説明

RF信号の処理方法

RF信号(5)を受信し、その信号をアナログ処理し、RFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の追加識別コードを含むデジタル出力をデジタル信号プロセッサに提供することを含むRF信号の受信及び処理方法である。デジタル信号プロセッサでは、識別コードが所定の識別コード又はコードセットと比較されて、適合するか否かが判断される。適合(10)する場合には、デジタル出力が処理されてユーザにデータが提供され、適合しない場合には、エラー機能が実行される。この方法は、ハードウェアとソフトウェアとが適合する場合にのみ、ソフトウェアディベロッパがシステムを機能させられるようにする。コピーされたソフトウェア(15)は不正なハードウェアバッチでは動作しないので、ハードウェアをコピーすることと同じくらいソフトウェアをコピーすることが難しくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RF信号、例えば、GPS信号の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
文献「Real-time software radio architectures for GPS recievers」 by Akos et al. (GPS World、2001年7月)は、アナログハードウェアコンポーネント又はディスクリートハードウェアコンポーネントとは対照的に、プログラマブルマイクロプロセッサ又はデジタル信号プロセッサを用いてGPS信号処理が遂行されるGPSソフトウェアレシーバを開示する。簡易な「GPSソフトウェアレシーバ」は、GPS信号前処理(フィルタリング、増幅、及び周波数ダウンコンバージョンを含む)並びにアナログ・デジタル変換用の、GPSアンテナ及びGPS RFフロントエンドレシーバで構成されて提供される。
【0003】
GPS RFフロントエンドレシーバから出力されたGPS信号サンプルは、位置決定のために、適切なGPS信号処理ソフトウェアを起動する最新のPCに入力できる。この文献の著者は、プラグインモジュール、すなわち、「ドングル」(dongle)型装置の形式のGPSソフトウェアレシーバを意図しており、GPSソフトウェアレシーバの簡易なアーキテクチャは安く製造できるので、広範囲の採用を促進できる。
【0004】
もちろん、PCに備えられるであろうGPS信号処理ソフトウェアは、本質的には複製が安価である。
【0005】
はじめに、GPS信号サンプルを暗号化し、次に、暗号化されたGPS信号サンプルを外部装置に送信するように、GPSレシーバのプロセッサを構成することが提案されてきた。このことは、上記プラグイン型の従来のGPSレシーバ装置の欠点に対処することを目的とする。一度、そのようなGPSレシーバ装置が広く普及し、且つ、GPSレシーバ装置がGPS信号サンプルを供給するデータフォーマットが知られると、ユーザは、代替のGPS信号処理ソフトウェア、または必須ではないがGPSレシーバ装置のプロバイダによって公認された代替のGPS信号処理ソフトウェアを自由に使用して、位置を決定する。暗号化は、そのようなGPSレシーバ装置が、位置を決定するためにGPS信号サンプルを復号化できる公認GPS信号処理ソフトウェアのみを利用できることを保証する。
【0006】
このアプローチは、WO2004/059337号に開示されており、それは、特定のソフトウェアが特定のレシーバに利用されなければならないことを意味する。
【0007】
しかしながら、ソフトウェアの「著作権侵害」は、総じて、よく知られたソフトウェア産業の問題であり、GPSソフトウェアの開発及び提供の実用化(commercial viability)を損なうソフトウェア著作権侵害を防ぐ必要性が依然として存在する。
【0008】
特に、ソフトウェアGPSレシーバを販売又はライセンス許諾することを望む会社が直面する問題は、サードパーティが適切な費用を支払うことなくソフトウェアのコピーを作れることである。このことは、完全な非公認団体による単純盗用又はより巧妙な「第3シフト問題」になり得るし、それによって、ソフトウェアの公認ライセンシーは、権利を与えられたソフトウェアのコピー数よりも多くのコピーを流通させるので、わずかな支払いのみとなる。
【0009】
このことは、従来のハードウェアGPSベンダが一般に直面する問題ではない。物理的なチップ(又は複数の物理的なチップ)をコピーすることは本質的により困難であるためである。従って、本発明は、上記のいわゆるソフトウェアGPSシステムに顕著な利益をもたらす。
【0010】
本発明は、ソフトウェアGPS製品の非公認コピーを防ぐ機構を提供することを目的とするので、オーナ/ディベロッパのビジネス上の利益を保護できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、携帯レシーバを持つユーザにデータを提供するRF信号の受信及び処理方法であって、
