箇所に挙げられ、本発明の範囲内で組み合わせを形成するために引用によって本明細書に組み込まれた装置及び方法の実施形態と組み合わされる。
【0152】
上記の記載があくまでも説明のためのものであり、かつ限定されるものでないことが意図されることは理解される。本明細書に記述されるような様々な実施形態の多数の特徴及び特性および利点は前述の記載で説明されたが、様々な実施形態の構成並びに機能の詳細と共に、他の多くの実施形態および詳細への変更が、上記の記載を精査した際に当業者には明白になるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲並びに特許請求の範囲の権利が及ぶ均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、用語「含む(including)」及び「ここで(in which)」は、それぞれ、「含む(comprising)」及び「ここで(whrein)」の平易な英語の均等物として使用される。さらに、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、単にラベルとして使用され、それらの対象に数の要件を課するように意図されていない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号を生成する工程、
第2の光ポンプソースを有する光学的利得ファイバーを提供する工程、および
少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビームを得るために、前記光学的利得ファイバー内で前記Qスイッチパルスシード信号を増幅する工程
を含んでなる方法。
【請求項2】
筐体を有する輸送手段を提供する工程、
電力を供給する工程、
前記電力を使用し、前記ポンプソースを制御して、前記ポンプソースに電力を供給する工程、および
前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向の一つに前記出力ビームの出力方向を制御する工程をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記Qスイッチパルスレーザーの一時的形状を有する前記シード信号の生成工程は、空洞内で、信号を光学的に振幅変調する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記Qスイッチパルスレーザーの一時的形状を有する前記シード信号の生成工程は、一方向リング空洞内で、信号を光学的に振幅変調する工程を含み、当該工程が、6cm3未満の容積を有する単一パッケージ内で実施される請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記Qスイッチパルスレーザーの一時的形状を有する前記シード信号の生成工程は、50ナノ秒未満の全幅半値(FWHM)持続時間を有する光パルスを生成する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記Qスイッチパルスレーザーのシード信号の増幅工程が、少なくとも4ミリジュール(mJ)の電力で出力ビームパルスを出力する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記シード信号が、SBS問題を低減するために、少なくとも1テラヘルツの輝線幅を有する請求項1記載の方法。
【請求項8】
Qスイッチパルスレーザーのシード信号を出力するように構成された第1のポンプソースを有するQスイッチシードレーザーと、
第2の光学的ポンプソースを有する光学的利得ファイバーと
を備えた装置であって、
前記光学的利得ファイバーに前記Qスイッチシードレーザーからの光を受信するように動作可能に結合され、
前記光学的利得ファイバーが、少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビームを得るために前記光学的利得ファイバーにおいて前記Qスイッチパルスレーザーのシード信号を増幅するように動作可能に構成されてなる
ことを特徴とする装置。
【請求項9】
筺体を有する輸送手段と、
前記輸送手段に取り付けられた電源と、
前記電源から電力を受け取るように動作可能に結合され、前記第1のポンプソースに動作可能に結合されたレーザー制御器と、
前記光学的利得ファイバーからの出力ビームを受け取るように動作可能に結合され、前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つに前記出力ビームを向けるように動作可能であるビーム方向制御器
とを、さらに備えてなる請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記Qスイッチシードレーザーが、一方向リング空洞内で信号を振幅変調するように動作可能に構成された光学的振幅変調素子を含む請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記Qスイッチシードレーザーが、6cm3未満の容積を有する単一のパッケージ内で実施される請求項8記載の装置。
【請求項12】
前記Qスイッチシードレーザーが50ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する光パルスを生成する請求項8記載の装置。
【請求項13】
前記出力ビームパルスが少なくとも4ミリジュールの電力を有する請求項8記載の装置。
【請求項14】
SBS問題を低減するために、前記シード信号が少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を有する請求項11記載の装置。
【請求項15】
一時的な形状を有するQシード信号パルスを出力するように構成された光源を有する装置であり、前記一時的な形状が、前記Qシード信号パルスの少なくとも前縁について、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致し、
