説明

POSシステム

【課題】 セルフチェックアウトを行うことができる店舗において、セルフチェックアウトを行うためのPOS端末を監視するための人員を配置しなくても、客からのポイントを利用した決済に関する問い合わせに対して店側が回答する。
【解決手段】 POS端末は、店員を呼び出すための呼出しボタンが入力されると(ST101でYES)、撮像部で撮像した客の映像及びポイントを利用した決済に関する問い合わせを示す音声を、インターネットを介して接続されたサーバへ送信する(ST109)。そして、サーバから、送信された映像を表示するとともに音声を出力した後、問い合わせに対する回答を示す音声を受信する(ST112でYES)。POS端末はサーバから送信された回答を出力する(ST113)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用されるポイントに応じて販売する商品の合計金額から値引きを行う決済処理をセルフで行うことができるセルフチェックアウトサービスを提供することができるPOSシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
客が購入する商品に対してセルフで決済処理を行うセルフチェックアウトによって商品の決済処理を行うPOS端末を配置している店舗がある。このような店舗においては、客からPOS端末の操作に関する問い合わせがあることが想定されるため、POS端末の周辺に客にPOS端末の操作を説明するための人員が配置されている。また、商品購入時に予め与えられたポイントを利用して購入する商品の合計金額からポイントに応じた値引きサービスを受けることができる店があることも知られている。
【0003】
なお、コンビニエンスストア等においてセキュリティを確保するために、セルフチェックアウトを行う端末の近傍に、端末を利用する客による商品情報の読み取り及び決済処理操作を確認するための監視カメラを設置したシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−76261号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように客からの問い合わせに対応するために人員を配置するのでは、セルフチェックアウトサービスを提供していてもその人員に対する人件費が発生してしまい店舗を運営するコストの上昇につながってしまう。しかしながら、客からの問い合わせに対して回答するための人員を配置しないと客がPOS端末を操作できなくなる事態が生じる可能性がある。
【0005】
特許文献1に記載されたものでは客の操作を監視カメラにより監視することはできるが客からの問い合わせに回答することはできない。例えば、客が、ポイントカードが認識されない場合にどのようにしたら認識されるかを問い合わせたい場合があっても店側に問い合わせる方法がない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、セルフチェックアウトを行うことができる店舗において、セルフチェックアウトを行うためのPOS端末を監視するための人員を配置しなくても、客からのポイントを利用した決済に関する問い合わせに対して店側が回答することができるPOSシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、利用されるポイントに応じて販売する商品の合計金額から値引きを行う決済処理を客がセルフで行うことができるPOS端末と、このPOS端末を管理する例えばサーバである上位装置とが通信可能に接続されてなるPOSシステムにおいて、POS端末は、決済処理をセルフで行う客近傍を撮像する例えばカメラである撮像手段と、客により発せられた音声を認識する例えばマイクである第1の音声認識手段と、上位装置へポイントを利用した決済処理に関する問い合わせを行うために上位装置の操作者を呼び出すための呼出しボタンと、この呼出しボタンが入力されたか否かを判断する判断手段と、この判断手段により呼出しボタンが入力されたと判断されると撮像手段で撮像した映像を示す映像情報及び第1の音声認識手段で認識した客により発せられたポイントを利用した決済処理の問い合わせに関する内容を示す問い合わせ情報を上位装置へ送信する送信手段とを具備し、上位装置は、操作者により発せられた音声を認識する例えばマイクである第2の音声認識手段と、送信手段により送信された映像情報を表示する表示手段と、送信手段により送信された問い合わせ情報を出力する例えばスピーカである出力手段と、表示手段に表示された映