TFTアレイ検査装置およびTFTアレイ検査方法
【課題】サンプリング不良により生じる欠陥の誤検出を解消する。
【解決手段】ピクセルに対して異なる電圧の検査信号を二次元で互いに交互に印加する際に得られるピクセルの信号強度パターンの特徴を利用し、検査対象のピクセルに対してy方向で隣接するピクセルの信号強度と比較対照することによって、サンプリング不良によるx方向のサンプリング点の行が欠如した場合であっても、サンプリング行に含まれるピクセルについて欠陥検出を行う。検査対象のピクセルに対してy方向に隣接するピクセルの信号強度との比較対照において、検査対象のピクセルのサンプリング点の信号強度がy方向にずれたピクセルのサンプリング点の信号強度と異なる信号強度レベルであるときには正常なピクセルと判定し、検査対象のピクセルのサンプリング点の信号強度がy方向にずれたピクセルのサンプリング点の信号強度と同じ信号強度レベルであるときには正常なピクセルと判定する。
【解決手段】ピクセルに対して異なる電圧の検査信号を二次元で互いに交互に印加する際に得られるピクセルの信号強度パターンの特徴を利用し、検査対象のピクセルに対してy方向で隣接するピクセルの信号強度と比較対照することによって、サンプリング不良によるx方向のサンプリング点の行が欠如した場合であっても、サンプリング行に含まれるピクセルについて欠陥検出を行う。検査対象のピクセルに対してy方向に隣接するピクセルの信号強度との比較対照において、検査対象のピクセルのサンプリング点の信号強度がy方向にずれたピクセルのサンプリング点の信号強度と異なる信号強度レベルであるときには正常なピクセルと判定し、検査対象のピクセルのサンプリング点の信号強度がy方向にずれたピクセルのサンプリング点の信号強度と同じ信号強度レベルであるときには正常なピクセルと判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶基板等のTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査に関し、特に、TFTアレイの欠陥検出に関する。
【背景技術】
【0002】
TFTディスプレイ装置に用いるTFTアレイ基板の製造工程では、製造されたTFTアレイ基板が正しく駆動するかの検査が行われる(特許文献1,2)。
【0003】
液晶アレイ検査装置等のアレイ検査装置において、例えば、検査対象である基板のアレイに検査信号を印加してアレイを所定電位状態とし、基板上に電子ビームやイオンビーム等の荷電ビームを二次元的に照射して走査し、このビーム走査で得られる走査画像に基づいてTFTのアレイを検査するアレイ検査装置が知られている。TFTアレイ検査では、例えば、電子線の照射によって放出される二次電子をフォトマルチプライヤなどによってアナログ信号に変換して検出し、この検出信号の信号強度に基づいてアレイ欠陥を判定している。
【0004】
TFT基板のアレイとピクセルは対応して形成されており、アレイに駆動信号を印加することによって特定のピクセルを駆動することができる。TFTアレイ検査において、一般に、アレイに所定パターンの駆動信号を印加して基板内に形成されたパネルの各ピクセルを所定パターンで駆動し、これらのピクセルに電子線を照射し、照射点から放出される二次電子を検出する。この電子線照射をパネル内で走査して行うことによって、パネル内の各ピクセルから検出信号を取得している。
【0005】
ピクセルに対する荷電ビームの走査において、従来、各ピクセルに対して例えば4×4点あるいは4×3点の荷電ビームを照射して照射点をサンプリング点とし、一ピクセルについて複数のサンプリング点の検出信号を検出し、この検出信号を用いてピクセルに対応するアレイの欠陥を検出するための信号強度を算出している。
【0006】
図15は、従来のサンプリング例を説明するための概略図である。図15において、一つのピクセルに対して4×4点の合計16点の荷電ビームを照射して各照射点をサンプリング点とし、各サンプリング点で検出される検出信号を用いて欠陥検出のための検出信号を取得している。図15において、各ピクセルには隣接するピクセル間で異なる電位を生じさせ電圧パターンの検査信号が印加されている。この電圧パターンは、例えば、ピクセルにプラス電圧とマイナス電圧を交互に印加する。
【0007】
各ピクセルの欠陥検出は、ピクセル内の4×4点あるいは4×3点のサンプリング点の検出信号から欠陥検出用の信号強度を算出し、この信号強度とあらかじめ定めておいたしきい値と比較することによって行う。
【0008】
欠陥検出用の信号強度は、一ピクセル内のサンプリング点の重心を求め、この重心の近傍において、一ピクセル内のサンプリング点の点数よりも少ないサンプリング点を選択し、このサンプリング点の信号強度を用いて算出される。欠陥検出用の信号強度の算出は、例えば、選択したサンプリング点の信号強度を平均演算や中央値算出演算によって行うことができる。
【0009】
図15は、一ピクセルについて、x方向に4点y方向に4点の合計16点のサンプリング点を求める例を示している。この例では、欠陥検出用の信号強度の算出では、例えば、重心近傍にあるx方向に2点y方向に2点の合計4点のサンプリング点を用いて行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−271516号公報
【特許文献2】特開2004−309488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ピクセルの信号強度によってアレイ欠陥検出を行うには、各ピクセルの複数のサンプリング点の信号強度から欠陥検出用の信号強度を算出する必要がある。この信号強度の算出には、各ピクセルのサンプリング点の信号強度が正しく反映されることが求められる。信号強度の算出において、当該ピクセルに隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度が混入した場合には、欠陥検出用の信号強度に誤差が含まれることになり、誤検出の要因となる。
【0012】
サンプリング点の検出信号の検出は、電子線をx方向に振って走査すると共に、アレイ基板を載置するステージをy方向の移動させることによって二次元的に走査することで行っている。
【0013】
この電子線のx方向の走査とステージのy方向とによる二次元走査において、ステージ移動は機械的な動作を含むためy方向の走査において移動速度に変動が生じる場合がある。このようにy方向の移動速度に変動が生じると、y方向のサンプリング間隔が不揃いとなり、サンプリング点が形成するx方向の行にばらつきが生じ、設定された行数が得られない場合がある。
【0014】
例えば、一ピクセルについて4×4点のサンプリング点を取得する場合には、一ピクセルあたりx方向に4行分のサンプリング点が得られるが、y方向のサンプリング間隔にばらつきが生じた場合には4行分のサンプリング点が得られなくなる。例えば3行分のサンプリング点が欠如した場合には、1行分のサンプリング点しか得られないことになる。
【0015】
図16は、y方向のサンプリング点数が少ない場合を示し、1行分のサンプリング点しか得られない場合を示している。1行分のサンプリング点しか得られないピクセルについて重心を求め、この重心の近傍において検出用の4点のサンプリング点を選択すると、y方向で隣接するピクセルの信号強度を含むことになる。そのため、この4点のサンプリング点の信号強度を用いて欠陥検出用の信号強度を算出すると、目的とするピクセルのサンプリング点の信号強度の他に、隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度が含まれるため誤差が生じることになる。
【0016】
このような信号強度の誤差によって、正常なピクセルの欠陥ピクセルとして誤検出したり、欠陥ピクセルの検出を正常ピクセルとして誤検出するおそれがあるという問題がある。
【0017】
そこで、本発明は上記課題を解決して、サンプリング不良により生じる欠陥の誤検出を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願発明は、ピクセルに対して異なる電圧の検査信号を二次元で互いに交互に印加する際に得られるピクセルの信号強度パターンの特徴を利用し、検査対象のピクセルに対してy方向で隣接するピクセルの信号強度と比較対照することによって、サンプリング不良によって、x方向のサンプリング点が形成する行が欠如した場合であっても、当該サンプリング行に含まれるピクセルについて欠陥検出を行うものである。
【0019】
異なる電圧の検査信号を二次元で互いに交互に印加すると、パネルのピクセルには格子状の信号強度分布が形成される。この格子状の信号強度分布では、互いに隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度は互いに異なって現れる。この信号強度パターンによれば、正常ピクセルのサンプリング点の信号強度は隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度と異なる信号強度レベルとなる。一方、欠陥ピクセルのサンプリング点の信号強度は隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度と同じ信号強度レベルとなる。
【0020】
本願発明は、この信号強度パターンの特徴を利用し、検査対象のピクセルに対してy方向に隣接するピクセルの信号強度と比較対照し、検査対象のピクセルのサンプリング点の信号強度がy方向で隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度と異なる信号強度レベルであるときには正常なピクセルと判定し、検査対象のピクセルのサンプリング点の信号強度がy方向で隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度と同じ信号強度レベルであるときには正常なピクセルと判定する。
【0021】
本発明はTFTアレイ検査方法の態様とTFTアレイ検査装置の態様とすることができる。
【0022】
[TFTアレイ検査方法の態様]
本発明のTFTアレイ検査方法の態様は、TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、このパネル上に荷電ビームを照射して走査し、荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査方法であり、荷電ビームの照射によってパネル上の各ピクセルのサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出工程と、サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出工程と、欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定工程とを備える。
【0023】
信号強度選出工程は、ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出工程と、重心の近傍に第1の領域を設定し、第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定工程と、領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出工程とを備える。
【0024】
領域設定工程で設定する各領域が含むサンプリング点の点数は、ピクセルが含むサンプリング点の点数よりも小さく設定する。この設定によって、領域内に隣接するピクセルの信号強度が含まれることにより誤差を避けることができる。
【0025】
また、第2、3の領域は、一つのピクセルにおいてx方向のサンプリング点が少なくとも1行分欠如した際に、y方向に隣接するピクセルのサンプリング点を含むように設定する。この設定によって、検査対象のピクセルに対してy方向に隣接するピクセルの信号強度との比較対照を可能とする。
【0026】
欠陥判定工程は、信号強度選出工程で選出した第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
【0027】
判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には当該ピクセルは正常ピクセルであると判定し、2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルであると判定する。
【0028】
また、各ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、第1〜第3の領域はそれぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含むように設定し、判定条件は、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、一方、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定する。
【0029】
領域設定工程において、第1〜第3の領域はサンプリング点を同じ配置で備える領域であり、第2の領域は第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有し、第3の領域は第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有する構成とすることができる。
【0030】
[TFTアレイ検査装置の態様]
本発明のTFTアレイ検査装置の態様は、TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、パネル上に荷電ビームを照射して走査し、荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査装置であり、荷電ビームの照射によってパネル上の各ピクセルのサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出部と、サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出部と、欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定部とを備える。
【0031】
