説明

RTK−GPS測位システム

【課題】専用回線の物理的敷設を行うことなく不正アクセスを防止しつつかつ複数個の移動局から同時に1個の固定局にアクセスすることができ、このアクセスが可能な場合であっても、グループが異なる場合にはそのアクセスを禁止する。
【解決手段】IP−VPN通信ネットワーク網に、補正データを送信する少なくとも1個の固定局と、補正データを受信する移動局と、サーバ9が設けられ、移動局は、人工衛星からの電波を受信する衛星測位部11と、各衛星測位手段との間での通信を行う通信部12と、衛星測位部11と通信部12との制御を行う制御部13とを少なくとも備え、各通信部12には各衛星測位手段毎にそれぞれ固有のIDが割り当てられ、サーバ9には各通信部12の固有のIDが各衛星測位手段毎に登録され、サーバ9は、このサーバ9に登録されている固有のIDと各衛星測位手段に登録されている固有のIDとを照合して、ネットワーク網にログインを許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御コマンドや補正データの送受信をネットワーク網を利用して行うRTK−GPS測位システム、このRTK−GPS測位システムに用いる測量用サーバー及び測量用端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS等の測位用の人工衛星を用いて、2つの観測局の相対的な位置関係を高精度に求める干渉測位システムの1つとして、キネマティック測位システムが知られている(特許文献等1)。
【0003】
このキネマティック測位システムは、2つの観測点の一方を既知の参照点としかつ他方を未知の観測点とし、両観測点にそれぞれ置かれた観測局によりGPS等の人工衛星からの電波を同時に受信してその相対的な位置関係を高精度に求めることにより、既知の参照点の位置座標から未知の観測点の位置座標を高精度に求めるものである。このキネマティック測位システムでは、観測点で記録された信号を、後で処理解析して位置座標を求めている。
【0004】
このキネマティック測位システムを更に発展させたものとして、リアルタイムキネマティック測位システム(以後、RTK測位システムという)も知られている。
【0005】
このRTK測位システムは、2つの観測点のうちの位置座標が既知の参照点に一方の観測局を固定局として固定的に観測点を設置し観測データを移動局に送信して、位置座標が未知の観測点に他方の観測局を移動局として設置し、測位衛星信号と固定局から送信された観測データを受信してこれと同時に解析処理を行うことによって、移動局の位置座標をリアルタイムで測定するものである。
【0006】
すなわち、RTK測位システムでは、図1に示すように、まず、位置座標が既知の参照点である観測点Aに固定局M1を配置する。また、求めようとする位置座標が未知の点である観測点Bに移動局M2を配置する。移動局M2は測定の終了後、次の求めようとする位置座標が未知の点である観測点(測点)へ随時移動させ、固定局M1と移動局M2とにより衛星Saからの測位衛星信号(電波)を受信して、移動局M2が固定局M1を参照して、受信と同時にリアルタイムで解析処理を行い、未知点である観測点Bの位置を順次求めるものである。
【0007】
このRTK測位システムでは、移動局M2がある特定の固定局M1を参照できる範囲(以下、固定局参照範囲という)は、その固定局M1を中心とする半径約10km程の範囲である。
【0008】
これは、固定局M1と移動局M2との距離があまり離れすぎると、観測点の電離層や大気層の差異の影響が無視できなくなり、測定精度が劣化するからである。
【0009】
一方、固定局M1の補正データを移動局M2で参照可能にするためには、固定局M1から移動局M2へ補正データを送信する必要があるが、この送信のために、固定局M1から特定周波数の無線により送信する手段が用いられている。このため、固定局M1に送信手段(例えば周波数400MHz、出力10mW程度の送信機Seが設けられ、補正データを常時送信している。移動局M2の側には、この送信機Seからの電波を受信可能な無線用の受信機Scが装備され、この送信された補正データが参照可能とされている。
【0010】
また、図2に示すように、データ送受信の媒体としての衛星測位用データサーバDsbを利用した衛星測位システムも知られている。
【0011】
この衛星測位システムには、GPS測位用データサーバDsbを通じて、少なくとも1つの移動局M2と、複数の固定局M1、M1’と、それらの移動局M2と、固定局M1、M2との通信を確立する通信手段Sx、Syが接続されていている。
【0012】
この衛星測位システムでは、固定局M1、M1’は、通例、位置座標が既知である地点に固定的に配置され、常時、又は定期に人工衛星Saからの電波を受信し、固定局M1、M1’は設置位置に関する補正データを得ている。
【0013】
