説明

Myo−2ペプチド重合体及びミオスタチン融合蛋白質の表面発現ベクター、及びそのベクターによって形質転換された微生物

本発明はミオスタチン由来抗原性ペプチドのMyo−2の重合体とミオスタチン成熟蛋白質が融合した融合蛋白質、前記融合蛋白質の表面発現ベクター、前記ベクターで形質転換された微生物、及び前記微生物を有効性分として含有する飼料添加剤または医薬組成物に関する。本発明による飼料添加剤または医薬組成物は家畜と家禽類などの筋肉発達及び調節のために活用できるだけでなく、筋ジストロフィー、筋萎縮症のようなヒトの筋消耗性疾患及び退行性疾患の予防及び治療用で使用可能で、形質転換菌株は、培養して菌体のまま使用しても効果を現わすため、非常に経済的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミオスタチン由来抗原性ペプチドであるMyo−2の重合体とミオスタチン成熟蛋白質が融合した融合蛋白質、前記融合蛋白質の表面発現ベクター、前記ベクターによって形質転換された微生物、及び前記微生物を有効性分として含有する飼料添加剤または医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
骨格筋の成長を選択的に負に制御(negative-regulation)する調節因子としてミオスタチン[myostatin、またはGDF−8(Growth and Differentioation Factor-8)という]が1997年発見された(McPherron et al., Nature, 387:83, 1997)。過去190年の間、筋肉質量が高くてやわらかい肉で、品質が良い牛の品種であるベルギーブルー(Belgian Blue)とピエモンテ(Piedmontese)の筋肉発達の原因がミオスタチンをコードする遺伝子配列上の突然変異に起因して(MaPherron and Lee, PNAS 94:12457, 1997)、このような「筋肉肥大(double muscling)」現象を示す種の動物は普通動物より20〜25%増加した平均筋肉質量を有する。
【0003】
実験的にミオスタチンがノックアウト(knockout)されたマウスも骨格筋量が増加し、ミオスタチン陰性マウスから分離した筋肉はワイルドマウスの筋肉より約2〜3倍の重さを示した。ノックアウトマウスはワイルドマウスより約35%高い総体重を有し、ミオスタチン遺伝子が欠乏したマウスは正常マウスと比べて、80%以上の筋繊維を有すると報告されており、このようなノックアウトマウスにおいて観察された多量の骨格筋増大は筋繊維の数の増加だけでなく顕著な筋繊維の肥大に起因する。
【0004】
前記のように骨格筋の成長を選択的に負に制御(negative regulator)する調節因子であるミオスタチンはTGF−αスーパーファミリーに属し、375個のアミノ酸前駆体で構成されており、約109個のアミノ酸残基のC−末端断片はマウス、ラット、ヒト、豚、ニワトリ及び七面鳥において100%同一であり、サル、牛、羊においてはC−末端領域おいて3つのアミノ酸残基だけが異なる。このようなC−末端領域はミオスタチンの生理的な活性部分を含むと予測される。ミオスタチンは進化過程において多様な種に対し高い保存率を示しており、これはミオスタチンが筋肉の生物学的調節過程において必須要素であることを示唆する(McPherron and Lee, PNAS, 94:12457, 1997)。
【0005】
ミオスタチンは骨格筋に限定して発現され、脂肪組織においては低いレベルで発現する。ミオスタチンは骨格筋の成長に対する特異的な負の調節因子として機能すると見られるが、成人個体におけるミオスタチンの生理的な役割は知られていない。ミオスタチンの生理的な役割に対する研究は、筋肉損傷後に誘発される実際の肥大または再生上の重要な機能に集中しているが、脂肪組織の成長を抑制することも知られている。また、ミオスタチンが動物の発育において局所的または全身的に働くのかについては未だに知られていない。
【0006】
一方、骨格筋の負の調節の役割を発揮するミオスタチン遺伝子を不活性化又はミオスタチン蛋白質の作用を抑制する研究が行われている。筋ジストロフィーまたは筋萎縮症のような筋消耗性疾患又はAIDS、癌などによる筋消失などの疾病治療に適用するための研究、良い肉質の家畜を生産するための飼料添加剤として開発しようとする研究、及び脂肪蓄積を阻害して、肥満治療に使用するための研究などが進められている。
【0007】
ミオスタチンの作用を抑制させて、筋肉成長を誘導する方法としては、代表的に二つの研究が進められている。一つ目は、ミオスタチンの活性を妨害して、その機能を抑制する多くの蛋白質(フォリスタチン(follistatin)、変異アクチビンタイプII受容体(mutant activin typeII receptor)、ミオスタチンペプチドなど)の発見及び利用が挙げられる。二つ目は、ミオスタチンポリペプチド、その部分配列(subsequence)及び突然変異部分配列を利用した動物の免疫化によってミオスタチンポリペプチドに対抗する抗体の生産である。
【0008】
脊椎動物におけるミオスタチン免疫原に対する抗体の産生は、脊椎動物内において内因性ミオスタチン活性を減少させて、体重の増加、筋肉の増加、筋細胞数の増加、筋細胞サイズの増加、体脂肪量の減少、筋肉強度の増加などの生物学的効果を示すことができる。しかし、筋繊維の数と種類は胚芽期に決定されるため、成長した飼育用動物においてミオスタチン活性減少によって筋繊維の数を増加させることはないはずである。これは肉の品質、品種の特性、及び脂肪比に否定的な影響を与えられるが、ミオスタチンの活性が減少した動物における筋肉肥大によって得られる成長率及び体重増加は、牛、豚、及び家禽類から肉を生産するに当たり有用な方法を提供する。
【0009】
しかし、前記のようなアプローチ法は現在までミオスタチンポリペプチドまたはその部分配列を人工的に合成したり、大腸菌で発現させて精製し、これを適用しようとする研究がほとんどであり、実際に産業への適用は経済的な観点から困難であるのが実情である。
【0010】
畜産産業において、飼料効率の促進によって動物の成長率を増加させるための、多様な飼育方法が開発及び改善されつつある。その中で、医学的なアプローチとしては、抗生物質または抗生物質類似化合物を飼育動物に投与したり、成長ホルモンのようなホルモンを投与するアプローチ法がある。しかし、このような抗生物質及び抗生物質類似化合物を飼育動物に投与するのはヒトの抗生作用に対する交差耐性を誘発する問題を引き起こすため、法的に禁止される傾向にある。また、飼育動物に成長ホルモンを利用する場合、費用が高く、成長ホルモンの短い半減期のため短期間で処置を繰り返す必要があり、処理された動物から得られた肉に残留する成長ホルモンが消費者の健康に問題を引き起こす恐れがある。このような医学的なアプローチの困難さにより、動物の成長率を増加させるための代案として、飼料効率の増大による飼育プログラムが持続的に開発されている。
【0011】
微生物の細胞表面に望む蛋白質を付着して発現させる技術を細胞表面発現(cell surface display)技術という。細胞表面発現技術はバクテリアや酵母など微生物の表面蛋白質を表面発現母体(surface anchoring motif)として使用して、外来蛋白質を表面に発現させる技術であり、組換え体ワクチンの生産、ペプチド/抗体ライブラリー作製及びスクリーニング、全細胞吸着剤(whole cell absorbent)、全細胞生物転換触媒など多様な応用範囲を有する技術であり、どのような蛋白質を細胞表面に発現させるのかによりその応用範囲が決定され、従って、細胞表面発現技術を利用した産業的応用潜在力は相当なものがあると言える。