信号強度選出部は、ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出部と、重心の近傍に第1の領域を設定し、第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、第1の領域に対してy方向に第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定部と、領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出部とを備える。
【0032】
欠陥判定部は、信号強度選出部で選出した前記第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、この欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
【0033】
判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定する。
【0034】
各ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する構成であり、第1〜第3の領域をそれぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含むように設定した場合には、判定条件は、領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、一方、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定する。
【0035】
領域設定部は、一例として、第1〜第3の領域はサンプリング点を同じ配置で備える領域とし、第2の領域は第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有し、第3の領域は第1の領域に対してy方向に第2の領域と反対方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有するように設定することができる。
【0036】
本発明のTFTアレイ検査は、ピクセルが等間隔で配置されたパネルに限らず、ピクセルが不等間隔で配置されたパネルに対しても適用することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、サンプリング不良により生じる欠陥の誤検出を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のTFTアレイ検査の概要を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明のTFTアレイ検査の概要を説明するための説明図である。
【図3】本発明の一つのピクセルから4×4点のサンプリング点の信号強度を検出する例を説明するためのフローチャートである。
【図4】ピクセル間隔が均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図5】ピクセル間隔が均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図6】ピクセル間隔が均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図7】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図8】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図9】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図10】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図11】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図12】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図13】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図14】本発明のTFTアレイ検査による装置構成例を説明するための図である。
【図15】従来のサンプリング例を説明するための概略図である。
【図16】y方向のサンプリング点数が少ない場合のサンプリング例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。以下では、図1,2を用いて本発明のTFTアレイ検査の概要を説明し、図3〜図6を用いて本発明のTFTアレイ検査の第1の態様を説明し、図7〜13を用いて本発明のTFTアレイ検査の第2の態様を説明し、図14を用いて本発明のTFTアレイ検査による装置構成例を説明する。
【0040】
はじめに、本発明のTFTアレイ検査の概要を、図1のフローチャートおよび図2の説明図を用いて説明する。
【0041】
TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、パネル上に電子線等の荷電ビームを照射して走査し、荷電ビームの走査によって検出信号を検出する。
【0042】
荷電ビームの走査では、TFT基板に形成された各ピクセルに対して複数のサンプリング点に荷電ビームを照射し、各サンプリング点から検出信号を検出し、検出信号の信号強度を検出する(S1)。
【0043】
パネル上で行う二次元的のサンプリングは、パネルに対してx方向に行う荷電ビームを走査すると共に、y方向にステージを移動することによって行われる。このサンプリングにおいて、x方向の走査によって得られるサンプリング点で形成されるサンプリング行について欠如があるか否かを判定する。
【0044】
例えば、一ピクセルについて4×4点の計16点のサンプリング点から検出信号を検出する場合には、x方向について4行分のサンプリング行が得られる。
【0045】
隣接するピクセルに対して互いに異なる電圧信号を検査信号として印加すると、プラスチャージされたピクセルのサンプリング点で得られる検出信号と、マイナスチャージされたピクセルのサンプリング点で得られる検出信号とは、異なる信号強度を有している。
【0046】
x方向のサンプリング行について見ると、同じ信号強度のサンプリング点が4点連続して現れた後、次に異なる信号強度のサンプリング点が4点連続して現れる。同じ信号強度パターンが4行分を単位としてy方向に繰り返される。
【0047】
4行分を単位としてy方向に連続して現れる信号強度パターンによって、y方向のサンプリングル行を識別することができる。この信号強度パターンにおいて、同じ信号強度パターンのサンプリング行が4行分現れることなく異なる信号強度パターンが現れた場合には、サンプリング行の欠如が発生し、次のピクセルについてのサンプリングが行われたことを識別することができる(S2)。
【0048】
欠如したサンプリング行が無い場合には、S11〜S16によってピクセルの欠陥判定を行う。
【0049】
S11〜S16によるピクセルの欠陥判定では、ピクセルから得られたサンプリング点の重心を算出し(S11)、算出した重心の近傍に第1の領域を設定する。この第1の領域は、ピクセルよりも小さく領域とする。例えば、ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、第1の領域として2×2点の計4点のサンプリング点によって形成する。この4点のサンプリング点は、ピクセルが有する16点のサンプリング点の重心の近傍にあるサンプリング点である(S12)。第1の領域内のサンプリング点の信号強度を抽出する(S13)。
【0050】
第1の領域内のサンプリング点の信号強度を判定条件と照合して、正常ピクセルであるか、又は欠陥ピクセルであるかを判定する。判定条件は、対象とするピクセルに印加される検査信号の電圧によって得られるサンプリング点の信号強度の信号強度レベルを用いることができる。
【0051】
例えば、ピクセルに正電圧の検査信号が印加された場合には、ピクセルがプラスチャージされた際に得られるサンプリング点の信号強度の信号強度レベルを正電圧印加時の判定条件とし、ピクセルに負電圧の検査信号が印加された場合には、ピクセルがマイナスチャージされた際に得られるサンプリング点の信号強度の信号強度レベルを負電圧印加時の判定条件とすることができる(S14)。
【0052】
S14の判定において、正電圧の検査信号が印加されたピクセルから得られたサンプリング点の検出信号の信号強度レベルが正電圧印加時の判定条件を満たす場合、あるいは負電圧の検査信号が印加されたピクセルから得られたサンプリング点の検出信号の信号強度レベルが負電圧印加時の判定条件を満たす場合には、正常ピクセルとして判定する(S15)。一方、正電圧の検査信号が印加されたピクセルから得られたサンプリング点の検出信号の信号強度レベルが正電圧印加時の判定条件を満たさない場合、あるいは負電圧の検査信号が印加されたピクセルから得られたサンプリング点の検出信号の信号強度レベルが負電圧印加時の判定条件を満たさない場合には、欠陥ピクセルとして判定する(S16)。
【0053】
欠如したサンプリング行が有る場合には、S3〜S10によってピクセルの欠陥判定を行う。
【0054】
S3〜S10によるピクセルの欠陥判定では、ピクセルから得られたサンプリング点の重心を算出し(S3)、算出した重心の近傍に第1の領域を設定する。この第1の領域は、ピクセルよりも小さい領域とする。例えば、ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、第1の領域として2×2点の計4点のサンプリング点によって形成する。この4点のサンプリング点は、ピクセルが有する16点のサンプリング点の重心の近傍にあるサンプリング点である(S4)。
【0055】
S4の工程で設定した第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し(S5)、第1の領域に対してy方向に第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する(S6)。
【0056】
第2の領域と第3の領域は、ピクセルにx方向のサンプリング点の行が少なくとも1行分欠如した際に、このピクセルに対してy方向で隣接する2つのピクセルのサンプリング点を含むようにy方向にずらして設定する。この設定によって、第2の領域と第3の領域は第1の領域と重なる部分を有して互いに反対側に形成される。S4〜S6の工程で設定した第1〜第3の領域内のサンプリング点の信号強度を抽出する(S7)。
【0057】
第1〜第3の領域内のサンプリング点の信号強度について判定条件と照合し、正常ピクセルであるか欠陥ピクセルであるかを判定する。
【0058】
判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には正常ピクセルであると判定し、2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には欠陥ピクセルであると判定する。
【0059】
ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、第1〜第3の領域はそれぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含むように設定し、判定条件は、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には正常ピクセルと判定し、一方、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には欠陥ピクセルと判定する。
【0060】
図2(a),(b)は正常判定を説明するための図であり、図2(c),(d)は欠陥判定を説明するための図である。図2(a),(c)は、ピクセルP1に対してy方向に隣接する2つのピクセルP2,P3、第1の領域A1、第2の領域A2,第3の領域A3を示している。
【0061】
第1の領域A1は、ピクセルP1に含まれるサンプリング点(図示していない)の重心Oの近傍に設定され、第2の領域A2は第1の領域A1に対して図中の上方に設定され、第3の領域A3は第1の領域A1に対して図中の下方に設定される。第2の領域A2は、ピクセルP2のサンプリング点を含むように設定され、第3の領域A3は、ピクセルP3のサンプリング点を含むように設定される。
【0062】
ピクセルが正常である場合には、図2(a)に示すように、ピクセルに対して二次元で交互に異なる電圧を印加すると、y方向に並ぶ3つのピクセルは、互いに隣接するピクセルの信号強度が異なる信号パターンとなる。
【0063】
第1の領域A1の信号強度レベルはピクセルP1のサンプリング点の信号強度を表し、第2の領域A2の信号強度レベルはピクセルP2のサンプリング点の信号強度を表し、第3の領域A3の信号強度レベルはピクセルP3のサンプリング点の信号強度を表している。
【0064】
ピクセルP2,P3のサンプリング点の信号強度は、ピクセルP1のサンプリング点の信号強度と異なる信号強度を有しているため、第1の領域A1,第2の領域A2,および第3の領域A3に含まれる信号強度内に異なる信号強度レベルが少なくとも一つ含まれるか否かは、ピクセルP1が正常ピクセルであるとする判定条件となる。
【0065】
一方、ピクセルに欠陥がある場合には、図2(c)に示すように、ピクセルに対して二次元で交互に異なる電圧を印加すると、y方向に並ぶ3つのピクセルは、互いに隣接するピクセルの信号強度は同じ信号パターンとなる。
【0066】
ピクセルP1が欠陥ピクセルである場合には、ピクセルP1のサンプリングの信号強度は、ピクセルP2,P3のサンプリング点の信号強度と同じ信号強度レベルとなるため、第1の領域A1、第2の領域A2、および第3の領域A3の信号強度が同じ信号強度レベルである場合には、ピクセルP1は欠陥ピクセルであると判定することができる。
【0067】
以下、一つのピクセルから4×4点の計16点のサンプリング点の信号強度を検出する例について図3のフローチャートを用いて説明する。
【0068】
二次元で互いに隣接するピクセルに対して異なる電圧の検査信号を印加し、各ピクセルの電圧をサンプリング点の信号強度によって検出する(S21)。得られるサンプリング点の信号強度パターンが格子状パターンであるかを判定する(S22)。格子状パターンを形成しない場合には、ライン欠陥検査を行う(S23)。
【0069】
