説明

TLR9の新規な合成アゴニスト

本発明は、トール様受容体(TLR)媒介免疫応答の調節に有用な合成化学組成物に関する。特に、本発明は、固有のサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすトール様受容体9(TLR9)のアゴニストに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
関連出願
本出願は、2007年8月1日に出願された米国仮出願第60/953,251号、2007年10月30日に出願された米国仮出願第60/983,601号、2007年11月12日に出願された米国仮出願第60/987,151号、および2007年12月20日に出願された米国仮出願第61/015,292号の利益を主張し、その全内容は、本明細書に参照として組込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、トール様受容体(TLR)媒介性免疫応答の調節に有用な合成化学組成物に関する。特に、本発明は、固有のサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすトール様受容体9(TLR9)のアゴニストに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の概要
トール様受容体(TLR)は多くの免疫系細胞上に存在し、先天性免疫応答に関与することが示されている(Hornung, V. et al., (2002) J. Immunol. 168:4531-4537)。脊椎動物において、このファミリーは、細菌、真菌、寄生生物、およびウィルスからの病原体関連分子パターンを認識することで知られる、TLR1からTLR11と呼ばれる11のタンパク質からなる(Poltorak, a. et al. (1998) Science 282:2085-2088; Underhill, D.M., et al. (1999) Nature 401:811-815; Hayashi, F. et. al (2001) Nature 410:1099-1103; Zhang, D. et al. (2004) Science 303:1522-1526; Meier, A. et al. (2003) Cell. Microbiol. 5:561-570; Campos, M.A. et al. (2001) J. Immunol. 167: 416-423; Hoebe, K. et al. (2003) Nature 424: 743-748; Lund, J. (2003) J. Exp. Med. 198:513-520; Heil, F. et al. (2004) Science 303:1526-1529; Diebold, S.S., et al. (2004) Science 303:1529-1531; Hornung, V. et al. (2004) J. Immunol. 173:5935-5943)。
【0004】
TLRは、脊椎動物が、外来性分子を認識し、それに対する免疫応答を開始するための鍵となる手段であり、先天性免疫応答および適応免疫応答を結びつけるための手段を提供する(Akira, S et al. (2001) Nature Immunol. 2:675-680; Medzhitov, R. (2001) Nature Rev. Immunol. 1:135-145)。いくつかのTLRは、細胞外病原体を検出し、それに対する応答を開始するために細胞表面に位置し、別のTLRは、細胞内病原体を検出し、それに対する応答を開始するために細胞内に位置する。
【0005】
TLR9は、細菌性DNA中および合成オリゴヌクレオチド中の非メチル化CpGモチーフを認識することが知られている(Hemmi, H. et al. (2000) Nature 408:740-745)。CpG含有ホスホロチオアートオリゴヌクレオチドの別の修飾もまた、TLR9を介した免疫応答の調節物質として働くためのその能力に影響し得る(例えばZhao et al., Biochem. Pharmacol. (1996) 51:173-182; Zhao et al. (1996) Biochem Pharmacol. 52:1537-1544; Zhao et al. (1997) Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 7:495-502; Zhao et al (1999) Bioorg. Med. Chem. Lett. 9:3453-3458; Zhao et al. (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:1051-1054; Yu, D. et al. (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:2585-2588; Yu, D. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. Lett. 11:2263-2267; and Kandimalla, E. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:807-813参照)。TLR9の天然に存在するアゴニストは、抗腫瘍活性(例えば腫瘍成長および血管新生)を産生し、効果的な抗癌応答(例えば抗白血病)をもたらすことが示されている(Smith, J.B. and Wickstrom, E. (1998) J.Natl. Cancer Inst. 90:1146-1154)。加えて、TLR9アゴニストは他の知られた抗腫瘍化合物(例えばセツキシマブ、イリノテカン)と相乗的に働くことが示されている(Vincenzo, D., et al. (2006) Clin. Cancer Res. 12(2):577-583)。
【0006】
あるTLR9アゴニストは、コアCpRジヌクレオチドを含む3’−3’結合DNA構造を含み、ここでRは修飾グアノシンである(米国特許第7,276,489号)。加えて、特定の化学的修飾は、免疫応答の特異な調節を起こす特定のオリゴヌクレオチドアナログの調製を可能にする。とくに、構造活性相関研究は、免疫応答の特定の調節を起こす合成モチーフおよび新規DNAベース化合物の同定を可能にし、これらの調節は非メチル化CpGジヌクレオチドによって起こるものとは異なる(Kandimalla, E. et al. (2005) Proc. Natl. Acad. Sci. U S A 102:6925-6930. Kandimalla, E. et al. (2003) Proc. Nat. Acad. Sci. U S A 100:14303-14308; Cong, Y. et al. (2003) Biochem Biophys Res. Commun.310:1133-1139; Kandimalla, E. et al. (2003) Biochem. Biophys. Res. Commun. 306:948-953; Kandimalla, E. et al. (2003) Nucleic Acids Res. 31:2393-2400; Yu, D. et al. (2003) Bioorg. Med. Chem.11:459-464; Bhagat, L. et al. (2003) Biochem. Biophys. Res. Commun.300:853-861; Yu, D. et al. (2002) Nucleic Acids Res.30:4460-4469; Yu, D. et al. (2002) J. Med. Chem.45:4540-4548. Yu, D. et al. (2002) Biochem. Biophys. Res. Commun.297:83-90; Kandimalla. E. et al. (2002) Bioconjug. Chem.13:966-974; Yu, D. et al. (2002) Nucleic Acids Res. 30:1613-1619; Yu, D. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:2803-2808; Yu, D. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. Lett. 11:2263-2267; Kandimalla, E. et al. (2001) Bioorg. Med. Chem. 9:807-813; Yu, D. et al. (2000) Bioorg. Med. Chem. Lett. 10:2585-2588; Putta, M. et al. (2006) Nucleic Acids Res. 34:3231-3238)。
【0007】
発明者らは、驚くべきことに、コアCpRジヌクレオチドに隣接する配列、ヌクレオチド間の結合またはオリゴヌクレオチドに接続するリンカーを独自に修飾することが、in vitroおよびin vivoサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすTLR9の新規アゴニストを産生することを発見した。CpR含有オリゴヌクレオチドに対するサイトカインおよびケモカイン応答を「カスタムチューン(custom-tune)」するこの能力は、様々な疾患状態を、疾患特異的およびさらには患者特異的なやり方で、予防および/または処置する能力を提供する。したがって、かかるカスタムチューンされた応答を提供する新たなオリゴヌクレオチドアナログ化合物に対する要求がある。
【発明の概要】
【0008】
発明の簡単な概要