像情報及び出力手段で出力された問い合わせ情報に基づいて第2の音声認識手段で認識された操作者により発せられた問い合わせに対する回答を第2の音声認識手段で認識するとその認識された音声を回答情報としてPOS端末へ送信する回答情報送信手段とを具備し、POS端末は、回答情報送信手段で送信された回答情報を出力するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、セルフチェックアウトを行うことができる店舗において、セルフチェックアウトを行うためのPOS端末を監視するための人員を配置しなくても、客からのポイントを利用した決済に関する問い合わせに対して回答することができるPOSシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のPOSシステムが適用されたネットワーク構成を示す図である。図1に示すように、上位装置であるサーバ1と、LAN2で接続されたPOS端末3及びPOS端末4とはインターネット5を介して接続されており、サーバ1とPOS端末3、POS端末4とは通信可能となっている。また、POS端末3,4は例えば商品の販売等を行う店舗内に配置され、サーバ1は複数の店舗を管理する本部等に配置される。
【0010】
図2は、サーバ1の要部構成を示すブロック図である。サーバ1は、制御部本体を構成するCPU11に、プログラム等を格納したROM12、各種の情報を記憶するRAM13、ネットワークコントローラ14、キーボードコントローラ15、ディスプレイコントローラ16、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)コントローラ17、撮像コントローラ18、音声認識コントローラ19、音声出力コントローラ20等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。
【0011】
そして、ネットワークコントローラ14にインターネット5を接続し、キーボードコントローラ15にキーボード21を接続し、ディスプレイコントローラ16に表示手段であるディスプレイ22を接続し、HDDコントローラ17にHDD23を接続し、撮像コントローラ18に撮像部(カメラ)24を接続し、音声認識コントローラ19に第2の音声認識手段である音声認識部(マイク)25を接続し、音声出力コントローラ20に出力手段である音声出力部(スピーカ)26を接続している。なお、撮像部24はその撮像範囲がサーバ1の操作者近傍を撮像するように設置されるとともに音声認識部25は操作者により発せられた音声を認識できるように設置されている。
【0012】
ネットワークコントローラ14は、インターネット5を通じて行なう通信を制御する。キーボードコントローラ15は、キーボード21から操作されたキー(例えば、後述する終了キー)に対応するキー信号を取り込みCPU11に知らせる。ディスプレイコントローラ16は、インターネット5を介して受信した映像情報や必要な情報をディスプレイ22に表示させる。HDDコントローラ17は、HDD23に情報を記憶し、また、必要に応じてHDD23に記憶した情報を読み出す。撮像コントローラ18は、撮像部24で撮像した映像情報を処理する。音声認識コントローラ19は、音声認識部25で認識した音声情報を処理する。音声出力コントローラ20は、音声情報に基づいて音声出力部26に音声出力させる。
【0013】
図3は、RAM13に記憶される情報の一例を示す図である。図3に示すテーブルは、POS端末3等から問い合わせがあったときにその問い合わせに対して回答する際に当該問い合わせのあったPOS端末に回答として表示させるガイダンスメッセージを記憶したテーブル13aである。例えば図3では、番号1に「ポイントカードの向きを確認して下さい…」というガイダンスメッセージが割り当てられている。サーバ1の操作者は、キーボード21を操作することにより当該ガイダンスメッセージをディスプレイ22に表示させ、所望のガイダンスメッセージを選択する。なお、このように操作者によりガイダンスメッセージが選択されると当該ガイダンスメッセージの番号を示すガイダンス情報がサーバ1から当該問い合わせのあったPOS端末へ送信される。
【0014】
図4は、POS端末3の外観を概略的に示す図である。なお、POS端末3とPOS端末4とは同様な構成をしているため、以下ではPOS端末3についてのみ説明する。
【0015】