信号強度パラメータが格子状パターンである場合、S24〜S27によって、一ピクセルについてy方向のサンプリング点が形成する行の行数を判定する。この判定では、x方向のサンプリング点を単位とする列を設定し(S24)、y方向で次に隣接する行の信号強度パラメータと比較し(S25)、同じチャージ電圧による信号強度パターンであるかを判定する。隣接する行の信号強度パターンが異なる場合には、その行は隣接するピクセル行に含まれるサンプリング点であると判定する(S26)。S25,S26の判定は、4行分まで繰り返し、一ピクセル中に4行分のサンプリング行が含まれる場合には、欠陥行は無いものとして、次のピクセルに含まれるサンプリング行の行数を求める(S27)。
【0070】
S26の判定によって一ピクセルに含まれるサンプリング点の行数を求める。1行分のサンプリング点が欠如している場合には、一ピクセルは3行分のサンプリング点を含むことになり、同様に、2行分のサンプリング点が欠如している場合には一ピクセルは2行分のサンプリング点を含み、3行分のサンプリング点が欠如している場合には一ピクセルは1行分のサンプリング点を含むことになる。これによって、一ピクセル内において欠陥判定を行う判定ピクセル範囲を設定することができる(S28)。
【0071】
設定した判定ピクセル範囲について、その判定ピクセル範囲に含まれるサンプリング点の重心Oの重心位置を求め(S29)、重心位置の近傍に設定した第1の領域A1に含まれる4点のサンプリング点を求める(S30)。
【0072】
第1の領域A1に対してy方向に1サンプリング分ずらして第2の領域A2を設定し、第2の領域A2に含まれる4点のサンプリング点を求める(S31)。同様に、第1の領域A1に対してy方向に第2の領域A2と反対方向に1サンプリング分ずらして第3の領域A3を設定し、第3の領域A3に含まれる4点のサンプリング点を求める(S32)。
【0073】
S30〜S32で求めた第1の領域A1、第2の領域A2、および第3の領域A3に含まれるサンプリング点の信号強度を抽出し、以下のS34〜S36によって正常ピクセルと欠陥ピクセルを判定する。
【0074】
欠陥ピクセルの判定条件は、ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には正常ピクセルと判定し、一方、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には欠陥ピクセルと判定する(S34〜S36)。
【0075】
S24〜S36の処理を全ピクセルについて行うことによって、パネルの全ピクセルについて欠陥検出を行うことができる(S37)。
【0076】
以下、ピクセル間隔が均等である場合について図4〜図6を用いて説明し、ピクセル間隔が不均等である場合について図7〜図13を用いて説明する。
【0077】
[ピクセル間隔が均等である場合の適用]
(1行分のサンプリング点が欠如している場合)
図4は4×4点のピクセルにおいて1行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0078】
図4(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図4(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0079】
図4(a),(b)において、ピクセルは1行分の欠如によって3行分のサンプリング点を有する。この3行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の3行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0080】
図4(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有している。
【0081】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0082】
図4(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0083】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0084】
(2行分のサンプリング点が欠如している場合)
図5は4×4点のピクセルにおいて2行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0085】
図5(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図5(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0086】
図5(a),(b)において、ピクセルは2行分の欠如によって2行分のサンプリング点を有する。この2行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の2行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0087】
図5(a)において、第1の領域A1は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第2の領域A2および第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有している。
【0088】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0089】
図5(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0090】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0091】
(3行分のサンプリング点が欠如している場合)
図6は4×4点のピクセルにおいて3行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0092】
図6(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図6(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0093】
図6(a),(b)において、ピクセルは3行分の欠如によって1行分のサンプリング点を有する。この1行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0094】
図6(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有し、第3の領域A3は黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0095】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0096】
図6(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0097】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0098】
上記した各例から、ピクセル間隔が均等である場合の適用において、4×4点のピクセルにおいて、y方向のサンプリング点の行が1行の場合、2行の場合、3行の場合の何れの場合であっても、欠陥ピクセルと正常ピクセルを判定することができる。
【0099】
[ピクセル間隔が不均等である場合の適用]
前記した適用例は、ピクセルサイズが等しく均等間隔に配置されている場合である。本願発明は、ピクセルサイズが異なる場合であっても適用することができる。
【0100】
図7は、ピクセルサイズが等しくなく不均等間隔である例を説明するための図である。図7(a)は、例えば、R,G,B用のピクセルとしてピクセルサイズが等しく、各ピクセルが均等間隔で配置される場合を示している。この配置の他に、図7(b)に示すように、ピクセルサイズが異なり配置間隔を不均等とする配置が知られている。図では、ピクセルPa〜Pdのピッチ比率がa:b:c:dの例を示している。
【0101】
このような不均等間隔のピクセルに対して、図7(b)に示されるパネルを90°回転させることによって本発明によるTFTアレイ検査を適用することができる。
【0102】
図7(c)は、図7(b)に示されるパネルを90°回転させた状態を示している。この配置状態は、前記した均等間隔ピクセルにおいてサンプリング点の行が欠如した状態に対応させることができる。
【0103】
図7(c)に示す例では、ピクセルのサンプリング点の点数が4点、2点、3点、2点である例を示している。
【0104】
以下、各ピクセルに対して本発明を適用することで欠陥/正常の判定を行う場合について説明する。
【0105】
(y方向のサンプリング点の点数が2点である場合)
図8は、4×2点のピクセルPbにおいて1行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0106】
図8(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図8(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0107】
図8(a),(b)において、ピクセルは1行分の欠如によって1行分のサンプリング点を有する。この1行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の1行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0108】
図8(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有し、第3の領域A3は黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0109】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0110】
図8(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0111】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0112】
(y方向のサンプリング点の点数が3点である場合)
図9は、4×3点のピクセルPcにおいて1行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0113】
図9(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図9(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0114】
図9(a),(b)において、ピクセルは1行分の欠如によって2行分のサンプリング点を有する。この2行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の2行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0115】
図9(a)において、第1の領域A1は黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第2の領域A2および第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0116】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0117】
図9(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0118】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0119】
図10は、4×3点のピクセルPcにおいて2行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0120】
図10(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図10(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0121】
図10(a),(b)において、ピクセルは2行分の欠如によって1行分のサンプリング点を有する。この1行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の2行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0122】
図10(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有し、第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0123】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0124】
図10(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0125】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0126】
(y方向のサンプリング点の点数が4点である場合)
図11は、4×4点のピクセルPaにおいて1行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0127】
図11(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図11(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0128】
図11(a),(b)において、ピクセルは1行分の欠如によって3行分のサンプリング点を有する。この3行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の3行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0129】
図11(a)において、第1の領域A1は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第2の領域A2および第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有している。
【0130】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0131】
