説明

RFIDタグ及びその製造方法

磁性コア材の周囲に導体を配したコイル状アンテナを備えるRFIDタグであって、磁性コア材と、磁性コア材の周囲に巻き付けられたFPCと、FPC上に互いに並列して形成された2以上の線状導体パターンと、線状導体パターンに接続されFPC上に配置されたICと、互いに並列して形成された線状導体パターンのうち最も外側に位置する線状導体パターンの一端と他端を電気的に接続するクロスオーバーパターンとを備え、2以上の線状導体パターンは巻き付けられたFPCの接合部で隣接する線状導体パターンをそれらの始端と終端で電気的に接続したことを特徴とするRFIDタグ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、物品管理等に用いるタグに送受信用のアンテナ及び信号読み書き用のICチップを備えたRFID(無線周波数識別:Radio Frequency Identification)タグ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
従来から物品管理などにおいてRFIDタグが用いられている。RFIDタグは、アンテナコイルとアンテナコイルに接続したIC等の素子を備え、質問器から送信される所定の周波数をアンテナコイルで受信しRFIDタグが活性化することによりIC等の素子を駆動し、質問器との間で電波による通信を行い、IC素子に記憶されたデータを読み出したり、新たなデータをIC素子に書き込んだりして物品の管理などを行うものである。これらのRFIDタグは通常、物品の表面に貼り付けられて用いられるが、物品が金属製であった場合などの周波数特性を安定させるためアンテナコイルの構造として磁芯部材の外周面にコイル本体を巻回した構造のものが提案されている(例えば、特開2000−101471号公報図5及び図6参照)。
また、上述した磁芯部材の外周面にコイル本体を巻回した場合にアンテナ全体が比較的厚くなってしまう問題点を解決するため、FPC上に蛇行する導電体を形成し、導電体の間にスリットを設け、平板上の磁芯部材をスリットに表裏交互に挿入してアンテナコイルを形成したRFIDタグも提案されている(例えば、特開2002−117383号公報参照)。
しかしながら、上述した従来のRFIDタグは効率的な製造という観点から以下の問題を有していた。即ち、特許文献1に記載のRFIDは磁芯部材に導体を巻回する際に、磁芯部材が平板上の場合には巻回スピードが上げられず生産性の向上に限界があった。このことは、RFIDタグの薄型化が要請されている昨今の状況下では低価格化を図るに際して障害となっていた。
また、特開2002−117383号公報に記載のRFIDにおいては、平板状の磁芯部材をFPCのスリットに挿入する際にFPCを真空吸引装置で吸引してスリットを開く必要があり、その製造には大掛かりな装置を必要とするため製造の効率化に限界があった。
さらに、RFIDタグを金属物品に取り付けて使用する場合、金属物品とアンテナコイルとの相互作用で周波数特性が変動する問題があった。このような周波数特性の変動に対する対策として、RFIDタグの内部に遮蔽用の金属板を設置することも考えられるが、RFIDタグのサイズが大きくなるとともにコスト増加につながる点で不利益が大きかった。
【発明の開示】
本発明は、効率的に製造可能なRFIDタグを提供すること、及びRFIDタグの効率的な製造方法を提供するとともに、周波数特性の変動に対してコスト増加とサイズの大型化を招くことなく有効な対策を施すことが可能なRFIDタグを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、磁性コア材の周囲に導体を配したコイル状アンテナを備えるRFIDタグであって、磁性コア材と、前記磁性コア材の周囲に巻き付けられたFPCと、前記FPC上に互いに並列して形成された2以上の線状導体パターンと、前記線状導体パターンに接続され前記FPC上に配置されたICと、互いに並列して形成された前記線状導体パターンのうち最も外側に位置する線状導体パターンの一端と他端を電気的に接続するクロスオーバーパターンとを備え、前記2以上の線状導体パターンは巻き付けられたFPCの接合部で隣接する線状導体パターンをそれらの始端と終端で電気的に接続したことを特徴としている。
かかる構成によれば、導体パターンが形成されたFPCを磁性コア材に巻き付けるのみでよく、構造が簡単で薄型化に好適なRFIDを実現することができる。また、RFIDタグに必要な線状導体パターン、IC、クロスオーバーパターン等の構成要素は予め平面であるFPC上に配置でき、磁性コア材にFPCを巻き付けて立体的な構造となった後は新たな構成要素を付加する必要がないため製造効率を高めて低価格化が可能なRFIDを実現することができる。
本発明のRFIDタグの第2の態様は、少なくとも一つの磁性材を含む磁性コア材と、前記磁性コア材の周囲に螺旋状に導体を配したコイル状アンテナと、ICを備えたRFIDタグにおいて、互いに並列して形成された2以上の線状導体パターンが一面に形成されたFPCを前記磁性コア材に巻き付け、隣接した前記線状導体パターンを電気的に接続することにより、前記磁性コア材の周囲に螺旋状の電流流路を形成し、且つ前記電流流路の一端と他端を電気的に接続することにより、前記コイル状アンテナとしたことを特徴としている。
