説明

RHO−キナーゼ阻害化合物の調製のためのプロセス

本発明は、一般式III、IV、V、VII、VIII、IX、X、XII、XIV、及びXVの化合物を調製するための実用的な高収率の合成方法を目的とする。このような化合物は、最終生成物として有用であるか、或いは中間体として使用しさらに他の目的とする生成物、例えばRho-キナーゼ阻害剤を調製するために変更することができる。本発明はまた、一定の新規化合物及び/又は一定の化合物の新規固体形態を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にRho結合キナーゼ(ROCK)阻害化合物、これらの塩、及びこれらの中間体の合成に関する。本発明は、(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール、これらの塩、及びこれらの中間体の合成によって説明される。
【背景技術】
【0002】
低分子量GTP結合タンパク質のRhoファミリーは、複数の細胞外刺激、例えば成長因子、ホルモン及び機械的ストレス等、並びに不活性GDP−結合形態及び活性GTP−結合形態間のサイクルによる分子シグナルスイッチとしての機能によって活性化することができ、細胞応答を誘発する。Rho−キナーゼ(ROCK)は、Rhoの重要な下流メディエーターとして機能し、そして遍在的に発現される2つのアイソフォームとして存在する(ROCK 1及びROCK 2)。ROCKは、細胞骨格タンパク質、例えばアデュシン、モエシン、Na−H交換輸送体1(NHE1)、LIM−キナーゼ及びビメンチン、収縮タンパク質、例えば、ミオシン軽鎖ホスファターゼ結合サブユニット(MYPT-1)、CPI−17、ミオシン軽鎖及びカルポニン、微小管結合タンパク質、例えばCRMP−2等のTau及びMAP−2、神経細胞成長円錐結合タンパク質、シグナルタンパク質、例えばPTEN及び転写因子、例えば血清応答因子を含む多数の基質の機能を制御するセリン/トレオニンキナーゼである(Loirand等, Circ Res 98:322-334 (2006))。ROCKはまた、RhoAによって誘発される細胞形質転換に必要である。複数のシグナル経路の主要な中間物として、ROCKは細胞骨格再構成、アクチンストレスファイバー形成、増殖、走化性、細胞質分裂、サイトカイン及びケモカイン分泌、内皮または上皮の細胞間結合の完全性、アポトーシス、転写活性化及び平滑筋収縮を含む多種多様の細胞現象を制御する。これらの細胞作用の結果として、ROCKは生理的なプロセス、例えば、血管収縮、気管支収縮、組織改造、炎症、浮腫、血小板凝集及び増殖性障害等を制御する。
【0003】
ROCK活性の十分に立証された1つの例は、平滑筋収縮におけるものである。平滑筋細胞において、ROCKはカルシウム感作及び平滑筋収縮を介在する。受容体が結合されたGタンパク質に結合するアゴニスト(ノルアドレナリン、アセチルコリン、エンドセリン等)は、細胞質のCa2+濃度及び収縮器のCa2+感受性の両方を増加することにより収縮を生じる。平滑筋制限剤のCa2+感作効果は、ミオシン軽鎖ホスファターゼ(MLCP)の制御サブユニット、ミオシン軽鎖のリン酸化反応及び平滑筋収縮の強化となるMLCPの活性を抑制するMYPT−1のROCKによって介在されるリン酸化反応によるものである(WO 2005/003101A2, WO 2005/034866A2)。
多くの化合物が、ROCK抑制活性を有することが知られている。これらの化合物の一部は製造が容易ではなく、さらに鏡像異性純度を制御する手順が必要かもしれない。シンプルで実用的な合成法のために、高い化学的純度及び鏡像異性純度のROCK阻害化合物を調製する必要である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、一般式III、IV、V、VII、VIII、IX、X、XII、XIV、及びXVの化合物を調製するための実用的で高収率の合成方法を目的とする。例えば、式VIIの化合物を調製するための方法であって、当該方法中、式Iの化合物を式IIIの化合物と反応させ式IVの化合物を供する。式IVの化合物は、(式VIの化合物とさらに反応させ、式VIIの化合物を供することができる式Vのキラル化合物を供するために)化学的に分解することができるか、或いは式IXの化合物を供するためにさらに式VIの化合物と反応させることができる。続いて式IXの化合物は、化学的に分解させ式Xの化合物を供することができる。また、式XIの化合物は式IIの化合物と反応させ、化学的に分解させ式VIIの化合物を供することができる式IXの化合物を供することができる。さらに、式XVIの化合物は、キラル還元剤の存在下で式IIの化合物と反応させ、式XIIの化合物を供することができる。このような化学的分解が化合物の性質に基づき不必要な場合には、この段階を削除し式XIIの化合物を供する方法を提供することができる。このような化合物は最終生成物として有用であるか、或いは中間体として使用することができ、さらに他の目的とする生成物を調製するために加工することができる。例えば、このような化合物はRhoキナーゼ阻害化合物として、またはRhoキナーゼ阻害化合物の製造のための中間体として有用である。
【0005】
本発明はまた、(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩;結晶性固体形態における(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩;(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール L−酒石酸塩;固体形態における(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール L−酒石酸塩;(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩 2−プロパノール溶媒和物;結晶性固体形態における(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩 2−プロパノール溶媒和物;(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン;結晶性固体形態における(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン;(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンコハク酸塩;結晶性固体形態における(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンコハク酸塩;(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンフマル酸塩;結晶性固体形態における(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンフマル酸塩;(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン炭酸塩;結晶性固体形態における(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン炭酸塩;(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸塩;結晶性固体形態における(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸塩;2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸;及び結晶性固体形態における2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸を目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】結晶形態における(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩のX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを示す。
【図2】結晶形態における(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンコハク酸塩のX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを示す。
【図3】結晶形態における(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンフマル酸塩のX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを示す。
【図4】結晶形態における(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸のX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを示す。
【図5】結晶形態における(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩のX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを示す。
【0007】
本発明の詳細な説明
定義
以下の用語は存在する場合、特に他に定めない限り、通常次の通り定義するが、これに限定されない:
ハロ置換基は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選択される。
「アルキル」は、1〜12個の炭素原子、より好適には1〜8個の炭素原子、最も好適には1〜6個の炭素原子を含む、直鎖または分岐の基を意味する。
「アルケニル」は、2〜12個の炭素原子を含み、少なくとも1つの二重結合、または任意に複数の二重結合を含む直鎖または分岐の基を意味する。
「アルキニル」は、2〜12個の炭素原子を含み、少なくとも1つの三重結合、または任意に複数の三重結合を含み、さらに任意に1または複数の二重結合部分を含む、直鎖または分岐の基を意味する。
【0008】
「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、当該アルキル基が上記の通りであり、上記に定義されるような任意に置換されたアルキル基が含まれる。
「アルケノキシ」は、アルケニル−O−基を意味し、当該アルケニル基が上記の通りであり、上記に定義されるような任意に置換されたアルケニル基が含まれる。
「アルキノキシ」は、アルキニル−O−基を意味し、当該アルキニル基が上記の通りであり、上記に定義されるような任意に置換されたアルキニル基が含まれる。
「アリール」は、単環(例えば、フェニル)、または複数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を包含する、6〜14個の炭素原子の不飽和芳香炭素環基を意味する。好適には、アリールはフェニル、ナフチル等を含む。
【0009】
「アリールアルキル」は、好適にはアルキル部分に1〜6個の炭素原子を包含し、並びにアリール部分に6〜10個の炭素原子を包含するアリールアルキル基を意味する。このようなアリールアルキル基は、ベンジル、フェネチル等が例として挙げられる。
「アリールアルケニル」は、好適にはアルケニル部分に2〜6個の炭素原子及びアリール部分に6〜10個の炭素原子を包含するアリールアルケニル基を意味する。
「アリールアルキニル」は、好適にはアルキニル部分に2〜6個の炭素原子を包含し、及びアリール部分に6〜10個の炭素原子を包含するアリールアルキニル基を意味する。
【0010】
「シクロアルキル」は、1〜3個のアルキル基で任意に置換することができる単環または複数の縮合環を包含する3〜12個の炭素原子の環式アルキル基を意味する。このようなシクロアルキル基には、例としては、単環構造、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロオクチル等、または複数の環構造、例えばアダマンチル等が含まれる。
