ＳＤメモリーカードの挿入口構造
【課題】パネルの挿入口とＳＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合においても、ＳＤメモリーカードをＳＤソケットにスムーズに挿入し、ＳＤメモリーカード及びＳＤソケットの破損を防止する。
【解決手段】ＳＤメモリーカード１を挿入する挿入口２ａを有するパネル２と、ＳＤメモリーカードを挿入する開口部３ａを有し、パネルの背面側に設けられるＳＤソケット３と、前面の開口寸法がパネルの挿入口の寸法より大きく、かつ、背面の開口寸法がＳＤソケットの開口部の寸法と略同一に形成された開口部７ａを有し、ＳＤソケットの前面に設けられるガイド７とを備える。
【解決手段】ＳＤメモリーカード１を挿入する挿入口２ａを有するパネル２と、ＳＤメモリーカードを挿入する開口部３ａを有し、パネルの背面側に設けられるＳＤソケット３と、前面の開口寸法がパネルの挿入口の寸法より大きく、かつ、背面の開口寸法がＳＤソケットの開口部の寸法と略同一に形成された開口部７ａを有し、ＳＤソケットの前面に設けられるガイド７とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ＳＤ（Secure Digital）メモリーカードを挿入するＳＤソケットをパネルとは別体に設けた場合のＳＤメモリーカードの挿入口構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のＳＤメモリーカードの挿入口構造では、ＳＤメモリーカードを挿入するための開口部を有するＳＤソケットとＳＤメモリーカードを挿入するための挿入口を有するパネルとを別体に設ける場合、パネルの挿入口にＳＤソケットの開口部を合わせて固定している。しかしながら、このＳＤソケットの開口部の寸法はＳＤメモリーカードの挿入寸法と略同一に形成されているため、パネルの挿入口とＳＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合、ＳＤメモリーカードをパネルの挿入口から挿入した際に、ＳＤソケットの開口部先端にＳＤメモリーカードが衝突してしまい、ＳＤソケットまたはＳＤメモリーカードを破損する恐れがある。
【０００３】
これに対して、ＣＤ（Compact Disk）の挿入口構造として、パネルとＣＤソケットとの間にガイドを設けることで、パネルの挿入口とＣＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合にも、ガイドに沿ってＣＤをパネルからＣＤソケットに誘導することにより、ＣＤソケットの開口部先端への衝突を防ぎ、ＣＤ及びＣＤソケットの破損を防止できるように構成したものがある（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】実公平５−３５５１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１に開示されたＣＤの挿入口構造では、ＣＤソケットの開口部の寸法はＣＤの挿入寸法より大きく形成されている。一方、ＳＤメモリーカードの挿入口構造では、ＳＤソケットの開口部の寸法はＳＤメモリーカードの挿入寸法と略同一に形成されているため、特許文献１に開示されたガイドでは、パネルの挿入口とＳＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合にＳＤメモリーカードを誘導することができないという課題があった。
【０００６】
また、従来のＳＤメモリーカードの挿入口構造では、ＳＤメモリーカードをＳＤソケットに挿入している途中で上下方向に傾けて荷重を加えた場合、ＳＤソケットの変形またはＳＤソケットに取り付けられた回路基板からの剥離によるＳＤソケットの破損を起こす恐れがあるという課題があった。
また、ＳＤメモリーカードをＳＤソケットに挿抜する際にＳＤメモリーカードに加わる荷重はＳＤソケットの仕様により決められており、その挿抜荷重の範囲も大きく、個々に一様な挿抜荷重が得られないという課題があった。
また、ＳＤメモリーカードに帯電した静電気をＳＤソケットのみによってグランドに流していたため、グランド位置に制約があり、また、ＳＤソケットの端子部や周辺回路部品に静電気が入り込むことにより回路部品の破壊を起こす恐れがあるという課題があった。
【０００７】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、パネルの挿入口とＳＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合においても、ＳＤメモリーカードをＳＤソケットにスムーズに挿入することができ、ＳＤメモリーカード及びＳＤソケットの破損を防止することができるＳＤメモリーカードの挿入口構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