かかる構成によれば、2以上の線状導体パターンが形成されたFPCを磁性コア材に巻き付けて接続すれば、螺旋状の電流流路からなるコイル状アンテナとして機能させることができるので、簡単な構成で製造が容易なRFIDタグを実現することができる。
本発明のRFIDタグの第3の態様は、前記電流流路の一端と他端を電気的に接続するクロスオーバーパターンを、前記FPCの前記線状導体を形成した面とは異なる面に形成したことを特徴している。
かかる構成によれば、FPCの線状導体を形成した面と異なる面にクロスオーバーパターンを形成したので、線状導体パターンをFPCの裏側で容易に接続することができる。
本発明のRFIDタグの第4の態様は、前記線状導体パターンおよびICは前記磁性コア材に巻き付けられた前記FPCの内側の面に形成されていることを特徴としている。
かかる構成によれば、線状導体パターン、ICが内側に巻き込まれ露出していないので、搬送中の衝撃などの外力から保護することが可能である。また、FPCを磁性コア材に巻き付ける際にICが配置された内側の面は外側の面に比べ張力がかからず、巻き付け張力による特にIC端子部分などの破損を防止することができる。
本発明のRFIDタグの第5の態様は、前記磁性コア材には前記ICを収納できる凹部が設けられていることを特徴としている。
かかる構成によれば、ICは磁性コア材の凹部に収納されるので、その部分が出っ張らずRFIDタグの薄型化が可能である。
本発明のRFIDタグの第6の態様は、前記FPC上に形成され、前記ICに接続された容量性負荷部をさらに備えたことを特徴としている。
かかる構成によれば、FPCを磁性コア材に巻き付ける際や接合部で線状導体パターンを接続する際に生じるバラツキをRFIDタグ一品ごとに容量性負荷部(コンデンサ等)により補償し、特性の安定したRFIDタグを出荷することができる。
本発明のRFIDタグの第7の態様は、前記容量性負荷部は前記FPCの一つの面に形成されたくし型状の導体パターンと、前記FPCの他の面の前記くし型状の導体パターンと対向する位置に設けられた導体パターンを有することを特徴としている。
かかる構成によれば、くし型状の導体パターンを切除するなど簡単な作業でコンデンサ等の容量性負荷部の対向面積を変えて特性を調整することが可能となる。
本発明のRFIDタグの第8の態様は、前記磁性コア材に巻き付けられた前記FPCの内側の面には、前記2以上の線状導体パターンが形成され、前記磁性コア材に巻き付けられた前記FPCの外側の面には、前記コイル状アンテナとは電気的に接続されない遮蔽導体パターンが形成されることを特徴としている。
かかる構成によれば、磁性コア材に巻き付けた状態でコイル状アンテナの外側に遮蔽導体パターンが配置されるので、外部の金属からコイル状アンテナが受ける影響を軽減し、RFIDタグの周波数特性を安定化することができる。
本発明のRFIDタグの第9の態様は、前記磁性コア材に巻き付けた前記FPCにおいて、少なくともRFIDタグの取り付け対象物に対向する面に前記遮蔽導体パターンが配置されることを特徴としている。
かかる構成によれば、磁性コア材に巻き付けたコイル状アンテナとRFIDタグの取り付け対象物との間に遮蔽導体パターンが介在することになるので、取り付け対象物である金属からの影響を確実に軽減することができ、RFIDタグの周波数特性を安定化することができる。
本発明のRFIDタグの第10の態様は、前記FPCは、前記磁性コア材の角部付近にて接合されていることを特徴としている。
かかる構成によれば、FPCの接合時に、前記磁性コア材に巻き付けたFPCに弛みが生じにくく、RFIDタグの特性が安定する。
本発明のRFIDタグの第11の態様は、前記磁性コア材に巻き付けた前記FPCの外側の面に形成された前記遮蔽導体パターンは、前記線状導体パターンと対向しない領域に配置されていることを特徴としている。
かかる構成によれば、コア材に巻き付けた状態で、FPCの内側の面で線状導体パターンが形成されない領域と対向するように遮蔽導体パターンが配置されるので、外部の金属の影響を軽減しつつコイル状アンテナと遮蔽導体パターンの容量結合を抑えて周波数のずれを小さくすることができる。
本発明のRFIDタグの製造方法の第1の態様は、FPC上に2以上の線状導体パターン及びクロスオーバーパターンを形成する工程と、前記FPC上にICを配置する工程と、コア材の周囲に前記FPCを巻き付ける工程と、隣接する前記線状導体パターンをそれらの始端と終端を電気的に接続する工程を少なくとも有することを特徴としている。また、FPCを前記磁性コア材に巻き付けるに際して、両面テープ等を用いて予めFPCを磁性コア材に固定してから接合しても良い。
かかる製造方法によれば、導体パターンが形成されたFPCを磁性コア材に巻き付けるのみで、導体を磁性コア材に巻回する工程を必要としないため、巻回スピードが問題となることはない。また、RFIDタグに必要な線状導体パターン、IC、クロスオーバーパターン等の構成要素は予め平面であるFPC上に配置でき、コア材にFPCを巻き付けて立体的な構造となった後は新たな構成要素を付加する必要がないため効率的な製造が可能である。