「シクロアルケニル」は、1〜3個のアルキル基で任意に置換することができる、単一のシクロ環または複数の縮合環及び少なくとも1つの内部不飽和部分を包含する、4〜12個の炭素原子のシクロアルケニル基を意味する。好適なシクロアルケニル基の例としては、例えば、シクロブタ−2−エニル、シクロペント−3−エニル、シクロオクト−3−エニル等が含まれる。
【0011】
「シクロアルキルアルキル」は、好適にはアルキル部分に1〜6個の炭素原子、及びシクロアルキル部分に6〜10個の炭素原子を包含するシクロアルキルアルキル基を意味する。このようなシクロアルキルアルキル基は、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルエチル等が例として挙げられる。
「シクロアルキルアルケニル」は、好適にはアルケニル部分に2〜6個の炭素原子、及びシクロアルキル部分に6〜10個の炭素原子を包含するシクロアルキルアルケニル基を意味する。このようなシクロアルキルアルケニル基は、シクロヘキシルエテニル等が例として挙げられる。
【0012】
「シクロアルキルアルキニル」は、好適にはアルキニル部分に2〜6個の炭素原子、及びシクロアルキル部分に6〜10個の炭素原子を包含するシクロアルキルアルキニル基を意味する。このようなシクロアルキルアルキニル基は、シクロプロピルエチニル等が例として挙げられる。
「ヘテロアリール」は、1〜10個の炭素原子、及び環内に酸素、窒素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を包含する一価の芳香族ヘテロシクロ基を意味する。このようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)或いは複数の縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有することができる。
【0013】
「ヘテロアリールアルキル」は、好適にはアルキル部分に1〜6個の炭素原子、及びヘテロアリール部分に6〜10個の原子を包含するヘテロアリールアルキル基を意味する。このようなヘテロアリールアルキル基は、ピリジルメチル等が例として挙げられる。
「ヘテロアリールアルケニル」は、好適にはアルケニル部分に2〜6個の炭素原子、及びヘテロアリール部分に6〜10個の原子を包含するヘテロアリールアルケニル基を意味する。
【0014】
「ヘテロアリールアルキニル」は、好適にはアルキニル部分に2〜6個の炭素原子、及びヘテロアリール部分に6〜10個の原子を包含するヘテロアリールアルキニル基を意味する。
「ヘテロ環」は、環内に1〜8個の炭素原子、及び窒素、硫黄または酸素から選択される1〜4個のヘテロ原子を包含する、単環または複数の縮合環を有する飽和または不飽和基を意味する。このようなヘテロシクロ基は、単環(例えば、ピペリジニルまたはテトラヒドロフリル)或いは複数の縮合環(例えば、インドリニル、ジヒドロベンゾフランまたはキヌクリジニル)を包含することができる。
【0015】
「ヘテロ環アルキル」は、好適にはアルキル部分に1〜6個の炭素原子、及びヘテロ環部分に6〜10個の原子を包含するヘテロ環アルキル基を意味する。このようなヘテロ環アルキル基は、モルホリノエチル、ピロリジニルメチル等が例として挙げられる。
「ヘテロ環アルケニル」は、好適にはアルケニル部分に2〜6個の炭素原子、及びヘテロ環部分に6〜10個の原子を包含するヘテロ環アルケニル基を意味する。
【0016】
「ヘテロ環アルキニル」は、好適にはアルキニル部分に2〜6個の炭素原子、及びヘテロ環部分に6〜10個の原子を包含するヘテロ環アルキニル基を意味する。
ヘテロ環及びヘテロアリールの例としては、フラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、インドリン等が含まれるがこれに限定されない。
【0017】
特に他に定めない限り、前記の基において水素で占められる位置は、例として以下に挙げる置換基でさらに置換することができるが、これに限定されない:ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、トリフルオロメチル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオ、アルキルチオ、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド、置換カルボキシアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルアミノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アミジノ、アミドキシモ(amidoximo)、ヒドロキサモイル(hydroxamoyl)、ウレイド、置換ウレイド、フェニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ピリジル、イミダゾリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、ヘテロ環、(ヘテロ環)オキシ、及び(ヘテロ環)アルキル;そして好適にはヘテロ原子は、酸素、窒素、及び硫黄である。開放原子価がこれらの置換基上に存在する場合、これらはさらにアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロ環基で置換することができ、これらの開放原子価が炭素上に存在する場合、これらはハロゲン及び酸素、窒素、または硫黄結合した置換基でさらに置換することができ、並びに複数のこのような開放原子価が存在する場合、これらの基は、結合の直接的な形成、或いは新たなヘテロ原子、好適には酸素、窒素、または硫黄への結合を形成することによって結合し環を形成することができる、と理解される。さらに、水素を置換基と置換することが、容認できない不安定性を本発明の分子に取り込むことにならない、或いは化学的に適切である場合には、上記の置換は可能であるものと理解される。
【0018】
用語「ヘテロ原子含有置換基」は、少なくとも1つの非ハロゲンヘテロ原子を含む置換基を意味する。このような置換基の例としては、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオ、アルキルチオ、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド、置換カルボキシアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルアミノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アミジノ、アミドキシモ、ヒドロキサモイル、ウレイド、置換ウレイド、アリールオキシ、ピリジル、イミダゾリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルオキシ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、ヘテロ環、(ヘテロ環)オキシ、及び(ヘテロ環)アルキルが含まれるが、これに限定されず;そして好適には、ヘテロ原子は酸素、窒素、及び硫黄である。開放原子価がこれらの置換基上に存在する場合には、これらはさらにアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及び/又はヘテロ環基で置換することができ、これらの開放原子価は炭素上に存在する場合、これらはさらにハロゲン及び酸素、窒素、または硫黄結合された置換基で置換することができ、並びに複数のこのような開放原子価が存在する場合、これらの基は結合の直接的な形成、或いは新たなヘテロ原子、好適には酸素、窒素、または硫黄への結合の形成によって結合し環を形成することができる、と理解される。さらに、水素を置換基と置換することが、容認できない不安定性を本発明の分子に導入することにならず、むしろ化学的に適切である場合には、上記の置換は可能であるものと理解される。
【0019】
「鏡像異性体」は、互いに鏡像であり重ねることができない立体異性体である。
「ジアステレオマー」は、立体異性体(同一の構成であるが三次元構造が相違する異性体)であり、互いに鏡像関係を有していない。
「キラル化合物」は、鏡像と重ねることができない化合物である。
「キラル分割剤」は、ラセミまたは部分的に鏡像異性的に濃縮された塩基若しくは酸と反応し対のジアステレオマー塩を形成することができる、任意に濃縮されたキラル酸またはキラル塩基であり、物理化学における従来技術、例えば濾過または遠心分離によって分離することができる。キラル分割剤の適当な鏡像異性体を選択することによって、一方の基質の鏡像異性体を対応するジアステレオマー塩として分離することができる。
【0020】
「医薬として許容される塩」は、目的とする親化合物の生物活性を保持する塩であり、目的としない毒性効果を与えない。医薬として許容される塩形態には、様々な多形並びに酸または塩基の付加に由来し相違する塩の非結晶形態が含まれる。酸付加塩は、無機または有機酸で形成することができる。このような酸の説明に役立つ非制限的な例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、ナフトエ酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、乳酸、酒石酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、及びエタンスルホン酸が含まれる。医薬として許容される塩基付加塩は、金属または有機対イオンと形成することができ、そしてアルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム等;アルカリ土類金属塩、例えばマグネシウムまたはカルシウム等;並びにアンモニウム塩またはテトラアルキルアンモニウム塩、すなわち、NX+(式中、XはC1-4である)が含まれるがこれに限定されない。
【0021】
「互変異性体」は、互変異性形態と呼ばれる1または複数の形態で存在することができる化合物であり、隣接する二重結合の位置での転位によって生じる化合物において、1または複数の水素原子の転位によって相互転換することができる。これらの互変異性形態は互いに平衡状態にあり、そしてこの平衡点は化合物の物理的状態の本質によって決定されるであろう。互変異性形態が存在し得る場合、本発明は存在し得る全ての互変異性形態に関する、と理解される。
【0022】
「溶媒和物」は、化合物がある固定的比率で医薬として許容される共溶媒と結合された付加錯化合物である。共溶媒には、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、キシレン(複数)、エチレングリコール、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ピリジン、ジオキサン、及びジエチルエーテルが含まれるがこれに限定されない。水和物は共溶媒が水である溶媒和物である。式I〜XVIの化合物の定義には、考えられる任意の比率の全ての水和物及び溶媒和物が含まれ、これらは規定の活性を有する、と理解することができる。
【0023】
本発明者は、最終生成物となりうる、または中間体として使用可能である、ならびに他の目的とする生成物のために改変することができる、一般式III、IV、V、VII、VIII、IX、X、XII、XIV、及びXVの化合物の調製のための複数の新規の方法を予想外に発見した。
【0024】
式VIIの化合物の調製方法
スキーム1は、式VIIの化合物のための一般的な合成を供する。当該方法は:
(段階1)ヘテロシクロケトン(式I)、5−イソキノリニルアミン(式II)、pKa<5を有する(好適には0〜2のpKaを有する)酸を、還元剤と反応させ、式IIIの化合物を形成すること;
(段階2)式IIIの化合物を酸性キラル分割剤と反応させ、ジアステレオマー塩(式IV)を形成すること;
(段階3)ジアステレオマー塩を塩基性水溶液と反応させ、酸性キラル分割剤を除去し式IVの化合物の遊離塩基を得て、そして式IVの化合物の遊離塩基を脱保護条件下で反応させ式Vの化合物を形成すること;並びに
(段階4)式Vの化合物を式VIの化合物と反応させ、式VIIの化合物を形成すること、
を含んでなる。
【0025】
【化1】