この発明に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造は、ＳＤメモリーカードを挿入する挿入口を有するパネルと、ＳＤメモリーカードを挿入する開口部を有し、パネルの背面側に設けられるＳＤソケットと、前面の開口寸法がパネルの挿入口の寸法より大きく、かつ、背面の開口寸法がＳＤソケットの開口部の寸法と略同一に形成された開口部を有し、ＳＤソケットの前面に設けられるガイドとを備えるものである。
【発明の効果】
【０００９】
この発明によれば、上記のように構成したので、前面の開口寸法がパネルの挿入口の寸法より大きく、背面の開口寸法がＳＤソケットの開口部の寸法と略同一に形成された開口部を有するガイドをＳＤソケットの前面に設けることにより、パネルの挿入口とＳＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合にも、ＳＤメモリーカードをガイドの開口部に沿ってスムーズにＳＤソケットに挿入することができ、ＳＤソケットの開口部先端にＳＤメモリーカードが衝突することを防ぎ、ＳＤメモリーカード及びＳＤソケットの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造を示す斜視図である。
【図２】この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造を示す分解斜視図である。
【図３】図１に示すこの発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造のＡ−Ａ線に沿った断面図である。
【図４】この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態１．
図１−４に示すように、ＳＤメモリーカード１の挿入口構造は、パネル２、ＳＤソケット３、回路基板４、シャーシ５、ホルダ６、ガイド７、バネ８及びシート９により構成される。
【００１２】
パネル２は、図３，４に示すように、本体の前面に配置されるものであり、ＳＤメモリーカード１を挿入するための挿入口２ａを有するものである。このパネル２が有する挿入口２ａの寸法はＳＤメモリーカード１の挿入寸法よりも大きく形成され、挿入口２ａの前面側はテーパ状になっており外部に向かい広くなるように形成されている。
【００１３】
ＳＤソケット３は、図３，４に示すように、パネル２の挿入口２ａから挿入されたＳＤメモリーカード１を挿入するものであり、ＳＤメモリーカード１を挿入するための開口部３ａを有するものである。このＳＤソケット３が有する開口部３ａの寸法はＳＤメモリーカード１の挿入寸法と略同一に形成されている。このように構成されるＳＤソケット３は回路基板４の上面に半田付けされることにより固定され、ＳＤソケット３の不図示の端子部が回路基板４に接続されている。
【００１４】
回路基板４は、ＳＤソケット３に挿入されたＳＤメモリーカード１に対するデータの読み出し・書き込みを行うための集積回路等を実装した基板である。また、図２に示すように、この回路基板４の上面には、ホルダ６を固定するための係合穴４ａが形成されている。このように構成される回路基板４は、上面に固定されたＳＤソケット３の開口部３ａがパネル２の挿入口２ａとほぼ等しい位置になるようにして、土台であるシャーシ５上に固定される。
【００１５】
ホルダ６は、図１，２に示すように、ＳＤソケット３の機械的強度を補強するためのものであり、コの字型に形成され、ＳＤソケット３を覆うように配置される。また、このホルダ６の両側面の下端には回路基板４の係合穴４ａと係合するための係合部６ａが形成され、上面にはガイド７を固定するための係合部６ｂが形成される。このように構成されるホルダ６は、係合部６ａが回路基板４の係合穴４ａに係合されて半田付けさせることにより固定される。
【００１６】
ガイド７は、図３に示すように、ＳＤソケット３の前面に設けられ、ＳＤメモリーカード１を挿入する際にパネル２の挿入口２ａからＳＤソケット３の開口部３ａに誘導するための開口部７ａを有するものである。このガイド７が有する開口部７ａは、前面の開口寸法が、パネル２の挿入口２ａとＳＤソケット３の開口部３ａとの位置ズレを考慮して、パネル２の挿入口２ａの寸法より大きく、背面の開口寸法がＳＤソケット３の開口部３ａの寸法と略同一であるテーパ状に形成される。また、図３に示すように、このガイド７はホルダ６、ＳＤソケット３及び回路基板４を上下から挟み込み保持するための保持板７ｂを有し、上側の保持板７ｂにはホルダ６の係合部６ｂと係合するための係合穴７ｃが形成されている。このように構成されるガイド７は、係合穴７ｃがホルダ６の係合部６ｂに係合されることによりホルダ６、ＳＤソケット３及び回路基板４を保持して固定される。
