説明

RFIDシステム、RFIDリーダライタ、RFIDタグおよびRFID通信方法

【課題】応答信号の周波数に干渉信号がある場合であっても通信品質の劣化を抑えることを目的とする。
【解決手段】RFIDシステム1は、第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調した質問信号を送信するRFIDリーダライタ4と、RFIDリーダライタ4から送信されてくる質問信号を受信し、質問データ信号に対する応答データ信号をミラーサブキャリア方式により変調した応答信号をRFIDリーダライタ4に返信するRFIDタグ3とを備え、RFIDリーダライタ4は、ミラーサブキャリア方式により変調された応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定部50と、干渉判定部50により干渉信号があると判定されたときに送信部45の搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替部51とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDシステム、RFIDリーダライタ、RFIDタグおよびRFID通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流、商品などの管理を効率化するために、RFID(Radio Frequency IDentification)システムが利用され、さらに適用範囲の拡大が望まれている。RFIDシステムは、RFIDリーダライタとRFIDタグとを備え、RFIDリーダライタから質問信号を電波でRFIDタグに送信し、RFIDタグから応答信号を電波でRFIDリーダライタに返信していた。
【0003】
従来のRFIDシステムでは、質問信号と応答信号を同一周波数で送受信するベースバンド方式を採用していたため、交信領域が重複する複数のRFIDリーダライタが同時に同じチャンネルの周波数で質問信号を発すると干渉していた。この干渉をなくすために、従来のRFIDシステムでは質問信号を送信する前に使用するチャンネルの周波数が他のリーダライタで先に使用されていないかどうかを一定時間受信して確認するLBT(Listen Before Talk)方式が用いられていた(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2007−193772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のRFIDシステムでは、RFIDリーダライタは質問信号を送信する度にLBTを行うため、交信時間が長くなっていた。そこで、このLBTを不要にする方式としてミラーサブキャリア(Miller−Modulated Subcarrier)方式が提案された。このミラーサブキャリア方式では、RFIDリーダライタに周波数が連続する3つのチャンネルが割り当てられ、RFIDリーダライタは真ん中の周波数のチャンネルを用いてRFIDタグに質問信号を送信し、RFIDタグからの応答信号は質問信号とは周波数の異なる他の2つのチャンネルを用いて受信していた。これにより、RFIDリーダライタはLBTをすることなく質問信号をRFIDタグに送信することができるので、RFIDタグとの間で高速な通信を行っていた。
【0005】
しかしながら、RFIDリーダライタがミラーサブキャリア方式により送受信を行う場合、応答信号の周波数に他のRFIDリーダライタによる干渉信号がある場合には妨害を受け、通信品質が低下するという課題があった。
【0006】
そこで本発明は応答信号の周波数に干渉信号がある場合であっても通信品質の低下を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明のRFIDシステムは、第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調した質問信号を送信するRFIDリーダライタと、RFIDリーダライタから送信されてくる質問信号を受信し、質問データ信号に対する応答データ信号をミラーサブキャリア方式により変調した応答信号をRFIDリーダライタに返信するRFIDタグとを備えたRFIDシステムであって、RFIDリーダライタは、ミラーサブキャリア方式により変調された応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定部と、干渉判定部により干渉信号があると判定されたときに搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替部とを有したことを特徴とする。このような構成により、所期の目的を達成するものである。
【0008】
また、本発明のRFIDリーダライタは、第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調して質問信号を生成する変調部と、変調部で生成された質問信号をRFIDタグに送信する送信部と、応答データ信号により第1の周波数の搬送波がミラーサブキャリア方式により変調されてRFIDタグから返信されてくる応答信号を受信する受信部と、受信部により受信された応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定部と、干渉判定部により干渉信号があると判定されたときに送信部の搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替部とを備えたことを特徴とする。このような構成により、所期の目的を達成するものである。