そして、測定した補正データは通信手段Sxにより常時又は定期にGPS測位用データサーバDsb送信される。このため、通信インターフェースの通信装置Sxは、固定局M1、M2が既知の位置に固定的に配置されていることと、補正データを高速で通信することとが条件とされている。それゆえ、通信インターフェースの通信装置Sxは、WANなどの専用回線を常時接続して利用されている。
【特許文献1】特開2002−311124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、無線で、補正データの配信を行う場合、一般的に補正データの送信に使用する無線の周波数は、各固定局M1、M1’で異なるように設定される。これは、無線到達範囲の境界が隣接しているとき、境界周辺では、固定局を識別することが困難であり、誤測定の原因となるからである。また、無線到達範囲に重複があると、その重複エリア内で混信が生じるからである。ここでは、固定局M1、M1’を2個として説明しているが、固定局が3個以上でも同じである。
【0015】
このように、参照すべき固定局が複数個存在する場合(例えばM1、M1’)には、その無線送信機M11がそれぞれ異なる周波数に設定されるため、移動局M2の受信周波数を使用する固定局に応じて調整する必要が生じる。通常、測量作業計画を参照して固定局として使用したいM1、M1’、…を選択し、作業前に使用したい固定局の周波数を調べて調整するようにしている。従って、移動局M2がある固定局(例えば、M1)の参照可能範囲を超えて別の固定局(例えば、M1’)の参照可能範囲に移動した場合、異なる固定局M1、M1’、…を参照しなければならない。
【0016】
このため、常に自己の移動局M2の現在位置と固定局(M1又はM1’等)の位置との関係を認識して作業しなければならないという不都合がある。
【0017】
また、固定局M1、M1’、…から配信される補正データの中から、固定局と移動局での共通衛星数などの条件によりRTK測量に使用が可能でかつ人工衛星Saの受信状況の良いものを選択して、選択した固定局に応じて受信周波数を測定者が適宜設定しなければならない不便さもある。
【0018】
更に、無線の場合、固定局M1、M1’、…から移動局M2への一方向の通信に限定されていているので、例えば、固定局M1から移動局M2の状況を確認するというような双方向のデータの送受を行うことができない不都合もある。
【0019】
また、インターネットの場合、回線の使用に不正なアクセスを受ける可能性がある。
【0020】
更に、ネットワーク網を介在して通信を行う場合、通信の相手を決めるために固定的なアドレスが必要であるが、IPアドレスを固定的に使用しようとすると、これは有限であり取得には限界がある。また、コストも非常に高い。
一般的なプロバイダを使用した場合、IPアドレスが動的なものとなるため、アクセスのたびにIPアドレスが変更されて、相手を選択して接続するときの固定的なアドレスとして使用ができないという不便さがある。
【0021】
IP-VPNでは、IP-VPN内で固有のIDがあれば良いので、機械IDなどの固有の番号をアドレスとして使用し、接続先を指定できる。
【0022】
RTK−GPSを利用する公共測量作業マニュアル(国土地理院技術資料 A・1-No.228 平成12年6月http://psgsv.gsi.go.jp/koukyou/rtk_manual/htm/mokuji.htm )による間接観測法は、固定局1点から移動局2点への補正データの配信が必要なので、携帯電話回線では作業できない不都合がある。
【0023】
本発明は、上記の測量時の不便さを少しでも解消できるように為されたもので、専用回線の物理的敷設を行うことなく不正アクセスを防止しつつかつ複数個の移動局から同時に1個の固定局にアクセスすることができ、このアクセスが可能な場合であっても、グループが異なる場合にはそのアクセスを禁止することができるようにしたRTK-GPS測量システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1に記載のRTK-GPS測量システムは、RTK-GPS測量を実行するために、IP−VPN通信ネットワーク網に、補正データを送信する固定局としての少なくとも1個の衛星測位手段と前記補正データを受信する移動局としての他の複数個の衛星測位手段との通信を確立するサーバが設けられ、
各衛星測位手段は、人工衛星からの電波を受信する衛星測位部と、前記各衛星測位手段との間での通信を行う通信部と、前記衛星測位部と前記通信部との制御を行う制御部とを少なくとも備え、
前記各通信部には各衛星測位手段毎にそれぞれ固有のIDが割り当てられ、前記サーバには前記各通信部の固有のIDが各衛星測位手段毎に登録され、
前記サーバは、該サーバに登録されている固有のIDと各衛星測位手段に登録されている固有のIDとを照合して、前記IP−VPN通信ネットワーク網にログインを許可すると共に、移動局としての衛星測位手段と固定局としての衛星測位手段の通信を確立、維持することを特徴とする。
【0025】
請求項2に記載のRTK-GPS測量システムは、固定局としての衛星測位手段の固有IDが複数個前記サーバに登録され、