携帯レシーバのRFフロントエンドレシーバは、
RF信号を受信し、
信号をアナログ処理し、
RFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の追加識別コードを含むデジタル出力を提供し、
デジタル出力をデジタル信号プロセッサに提供し、
デジタル信号プロセッサは、識別コードと所定の識別コード又はコードセットとを比較して適合するか否かを判断し、適合する場合には、さらにデジタル出力を処理してユーザにデータを提供し、適合しない場合には、エラー機能を実行する方法が提供される。
【0012】
この方法は、ハードウェアとソフトウェアとが適合する場合にのみ、ソフトウェアディベロッパがシステムを機能させることができる。このことは、ハードウェアをコピーすることと同じくらいソフトウェアをコピーすることを困難なものにする。コピーされたソフトウェアは不正なハードウェアで動作しないためである。
【0013】
信号のアナログ処理は、中間周波数にダウンコンバートすることを含んでも良い。信号は、デジタル信号に変換され、且つ、固有の識別子が追加される。
【0014】
識別コードを追加する工程は、RFフロントエンドレシーバの半導体ICのウェハ位置から得られるコードを追加することを含んでも良い。各ICは、固有のコード(例えばウェハ/バッチ番号及びウェハ位置に基づくもの)を持っても良い。従って、理論的には、ハードウェアがソフトウェアに1対1に適合させることができる。
【0015】
しかしながら、ソフトウェアがRFフロントエンドレシーバICの特定の変更品でのみ動作し、且つ、他の変更品ではエラーメッセージが現れるようにすればよい。販売されたソフトウェアライセンスの数と製造及び販売された変更品の数とを比較することは容易である。
【0016】
エラー機能を実行することは、エラーメッセージ、限定された機能での動作、又はデジタル出力の処理停止を含んでも良い。
【0017】
RF信号は、好ましくは、衛星ナビゲーションシステム(GPSのようなもの)から受信されたスペクトラム拡散信号を含み、さらに、デジタル出力を処理する工程では、ナビゲーション情報を提供する。
【0018】
本発明は、また、RFフロントエンドレシーバの製造方法であって、
RFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の埋め込み識別コードを有するRFフロントエンドレシーバを組み立て、RFフロントエンドレシーバは、デジタル出力の一部として識別コードをデジタル信号プロセッサに提供するように構成され、埋め込み識別コードは、デジタル出力を処理するデジタル信号プロセッサで実行されるべきソフトウェアのソフトウェアプロバイダが同意したものである方法も提供する。
【0019】
RFフロントエンドレシーバのハードウェアの識別コードをソフトウェアプロバイダに照合することによって、ハードウェアの販売とともにソフトウェアライセンスの販売を追跡できるようになる。
【0020】
従って、RFフロントエンドレシーバの製造及び監視方法は、この方法を利用してRFフロントエンドレシーバを製造し、RFフロントエンドレシーバを販売し、RFフロントエンドレシーバの購入者の正体をソフトウェアプロバイダに通知することを含む。
【0021】
本発明は、また、ユーザにデータを提供するRF信号に対応するデジタルサンプリング信号を含み、且つ、RFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の識別コードが追加されるデジタル信号を解析するように構成されるコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムであって、解析は、識別コードと所定の識別コード又はコードセットとを比較して適合するか否かを判断し、適合する場合には、さらにデジタル出力を処理してユーザにデータを提供し、適合しない場合には、エラー機能を実行するコンピュータプログラムも提供する。
【0022】
本発明は、また、
RF信号を受信するアンテナと、
RFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の識別コードを追加し、且つ、デジタル出力を提供するように構成されるRFフロントエンドレシーバと、
デジタル出力を受信するデジタル信号プロセッサと、
デジタル信号プロセッサ内で実行され、且つ、識別コードと所定の識別コード又はコードセットとを比較して適合するか否かを判断し、適合する場合には、さらにデジタル出力を処理してユーザにデータを提供し、適合しない場合には、エラー機能を実行するように構成されるソフトウェアと、