図11(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0132】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0133】
図12は、4×4点のピクセルPaにおいて2行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0134】
図12(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図12(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0135】
図12(a),(b)において、ピクセルは2行分の欠如によって2行分のサンプリング点を有する。この2行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の2行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0136】
図12(a)において、第1の領域A1は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第2の領域A2および第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有している。
【0137】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0138】
図12(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0139】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0140】
図13は、4×4点のピクセルPaにおいて3行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0141】
図13(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図13(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0142】
図13(a),(b)において、ピクセルは3行分の欠如によって1行分のサンプリング点を有する。この1行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の1行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0143】
図13(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点を有し、第3の領域A3は黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0144】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0145】
図13(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0146】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0147】
上記した各例から、ピクセル間隔が不均等である場合の適用において、4×4点のピクセル、4×3点のピクセル、4×2点のピクセルにおいて、y方向のサンプリング点の行がそれぞれ欠如場合であっても、欠陥ピクセルと正常ピクセルを判定することができる。
【0148】
図14は、本発明のTFTアレイ検査を行う検査装置に一構成例を説明するための図である。図14に示す構成例では、液晶基板等のTFT基板に電子線を照射し、TFT基板から放出される二次電子を検出し、二次電子の検出信号から信号画像を形成し、この信号画像に基づいて欠陥検出を行う構成例を示している。本発明は、検査対象の基板は液晶基板に限らず、また、基板走査は電子線に限らずイオンビーム等の荷電ビームとすることができる。また、検出信号は照射する荷電ビームに依存し、二次電子に限られるものではない。
【0149】
図14において、TFTアレイ検査装置1は、液晶基板等のTFT基板100を載置しXY方向に搬送自在とするステージ2と、ステージ2の上方位置にステージ2から離して配置された電子銃3と、TFT基板100のパネル101のピクセル(図示していない)から放出される二次電子を検出する検出器4とを備える。電子銃3および検出器4は複数の組み設けることができる。
【0150】
ステージ駆動制御部6はステージ2の駆動を制御し、電子線走査制御部5は電子銃3が照射する電子線の照射方向を制御して、TFT基板100上の電子線の走査を制御する。信号処理部10は、検出器4で検出して二次電子の検出信号を信号処理してサンプリング点の信号強度を検出し、得られたサンプリング点の信号強度を用いてピクセルの欠陥を検出し、検出位置によって欠陥ピクセルおよび対応する欠陥アレイを検出する。
【0151】
なお、ピクセルおよびアレイはTFT基板のパネルに形成され、各ピクセルはアレイに対して電圧を印加することによって駆動されるため、ピクセルの欠陥検出は、そのピクセルに対するアレイ検査に対応している。
【0152】
電子線走査制御部5,ステージ駆動制御部6,信号処理部10の各部の駆動動作は制御部7によって制御される。また、制御部7は、TFTアレイ検査装置1の全体の動作を含む制御を行う機能を有し、これらの制御を行うCPUおよびCPUを制御するプログラムを記憶するメモリ等によって構成することができる。
【0153】
ステージ2は、TFT基板100を載置するとともに、ステージ駆動制御部6によってX軸方向およびY軸方向に移動自在であり、また、電子銃Gから照射される電子線は電子線走査制御部5によってX軸方向あるいはY軸方向に振らせることができる。ステージ駆動制御部6および電子線走査制御部5は単独あるいは協働動作によって、電子線をTFT基板100上で走査させ、TFT基板100のパネル101の各ピクセルに照射させることができる。
【0154】
信号処理部10は、検出器4からの検出信号に基づいてサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出部11と、検出した信号強度およびサンプリング点を記憶する記憶部12と、サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出部13と、欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定部14とを備える。
【0155】
信号強度選出部13は、ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出部13aと、重心の近傍に第1の領域を設定し、第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、第1の領域に対してy方向に第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定部13bと、領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出部13cとを備える。
【0156】
欠陥判定部14は、信号強度選出部13で選出した第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、TFT基板は液晶基板や有機ELとすることができ、液晶基板や有機ELを形成する成膜装置の他、種々の半導体基板を形成する成膜装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0158】
A1 第1の領域
A2 第2の領域
A3 第3の領域
B 判定ピクセル領域
O 重心
P1〜P3 ピクセル
Pa〜Pd ピクセル
1 アレイ検査装置
2 ステージ
3 電子銃
4 検出器
5 電子線走査制御部
6 ステージ駆動制御部
7 制御部
10 信号処理部
11 信号強度検出部
12 記憶部
13 信号強度選出部
13a 重心検出部
13b 領域設定部
13c 信号強度抽出部
14 欠陥判定部
100 基板
101 パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶基板等のTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査に関し、特に、TFTアレイの欠陥検出に関する。
【背景技術】
【0002】
TFTディスプレイ装置に用いるTFTアレイ基板の製造工程では、製造されたTFTアレイ基板が正しく駆動するかの検査が行われる(特許文献1,2)。
【0003】
液晶アレイ検査装置等のアレイ検査装置において、例えば、検査対象である基板のアレイに検査信号を印加してアレイを所定電位状態とし、基板上に電子ビームやイオンビーム等の荷電ビームを二次元的に照射して走査し、このビーム走査で得られる走査画像に基づいてTFTのアレイを検査するアレイ検査装置が知られている。TFTアレイ検査では、例えば、電子線の照射によって放出される二次電子をフォトマルチプライヤなどによってアナログ信号に変換して検出し、この検出信号の信号強度に基づいてアレイ欠陥を判定している。
【0004】
TFT基板のアレイとピクセルは対応して形成されており、アレイに駆動信号を印加することによって特定のピクセルを駆動することができる。TFTアレイ検査において、一般に、アレイに所定パターンの駆動信号を印加して基板内に形成されたパネルの各ピクセルを所定パターンで駆動し、これらのピクセルに電子線を照射し、照射点から放出される二次電子を検出する。この電子線照射をパネル内で走査して行うことによって、パネル内の各ピクセルから検出信号を取得している。
【0005】
ピクセルに対する荷電ビームの走査において、従来、各ピクセルに対して例えば4×4点あるいは4×3点の荷電ビームを照射して照射点をサンプリング点とし、一ピクセルについて複数のサンプリング点の検出信号を検出し、この検出信号を用いてピクセルに対応するアレイの欠陥を検出するための信号強度を算出している。
【0006】
図15は、従来のサンプリング例を説明するための概略図である。図15において、一つのピクセルに対して4×4点の合計16点の荷電ビームを照射して各照射点をサンプリング点とし、各サンプリング点で検出される検出信号を用いて欠陥検出のための検出信号を取得している。図15において、各ピクセルには隣接するピクセル間で異なる電位を生じさせ電圧パターンの検査信号が印加されている。この電圧パターンは、例えば、ピクセルにプラス電圧とマイナス電圧を交互に印加する。
【0007】
各ピクセルの欠陥検出は、ピクセル内の4×4点あるいは4×3点のサンプリング点の検出信号から欠陥検出用の信号強度を算出し、この信号強度とあらかじめ定めておいたしきい値と比較することによって行う。
【0008】
欠陥検出用の信号強度は、一ピクセル内のサンプリング点の重心を求め、この重心の近傍において、一ピクセル内のサンプリング点の点数よりも少ないサンプリング点を選択し、このサンプリング点の信号強度を用いて算出される。欠陥検出用の信号強度の算出は、例えば、選択したサンプリング点の信号強度を平均演算や中央値算出演算によって行うことができる。
【0009】
図15は、一ピクセルについて、x方向に4点y方向に4点の合計16点のサンプリング点を求める例を示している。この例では、欠陥検出用の信号強度の算出では、例えば、重心近傍にあるx方向に2点y方向に2点の合計4点のサンプリング点を用いて行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−271516号公報
【特許文献2】特開2004−309488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ピクセルの信号強度によってアレイ欠陥検出を行うには、各ピクセルの複数のサンプリング点の信号強度から欠陥検出用の信号強度を算出する必要がある。この信号強度の算出には、各ピクセルのサンプリング点の信号強度が正しく反映されることが求められる。信号強度の算出において、当該ピクセルに隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度が混入した場合には、欠陥検出用の信号強度に誤差が含まれることになり、誤検出の要因となる。
【0012】
サンプリング点の検出信号の検出は、電子線をx方向に振って走査すると共に、アレイ基板を載置するステージをy方向の移動させることによって二次元的に走査することで行っている。
【0013】
この電子線のx方向の走査とステージのy方向とによる二次元走査において、ステージ移動は機械的な動作を含むためy方向の走査において移動速度に変動が生じる場合がある。このようにy方向の移動速度に変動が生じると、y方向のサンプリング間隔が不揃いとなり、サンプリング点が形成するx方向の行にばらつきが生じ、設定された行数が得られない場合がある。
【0014】
例えば、一ピクセルについて4×4点のサンプリング点を取得する場合には、一ピクセルあたりx方向に4行分のサンプリング点が得られるが、y方向のサンプリング間隔にばらつきが生じた場合には4行分のサンプリング点が得られなくなる。例えば3行分のサンプリング点が欠如した場合には、1行分のサンプリング点しか得られないことになる。
【0015】
図16は、y方向のサンプリング点数が少ない場合を示し、1行分のサンプリング点しか得られない場合を示している。1行分のサンプリング点しか得られないピクセルについて重心を求め、この重心の近傍において検出用の4点のサンプリング点を選択すると、y方向で隣接するピクセルの信号強度を含むことになる。そのため、この4点のサンプリング点の信号強度を用いて欠陥検出用の信号強度を算出すると、目的とするピクセルのサンプリング点の信号強度の他に、隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度が含まれるため誤差が生じることになる。
【0016】
このような信号強度の誤差によって、正常なピクセルの欠陥ピクセルとして誤検出したり、欠陥ピクセルの検出を正常ピクセルとして誤検出するおそれがあるという問題がある。
【0017】