【0012】
細胞表面発現技術の成功のためには、表面発現母体が最も重要である。言い換えると、この技術の核心は外来蛋白質を効果的に細胞表面に発現させられる母体の選定または開発にある。従って、表面発現母体は外来蛋白質を細胞表面まで送るために細胞内膜を通過できるように助ける分泌信号がまず必要であり、二つ目は、細胞外膜表面に安定的に外来蛋白質が付着できるように助ける標的信号が必要であり、三つ目は、細胞表面に多量発現するが細胞の成長にほとんど影響を及ぼさず、四つ目は、外来蛋白質の3次元構造の変化の原因となることなく、蛋白質のサイズに係わらず安定的に発現されなければならない。しかし、前記条件を全て満足させる表面発現母体は未だに開発されていない状態である。
【0013】
今まで使用された周知の表面発現母体としては、細胞外膜蛋白質、脂質蛋白質(lipoprotein)、分泌蛋白質(secretory protein)、鞭毛蛋白質のような表面蛋白質など大きく4種類ある。グラム陰性菌(Gram negative bacteria)の場合、LamB、PhoE(Charbit et al., J. Immunol., 139:1658, 1987; Agterberg et al., Vaccine, 8:85, 1990)、及びOmpAなどの細胞外膜に存在する蛋白質を主に利用されてきた。更に、脂質蛋白質であるTraT(Felici et al., J. Mol. Biol., 222:301, 1991)、PAL(peptidoglycan associated lipoprotein, Fuchs et al., Bio/Technology, 9:1369, 1991)、そしてLpp(Francisco et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 489:2713, 1992)が利用されていた。FimA、1型(type 1)線毛(fimbriae)のFimHアドへシン(adhesin)などの線毛蛋白質(Hedegaard et al., Gene, 85:115, 1989)、PapAピル(pilu)サブユニットなどのピリ(pili)蛋白質などを細胞表面発現母体として利用して、外来蛋白質の発現が試みられて来た。その他にも氷核蛋白質(Jung et al., Nat. Biotech nol., 16:576, 1998; Jung et al., Enzyme Microb. Technol., 22:348, 1998; Leeet al., Nat. Biotechnol., 18:645, 2000)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)のプルラナーセ(Kornacker et al., Mol. Microl., 4:1101, 1990)、ナイセリア(Neisseria)のIgAプロテアーセ゛(Klauser et al., EMBO J., 9:1991, 1990)、大腸菌のアドヘシン(adhesion)であるAIDA−1、シゲラ(shigella)のVirG蛋白質、LppとOmpAの融合(fusion)蛋白質などを表面発現母体として使用できるとの報告がある。
【0014】
グラム陽性菌(Gram positive bacteria)を利用する場合には、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来のプロテインA及びFnBPB蛋白質を表面発現母体として使用してマラリア抗原を効果的に発現させたとの報告があり、また、乳酸バクテリアの表面コート(coat)蛋白質を利用して、表面発現に利用したという報告、並びに化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogene)由来のM6蛋白質(Medaglini, D et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 92:6868, 1995)、炭疽菌(Bacillus anthracis)のS−layer protein EA1、枯草菌(Bacillus subtilis)CotBなどグラム陽性菌の表面蛋白質を母体として利用したという報告がある。
【0015】
一方、本発明者はバシラス属菌株由来のポリ−γ−グルタミン酸の合成複合体遺伝子(pgsBCA)を新しい表面発現母体として活用して、外来蛋白質を微生物の表面に効果的に発現させる新しいベクターと、前記ベクターで形質転換された微生物の表面に外来蛋白質を多量発現させる方法を開発した(韓国登録特許第469800号)。
【0016】
前記で紹介された表面発現母体を利用して、病原体の抗原または抗原決定基を遺伝工学的手法を利用して、大量生産が可能な細菌において安定的に発現させようとする研究が試みられた。特に非病原性の細菌表面に外来免疫原を発現させて生きている状態で経口投与する場合、従来の弱毒化された病原性細菌やウイルスを利用したワクチンよりさらに持続的かつ強い免疫反応を誘導することができることが報告された。このような免疫反応誘導は生きている状態の菌に対する体内の免疫反応によるもので、細菌の表面構造物が表面発現した外来蛋白質の抗原性(antigenicity)を増加させる補助剤(adjuvant)として作用するためであると知られている。このような表面発現システムを利用した非病原性細菌の組換え生ワクチンの開発は注目に値する。
【0017】
そこで、本発明者はミオスタチンに対する高い抗原性を示し得るミオスタチン融合蛋白質を細菌表面に効果的に発現させられる方法を開発しようと鋭意努力した結果、バシラス属菌株由来のポリ−γ−グルタミン酸の合成複合体遺伝子(pgsBCA)を表面発現母体として活用してMyo−2ペプチド重合体とミオスタチンの融合蛋白質を乳酸菌に発現させる場合、前記融合蛋白質が効果的に表面発現され、前記融合蛋白質が表面発現された乳酸菌を動物への経口投与する場合、血中抗体産生が増加し、体重及び筋肉量が増加することを確認して本発明の完成に至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】韓国登録特許第469800号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、ミオスタチン由来Myo−2ペプチド及び前記Myo−2ペプチドの重合体を提供することである。
【0020】
本発明の他の目的は前記Myo−2ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質が融合した融合蛋白質を提供することである。
【0021】
本発明のさらに他の目的は、前記融合蛋白質をコードしている遺伝子を含む表面発現用ベクター及び前記ベクターで形質転換された微生物を提供することである。
【0022】
本発明のさらに他の目的は前記融合蛋白質が表面発現された微生物の製造方法を提供することである。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、前記融合蛋白質または前記融合蛋白質が表面発現された微生物を含有する飼料添加剤を提供することである。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、前記融合蛋白質または前記融合蛋白質が表面発現された微生物を含有する医薬組成物を提供することである。
【課題を達成するための手段】
【0025】