を備えるRF信号レシーバも提供する。
【0023】
以下、本発明は、添付の概略図を参照して、例示のみの方法によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来のGPSレシーバの構造を概略的に示す図。
【図2】RFフロントエンドレシーバをより詳細に示す図。
【図3】本発明の方法を説明するために利用される図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、一般的には、RF信号レシーバに関するが、特に、いわゆる「ソフトウェアGPS」、すなわち、メモリバッファに格納された受信データとともに、全てのデータ処理がソフトウェアで実行されるGPSシステムに関する。このことは、レシーバのリアルタイムリンクを遮断でき、且つ、必要とされる専用ハードウェア(例えば、相間器など)の数を減らす。
【0026】
ソフトウェアGPSレシーバ30の基本構造は、図1に示される。
【0027】
レシーバは、アンテナ34を利用して無線信号を受信するレシーバフロントエンド32を備える。レシーバフロントエンド32は、1又は複数の衛星から変調されたRF信号を受信する。
【0028】
受信信号は、受信信号から得られるベースバンド信号33を生成するために、レシーバフロントエンド32によって、増幅され、フィルタリングされ、ダウンコンバートされ、且つ、デジタルサンプル形式でデジタル化される。
【0029】
デジタルサンプルは、メモリバッファ36に供給され、且つ、メモリ36に格納されたデータは、汎用CPU、すなわち、デジタル信号プロセッサ(DSP)38によって処理される。ユーザインタフェースは、入力/出力システム40によって提供される。デジタルサンプルは、衛星信号から情報及びデータを抽出するために処理される。データサンプルは、典型的には、1又は2ビットのデータ形式であり、且つ、衛星から受信された信号のデータレートよりずっと高いアナログ・デジタルサンプリングレートである。
【0030】
DSP38は、相間、多重化、及びフーリエ変換というより多くの従来の専用ハードウェアシステムの機能を公知の方法で実行する。
【0031】
図2は、RFフロントエンドレシーバ32をより詳細に示す。
【0032】
アンテナから受信された信号は、低雑音増幅器(LNA)52による増幅の前に、弾性表面波(SAW)フィルタ50によってフィルタリングされる。信号は、ミキサ54で電圧制御発振器(VCO)56の出力とミキシングされる。このミキサ54は、信号をベースバンドにダウンコンバートし、ダウンコンバートされた信号は、フィルタ60により追加のフィルタリングが行われ、増幅器62の自動利得制御(AGC)により増幅が行われる。アナログ・デジタル変換は、AGC設定用のフィードバック制御も提供するコンバータ63で行われる。RFフロントエンドレシーバは、また、図示のように、発振器64と、クロック信号CLKを生成するようにクロックドライバ68を制御する周波数合成器66と、を備える。
【0033】
本発明は、特に、図1の矢印33によって示されるRFフロントエンドレシーバとDSPとの間のリンク及びDSP38で実行される処理に関する。
【0034】
本発明は、このインタフェースでRFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の識別コードを提供し、且つ、このコードは、DSPのソフトウェアにおいて有効にすることができる。従って、ソフトウェアを特定のハードウェアに付帯させることができる。コピーされたソフトウェアが異なるRFフロントエンドレシーバのハードウェアに適合しない(又はしそうにない)ので、このことは、ソフトウェアのコピーが容易であっても、機能システムを実行できないようにすることを意味する。適合する場合であっても(ソフトウェアが、一群のRFフロントエンドレシーバのチップのバッチに反応するのみであるので)、その後、ハードウェア販売とソフトウェア販売との間の不適合を検出することができる。
【0035】
図2は、データ結合器67にてアナログ・デジタルコンバータ63の出力データに付加されるUIDを示しており、データ結合器67には、ユニット69からUIDが供給される。
【0036】
第1態様では、本発明は、ソフトウェアGPSレシーバで利用されるRFフロントエンドチップの製造者が、ソフトウェアGPSコードのディベロッパと協力することを想定する。
【0037】
特に、本発明のこの態様は、特にソフトウェアGPSディベロッパ用のRFフロントエンドの特別注文の変更品を生成するためのフロントエンドチップ製品を必要とする。このことは、製造者がソフトウェアディベロッパに対して必ずしもその変更品を供給することを意味していないが、ソフトウェアディベロッパに対してその変更品のすべての発注の発注規模及び購入者を提供する。
【0038】