【００１７】
バネ８は、図４に示すように、ＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３に挿抜する際にＳＤメモリーカード１に適度な挿抜荷重をかけ、また、ＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３に挿入する際にＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３の開口部３ａの長手方向中心に誘導させるための弾性材であり、ガイド７の長手方向両端に一体に形成される。このガイド７の長手方向両端に形成されたバネ８に挟まれたガイド７の間隙部分はＳＤメモリーカード１の挿入幅よりも狭くなるように構成される。
【００１８】
シート９は、図２，３に示すように、パネル２の挿入口２ａからＳＤメモリーカード１を挿入する際に、ＳＤソケット３の開口部３ａ内に塵・埃等の粉塵が侵入するのを防ぐためのものであり、長手方向にスリットが形成された不織布等により構成されるものである。このシート９は、パネル２の挿入口２ａの背面に溶着されることにより固定される。
【００１９】
次に、上記のように構成されたＳＤメモリーカード１の挿入口構造にＳＤメモリーカード１を挿入する場合について説明する。
図３に示すように、ＳＤメモリーカード１をパネル２の挿入口２ａからＳＤソケット３の開口部３ａに挿入する際に、前面の開口寸法がパネル２の挿入口２ａの寸法よりも大きく、背面の開口寸法がＳＤソケット３の開口部３ａの寸法と略同一に形成された開口部７ａを有するガイド７をＳＤソケット３の前面に設けたことにより、パネル２の挿入口２ａとＳＤソケット３の開口部３ａとに位置ズレが生じている場合にも、ガイド７の開口部７ａに沿って、ＳＤメモリーカード１をパネル２の挿入口２ａからＳＤソケット３の開口部３ａへと誘導することができ、ＳＤソケット３の開口部３ａ先端にＳＤメモリーカード１を衝突させることなく挿入させることができる。
また、図４に示すように、ガイド７の長手方向両端に形成されたバネ８により、ＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３の開口部３ａの長手方向中心へと誘導することができ、スムーズにＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３に挿入させることができる。
【００２０】
以上のように、この発明の実施の形態１によれば、前面の開口寸法がパネル２の挿入口２ａの寸法より大きく、背面の開口寸法がＳＤソケット３の開口部３ａの寸法と略同一に形成された開口部７ａを有するガイド７をＳＤソケット３の前面に設けることにより、パネル２の挿入口２ａとＳＤソケット３の開口部３ａとに位置ズレが生じている場合にも、ＳＤメモリーカード１をスムーズにＳＤソケット３に挿入させることができ、ＳＤメモリーカード１及びＳＤソケット３の破損を防止することができる。
【００２１】
また、従来のＳＤメモリーカードの挿入口構造では、パネルに固定されたシートの背面にＳＤソケットを固定していたため、ＳＤメモリーカードを挿入する際にシートがＳＤソケット側にめくれ、ＳＤメモリーカードを圧迫していたが、この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカード１の挿入口構造では、前面の開口寸法がパネル２の挿入口２ａの寸法よりも大きく形成された開口部７ａを有するガイド７をパネル２に固定されたシート９の背面側に配置して構成したので、ＳＤメモリーカード１を挿入する際に、ガイド７の前面のすき間にめくれたシート９が入り込むことができるため、ＳＤメモリーカード１を圧迫することなく、スムーズに挿入することができる。
【００２２】
また、この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカード１の挿入口構造では、ＳＤメモリーカード１を挿入する際に生じる外力を、ホルダ６によって受け、ホルダ６、ＳＤソケット３及び回路基板４をガイド７によって挟み込み一体化するように構成したので、ＳＤメモリーカード１を挿入途中で上下方向に傾け荷重を加えた場合にもＳＤソケット３の変形または回路基板４からの剥離によるＳＤソケット３の破損を防止することができる。
【００２３】