POS端末3は、客が購入する商品等を一時的に載置するための台31と、商品の決済を行うために客が商品を登録するための画面表示を行うためのタッチパネル32と、客がPOS端末3の操作がわからないといき、例えばポイントを利用した決済処理に関する操作がわからないときに操作に関する問い合わせ行うとともに店側から当該操作を説明する際等に利用される画面表示を行うタッチパネル33と、タッチパネル32を操作する客近傍を撮像する撮像部(カメラ)34と、タッチパネル32,33及び撮像部34を支持する前記台31上に立設された略板形状である支持体35と、前記台31上でかつ支持体35近傍に設けられた客が金銭を投入するとともに釣銭を払い出す釣銭装置36と、この釣銭装置36の上側に載置されたレシートを発行するためのプリンタ37とを有している。また、前記支持体35には、客により発せられた音声を認識するための第1の音声認識手段である音声認識部(マイク)38、音声を出力する音声出力部(スピーカ)39、商品に付されたバーコード、ポイントカードに付されたIDを示すバーコード等からバーコードを読取るためのスキャナ40が設けられている。なお、この実施の形態では釣銭装置36は、金銭による決済を行うものとするがこれに限らず、クレジットカード等の他の決済処理でも決済が行われるようにしても勿論良い。
【0016】
図5は、POS端末3の要部構成を示すブロック図である。POS端末3は、制御部本体を構成するCPU41に、ポイントを利用した決済処理を行うためのプログラム等を格納したROM42、各種の情報を記憶するRAM43、現在の日時を計時する時計部44、I/Oポート45、ネットワークコントローラ46、タッチパネルコントローラ47、タッチパネルコントローラ48、プリンタコントローラ49、スキャナインタフェース(I/F)50、撮像コントローラ51、音声認識コントローラ52、音声出力コントローラ53等をバス接続してなる制御回路を内蔵している。
【0017】
そして、I/Oポート45に釣銭装置36を接続し、ネットワークコントローラ46にLAN2を接続し、タッチパネルコントローラ47にタッチパネル32のタッチパネルセンサ32aとディスプレイ部32bとを接続し、タッチパネルコントローラ48にタッチパネル33のタッチパネルセンサ33aとディスプレイ部33bとを接続し、プリンタコントローラ49にプリンタ37を接続し、スキャナインタフェース(I/F)50にバーコードを読取るスキャナ40を接続し、撮像コントローラ51に撮像部34を接続し、音声認識コントローラ52に音声認識部38を接続し、音声出力コントローラ53に音声出力部39を接続している。なお、撮像部34はその撮像範囲がPOS端末3の操作者(客)近傍を撮像するように設置されるとともに音声認識部38は操作者により発せられた音声を認識できるように設置されている。なお、RAM43には、各種情報とともに図3を参照して説明したガイダンスメッセージを表示するためのテーブル13aと同様なテーブル(図示しない。)が記憶されている。
【0018】
ネットワークコントローラ46は、LAN2を通じて行なう通信を制御する。タッチパネルコントローラ47は、CPU41からの指令によりディスプレイ部32bに販売商品等の登録に関する各種の画面を選択的に表示させるとともに、タッチパネルセンサ32aの信号を取り込みタッチ位置座標を求めてCPU41に知らせる。図6は、商品の登録を行う際のディスプレイ部32bの表示画面の一例を示す図である。客はスキャナ40に購入する商品のバーコードを読取らせたときに当該ディスプレイ部32bの表示内容により商品が登録されたことを確認する。客はこのタッチパネル32に表示される各種画面に基づいて、商品の決済処理をセルフで行うことができるようになっている。タッチパネルコントローラ48は、CPU41からの指令によりディスプレイ部33bに客からの問い合わせに関する各種の画面又はサーバ1から送信された映像等を選択的に表示させるとともに、タッチパネルセンサ33aの信号を取り込みタッチ位置座標を求めてCPU41に知らせる。図7は客からの問い合わせを待機しているときのディスプレイ部33bの表示画面の一例を示す図である。ディスプレイ部33bは、店員を呼び出したい、すなわち、例えばPOS端末3の操作に関する問い合わせをしたい場合には呼出しボタン33cを入力する旨のメッセージと、そのメッセージの下側に呼出しボタン33cを表示している。詳細は後述するがメッセージを表示する表示部分はサーバ1から送信される映像(その一部には当該客の映像が表示される)を表示する表示部としても用いられる。また、呼出しボタン33cを表示する表示部は、各種ガイダンスメッセージを表示する表示部としても用いられる。
【0019】