前記目的を達成するために、本発明は配列番号1のアミノ酸配列を有するミオスタチン由来Myo−2ペプチド及び前記Myo−2ペプチドが2〜8個重合されているMyo−2ペプチド重合体を提供する。
【0026】
さらに本発明は、前記Myo−2ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質が融合した融合蛋白質を提供する。
【0027】
さらに本発明は、前記ポリ−γ−グルタミン酸合成酵素複合体をコードする遺伝子pgsB、pgsC及びpgsAで構成された群から選択される何れか一つ以上と、前記Myo−2ペプチド重合体をコードする塩基配列及びミオスタチン成熟蛋白質をコードする遺伝子が作動可能に連結している細胞表面発現ベクター及び前記発現ベクターで形質転換された組換え微生物を提供する。
【0028】
さらに本発明は、(a)前記形質転換された微生物を培養して、ミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質を微生物表面に発現するステップ;及び(b)前記ミオスタチン成熟蛋白質が表面発現された微生物を回収するステップを含むミオスタチン由来ペプチド(Myo−2)重合体に融合したミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を製造する方法を提供する。
【0029】
さらに本発明は、前記融合蛋白質が表面発現された微生物を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用飼料添加剤を提供する。
【0030】
さらに本発明は、前記融合蛋白質が表面発現された微生物を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用組成物を提供する。
【0031】
さらに本発明は、前記融合蛋白質が表面発現された微生物を有効性分として含有する筋消耗性疾患または退行性疾患の予防または治療用医薬組成物を提供する。
【0032】
さらに本発明は、前記融合蛋白質を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用飼料添加剤を提供する。
【0033】
さらに本発明は、前記融合蛋白質を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用組成物を提供する。
【0034】
さらに本発明は、前記融合蛋白質を有効性分として含有する筋消耗性疾患、または退行性疾患の予防または治療用医薬組成物を提供する。
【0035】
さらに本発明は、前記飼料添加剤または医薬組成物を動物に投与することを特徴とする動物の筋細胞の数または筋細胞のサイズを増加させる方法を提供する。
【0036】
本発明の他の特徴及び具現例は次の詳細な説明及び添付された特許請求範囲からより一層明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるニワトリのミオスタチン成熟蛋白質の予測3次構造と抗原性ペプチド部位(Myo−1、Myo−2)を示す。
【図2】本発明によるニワトリのミオスタチン成熟蛋白質と抗原性ペプチドを使用して、免疫されたブロイラ種鶏の卵から孵化した雛の体重増加率を示す。
【図3】本発明によるMyo−2ペプチド重合体構築のための単位体の構造を示す。
【図4a】本発明によるニワトリのミオスタチンの抗原性ペプチド重合体(4xMyo−2)とミオスタチン成熟蛋白質の融合体を発現する表面発現ベクターのpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomの遺伝子地図を示し、
【図4b】ニワトリのミオスタチン成熟蛋白質を発現する表面発現ベクターのpHCE2LB:pgsA−CMyomの遺伝子地図を示す。
【図5】本発明によるpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomとpHCE2LB:pgsA−CMyomで形質転換された乳酸菌を培養して、取得された細胞をpgsAに対する特異抗体でウェスタンブロット解析結果を示す。
【図6a】本発明によるpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomとpHCE2LB:pgsA−CMyomで形質転換された乳酸菌を経口投与したマウスの血清内で4xMyo−2−CMyom抗原に対するIgG抗体価をELISA(Enzyme-linked Immunosorbent assay)方法で測定した結果を示し、
【図6b】経口投与したマウスにおける体重変化を測定した結果を示す(AはpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomで形質転換された乳酸菌投与群であり、BはpHCE2LB:pgsA−CMyomで形質転換された乳酸菌投与群であり、Cは対照群で一般乳酸菌投与群である)。
【図7】本発明によるpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomとpHCE2LB:pgsA−CMyomで形質転換された乳酸菌を経口投与したマウスの血清内に存在する抗体の筋細胞での信号伝達阻害効果を示す(A:4xMyo−2−CMyom融合蛋白質を表面発現する乳酸菌投与群、B:CMyom蛋白質を表面発現する乳酸菌投与群、C:一般乳酸菌投与群)。
【図8】本発明によるpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomで形質転換されて、4xMyo−2−CMyomを表面発現する乳酸菌を飼料と共に経口投与した雛の血清内においてニワトリミオスタチン成熟(mature)抗原に対するIgG抗体価をELISA方法で測定した結果を示す。
【図9a】本発明によるpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomで形質転換されて、4xMyo−2−CMyomを表面発現する乳酸菌を飼料と共に経口投与した雛の体重変化を測定した結果で、
【図9b】実験終了(6週)時雛体重の平均を比較して示す。
【図10】本発明によるpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomで形質転換されて、4xMyo−2−CMyomを表面発現する乳酸菌を飼料と共に経口投与した雛における飼料効率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は一側面において、配列番号1のアミノ酸配列を有するミオスタチン由来Myo−2ペプチド、前記Myo−2ペプチドが2〜8個重合されているMyo−2ペプチド重合体、及び前記Myo−2ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質が融合した融合蛋白質に関する。
【0039】
本発明においてはミオスタチン成熟蛋白質の予測3次構造を基にmyo−2ペプチドを選定し、前記myo−2ペプチドをブロイラ種鶏に投与して、前記ブロイラ種鶏が産卵した卵から孵化した雛が高い増体量を示すことを確認した。
【0040】
本発明によるミオスタチン由来Myo−2ペプチドは生体内のミオスタチン蛋白質に対して抗原性を示し、Myo−2で免疫された個体に対して体重増加効果を示し、前記Myo−2ペプチド重合体はMyo−2ペプチドのミオスタチンに対する抗原性を増加させるために、2〜8個のMyo−2ペプチドを重合させたものであり、前記Myo−2ペプチド重合体をミオスタチン成熟蛋白質と融合させた融合蛋白質はミオスタチンに対して非常に高い抗原性を示して、筋肉の増体量を増加させる。
【0041】
