説明

TRPV1アンタゴニストである中枢神経系薬剤を作製する方法

本発明は、疼痛、炎症性熱性痛覚過敏、尿失禁及び膀胱過活動を治療する上で有用であるVR1アンタゴニストである式(II)の化合物


及び該化合物を作製する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2008年3月20日に出願され、参照により、その全体が本明細書中に組み込まれる米国仮特許出願61/038,212号の優先権を主張する。
【0002】
技術的背景
本発明は、疼痛、膀胱過活動及び尿失禁など、バニロイド受容体活性によって引き起こされ又は悪化される疾患を治療するのに有用である化合物を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
侵害受容器は、化学的、機械的、熱的及びプロトン(pH<6)モダリティーなど、多種多様な侵害刺激によって活性化される一次感覚求心性(C及びAδ線維)神経細胞である。親油性バニロイドであるカプサイシンは、VRとしてクローニングされた特異的な細胞表面カプサイシン受容体を介して一次感覚線維を活性化する。カプサイシンの皮内投与は、初期の灼熱又は熱感覚とそれに続く長期の無痛覚を特徴とする。VR受容体活性化の鎮痛成分は、カプサイシンによって誘導される一次感覚求心性末端の脱感作によって媒介されると考えられる。従って、カプサイシンの抗侵害効果が長期間持続することから、カプサイシン類似体が鎮痛剤として臨床に使用されるようになった。さらに、カプサイシン受容体アンタゴニストであるカプサゼピンは、動物モデルにおいて炎症によって誘導される痛覚過敏を軽減することができる。VR受容体は、膀胱を神経支配する感覚求心性線維上にも局在する。カプサイシン又はレシニフェラトキシンは、膀胱に注射すると失禁症状を改善することが示されている。
【0004】
VR受容体はいくつかの方式で活性化することができるので、侵害刺激の「多重モード検出器」と呼ばれている。受容体チャネルは、カプサイシン及び他のバニロイドによって活性化され、従って、リガンド開口式イオンチャネルに分類される。カプサイシンによるVR受容体活性化は、競合的VR受容体アンタゴニストであるカプサゼピンによって遮断することができる。このチャネルは、プロトンによって活性化することもできる。弱酸性条件(pH6から7)下では、この受容体に対するカプサイシンの親和性が増加するのに対して、pH6未満では、このチャネルの直接的活性化が起こる。さらに、膜温度が43℃に達すると、チャネルは開口する。従って、リガンドの非存在下で、熱によってこのチャネルを直接開口させることができる。カプサイシン類似体であるカプサゼピンは、カプサイシンの競合的アンタゴニストであり、カプサイシン、酸又は熱に応答してこのチャネルの活性化を遮断する。
【0005】
このチャネルは非特異的陽イオン伝導体である。細胞外ナトリウムとカルシウムの両方がこのチャネル孔を通って流入し、細胞膜脱分極をもたらす。この脱分極は神経細胞の興奮性を増大させ、脊髄への侵害性神経インパルスの活動電位発火及び伝達が生じる。さらに、末梢神経末端の脱分極によって、サブスタンスP及びCGRPなど(ただし、これらだけに限定されない。)、炎症性ペプチドが放出され得、組織の末梢感作が増強される。
【0006】
最近、2つのグループが、VR受容体を欠く「ノックアウト」マウスの作製を報告した。これらの動物から得られた感覚神経細胞(後根神経節)の電気生理学的研究によって、カプサイシン、熱及び低pHを含めた侵害刺激によって惹起される応答が著しく欠如していることが判明した。これらの動物は、行動障害の明白な徴候を一切示さず、急性非侵害性の熱及び機械的刺激に対する応答が野生型マウスと異ならなかった。VR(−/−)マウスは、神経損傷によって誘発される機械的痛覚又は熱的侵害受容に対する低下した感度も示さなかった。しかしながら、VRノックアウトマウスは、皮内カプサイシンの侵害効果、高熱(50から55℃)への曝露に対して無感覚であり、カラゲナンの皮内投与後に熱性痛覚過敏を生じなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の態様において、本発明は、
式(II)の化合物
【0008】
【化1】

又はその塩を作製する方法であり、
式(I)の化合物
【0009】
【化2】

を式(III)の化合物
(III)
と反応させること
(X及びXは、ハロゲン、ヒドロキシル及びアルコキシからなる群から独立に選択され;
式IIの化合物は、少なくとも1つのR基を含み;
は、表記されている環上に2回以上存在することができ:
各Rは、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、置換されたアミノ、置換された硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換されたC−Cアルキル、置換されたC−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;
は、水素、アルキル及びアリールからなる群から選択され;
は、水素、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)
を含む、方法に関する。
【0010】
幾つかの実施形態において、X及びXの少なくとも1つはBr又はClである。他の実施形態において、Rはアルキル又は水素であり、さらに別の実施形態において、X及びXの少なくとも1つはClであり、並びにRが水素又はメチルである。
【0011】
他の実施形態において、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、三塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸ナトリウム及び過剰の式(III)の化合物などの塩基の存在下で、式(I)の化合物を式(III)の化合物と反応させる。
【0012】
第二の態様において、本発明は、
式XXIVの化合物
【0013】
【化3】