本発明は、アゴニストとしてのTLR9との相互作用を通じて個別に特異な免疫応答プロファイルを提供する、新規なオリゴヌクレオチドベース化合物を提供する。本発明によるTLR9アゴニストは、特定のおよび固有の化学的修飾によって特徴付けられ、それによりその特異な免疫応答活性化プロファイルを提供する。
【0009】
本発明によるTLR9アゴニストは、様々な細胞型ならびに様々なin vitroおよびin vivo研究モデルにおいて免疫応答を誘導し、各アゴニストは特異な免疫応答プロファイルを提供する。本発明のTLR9アゴニストはまた、単独で、他の薬剤と組み合わせてもしくは共投与されるか、またはワクチンとして用いられる抗原のアジュバントとしてのどちらかにおいて、様々な疾患の予防および/または処置に有用である。このように、これらは免疫系の研究のための、かつ人間およびマウスなどの様々な動物種の免疫系の比較のための道具として有用である。
【0010】
したがって、第1の側面において、本発明は、TLR9のオリゴヌクレオチドベースのアゴニスト(「化合物」)を提供する。
【0011】
第2の側面において、本発明は、本発明のオリゴヌクレオチドベースTLR9アゴニストおよびその薬学的に許容可能な担体を含む医薬製剤を提供する。
【0012】
第3の側面において、本発明は、ワクチンを提供する。この側面のワクチンは、本発明の医薬製剤を含み、さらに抗原を含む。
【0013】
第4の側面において、本発明は、個体においてTLR9媒介免疫応答を起こす方法を提供し、かかる方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを個体に投与することを含む。
【0014】
第5の側面において、本発明は、疾患または障害を有する患者を治療的に処置する方法を提供し、かかる方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを患者に投与することを含む。
【0015】
第6の態様において、本発明は、疾患または障害を予防する方法を提供し、かかる方法は、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを患者に投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の免疫調節化合物のリニア合成のための合成スキームである。DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチル。
【0017】
【図2】図2は、本発明の免疫調節化合物のパラレル合成のための合成スキームである。DMTr=4,4’−ジメトキシトリチル、CE=シアノエチル。
【0018】
【図3A】図3Aは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド10μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図3Aは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図3B】図3Bは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド10μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図3Bは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図3C】図3Cは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド10μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図3Cは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0019】
【図3D】図3Dは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド0(PBS/培地)、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図3Dは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図3E】図3Eは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド0(PBS/培地)、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図3Eは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図3F】図3Fは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド0(PBS/培地)、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図3Fは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図3G】図3Gは、下記例2にしたがって培養、処置および分析されたTLR9発現HEK293細胞における、NF−κB活性を描写したものである。簡潔には、HEK293細胞を、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチド0(PBS/培地)、0.1、0.3、1.0、3.0、または10.0μg/mlで18時間刺激し、NF−κBのレベルを、SEAP(分泌型ヒト胎盤性アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。図3Gは、新規の塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0020】
【図4A】図4Aは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、10μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4B】図4Bは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、10μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0021】
【図4C−4H】図4C〜4Hは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4C〜4Hは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0022】
【図4I】図4Iは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、1.0、または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Iは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4J】図4Jは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、1.0、または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Jは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4K】図4Kは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、1.0、または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Kは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4L】図4Lは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、1.0、または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Lは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4M】図4Mは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、1.0、または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Mは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4N】図4Nは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、1.0、または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4Nは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0023】
【図4O−4T】図4O〜4Tは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4O〜4Tは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4U−4Z】図4U〜4Zは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4U〜4Zは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図4AA−4FF】図4AA〜4FFは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒトPBMCからのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、PBMCを新たに採取した健康なヒト献血者の血から単離し、0(PBS)、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図4AA〜4FFは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0024】