そこで、本発明は上記課題を解決して、サンプリング不良により生じる欠陥の誤検出を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願発明は、ピクセルに対して異なる電圧の検査信号を二次元で互いに交互に印加する際に得られるピクセルの信号強度パターンの特徴を利用し、検査対象のピクセルに対してy方向で隣接するピクセルの信号強度と比較対照することによって、サンプリング不良によって、x方向のサンプリング点が形成する行が欠如した場合であっても、当該サンプリング行に含まれるピクセルについて欠陥検出を行うものである。
【0019】
異なる電圧の検査信号を二次元で互いに交互に印加すると、パネルのピクセルには格子状の信号強度分布が形成される。この格子状の信号強度分布では、互いに隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度は互いに異なって現れる。この信号強度パターンによれば、正常ピクセルのサンプリング点の信号強度は隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度と異なる信号強度レベルとなる。一方、欠陥ピクセルのサンプリング点の信号強度は隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度と同じ信号強度レベルとなる。
【0020】
本願発明は、この信号強度パターンの特徴を利用し、検査対象のピクセルに対してy方向に隣接するピクセルの信号強度と比較対照し、検査対象のピクセルのサンプリング点の信号強度がy方向で隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度と異なる信号強度レベルであるときには正常なピクセルと判定し、検査対象のピクセルのサンプリング点の信号強度がy方向で隣接するピクセルのサンプリング点の信号強度と同じ信号強度レベルであるときには正常なピクセルと判定する。
【0021】
本発明はTFTアレイ検査方法の態様とTFTアレイ検査装置の態様とすることができる。
【0022】
[TFTアレイ検査方法の態様]
本発明のTFTアレイ検査方法の態様は、TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、このパネル上に荷電ビームを照射して走査し、荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査方法であり、荷電ビームの照射によってパネル上の各ピクセルのサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出工程と、サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出工程と、欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定工程とを備える。
【0023】
信号強度選出工程は、ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出工程と、重心の近傍に第1の領域を設定し、第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定工程と、領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出工程とを備える。
【0024】
領域設定工程で設定する各領域が含むサンプリング点の点数は、ピクセルが含むサンプリング点の点数よりも小さく設定する。この設定によって、領域内に隣接するピクセルの信号強度が含まれることにより誤差を避けることができる。
【0025】
また、第2、3の領域は、一つのピクセルにおいてx方向のサンプリング点が少なくとも1行分欠如した際に、y方向に隣接するピクセルのサンプリング点を含むように設定する。この設定によって、検査対象のピクセルに対してy方向に隣接するピクセルの信号強度との比較対照を可能とする。
【0026】
欠陥判定工程は、信号強度選出工程で選出した第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
【0027】
判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には当該ピクセルは正常ピクセルであると判定し、2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルであると判定する。
【0028】
また、各ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、第1〜第3の領域はそれぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含むように設定し、判定条件は、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、一方、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定する。
【0029】
領域設定工程において、第1〜第3の領域はサンプリング点を同じ配置で備える領域であり、第2の領域は第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有し、第3の領域は第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有する構成とすることができる。
【0030】
[TFTアレイ検査装置の態様]
本発明のTFTアレイ検査装置の態様は、TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、パネル上に荷電ビームを照射して走査し、荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査装置であり、荷電ビームの照射によってパネル上の各ピクセルのサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出部と、サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出部と、欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定部とを備える。
【0031】
信号強度選出部は、ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出部と、重心の近傍に第1の領域を設定し、第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、第1の領域に対してy方向に第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定部と、領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出部とを備える。
【0032】
欠陥判定部は、信号強度選出部で選出した前記第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、この欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
【0033】
判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定する。
【0034】
各ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する構成であり、第1〜第3の領域をそれぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含むように設定した場合には、判定条件は、領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、一方、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定する。
【0035】
領域設定部は、一例として、第1〜第3の領域はサンプリング点を同じ配置で備える領域とし、第2の領域は第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有し、第3の領域は第1の領域に対してy方向に第2の領域と反対方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有するように設定することができる。
【0036】
本発明のTFTアレイ検査は、ピクセルが等間隔で配置されたパネルに限らず、ピクセルが不等間隔で配置されたパネルに対しても適用することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、サンプリング不良により生じる欠陥の誤検出を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のTFTアレイ検査の概要を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明のTFTアレイ検査の概要を説明するための説明図である。
【図3】本発明の一つのピクセルから4×4点のサンプリング点の信号強度を検出する例を説明するためのフローチャートである。
【図4】ピクセル間隔が均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図5】ピクセル間隔が均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図6】ピクセル間隔が均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図7】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図8】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図9】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図10】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図11】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図12】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図13】ピクセル間隔が不均等である場合の欠陥判定を説明するための図である。
【図14】本発明のTFTアレイ検査による装置構成例を説明するための図である。
【図15】従来のサンプリング例を説明するための概略図である。
【図16】y方向のサンプリング点数が少ない場合のサンプリング例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。以下では、図1,2を用いて本発明のTFTアレイ検査の概要を説明し、図3〜図6を用いて本発明のTFTアレイ検査の第1の態様を説明し、図7〜13を用いて本発明のTFTアレイ検査の第2の態様を説明し、図14を用いて本発明のTFTアレイ検査による装置構成例を説明する。
【0040】
はじめに、本発明のTFTアレイ検査の概要を、図1のフローチャートおよび図2の説明図を用いて説明する。
【0041】
TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、パネル上に電子線等の荷電ビームを照射して走査し、荷電ビームの走査によって検出信号を検出する。
【0042】
荷電ビームの走査では、TFT基板に形成された各ピクセルに対して複数のサンプリング点に荷電ビームを照射し、各サンプリング点から検出信号を検出し、検出信号の信号強度を検出する(S1)。
【0043】
パネル上で行う二次元的のサンプリングは、パネルに対してx方向に行う荷電ビームを走査すると共に、y方向にステージを移動することによって行われる。このサンプリングにおいて、x方向の走査によって得られるサンプリング点で形成されるサンプリング行について欠如があるか否かを判定する。
【0044】
例えば、一ピクセルについて4×4点の計16点のサンプリング点から検出信号を検出する場合には、x方向について4行分のサンプリング行が得られる。
【0045】
隣接するピクセルに対して互いに異なる電圧信号を検査信号として印加すると、プラスチャージされたピクセルのサンプリング点で得られる検出信号と、マイナスチャージされたピクセルのサンプリング点で得られる検出信号とは、異なる信号強度を有している。
【0046】
x方向のサンプリング行について見ると、同じ信号強度のサンプリング点が4点連続して現れた後、次に異なる信号強度のサンプリング点が4点連続して現れる。同じ信号強度パターンが4行分を単位としてy方向に繰り返される。
【0047】
4行分を単位としてy方向に連続して現れる信号強度パターンによって、y方向のサンプリングル行を識別することができる。この信号強度パターンにおいて、同じ信号強度パターンのサンプリング行が4行分現れることなく異なる信号強度パターンが現れた場合には、サンプリング行の欠如が発生し、次のピクセルについてのサンプリングが行われたことを識別することができる(S2)。
【0048】
欠如したサンプリング行が無い場合には、S11〜S16によってピクセルの欠陥判定を行う。
【0049】
S11〜S16によるピクセルの欠陥判定では、ピクセルから得られたサンプリング点の重心を算出し(S11)、算出した重心の近傍に第1の領域を設定する。この第1の領域は、ピクセルよりも小さく領域とする。例えば、ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、第1の領域として2×2点の計4点のサンプリング点によって形成する。この4点のサンプリング点は、ピクセルが有する16点のサンプリング点の重心の近傍にあるサンプリング点である(S12)。第1の領域内のサンプリング点の信号強度を抽出する(S13)。
【0050】
第1の領域内のサンプリング点の信号強度を判定条件と照合して、正常ピクセルであるか、又は欠陥ピクセルであるかを判定する。判定条件は、対象とするピクセルに印加される検査信号の電圧によって得られるサンプリング点の信号強度の信号強度レベルを用いることができる。
【0051】
例えば、ピクセルに正電圧の検査信号が印加された場合には、ピクセルがプラスチャージされた際に得られるサンプリング点の信号強度の信号強度レベルを正電圧印加時の判定条件とし、ピクセルに負電圧の検査信号が印加された場合には、ピクセルがマイナスチャージされた際に得られるサンプリング点の信号強度の信号強度レベルを負電圧印加時の判定条件とすることができる(S14)。