本発明のRFIDタグの製造方法の第2の態様は、FPCの一面に2以上の線状導体パターンを形成する工程と、前記FPCを前記磁性コア材に巻き付ける工程と、隣接する前記線状パターンを電気的に接続し前記磁性コア材の周囲に螺旋状の電流流路を形成する工程と、前記螺旋状の電流流路の一端と他端を電気的に接続する工程を含むことを特徴としている。
かかる製造方法によれば、2以上の線状導体パターンが形成されたFPCにコア材を巻き付け、電気的な接続によって螺旋状の電流流路を形成するようにしたので、複雑な工程を経ることなく効率的にRFIDタグを製造することができる。
本発明のRFIDタグの製造方法の第3の態様は、FPCの一面に2以上の線状導体パターンを形成する工程と、前記FPCの前記線状導体パターンが形成された面とは異なる面に前記螺旋状の電流流路の一端と他端を電気的に接続するクロスオーバーパターンを形成する工程と、前記FPCを前記磁性コア材に巻き付ける工程と、隣接する前記線状パターンを電気的に接続し前記磁性コア材の周囲に螺旋状の電流流路を形成する工程と、前記螺旋状の電流流路の一端と他端を電気的に接続する工程を含むことを特徴としている。
かかる構成によれば、上述の線状導体パターンに加えて、それと異なるFPCの面にクロスクロスオーバーパターンを形成するようにしたので、単純な接続作業のみで容易にFPC上にコイル状アンテナを構成することができる。
本発明のRFIDタグの製造方法の第4の態様は、前記線状導体パターンは隣接する線状導体パターンと始端あるいは終端で接続されるダミー接続部を有しミアンダ状の電流流路を形成しており、前記接続する工程以前に動作確認を行う工程と、前記接続する工程以前または以降に前記ダミー接続部を切除する工程をさらに有することを特徴としている。
かかる製造方法によれば、FPC単体の電気的な動作確認が容易となるとともに、FPCをコア材に巻き付けた後にダミー接続部を切除することにより、FPC上のコイル状アンテナの構成が一層容易になる。
本発明のRFIDタグの製造方法の第5の態様は、前記容量性負荷部を前記FPC上に形成する工程をさらに有することを特徴としている。
本発明のRFIDタグの製造方法の第6の態様は、前記容量性負荷部は前記FPCの一つの面に形成されたくし型状の導体パターンと、前記FPCの他の面の前記くし型状の導体パターンと対向する位置に設けられた導体パターンを有することを特徴としている。
本発明のRFIDタグの製造方法の第7の態様は、前記FPCによるコイル形成後、前記コイルの共振周波数を測定し、所望の共振周波数からの偏差に応じ、前記容量性負荷部の静電容量を調整する工程を有することを特徴としている。
本発明のRFIDタグの製造方法の第8の態様は、前記コンデンサを調整する工程は、前記FPCの一つの面に形成されたくし型状の導体パターンあるいは前記FPCの他の面の前記くし型状の導体パターンと対向する位置に設けられた導体パターンの少なくとも一部分を切除することにより行うことを特徴としている。
上記第5〜第8の態様の製造方法によれば、FPC上の形成された導体パターンを部分的に切除するなど、自在にRFIDタグの特性を調整可能となり、特性バラツキが小さく信頼性の高いRFIDタグを出荷することができる。また、調整作業は、導体パターンの切除など簡単な作業を行えばよいため、効率的にRFIDタグの特性を調整することができる。
本発明のRFIDタグの製造方法の第9の態様は、前記FPCの一つの面には前記2以上の線状導体パターンが形成され、前記FPCの他の面には遮蔽導体パターンが形成され、前記磁性コア材の周囲に前記FPCを巻き付ける工程において、前記FPCの前記線状導体パターンが形成された面が前記磁性コア材に巻き付けられる内側の面となり、前記FPCの遮蔽導体パターンが形成された面が前記磁性コア材に巻き付けられる外側の面となることを特徴としている。
かかる製造方法によれば、FPCをコア材に巻き付け、コイル状アンテナの外側に遮蔽導体パターンを配置するので、RFIDタグの内部に金属板を別途設けることなく、安定な特性を有するRFIDタグを製造することができる。
本発明のRFIDタグの製造方法の第10の態様は、前記遮断導体パターンは前記FPCの前記遮断導体パターンが形成された面の一部に形成され、前記磁性コア材の周囲に前記FPCを巻き付ける工程において、少なくともRFIDタグの取り付け対象物に対向する領域に前記遮蔽導体パターンが配置されるように前記FPCを巻き付けることを特徴としている。
かかる製造方法によれば、FPCをコア材に巻き付け、コイル状アンテナの取り付け対象物との間に遮蔽導体パターンを配置するので、取り付け対象物との間に介在する金属板を別途設けることなく、安定な特性を有するRFIDタグを製造することができる。
本発明のRFIDタグの製造方法の第11の態様は前記螺旋状の電流流路を形成する工程において、前記巻き付けられたFPCを接合することにより前記隣接する線状導体パターンを接続することにより、螺旋状の電流流路を形成する特徴としている。