【0026】
式I及びIIの化合物からの式IIIの化合物の調製(段階1)
本発明は、式Iの化合物及び式IIの化合物の混合物を還元剤及びpKa<5を有する(好適にはpKaが0〜2である)酸と反応させることによる、式IIIの化合物の調製のための方法を目的とする;
【化2】

[式中、Pgは、環窒素原子上の保護基であり;典型的なN保護基にはアリル、ベンジル(Bn)、4−メトキシベンジル(PMB)、2,4−ジメトキシベンジル、アセチル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、ホルミル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、9−フルオレニルメチルカルバモイル(Fmoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバモイル(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバモイル(Teoc)、アリルカルバモイル(Alloc)、t−ブチルカルバモイル(Boc)、ベンジルカルバモイル(Cbz)、及びp−メトキシベンジルカルバモイル;好適にはN保護基は、ベンジル(Bn)、t−ブチルカルバモイル(Boc)、及びベンジルカルバモイル(Cbz)が含まれるがこれに限定されず;
は、1または2であり;
は、1、2または3であり;
が2の場合には、nは2または3であり;そして
、R、R、R、R、及びRは、それぞれ水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケノキシ、またはアルキノキシであり;好適にはHである。]
【0027】
混合物Aの調製:式Iの化合物(例えば、1-Boc-3-ピロリジノン)、式IIの化合物(例えば、5-アミノイソキノリン)、適当な溶媒系、及び適当な酸を容器へ入れる。添加の順序は、便宜的に、または方法化学の当業者に周知の他の方法の問題によっては、強制的に決定され得る。しかしながら、式Iの化合物を最後に入れるのが好適である。式Iの化合物の量は典型的には、式IIの化合物のモル当量に基づき、好適には1.0〜5.0モル当量、より好適には1.2〜1.5モル当量である。代表的な酸は、非水性の無機及び有機酸である。好適な酸は、pKa<5を有する非水性の無機及び有機酸である。より好適な酸は、0〜2のpKaを有する非水性の無機及び有機酸であり、例えばトリフルオロ酢酸及びジクロロ酢酸等である。酸の量は、0〜2のpKaを有する酸を使用する場合、典型的には式IIの化合物のモル当量に基づき、好適には1.0〜20モル当量、より好適には3.0〜6.0モル当量である。混合物Aはケトン及びアルデヒドを除いた様々な有機溶媒中で調製することができるが;好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、アニソール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル(ACN)、及び酢酸である。より好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、及び1,2−ジクロロエタンである。
【0028】
混合物Bの調製:還元剤及び適当な溶媒系を反応容器へ入れる。他の添加するものは、便宜的に、または方法化学の当業者に周知の他の方法の問題によっては、強制的に決定され得る。適当な還元剤には、アルキルボラン及びアルキルボラン複合体、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素リチウム、トリエチル水素化ホウ素リチウム、トリエチル水素化ホウ素ナトリウム、トリ−sec−ブチル水素化ホウ素リチウム、トリ−sec−ブチル水素化ホウ素カリウム、水素化リチウムアルミニウム、アラン、水素化ジ−イソ−ブチルアルミニウム、トリフェニル水素化ホウ素カリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリメチルシラン、水素、及びトランスファー還元剤(transfer reducing agent)が含まれるがこれに限定されない。好適な還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムである。より好適には還元剤は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである。還元剤の量は、典型的には式IIの化合物のモル当量に基づき、好適には1.0〜3.0モル当量、より好適には1.2〜2.0モル当量である。混合物Bはケトン及びアルデヒドを除いた様々な有機溶媒中で調製することができるが;好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、アニソール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル(ACN)、及び酢酸である。より好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、及び1,2−ジクロロエタンである。
【0029】
一方の混合物を他方へ添加することができるが、混合物Aを混合物Bへ添加することが好適である。式IIIの化合物の形成は、好適には−20〜50℃で実施する。より好適な反応温度の範囲は、15〜40℃である。反応は、HPLC、GCまたはTLCで測定することができる。出発溶媒及び温度に応じて、反応は通常1〜12時間で完了する。反応は、塩基性水溶液の添加によって停止することができる。これらの塩基には無機塩基、例えば炭酸ナトリウム、リチウム、及びカリウム;重炭酸ナトリウム、リチウム、及びカリウム;並びに水酸化ナトリウム、リチウム及びカリウムが含まれるがこれに限定されない。水酸化ナトリウムまたはカリウム水溶液が好適である。得られる停止された反応のpHは、好適には12以上である。有機層は、好適にはより塩基性の水溶液で、続いて水で洗浄する。洗浄は好適には温度を20〜60℃に保持して実施する。さらに反応は、共溶媒による希釈で任意に停止することができ;共溶媒は酢酸イソプロピル、トルエン、またはメチルtert−ブチルエーテルが好適である。好適には有機相の濾過または遠心分離によって式IIIの化合物を分離する。生成物は、好適には範囲30〜60℃の温度で、好適には真空下で一定重量まで乾燥させる。
【0030】
本発明者は、ヘテロシクロケトン(式I)を大過剰に使用せずに式IIIの化合物を調製することができる上記の新規の方法を予想外に発見した。以前の方法は5−イソキノリニルアミン(式II)の全消費を達成するために大過剰(1.5〜3モル当量)のケトンの使用に依存しており、これにより材料のコストが増加するだけでなく、精製の困難性を増大させる。今回請求される方法では、1.0〜1.5(好適には1.2)モル当量のヘテロシクロケトン(式I)で5−イソキノリニルアミン(式II)の > 98%の転換率を有して)、>80%の収率で式IIIの生成物を提供する。
【0031】
式IIIの化合物(段階 2)からの式IVの化合物の調製
本発明は、式IIIの化合物を酸性キラル分割剤または一群の酸性キラル分割剤と反応させることによってジアステレオマー塩(式IV)を調製するための方法を目的とする;
【化3】

