OFDM復調装置
【課題】 誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することを防止する。
【解決手段】 復調部(11)は、直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、入力信号に含まれるTMCC信号を検出する。誤り訂正部(12)は、復調部により検出されたTMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する。第1検査部(13)は、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報が所定の放送伝送規格または放送運用規格の少なくともいずれかに則っているかを検査する。通知部(14)は、第1検査部による検査が通らなかった場合、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する。
【解決手段】 復調部(11)は、直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、入力信号に含まれるTMCC信号を検出する。誤り訂正部(12)は、復調部により検出されたTMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する。第1検査部(13)は、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報が所定の放送伝送規格または放送運用規格の少なくともいずれかに則っているかを検査する。通知部(14)は、第1検査部による検査が通らなかった場合、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式に従って変調された信号を復調するOFDM復調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OFDM方式で変調された放送信号を送受信する地上ディジタル放送において、放送信号に重畳されているTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号は、システム識別、部分受信、キャリア変調方式、畳み込み符号化率、インタリーブ長やセグメント数等を指示するTMCC情報(符号化部分)を含んでいる。
受信側に設けられるOFDM復調装置では、まず、受信した放送信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して得られた信号に対してDBPSK(Double Binary Phase Shift Keying)方式の復調処理が実施され、TMCC信号が検出される。そして、TMCC信号中のTMCC情報に対して差集合巡回符号(273,191)の短縮符号(184,102)を使用した誤り訂正処理が実施されるとともに、誤り訂正の成否が判断される。誤り訂正処理により得られたTMCC情報は、誤り訂正成功と判断された場合にのみ、パラメータ更新に使用される。このようなOFDM復調装置に関する技術は、例えば、特許文献1、2に開示されている。
【特許文献1】特開平11−252189号公報
【特許文献2】特開2002−218339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
OFDM復調装置では、受信状態の劣化に伴うTMCC信号中のTMCC情報におけるエラー数の増加等に起因して、誤り訂正成功と判断されたにも拘わらず、誤り訂正処理により得られたTMCC情報が実際には誤っている場合がある。このような場合、誤ったTMCC情報を使用してパラメータ更新が実施され、OFDM復調装置が誤動作してしまう可能性がある。誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作してしまった場合、OFDM復調装置にリセットをかける必要があり、次のパラメータ更新の実施後に、各種インタリーブ時間分だけ主信号に対する復調処理が正しく実施されないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1形態では、OFDM復調装置は、復調部、誤り訂正部、第1検査部および通知部を備えて構成される。復調部は、直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、入力信号に含まれるTMCC信号を検出する。誤り訂正部は、復調部により検出されたTMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する。第1検査部は、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報が所定の放送伝送規格または放送運用規格の少なくともいずれかに則っているかを検査する。通知部は、第1検査部による検査が通らなかった場合、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する。
【0006】
地上ディジタル放送では、放送伝送規格および放送運用規格に応じてどのようなTMCC情報が伝送されるかが決められている。このため、誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報が放送伝送規格または放送運用規格のいずれにも則っていなければ、そのときのTMCC情報は誤っているものと推定することができる。このことに着目して、前述のOFDM復調装置では、誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、第1検査部による検査が通らなければ、通知部によりそのときのTMCC情報が誤っていることが通知される。従って、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することを防止できる。
【0007】
本発明の第1形態における好ましい例では、第1検査部は、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報を複数の検査項目について並列に検査する。これにより、第1検査部によるTMCC情報に対する検査を短時間で実施できる。
本発明の第1形態における好ましい例では、第1検査部は、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報を複数の検査項目について順番に検査する。第1検査部は、複数の検査項目のいずれかについての検査が通らなかった場合、それ以降の検査を省略する。従って、TMCC情報を複数の検査項目について並列に検査する場合に比べて、OFDM復調装置の消費電力のピークを低減できる。
【0008】
本発明の第1形態における好ましい例では、OFDM復調装置は、第2検査部を更に備えて構成される。第2検査部は、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報を所定数だけ順次蓄積し、蓄積しているTMCC情報同士が一致するかを検査する。通知部は、第2検査部による検査が通らなかった場合にも、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する。
【0009】
誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、そのときのTMCC情報が以前のTMCC情報と一致しなければ、そのときのTMCC情報は誤っているものと推定することができる。このことに着目して、前述のOFDM復調装置では、誤り訂正部により誤り訂正成功と判断され、かつ第1検査部による検査が通った場合でも、第2検査部による検査が通らなければ、通知部によりそのときのTMCC情報が誤っていることが通知される。このため、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することをより確実に防止できる。
【0010】
本発明の第2形態では、OFDM復調装置は、復調部、誤り訂正部、検査部および通知部を備えて構成される。復調部は、直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、入力信号に含まれるTMCC信号を検出する。誤り訂正部は、復調部により検出されたTMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する。検査部は、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報を所定数だけ順次蓄積し、蓄積しているTMCC情報同士が一致するかを検査する。通知部は、検査部による検査が通らなかった場合、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する。
【0011】
誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、そのときのTMCC情報が以前のTMCC情報と一致しなければ、そのときのTMCC情報は誤っているものと推定することができる。このことに着目して、前述のOFDM復調装置では、誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、検査部による検査が通らなければ、通知部によりそのときのTMCC情報が誤っていることが通知される。従って、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態を示している。図2は、TMCC信号のビット構成を示している。図3は、TMCC情報に対する検査項目を示している。第1実施形態のOFDM復調装置10は、DBPSK復調部11、TMCCデコード部12、TMCC情報検査部13およびエラーフラグ出力部14を有している。なお、図1では、OFDM復調装置10におけるTMCC信号の処理に関連する部分のみを図示している。
【0014】
