説明

PDE4インヒビターとしての2−(ピペリジン−4−イル)−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン誘導体

一定の式1で示され、その式中、R1、R2、R3及びR9が明細書中の意味を有する化合物は、新規の効果的なPDE4インヒビターである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の適用分野
本発明は、医薬品組成物の製造のための医薬品工業で使用される新規のピリダジノン誘導体に関する。
【0002】
公知の背景技術
国際特許出願WO98/31674号(=USP6,103,718号)、WO99/31071号、WO99/31090号、WO99/47505号(=USP6,255,303号)、WO01/19818号、WO01/30766号、WO01/30777号、WO01/94319号、WO02/064584号、WO02/085885号及びWO02/085906号は、PDE4阻害特性を有するフタラジノン誘導体を開示している。国際特許出願WO03/032993号、欧州特許出願EP539806号、EP618201号、EP723962号、EP738715号、EP763534号及びドイツ国特許出願DE19604388号において、アリールアルキル−ジアジノン及びチアジアジノン誘導体はPDE4インヒビターとして記載されている。国際特許出願WO93/07146号(=USP5,716,954号)は、PDE阻害活性を有するベンゾ及びピリドピリダジノン及びピリダジンチオン化合物を開示している。
【0003】
Journal of Medicinal Chemistry, Vol. 33, No. 6, 1990, pp. 1735-1741において、1,4−ビス(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ピリダジン−6−イル)ベンゼン誘導体が、潜在的なホスホジエステラーゼインヒビター及び強心性血管拡張薬として記載されている。Journal of Medicinal CHemistry Vol. 45 No. 12, 2002, pp. 2520-2525, 2526-2533及びそのVol. 44, No. 16, 2001, pp. 2511-2522及びpp. 2523-2535において、フタラジノン誘導体は、選択的PDE4インヒビターとして記載されている。
【0004】
発明の開示
目下、以下に非常に詳細に説明するピリダジノン誘導体が意想外かつ特に有利な特性を有することが判明した。
【0005】
従って、本発明は、式1
【化1】

[式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化2】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、C1〜C4−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R5は、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R6は、C1〜C4−アルコキシ、C3〜C5−シクロアルコキシ、C3〜C5−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R7は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
R8は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、酸素原子もしくは硫黄原子によって中断されていてよい、スピロ結合した5員、6員もしくは7員の炭化水素環を形成し、
R9は、−C(O)R10、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R10は、C1〜C4−アルキル、−R(R11)R12、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R11は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R12は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R11及びR12は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R13は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ又はC1〜C4−アルキルカルボニルオキシであり、
R14は、C1〜C4−アルキル、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R16は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R15及びR16は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R17は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ又はC1〜C4−アルキルカルボニルオキシであり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R20は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R23は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環、チオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環、モルホリン−3,5−ジオン−4−イル環、ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環、4,4−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環又は1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン−3−イル環又はイソインドール−1,3−ジオン−2−イル環系を形成し、
nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜4の整数である]で示される化合物並びにこれらの化合物の塩に関する。
【0006】
1〜C4−アルキルは、直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。例は、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、プロピル基、イソプロピル基、エチル基及びメチル基である。
【0007】
1〜C4−アルコキシは、酸素原子の他に直鎖状又は分枝鎖状の1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有する基である。本文中で挙げられる1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基は、例えばブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、エトキシ基及びメトキシ基である。
【0008】
1〜C8−アルコキシは、酸素原子の他に、直鎖状又は分枝鎖状の1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を有する基である。本文中で挙げられる1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基は、例えばオクチルオキシ基、ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ(5−メチルヘキシルオキシ)基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ(4−メチルペンチルオキシ)基、ネオヘキシルオキシ(3,3−ジメチルブトキシ)基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ(3−メチルブトキシ)基、ネオペンチルオキシ(2,2−ジメチルプロポキシ)基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、エトキシ基及びメトキシ基である。
【0009】
完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシは、例えば2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシ基、ペルフルオロエトキシ基、1,2,2−トロフルオロエトキシ基、特に1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、トリフルオロメトキシ基及びジフルオロメトキシ基であり、そのうちジフルオロメトキシ基が好ましい。この関連での"大部分が"とは、C1〜C4−アルコキシ基中の水素原子の半分より多くがフッ素原子により置換されていることを意味する。
【0010】
3〜C7−シクロアルコキシは、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ及びシクロヘプチルオキシを表し、そのうちシクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ及びシクロペンチルオキシが有利である。
【0011】
3〜C7−シクロアルキルメトキシは、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシ及びシクロヘプチルメトキシを表し、そのうちシクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ及びシクロペンチルメトキシが有利である。
【0012】
3〜C5−シクロアルコキシは、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ及びシクロペンチルオキシを表す。C3〜C5−シクロアルキルメトキシは、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ及びシクロペンチルメトキシを表す。
【0013】
酸素原子もしくは硫黄原子により中断されてよい、スピロ結合した5員、6員又は7員の炭化水素環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環及びテトラヒドロチオフェン環が挙げられる。
【0014】
本発明の意味上の範囲内ではハロゲンは、臭素、塩素又はフッ素である。
【0015】
1〜C4−アルコキシカルボニルは、前記C1〜C4−アルコキシ基の1つが結合されているカルボニル基を表す。例は、メトキシカルボニル基[CH3O−C(O)−]及びエトキシカルボニル基[CH3CH2O−C(O)−]である。
【0016】
モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ基は窒素原子の他に、前記のC1〜C4−アルキル基の1つ又は2つを含有する。
【0017】
モノ−又はジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル基はカルボニル基の他に、前記のモノ−又はジ−C1〜C4−アルキルアミノ基の1つを含有する。挙げられる例は、N−メチルアミノカルボニル基、N,N−ジメチルアミノカルボニル基、N−エチルアミノカルボニル基、N−プロピルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基及びN−イソプロピルアミノカルボニル基である。
【0018】