又はその塩を作製する方法であり、
式XIIの化合物
10−CN (XII)又はR10−NH (XIIa)
を、Ra−Niの存在下で水素と、及び酸HX、好ましくはコハク酸と反応させて、式III又はXIIIaの化合物
【0014】
【化4】

(好ましくは、Xは、
【0015】
【化5】

である。)
を与えること、
第一の塩基及び第一の溶媒の存在下で、式XIII又はXIIIaの化合物の遊離塩基をPhOCONHと反応させて、式IVの化合物
【0016】
【化6】

を与えること、
式XII若しくはXIIaの化合物
10−CN (XII)若しくはR10−NH (XIIa)
を、第一の塩基及び第一の溶媒の存在下で、PhOCONHと場合によって反応させて、式IVの化合物
【0017】
【化7】

を与えること、
又は式XII若しくはXIIaの化合物
10−CN (XII)若しくはR10−NH (XIIa)
を、Ra−Niの存在下の水素、及び酸HX、及び第一の塩基及び第一の溶媒の存在下のPhOCONHと場合によってさらに反応させて、式IVの化合物
【0018】
【化8】

を与えること、並びに
パラジウム触媒、第二の塩基、第二の溶媒及びリガンドの存在下で、式IVの化合物を式IIの化合物
【0019】
【化9】

とさらに反応させること
(Xは、ハロゲン又はスルホナート(スルホナートは、フッ素又はC−Cのフッ素化されたアルカンで独立に置換されている。)であり;
式IIの化合物は、少なくとも1つのR基を含み;
は、表記されている環上に2回以上存在することができ;
各Rは、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、置換されたアミノ、置換された硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換されたC−Cアルキル、置換されたC−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;
は、水素、アルキル及びアリールからなる群から選択され;
は、水素、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;並びに
10は、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)
を含む、方法に関する。
【0020】
幾つかの実施形態において、XはClであり、Rは水素又はメチルであり、及びR10はアリール又はアルキルであり、さらに別の態様において、R10は式VIII又はVIIIaの基
【0021】
【化10】

である。
【0022】
第一の塩基はN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり得、及び第二の塩基は三塩基性リン酸カリウムであり得、第一の溶媒はMe−THFであり得、及び第二の溶媒はDMEであり得、並びにパラジウム触媒はPd(dba)、PdCl(dba)、Pd(OAc)、Pd(OTFA)、PdCl、PdCl(CHCN)及びPdCl(PhCN)からなる群から選択される。幾つかの特定の実施形態において、パラジウム触媒はPddbaである。
【0023】
幾つかの実施形態において、リガンドは、式XXX、XXXI、XXXII、XXXIII、XXXIV、XXXV、XXXVI、XXXVII、XXXVIII、XXXIX、XL、VIIの化合物:
【0024】
【化11】

、PdCl(dppf)及びPdCl(dppf)CHClからなる群から選択される。幾つかの態様において、リガンドは式VIIの化合物である。
【0025】
第三の態様において、本発明は、式XXIII若しくはXXIIIaの化合物
【0026】
【化12】

又はこれらの塩を作製する方法であり、
式XX又はXXaの化合物
【0027】
【化13】

を式XXII又はXXIIaの化合物
【0028】
【化14】

と、塩基、溶媒、パラジウム触媒及び式VIIのリガンド
【0029】
【化15】

の存在下で反応させることを含む、方法に関する。塩基は三塩基性リン酸カリウムであり得、溶媒はDME及びパラジウム触媒はPddbaであり得る。
【0030】
第四の態様において、本発明は、式XIX又はXIXaの化合物
【0031】
【化16】

に関する。
【0032】
第五の態様において、本発明は、式XX又はXXaの化合物
【0033】
【化17】

に関する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、新規合成(N−1置換されたインダゾールの作製を含む。)を使用する、オルト置換されたアリールカルボキサルデヒドをヒドラジン誘導体と反応させることによってTRPV1アンタゴニストを作製する方法に関する。さらに、本発明は、N−アリール尿素を作製するための反応において特異的な触媒を用いて、アリールクロリドを尿素とカップリングさせる方法に関する。以前には、アリールクロリド−尿素カップリングにおいて、極めて特異的な基質を有する異なる触媒が使用された(Abad et al.(2005)Synthesis,915)。
【0035】
第一の実施形態において、本発明は、スキーム1に記載されている式IIの化合物の合成に関する。一般に、式Iの化合物は、式IIの化合物を作製するために、塩基の存在下で、式IIIの化合物と反応させる。
【0036】
【化18】

スキーム1において、
は、ハロゲン、ヒドロキシル及びアルコキシからなる群から選択され;
は、ハロゲン及びスルホナートからなる群から選択され、スルホナートは、フッ素又は−C−Cのフッ素化されたアルカンで独立に置換され;
は、表記されている環上に2回以上存在することができ:
各Rは、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、置換されたアミノ、置換された硫黄、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルキニル、−C−Cアルキニル;置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル、置換された−C−C12シクロアルケニル;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;並びに−B−R(Bは、(CO)、(CO)O、(CO)NR、(SO)、(SO)、(SO)NR(R及びRは、水素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)である。)
からなる群から選択され;
あるいは、Rは、式IXの基:
【0037】
【化19】