なお、この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカード１の挿入口構造のバネ８の形状をＳＤソケット３の仕様に応じて変えてもよく、これによりＳＤメモリーカード１への挿抜荷重を容易に変化させることができるため、ＳＤメモリーカード１の挿抜荷重を一様で且つ好みの荷重に調整することができる。
【００２４】
また、この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカード１の挿入口構造では、バネ８をガイド７と一体に構成して説明したが、これに限るものではなく、例えば、バネ８を導電性樹脂等の導電性を有する材料によりガイド７とは別体に構成するようにしてもよい。この導電性のバネ８を用いることで、ＳＤメモリーカード１に帯電した静電気を回路基板４またはホルダ６のグランドへと流すことができ、ＳＤソケット３の不図示の端子部や周辺回路部品へ直接静電気が入ることによる回路部品の破壊を防止することができる。さらに、ガイド７を導電性樹脂材料にし、バネ８を別体としない構成にもできる。このようにすれば、バネ８を介せずともガイド７により同様の耐静電気の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【００２５】
１ ＳＤメモリーカード、２ パネル、２ａ 挿入口、３ ＳＤソケット、３ａ 開口部、４ 回路基板、４ａ 係合穴、５ シャーシ、６ ホルダ、６ａ，６ｂ 係合部、７ ガイド、７ａ 開口部、７ｂ 保持板、７ｃ 係合穴、８ バネ、９ シート。
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ＳＤ（Secure Digital）メモリーカードを挿入するＳＤソケットをパネルとは別体に設けた場合のＳＤメモリーカードの挿入口構造に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のＳＤメモリーカードの挿入口構造では、ＳＤメモリーカードを挿入するための開口部を有するＳＤソケットとＳＤメモリーカードを挿入するための挿入口を有するパネルとを別体に設ける場合、パネルの挿入口にＳＤソケットの開口部を合わせて固定している。しかしながら、このＳＤソケットの開口部の寸法はＳＤメモリーカードの挿入寸法と略同一に形成されているため、パネルの挿入口とＳＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合、ＳＤメモリーカードをパネルの挿入口から挿入した際に、ＳＤソケットの開口部先端にＳＤメモリーカードが衝突してしまい、ＳＤソケットまたはＳＤメモリーカードを破損する恐れがある。
【０００３】
これに対して、ＣＤ（Compact Disk）の挿入口構造として、パネルとＣＤソケットとの間にガイドを設けることで、パネルの挿入口とＣＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合にも、ガイドに沿ってＣＤをパネルからＣＤソケットに誘導することにより、ＣＤソケットの開口部先端への衝突を防ぎ、ＣＤ及びＣＤソケットの破損を防止できるように構成したものがある（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】実公平５−３５５１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１に開示されたＣＤの挿入口構造では、ＣＤソケットの開口部の寸法はＣＤの挿入寸法より大きく形成されている。一方、ＳＤメモリーカードの挿入口構造では、ＳＤソケットの開口部の寸法はＳＤメモリーカードの挿入寸法と略同一に形成されているため、特許文献１に開示されたガイドでは、パネルの挿入口とＳＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合にＳＤメモリーカードを誘導することができないという課題があった。
【０００６】
また、従来のＳＤメモリーカードの挿入口構造では、ＳＤメモリーカードをＳＤソケットに挿入している途中で上下方向に傾けて荷重を加えた場合、ＳＤソケットの変形またはＳＤソケットに取り付けられた回路基板からの剥離によるＳＤソケットの破損を起こす恐れがあるという課題があった。
また、ＳＤメモリーカードをＳＤソケットに挿抜する際にＳＤメモリーカードに加わる荷重はＳＤソケットの仕様により決められており、その挿抜荷重の範囲も大きく、個々に一様な挿抜荷重が得られないという課題があった。
また、ＳＤメモリーカードに帯電した静電気をＳＤソケットのみによってグランドに流していたため、グランド位置に制約があり、また、ＳＤソケットの端子部や周辺回路部品に静電気が入り込むことにより回路部品の破壊を起こす恐れがあるという課題があった。
