説明

N+1構成での音声処理部における切替方法、及び、音声通信システム

【課題】音声処理部をN+1構成としたにも関わらず、IP網側に対して最低2つのアドレスを使用する構成を実現すること。
【解決手段】複数の正常運用中の音声処理部51、52と1つの待機中(予備)音声処理部53を有する音声通信システムにおいて、各機能部の使用状態を管理する呼処理制御部30からの指示を受け、IP網対応部60が、音声処理部51,52,53、呼処理制御部30の複数のIPアドレスを自身のIP網2側のIPアドレスに切り替えることにより、IP網側に対して最低2つのアドレスしか使用しない構成を実現する。音声通信時において、運用中の音声処理部51の故障が発生した場合には、呼処理制御部30が予備の音声処理部53を音声処理部51の代替として設定し、音声処理部53のIPアドレスとIP網対応部60のIP網側のIPアドレスとを切り替えて、音声通信を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP(Internet Protocol)網を介して音声通信を行うシステムで使用される音声信号をIP信号に変換する装置、端末における音声処理部の切替技術に関する。
【背景技術】
【0002】
IP網を使用した音声通信システムにおいて、音声信号をIP信号に変換する装置、端末に音声処理部を複数搭載し、音声処理部の故障時、工事時におけるサービス継続性を保つ方法として次の2つが実現されている。その1つの方法として、正常系、異常系(予備系)の2つの音声処理部を搭載し、正常系が異常時には異常系(予備系)にアドレスを含めて情報を引き継ぐ構成(ACT/SBY構成)を用いる方法がある。また、もう一つの方法として、1つの異常系(予備系)を含む複数の音声処理部を搭載し、正常系が異常時には異常系(予備系)に動作を引き継ぐ構成(N+1構成)を用いる方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−57461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記のN+1構成は音声処理部の需要に応じて、搭載数を変更することにより効率の良い音声処理部の利用が可能となるが、アドレス数は最低でも音声処理部の数だけ必要になるため、アドレスの数が限られた場合には適用できないという問題がある。
一方、ACT/SBY構成は必要なアドレスは最低2つで実現可能であるが、音声処理部は需要に応じて増やすことが出来ないという問題がある。
現状、利用できるアドレス数が限られている環境が存在するため、そのような環境下では、アドレスの使用数は少なくおさえることが望まれる。一方、コストの観点からは音声処理部の効率の良い使用も合わせて望まれる。よって、両観点を満足できるシステムの実現が必要となっている。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、音声信号をIP信号に変換する装置において、予備の音声処理部を含めた複数の音声処理部と前記音声処理部と前記IP網に接続する2つのIP網対応部を備え、呼接続の要求があった場合に、複数の音声処理部のうち使用する音声処理部のIPアドレスを、使用するIP網対応部のIP網側のIPアドレスに変換することで、IP網側に対するアドレスを最小限に抑える構成を実現する音声処理部における切替方法、及びその切替方法を利用した音声通信システムを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、音声信号をIP信号に変換する装置において、予備の音声処理部を含めた複数の音声処理部と前記音声処理部と前記IP網に接続する2つのIP網対応部を備え、音声通信中に音声処理部が故障した場合、使用している音声処理部から予備の音声処理部に切り替え、予備の音声処理部のIPアドレスを使用するIP網対応部のIP網側のIPアドレスに変換することで、音声通信を切断することなく、IP網側に対するアドレスを最小限に抑える構成を実現する音声処理部における切替方法、及びその切替方法を利用した音声通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために本発明は、IP網を利用したユーザ端末間の音声通信において、前記ユーザ端末と前記IP網に接続し、予備の音声処理部を含み、音声信号をIP信号に変換する複数の音声処理部と、前記ユーザ端末から音声信号を受信するユーザ回線対応部と、前記ユーザ回線対応部から送信された音声信号を前記音声処理部に振り分ける振り分け部と、前記音声処理部と前記IP網とを接続するIP網対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備えるユーザ収容装置に適用されるN+1構成での前記音声処理部における切替方法であって、前記呼処理制御部が前記ユーザ端末から音声通信の呼接続の要求を受け、当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、送信元ポート番号を音声呼情報として取得するステップと、前記呼処理制御部が、前記音声処理部の使用状態を参照し、未使用の音声処理部とチャネル番号を、当該呼の音声通信に使用する音声処理部とチャネル番号として決定するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号の情報を、前記音声処理部の使用状態に追加して記憶するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号と前記当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、当該呼に使用する前記振り分け部、当該呼に使用する前記IP網対応部の情報を、前記音声呼情報に追加して記憶するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうちの当該呼に使用する前記音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を通知するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用するユーザ回線対応部、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号を通知するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知するステップと、前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部と前記音声処理部とを接続し、前記音声信号を、前記通知されたチャネルで前記音声処理部に送信するステップと、前記当該呼に使用する音声処理部が、前記振り分け部から受信した前記音声信号をRTP信号に変換し、前記通知された音声呼情報に含まれる前記送信先IPアドレス、前記送信先ポート番号、前記通知された音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を加えて前記IP信号に変換し、前記IP網対応部に送信するステップと、前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記通知された音声処理部のIPアドレスを前記IP網側の自身のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記IP網に送信するステップと、を備えることを特徴とするN+1構成での音声処理部における切替方法である。
【0008】
本発明では、ユーザ端末からIP網側に対して音声信号を送信する場合、呼処理制御部は、音声処理部の使用状態から当該呼に使用する音声処理部を決定し、当該呼に使用する音声処理部は音声信号をIP信号に変換し、IP網対応部は、前記IP信号に含まれる当該呼に使用する音声処理部のIPアドレスを自身のIP網側のアドレスに変換して、IP信号をIP網側に送信する。
本発明によれば、音声処理部が複数ある場合でも、IP網対応部が、複数の音声処理部のIPアドレスを自身のIP網側のIPアドレスに変換してIP信号を送信するため、IP網側に対するIPアドレスを最低限に抑えることが可能となる。
【0009】
また、本発明は、IP網を利用したユーザ端末間の音声通信において、前記ユーザ端末と前記IP網に接続し、予備の音声処理部を含み、IP信号を音声信号に変換する複数の音声処理部と、前記IP網から受信したIP信号を前記音声処理部に送信するIP網対応部と、前記音声処理部から前記音声信号を受信する振り分け部と、前記振り分け部から前記音声信号を受信して前記ユーザ端末に送信するユーザ回線対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備えるユーザ収容装置に適用されるN+1構成での前記音声処理部における切替方法であって、前記呼処理制御部が、前記ユーザ端末から音声通信の呼接続の要求を受け、当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部、宛先ポート番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号を音声呼情報として取得するステップと、前記呼処理制御部が、前記音声処理部の使用状態を参照し、未使用の音声処理部とチャネル番号を、当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号として決定するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号の情報を、前記音声処理部の使用状態に追加して記憶するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号と当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、当該呼に使用する前記振り分け部、当該呼に使用する前記IP網対応部の情報を、前記音声呼情報に追加して記憶するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうちの当該呼に使用する前記音声処理部のIPアドレス、前記宛先ポート番号を通知するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用するユーザ回線対応部、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号を通知するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知するステップと、前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記IP信号の宛先IPアドレスを前記通知された音声処理部のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記通知された音声処理部に送信するステップと、前記当該呼に使用する音声処理部が、前記IP網対応部から受信したIP信号を音声信号に変換し、前記通知されたチャネルで前記当該呼に使用する振り分け部に送信するステップと、前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部に前記音声信号を送信するステップと、前記当該呼に使用するユーザ回線対応部が、前記ユーザ端末に前記音声信号を送信するステップと、を備えることを特徴とするN+1構成での音声処理部における切替方法である。
【0010】
ここで、IP網側からIP信号が送信された場合、IP信号に含まれる宛先IPアドレスはIP網対応部のIP網側IPアドレスとなっている。本発明では、呼処理制御部が当該呼に使用する音声処理部を決定し、IP網対応部は、宛先IPアドレスを、当該呼に使用する音声処理部のIPアドレスに変換して、IP信号を当該呼に使用する音声処理部に送信する。音声処理部は、送信されたIP信号を音声信号に変換し、音声信号は当該呼に使用される振り分け部、ユーザ回線対応部を介してユーザ端末に送信され、IP網側からの音声通信が実現する。
本発明によれば、IP網対応部が、IP信号の宛先IPアドレスである自身のIP網側のIPアドレスを、複数の音声処理部のうち当該呼に使用する音声処理部のIPアドレスに変換して切り替えるため、音声処理部が複数ある場合でもIP網側に対するIPアドレスを最低限に抑えることが可能となる。
【0011】