[式中、Pg、R〜R、n及びnは上記と同様である]。
【0032】
キラル分割段階は、当該出願の主要発明の1つである。一般的に、相違する鏡像異性体は、通常相違する生物活性を有する。相違する鏡像異性体が相違する生物活性を有し得るので、最終化合物のキラル純度を制御することは重要である。本発明は、目的とする純度の(R)−または(S)−鏡像異性体の最終化合物を産生することができる方法を提供する。
本発明者は、式IIIの化合物の2つのジアステレオマー塩の間の溶解度の相違を酸性キラル分割剤を用いて予想外に発見し、これにより式IVの化合物をジアステレオマー的に純粋な形態で調製することができる。以下の方法は、式IIIの化合物の(R)−または(S)−鏡像異性体のジアステレオマー塩をキラル分割剤の2つの対となる鏡像異性体の中の1つを反応で使用することにより、ジアステレオマー的に純粋な形態で産生することができる。
【0033】
キラル分割: 式IIIの化合物(例えば、tert-ブチル3-(イソキノリン-5-イルアミノ)ピロリジン-1-カルボキシラート)、酸性キラル分割剤(またはキラル分割剤の一群)及び適当な溶媒系を反応容器へ入れる。本発明に有用な酸性キラル分割剤には、酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、ジベンゾイル−酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、ジ-p-トルオイル−酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、カンファー−10−スルホン酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、及びマンデル酸の(R)−または(S)−鏡像異性体が含まれる。ジベンゾイル−酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体が好適である。添加の順序は、便宜的に、または方法化学の当業者に周知の他の方法の問題によっては、強制的に決定され得る。適当な溶媒には、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、フラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコール、アニソール、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−、2−、または3−ペンタノール、ネオ−ペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、グリセロール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、アセトン、N,N−ジメチルプロピオン酸アミド、及びヘキサメチルホスホラミドが含まれるがこれに限定されない。好適な溶媒はアルコール性溶媒及び0〜25%の水を有するアルコール性溶媒の混合物である。代表的な酸性キラル分割剤には、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、2−ピロリドン−5−カルボン酸、グルタミン酸、オルニチン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、N−アセチルグルタミン酸、キナ酸、N−アセチルメチオニン、マンデル酸、ジアセチル−酒石酸、ジベンゾイル−酒石酸、ジ−p−トルオイル−酒石酸、N−アセチルロイシン、1−フェニルエタンスルホン酸、2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸、N−アセチル−3,5−ジブロモチロシン、2’,4’−ジクロロタートラニル酸、4’−クロロタートラニル酸、2’−ニトロタートラニル酸、1−フェニルコハク酸、N−ベンゾイルアラニン、3−ブロモカンファー−8−スルホン酸、シス−ショウノウ酸、メンチル硫酸、カンファー−10−スルホン酸、N−アセチルフェニルアラニン、N−アセチルチロシン、N−ベンゾイルトレオニン、N−カルボベンゾキシアラニン、N−p−トルエンスルホニルアスパラギン酸、ヒドロキシメチレンカンファー、N−p−トルエンスルホニルグルタミン酸、2,2:4,6−ジ−O−イソプロピリジン−2−ケト−グロン酸水和物、メントキシ酢酸、N−アセチルトリプトファン、4,4’,6,6’−テトラニトロジフェン酸、N−カルボベンゾキシフェニルアラニン、ベンジルペニシリン酸、メンチル水素フタラート(menthyl hydrogen phthalate)、メンチル水素スクシナート(menthyl hydrogen succinate)、及び1,1’−ビナフチル−2,2’−リン酸、の両鏡像異性体が含まれるがこれに限定されない。好適な酸性キラル分割剤は、酒石酸、ジベンゾイル−酒石酸、カンファー−10−スルホン酸、ジ−p−トルオイル−酒石酸、マンデル酸、3−ブロモカンファー−8−スルホン酸、N−アセチルロイシン、及びリンゴ酸の両鏡像異性体である。より好適な酸性キラル分割剤は、酒石酸、ジベンゾイル−酒石酸、カンファー−10−スルホン酸、ジ−p−トルオイル−酒石酸、及びマンデル酸の両鏡像異性体である。酸性キラル分割剤(複数)の量は、典型的には式IIIの化合物のモル当量に基づき、好適には0.50〜1.20モル当量、より好適には0.6〜0.90モル当量である。溶媒の量は好適には、式IIIの化合物の重量の10〜40倍以上である。固体の溶解は、熱によって促進することができる。結晶化は、典型的には冷却によって促進される。式IVの化合物は、好適には懸濁液の濾過または遠心分離によって分離される。式IVの分割の未精製の生成物は、さらに再結晶化によって鏡像異性的に濃縮することができる。
【0034】
再結晶化:未精製の式IVの化合物(例えば、(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩)及び適当な溶媒系を反応容器へ取り込む。添加の順序は、便宜的に、または方法化学の当業者に周知の他の方法の問題によっては、強制的に決定され得る。適当な溶媒には、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、フラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコール、アニソール、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−、2−、または3−ペンタノール、ネオ−ペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、グリセロール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、アセトン、N,N−ジメチルプロピオン酸アミド、及びヘキサメチルホスホラミドが含まれるがこれに限定されない。好適な溶媒は、アルコール性溶媒及びアルコール性溶媒の0〜25%の水との混合物である。溶媒の量は、好適には未精製の式IVの化合物の質量の5〜20倍以上である。固体の溶解は、熱によって促進することができる。結晶化は、好適には冷却によって促進される。式IVの化合物の生成物は、好適には懸濁液の濾過または遠心分離によって分離される。生成物は、好適には範囲30〜60℃の温度で一定重量まで、好適には真空下で乾燥される。
【0035】
式IVの化合物からの式Vの化合物の調製(段階3)
本発明は、(a)式IVの化合物の遊離塩基を得るための酸性キラル分割剤を除去するために、式IVの化合物を塩基性水溶液と反応させること、及び(b)保護基の選択に適当な脱保護条件下で保護基を除去するために、式IVの化合物の遊離塩基を反応させることによって、式Vの化合物を調製するための方法を目的とする;
【化4】

[式中、Pg、R〜R、n及びnは、上記と同様である]。
【0036】
式IVの化合物の遊離塩基の調製:式IVの化合物(例えば、(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩)及び適当な溶媒系を反応容器に取り込む。添加の順序は、便宜的に、または方法化学の当業者に周知の他の方法の問題によっては、強制的に決定され得る。適当な溶媒には、水と混合しない不活性有機溶媒が含まれるがこれに限定されない。好適な溶媒は、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソブチル酢酸、tert-ブチル酢酸、メチルtert-ブチルエーテル、及びアニソールである。より好適な溶媒は、酢酸イソプロピル及び2−メチルテトラヒドロフランである。スラリーは、酸性キラル分割剤(例えば、ジベンゾイル−D−酒石酸)を除去するために、外気温(例えば、20〜30℃)で塩基性水溶液で洗浄する。これらの塩基には、無機塩基、例えば炭酸ナトリウム、リチウム、及びカリウム;並びに水酸化ナトリウム、リチウム及びカリウムが含まれるがこれに限定されない。水酸化ナトリウムまたはカリウム水溶液が好適である。
【0037】
式Vの化合物の調製:式Vの化合物(例えば、(R)-N-(ピロリジン-3-イル)イソキノリン-5-アミン)は、保護基の選択に適当な脱保護条件下で、先行の手順からの式IVの化合物の遊離塩基(例えば、(R)-tert-ブチル3-(イソキノリン-5-イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラート)の溶液を反応させることにより産生される。例えば、Pgがt-ブチルカルバモイル(Boc)の場合には、保護基は酸で処理することによって除去することができる。適当な酸には、プロトン供与体または電子対受容体(ルイス酸)が含まれる。適当なプロトン供与体は、pKaが約2またはそれ未満の有機酸及び無機酸である。適当な有機酸には、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、及びp−トルエンスルホン酸が含まれる。適当な無機酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸が含まれる。適当なルイス酸には、三フッ化ホウ素、ボロントリクロリド、塩化亜鉛、塩化スズ、アルミニウムトリクロリド、及びジメチルブロモボランが含まれる。好適な酸は、塩酸である。酸の量は、典型的には式IVの化合物のモル当量に基づき、好適には2〜10モル当量、より好適には3〜5モル当量である。式Vの化合物の形成は、好適には20〜60℃で実施され、典型的には1〜48時間以内に完了する。反応は、好適にはHPLCで測定する。反応は、塩基性水溶液の添加によって停止することができる。これらの塩基には、無機塩基、例えば炭酸ナトリウム、リチウム、及びカリウム;並びに水酸化ナトリウム、リチウム及びカリウムが含まれるがこれに限定されない。水酸化ナトリウムまたはカリウム水溶液が好適である。得られる水相のpHは、好適には12以上である。有機及び水相を分離し、水層は、好適にはさらに有機溶媒で抽出した。式Vの化合物の併用された有機溶液は、好適には蒸留により共沸して乾燥させる。式Vの化合物の生成物または医薬として許容されるこの塩は、好適には懸濁液の濾過または遠心分離によって分離される。生成物は、好適には範囲30〜60℃の温度で一定重量まで、好適には真空下で乾燥される。
他の実施例では、Pgがベンジル(Bn)またはベンジルカルバモイル(Cbz)の場合には、脱保護は水素化分解条件下で達成することができる。
保護基を除去する手順は当業者に周知であり、任意の適当な手順をここに適用することができる。
【0038】
式V及び式VIの化合物からの式VIIの化合物の調製(段階4)
本発明は、式Vの化合物を式VIの化合物と結合させることによって、例えば、還元的アミノ化またはアルキル化を介して、式VIIの化合物を調製するための方法を目的とする;
【化5】