前記移動局としての衛星測位手段には、その制御部に固定局としての衛星測位手段の固有のIDを選択する選択手段が設けられ、前記移動局としての衛星測位手段からの制御部の操作によって、前記固定局としての複数個の衛星測位手段の一つを選択可能なことを特徴とする。
【0026】
請求項3に記載のRTK-GPS測量システムは、前記固定局と前記移動局とを含む各衛星測位手段がグループ化され、前記各衛星測位手段の制御部には各衛星測位手段が所属するグループに所属の他の衛星測位手段の固有IDが登録され、固有IDを互いに保持するグループの範囲内で、各衛星測位手段の制御部が互いに通信可能とされていることを特徴とする。
【0027】
請求項4に記載のRTK-GPS測量システムは、前記移動局として利用される衛星測位手段が前記IP-VPN通信ネットワーク網に複数個存在し、移動局として利用される二台以上の衛星測位手段を用いて同時観測を行う間接観測法による測量を行うため、前記移動局として利用される一の衛星測位手段の制御部に、他の移動局に観測開始から観測終了までの指示を行う指示部が設けられ、該他の移動局の制御部には前記指示部による指示を伝えるための報知部が設けられ、該他の移動局は前記一の移動局の指示に基づき観測開始から観測終了までの測量を同時に行うことを特徴とする。
【0028】
請求項5に記載のRTK−GPS測量システムは、前記各衛星測位手段には、その制御部に該制御部の機能を実行するファームウエアが設けられ、
前記IP-VPN通信ネットワークに前記制御部の機能を更新する集中制御装置が設けられ、前記各衛星測位手段は、前記集中制御装置にアクセスすることにより前記ファームウェアをオンラインで更新できることを特徴とする。
【0029】
請求項6に記載のRTK-GPS測量システムは、前記各衛星測位手段は、前記サーバを介して前記集中制御装置にアクセス可能であることを特徴とする。
【0030】
請求項7に記載のRTK-GPS測量システムは、前記IP-VPN通信ネットワーク網には、前記各衛星測位手段により得られたデータをオンラインで解析処理するための集中解析処理装置が設けられていることを特徴とする。
【0031】
請求項8に記載のRTK-GPS測量システムは、前記集中解析処理装置の固有IDが前記サーバに登録され、前記各衛星測位手段は前記サーバを介して前記集中解析処理装置と通信が確立されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
請求項1に記載の発明によれば、専用回線の物理的敷設を行うことなく不正アクセスを防止しつつかつ複数の移動局から1つの固定局にアクセスしてパケット通信型式で補正データを同時に受信することができる。
【0033】
請求項2に記載の発明によれば、移動局側から複数個の固定局の中から一つを選択できて便利である。
【0034】
請求項3に記載の発明によれば、IP-VPNでは固定的なIPアドレスを使用できるので、通信ネットワーク網にログインしている各衛星測位手段のグループ毎の管理ができるため、例えば、各測量会社毎の機密保持を保つことができる。
【0035】
請求項4に記載の発明によれば、(RTK−GPSを利用する公共測量作業マニュアル(国土地理院技術資料A・1-No.228平成12年6月(http://psgsv.gsi.go.jp/koukyou/rtk_manual/htm/mokuji.htm)による間接観測法では、1点の固定局から2点の移動局への補正データ配信が必要であり、携帯電話回線では、この作業を行うことができないが、本発明によれば、移動局として利用する各衛星測位手段が固定局として1個の衛星測位手段を利用できるので、かつ、登録されている各移動局同士の通信接続が可能なので、少なくとも2個の移動局を用いて、同時観測を行うことができる)。
【0036】
請求項5、請求項6に記載の発明によれば、各衛星測位手段の通信部のファームウエアのバージョンアップを容易に行うことができる。
【0037】
請求項7、請求項8に記載の発明によれば、各固定局、各移動局の作業者が作業に習熟していなくとも測量作業を正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面に基づき、本発明の好適な実施の形態を説明する。
【実施例】
【0039】
(実施例1)
図3は本発明に係わるRTK-GPS測量システムの実施例の概要を示す全体構成図である。
【0040】
この衛星測位システムは、RTK-GPS測量を実行可能な複数個の衛星測位手段としての観測局と、1個のサーバ9とを通信ネットワーク10内に有する。
【0041】
観測局の少なくとも一つは、測位位置解析処理のための補正データを送信する固定局として利用され、観測局の少なくとも他の一つは、補正データを受信する移動局として利用される。
【0042】
各観測局は、図4に示すように、人工衛星Saからの電波を受信することにより自己の位置座標を求める衛星測位部11と、各観測局同士との間での通信を行う通信部12と、各衛星測位部11と通信部12との制御を行う制御部13とを有する。その図3、図4において、14は人工衛星Saからの電波を受信するGPSアンテナである。
