説明

SARSコロナウイルスのRNAシュードノット構造に結合してリボソームフレームシフトを抑制するホモピペラジン系化合物

【課題】SARSコロナウイルスのRNAシュードノット構造に結合してリボソームフレームシフトを抑制するホモピペラジン系化合物の提供、抗ウイルス治療及び予防に有用な化合物並びにこれを含有した薬剤組成物の提供。
【解決手段】治療学的有効量の下記式のホモピペラジン系化合物、またはその薬剤学的に許容される塩を薬剤学的担体もしくは賦形剤とともに含む薬剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗ウイルス治療及び予防に有用な化合物並びにこれを含有した薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome;以下、SARSと略す)は、2002年11月から中国廣東地域を中心に発生して全世界に広がっており、発熱と咳、呼吸困難、非定型肺炎などの症状を伴う症候群である。今のところは、治療法に対する充分な情報がなく、一部抗菌剤や抗ウイルス剤とともに投与して治療を行っているが、その効果が満足できるほどではなく、死亡率が高くなっている。よって、強力な急性呼吸器症候群の治療剤の開発が急である。本発明は、このような必要によってなされたものである。
一方、ウイルスが起こす疾病を治療するために開発される殆どの抗ウイルス剤は、ウイルスの生存に重要な蛋白質をターゲットとして開発されている。このような方式により開発された薬剤の場合、はじめには反応を見せるが、治療期間中に薬物に対して耐性を示すという問題が発生する。これは、ウイルスでは速い速度で蛋白質自体の突然変異が起きるから、特定ウイルスの蛋白質をターゲットとして開発された薬剤に耐性を持ちやすくなるためである。したがって、ウイルスの治療においては、薬剤に対するウイルスの耐性を阻止することがなによりも重要である。したがって、蛋白質をターゲットとする代わりに、点突然変異による耐性発現が相対的に遅く生じるRNAの特定構造をターゲットとする薬物を開発することが、こういう問題点を解決するための一つの方法として考えられている。しかしながら、SARSコロナウイルスをはじめとする他の様々なウイルスでも、蛋白質生成の重要な機序である−1フレームシフトの重要因子であるRNAシュードノット構造をターゲットとして開発された抗ウイルス製剤として可能性を有する化合物の開発は皆無である。
【特許文献1】特開2005−263773
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、SARSコロナウイルスに存在するRNAシュードノット構造をターゲットとして、従来の抗ウイルス剤が有する限界を念頭に置いてなされたものであって、急性呼吸器症候群に対して生存抑制の優れた活性を見せ、かつ薬剤に対する耐性の発生を最小化した抗ウイルス剤として有用な化合物またはこれを含有した薬剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成すべく、本発明は、下記式(1)のホモピペラジン系化合物またはその薬剤学的に許容される塩を含む薬剤組成物を提供する。さらに具体的に説明すると、治療学的有効量の下記式(1)のホモピペラジン系化合物またはその薬剤学的に許容される塩を含む、SARSコロナウイルスのRNAシュードノット構造に結合して、リボソーム−1フレームシフトを抑制するための薬剤組成物を提供する。
【0005】
本発明は、治療学的有効量の下記式(1)のホモピペラジン系化合物またはその薬剤学的に許容される塩を薬剤学的担体または賦形剤とともに含む、SARSコロナウイルスに特異的に存在するRNAシュードノット構造に結合して−1フレームシフトにより誘導される蛋白質の生成を阻害することを特徴とする薬剤組成物を提供する。
【化1】

(1)
式中、
Rは、H,C〜Cアルキル、C〜C10アリールまたは、アリールの炭素上にNもしくはOが介在したヘテロアリールであり;
X及びYは、独立的に炭素または窒素であり;
Zは、酸素、硫黄または窒素であり;
X、Y及びZは、ハロゲン、C〜Cアルキルで置換されてもよく、または置換されなくてもよい
【0006】
また、本発明は、治療学的有効量の式(1)のホモピペラジン系化合物またはその薬剤学的に許容される塩を薬剤学的担体または賦形剤とともに含むことを特徴とする抗ウイルス性治療または予防のための薬剤組成物を提供する。
【0007】
また、本発明は、ウイルスがSARSコロナウイルスであることを特徴とする薬剤組成物を提供する。
【0008】
また、本発明は、式(1)の化合物が、
2−((4−(2メチル−チアゾール−4−イルメチル)−[1,4]ジアゼペン−1−カルボニル)アミノ)安息香酸エチルエステル;
2−({4−[5−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル]−[1,4]ジアゼパン−1−カルボニル}−アミノ)−安息香酸エチルエステル;
2−({4−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イルメチル)−[1,4]ジアゼパン−1−カルボニル}−アミノ)−安息香酸エチルエステル;または
2−({4−(5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル)[1,4]ジアゼパン−1−カルボニル}−アミノ)−安息香酸エチルエステルであることを特徴とする薬剤組成物を提供する。
【0009】
また、本発明は、経口投与のための剤形であることを特徴とする薬剤組成物を提供する。
【0010】