【0009】
また、本発明のRFIDタグは、第1の周波数の搬送波が質問データ信号により変調されてRFIDリーダライタから送信されてくる質問信号を受信し、質問信号に対する応答データ信号で搬送波をミラーサブキャリア方式により変調してRFIDリーダライタに応答信号として返信するRFIDタグであって、ミラーサブキャリア方式により変調された応答信号の周波数で干渉信号があることをRFIDリーダライタにより判定されて、RFIDリーダライタの搬送波の周波数が第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替えられたときに、第2の周波数の搬送波で応答信号を返信することを特徴とする。このような構成により、所期の目的を達成するものである。
【0010】
また、本発明のRFID通信方法は、第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調した質問信号をRFIDリーダライタから送信する質問ステップと、RFIDリーダライタから送信されてくる質問信号をRFIDタグで受信し、質問データ信号に対する応答データ信号をミラーサブキャリア方式により変調した応答信号をRFIDタグからRFIDリーダライタに返信する応答ステップとを備えたRFID通信方法であって、ミラーサブキャリア方式により変調された応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定ステップと、干渉判定ステップにより干渉信号があると判定されたときにRFIDリーダライタの搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替ステップとを有したことを特徴とする。このような方法により、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のRFIDシステムは、第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調した質問信号を送信するRFIDリーダライタと、RFIDリーダライタから送信されてくる質問信号を受信し、質問データ信号に対する応答データ信号をミラーサブキャリア方式で変調した応答信号をRFIDリーダライタに返信するRFIDタグとを備え、RFIDリーダライタにミラーサブキャリア方式で変調された応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定部と、干渉判定部により干渉信号があると判定されたときに送信部の搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替部とを備えているので、干渉信号がある場合には速やかに第2の周波数に移って通信することができ、通信品質の低下を抑えることができる。
【0012】
また、本発明のRFIDリーダライタは、第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調する変調部と、変調部により変調した質問信号を送信する送信部と、応答データ信号により第1の周波数の搬送波がミラーサブキャリア変調されてRFIDタグから返信されてくる応答信号を受信する受信部と、受信部により受信された応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定部と、干渉判定部により干渉信号があると判定されたときに送信部の搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替部とを備えているので、干渉信号がある場合には速やかに第2の周波数に移って通信することができ、通信品質の低下を抑えることができる。
【0013】
また、本発明のRFIDタグは、ミラーサブキャリア方式で変調された応答信号の周波数における干渉信号があることをRFIDリーダライタにより判定されて、RFIDリーダライタにより出力される搬送波の周波数が第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替えられたときに、第2の周波数の搬送波で応答信号を返信するので、干渉信号がある場合には速やかに第2の周波数に移ってRFIDリーダライタと通信することができ、通信品質の低下を抑えることができる。
【0014】
また、本発明のRFID通信方法は、ミラーサブキャリア方式で変調された応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定ステップと、干渉判定ステップにより干渉信号があると判定されたときにRFIDリーダライタの搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替ステップとを有しているので、干渉信号がある場合には速やかに第2の周波数に移って通信することができ、通信品質の低下を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態)
まず、図1〜図6を参照しながら、本発明の実施の形態におけるRFID通信方法を用いたRFIDシステム1について説明する。
【0017】