本発明のRFIDタグの製造方法の第12の態様は、前記巻き付けられたFPCを接合する接合部は、前記磁性コア材の角部付近に配置されることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1実施形態のRFIDタグを表す図である。
図2は、第1実施形態のRFIDタグの送受信部の構造を示す図である。
図3は、第1実施形態において磁性コア材に巻き付ける前の平面状のFPCを示す図である。
図4は、第1実施形態のRFIDタグの送受信部の断面構造図である。
図5は、第1実施形態のRFIDタグのコンデンサ部を表す図である。
図6は、第1実施形態のRFIDタグの線状導体パターンの接続を表す図である。
図7は、第1実施形態のRFIDタグにおけるコンデンサの好適な形態を示す図である。
図8は、図7のコンデンサの部分の拡大図である。
図9は、第2実施形態のRFIDタグの送受信部の構造を表す図である。
図10は、図9に示す送受信部を下側から見た図である。
図11は、第2実施形態において磁性コア材に巻き付ける前の平面状のFPCを示す図である。
図12は、第2実施形態のRFIDタグの送受信部の断面構造図である。
図13は、第2実施形態の第1の変形例において磁性コア材に巻き付ける前の平面状のFPCを示す図である。
図14は、第2実施形態の第1の変形例におけるRFIDタグの送受信部の断面構造図である。
図15は、第2実施形態の第2の変形例において磁性コア材に巻き付ける前の平面状のFPCを示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図8を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るRFIDタグを表した図である。図1において、RFIDタグ1は、ABSなどの樹脂ケース2内に送受信部3を組み込みカード状に形成されている。
図2は、第1実施形態に係るRFIDタグ1の送受信部3の構造を示す図である。送受信部3は、図2に示すように、フェライト、フェライト混練樹脂、アモルファスシートなどの磁性コア材4の周囲にFPC5が巻き付けられた構造を備えている。なお、磁性コア材4としては、外力により割れることの無いようフェライト混練樹脂やアモルファスシートなどの可撓性を有する材料を用いることが望ましい。
FPC5は、例えばPET、PI、PEN、液晶ポリマーなどの樹脂を厚さ30μm程度に形成したものである。FPC5上の一方の面には線状導体パターン6及びコンデンサ9が形成され、線状導体パターン6にはFPC5上にエポキシ系接着剤等により接着されたIC8が接続されている。また、FPC5の他方の面には、両端に位置する線状導体パターン6の端部60、69に接続されたクロスオーバーパターン7が形成されている。
ここで、線状導体パターン6やクロスオーパーバターン7は例えば、銅やアルミのエッチングあるいは銀ペーストによる印刷等により形成される。また、コンデンサ9は、図5に示すようにFPC5を介して上面導体91と下面導体92を対向させて形成し接続導体93、94をIC8に接続して形成される。これらの上面導体91、下面導体92、接続導体93、94は上述した線状導体パターン6等と同様にエッチングや印刷等により形成される。
磁性コア材4に巻き付けられたFPC5は、接合部5´で線状導体パターン6の対応部分(61と61´、62と62´など)が半田付け、超音波溶接などで電気的に接続される。こうして磁性コア材4の周囲に導体を配したコイル状アンテナを含む送受信部3を構成することができる。なお、図3は、磁性コア材4に巻き付ける前の平面状のFPC5を示している。
この際には図4に示すように、磁性コア材4にIC収納凹部8´を予め設けておき、FPCの線状導体パターン6及びIC8が設けられた面を内側に巻き込むのが好ましい。この場合には送受信部3は線状導体パターン6、IC8が露出することなく構成され、搬送中の衝撃など外力から保護できる。さらに、FPC5を巻き付ける際の張力は外側の面が強くなるが、破損しやすいIC端子部は比較的張力の低い内側にあるため巻き付け張力により破損することを防止することができる。
また、FPC5は、図6に示すように線状導体パターン6を、隣接する線状導体パターン6と始端同士あるいは終端同士でダミー接続部10により接続しておいてもよい。この場合にはFPC5を巻き付けて線状導体6の一端と他端をクロスオーバーパターン7を介して接続する以前においても、回路が形成されコイル状アンテナとして機能しうるため、RFIDタグ製造工程の初期においてFPC5単体の状態でもIC8の動作確認や導体抵抗、静電容量の確認など各種の動作確認が可能であり、品質の安定した製造を効率的に行うことが可能である。
なお、ダミー接続部10はFPC5を磁性コア材4に巻き付けた後などの適宜の時点に切除線11で切除することにより、結果的には図2に示すような送受信部3を構成することができる。