【0043】
その制御部13には、通信ボタン13A、切り換えボタン13B、指示ボタン13C、表示部13Dが設けられている。なお、制御部13に搭載するファームウェア機能により、表示部13Dに切り替え機能ボタンを表示し、これにより切り替えを行うことができるようにしても良い。
【0044】
この制御部13にはハンドヘルドPC等が用いられ、制御部13は、例えば、各衛星測位部11のGPS受信機の設定及びその制御や通信部12の設定及びその制御等の機能を有する。
【0045】
衛星測位部11は、4個の人工衛星Saを用いて位置解析を行うことが一般的であるが、これに限るものではない。。
【0046】
通信部12は、例えば、人工衛星Saからの受信データと既知の位置座標とを組み合わせたCMRというデータ形式の補正データをパケット通信で送信する機能を有する。
【0047】
これら衛星測位部11と通信部12と制御部13とは一体化されてコンパクトにまとめられている。
【0048】
図3には、3つの観測局が配置されており、ここでは、3つのうちの1つの観測局が固定局15として用いられ、残りの2つの観測局が移動局16、17として用いられている。
【0049】
各衛星測位部11は人工衛星Saからの電波を受信することにより自己の位置座標を求める役割を果たす。通信部12はサーバ9を介して各観測局同士の通信を行う役割を果たす。
【0050】
各通信部12には各観測局毎に固有のIDが割り当てられ、サーバ9には各観測局毎に、その各通信部12に固有のIDが登録されている。サーバ9は主として固有のIDの登録と認証の機能を有する。
【0051】
通信ネットワーク網10は、ここではIP-VPN網であり、各通信部は無線送受信装置としての携帯電話であり、固有のIDは携帯電話番号であるが、各観測局に固有の機械番号であっても良い。
【0052】
ここでは、各通信部はIP通信網を介して通信ネットワーク網10に接続される。なお、携帯電話を用いる場合には携帯電話回線用のネットワークカードを用いてIP-VPN(仮想私設通信網)に接続する。ここで、IP-VPN(仮想私設通信網)とは、公衆回線をあたかも専用回線であるかのように利用できるサービスであり、公知の技術である。すなわち、IP−VPNは、通信事業者の保有する広域IP通信網を経由して構築されるVPNのことで、IP−VPNを経由することにより、遠隔のネットワークをLANで接続しているのと同様に運用でき、インターネットであっても認証技術や暗号化技術等を用いることで保護された仮想的な専用回線を構築できる。
【0053】
サーバ9は、一つの固定局15と他の少なくとも一つ以上の移動局16、17との間での通信を確立する機能を有する。
【0054】
そのサーバ9は、補正データとしてのパケットデータ配信や、制御コマンドの送信、データ記録、ログインIDの認証、通信ネットワーク網10の監視の役割を果たす。
【0055】
このRTK-GPS測量システムでは、通信ボタン13Aを操作して、図5に示すように、移動局16から通信確立要求(通信相手先の固有ID)を通信ネットワーク網10を経由してサーバ9に送信すると、サーバ9が通信元である移動局16の固有IDを認証してログインを許可すると共に、通信の相手先である固定局15の固有IDを検索して、移動局16と固定局15との通信が確立される。
【0056】
同様に、移動局17から通信確立要求(通信相手先の固有ID)を通信ネットワーク網10を経由してサーバ9に送信すると、サーバ9が通信元である移動局17の固有IDを認証してログインを許可すると共に、通信の相手先である固定局15の固有IDを検索して、移動局16と固定局15との通信が確立される。
【0057】
ここで、移動局16と固定局15との通信が確立されている状態で、移動局17がサーバ9にアクセスした場合、サーバ9は移動局16との通信を保持した状態で、移動局17と固定局15との通信を確立し、パケット通信による時分割形式で補正データが移動局16、17に送信される。
【0058】
このRTK-GPS測量システムによれば、1個の固定局15を複数個の移動局16、17で同時に共用でき、測量システムの利便性が向上する。
【0059】
また、IP−VPNを利用しているので、通信速度を向上させることができると共に、セキュリティの向上を図ることができる。
【0060】
この実施例1では、通信ネットワーク網10に配置されている固定局は1個であるが、通信ネットワーク網10に固定局を複数個配置し、サーバ9に複数個の固定局毎に固有のIDを登録し、移動局として用いられる観測局の制御部13に固定局を選択できる選択手段を設ける構成とすれば、複数個の固定局の中から特定の固定局を選択できる。
【0061】
以下に、RTK作業手順の一例を説明する。
(1)固定局の初期化と設定を行う。
【0062】
一般的なRTK測量の作業手順により、観測局を参照点に配置して固定局設定作業を行う。
【0063】
通信ネットワーク網10へのログインを行い、サーバ9による認証を受けるため、固定局の衛星測位部11に接続された通信部12を通じて、通信ネットワーク網10へのアクセスを行う。