[式中、R〜R、n及びnは、上記と同様であり;
Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、例えばフェニル等であり;
Xは、A上の0〜5個の置換基である。置換基としてのXは、7及び8ページの定義に従って定義され;
Qは、(CH2n3であり、n3は、0、1または2であり;
Lは、置換基X−A−Qの導入に適当な官能基であり;好適にはLは、CHO、クロロ、ブロモ、ヨード、またはO−SO−R(置換スルホン酸)(式中、Rは、メチル、エチル、CF3、p−トルイル、フェニル、またはp−ニトロフェニルである)である]。
一実施形態では、Q−Lは、アルデヒド((CHn3CHO)、好適なn3は、0または1である。式VIIの化合物は、還元的アミノ化を介して式Vの化合物及び式VIの化合物から調製される。
【0039】
還元的アミノ化
混合物Cの調製:式Vの化合物(例えば、(R)−N−(ピロリジン−3-イル)イソキノリン-5-アミン)、式VIの化合物、及び適当な溶媒系を、容器に取り込む。添加の順序は、便宜的に、または方法化学の当業者に周知の他の方法の問題によっては、強制的に決定され得る。式VIの化合物の量は、典型的には式Vの化合物のモル当量に基づき、好適には0.7〜1.3モル当量、より好適には1.0〜1.1モル当量である。混合物Cは、ケトン及びアルデヒドを除いた様々な有機溶媒中で調製することができる;好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、アニソール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びアセトニトリル(ACN)である。より好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、及び1,2−ジクロロエタンである。
【0040】
混合物Dの調製:還元剤及び適当な溶媒系を反応容器に入れる。添加の順序は、便宜的に、または方法化学の当業者に周知の他の方法の問題によっては、強制的に決定され得る。適当な還元剤には、アルキルボラン及びアルキルボラン複合体、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素リチウム、トリエチル水素化ホウ素リチウム、トリエチル水素化ホウ素ナトリウム、トリ−sec−ブチル水素化ホウ素リチウム、トリ−sec−ブチル水素化ホウ素カリウム、水素化リチウムアルミニウム、アラン、水素化ジ−イソ−ブチルアルミニウム、トリフェニル水素化ホウ素カリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリメチルシラン、水素、及びトランスファー還元剤が含まれるがこれに限定されない。好適な還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムである。より好適な還元剤は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである。還元剤の量は、典型的には式Vの化合物のモル当量に基づき、好適には1.0〜3.0モル当量、より好適には1.2〜2.0モル当量である。ケトン及びアルデヒドを除いた様々な有機溶媒中で混合物Dを調製することができるが;好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、アニソール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びアセトニトリル(ACN)である。より好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、及び1,2−ジクロロエタンである。
【0041】
一方の混合物を他方へ添加することができるが、混合物Cを混合物Dへ添加することが好適である。式VIIの遊離塩基化合物の形成は、好適には−20〜50℃で実施される。より好適な反応温度の範囲は、15〜35℃である。反応はHPLCで測定することができる。出発溶媒及び温度に従って、反応は通常1〜12時間で完了する。反応は、塩基性水溶液の添加によって停止することができる。これらの塩基には、無機塩基、例えば炭酸ナトリウム、リチウム、及びカリウム;重炭酸ナトリウム、リチウム、及びカリウム;並びに水酸化ナトリウム、リチウム及びカリウムが含まれるがこれに限定されない。炭酸ナトリウムまたはカリウム水溶液が好適である。得られる停止された反応のpHは、好適には9〜14である。反応溶媒が水と混和する場合、混合しない有機溶媒、例えばメチルtert−ブチルエーテルは、式VIIの生成物を遊離塩基として抽出するために添加することができる。停止は好適には外気温(例えば、20〜30℃)で実施される。有機層は好適には水で洗浄される。式VIIの化合物の生成物、または医薬として許容される塩は、好適には懸濁液の濾過または遠心分離によって分離される。生成物は、好適には範囲30〜60℃の温度で一定重量まで、好適には真空下で乾燥される。
他の実施形態では、Q−Lは(CHn3Lであり、好適なnは1または2であり、好適なLは、クロロ、ブロモ、ヨード、またはO−SO−R(置換スルホン酸)[式中、Rは、メチル、エチル、CF、p−トリル、フェニル、及びp−ニトロフェニルである]である。式VIIの化合物は、アルキル化反応を介して式Vの化合物及び式VIの化合物から調製される。
【0042】
アルキル化
式Vの化合物、式VIの化合物、塩基、及び適当な溶媒系を反応容器へ入れる。添加の順序は、便宜的に、または方法化学の当業者に周知の他の方法の問題によっては、強制的に決定され得る。式VIの化合物の量は、典型的には式Vの化合物のモル当量に基づき、好適には1.0〜2.0モル当量、より好適には1.2〜1.5モル当量である。適当な塩基には、無機塩基、例えば水素化ナトリウム及びカリウム;炭酸ナトリウム、リチウム、カリウム、及びセシウム;並びに水酸化ナトリウム、リチウム及びカリウム;並びに有機塩基、例えばトリアルキルアミン等が含まれるがこれに限定されない。塩基の量は、典型的には式Vの化合物のモル当量に基づき、好適には1.0〜5.0モル当量、より好適には1.5〜2.0モル当量である。反応は、不活性有機溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジイソプロピルエーテル、アニソール、アセトニトリル(ACN)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルプロピオン酸アミド、及びヘキサメチルホスホラミドで実施することができる。好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びN−メチルピロリジノンである。溶媒の量は、好適には式Vの化合物の質量の4〜20倍以上である。式VIIの化合物の形成は、0〜80℃で実施される。好適な反応温度は、20〜40℃である。反応は、好適にはHPLCによって測定される。反応は、好適には外気温度(例えば、20〜30℃)まで冷却され、水と混合しない不活性有機溶媒で希釈される。混合物は、好適には水で洗浄される。続いて式VIIの化合物の溶液は、好適には共沸して乾燥される。式VIIの化合物の生成物、または医薬として許容される塩は、好適には懸濁液の濾過または遠心分離によって分離される。生成物は好適には、範囲30〜60℃の温度で一定重量まで真空下で乾燥される。
【0043】
場合によっては、式VI上の一定の反応性の官能基の保護は、上記の転換を達成するためには必要である。一般的に、このような保護基に関する必要性、並びに式VIIの化合物からこのような基を除去するために必要な条件は、有機合成の当業者には明らかとなるであろう。
【0044】
スキーム1に説明する段階の順序は変更可能である。或いは、スキーム2で説明するように、ラセミとしての式VIIの化合物または部分的に鏡像異性的に濃縮された混合物(式IX)は、まず一連の還元的アミノ化(段階1)、脱保護(段階2)、及び式VIの化合物との結合(段階3)を通じて調製することができる。次に、ラセミまたは部分的に鏡像異性的に濃縮された混合物(式IX)を、目的とする立体化学を有するジアステレオマー塩(式X)を形成する(段階4)ために、キラル分割条件に供する。塩基性水溶液での洗浄により酸性分割剤を除去することによって、鏡像異性的に濃縮された式VIIの化合物を調製することができる(段階5)。
【0045】
【化6】

【0046】
また、スキーム3で説明するように、ラセミまたは部分的に鏡像異性的に濃縮された式VIIの化合物の混合物(式IX)は、還元的アミノ化条件(段階1)を使用しながら、式XIの化合物及び式IIの化合物から直接調製することができる。続いて、ラセミまたは部分的に鏡像異性的に濃縮された混合物(式VIII)を、目的とする立体化学を有するジアステレオマー塩(式X)を形成するためにキラル分割条件に供する(段階2)。鏡像異性的に濃縮された式VIIの化合物は、塩基性水溶液での洗浄による酸性分割剤を除去することによって調製することができる(段階3)。
【0047】
【化7】

【0048】
本発明はまた、式XII;
【化8】

[式中、R〜R、Pg、A、X、Q、及びQ−Lが、上記と同様であり;
が2なら、nは1であり;そして
が3なら、nは2である。]
の化合物を調製するための方法を目的とする。
スキーム4は、N含有ヘテロ環が対称的である式XIIの化合物の調製の方法を記載する。式XIIの化合物は、一連の還元的アミノ化(段階1)、脱保護(段階2)、及び式VIの化合物との結合(段階3)を介して調製することができる。また、式XIIの化合物はまた、式XVIの化合物及び式IIの化合物から、還元的アミノ化反応を通して調製することができる。
【0049】
【化9】