本発明によるMyo−2ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質が融合した融合蛋白質を微生物に表面発現された形態で取得するために、本発明においては前記Myo−2ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質が融合した融合蛋白質及びポリ−γ−グルタミン酸合成酵素複合体を融合させた融合蛋白質を作製した。
【0042】
本発明において前記ポリ−γ−グルタミン酸合成酵素複合体はpgsB、pgsC及びpgsA遺伝子によってコーディングされる細胞外膜蛋白質であり、アミノ酸1次配列構造及びその特性により、外来蛋白質を細胞表面に発現させる表面発現母体としての多くの長所を有する。第1にポリ−γ−グルタミン酸の合成及び細胞外への分泌のために細胞表面に多量に発現可能であり、第2に、発現したポリ−γ−グルタミン酸の合成に係わる細胞外膜蛋白質は細胞周期上休止期においても安定的に維持され、第3に、構造的に特にpgsAの場合、細胞表面に突出しており、第4にポリ−γ−グルタミン酸の合成に係わる細胞外膜蛋白質(pgsBCA)は、その起原が、グラム陽性細菌の表面に多様なグラム陽性細菌だけでなくグラム陰性細菌の表面において安定的に発現することができる長所がある。
【0043】
本発明において前記ポリ−γ−グルタミン酸合成酵素複合体をコードする遺伝子(pgsB、pgsC及びpgsA)を含有する細胞表面発現ベクターとして、ポリ−γ−グルタミン酸を生産する全てのバシラス属菌株からpgsBCAを取得することによって製造された細胞表面ベクターを使用でき、望ましくは枯草菌チョングッチャン(Bacillus subtilis var. chungkookjang,KCTC 0697BP)由来のポリ−γ−グルタミン酸合成に係わる細胞外膜蛋白質の遺伝子を含有する細胞表面発現ベクターを使用できるが、これに限定されるのではない。例えば、枯草菌チョングッチャンに存在するpgsBCA遺伝子の塩基配列と80%以上の相同性を有する他菌株由来のpgsBCA遺伝子を使用して製造された発現ベクターを利用することも本発明の範囲に含まれる。
【0044】
本発明は他の側面において、ポリ−γ−グルタミン酸合成酵素複合体をコードする遺伝子pgsB、pgsC及びpgsAで構成された群から選択されるいずれか一つ以上と、前記Myo−2ペプチド重合体をコードする塩基配列及びミオスタチン成熟蛋白質をコードする遺伝子が作動可能に連結している細胞表面発現ベクター及び前記細胞表面発現ベクターで形質転換された組換え微生物に関する。
【0045】
本発明において、前記ミオスタチンは哺乳動物または鳥類(家禽類)由来であることを特徴とし、前記組換え微生物は、大腸菌、サルモネラチフィ、サルモネラチフィリウム、ビブリオコレラ、マイコバクテリウムボビス、シゲラ、バシラス、乳酸菌、ブドウ球菌、コリネバクテリア、リステリアモノサイトゲネス及びレンサ球菌からなる群から選択されたいずれか一つであるのが望ましく、さらに望ましくは前記組換え微生物は乳酸菌である。
【0046】
本発明のミオスタチンは骨格筋の成長を選択的に負に制御(negative-regulation)する調節因子として、TGF−α(transforming growth factor-α)スーパーファミリーに属し、375個のアミノ酸前駆体で構成されており、本発明において、ミオスタチン蛋白質の成熟ドメインは、前記アミノ酸前駆体から分泌シグナルとプロドメインを削除することによって得られ、それはミオスタチンの活性を示す部位である。
【0047】
本発明において、前記ミオスタチンは哺乳動物、鳥類または魚類由来であることを特徴とする。ミオスタチンは進化過程において多様な種に対して高い保存率を示しており、特に、ミオスタチンの約109個のアミノ酸残基のC−末端断片はマウス、ラット、ヒト、豚、ニワトリ及び七面鳥において100%同一であり、サル、牛、羊においてはC−末端領域において三つのアミノ酸残基だけ異なる。このようなC−末端領域はミオスタチンの生理的な活性部分を含むと予測される。
【0048】
さらに本発明は他の側面において、(a)前記形質転換された微生物を培養して、ミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質を微生物表面に発現するステップ;及び(b)前記ミオスタチン成熟蛋白質が表面発現された微生物を回収するステップを含むミオスタチン由来ペプチド(Myo−2)重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を製造する方法に関する。
【0049】
本発明の融合蛋白質は発現ベクターに含まれていたポリ−γ−グルタミン酸合成酵素複合体のpgsB、pgsCまたはpgsAがコードするポリ−γ−グルタミン酸合成酵素蛋白質と融合した形態で発現し、前記融合蛋白質は前記ポリ−γ−グルタミン酸合成酵素蛋白質によって微生物の表面に移動して、位置するようになる。
【0050】
前記融合蛋白質はその機能を失うことなく、微生物の表面に発現するため、微生物に表面発現された状態で使用されることができ、微生物に表面発現されたまま動物に投与されて、動物体内においてミオスタチンに対する免疫反応を誘導することもできる。
【0051】
本発明により、ミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物は、マウスに経口投与した時、前記融合蛋白質に対する抗体を効果的に産生し、融合蛋白質が表面発現されない微生物を投与した対照群と比較して、体重が増加した。また、筋細胞内におけるミオスタチン信号伝達に対して高い阻害効果を示した。
【0052】
さらに、本発明によるミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を投与したブロイラにおいてニワトリミオスタチンに対する高い抗体価を示すと共に、対照群と比べて高い増体量を示した。
【0053】
さらに本発明は他の側面において、前記方法で製造されたミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用飼料添加剤に関する。
【0054】
さらに本発明は他の側面において、前記方法で製造されたミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用組成物に関する。
【0055】
さらに本発明は他の側面において、前記方法で製造されたミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を有効性分として含有する筋消耗性疾患または退行性疾患の予防または治療用医薬組成物に関する。
【0056】
さらに本発明は他の側面において、前記飼料添加剤または組成物を動物に投与することを特徴とする動物の筋細胞の数または筋細胞のサイズを増加させる方法に関する。本発明において、前記投与は経口投与であることを特徴とする。
【0057】
本発明による筋消耗性疾患及び退行性疾患の予防または治療用医薬組成物は人体用の経口ワクチンであり、筋肉に係わる疾病である筋ジストロフィー、及び筋萎縮症などの筋消耗性疾患及び退行性疾患の治療及び予防に利用される。
【0058】
本発明による医薬組成物はヒトを含んだ動物に経口用に投与されてもよく、または食用で摂取してもよく、皮下または腹腔に注射してもよく、また鼻腔投与してもよい。
【0059】
本発明のミオスタチン融合蛋白質を利用したミオスタチンの抗体誘導、及びこれによって、ミオスタチンの活性を減少させる方法は病原性の微生物において交差耐性と係わる問題が発生することなく、他のTGF−αファミリーとミオスタチンの配列同一性はアミノ酸レベルにおいて30〜40%と低いため、生体内において内因性ミオスタチン(GDF−8)に対する抗体の交差反応性に関する問題を引き起こすことはない。