DBPSK復調部11は、入力信号INに対してDBPSK方式の復調処理を実施することで、入力信号INに含まれるTMCC信号を検出して出力する。例えば、入力信号INは、地上ディジタル放送信号(受信信号)を高速フーリエ変換して得られた信号である。また、TMCC信号は、図2に示すように、日本の地上ディジタル放送の規格であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)規格に準拠する204ビットの信号である。
【0015】
TMCCデコード部12は、DBPSK復調部11から出力されるTMCC信号中のTMCC情報(ビット20〜ビット121)に対して差集合巡回符号の短縮符号を使用した誤り訂正処理を実施し、誤り訂正処理の完了後のデータをTMCC情報PARとして出力する。また、TMCCデコード部12は、誤り訂正の成否を判断し、誤り訂正成功と判断した場合に判断結果信号JR0を非活性化させ、誤り訂正失敗と判断した場合に判断結果信号JR0を活性化させる。
【0016】
TMCC情報検査部13は、検査回路CA1〜CA9および判断回路JA1を有している。検査回路CA1(CA2〜CA9)は、TMCCデコード部12による誤り訂正成功との判断に伴って、TMCC情報PARを取得して図3に示す検査項目1(2〜9)を満たすかを検査する。検査回路CA1(CA2〜CA9)は、検査が通った場合に検査結果信号CR1(CR2〜CR9)を非活性化させ、検査が通らなかった場合に検査結果信号CR1(CR2〜CR9)を活性化させる。ここで、検査項目1〜8は、TMCC情報PARが放送伝送規格に則っているかを検査するための項目に相当する。検査項目9は、TMCC情報PARが放送伝送規格における放送運用規格に則っているかを検査するための項目に相当する。なお、本実施形態では、検査項目(検査回路)の数が9個であるものとしているが、検査項目(検査回路)の数を9個より少なくしても多くしてもよいことは言うまでもない。判断回路JA1は、検査結果信号CR1〜CR9の全てが非活性化されている場合、TMCC情報PARは正しいと判断して判断結果信号JR1を非活性化させる。判断回路JA1は、検査結果信号CR1〜CR9の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARは誤っていると判断して判断結果信号JR1を活性化させる。
【0017】
エラーフラグ出力部14は、判断結果信号JR0、JR1の双方が非活性化されている場合、TMCC情報PARが正しい旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを非活性化させる。エラーフラグ出力部14は、判断結果信号JR0、JR1の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARが誤っている旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを活性化させる。OFDM復調装置10では、エラーフラグ信号EFが非活性化されている場合にのみ、TMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。すなわち、OFDM復調装置10では、エラーフラグ信号EFが活性化されている場合には、TMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0018】
図4は、図1のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置10では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS11)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS12)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS13)。
【0019】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部13(検査回路CA1〜CA9および判断回路JA1)により、TMCC情報PARが検査項目1〜9の全てを満たすかが検査される(ステップS14)。TMCC情報検査部13による検査が通った場合、エラーフラグ出力部14により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS15)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS16)。一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、あるいはTMCC情報検査部13による検査が通らなかった場合、エラーフラグ出力部14により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS17)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0020】
以上のような第1実施形態では、TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合でも、TMCC情報検査部13による検査(TMCC情報PARが放送伝送規格または放送運用規格の少なくともいずれかに則っているかを検査)が通らなければ、エラーフラグ出力部14によりエラーフラグ信号EFが活性化される。従って、誤ったTMCC情報PARがパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置10が誤動作することを防止できる。
【0021】
図5は、本発明の比較例を示している。比較例を説明するにあたって、第1実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。比較例のOFDM復調装置90は、第1実施形態のOFDM復調装置10に対して、TMCC情報検査部13およびエラーフラグ出力部14を取り除くとともに、TMCCデコード部12をTMCCデコード部92に置き換えて構成されている。TMCCデコード部92は、DBPSK復調部11から出力されるTMCC信号中のTMCC情報に対して差集合巡回符号の短縮符号を使用した誤り訂正処理を実施し、誤り訂正処理の完了後のデータをTMCC情報PARとして出力する。また、TMCCデコード部92は、誤り訂正の成否を判断し、誤り訂正成功と判断した場合にエラーフラグ信号EFを非活性化させ、誤り訂正失敗と判断した場合にエラーフラグ信号EFを活性化させる。
【0022】
図6は、図5のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置90では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS91)。次に、TMCCデコード部92により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS92)。そして、TMCCデコード部92により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS93)。
【0023】
TMCCデコード部92により誤り訂正成功と判断された場合、TMCCデコード部92により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS94)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS95)。一方、TMCCデコード部92により誤り訂正失敗と判断された場合、TMCCデコード部92により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS96)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0024】
以上のような比較例では、TMCCデコード部92により誤り訂正成功と判断されてエラーフラグ信号EFが非活性化されているにも拘わらず、TMCC情報PARが実際には誤っている場合、誤ったTMCC情報PARがパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置90が誤動作してしまう可能性がある。
図7は、本発明の第2実施形態を示している。第2実施形態を説明するにあたって、第1実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第2実施形態のOFDM復調装置20は、第1実施形態のOFDM復調装置10に対して、TMCC情報検査部13をTMCC情報検査部23に置き換えて構成されている。
【0025】
TMCC情報検査部23は、検査回路CB1〜CB9および判断回路JB1を有している。検査回路CB1は、TMCCデコード部12による誤り訂正成功との判断に伴って、TMCC情報PARを取得して検査項目1を満たすかを検査する。検査回路CB1は、検査が通った場合、検査結果信号CR1を非活性化させるとともに、検査したTMCC情報を出力する。また、検査回路CB1は、検査が通らなかった場合、検査結果信号CR1を活性化させる。
【0026】
検査回路CB2(CB3〜CB8)は、検査回路CB1(CB2〜CB7)による検査のパスに伴って、検査回路CB1(CB2〜CB7)から出力されるTMCC情報を取得して検査項目2(3〜8)を満たすかを検査する。検査回路CB2(CB3〜CB8)は、検査が通った場合、検査結果信号CR2(CR3〜CR8)を非活性化させるとともに、検査したTMCC情報を出力する。また、検査回路CB2(CB3〜CB8)は、検査が通らなかった場合、検査結果信号CR2(CR3〜CR8)を活性化させる。検査回路CB9は、検査回路CB8による検査のパスに伴って、検査回路8から出力されるTMCC情報を取得して検査項目9を満たすかを検査する。検査回路CB9は、検査が通った場合に検査結果信号CR9を非活性化させ、検査が通らなかった場合に検査結果信号CR9を活性化させる。判断回路JB1は、検査結果信号CR1〜CR9の全てが非活性化されている場合、TMCC情報PARは正しいと判断して判断結果信号JR1を非活性化させる。判断回路JB1は、検査結果信号CR1〜CR9の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARは誤っていると判断して判断結果信号JR1を活性化させる。