前記装置が、さらに、
第1のポンプソースを有し、かつ前記パルスQシードソースに動作可能に結合された光学的利得ファイバーを備え、
前記光学的利得ファイバーが、少なくとも1ミリジュール(1mJ)のエネルギーを有する出力ビームを得るために、前記光学的利得ファイバー内で前記Qシード信号パルスを増幅するように構成されてなる
ことを特徴とする装置。
【請求項16】
筐体を有する輸送手段、
前記輸送手段に取り付けられた電源、
前記電源から電力を受け取るように動作可能に結合され、前記第1のポンプソースに動力を供給し、かつ前記第1のポンプソースに動力を供給し、制御するように動作可能に結合されたレーザー制御器、および
前記光学的利得ファイバーからの前記出力ビームを受け取るように動作可能に結合され、前記輸送手段に対する複数の異なる方向の1つに前記出力ビームを向けるように動作可能であるビーム方向制御器
をさらに備える請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記パルスシードソースが電気的パルスによって駆動される半導体ダイオードレーザーを含み、当該電気的パルスが半導体ダイオードレーザーにQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有するパルスを放射させる請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記パルスシードソースが半導体ダイオードレーザーを含み、当該半導体レーザーダイオードが電気的パルスによって駆動される電気−光学変調素子(EOM)を介して結合される連続波(CW)レーザー信号を出力し、前記電気的パルスが前記気−光学変調素子に前記CWレーザー信号から振幅変調されたパルスを放射させ、当該振幅変調されたパルスがQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する請求項15記載の装置。
【請求項19】
前記パルスシードソースが半導体ダイオードレーザーダイオードを含み、当該半導体レーザーが電気的パルスによって駆動される音響−光学変調器(AOM)を介して結合される連続波(CW)レーザー信号を出力し、前記電気的パルスが前記音響−光学変調器に前記CWレーザー信号から振幅変調されたパルスを放射させ、当該振幅変調されたパルスがQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する請求項15記載の装置。
【請求項20】
前記シード信号がSBS問題を低減するために、少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を有する請求項15記載の装置。
【請求項21】
前記パルスQシードソースがQスイッチレーザーを含み、当該Qスイッチレーザーがレイジング空洞内の利得媒体と、光学的ポンプソースと、前記空洞内のQスイッチとして1xNの電気的に制御された光スイッチとを含み、前記光スイッチが光学的ポンプソースから前記利得媒体への光を光学的に結合し、同時に前記空洞内での信号レイジングを阻止する第1の状態と、前記空洞内で信号レイジングを許す第2の状態を含む請求項15記載の装置。
【請求項22】
レイジング空洞内の利得媒体と、光学的ポンプソースと、前記空洞内のQスイッチとして1xNの電気的に制御された光スイッチとを含み、前記光スイッチが光学的ポンプソースから前記利得媒体への光を光学的に結合し、同時に前記空洞内での信号レイジングを阻止する第1の状態と、前記空洞内で信号レイジングを許す第2の状態を含む複数の状態を有するQスイッチレーザーを備える装置。
【請求項23】
前記1xNの光スイッチが、1x2の電気的に制御された光スイッチである請求項22記載の装置。
【請求項24】
前記1xNの光スイッチが、1x3の電気的に制御された光スイッチである請求項22記載の装置。
【請求項25】
第2の光学的ポンプソースを有する光学的利得ファイバーと、
Qスイッチパルスレーザーの一時的形状を有するシード信号を生成する手段と、
少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビームを得るために、前記光学的利得ファイバーにおける前記Qスイッチパルスレーザーシード信号を増幅する手段
を備える装置。
【請求項26】
筐体を有する輸送手段と、
前記ポンプソースを制御し、前記ポンプソースに動力を供給する手段と、
前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向の1つに前記出力ビームの出力方向を制御する手段
をさらに備える請求項25記載の装置。
【請求項27】
前記シード信号を生成する手段が、一方向リング空洞内で信号を光学的に振幅変調する手段を含む請求項25記載の装置。
【請求項28】
前記シード信号を生成する手段が空洞内で信号を光学的に振幅変調する手段を含み、当該手段が、6cm3未満の体積を有する単一のパッケージ内で実施される請求項25記載の装置。
【請求項29】
前記シード信号を生成する手段が光学パルスを生成する手段を含み、当該手段が、50ナノ秒未満の全幅半値(FWHM)の持続時間を有する請求項25記載の装置。
【請求項30】
前記Qスイッチパルスレーザー信号を増幅する手段が、少なくとも4mJの電力をもつ出力ビームパルスを出力する手段を有する請求項25記載の装置。
【請求項31】
前記シード信号を生成する手段が、SBS問題を低減するために、少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅をもつシード信号を生成する請求項25記載の装置。
【請求項1】
Qスイッチパルスレーザーの一時的な形状を有するシード信号を生成する工程、
第2の光ポンプソースを有する光学的利得ファイバーを提供する工程、および