図1は本発明の実施の形態におけるRFIDシステム1の使用形態を説明するための概略ブロック図、図2は同RFIDシステム1のRFIDリーダライタ4とRFIDタグ3との間で送受信される信号の波形図、図3は同RFIDシステム1において用いられる信号の周波数割り当て状態を示す説明図、図4は同RFIDシステム1で干渉が発生した場合の状態を示す波形図、図5は同RFIDシステム1において干渉が発生した場合の状態を示すスペクトラム図、図6は同RFIDシステム1において干渉を回避した場合の状態を示すスペクトラム図である。
【0018】
図1は本実施の形態のRFIDシステム1を物品2の製造工程に用いた例を示している。RFIDシステム1は、物品2に取り付けられたRFIDタグ3と、このRFIDタグ3のタグ情報を読み取るRFIDリーダライタ4とを備えている。物品2には管理番号などを記憶保持しているRFIDタグ3が取り付けられている。また、製造工程の所定の位置にRFIDリーダライタ4が設置されている。
【0019】
この製造工程において、RFIDタグ3が取り付けられた物品2がベルトコンベアなどの搬送装置(図示していない)によって矢印の方向に搬送される。そして、この製造工程の全体を制御する中央制御装置5が設けられ、通信回線6を介してRFIDリーダライタ4を制御し、RFIDリーダライタ4がRFIDタグ3と交信することにより物品2の管理番号を読み取るなどして、製造工程の管理を行う。
【0020】
RFIDリーダライタ4は、送信アンテナ7によってRFIDタグ3に質問信号を電波で送信し、RFIDタグ3から返信されてきた応答信号を受信アンテナ8によって受信する。図1中に破線で示した領域9はそれぞれのRFIDリーダライタ4が交信可能な範囲を示す。複数のRFIDリーダライタ4が近接して設置された場合には、それぞれの交信可能な領域9どうしが重複することもある(詳細は後述する)。
【0021】
RFIDリーダライタ4は、RFIDタグ3から返信されてきた応答信号を受信して、その物品2の管理番号を識別する。その識別した管理番号に応じて中央制御装置5で製造工程中の図示しない製造装置などを制御して、物品2に対して所定の加工、組み立てなどを行う。
【0022】
図2に示すように、物品2が所定の位置に搬送されてくると、RFIDリーダライタ4からRFIDタグ3に向けて管理番号を問い合わせる質問信号Qを送信する。この質問信号Qは、PIE(Phase−Interaval Encoding)符号化した質問コード信号によって所定のチャンネルの搬送波をASK(Amplitude Shift Keying)変調したものである。
【0023】
その後一定期間の間、RFIDリーダライタ4は無変調の連続搬送波Cを送信し、RFIDタグ3に電力を供給する。
【0024】
RFIDタグ3は、質問信号Qを受信するとともに質問コード信号を復調し、質問に対応して、例えば物品2の管理番号などの応答信号Rを返信する。RFIDタグ3は、RFIDリーダライタ4から送信されてきた連続搬送波Cの電波を応答コード信号に応じてRFIDタグ3の後述するタグアンテナ部で反射するか否かの制御(このように電波の反射を制御することをバックスキャッタ制御ともいう)を行い、応答信号Rを返信する。
【0025】
RFIDシステム1には、RFIDタグ3がRFIDリーダライタ4に応答信号を返信する方式によってベースバンド方式とミラーサブキャリア方式との2種類がある。RFIDシステム1で用いられる規格は、例えば、EPCglobal Class−1 Generation−2などに規定されている。
【0026】
ベースバンド方式では、RFIDリーダライタ4から送信されてくる質問信号と同じデータレートで搬送波を変調して応答信号を作成する。したがって、質問信号と同じチャンネルで応答信号を返信する。
【0027】
一方、本実施の形態のRFIDリーダライタ4で用いられるミラーサブキャリア方式では、RFIDタグ3で副搬送波成分を作成し、副搬送波(サブキャリア)を応答データ信号で変調して応答信号を作成する。したがって、ミラーサブキャリア方式では、RFIDタグ3は質問信号とは異なる周波数、すなわち別のチャンネルで応答信号を返信する。
【0028】
この副搬送波を作成するために、RFIDタグ3では、まず、受信・復調した質問コード信号から作成したベースバンドのクロック信号を2倍(M=2)、4倍(M=4)、または8倍(M=8)の周波数に逓倍する。ベースバンドの質問コード信号は通常40KHz、80KHz、120KHzのいずれかのデータレートで作成されているので、ミラーサブキャリア変調用の副搬送波として80KHz(=40KHz×2)〜960KHz(=120KHz×8)を作成する。
【0029】
この副搬送波の周波数のクロックで応答コード信号をミラー符号化する。さらに、そのミラー符号化した信号でRFIDタグ3の後述するタグアンテナ部をバックスキャッタ制御する。これにより、RFIDタグ3は、元の連続搬送波の周波数から副搬送波の周波数だけ上下に離れた周波数の位置を中心に、ミラーサブキャリア方式による応答信号Rを返信することができる。
【0030】
次に、図3を参照しながら、RFIDシステム1に用いられる周波数の使用状態の例を説明する。ここでは、942MHz〜944MHzがRFID用に割り当てられ、その中に1チャンネル〜9チャンネルまでの9つのチャンネル(以下、チャンネルを「CH」ともいう)が200kHz間隔で設定されている。このうち、2CHと8CHがミラーサブキャリア方式用に割り当てられている。そして、ベースバンド方式のRFIDリーダライタ4は1CH〜9CHのいずれのチャンネルでも使用することができる。