【0064】
このとき、ネットワーク通信網10に存在するサーバ9は、通信部固有のIDを用いて認証を行い、アクセスの可否を決める。
【0065】
固定局の設定と通信ネットワーク網10へのログインが終了すると、通信ネットワーク網10を通じての要求に応じて補正データの配信が開始される。
(2)移動局の初期化と設定を行う。
【0066】
つぎに、一般的なRTK測量の作業手順により、位置座標が未知の測点に移動局を配置して移動局初期化作業を行う。
【0067】
測定計画に基づき移動局を観測点に設置し、人工衛星Saからの電波を受信しつつ単独測位を行う。この単独測位で得られた位置座標情報は、通常、基本的に20〜100mの誤差を有する。
【0068】
次に、通信ネットワーク網10へのログインを行い、サーバ9による認証を受けるため、移動局の衛星測位部11に接続された通信部12を通じて、通信ネットワーク網10へのアクセスを行う。このとき、通信ネットワーク網10に存在するサーバ9は、通信部固有のIDを用いて認証を行い、アクセスの可否を決める。
(3)移動局の設定と通信ネットワーク網10へのログインすると、ネットワーク通信網10を通じて補正データの配信が可能な固定局が移動局の制御部13の表示部13Dに表示される。移動局の測量作業者は固定局として使用したい観測局を表示部13Dに表示された複数の観測局の中から選択する。
【0069】
移動局により選択された固定局の補正データがサーバ9を介して通信ネットワーク網10を通じて移動局に配信される。
(4)移動局は、サーバ9を通じて要求した固定局の補正データを受信し、移動局の受信データとともに、制御部13の解析処理手段により解析を行うことによって誤差を補正し、厳密な位置情報を得る。
(5)この補正により、10mm前後の測位精度を得ることができる。得られた結果は移動局に装備された制御部13のデータメモリに記録され、作業終了後に他の場所でマップの作成等の処理を行う。
【0070】
また、図3に示すように、通信ネットワーク網10に、移動局として用いられる各衛星測位手段により得られた測位データをオンラインで解析処理するための集中解析処理装置(集中端末装置)19Aを配備し、集中解析処理装置19Aに固有IDを割り当て、この固有IDをサーバ9に登録し、通信ネットワーク網10に接続された集中解析処理装置19Aと移動局との間の通信をサーバ9を介して確立し、移動局を用いてスタティック観測により得られた測位データをサーバ9を経由して集中解析処理装置19Aに送信し、集中解析処理装置19Aにより測位データを解析することにより、基線解析処理が可能となる。
【0071】
この集中解析処理装置19Aを通信ネットワーク網10に配備することにすれば、各移動局を構成する衛星測位部11、通信部12、制御部13の観測機材を測量現場から事務所に持ち帰って測位データをPC(パーソナルコンピュータ)へダウンロードすることなく、基線解析が可能となる。
【0072】
更に、通信ネットワーク網10に制御部13の機能を実行するファームウェアを更新する集中端末装置19Bを配備し、集中端末装置19Bに固有のIDを割り当て、この固有のIDをサーバ9に登録し、通信ネットワーク網10に接続された集中端末装置19Bと各観測局との間の通信をサーバ9を介して確立すれば、各観測局の制御部13のファームウエアのバージョンアップが可能となる。また、衛星測位部11のファームウエアのバージョンアップを可能とする構成、通信部12のファームウエアのバージョンアップを可能とする構成としても良い。
(6)制御部13に移動局と固定局との距離を算出する算出部を設け、測定中に定期的に移動局の制御部13に、この移動局から各固定局までの距離を算出させ、この移動局から固定局までの直線距離として、この移動局から現在通信が確立されている固定局までの直線距離に対して、直線距離が小さい固定局が通信ネットワーク網10に存在する場合、その移動局に対して現在通信が確立されている固定局からこの直線距離が小さいと判定された固定局に遷移させ、以後、その移動局と新しい固定局との間で通信を確立し、この新しい固定局からその移動局に向けて補正データを受信するようにしても良い。
(7)また、移動局に対して現在通信が確立されて補正データを配信している固定局、人工衛星Saからの電波の受信状態が悪化した場合、固定局の人工衛星Saの取得状況(人工衛星Saの個数、人工衛星Saの配置位置、人工衛星Saからの電波ノイズ(S/N))と、固定局に対する移動局までの直線距離とを総合勘案して、その移動局に対して別の新しい固定局との間に新たに通信を確立し、その新しい固定局からその移動局に対して補正データを配信する構成とすれば、その移動局は電波受信状態が良好でかつその移動局に対して距離が最も近い固定局からの補正データを受信することができ、測点の位置精度の向上を図ることができる。
(8)ある移動局とこの移動局に対して通信が確立されている固定局との通信を自動的に他の固定局に切替えるのではなく、各制御部13に報知手段を設け、移動局の作業者にアラームにより固定局変更の必要を知らせても良い。この場合、測量作業に使用できる観測局の個数を、制御部13の表示部に表示させ、移動局の作業者に知らせることもできる。