また、本発明は、IP網を利用したユーザ端末間の音声通信において、前記ユーザ端末と前記IP網に接続し、予備の音声処理部を含み、音声信号をIP信号に変換する複数の音声処理部と、前記ユーザ端末から音声信号を受信するユーザ回線対応部と、前記ユーザ回線対応部から送信された音声信号を前記音声処理部に振り分ける振り分け部と、前記音声処理部と前記IP網とを接続するIP網対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備えるユーザ収容装置に適用されるN+1構成での前記音声処理部における切替方法であって、前記音声通信に使用する前記ユーザ回線対応部と、前記振り分け部、前記音声処理部、チャネル番号、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、前記音声処理部のIPアドレス、送信元ポート番号、前記IP網対応部を記憶した音声呼情報に従って行う音声通信において、前記音声処理部が故障した場合、前記呼処理制御部が、前記故障した音声処理部に関する故障通知情報を受け付けるステップと、前記呼処理制御部が、前記故障通知情報を参照し、前記故障した音声処理部の使用状態を前記予備の音声処理部に移し、前記故障した音声処理部の使用状態を使用から未使用に変更して記憶するステップと、前記呼処理制御部が、前記故障した音声処理部を使用する呼に関する前記音声呼情報を取得するステップと、前記呼処理制御部が、前記取得した音声呼情報において、前記故障した音声処理部と前記故障した音声処理部のIPアドレスを、前記予備の音声処理部と前記予備の音声処理部のIPアドレスに変更して、前記音声呼情報に記憶するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうち、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を通知するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうち、使用する前記ユーザ回線対応部、前記予備の音声処理部、前記チャネル番号を通知するステップと、前記呼処理制御部が、前記予備の音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知するステップと、前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された使用する前記ユーザ回線対応部と前記予備の音声処理部とを接続し、前記音声信号を、前記通知されたチャネルで前記予備の音声処理部に送信するステップと、前記予備の音声処理部が、前記振り分け部から受信した前記音声信号をRTP信号に変換し、前記通知された音声呼情報に含まれる前記送信先IPアドレス、前記送信先ポート番号、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を加えて前記IP信号に変換し、前記IP網対応部に送信するステップと、前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記予備の音声処理部のIPアドレスを前記IP網側の自身のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記IP網に送信するステップと、を備えることを特徴とするN+1構成での音声処理部における切替方法である。
【0012】
本発明において、ユーザ端末と他の対向ユーザ端末がIP網を介して音声通信を行っている場合、呼処理制御部は、この音声通信に使用するユーザ回線対応部と、振り分け部、音声処理部、チャネル番号、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、音声処理部のIPアドレス、送信元ポート番号、IP網対応部を記憶した音声呼情報を記憶する。ここで、呼処理制御部は、使用している音声処理部が故障したという通知を受けると、故障した音声処理部を使った音声通信から予備の音声処理部を使う音声通信に切り替える。この方法として、呼処理制御部は、故障した音声処理部を使用した音声通信の音声呼情報を取得し、そのうちの故障した音声処理部とそのIPアドレスを予備の音声処理部とそのIPアドレスに変更し、各部に通知する。通知された振り分け部は、音声信号を予備の音声処理部に送信し、音声処理部は通知された音声呼情報を使って、音声信号を符号化、RTP信号化し、音声呼情報に含まれる送信先IPアドレス、送信先ポート番号、予備の音声処理部のIPアドレス、送信元ポート番号をRTP信号に付加してIP信号とし、IP網対応部に送信する。IP網対応部は、送信されたIP信号の予備の音声処理部のIPアドレスを自身のIPアドレスに変換して、IP信号をIP網に送信する。こうして、通常運用する正常系と異常系(予備系)の2つのIP網対応部を設置し、IP網側に対するIPアドレスを最低2つにした構成において、音声処理部が故障した場合でも、予備の音声処理部を用いて音声通信を確保することが可能となる。
【0013】
また、本発明は、IP網を利用したユーザ端末間の音声通信において、前記ユーザ端末と前記IP網に接続し、予備の音声処理部を含み、IP信号を音声信号に変換する複数の音声処理部と、前記IP網から受信したIP信号を前記音声処理部に送信するIP網対応部と、前記音声処理部から前記音声信号を受信する振り分け部と、前記振り分け部から前記音声信号を受信して前記ユーザ端末に送信するユーザ回線対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備えるユーザ収容装置に適用されるN+1構成での前記音声処理部における切替方法であって、前記音声通信に使用する前記ユーザ回線対応部と、前記振り分け部、前記音声処理部、チャネル番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号、前記音声処理部のIPアドレス、宛先ポート番号、前記IP網対応部を記憶した音声呼情報に従って行う音声通信において、前記音声処理部が故障した場合、前記呼処理制御部が、前記故障した音声処理部に関する故障通知情報を受け付けるステップと、前記呼処理制御部が、前記故障通知情報を参照し、前記故障した音声処理部の使用状態を前記予備の音声処理部に移し、前記故障した音声処理部の使用状態を使用から未使用に変更して記憶するステップと、前記呼処理制御部が、前記故障した音声処理部を使用する呼に関する前記音声呼情報を取得するステップと、前記呼処理制御部が、前記取得した音声呼情報において、前記故障した音声処理部と前記故障した音声処理部のIPアドレスを、前記予備の音声処理部と前記予備の音声処理部のIPアドレスに変更して、前記音声呼情報に記憶するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうち、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記宛先ポート番号を通知するステップと、前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうち、使用する前記ユーザ回線対応部、前記予備の音声処理部、前記チャネル番号を通知するステップと、前記呼処理制御部が、前記予備の音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知するステップと、前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記IP信号の宛先IPアドレスを前記予備の音声処理部のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記予備の音声処理部に送信するステップと、前記予備の音声処理部が、前記IP網対応部から受信したIP信号を音声信号に変換し、前記通知されたチャネルで前記当該呼に使用する振り分け部に送信するステップと、前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部に前記音声信号を送信するステップと、前記当該呼に使用するユーザ回線対応部が、前記ユーザ端末に前記音声信号を送信するステップと、を備えることを特徴とするN+1構成での音声処理部における切替方法である。
【0014】
本発明において、ユーザ端末と他の対向ユーザ端末がIP網を介して音声通信を行っている場合、呼処理制御部は、この音声通信に使用するユーザ回線対応部と、振り分け部、音声処理部、チャネル番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号、音声処理部のIPアドレス、宛先ポート番号、IP網対応部を記憶した音声呼情報を記憶する。ここで、呼処理制御部は、使用している音声処理部が故障したという通知を受けると、故障した音声処理部を使用した音声通信の音声呼情報を取得し、そのうちの故障した音声処理部とそのIPアドレスを予備の音声処理部とそのIPアドレスに変更し、各部に通知する。通知されたIP網対応部は、IP網から受信したIP信号の宛先IPアドレスを予備の音声処理部のIPアドレスに変換して、IP信号を予備の音声処理部に送信する。予備の音声処理部は、受信したIP信号を音声信号に変換して振り分け部に送信し、振り分け部は、ユーザ回線対応部に音声信号を送信し、ユーザ回線対応部は、ユーザ端末に音声信号を送信する。
こうして音声処理部が故障した場合であっても、IP網側からのIP信号は音声信号に変換され、音声通信が確保される。
【0015】
ここで、前記故障通知情報は、前記IP網対応部が、前記音声処理部から送信されるIP信号を監視し、IP信号が途絶えた場合に、当該音声処理部が故障したものとして前記呼処理制御部に通知することを特徴とする。
また、前記呼処理制御部が、前記ユーザ端末から音声通信の呼切断の要求を受けると、当該呼の音声呼情報を取得するステップと、前記呼処理制御部が、前記取得した当該呼の音声呼情報に従って、当該音声呼に使用される音声処理部、振り分け部、IP網対応部に、当該呼の解除を通知するステップと、当該呼の解除を通知された前記振り分け部が、当該呼に使用される前記ユーザ回線対応部と前記音声処理部との接続を解放するステップと、当該呼の解除を通知された音声処理部が、前記音声信号と前記IP信号との変換処理を停止するステップと、当該呼の解除を通知された前記IP網対応部が、当該呼に使用された前記音声処理部のIPアドレスと前記IP網側の自身のIPアドレスとの変換を停止するステップと、前記呼処理制御部が、当該呼の前記音声呼情報を削除するステップと、をさらに備えることを特徴とする。即ち、呼処理制御部が、呼切断要求のあった呼の音声呼情報を削除し、その旨を各部に通知することで、音声通信の解放を実現することができる。
【0016】
また、本発明は、ユーザ端末と、前記ユーザ端末とIP網に接続するユーザ収容装置を備え、前記ユーザ端末間で前記IP網を利用した音声通信を実現する音声通信システムであって、前記ユーザ収容装置は、予備の音声処理部を含み、音声信号をIP信号に変換する複数の音声処理部と、前記ユーザ端末から音声信号を受信するユーザ回線対応部と、前記ユーザ回線対応部から送信された音声信号を前記音声処理部に振り分ける振り分け部と、前記音声処理部と前記IP網とを接続するIP網対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備え、前記呼処理制御部は、前記ユーザ端末から音声通信の呼接続の要求を受け、当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、送信元ポート番号を音声呼情報として取得し、前記音声処理部の使用状態を参照し、未使用の音声処理部とチャネル番号を、当該呼の音声通信に使用する音声処理部とチャネル番号として決定し、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号の情報を、前記音声処理部の使用状態に追加して記憶し、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号と前記当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、当該呼に使用する前記振り分け部、当該呼に使用する前記IP網対応部の情報を、前記音声呼情報に追加して記憶し、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を通知し、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用するユーザ回線対応部、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号を通知し、前記当該呼に使用する音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知し、前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部と前記音声処理部とを接続し、前記音声信号を、前記通知されたチャネルで前記音声処理部に送信し、前記当該呼に使用する音声処理部が、前記振り分け部から受信した前記音声信号をRTP信号に変換し、前記通知された音声呼情報に含まれる前記送信先IPアドレス、前記送信先ポート番号、前記通知された音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を加えて前記IP信号に変換し、前記IP網対応部に送信し、前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記通知された音声処理部のIPアドレスを前記IP網側の自身のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記IP網に送信することを特徴とする音声通信システムである。