【0031】
複数のRFIDリーダライタ4が近接して設けられていてそれらの交信可能領域が重複するような場合には、相互に信号が混信しないようにRFIDリーダライタ4毎に異なったチャンネルの信号が使用される。例えば、第1のRFIDリーダライタ4では5CHを使い、隣接する第2のRFIDリーダライタ4では6CHを使うというように設定される。この使用するチャンネルは、中央制御装置5で制御することができる。
【0032】
所定の搬送波として、上記のようなUHF帯(例えば、942MHz〜945MHz)以外にも、マイクロ波帯(例えば、2.35GHz)、HF帯(例えば、13.46MHz)の周波数を利用することもできる。
【0033】
図3中に、ミラーサブキャリア方式の質問信号Qと応答信号Rの周波数分布の状態を示す。RFIDリーダライタ4から送信される質問信号Qの搬送波を2CHとすると、RFIDタグ3から返信される応答信号Rは2CHから副搬送波周波数分(「SC周波数」とも表記する)だけ上下に離れた周波数の信号となる。ここでは、応答信号の周波数が隣接する1CHと3CHの周波数帯域内に収まるように、副搬送波周波数を160KHz(40KHz×4または80KHz×2)とした例を示しているので、応答信号Rの応答周波数は2CH±160KHzとなる。RFIDタグ3が使用する副搬送波周波数は、RFIDリーダライタ4からの質問信号Qに含まれる指示信号で指定される。
【0034】
このように、RFIDタグ3からRFIDリーダライタ4に返信する応答信号Rの周波数は、RFIDリーダライタ4から送信される質問信号Qまたは無変調の連続搬送波Cから副搬送波周波数分だけ上下に離れた周波数になる。このため、RFIDリーダライタ4ではベースバンド方式のように自ら送信する搬送波信号中に埋もれた応答信号を受信するのではなく、離れた周波数にある単独の応答信号を受信することができる。したがって、RFIDタグ3からの応答信号Rが弱い信号であっても高品質に受信することができる。また、LBTが不要となるので交信時間を短縮して高速化できるとともに、ミラー符号化されているのでより正確に復調することができる。
【0035】
このように、ミラーサブキャリア方式を用いれば、RFIDリーダライタ4から離れた場所にあるRFIDタグ3の弱い応答信号も受信することができるので、使用範囲を拡張することができる。さらに、RFIDリーダライタ4は、LBTが不要となるためRFIDタグ3との交信時間を短縮することができる。
【0036】
このように、ミラーサブキャリア方式は効果の大きい方式であるが、RFIDタグ3からの応答信号Rの周波数、すなわち副搬送波成分のある周波数に他のRFIDリーダライタ4からの質問信号などの干渉信号がある場合には、妨害を受け、通信品質が低下するといった問題がある。
【0037】
図4および図5を用いて、RFIDシステム1において干渉が発生した場合の状態について具体的に説明する。
【0038】
図4は2CHをRFIDリーダライタ4の質問信号Qとして用いてRFIDタグ3と交信するときの時間的な経過を示している。
【0039】
時刻t1からRFIDリーダライタ4が2CHで質問信号Qを送信した後、時刻t2からRFIDタグ3からの応答信号Rを1CHと3CHで受信する。このとき、1CHと3CHには干渉信号がないので、応答信号Rを良好に受信できる。
【0040】
次に、時刻t3からRFIDリーダライタ4が別の質問信号Qを送信し、次いで、時刻t4から1CHと3CHで応答信号Rを受信しようとしたときに、近接する他のRFIDリーダライタ4から3CHに質問信号などの干渉信号Dが発せられたとする。このとき、RFIDタグ3からの応答信号Rは弱い信号であるため、強い干渉信号Dに干渉されてRFIDリーダライタ4で正常な受信ができない状態となる。このように、RFIDリーダライタ4は、ミラーサブキャリア方式により通信を開始する際には干渉信号の有無を事前に判定することなく質問信号を送信する。
【0041】
図5に、RFIDシステム1において電波の干渉が発生した場合の状態のスペクトラムを示す。RFIDタグ3からの応答信号Rの副搬送波周波数(2CH+160KHz)に他のRFIDリーダライタ4から3CHを用いた質問信号などの強い干渉信号Dが出力されている。このように、ベースバンド方式により通信を行うRFIDリーダライタ4から出力されている質問信号が干渉信号Dとなる。
【0042】
RFIDリーダライタ4がRFIDタグ3からの応答信号Rを正常に受信できない場合としては、上記したような強い干渉信号Dに邪魔されている場合と、RFIDリーダライタ4の交信可能範囲内にRFIDタグ3が存在しないために応答信号R自体が存在しない場合とがある。後者の場合には物品2が搬送されてきてRFIDタグ3がRFIDリーダライタ4の交信範囲に入ってくるまで待てばよい。しかし、前者の場合には、RFIDタグ3から応答信号RがRFIDリーダライタ4に返信されているにもかかわらず、RFIDリーダライタ4で正常に応答信号Rが受信されないので、放置していると必要な処理がなされないまま物品2が通過してしまうおそれがある。このような場合には、RFIDリーダライタ4は干渉信号Dによる干渉を避けてRFIDタグ3と交信を確立しなければならない。
【0043】