【図5A】図5Aは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)からのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、pDCを新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、10μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図5Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図5B】図5Bは、下記例3にしたがって単離、培養、処置および分析されたヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)からのサイトカインおよびケモカイン濃度を描写したものである。簡潔には、pDCを新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、10μg/ml投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに24時間培養した。上清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。図5Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、特異なサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0025】
【図6A】図6Aは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、異なる投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、H−チミジンで6〜8時間パルスした。H−チミジンの取り込みを液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図6Aは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図6B】図6Bは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、異なる投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、H−チミジンで6〜8時間パルスした。H−チミジンの取り込みを液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図6Bは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図6C】図6Cは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、異なる投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、H−チミジンで6〜8時間パルスした。H−チミジンの取り込みを液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図6Cは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図6D】図6Dは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、異なる投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、H−チミジンで6〜8時間パルスした。H−チミジンの取り込みを液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図6Dは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図6E】図6Eは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、異なる投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、H−チミジンで6〜8時間パルスした。H−チミジンの取り込みを液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図6Eは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【図6F】図6Fは、本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドによって誘導されるヒトB細胞増殖を描写したものである。ヒトB細胞は、下記例4にしたがって単離、培養、処置および分析された。簡潔には、ヒトB細胞を新たに採取した健康なヒト献血者のPBMCから単離し、異なる投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドとともに68時間培養し、H−チミジンで6〜8時間パルスした。H−チミジンの取り込みを液体シンチレーションカウンターを用いて決定した。図6Fは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドの投与が、塩基組成、固有の修飾、およびオリゴヌクレオチド投与量によって変化する、特異な細胞増殖プロファイルを起こすことを、より一般的に示している。
【0026】
【図7A】図7Aは、下記例5にしたがって処置されたC57BL/6マウスにおける血清サイトカインおよびケモカイン誘導を描写したものである。簡潔には、1mg/kg投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、Luminex multiplexアッセイにより、サイトカインおよびケモカインレベルを分析した。
【0027】
【図7B】図7Bは、下記例5にしたがって処置されたBALB/cマウスにおける血清サイトカイン誘導を描写したものである。簡潔には、1mg/kg投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、ELISAにより、IL−12レベルを分析した。
【0028】
【図7C】図7Cは、下記例5にしたがって処置されたBALB/cマウスにおける血清サイトカイン誘導を描写したものである。簡潔には、0.25または1mg/kg投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、ELISAにより、IL−12レベルを分析した。図7Cは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こし、それが様々な疾患に応用されるであろうことをより一般的に示している。
【図7D】図7Dは、下記例5にしたがって処置されたBALB/cマウスにおける血清サイトカイン誘導を描写したものである。簡潔には、0.25または1mg/kg投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、ELISAにより、IL−12レベルを分析した。図7Dは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こし、それが様々な疾患に応用されるであろうことをより一般的に示している。
【図7E】図7Eは、下記例5にしたがって処置されたBALB/cマウスにおける血清サイトカイン誘導を描写したものである。簡潔には、0.25または1mg/kg投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、ELISAにより、IL−12レベルを分析した。図7Eは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こし、それが様々な疾患に応用されるであろうことをより一般的に示している。
【図7F】図7Fは、下記例5にしたがって処置されたBALB/cマウスにおける血清サイトカイン誘導を描写したものである。簡潔には、0.25または1mg/kg投与量の本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドをマウスに皮下注射した2時間後、血清を収集し、ELISAにより、IL−12レベルを分析した。図7Fは、新規な塩基、リンカーおよび/または固有の修飾を含む本発明の免疫調節オリゴヌクレオチドのin vivo投与が、特異なTLR9活性化プロファイルを起こし、それが様々な疾患に応用されるであろうことをより一般的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、アゴニストとしてのTLR9との相互作用を通して独立して特異な免疫応答プロファイルを提供する、新規なオリゴヌクレオチドベース化合物を提供する。本発明のTLR9アゴニストは、固有の化学的修飾によって特徴付けられ、それにより特異な免疫応答活性化プロファイルを提供する。本明細書で参照される全ての公表文献は、当業者の技術レベルを反映し、その全体が参照として本明細書に組込まれる。それらの参考文献の教示と本明細書との間のあらゆる競合は、後者を支持することにより解決される。
【0030】