(実施例2)
図6は、通信ネットワーク網10に複数個の測量グループが存在している状態を示している。符号G1はある会社の測量作業グループを示し、符号G2は別の会社の測量作業グループを示している。
【0073】
グループG1は、例えば、1個の固定局18と2個の移動局19、20とから構成されている。グループG2は例えば2個の固定局21、22と2個の移動局23、24とから構成されている。
【0074】
各衛星測位手段の制御部13は、グループ毎に、サーバ9に登録されている固有のIDを保持する。例えば、グループG1の固定局18の固有のIDを「ID11」、グループG1の移動局19の固有のIDを「ID12」、グループG1の移動局20の固有のIDを「ID13」、グループG2の固定局21の固有のIDを「ID21」、グループG2の固定局22の固有のIDを「ID22」、グループG2の移動局23の固有のIDを「ID23」、グループG2の移動局24の固有のIDを「ID24」とする。
【0075】
サーバ9には、「ID11、ID12、ID13、ID21、ID22、ID23、ID24」が登録されている。
【0076】
各観測局の制御部13には、固有のIDを入力する入力部13Fが図3に示すように設けられている。各グループの作業者は、この入力部13Fを用いて、固有のIDを制御部13に登録できる。
【0077】
例えば、図7に示すように、グループG1の固定局18の制御部13には、「ID12」、「ID13」を保持させ、グループG1の移動局19の制御部13には、「ID11」、「ID13」を保持させ、グループG1の移動局20の制御部13には、「ID11」、「ID12」を保持させ、グループG2の固定局21の制御部13には、「ID22」、「ID23」、「ID24」を保持させ、グループG2の固定局22の制御部13には、「ID21」、「ID23」、「ID24」を保持させ、グループG2の移動局23の制御部13には、「ID21」、「ID22」、「ID24」を保持させ、グループG2の移動局23の制御部13には、「ID21」、「ID22」、「ID24」を保持させることにすると、グループG1については、固定局18と移動局19と移動局20との三者の間で、サーバ9を介して相互に通信が可能となり、グループG2については、固定局21と固定局22と移動局23と移動局24との四者の間で、サーバ9を介して相互に通信が可能となり、グループG1とグループG2との間での通信は許可されないことになる。
【0078】
従って、通信ネットワーク網10に複数のグループが存在する場合であっても、その機密が保持される。
【0079】
この場合であっても、例えば、移動局19において、電波障害等の事情で、グループG1の固定局18の補正データの受信ができない事態が生じたときには、例えばグループG2の固定局21の固有のIDを管理者に問い合わせ、このグループG2の固定局21の固有のIDを正当に知得して、移動局19の制御部13に登録することにより、グループG2の固定局21からの補正データの配信を受けることが可能になる。
【0080】
また、公開のステータスをもつことにより、グループの内外に関わりなく、すべての移動局に固定局データの配信を行うことも可能である。
【0081】
この発明の実施の形態によれば、常時は、機密保持を保ちつつ緊急時には、機密保持の堅持性を緩和することにより、柔軟な測量システムを構築できる。
【0082】
ここでは、各観測局の制御部13には、移動局としての機能を実行する移動局機能実行プログラムと、固定局機能を実行する固定局機能実行プログラムとが設けられている。切り換えボタン13B(図4参照)は、ある観測局から別の観測局の固定局機能と移動局機能との切り換えを行う切り換え手段として機能する。
【0083】
例えば、グループG1に属する固定局18、移動局19、20の各制御部13には、移動局機能実行プログラムと固定局機能を実行する固定局機能実行プログラムとが設けられていると共に、切り換え手段が設けられている。
【0084】
例えば、移動局20から移動局19の機能を固定局機能に切り換える場合、移動局20と移動局19との通信をサーバ9を介して確立し、移動局20の制御部13の切り換え手段を操作することにより、移動局19の制御部13の移動局機能実行プログラムから固定局機能実行プログラムへ切り換え指示を移動局19に向けて送信する。移動局19はその指示を受けて、その制御部13の機能が固定局機能実行プログラムに変換され、これにより、移動局19は以後固定局として用いられることになる。
【0085】
また、例えば、移動局20から固定局18の機能を移動局機能に切り替える場合、移動局20と固定局18との通信をサーバ9を介して確立し、移動局20の制御部13の切り換え手段を操作することにより、固定局18の制御部13の固定局機能実行プログラムから移動局機能実行プログラムへ切り換え指示を固定局18に向けて送信する。固定局18はその指示を受けて、その制御部13の機能が移動局機能実行プログラムに変換され、これにより、固定局18は以後移動局として用いられることになる。