【０００７】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、パネルの挿入口とＳＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合においても、ＳＤメモリーカードをＳＤソケットにスムーズに挿入することができ、ＳＤメモリーカード及びＳＤソケットの破損を防止することができるＳＤメモリーカードの挿入口構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
この発明に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造は、ＳＤメモリーカードを挿入する挿入口を有するパネルと、ＳＤメモリーカードを挿入する開口部を有し、パネルの背面側に設けられるＳＤソケットと、前面の開口寸法がパネルの挿入口の寸法より大きく、かつ、背面の開口寸法がＳＤソケットの開口部の寸法と略同一に形成された開口部を有し、ＳＤソケットの前面に設けられるガイドとを備えるものである。
【発明の効果】
【０００９】
この発明によれば、上記のように構成したので、前面の開口寸法がパネルの挿入口の寸法より大きく、背面の開口寸法がＳＤソケットの開口部の寸法と略同一に形成された開口部を有するガイドをＳＤソケットの前面に設けることにより、パネルの挿入口とＳＤソケットの開口部とに位置ズレが生じている場合にも、ＳＤメモリーカードをガイドの開口部に沿ってスムーズにＳＤソケットに挿入することができ、ＳＤソケットの開口部先端にＳＤメモリーカードが衝突することを防ぎ、ＳＤメモリーカード及びＳＤソケットの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造を示す斜視図である。
【図２】この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造を示す分解斜視図である。
【図３】図１に示すこの発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造のＡ−Ａ線に沿った断面図である。
【図４】この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカードの挿入口構造の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態１．
図１−４に示すように、ＳＤメモリーカード１の挿入口構造は、パネル２、ＳＤソケット３、回路基板４、シャーシ５、ホルダ６、ガイド７、バネ８及びシート９により構成される。
【００１２】
パネル２は、図３，４に示すように、本体の前面に配置されるものであり、ＳＤメモリーカード１を挿入するための挿入口２ａを有するものである。このパネル２が有する挿入口２ａの寸法はＳＤメモリーカード１の挿入寸法よりも大きく形成され、挿入口２ａの前面側はテーパ状になっており外部に向かい広くなるように形成されている。
【００１３】
ＳＤソケット３は、図３，４に示すように、パネル２の挿入口２ａから挿入されたＳＤメモリーカード１を挿入するものであり、ＳＤメモリーカード１を挿入するための開口部３ａを有するものである。このＳＤソケット３が有する開口部３ａの寸法はＳＤメモリーカード１の挿入寸法と略同一に形成されている。このように構成されるＳＤソケット３は回路基板４の上面に半田付けされることにより固定され、ＳＤソケット３の不図示の端子部が回路基板４に接続されている。
【００１４】
回路基板４は、ＳＤソケット３に挿入されたＳＤメモリーカード１に対するデータの読み出し・書き込みを行うための集積回路等を実装した基板である。また、図２に示すように、この回路基板４の上面には、ホルダ６を固定するための係合穴４ａが形成されている。このように構成される回路基板４は、上面に固定されたＳＤソケット３の開口部３ａがパネル２の挿入口２ａとほぼ等しい位置になるようにして、土台であるシャーシ５上に固定される。
【００１５】
ホルダ６は、図１，２に示すように、ＳＤソケット３の機械的強度を補強するためのものであり、コの字型に形成され、ＳＤソケット３を覆うように配置される。また、このホルダ６の両側面の下端には回路基板４の係合穴４ａと係合するための係合部６ａが形成され、上面にはガイド７を固定するための係合部６ｂが形成される。このように構成されるホルダ６は、係合部６ａが回路基板４の係合穴４ａに係合されて半田付けさせることにより固定される。
【００１６】