【0060】
また、動物から得られた食肉中に外的に投与された成長ホルモンが残存する可能性はない。その上ベルギーブルー及びピエモンテのような牛の品種は生産に伴う倫理的な問題点(帝王切開によって多くの子牛が生まれて、それ以外の器官はサイズが減少する)を、出生後、成人期の期間までにだけ動物内ミオスタチンを下降調節(負に制御)することによって完全に解消できる。実際に筋肉質量を増加させた動物が出産しなければならない必要はなく、従って屠畜用に育てられたこれら動物に対する処置を留保することができる。
【0061】
本発明において医薬組成物は、各々通常の方法により散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアゾールなどの経口剤形、外用剤、座薬及び滅菌注射溶液の形態で剤形化して使用することができる。組成物に含まれる担体、賦形剤及び希釈剤としてはラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート、及び鉱物油を挙げられる。
【0062】
製剤化する場合には普通使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤、または賦形剤を使用して調剤される。経口投与のための固形製剤には錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は前記組成物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調剤される。また、単なる賦形剤以外にマグネシウムステアレート、タルクのような潤滑剤も使用される。経口のための液状製剤としは懸濁剤、内容液剤、油剤、シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に多様な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれる。非経口投与のための製剤としては滅菌された水溶液、非水生溶剤、懸濁剤、油剤、凍結乾燥製剤、座薬が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としてはプロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなど使用される。坐剤の基剤としてはウィテプソル(witepsol)、マクロゴール、ツイーン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロールゼラチンなどが使用される。
【0063】
本発明の医薬組成物の投与量は患者の状態及び体重、疾病の程度、薬品形態、投与経路及び期間により異なるが、当業者によって適切に選択される。しかし、望ましい効果のために、本発明の医薬組成物は1日10〜500mg/kg、望ましく50〜300mg/kg投与した方が良い。投与は1日1回投与してもよく、数回に分けて投与してもよい。前記投与量はいかなる面においても本発明の範囲を限定するものではない。
【0064】
本発明の組成物はラット、マウス、家畜、ヒトなどの哺乳動物に多様な経路を介して投与される。投与する全ての方式は予想され、例えば、経口、直腸または静脈、筋肉、皮下、子宮内膜または脳血管内注射によって投与され得る。
【実施例】
【0065】
以下本発明を実施例によって、より一層詳細に説明する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されないことは当業界において通常の知識を有する者には自明であろう。
特に、下記実施例においては融合蛋白質に使用されるミオスタチン蛋白質遺伝子として、成熟(mature)型のミオスタチン蛋白質の遺伝子を適用したが、成熟(mature)ミオスタチン蛋白質に対する免疫性を増加させる蛋白質の遺伝子と組み合わせて使用してもよい。
【0066】
また、下記実施例においては枯草菌チョングッチャン(Bacillus subtilis var. chungkookjang,KCTC 0697BP)からポリ−γ−グルタミン酸合成に係わる細胞外膜蛋白質の遺伝子中pgsBCAを取得して利用したが、ポリ−γ−グルタミン酸を生産する全てのバシラス属菌株から取得したpgsBCA遺伝子で作製されたベクター、またはこのベクターを利用した形質転換された微生物なども本発明の範囲に含まれると言える。例えば、枯草菌チョングッチャンに存在するpgsBCA遺伝子の塩基配列と80%以上の相同性を有する他菌株由来のpgsBCA遺伝子を使用するワクチン用ベクターを作製したり、これを利用するのも本発明の範囲に含まれる。
【0067】
また、下記実施例においてはpgsBCA遺伝子中からpgsA遺伝子だけを活用して表面発現用ベクターを作製したが、pgsBCA遺伝子全部または一部だけを使用してワクチン用ベクターを作製するのも本発明の範囲に含まれる。
【0068】
また、下記実施例においては、前記ベクターに対する宿主として、ラクトバシラスだけを使用したが、この細菌以外にいかなるグラム陰性菌またはグラム陽性菌も本発明による方法で形質転換させると、同様の結果が得られるという事実も当業者には自明であろう。
【0069】
また、下記実施例においては、ワクチン用ベクターで形質転換された微生物自体をマウス、ニワトリ及び豚の生体に適用した例だけが提示されている。しかし、動物用飼料添加剤及びワクチン関連技術分野の知識の観点から見て、前記微生物から抽出されたミオスタチン成熟(mature)蛋白質、または精製された発現蛋白質を生体に適用しても同一または類似の結果が得られることは当業者には自明な事実であろう。
【0070】
[実施例1]ミオスタチンの抗原性ペプチド部位選定
ミオスタチンの免疫誘導効能を増強させるために、ミオスタチン成熟蛋白質の予測3次構造を基に選定された二つの抗原性ペプチド部位(Myo−1及びMyo−2)とミオスタチン成熟蛋白質を各々精製して、肉用ブロイラ種鶏に経皮投与し、免疫されたブロイラ種鶏の卵を孵化させて、雛の成長促進誘導効能を比較した。
【0071】
図1に示したようなミオスタチン成熟蛋白質の予測3次構造を参考として、Myo−1(配列番号2)及びMyo−2(配列番号1)を抗原性ペプチド部位として選定した。実験群は精製されたミオスタチン成熟蛋白質投与群(mAV group)、Myo−1投与群、Myo−2ペプチド投与群の三つの群、及び対照群に分けて、各群当たり雌(female)ブロイラ種鶏4羽、雄(male)ブロイラ種鶏1羽ずつ計5羽ずつ実験モデルとして選定した。
【0072】
1次経皮投与はニワトリのミオスタチン遺伝子(配列番号4)を大腸菌において発現させて、可溶性精製されたミオスタチン成熟蛋白質と担体蛋白(carrier protein)でKLHが接合されたMyo−1ペプチド及びMyo−2ペプチドを合成して(Anygen、韓国)、各々1mgずつ完全フロイントアジュバント(complete Freund’s adjuvant)と1:1の割合で混ぜて雌ブロイラ種鶏に経皮投与し、3週間後2次経皮投与時には各々の蛋白質と不完全フロイントアジュバントを各々1:1割合で混ぜて雌ブロイラ種鶏に経皮投与し、さらに3週経過後2次投与と同様の方法で3次経皮投与した。各実験群毎に免疫されたブロイラ種鶏の卵を孵化させた後、孵化した雛を28日まで飼育し増体量を測定した。
【0073】