本発明のTLR9アゴニストは、様々な細胞型および様々なin vivoおよびin vitro実験モデルにおいて免疫応答を誘導し、各々のアゴニストは特異な免疫応答プロファイルを提供する。このように、これらは免疫システムの研究のための、ならびにヒトおよびマウスなど、様々な動物種の免疫システムを比較するためのツールとして有用である。本発明のTLR9アゴニストはまた、単独で、他の薬剤と組み合わせてもしくは共投与されるか、またはワクチンとして用いられる抗原のアジュバントとしてのどちらかにおいて、様々な疾患の予防および/または処置にも有用である。
【0031】
定義
「2’−置換ヌクレオシド」または「2’−置換アラビノシド」という語は、一般的に、ペントースまたはアラビノース部分の2’位のヒドロキシル基が置換されて2’−置換または2’−O−置換リボヌクレオシドを産生するヌクレオシドまたはアラビノヌクレオシドを含む。ある態様において、かかる置換は、1〜6の飽和または不飽和炭素原子を含む低級ヒドロカルビル基によって、ハロゲン原子によって、または6〜10の炭素原子を含むアリール基によってなされ、ここでかかるヒドロカルビルまたはアリール基は非置換であってよく、または例えばハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、カルボキシル、カルボアルコキシ、もしくはアミノ基によって置換されていてよい。2’−O−置換リボヌクレオシドまたは2’−O−置換アラビノシドの例は、限定されずに、2’−アミノ、2’−フルオロ、2’−アリル、2’−O−アルキルおよび2’−プロパルギルリボヌクレオシドまたはアラビノシド、2’−O−メチルリボヌクレオシドまたは2’−O−メチルアラビノシドおよび2’−O−メトキシエトキシリボヌクレオシドまたは2’−O−メトキシエトキシアラビノシドを含む。
【0032】
指向的に用いられた場合、「3’」という語は一般的に、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの別の領域または位置から(オリゴヌクレオチドの3’位置へ)の同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの3’の領域または位置をいう。
【0033】
指向的に用いられた場合、「5’」という語は一般的に、ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの別の領域または位置から(オリゴヌクレオチドの5’位置へ)の同じポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5’の領域または位置をいう。
【0034】
「約」という語は、一般的に、正確な数が重要でないことを意味する。したがって、オリゴヌクレオチド中のヌクレオシド残基の数は重要ではなく、1または2少ないヌクレオシド残基の数または1から数個の追加のヌクレオシド残基を有するオリゴヌクレオチドは、上記のそれぞれの態様の等価物であると意図される。
【0035】
「気道炎症」という語は一般的に、限定することなく、ぜんそくを含むアレルゲンに起因する気道の炎症を含む。
【0036】
「アレルゲン」という語は一般的に、抗原または分子、通常はタンパク質、の抗原部分をいい、これは対象への曝露によってアレルギー反応を引き起こす。典型的には、対象は、例えば膨疹および発赤試験(wheal and flare test)または当該技術分野において知られたあらゆる方法によって示されたように、アレルゲンに対してアレルギー性である。分子は、たとえ対象の小さなサブセットのみが分子への曝露によってアレルギー性(例えばIgE)免疫応答を示した場合でも、アレルゲンといわれる。
【0037】
「アレルギー」という語は一般的に、限定することなく、食物アレルギー、呼吸器アレルギーおよび皮膚アレルギーを含む。
【0038】
「抗原」という語は一般的に、抗体またはT細胞受容体によって認識され、選択的に結合される基質のことをいう。抗原は、これに限定するものではないが、ペプチド、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの組み合わせを含んでよい。抗原は天然または合成であってよく、一般的に抗原特異的な免疫応答を誘導する。
【0039】
「自己免疫障害」という語は一般的に、「自分」の抗原が免疫系の攻撃を被る障害をいう。かかる語は、限定することなく、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、I型糖尿病、過敏性腸症候群、クローン病、リウマチ性関節炎、敗血性ショック、全身性脱毛症、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、水疱性類天疱瘡、シャーガス病、慢性閉塞性肺疾患、セリアック病、皮膚筋炎、子宮内膜症、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、汗腺膿瘍、特発性血小板減少性紫斑病、間質性膀胱炎、モルフェア、重症筋無力症、ナルコレプシー、神経性筋強直、天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、統合失調症、シェーグレン症候群、側頭動脈炎(「巨細胞性動脈炎」)、血管炎、白斑、外陰部痛およびウェゲナー肉芽腫症、自己免疫性喘息(autoimmune asthma)、敗血性ショック、乾癬およびマラリアを含む。
【0040】
「癌」という語は一般的に、限定することなく、異常なまたは制御されていない細胞増殖および/または分裂に起因する、あらゆる悪性増殖または腫瘍をいう。癌はヒトおよび/または動物で起こり得、あらゆるおよび全ての組織において生じ得る。本発明によるがんを有する患者の処置は、異常なまたは制御されていない細胞増殖および/または分裂が影響を受けるように、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含んでよい。
【0041】
「担体」という語は一般的に、あらゆる賦形剤、希釈剤、充填材、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、油脂、脂質、脂質含有ベシクル、マイクロスフェア、リポソーム被包、または医薬製剤に用いられることが当業者に周知の他の材料を包含する。担体、賦形剤または希釈剤の特性は、特定の用途についての投与ルートに依存するであろうことが理解されるだろう。これらの材料を含有する薬学的に許容可能な製剤の調製は、例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990などに記載されている。
【0042】
「薬学的に許容可能な」または「生理学的に許容可能な」という語は一般的に、本発明の化合物の有効性を妨害せず、細胞、細胞カルチャー、組織または生物体などの生物システムに適合する材料のことをいう。好ましくは、生物システムは、脊椎動物などの生きている生物体である。
【0043】
「共投与」または「共投与された」という語は一般的に、少なくとも2つの異なる基質を、免疫応答を調節するために、十分に近い時間で投与することをいう。好ましくは、共投与は、少なくとも二つの異なる基質の同時投与をいう。
【0044】
「薬学的に有効な量」という語は一般的に、有益な結果などの所望の生物学的効果に影響するのに十分な量をいう。したがって「薬学的に有効な量」は投与される背景に依存し得る。薬学的に有効な量は、1または2以上の予防的または治療的投与において投与されてよい。
【0045】
「組み合わせて」という語は一般的に、患者の処置過程において、本発明の化合物ならびに、該化合物のTLR9アンタゴニスト効果を無効にしない、疾患および病態を処置するのに有用な別の剤を投与することを意味する。かかる投与は、同時投与、ならびに数秒から数日までの間隔で時間的に間隔が置かれた順番を含む、あらゆる順番で行われてよい。かかる組合せ治療はまた、単なる本発明の化合物および/または独立して他の剤の単一投与以上のものを含んでよい。本発明の化合物および他の剤の投与は、同一または異なるルートによってよい。
【0046】
「個体」または「対象」という語は一般的に、ヒトなどの哺乳類をいう。哺乳類は一般的に、これに限定するものではないが、ヒト、非ヒト霊長類、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、畜牛、ウシ、ブタ、ヒツジおよびウサギを含む。
【0047】
「キナーゼ阻害剤」という語は一般的に、細胞において、リン酸化依存性細胞シグナリング経路および/または細胞増殖経路を拮抗または阻害する分子をいう。キナーゼ阻害剤は天然または合成であってよく、経口治療として投与される可能性を有する小分子を含んでよい。キナーゼ阻害剤は、標的キナーゼ分子の活性化を速やかにおよび特異的に阻害する能力を有する。プロテインキナーゼは、1つにはそれらが広範なシグナリングおよび増殖経路を制御し、多くの異なるタンパク質を含むことから、魅力的な薬剤標的である。このようにそれらは、癌、循環器疾患、炎症性障害、糖尿病、黄斑変性症、神経障害を含む、キナーゼシグナリングが関与する疾患の治療に大きな可能性を有する。キナーゼ阻害剤の例は、ソラフェニブ(Nexavar(R))、スーテント(R)、ダサチニブ、ダサチニブTM、ザクティマTM、タイカーブTMおよびSTI571を含む。
【0048】
「リニア合成」という語は一般的に、1つの末端のオリゴヌクレオチドから開始して、他端まで線形的に進行する合成をいう。リニア合成は、同一または非同一(長さ、塩基組成、および/または組込まれた化学的修飾に関して)どちらかのモノマー単位をオリゴヌクレオチドに組込むことを可能にする。
【0049】
「哺乳類」という語は明示的に、限定することなくヒトを含む、温血の、脊椎動物を含むことを意図する。
【0050】