1〜C4−アルキルカルボニルは、カルボニル基であって、そこに前記のC1〜C4−アルキル基の1つが結合されている基である。一例は、アセチル基[CH3C(O)−]である。
【0019】
1〜C4−アルキルカルボニルアミノは、例えばプロピオニルアミノ[C37C(O)NH−]及びアセチルアミノ基[CH3C(O)NH−]である。
【0020】
1〜C4−アルキルカルボニルオキシは、前記C1〜C4−アルキル基の1つが結合されているカルボニルオキシ基である。一例は、アセトキシ基[CH3C(O)−O−]である。
【0021】
3〜C7−シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを表し、そのうちシクロプロピル及びシクロペンチルが有利である。
【0022】
3〜C7−シクロアルキルメチルは、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル又はシクロヘプチルメチルを表す。
【0023】
式1の化合物についての適当な塩(置換基に依存して)は、全ての酸付加塩又は塩基との全ての塩である。薬学で慣用に使用される薬理学的に認容性の無機及び有機の酸及び塩基のそれが特に挙げられる。これらの好適なものは、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、D−グルコン酸、安息香酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、酪酸、スルホサリチル酸、マレイン酸、ラウリン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、酒石酸、エンボン酸、ステアリン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又は3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のような酸との、一方では、水溶性及び水不溶性の酸付加塩であり、その際、前記の酸は塩調製において(一塩基酸又は多塩基酸のどちらが考慮されるかに依存して、そしてどの塩が望ましいかに依存して)等モル量比又はそれとは異なる比で使用される。
【0024】
他方で、置換によっては塩基との塩も適当である。塩基との塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、チタン、アンモニウム、メグルミン又はグアニジニウムの塩であり、その際、この場合にも塩基は塩調製において等モル量比又はそれとは異なる比で使用される。
【0025】
本発明による化合物の工業的規模での製造の間に、例えばプロセス生成物として得ることができる薬理学的に非認容性の塩は当業者に公知の方法によって薬理学的に認容性の塩に変換される。
【0026】
専門知識によれば、本発明の化合物並びにそれらの塩は、例えば結晶形で単離された場合に、種々の量の溶剤を含有してよい。従って本発明の範囲内では、式1の化合物の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物、及びまた式1の化合物の塩の全ての溶媒和物及び、特に全ての水和物が包含される。
【0027】
本発明の一実施態様(実施態様A)は、式1で示され、その式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化3】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R5は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R6は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−C(O)−R10、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R10は、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R13は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R14は、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R16は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R17は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R20は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環又は4−チオモルホリニル環を形成し、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R23は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環、モルホリン−3,5−ジオン−4−イル環、ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環、4,4−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環又は1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン−3−イル環又はイソインドール−1,3−ジオン−2−イル環系を形成し、
nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜4の整数である、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0028】
強調されるべき実施態様Aの下位群は、式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化4】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R5は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−C(O)−R10であり、
R10は、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R13は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシである、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0029】
強調されるべき実施態様Aのもう一つの下位群は、式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化5】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R5は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−S(O)2−R14であり、
R14は、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R16は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R17は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシである、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0030】
強調されるべき実施態様Aの他の下位群は、式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化6】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R5は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−(CH2n−C(O)−R18であり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R20は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環又は4−チオモルホリニル環を形成し、
nは、1又は2である、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0031】
強調されるべき実施態様Aのその他の下位群は、式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化7】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R5は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−C(O)−(CH2m−R21であり、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R23は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−メチル−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環、モルホリン−3,5−ジオン−4−イル環、ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環、4,4−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環又は1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン−3−イル環又はイソインドール−1,3−ジオン−2−イル環系を形成し、
mは、1である、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0032】
特に強調されるべき実施態様Aの下位群は、式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化8】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R6は、メトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であり、
R9は、−C(O)−R10であり、
R10は、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R13は、メトキシである、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0033】
特に強調されるべき実施態様Aのもう一つの下位群は、式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化9】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R6は、メトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であり、
R9は、−S(O)2−R14であり、
R14は、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、メチルであり、
R16は、メチルであり、
R17は、シアノ、メチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシである、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0034】