(Xは、N及びCからなる群から選択され;
は、O、NH及びSからなる群から選択され;
は、結合であり、又はNH及びOからなる群から選択され;
Lは、結合、アルケニレン、アルキレン、アルキニレン、シクロアルキレン、
【0038】
【化20】

、−(CHO(CH−及びN(R)(−(CHO(CH−の左側末端はZに付着されており、及び右側末端はRに付着されており;
m及びnは、各々独立に、0から6であり;
は、水素及びアルキルからなる群から選択され;
8aは、水素及びアルキルからなる群から選択され;
8bは、XがNである場合には、不存在であり、又はR8bは、XがCである場合には、水素、アルコキシ、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、ハロゲン及びヒドロキシからなる群から選択され;
は、水素、アルキル及びアリールからなる群から選択され;
は、水素、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニル;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;及び−B−R(Bは、(CO)、(CO)O、(CO)NR、(SO)、(SO)、(SO)NR(R及びRは、水素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)である。)からなる群から選択される。
【0039】
塩基は、酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、三塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸ナトリウム又は過剰の化合物III自体などのあらゆる適切な塩基であり得る。50、55、60、65、70、75、80、85、90、95及び100℃など、約50℃と100℃の間などのあらゆる適切な温度を使用することができる。溶媒は、DMSO、トルエン、DME、DMF、NP、DMAC、ルチジン、イソプロポナール又は他のアルコール性溶媒などのあらゆる不活性な溶媒であり得る。一実施形態において、塩基は炭酸カリウムであり、温度は70℃であり、及び溶媒はDMSOである。
【0040】
別の実施形態において、本発明は、スキーム2に示されている、パラジウム触媒、塩基、溶媒及びリガンドの存在下で、式IVの化合物を式Vの化合物と反応させる、式VIの化合物を作製する方法に関する。
【0041】
【化21】

スキーム2において、
10は、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。);
Eは、ハロゲンであり、
Qは、場合によって置換された6員の複素環、場合によって置換された6員のヘテロアリール環及び場合によって置換された縮合二環式環からなる群から選択され;場合によって存在する置換基は、水素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル;置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル、置換された−C−C12シクロアルケニル;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;及び−B−R(Bは、(CO)、(CO)O、(CO)NR、(SO)、(SO)、(SO)NR(R及びRは、水素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)である。)からなる群から独立に選択され;
あるいは、場合によって存在する置換基は、式IXの基:
【0042】
【化22】

(Xは、N及びCからなる群から選択され;
は、O、NH及びSからなる群から選択され;
は、結合であり、又はNH及びOからなる群から選択され;
Lは、結合、アルケニレン、アルキレン、アルキニレン、シクロアルキレン、
【0043】
【化23】

、−(CHO(CH−及びN(R)(−(CHO(CH−の左側末端はZに付着されており及び右側末端はRに付着されている。)からなる群から選択され;
m及びnは、各々独立に、0から6であり;
は、水素及びアルキルからなる群から選択され;
8aは、水素及びアルキルからなる群から選択され;
8bは、XがNである場合には、不存在であり、又はR8bは、XがCである場合には、水素、アルコキシ、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、ハロゲン及びヒドロキシからなる群から選択される。)
であり;
あるいは、Qは、式Xの基:
【0044】
【化24】

(Xは、N及びCRからなる群から選択され;
は、N及びCRからなる群から選択され;
は、N、NR及びCRからなる群から選択され;
、X及びXの少なくとも1つは、Nであり;
、R及びRは、水素、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ホルミル、ホルミルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、メルカプトアルキル、ニトロ、(CF(HO)C−、−NRS(O)、−S(O)OR、−S(O)、−NZ、(NZ)アルキル、(NZ)カルボニル、(NZ)カルボニルアルキル及び(NZ)スルホニル(Z及びZは、水素、アルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、アリール及びアリールアルキルからなる群から各々独立に選択される。)
である。
【0045】
一実施形態において、R10は、式VIII又はVIIIaの化合物であり、別の実施形態において、Qは、式XI又はXIaの化合物である。さらに別の実施形態において、R10は、式VIII又はVIIIaの化合物であり、及びQは、式XI又はXIaの化合物である。
【0046】
【化25】

【0047】
塩基は、ナトリウムtert−ブトキシド、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、三塩基性リン酸カリウム、水酸化ナトリウム及び炭酸カリウムなどのあらゆる適切な塩基であり得る。一実施形態において、塩基は、三塩基性リン酸カリウムである。溶媒は、DMF、DME、トルエン及びこれらの混合物などの不活性溶媒から選択され得る。一実施形態において、溶媒はDMEである。反応は、約60℃から約100の適切な温度で実施することができる。一実施形態において、反応は約85℃で実施され、塩基は三塩基性リン酸カリウムであり、及び溶媒はDMEである。
【0048】
パラジウム触媒は、例えば、Pd(dba)、PdCl(dba)、Pd(OAc)、Pd(OTFA)、PdCl、PdCl(CHCN)又はPdCl(PhCN)などの、あらゆる適切な可溶性パラジウムの源であり得る。一実施形態において、パラジウム触媒は、Pddbaである。
【0049】
リガンドは、予め錯体化され得、又は反応混合物に添加され得る。リガンドは、Xantphos(XXX)、3,5−ビストリフルオロメチル−Xantphos(XXXI)、PdCl(dtbf)(XXXII)、PdCl(dppf)、PdCl(dppf)CHCl、Amphos(XXXIII)、Adamantane(XXXIV)、DavePhos(XXXV)、Xphos(XXXVI)、ビス−tert−ブチルビナフチルホスフィン(XXXVII)、RuPhos(XXXVIII)及び式VIIのBipyphosリガンド(Singer et al.(2006)Tetrahedron Lett.,47(22):3727に開示されている。)など、表1に示されているものなどの(但し、これらに限定されない。)電子に富む又は二座配位のクラスから選択され得る。一実施形態において、パラジウム触媒は、式VIIのBipyphosリガンドとともにPddbaである。
【0050】
【表1】