ガイド７は、図３に示すように、ＳＤソケット３の前面に設けられ、ＳＤメモリーカード１を挿入する際にパネル２の挿入口２ａからＳＤソケット３の開口部３ａに誘導するための開口部７ａを有するものである。このガイド７が有する開口部７ａは、前面の開口寸法が、パネル２の挿入口２ａとＳＤソケット３の開口部３ａとの位置ズレを考慮して、パネル２の挿入口２ａの寸法より大きく、背面の開口寸法がＳＤソケット３の開口部３ａの寸法と略同一であるテーパ状に形成される。また、図３に示すように、このガイド７はホルダ６、ＳＤソケット３及び回路基板４を上下から挟み込み保持するための保持板７ｂを有し、上側の保持板７ｂにはホルダ６の係合部６ｂと係合するための係合穴７ｃが形成されている。このように構成されるガイド７は、係合穴７ｃがホルダ６の係合部６ｂに係合されることによりホルダ６、ＳＤソケット３及び回路基板４を保持して固定される。
【００１７】
バネ８は、図４に示すように、ＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３に挿抜する際にＳＤメモリーカード１に適度な挿抜荷重をかけ、また、ＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３に挿入する際にＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３の開口部３ａの長手方向中心に誘導させるための弾性材であり、ガイド７の長手方向両端に一体に形成される。このガイド７の長手方向両端に形成されたバネ８に挟まれたガイド７の間隙部分はＳＤメモリーカード１の挿入幅よりも狭くなるように構成される。
【００１８】
シート９は、図２，３に示すように、パネル２の挿入口２ａからＳＤメモリーカード１を挿入する際に、ＳＤソケット３の開口部３ａ内に塵・埃等の粉塵が侵入するのを防ぐためのものであり、長手方向にスリットが形成された不織布等により構成されるものである。このシート９は、パネル２の挿入口２ａの背面に溶着されることにより固定される。
【００１９】
次に、上記のように構成されたＳＤメモリーカード１の挿入口構造にＳＤメモリーカード１を挿入する場合について説明する。
図３に示すように、ＳＤメモリーカード１をパネル２の挿入口２ａからＳＤソケット３の開口部３ａに挿入する際に、前面の開口寸法がパネル２の挿入口２ａの寸法よりも大きく、背面の開口寸法がＳＤソケット３の開口部３ａの寸法と略同一に形成された開口部７ａを有するガイド７をＳＤソケット３の前面に設けたことにより、パネル２の挿入口２ａとＳＤソケット３の開口部３ａとに位置ズレが生じている場合にも、ガイド７の開口部７ａに沿って、ＳＤメモリーカード１をパネル２の挿入口２ａからＳＤソケット３の開口部３ａへと誘導することができ、ＳＤソケット３の開口部３ａ先端にＳＤメモリーカード１を衝突させることなく挿入させることができる。
また、図４に示すように、ガイド７の長手方向両端に形成されたバネ８により、ＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３の開口部３ａの長手方向中心へと誘導することができ、スムーズにＳＤメモリーカード１をＳＤソケット３に挿入させることができる。
【００２０】
以上のように、この発明の実施の形態１によれば、前面の開口寸法がパネル２の挿入口２ａの寸法より大きく、背面の開口寸法がＳＤソケット３の開口部３ａの寸法と略同一に形成された開口部７ａを有するガイド７をＳＤソケット３の前面に設けることにより、パネル２の挿入口２ａとＳＤソケット３の開口部３ａとに位置ズレが生じている場合にも、ＳＤメモリーカード１をスムーズにＳＤソケット３に挿入させることができ、ＳＤメモリーカード１及びＳＤソケット３の破損を防止することができる。
【００２１】
また、従来のＳＤメモリーカードの挿入口構造では、パネルに固定されたシートの背面にＳＤソケットを固定していたため、ＳＤメモリーカードを挿入する際にシートがＳＤソケット側にめくれ、ＳＤメモリーカードを圧迫していたが、この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカード１の挿入口構造では、前面の開口寸法がパネル２の挿入口２ａの寸法よりも大きく形成された開口部７ａを有するガイド７をパネル２に固定されたシート９の背面側に配置して構成したので、ＳＤメモリーカード１を挿入する際に、ガイド７の前面のすき間にめくれたシート９が入り込むことができるため、ＳＤメモリーカード１を圧迫することなく、スムーズに挿入することができる。
【００２２】
また、この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカード１の挿入口構造では、ＳＤメモリーカード１を挿入する際に生じる外力を、ホルダ６によって受け、ホルダ６、ＳＤソケット３及び回路基板４をガイド７によって挟み込み一体化するように構成したので、ＳＤメモリーカード１を挿入途中で上下方向に傾け荷重を加えた場合にもＳＤソケット３の変形または回路基板４からの剥離によるＳＤソケット３の破損を防止することができる。