プリンタコントローラ49は、プリンタ37によるレシート印字及びジャーナル印字を制御する。スキャナインタフェース50は、スキャナ40にてスキャニングされたバーコード情報を入力する。撮像コントローラ51は、撮像部34で撮像した映像情報を処理する。音声認識コントローラ52は、音声認識部38で認識した音声情報を処理する。音声出力コントローラ53は、音声情報に基づいて音声出力部39に音声出力させる。
【0020】
次に、ポイントを利用した決済処理に関するPOS端末3の操作について客が店員(サーバ1の操作者)に問い合わせるときに、上記のように構成されたPOS端末3と、サーバ1とで実行される処理について説明する。
【0021】
先ず、POS端末3で実行される処理について図8を参照して説明する。図8は、ポイントを利用した決済処理のPOS端末3の操作に関する問い合わせが客から店員に行われるときにPOS端末3が実行する処理を示すフローチャートである。
【0022】
先ず、タッチパネル33のディスプレイ部33bに表示された呼出しボタン33cが入力されたか否かが判断される(ST101,判断手段)。呼出しボタン33cが入力されたと判断されなければ(ST101でNO)、待機状態を続行し、呼出しボタン33cが入力されたと判断されると(ST101でYES)、呼出しボタン33cが入力されたことを示す呼出しボタン入力情報がサーバ1へ送信される(ST102)。このように、呼出しボタン入力情報がサーバ1へ送信されると、ディスプレイ部33bに店員呼出し中画面が表示される(ST103)。図9は、この際にディスプレイ部33bに表示される表示画面の一例を示す図である。図9に示すように店員呼出し中においてはディスプレイ部32bには「店員呼出し中です。しばらくお待ち下さい。」というメッセージと、そのメッセージの下側に「店員呼出し中です…」というガイダンスメッセージが表示される。
【0023】
このように店員を呼出しているときにおいては、呼出しボタン入力情報に応答する確認情報をサーバ1から受信したか否かが判断される(ST104)。確認情報を受信したと判断されないと(ST104でNO)待機状態が続行され、確認情報を受信したと判断されると(ST104でYES)、サーバ1との通信が開始され、サーバ1の撮像部24で撮像された映像を示す店側映像情報が受信されるとともにPOS端末3の撮像部34で撮像した客側映像を示す客側映像がサーバ1へ送信される(ST105)。そして、サーバ1の撮像部24で撮像された映像を示す店側映像(店員の映像)がタッチパネル33のディスプレイ部33bに表示され(ST106)、当該ディスプレイ部33bに表示された店側映像の一部にPOS端末3の撮像部34で撮像した映像を示す客側映像(客を示す映像)が表示される(ST107)。図10は、この際にディスプレイ部33bに表示される表示画面の一例を示す図である。図10に示すように、ディスプレイ部33bには店側映像が表示され、その一部に客側映像が表示されている。また、ディスプレイ部33bには「店員に問い合わせ内容を話してください。」とガイダンスメッセージが表示されている。これにより、サーバ1の操作者が店員として、客の問い合わせに対して映像及び音声を利用して対応することが可能となる。
【0024】
続いて、音声認識部38で音声情報を認識したか否かが判断される(ST108)。音声情報を認識したと判断されると(ST108でYES)、認識した音声情報、すなわち、POS端末3のポイントを利用した決済処理に関するPOS端末3の操作についての問い合わせ内容を示す問い合わせ情報がサーバ1へ送信される(ST109)。なお、ステップST105とステップST109により送信手段が構成される。
【0025】
このように問い合わせ情報を送信すると、サーバ1からガイダンス情報を受信したか否かが判断される(ST110)。ガイダンス情報を受信したと判断されると(ST110でYES)、ガイダンス情報が示す番号と対応する番号のガイダンスメッセージがRAM43から読み出され、ディスプレイ部33bに表示される(ST111)。図11は、このときのディスプレイ部33bに表示される表示画面の一例を示す図である。図11に示すように、ディスプレイ部33bには、店側映像及び客側映像とともに、番号1に対応するガイダンスメッセージ「ポイントカードの向きを確認してください…」が表示されている。
【0026】
続いて、回答情報を受信したか否かが判断される(ST112)。なお、回答情報は客からの問い合わせに対してサーバ1の操作者が回答した音声を示す音声情報である。回答情報を受信したと判断されると(ST112でYES)、回答情報が音声出力部39より音声出力される(ST113)。例えば、「ポイントカードの向きを反対にして下さい。」などの音声が出力される。