【0027】
図8は、図7のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置20では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS21)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS22)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS23)。
【0028】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部23(検査回路CB1および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目1を満たすかが検査される(ステップS241)。TMCC情報検査部23による検査項目1についての検査が通った場合、TMCC情報検査部23(検査回路CB2および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目2を満たすかが検査される(ステップS242)。この後、同様に、TMCC情報検査部23(検査回路CB3〜CB9および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目3〜9を満たすかが順番に検査される(ステップS243〜S249)。
【0029】
TMCC情報検査部23による検査項目9についての検査が通った場合、エラーフラグ出力部14により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS25)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS26)。一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、あるいはTMCC情報検査部23による検査項目1〜9についての検査のいずれかが通らなかった場合、エラーフラグ出力部14により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS27)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0030】
以上のような第2実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第2実施形態では、TMCC情報PARが検査項目1〜9を満たすかが順番に検査されるため、第1実施形態に比べて、OFDM復調装置の消費電力のピークを低減できる。
図9は、本発明の第3実施形態を示している。第3実施形態を説明するにあたって、第1実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第3実施形態のOFDM復調装置30は、第1実施形態のOFDM復調装置10に対して、TMCC情報検査部13およびエラーフラグ出力部14をTMCC情報検査部33およびエラーフラグ出力部34にそれぞれ置き換えて構成されている。
【0031】
TMCC情報検査部33は、バッファBA1〜BAnおよび判断回路JA2を有している。バッファBA1は、TMCCデコード部12による誤り訂正成功との判断に伴って、TMCC情報PARを取得する。バッファBA2(BA3〜BAn)は、TMCCデコード部12による誤り訂正成功との判断に伴って、バッファBA1(BA2〜BAn−1)の保持データを取得する。
【0032】
判断回路JA2は、バッファBA1の保持データ(現在のTMCC情報PAR)をバッファBA2〜BAnの保持データ(過去のTMCC情報PAR)とそれぞれ比較する。但し、判断回路JA2は、緊急時やパラメータ更新時に変化するパラメータ(カウントダウン信号や緊急信号等)については比較しない。判断回路JA2は、バッファBA1の保持データがバッファBA2〜BAnの保持データと一致する場合、TMCC情報PARは正しいと判断して判断結果信号JR2を非活性化させる。判断回路JA2は、バッファBA1の保持データがバッファBA2〜BAnの保持データと一致しない場合、TMCC情報PARは誤っていると判断して判断結果信号JR2を活性化させる。
【0033】
エラーフラグ出力部34は、判断結果信号JR0、JR2の双方が非活性化されている場合、TMCC情報PARが正しい旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを非活性化させる。エラーフラグ出力部34は、判断結果信号JR0、JR2の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARが誤っている旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを活性化させる。
【0034】
図10は、図9のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置30では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS31)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS32)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS33)。
【0035】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部33(バッファBA1〜BAnおよび判断回路JA2)により、現在のTMCC情報PARが過去のTMCC情報PARと一致するかが検査される(ステップS34)。TMCC情報検査部33による検査が通った場合、エラーフラグ出力部34により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS35)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS36)。一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、あるいはTMCC情報検査部33による検査が通らなかった場合、エラーフラグ出力部34により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS37)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0036】
以上のような第3実施形態では、TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合でも、TMCC情報検査部33による検査(現在のTMCC情報PARが過去のTMCC情報PARと一致するかを検査)が通らなければ、エラーフラグ出力部34によりエラーフラグ信号EFが活性化される。従って、誤ったTMCC情報PARがパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置30が誤動作することを防止できる。
【0037】
図11は、本発明の第4実施形態を示している。第4実施形態を説明するにあたって、第1および第3実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第4実施形態のOFDM復調装置20は、第1実施形態のOFDM復調装置10に対して、TMCC情報検査部43を加えるとともに、エラーフラグ出力部14をエラーフラグ出力部44に置き換えて構成されている。
【0038】
TMCC情報検査部43は、バッファBB1〜BBnおよび判断回路JB2を有している。バッファBB1は、TMCC情報検査部13の判断回路JA1によるTMCC情報PARは正しいとの判断に伴って、TMCC情報PARを取得する。バッファBB2(BB3〜BBn)は、TMCC情報検査部13の判断回路JA1によるTMCC情報PARは正しいとの判断に伴って、バッファBB1(BB2〜BBn−1)の保持データを取得する。
【0039】
判断回路JB2は、バッファBB1の保持データ(現在のTMCC情報PAR)をバッファBB2〜BBnの保持データ(過去のTMCC情報PAR)とそれぞれ比較する。但し、判断回路JB2は、緊急時やパラメータ更新時に変化するパラメータ(カウントダウン信号や緊急信号等)については比較しない。判断回路JB2は、バッファBB1の保持データがバッファBB2〜BBnの保持データと一致する場合、TMCC情報PATは正しいと判断して判断結果信号JR2を非活性化させる。判断回路JB2は、バッファBB1の保持データがバッファBB2〜BBnの保持データと一致しない場合、TMCC情報PARは誤っていると判断して判断結果信号JR2を活性化させる。
【0040】
エラーフラグ出力部44は、判断結果信号JR0〜JR2の全てが非活性化されている場合、TMCC情報PARが正しい旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを非活性化させる。エラーフラグ出力部44は、判断結果信号JR0〜JR2の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARが誤っている旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを活性化させる。
【0041】
図12は、図11のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置40では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS41)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS42)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS43)。