「修飾ヌクレオシド」という語は一般的に、修飾複素環式塩基、修飾糖部分、またはそれらのあらゆる組み合わせを含むヌクレオシドである。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシドは、本明細書に記載されたように、非天然ピリミジンまたはプリンヌクレオシドである。本発明の目的のため、修飾ヌクレオシド、ピリミジンまたはプリンアナログあるいは非天然のピリミジンまたはプリンは互換的に用いることができ、非天然の塩基および/または非天然の糖部分を含むヌクレオシドをいう。本発明の目的のため、塩基は、それがグアニン、シトシン、アデニン、チミンまたはウラシルでない場合、非天然であると考えられる。
【0051】
「調節」または「調節的」という語は一般的に、応答における増加またはTLR−9媒介性応答における質的な相違などの変化をいう。
【0052】
「リンカー」という語は一般的に、糖、塩基または骨格を介して、共有または非共有結合を通じてオリゴヌクレオチドに取り付け可能なあらゆる部分をいう。リンカーは2または3以上のヌクレオシドを取り付けるために用いることができ、またはオリゴヌクレオチドの5’および/または3’末端ヌクレオチドに取り付けることができる。本発明のある態様において、かかるリンカーは非ヌクレオチドリンカーである
【0053】
「非ヌクレオチドリンカー」という語は一般的に、共有または非共有結合を通じてオリゴヌクレオチドに取り付け可能な、ヌクレオチド結合以外の化学的部分をいう。好ましくは、かかる非ヌクレオチドリンカーは、約2オングストロームから約200オングストロームの長さであり、シスまたはトランス配置のどちらかであってよい。
【0054】
「ヌクレオチド結合」という語は一般的に、隣接するヌクレオシド間のリン原子および帯電した、または中性の基(例えばホスホジエステル、ホスホロチオアートまたはホスホロチジオアート)からなる、2つのヌクレオチドをそれらの糖を介して(例えば3’−3’、2’−3’、2’−5’、3’−5’)結びつける化学的結合をいう。
【0055】
「オリゴヌクレオチドベース化合物」という語は、複数の結合したヌクレオシドユニットから形成されるポリヌクレオシドをいう。ヌクレオシドユニットはウィルス、細菌、細胞片、siRNAまたはマイクロRNAの一部であってよく、またはそれらの一部にしてもよい。かかるオリゴヌクレオチドはまた、ゲノムDNAまたはcDNAを含む既存の核酸源から得ることもできるが、好ましくは合成法により産生される。好ましい態様において、各ヌクレオシド単位は、複素環式塩基およびペントフラノシル、トレハロース、アラビノース、2’−デオキシ−2’−置換ヌクレオシド、2’−デオキシ−2’−置換アラビノース、2’−O−置換アラビノースまたはヘキソース糖基を含む。ヌクレオシド残基は、多くの知られたヌクレオシド間結合によって、お互いに組み合わされることができる。かかるヌクレオシド間結合は、限定することなく、ホスホジエステル、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、アルキルホスホナート、アルキルホスホノチオアート、ホスホトリエステル、ホスホロアミダート、シロキサン、カルボナート、カルボアルコキシ、アセトアミダート、カルバマート、モルホリノ、ボラノ、チオエーテル、架橋ホスホロアミダート、架橋メチレンホスホナート、架橋ホスホロチオアート、およびスルホンヌクレオシド間結合を含む。「オリゴヌクレオチドベース化合物」という語もまた、1または2以上の立体特異的ヌクレオシド間結合(例えば、(R)−または(S)−ホスホロチオアート、アルキルホスホナート、またはホスホトリエステル結合)を有するポリヌクレオシドを包含する。本明細書で使用された場合、「オリゴヌクレオチド」および「ジヌクレオチド」は明示的に、結合がリン酸基を含もうと含まなかろうと、あらゆるかかるヌクレオシド間結合を有するポリヌクレオシドおよびジヌクレオシドを含むことを意図する。ある好ましい態様において、これらのヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル、ホスホロチオアートまたはホスホロジチオアート結合、あるいはそれらの組み合わせである。
【0056】
用語「ペプチド」は、該ペプチドがハプテンであろうと無かろうと、例えば抗体産生またはサイトカイン活性など、生物学的応答に影響するのに十分な長さおよび組成を有するポリペプチドを一般的にいう。用語「ペプチド」は、修飾アミノ酸(天然または非天然であるかどうかにかかわらず)を含んでもよく、かかる修飾は、これに限定されるものではないが、リン酸化、グリコシル化、PEG化、脂質化(lipidization)およびメチル化を含む。
【0057】
「TLR9アゴニスト」という語は一般的に、TLR9によって媒介される免疫刺激を増強、誘導または調節することができるオリゴヌクレオチドベースの化合物をいう。
【0058】
「処置」という語は一般的に、症状の緩和、または疾病の進行を遅らせるかまたは改善することを含み得る、有益な、または所望の結果を得ることを意図したアプローチをいう。
【0059】
本発明のあるTLR9アゴニストを、下の表Iに示す。この表において、オリゴヌクレオチドベースのTLR9アゴニストは全て、別に指示のある場合を除き、ホスホロチオアート(PS)結合を有する。しかし当業者は、ホスホジエステル(PO)結合、またはPS結合とPO結合の組み合わせも用いることができることを、認識する。別に指示のある場合を除き、全てのヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチドである。
【0060】
【表1】

【0061】
【表1−2】

【0062】
【表1−3】

【0063】
【表1−4】

【0064】
【表1−5】

【0065】
=7−デアザ−dG、G=AraG、G=7−デアザAraG、=2’−O−メチルリボヌクレオチド、dU=U=2’−デオキシ−U、o=ホスホジエステル結合、po=5’−モノリン酸、ps=5’ホスホロチオアート結合、pm=メチルホスホナート(非イオン結合)、L=1,5−ペンタンジオールリンカー、=1,2−ジデオキシリボース、L=トリエチレングリコールリンカー、L=テトラエチレングリコールリンカー、L=ヘキサエチレングリコールリンカー、M=cis,cis−1,3,5−シクロヘキサントリオールリンカー、m=cis,trans−1,3,5−シクロヘキサントリオールリンカー、X=グリセロールリンカー、X=1,2,4−ブタントリオールリンカー、X=1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸リンカー、X=イソブタントリオールリンカー、Y=1,3−プロパンジオールリンカー、Y=1,2−エチレンジオールリンカー、Y=1,4−ブタンジオールリンカー、Y=1,5−ペンタンジオールリンカー、Z=1,3,5−ペンタントリオールリンカー。
【0066】
表Iからの例示のTLR9アゴニストを、例2の記載のようにして、TLR9を発現するHEK293細胞において免疫刺激活性について試験した。下の図3A、3B、3C、3Dおよび3Eは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、投与後18時間においてそれらのTLR9媒介性NF−κB活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、NF−κB活性化を増加または減少できることを示す。
【0067】
表Iからの例示のTLR9アゴニストを、例3の記載のようにして、ヒトPBMC中のIL−12、IL−10、IL−8、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、IL−1Rα、IL−2RおよびMCP−1アッセイにおいて免疫刺激活性について試験した。図4A〜4FFに示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、ヒトPBMCにおけるTLR9媒介性IL−12、IL−10、IL−8、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、IL−1Rα、IL−2Rおよび/またはMCP−1活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、IL−12、IL−10、IL−8、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、IL−1Rα、IL−2RおよびMCP−1活性化を増加または減少できることを示す。
【0068】
表Iからの例示のTLR9アゴニストを、例3の記載のようにして、ヒトpDC中のIL−12、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1βおよびTNFαアッセイにおいて免疫刺激活性について試験した。図5Aおよび5Bに示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、ヒトpDCにおけるTLR9媒介性免疫活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、IL−12、IL−6、IFN−α、IP−10、MIP−1α、MIP−1βおよびTNFα活性化を増加または減少できることを示す。
【0069】
表Iからの例示のTLR9アゴニストを、例4の記載のようにして、ヒトB細胞増殖アッセイにおいて免疫刺激活性について試験した。図6A、6B、6C、6D、6Eおよび6Fに示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、TLR9媒介性B細胞増殖活性を変化させること、および、この活性化プロファイルは、化学修飾に依存して用量依存性となり得ることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、B細胞増殖を調節できることを示す。
【0070】
