説明

PC飾り柱の接合構造

【課題】PC飾り柱を、非構造部材として建物の変形に追従する収まりとすることができるとともに、接合金物や、それに付随する金物等を省略することによって、コスト低減を図れるPC飾り柱の接合構造を提供する。
【解決手段】PCマリオン柱15に、接続鉄筋16が上方に突出させて埋設されており、この突出した接続鉄筋16がPCスラブ10に形成された貫通孔12に下から挿通され、この貫通孔12の下部は空洞として、上部に充填材21が充填されているので、貫通孔12の下部の空洞において接続鉄筋16は変形可能となり、この空洞において、建物全体の変形(層間変形)を接続鉄筋16が変形することによって吸収できるので、PCマリオン柱15を、非構造部材として建物の変形に追従する収まりとすることができる。また、接合金物やそれに付随する金物を省略することができ、コスト低減を図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC飾り柱の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
PCマリオン(飾り)柱をPCスラブに接合する方法の一例として、特許文献1に記載の技術が知られている。
この技術は、PCマリオン柱の下端部に形成された定着穴内に、PCスラブに埋設され、かつ先端部が突出する定着筋7を差し込んで、PCマリオン柱をPCスラブに接合するものである。
【0003】
また、PCマリオン(飾り)柱をPCスラブに接合する接合構造の一例として、図6に示すものが知られている。
図6に示すように、PC(プレキャスト)スラブ1は、例えば鉄筋コンクリート造の建物のバルコニー床を構成するものであり、このPCスラブ1には接続鉄筋2が埋設されている。この接続鉄筋2はPCスラブ1の先端部から上方に突出しており、この突出した接続鉄筋2が上側のPC(プレキャスト)飾り柱3に接続されている。
すなわち、PC飾り柱3の下端部には、筒状のジョイント金物4がその下端開口をPC飾り柱3の下端面に開口させて埋設されており、このジョイント金物4の上部には、PC飾り柱3に埋設された鉄筋5の下端部が挿入されている。
そして、PC飾り柱3は、PCスラブ1の先端部上に建て込まれ、PCスラブ1の先端部から突出している接続鉄筋2が前記ジョイント金物4の下部に挿入されたうえで、ジョイント金物4に無収縮モルタル等の充填材6を充填することによって、PCスラブ1に接合されている。
【0004】
一方、PCスラブ1の下側に配置されたPC飾り柱3の上端部は、PCスラブ1にL型の接合金物7によって、PCスラブ1と所定の隙間をもって接合されている。
すなわちまず、PCスラブ1の先端部下面およびPC飾り柱3の上端部には、それぞれ図示しないインサートが埋設されている。
そして、接合金物7の水平な一片部をPCスラブ1に埋設されたインサートに固定用ボルト8によって固定し、鉛直な他片部をPC飾り柱3に埋設されたインサートに固定用ボルト8によって固定することによって、PC飾り柱3の上端部が、PCスラブ1に接合金物6を介して接合されている。
接合金物7には、固定用ボルトを挿通するためのボルト孔が形成されているが、接合金物7の一片部に形成されているボルト孔は、図6において紙面と直交する水平方向に長尺な長孔であり、他片部に形成されているボルト孔は、上下方向に長尺な長孔である。
また、接合金物7は通常、居住者に見えないように覆い隠している。
【0005】
上記のようにしてPC飾り柱3をPCスラブ1に接合することによって、PC飾り柱3は、非構造部材として建物の変形に追従する収まりとなる。すなわち、PC飾り柱3は、接合金物7に形成された長孔によって可動なものとなっているので、地震力によって建物が強制変形した場合、PC飾り柱3は建物の変形に追従する。
【特許文献1】特開2001−262684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来のPC飾り柱の接合構造では、PC飾り柱ごとに2個の接合金物や、接合金物を固定するためのインサート、固定用ボルト、ナットを使用しているので、その分、材料コスト増となる。
また、インサート、固定用ボルト、ナットなど全ての金属は腐食防止処理(溶融亜鉛メッキなど)が必要となりコスト増となる。
さらに、接合金物の取付工事、目隠し工事が必要となることもあり、その分手間がかかりその分コスト増となる。