また、本発明は、非経口投与のための剤形であることを特徴とする薬剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の化合物によれば、急性呼吸器症候群の原因ウイルスであるSARSコロナウイルスに特異的に存在するRNAシュードノット構造に結合して、−1フレームシフトにより誘導される蛋白質の生成を阻害することによって、抗ウイルス剤としての潜在的効能を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】
−1フレームシフト(−1 frameshifting)機序とは、一つのmRNAで互いに異なる蛋白質を作ることができる機序のうちの一つであって、特定位置で正常な翻訳フレームの代わりに−1、すなわち、5´方向に1フレーム分だけシフトしたフレームを翻訳過程に用いて、2種類の異なる蛋白質を作る機序のことである。SARSウイルスは、宿主細胞内でRNAシュードノット構造が引き起こす−1フレームシフトを用いて、自己増殖に必要な2種類以上の蛋白質を正確な割合で作って使用するから、−1フレームシフトの効率において、増加または減少が起きるようになれば、ウイルスの自己増殖の過程が抑制されたり破壊されたりするという致命的な結果を引き起こす。
【0014】
RNAシュードノット構造は、−1フレームシフトの効率に重要な機能を果たすものと知られており、これらの構造的特性と安定性が−1フレームシフトの正確な効率を維持するのに極めて重要な機能を果たしている。本発明者等は、商業的に利用可能な数十万ケの化合物データベースを用いて、SARSウイルスのRNAシュードノット構造の三次元構造モデルをターゲットとしてコンピュータを用いた仮想検索を行なうことによって候補化合物群を確保し、試験管内と動物細胞内での−1フレームシフト効率分析実験を介して、既存の新薬開発法とは差別化した標的選定と方法により、ウイルスの生存に必ず必要な蛋白質に対して生成段階から抑制して合成できなくする低分子物質である下記式(1)の化合物を開発した。
【化1】

(1)
式中、
Rは、H,C〜Cアルキル、C〜C10アリールまたは、アリールの炭素上にNもしくはOが介在したヘテロアリールであり;
X及びYは、独立的に炭素または窒素であり;
Zは、酸素、硫または窒素であり;
X、Y及びZは、ハロゲン、C〜Cアルキルで置換されるか、または置換されることができる。
【0015】
前記式(1)の化合物のうち、特に好ましい化合物を下記の表1に示した。
【表1】

【0016】
本発明は、前記式(1)で表されるホモピペラジン系化合物及び薬学的に許容されるその塩、かつそれから製造可能な溶媒和物及び水和物を全て含む。
【0017】
本発明の式(1)の化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態で使用することができ、塩には、薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩が有用である。遊離酸には、有機酸と無機酸を使用することができ、無機酸には、塩酸、リン酸、硫酸、窒酸などを使用することができ、有機酸には、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸(maleic acid)、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、プロピオン酸(propionic acid)、乳酸(lactic acid)、グリコール酸(glycollic acid)、グルコン酸(gluconic acid)、ガラクツロン酸、グルタミン酸、グルタル酸(glutaric acid)、グルクロン酸(glucuronic acid)、アスパラギン酸、アスコルビン酸、カルボン酸、バニリン酸、ヨード酸などを使用することができる。
【0018】
本発明に係る酸付加塩は、通常の方法、例えば式(1)の化合物を過量の酸水溶液中に溶解させ、この塩を水混和性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトンまたはアセトニトリルを使用して沈殿させて製造し得る。同量の式(1)の化合物及び水中の酸またはアルコール(たとえば、グリコールモノメチルエーテル)を加熱し、次にこの混合物を乾燥させるか、または析出された塩を吸入ろ過させて製造することもできる。
【0019】
また、式(1)の化合物を可能な有機溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、ジクロロメタン、アセトニトリルを使用して溶解させ、前記列挙した様々な無機酸及び有機酸を直接あるいは有機溶媒に溶解されている形態で加えて、生成される塩を沈殿させ吸入ろ過して製造することもできる。
【0020】
式(1)の化合物は、臨床投与時に経口及び非経口の種々の剤形で投与できるが、製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調剤される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤などが含まれ、このような固形製剤は、一つ以上の式(1)の化合物に少なくとも一つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム(Calcium carbonate)、蔗糖(Sucrose)または乳糖(Lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調剤される。また、単純な賦形剤の他にマグネシウムスチレートタルクのような潤滑剤等も使用される。経口投与のための液状製剤には、懸濁剤、内容液剤、乳剤シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィンの他に種々の賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれることができる。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤には、プロピレングリコール(Propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、エチルオレイン酸のような注射可能なエステルなどが使用されることができる。坐剤の機序には、ウイテプソル(witepsol)、マクロゴール(marcrogol)、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチンなどが使用されることができる。