【0042】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部13(検査回路CA1〜CA9および判断回路JA1)により、TMCC情報PARが検査項目1〜9の全てを満たすかが検査される(ステップS44)。TMCC情報検査部13による検査が通った場合、TMCC情報検査部43(バッファBB1〜BBnおよび判断回路JB2)により、現在のTMCC情報PARが過去のTMCC情報PARと一致するかが検査される(ステップS45)。TMCC情報検査部43による検査が通った場合、エラーフラグ出力部44により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS46)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS47)。
【0043】
一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、TMCC情報検査部13による検査が通らなかった場合、あるいはTMCC情報検査部43による検査が通らなかった場合、エラーフラグ出力部44により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS48)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0044】
以上のような第4実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第4実施形態では、TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断され、かつTMCC情報検査部13による検査が通った場合でも、TMCC情報検査部43による検査が通らなければ、エラーフラグ出力部44によりエラーフラグ信号EFが活性化される。従って、誤ったTMCC情報PARがパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置40が誤動作することをより確実に防止できる。
【0045】
図13は、本発明の第5実施形態を示している。第5実施形態を説明するにあたって、第1〜第4実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第5実施形態のOFDM復調装置50は、第4実施形態のOFDM復調装置40に対して、TMCC情報検査部13を第2実施形態のTMCC情報検査部23に置き換えて構成されている。なお、TMCC情報検査部43において、バッファBB1は、TMCC情報検査部23の判断回路JB1によるTMCC情報PARは正しいとの判断に伴って、TMCC情報PARを取得する。バッファBB2(BB3〜BBn)は、TMCC情報検査部23の判断回路JB1によるTMCC情報PARは正しいとの判断に伴って、バッファBB1(BB2〜BBn−1)の保持データを取得する。
【0046】
図14は、図13のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置50では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS51)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される。(ステップS52)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS53)。
【0047】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部23(検査回路CB1および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目1を満たすかが検査される(ステップS541)。TMCC情報検査部23による検査項目1についての検査が通った場合、TMCC情報検査部23(検査回路CB2および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目2を満たすかが検査される(ステップS542)。この後、同様に、TMCC情報検査部23(検査回路CB3〜CB9および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目3〜9を満たすかが順番に検査される(ステップS543〜S549)。
【0048】
TMCC情報検査部23による検査項目9についての検査が通った場合、TMCC情報検査部43(バッファBB1〜BBnおよび判断回路JB2)により、現在のTMCC情報PARが過去のTMCC情報PARと一致するかが検査される(ステップS55)。TMCC情報検査部43による検査が通った場合、エラーフラグ出力部44により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS56)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS57)。
【0049】
一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、TMCC情報検査部23による検査項目1〜9についての検査のいずれかが通らなかった場合、あるいはTMCC情報検査部43による検査が通らなかった場合、エラーフラグ出力部44により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS58)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。以上のような第5実施形態でも、第1、第2および第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0050】
なお、第1および第4実施形態(第2および第5実施形態)では、TMCC情報検査部13(TMCC情報検査部23)の検査対象となるTMCC情報が、TMCCデコード部12における誤り訂正処理の完了後のデータである例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、TMCC情報検査部13(TMCC情報検査部23)の検査対象となるTMCC情報が、TMCCデコード部12における誤り訂正処理の実施中のデータであってもよい。
【0051】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、前述の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】TMCC信号のビット構成を示す説明図である。
【図3】TMCC情報に対する検査項目を示す説明図である。
【図4】図1のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図5】本発明の比較例を示すブロック図である。
【図6】図5のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示すブロック図である。
【図8】図7のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示すブロック図である。
【図10】図9のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図11】本発明の第4実施形態を示すブロック図である。
【図12】図11のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図13】本発明の第5実施形態を示すブロック図である。
【図14】図13のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0053】
10、20、30、40、50‥OFDM復調装置;11‥DBPSK復調部;12‥TMCCデコード部;13、23、33、43‥TMCC情報検査部;14、34、44‥エラーフラグ出力部;BA1〜BAn、BB1〜BBn‥バッファ;CA1〜CA9、CB1〜CB9‥検査回路;JA1、JA2、JB1、JB2‥判断回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式に従って変調された信号を復調するOFDM復調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OFDM方式で変調された放送信号を送受信する地上ディジタル放送において、放送信号に重畳されているTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号は、システム識別、部分受信、キャリア変調方式、畳み込み符号化率、インタリーブ長やセグメント数等を指示するTMCC情報(符号化部分)を含んでいる。
受信側に設けられるOFDM復調装置では、まず、受信した放送信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して得られた信号に対してDBPSK(Double Binary Phase Shift Keying)方式の復調処理が実施され、TMCC信号が検出される。そして、TMCC信号中のTMCC情報に対して差集合巡回符号(273,191)の短縮符号(184,102)を使用した誤り訂正処理が実施されるとともに、誤り訂正の成否が判断される。誤り訂正処理により得られたTMCC情報は、誤り訂正成功と判断された場合にのみ、パラメータ更新に使用される。このようなOFDM復調装置に関する技術は、例えば、特許文献1、2に開示されている。
【特許文献1】特開平11−252189号公報
【特許文献2】特開2002−218339号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