【0017】
また、本発明は、ユーザ端末と、前記ユーザ端末とIP網に接続するユーザ収容装置を備え、前記ユーザ端末間で前記IP網を利用した音声通信を実現する音声通信システムであって、前記ユーザ収容装置は、予備の音声処理部を含み、IP信号を音声信号に変換する複数の音声処理部と、前記IP網から受信したIP信号を前記音声処理部に送信するIP網対応部と、前記音声処理部から前記音声信号を受信する振り分け部と、前記振り分け部から前記音声信号を受信して前記ユーザ端末に送信するユーザ回線対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備え、前記呼処理制御部は、前記ユーザ端末から音声通信の呼接続の要求を受け、当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部、宛先ポート番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号を音声呼情報として取得し、前記音声処理部の使用状態を参照し、未使用の音声処理部とチャネル番号を、当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号として決定し、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号の情報を、前記音声処理部の使用状態に追加して記憶し、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号と当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、当該呼に使用する前記振り分け部、当該呼に使用する前記IP網対応部の情報を、前記音声呼情報に追加して記憶し、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうちの当該呼に使用する前記音声処理部のIPアドレス、前記宛先ポート番号を通知し、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用するユーザ回線対応部、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号を通知し、前記当該呼に使用する音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知し、前記当該呼に使用するIP網対応部は、前記IP信号の宛先IPアドレスを前記通知された音声処理部のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記通知された音声処理部に送信し、前記当該呼に使用する音声処理部は、前記IP網対応部から受信したIP信号を音声信号に変換し、前記通知されたチャネルで前記当該呼に使用する振り分け部に送信し、前記当該呼に使用する振り分け部は、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部に前記音声信号を送信し、前記当該呼に使用するユーザ回線対応部は、前記ユーザ端末に前記音声信号を送信することを特徴とする音声通信システムである。
【0018】
また、本発明は、ユーザ端末と、前記ユーザ端末とIP網に接続するユーザ収容装置を備え、前記ユーザ端末間で前記IP網を利用した音声通信を実現する音声通信システムであって、前記ユーザ収容装置は、予備の音声処理部を含み、音声信号をIP信号に変換する複数の音声処理部と、前記ユーザ端末から音声信号を受信するユーザ回線対応部と、前記ユーザ回線対応部から送信された音声信号を前記音声処理部に振り分ける振り分け部と、前記音声処理部と前記IP網とを接続するIP網対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備え、前記音声通信に使用する前記ユーザ回線対応部と、前記振り分け部、前記音声処理部、チャネル番号、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、前記音声処理部のIPアドレス、送信元ポート番号、前記IP網対応部を記憶した音声呼情報に従って行う音声通信において、前記音声処理部が故障した場合、前記呼処理制御部は、前記故障した音声処理部に関する故障通知情報を受け付け、前記故障通知情報を参照し、前記故障した音声処理部の使用状態を前記予備の音声処理部に移し、前記故障した音声処理部の使用状態を使用から未使用に変更して記憶し、前記故障した音声処理部を使用する呼に関する前記音声呼情報を取得し、前記取得した音声呼情報において、前記故障した音声処理部と前記故障した音声処理部のIPアドレスを、前記予備の音声処理部と前記予備の音声処理部のIPアドレスに変更して、前記音声呼情報に記憶し、当該呼に使用する前記IP網対応部に対して、前記音声呼情報のうち、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を通知し、当該呼に使用する前記振り分け部に対して、前記音声呼情報のうち、使用する前記ユーザ回線対応部、前記予備の音声処理部、前記チャネル番号を通知し、前記予備の音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知し、前記当該呼に使用する振り分け部は、前記通知された使用する前記ユーザ回線対応部と前記予備の音声処理部とを接続し、前記音声信号を、前記通知されたチャネルで前記予備の音声処理部に送信し、前記予備の音声処理部は、前記振り分け部から受信した前記音声信号をRTP信号に変換し、前記通知された音声呼情報に含まれる前記送信先IPアドレス、前記送信先ポート番号、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を加えて前記IP信号に変換し、前記IP網対応部に送信し、前記当該呼に使用するIP網対応部は、前記予備の音声処理部のIPアドレスを前記IP網側の自身のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記IP網に送信することを特徴とする音声通信システムである。
【0019】
また、本発明は、ユーザ端末と、前記ユーザ端末とIP網に接続するユーザ収容装置を備え、前記ユーザ端末間で前記IP網を利用した音声通信を実現する音声通信システムであって、前記ユーザ収容装置は、予備の音声処理部を含み、IP信号を音声信号に変換する複数の音声処理部と、前記IP網から受信したIP信号を前記音声処理部に送信するIP網対応部と、前記音声処理部から前記音声信号を受信する振り分け部と、前記振り分け部から前記音声信号を受信して前記ユーザ端末に送信するユーザ回線対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備え、前記音声通信に使用する前記ユーザ回線対応部と、前記振り分け部、前記音声処理部、チャネル番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号、前記音声処理部のIPアドレス、宛先ポート番号、前記IP網対応部を記憶した音声呼情報に従って行う音声通信において、前記音声処理部が故障した場合、前記呼処理制御部は、前記故障した音声処理部に関する故障通知情報を受け付け、前記故障通知情報を参照し、前記故障した音声処理部の使用状態を前記予備の音声処理部に移し、前記故障した音声処理部の使用状態を使用から未使用に変更して記憶し、前記故障した音声処理部を使用する呼に関する前記音声呼情報を取得し、前記取得した音声呼情報において、前記故障した音声処理部と前記故障した音声処理部のIPアドレスを、前記予備の音声処理部と前記予備の音声処理部のIPアドレスに変更して、前記音声呼情報に記憶し、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうち、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記宛先ポート番号を通知し、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうち、使用する前記ユーザ回線対応部、前記予備の音声処理部、前記チャネル番号を通知し、前記予備の音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知し、前記当該呼に使用するIP網対応部は、前記IP信号の宛先IPアドレスを前記予備の音声処理部のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記予備の音声処理部に送信し、前記予備の音声処理部は、前記IP網対応部から受信したIP信号を音声信号に変換し、前記通知されたチャネルで前記当該呼に使用する振り分け部に送信し、前記当該呼に使用する振り分け部は、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部に前記音声信号を送信し、前記当該呼に使用するユーザ回線対応部は、前記ユーザ端末に前記音声信号を送信することを特徴とする音声通信システムである。
【0020】
ここで、前記故障通知情報は、前記IP網対応部が、前記音声処理部から送信されるIP信号を監視し、IP信号が途絶えた場合に、当該音声処理部が故障したものとして前記呼処理制御部に通知することを特徴とする。
また、前記呼処理制御部は、前記ユーザ端末から音声通信の呼切断の要求を受けると、当該呼の音声呼情報を取得し、前記取得した当該呼の音声呼情報に従って、当該音声呼に使用される音声処理部、振り分け部、IP網対応部に、当該呼の解除を通知し、当該呼の解除を通知された前記振り分け部は、当該呼に使用される前記ユーザ回線対応部と前記音声処理部との接続を解放し、当該呼の解除を通知された音声処理部は、前記音声信号と前記IP信号との変換処理を停止し、当該呼の解除を通知された前記IP網対応部は、当該呼に使用された前記音声処理部のIPアドレスと前記IP網側の自身のIPアドレスとの変換を停止し、前記呼処理制御部は当該呼の前記音声呼情報を削除することで呼切断を実現する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、音声処理部がN+1構成であるにも関わらず、音声処理部に接続され、IP網側に設置する2つのIP網対応部が、複数の音声処理部や呼処理制御部の複数のアドレスを自身のアドレスに変換することにより、IP網側に対して最低2つのアドレスしか使用しない構成を実現することが可能となる。これにより、需要に応じた効率的な音声処理部の搭載が可能となると共に、使用アドレスの数に制限がある環境にも適用可能となる。
また、音声通話時において、運用中の音声処理部の故障が発生した場合には、呼処理制御部が、予備の音声処理部を代替音声処理部として起動し、設定を行い、IP網対応部が予備の音声処理部のアドレスを自身のアドレスに変換して、音声通信を続行する。こうして、音声処理部の故障時、工事時等において、呼の切断を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼接続処理手順を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの音声処理部故障時の処理手順を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼切断処理手順を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼処理制御部の機能ブロック構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの音声処理部管理表の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る音声通信システムのIP網対応部管理表の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの振り分け部管理表の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの音声呼管理表の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼接続時の呼処理制御部の動作を説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼接続時の音声処理部管理表の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼接続時の音声呼管理表の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの音声処理部故障時の呼処理制御部の動作を説明するための図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの音声処理部故障時の音声処理部管理表の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの音声処理部故障時の音声呼管理表の一例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼切断時の呼処理制御部の動作を説明するための図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼切断時の音声処理部管理表の一例を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼切断時の音声呼管理表の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る音声通信システムのIP網対応部の機能ブロック構成を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る音声通信システムのIPアドレス/ポート番号変換表の一例を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る音声通信システムのIP網対応部の動作を説明するための図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼接続時のIPアドレス/ポート番号変換表の一例を示す図である。