全てのRFフロントエンドチップは、(チップのいかなる変更品の)他のフロントエンドも同じUIDを含まないように、固有の識別子(「UID」)を含む。その後、RFフロントエンドは、通常動作中に公知の方法でチップによって出力された中間周波数(「IF」)データストリームにUIDを埋め込むように、設計される。
【0039】
従って、ソフトウェアディベロッパは、動作中にIFデータストリームからUIDを抽出し、UIDが有効であることをチェックし、且つUIDが有効でない場合に動作を拒否するように、ソフトウェアGPSコードを記述できる。これにより、ソフトウェアディベロッパが、いかなる追加チップ販売のRFフロントエンドベンダにより教示される可能性があっても、非公認のコピーの収益性を悪くする。
【0040】
本発明の最も単純な形式は、特定の製造者(「The Manufacturer」)によって製造される特定のRFフロントエンドモデル番号「RF Model N」を起動するためのソフトウェアを設計するソフトウェアGPSディベロッパ(「The Software Developer」)を備える。
【0041】
RF Model Nの設計は、例えば、製造ライン上のレーザによって「焼き付けられた」64ビットUIDを含む。
【0042】
このUIDは、
− ウェハ上のチップ位置
− ウェハ番号
− 変更番号(例えば、8ビット)
を含む複数のフィールドで構成されても良い。
【0043】
従って、UIDは固有であり、且つ、2つのチップが同じ番号を含むことはない。
【0044】
第1変更品は、全てのチップに対して変更番号を0に設定しても良い。その後、The Software Developerは、RF Model Nの変更、つまり「RF Model N version 2」を製造するために、The Manufacturerに同意しても良く、8ビット変更のフィールドが常に1である場合を除いて、Model Nに対して全ての変更が識別される。その後、The Manufacturerは、変更フィールドも1であるその他の変更を作らないことに同意しても良い。
【0045】
RFフロントエンドレシーバは、動作中に出力するIFデータストリームにUIDを周期的に埋め込むように、設計される。
【0046】
The Manufacturerは、また、発注規模及び購入者の正体を含む「RF Model N version 2」用の全ての発注の詳細をThe Software Developerに提供することにも同意する。
【0047】
その後、The Software Developerは、ソフトウェアGPS製品を開発し、サードパーティディベロッパにライセンスを与える。その後、The Software Developerは、サードパーティディベロッパに、設計において「RF Model N version 2」を利用する必要があり、起動時に、ソフトウェアがIFデータストリームからUIDを抽出する方法で記述されることを伝える。
【0048】
UIDが適切な値(この場合は1)を有する変更フィールドを含んでいない場合には、ソフトウェアは正常に動作しない。
【0049】
この例では、一度、変更番号がDSPによって分析される必要がある。もちろん、特定の変更番号はUIDコードセットと同一視することを考慮しても良い。
【0050】
この実装は、チップモデル番号又は変更品にマッピングされたソフトウェアを提供し、且つ、何千ものチップを含んでも良い。同様に、微妙な制御を行っても良い。例えば、ソフトウェアは、何千ものチップのバッチに対して1つのUIDから任意の数のUIDに適合するもの(すなわち、1つの特注ソフトウェアが単一のハードウェアに適合するもの)を探しても良い。
【0051】
IFデータストリームにUIDを埋め込む方法は、別の方法では出力されていたであろうIFデータサンプルを上書きするか、又は、隣接するIFサンプルの間にコードを実際に挿入することによって、例えば、1024ビット毎に全てのコード(例えば、64ビット)を挿入するように単純なものであっても良い。しかし、UIDはまた、一回につき1ビットの制限つきで、例えば32ビットの間隔で、IFデータストリーム内で拡散して挿入される可能性がある。
【0052】
その方法論は、図3に示される。
【0053】
The Manufacturerは、The Software Developerと同意した埋め込みUIDを有するチップの製造工程を実行する。並行して、同意した複数のUIDのバッチを有する特定の変更品用にGPSコードを開発する(ステップ72)。ハードウェアの販売後に、The Manufacturerは、The Software Developerに変更品の販売について通知し(ステップ74)、The Software Developerは、チップ販売に適合すべきGPSコードの販売又はライセンスを監視する(ステップ76)。