OFDM復調装置では、受信状態の劣化に伴うTMCC信号中のTMCC情報におけるエラー数の増加等に起因して、誤り訂正成功と判断されたにも拘わらず、誤り訂正処理により得られたTMCC情報が実際には誤っている場合がある。このような場合、誤ったTMCC情報を使用してパラメータ更新が実施され、OFDM復調装置が誤動作してしまう可能性がある。誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作してしまった場合、OFDM復調装置にリセットをかける必要があり、次のパラメータ更新の実施後に、各種インタリーブ時間分だけ主信号に対する復調処理が正しく実施されないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1形態では、OFDM復調装置は、復調部、誤り訂正部、第1検査部および通知部を備えて構成される。復調部は、直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、入力信号に含まれるTMCC信号を検出する。誤り訂正部は、復調部により検出されたTMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する。第1検査部は、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報が所定の放送伝送規格または放送運用規格の少なくともいずれかに則っているかを検査する。通知部は、第1検査部による検査が通らなかった場合、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する。
【0006】
地上ディジタル放送では、放送伝送規格および放送運用規格に応じてどのようなTMCC情報が伝送されるかが決められている。このため、誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報が放送伝送規格または放送運用規格のいずれにも則っていなければ、そのときのTMCC情報は誤っているものと推定することができる。このことに着目して、前述のOFDM復調装置では、誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、第1検査部による検査が通らなければ、通知部によりそのときのTMCC情報が誤っていることが通知される。従って、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することを防止できる。
【0007】
本発明の第1形態における好ましい例では、第1検査部は、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報を複数の検査項目について並列に検査する。これにより、第1検査部によるTMCC情報に対する検査を短時間で実施できる。
本発明の第1形態における好ましい例では、第1検査部は、誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報を複数の検査項目について順番に検査する。第1検査部は、複数の検査項目のいずれかについての検査が通らなかった場合、それ以降の検査を省略する。従って、TMCC情報を複数の検査項目について並列に検査する場合に比べて、OFDM復調装置の消費電力のピークを低減できる。
【0008】
本発明の第1形態における好ましい例では、OFDM復調装置は、第2検査部を更に備えて構成される。第2検査部は、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報を所定数だけ順次蓄積し、蓄積しているTMCC情報同士が一致するかを検査する。通知部は、第2検査部による検査が通らなかった場合にも、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する。
【0009】
誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、そのときのTMCC情報が以前のTMCC情報と一致しなければ、そのときのTMCC情報は誤っているものと推定することができる。このことに着目して、前述のOFDM復調装置では、誤り訂正部により誤り訂正成功と判断され、かつ第1検査部による検査が通った場合でも、第2検査部による検査が通らなければ、通知部によりそのときのTMCC情報が誤っていることが通知される。このため、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することをより確実に防止できる。
【0010】
本発明の第2形態では、OFDM復調装置は、復調部、誤り訂正部、検査部および通知部を備えて構成される。復調部は、直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、入力信号に含まれるTMCC信号を検出する。誤り訂正部は、復調部により検出されたTMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する。検査部は、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報を所定数だけ順次蓄積し、蓄積しているTMCC情報同士が一致するかを検査する。通知部は、検査部による検査が通らなかった場合、誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する。
【0011】
誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、そのときのTMCC情報が以前のTMCC情報と一致しなければ、そのときのTMCC情報は誤っているものと推定することができる。このことに着目して、前述のOFDM復調装置では、誤り訂正部により誤り訂正成功と判断された場合でも、検査部による検査が通らなければ、通知部によりそのときのTMCC情報が誤っていることが通知される。従って、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、誤ったTMCC情報がパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置が誤動作することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態を示している。図2は、TMCC信号のビット構成を示している。図3は、TMCC情報に対する検査項目を示している。第1実施形態のOFDM復調装置10は、DBPSK復調部11、TMCCデコード部12、TMCC情報検査部13およびエラーフラグ出力部14を有している。なお、図1では、OFDM復調装置10におけるTMCC信号の処理に関連する部分のみを図示している。
【0014】
DBPSK復調部11は、入力信号INに対してDBPSK方式の復調処理を実施することで、入力信号INに含まれるTMCC信号を検出して出力する。例えば、入力信号INは、地上ディジタル放送信号(受信信号)を高速フーリエ変換して得られた信号である。また、TMCC信号は、図2に示すように、日本の地上ディジタル放送の規格であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)規格に準拠する204ビットの信号である。
【0015】
TMCCデコード部12は、DBPSK復調部11から出力されるTMCC信号中のTMCC情報(ビット20〜ビット121)に対して差集合巡回符号の短縮符号を使用した誤り訂正処理を実施し、誤り訂正処理の完了後のデータをTMCC情報PARとして出力する。また、TMCCデコード部12は、誤り訂正の成否を判断し、誤り訂正成功と判断した場合に判断結果信号JR0を非活性化させ、誤り訂正失敗と判断した場合に判断結果信号JR0を活性化させる。
【0016】
TMCC情報検査部13は、検査回路CA1〜CA9および判断回路JA1を有している。検査回路CA1(CA2〜CA9)は、TMCCデコード部12による誤り訂正成功との判断に伴って、TMCC情報PARを取得して図3に示す検査項目1(2〜9)を満たすかを検査する。検査回路CA1(CA2〜CA9)は、検査が通った場合に検査結果信号CR1(CR2〜CR9)を非活性化させ、検査が通らなかった場合に検査結果信号CR1(CR2〜CR9)を活性化させる。ここで、検査項目1〜8は、TMCC情報PARが放送伝送規格に則っているかを検査するための項目に相当する。検査項目9は、TMCC情報PARが放送伝送規格における放送運用規格に則っているかを検査するための項目に相当する。なお、本実施形態では、検査項目(検査回路)の数が9個であるものとしているが、検査項目(検査回路)の数を9個より少なくしても多くしてもよいことは言うまでもない。判断回路JA1は、検査結果信号CR1〜CR9の全てが非活性化されている場合、TMCC情報PARは正しいと判断して判断結果信号JR1を非活性化させる。判断回路JA1は、検査結果信号CR1〜CR9の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARは誤っていると判断して判断結果信号JR1を活性化させる。
【0017】
エラーフラグ出力部14は、判断結果信号JR0、JR1の双方が非活性化されている場合、TMCC情報PARが正しい旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを非活性化させる。エラーフラグ出力部14は、判断結果信号JR0、JR1の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARが誤っている旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを活性化させる。OFDM復調装置10では、エラーフラグ信号EFが非活性化されている場合にのみ、TMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。すなわち、OFDM復調装置10では、エラーフラグ信号EFが活性化されている場合には、TMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0018】
図4は、図1のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置10では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS11)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS12)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS13)。