【0027】
これにより、客はディスプレイ部33bに表示されたガイダンスメッセージと音声出力部39から出力された回答情報に基づいて、ポイントを利用した決済に関する問い合わせについて詳細な回答を得ることができる。なお、ガイダンスメッセージを表示(ST111)した後、回答情報を出力(ST113)することとしたが、順序を逆にしても良い。また、適切なガイダンスメッセージが当該テーブルに用意されていない場合もあるが、そのような場合には操作者はガイダンス情報を送信する操作を行わず、回答に関するガイダンスメッセージをPOS端末3のディスプレイ部33bに表示させないようにしても良い。
【0028】
そして、客はポイントカードをスキャナ40に読取らせ、ディスプレイ部32bに表示される表示内容に基づいてポイントを利用した決済処理を行うための操作を行う。この操作に基づいて、ポイントを利用した決済処理が行われる(ST114)。ポイントを利用した決済処理の処理内容については従来よりあるものと同様であるため説明を省略する。
【0029】
次に、決済処理の終了を確認するための音声情報である決済終了確認情報をサーバ1から受信したか否かが判断される(ST115)。決済終了確認情報を受信したと判断されると(ST115でYES)、決済終了確認情報が音声出力部39から出力される(ST116)。例えば、「ポイントを利用して決済できましたか?」等の店員の音声が出力される。
【0030】
続いて、音声出力部39から出力した決済終了確認情報の後、客から音声が発せられたか否かが、音声認識部38により判断される(ST117)。音声認識部38で音声情報を認識したと判断されると(ST117でYES)、認識した音声情報、すなわち、決済終了を示す決済終了情報がサーバ1へ送信される(ST118)。
【0031】
このように決済終了情報を送信した後、問い合わせの終了を示す終了情報を受信したか否かが判断される(ST119)。終了情報を受信したと判断されると(ST119でYES)、タッチパネル33のディスプレイ部33bに表示している客側映像が消去され(ST120)、ディスプレイ部33bに表示している店側映像が消去され(ST121)、サーバ1との通信が終了される(ST122)。このように通信が終了されると、図7を参照して説明した店員呼出し画面が再びディスプレイ部33bに表示される(ST123)。
【0032】
次に、サーバ1で実行される処理について図12を参照して説明する。図12は、ポイントを利用した決済処理のPOS端末3の操作に関する問い合わせが客から店員(サーバ1の操作者)に行われるときにサーバ1が実行する処理を示すフローチャートである。
【0033】
先ず、呼出しボタン入力情報を受信したか否かが判断される(ST201)。呼出しボタン入力情報を受信したと判断されると(ST201でYES)、呼出しボタン入力情報を出力する(ST202)。例えば、ディスプレイ22上に呼出しボタン33cが入力されたこと(すなわち、店員が呼びされたこと)を示すメッセージをポップアップ表示する。これにより、サーバ1の操作者(店員)は、POS端末3を操作する客から呼出しがあったことを視認することができる。
【0034】
続いて、確認ボタンが入力されたか否かが判断される(ST203)。確認ボタンは、例えばステップST202の呼出しボタン入力情報の出力に対応して表示されたポップアップ表示の中に表示され、その確認ボタンが入力されたか否かに基づいて上記判断は行われる。確認ボタンが入力されたと判断されると(ST203でYES)、確認ボタン入力されたことを示す確認ボタン入力情報が呼出しボタン入力情報を送信したPOS端末3に対して送信される(ST204)。
【0035】
そして、呼出しボタン入力情報を送信したPOS端末3との通信が開始され、POS端末3の撮像部34で撮像され客側映像を示す客側映像情報が受信されるとともにサーバ1の撮像部24で撮像された映像を示す店側映像情報がPOS端末3へ送信される(ST205)。そして、ディスプレイ22にPOS端末3の撮像部34で撮像した映像を示す客側映像(客を示す映像)が表示され(ST206)、サーバ1の撮像部24で撮像された映像を示す店側映像(店員の映像)が客側映像の一部に表示される(ST207)。なお、このときのディスプレイ22の表示画面については図示を省略する。
【0036】