【0086】
この実施例では、ある観測局から別の観測局の機能の切り換えを通信により行う構成としたが、切り換え手段により自己自体の移動局機能と固定局機能との切り替えを行う構成とすることもできる。
【0087】
このように観測局の機能を固定局機能と移動局機能とを切り換え可能な構成とすれば、作業の目的に応じて、衛星測位部の機能を固定局機能に設定するか移動局機能に設定するかを切替えて使用することができる。 すなわち、座標が既知である参照点Knには、固定局として動作するように設定された観測局を設置し、できるだけ精密に整準を行い、三脚などを使用して半固定的に設置する。
【0088】
一方、座標が未知である測点UnKには、移動局として動作するように設定された観測局を設置し、気泡管等が設けられたポールPrにGPSアンテナ14を取り付け、測点UnKでの整準と次の測点UnKへの運搬が可能な状態に設置する。
【0089】
すなわち、ポールPrの下端を測点UnKに置き、気泡管等により垂直状態に保つことで、GPSアンテナ14を測点UnKに正確に配置することができる。
【0090】
既述したように、固定局の選択はある観測局からの制御部13を用いて他の移動局として機能する観測局にサーバ9を経由して所望の1個を選択して切り換え指定する。
【0091】
例えば、移動局として機能する観測局の制御部13により、通信ネットワーク網10に存在する他の移動局として機能する観測局を確認し、複数の移動局として機能する観測局が存在する場合、特定の1台を固定局機能に設定する。
【0092】
固定局機能として機能する観測局は他の移動局に通信ネットワーク網10に設置のサーバ9を通じて補正データの配信を行うことができる。
【0093】
次に、固定局機能に設定された観測局が設置された既知点の座標の設定を、固定局機能に切替えられた観測局に対して行う。
【0094】
このような機能を各観測局に与え、通信ネットワーク網10を介して通信の確立を行うことによって、他の観測局の固定局機能と移動局機能との切替を遠隔操作することができる。
【0095】
すなわち、移動局として使用していた衛星測位手段としての観測局が次の参照点に近いづいたときには、この移動局である観測局を参照点に設置し、この観測局の機能を移動局機能から固定局機能に切替え、固定局として使用できるので、最寄の機材を使用して、その参照点に置かれた観測局の設定等をこの参照点から離れた未知の測点に置かれた移動局から行うことができることになって、機材及び人員の効率的な配置が可能となる。
【0096】
この実施例によれば、通信ネットワーク網10に複数個のグループがログインしていても、サーバ9に登録されているあるグループに属する観測局とは異なるグループに属する観測局には、通常時、その存在が隠蔽されるので、各グループ毎に機密保持を保つことができる。
(実施例3)
図8はRTK間接観測法による測量作業を説明するための図である。
【0097】
ここで、間接観測法とは、「RTK−GPSを利用する公共測量作業マニュアル(国土地理院技術資料 A・1-No.228 平成12年6月)に記載のRTK―GPS測量作業の1つで、固定局と2個の移動局(主移動局と従移動局)で同時に観測して得られる固定局・主移動局の位置座標と、固定局・従移動局の位置座標とに基づく観測基線を用いて、主移動局と従移動局との相対的な位置関係を求める作業方法である。
【0098】
主移動局として利用される一の移動局19の制御部13には、従移動局として利用される他の移動局20に観測開始から観測終了までの指示を行うための指示ボタン13Bが設けられている。他の移動局20の制御部13には指示ボタン13Bからの指示を伝えるための報知部として機能する表示部13Dが設けられている。この指示は通信ネットワーク網10に配備されているサーバ9を介して主移動局から従移動局に向かって行われる。
【0099】
通信ネットワーク網10にログインしている主移動局において、固定局を選択すると、従移動局もその固定局に連携して設定される。
【0100】
これまでは、1人ずつ各測点に配置され、主移動局と従移動局では声の届く範囲であれば声を掛け合う等して観測開始タイミングと観測終了タイミング、或いは携帯電話等で連絡し合って、時計の時間を合わせる等して観測開始タイミングと観測終了タイミングを取っていたが、主移動局からの操作によって従移動局も連携して動作させることによって、制御部13の熟練者を主移動局に1名配置すれば、従移動局の従業者は、この従移動局の制御部13の報知部に表示された指示の通りに、機材の設置、静止、移動を行うことができる。
【0101】
そして、主移動局は、測量タイミング指示、測量結果データの受信と保管、測量位置座標の演算とマップ作成処理、測量作業の成功と失敗の判定と判断結果の従移動局への通知を通信ネットワーク網10を通じて行う。その主移動局の処理、解析は、主移動局に設けられた制御部13によって行われる。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】従来のRTK測位システムの一例を示す説明図である。