前記のように孵化した雛を出荷時点である28日まで飼育し増体率を分析した結果、図2に示されたように、精製されたミオスタチン成熟蛋白質投与群(mAV group)の体重は対照群と比べて約10%の体重増加率(増体率)を示し、Myo−2ペプチド投与群は約13%の増体率と最も高い増体率を示し、Myo−1ペプチド投与群は対照群と比べて、体重増加がないことが示された。従って、精製されたミオスタチン成熟蛋白質とMyo−2ペプチドを母体に投与しても母体移行抗体作用でその後代雛にも高い増体量を示すことが確認された。
【0074】
[実施例2]4Myo−2ペプチド重合体(4xMyo−2)製造及び表面発現用ベクター(pHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyom)製造
ミオスタチン由来ペプチド及び成熟ミオスタチンが投与された母鶏から得られた雛において最も高い増体量を示したニワトリのMyo−2ペプチドをコードする遺伝子を単位体として使用して、4回繰り返し重合体(4xMyo−2)を製造してC−末端部位にニワトリミオスタチン成熟蛋白質(CMyom)をコードする遺伝子を融合させて、表面発現できるベクターpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomを製造した。
【0075】
4Myo−2ペプチド重合体を作るための単位体を合成するために、配列番号5及び6の塩基配列を有するプライマーを各々10pM/μLで希釈して、同量の体積を混合した後37℃で1時間反応させて、図3のように両側に制限酵素BamHI、KpnIで切断された形態のMyo−2単位体を形成させて、前記Myo−2単位体をpRSET(A)ベクター(Invitrogen, USA)のBamHI、KpnI制限酵素の位置に挿入してpRSET(A):Myo−2を製造した。
【0076】
配列番号5:5’−gatccgtttttcttcaaaagtatccacatacacatcttgttcatcaagctggtggttcaagatctggtac−3’
配列番号6:5’−cagatcttgaaccaccagcttgatgaacaagatgtgtatgtggatacttttgaagaaaaacg−3’
【0077】
pCR T7/NT−TOPO(Invitrogen)にクローニングされている約1.3kbニワトリミオスタチン遺伝子を鋳型として使用し配列番号7及び8の塩基配列を有するプライマーを使用してPCR法で、ニワトリのミオスタチン成熟蛋白質をコードする遺伝子を増幅させた後、制限酵素BglII及びKpnIで切断した断片を前記製造されたpRSET(A):Myo−2ベクターのBglII、KpnI制限酵素の位置に挿入してpRSET(A):Myo−2−CMyomベクターを製造した。
【0078】
配列番号7:5’−agatctgtcgacgaggtcagagttacagac−3’
配列番号8:5’−ggtacctctagattattagtcgactcatgagcacccgcaacg−3’
【0079】
前記pRSET(A):Myo−2−CMyomベクターをBamHI、KpnI制限酵素で切断して得られたDNA断片とpRSET(A):Myo−2−CMyomをBglII、KpnI制限酵素で切断してベクターを得た後、T4 ligaseでligationさせて、二つのMyo−2ペプチドをコードする遺伝子が繰り返し連結されたpRSET(A):2xMyo−2−CMyomベクターを製造した。
【0080】
同様の方法でpRSET(A):2xMyo−2−CMyomをBglIIとKpnI制限酵素の位置に2XMyo−2−CMyomを繰り返し挿入する工程を経てpRSET(A):4xMyo−2−CMyomを製造した。
【0081】
バシラス属菌株から由来したポリ−γ−グルタミン酸合成に係わる細胞外膜蛋白質の遺伝子(pgsBCA)中pgsAを利用してグラム陰性微生物及びクラム陽性微生物を宿主として、ニワトリのミオスタチン4xMyo−2とミオスタチンの成熟(mature)蛋白質を融合した目的蛋白質をコードする遺伝子、及びミオスタチン成熟蛋白質だけを表面発現できるpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyom(図4a)、及びpHCE2LB:pgsA−CMyom(図4b)ベクターを製造した。
【0082】
前記製造されたpRSET(A):4xMyo−2−CMyomをBamHI、KpnI制限酵素で切断して4xMyo−2−CMyomを取得し、pCR T7/NT−TOPO(Invitrogen)でPCRを通してCMyomを取得した後、表面発現用ベクターであるpHCE2LB:pgsA−HPVL1(KCTC 10349BP:pHCE2LB:pgsA−HPVL1で形質転換された大腸菌)のHPVL1部分がBamHIとXbaI制限酵素サイトを利用して除去されたpHCE2LB:pgsAのポリ−γ−グルタミン酸合成に係わる細胞外膜蛋白質の遺伝子pgsAのC−末端部位に解読コドンを合わせて、各々連結してpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomとpHCE2LB:pgsA−CMyomを製造した。
【0083】
[実施例3]pgsA:4xMyo−2−CmyomとpgsA:CMyomの細胞表面発現
実施例2において製造されたミオスタチン融合蛋白質の表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomで形質転換されたラクトバシラスとミオスタチン成熟蛋白質の表面発現用ベクターpHCE2LB:pgsA−CMyomで形質転換されたラクトバシラスでpgsAと融合した4xMyo−2重合体と成熟蛋白質(pgsA:4xMyo−2−CMyom)融合体の発現及び成熟蛋白質(pgsA:CMyom)の発現の有無を調べた。
【0084】
ポリ−γ−グルタミン酸を合成する遺伝子pgsAのC−末端とそれぞれ融合した、4xMyo−2−CMyom蛋白質及びCMyom蛋白質の表面発現のために、pHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomで形質転換されたラクトバシラス・カゼイとpHCE2LB:pgsA−CMyomで形質転換されたラクトバシラス・カゼイとをMRS培地(Lactobacillus MRS, Becton Dickinson and Company Sparks, USA)において、30℃で静置培養して誘導した後、培養細胞を利用したSDS−ポリアクリルアミドミドゲル電気泳動及びpgsAに対する特異抗体を利用したウェスタンブロッティングを行って、前記融合蛋白質の発現を確認した。
【0085】
具体的には、発現が誘導されたラクトバシラス・カゼイ全細胞を同様の細胞濃度で得た蛋白質で変性(denature)させて試料を準備して、これをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した後、分画された蛋白質をPVDF(polyvinylidene-difluoride membranes, Bio-Rad)メンブレンにトランスファーした。蛋白質がトランスファーされたPVDFメンブレンをブロッキング緩衝溶液(50mMトリス塩酸、5%スキムミルク(skim milk)、pH8.0)で1時間動揺させてブロッキングさせた後、pgsAに対するウサギ由来のポリクロン1次抗体をブロッキング緩衝溶液に1000倍に希釈して1時間反応させた。反応が終わったメンブレンは緩衝溶液で洗浄してHRPが標識されたウサギに対する2次抗体をブロッキング緩衝溶液に10000倍に希釈して1時間反応させた。反応が終わったメンブレンは緩衝溶液で洗浄し、洗浄されたメンブレンに基質(lumigen PS-3 acridan, H202)を添加して、約1分間発色させてCCDカメラでpgsAに対する特異抗体と前記融合蛋白質との間の特異的な結合を確認した(図5)。