【0052】
S14の判定において、正電圧の検査信号が印加されたピクセルから得られたサンプリング点の検出信号の信号強度レベルが正電圧印加時の判定条件を満たす場合、あるいは負電圧の検査信号が印加されたピクセルから得られたサンプリング点の検出信号の信号強度レベルが負電圧印加時の判定条件を満たす場合には、正常ピクセルとして判定する(S15)。一方、正電圧の検査信号が印加されたピクセルから得られたサンプリング点の検出信号の信号強度レベルが正電圧印加時の判定条件を満たさない場合、あるいは負電圧の検査信号が印加されたピクセルから得られたサンプリング点の検出信号の信号強度レベルが負電圧印加時の判定条件を満たさない場合には、欠陥ピクセルとして判定する(S16)。
【0053】
欠如したサンプリング行が有る場合には、S3〜S10によってピクセルの欠陥判定を行う。
【0054】
S3〜S10によるピクセルの欠陥判定では、ピクセルから得られたサンプリング点の重心を算出し(S3)、算出した重心の近傍に第1の領域を設定する。この第1の領域は、ピクセルよりも小さい領域とする。例えば、ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、第1の領域として2×2点の計4点のサンプリング点によって形成する。この4点のサンプリング点は、ピクセルが有する16点のサンプリング点の重心の近傍にあるサンプリング点である(S4)。
【0055】
S4の工程で設定した第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し(S5)、第1の領域に対してy方向に第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する(S6)。
【0056】
第2の領域と第3の領域は、ピクセルにx方向のサンプリング点の行が少なくとも1行分欠如した際に、このピクセルに対してy方向で隣接する2つのピクセルのサンプリング点を含むようにy方向にずらして設定する。この設定によって、第2の領域と第3の領域は第1の領域と重なる部分を有して互いに反対側に形成される。S4〜S6の工程で設定した第1〜第3の領域内のサンプリング点の信号強度を抽出する(S7)。
【0057】
第1〜第3の領域内のサンプリング点の信号強度について判定条件と照合し、正常ピクセルであるか欠陥ピクセルであるかを判定する。
【0058】
判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には正常ピクセルであると判定し、2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には欠陥ピクセルであると判定する。
【0059】
ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、第1〜第3の領域はそれぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含むように設定し、判定条件は、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には正常ピクセルと判定し、一方、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には欠陥ピクセルと判定する。
【0060】
図2(a),(b)は正常判定を説明するための図であり、図2(c),(d)は欠陥判定を説明するための図である。図2(a),(c)は、ピクセルP1に対してy方向に隣接する2つのピクセルP2,P3、第1の領域A1、第2の領域A2,第3の領域A3を示している。
【0061】
第1の領域A1は、ピクセルP1に含まれるサンプリング点(図示していない)の重心Oの近傍に設定され、第2の領域A2は第1の領域A1に対して図中の上方に設定され、第3の領域A3は第1の領域A1に対して図中の下方に設定される。第2の領域A2は、ピクセルP2のサンプリング点を含むように設定され、第3の領域A3は、ピクセルP3のサンプリング点を含むように設定される。
【0062】
ピクセルが正常である場合には、図2(a)に示すように、ピクセルに対して二次元で交互に異なる電圧を印加すると、y方向に並ぶ3つのピクセルは、互いに隣接するピクセルの信号強度が異なる信号パターンとなる。
【0063】
第1の領域A1の信号強度レベルはピクセルP1のサンプリング点の信号強度を表し、第2の領域A2の信号強度レベルはピクセルP2のサンプリング点の信号強度を表し、第3の領域A3の信号強度レベルはピクセルP3のサンプリング点の信号強度を表している。
【0064】
ピクセルP2,P3のサンプリング点の信号強度は、ピクセルP1のサンプリング点の信号強度と異なる信号強度を有しているため、第1の領域A1,第2の領域A2,および第3の領域A3に含まれる信号強度内に異なる信号強度レベルが少なくとも一つ含まれるか否かは、ピクセルP1が正常ピクセルであるとする判定条件となる。
【0065】
一方、ピクセルに欠陥がある場合には、図2(c)に示すように、ピクセルに対して二次元で交互に異なる電圧を印加すると、y方向に並ぶ3つのピクセルは、互いに隣接するピクセルの信号強度は同じ信号パターンとなる。
【0066】
ピクセルP1が欠陥ピクセルである場合には、ピクセルP1のサンプリングの信号強度は、ピクセルP2,P3のサンプリング点の信号強度と同じ信号強度レベルとなるため、第1の領域A1、第2の領域A2、および第3の領域A3の信号強度が同じ信号強度レベルである場合には、ピクセルP1は欠陥ピクセルであると判定することができる。
【0067】
以下、一つのピクセルから4×4点の計16点のサンプリング点の信号強度を検出する例について図3のフローチャートを用いて説明する。
【0068】
二次元で互いに隣接するピクセルに対して異なる電圧の検査信号を印加し、各ピクセルの電圧をサンプリング点の信号強度によって検出する(S21)。得られるサンプリング点の信号強度パターンが格子状パターンであるかを判定する(S22)。格子状パターンを形成しない場合には、ライン欠陥検査を行う(S23)。
【0069】
信号強度パラメータが格子状パターンである場合、S24〜S27によって、一ピクセルについてy方向のサンプリング点が形成する行の行数を判定する。この判定では、x方向のサンプリング点を単位とする列を設定し(S24)、y方向で次に隣接する行の信号強度パラメータと比較し(S25)、同じチャージ電圧による信号強度パターンであるかを判定する。隣接する行の信号強度パターンが異なる場合には、その行は隣接するピクセル行に含まれるサンプリング点であると判定する(S26)。S25,S26の判定は、4行分まで繰り返し、一ピクセル中に4行分のサンプリング行が含まれる場合には、欠陥行は無いものとして、次のピクセルに含まれるサンプリング行の行数を求める(S27)。
【0070】
S26の判定によって一ピクセルに含まれるサンプリング点の行数を求める。1行分のサンプリング点が欠如している場合には、一ピクセルは3行分のサンプリング点を含むことになり、同様に、2行分のサンプリング点が欠如している場合には一ピクセルは2行分のサンプリング点を含み、3行分のサンプリング点が欠如している場合には一ピクセルは1行分のサンプリング点を含むことになる。これによって、一ピクセル内において欠陥判定を行う判定ピクセル範囲を設定することができる(S28)。
【0071】
設定した判定ピクセル範囲について、その判定ピクセル範囲に含まれるサンプリング点の重心Oの重心位置を求め(S29)、重心位置の近傍に設定した第1の領域A1に含まれる4点のサンプリング点を求める(S30)。
【0072】
第1の領域A1に対してy方向に1サンプリング分ずらして第2の領域A2を設定し、第2の領域A2に含まれる4点のサンプリング点を求める(S31)。同様に、第1の領域A1に対してy方向に第2の領域A2と反対方向に1サンプリング分ずらして第3の領域A3を設定し、第3の領域A3に含まれる4点のサンプリング点を求める(S32)。
【0073】
S30〜S32で求めた第1の領域A1、第2の領域A2、および第3の領域A3に含まれるサンプリング点の信号強度を抽出し、以下のS34〜S36によって正常ピクセルと欠陥ピクセルを判定する。
【0074】
欠陥ピクセルの判定条件は、ピクセルが4×4点の計16点のサンプリング点を有する場合には、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には正常ピクセルと判定し、一方、各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には欠陥ピクセルと判定する(S34〜S36)。
【0075】
S24〜S36の処理を全ピクセルについて行うことによって、パネルの全ピクセルについて欠陥検出を行うことができる(S37)。
【0076】
以下、ピクセル間隔が均等である場合について図4〜図6を用いて説明し、ピクセル間隔が不均等である場合について図7〜図13を用いて説明する。
【0077】
[ピクセル間隔が均等である場合の適用]
(1行分のサンプリング点が欠如している場合)
図4は4×4点のピクセルにおいて1行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0078】
図4(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図4(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0079】
図4(a),(b)において、ピクセルは1行分の欠如によって3行分のサンプリング点を有する。この3行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の3行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0080】
図4(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有している。
【0081】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0082】
図4(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0083】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0084】
(2行分のサンプリング点が欠如している場合)
図5は4×4点のピクセルにおいて2行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0085】
図5(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図5(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0086】
図5(a),(b)において、ピクセルは2行分の欠如によって2行分のサンプリング点を有する。この2行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の2行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0087】
図5(a)において、第1の領域A1は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第2の領域A2および第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有している。
【0088】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0089】
図5(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0090】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0091】
(3行分のサンプリング点が欠如している場合)
図6は4×4点のピクセルにおいて3行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0092】
図6(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図6(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0093】
図6(a),(b)において、ピクセルは3行分の欠如によって1行分のサンプリング点を有する。この1行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0094】
図6(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有し、第3の領域A3は黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0095】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0096】
図6(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0097】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0098】
上記した各例から、ピクセル間隔が均等である場合の適用において、4×4点のピクセルにおいて、y方向のサンプリング点の行が1行の場合、2行の場合、3行の場合の何れの場合であっても、欠陥ピクセルと正常ピクセルを判定することができる。
【0099】
[ピクセル間隔が不均等である場合の適用]
前記した適用例は、ピクセルサイズが等しく均等間隔に配置されている場合である。本願発明は、ピクセルサイズが異なる場合であっても適用することができる。
【0100】
図7は、ピクセルサイズが等しくなく不均等間隔である例を説明するための図である。図7(a)は、例えば、R,G,B用のピクセルとしてピクセルサイズが等しく、各ピクセルが均等間隔で配置される場合を示している。この配置の他に、図7(b)に示すように、ピクセルサイズが異なり配置間隔を不均等とする配置が知られている。図では、ピクセルPa〜Pdのピッチ比率がa:b:c:dの例を示している。
【0101】
このような不均等間隔のピクセルに対して、図7(b)に示されるパネルを90°回転させることによって本発明によるTFTアレイ検査を適用することができる。