【0019】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部13(検査回路CA1〜CA9および判断回路JA1)により、TMCC情報PARが検査項目1〜9の全てを満たすかが検査される(ステップS14)。TMCC情報検査部13による検査が通った場合、エラーフラグ出力部14により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS15)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS16)。一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、あるいはTMCC情報検査部13による検査が通らなかった場合、エラーフラグ出力部14により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS17)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0020】
以上のような第1実施形態では、TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合でも、TMCC情報検査部13による検査(TMCC情報PARが放送伝送規格または放送運用規格の少なくともいずれかに則っているかを検査)が通らなければ、エラーフラグ出力部14によりエラーフラグ信号EFが活性化される。従って、誤ったTMCC情報PARがパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置10が誤動作することを防止できる。
【0021】
図5は、本発明の比較例を示している。比較例を説明するにあたって、第1実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。比較例のOFDM復調装置90は、第1実施形態のOFDM復調装置10に対して、TMCC情報検査部13およびエラーフラグ出力部14を取り除くとともに、TMCCデコード部12をTMCCデコード部92に置き換えて構成されている。TMCCデコード部92は、DBPSK復調部11から出力されるTMCC信号中のTMCC情報に対して差集合巡回符号の短縮符号を使用した誤り訂正処理を実施し、誤り訂正処理の完了後のデータをTMCC情報PARとして出力する。また、TMCCデコード部92は、誤り訂正の成否を判断し、誤り訂正成功と判断した場合にエラーフラグ信号EFを非活性化させ、誤り訂正失敗と判断した場合にエラーフラグ信号EFを活性化させる。
【0022】
図6は、図5のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置90では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS91)。次に、TMCCデコード部92により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS92)。そして、TMCCデコード部92により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS93)。
【0023】
TMCCデコード部92により誤り訂正成功と判断された場合、TMCCデコード部92により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS94)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS95)。一方、TMCCデコード部92により誤り訂正失敗と判断された場合、TMCCデコード部92により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS96)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0024】
以上のような比較例では、TMCCデコード部92により誤り訂正成功と判断されてエラーフラグ信号EFが非活性化されているにも拘わらず、TMCC情報PARが実際には誤っている場合、誤ったTMCC情報PARがパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置90が誤動作してしまう可能性がある。
図7は、本発明の第2実施形態を示している。第2実施形態を説明するにあたって、第1実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第2実施形態のOFDM復調装置20は、第1実施形態のOFDM復調装置10に対して、TMCC情報検査部13をTMCC情報検査部23に置き換えて構成されている。
【0025】
TMCC情報検査部23は、検査回路CB1〜CB9および判断回路JB1を有している。検査回路CB1は、TMCCデコード部12による誤り訂正成功との判断に伴って、TMCC情報PARを取得して検査項目1を満たすかを検査する。検査回路CB1は、検査が通った場合、検査結果信号CR1を非活性化させるとともに、検査したTMCC情報を出力する。また、検査回路CB1は、検査が通らなかった場合、検査結果信号CR1を活性化させる。
【0026】
検査回路CB2(CB3〜CB8)は、検査回路CB1(CB2〜CB7)による検査のパスに伴って、検査回路CB1(CB2〜CB7)から出力されるTMCC情報を取得して検査項目2(3〜8)を満たすかを検査する。検査回路CB2(CB3〜CB8)は、検査が通った場合、検査結果信号CR2(CR3〜CR8)を非活性化させるとともに、検査したTMCC情報を出力する。また、検査回路CB2(CB3〜CB8)は、検査が通らなかった場合、検査結果信号CR2(CR3〜CR8)を活性化させる。検査回路CB9は、検査回路CB8による検査のパスに伴って、検査回路8から出力されるTMCC情報を取得して検査項目9を満たすかを検査する。検査回路CB9は、検査が通った場合に検査結果信号CR9を非活性化させ、検査が通らなかった場合に検査結果信号CR9を活性化させる。判断回路JB1は、検査結果信号CR1〜CR9の全てが非活性化されている場合、TMCC情報PARは正しいと判断して判断結果信号JR1を非活性化させる。判断回路JB1は、検査結果信号CR1〜CR9の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARは誤っていると判断して判断結果信号JR1を活性化させる。
【0027】
図8は、図7のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置20では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS21)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS22)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS23)。
【0028】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部23(検査回路CB1および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目1を満たすかが検査される(ステップS241)。TMCC情報検査部23による検査項目1についての検査が通った場合、TMCC情報検査部23(検査回路CB2および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目2を満たすかが検査される(ステップS242)。この後、同様に、TMCC情報検査部23(検査回路CB3〜CB9および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目3〜9を満たすかが順番に検査される(ステップS243〜S249)。
【0029】
TMCC情報検査部23による検査項目9についての検査が通った場合、エラーフラグ出力部14により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS25)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS26)。一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、あるいはTMCC情報検査部23による検査項目1〜9についての検査のいずれかが通らなかった場合、エラーフラグ出力部14により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS27)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0030】
以上のような第2実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第2実施形態では、TMCC情報PARが検査項目1〜9を満たすかが順番に検査されるため、第1実施形態に比べて、OFDM復調装置の消費電力のピークを低減できる。
図9は、本発明の第3実施形態を示している。第3実施形態を説明するにあたって、第1実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第3実施形態のOFDM復調装置30は、第1実施形態のOFDM復調装置10に対して、TMCC情報検査部13およびエラーフラグ出力部14をTMCC情報検査部33およびエラーフラグ出力部34にそれぞれ置き換えて構成されている。
【0031】
TMCC情報検査部33は、バッファBA1〜BAnおよび判断回路JA2を有している。バッファBA1は、TMCCデコード部12による誤り訂正成功との判断に伴って、TMCC情報PARを取得する。バッファBA2(BA3〜BAn)は、TMCCデコード部12による誤り訂正成功との判断に伴って、バッファBA1(BA2〜BAn−1)の保持データを取得する。