【0054】
上記のとおり、The Manufacturerは、「RF Model N version 2」を発注する顧客毎に供給される正確な複数のUIDの詳細な情報をThe Software Developerに提供できるので、The Software Developerが特定の顧客又は複数の顧客によって購入される複数のUIDに明確にリンクされたソフトウェアの変更版を作れるようになる。
【0055】
無効なUIDがソフトウェアによって検出された場合又はUIDがソフトウェアによって検出されなかった場合には、多数の可能性が利用可能である。
−単純に停止すること
−エラーメッセージをユーザに通知すること
−(ユーザに対してメッセージを通知して又は通知せずに)性能を下げて動作すること
【0056】
UIDは、幾つかの巡回冗長検査形式を含んでも良いし、又は、実際に偽物を作ることをより困難にする暗号化を含んでも良い。
【0057】
UIDを埋め込む方法は、ソフトウェアにより(適切な制御信号をフロントエンドに送信することによって)制御されても良い。これは、期間、一回当りのビット数を変更しても良いし、完全に停止させても良いし、要求があったときに一回だけ真正な挿入又は上書きが利用されているかどうかを挿入するだけでも良い。全ては、サードパーティがその方法を「見破る」ことをより困難なものにするであろう。
【0058】
チップは、IFストリームに埋め込まれたコードをフロントエンドに対して実行時間で更新されたコードによって増加又は交換できるようにするEEPROMを含んでも良い。この特徴は、UIDが提示される「登録」形式(例えば、The Software Developerによって起動されるオンラインサーバ)に関連して利用されても良く、有効な場合には、UIDに基づいて暗号化されたコードが返される。
【0059】
この場合には、法定のUID及び適合する暗号化コードの両方が明らかなときに限って、ソフトウェアGPSコードが十分に機能するように記述されるであろう。製造者が購入チップの個別変更(custom variant)と十分な詳細を提供できないまたはしない場合は、製造者はソフトウェアディベロッパに対してUIDのいかなる予備知識もなしに、UIDに関するソフトウェアを保証させるので、このオプションが特に関連する。
【0060】
本発明のシステムは、ソフトウェアGPSコードを形成するソフトウェアにリンクされたソフトウェア、例えば、ナビゲーションアプリケーション及び地図に利用されるソフトウェアの保護を可能にする。
【0061】
公知のソフトウェアGPSシステムの利益は、本発明のシステムで全て得られる。例えば、本発明のシステムは、メモリバッファから利用可能になるとすぐに、サンプリングされたGPSデータのライブ処理に利用されても良く、その処理は、後で行われても良いし、異なる場所で行われても良い。従って、レシーバは、GPSデータを解釈するための処理能力の全てを備えていなくても良い。
【0062】
本発明は、ソフトウェアGPSに接続されるものとして上述されてきたが、他のナビゲーションシステム及び/又は他のソフトウェア無線機にも同様に適用できる。従って、本発明は、現在開発中のガリレオナビゲーションシステムにも同様に適用できる。
【0063】
固有の複数のID(複数のUID)を含むチップ、例えば、EEPROMチップの製造及び販売はよく知られているので、UIDの提供は当業者にとってルーティンであることに注目されたい。
【0064】
本開示を参照すると、他の変更は、当業者にとって明らかであり、且つ、設計上既に公知となっている他の特徴、GSPレシーバ及びその部品の製造及び利用を含んでも良く、その特徴が既に述べられた特徴に取って代わっても良いし、追加されても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯レシーバを持つユーザにデータを提供するRF信号の受信及び処理方法であって、
前記携帯レシーバのRFフロントエンドレシーバは、
前記RF信号を受信し、
前記信号をアナログ処理し、
前記RFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の追加識別コードを含むデジタル出力を提供し、
前記デジタル出力をデジタル信号プロセッサに提供し、
前記デジタル信号プロセッサは、前記識別コードと所定の識別コード又はコードセットとを比較して適合するか否かを判断し、適合する場合には、さらに前記デジタル出力を処理して前記ユーザに前記データを提供し、適合しない場合には、エラー機能を実行する方法。
【請求項2】
前記信号をアナログ処理する工程は、中間周波数にダウンコンバートすることを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