【0102】
図7(c)は、図7(b)に示されるパネルを90°回転させた状態を示している。この配置状態は、前記した均等間隔ピクセルにおいてサンプリング点の行が欠如した状態に対応させることができる。
【0103】
図7(c)に示す例では、ピクセルのサンプリング点の点数が4点、2点、3点、2点である例を示している。
【0104】
以下、各ピクセルに対して本発明を適用することで欠陥/正常の判定を行う場合について説明する。
【0105】
(y方向のサンプリング点の点数が2点である場合)
図8は、4×2点のピクセルPbにおいて1行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0106】
図8(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図8(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0107】
図8(a),(b)において、ピクセルは1行分の欠如によって1行分のサンプリング点を有する。この1行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の1行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0108】
図8(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有し、第3の領域A3は黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0109】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0110】
図8(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0111】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0112】
(y方向のサンプリング点の点数が3点である場合)
図9は、4×3点のピクセルPcにおいて1行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0113】
図9(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図9(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0114】
図9(a),(b)において、ピクセルは1行分の欠如によって2行分のサンプリング点を有する。この2行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の2行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0115】
図9(a)において、第1の領域A1は黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第2の領域A2および第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0116】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0117】
図9(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0118】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0119】
図10は、4×3点のピクセルPcにおいて2行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0120】
図10(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図10(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0121】
図10(a),(b)において、ピクセルは2行分の欠如によって1行分のサンプリング点を有する。この1行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の2行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0122】
図10(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有し、第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0123】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0124】
図10(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0125】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0126】
(y方向のサンプリング点の点数が4点である場合)
図11は、4×4点のピクセルPaにおいて1行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0127】
図11(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図11(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0128】
図11(a),(b)において、ピクセルは1行分の欠如によって3行分のサンプリング点を有する。この3行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の3行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0129】
図11(a)において、第1の領域A1は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第2の領域A2および第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有している。
【0130】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0131】
図11(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0132】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0133】
図12は、4×4点のピクセルPaにおいて2行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0134】
図12(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図12(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0135】
図12(a),(b)において、ピクセルは2行分の欠如によって2行分のサンプリング点を有する。この2行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の2行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0136】
図12(a)において、第1の領域A1は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有し、第2の領域A2および第3の領域A3は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点有している。
【0137】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0138】
図12(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0139】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0140】
図13は、4×4点のピクセルPaにおいて3行分のサンプリング行が欠如した例を示し、サンプリング点の信号強度のレベルを白と黒で表示している。
【0141】
図13(a)はサンプリング行が欠如したピクセルが正常である場合を示し、図13(b)はサンプリング行が欠如したピクセルが欠陥である場合を示している。
【0142】
図13(a),(b)において、ピクセルは3行分の欠如によって1行分のサンプリング点を有する。この1行分のサンプリング点を判定ピクセル領域Bとして重心を求め、重心近傍の第1の領域A1を求める。なお、判定ピクセル領域Bで求めた重心の重心位置がサンプリング点の1行のy方向で中心位置にある場合には、図中の上方あるいは下方の何れかのサンプリング点を第1の領域A1に組み込む。
【0143】
図13(a)において、第1の領域A1および第2の領域A2は白で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点と、黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を2点を有し、第3の領域A3は黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0144】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は2種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から正常ピクセルと判定される。
【0145】
図13(b)において、第1の領域A1〜第3の領域A3は、それぞれ黒で表示した信号強度レベルのサンプリング点を4点有している。
【0146】
したがって、第1の領域A1〜第3の領域A3のサンプリング点の信号強度は同種類の信号強度レベルを有しているため、判定条件から欠陥ピクセルと判定される。
【0147】
上記した各例から、ピクセル間隔が不均等である場合の適用において、4×4点のピクセル、4×3点のピクセル、4×2点のピクセルにおいて、y方向のサンプリング点の行がそれぞれ欠如場合であっても、欠陥ピクセルと正常ピクセルを判定することができる。
【0148】
図14は、本発明のTFTアレイ検査を行う検査装置に一構成例を説明するための図である。図14に示す構成例では、液晶基板等のTFT基板に電子線を照射し、TFT基板から放出される二次電子を検出し、二次電子の検出信号から信号画像を形成し、この信号画像に基づいて欠陥検出を行う構成例を示している。本発明は、検査対象の基板は液晶基板に限らず、また、基板走査は電子線に限らずイオンビーム等の荷電ビームとすることができる。また、検出信号は照射する荷電ビームに依存し、二次電子に限られるものではない。
【0149】
図14において、TFTアレイ検査装置1は、液晶基板等のTFT基板100を載置しXY方向に搬送自在とするステージ2と、ステージ2の上方位置にステージ2から離して配置された電子銃3と、TFT基板100のパネル101のピクセル(図示していない)から放出される二次電子を検出する検出器4とを備える。電子銃3および検出器4は複数の組み設けることができる。
【0150】
ステージ駆動制御部6はステージ2の駆動を制御し、電子線走査制御部5は電子銃3が照射する電子線の照射方向を制御して、TFT基板100上の電子線の走査を制御する。信号処理部10は、検出器4で検出して二次電子の検出信号を信号処理してサンプリング点の信号強度を検出し、得られたサンプリング点の信号強度を用いてピクセルの欠陥を検出し、検出位置によって欠陥ピクセルおよび対応する欠陥アレイを検出する。
【0151】
なお、ピクセルおよびアレイはTFT基板のパネルに形成され、各ピクセルはアレイに対して電圧を印加することによって駆動されるため、ピクセルの欠陥検出は、そのピクセルに対するアレイ検査に対応している。
【0152】
電子線走査制御部5,ステージ駆動制御部6,信号処理部10の各部の駆動動作は制御部7によって制御される。また、制御部7は、TFTアレイ検査装置1の全体の動作を含む制御を行う機能を有し、これらの制御を行うCPUおよびCPUを制御するプログラムを記憶するメモリ等によって構成することができる。
【0153】
ステージ2は、TFT基板100を載置するとともに、ステージ駆動制御部6によってX軸方向およびY軸方向に移動自在であり、また、電子銃Gから照射される電子線は電子線走査制御部5によってX軸方向あるいはY軸方向に振らせることができる。ステージ駆動制御部6および電子線走査制御部5は単独あるいは協働動作によって、電子線をTFT基板100上で走査させ、TFT基板100のパネル101の各ピクセルに照射させることができる。
【0154】
信号処理部10は、検出器4からの検出信号に基づいてサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出部11と、検出した信号強度およびサンプリング点を記憶する記憶部12と、サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出部13と、欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定部14とを備える。
【0155】
信号強度選出部13は、ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出部13aと、重心の近傍に第1の領域を設定し、第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、第1の領域に対してy方向に第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定部13bと、領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出部13cとを備える。
【0156】
欠陥判定部14は、信号強度選出部13で選出した第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出する。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、TFT基板は液晶基板や有機ELとすることができ、液晶基板や有機ELを形成する成膜装置の他、種々の半導体基板を形成する成膜装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0158】