また、接合金物の長孔は、図6において左右方向(面外方向)には長尺でなく、固定ボルトの遊びがなく、大地震時の慣性力によるPC飾り柱の転倒防止の役目を果たすため、
固定させるための大きな力が発生し、接合金物には十分な剛性と強度が要求され大きなものとなり、さらにコスト増を招くことになる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、PC飾り柱を、非構造部材として建物の変形に追従する収まりとすることができるとともに、接合金物や、それに付随するインサート、固定用ボルト、ナット、それらの取付工事、目隠し工事を省略することによって、コスト低減を図れるPC飾り柱の接合構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、PCスラブにPC飾り柱を接合してなるPC飾り柱の接合構造であって、
前記PCスラブの下側にPC飾り柱が配置されており、
前記PC飾り柱に、接続鉄筋がその上端部を前記PC飾り柱の上端面から突出させて埋設されており、
前記PCスラブに、上下に貫通しかつ前記接続鉄筋より大径の貫通孔が形成されており、この貫通孔に下から前記接続鉄筋の上端部が挿通されおり、
前記貫通孔の下部は空洞として、上部に充填材が充填されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のPC飾り柱の接合構造において、
前記PCスラブの上側にPC飾り柱が配置されており、
このPC飾り柱の下端部にジョイント部が該PC飾り柱の下端面に開口するようにして設けられており、
前記接続鉄筋の上端部は、前記貫通孔から上方に突出しおり、この突出している接続鉄筋が前記ジョイント部に挿入され、
前記ジョイント部に充填材が充填されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のPC飾り柱の接合構造において、前記PC飾り柱の上端部に、該PC飾り柱の上端面に開口し、かつ前記接続鉄筋より大径の空洞部が形成されており、
この空洞部を前記接続鉄筋が通っていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の本発明によれば、PC飾り柱に、接続鉄筋がその上端部をPC飾り柱の上端面から突出させて埋設されており、この突出した接続鉄筋がPCスラブに形成された貫通孔に下から挿通され、この貫通孔の下部は空洞として、上部に充填材が充填されているので、接続鉄筋とPCスラブとを一体化できる。
また、PCスラブに形成された貫通孔の下部の空洞において接続鉄筋は変形可能となり、この空洞において建物全体の変形(層間変形)を接続鉄筋が変形することによって吸収できるので、PC飾り柱を、非構造部材として建物の変形に追従する収まりとすることができる。
さらに、接合金物や、それに付随するインサート、固定用ボルト、ナット、それらの取付工事、目隠し工事を省略することができ、コスト低減を図れる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、上側のPC飾り柱の下端部にジョイント部が該PC飾り柱の下端面に開口するようにして設けられており、PCスラブの貫通孔から上方に突出している接続鉄筋が前記ジョイント部に挿入され、このジョイント部に充填材が充填されているので、上下のPC飾り柱とその間にあるPCスラブとを一体化して確実に接合できる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、PC飾り柱の上端部に、該PC飾り柱の上端面に開口し、かつ前記接続鉄筋より大径の空洞部が形成されており、この空洞部を前記接続鉄筋が通っているので、接続鉄筋が変形可能となる長さを長くとれる。したがって、PCスラブに形成された貫通孔の下部の空洞の高さを十分とれない場合でも、接続鉄筋を確実に変形可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係るPC飾り柱の接合構造の一例を示す側断面図、図2はPCスラブの先端部上面を示す平面図である。
図1および図2において、符号10はPC(プレキャスト)スラブを示す。PCスラブ10は鉄筋コンクリート造の建物のバルコニー床を構成するものであり、その内部にはスラブ筋11が配置されている。
【0015】