上述のように得られた送受信部3は、FPC5を磁性コア材4に巻き付ける際や、線状導体パターン6の対応部分(61と61´、62と62´など)が接続される際にその特性にバラツキを生じる場合がある。かかる場合には図5に示すように、例えば、コンデンサ9の上面導体91にレーザー等を使用して切り込み95を入れ、導体の対向面積を減らして容量を減少させることにより特性を補償することができる。この場合に導体をカッターで切断したり、あるいは剥がすことも可能であるが、レーザーを使用する場合はある程度の幅で切り込み95を入れることができ便利である。
次に、コンデンサ9のさらなる好適な形態を図7、8により説明する。
図7は、RFIDタグ1におけるコンデンサ9の好適な形態を示す図であり、図8は、図7に示すコンデンサ9の部分の拡大図である。コンデンサ9はFPC5の一方の面に形成された複数のくし960を有するくし型状導体パターン96と、FPC5の他方の面に形成された例えばミアンダ状の導体パターン97を有している。くし型状導体パターン96と導体パターン97はFPC5を介して互いにその一部が対向するよう配置されている。なお、例えば線状導体パターン6の裏面に形成されるくし型状導体パターン96はFPC5を貫通する接続部12を介してIC8と並列となるよう線状導体パターン6に接続されている。
FPC5のIC8及び線状導体パターン6を内側にして巻き付ける場合には、巻き付け工程前に導体パターン97の一部を切除して粗調整を行うことができる。この際にダミー接続部10を設けておくことにより、粗調整時にもある程度特性を確認しながら行うことが可能である。また、導体パターン97には粗調整用の切除マーク970を設けておき、例えばRFIDタグ1が金属物品上で使用されるか否かにより切除マーク970より先の部分を切除するか否かを選択するなどすると便利である。
次に、FPC5を磁性コア材4に巻き付け、線状導体パターン6の所定の始端、終端を接続し、ダミー接続部10を切除して送受信部3として構成した後、特性を測定しながらFPC5上外側の面に露出しているコンデンサ9のくし状導体パターン96のくし960を一つずつあるいは複数個ずつ切除しながらコンデンサ9の容量ひいては送受信部3の特性の特性を調整することができる。なお、くし状導体パターン96や導体パターン97の切除はパターンをカッターナイフで切断しFPC5から剥がすなどの簡単な作業で行うことができる。
このように形成された送受信部3は樹脂ケースに組み込まれてRFIDタグ1が完成する。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について、図9〜図15を参照しつつ説明する。第2実施形態においては、RFIDに組み込まれた送受信部の構成が第1実施形態の場合と異なっている。
図9は、第2実施形態に係るRFIDタグ1の送受信部13の構造を示す図である。図9に示す送受信部13は、磁性コア材14の周囲に図2に比べてサイズの大きいFPC15が巻き付けられた構造を備えている。そして、この状態でFPC15には、磁性コア材14に対して内側の面に線状導体パターン16が配置され、外側の面にクロスオーバーパターン17が配置され、線状導体パターン16の端部160、169とクロスオーバーパターン17が接続されている。また、磁性コア材14の角部付近に接合部15´が設けられている。なお、磁性コア材14の材料やFPC15の材料、あるいは各導体パターン形成方法等については、第1実施形態の場合と同様でよい。
一方、図10は、図9に示す送受信部13を下側から見た図である。図10に示すように、磁性コア材14にFPC15を巻き付けた状態で送受信部13の下側には磁性コア材14に対して外側の面に遮蔽導体パターン20が配置されている。この遮蔽導体パターン20は、RFIDタグ1の取り付け対象物である金属物品が接近した際にコイル状アンテナに与える影響を防止するために設けた金属板としての役割を担う。
図9及び図10において、磁性コア材14に巻き付けられたFPC15は、磁性コア材14の角部付近にある接合部15´で、第1実施形態と同様に線状導体パターン16の対応部分が電気的に接続される。なお、接合部15´におけるFPC15の接合には、半田付けや超音波溶接などを用いることができる。
なお、接合部15´が磁性コア材14の角部付近に位置する場合を示したが、これに限らず、遮蔽導体パターン20が配置されない磁性コア材14の上面にて接合してもよい。ただし、磁性コア材14の角部付近でFPC15を接合することにより、RFIDタグ1の製造時にFPC15を磁性コア材14に巻き付けたときに内側に面に配置される線状導体パターン16の接続作業が行いやすくなり、作業性を向上させることができる。
図11は、磁性コア材14に巻き付ける前の平面状のFPC15を示す図であり、一方の面と他方の面の構成を重ねて示している。図11においてFPC15の一方の面には、第1実施形態と同様に、線状導体パターン16及びコンデンサ19が形成され、IC18が接着されて接続される。また、FPC15の他方の面には、第1実施形態と同様のクロスオーバーパターン17に加えて、遮蔽導体パターン20が形成されている。