【0021】
本発明に係る有効性分の投与量は、体内で活性成分の吸収度、水活性化率及び排泄速度、患者の年齢、性別及び状態、治療する疾病の重症程度によって適切に選択されるが、一般に成人に1日に体重1kg当り式(1)の化合物を0.1〜500mgの範囲の量で1回または数回に分けて投与でき、好ましくは、1〜20mgの範囲である。
【0022】
以下、本発明を、実施例によってさらに詳細に説明する。ただし、下記の実施例らは、本発明を例示するものであって、本発明の内容が実施例により限定されるものではない。
【0023】
<実施例1>本発明の化合物の試験管内での−1フレームシフト効率分析法(invitro−1 frame shifting assay)
【0024】
前記表1に記載されたサンプル1〜4の化合物は、Tripos Discovery Research Center,Bude−Stratton Business Park,Bude,Cornwall EX23 8LY UK社から商業的に入手した。また、サンプル1の化合物は、下記の細胞−基材実験(cell based assay)のために、(株)LEADGENEX社に大量合成を依頼して使用した。
【0025】
TNT T7−coupled transcription/translation systemを使用して、−1フレームシフトにより引き起こされる蛋白質を生成した。SARSウイルスのRNAシュードノット構造が挿入された二重蛍光リポーター遺伝子が含まれたプラスミドを有する組み換えDNAを作って実験を実施した。総20μ?の反応に500ngのDNA、16μ?のうさぎの網状赤血球分離混合物(reticulocyte lysate mixture)、そしてメチオニンで標識された10μCi/μ?の濃度を有する35S 0.8μ?を使用した。ここにDMSO(dimethyl sulfoxide)に溶かした2.5mMの化合物(サンプル1)を添加した後、30℃で約2時間の間反応を行った。生成された蛋白質の量は、SDS−不連続電気泳動法と二重発光蛋白質分析法(dual luciferase assay)で分析した。
【0026】
結果分析方法1:SDS−不連続電気泳動法(SDS−discontinuous polyacrylamide gel electrophoresis;SDS−PAGE)
【0027】
生成された蛋白質のうち、フレームシフトが起こらず生成された蛋白質(Non−frame shifting protein)と−1フレームシフトにより生成された蛋白質(frame shifting protein)を分離するために、12%スタッキングゲルと5%ランニングゲルに電気泳動して、PhosphoImager screenに露出させてBAS機械で放射能写真を撮って得た結果を定量した。−1フレームシフト効率の計算は、反応で生成される蛋白質が有している35S−メチオニンの数を考慮して、%=(I[FS]/26)/[(I[FS]/26)+(I[NFS])/9]×100の式を用いる。ここで、I[FS」は、−1フレームシフトにより生成された蛋白質の量を表し、I[NFS」は、−1フレームシフトが起こらずに生成された蛋白質の量を意味する。上記で言及した化合物の結果は、図1のとおりである。
【0028】
本発明の−1フレームシフトの影響力分析結果、本発明化合物と他の化合物の結果を比較すると、発明化合物が−1フレームシフトにより生成される蛋白質の合成を顕著に妨害したことを見せている。DMSOは、本発明化合物が添加されない状態であり、残りは、本発明化合物の存在下で(2.5mM)行われた。
【0029】
結果分析方法2:二重発光蛋白質分析法(Dual Luciferase assay)
【0030】
−1フレームシフトの有無とその活性度をレポーター遺伝子の生成量を直接測定して再確認する実験である。In Vitro Transcription/Translation Coupled Assayから得たサンプルを約1μ?取って蛍の発光蛋白質(firefly luciferase)を測定するために、約50μ?のluciferase assay reagent IIを添加して、蛍の発光蛋白質量を測定し、Stop & Glo regentを50μ?添加して、第2番目にレニラ内発光蛋白質(renilla luciferase)をTD−20/20 Luminometerを使用して定量した。結果は、図2に示した。
【0031】
分析結果、本発明化合物が−1フレームシフトにより生成される蛋白質の合成を顕著に妨害した結果を見せた。DMSOは、発明化合物が添加されない状態であり、残りは、本発明化合物の存在下で(2.5mM)行われた。
【0032】
<実施例2>本発明化合物のSARSウイルスのRNAシュードノット構造に対する特異性実験
【0033】
上記で言及した同じ方法により、SARSウイルスのRNAシュードノット構造と全く類似性のない他のRNAシュードノット構造を共に実験して、その結果を比較分析した。
【0034】
本発明の−1フレームシフトの影響力分析結果は、下記のとおりである。
【0035】
結果分析方法1.