少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビームを得るために、前記光学的利得ファイバー内で前記Qスイッチパルスシード信号を増幅する工程
を含んでなる方法。
【請求項2】
筐体を有する輸送手段を提供する工程、
電力を供給する工程、
前記電力を使用し、前記ポンプソースを制御して、前記ポンプソースに電力を供給する工程、および
前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向の一つに前記出力ビームの出力方向を制御する工程をさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記Qスイッチパルスレーザーの一時的形状を有する前記シード信号の生成工程は、空洞内で、信号を光学的に振幅変調する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記Qスイッチパルスレーザーの一時的形状を有する前記シード信号の生成工程は、一方向リング空洞内で、信号を光学的に振幅変調する工程を含み、当該工程が、6cm3未満の容積を有する単一パッケージ内で実施される請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記Qスイッチパルスレーザーの一時的形状を有する前記シード信号の生成工程は、50ナノ秒未満の全幅半値(FWHM)持続時間を有する光パルスを生成する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記Qスイッチパルスレーザーのシード信号の増幅工程が、少なくとも4ミリジュール(mJ)の電力で出力ビームパルスを出力する工程を含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記シード信号が、SBS問題を低減するために、少なくとも1テラヘルツの輝線幅を有する請求項1記載の方法。
【請求項8】
Qスイッチパルスレーザーのシード信号を出力するように構成された第1のポンプソースを有するQスイッチシードレーザーと、
第2の光学的ポンプソースを有する光学的利得ファイバーと
を備えた装置であって、
前記光学的利得ファイバーに前記Qスイッチシードレーザーからの光を受信するように動作可能に結合され、
前記光学的利得ファイバーが、少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビームを得るために前記光学的利得ファイバーにおいて前記Qスイッチパルスレーザーのシード信号を増幅するように動作可能に構成されてなる
ことを特徴とする装置。
【請求項9】
筺体を有する輸送手段と、
前記輸送手段に取り付けられた電源と、
前記電源から電力を受け取るように動作可能に結合され、前記第1のポンプソースに動作可能に結合されたレーザー制御器と、
前記光学的利得ファイバーからの出力ビームを受け取るように動作可能に結合され、前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向のうちの1つに前記出力ビームを向けるように動作可能であるビーム方向制御器
とを、さらに備えてなる請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記Qスイッチシードレーザーが、一方向リング空洞内で信号を振幅変調するように動作可能に構成された光学的振幅変調素子を含む請求項8記載の装置。
【請求項11】
前記Qスイッチシードレーザーが、6cm3未満の容積を有する単一のパッケージ内で実施される請求項8記載の装置。
【請求項12】
前記Qスイッチシードレーザーが50ナノ秒未満のFWHM持続時間を有する光パルスを生成する請求項8記載の装置。
【請求項13】
前記出力ビームパルスが少なくとも4ミリジュールの電力を有する請求項8記載の装置。
【請求項14】
SBS問題を低減するために、前記シード信号が少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を有する請求項11記載の装置。
【請求項15】
一時的な形状を有するQシード信号パルスを出力するように構成された光源を有する装置であり、前記一時的な形状が、前記Qシード信号パルスの少なくとも前縁について、Qスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的な形状と実質的に一致し、
前記装置が、さらに、
第1のポンプソースを有し、かつ前記パルスQシードソースに動作可能に結合された光学的利得ファイバーを備え、
前記光学的利得ファイバーが、少なくとも1ミリジュール(1mJ)のエネルギーを有する出力ビームを得るために、前記光学的利得ファイバー内で前記Qシード信号パルスを増幅するように構成されてなる
ことを特徴とする装置。
【請求項16】
筐体を有する輸送手段、
前記輸送手段に取り付けられた電源、
前記電源から電力を受け取るように動作可能に結合され、前記第1のポンプソースに動力を供給し、かつ前記第1のポンプソースに動力を供給し、制御するように動作可能に結合されたレーザー制御器、および
前記光学的利得ファイバーからの前記出力ビームを受け取るように動作可能に結合され、前記輸送手段に対する複数の異なる方向の1つに前記出力ビームを向けるように動作可能であるビーム方向制御器
をさらに備える請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記パルスシードソースが電気的パルスによって駆動される半導体ダイオードレーザーを含み、当該電気的パルスが半導体ダイオードレーザーにQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有するパルスを放射させる請求項15記載の装置。
【請求項18】