そこで、本実施の形態におけるRFIDシステム1では、RFIDリーダライタ4が応答信号Rの周波数における干渉信号Dの有無を判定し、干渉信号Dがあると判定した場合には、使用中のチャンネルを切り替えることにより干渉を回避するようにした。これにより、RFIDシステム1では、干渉信号がある場合には速やかに他のチャンネルの周波数に移って通信することができ、通信品質の低下を抑えている。
【0044】
すなわち、図4に示すように、RFIDリーダライタ4は所定の閾値Lvを決めてRFIDタグ3からの応答期間に応答信号Rの周波数における受信信号の大きさを監視する。応答信号Rの強度は非常に弱いので、応答期間中の受信信号の大きさが所定の閾値Lvより小さければ、そのまま受信を継続する。しかし、強度の強い干渉信号Dが発生し、応答期間中に受信された受信信号が所定の閾値Lvより大きくなっている場合には干渉信号Dがあると判定する。なお、所定の閾値Lvは、RFIDタグ3の応答信号を検知するためのキャリアセンスの値より大きくすればよい。さらに、所定の閾値Lvは、他のベースバンド方式を用いている周辺のRFIDリーダライタ4からの出力(空中電力)の大きさに応じて調整してもよい。例えば、RFIDリーダライタ4の送信アンテナ7における出力が10mWの場合には、−54(dBm)とする。また、例えば、RFIDリーダライタ4の出力が1Wの場合には、−44(dBm)とする。
【0045】
RFIDリーダライタ4は、応答信号Rの周波数に干渉信号Dがあると判定した場合には、図6に示すように、質問に使用する搬送波の周波数を第1の周波数である2CHからもう1つの許可されている第2の周波数である8CHに切り替える。これに伴って、RFIDタグ3が返信する応答信号Rの周波数も8CH±副搬送波周波数に自動的に切り替わる。
【0046】
このように、RFIDリーダライタ4は、応答信号Rの周波数における干渉信号Dの有無を判定し、干渉信号があると判定されたときには搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数(割り当て済みの周波数)に切り替えるので、干渉信号がある場合には速やかに第2の周波数に移って通信することができ、通信品質の低下を抑えることができる。
【0047】
なお、ここでは、使用中の2CHから別のチャンネルである8CHに切り替える例を説明したが、この例に限定されるものでない。割り当てされたチャンネルが2つでなく、3つ以上あっても、そのチャンネルに切り替えることができる。例えば、第1の周波数と第2の周波数の他に第3の周波数と第4の周波数がさらに割り当て済みとする。この場合には、RFIDリーダライタ4は、同様に、第1の周波数から第2の周波数、第2の周波数から第3の周波数、第3の周波数から第4の周波数に搬送波の周波数を順次に切り替えることができる。また、RFIDリーダライタ4は、同様に、第1の周波数から第3の周波数、第1の周波数から第4の周波数にも切り替えることもできる。このように、RFIDリーダライタ4は、応答信号Rの周波数における干渉信号Dの有無を判定し、干渉信号があると判定されたときには使用中の搬送波の周波数(これを第1の周波数としている)とは異なる別の周波数(これを第2の周波数としている)に切り替えるので、干渉信号がある場合には速やかに別の周波数(第2の周波数)に移って通信することができ、通信品質の低下を抑えることができる。
【0048】
次に、図7および図8を参照しながら、本実施の形態におけるRFIDシステム1の構成および動作について説明する。図7は本発明の実施の形態におけるRFIDシステム1の構成を示すブロック図、図8は同RFIDシステム1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0049】
まず、RFIDシステム1において、RFIDリーダライタ4がRFIDタグ3と交信を開始する状態から説明する。
【0050】
RFIDリーダライタ4は、中央制御装置5から制御されるとともに製造工程の所定の箇所に設置されている。中央制御装置5は、RFIDリーダライタ4に対する制御信号を通信回線6、インターフェース(I/F)41を介して制御部42に伝える。
【0051】
RFIDリーダライタ4は、動作を開始すると、まずRFIDタグ3に、例えば「管理番号を返答せよ」という質問信号を送信する。このとき、制御部42はメモリ部43から質問のために必要なデータを読み出し、この質問データ信号により変調部44で所定のチャンネル、ここでは2CHの搬送波をASK変調し、送信部45で増幅し、送信アンテナ7を介して、RFIDタグ3に向けて質問信号の電波として送信する(S100)。
【0052】
次に、RFIDリーダライタ4は質問信号の送信を終了すると(S102)、続いて、制御部42の制御により変調部44、送信部45を通じて無変調の連続搬送波を2CHを使用して送信し(S104)、RFIDタグ3からの応答待ちの状態に入る。
【0053】
一方、RFIDタグ3は、タグアンテナ部31とタグICチップ32とを有し、タグアンテナ部31で質問信号の電波を受信する。RFIDタグ3は、この受信した質問信号をダイオード33で整流して直流電圧(以下、「DC電圧」と記す)を生成する。このDC電圧をコンデンサ34に充電して動作用の電源としてタグICチップ32の各部に供給し、タグICチップ32を起動する。これによって、タグICチップ32各部が起動する。このように、パッシブ型のRFIDタグ3では電池などの電源を搭載していなくてもタグICチップ32を動作させることができる。
【0054】