A1 第1の領域
A2 第2の領域
A3 第3の領域
B 判定ピクセル領域
O 重心
P1〜P3 ピクセル
Pa〜Pd ピクセル
1 アレイ検査装置
2 ステージ
3 電子銃
4 検出器
5 電子線走査制御部
6 ステージ駆動制御部
7 制御部
10 信号処理部
11 信号強度検出部
12 記憶部
13 信号強度選出部
13a 重心検出部
13b 領域設定部
13c 信号強度抽出部
14 欠陥判定部
100 基板
101 パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、前記パネル上に荷電ビームを照射して走査し、当該荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査方法において、
前記荷電ビームの照射によってパネル上の各ピクセルのサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出工程と、
前記サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出工程と、
前記欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定工程とを備え、
前記信号強度選出工程は、
ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出工程と、
前記重心の近傍に第1の領域を設定し、前記第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、前記第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定工程と、
前記領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出工程とを備え、
前記欠陥判定工程は、
前記信号強度選出工程で選出した前記第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、前記検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、当該欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出することを特徴とする、TFTアレイ検査方法。
【請求項2】
前記判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定することを特徴とする、請求項1に記載のTFTアレイ検査方法。
【請求項3】
前記各ピクセルは4×4点の計16点のサンプリング点を有し、前記第1〜第3の領域は、それぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含み、
前記判定条件は、
各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、
各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定することを特徴とする、請求項2に記載のTFTアレイ検査方法。
【請求項4】
前記領域設定工程において、
前記第1〜第3の領域は、サンプリング点を同じ配置で備える領域であり、
前記第2の領域は、第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有し、
前記第3の領域は、第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有することを特徴とする、請求項1から3の何れか一つに記載のTFTアレイ検査方法。
【請求項5】
TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、前記パネル上に荷電ビームを照射して走査し、当該荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査装置において、
前記荷電ビームの照射によってパネル上の各ピクセルのサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出部と、
前記サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出部と、
前記欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定部とを備え、
前記信号強度選出部は、
ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出部と、
前記重心の近傍に第1の領域を設定し、前記第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、前記第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定部と、
前記領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出部とを備え、
前記欠陥判定部は、
前記信号強度選出部で選出した前記第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、前記検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、当該欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出することを特徴とする、TFTアレイ検査装置。
【請求項6】
前記判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定することを特徴とする、請求項5に記載のTFTアレイ検査装置。
【請求項7】
前記各ピクセルは4×4点の計16点のサンプリング点を有し、前記第1〜第3の領域は、それぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含み、
前記判定条件は、
各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、
各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定することを特徴とする、請求項6に記載のTFTアレイ検査装置。
【請求項8】
前記領域設定部において、
前記第1〜第3の領域は、サンプリング点を同じ配置で備える領域であり、
前記第2の領域は、第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有し、
前記第3の領域は、第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけ前記第2の領域と反対方向にずれたサンプリング点を有することを特徴とする、請求項5から7の何れか一つに記載のTFTアレイ検査装置。
【請求項1】
TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、前記パネル上に荷電ビームを照射して走査し、当該荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査方法において、
前記荷電ビームの照射によってパネル上の各ピクセルのサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出工程と、
前記サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出工程と、
前記欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定工程とを備え、
前記信号強度選出工程は、
ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出工程と、
前記重心の近傍に第1の領域を設定し、前記第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、前記第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定工程と、
前記領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出工程とを備え、
前記欠陥判定工程は、
前記信号強度選出工程で選出した前記第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、前記検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、当該欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出することを特徴とする、TFTアレイ検査方法。
【請求項2】
前記判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定することを特徴とする、請求項1に記載のTFTアレイ検査方法。
【請求項3】
前記各ピクセルは4×4点の計16点のサンプリング点を有し、前記第1〜第3の領域は、それぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含み、
前記判定条件は、
各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、
各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定することを特徴とする、請求項2に記載のTFTアレイ検査方法。
【請求項4】
前記領域設定工程において、
前記第1〜第3の領域は、サンプリング点を同じ配置で備える領域であり、
前記第2の領域は、第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有し、
前記第3の領域は、第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有することを特徴とする、請求項1から3の何れか一つに記載のTFTアレイ検査方法。
【請求項5】
TFT基板のピクセルに対して異なる大きさの所定電圧の検査信号を二次元的に交互に印加してアレイを駆動し、前記パネル上に荷電ビームを照射して走査し、当該荷電ビーム走査で検出される検出信号に基づいてTFT基板のアレイを検査するTFTアレイ検査装置において、
前記荷電ビームの照射によってパネル上の各ピクセルのサンプリング点の信号強度を検出する信号強度検出部と、
前記サンプリング点の信号強度を用いて各ピクセルについて欠陥検出用の信号強度を選出する信号強度選出部と、
前記欠陥検出用の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を判定する欠陥判定部とを備え、
前記信号強度選出部は、
ピクセル中の複数のサンプリング点の重心を求める重心検出部と、
前記重心の近傍に第1の領域を設定し、前記第1の領域に対してy方向にずれた第2の領域を設定し、前記第1の領域に対してy方向に前記第2の領域と反対方向にずれた第3の領域を設定する領域設定部と、
前記領域設定で設定した各領域におけるサンプリング点の信号強度を欠陥検出用の信号強度を抽出する信号強度抽出部とを備え、
前記欠陥判定部は、
前記信号強度選出部で選出した前記第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度を、前記検査信号の電圧に基づいて得られる信号強度レベルを判定条件としてピクセルの欠陥を判定し、当該欠陥検出で検出された欠陥ピクセルに対応するアレイを欠陥アレイとして検出することを特徴とする、TFTアレイ検査装置。
【請求項6】
前記判定条件は、第1〜3の領域内のサンプリング点の信号強度において、検査信号の電圧に基づいて得られる2種類の信号強度レベルを含む場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルのみを含む場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定することを特徴とする、請求項5に記載のTFTアレイ検査装置。
【請求項7】
前記各ピクセルは4×4点の計16点のサンプリング点を有し、前記第1〜第3の領域は、それぞれ2×2点の計4点のサンプリング点を含み、
前記判定条件は、
各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、少なくとも1つのサンプリング点の信号強度の信号強度レベルが他のサンプリング点の信号強度の信号強度レベルと異なる場合には当該ピクセルは正常ピクセルと判定し、
各領域の4点のサンプリング点からなる全12点のサンプリング点の信号強度について、全ての信号強度のレベルが前記2種類の信号強度レベルの何れか一方の種類の信号強度レベルである場合には当該ピクセルは欠陥ピクセルと判定することを特徴とする、請求項6に記載のTFTアレイ検査装置。
【請求項8】
前記領域設定部において、
前記第1〜第3の領域は、サンプリング点を同じ配置で備える領域であり、
前記第2の領域は、第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけずれたサンプリング点を有し、
前記第3の領域は、第1の領域に対してy方向に1サンプリング点分だけ前記第2の領域と反対方向にずれたサンプリング点を有することを特徴とする、請求項5から7の何れか一つに記載のTFTアレイ検査装置。
【図1】
【図3】
【図14】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図3】
【図14】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−202863(P2012−202863A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68487(P2011−68487)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】
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