【0050】
スキーム5は、(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール、または塩化水素、L−酒石酸、及び2,5−ジヒドロキシ安息香酸を有するその塩の調製に関してスキーム1の特定の実施例を提供する。
【0051】
【化10】

スキーム1〜5は、本発明の実例を意味し、これらに限定するものではない。本発明に包含される化合物を生成するために、出発原料は変更することができ更なる段階を利用することができる、ということを当業者は認識するであろう。場合によっては、ある反応性官能基の保護は上記の転換の一部の達成に必要かもしれない。一般的に、このような保護基に関する必要性並びにこのような基の付加及び除去に必要な条件は、有機合成の当業者に明らかとなるであろう。
【0052】
新規化合物
本発明は、(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩を、好適には結晶性固体(式VIIの化合物)として提供する。
【0053】
【化11】

【0054】
本発明はまた、(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノールL−酒石酸塩を、好適には固体(式VIIの化合物)として提供する。
【0055】
【化12】

【0056】
本発明はまた、(R)−tert−ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩2−プロパノール溶媒和物を、好適には結晶性固体(式IVの化合物)として提供する。
【0057】
【化13】

【0058】
本発明はまた、(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンを、好適には結晶性固体(式Vの化合物)として提供する。
【0059】
【化14】

【0060】
本発明はまた、(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンコハク酸塩を、好適には結晶性固体(式Vの化合物)として提供する。
【化15】

本発明はまた、(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンフマル酸塩を、好適には結晶性固体として(式Vの化合物)として提供する。
【0061】
【化16】

【0062】
本発明はまた、(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン炭酸塩を、好適には結晶性固体(式Vの化合物)として提供する。
【0063】
【化17】

【0064】
本発明はまた、(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸塩を、好適には結晶性固体(式VIIの化合物)として提供する。
【0065】
【化18】

【0066】
本発明はまた、2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸を、好適には結晶性固体(式VIの化合物)として提供する;実施例13に当該化合物の調製を説明する。
【0067】
【化19】

【0068】
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、本発明の範囲を実施例に記載の特定の手順に限定するものでない。
【実施例】
【0069】
実施例1.tert−ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートの調製(スキーム5, 段階1)
機械的な撹拌機、内部温度プローブ及び追加の漏斗が備え付けられた5Lのフラスコ(フラスコA)に5−アミノイソキノリン(300 g, 2.08 mol)及び2.7Lのテトラヒドロフランを入れた。内部温度<32℃を保持しながら、トリフルオロ酢酸(543 mL, 7.29 mol)を徐々に添加した。1−Boc−3−ピロリジノン(462.5 g, 2.50 mol)を添加し、混合物を10〜30分間撹拌した。内部温度プローブ、機械的な撹拌機及び窒素吸気口が備え付けられた別の12Lのフラスコ(フラスコ B)を窒素で洗い流し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(662.5 g, 3.13 mol)及び1.5Lのテトラヒドロフランを入れた。フラスコBの内部温度<32℃を保持しながら、フラスコAの内容物をフラスコBへ徐々に移送した。反応は20〜32℃で6時間撹拌し、そして5−アミノイソキノリンを全て消費した。温度<45℃を保持しながら、反応は3Lの5N NaOHで停止させた。20分後、水層を分離した。(外部加熱で)40℃で、有機相を3Lの2N NaOHで洗浄した。有機相を酢酸イソプロピル(2.25 L)で希釈し、1.5Lの水で(外部加熱で)40℃で洗浄し、続いて〜2Lまで蒸留によって濃縮した。得られた溶液を〜20℃まで冷却した。得られたスラリーを濾過し、洗浄(3×200mLのMTBE)し、そして真空乾燥機内で〜60℃で乾燥した。約536gのtert−ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートを固体として分離した(収率82%)。
【0070】
【表1】

【0071】
実施例2.(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩の調製(スキーム 5, 段階 2)
塩の形成:内部温度プローブ、加熱マントル及び機械的な撹拌機が備え付けられた5Lのフラスコに、tert−ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラート(実施例1由来、250 g, 0.798 mol)及び3Lの2−プロパノールを添加した。均一溶液を形成するために、混合物を撹拌し42℃まで加温した。撹拌した溶液に、一度にジベンゾイル−D−酒石酸(D-DBTA)(242.9g, 0.678 mol)を、他に0.9Lの2−プロパノールを添加した。混合物を40℃で15分間撹拌し、溶液を形成した。混合物を40℃で撹拌し、黄色のスラリーを形成した。スラリーを30℃まで冷却した。懸濁液を濾過し、2×250mLの2−プロパノールで洗浄し、真空乾燥機内で〜35℃で乾燥した。約204.3gの(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩の未精製生成物を黄色固体として得た(鏡像体過剰率84%, 収率38%)。
【0072】
再結晶化:内部温度プローブ、加熱マントル及び機械的な撹拌機が備え付けられた12Lのフラスコへ、(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩の未精製生成物(鏡像体過剰率80〜84%, 500.6 g, 0.745 mol)及び5Lの2−プロパノールを添加した。混合物を撹拌し、75℃まで加熱し、均一溶液を形成した。溶液を30℃まで冷却し、その温度で18時間撹拌し、黄色スラリーを形成した。懸濁液を濾過し、3×300mLの2−プロパノールで洗浄し、真空乾燥機内で〜35℃で乾燥した。約345.6gの(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩の生成物を黄色固体として得た(鏡像体過剰率98%, 収率69%)。
【0073】
【表2】

【0074】
(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩に関するX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを図1に示す。
【0075】
実施例3.(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン溶液の調製(スキーム 5, 段階 3)
機械的な撹拌機及び内部温度プローブが備え付けられた5Lのフラスコに、(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩(実施例2由来、180g, 0.27 mol)及び2.7Lの酢酸イソプロピルを添加した。内部反応温度を30℃以下に保持しながら630mLの1Nの水酸化ナトリウムを添加する間、懸濁液を撹拌した。二相性の溶液が得られるまで撹拌を継続した。水層を除去し、残りの有機層を1Nの水酸化ナトリウム(360 mL)及び水(360 mL)で洗浄した。5NのHCl(215 mL)を添加し、(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートが全て消費されるまで、反応を撹拌した。270mLの5Nの水酸化ナトリウムで、反応のpHを>12に調整した。層を分離した。50mLの5NのNaOHで、水層のpHを>12に調整した。1.5Lの酢酸イソプロピルで水層を再抽出した。結合された有機層を体積770mLまで濃縮した。
【0076】
実施例4.(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン固体の調製(スキーム 5, 段階 3)
機械的な撹拌機及び内部温度プローブが備え付けられた5Lのフラスコへ、(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩(実施例2由来、150g, 0.22 mol)及び2.25Lの酢酸イソプロピルを、5Lのフラスコへ添加した。内部の反応温度を30℃以下に保持しながら0.525Lの1Nの水酸化ナトリウムを添加する間、懸濁液を撹拌した。二相性の溶液が得られるまで撹拌を継続した。水層を除去し、残りの有機層を1Nの水酸化ナトリウム(300 mL)及び水(300 mL)で洗浄した。5NのHCl(180 mL)を添加し、(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートが全て消費されるまで反応を撹拌した。2つの層を分離した。225mLの5Nの水酸化ナトリウムで、水層のpHを>12に調整した。2回量のジクロロメタン(2.25 L及び1.13 L)で、濁った混合物を抽出した。結晶化のために溶液を3日間置いた。濾過によって(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンを灰色がかった白色の結晶性固体として分離した(700 mg)。
【0077】
【表3】

【0078】
実施例5.(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンコハク酸塩の調製(スキーム 5, 段階 3)
エタノール中の845mLの0.25Mのコハク酸を、実施例3で生成されたアミン溶液へ添加した。コハク酸塩は微細固体として結晶化した。当該塩は、濾過により分離し、真空乾燥機内で60℃で乾燥した。約69gが得られた(収率84%)。
【0079】
【表4】

【0080】
(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンコハク酸塩に関するX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを図2に示す。
【0081】
実施例6.(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンフマル酸塩の調製(スキーム 5, 段階 3)
酢酸イソプロピル中の(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンの溶液(実施例3由来、5.0mL、HPLCにより65mg/mL)に、エタノール中の6.1mLの0.25Mのフマル酸を添加した。スラリーが形成されるまで、混合物を撹拌した。懸濁液を濾過し、エタノールで洗浄し、真空乾燥機内で60℃で乾燥した。(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンフマル酸塩を黄色固体として得た(440mg, 収率84%)。
【0082】
【表5】