特に強調されるべき実施態様Aの他の下位群は、式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化10】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R6は、メトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であり、
R9は、−(CH2n−C(O)−R18であり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素であり、
R20は、水素であるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、4−モルホリニル環を形成し、
nは、1又は2である、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0035】
特に強調されるべき実施態様Aのその他の下位群は、式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化11】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R6は、メトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であり、
R9は、−C(O)−(CH2m−R21であり、
R21は、−N(R22)R23であるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−メチル−ピペラジン−4−イル環、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環又はモルホリン−3,5−ジオン−4−イル環又はイソインドール−1,3−ジオン−2−イル環系であり、
mは、1である、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0036】
本発明のもう一つの実施態様(実施態様B)は、式1で示され、その式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化12】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、C1〜C4−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R5は、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R6は、C1〜C4−アルコキシ、C3〜C5−シクロアルコキシ、C3〜C5−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R7は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
R8は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、酸素原子もしくは硫黄原子によって中断されていてよい、スピロ結合した5員、6員又は7員の炭化水素環を形成し、
R9は、−C(O)R10、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R10は、C1〜C4−アルキル、−N(R11)R12、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R11は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R12は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R11及びR12は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R13は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ又はC1〜C4−アルキルカルボニルオキシであり、
R14は、C1〜C4−アルキル、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R16は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R15及びR16は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R17は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ又はC1〜C4−アルキルカルボニルオキシであり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R20は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R23は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環、チオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環又はピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環を形成し、
nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜4の整数である、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0037】
強調されるべき実施態様Bの化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化13】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R5は、C1〜C4−アルコキシであり、
R6は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R14は、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R17は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R20は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環又は4−チオモルホリニル環を形成し、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R23は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環又はピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環を形成し、
nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜4の整数である、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0038】
実施態様Bの有利な化合物は、式1で示され、その式中、
R1は、メチルであり、
R2は、メチルであり、
R3は、式(a)
【化14】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R9は、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R14は、2−シアノフェニルであり、
R18は、アミノ又は4−モルホリニルであり、
R21は、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イルであり、
nは、1又は2であり、
mは、1である、化合物並びにこれらの化合物の塩である。
【0039】
本発明の化合物の特定の一実施態様には、式1で示され、その式中、R3が式(a)のフェニル誘導体を表す化合物が含まれる。
【0040】
本発明の化合物の特定の一実施態様には、式1で示され、その式中、R3が式(a)のフェニル誘導体を表し、かつR4及びR5がメトキシを意味する化合物が含まれる。
【0041】
本発明の化合物の更なるもう一つの特定の一実施態様には、式1で示され、その式中、R1がメチルであり、R2がメチルであり、R3が式(a)のフェニル誘導体を表し、かつR4及びR5がメトキシを意味する化合物が含まれる。
【0042】
本発明の化合物の他の特定の一実施態様には、式1で示され、その式中、R3が式(b)のフェニル誘導体を表す化合物が含まれる。
【0043】
本発明の化合物の更なるもう一つの特定の一実施態様には、式1で示され、その式中、R1がメチルであり、R2がメチルであり、R3が式(b)のフェニル誘導体を表し、R6がメトキシであり、R7がメチルであり、かつR8が水素である化合物が含まれる。
【0044】
式1の化合物は、R1及びR2が同一でなければ、キラル化合物である。R3が式(b)のフェニル誘導体を表す場合には、置換基−R7及び−CH2R8が同一でなければ、1つの更なるキラル中心がジヒドロフラン環中に存在する。しかしながら、この文脈では、置換基−R7及び−CH2R8が同一であるか、又は一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合した5員、6員又は7員の炭化水素環を形成する化合物が好ましい。
【0045】
本発明は、式1の化合物の全ての考えられる純粋なジアステレオマー及び純粋なエナンチオマー並びにそれらの比率とは無関係の全ての混合物、例えばラセミ体を含む。
【0046】
本発明による式1の化合物は、例えば反応式1に記載されるようにして製造することができる。
【0047】
反応式1:
【化15】

【0048】
反応式1において、式2aで示され、その式中、R1、R2、R4及びR5が前記の意味を有するケト酸は、例えば式3aで示され、その式中、R4及びR5が前記の意味を有し、かつZが水素(H)を表す化合物から、3,3−ジ−(C1〜C4−アルキル)−ジヒドロ−フラン−2,5−ジオン(例えば3,3−ジ−メチル−ジヒドロ−フラン−2,5−ジオン)によるフリーデル−クラフツ−アシル化によって製造することができる。フリーデル−クラフツ−アシル化は、当業者に公知のように(例えばM. Yamaguchi et al., J Med Chem 36: 4052-4060, 1993に記載されるように)好適な触媒、例えばAlCl3、ZnCl2、FeCl3又はヨウ素の存在下に、好適な不活性溶剤、例えば塩化メチレン又はニトロベンゼン又は他の不活性溶剤、例えばジエチルエーテル中で、有利には高めた温度で、殊に使用される溶剤の沸点で実施される。
【0049】
選択的に、式2aで示され、その式中、R1、R2、R4及びR5が前記の意味を有する化合物は、式3aで示され、その式中、R4及びR5が前記の意味を有し、かつZがハロゲン原子を表す化合物から、3,3−ジ−(C1〜C4−アルキル)−ジヒドロ−フラン−2,5−ジオンとの反応を通じて製造することができる。
【0050】
該反応は、当業者に公知のように、例えば
a)式3aで示され、その式中、R4、R5及びZが前記の意味を有する化合物を、低温(有利には−60〜−100℃)で、好適な不活性溶剤、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル中で、有利には不活性ガス雰囲気下でリチウム/ハロゲン交換反応させることによって活性化させ、引き続きリチオ化された化合物と3,3−ジ−(C1〜C4−アルキル)−ジヒドロ−フラン−2,5−ジオンとを反応させることによるか、又は
b)式3aで示され、その式中、R4、R5及びZが前記の意味を有する化合物を、好適な不活性溶剤、例えばテトラヒドロフラン又はジエチルエーテル中で、式3aで示され、その式中、ZがMgCl、MgBr又はMgIを表す相応のグリニャール化合物に転化させ、引き続き該グリニャール化合物と3,3−ジ−(C1〜C4−アルキル)−ジヒドロ−フラン−2,5−ジオンとを反応させることにより