さらなる実施形態において、本発明は、スキーム3に記載されている式XXIVの化合物を作製する方法に関する。工程Aおいて、式IIの化合物を作製するために、溶媒及び塩基の存在下で、式I化合物を式IIIの化合物と反応させる。別の工程である工程Bにおいて、式XIII又はXIIIaの化合物を作製するために、Ra−Niの存在下で水素と、続いてコハク酸と式XII又はXIIaの化合物を反応させる。工程1において、式IVの化合物を作製するために、溶媒及び塩基の存在下で、式XIII又はXIIIaの化合物の遊離塩基をPhOCONHと反応させる。最終工程において、式XXIV又はXXIVaの化合物を得るために、塩基、溶媒及びリガンドの存在下で、パラジウム触媒の存在下で、工程B及び1から得られた式IVの化合物並びに工程Aから得られた式IIの化合物を一緒に反応させる。
【0051】
【化26】

スキーム3において、
は、ハロゲン、ヒドロキシル及びアルコキシからなる群から選択され;
は、ハロゲン及びスルホナートからなる群から選択され、スルホナートは、フッ素又は−C−Cのフッ素化されたアルカンで独立に置換され;
は、表記されている環上に2回以上存在することができ:
各Rは、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、置換されたアミノ、置換された硫黄、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル;置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル、置換された−C−C12シクロアルケニル;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;及び−B−R(Bは、(CO)、(CO)O、(CO)NR、(SO)、(SO)、(SO)NR(R及びRは、水素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)である。)からなる群から独立に選択され;
あるいは、Rは、式IXの基:
【0052】
【化27】

(Xは、N及びCからなる群から選択され;
は、O、NH及びSからなる群から選択され;
は、結合であり、又はNH及びOからなる群から選択され;
Lは、結合、アルケニレン、アルキレン、アルキニレン、シクロアルキレン、
【0053】
【化28】

、−(CHO(CH−及びN(R)(−(CHO(CH−の左側末端はZに付着されており、及び右側末端はRに付着されており;
m及びnは、各々独立に、0から6であり;
は、水素及びアルキルからなる群から選択され;
8aは、水素及びアルキルからなる群から選択され;
8bは、XがNである場合には、不存在であり、又はR8bは、XがCである場合には、水素、アルコキシ、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、ハロゲン及びヒドロキシからなる群から選択され;
は、水素、アルキル及びアリールからなる群から選択され;
は、水素、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニル;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;及び−B−R(Bは、(CO)、(CO)O、(CO)NR、(SO)、(SO)、(SO)NR(R及びRは、水素、酸素、窒素、硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)である。)からなる群から選択され;
10は、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。一実施形態において、R10は式VIII又はVIIIaの化合物である。
【0054】
【化29】