次に、RFIDタグ3は、復調部36により「管理番号を返答せよ」という質問データを質問信号から復調する。そして、制御部35はメモリ部38から記憶保持している管理番号のタグ情報を読み出す。
【0055】
制御部35は、メモリ部38に記憶保持されたタグ情報、すなわち、物品2の管理番号が「管理番号A」であった場合には、その質問に対して「管理番号A」という応答データ信号を作成する。
【0056】
一方、クロック部39は、まず、復調部36が復調したベースバンドの質問データ信号から基本周期の基本クロック信号を再生する。ここでは、基本クロック信号の周期が25μsec(周波数が40KHz)であるとする。その後、基本クロック信号を4逓倍して、160KHzの副搬送波用クロック信号を作成する。
【0057】
ミラーサブキャリア変調部37では、この副搬送波用クロック信号を用い、応答コード信号に対しM=4のミラー符号化処理を行う。そして、ミラー符号化した応答コード信号により、タグアンテナ部31に接続したスイッチング素子37aをオン、オフさせることによりバックスキャッタ制御をして応答信号を返信する。すなわち、スイッチング素子37aがオンすればタグアンテナ部31の端子が短絡され、スイッチング素子37aがオフされればタグアンテナ部31の端子が開放される。これによって、RFIDリーダライタ4から送信されてきた無変調搬送波の電波をタグアンテナ部31で反射するか否かを「管理番号A」という応答データのミラー符号化信号に応じて制御する。このとき、ミラー符号化された信号はクロック周波数が160KHzであるので、バックスキャッタ制御された搬送波は応答コード信号で160KHzの副搬送波を変調したものとなり、M=4のミラーサブキャリア方式の応答信号をRFIDリーダライタ4に返信することができる。
【0058】
なお、RFIDタグ3では、タグアンテナ部31の端子を開放させたときに反射がおきないように、インピーダンスをマッチングさせるコンデンサ40を有している。
【0059】
次に、このようにしてRFIDタグ3から返信されてくるミラーサブキャリア方式の応答信号を受信するRFIDリーダライタ4の動作について説明する。
【0060】
RFIDリーダライタ4では、受信アンテナ8で受信した応答信号を受信部46を介して復調部47に伝達し応答データを復調する。この復調した応答データにより制御部42で「管理番号A」の存在を確認する。RFIDリーダライタ4は、この「管理番号A」の情報を制御部42を介してメモリ部43に記憶する。
【0061】
このとき、まず、RFIDリーダライタ4は2CHの無変調搬送波を送信しながら、RFIDタグ3からの応答信号を1CHと3CHで待って受信する(S106)。この応答待ち期間中に1CHと3CHの応答信号の大きさを干渉判定部50で監視して、その応答信号の大きさが図4に示した所定の閾値Lvを超えるか否かを検出する。これにより、干渉信号の有無を判定する(S108)。干渉信号がないと判定されれば、S104に戻って無変調の搬送波の送信を続ける。
【0062】
RFIDタグ3からの応答待ち期間が終了すれば、無変調の搬送波の送信(S114)を続けるとともに、1CHと3CHの応答信号の大きさを干渉判定部50で監視して、干渉信号の有無を判定する(S116)。干渉信号がないと判定されれば、制御部42により応答信号を復調した応答コードをデコード処理し、「管理番号A」の情報を取り出してメモリ部43に記憶する(S118)。一連の応答信号の受信処理を繰り返し、デコード処理を終了すれば(S120)、RFIDタグ3の読み取り動作を終了する。
【0063】
そして、メモリ部43に記憶した「管理番号A」の情報を中央制御装置5に転送する。中央制御装置5は、「管理番号A」の情報に基づいて記憶部に記憶されているデータベース(図示せず)から製品情報を検索し、物品2に対する加工、組み立てなどを管理、制御する。なお、データベースには、物品2の製造に係る諸情報が管理情報として記憶されている。
【0064】
しかし、S108、S116でRFIDタグ3からの応答信号を受信中あるいは待機中に応答信号の周波数に干渉信号があると判定された場合には、そのままではRFIDタグ3との通信品質が低下して、正常な交信ができなくなる。そこで、本実施の形態のRFIDリーダライタ4は、干渉判定部50により干渉信号があると判定されたときには、使用しているチャンネル、ここでは2CHを記憶する(S110)とともに、図6に示すように、周波数切替部51により第1の周波数とは異なる第2の周波数のチャンネル、ここでは8CHに自動的に切り替える(S112)。そして、S100に戻り、RFIDタグ3との交信をやり直す。
【0065】
このように、ミラーサブキャリア方式で変調された応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定ステップ(S108、S116)と、干渉判定ステップにより干渉信号があると判定されたときにRFIDリーダライタ4の搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替ステップ(S116)とを有しているので、干渉信号がある場合には速やかに第2の周波数に移って通信することができ、通信品質の低下を抑えることができる。
【0066】
また、RFIDリーダライタ4は、変調、同期を行うためのクロックを発生するクロック部35と、各部に電源を供給するための電源部34も備えている。
【0067】