【図2】従来のRTK測位システムの不具合を説明するための説明図である。
【図3】本発明のRTK−GPS測量システムの一例を示す説明図である。
【図4】本発明のRTK−GPS測量システムに用いる衛星測位手段の構成の一例を示す概要図である。
【図5】本発明のRTK−GPS測量システムによる通信の一例を示す模式図である。
【図6】本発明のRTK−GPS測量システムによる通信の他の例を示す模式図である。
【図7】各グループ毎の通信可能状態を説明するための説明図である。
【図8】本発明のRTK−GPS測量システムを用いて間接観測を行う場合の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0103】
9…サーバ
10…通信ネットワーク網
11…衛星測位部
12…通信部
13…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RTK-GPS測量を実行するために、IP−VPN通信ネットワーク網に、補正データを送信する固定局としての少なくとも1個の衛星測位手段と前記補正データを受信する移動局としての他の複数個の衛星測位手段との通信を確立するサーバが設けられ、
各衛星測位手段は、人工衛星からの電波を受信する衛星測位部と、前記各衛星測位手段との間での通信を行う通信部と、前記衛星測位部と前記通信部との制御を行う制御部とを少なくとも備え、
前記各通信部には各衛星測位手段毎にそれぞれ固有のIDが割り当てられ、前記サーバには前記各通信部の固有のIDが各衛星測位手段毎に登録され、
前記サーバは、該サーバに登録されている固有のIDと各衛星測位手段に登録されている固有のIDとを照合して、前記IP−VPN通信ネットワーク網にログインを許可すると共に、移動局としての衛星測位手段と固定局としての衛星測位手段の通信を確立することを特徴とするRTK-GPS測量システム。
【請求項2】
固定局としての衛星測位手段の固有IDが複数個前記サーバに登録され、
前記移動局としての衛星測位手段には、その制御部に固定局として用いられる衛星測位手段の固有のIDを選択する選択手段が設けられ、前記移動局としての衛星測位手段からの制御部の操作によって、前記固定局としての複数個の衛星測位手段の一つを選択可能なことを特徴とする請求項1に記載のRTK-GPS測量システム。
【請求項3】
前記固定局と前記移動局とを含む各衛星測位手段がグループ化され、前記各衛星測位手段の制御部には各衛星測位手段が所属するグループに所属の他の衛星測位手段の固有IDが登録され、固有IDを互いに保持するグループの範囲内で、各衛星測位手段の制御部が互いに通信可能とされていることを特徴とする請求項2に記載のRTK-GPS測量システム。
【請求項4】
前記移動局として利用される衛星測位手段が前記IP-VPN通信ネットワーク網に複数個存在し、移動局として利用される二台以上の衛星測位手段を用いて同時観測を行う間接観測法による測量を行うため、前記移動局として利用される一の衛星測位手段の制御部に、他の移動局に観測開始から観測終了までの指示を行う指示部が設けられ、該他の移動局の制御部には前記指示部による指示を伝えるための報知部が設けられ、該他の移動局は前記一の移動局の指示に基づき観測開始から観測終了までの測量を同時に行うことを特徴とする請求項1に記載のRTK-GPS測量システム。
【請求項5】
前記各衛星測位手段には、その制御部に該制御部の機能を実行するファームウエアが設けられ、
前記IP-VPN通信ネットワーク網に前記制御部の機能を更新する集中端末装置が設けられ、
前記各衛星測位手段は、前記集中制御装置にアクセスすることにより前記ファームウェアをオンラインで更新できることを特徴とする請求項1に記載のRTK-GPS測量システム。
【請求項6】
前記各衛星測位手段は、前記サーバを介して前記集中制御装置にアクセス可能であることを特徴とする請求項5に記載のRTK-GPS測量システム。
【請求項7】
前記IP-VP通信ネットワーク網には、前記各衛星測位手段により得られたデータをオンラインで解析処理するための集中解析処理装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のRTK-GPS測量システム。
【請求項8】
前記集中解析処理装置の固有IDが前記サーバに登録され、前記各衛星測位手段は前記サーバを介して前記集中解析処理装置と通信が確立されることを特徴とする請求項7に記載のRTK-GPS測量システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−271429(P2007−271429A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96813(P2006−96813)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)
【Fターム(参考)】