表Iからの例示のTLR9アゴニストを、例5の記載のようにして、C57B1/6およびBALB/cマウス中のin vivo免疫刺激活性について試験した。図7A、7B、7D、7Eおよび7Fに示す結果は、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾が、マウスモデルにおけるTLR9媒介性免疫活性化プロファイルを変化させることを実証する。より一般的には、これらのデータは、3’−3’結合オリゴヌクレオチドへの特異的化学修飾を用いて、in vivoサイトカインおよび/またはケモカイン濃度を変化させることができることを示し、これは多くの疾患における用途を見出すだろう。
【0071】
上記したように、本発明は、第1の側面において、オリゴヌクレオチドベースのTLR9合成アゴニストを提供する。塩基、糖、リンケージ、またはリンカーに対する一定の化学修飾に基づき、TLR9のアゴニストは、接触可能5’末端を保持しつつ、他のTLR9アゴニスト分子と会合しおよび/または重複した場合に、増加した安定性を有することができる。
【0072】
いくつかの態様において、非ヌクレオチドリンカーは、これに限定されるものではないが、表IIに列挙されたものを含んでよい。
【表2】

【0073】
【表2−2】

【0074】
【表2−3】

【0075】
【表2−4】

【0076】
【表2−5】

【0077】
【表2−6】

【0078】
第2の側面において、本発明は、本発明によるオリゴヌクレオチドベースのTLR9アゴニスト(「化合物」)および薬学的に許容し得る担体を含む、医薬製剤を提供する。
【0079】
活性化合物は、薬学的に許容し得る担体または希釈剤中に、処置される患者に重篤な毒性効果を及ぼすことなく、薬学的に有効な量で患者に送達されるのに十分な量で、含有される。薬学的に許容し得る誘導体の有効な用量範囲は、送達される親化合物の重量、または当業者に知られた他の方法に基づき算出することができる。誘導体それ自体が活性を示す場合は、有効用量は誘導体の重量を用いて、または当業者に既知の他の手段により、上記のようにして推定可能である。
【0080】
第3の側面において、本発明はワクチンを提供する。この側面によるワクチンは、本発明の医薬製剤を含み、さらに抗原を含む。抗原とは、特異的免疫応答を誘発する分子である。かかる抗原は、限定することなく、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物および複合体またはこれらの任意のものの組合せを含む。あらゆるかかる抗原は、任意に免疫原性タンパク質またはペプチドに連結してもよく、その例は例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、コレラ毒素Bサブユニット、またはあらゆる他の免疫原性担体タンパク質である。
【0081】
本発明によるワクチンはさらに、あらゆる過剰な既知のアジュバントをさらに含んでよく、その例は限定なく、フロイント完全アジュバント、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、モノホスホリル脂質A(MPL)、ミョウバン、およびQS−21を含むサポニン、イミキモド、R848、TLRアゴニストまたはこれらの組合せを含む。
【0082】
第4の側面において、本発明は、個体においてTLR9媒介性免疫応答を引き起こすための方法を提供し、かかる方法は、個体に対し、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含む。いくつかの態様において、個体は哺乳類である。好ましい態様において、化合物、医薬製剤またはワクチンは、免疫刺激を必要とする個体に投与される。
【0083】
本発明のこの側面による方法において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンの投与は任意の好適な経路により行うことができ、これには、限定することなく、非経口、経口、腫瘍内、舌下、経皮、局所、経鼻、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、粘膜、膣、あるいは遺伝子銃、経皮パッチまたは点眼もしくは口腔洗浄の形態によるものを含む。化合物、医薬製剤またはワクチンの投与は、既知の手順を用いて、疾病の症状または代理マーカーを低減するのに有効な用量と期間で、行うことができる。全身投与の場合、化合物、医薬製剤またはワクチンは、本発明の化合物の約0.0001マイクロモル〜約10マイクロモルの血中レベルを達成するのに十分な用量で投与するのが好ましい。局所投与の場合、これよりはるかに低い濃度が有効であり得、またはるかに高い濃度が重篤な毒性効果なしに耐容され得る。好ましくは、本発明による化合物の総用量は1日約0.001mg/患者〜1日約200mg/体重1kgまでの範囲である。本発明の1または2種以上の治療組成物の治療有効量を、同時に、または連続して、個体に対して1つの処置エピソードとして投与することが望ましい場合もある。
【0084】
ある好ましい態様においては、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンは他の剤と共投与または組み合わせて投与され、これらの剤は限定することなく、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、siRNA、アプタマー、リボザイム、標的治療物(targeted therapies)、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチン、および/または免疫応答の特異性もしくは強さを増強するためのアジュバントを含む。
【0085】
本発明のこの側面による方法は、ヒトまたは動物の疾病の予防的または治療的処置に有用である。例えば、本方法は、小児および獣医学の用途に有用である。本方法はまた、免疫系のモデル研究にも有用である。
【0086】
第5の側面において、本発明は、疾患または障害を有する患者を治療的に処置するための方法を提供し、かかる方法は、患者に対し、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含む。種々の態様において、処置される疾患または障害は、癌、自己免疫障害、感染性疾患、気道炎症、炎症性障害、アレルギー、ぜん息、または病原体もしくはアレルゲンにより引き起こされる障害である。病原体は例えば、細菌、寄生生物、真菌、ウィルス、ウィロイド、およびプリオンを含む。投与は、本発明の第4の側面において記載されたようにして実施する。
【0087】
第6の側面において、本発明は、疾患または障害を予防するための方法を提供し、かかる方法は、患者に対し、本発明による化合物、医薬製剤またはワクチンを投与することを含む。種々の態様において、予防される疾患または障害は、癌、自己免疫障害、気道炎症、炎症性障害、感染性疾患、アレルギー、ぜん息、または病原体により引き起こされる疾患である。病原体は、限定することなく、細菌、寄生生物、真菌、ウィルス、ウィロイド、およびプリオンを含む。投与は、本発明の第4の側面において記載されたようにして実施する。
【0088】
本発明のあらゆる方法において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンは、疾病または状態を予防または処置するのに有用であり、かつ本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンの免疫刺激効果を無効にしないような他の剤と共投与または組み合わせて、投与することができる。本発明のあらゆる方法において、疾患または病態を予防または処置するのに有用な剤は、限定することなく、ワクチン、抗原、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLRアゴニスト、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、遺伝子治療ベクター、DNAワクチン、および/または免疫応答の特異性もしくは強さを増強するためのアジュバント、または、共刺激性分子であって、例えばサイトカイン、ケモカイン、タンパク質リガンド、トランス活性化因子、ペプチド、および修飾アミノ酸を含むペプチドなどを含む。例えば、癌の予防および/または処置において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンを、化学治療化合物またはモノクローナル抗体と共投与または組み合わせて投与できることが意図される。
【0089】