このように客側映像、店側映像の表示がディスプレイ22にされると、問い合わせ情報を受信したか否かが判断される(ST208)。問い合わせ情報は、上述したステップST109でPOS端末3から送信される客からの問い合わせ内容を示す音声情報である。問い合わせ情報を受信したと判断されると(ST208でYES)、受信した問い合わせ情報が音声出力部26により音声出力される(ST209)。
【0037】
続いて、ガイダンスメッセージの選択がされたか否かが判断される(ST210)。ガイダンスメッセージは、上述したように問い合わせに対する回答をPOS端末3のタッチパネル33のディスプレイ部33bにガイダンスメッセージとして表示させるものである。このガイダンスメッセージは、例えば、キーボード21の操作により、RAM13に記憶しているテーブル13aからガイダンスメッセージを読出して、ディスプレイ22に表示させた後、表示されているガイダンスメッセージからガイダンスメッセージが選択されることにより行われる。ガイダンスメッセージの選択がされたと判断されると(ST210でYES)、その選択されたガイダンスメッセージと対応する番号を示すガイダンス情報がPOS端末3に送信される(ST211)。
【0038】
続いて、店員から音声が発せられたか否かが、音声認識部25により判断される(ST212)。音声認識部25で音声情報を認識したと判断されると(ST212でYES)、認識した音声情報、すなわち、音声出力部26により出力された問い合わせに対する店員の回答を示す音声情報である回答情報がPOS端末3へ送信される(ST213,回答情報送信手段)。
【0039】
なお、ガイダンス情報を送信(ST211)した後、回答情報を出力(ST213)することとしたが、順序を逆にしても良い。また、適切なガイダンスメッセージがテーブル13aに記憶されていない場合もある。そのような場合には店員は、ガイダンス情報を送信する操作をせずに、回答に関するガイダンスメッセージをPOS端末3のディスプレイ部33bに表示させないようにしても良い。
【0040】
このように回答情報を送信した後、さらに、店員から音声が発せられたか否かが、音声認識部25により判断される(ST214)。このとき店員から発せられる音声は、POS端末3を操作する客に対してポイントを利用した決済が終了したことを確認するための音声である。音声認識部25で音声認識したと判断されると(ST214でYES)、客に決済終了を確認するための音声情報である決済終了確認情報がPOS端末3に送信される(ST215)。
【0041】
そして、決済終了したことを客が店員に伝えるための音声情報である決済終了情報を受信したか否かが判断される(ST216)。決済終了情報を受信したと判断されると(ST216でYES)、決済終了情報が音声出力部26により出力される(ST217)。例えば、「決済は終了しました。」と出力される。これにより、店員に客のポイントを利用した決済処理が終了したことが伝えられる。
【0042】
このように決済終了情報が出力された後、終了情報が入力されたか否かが判断される(ST218)。この判断は、例えば、キーボード21に割り当てられた通信を終了させるための終了キーが入力されたか否かにより判断される。終了キーが入力されたと判断されると(ST218でYES)、通信の終了を示す終了情報がPOS端末3に送信される(ST219)。このように終了情報が送信されると、ディスプレイ22に表示している店側映像が消去され(ST220)、客側映像が消去され(ST221)、通信が終了される(ST122)。
【0043】
次に、このように構成されたPOSシステムにおける作用について説明する。
客は商品を購入する際、購入する商品の決済処理をセルフにより行う必要がある。客がポイント利用した値引きサービスを受けて決済を行うためにポイントカードをスキャナ40にかざしてもPOS端末3によりポイントカードが認識されない場合がある。このようなとき客は、タッチパネル33のディスプレイ部33bに表示されている表示画面(図7を参照して説明した画面)の店員呼出しボタン33cを入力する。このように呼出しボタン33cが入力されると、POS端末3は呼出し入力情報をサーバ1に送信した後、ディスプレイ部33bの表示を、図9を参照して説明した、店員呼出し中の表示画面に切り替える。
【0044】