前記パルスシードソースが半導体ダイオードレーザーを含み、当該半導体レーザーダイオードが電気的パルスによって駆動される電気−光学変調素子(EOM)を介して結合される連続波(CW)レーザー信号を出力し、前記電気的パルスが前記気−光学変調素子に前記CWレーザー信号から振幅変調されたパルスを放射させ、当該振幅変調されたパルスがQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する請求項15記載の装置。
【請求項19】
前記パルスシードソースが半導体ダイオードレーザーダイオードを含み、当該半導体レーザーが電気的パルスによって駆動される音響−光学変調器(AOM)を介して結合される連続波(CW)レーザー信号を出力し、前記電気的パルスが前記音響−光学変調器に前記CWレーザー信号から振幅変調されたパルスを放射させ、当該振幅変調されたパルスがQスイッチ・レーザーパルスの前縁の一時的形状と実質的に一致するシードパルスの前縁を有する請求項15記載の装置。
【請求項20】
前記シード信号がSBS問題を低減するために、少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅を有する請求項15記載の装置。
【請求項21】
前記パルスQシードソースがQスイッチレーザーを含み、当該Qスイッチレーザーがレイジング空洞内の利得媒体と、光学的ポンプソースと、前記空洞内のQスイッチとして1xNの電気的に制御された光スイッチとを含み、前記光スイッチが光学的ポンプソースから前記利得媒体への光を光学的に結合し、同時に前記空洞内での信号レイジングを阻止する第1の状態と、前記空洞内で信号レイジングを許す第2の状態を含む請求項15記載の装置。
【請求項22】
レイジング空洞内の利得媒体と、光学的ポンプソースと、前記空洞内のQスイッチとして1xNの電気的に制御された光スイッチとを含み、前記光スイッチが光学的ポンプソースから前記利得媒体への光を光学的に結合し、同時に前記空洞内での信号レイジングを阻止する第1の状態と、前記空洞内で信号レイジングを許す第2の状態を含む複数の状態を有するQスイッチレーザーを備える装置。
【請求項23】
前記1xNの光スイッチが、1x2の電気的に制御された光スイッチである請求項22記載の装置。
【請求項24】
前記1xNの光スイッチが、1x3の電気的に制御された光スイッチである請求項22記載の装置。
【請求項25】
第2の光学的ポンプソースを有する光学的利得ファイバーと、
Qスイッチパルスレーザーの一時的形状を有するシード信号を生成する手段と、
少なくとも1ミリジュール(1mJ)の電力を有する出力ビームを得るために、前記光学的利得ファイバーにおける前記Qスイッチパルスレーザーシード信号を増幅する手段
を備える装置。
【請求項26】
筐体を有する輸送手段と、
前記ポンプソースを制御し、前記ポンプソースに動力を供給する手段と、
前記輸送手段に対する複数の異なる可能な方向の1つに前記出力ビームの出力方向を制御する手段
をさらに備える請求項25記載の装置。
【請求項27】
前記シード信号を生成する手段が、一方向リング空洞内で信号を光学的に振幅変調する手段を含む請求項25記載の装置。
【請求項28】
前記シード信号を生成する手段が空洞内で信号を光学的に振幅変調する手段を含み、当該手段が、6cm3未満の体積を有する単一のパッケージ内で実施される請求項25記載の装置。
【請求項29】
前記シード信号を生成する手段が光学パルスを生成する手段を含み、当該手段が、50ナノ秒未満の全幅半値(FWHM)の持続時間を有する請求項25記載の装置。
【請求項30】
前記Qスイッチパルスレーザー信号を増幅する手段が、少なくとも4mJの電力をもつ出力ビームパルスを出力する手段を有する請求項25記載の装置。
【請求項31】
前記シード信号を生成する手段が、SBS問題を低減するために、少なくとも1テラヘルツ(THz)の輝線幅をもつシード信号を生成する請求項25記載の装置。
【図1D1】
【図1E1】
【図1F1】
【図1G1】
【図5B】
【図5C】
【図1A】
【図1B1】
【図1B2】
【図1B3】
【図1B4】
【図1B5】
【図1C1】
【図1C2】
【図1D2】
【図1E2】
【図1E3】
【図1F2】
【図1F3】
【図1G2】
【図1G3】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図1E1】
【図1F1】
【図1G1】
【図5B】
【図5C】
【図1A】
【図1B1】
【図1B2】
【図1B3】
【図1B4】
【図1B5】
【図1C1】
【図1C2】
【図1D2】
【図1E2】
【図1E3】
【図1F2】
【図1F3】
【図1G2】
【図1G3】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【公表番号】特表2013−511851(P2013−511851A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540140(P2012−540140)
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/057696
【国際公開番号】WO2011/068712
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(596134851)ロッキード・マーチン・コーポレーション (30)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月23日(2010.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/057696
【国際公開番号】WO2011/068712
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(596134851)ロッキード・マーチン・コーポレーション (30)
【Fターム(参考)】
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