実施される。
【0051】
式2bで示され、その式中、R1、R2、R6、R7及びR8が前記の意味を有する化合物は、式2aの化合物と同様に、前記のa)又はb)で記載した合成手法を用いて製造することができる。
【0052】
式3aで示され、その式中、R4及びR5が前記の意味を有し、かつZが水素(H)又はハロゲン原子を表す化合物は、WO98/31674号から公知であるか又はそこに記載されるようにして製造することができる。
【0053】
式3bで示され、その式中、R6、R7及びR8が前記の意味を有し、かつZがハロゲン原子を表す化合物は、WO98/31090号から公知であるか又はそこに記載されるようにして製造することができる。
【0054】
式2a及び式2bのケト酸は、4−ヒドラジノピペリジン二塩酸塩との反応によって転化されて、式1a及び式1bで示され、その式中、R1、R2、R4、R5、R6、R7及びR8が前記の意味を有し、かつR9が水素(H)を表す化合物となる。
【0055】
式2a及び式2b又はそれらの反応性誘導体の1つを4−ヒドラジノピペリジン二塩酸塩により転化させることは、有利には、1〜1.5当量の4−ヒドラジノピペリジン二塩酸塩を用いて、好適な塩基、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン又は任意の他の脂肪族第三級アミンの存在下に実施される。不活性溶剤としては、有利には、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソアミルアルコール、グリコール及びエーテル、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、酸、例えばギ酸、酢酸又はプロピオン酸、前記の溶剤の好適な混合物並びに水との混合物、例えば水性エタノール、更なるエーテル、特に水溶性エーテル、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン又はエチレングリコールジメチルエーテル、更なるトルエン又はベンゼンが使用され、殊に共沸目的の方法を用いて反応水を除去する場合に使用される。
【0056】
反応温度は、適宜、0〜200℃、有利には20〜100℃であり、反応時間は有利には1〜48時間である。
【0057】
本願で挙げることができる式2a及び式2bのケト酸の好適な反応性誘導体は、例えばエステル、特にメチルエステル及びエチルエステル、ニトリル及び酸ハロゲン化物、例えば酸塩化物又は酸臭化物である。これらは、当業者に公知の方法によって製造することができる。
【0058】
最終的に、式1a及び式1bで示され、その式中、R1、R2、R4、R5、R6、R7及びR8が前記の意味を有し、かつR9が水素(H)を意味する化合物を、式R9−Xで示され、その式中、R9が前記の意味を有し、かつXが好適な離脱基、例えばハロゲン原子、有利には塩素原子である化合物と反応させる。
【0059】
アルキル化、スルホニルハロゲン化物との反応、アシルハロゲン化物との反応などの全ての公知の古典的な反応をこの最終反応段階で使用することができる。
【0060】
選択的に、幾つかの場合には、置換基R9を、マイケル付加反応又は2段階法もしくは多段階法によって導入することが有用となる。
【0061】
適宜、転化は、当業者に自体公知の方法と同様にして、例えば以下の実施例に記載されるようにして実施される。
【0062】
本発明による物質は、自体公知の方法で、例えば真空中で溶剤を留去し、そして得られた残留物を適当な溶剤から再結晶させるか、又は慣用の精製法の1つ、例えば適当な担体材料上でのカラムクロマトグラフィーを実施することによって単離及び精製される。
【0063】
塩は、遊離の化合物を所望の酸を含有する適当な溶剤(例えばケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン、エーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン、塩素化炭化水素、塩化メチレン又はクロロホルム又は低分子量の脂肪族アルコール、例えばエタノール又はイソプロパノール)中に、又は所望の酸がその後に添加される溶剤中に溶解させることによって得られる。塩は、付加塩のための非溶剤を用いる濾過、再沈殿、沈殿又は溶剤の蒸発によって得られる。得られた塩を、塩基性化によって遊離の化合物に変換してよく、該化合物はまた塩に変換してもよい。前記のように、薬理学的に非認容性の塩を薬理学的に認容性の塩に変換できる。
【0064】
以下の実施例は本発明をより詳細に説明するものであり、それを制限するものではない。同様に、製造が詳細に記載されていない式1の更なる化合物も、類似の方法又は当業者に公知の方法で、慣用の製造方法を用いて製造することができる。
【0065】
この実施例に挙げられる化合物及びそれらの塩は本発明の有利な化合物である。実施例においては、RTは室温を表し、hは時間を表し、minは分を表し、かつM.p.は融点を表す。
【0066】
実施例
最終生成物
1. 2−{4−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−スルホニル}−ベンゾニトリル
5ミリモルの中間物質A2、7ミリモルの2−シアノベンゼンスルホニルクロリド及び10ミリモルのトリエチルアミンを50mlのジクロロメタン中に入れた混合物を室温で1時間撹拌する。有機層を水性炭酸ナトリウムで2回洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、そして真空中で濃縮させる。表題化合物が酢酸エチルから結晶化する。融点190〜192℃。
【0067】
2. 6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,4−ジメチル−2−[1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソ−プロピル)−ピペリジン−4−イル]−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン塩酸塩
5ミリモルの中間物質A2及び8ミリモルの1−モルホリン−4−イル−プロペノンを50mlのメタノール中に溶かした溶液を室温で20時間撹拌する。残留物を蒸発させた後に、酢酸エチル中に溶解させ、そして濾過する。塩酸をジエチルエーテル中に溶かした飽和溶液を添加し、そして得られた沈殿物を濾取し、そして乾燥させる。融点211〜213℃。
【0068】
3. 2−[4−(3−{3,4−ジメトキシフェニル}−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル)−ピペリジン−1−イル]−アセトアミド
5ミリモルの中間物質A2、15ミリモルの炭酸カリウム及び7ミリモルのクロロアセトアミドを10mlのジメチルホルムアミド中に入れた混合物を室温で72時間撹拌する。溶剤を蒸発させ、そして残留物を水性炭酸ナトリウムと酢酸エチルとの間で分ける。有機層をMgSO4上で乾燥させ、そして真空中で濃縮させる。生成物を、クロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール/10:1)によって精製し、そして酢酸エチルから結晶化させる。融点180〜182℃。
【0069】
4. 1−(2−{4−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−ピロリジン−2,5−ジオン
10ミリモルのクロロアセチルクロリドを20mlのジクロロメタン中に溶解させ、これを、5ミリモルの中間物質A2及び20ミリモルのトリエチルアミンを50mlのジクロロメタン中に溶かした溶液に、0℃で緩慢に添加する。完全に添加した後に、該混合物を更に30分間撹拌し、その後に50mlの水を添加し、撹拌を更に30分間継続させる。ジクロロメタン溶液を分離し、水で2回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させる。残留物を、酢酸エチル中に溶解させ、シリカゲル上で濾過し、その後に溶剤を蒸発させる。残留物を、20mlのジメチルホルムアミド及び10ミリモルのスクシンイミド中に溶解させ、そして10ミリモルの炭酸カリウムを添加し、そして得られた混合物を70℃で2時間加熱する。室温に冷却した後に、該混合物を100mlの酢酸エチルで希釈し、そして濾過する。溶剤を蒸発させた後に、残留物をクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール/5:1で溶出)によって精製する。酢酸エチルから結晶化させることにより、表題化合物が得られる。融点177〜179℃。
【0070】
5. 6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,4−ジメチル−2−[1−(トルエン−2−スルホニル)−ピペリジン−4−イル]−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A2及び2−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて製造する。融点132〜133℃。
【0071】
6. 4−{4−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−スルホニル}−ベンゾニトリル
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A2及び4−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて製造する。融点161〜163℃。
【0072】
7. 6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,4−ジメチル−2−[1−(2−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)−ピペリジン−4−イル]−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A2及び2−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて製造する。融点143〜144℃。
【0073】
8. 6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−2−{1−[1−(2−メトキシ−フェニル)−メタノイル]−ピペリジン−4−イル}−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A2及び2−メトキシ−ベンゾイルクロリドを用いて製造する。融点157〜159℃。
【0074】
9. 3−{4−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−スルホニル}−ベンゾニトリル
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A2及び3−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて製造する。融点158〜160℃。
【0075】
10. 6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,4−ジメチル−2−[1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−4−イル]−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A2及び4−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて製造する。融点161〜164℃。