図11に示すように、FPC15の一方の面に形成された複数の線状導体パターン16は、上述の接合部15´にて電気的に接続したときにコイル状アンテナを構成できる位置関係で構成されている。なお、第1実施形態と同様に線状導体パターン16の始端同士又は終端同士を接続するダミー部を設けてもよい。また、線状導体パターン16の所定箇所には、IC18とコンデンサ19が接続されている。
また、FPC15の他方の面には、図11の右側の領域にクロスオーバーパターン17が形成され、図11の左側の領域に遮蔽導体パターン20が形成されている。この場合、図11の左側の領域にのみ遮蔽導体パターン20が形成されたFPC15を磁性コア材14に巻き付けて接合部15´で接合した場合、図10に示すように、遮蔽導体パターン20を磁性コア材14の下部領域に配置することができる。
後述するように、遮蔽導体パターン20は、図12の形状に限られることなく、多様な形状を持たせて形成することができるが、第2実施形態においては、FPC15において線状導体パターン16が形成された面と異なる面(裏面)に遮蔽導体パターン20を形成する点を特徴としている。上述したように、遮蔽導体パターン20は、外部の取り付け対象物が近接したときにコイル状アンテナが受ける影響を軽減するために設けられるので、コイル状アンテナを構成する線状導体パターン16、クロスオーバーパターン17、IC18、コンデンサ19と遮蔽導体パターン20との間では電気的な接続を持たせないようにする必要がある。
ここで、図12に、図11のFPC15を磁性コア材14に巻き付けた状態の送受信部13の断面構造図を示す。図12においては、中心に磁性コア材14が配置され、その外側にFPC15に形成された線状導体パターン16が配置され、更にその外側にFPC15の樹脂部15aが配置され,また、磁性コア材14の下部領域におけるFPC15に外部には、遮蔽導体パターン20が配置される。この場合、磁性コア材14の周囲には、第1実施形態と同様に線状導体パターン16によって螺旋状の電流流路が形成され、これがコイル状アンテナとして機能する。なお、図12においては、RFIDタグ1の取り付け対象物は、磁性コア材14の下側領域に置かれることを前提とする。
RFIDタグ1を実際に使用する際に上述のような構成されたRFIDタグ1の取り付け対象物である金属物品に取り付けたとき、線状導体パターン16によるコイル状アンテナは、金属物品との間に遮蔽導体パターン20が介在して対向する位置関係が保たれる。よって、金属物品がコイル状アンテナの周波数特性に与える影響を十分に抑えることができる。
一方、線状導体パターン16と遮蔽導体パターン20との間の距離はFPC15の樹脂部15aの厚さにより定まるが、FPC15は、例えば30μm程度の厚さで樹脂部15aが形成されることが一般的である。そして、樹脂部15aは常に一定の厚さを安定に保つことができるので、線状導体パターン16と遮蔽導体パターン20の間隔が変動することに起因する周波数特性の変動を避けることができ、安定な周波数特性を有するコイル状アンテナを構成することができる。
第2実施形態において、FPC15の遮蔽導体パターン20のパターン形状は様々な変更を加えることが可能であり、上述した例に限られず、以下の図13〜図15に示すような様々な変形例がある。図9〜図12に示す例では、FPC15を磁性コア材14に巻き付けたとき、遮蔽導体パターン20が磁性コア材14の下部領域に配置される構成を示したが、第1の変形例は、遮蔽導体パターン20を磁性コア材14の上部領域と下部領域の双方に配置させるような構成を備えている。
第1の変形例における遮蔽導体パターン20の構成を図13及び図14により説明する。図13に示すように、第1の変形例では、FPC15の他方の面に形成される遮蔽導体パターン20の面積を広くしたことが特徴となっている。すなわち、図11の場合は左側の領域にのみ遮蔽導体パターン20が形成されているが、図13の場合は左側と右側を含む領域全体にわたって遮蔽導体パターン20が形成されている。
そして、図14に示すように、図13の遮蔽導体パターン20が形成されたFPC15を磁性コア材14に巻き付けた状態では、磁性コア材14の上部領域と下部領域の双方に遮蔽導体パターン20が配置されることになる。このとき、FPC15の一方の面に形成された線状導体パターン16は、遮蔽導体パターン20によって周囲を取り囲まれる配置になる。
このように、第1の変形例では遮蔽導体パターン20が磁性コア材14と上部及び下部に配置され、金属物品がRFIDタグ1の上下いずれの方向に近接する場合であっても、コイル状アンテナと金属物品の間に遮蔽導体パターン20が介在する位置関係になる。すなわち、第1の変形例によれば、RFIDタグ1の取り付け方向あるいはその反対方向から金属物品が接近する場合であっても、コイル状アンテナの周波数特性に与える影響を軽減できる効果がある。ただし、遮蔽導体パターン20の面積が広くなってコイル状アンテナの間の容量結合が大きくなる結果、RFIDタグ1の共振周波数が下がるので、それを考慮した設計条件を定める必要がある。
次に、第2の変形例における遮蔽導体パターン20の構成を図15により説明する。図15に示すように、第2の変形例では、FPC15の他方の面に形成される遮蔽導体パターン20が、図11の場合と異なった分布をしている。すなわち、図15に示す遮蔽導体パターン20は、線状導体パターン16に対向する領域には遮蔽導体パターン20が形成されず、線状導体パターン16に対向しない周辺部分の領域に遮蔽導体パターン20が形成されている。