一方、サーバ1は、呼出しボタン入力情報を受信すると、呼出しボタン33cが入力されたことをディスプレイ22にポップアップ表示する。サーバ1の操作者(店員)は、当該表示により客から問い合わせがあったことを視認した後、ポップアップ表示の中の確認ボタンを入力する。これにより、サーバ1から確認情報がPOS端末3に送信された後、サーバ1とPOS端末3とで通信が開始され、互いの撮像部24,34で撮像した映像が送受信され、音声の通信も可能となる。すなわち、POS端末3のタッチパネル33のディスプレイ部33bに店側映像(その一部に客側映像)、サーバ1のディスプレイ22に客側映像(その一部に店側映像)が表示され、客及びサーバ1の操作者(店員)から発せられた音声が相手側に伝わるようになる。また、POS端末3のディスプレイ部33bには、図10を参照して説明したように、ガイダンスメッセージ「店員に問い合わせ内容を話して下さい。」が表示される。
【0045】
客は、当該ガイダンスメッセージにしたがって、ポイントカードが認識されないことを、店員(サーバ1の操作者)に問い合わせる。店員は、キーボード21の所定のキー操作を行い、ガイダンスメッセージ「ポイントカードの向きを確認してください。」を選択した後、「ポイントカードの向きを確認してください。」と客に伝える。なお、問い合わせの内容が不明である場合には、客がどのようにポイントカードをスキャナ40に読取らせていたかをディスプレイ22に表示された映像により確認する等の映像及び音声のやり取りを行うようにしても良い。また、必要がある場合には、店員は実際にどのようにポイントカードをスキャナ40に認識させるかを撮像部24の撮像範囲で実演しても良い。撮像部24で撮像された映像は、POS端末3のディスプレイ部33bに表示されるので、ポイントカードをスキャナ40にどのように認識させるかを客は視覚的に理解することができるようになる。
【0046】
客は、タッチパネル33のディスプレイ部33bに表示されたガイダンスメッセージ及び音声出力部39により出力される店員の音声(さらに必要がある場合には、ディスプレイ部33bの映像)の指示に従って、ポイントカードをスキャナ40に認識させた後、ポイントを利用した決済処理を終了させる。
【0047】
店員はディスプレイ22に表示された客側映像を見ながら、客がポイントを利用した決済が終了した時期を見計らって、決済が終了したか否かを音声により確認する。そして、店員は客から決済が終了したことを伝えられると、店員はキーボード21の終了キーを入力し、通信を終了する。これにより、POS端末3のタッチパネル33のディスプレイ部33bには図7を参照して説明した店員呼出し画面が再び表示される。
【0048】
この実施の形態のPOSシステムによると、セルフチェックアウトを行うことができる店舗において、セルフチェックアウトを行うためのPOS端末3,4を監視するための人員を配置する必要がなく、客からのポイントを利用した決済処理に関する問い合わせに対して店員(サーバ1の操作者)が回答することができる。また、この際、店員はPOS端末3の撮像部34で撮像された映像を用いて客の問い合わせ内容を視覚的に確認することができる。さらに、サーバ1の撮像部24で撮像した映像を用いて客に視覚的に操作を説明することができる。
【0049】
上記実施の形態は、POS端末3からの客の問い合わせに対してインターネット5を介して通信可能に接続されたサーバ1の操作者が店員として回答する場合で説明しているが、これに限るものではなく、POS端末3の上位装置は、店舗内に設けられたストアコンピュータとし、ストアコンピュータの操作者(例えば、店主)が店員として回答するようにしてもよい。
【0050】
また、POS端末3とサーバ1にそれぞれ撮像部34,24を設け、POS端末3の撮像部34の撮像した映像及びサーバ1の撮像部24で撮像した映像を、POS端末3のタッチパネル33のディスプレイ部33b、サーバ1のディスプレイ22に表示する場合で説明しているが、これに限るものではない。例えば、POS端末3にのみ撮像部34を設け、その撮像部34で撮像された映像をサーバ1のディスプレイ22に表示するようにしても良い。
【0051】
さらに、ポイントカードをスキャナ40で認識されないことを内容とする問い合わせについて説明しているが、これに限るものでない。例えば、ポイントを利用せずに決済をしてしまった後に、やはり、ポイントを利用して値引きサービスを受ける決済にやり直したい場合にも適用できる。この場合は、店員は客にPOS端末3の撮像部34にレシートを写してもらうことにより、決済処理の内容を確認することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態で説明したようにPOS端末3に設けられた撮像部34で撮像された映像をサーバ1のディスプレイ22に表示することにより、例えば、閉店後の店舗内の映像を監視のためにサーバ1のディスプレイ22に表示させることも可能となる。