前記PCスラブ10の先端部には、上下に貫通し、かつ後述する接続鉄筋16より大径の貫通孔12が形成されている。この貫通孔12はその途中に段差が形成されおり、この段差より上部が大径の上部孔12aとなっており、段差より下部が上部孔12aより小径の下部孔12bとなっている。
前記上部孔12aは四角筒状の型枠13をPCスラブ10中に埋設することによって形成されたものである。なお、この型枠13はPCスラブ10中に残しておいてもよいし、抜き出してもよい。
前記下部孔12bは、箱型の型枠をPCスラブ10中に設置した後、この型枠をPCスラブ10から抜き出すことによって形成されたものである。
【0016】
PCスラブ10の下側にはPCマリオン(飾り)柱15が配置されている。このPCマリオン柱15は、壁状に形成されたものであり、その内部には接続鉄筋16が上下方向に延在して埋設されている。PCマリオン柱15の上端面とPCスラブ10の下面との間には隙間が設けられており、この隙間には止水材17が設けられている。
接続鉄筋16の上端部はPCマリオン柱15の上端面から突出しており、この突出した接続鉄筋16はPCスラブ10の貫通孔12に下から挿通されている。なお、接続鉄筋16は貫通孔12の中央部に挿通されている。
また、PCマリオン柱15の上端部には、該PCマリオン柱15の上端面に開口し、かつ接続鉄筋16より大径の空洞部18が形成されており、この空洞部18を接続鉄筋16が通っている。また、この空洞部18には、ゴムやシリコン等で形成された防水材19が充填されている。
【0017】
また、PCスラブ10の貫通孔12の段差には止水材20が設置されており、この止水材20より下方の下部孔(貫通孔12の下部)12bは空洞となっている。また、止水材20より上方の上部孔(貫通孔12の上部)12aには無収縮モルタル等の充填材21が充填されている。これによって、接続鉄筋16とPCスラブ10とは一体化されている。
【0018】
前記PCスラブ10の上側にはPCマリオン(飾り)柱25が配置されている。このPCマリオン柱25は、前記PCマリオン柱15と同様の壁状に形成されており、該PCマリオン柱15の直上に、PCスラブ10を挟んで配置されている。
PCマリオン柱25の下端面とPCスラブ10の下面との間には隙間が設けられており、この隙間には止水材26が設けられている。
また、PCマリオン柱25の下端部には、ジョイント部27が該PCマリオン柱25の下端面に開口するようにして設けられている。このジョイント部27は、PCマリオン柱25の下端部に埋設された筒状のジョイント金物28と、このジョイント金物28の下端開口からPCマリオン柱25の下端面との間に形成された孔29とから構成されており、この孔29は下方に向かって漸次拡径し、その下端はPCマリオン柱25の下端面に開口している。
【0019】
前記ジョイント部27には、PCスラブ10の貫通孔12から上方に突出した接続鉄筋16が挿入されている。
また、PCマリオン柱25の内部には、接続鉄筋30が上下方向に延在して埋設されている。この接続鉄筋30の下端部は前記ジョイント金物28に上方から挿入されている。ジョイント金物28の上端開口は接続鉄筋30を挿入する部分を除いて閉塞されている。 なお、接続鉄筋30と接続鉄筋16とは同軸に配置されている。
そして、前記ジョイント部27および前記止水材26の内側でかつPCマリオン柱25の下端面とPCスラブ10の下面との間の隙間には、無収縮モルタル等の充填材21が充填されている。これによって、接続鉄筋16とPCマリオン柱25とは一体化されている。
なお、前記接続鉄筋16の表面のうち、外気に接する部分およびかぶり厚に相当する深さまでは防錆処理31が施されている。すなわち、前記空洞部18の底面より所定の深さの下方位置と、前記下部孔12の上端より上方に所定長さだけの上方位置との間にある接続鉄筋16の表面に防錆処理31が施されている。
【0020】
前記充填材21は以下のようにして、前記ジョイント部27および前記止水材26の内側でかつPCマリオン柱25の下端面とPCスラブ10の下面との間の隙間、前記上部孔(貫通孔12の上部)12aに充填されている。
すなわち、PCマリオン柱25の下端部の側面には、充填材圧入孔32と充填材排出孔33とが上下に離間して形成されており、これらは、前記ジョイント金物28の側面に上下に離間して形成された2つの開口にそれぞれ接続されている。