識別コードを追加する工程は、前記RFフロントエンドレシーバの半導体集積回路(IC)のウェハ位置から得られるコードを追加することを含む請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
識別コードを追加する工程は、前記半導体ICのバッチ番号から得られるコードを追加することを含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記エラー機能を実行する工程は、エラーメッセージを提供し、低機能で動作し、又は前記デジタル出力を処理しない請求項1乃至4の何れか1項記載の方法。
【請求項6】
前記RF信号は、衛星追跡システムから受信されるスペクトラム拡散信号を含み、さらに、前記デジタル出力を処理する工程は、ナビゲーション情報を提供する請求項1乃至5の何れか1項記載の方法。
【請求項7】
RFフロントエンドレシーバの製造方法であって、
前記RFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の埋め込み識別コードを有するRFフロントエンドレシーバ(32)を組み立て、前記RFフロントエンドレシーバは、デジタル出力の一部として前記識別コードをデジタル信号プロセッサに提供するように構成され、前記埋め込み識別コードは、前記デジタル出力を処理する前記デジタル信号プロセッサで実行されるべきソフトウェアのソフトウェアプロバイダと同意されたものである
方法。
【請求項8】
衛星追跡システムからスペクトラム拡散信号を受信するRFフロントエンドレシーバを製造する請求項7記載の方法。
【請求項9】
RFフロントエンドレシーバの製造及び監視方法であって、
請求項7又は8記載の方法を利用して前記RFフロントエンドレシーバ(32)を製造し、
前記RFフロントエンドレシーバを販売し、
前記RFフロントエンドレシーバの購入者の正体を前記ソフトウェアプロバイダに通知する
ことを含む方法。
【請求項10】
ユーザにデータを提供するRF信号に対応するデジタルサンプリング信号を含み、且つ、RFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の識別コードが追加されるデジタル信号を解析するように構成されるコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムであって、前記解析は、前記識別コードと所定の識別コード又はコードセットとを比較して適合するか否かを判断し、適合する場合には、さらに前記デジタル出力を処理して前記ユーザに前記データを提供し、適合しない場合には、エラー機能を実行するコンピュータプログラム。
【請求項11】
RF信号を受信するアンテナと、
RFフロントエンドレシーバのハードウェアに固有の識別コードを追加し、且つ、デジタル出力を提供するように構成されるRFフロントエンドレシーバ(32)と、
前記デジタル出力を受信するデジタル信号プロセッサ(38)と、
前記デジタル信号プロセッサ内で実行され、且つ、前記識別コードと所定の識別コード又はコードセットとを比較して適合するか否かを判断し、適合する場合には、さらに前記デジタル出力を処理して前記ユーザにデータを提供し、適合しない場合には、エラー機能を実行するように構成されるソフトウェアと、
を備えるRF信号レシーバ。
【請求項12】
前記RFフロントエンドレシーバは、前記RF信号を中間周波数にダウンコンバートするように構成される請求項11記載のレシーバ。
【請求項13】
前記識別コードは、前記RFフロントエンドレシーバの半導体ICのウェハ位置から得られるコードを含む請求項11又は12記載のレシーバ。
【請求項14】
前記識別コードは、前記半導体ICのウェハバッチ番号から得られるコードを含む請求項13記載のレシーバ。
【請求項15】
前記エラー機能は、エラーメッセージ、低機能動作モード、又は前記デジタル出力を処理しない機能を含む請求項11乃至14記載のレシーバ。
【請求項16】
衛星ナビゲーションシステムから受信されたスペクトラム拡散信号を受信し、前記データは、ナビゲーション情報を含む請求項11乃至15記載のレシーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−511884(P2010−511884A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539854(P2009−539854)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054894
【国際公開番号】WO2008/068704
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(508152098)
【氏名又は名称原語表記】GEOTATE B.V.
【Fターム(参考)】