好ましい化学治療剤は、限定することなく、ゲムシタビンメトトレキサート、ビンクリスチン、アドリアマイシン、シスプラチン、糖非含有クロロエチルニトロソウレア、5−フルオロウラシル、マイトマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダカルバジン、Taxol(R)、フラジリン(fragyline)、メグラミン(Meglamine)GLA、バルルビシン、カルムスチン(carmustaine)およびポリフェプロサン(poliferposan)、MMI270、BAY 12−9566、RASファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤、MMP、MTA/LY231514、LY264618/ロメトレキソール(Lometexol)、グラモレック(Glamolec)、CI−994、TNP−470、ハイカムチン/トポテカン、PKC412、バルスポダール/PSC833、Novantrone(R)/ミトロキサントロン(Mitroxantrone)、メタレット(Metaret)/スラミン、バスチマスタット、E7070、BCH−4556、CS−682、9−AC、AG3340、AG3433、インセル(Incel)/VX−710、VX−853、ZD0101、ISI641、ODN 698、TA 2516/マリマスタット(Marmistat)、BB2516/マリマスタット、CDP 845、D2163、PD183805、DX8951f、レモナール DP 2202、FK 317、メシル酸イマチニブ/Gleevec(R)、ピシバニール/OK−432、AD 32/バルルビシン、Metastron(R)/ストロンチウム誘導体、テモダール/テモゾロミド、エバセット(Evacet)/リポソーム化ドキソルビシン、ユータキサン(Yewtaxan)/パクリタキセル(Placlitaxel)、Taxol(R)/パクリタキセル、ゼローダ(Xeload)/カペシタビン、フルツロン/ドキシフルリジン、シクロパックス(Cyclopax)/経口パクリタキセル、経口タキソイド、SPU−077/シスプラチン、HMR 1275/フラボピリドール、CP−358(774)/EGFR、CP−609(754)/RAS癌遺伝子阻害剤、BMS−182751/経口白金、UFTTM(テガフール/ウラシル)、Ergamisol(R)/レバミゾール、エニルウラシル/776C85/5FU増強剤、カンプト/レバミゾール、Camptosar(R)/イリノテカン、トミュデックス(Tumodex)/ラルチトレキセド(Ralitrexed)、Leustatin(R)/クラドリビン、パクセクス(Paxex)/パクリタキセル、Doxil(R)/リポソーム化ドキソルビシン、カエリクス(Caelyx)/リポソーム化ドキソルビシン、Fludara(R)/フルダラビン、ファルモルビシン(Pharmarubicin)/エピルビシン、DepoCyt(R)、ZD1839、LU 79553/ビス−ナフタルイミド、LU 103793/ドラスタチン(Dolastain)、カエティクス(Caetyx)/リポソーム化ドキソルビシン、Gemzar(R)/ゲムシタビン、ZD 0473/Anormed(R)、YM 116、ヨウ素種(lodine seeds)、CDK4およびCDK2阻害剤、PARP阻害剤、D4809/デキシフォサミド(Dexifosamide)、イフェックス(Ifes)/Mesnex(R)/イフォスファミド(Ifosamide)、Vumon(R)/テニポシド、Paraplatin(R)/カルボプラチン、プランチノール(Plantinol)/シスプラチン、ベペシド/エトポシド、ZD 9331、Taxotere(R)/ドセタキセル、グアニンアラビノシドのプロドラッグ、タキサンアナログ、ニトロソウレア、メルファラン(melphelan)およびシクロフォスファミドなどのアルキル化剤、アミノグルテチミド、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クロランブシル(Chlorombucil)、塩酸シタラビン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エトポシド(VP16−213)、フロクスウリジン、フルオロウラシル(5−FU)、フルタミド、ヒドロキシウレア(ヒドロキシカルバミド)、イホスファミド、インターフェロンアルファ−2a、アルファ−2b、酢酸ロイプロリド(LHRH−放出因子アナログ)、ロムスチン(CCNU)、塩酸メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルカプトプリン、メスナ、ミトタン(o,p’−DDD)、塩酸ミトキサントロン、オクトレオチド、プリカマイシン、塩酸プロカルバジン、ストレプトゾシン、クエン酸タモキシフェン、チオグアニン、チオテパ、硫酸ビンブラスチン、アムサクリン(m−AMSA)、アザシチジン、エリスロポエチン、ヘキサメチルメラミン(HMM)、インターロイキン2、ミトグアゾン(メチル−GAG;メチルグリオキサールビス−グアニルヒドラゾン;MGBG)、ペントスタチン(2’デオキシコホルマイシン)、セムスチン(メチル−CCNU)、テニポシド(VM−26)、または硫酸ビンデシンを含む。好ましいモノクローナル抗体は、これに限定するものではないが、Panorex(R)(Glaxo-Welicome)、Rituxan(R)(IDEC/Genentech/Hoffman la Roche)、Mylotarg(R)(Wyeth)、Campath(R)(Millennium)、Zevalin(R)(IDEC and Schering AG)、Bexxar(R)(Corixa/GSK)、Erbitux(R)(Imclone/BMS)、Avastin(R)(Genentech) Herceptin(R)(Genentech/Hoffman la Roche)、Tarceva(R)(OSI Pharmaceuticals/Genentech)を含む。
【0090】
代替的に、疾患または病態を予防または処置するのに有用な剤は、抗原またはアレルゲンをコードするDNAベクターを含むことができる。これらの態様において、本発明の化合物、医薬製剤またはワクチンは、アジュバントとして様々に作用し得、および/または直接的な免疫調節効果を産生し得る。
【0091】
以下の例は、本発明の一定の好ましい態様をさらに説明することを意図し、本発明の範囲を多少でも限定することを意図するものではない。
【0092】
例1:
免疫刺激部分を含有するオリゴヌクレオチドベース化合物の合成
本発明の化学的実体は、1μmolから0.1mMのスケールで、自動化DNA合成機(OligoPilot II, AKTA, (Amersham)および/またはExpedite 8909 (Applied Biosystem))を用いて、図1および2に概説したリニア合成またはパラレル合成手順にしたがって合成した。
【0093】
5’−DMT dA、dG、dCおよびTホスホロアミダイトは、Proligo(Boulder, CO)から購入した。5’−DMT 7−デアザdGおよびaraGホスホロアミダイトはChemgenes(Wilmington, MA)から得た。DiDMT−グリセロールリンカー固体支持体はChemgenesから得た。1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−2−オキソ−7−デアザ−8−メチル−プリンアミダイトはGlen Research(Sterlin, VA)から得、2’−O−メチルリボヌクレオシドアミダイトはPromega(Obispo, CA)から得た。本発明の全ての化合物は、ホスホロチオアート骨格修飾であった。
【0094】
全てのヌクレオシドホスホラミダイトは31PおよびH NMRスペクトルで特定した。修飾ヌクレオシドは、供給者によって推奨された通常のカップリングサイクルを用いて特定の部位に組込まれた。合成の後、化合物を濃水酸化アンモニウムを用いて脱保護および逆相HPLCによって精製、脱トリチル化、続いて透析した。ナトリウム塩の形態としての精製化合物を、使用の前に凍結乾燥した。純度はCGEおよびMALDI−TOF MSによって試験した。エンドトキシンレベルをLAL試験によって決定し、1.0EU/mgであった。
【0095】
例2:
細胞培養条件および試薬
マウスTLR9を発現するHEK293またはHEK293XL細胞(Invivogen, San Diego, CA)を48ウェルプレート中の250μl/ウェルの10%加熱不活性化FBS添加DMEM中で、5%COインキュベーターに入れて培養した。80%コンフルエンス時点で、培養物を、SEAP(分泌型ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ)レポータープラスミド(pNifty2−Seap)(Invivogen)400ng/mlで、4μl/mlのリポフェクタミン(Invitrogen, Carlsbad, CA)の存在下、培養培地中で一時的にトランスフェクトした。プラスミドDNAおよびリポフェクタミンを、血清フリーの培地中で個別に希釈し、室温で5分インキュベートした。インキュベートの後、希釈DNAおよびリポフェクタミンを混合し、混合物を室温で20分インキュベートした。100ngのプラスミドDNAおよび1μlのリポフェクタミンを含有するDNA/リポフェクタミン混合物25μlのアリコートを、細胞培養プレートの各ウェルに添加し、培養を4時間継続した。
【0096】
マウスTLR9を発現するHEK293細胞中の、表Iからの代表的な化合物によるサイトカイン誘導
トランスフェクション後、培地を新鮮な培養培地と取り替え、表Iからの代表的な化合物を、0、0.1、0.3、1.0、3.0または10.0μg/mlの濃度で培地に添加し、培養を18時間継続した。化合物処理の最後に、NF−κBのレベルを、製造者のプロトコル(Invitrogen)にしたがってSEAP(分泌型ヒト胎盤由来アルカリホスファターゼ)アッセイを用いて決定した。簡潔には、30μlの培養上清をを各処置物から採取し、p−ニトロフィニルホスフェート基質とともにインキュベートし、発生した黄色を405nmでプレートリーダーで計測した(Putta MR et al., Nucleic Acids Res., 2006, 34:3231-8)。
【0097】
例3:
表Iからの代表的な化合物による、ヒトPBMC、pDCおよびマウス脾臓細胞におけるサイトカイン誘導
ヒトPBMCの単離
新しく収集した健康なボランティアの血液(CBR Laboratories, Boston, MA)からの末梢血単核細胞(PBMC)を、フィコール密度勾配遠心分離法(Histopaque-107, Sigma)により単離した。
【0098】
ヒトpDCの単離
ヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)を、新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCを、製造者の使用説明書にしたがってBDCA4細胞単離キット(Miltenyi Biotec)を用いた陽性選択により単離した。