そして、充填材圧入孔32から無収縮モルタル等の充填材21を圧入していくと、この充填材21がジョイント金物28内、孔29内、止水材26の内側でかつPCマリオン柱25の下端面とPCスラブ10の下面との間の隙間、止水材20より上方の上部孔12aに充填されていき、余分の充填材21は充填材排出孔33から排出される。
このようにして充填材21はジョイント部27、止水材26の内側でかつPCマリオン柱25の下端面とPCスラブ10の下面との間の隙間、上部孔12aに充填されている。
【0021】
なお、前記PCマリオン柱25の上端部は、PCマリオン柱15の上端部と同様の構造になっており、PCマリオン柱15の下端部は、PCマリオン柱25の下端部と同様の構造となっている。つまり、上下に隣り合うPCスラブ10,10間にPCマリオン柱15(25)が配置されている。
また、壁状のPCマリオン柱15,25には、それぞれ接続鉄筋16,30がPCマリオン柱15,25の幅方向両側にそれぞれ設けられている。
【0022】
次に上記構成のPC飾り柱の接合構造の施工方法について図3〜図5を参照して説明する。
まず、図3に示すように、上端面から上方に突出する接続鉄筋16を有する下側のPCマリオン柱15の上面に止水材17を設置したうえで、PCスラブ10をPCマリオン柱15の上方にクレーン等によって吊り下げる。この際、PCマリオン柱15から突出する接続鉄筋16の延長上に、PCスラブ10の貫通孔12が接続鉄筋16と同軸となるようにして、PCスラブ10を吊り下げる。なお、PCマリオン柱15の上端面には空洞部18が予め形成されている。
【0023】
次に、図4に示すように、PCマリオン柱15の空洞部18に防水材19を充填したうえで、PCスラブ10を吊り降ろして、PCマリオン柱15の上端面に止水材17を介して設置する。PCスラブ10を吊り降ろすことによって、接続鉄筋16がPCスラブ10の貫通孔12に下から貫通され、その上端部は貫通孔12より上方に突出する。
次に、貫通孔12の上端開口から止水材26を落とし込んで段差に設置するとともに、PCスラブ10の上面に止水材26を設置する。
次に、上側のPCマリオン柱25をPCスラブ10の上方にクレーン等によって吊り下げる。この際、PCスラブ10の貫通孔12から突出する接続鉄筋16の延長上に、PCマリオン柱25のジョイント部27が接続鉄筋16と同軸となるようにして、PCマリオン柱25を吊り下げる。なお、PCマリオン柱25の下端部には、予めジョイント部27が設けられており、このジョイント部27にはPCマリオン柱25内に埋設された接続鉄筋30の下端部が挿入されている。
【0024】
次に、図5に示すように、PCマリオン柱25を吊り降ろして、PCスラブ10の上面に止水材26を介して設置する。PCマリオン柱25を吊り降ろすことによって、接続鉄筋16がPCマリオン柱25のジョイント部27に下から貫通される。
次に、充填材圧入孔32から無収縮モルタル等の充填材21を圧入していくと、この充填材21は、ジョイント部27内、止水材26の内側でかつPCマリオン柱25の下端面とPCスラブ10の下面との間の隙間、止水材20より上方の上部孔12aに充填されていき、余分の充填材21は充填材排出孔33から排出される。
このようにして充填材21をジョイント部27、止水材26の内側でかつPCマリオン柱25の下端面とPCスラブ10の下面との間の隙間、上部孔12aに充填し、施工を終了する。
【0025】
本実施の形態によれば、PCマリオン柱15に、接続鉄筋16がその上端部をPCマリオン柱15の上端面から突出させて埋設されており、この突出した接続鉄筋16がPCスラブ10に形成された貫通孔12に下から挿通され、この貫通孔12の下部の下部孔12bは空洞として、上部の上部孔12aに充填材21が充填されているので、接続鉄筋16とPCスラブ10とを一体化できる。
また、PCスラブ20に形成された貫通孔12の下部の空洞(下部孔12b)において接続鉄筋16は拘束されていないので変形可能となり、この空洞において建物全体の変形(層間変形)を接続鉄筋16が変形することによって吸収できるので、PCマリオン柱15を、非構造部材として建物の変形に追従する収まりとすることができる。
さらに、従来使用していた接合金物や、それに付随するインサート、固定用ボルト、ナット、それらの取付工事、目隠し工事を省略することができ、コスト低減を図れる。
また、従来使用していた接合金物やこれを固定するための固定用ボルト、ナットが不要であるため、外部に突出するものがなく、バルコニーの外観意匠性が高まる。
【0026】