以上のように本実施の形態のRFIDシステム1によれば、RFIDリーダライタ4は、第1の搬送波の周波数(2CH)で交信するときに他のRFIDリーダライタ4からの干渉信号が干渉判定部50により検出されれば、周波数切替部51により第2の搬送波の周波数(8CH)に自動的にチャンネルを切り替える。これにより、RFIDリーダライタ4は、干渉信号がある場合には速やかに第2の周波数に移って通信することができる。これにより、通信品質の低下を抑えることができる。
【0068】
なお、RFIDリーダライタ4が干渉判定部50により干渉信号があると判定し、周波数切替部51により質問信号のチャンネルを切り替えた場合には、RFIDリーダライタ4から送信されてきた搬送波の電波をタグアンテナ部31で反射するRFIDタグ3も、応答用の副搬送波周波数がともに自動的に切り替えられるので、交信周波数の切り替えはスムーズに行われる。また、RFIDタグ3がタグアンテナ部31からの電波の反射により応答するものでない場合には、RFIDリーダライタ4の搬送波の周波数に応じて応答用の副搬送波周波数を切り替えるようにしてもよい。このように、交信周波数を追従させることで、交信をスムーズに行うことができる。
【0069】
また、本実施の形態では、RFIDリーダライタ4がミラーサブキャリア方式の交信に用いる搬送波を2CHと8CHとしたが、他のチャンネルを使用してもよい。
【0070】
また、ミラーサブキャリア方式で用いる副搬送波の周波数も、周辺のRFIDリーダライタ4の使用周波数などを考慮して、任意に設定することが可能である。
【0071】
さらに、本実施の形態では、RFIDシステム1を製造工程に応用した例について説明したが、この他にも、販売店における入出庫管理、レジ精算などの各種の用途に使用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上のように本発明は、RFIDリーダライタにより第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調した質問信号を送信し、RFIDタグによりRFIDリーダライタから送信されてくる質問信号を受信し、質問データ信号に対する応答データ信号をミラーサブキャリア方式により変調した応答信号をRFIDリーダライタに返信する。そして、RFIDリーダライタはミラーサブキャリア方式により変調された応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定し、干渉信号があると判定されたときに送信部の搬送波の周波数を第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替えるようにしたので、干渉信号がある場合には速やかに第2の周波数に移って通信することができる。
【0073】
これにより、応答信号の周波数に干渉信号がある場合であっても通信品質の低下を抑えることを可能にするRFIDシステム、RFIDリーダライタ、RFIDタグおよびRFID通信方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態におけるRFIDシステムの使用形態を説明するための概略ブロック図
【図2】同RFIDシステムのRFIDリーダライタとRFIDタグとの間で送受信される信号の波形図
【図3】同RFIDシステムにおいて用いられる信号の周波数割り当て状態を示す説明図
【図4】同RFIDシステムで干渉が発生した場合の状態を示す波形図
【図5】同RFIDシステムにおいて干渉が発生した場合の状態を示すスペクトラム図
【図6】同RFIDシステムにおいて干渉を回避した場合の状態を示すスペクトラム図
【図7】同RFIDシステムの構成を示すブロック図
【図8】同RFIDシステムの動作を説明するためのフローチャート
【符号の説明】
【0075】
1 RFIDシステム
2 物品
3 RFIDタグ
4 RFIDリーダライタ
5 中央制御装置
6 通信回線
7 送信アンテナ
8 受信アンテナ
31 タグアンテナ部
32 タグICチップ
33 ダイオード
34,40 コンデンサ
35,42 制御部
36,47 復調部
37 ミラーサブキャリア変調部
37a スイッチング素子
38,43 メモリ部
39,48 クロック部
41 インターフェース(I/F)
44 変調部
45 送信部
46 受信部
49 電源部
50 干渉判定部
51 周波数切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調した質問信号を送信するRFIDリーダライタと、
前記RFIDリーダライタから送信されてくる前記質問信号を受信し、前記質問データ信号に対する応答データ信号をミラーサブキャリア方式により変調した応答信号を前記RFIDリーダライタに返信するRFIDタグとを備えたRFIDシステムであって、
前記RFIDリーダライタは、前記ミラーサブキャリア方式により変調された前記応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定部と、
前記干渉判定部により前記干渉信号があると判定されたときに前記搬送波の周波数を前記第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替部とを有したことを特徴とするRFIDシステム。
【請求項2】