【0076】
11. 6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,4−ジメチル−2−[1−(トルエン−3−スルホニル)−ピペリジン−4−イル]−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A2及び3−メチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて製造する。融点150〜152℃。
【0077】
12. 4−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−スルホン酸ジメチルアミド
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A2及びジメチルスルファモイルクロリドを用いて製造する。融点172〜174℃。
【0078】
13. 2−{4−[3−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル}−アセトアミド
表題化合物は、実施例3に記載されるのと同様にして、中間物質A4及び2−クロロアセトアミドを用いて製造する。融点215〜216℃。
【0079】
14. 6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,4−ジエチル−2−[1−(1−フェニル−メタノイル)−ピペリジン−4−イル]−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A6及びベンゾイルクロリドを用いて製造する。融点160〜61℃。
【0080】
15. 2−{4−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジエチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル}−アセトアミド塩酸塩
表題化合物は、実施例3に記載されるのと同様にして、中間物質A6及び2−クロロアセトアミドを用いて製造する。融点69〜74℃。
【0081】
16. 2−{4−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジエチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−スルホニル}−ベンゾニトリル
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A6及び2−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて製造する。融点156〜157℃。
【0082】
17. 4−(2−{4−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−モルホリン−3,5−ジオン
表題化合物は、実施例4に記載されるのと同様にして、中間物質A2及びモルホリン−3,5−ジオンを用いて製造する。融点210〜211℃。
【0083】
18. 6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,4−ジエチル−2−{1−[1−(2−メトキシ−フェニル)−メタノイル]−ピペリジン−4−イル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
表題化合物は、実施例1に記載されるのと同様にして、中間物質A6及び2−メトキシベンゾイルクロリドを用いて製造する。融点160〜162℃。
【0084】
19. 6−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル)−4,4−ジメチル−2−{1−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エタノイル]−ピペリジン−4−イル}−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
表題化合物は、実施例4に記載されるのと同様にして、中間物質A4及びN−メチルピペラジンを用いて製造する。融点121〜123℃。
【0085】
20. 1−(2−{4−[3−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−ピロリジン−2,5−ジオン
表題化合物は、実施例4に記載されるのと同様にして、中間物質A6及びピロリジン−2,5−ジオンを用いて製造する。融点240〜241℃。
【0086】
21. 2−(2−{4−[3−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−6−オキソ−5,6−ジヒドロ−4H−ピリダジン−1−イル]−ピペリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−イソインドール−1,3−ジオン
表題化合物は、実施例4に記載されるのと同様にして、中間物質A2及びフタルイミドを用いて製造する。融点193〜194℃。
【0087】
出発化合物及び中間物質
A1. 4−(3,4−ジメトキシフェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソ−酪酸
乾燥窒素雰囲気下に、43.4gの3,4−ジメトキシブロモベンゼン及び6.1gのマグネシウムから200mlのテトラヒドロフラン中で製造されたグリニャール溶液を、20.5gの3,3−ジメチル−ジヒドロフラン−2,5−ジオンを200mlのテトラヒドロフラン中に氷浴中で冷却して溶かした溶液に滴加する。反応混合物を更に1時間室温で撹拌する。100mlの20%の塩化アンモニウム溶液を添加し、そして水層を75mlの酢酸エチルで2回抽出する。合した有機層を100mlの半飽和ブラインで2回洗浄し、そして1Mの水酸化ナトリウム溶液100mlで3回抽出する。水層を75mlの酢酸エチルで洗浄し、濃塩酸で酸性化させ、そして100mlのジクロロメタンで3回抽出する。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空中で濃縮する。油状の残留物が、酢酸エチル/石油エーテル(60〜80℃)から結晶化される。融点114〜116℃。
【0088】
A2. 6−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−2−ピペリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン
50ミリモルの中間物質A1、50ミリモルの4−ヒドラジノピペリジン二塩酸塩及び15mlのトリエチルアミンを100mlのn−プロパノール中に入れた混合物を還流下で48時間加熱する。溶剤を蒸発させ、そして残留物を1Mの水酸化ナトリウム溶液100ml中に懸濁する。この懸濁液を50mlのジクロロメタンで3回抽出する。合した有機層を1Mの水酸化ナトリウム溶液50mlで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして真空中で濃縮させる。ジエチルエーテルから結晶化させることにより、表題化合物が得られる。融点126〜128℃。
【0089】
A3. 4−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル)−2,2−ジメチル−4−オキソ−酪酸
表題化合物を、中間物質A1について記載されるようにして、4−ブロモ−7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフランを用いて製造する。ジエチルエーテルから結晶化させる。融点159〜160℃。
【0090】
A4. 6−(7−メトキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−4−イル)−4,4−ジメチル−2−ピペリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン塩酸塩
表題化合物を、中間物質A2について記載されるようにして、中間物質A3及びピペリジン−4−イル−ヒドラジン二塩酸塩を用いて製造する。融点>300℃。
【0091】
A5. 4−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−2,2−ジメチル−4−オキソ−酪酸
表題化合物を、中間物質A1について記載されるようにして、3,3−ジエチル−ジヒドロフラン−2,5−ジオンを用いて製造する。融点106〜109℃。
【0092】
A6. 6−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4,4−ジエチル−2−ピペリジン−4−イル−4,5−ジヒドロ−2H−ピリダジン−3−オン塩酸塩
表題化合物を、中間物質A2について記載されるようにして、中間物質A5及びピペリジン−4−イル−ヒドラジン二塩酸塩を用いて製造する。融点137〜138℃。
【0093】
産業上利用可能性
本発明による化合物は、産業上の利用を可能にする有用な薬理学的特性を有する。選択的環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)インヒビター(特に4型)として、これらは一方で気管支治療薬(拡張拡張を原因とするが、その呼吸数又は呼吸力の増大作用をも原因とする気道障害の治療のため)として、そしてその血管拡張作用のため勃起不全の解除のために適しているが、他方では、特に疾患、特に例えば気道(喘息予防)、皮膚、腸管、眼、CNS及び関節の炎症状態の治療のために適当であり、これらはメディエーター、例えばヒスタミン、PAF(血小板活性因子)、アラキドン酸代謝物、例えばロイコトリエン及びプロスタグランジン、サイトカイン、インターロイキン、ケモカイン、α−インターフェロン、β−インターフェロン及びγ−インターフェロン、腫瘍壊死因子(TNF)又は酸素フリーラジカル及びプロテアーゼによって媒介される。本願明細書では、本発明による化合物は低い毒性、良好な腸内吸収(高い生物学的利用能)、広い治療範囲及び重篤な副作用の不在によって特徴付けられる。
【0094】
それらのPDE阻害特性のため、本発明による化合物はヒト医学及び獣医学において療法剤として使用でき、その際、これらは、例えば以下の疾患の治療及び予防のために使用できる:種々の原因(気管支炎、アレルギー性気管支炎、気管支喘息、肺気腫、COPD)による急性及び慢性の(特に炎症性及びアレルギー誘発性)気道障害、皮膚病(特に増殖性、炎症性及びアレルギー性)、例えば乾癬(尋常性)、中毒性湿疹及びアレルギー接触性湿疹、アトピー性湿疹、脂漏性湿疹、単純苔癬、日焼け、肛門性器領域の痒み症、円形脱毛症、肥厚性瘢痕、円板状エリテマトーデス、ろ胞性及び広範囲の膿皮症、内因性及び外因性座瘡、酒土性座瘡及び他の増殖性、炎症性及びアレルギー性の皮膚疾患、TNF及びロイコトリエンの過剰放出に基づく障害、例えば関節性の障害(リウマチ様関節炎、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症及び他の関節の症状)、免疫系の障害(AIDS、多発性硬化症)、移植片対宿主反応、移植拒否反応、ショック症状(敗血症性ショック、エンドトキシンショック、グラム陰性菌性敗血症、トキシックショック症候群及びARDS(成人呼吸窮迫症候群))、並びに胃腸領域における全身性炎症(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、上部気道(咽頭、鼻)領域及び隣接領域(副鼻腔、目)でのアレルギー性及び/又は慢性の免疫不全性反応に基づく疾患、例えばアレルギー性鼻炎/アレルギー性副鼻腔炎、慢性鼻炎/慢性副鼻腔炎、アレルギー性結膜炎及び鼻ポリープ、更にはPDEインヒビターによって治療することができる心臓疾患、例えば心不全、又はPDEインヒビターの組織弛緩作用から治療することができる疾患、例えば、勃起機能不全又は腎臓結石に関連する腎臓及び尿管の疝痛。更に、本発明の化合物は、尿崩症、真性糖尿病、白血病、骨粗鬆症及び大脳の代謝抑制に関連する症状、たとえば大脳老化、老年性痴呆(アルツハイマー氏病)、パーキンソン氏病又は多発拘束性痴呆に関連する記憶障害の治療に有用であり、また中枢神経系の障害、たとえば、鬱病又は動脈硬化性痴呆の治療に有用である。