【0055】
工程1のためにアミンを遊離塩基化するための塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、三塩基性リン酸カリウム又は炭酸カリウムなどのあらゆる適切な塩基であり得る。一実施形態において、工程1のためにアミンを遊離塩基化するための塩基は水酸化ナトリウムであり、工程1における塩基はN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり、工程2における塩基は三塩基性リン酸カリウムであり、工程Aにおける塩基は炭酸カリウムであり、工程Cにおける塩基はトリエチルアミン(TEA)である。
【0056】
各特定の工程に対してあらゆる適切な溶媒を使用することができる。一実施形態において、工程Aにおける溶媒はDMSOであり、工程1における溶媒はMe−THFであり、及び工程2における溶媒はDMEである。工程2に対するパラジウム触媒は、Pd(dba)、PdCl(dba)、Pd(OAc)、Pd(OTFA)、PdCl、PdCl(CHCN)又はPdCl(PhCN)などのあらゆる適切なものであり得る。一実施形態において、パラジウム触媒はPddbaである。リガンドは、予め錯体化され得又は反応混合物に添加され得る。リガンドは、Xantphos(XXX)、3,5−ビストリフルオロメチル−Xantphos(XXXI)、PdCl(dtbf)(XXXII)、PdCl(dppf)、PdCl(dppf)CHCl、Amphos(XXXIII)、Adamantane(XXXIV)、DavePhos(XXXV)、Xphos(XXXVI)、ビス−tert−ブチルビナフチルホスフィン(XXXVII)、RuPhos(XXXVIII)及び式VIIのBipyphosリガンド(Singer et al.(2006)Tetrahedron Lett.,47(22):3727に開示されている。)など、表1に示されているものなどの(但し、これらに限定されない。)電子に富む又は二座配位のクラスから選択され得る。一実施形態において、パラジウム触媒は、式VIIのBipyhosリガンドとともに用いるPddbaである。工程は、その工程に対して適切な温度で実施され得る。一実施形態において、工程Aは約70℃で実施され、工程Bは約50℃で実施され、工程1は約45℃で実施され、及び工程2は約80℃で実施される。
【0057】
別の実施形態において、本発明は、スキーム4に示されている式XXIII又はXXIIIaの化合物を作製することに関する。従って、例えば、工程Aにおいて、溶媒の存在下で及び塩基の存在下で、式XXXIの化合物をMeNと反応させて、式XXIIの化合物を得る。別の工程である工程Cにおいて、パラジウム触媒、塩基、CuI及びDavephosの存在下で、式XVIIの化合物をt−ブチルアセチレンと反応させて、式XVIIIの化合物を得る。工程Bにおいて、Ra−NIの存在下の水素と、続いて、コハク酸と式XVIIIの化合物を反応させて、式XIXの化合物を得る。工程1において、溶媒及び塩基の存在下で、式XIXの化合物をPhOCONHと反応させて、式XXの化合物を得る。最後の工程において、塩基、溶媒及び触媒の存在下、パラジウム触媒存在下で、工程C、B及び1から作製された式XXの化合物と工程Aから作製された式XXIIの化合物を一緒に反応させる。同様に、化合物XXIIIは、先述されている出発材料を用いて作製され得る。
【0058】
工程Cにおける塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、三塩基性リン酸カリウム、及び炭酸カリウム又はN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどのあらゆる適切な塩基であり得る。一実施形態において、塩基はN,N−ジイソプロピルエチルアミンである。DMF、DME、トルエン及びこれらの混合物などのあらゆる適切な溶媒を使用することができる。一実施形態において、溶媒は2−メチル−THFである。反応は、約20℃から約130℃で実施することができる。一実施形態において、反応は約45℃で実施される。
【0059】
塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、三塩基性リン酸カリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン又はN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどのあらゆる適切な塩基であり得る。一実施形態において、工程1における塩基はN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり、工程2における塩基は三塩基性リン酸カリウムであり、及び工程Aにおける塩基は炭酸カリウムである。あらゆる適切な溶媒を特定の工程に対して使用することができる。一実施形態において、工程Aにおける溶媒はDMSOであり、工程1における溶媒はMe−THFであり、及び工程2における溶媒はDMEである。工程2に対するパラジウム触媒は、Pd(dba)、PdCl(dba)、Pd(OAc)、Pd(OTFA)、PdCl、PdCl(CHCN)又はPdCl(PhCN)などのあらゆる適切なものであり得る。一実施形態において、パラジウム触媒はPddbaである。工程は、その工程に対して適切な温度で実施され得る。一実施形態において、工程Aは約70℃で実施され、工程Cは約65℃で実施され、工程1は約45℃で実施され、及び工程2は約80℃で実施される。リガンドは、Xantphos(XXX)、3,5−ビストリフルオロメチル−Xantphos(XXXI)、PdCl(dtbf)(XXXII)、PdCl(dppf)、PdCl(dppf)CHCl、Amphos(XXXIII)、Adamantane(XXXIV)、DavePhos(XXXV)、Xphos(XXXVI)、ビス−tert−ブチルビナフチルホスフィン(XXXVII)、RuPhos(XXXVIII)及び式VIIのBipyphosリガンド(Singer et al.(2006)Tetrahedron Lett.,47(22):3727に開示されている。)などのあらゆる適切なリガンドであり得る。一実施形態において、パラジウム触媒は、式VIIのBipyhosリガンドとともに用いるPddbaである。
【0060】
【化30】

【0061】
別の実施形態において、本発明は、スキーム5に示されている式XXIIIの化合物を作製することに関する。DMSOなどの溶媒中の式XXVの化合物(2−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒド)をメチルヒドラジン(MeN)に添加して、式XXVIの化合物を得る。次いで、式XXVIの化合物を酢酸パラジウム(Pd(OAc))、Xantphos及びベンゾフェノンイミン(PhC=NH)と混合し、続いてナトリウムtert−ブトキシド、次いで、HClと混合して、式XXVIIの化合物(1−メチル−4−アミノインダゾール塩酸塩)を得る。次いで、式XXVIIの化合物をピリジン及びジスクシンイミジルカルボナート(XXVIII)と混合して、式XXIIIの化合物を得る。Pd(OAc)の他に、パラジウム触媒はあらゆる適切なものであり得、一実施形態において、パラジウム触媒はPddbaである。Xantphosのほかに、リガンドは、(XXXIV)、DavePhos(XXXV)、Xphos(XXXVI)、bis−tert−ブチル−ビナフチルホスフィン(XXXVII)、RuPhos (XXXVIII)などのあらゆる適切なリガンドであり得る。
【0062】
あらゆる適切な反応温度は、あらゆる適切な温度であり得る。例えば、DMSO中の2−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒド(XXV)をメチルヒドラジンに添加する場合、内部温度は約35℃未満に維持することができ、次いで、約80℃で十分な時間反応させて、式XXVIの化合物を得、この後、約25℃になるように、内部温度を調整することができる。水層を抽出する場合、混合物の温度は約40℃未満に維持することができる。式XXVIIの化合物を得るために式XXVIの化合物を反応させる場合、試薬が添加される温度は、例えば、室温であり得るが、概ね室温まで冷却する前に、反応は、例えば、約80から85℃で実施される。式XXIIIの化合物を得るために、式XXVIIの化合物を反応させる場合、反応試薬は約25℃又はそれ以下の内部温度で添加し、概ね同じ温度で反応させることができる。次いで、XXIIIの化合物は、例えば、約70℃で溶解し、次いで、概ね室温に冷却する前に、約65℃から70℃で沈殿させる。
【0063】
同様に、化合物XXIIIaは、VIIIa及びXXIVを出発材料として使用して製造され得る。
【0064】
【化31】