上記のように遮蔽導体パターン20を分布させたので、第2の変形例では、FPC15を磁性コア材14に巻き付けたとき、RFIDタグ1の下方に置かれた金属物品とコイル状アンテナが対向する位置関係になり、その側部に遮蔽導体パターン20が配置される状態になる。一方、線状導体パターン16と遮蔽導体パターン20も直接対向しなくなるため、両者の容量結合は小さくなる。従って、外部の金属物品が接近したときのコイル状アンテナの周波数特性に与える影響は、上述の例に比べ若干大きくなるが、ある程度は軽減できるとともに、RFIDタグ1の共振周波数が下がりにくくなる点で大きなメリットがある。
次に、第2実施形態におけるRFIDタグ1の製造工程については、第1実施形態の場合と基本的な流れは共通している。第2実施形態では、FPC15への導体パターンの形成方法と、FPC15の磁性コア材14への巻き付け方法を、図9及び図10の構成に対応させる必要がある。それ以外の点では、線状導体パターン16の切除による粗調整、コンデンサ19の容量の調整などに関して第1実施形態と同様の方法を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、FPCを利用してRFIDタグにコイル状アンテナを構成したので、効率的に製造可能なRFIDタグを提供するとともに、RFIDタグの効率的な製造方法を提供することができる。
また、FPCに遮蔽導体パターンを形成して周波数特性の変動に対する対策を施したので、コスト増加とサイズの大型化を招くことなく良好な周波数特性を保持し得るRFIDタグを提供することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性コア材の周囲に導体を配したコイル状アンテナを備えるRFIDタグであって、
磁性コア材と、前記磁性コア材の周囲に巻き付けられたFPCと、前記FPC上に互いに並列して形成された2以上の線状導体パターンと、前記線状導体パターンに接続され前記FPC上に配置されたICと、互いに並列して形成された前記線状導体パターンのうち最も外側に位置する線状導体パターンの一端と他端を電気的に接続するクロスオーバーパターンとを備え、
前記2以上の線状導体パターンは巻き付けられたFPCの接合部で隣接する線状導体パターンをそれらの始端と終端で電気的に接続したことを特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
少なくとも一つの磁性材を含む磁性コア材と、前記磁性コア材の周囲に螺旋状に導体を配したコイル状アンテナと、ICを備えたRFIDタグにおいて、
互いに並列して形成された2以上の線状導体パターンが一面に形成されたFPCを前記磁性コア材に巻き付け、隣接した前記線状導体パターンを電気的に接続することにより、前記磁性コア材の周囲に螺旋状の電流流路を形成し、且つ前記電流流路の一端と他端を電気的に接続することにより、前記コイル状アンテナとしたことを特徴とするRFIDタグ。
【請求項3】
前記電流流路の一端と他端を電気的に接続するクロスオーバーパターンを、前記FPCの前記線状導体を形成した面とは異なる面に形成したことを特徴とする請求項2に記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記線状導体パターンおよびICは前記磁性コア材に巻き付けられた前記FPCの内側の面に形成されていることを特徴とする請求項1及至3のいずれかに記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記磁性コア材には前記ICを収納できる凹部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のRFIDタグ。
【請求項6】
前記FPC上に形成され、前記ICに接続された容量性負荷部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のRFIDタグ。
【請求項7】
前記容量性負荷部は前記FPCの一つの面に形成されたくし型状の導体パターンと、前記FPCの他の面の前記くし型状の導体パターンと対向する位置に設けられた導体パターンを有することを特徴とする請求項6に記載のRFIDタグ。
【請求項8】
前記磁性コア材に巻き付けられた前記FPCの内側の面には、前記2以上の線状導体パターンが形成され、前記磁性コア材に巻き付けられた前記FPCの外側の面には、前記コイル状アンテナとは電気的に接続されない遮蔽導体パターンが形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のRFIDタグ。
【請求項9】
前記磁性コア材に巻き付けた前記FPCにおいて、少なくともRFIDタグの取り付け対象物に対向する面に前記遮蔽導体パターンが配置されることを特徴とする請求項8に記載のRFIDタグ。
【請求項10】