【図23】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの音声処理部の機能ブロック構成を示す図である。
【図24】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの音声処理部管理情報の一例を示す図である。
【図25】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの音声処理部の動作を説明するための図である。
【図26】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの呼接続時の音声処理部管理情報の一例を示す図である。
【図27】本発明の実施の形態に係る音声通信システムのアドレス管理表の一例を示す図である。
【図28】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの振り分け部の機能ブロック構成を示す図である。
【図29】本発明の実施の形態に係る音声通信システムの振り分け部の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、添付図面を参照しながら、本発明に係る音声通信システム及び予備の音声処理部を含む複数の音声処理部(N+1構成での音声処理部)における切替方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明および添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
【0024】
図1は、音声通信システムの構成の一例を示す図である。
音声通信システム1は、IP網2、呼処理制御サーバ7、ユーザ端末11,12,13,14,…、ユーザ収容装置21,22等から構成される。IP網2は、IPデータの通信による回線網であり、呼処理制御サーバ7は宛先番号(情報)から接続先(IPアドレス)を選択する呼処理等を制御するサーバコンピュータである。ユーザ端末11,12,13,14,…は既存電話サービスで使用されている電話端末である。ユーザ収容装置21は、ユーザ端末11,12,13からのメタル回線を終端し、IP網2へ接続する装置である。ユーザ収容端末22も同様の装置であり、ユーザ端末14をIP網2に接続する装置である。
ここでは、ユーザ端末11,12,13からユーザ収容装置21、IP網2、ユーザ収容装置22を介してユーザ端末14等と音声通信を行う場合を例に説明する。従って、ユーザ端末14は対向ユーザ端末、ユーザ収容装置22は、対向ユーザ収容装置とする。
【0025】
ユーザ収容装置21は音声信号をIP信号に変換する装置であり、呼処理制御部30、ユーザ回線対応部31,32,33,…、振り分け部40,41、音声処理部51,52,53,…、IP網対応部60,61を有する。
呼処理制御部30は、音声通信を確立、解放、制御するために、IP網2側に対する呼制御とその呼制御に必要な装置内各機能部の制御とを実施する。また、振り分け部40,41、音声処理部51,52,53,…、IP網対応部60,61の活性状態(故障状態)、使用状態、設定内容を管理する。
【0026】
また、呼処理制御部30は、IP網2側への呼制御を行うとともに、その呼に使用する振り分け部40,41、音声処理部51,52,53,…、IP網対応部60,61の処理設定を行い、振り分け部40,41、音声処理部51,52,53,…、IP網対応部60,61の故障状態の通知を受け、切替のため各部の設定を実施する(保守コマンドによっても同等の切替が可能である)。
【0027】
ユーザ回線対応部31,32,33、…、は、ユーザ端末11,12,13、…からの音声信号を両系(0系、1系)の振り分け部40,41に送信し、振り分け部40,41からの音声信号をユーザ端末31,32,33、…に送信する。
振り分け部40,41は、呼処理制御部30より通知を受けた情報をもとに、ユーザ回線対応部31,32,33,…と音声処理部51,52,53,…を接続する。
【0028】
音声処理部51,52,53,…は、呼処理制御部30からの設定指示を受け、振り分け部40,41から送信される音声信号を符号化、RTP(Real-time Transport Protocol)化、IP化し、IP網対応部60,61にIP信号を送信する。また、IP網対応部60,61からのIP信号を逆手順で音声信号化し、振り分け部40,41に送信する。また、音声処理部51,52,53,…は、音声処理部自身の故障時に呼処理制御部30にその旨を通知する。
【0029】
IP網対応部60,61は、呼処理制御部30からIP網2への通信に対し、各呼処理制御部毎に事前に設定している呼処理制御部30のIPアドレスを自身のアドレスに変更する。また、IP網2より呼処理制御部30への通信に対し、宛先IPアドレスを各呼処理制御部毎に事前に設定している呼処理制御部30のIPアドレスに変更する。さらに、IP網対応部60,61は、呼処理制御部30より通知を受けた情報をもとに、音声処理部51,52,53,…からIP網2への通信に対し、送信元IPアドレスとなる音声処理部のアドレスを自身のアドレスに変更する。また、IP網2より音声処理部51,52,53,…への通信において、宛先IPアドレスを、使用している音声処理部のIPアドレスに変更する。また、IP網対応部60,61は、音声処理部51,52,53,…からの音声信号を監視し、音声信号断時には音声処理部51,52,53,…の故障として呼処理制御部30に通知する。
【0030】
次に、音声通信システム1の動作について説明する。
図2は、音声通信システム1の呼接続時の処理手順を説明するための図である。呼処理制御部30は、音声通信を確立するためNW(ネットワーク:IP網2)側、ユーザ端末側と呼制御のやり取りを実施する(ST11)。呼処理制御部30は、ST11の結果及び呼処理制御部30内の各機能部の管理表(図6〜図8)より、確立する音声通信が使用する各機能部と機能部内のチャネルを割り当て、音声呼管理表114(図9)に登録する(ST12)。
【0031】
呼処理制御部30は、ST12で作成した音声呼管理表114をもとに各機能部に登録情報を通知する(ST13)。通知を受けたIP網対応部60は、通知の情報をもとに、音声処理部51とIP網2間の音声通信のアドレス変換を実施する。即ち、IP対応部60は、音声処理部51のアドレスA(図2)をIP網対応部60のアドレスα(図2)に変換し、併せて音声通信の断監視を実施する(ST14a)。ST13で呼処理制御部30から通知を受けた音声処理部51は、通知情報を参照し、音声の符号化、RTP化、IP化を実施する(ST14b)。ST13で呼処理制御部30から通知を受けた振り分け部40は、通知情報を参照し、ユーザ回線対応部31と音声処理部51の接続を実施する(ST14c)。ST14の処理が完了すると、ユーザ端末11と対向ユーザ端末14間での音声通信が実現する(ST15)。
【0032】
尚、ここでは、図2以降の図および説明において、各部のアドレスを次のようにする。括弧内はIPアドレスを示す。
A(192.168.0.4)は音声処理部(#1)51のIP網対応部(0系)60向けIF(インタフェース)のIPアドレス、B(192.168.1.4)は音声処理部(#1)51のIP網対応部(1系)61向けIFのIPアドレス、C(192.168.0.5)は音声処理部(#2)52のIP網対応部(0系)60向けIFのIPアドレス、D(192.168.1.5)は音声処理部(#2)52のIP網対応部(1系)61向けIFのIPアドレス、E(192.168.0.6)は音声処理部(#3)53のIP網対応部(0系)60向けIFのIPアドレス、F(192.168.1.6)は音声処理部(#3)53のIP網対応部(1系)61向けIFのIPアドレスである。
【0033】
また、I(192.168.0.1)は、IP網対応部(0系)60の音声処理部51,52,53及び呼処理制御部30向けのIPアドレス、J(192.168.1.1)は、IP網対応部(1系)61の音声処理部51,52,53及び呼処理制御部30向けのIPアドレスである。
また、α(10.10.10.2)は、IP網対応部60のIP網2側のIPアドレスである。β(10.10.10.10、10.10.10.11)は対向ユーザ収容装置22のIPアドレスである。
【0034】
図3は、音声通信システム1の音声処理部故障時の処理手順を示す図である。
呼処理制御部30は、故障した音声処理部51からの音声信号断を検出したIP網対応部60もしくは音声処理部51自身から、故障通知を受ける(ST21)。次に、呼処理制御部30は、ST21での故障通知情報をもとに、必要に応じて各機能部をチェックし、音声処理部51の他の音声処理部への切替が必要と判断した場合には、ST21の情報から、呼処理制御部30内の音声処理部管理表(図14)の故障した音声処理部51及び故障音声処理部の代替となる予備系音声処理部53に関する情報を変更し、それに合わせて音声呼管理表114(図15)を変更する(ST22)。
【0035】
呼処理制御部30は、ST22で変更した音声呼管理表114をもとに各機能部に変更した予備系音声処理部53に関する情報を通知する(ST23)。
呼処理制御部30から通知を受けたIP網対応部60は、ST23の通知情報をもとにIPアドレス/ポート番号変換表221(図20、図22)において、故障した音声処理部51のIPアドレスと自身のIP網側のIPアドレスとの変換から、使用する予備系音声処理部53のIPアドレスと自身のIP網側のIPアドレスとの変換に変更する(ST24a)。これにより、IP網2から故障音声処理部51への信号は予備系音声処理部53へ送信され、故障音声処理部51からの信号はIP網2側へは送信されず、予備系音声処理部53からの信号がIP網2へ送信される。即ち、音声処理部51から音声処理部53の変更がIP網2側からは隠蔽されることになり、ユーザ端末14は、ユーザ収容装置21を介して変更前と同じ通信を行うことが出来る。
【0036】
呼処理制御部30から通知を受けた予備系音声処理部53は、ST23で通知された音声処理に関する情報を用いて、音声の符号化、RTP化、IP化を実施する(ST24b)。ST23で呼処理制御部30から通知を受けた振り分け部40は、ユーザ回線対応部31と予備系音声処理部53との接続に変更する(ST24c)。
このようにして、音声処理部51が故障した場合でも、呼処理制御部30が代替となる予備系の音声処理部53への切替を設定し、各部に通知し、各部がその設定を実施することで音声通信を確保することが可能となる。
【0037】
図4は、音声通信システムの呼切断処理手順を示す図である。
呼処理制御部30は、音声通信を切断するため、IP網2側、ユーザ端末11側と呼制御のやり取りを実施する(ST31)。ST31の結果及び音声呼管理表114(図18)より、各機能部に解除要求のあった呼に関する情報を通知する(ST32)。呼処理制御部30から通知を受けたIP網対応部60は、通知された解除要求の対象となる呼に関する情報をもとに、IPアドレス/ポート番号変換表221から該当する呼の情報を削除することにより、該当呼に対する以降の通信を停止する(ST33a)。
【0038】
解除要求の対象となる呼で使用されている音声処理部53は、呼処理制御部30から通知を受けて、音声の符号化、RTP化、IP化を停止する(ST33b)。解除要求の対象となる呼で使用されている振り分け部40は、呼処理制御部30から通知を受けて、ユーザ回線対応部31と音声処理部53の接続を解放する(ST33c)。呼処理制御部30は、音声呼管理表114(図18)、及び音声処理部管理表111(図17)等各部の管理表から該当呼に関する情報を削除或いは変更する(ST34)。
【0039】
次に、呼処理制御部30、振り分け部40,41、音声処理部51,52,53,…、IP網対応部60,61の機能を説明し、前記の呼接続、音声処理部故障時切替、呼切断の各処理を詳細に説明する。