【0099】
マウス脾臓細胞の単離
ヒトPBMCを、48ウェルプレートに5×10細胞/mlでプレートした。ヒトpDCを、96ウェルディシュに1×10細胞/mlでプレートした。DPBS(pH7.4;Mediatech)中に溶解した表Iの例示の化合物を、細胞培養物に、0、0.1、0.3、1.0、3.0または10μg/ml加えた。細胞を次に37℃で24時間インキュベーションし、上清をLuminex Multiplex用またはELISAアッセイ用に収集した。ある実験においては、IFN−α、IL−6および/またはIL−12のレベルを、サンドイッチELISAで測定した。サイトカイン抗体および標準を含む必要な試薬は、PharMingenから購入した。
【0100】
サイトカインLuminex Multiplex
ある実験においては、培養物上清中のIL−1Rα、IL−6、IL−10、IL−12、IFN−α、IFN−γ、MIP−1α、MIP−β、MCP−1およびIL−12p40p70のレベルを、Luminex Multiplexアッセイにより測定した;これは、Luminex 100装置上でBiosource製ヒトマルチプレクスサイトカインアッセイキットを用いて実施し、データをApplied Cytometry Systems(Sacramento, CA)が供給するStarStationソフトウェアを用いて解析した。
【0101】
ヒト免疫細胞の活性化
ヒト形質細胞様樹状細胞(pDC)を新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、50μg/mlのTLR9アゴニストまたはコントロールとともに24時間培養した。細胞を蛍光物質抱合Abs(CD123、CD80、CD86)で染色し、データをFC500 MPLサイトメーターで採取した。CD123細胞におけるCD80およびCD86平均蛍光強度を、FlowJoソフトウェアを用いて分析し、PBSコントロールに対する変化倍率として表現した。
【0102】
ヒト骨髄樹状細胞(mDC)を新たに採取した健康なヒト献血者の血液PBMCから単離し、50μg/mlのTLR9アゴニストまたはコントロールとともに24時間培養した。細胞を蛍光物質抱合Abs(CD11c、CD80、CD40)で染色し、データをFC500 MPLサイトメーターで採取した。CD11c細胞におけるCD80およびCD40平均蛍光強度を、FlowJoソフトウェアを用いて分析し、PBSコントロールに対する変化倍率として表現した。
【0103】
例4:
表Iからの代表的な化合物の存在下でのヒトB細胞増殖アッセイ
ヒトB細胞を、PBMCから、製造業者の指示に従ってCD19 Cell Isolation Kit(Mitenyi Biotec, Auburn, CA)を用いた陽性選択により単離した。
アッセイに用いた培養培地は、1.5mMのグルタミンを補ったRPMI1640培地、1mMのピルビン酸ナトリウム、0.1mMの非必須アミノ酸、50μMの2−メルカプトエタノール、100IU/mlのペニシリン−ストレプトマイシン混合物および10%の熱非活性化ウシ胎仔血清からなる。
全体で1ml当たり0.5×10のB細胞(すなわち、1×10/200μl/ウェル)を、96ウェルの平底プレートで、表Iからの代表的な化合物の異なる濃度で、トリプリケートで、全68時間刺激した。68時間後、細胞を、1ウェル当たり、20μlのRPMI1640培地(血清なし)中の0.75μCiの[H]−チミジン(1Ci=37GBq;Perkin Elmer Life Sciences)でパルスし、6〜8時間後に収穫した。次にプレートを細胞収穫器により収穫し、放射性混入物を標準の液体シンチレーション技術により決定した。いくつかのケースでは、対応する[H]−T(cpm)を増殖指数に変換し、これを用いて報告した。
【0104】
例5:
TLR9アゴニスト化合物で処置されたマウスモデルにおけるin vivoサイトカイン分泌
C57BL/6マウスおよびBALB/cマウス、5〜6週齢、をTaconic Farms, Germantown, NYから得、Idera PharmaceuticalのIACUC認可動物プロトコルにしたがって維持した。マウス(n=3)に、表Iからのそれぞれの免疫調節化合物0.25または1.0mg/kg(単一投与量)皮下注射(s.c.)した。免疫調節化合物の投与2時間後に血清を後眼窩出血により採取し、IL−12、IL−10、IL−6、IP−10、KC、MCP1MIG、MIP−1αおよびTNF−α濃度をサンドイッチELISAまたはLuminex multiplexアッセイによって決定した。結果を7A、7B、7C、7D、7Eおよび7Fに示し、新規化学組成物を含む免疫調節化合物のin vivo投与が、固有のサイトカインおよびケモカインプロファイルを起こすことを実証する。サイトカインおよびケモカイン抗体および標準を含むすべての試薬は、PharMingen(San Diego, CA)から購入した。
【0105】
等価物
前述の発明が、明確化および理解を目的として詳細に記載されている一方、当然のことながら、当業者であれば、本発明の開示を読むことにより、形態および詳細のさまざまな変形を、本発明の真の範囲および特許請求の範囲から逸脱することなく想到することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物番号1〜169から選択される、免疫調節化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の免疫調節化合物および生理学的に許容可能な担体を含む、組成物。
【請求項3】
個体において免疫応答を起こす方法であって、該方法が、薬学的に効果的な量の請求項1に記載の化合物を前記個体に投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
免疫応答の調節が有益な疾患または障害を有する個体を治療的に処置する方法であって、かかる方法が、薬学的に効果的な量の請求項1に記載の化合物を前記個体に投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
疾患または障害が、癌、自己免疫障害、気道炎症、炎症性障害、感染性疾患、皮膚障害、アレルギー、ぜんそくまたは病原体もしくはアレルゲンに起因する疾患である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
さらに、1または2以上の化学療法化合物、標的治療剤、ワクチン、抗原、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLRアゴニスト、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、DNAワクチン、アジュバント、共刺激性分子またはそれらの組み合わせを投与することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
免疫応答の調節が有益な疾患または障害を有する個体を予防的に処置する方法であって、かかる方法が、薬学的に効果的な量の請求項1に記載の化合物を前記個体に投与することを含む、前記方法。
【請求項8】
疾患または障害が、癌、自己免疫障害、気道炎症、炎症性障害、感染性疾患、皮膚障害、アレルギー、ぜんそくまたは個体中の病原体もしくはアレルゲンに起因する疾患である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
さらに、1または2以上の化学療法化合物、標的治療剤、ワクチン、抗原、抗体、細胞毒性剤、アレルゲン、抗生物質、アンチセンスオリゴヌクレオチド、TLRアゴニスト、キナーゼ阻害剤、ペプチド、タンパク質、DNAワクチン、アジュバント、共刺激性分子またはそれらの組み合わせを投与することを含む、請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C−4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図4K】
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【図4L】
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【図4M】
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【図4N】
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【図40−4T】
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【図4U−4Z】
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【図4AA−4FF】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【公表番号】特表2010−535242(P2010−535242A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520185(P2010−520185)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/071738
【国際公開番号】WO2009/018431
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(398032717)イデラ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】Idera Pharmaceuticals, Inc.
【Fターム(参考)】