【0095】
更に本発明は前記の疾患の1つ以上に罹患するヒトを含む哺乳動物の治療のための方法に関する。本方法は、治療学的に有効な、かつ薬理学的に効果的かつ認容される量の本発明による1種以上の化合物を病気の哺乳動物に投与することを特徴とする。
【0096】
更に本発明は病気、特に前記の病気の治療及び/又は予防における使用のための本発明による化合物に関する。
【0097】
また本発明は、前記の病気の治療及び/又は予防のために使用される医薬品組成物の製造のための、本発明による化合物の使用に関する。
【0098】
更に本発明は、前記の病気の治療及び/又は予防のための、1種以上の本発明による化合物を含有する医薬品組成物に関する。
【0099】
更に、本発明は、包装材料及びその包装材料中に包含される医薬品からなる製品であって、該医薬品は4型の環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE4)の作用に拮抗するため、PDE4に媒介される疾患の症状の改善のために治療学的に有効であり、かつ該包装材料は、該医薬品がPDE4に媒介される疾患の予防又は治療のために有用である旨を示すラベル又は添付文書を含み、かつ前記の医薬品が本発明による式1の少なくとも1種の化合物を含有する製品に関する。包装材料、ラベル及び添付文書は、その他の点で、関連の利用性を有する医薬品のための標準的な包装材料、ラベル及び添付文書として一般に考慮されるものに対応又は類似している。
【0100】
該医薬品は、自体公知かつ当業者によく知られた方法によって製造される。医薬品組成物としては、本発明による化合物(=有効化合物)はそれ自体で、又は有利には適当な医薬品助剤及び/又は賦形剤と組み合わせて、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、カプレット剤、坐剤、パッチ剤(例えばTTS)、乳剤、懸濁剤、ゲル剤又は液剤の形で使用され、その際、有効化合物の含有率は有利には0.1〜95%であり、かつ助剤及び/又は賦形剤の適当な選択によって、有効化合物に厳密に適合された、及び/又は作用の所望の開始に厳密に適合された医薬品投与形(例えば遅延放出形又は腸溶形)を達成できる。
【0101】
当業者はその専門知識により所望の医薬品製剤に適した助剤又は賦形剤に精通している。溶剤、ゲル形成剤、軟膏基材及び他の有効化合物の他に、賦形剤、例えば酸化防止剤、分散剤、乳化剤、保存剤、溶解剤、着色剤、錯化剤又は侵透促進剤を使用してよい。
【0102】
本発明による医薬品組成物の投与は、この分野で利用できる一般的に許容される任意の様式で実施できる。好適な投与様式の実例は、例えば静脈内、経口、経鼻、非経口、局所、経皮及び直腸内の送達である。経口送達が有利である。
【0103】
呼吸管の疾患の治療のために、本発明による化合物を、有利には吸入によってエーロゾルの形で投与する;固体、液体又は混合組成のエーロゾル粒子は有利には0.5〜10μm、有利には2〜6μmの直径を有する。
【0104】
エーロゾルの発生は、例えば圧力駆動のジェット噴霧器又は超音波噴霧器、有利には噴射剤駆動の定量噴霧式エーロゾルによるか、又は吸入カプセルからの微粉化有効化合物の噴射剤不使用の投与によって実施できる。
【0105】
使用される吸入系に依存して、有効化合物の他に該投与形は付加的に所望の助剤、例えば噴射剤(例えば定量噴霧式エーロゾルの場合にFrigen)、界面活性剤、乳化剤、安定化剤、保存剤、フレーバー又は増量剤(例えば粉末吸入器の場合にラクトース)又は、適宜更なる有効化合物を含有する。
【0106】
吸入の目的のために、多くの装置を利用でき、それを用いて最適な粒度を有するエーロゾルを発生させ、かつ患者にできる限り正しい吸入技術を使用して投与できる。アダプタ(スペーサ、エキスパンダ)及び洋ナシ型容器(例えばNebulator(登録商標)、Volumatic(登録商標))並びに計量供給エーロゾルのための、特に粉末吸入器の場合に吹き付け噴霧(puffer spray)を放出する自動装置(Autohaler(登録商標))を使用する他に、種々の技術的解決策(例えばDiskhaler(登録商標)、Rotadisk(登録商標)、Turbohaler(登録商標)又はEP0505321号に記載される吸入器)が利用でき、それを用いて有効化合物の最適な投与を達成できる。
【0107】
皮膚病の治療のためには、本発明による化合物を、特に局所適用のために適当な医薬品組成物の形で適用する。該医薬品組成物の製造のために、本発明による化合物(=有効化合物)を有利には適当な製薬学的賦形剤と混合し、更に加工して適当な医薬品製剤を得る。適当な医薬品製剤は、例えば粉剤、乳剤、懸濁剤、スプレー剤、オイル剤、軟膏剤、脂肪軟膏剤、クリーム剤、ペースト剤、ゲル剤又は液剤である。
【0108】
本発明による医薬品組成物は自体公知の方法によって製造される。有効化合物の投与は、PDEインヒビターについて慣用のオーダーで行われる。従って皮膚病の治療のための局所適用形(例えば軟膏)は有効化合物を、例えば0.1〜99%の濃度で含有する。吸入による投与のための用量は慣用に1日あたり0.1〜3mgである。全身治療(経口又は静脈内)の場合の慣用の用量は1日あたり0.03〜3mg/kgである。
【0109】
生物学的調査
セカンドメッセンジャーのサイクリックAMP(cAMP)は炎症細胞及び免疫応答を担う細胞の阻害に関してよく知られている。PDE4補酵素は免疫疾患の開始及び伝播に関連する細胞において広範に発現され(H Tenor and C Schudt, in "Phosphodiestarase Inhibitors", 21-40, "The Handbook of Immunopharmacology", Academic Press, 1996)、かつその阻害は細胞内cAMP濃度の増大をもたらし、従って細胞活性の阻害をもたらす(JE Souness et al., Immunopharmacology 47: 127-162, 2000)。
【0110】
種々の動物モデルにおけるインビボでのPDE4インヒビターの抗炎症能力が記載されている(MM Teixeira, TiPS 18: 164-170, 1997)。細胞レベルでの(インビボ)PDE4阻害の調査のために、多くの種々の前炎症反応を測定できる。例は好中性(C Schudt et al., Arch Pharmacol 344: 682-690, 1991)又は好酸性(A Hatzelmann et al., Brit J Pharmacol 114: 821-831, 1995)の顆粒球のスーパーオキシド産生であり、これはルミノールで増強される化学発光として、又は単球、マクロファージ又は樹状細胞における腫瘍壊死因子αの合成として測定できる(Gantner et al., Brit J Pharmacol 121: 221-231, 1997, and Pulmonary Pharmacol Therap 12: 377-386.1999, 1999)。更にPDE4インヒビターの免疫調節能力はサイトカイン合成又は増殖のようなT細胞応答の阻害から明らかである(DM Essayan, Biochem Pharmacol 57: 965-973, 1999)。前記の前炎症メディエーターの分泌を阻害する物質はPDE4を阻害する物質である。従って本発明による化合物によるPDE4阻害は炎症プロセス抑制の主要な指標である。
【0111】
PDE4活性の阻害の測定方法
PDE4B2(GB番号M97515)はM.Conti教授(スタンフォード大学、米国)の寄贈である。元のプラスミド(pCMV5)からプライマーRb9(5′−GCCAGCGTGCAAATAATGAAGG−3′)及びRb10(5′−AGAGGGGGATTATGTATCCAC−3′)を用いるPCRを介して増幅させ、そしてpCR−Bacベクター(インビトロジェン、フローニンゲン、NL)中にクローニングした。
【0112】
組み換えバキュウロウイルスをSF9昆虫細胞で相同組み換えによって作成した。発現プラスミドを標準的プロトコール(ファーミンジェン、ハンブルク)を使用してBac−N−Blue(インビトロジェン、フローニンゲン、NL)又はBaculo−Gold DNA(ファーミンジェン、ハンブルク)と一緒に同時トランスフェクションさせた。野生型のウイルス不含の組み換えウイルス上清をプラークアッセイ法を用いて選択した。次いで、高力価のウイルス上清を3回増幅することによって製造した。PDE4B2を、血清不含のSF900培地(ライフテクノロジーズ、ペイズリー、UK)中で1〜10のMOI(感染多重度)で2×106細胞/mlで感染させることによってSF21細胞中に発現させた。該細胞を28℃で48〜72時間培養し、次いでこれらの細胞を1000g及び4℃で5〜10分間かけてペレット化した。
【0113】
SF21昆虫細胞を約107細胞/mlの濃度で氷冷(4℃)均質化バッファー(20mMのTris、pH8.2、以下のものを含有する:140mMのNaCl、3.8mMのKCl、1mMのEGTA、1mMのMgCl2、10mMのβ−メルカプトエタノール、2mMのベンズアミジン、0.4mMのPefablock、10μMのロイペプチン、10μMのペプスタチンA、5μMのトリプシンインヒビター)中で再懸濁させ、そして超音波により破砕させた。均質物を次いで1000×gで10分間遠心分離し、そして上清を引き続きの使用まで−80℃で貯蔵した(以下参照)。タンパク質含量をブラッドフォード法(BioRad、ミュンヘン)によってスタンダードとしてBSAを用いて測定した。
【0114】
PDE4B2の活性を、アマシャムバイオサイエンス社(手順説明書"phosphodiesterase [3H] cAMP SPA enzyme assay, code TRKQ 7090"を参照のこと)によって提供された改変されたSPA(シンチレーション近接アッセイ)試験において本発明による化合物によって、96ウェルのマイクロタイタープレート(MTP)中で実施して阻害する。試験容量は100μlであり、これは20mMのTrisバッファー(pH7.4)、0.1mgのBSA(ウシ血清アルブミン)/ml、5mMのMg2+、0.5μMのcAMP(約50000cpmの[3H]cAMPを含む)、1μMのそれぞれのDMSO中希釈物及び効率的な組み換えPDE(1000×g上清、上記参照)を含有し、10〜20%のcAMPが前記の試験条件下に変換されることを保証した。アッセイにおけるDMSOの最終濃度(1%v/v)は実質的に調査されるPDEの活性に影響を及ぼさない。37℃で5分間プレインキュベートした後に、基質(cAMP)を添加することによって反応を開始させ、そしてアッセイ物を更に15分間インキュベートし、次いでSPAビーズ(50μl)を添加することによって反応を停止させた。製造元の説明に従って、SPAビーズを事前に水中に再懸濁させるが、次いで水中で1:3(v/v)に希釈し、希釈された溶液も3mMのIBMXを含有し、それによりPDE活性の完全な停止を保証した。該ビーズが沈殿した後に(>30分)、MTPの分析を市販のルミネッセンス検出装置において行う。化合物のPDE4B2活性の阻害についての相応のIC50値を濃度−作用曲線から非線形回帰によって測定する。
【0115】
本発明による化合物について測定された阻害値は以下の第1表からわかり、そこでは化合物の番号は実施例の番号に相当する。