また、上側のPCマリオン柱25の下端部にジョイント部27が該PCマリオン柱25の下端面に開口するようにして設けられており、PCスラブ10の貫通孔12から上方に突出している接続鉄筋16が前記ジョイント部27に挿入され、このジョイント部27に充填材21が充填されているので、上下のPCマリオン柱15,25とその間にあるPCスラブ10とを一体化して確実に接合できる。
また、大地震の水平方向の慣性力による転倒に対しては、接続鉄筋16が塑性変形して下部孔12bの内壁面に当接してPCマリオン柱25の転倒・脱落を防止できる。
さらに、建物の強制変形によるPCマリオン柱15,25やPCスラブ10の外観上の損傷を低減でき、補修等も容易となる。
【0027】
また、PCマリオン柱15の上端部に空洞部18が形成されており、この空洞部18を接続鉄筋16が通っているので、接続鉄筋16が変形可能となる長さを長くとれる。つまり、接続鉄筋16の変形可能な長さである可撓領域を、PCスラブ10の貫通孔12の下部孔12bの高さに、PCスラブ10の上面とPCマリオン柱15の下端面との間隔および空洞部18の高さを加えた長さとすることがきる。したがって、PCスラブ10に形成された貫通孔12の下部の空洞(下部孔12b)の高さを十分とれない場合でも、接続鉄筋16を確実に変形可能とすることができる。
また、空洞部18には弾性力のあるゴム材などにより形成された防水材19が充填されているので、この空洞部18への雨水等の浸入を防止できるとともに、空洞部18で接続鉄筋16が十分に変形可能となる。
なお、PCスラブ10に形成された貫通孔12の下部の空洞(下部孔12b)の高さを十分とれる場合は、空洞部18は省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るPC飾り柱の接合構造の一例を示すもので、その側断面図である。
【図2】同、PCスラブの先端部上面を示す平面図である。
【図3】本発明に係るPC飾り柱の接合構造の施工方法を説明するためのものあり、下側のPCマリオン柱の上方にPCスラブを配置した状態を示す側断面図である。
【図4】同、下側のPCマリオン柱にPCスラブを設置した状態を示す側断面図である。
【図5】同、PCスラブに上側のPCマリオン柱を設置して充填材を充填した状態を示す側断面図である。
【図6】従来のPC飾り柱の接合構造の一例を示すもので、その側断面図である。
【符号の説明】
【0029】
10 PCスラブ
12 貫通孔
12a 上部孔
12b 下部孔
15,25 PCマリオン(飾り)柱
16,30 接続鉄筋
18 空洞部
21 充填材
27 ジョイント部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCスラブにPC飾り柱を接合してなるPC飾り柱の接合構造であって、
前記PCスラブの下側にPC飾り柱が配置されており、
前記PC飾り柱に、接続鉄筋がその上端部を前記PC飾り柱の上端面から突出させて埋設されており、
前記PCスラブに、上下に貫通しかつ前記接続鉄筋より大径の貫通孔が形成されており、この貫通孔に下から前記接続鉄筋の上端部が挿通されおり、
前記貫通孔の下部は空洞として、上部に充填材が充填されていることを特徴とするPC飾り柱の接合構造。
【請求項2】
前記PCスラブの上側にPC飾り柱が配置されており、
このPC飾り柱の下端部にジョイント部が該PC飾り柱の下端面に開口するようにして設けられており、
前記接続鉄筋の上端部は、前記貫通孔から上方に突出しおり、この突出している接続鉄筋が前記ジョイント部に挿入され、
前記ジョイント部に充填材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載のPC飾り柱の接合構造。
【請求項3】
前記PC飾り柱の上端部に、該PC飾り柱の上端面に開口し、かつ前記接続鉄筋より大径の空洞部が形成されており、
この空洞部を前記接続鉄筋が通っていることを特徴とする請求項1または2に記載のPC飾り柱の接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−235685(P2009−235685A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80530(P2008−80530)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【Fターム(参考)】