この際、POS端末3のタッチパネル33のディスプレイ部33bには、撮像部34により店舗内を監視していることを示す表示を行う。図13は、閉店後におけるPOS端末3のタッチパネル33のディスプレイ部33bの表示画面の一例を示す図である。図13に示すように、ディスプレイ部33bには、監視中であることを示す映像及びメッセージが表示されている。これにより、POS端末3の撮像部34を閉店後における店舗内の監視カメラとして利用することができる。また、撮像部34の撮像方向を変更させるための駆動部を設け、サーバ1からの操作に基づいて撮像部34の撮像方向を変更可能とすることにより、店舗内全体の映像をサーバ1のディスプレイ22に表示させることが可能となり、店舗内をより監視できるようになる。
【0053】
さらに、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態におけるネットワーク構成を概略的に示す図。
【図2】同実施の形態における上位装置の要部構成示すブロック図。
【図3】同実施の形態におけるガイダンスメッセージを記憶したテーブルを示す図。
【図4】同実施の形態におけるPOS端末の外観を概略的に示す図。
【図5】同実施の形態におけるPOS端末の要部構成を示すブロック図。
【図6】同実施の形態におけるPOS端末の商品登録画面の一例を示す図。
【図7】同実施の形態におけるPOS端末の店員呼出し画面の一例を示す図。
【図8】同実施の形態におけるPOS端末で実行される処理を示すフローチャート。
【図9】同実施の形態におけるPOS端末の店員呼出中の表示画面の一例を示す図。
【図10】同実施の形態におけるPOS端末の店員を呼び出したときの表示画面の一例を示す図。
【図11】同実施の形態におけるPOS端末の回答に関するガイダンスを表示したときの表示画面の一例を示す図。
【図12】同実施の形態における上位装置で実行される処理を示すフローチャート。
【図13】同実施の形態におけるPOS端末の閉店後におけるタッチパネルの表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0055】
1…サーバ、2…LAN、3,4…POS端末、5…インターネット、11,41…CPU、12,42…ROM、13,43…RAM、13a…テーブル、24,34…撮像部、25,38…音声認識部、26,39…音声出力部、40…スキャナ、32,33…タッチパネル、32b,33b…ディスプレイ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用されるポイントに応じて販売する商品の合計金額から値引きを行う決済処理を客がセルフで行うことができるPOS端末と、このPOS端末を管理する上位装置とが通信可能に接続されてなるPOSシステムにおいて、
前記POS端末は、前記決済処理をセルフで行う客近傍を撮像する撮像手段と、前記客により発せられた音声を認識する第1の音声認識手段と、前記上位装置へ前記ポイントを利用した決済処理に関する問い合わせを行うために前記上位装置の操作者を呼び出すための呼出しボタンと、この呼出しボタンが入力されたか否かを判断する判断手段と、この判断手段により前記呼出しボタンが入力されたと判断されると前記撮像手段で撮像した映像を示す映像情報及び前記第1の音声認識手段で認識した前記客により発せられた前記ポイントを利用した決済処理の問い合わせに関する内容を示す問い合わせ情報を前記上位装置へ送信する送信手段とを具備し、
前記上位装置は、操作者により発せられた音声を認識する第2の音声認識手段と、前記送信手段により送信された前記映像情報を表示する表示手段と、前記送信手段により送信された前記問い合わせ情報を出力する出力手段と、前記表示手段に表示された前記映像情報及び前記出力手段で出力された問い合わせ情報に基づいて前記第2の音声認識手段で認識された前記操作者により発せられた前記問い合わせに対する回答を前記第2の音声認識手段で認識するとその認識された音声を回答情報として前記POS端末へ送信する回答情報送信手段とを具備し、
前記POS端末は、前記回答情報送信手段で送信された回答情報を出力することを特徴とするPOSシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−193437(P2007−193437A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8956(P2006−8956)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】