【0086】
図5でコントロール(control)は形質転換されないラクトバシラス・カゼイであり、CMyomはラクトバシラス・カゼイ/pHCE2LB:pgsA−CMyomであり、4xMyo−2−CMyomはラクトバシラス・カゼイ/pHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−Cmyomである。図5に示したように、各々の乳酸菌全細胞において特異融合蛋白質(約55.5kDa)のpgsA−CMyomと約66.9kDA特異融合蛋白質であるpgsA−4xMyo−2−Cmyomが確認できた。pgsAが約42kDaで、CMyom蛋白質が約13.5kDaで、4xMyo−2−CMyom蛋白質が約24.9kDaであるため、図5の55.5kDaと66.9kDaを示すバンドは各々pgsAとCMyom融合蛋白質と、pgsAと4xMyo−2−CMyom融合蛋白質であることが分かる。
【0087】
[実施例4]4xMyo−2−CMyom融合蛋白質を表面発現するラクトバシラスによるマウスにおける免疫反応誘導及びそれによる体重変化の調査
実施例3と同様の方法で発現誘導されたラクトバシラスをマウスに経口投与し、pgsAと融合した表面発現4Myo−2−CMyom融合蛋白質及びpgsAと融合したCMyom蛋白質の免疫反応誘導及び体重変化を調べた。
【0088】
具体的には、ラクトバシラス・カゼイ/pHCE2LB:pgsA−CMyomとラクトバシラス・カゼイ/pHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomを培養して回収した後、全細胞を緩衝溶液(PBS、pH7.4)で洗浄して、抗原が表面発現されたラクトバシラスを6週齢のC57BL/6マウスに経口投与した。この時、実験群は4xMyo−2−CMyomとCMyomが表面発現されたラクトバシラスを処理する二つの群(10匹/群)であり、経口投与で1日おきに5回、1週間後再び1日おきに5回投与し、1回投与時、1匹当たり5×10の抗原表面発現ラクトバシラスを投与した。尚、対照群として同じ数のC57BL/6マウスに乳酸菌だけ培養させた培養液を同様に投与した。
【0089】
最初経口投与後3週目に各々のマウス群の血清を採取して、血清内4xMyo−2−CMyom融合蛋白質に対するIgG抗体価をELISA方法で測定した。図6aはマウス血清内4xMyo−2−CMyom融合蛋白質に対するIgG抗体価を示したもので、4xMyo−2−CMyomを表面発現するラクトバシラスを食べさせた実験群(A)、CMyomを表面発現するラクトバシラスを食べさせた実験群(B)、及び普通のラクトバシラスを食べさせた対照群(C)を示した。
【0090】
精製された4xMyo−2−CMyom融合蛋白質抗原を0.1M炭酸バッファー(bicarbonate(NaHCO3) buffer)(pH9.6)で100ng/100μLの濃度に希釈した後、ELISA用プレートにウェル当たり100μLずつ添加して、4℃で一晩中反応させた。PBS−T(PBS+0.05% Tween20)を300μL/ウェルずつ添加しながら、3回洗浄した後、5% skim milk 300μLを全ウェルに添加して、常温で3時間反応させる。前記のような洗浄方法で3回洗浄した後、スタンダード及び検体(1st Ab)を5%スキムミルクに1:10〜1:6400の割合で希釈し各ウェル当たり100μLずつ添加した後、常温で3時間反応させる。前記のような洗浄方法で5回洗浄した後、5%スキムミルクに1:5000の割合で複合体(2次抗体(2nd Ab))を希釈して、常温で1時間反応させ、前記のような洗浄方法で5回洗浄した後TMB発色溶液で30分反応させた後50μLの静止溶液で発色を固定させた。そして、450nmでELISAリーダーで測定して、4xMyo−2−CMyom融合蛋白質に対する抗体産生の有無を確認した。
【0091】
その結果、図6aに示したように、4xMyo−2−CMyom融合蛋白質を表面発現するラクトバシラスを投与したC57BL/6マウス群の血清において4xMyo−2−CMyom融合蛋白質に対するIgG抗体価が対照群と比べて、顕著に高いことが確認できた。従って、本発明による4xMyo−2−CMyom融合蛋白質が表面発現された微生物は4xMyo−2−CMyom融合蛋白質に対する抗体を効果的に産生できることを確認した。
また、最初経口投与後、毎週C57B/6マウスの体重を測定して、各群の体重差を比較分析した。その結果、図6bに示されたように、約4週目から4xMyo−2−CMyomがpgsAで表面発現されたラクトバシラスを投与したC57BL/6実験群の体重がCMyom実験群及び対照群と比べて、顕著に高く、時間経過に伴って継続的に差が見られた。このような向上した体重増加現象は、本発明によるラクトバシラスに表面発現された4xMyo−2−CMyom融合蛋白質に対する抗体が作用して、その効果を示したと言える。
【0092】
[実施例5]マウスにおける4xMyo−2−CMyom融合蛋白質を表面発現する乳酸菌によって誘導された抗体による筋細胞における信号伝達阻害効果
実施例4と同様の方法で、4xMyo−2−CMyom融合蛋白質とCMyom蛋白質を表面発現する乳酸菌をマウスに経口投与した後、筋細胞における信号伝達阻害効果を調べるためにマウス内から誘導された抗体を使用してA−204細胞におけるミオスタチンに対する中和能を濃度毎に測定した。
【0093】
具体的には、96ウェルプレートにA−204細胞を1×10/ウェルに分注して、24時間CO培養器で培養した後、0.2μgのpGL(CAGA)12DNAとリポフェクトアミン2000(lipofectamine 2000, Invitrogen, USA)トランスフェクション試薬(transfection reagent)0.5μgを各々のOpti−MEM培地50μgに薄めて、5分後に二つのチューブに含まれた培地を混ぜて、20分間放置する。その後、A−204細胞が入っている96ウェルプレートにpGL(CAGA)12DNAとリポフェクトアミン2000複合体を100μLずつムラなく分注し、4〜6時間後に96ウェルプレートの培地を捨てた後、新しいDMEM培地に変える。24時間後に血清を添加しない培地で6時間37℃、5%CO培養器で培養させた後、ミオスタチン(mGDF−8,R&D System)10ng/mLとミオスタチン蛋白質に対するマウス抗体を濃度毎に希釈して氷上で一時間反応させて、96ウェルプレートに分注して6時間培養した後、上澄み液でルシフェラーゼアッセイシステム(Promega, USA)を利用してA−204細胞内に抗体と反応して残ったミオスタチン蛋白質による信号伝達によって発現するルシフェラーゼ活性を測定することによってA−204細胞におけるミオスタチン蛋白質に対する中和能を測定した。
【0094】
図7はマウス血清内のミオスタチン蛋白質に対する筋細胞における信号伝達阻害効果をルシフェラーゼ活性で示したもので、Aは4xMyo−2−CMyom融合蛋白質を表面発現する乳酸菌投与群であり、BはCMyom蛋白質を表面発現する乳酸菌投与群であり、Cは一般乳酸菌を投与した対照群を示しており、その結果、4xMyo−2−CMyom融合蛋白質投与群が最も抗体を多く誘発して、筋細胞におけるミオスタチンによる信号伝達阻害効果が顕著であることが確認できた。
【0095】
[実施例6]ブロイラにおける4xMyo−2−CMyom融合蛋白質を表面発現するラクトバシラスによる免疫反応誘導及び体重変化率調査