【0116】
第1表
PDE4活性の阻害[−logIC50(モル/l)として測定した]
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化1】

[式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化2】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、C1〜C4−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R5は、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R6は、C1〜C4−アルコキシ、C3〜C5−シクロアルコキシ、C3〜C5−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R7は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
R8は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、酸素原子もしくは硫黄原子によって中断されていてよい、スピロ結合した5員、6員又は7員の炭化水素環を形成し、
R9は、−C(O)R10、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R10は、C1〜C4−アルキル、−N(R11)R12、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R11は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R12は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R11及びR12は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R13は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ又はC1〜C4−アルキルカルボニルオキシであり、
R14は、C1〜C4−アルキル、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R16は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R15及びR16は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R17は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ又はC1〜C4−アルキルカルボニルオキシであり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R20は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R23は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環、チオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環、モルホリン−3,5−ジオン−4−イル環、ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環、4,4−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環又は1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン−3−イル環又はイソインドール−1,3−ジオン−2−イル環系を形成し、
nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜4の整数である]で示される化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項2】
式1で示され、その式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化3】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R5は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R6は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−C(O)−R10、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R10は、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R13は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R14は、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R16は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R17は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R20は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環又は4−チオモルホリニル環を形成し、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R23は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環、モルホリン−3,5−ジオン−4−イル環、ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環、4,4−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環又は1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン−3−イル環又はイソインドール−1,3−ジオン−2−イル環系を形成し、
nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜4の整数である、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項3】
式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化4】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R5は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−C(O)−R10であり、
R10は、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R13は、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシである、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項4】
式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化5】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R5は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−S(O)2−R14であり、
R14は、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R16は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R17は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシである、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項5】
式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化6】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R5は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−(CH2n−C(O)−R18であり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R20は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環又は4−チオモルホリニル環を形成し、
nは、1又は2である、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項6】
式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化7】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R5は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R6は、メトキシ、エトキシ又はジフルオロメトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−C(O)−(CH2m−R21であり、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R23は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−メチル−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環、モルホリン−3,5−ジオン−4−イル環、ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環、4,4−ジメチル−ピペリジン−2,6−ジオン−1−イル環又は1−メチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン−3−イル環又はイソインドール−1,3−ジオン−2−イル環系を形成し、
mは、1である、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項7】
式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化8】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R6は、メトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は水素であり、
R9は、−C(O)−R10であり、
R10は、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R13は、メトキシである、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項8】
式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化9】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R6は、メトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であり、