分析結果は、図3に示した。分析結果、本発明化合物が他のRNAシュードノット構造に影響を与えないことを確認した。
【0036】
結果分析方法2.
分析結果は、図4に示した。分析結果、本発明化合物が他のRNAシュードノット構造に影響を与えないことを再確認した。
【0037】
<実施例3>動物細胞内での−1フレームシフト分析
HEK 293(人間腎臓細胞)を用いて実験した。細胞培養には、ペニシリンとストレプトマイシンを添加したDMEM溶液を10%FBS(fetal bovine serum)で補強した培地を使用し、37℃、5%二酸化炭素、95%空気の条件で培養し、3〜4日に一度ずつ継代維持した。
【0038】
<実施例4>動物細胞内で発明化合物の−1フレームシフトに及ぼす影響実験
細胞を24ウェルプレートに分注し、細胞が底に付着するように24時間の間培養した。細胞が底面に付着した後、SARSウイルスのRNAシュードノット構造が含まれているDNAを挿入させて、培養器で約18時間を培養した後、発明化合物(サンプル1)をウェル当たり2μ?ずつ添加して、培養器で18時間さらに培養する。培養が終わった後、発明化合物が−1フレームシフトに及ぼす影響を二重蛍光分析法で測定した。
【0039】
測定結果は、図5に示した。分析結果、本発明化合物が−1フレームシフトにより生成される蛋白質の合成を妨害した結果を見せた。0mMは、発明化合物が添加されない状態であり、残りは、発明化合物の存在下で(0.02〜2mM)行われた。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】SDS−不連続電気泳動法による本発明の−1フレームシフトの影響力分析結果を示した図である。
【図2】二重発光蛋白質分析法による−1フレームシフトの有無とその活性度に対する分析結果を示したグラフである。
【図3】本発明化合物のSARSウイルスのRNAシュードノット構造に対する特異性実験による本発明の−1フレームシフトの影響力分析結果を示した図である。
【図4】本発明化合物のSARSウイルスのRNAシュードノット構造に対する特異性実験による−1フレームシフトの有無とその活性度に対する分析結果を示したグラフである。
【図5】本発明の化合物(サンプル1)の動物細胞内の−1フレームシフトに及ぼす影響力測定結果を示したグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療学的有効量の下記式(1)のホモピペラジン系化合物またはその薬剤学的に許容される塩を薬剤学的担体または賦形剤とともに含む、SARSコロナウイルスに特異的に存在するRNAシュードノット構造に結合して−1フレームシフトにより誘導される蛋白質の生成を阻害するための薬剤組成物:
【化1】

(1)
式中、
Rは、H,C〜Cアルキル、C〜C10アリールまたは、アリールの炭素上にNもしくはOが介在したヘテロアリールであり;
X及びYは、独立的に炭素または窒素であり;
Zは、酸素、硫黄または窒素であり;
X、Y及びZは、ハロゲン、C〜Cアルキルで置換されてもよく、または置換されなくてもよい
【請求項2】
治療学的有効量の式(1)のホモピペラジン系化合物またはその薬剤学的に許容される塩を薬剤学的担体または賦形剤とともに含む抗ウイルス性治療または予防のための薬剤組成物。
【請求項3】
ウイルスがSARSコロナウイルスである請求項2に記載の薬剤組成物。
【請求項4】
式(1)の化合物が、
2−((4−(2メチル−チアゾール−4−イルメチル)−[1,4]ジアゼペン−1−カルボニル)アミノ)安息香酸エチルエステル;
2−({4−[5−(3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル)−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルメチル]−[1,4]ジアゼパン−1−カルボニル}−アミノ)−安息香酸エチルエステル;
2−({4−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イルメチル)−[1,4]ジアゼパン−1−カルボニル}−アミノ)−安息香酸エチルエステル;または
2−({4−(5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル)[1,4]ジアゼパン−1−カルボニル}−アミノ)−安息香酸エチルエステルである請求項1または2に記載の薬剤組成物。
【請求項5】
経口投与のための剤形である請求項1または2に記載の薬剤組成物。
【請求項6】
非経口投与のための剤形である請求項1または2に記載の薬剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−156357(P2008−156357A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329428(P2007−329428)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(506392274)成均館大学校産学協力団 (10)
【Fターム(参考)】