【0065】
定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲を通じて使用される以下の用語は以下の意味を有する。
【0066】
本明細書において使用される「アルケニル」という用語は、2から10個の炭素を含有し、及び2つの水素の除去によって形成される少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する、直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を意味する。アルケニルの代表例には、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニル及び3−デセニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0067】
「アルケニレン」という用語は、少なくとも1つの二重結合を含有する、2から10個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖炭化水素から誘導される二価の基を意味する。アルケニレンの代表的な例には、−CH=CH−、−CH=CHCH−及び−CH=C(CH)CH−が含まれるが、これらに限定されない。
【0068】
本明細書において使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を通じて親分子部分に付加されたアルキル基を意味する。アルコキシの代表例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ及びヘキシルオキシが挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0069】
本明細書において使用される「アルコキシアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されているアルコキシ基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているアルコキシ基を意味する。アルコキシアルコキシの代表的な例には、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ及び2−エトキシエトキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0070】
本明細書において使用される「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されるアルコキシ基を意味する。アルコキシアルキルの代表例には、tert−ブトキシメチル、2−エトキシエチル、2−メトキシエチル及びメトキシメチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書において使用される「アルコキシカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているアルコキシ基を意味する。アルコキシカルボニルの代表例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル及びtert−ブトキシカルボニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0072】
本明細書において使用される「アルコキシカルボニルアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているアルコキシカルボニル基を意味する。アルコキシカルボニルアルキルの代表例には、3−メトキシカルボニルプロピル、4−エトキシカルボニルブチル及び2−tert−ブトキシカルボニルエチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0073】
本明細書において使用される「アルキル」という用語は、1から10個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐鎖炭化水素を意味する。アルキルの代表例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル及びn−デシルが含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書において使用される「アルコキシカルボニル」という用語は、本明細書に定義されているカルボニル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているアルキル基を意味する。アルキルカルボニルの代表例には、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチル及び1−オキソペンチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
本明細書において使用される「アルキルカルボニルアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているアルキルカルボニル基を意味する。アルキルカルボニルアルキルの代表例には、2−オキソプロピル、3,3−ジメチル−2−オキソプロピル、3−オキソブチル及び3−オキソペンチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
本明細書において使用される「アルキルシカルボニルオキシ」という用語は、酸素原子を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているアルキルカルボニル基を意味する。アルキルカルボニルオキシの代表例には、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ及びtert−ブチルカルボニルオキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0077】
「アルキレン」という用語は、1から10個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖炭化水素から誘導される二価の基を意味する。アルキレンの代表例には、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CHCH(CH)CH−及び−(CHCH(R)(CH−(p及びqは、独立に、0から4であり、並びにRは、アリール、シクロアルキル及びヒドロキシからなる基から選択される。)が含まれるが、これらに限定されない。好ましいアリール基は、フェニルである。
【0078】
本明細書において使用される「アルキルスルホニル」という用語は、本明細書に定義されているスルホニル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているアルキル基を意味する。アルキルスルホニルの代表例には、メチルスルホニル及びエチルスルホニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
本明細書において使用される「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているアルキル基を意味する。アルキルチオの代表例には、メチルスルファニル、エチルスルファニル、tert−ブチルスルファニル及びヘキシルスルファニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
本明細書において使用される「アルキニル」という用語は、2から10個の炭素原子を含有し、及び少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する直鎖又は分岐鎖炭化水素基を意味する。アルキニルの代表例には、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニル及び1−ブチニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
「アルキニレン」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含有する2から10個の炭素原子の直鎖又は分岐鎖炭化水素から誘導される二価の基を意味する。アルキニレンの代表例には、−C≡C−、−CHC≡C−、−CH(CH)CHC≡C−、−C≡CCH−及び−C≡CCH(CH)CH−が含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
本明細書において使用される「アリール」という用語は、フェニル基を意味し、又は縮合環の1つ若しくはそれ以上がフェニル基である二環式若しくは三環式縮合環系を意味する。二環式縮合環系の例は、本明細書で定義されているシクロアルキル基又は別のフェニル基に縮合されたフェニル基である。三環式縮合環系の例は、本明細書で定義されているシクロアルキル基又は別のフェニル基に縮合された二環式縮合環系である。アリールの代表例には、アントラセニル、アズレニル、フルオレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル及びテトラヒドロナフチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