R9は、−S(O)2−R14であり、
R14は、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、メチルであり、
R16は、メチルであり、
R17は、シアノ、メチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシである、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項9】
式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化10】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R6は、メトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であり、
R9は、−(CH2n−C(O)−R18であり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素であり、
R20は、水素であるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、4−モルホリニル環を形成し、
nは、1又は2である、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項10】
式1で示され、その式中、
R1は、メチル又はエチルであり、
R2は、メチル又はエチルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化11】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R6は、メトキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であり、
R9は、−C(O)−(CH2m−R21であり、
R21は、−N(R22)R23であるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−メチル−ピペラジン−4−イル環、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環又はモルホリン−3,5−ジオン−4−イル環又はイソインドール−1,3−ジオン−2−イル環系であり、
mは、1である、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項11】
式1で示され、その式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化12】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、C1〜C4−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R5は、C1〜C8−アルコキシ、C3〜C7−シクロアルコキシ、C3〜C7−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R6は、C1〜C4−アルコキシ、C3〜C5−シクロアルコキシ、C3〜C5−シクロアルキルメトキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシであり、
R7は、C1〜C4−アルキルであり、かつ
R8は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、酸素原子もしくは硫黄原子によって中断されていてよい、スピロ結合した5員、6員又は7員の炭化水素環を形成し、
R9は、−C(O)R10、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R10は、C1〜C4−アルキル、−N(R11)R12、フェニル又は、R13により置換されたフェニルであり、
R11は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R12は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R11及びR12は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R13は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシカルボニル、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ又はC1〜C4−アルキルカルボニルオキシであり、
R14は、C1〜C4−アルキル、−N(R15)R16、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R15は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R16は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R15及びR16は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R17は、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシル、C1〜C4−アルキル、トリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノ、アミノカルボニル、モノ−もしくはジ−C1〜C4−アルキルアミノカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニル、C1〜C4−アルキルカルボニルアミノ又はC1〜C4−アルキルカルボニルオキシであり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R20は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環又はチオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環を形成し、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであり、
R23は、水素、C1〜C4−アルキル、C3〜C7−シクロアルキル又はC3〜C7−シクロアルキルメチルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環、チオモルホリン−1−オキシド−4−イル環、チオモルホリン−1,1−ジオキシド−4−イル環又はピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環を形成し、
nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜4の整数である、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項12】
式1で示され、その式中、
R1は、C1〜C4−アルキルであり、
R2は、C1〜C4−アルキルであり、
R3は、式(a)又は(b)
【化13】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R5は、C1〜C4−アルコキシであり、
R6は、C1〜C2−アルコキシ又は、完全にもしくは大部分がフッ素により置換されているC1〜C2−アルコキシであり、
R7は、メチルであり、かつ
R8は、水素であるか、又は
R7及びR8は、一緒になって、これらが結合される2個の炭素原子を含んで、スピロ結合したシクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環を形成し、
R9は、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R14は、フェニル又は、R17により置換されたフェニルであり、
R17は、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜C4−アルキル又はC1〜C4−アルコキシであり、
R18は、−N(R19)R20であり、
R19は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R20は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R19及びR20は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環又は4−チオモルホリニル環を形成し、
R21は、−N(R22)R23であり、
R22は、水素又はC1〜C4−アルキルであり、
R23は、水素又はC1〜C4−アルキルであるか、又は
R22及びR23は、一緒になって、これらが結合される窒素原子を含んで、1−ピロリジニル環、1−ピペリジニル環、1−ピペラジニル環、1−(C1〜C4−アルキル)−ピペラジン−4−イル環、1−ヘキサヒドロアゼピニル環、4−モルホリニル環、4−チオモルホリニル環又はピロリジン−2,5−ジオン−1−イル環を形成し、
nは、1〜4の整数であり、
mは、1〜4の整数である、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項13】
式1で示され、その式中、
R1は、メチルであり、
R2は、メチルであり、
R3は、式(a)
【化14】

で示されるフェニル誘導体を表し、その際、
R4は、メトキシ又はエトキシであり、
R5は、メトキシ又はエトキシであり、
R9は、−S(O)2−R14、−(CH2n−C(O)−R18又は−C(O)−(CH2m−R21であり、
R14は、2−シアノフェニルであり、
R18は、アミノ又は4−モルホリニルであり、
R21は、ピロリジン−2,5−ジオン−1−イルであり、
nは、1又は2であり、
mは、1である、請求項1記載の化合物並びにこれらの化合物の塩。
【請求項14】
疾病の治療に使用するための、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
請求項1記載の式1の1種以上の化合物と一緒に通常の医薬品助剤及び/又は賦形剤を含有する医薬品組成物。
【請求項16】
気道疾患の治療用の医薬品組成物の製造のための、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項17】
患者にPDE4インヒビターを投与することによって病気を治療するための方法であって、それを必要とする患者に、請求項1記載の化合物の治療学的有効量を投与することを含む方法。
【請求項18】
患者における気道疾患の治療方法であって、該患者に治療学的有効量の請求項1記載の化合物を投与すること含む方法。

【公表番号】特表2007−520528(P2007−520528A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551846(P2006−551846)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050415
【国際公開番号】WO2005/075456
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(390019574)アルタナ ファルマ アクチエンゲゼルシャフト (69)
【氏名又は名称原語表記】ALTANA Pharma AG
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2、 D−78467 Konstanz、 Germany
【Fターム(参考)】