説明

RPFガス化燃焼装置

【課題】 RPFを化石燃料の代替として利用するには、RPFの燃焼速度および発生す灰の取り扱いに課題が多くその利用が十分とはいえない。
【解決手段】 RPFを燃料の一部として利用する目的にすることにより、ボイラ、加熱炉、熱風炉、石灰炉などに付帯する燃焼室の熱を利用してRPFを熱分解させ、発生したガスをそのままその燃焼室にて燃焼させる比較的構造が簡単で安価なRPFガス化装置が提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ、加熱炉、熱風炉、石灰炉など900℃以上の雰囲気温度を持つ燃焼室の熱を利用してRPFを分解し、発生した可燃ガスを当該燃焼室内で燃焼させて熱源の一部するRPFガス化燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化石燃料の高騰に対応するために、廃プラスチックの燃料化を目的したRPF燃焼炉あるいはRPFガス化炉の開発が行われ、一部実用化されているが燃焼炉の場合は燃焼温度が低いと未燃ダストの発生、燃焼温度が高いと溶融灰の固着など運転条件に制約が多く、またガス化炉の場合は発生ガス中の高分子炭化水素の取り扱いの困難さのため特に小型炉の普及が遅れている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
RPFを直接燃焼させる場合は、燃焼速度が遅く燃焼時間を確保するためおよび溶融固着を防止するために流動床にて燃焼させたり、直火燃焼炉においては灰溶融温度付近の高温燃焼させる必要があり、いずれも発生する灰の取り扱いに課題があり、この解決のため炉の構造が複雑かつ高価で便益性が低く、装置の構造が単純で便益性の高いRPFの燃焼法の開発が待たれている。
【0004】
RPFをガス化させる場合には、RPF加熱時の溶融付着による伝熱悪化の問題や発生した分解ガス中には凝縮しやすい高分子炭化水素を含むため当該ガスの改質を行ったり、除去のための装置の設置が必要であり、一般への普及が遅れる原因となっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
RPFをボイラ、熱風炉、加熱炉、石灰炉などの当該炉の主燃料とするのではなく補助燃料として利用することを目的とし、当該炉の燃焼室の高温燃焼ガスを熱源としてRPFを間接加熱して熱分解を行い、発生した分解ガスをそのまま燃料の一部として利用するRPFガス化燃焼装置を提供する。
【0006】
供給されたRPFはスクリュー乃至はパドルにより徐々に攪拌移送されながら外筒を通して伝えられる熱により間接的に加熱熱分解し、炭化乃至は灰化した固形分は当該装置の先端部より排出され、分解ガスは外筒に設けられた穴を通して燃焼室に放出されて補助燃料として燃焼する。
【0007】
RPFの加熱のため外筒温度が600℃以上の高温になる部分については、外筒の材質をセラミックとし、耐熱金属製外筒を当該セラミック製外筒に耐熱シール材を介して挿入することにより外筒の熱膨張を吸収することが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
RPFの加熱源として各種炉の燃焼ガスを利用すること、発生ガスを外部へ取り出すことなく燃焼させることおよび溶融RPFを回転羽根により強制的に移送させるために溶融灰の付着および高分子炭化水素の凝縮付着のないRPFガス化燃焼装置の提供が可能となった。
【0009】
また、耐熱金属製外筒とセラミック製外筒の抜き差しが容易のため、装置の分解組み立ても容易となり当該炉燃焼室の相対する側壁を外筒が貫通できるだけの穴を穿つことによりRPFガス化燃焼装置を設置することできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のRPFガス化燃焼装置に関する実施の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために説明するものであり、特に指定しない限り、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0011】
図1は、石灰炉の燃焼室8に取付けられたRPFガス化燃焼装置で、供給されたRPFは、駆動用電動機1により回転軸2に取付けられた耐熱金属製のスクリュー3を回転させることにより加熱分解部へと送られること示す。当該RPFには耐熱金属製外筒4およびセラミック製外筒5を介して徐々に石灰炉燃焼室内の燃焼ガスの熱が伝えられ、加熱分解する。分解後の残さはスクリュー先端部より排出される。また回転軸2はロータリージョイント6を介して導入された冷媒により冷却される。
【0012】
図2は、耐熱金属製外筒4とセラミック製外筒5が耐熱性綿状シール材7を介して繋げられた状態を示す。
【産業上の利用可能性】
【0013】
RPFガス化燃焼装置の取付けが簡単であるため、燃焼室を持つ各種炉に新設、既設を問わず設置することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】移送用にスクリューを使用した時のRPFガス化燃焼装置の説明図である。
【図2】耐熱金属製外筒とセラミック製外筒との接続部の説明図である。
【符号の説明】
【0015】
1 駆動用電動機
2 回転軸
3 スクリュー
4 耐熱金属製外筒
5 セラミック製外筒
6 ロータリージョイント
7 耐熱性綿状シール材
8 各種炉の燃焼室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、ボイラ、熱風炉、加熱炉、石灰炉など900℃以上の雰囲気温度の燃焼室を付帯する各種炉の燃焼室内に設置することを特徴とするRPFガス化燃焼装置。
【請求項2】
前記RPFガス化装置は、内部に耐熱金属製のRPFの移送と攪拌を兼ねた回転スクリューあるいはパドルを持ち、外筒の一部にセラミックを使用することにより高温雰囲気に対応できるようにするとともに、セラミック製外筒に穿たれた複数個穴よりRPFが加熱分解して発生した可燃性ガスを当該燃焼室に放出し燃焼させ、残った炭化物および燃焼灰を回転体先端より排出することを特徴とする請求項1記載のRPFガス化燃焼装置。
【請求項3】
前記セラミック製外筒に耐熱シール材を介して耐熱金属製外筒が挿入できる構造にすることにより外筒の熱膨張を吸収し、当該燃焼室取付け部における熱膨張の影響をなくすとともにRPFガス化燃焼装置の組み立て、分解が容易で既設燃焼室にあっても外筒の通る穴加工のみで取付け可能としたことを特徴とする請求項1記載のRPFガス化燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−162967(P2007−162967A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356330(P2005−356330)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(302070534)有限会社アイエンジ (12)
【Fターム(参考)】