本発明のアリール基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、エチレンジオキシ、ホルミル、ホルミルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メチレンジオキシ、メルカプト、メルカプトアルキル、ニトロ、−NZ、−(NZ)アルキル、−(NZ)カルボニル、−(NZ)カルボニルアルキル、−(NZ)スルホニル、−NR(S(O)OR、−S(O)OR及び−S(O)(R及びRは、本明細書に定義されているとおりである。)からなる群から独立に選択される1、2、3、4又は5個の置換基で置換され得る。本発明のアリール基は、本明細書に定義されているさらなるアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールチオ、複素環、複素環アルキル、複素環オキシ又は複素環チオ基の何れの1つでもさらに置換されることができ、さらなるアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールチオ、複素環、複素環アルキル、複素環オキシ及び複素環チオ基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、エチレンジオキシ、ホルミル、ホルミルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、メルカプトアルキル、ニトロ、−NZ、−(NZ)アルキル、−(NZ)カルボニル、−(NZ)カルボニルアルキル、−(NZ)スルホニル、−NRS(O)OR、−S(O)OR及び−S(O)(R及びRは、本明細書に定義されているとおりである。)からなる群から独立に選択される1、2、3、4又は5個の置換基で置換され得る。代表例には、4−(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)−2−クロロフェニル、4−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)−3−クロロフェニル、4−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)クロロフェニル、4−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)−2−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)−3−フルオロフェニル、3−クロロ−4−アゼパン−1−イルフェニル、2−クロロ−4−アゼパン−1−イルフェニル、3,5−ジフルオロ−4−アゼパン−1−イルフェニル、4−(8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)−3,5−ジフルオロフェニル、4−ブロモフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、4−ブロモ−2−フルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、4−(tert−ブチル)フェニル)、4−シアノフェニル、4−エチルフェニル、3−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−ブロモ−3−フルオロフェニル,2,3−ジフルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル、3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル、3−(トリフルオロメチル)フェニル、4−[(トリフルオロメチル)チオ]フェニル、4−アゼパン−1−イル−3−(トリフルオロメチル)フェニル、4−アゼパン−1−イル−2−(トリフルオロメチル)フェニル、3−メチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−メチルフェニル、4−ブロモ−3−メチルフェニル、4−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、4−(1−ピロリジニル)フェニル、4−(1−アゼパニル)フェニル、3−フルオロ−4−(1−ピロリジニル)フェニル、3−フルオロ−4−(1−アゼパニル)フェニル、4−(1−アゾカニル)フェニル、4−(1−ピペリジニル)フェニル、3−フルオロ−4−(1−ピペリジニル)フェニル、4−(2−ピリジニル)フェニル、1,1’−ビフェニル、3−フルオロ−4−(4−メチル−1−ピペリジニル)フェニル、4−(4−メチル−1−ピペリジニル)フェニル、4−(4−モルホリニル)フェニル、4−(2,6−ジメチル−4−モルホニル)フェニル、4−(4−チオモルホリニル)フェニル、3,5−ジフルオロ−4−(4−モルホリニル)フェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル及び2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
本明細書において使用される「アリールアルキル」という用語は、本明細書で定義されるアルキル基を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるアリール基を意味する。アリールアルキルの代表例には、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル及び2−ナフト−2−イルエチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
本明細書において使用される「アリールオキシ」という用語は、酸素原子を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されるアリール基を意味する。アリールオキシの代表例には、フェノキシ、ナフチルオキシ、3−ブロモフェノキシ、4−クロロフェノキシ、4−メチルフェノキシ及び3,5−ジメトキシフェノキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0086】
本明細書において使用される「アリールチオ」という用語は、硫黄原子を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されるアリール基を意味する。アリールチオの代表例には、フェニルスルファニル、ナフト−2−イルスルファニル及び5−フェニルヘキシルスルファニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
本明細書において使用される「カルボニル」という用語は、−C(O)−基を意味する。
【0088】
本明細書において使用される「カルボキシ」という用語は、−COH−基を意味する。
【0089】
本明細書において使用される「カルボキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているカルボキシ基を意味する。カルボキシアルキルの代表例には、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル及び3−カルボキシプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0090】
本明細書において使用される「シアノ」という用語は、−CN基を意味する。
【0091】
本明細書において使用される「シアノアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されるシアノ基を意味する。シアノアルキルの代表例には、シアノメチル、2−シアノメチル(2−cyanoyethyl)及び3−シアノプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0092】
本明細書において使用される「シクロアルキル」という用語は、単環式、二環式又は三環式環系を意味する。単環式環系の例は、3から12個の炭素原子を含有する飽和環状炭化水素基である。単環式環系の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが含まれる。二環式環系の例は、単環式環の隣接していない2つの炭素原子が1個と3個の間のさらなる炭素原子のアルキレン架橋によって連結されている架橋された単環式環系である。二環式環系の代表例には、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン及びビシクロ[4.2.1]ノナンが含まれるが、これらに限定されない。三環式環系の例は、二環式環の隣接していない2つの炭素原子が結合によって又は1個と3個の間の炭素原子のアルキレン架橋によって連結されている二環式環系である。三環式環系の代表例には、トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン及びトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンチル)が含まれるが、これらに限定されない。
【0093】
本発明のシクロアルキル基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、メルカプトアルキル、ニトロ、−NZ、−(NZ)アルキル、−(NZ)カルボニル、−(NZ)カルボニルアルキル、−(NZ)スルホニル、−NRS(O)OR、−S(O)OR及び−S(O)(R及びRは、本明細書に定義されているとおりである。)からなる群から独立に選択される1、2、3、4又は5個の置換基で置換され得る。代表例には、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−イル、4−tert−ブチルシクロヘキシル及び4−(トリフルオロメチル)シクロヘキシルが含まれるが、これらに限定されない。
【0094】
本明細書において使用される「シクロアルキルアルキル」という用語は、本明細書において定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義されているシクロアルキル基を意味する。シクロアルキルアルキルの代表例には、シクロプロピルメチル、2−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル及び4−シクロヘプチルブチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0095】
本明細書において使用される「シクロアルキレン」という用語は、本明細書において定義されているシクロアルキル基から誘導される二価の基を意味する。シクロアルキレンの代表的な例には、
【0096】
【化32】