【００２３】
なお、この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカード１の挿入口構造のバネ８の形状をＳＤソケット３の仕様に応じて変えてもよく、これによりＳＤメモリーカード１への挿抜荷重を容易に変化させることができるため、ＳＤメモリーカード１の挿抜荷重を一様で且つ好みの荷重に調整することができる。
【００２４】
また、この発明の実施の形態１に係るＳＤメモリーカード１の挿入口構造では、バネ８をガイド７と一体に構成して説明したが、これに限るものではなく、例えば、バネ８を導電性樹脂等の導電性を有する材料によりガイド７とは別体に構成するようにしてもよい。この導電性のバネ８を用いることで、ＳＤメモリーカード１に帯電した静電気を回路基板４またはホルダ６のグランドへと流すことができ、ＳＤソケット３の不図示の端子部や周辺回路部品へ直接静電気が入ることによる回路部品の破壊を防止することができる。さらに、ガイド７を導電性樹脂材料にし、バネ８を別体としない構成にもできる。このようにすれば、バネ８を介せずともガイド７により同様の耐静電気の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【００２５】
１ ＳＤメモリーカード、２ パネル、２ａ 挿入口、３ ＳＤソケット、３ａ 開口部、４ 回路基板、４ａ 係合穴、５ シャーシ、６ ホルダ、６ａ，６ｂ 係合部、７ ガイド、７ａ 開口部、７ｂ 保持板、７ｃ 係合穴、８ バネ、９ シート。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ＳＤ（Secure Digital）メモリーカードを挿入する挿入口を有するパネルと、
前記ＳＤメモリーカードを挿入する開口部を有し、前記パネルの背面側に設けられるＳＤソケットと、
前面の開口寸法が前記パネルの挿入口の寸法より大きく、かつ、背面の開口寸法が前記ＳＤソケットの開口部の寸法と略同一に形成された開口部を有し、前記ＳＤソケットの前面に設けられるガイドと
を備えるＳＤメモリーカードの挿入口構造。
【請求項２】
ＳＤソケットを補強するホルダを備え、
ガイドは、前記ＳＤソケット及び前記ホルダを保持して固定される
ことを特徴とする請求項１記載のＳＤメモリーカードの挿入口構造。
【請求項３】
ガイドは、ＳＤメモリーカードが挿抜される際に挿抜荷重を加えるバネを有する
ことを特徴とする請求項１または請求項２記載のＳＤメモリーカードの挿入口構造。
【請求項４】
バネは導電性材料により形成される
ことを特徴とする請求項３記載のＳＤメモリーカードの挿入口構造。
【請求項１】
ＳＤ（Secure Digital）メモリーカードを挿入する挿入口を有するパネルと、
前記ＳＤメモリーカードを挿入する開口部を有し、前記パネルの背面側に設けられるＳＤソケットと、
前面の開口寸法が前記パネルの挿入口の寸法より大きく、かつ、背面の開口寸法が前記ＳＤソケットの開口部の寸法と略同一に形成された開口部を有し、前記ＳＤソケットの前面に設けられるガイドと
を備えるＳＤメモリーカードの挿入口構造。
【請求項２】
ＳＤソケットを補強するホルダを備え、
ガイドは、前記ＳＤソケット及び前記ホルダを保持して固定される
ことを特徴とする請求項１記載のＳＤメモリーカードの挿入口構造。
【請求項３】
ガイドは、ＳＤメモリーカードが挿抜される際に挿抜荷重を加えるバネを有する
ことを特徴とする請求項１または請求項２記載のＳＤメモリーカードの挿入口構造。
【請求項４】
バネは導電性材料により形成される
ことを特徴とする請求項３記載のＳＤメモリーカードの挿入口構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１１−４４３４１（Ｐ２０１１−４４３４１Ａ）
【公開日】平成２３年３月３日（２０１１．３．３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１９１９４２（Ｐ２００９−１９１９４２）
【出願日】平成２１年８月２１日（２００９．８．２１）
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年３月３日（２０１１．３．３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年８月２１日（２００９．８．２１）
【出願人】（０００００６０１３）三菱電機株式会社 (33,312)
【Ｆターム（参考）】
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