ラクトバシラス・カゼイ/pHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomを利用して、ブロイラにおける4xMyo−2−CMyom融合蛋白質に対する免疫反応誘導及び体重変化率を調べた。
【0096】
具体的には、ラクトバシラス・カゼイ/pHCE2LB:pgsA−4xMyo−2−CMyomをコブ(Cobb)のブロイラに一般的に与える配合飼料に混ぜて、実験を行った。形質転換された乳酸菌を培養して回収した後、全細胞を緩衝溶液(PBS、pH7.4)で洗浄した乳酸菌を凍結乾燥した状態で配合飼料に混ぜて実験を行った。
【0097】
実験群としては雌のコブブロイラ72匹、対照群として72匹を使用して実験を行い、合わせて6週間飼育した。実験群は1、2、3週目は4xMyo−2−CMyom融合蛋白質を表面発現された乳酸菌凍結乾燥粉末(8.1×10cell/g)を配合飼料に0.2%添加して食べさせた後、4、5、6週目は配合飼料だけ食べさせ、対照群は1週目〜6週目まで配合飼料だけ食べさせた。
【0098】
実験開始から6週間後に実験群及び対照群の雛血清を採取して、血清中のニワトリミオスタチン成熟蛋白質に対するIgG抗体価をELISA方法で測定した。
【0099】
その結果、図8に示したように、配合飼料だけ食べさせた対照群の抗体価と比べて、実験群で抗体価が高く示されることを確認した。従って、4xMyo−2−CMyom融合蛋白質が表面発現された乳酸菌はミオスタチン成熟蛋白質に対する抗体を雛でも効果的に産生できることが分かった。
【0100】
また、4xMyo−2−CMyomが表面発現された乳酸菌を食べさせた実験群及び普通の乳酸菌を食べさせた対照群の雛の体重を毎週測定して、各群の体重差を比較分析した。
【0101】
その結果、図9aに示されたように、対照群及び実験群の体重変化を示したグラフから毎週体重差が増加することが確認できた。それと共に、6週間後に実験群及び対照群における各々の体重平均を比較分析した結果、図9bに示されたように、実験群が対照群と比べて、平均体重が6.6%増加することが確認できた。このような体重増加現象は4xMyo−2−CMyom融合蛋白質が表面発現された乳酸菌によって産生誘導されたミオスタチン成熟蛋白質に対する抗体が働いてその効果が現れたと言える。
【0102】
さらに、実験群及び対照群の飼料効率を測定し、摂取した飼料の総量を雛の体重で割り算した値をグラフで示した。その結果、図10に示されたように、対照群と比べて、前記実験群の飼料効率が7.4%改善されたことを確認した。
【産業上利用の可能性】
【0103】
以上詳細に記述したように、本発明による飼料添加剤、または医薬組成物は家畜と家禽類などの筋肉発達及び調節のために活用できるだけでなく、筋ジストロフィー、筋萎縮症のようなヒトの筋消耗性疾患及び退行性疾患の予防及び治療用として使用可能で、形質転換菌株は、培養して菌体のまま使用しても効果を現わすため、非常に経済的である。
【0104】
以上、本発明の内容の特定部分を詳細に記述したところ、当業界の通常の知識を有する者は、このような具体的技術は単に望ましい実施形態に過ぎず、これによって、本発明の範囲が制限されるのではない点は明白である。従って、本発明の実質的な範囲は添付された請求項とそれらの等価物によって定義されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列を有するミオスタチン由来Myo−2ペプチド。
【請求項2】
請求項1に記載のMyo−2ペプチドの2〜8個からなるMyo−2ペプチド重合体。
【請求項3】
請求項2に記載のMyo−2ペプチドとミオスタチン成熟蛋白質が融合した融合蛋白質。
【請求項4】
ポリ−γ−グルタミン酸合成酵素複合体をコードする遺伝子pgsB、pgsC及びpgsAからなる群より選択される何れか一つ以上と、請求項2に記載のMyo−2ペプチド重合体をコードする塩基配列及びミオスタチン成熟蛋白質をコードする遺伝子が作動可能に連結している細胞表面発現ベクター。
【請求項5】
前記ミオスタチンは哺乳動物または鳥類由来であることを特徴とする請求項4に記載の表面発現ベクター。
【請求項6】
請求項4に記載の発現ベクターで形質転換された組換え微生物。
【請求項7】
前記組換え微生物は、大腸菌、サルモネラチフィ、サルモネラチフィリウム、ビブリオコレラ、マイコバクテリウムボビス、シゲラ、バシラス、乳酸菌、ブドウ球菌、コリネバクテリア、リステリアモノサイトゲネス及びレンサ球菌からなる群より選択されるいずれか1つであることを特徴とする請求項6に記載の微生物。
【請求項8】
前記微生物は、乳酸菌であることを特徴とする請求項7に記載の微生物。
【請求項9】
次のステップを含むミオスタチン由来ペプチド(Myo−2)重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を製造する方法:
(a)請求項6に記載の形質転換された微生物を培養して、ミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質を微生物表面に発現するステップ;及び
(b)前記ミオスタチン成熟蛋白質が表面発現された微生物を回収するステップ。
【請求項10】
請求項9に記載の方法で製造されたミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用飼料添加剤。
【請求項11】
請求項9に記載の方法で製造されたミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用組成物。
【請求項12】
請求項9に記載の方法で製造されたミオスタチン由来ペプチド重合体とミオスタチン成熟蛋白質の融合蛋白質が表面発現された微生物を有効性分として含有する筋消耗性疾患または退行性疾患の予防または治療用医薬組成物。
【請求項13】
請求項3に記載の融合蛋白質を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用飼料添加剤。
【請求項14】
請求項3に記載の融合蛋白質を有効性分として含有する動物の筋肉成長促進または増体率向上用組成物。
【請求項15】
請求項3に記載の融合蛋白質を有効性分として含有する筋消耗性疾患、または退行性疾患の予防または治療用医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−501668(P2011−501668A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529837(P2010−529837)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006147
【国際公開番号】WO2009/051290
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(506010208)バイオリーダーズ コーポレーション (16)
【氏名又は名称原語表記】BIOLEADERS CORPORATION
【出願人】(506272301)コリア リサーチ インスティテュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー (17)
【出願人】(510105938)ザ インダストリー アンド アカデミック コオペレーション イン チュンナム ナショナル ユニバーシティ(アイエーシー) (2)
【氏名又は名称原語表記】THE INDUSTRY & ACADEMIC COOPERATION IN CHUNGNAM NATIONAL UNIVERSITY(IAC)
【Fターム(参考)】