【0083】
(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンフマル酸塩に関するX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを図3に示す。
【0084】
実施例7.(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン炭酸塩の調製(スキーム 5, 段階 3)
(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン炭酸コハク酸塩(実施例5由来、3.0 g, 9.06 mmol)を100mLの酢酸イソプロピル中でスラリーにした。0.5NのNaOH(50 mL)をスラリーへ添加し、そして全固体が溶解するまで二相性の混合物を撹拌した。水層を分離し、50mLの水で有機層を洗浄した。撹拌しながら、湿潤酢酸イソプロピル溶液をCOガスで泡立てた。溶液は淡黄色となり、固体が形成し始めた。5分後、CO供給源を取り外し、スラリーを2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、10mLの酢酸イソプロピルで洗浄した。(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン炭酸塩を固体(1.2 g)として分離した。
【0085】
【表6】

【0086】
実施例8.(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸の調製(スキーム 5, 段階 4)
磁気の撹拌子を備えた500mLの丸底型フラスコに、(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン(100 mLのテトラヒドロフラン中の溶液 / スラリー、実施例3由来、6.0g, 28.2mmol)及び2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸(実施例13由来、8.00 g, 29.61 mmol)を添加した。2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸が溶解するまで、混合物を40〜50℃で撹拌した。内部温度プローブ、加熱マントル及び機械的な撹拌機が備え付けられた500mLの三つ口の丸底型フラスコに、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(9.57 g, 45.1 mmol)及び60mLの乾燥テトラヒドロフランを添加した。混合物を20〜25℃で15分間撹拌し、白色のスラリーを形成した。撹拌したスラリーに、事前に混合した(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン及びテトラヒドロフラン中の2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸を一度に添加した。反応が完了するまで、混合物を20〜25℃で撹拌した。110mLの15%NaCO(最終pH〜10)で反応を停止した。テトラヒドロフランを真空下で蒸留により除去した。260mLのメチルtert−ブチルエーテルで残渣が抽出された。有機層を260mLの水で(2度)洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣を264mLのエタノールで希釈し、続いて60℃まで加熱した。リン酸(0.5 M, 113 mL)を添加し、金色の溶液を形成した。溶液を48〜52℃まで冷却し、2.81g(4.24 mmol)の(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸で種結晶を形成させた。続いて混合物を一晩で23〜27℃まで冷却し、黄色スラリーを形成させた。固体を濾過により分離し、更なる2×70mLのEtOH/HO(7:3, V/V)で洗浄した。固体を2時間風乾し、真空乾燥機内で一晩乾燥させた。約11.1gの(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸が得られた(16.7 mmol, 収率56%)。
【0087】
【表7】

【0088】
(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸に関するX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを図4に示す。
【0089】
実施例9.(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸の調製(スキーム 5, 段階 4)
磁気の撹拌子を有する100mLの丸底型フラスコに(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンコハク酸塩(実施例5由来、2.00 g, 6.04 mmol)、テトラヒドロフラン(30 mL)、及び2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸(1.63 g, 6.04 mmol)を添加した。混合物を20〜25℃で15分間撹拌した。混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.92 g, 9.05 mmol)を添加した。混合物を20〜25℃で20時間撹拌した。20mLの15%NaCOで反応を停止した(最終pH 〜10)。テトラヒドロフランを真空下の蒸留で除去した。残渣が30mLのメチルtert−ブチルエーテルで抽出された。有機層を30mLの水で(2度)洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜12%のメタノール/ジクロロメタン)によって精製し、(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸をオイルとして得た(2.57g, 収率91%)。
【0090】
【表8】

【0091】
実施例10.(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール塩化水素塩の調製(スキーム 5, 段階 5)
内部温度プローブ及び機械的な撹拌機が備え付けられた2Lのフラスコへ、(実施例8由来の)50gの(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸、300mLのテトラヒドロフラン及び380mLの2Nの水酸化ナトリウムを添加した。得られた混合物を38〜42℃まで加温し、24時間保温した。出発原料の消失後に、真空下の蒸留によりテトラヒドロフランを除去した。得られた混合物へ、860mLの酢酸イソプロピルを添加した。20分の撹拌後、混合物を静置させ、底面の水層を除去した。次に有機相を水(2×570 mL)で洗浄した。得られる酢酸イソプロピル層を蒸留により共沸して乾燥させた。残留溶液へ、酢酸イソプロピル中の75.6mLの〜1NのHClを徐々に添加した。続いて得られた固体を無水環境で濾過により収集し、3×220mLの乾燥酢酸イソプロピルで洗浄した。濾過ケーキを真空乾燥機内で18時間乾燥させ、約24.4gの(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール塩酸塩を黄色固体として得た(収率81%)。
【0092】
【表9】

【0093】
実施例11.(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール 2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩の調製(スキーム 5, 段階 5)
内部温度プローブ及び機械的な撹拌機が備え付けられた500mLのフラスコへ、50gの(実施例8由来の)(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸、72mLのテトラヒドロフラン及び90mLの2Nの水酸化ナトリウムを添加した。得られた混合物を38〜42℃まで加温し、24時間保温した。出発原料の消失後、回転蒸発によってテトラヒドロフランを除去した。得られた混合物を200mlの酢酸イソプロピルで抽出し、水(2×135 mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、残渣を酢酸イソプロピルで反復回転蒸発により共沸して乾燥させた。(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノールの未精製生成物を泡沫状の固体として分離した(6.5g, 収率99%)。未精製の(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール(2.0 g, 5.5 mmol)をエタノール中の55mLの0.1Mの2,5−ジヒドロキシ安息香酸溶液と結合させた。混合物を撹拌で穏やかに〜50℃まで加熱し、溶液を得た。溶液を〜22℃まで冷却し、スラリーを2時間撹拌し、固体を濾過により分離した。約2.15gの(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩を固体として得た(収率80%)。
【0094】
【表10】

【0095】
(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩に関するX線粉体回折(XRPD)スペクトログラムを図5に示す。
【0096】
実施例12.(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノールL−酒石酸塩の調製(スキーム 5, 段階 5)
未精製の(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール(実施例11由来、1.0 g, 2.7 mmol)を11mLのエタノールに溶解した。27.5mLのエタノール中のL−酒石酸の0.1M溶液を添加する間、溶液を撹拌した。2時間後、得られる懸濁液を濾過し、エタノールで洗浄し、窒素下で乾燥した。約1.1gの(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノールL−酒石酸塩を黄色固体として分離した(収率79%)。
【0097】
【表11】

【0098】
実施例13.2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸の調製(スキーム 5, 段階 6)
内部温度プローブ及び機械的な撹拌機が備え付けられた5Lのフラスコに、ジメチルスルホキシド(500 mL)、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(100.0 g, 0.819 mol)、炭酸エチレン(108 g, 1.23 mol)、及び炭酸カリウム(136 g, 0.983 mol)を添加した。3−ヒドロキシベンズアルデヒド出発原料が全て消費されるまで、得られた混合物を110〜125℃で撹拌した。(反応を完了させるため、炭酸エチレンの更なる部分を添加してもよい)。次に、反応混合物を25℃以下まで冷却させ、酢酸イソプロピル(1.0 L)及び水(1.5 L)で希釈した。残渣の炭酸カリウムの溶解が完了するまで、混合物を撹拌した。層を分離し、有機層を更なる部分の水(1.5 L)で洗浄した。更なる酢酸イソプロピル(1.0 L)を添加し、3−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒドの乾燥有機溶液が〜1Lの最終体積となるまで蒸留した。
【0099】
3−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒドの得られた溶液を60℃まで冷却した。トリエチルアミン(204 mL, 1.46 mol)及び安息香酸無水物(139 g, 0.614 mol)を添加した。残留する3−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンズアルデヒドが0.5%未満となるまで、溶液を75〜85℃まで撹拌した(完了まで反応を進行させるために、更なる安息香酸無水物を添加することができる)。反応を20〜40℃まで冷却した。反応を停止するために、水(1.5 L)を添加した。層を分離し、有機層を希酸(1.0 Lの0.1 NのHCl)及び水(1.0 L)で洗浄した。得られた有機溶液を濃縮し、最終体積200mLとした。溶液を0〜10℃まで冷却し、結晶化を誘発するために1%の種結晶を添加した。ヘプタン(100 mL)を徐々に添加し、混合物を0〜5℃で1時間撹拌した。得られた固体を濾過により分離し、100mLの1:1酢酸イソプロピル/ヘプタンで洗浄した。続いてケーキを真空下で3時間乾燥させ、約71.9gの2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸を灰色がかった白色の固体として得た(収率33%)。
【0100】
【表12】