【0032】
判断回路JA2は、バッファBA1の保持データ(現在のTMCC情報PAR)をバッファBA2〜BAnの保持データ(過去のTMCC情報PAR)とそれぞれ比較する。但し、判断回路JA2は、緊急時やパラメータ更新時に変化するパラメータ(カウントダウン信号や緊急信号等)については比較しない。判断回路JA2は、バッファBA1の保持データがバッファBA2〜BAnの保持データと一致する場合、TMCC情報PARは正しいと判断して判断結果信号JR2を非活性化させる。判断回路JA2は、バッファBA1の保持データがバッファBA2〜BAnの保持データと一致しない場合、TMCC情報PARは誤っていると判断して判断結果信号JR2を活性化させる。
【0033】
エラーフラグ出力部34は、判断結果信号JR0、JR2の双方が非活性化されている場合、TMCC情報PARが正しい旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを非活性化させる。エラーフラグ出力部34は、判断結果信号JR0、JR2の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARが誤っている旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを活性化させる。
【0034】
図10は、図9のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置30では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS31)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS32)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS33)。
【0035】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部33(バッファBA1〜BAnおよび判断回路JA2)により、現在のTMCC情報PARが過去のTMCC情報PARと一致するかが検査される(ステップS34)。TMCC情報検査部33による検査が通った場合、エラーフラグ出力部34により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS35)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS36)。一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、あるいはTMCC情報検査部33による検査が通らなかった場合、エラーフラグ出力部34により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS37)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0036】
以上のような第3実施形態では、TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合でも、TMCC情報検査部33による検査(現在のTMCC情報PARが過去のTMCC情報PARと一致するかを検査)が通らなければ、エラーフラグ出力部34によりエラーフラグ信号EFが活性化される。従って、誤ったTMCC情報PARがパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置30が誤動作することを防止できる。
【0037】
図11は、本発明の第4実施形態を示している。第4実施形態を説明するにあたって、第1および第3実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第4実施形態のOFDM復調装置20は、第1実施形態のOFDM復調装置10に対して、TMCC情報検査部43を加えるとともに、エラーフラグ出力部14をエラーフラグ出力部44に置き換えて構成されている。
【0038】
TMCC情報検査部43は、バッファBB1〜BBnおよび判断回路JB2を有している。バッファBB1は、TMCC情報検査部13の判断回路JA1によるTMCC情報PARは正しいとの判断に伴って、TMCC情報PARを取得する。バッファBB2(BB3〜BBn)は、TMCC情報検査部13の判断回路JA1によるTMCC情報PARは正しいとの判断に伴って、バッファBB1(BB2〜BBn−1)の保持データを取得する。
【0039】
判断回路JB2は、バッファBB1の保持データ(現在のTMCC情報PAR)をバッファBB2〜BBnの保持データ(過去のTMCC情報PAR)とそれぞれ比較する。但し、判断回路JB2は、緊急時やパラメータ更新時に変化するパラメータ(カウントダウン信号や緊急信号等)については比較しない。判断回路JB2は、バッファBB1の保持データがバッファBB2〜BBnの保持データと一致する場合、TMCC情報PATは正しいと判断して判断結果信号JR2を非活性化させる。判断回路JB2は、バッファBB1の保持データがバッファBB2〜BBnの保持データと一致しない場合、TMCC情報PARは誤っていると判断して判断結果信号JR2を活性化させる。
【0040】
エラーフラグ出力部44は、判断結果信号JR0〜JR2の全てが非活性化されている場合、TMCC情報PARが正しい旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを非活性化させる。エラーフラグ出力部44は、判断結果信号JR0〜JR2の少なくともいずれかが活性化されている場合、TMCC情報PARが誤っている旨を通知するためにエラーフラグ信号EFを活性化させる。
【0041】
図12は、図11のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置40では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS41)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される(ステップS42)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS43)。
【0042】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部13(検査回路CA1〜CA9および判断回路JA1)により、TMCC情報PARが検査項目1〜9の全てを満たすかが検査される(ステップS44)。TMCC情報検査部13による検査が通った場合、TMCC情報検査部43(バッファBB1〜BBnおよび判断回路JB2)により、現在のTMCC情報PARが過去のTMCC情報PARと一致するかが検査される(ステップS45)。TMCC情報検査部43による検査が通った場合、エラーフラグ出力部44により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS46)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS47)。
【0043】
一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、TMCC情報検査部13による検査が通らなかった場合、あるいはTMCC情報検査部43による検査が通らなかった場合、エラーフラグ出力部44により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS48)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。
【0044】
以上のような第4実施形態でも、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第4実施形態では、TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断され、かつTMCC情報検査部13による検査が通った場合でも、TMCC情報検査部43による検査が通らなければ、エラーフラグ出力部44によりエラーフラグ信号EFが活性化される。従って、誤ったTMCC情報PARがパラメータ更新に使用されてOFDM復調装置40が誤動作することをより確実に防止できる。
【0045】
図13は、本発明の第5実施形態を示している。第5実施形態を説明するにあたって、第1〜第4実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第5実施形態のOFDM復調装置50は、第4実施形態のOFDM復調装置40に対して、TMCC情報検査部13を第2実施形態のTMCC情報検査部23に置き換えて構成されている。なお、TMCC情報検査部43において、バッファBB1は、TMCC情報検査部23の判断回路JB1によるTMCC情報PARは正しいとの判断に伴って、TMCC情報PARを取得する。バッファBB2(BB3〜BBn)は、TMCC情報検査部23の判断回路JB1によるTMCC情報PARは正しいとの判断に伴って、バッファBB1(BB2〜BBn−1)の保持データを取得する。
【0046】
図14は、図13のOFDM復調装置の動作を示している。前述のような構成のOFDM復調装置50では、まず、DBPSK復調部11により、入力信号INに対するDBPSK方式の復調処理が実施され、入力信号INに含まれるTMCC信号が検出される(ステップS51)。次に、TMCCデコード部12により、TMCC信号中のTMCC情報に対する誤り訂正処理が実施される。(ステップS52)。そして、TMCCデコード部12により、誤り訂正の成否が判断される(ステップS53)。
【0047】