図5は、ユーザ収容装置21の呼処理制御部30の機能ブロック構成を示す図である。呼処理制御部30は、機能管理部101、呼処理部102、IP通信インタフェース部103、制御通信インタフェース部104を有する。
【0040】
機能管理部101は、音声処理部管理表111、IP網対応部管理表112、振り分け部管理表113、音声呼の状態管理表である音声呼管理表114を記憶し、呼処理部102と連携して振り分け部40,41、音声処理部51,52,53,…、IP網対応部60,61の管理、制御を行う機能部である。音声処理部管理表111は、音声処理部51,52,53,…、を管理制御するための情報を記憶する。IP網対応部管理表112は、IP網対応部60,61を管理制御するための情報を記憶する。振り分け部管理表113は、振り分け部40,41を管理制御するための管理表である。
【0041】
呼処理制御部30の呼処理部102は、音声通信を確立するための呼制御を実施する機能部である。ここでは、既存の呼処理モジュール(IP網2側:SIP(Session Initiation Protocol)等、ユーザ端末側:既存交換機制御等)を想定している。IP通信インタフェース部103は、IP網対応部60,61との接続処理を行う。制御通信インタフェース部104は、ユーザ収容装置21内機能部との接続処理を行う。
【0042】
図6は、機能管理部101が管理する音声処理部管理表111の一例を示す図である。音声処理部管理表111は、各音声処理部の活性状況、チャネル(Ch)ごとの使用状況、IPアドレスを記憶する。
図7は、IP網対応部管理表112の一例を示す図である。IP網対応部管理表112は、各IP網対応部60,61(0系、1系)の使用状況と装置側(ユーザ端末側)のIPアドレスを記憶する。
【0043】
図8は、振り分け部管理表113の一例を示す図である。振り分け部管理表113は、各振り分け部40,41(0系、1系)の使用状況を記憶する。
図9は、音声呼管理表114の一例を示す図である。音声呼管理表114は呼情報を管理するものであり、呼情報として呼番号(呼に対する識別番号)、使用するユーザ回線対応部、振り分け部、音声処理部、Ch番号、SSRC、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号、IP網対応部処理部を記憶し、管理する。ここで、SSRCは音声通信を識別するために用いるRTP信号における識別子である。
【0044】
例えば、図9に示す呼番号「0001」の呼は通信が確立しており、ユーザ回線対応部(#1)31、振り分け部(0系)40、音声処理部(#1)51のチャネル1(ch)を使用し、対向ユーザ収容装置22のアドレスである呼の送信先IPアドレスが(10.10.10.10)、送信先ポート番号が「2000」であり、音声処理部51の送信元アドレスがA(192.168.0.4)、送信元ポート番号が「1024」であり、音声処理部51が接続するIP網対応部はIP対応部(0系)60であることを示す。
【0045】
図10は、呼接続時の呼処理制御部30の動作を説明するための図である。図11は呼接続時の音声処理部管理表を示し、図12は呼接続時の音声呼管理表を示す図である。
図10に示すように、呼処理部102は音声通信を確立するため、IP網2側及びユーザ端末側と呼制御のやり取りを実施する(ST41)。呼制御のやり取りは既存の方式を活用し(IP網側:SIP等のIP上の制御法、ユーザ端末側:既存電話の制御法を想定)、このやり取りの中で、音声通信で使用するユーザ収容装置21のIPアドレスとポート番号を通信相手に通知し、通信相手のIPアドレスとポート番号を取得する。ここで、IP網2側に通知するIPアドレスはIP網対応部60,61のIP網2側のIPアドレスとし、ポート番号は呼処理部102の中で他の音声通話と重ならないよう決定する。
【0046】
呼処理部102は、ST41の処理で決定、取得した、呼番号、ユーザ回線対応部、送信元ポート番号、送信先IPアドレスとポート番号を機能管理部101に通知する(ST42)。機能管理部101は、図11に示す音声処理部管理表111より、活性状況が「運用中」の音声処理部のうち、使用状況が「未使用」の音声処理部のチャネル番号を当該呼で使用する音声処理部とチャネル番号として決定する(ST43−1)。機能管理部101は、ST42で呼処理部102より通知を受けた情報、ST43−1で決定した音声処理部とチャネル番号と、IP網対応部管理表112及び振り分け部管理表113において使用状況が「運用中」であるIP網対応部60、振り分け部40を選択し、音声呼管理表114に呼情報を追加記憶する(ST43−2)。
【0047】
ST43−2の音声呼管理表114への呼情報追加において、機能管理部101は、ST43−1において使用を決定した音声処理部51のIPアドレスのうち、IP網対応部管理表112の使用状態が「運用中」であるIP網対応部60と接続するインタフェースのIPアドレスを送信元IPアドレスとし、識別子SSRCは他の呼と重複しないように決定する。機能管理部101は、当該呼に使用する音声処理部51、IP網対応部60、振り分け部40に対して、呼接続の要求を受け付けてST43−2で追加記憶した音声呼情報を通知する(ST44)。機能管理部101は、例えば、音声処理部51に対しては、使用する振り分け部が「0系(振り分け部40)」、チャネル番号が「2ch」、SSRCが「1235」、送信先IPアドレスが「(10.10.10.11)」、送信先ポート番号が「3000」、送信元IPアドレスが「(192.168.0.4)」、送信元ポート番号が「1026」であること(図12の音声呼管理表114の破線枠内の情報)等を通知する。
【0048】
また、機能管理部101は、IP網対応部60に対して、送信元IPアドレスが「(192.168.0.4)」、送信元ポート番号が「1026」であること(図12の音声呼管理表114の一点鎖線枠内の情報)等を通知する。また、機能管理部101は、振り分け部40に対して、使用するユーザ回線対応部が「#2(ユーザ回線対応部32)」、音声処理部が「#1(音声処理部51)」、チャネル番号が「2ch」であること(図12の音声呼管理表114の実線枠内の情報)等を通知する。
【0049】
なお、前記の各機能部に通知する情報は本発明を実現するために必要な情報であり、呼処理制御部は、前記の情報を含めて一般的に通信に必要とされる情報(例えば、音声処理部に対しては、コーデック情報やパケット間周期など)を各部に送信する。
なお、処理を早くするため、ST41のポート番号決定時に呼番号、ユーザ回線対応部31、送信元ポート番号を機能管理部101に通知し、その後の呼制御のやり取りを実施後に送信先IPアドレスとポート番号を別途機能管理部101に通知する方法もある。
また、ここではIP網対応部60,61のIP網2側の冗長方式はACT/SBY方式を例に示したが、IP網対応部60,61のIP網側の冗長方式によっては、例えばリンクアグリゲーションといったACT/ACT方式も想定される。この場合、IP網2からの通信はどちらの系を通るか分からないため、IP網対応部60,61の両系へ通知する必要がある。また、その場合通知する「送信元IPアドレス」は両系で異なり接続される音声処理部のIPアドレスとなる。
【0050】
図13は、音声処理部故障時の呼処理制御部30の動作を説明するための図である。図14は、音声処理部故障時の音声処理部管理表を示し、図15は音声処理部故障時の音声呼管理表を示す図である。
呼処理制御部30は、音声処理部51の故障通知を、音声処理部51もしくは接続先のIP網対応部60から受ける(ST51)。
【0051】
通知を受けた機能管理部101は、故障通知情報をもとに、必要に応じて各機能部をチェックし、音声処理部51の他の音声処理部への切替が必要と判断した場合には、図14に示す音声処理部管理表111内の活性状況を変更する(ST52−1)。機能管理部101は、故障音声処理部、ここでは音声処理部(#1)51の活性状況を「故障中」に変更し、待機中音声処理部である音声処理部(#3)53の活性状況を「運用中」に変更する。
【0052】
次に、機能管理部101は、図14に示す音声処理部管理表111内の使用状況を変更する(ST52−2)。機能管理部101は、図14に示すように、故障音声処理部、ここでは音声処理部(#1)51の使用状況を音声処理部(#3)53にコピーして、故障した音声処理部51の使用状況を「未使用」に変更する。機能管理部101は、図14に示す音声処理部管理表111の変更に合わせて、図15に示す音声呼管理表114を変更する(ST52−3)ここで、音声処理部53で使用するSSRCも、音声処理部51で使用するSSRCとは異なるものに変更する。これは、音声処理部が切り替わることにより、音声信号のシーケンス番号が不連続となり、ユーザ収容装置22などの対向装置による呼切断が生じること等を防ぐためである。
【0053】
機能管理部101は使用する音声処理部53、IP網対応部60、振り分け部40に対して、使用する音声処理部の変更とそれに伴って変更された情報を含めた前記項目の情報(図15において破線枠内、一点鎖線枠内、実線枠内の情報)を通知する(ST53)。
【0054】
なお、ST52において、既に他音声処理部の故障等で待機中の音声処理部(ここでは音声処理部53)が使用されている場合は、ST52−1の処理後、図14に示す音声処理部管理表111内の故障音声処理部51の使用チャネルを、運用中の音声処理部の未使用チャネルに移す。もし、他の音声処理部の空きチャネルが足りない場合は、移さずに故障音声処理部51で処理を続け(この呼に関しては通信の正常性の保障はなし)、空きチャネルが発生した時点で移すこととする。また、故障音声処理部51に音声通信が残っている間は新規に音声通信を確立しないこととする。
また、以上説明した音声処理部の切替はコマンドを用いても同様な手順で対応可能とする。
【0055】
図16は、呼切断時の呼処理制御部30の動作を説明するための図である。図17は呼切断時の音声処理部管理表を示し、図18は呼切断時の音声呼管理表を示す。
呼処理部102は、音声通信を切断するため、IP網2側及びユーザ端末側と呼制御のやり取りを実施する(ST61)。呼制御のやり取りは既存の方式を活用し、IP網2側はSIP等のIP上の制御法を、ユーザ端末側は既存電話の制御法等を用いる。
【0056】
呼処理部102は、切断する呼番号を機能管理部101に通知する(ST62)。機能管理部101は、図18に示す音声呼管理表114を参照し、該当する呼が使用している音声処理部、IP網対応部、振り分け部に対して情報の解除要求を通知する(ST63)。例えば、図18に示す呼番号「0002」の切断が要求されると、機能管理部101は、音声処理部53、IP網対応部60、振り替え部40に対して情報の解除要求を通知する。
【0057】
機能管理部101は、図17に示す音声処理部管理表111において解放(切断)する呼の音声処理部のチャネル番号を「未使用」に変更し(ST64−1)、図18に示す音声呼管理表114において解放する呼の情報を削除する(ST64−2)。例えば、図18に示す呼番号「0002」の切断が要求されると、図17に示す音声処理部管理表111において音声処理部(#3)53のチャネル番号「2ch」の使用状況が「使用」から「未使用」に変更され、図18に示す音声呼管理表114において呼番号「0002」の情報が削除される。
【0058】
次に、IP網対応部60,61の機能と動作について詳細に説明する。
図19は、ユーザ収容装置21のIP網対応部60の機能ブロック構成を示す図である。ここでは、IP網対応部60を例に説明するが、IP網対応部61も同様の機能を有し、同様に動作する。図19に示すように、IP網対応部60は、変換部201、装置内部側IP通信インタフェース202、IP網側IP通信インタフェース203を有する。変換部201は、IPアドレス/ポート番号変換表221を記憶し、管理する。
【0059】
図19に示す変換部201は、IPアドレス/ポート番号変換表221に登録されたアドレス情報に従い、音声処理部51,52,53或いは呼処理制御部30からIP網2への通信における送信元IPアドレスを自身のIP網側のIPアドレスに変換し、またIP網2からユーザ端末側への通信における宛先アドレスとなる自身のIPアドレスを、音声処理部51,52,53或いは呼処理制御部30のIPアドレスに変換する。音声通信に関係するIPアドレス/ポート番号変換表221の情報は、呼処理制御部30からの通知により登録内容を呼接続時、呼切断時、故障時等に動的に変更される。
【0060】
また、変換部201は、必要に応じて音声処理部51,52,53,…からの音声通信を監視し、通信が途絶えたときに音声処理部51,52,53,…の故障として呼処理制御部30に通知する。ここで、音声処理部51,52,53,…の故障を音声処理部以外の装置、例えばIP網対応部60で検出することで故障検知の信頼性がさらに向上する。IP網対応部60は、音声処理部51,52,53,…と直接接続しているため、外部装置での検出に比べて故障検知の信頼性と即時性を上げるのに効果的である。
【0061】
図19において、装置内部側IP通信インタフェース202は、音声処理部或いは呼処理制御部との接続処理を行うインタフェース部である。また、IP網側IP通信インタフェース203は、IP網2との接続処理を行うインタフェース部である。