前記干渉判定部は、前記応答信号と所定の閾値とを比較し、前記応答信号の大きさが前記所定の閾値より大きい場合に前記干渉信号があると判定し、前記応答信号の大きさが前記所定の閾値より小さい場合に前記干渉信号がないと判定することを特徴とする請求項1に記載のRFIDシステム。
【請求項3】
前記RFIDリーダライタは、前記ミラーサブキャリア方式により通信を開始する際には前記干渉信号の有無を事前に判定することなく前記質問信号を送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のRFIDシステム。
【請求項4】
前記干渉信号は、ベースバンド方式により通信を行うRFIDリーダライタにより出力された質問信号であること特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のRFIDシステム。
【請求項5】
第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調した質問信号を生成する変調部と、
前記変調部により生成された前記質問信号をRFIDタグに送信する送信部と、
応答データ信号により前記第1の周波数の搬送波がミラーサブキャリア方式により変調されて前記RFIDタグから返信されてくる応答信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定部と、
前記干渉判定部により前記干渉信号があると判定されたときに前記送信部の前記搬送波の周波数を前記第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替部とを備えたことを特徴とするRFIDリーダライタ。
【請求項6】
前記干渉判定部は、前記受信部により受信された前記応答信号と所定の閾値とを比較し、前記応答信号の大きさが前記所定の閾値より大きい場合に前記干渉信号があると判定し、前記応答信号の大きさが前記所定の閾値より小さい場合に前記干渉信号がないと判定することを特徴とする請求項5に記載のRFIDリーダライタ。
【請求項7】
前記ミラーサブキャリア方式により通信を開始する際には前記干渉信号の有無を事前に判定することなく前記質問信号を送信することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のRFIDリーダライタ。
【請求項8】
前記干渉信号は、ベースバンド方式により通信を行うRFIDリーダライタにより出力された質問信号であること特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のRFIDリーダライタ。
【請求項9】
第1の周波数の搬送波が質問データ信号により変調されてRFIDリーダライタから送信されてくる質問信号を受信し、前記質問信号に対する応答データ信号で搬送波をミラーサブキャリア方式により変調して前記RFIDリーダライタに応答信号として返信するRFIDタグであって、
前記ミラーサブキャリア方式により変調された前記応答信号の周波数で干渉信号があることを前記RFIDリーダライタにより判定されて、前記RFIDリーダライタにより出力される前記搬送波の周波数が前記第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替えられたときに、前記第2の周波数の搬送波で前記応答信号を返信することを特徴とするRFIDタグ。
【請求項10】
第1の周波数の搬送波を質問データ信号により変調した質問信号をRFIDリーダライタから送信する質問ステップと、
前記RFIDリーダライタから送信されてくる前記質問信号をRFIDタグで受信し、前記質問データ信号に対する応答データ信号をミラーサブキャリア方式により変調した応答信号を前記RFIDタグから前記RFIDリーダライタに返信する応答ステップとを備えたRFID通信方法であって、
前記ミラーサブキャリア方式により変調された前記応答信号の周波数における干渉信号の有無を判定する干渉判定ステップと、
前記干渉判定ステップにより前記干渉信号があると判定されたときに前記RFIDリーダライタの前記搬送波の周波数を前記第1の周波数とは異なる第2の周波数に切り替える周波数切替ステップとを有したことを特徴とするRFID通信方法。
【請求項11】
前記干渉判定ステップは、前記応答信号と所定の閾値とを比較し、前記応答信号の大きさが前記所定の閾値より大きい場合に前記干渉信号があると判定し、前記応答信号の大きさが前記所定の閾値より小さい場合に前記干渉信号がないと判定することを特徴とする請求項10に記載のRFID通信方法。
【請求項12】
前記質問ステップは、前記ミラーサブキャリア方式により通信を開始する際には前記干渉信号の有無を事前に判定することなく前記質問信号を送信することを特徴とする請求項10または請求項11に記載のRFID通信方法。
【請求項13】
前記干渉信号は、ベースバンド方式により通信を行うRFIDリーダライタにより出力された質問信号であること特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載のRFID通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−21684(P2010−21684A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178826(P2008−178826)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】