前記FPCは、前記磁性コア材の角部付近にて接合されていることを特徴とする請求項8に記載のRFIDタグ。
【請求項11】
前記磁性コア材に巻き付けた前記FPCの外側の面に形成された前記遮蔽導体パターンは、前記線状導体パターンと対向しない領域に配置されていることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載のRFIDタグ。
【請求項12】
FPC上に2以上の線状導体パターン及びクロスオーバーパターンを形成する工程と、前記FPC上にICを配置する工程と、磁性コア材の周囲に前記FPCを巻き付ける工程と、隣接する前記線状導体パターンをそれらの始端と終端を電気的に接続する工程を少なくとも有することを特徴とするRFIDタグの製造方法。
【請求項13】
FPCの一面に2以上の線状導体パターンを形成する工程と、前記FPCを前記磁性コア材に巻き付ける工程と、隣接する前記線状パターンを電気的に接続し前記磁性コア材の周囲に螺旋状の電流流路を形成する工程と、前記螺旋状の電流流路の一端と他端を電気的に接続する工程を含むことを特徴とするRFIDタグの製造方法。
【請求項14】
FPCの一面に2以上の線状導体パターンを形成する工程と、前記FPCの前記線状導体パターンが形成された面とは異なる面に前記螺旋状の電流流路の一端と他端を電気的に接続するクロスオーバーパターンを形成する工程と、前記FPCを前記磁性コア材に巻き付ける工程と、隣接する前記線状パターンを電気的に接続し前記磁性コア材の周囲に螺旋状の電流流路を形成する工程と、前記螺旋状の電流流路の一端と他端を電気的に接続する工程を含むことを特徴とするRFIDタグの製造方法。
【請求項15】
前記線状導体パターンは隣接する線状導体パターンと始端あるいは終端で接続されるダミー接続部を有しミアンダ状の電流流路を形成しており、
前記接続する工程以前に動作確認を行う工程と、前記接続する工程以前または以降に前記ダミー接続部を切除する工程をさらに有することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載のRFIDタグの製造方法。
【請求項16】
前記容量性負荷部を前記FPC上に形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載のRFIDタグの製造方法。
【請求項17】
前記容量性負荷部は前記FPCの一つの面に形成されたくし型状の導体パターンと、前記FPCの他の面の前記くし型状の導体パターンと対向する位置に設けられた導体パターンを有することを特徴とする請求項16に記載のRFIDタグの製造方法。
【請求項18】
前記FPCによるコイル形成後、前記コイルの共振周波数を測定し、所望の共振周波数からの偏差に応じ、前記容量性負荷部の静電容量を調整する工程を有することを特徴とする請求項16又は17に記載のRFIDタグの製造方法。
【請求項19】
前記コンデンサを調整する工程は、前記FPCの一つの面に形成されたくし型状の導体パターンあるいは前記FPCの他の面の前記くし型状の導体パターンと対向する位置に設けられた導体パターンの少なくとも一部分を切除することにより行うことを特徴とする請求項18に記載のRFIDタグの製造方法。
【請求項20】
前記FPCの一つの面には前記2以上の線状導体パターンが形成され、前記FPCの他の面には遮蔽導体パターンが形成され、
前記磁性コア材の周囲に前記FPCを巻き付ける工程において、前記FPCの前記線状導体パターンが形成された面が前記磁性コア材に巻き付けられる内側の面となり、前記FPCの遮蔽導体パターンが形成された面が前記磁性コア材に巻き付けられる外側の面となることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載のRFIDタグの製造方法。
【請求項21】
前記遮断導体パターンは前記FPCの前記遮断導体パターンが形成された面の一部に形成され、
前記磁性コア材の周囲に前記FPCを巻き付ける工程において、少なくともRFIDタグの取り付け対象物に対向する領域に前記遮蔽導体パターンが配置されるように前記FPCを巻き付けることを特徴とする請求項20に記載のRFIDタグ。
【請求項22】
前記螺旋状の電流流路を形成する工程において、前記巻き付けられたFPCを接合することにより前記隣接する線状導体パターンを接続することにより、螺旋状の電流流路を形成する特徴とする請求項20又は21に記載のRFIDタグ。
【請求項23】
前記巻き付けられたFPCを接合する接合部は、前記磁性コア材の角部付近に配置されることを特徴とする請求項22記載のRFIDタグの製造方法。

【国際公開番号】WO2004/030148
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【発行日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539592(P2004−539592)
【国際出願番号】PCT/JP2003/012529
【国際出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】