【0062】
図20はIPアドレス/ポート番号変換表の一例を示す図である。
IPアドレス/ポート番号変換表221には、装置NW(内部NW)のIPアドレス、ポート番号とIP網側(外部NW)のIPアドレス、ポート番号との対応、その状態に関する情報が記憶される。
【0063】
例えば、図20に示すIPアドレス/ポート番号変換表221において、呼処理制御部30のIPアドレス(192.168.0.2)(図2のアドレスG)は、IP網2側に対してはIPアドレス(10.10.10.2)(図2のアドレスα)に変換されることが定義される。
また、図2の音声処理部51のIPアドレス(192.168.0.4)(図2のアドレスA)は、IP網2側に対してはIPアドレス(10.10.10.2)(図2のアドレスα)に変換されることが図20に示すIPアドレス/ポート番号変換表221に定義される。
【0064】
次に、IP網対応部60の動作について説明する。図21は、IP網対応部60の動作を説明するための図である。図22は、IPアドレス/ポート番号変換表の一例を示す図である。
呼制御に関する呼制御用情報は、IPアドレス/ポート番号変換表221に静的に(常時)登録される。ここで、「装置NW(内部NW)」の「IPアドレス」は呼制御処理部30の呼制御用IPアドレスを、「装置NW(内部NW)」の「ポート番号」は呼制御処理部30の呼制御用ポート番号を、「IP網(外部NW)」の「IPアドレス」はIP網対応部60のIP網側IPアドレスを、「IP網(外部NW)」の「ポート番号」は呼制御処理部の呼制御用ポート番号を示し、静的に登録される呼制御用情報とは、呼制御処理部30のIPアドレスとポート番号と、IP網対応部60のIP網側のIPアドレスとポート番号を対応させることを示す。
【0065】
ここで、静的に登録された呼制御用情報に従うと、呼処理制御部30からの呼制御通信において、IPアドレス/ポート番号変換表221の「装置NW(内部NW)」にある「IPアドレス」及び「ポート番号」と、送信元IPアドレス及びポート番号とが共に一致する場合に、送信元IPアドレスとポート番号は、「IP網(外部NW)」の「IPアドレス」と「ポート番号」に変換される。
また、IP網2(外部NW)からの呼制御通信は、IPアドレス/ポート番号変換表221の「IP網(外部NW)」にある「IPアドレス」及び「ポート番号」と、宛先IPアドレス及びポート番号が共に一致する場合に、宛先IPアドレスとポート番号は、「装置NW(内部NW)」の「IPアドレス」と「ポート番号」に変換される。
【0066】
IP網対応部60の登録処理について説明する。
IP網対応部60は、呼処理制御部30より、登録通知(音声通信の「送信元IPアドレス」(即ちこれは音声通信に使用する音声処理部のIPアドレスである)と「送信元ポート番号」)を受ける(ST71)。登録通知を受信した変換部201は、IPアドレス/ポート番号変換表221内に登録を行う(ST72)。ここで、「装置NW(内部NW)」の「IPアドレス」と「ポート番号」は登録通知の内容を、「IP網NW(外部NW)」の「IPアドレス」は固定的にIP網側のIPアドレスを、「ポート番号」は登録通知の内容を登録する。
【0067】
例えば、図22に示すIPアドレス/ポート番号変換表221において、「装置NW(内部NW)」のIPアドレス「(192.168.0.4)」とポート番号「1026」、及び「IP網NW(外部NW)」のポート番号「1026」は登録通知の内容であり、「IP網NW(外部NW)」のIPアドレスは固定的に使用するIP網対応部60のIP網側のIPアドレスα「(10.10.10.2)」が登録される。
【0068】
変換部201は、装置NW(内部NW)からの通信に対して、IPアドレス/ポート番号変換表221の「装置NW(内部NW)」にある「IPアドレス」と「ポート番号」に送信元IPアドレスとポート番号が共に一致した信号において、送信元IPアドレスとポート番号を、「IP網(外部NW)」の「IPアドレス」と「ポート番号」に変換する(ST73)。また、変換部201は、IP網2(外部NW)からの通信に対して、IPアドレス/ポート番号変換表221の「IP網(外部NW)」にある「IPアドレス」/「ポート番号」に宛先IPアドレスとポート番号が共に一致した信号において、宛先IPアドレスとポート番号を、「装置NW(内部NW)」の「IPアドレス」/「ポート番号」に変換する(ST74)。
【0069】
次に、変換部201は、呼処理制御部30から呼処理の解除通知を受けた場合、IPアドレス/ポート番号変換表221の該当する呼の登録を削除することにより、該当する変換を停止する。
また、IPアドレス/ポート番号変換表221に動的に登録している通信に対しては、変換部201は、必要に応じて音声処理部からの音声通信の断監視を実施することにより、音声処理部の故障を検知できるようにする。
【0070】
音声処理部51,52,53,…が故障したことを検知した場合、変換部201は呼処理制御部30に故障検知を通知する。ここで、断監視の検出間隔はIP網2や対向装置(ユーザ収容装置22)の検出間隔に比べ充分に短時間に設定する。これによりIP網2や対向装置での断検出による呼切断実施より前に切替を実施することが可能となる。
IP網対応部60は、前記に述べた機能以外は、一般的なL3SW(レイヤ3スイッチ)として動作するものとする。
【0071】
次に、音声処理部51,52,53,…の機能と動作について説明する。
図23は、音声処理部51の機能ブロック構成図である。
なお、ここでは音声処理部51を例に説明するが、他の音声処理部も同様の機能を有し、同様に動作する。
図23に示すように、音声処理部51は、処理部301、IP通信インタフェース302、対振り分け部インタフェース303を有する。
【0072】
処理部301は、呼処理制御部30より通知を受けた情報を、音声処理部管理情報311として格納し、その情報に従い、振り分け部40,41からの音声信号を、符号化、RTP化、IP化し、IP網対応部60,61に送信すると共に、IP網対応部60,61からのIP信号を逆手順で音声信号に変換する
図24は、音声処理部管理情報311の一例を示す図である。音声処理部管理情報311は、音声信号を送信した振り分け部、チャネル番号、使用状態(使用/未使用)、SSRC、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号などの情報からなる。これらの情報は、図6等に示す音声処理部管理表111、図9等に示す音声呼管理表114に記憶された情報と同様の情報である。
【0073】
図23において、IP通信インタフェース302は、IP網対応部60,61との接続処理を行うインタフェース部であり、一般的なIP通信のインタフェースである。また、対振り分け部インタフェース303は、振り分け部40,41との接続処理を行うインタフェース部である。
【0074】
図25は、音声処理部の動作を説明するための図である。
音声処理部51は、呼処理制御部30より、登録通知を受け(ST81)、音声処理部管理情報311に登録通知内容を登録する(ST82)。図26は、通知情報を登録した音声処理部管理情報311の一例を示す図である。ST81によって通知を受けた情報をもとに、接続振り分け部は「0系」、使用するチャネル番号は「2ch」、使用状態は「使用」、SSRCは「1235」、送信先IPアドレスは「(10.10.10.11)」、送信先ポート番号は「3000」、送信元IPアドレスは「(192.168.0.4)」、送信元ポート番号が「1026」であることが音声処理部管理情報311に記憶される。
【0075】
次に、処理部301は、音声処理部管理情報311に従って送受信処理を実施する(ST83)。
送信処理の場合、処理部301は、登録されている振り分け部、チャネル番号からの音声信号を符号化し、符号化した音声信号を、登録されているSSRC等の情報を用いてRTP化する。RTP化した信号を、処理部301は、音声処理部管理情報311として登録されている送信先IPアドレスとポート番号、送信元IPアドレスとポート番号を用いて、IP化する。
【0076】
処理部301は、IP化した信号を、送信元アドレスをもとにアドレス管理表を用いてNextHopを決定し送信する。図27は、アドレス管理表の一例を示す図である。図27に示すアドレス管理表では、送信元IPアドレスとIP化した信号を次に送信する送信先のIPアドレス(NextHop)を管理する。
また、ST83における受信処理は、前記の送信処理の逆方向の処理を行い、IP網対応部60,61からのIP信号を受け付けて音声信号に変換する。
【0077】
また、呼処理制御部30から呼の解除が通知された場合、処理部301は、音声処理部管理情報311において該当する呼の登録情報を削除することにより音声通信の送受信を停止する。
また、自身に故障が発生した場合は、処理部301は、呼処理制御部30に故障した旨を送信する。
【0078】
次に、振り分け部40,41の機能と動作について説明する。
図28は、振り分け部40の機能ブロック構成図である。
なお、ここでは振り分け部40を例に説明するが、振り分け部41も同様の機能を有し、同様に動作する。
図28に示すように、振り分け部40は接続部401を有する。接続部401は、呼処理制御部30より、使用するユーザ回線対応部及び使用する音声処理部とチャネル番号の情報を通知され、通知されたチャネル番号のチャネルを用いて使用するユーザ回線対応部と使用する音声処理部との接続を実施する。
【0079】
図29は、振り分け部の動作を説明するための図である。振り分け部40の接続部401は、使用するユーザ回線対応部の番号、音声処理部の番号、チャネル番号の接続通知を呼処理制御部30より受け付け(ST91)、前記接続通知に従って使用するユーザ回線対応部と使用する音声処理部とを接続する(ST92)。これにより通信が可能となる。また、呼処理制御部30より呼の解除通知を受けた場合、該当する接続を解除する。こうして、通信が終了する。
【0080】
本実施形態によれば、音声処理部が複数存在する場合でも、IP網側に対してIPアドレスを最低2つに抑えることが可能となる。また、ACT/ACT(リンクアグリゲーション等)の方式をとった場合は、IP網側に対して最低1つのIPアドレスで対応できる
なお、前記の説明においてユーザ収容装置22の代わりに一般VoIP(Voice over Internet Protocol)端末を接続した場合であっても、本実施の形態は適用可能である。VoIP端末は、音声信号をIP信号に変換してIP網2に送信する、或いは、IP網2からIP信号を受信して音声信号に変換する端末であり、一般的な各機能部及び回線の冗長化を実施していない端末等をも含めた端末である。
【符号の説明】
【0081】
1 音声通信システム
2 IP網
7 呼処理制御サーバ
11,12,13,14 ユーザ端末
21、22 ユーザ収容装置
30 呼処理制御部
31,32,33 ユーザ回線対応部
40,41 振り分け部
51,52,53 音声処理部
60,61 IP網対応部
101 機能管理部
102 呼処理部
103 IP通信インタフェース部
104 制御通信インタフェース部
111 音声処理部管理表
112 IP網対応部管理表
113 振り分け部管理表
114 音声呼管理表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP網を利用したユーザ端末間の音声通信において、前記ユーザ端末と前記IP網に接続し、予備の音声処理部を含み、音声信号をIP信号に変換する複数の音声処理部と、前記ユーザ端末から音声信号を受信するユーザ回線対応部と、前記ユーザ回線対応部から送信された音声信号を前記音声処理部に振り分ける振り分け部と、前記音声処理部と前記IP網とを接続するIP網対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備えるユーザ収容装置に適用されるN+1構成での前記音声処理部における切替方法であって、
前記呼処理制御部が前記ユーザ端末から音声通信の呼接続の要求を受け、当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、送信元ポート番号を音声呼情報として取得するステップと、
前記呼処理制御部が、前記音声処理部の使用状態を参照し、未使用の音声処理部とチャネル番号を、当該呼の音声通信に使用する音声処理部とチャネル番号として決定するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号の情報を、前記音声処理部の使用状態に追加して記憶するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号と前記当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、当該呼に使用する前記振り分け部、当該呼に使用する前記IP網対応部の情報を、前記音声呼情報に追加して記憶するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を通知するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用するユーザ回線対応部、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号を通知するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知するステップと、