【0101】
本発明、並びに製造及び使用方法は、当業者が製造及び使用できるように十分に明瞭簡潔かつ適切な用語で記載されている。前記のものは本発明の好適な実施形態を記載し、請求項で説明する本発明の範囲を逸脱しない範囲でこれらの変更は可能である、と理解することができる。発明としてみなす対象を特に注目し明確に主張するために、次の請求項によってこの明細書を終結させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式VIIの化合物を調製するための方法であって:
(a)式IIIの化合物を形成するために、式Iの化合物、式IIの化合物、pKa<5を有する酸を還元剤と反応させる段階であって;
【化1】

式中、Pgは保護基であり;
は、1または2であり;
は、1、2または3であり;
が2の場合には、nは2または3であり;そして
、R、R、R、R、及びRは、それぞれ水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケノキシ、またはアルキノキシである段階;
(b)式IVとして表されるジアステレオマー塩を形成するために、上記の式IIIの化合物を酸性キラル分割剤と反応させる段階;
【化2】

(c)上記酸性キラル分割剤を除去するために上記ジアステレオマー塩を塩基性水溶液と反応させ、続いて式Vの化合物を形成するために脱保護条件下で上記保護基を除去する段階;
【化3】

(d)式VIIの化合物を形成するために、上記式Vの化合物を式VIの化合物と反応させる段階であって;
【化4】

式中、R〜R、n及びnは、上記と同様であり;
Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;
Xは、A上の0〜5個の置換基であり:ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、トリフルオロメチル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオ、アルキルチオ、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド、置換カルボキシアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルアミノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アミジノ、アミドキシモ、ヒドロキサモイル、ウレイド、置換ウレイド、フェニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ピリジル、イミダゾリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、ヘテロ環、(ヘテロ環)オキシ、及び(ヘテロ環)アルキル、から成る群から選択され;
Qは、−CH−、−CHCH−であるか、あるいは非存在であり;そして
Lは、CHO、クロロ、ブロモ、ヨード、またはO−SO−R(式中、Rはメチル、エチル、CF、p−トリル、フェニル、またはp−ニトロフェニルである。)である段階、
を含んでなる方法。
【請求項2】
前記酸性キラル分割剤が、酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、ジベンゾイル−酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、ジ−p−トルオイル酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、カンファー−10−スルホン酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、或いはマンデル酸の(R)−または(S)−鏡像異性体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式VIIの化合物の調製のための方法であって:
(a)式IIIの化合物を形成するために、式Iの化合物及び式IIの化合物を還元剤と反応させる段階であって;
【化5】

式中、Pgは、保護基であり;
は、1または2であり;
は、1、2または3であり;
が2の場合には、nは2または3であり;そして
、R、R、R、R、及びRは、それぞれ水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケノキシ、またはアルキノキシである段階;
(b)式VIIIの化合物を形成するために、脱保護条件下で前記式IIIの化合物から前記保護基を除去する段階;
【化6】

(c)式IXの化合物を形成するために、前記式VIIIの化合物を式VIの化合物と反応させる段階であって;
【化7】

式中、R〜R、n及びnは、上記と同様であり;
Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;
Xは、A上の0〜5個の置換基であり:ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、トリフルオロメチル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオ、アルキルチオ、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド、置換カルボキシアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルアミノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アミジノ、アミドキシモ、ヒドロキサモイル、ウレイド、置換ウレイド、フェニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ピリジル、イミダゾリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、ヘテロ環、(ヘテロ環)オキシ、及び(ヘテロ環)アルキル、から成る群から選択され;
Qは、−CH−、−CHCH−であるか、あるいは非存在であり;そして
Lは、CHO、クロロ、ブロモ、ヨード、またはO−SO−R(式中、Rはメチル、エチル、CF、p−トリル、フェニル、またはp−ニトロフェニルである)である段階;
(d)式Xとして表されるジアステレオマー塩を形成するために、前記式IXの化合物を酸性キラル分割剤と反応させる段階;
【化8】

(e)式VIIの化合物を形成する目的で前記酸性キラル分割剤を除去するために、前記ジアステレオマー塩を塩基性水溶液と反応させる段階、
【化9】

を含んで成る方法。
【請求項4】
前記酸性キラル分割剤が、酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、ジベンゾイル−酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、ジ−p−トルオイル酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、カンファー−10−スルホン酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、或いはマンデル酸の(R)−または(S)−鏡像異性体である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
式VIIの化合物を調製するための方法であって:
(a)式IXの化合物を形成するために、式XIの化合物及び式IIの化合物を還元剤と反応させる段階であって;
【化10】

式中、nは、1または2であり;
は、1、2または3であり;
が2の場合には、nは2または3であり;そして
、R、R、R、R、及びRは、それぞれ水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケノキシ、またはアルキノキシであり;
Aは、アリールまたはヘテロアリールであり;
Xは、A上の0〜5個の置換基であり:ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、メトキシ、エトキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、トリフルオロメトキシ、ハロアルコキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨ−ド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換アルキル、トリフルオロメチル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、チオ、アルキルチオ、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシアミド、置換カルボキシアミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニルアミノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシルアミノ、アミジノ、アミドキシモ、ヒドロキサモイル、ウレイド、置換ウレイド、フェニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ピリジル、イミダゾリル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、ヘテロ環、(ヘテロ環)オキシ、及び(ヘテロ環)アルキル、から成る群から選択され;
Qは、−CH−、−CHCH−であるか、あるいは非存在であり;そして
Lは、CHO、クロロ、ブロモ、ヨード、またはO−SO−R(式中、Rはメチル、エチル、CF、p−トリル、フェニル、またはp−ニトロフェニルである。)である段階;
(b)式Xとして表されるジアステレオマー塩を形成するために、上記式IXの化合物を酸性キラル分割剤と反応させる段階;
【化11】

(c)式VIIの化合物を形成する目的で上記酸性キラル分割剤を上記式Xの化合物から除去するために、上記ジアステレオマー塩を塩基性水溶液と反応させる段階、
【化12】

を含んでなる方法。
【請求項6】
前記酸性キラル分割剤が、酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、ジベンゾイル−酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、ジ−p−トルオイル−酒石酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、カンファー−10−スルホン酸の(R)−または(S)−鏡像異性体、或いはマンデル酸の(R)−または(S)−鏡像異性体である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
(a)(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール 2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩、
【化13】

(b)(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール L−酒石酸塩、
【化14】

及び(c)(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸塩、
【化15】

から成る群から選択される、組成物。
【請求項8】
結晶性固体形態である、請求項7に記載の(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノール2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩。
【請求項9】
固体形態である、請求項7に記載の(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エタノールL−酒石酸塩。
【請求項10】
結晶性固体形態である、請求項7に記載の(R)−2−(3−((3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−イル)メチル)フェノキシ)エチル安息香酸二リン酸塩。
【請求項11】
(a)(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩2−プロパノール溶媒和物、
【化16】

(b)(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン、
【化17】

(c)(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンのコハク酸塩、
【化18】

(d)(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンのフマル酸塩、
【化19】

並びに(e)(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンの炭酸塩、
【化20】

から成る群から選択される、組成物。
【請求項12】
結晶性固体形態である、請求項11に記載の(R)−tert-ブチル3−(イソキノリン−5−イルアミノ)ピロリジン−1−カルボキシラートジベンゾイル−D−酒石酸塩2−プロパノール溶媒和物。
【請求項13】
結晶性固体形態である、請求項11に記載の(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミン。
【請求項14】
結晶性固体形態である、請求項11に記載の(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンのコハク酸塩。
【請求項15】
結晶性固体形態である、請求項11に記載の(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンのフマル酸塩。
【請求項16】
結晶性固体形態である、請求項11に記載の(R)−N−(ピロリジン−3−イル)イソキノリン−5−アミンの炭酸塩。
【請求項17】
2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸。
【化21】

【請求項18】
結晶性固体形態である、請求項17に記載の2−(3−ホルミルフェノキシ)エチル安息香酸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−524909(P2011−524909A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514668(P2011−514668)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/044889
【国際公開番号】WO2009/154940
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(500297524)インスパイアー ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド (17)
【Fターム(参考)】