TMCCデコード部12により誤り訂正成功と判断された場合、TMCC情報検査部23(検査回路CB1および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目1を満たすかが検査される(ステップS541)。TMCC情報検査部23による検査項目1についての検査が通った場合、TMCC情報検査部23(検査回路CB2および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目2を満たすかが検査される(ステップS542)。この後、同様に、TMCC情報検査部23(検査回路CB3〜CB9および判断回路JB1)により、TMCC情報PARが検査項目3〜9を満たすかが順番に検査される(ステップS543〜S549)。
【0048】
TMCC情報検査部23による検査項目9についての検査が通った場合、TMCC情報検査部43(バッファBB1〜BBnおよび判断回路JB2)により、現在のTMCC情報PARが過去のTMCC情報PARと一致するかが検査される(ステップS55)。TMCC情報検査部43による検査が通った場合、エラーフラグ出力部44により、エラーフラグ信号EFが非活性化される(ステップS56)。そして、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施される。(ステップS57)。
【0049】
一方、TMCCデコード部12により誤り訂正失敗と判断された場合、TMCC情報検査部23による検査項目1〜9についての検査のいずれかが通らなかった場合、あるいはTMCC情報検査部43による検査が通らなかった場合、エラーフラグ出力部44により、エラーフラグ信号EFが活性化される(ステップS58)。従って、このときのTMCC情報PARを使用してパラメータ更新が実施されることはない。以上のような第5実施形態でも、第1、第2および第4実施形態と同様の効果が得られる。
【0050】
なお、第1および第4実施形態(第2および第5実施形態)では、TMCC情報検査部13(TMCC情報検査部23)の検査対象となるTMCC情報が、TMCCデコード部12における誤り訂正処理の完了後のデータである例について述べたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、TMCC情報検査部13(TMCC情報検査部23)の検査対象となるTMCC情報が、TMCCデコード部12における誤り訂正処理の実施中のデータであってもよい。
【0051】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、前述の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】TMCC信号のビット構成を示す説明図である。
【図3】TMCC情報に対する検査項目を示す説明図である。
【図4】図1のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図5】本発明の比較例を示すブロック図である。
【図6】図5のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示すブロック図である。
【図8】図7のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示すブロック図である。
【図10】図9のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図11】本発明の第4実施形態を示すブロック図である。
【図12】図11のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【図13】本発明の第5実施形態を示すブロック図である。
【図14】図13のOFDM復調装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0053】
10、20、30、40、50‥OFDM復調装置;11‥DBPSK復調部;12‥TMCCデコード部;13、23、33、43‥TMCC情報検査部;14、34、44‥エラーフラグ出力部;BA1〜BAn、BB1〜BBn‥バッファ;CA1〜CA9、CB1〜CB9‥検査回路;JA1、JA2、JB1、JB2‥判断回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、前記入力信号に含まれるTMCC信号を検出する復調部と、
前記TMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する誤り訂正部と、
前記誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報が所定の放送伝送規格または放送運用規格の少なくともいずれかに則っているかを検査する第1検査部と、
前記第1検査部による検査が通らなかった場合、前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する通知部とを備えることを特徴とするOFDM復調装置。
【請求項2】
請求項1記載のOFDM復調装置において、
前記第1検査部は、前記誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報を複数の検査項目について並列に検査することを特徴とするOFDM復調装置。
【請求項3】
請求項1記載のOFDM復調装置において、
前記第1検査部は、前記誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報を複数の検査項目について順番に検査し、前記複数の検査項目のいずれかについての検査が通らなかった場合、それ以降の検査を省略することを特徴とするOFDM復調装置。
【請求項4】
請求項1記載のOFDM復調装置において、
前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報を所定数だけ順次蓄積し、蓄積しているTMCC情報同士が一致するかを検査する第2検査部を備え、
前記通知部は、前記第2検査部による検査が通らなかった場合にも、前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知することを特徴とするOFDM復調装置。
【請求項5】
直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、前記入力信号に含まれるTMCC信号を検出する復調部と、
前記TMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する誤り訂正部と、
前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報を所定数だけ順次蓄積し、蓄積しているTMCC情報同士が一致するかを検査する検査部と、
前記検査部による検査が通らなかった場合、前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する通知部とを備えることを特徴とするOFDM復調装置。
【請求項1】
直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、前記入力信号に含まれるTMCC信号を検出する復調部と、
前記TMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する誤り訂正部と、
前記誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報が所定の放送伝送規格または放送運用規格の少なくともいずれかに則っているかを検査する第1検査部と、
前記第1検査部による検査が通らなかった場合、前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する通知部とを備えることを特徴とするOFDM復調装置。
【請求項2】
請求項1記載のOFDM復調装置において、
前記第1検査部は、前記誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報を複数の検査項目について並列に検査することを特徴とするOFDM復調装置。
【請求項3】
請求項1記載のOFDM復調装置において、
前記第1検査部は、前記誤り訂正部の誤り訂正動作により得られるTMCC情報を複数の検査項目について順番に検査し、前記複数の検査項目のいずれかについての検査が通らなかった場合、それ以降の検査を省略することを特徴とするOFDM復調装置。
【請求項4】
請求項1記載のOFDM復調装置において、
前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報を所定数だけ順次蓄積し、蓄積しているTMCC情報同士が一致するかを検査する第2検査部を備え、
前記通知部は、前記第2検査部による検査が通らなかった場合にも、前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知することを特徴とするOFDM復調装置。
【請求項5】
直交周波数分割多重方式で変調された入力信号に対して所定の復調処理を実施することで、前記入力信号に含まれるTMCC信号を検出する復調部と、
前記TMCC信号中のTMCC情報を誤り訂正するとともに、誤り訂正の成否を判断する誤り訂正部と、
前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報を所定数だけ順次蓄積し、蓄積しているTMCC情報同士が一致するかを検査する検査部と、
前記検査部による検査が通らなかった場合、前記誤り訂正部により誤り訂正されたTMCC情報が誤っていることを通知する通知部とを備えることを特徴とするOFDM復調装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−259207(P2007−259207A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−82398(P2006−82398)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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