前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部と前記音声処理部とを接続し、前記音声信号を、前記通知されたチャネルで前記音声処理部に送信するステップと、
前記当該呼に使用する音声処理部が、前記振り分け部から受信した前記音声信号をRTP信号に変換し、前記通知された音声呼情報に含まれる前記送信先IPアドレス、前記送信先ポート番号、前記通知された音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を加えて前記IP信号に変換し、前記IP網対応部に送信するステップと、
前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記通知された音声処理部のIPアドレスを前記IP網側の自身のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記IP網に送信するステップと、
を備えることを特徴とするN+1構成での音声処理部における切替方法。
【請求項2】
IP網を利用したユーザ端末間の音声通信において、前記ユーザ端末と前記IP網に接続し、予備の音声処理部を含み、IP信号を音声信号に変換する複数の音声処理部と、前記IP網から受信したIP信号を前記音声処理部に送信するIP網対応部と、前記音声処理部から前記音声信号を受信する振り分け部と、前記振り分け部から前記音声信号を受信して前記ユーザ端末に送信するユーザ回線対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備えるユーザ収容装置に適用されるN+1構成での前記音声処理部における切替方法であって、
前記呼処理制御部が、前記ユーザ端末から音声通信の呼接続の要求を受け、当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部、宛先ポート番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号を音声呼情報として取得するステップと、
前記呼処理制御部が、前記音声処理部の使用状態を参照し、未使用の音声処理部とチャネル番号を、当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号として決定するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号の情報を、前記音声処理部の使用状態に追加して記憶するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号と当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、当該呼に使用する前記振り分け部、当該呼に使用する前記IP網対応部の情報を、前記音声呼情報に追加して記憶するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうちの当該呼に使用する前記音声処理部のIPアドレス、前記宛先ポート番号を通知するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用するユーザ回線対応部、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号を通知するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知するステップと、
前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記IP信号の宛先IPアドレスを前記通知された音声処理部のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記通知された音声処理部に送信するステップと、
前記当該呼に使用する音声処理部が、前記IP網対応部から受信したIP信号を音声信号に変換し、前記通知されたチャネルで前記当該呼に使用する振り分け部に送信するステップと、
前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部に前記音声信号を送信するステップと、
前記当該呼に使用するユーザ回線対応部が、前記ユーザ端末に前記音声信号を送信するステップと、
を備えることを特徴とするN+1構成での音声処理部における切替方法。
【請求項3】
IP網を利用したユーザ端末間の音声通信において、前記ユーザ端末と前記IP網に接続し、予備の音声処理部を含み、音声信号をIP信号に変換する複数の音声処理部と、前記ユーザ端末から音声信号を受信するユーザ回線対応部と、前記ユーザ回線対応部から送信された音声信号を前記音声処理部に振り分ける振り分け部と、前記音声処理部と前記IP網とを接続するIP網対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備えるユーザ収容装置に適用されるN+1構成での前記音声処理部における切替方法であって、
前記音声通信に使用する前記ユーザ回線対応部と、前記振り分け部、前記音声処理部、チャネル番号、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、前記音声処理部のIPアドレス、送信元ポート番号、前記IP網対応部を記憶した音声呼情報に従って行う音声通信において、前記音声処理部が故障した場合、
前記呼処理制御部が、前記故障した音声処理部に関する故障通知情報を受け付けるステップと、
前記呼処理制御部が、前記故障通知情報を参照し、前記故障した音声処理部の使用状態を前記予備の音声処理部に移し、前記故障した音声処理部の使用状態を使用から未使用に変更して記憶するステップと、
前記呼処理制御部が、前記故障した音声処理部を使用する呼に関する前記音声呼情報を取得するステップと、
前記呼処理制御部が、前記取得した音声呼情報において、前記故障した音声処理部と前記故障した音声処理部のIPアドレスを、前記予備の音声処理部と前記予備の音声処理部のIPアドレスに変更して、前記音声呼情報に記憶するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうち、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を通知するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうち、使用する前記ユーザ回線対応部、前記予備の音声処理部、前記チャネル番号を通知するステップと、
前記呼処理制御部が、前記予備の音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知するステップと、
前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された使用する前記ユーザ回線対応部と前記予備の音声処理部とを接続し、前記音声信号を、前記通知されたチャネルで前記予備の音声処理部に送信するステップと、
前記予備の音声処理部が、前記振り分け部から受信した前記音声信号をRTP信号に変換し、前記通知された音声呼情報に含まれる前記送信先IPアドレス、前記送信先ポート番号、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を加えて前記IP信号に変換し、前記IP網対応部に送信するステップと、
前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記予備の音声処理部のIPアドレスを前記IP網側の自身のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記IP網に送信するステップと、
を備えることを特徴とするN+1構成での音声処理部における切替方法。
【請求項4】
IP網を利用したユーザ端末間の音声通信において、前記ユーザ端末と前記IP網に接続し、予備の音声処理部を含み、IP信号を音声信号に変換する複数の音声処理部と、前記IP網から受信したIP信号を前記音声処理部に送信するIP網対応部と、前記音声処理部から前記音声信号を受信する振り分け部と、前記振り分け部から前記音声信号を受信して前記ユーザ端末に送信するユーザ回線対応部と、呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、を備えるユーザ収容装置に適用されるN+1構成での前記音声処理部における切替方法であって、
前記音声通信に使用する前記ユーザ回線対応部と、前記振り分け部、前記音声処理部、チャネル番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号、前記音声処理部のIPアドレス、宛先ポート番号、前記IP網対応部を記憶した音声呼情報に従って行う音声通信において、前記音声処理部が故障した場合、
前記呼処理制御部が、前記故障した音声処理部に関する故障通知情報を受け付けるステップと、
前記呼処理制御部が、前記故障通知情報を参照し、前記故障した音声処理部の使用状態を前記予備の音声処理部に移し、前記故障した音声処理部の使用状態を使用から未使用に変更して記憶するステップと、
前記呼処理制御部が、前記故障した音声処理部を使用する呼に関する前記音声呼情報を取得するステップと、
前記呼処理制御部が、前記取得した音声呼情報において、前記故障した音声処理部と前記故障した音声処理部のIPアドレスを、前記予備の音声処理部と前記予備の音声処理部のIPアドレスに変更して、前記音声呼情報に記憶するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうち、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記宛先ポート番号を通知するステップと、
前記呼処理制御部が、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうち、使用する前記ユーザ回線対応部、前記予備の音声処理部、前記チャネル番号を通知するステップと、
前記呼処理制御部が、前記予備の音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知するステップと、
前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記IP信号の宛先IPアドレスを前記予備の音声処理部のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記予備の音声処理部に送信するステップと、
前記予備の音声処理部が、前記IP網対応部から受信したIP信号を音声信号に変換し、前記通知されたチャネルで前記当該呼に使用する振り分け部に送信するステップと、
前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部に前記音声信号を送信するステップと、
前記当該呼に使用するユーザ回線対応部が、前記ユーザ端末に前記音声信号を送信するステップと、
を備えることを特徴とするN+1構成での音声処理部における切替方法。
【請求項5】
前記故障通知情報は、前記IP網対応部が、前記音声処理部から送信されるIP信号を監視し、IP信号が途絶えた場合に、当該音声処理部が故障したものとして前記呼処理制御部に通知することを特徴とする請求項3または請求項4に記載されたN+1構成での音声処理部における切替方法。
【請求項6】
前記呼処理制御部が、前記ユーザ端末から音声通信の呼切断の要求を受けると、当該呼の音声呼情報を取得するステップと、
前記呼処理制御部が、前記取得した当該呼の音声呼情報に従って、当該音声呼に使用される音声処理部、振り分け部、IP網対応部に、当該呼の解除を通知するステップと、
当該呼の解除を通知された前記振り分け部が、当該呼に使用される前記ユーザ回線対応部と前記音声処理部との接続を解放するステップと、
当該呼の解除を通知された音声処理部が、前記音声信号と前記IP信号との変換処理を停止するステップと、
当該呼の解除を通知された前記IP網対応部が、当該呼に使用された前記音声処理部のIPアドレスと前記IP網側の自身のIPアドレスとの変換を停止するステップと、
前記呼処理制御部が、当該呼の前記音声呼情報を削除するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載されたN+1構成での音声処理部における切替方法。
【請求項7】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末とIP網に接続するユーザ収容装置を備え、前記ユーザ端末間で前記IP網を利用した音声通信を実現する音声通信システムであって、
前記ユーザ収容装置は、
予備の音声処理部を含み、音声信号をIP信号に変換する複数の音声処理部と、
前記ユーザ端末から音声信号を受信するユーザ回線対応部と、
前記ユーザ回線対応部から送信された音声信号を前記音声処理部に振り分ける振り分け部と、
前記音声処理部と前記IP網とを接続するIP網対応部と、
呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、
を備え、
前記呼処理制御部は、前記ユーザ端末から音声通信の呼接続の要求を受け、当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、送信元ポート番号を音声呼情報として取得し、前記音声処理部の使用状態を参照し、未使用の音声処理部とチャネル番号を、当該呼の音声通信に使用する音声処理部とチャネル番号として決定し、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号の情報を、前記音声処理部の使用状態に追加して記憶し、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号と当該呼に使用する前記音声処理部のIPアドレス、当該呼に使用する前記振り分け部、当該呼に使用する前記IP網対応部の情報を、前記音声呼情報に追加して記憶し、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を通知し、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用するユーザ回線対応部、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号を通知し、前記当該呼に使用する音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知し、
前記当該呼に使用する振り分け部が、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部と前記音声処理部とを接続し、前記音声信号を、前記通知されたチャネルで前記音声処理部に送信し、
前記当該呼に使用する音声処理部が、前記振り分け部から受信した前記音声信号をRTP信号に変換し、前記通知された音声呼情報に含まれる前記送信先IPアドレス、前記送信先ポート番号、前記通知された音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を加えて前記IP信号に変換し、前記IP網対応部に送信し、
前記当該呼に使用するIP網対応部が、前記通知された音声処理部のIPアドレスを前記IP網側の自身のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記IP網に送信することを特徴とする音声通信システム。
【請求項8】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末とIP網に接続するユーザ収容装置を備え、前記ユーザ端末間で前記IP網を利用した音声通信を実現する音声通信システムであって、
前記ユーザ収容装置は、
予備の音声処理部を含み、IP信号を音声信号に変換する複数の音声処理部と、
前記IP網から受信したIP信号を前記音声処理部に送信するIP網対応部と、
前記音声処理部から前記音声信号を受信する振り分け部と、
前記振り分け部から前記音声信号を受信して前記ユーザ端末に送信するユーザ回線対応部と、
呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、
を備え、
前記呼処理制御部は、前記ユーザ端末から音声通信の呼接続の要求を受け、当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部、宛先ポート番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号を音声呼情報として取得し、前記音声処理部の使用状態を参照し、未使用の音声処理部とチャネル番号を、当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号として決定し、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号の情報を、前記音声処理部の使用状態に追加して記憶し、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号と当該呼に使用する音声処理部のIPアドレス、当該呼に使用する前記振り分け部、当該呼に使用する前記IP網対応部の情報を、前記音声呼情報に追加して記憶し、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうちの当該呼に使用する前記音声処理部のIPアドレス、前記宛先ポート番号を通知し、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうちの前記当該呼に使用するユーザ回線対応部、前記当該呼に使用する音声処理部とチャネル番号を通知し、前記当該呼に使用する音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知し、
前記当該呼に使用するIP網対応部は、前記IP信号の宛先IPアドレスを前記通知された音声処理部のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記通知された音声処理部に送信し、
前記当該呼に使用する音声処理部は、前記IP網対応部から受信したIP信号を音声信号に変換し、前記通知されたチャネルで前記当該呼に使用する振り分け部に送信し、
前記当該呼に使用する振り分け部は、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部に前記音声信号を送信し、
前記当該呼に使用するユーザ回線対応部は、前記ユーザ端末に前記音声信号を送信することを特徴とする音声通信システム。
【請求項9】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末とIP網に接続するユーザ収容装置を備え、前記ユーザ端末間で前記IP網を利用した音声通信を実現する音声通信システムであって、
前記ユーザ収容装置は、
予備の音声処理部を含み、音声信号をIP信号に変換する複数の音声処理部と、
前記ユーザ端末から音声信号を受信するユーザ回線対応部と、
前記ユーザ回線対応部から送信された音声信号を前記音声処理部に振り分ける振り分け部と、
前記音声処理部と前記IP網とを接続するIP網対応部と、
呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、
を備え、
前記音声通信に使用する前記ユーザ回線対応部と、前記振り分け部、前記音声処理部、チャネル番号、送信先IPアドレス、送信先ポート番号、前記音声処理部のIPアドレス、送信元ポート番号、前記IP網対応部を記憶した音声呼情報に従って行う音声通信において、前記音声処理部が故障した場合、
前記呼処理制御部は、前記故障した音声処理部に関する故障通知情報を受け付け、前記故障通知情報を参照し、前記故障した音声処理部の使用状態を前記予備の音声処理部に移し、前記故障した音声処理部の使用状態を使用から未使用に変更して記憶し、前記故障した音声処理部を使用する呼に関する前記音声呼情報を取得し、前記取得した音声呼情報において、前記故障した音声処理部と前記故障した音声処理部のIPアドレスを、前記予備の音声処理部と前記予備の音声処理部のIPアドレスに変更して、前記音声呼情報に記憶し、当該呼に使用する前記IP網対応部に対して、前記音声呼情報のうち、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を通知し、当該呼に使用する前記振り分け部に対して、前記音声呼情報のうち、使用する前記ユーザ回線対応部、前記予備の音声処理部、前記チャネル番号を通知し、前記予備の音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知し、
前記当該呼に使用する振り分け部は、前記通知された使用する前記ユーザ回線対応部と前記予備の音声処理部とを接続し、前記音声信号を、前記通知されたチャネルで前記予備の音声処理部に送信し、
前記予備の音声処理部は、前記振り分け部から受信した前記音声信号をRTP信号に変換し、前記通知された音声呼情報に含まれる前記送信先IPアドレス、前記送信先ポート番号、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記送信元ポート番号を加えて前記IP信号に変換し、前記IP網対応部に送信し、
前記当該呼に使用するIP網対応部は、前記予備の音声処理部のIPアドレスを前記IP網側の自身のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記IP網に送信することを特徴とする音声通信システム。
【請求項10】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末とIP網に接続するユーザ収容装置を備え、前記ユーザ端末間で前記IP網を利用した音声通信を実現する音声通信システムであって、
前記ユーザ収容装置は、
予備の音声処理部を含み、IP信号を音声信号に変換する複数の音声処理部と、
前記IP網から受信したIP信号を前記音声処理部に送信するIP網対応部と、
前記音声処理部から前記音声信号を受信する振り分け部と、
前記振り分け部から前記音声信号を受信して前記ユーザ端末に送信するユーザ回線対応部と、
呼処理の制御を行い、前記呼処理の音声呼情報と、前記音声処理部、前記IP網対応部、前記振り分け部の各部の使用状態とを記憶する呼処理制御部と、
を備え、
前記音声通信に使用する前記ユーザ回線対応部と、前記振り分け部、前記音声処理部、チャネル番号、送信元IPアドレス、送信元ポート番号、前記音声処理部のIPアドレス、宛先ポート番号、前記IP網対応部を記憶した音声呼情報に従って行う音声通信において、前記音声処理部が故障した場合、
前記呼処理制御部は、前記故障した音声処理部に関する故障通知情報を受け付け、前記故障通知情報を参照し、前記故障した音声処理部の使用状態を前記予備の音声処理部に移し、前記故障した音声処理部の使用状態を使用から未使用に変更して記憶し、前記故障した音声処理部を使用する呼に関する前記音声呼情報を取得し、前記取得した音声呼情報において、前記故障した音声処理部と前記故障した音声処理部のIPアドレスを、前記予備の音声処理部と前記予備の音声処理部のIPアドレスに変更して、前記音声呼情報に記憶し、前記当該呼に使用するIP網対応部に対して、前記音声呼情報のうち、前記予備の音声処理部のIPアドレス、前記宛先ポート番号を通知し、前記当該呼に使用する振り分け部に対して、前記音声呼情報のうち、使用する前記ユーザ回線対応部、前記予備の音声処理部、前記チャネル番号を通知し、前記予備の音声処理部に対して、前記音声呼情報を通知し、
前記当該呼に使用するIP網対応部は、前記IP信号の宛先IPアドレスを前記予備の音声処理部のIPアドレスに変換して、前記IP信号を前記予備の音声処理部に送信し、
前記予備の音声処理部は、前記IP網対応部から受信したIP信号を音声信号に変換し、前記通知されたチャネルで前記当該呼に使用する振り分け部に送信し、
前記当該呼に使用する振り分け部は、前記通知された当該呼に使用する前記ユーザ回線対応部に前記音声信号を送信し、
前記当該呼に使用するユーザ回線対応部は、前記ユーザ端末に前記音声信号を送信することを特徴とする音声通信システム。
【請求項11】
前記故障通知情報は、前記IP網対応部が、前記音声処理部から送信されるIP信号を監視し、IP信号が途絶えた場合に、当該音声処理部が故障したものとして前記呼処理制御部に通知することを特徴とする請求項9または請求項10に記載された音声通信システム。
【請求項12】
前記呼処理制御部は、前記ユーザ端末から音声通信の呼切断の要求を受けると、当該呼の音声呼情報を取得し、前記取得した当該呼の音声呼情報に従って、当該音声呼に使用される音声処理部、振り分け部、IP網対応部に当該呼の解除を通知し、
当該呼の解除を通知された前記振り分け部は、当該呼に使用される前記ユーザ回線対応部と前記音声処理部との接続を解放し、
当該呼の解除を通知された音声処理部は、前記音声信号と前記IP信号との変換処理を停止し、
当該呼の解除を通知された前記IP網対応部は、当該呼に使用された前記音声処理部のIPアドレスと前記IP網側の自身のIPアドレスとの変換を停止し、
前記呼処理制御部は、当該呼の前記音声呼情報を削除することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載された音声通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2011−182205(P2011−182205A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44760(P2010−44760)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】