が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
本明細書において使用される「エチレンジオキシ」という用語は、エチレンジオキシ基の酸素原子が5員環を形成する1つの炭素原子を通じて親分子部分に付着されており、又はエチレンジオキシ基の酸素原子が6員環を形成する2つの隣接する炭素原子を通じて親分子部分に付着されている−O(CHO−基を意味する。
【0098】
本明細書において使用される「ホルミル」という用語は、−C(O)H基を意味する。
【0099】
本明細書において使用される「ホルミルアルキル」という用語は、本明細書で定義されるアルキル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されるホルミル基を意味する。ホルミルアルキルの代表例には、ホルミルメチル及び2−ホルミルエチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0100】
本明細書において使用される「ハロ」又は「ハロゲン」は、−Cl、−Br、−I又は−Fを意味する。
【0101】
本明細書において使用される「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されているアルコキシ基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されている少なくとも1つのハロゲンを意味する。ハロアルコキシの代表例には、クロロメトキシ、2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、2−クロロ−3−フルオロペンチルオキシ及びペンタフルオロエトキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0102】
本明細書において使用される「ハロアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されている少なくとも1つのハロゲンを意味する。ハロアルキルの代表例には、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及び2−クロロ−3−フルオロペンチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0103】
本明細書において使用される「ハロアルキルチオ」という用語は、本明細書に定義されているアルキルチオ基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されている少なくとも1つのハロゲンを意味する。ハロアルキルチオの代表例には、トリフルオロメチルチオが含まれるが、これに限定されない。
【0104】
「ヘテロアリール」という用語は、単環式ヘテロアリール又は二環式ヘテロアリールを意味する。単環式ヘテロアリールは、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5員又は6員環である。5員環は2つの二重結合を含有し、6員環は3つの二重結合を含有する。5員又は6員のヘテロアリールは、ヘテロアリール内に含有される何れかの炭素原子又は何れかの置換可能な窒素原子を通じて親分子部分に接続される(但し、適切な価数は維持される。)。単環式ヘテロアリールの代表例には、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル及びトリアジニルが含まれるが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリールは、フェニルに縮合された単環式ヘテロアリール又はシクロアルキルに縮合された単環式ヘテロアリール又はシクロアルケニルに縮合された単環式ヘテロアリール又は単環式ヘテロアリールに縮合された単環式ヘテロアリールからなる。二環式ヘテロアリールは、何れかの炭素原子又は二環式ヘテロアリール内に含有される何れかの置換可能な窒素原子を通じて親分子部分に接続されている(但し、適切な価数は維持される。)。二環式ヘテロアリールの代表例には、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾオキサゾール、1,3−ベンゾチアゾリル、ベンゾチオフェニル、シンノリニル、フロピリジン、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラン、イソインドリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジン、キノリニル、キノキサリニル及びチエノピリジルが含まれるが、これらに限定されない。本発明のヘテロアリール基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルコキシスルホニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルキニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、ニトロ、−NZ及び−(NZ)カルボニルからなる群から独立に選択される1、2、3又は4個の置換基で場合によって置換される。ヒドロキシル基で置換されている本発明のヘテロアリール基は、互変異性体として存在し得る。本発明のヘテロアリール基は、非芳香族互変異性体を含む全ての互変異性体を包含する。
【0105】
本明細書において使用される「複素環」又は「複素環式」という用語は、単環式、二環式又は三環式環系を意味する。単環式環系の例は、酸素、窒素及び硫黄からなる群から独立に選択されるヘテロ原子を含有するあらゆる3員若しくは4員環又は窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立に選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を含有する5員、6員若しくは7員環である。5員環は0から2個の二重結合を有し、並びに6員及び7員環は0から3個の二重結合を有する。単環式環系の代表例には、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼピニル、1,3−ジオキソラニル、ジオキサニル、ジチアニル、フリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラジニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チエニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル、トリアジニル、トリアゾリル及びトリチアニルが含まれるが、これらに限定されない。二環式環系の例は、本明細書に定義されているアリール基、本明細書に定義されているシクロアルキル基又は別の単環式環系に縮合されている上記単環式環系の何れでもある。さらに、二環式環系の例は、単環式環系の隣接していない2つの炭素原子がアルキレン基によって連結されている架橋された単環式環系である。二環式環系の代表例は、2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリル、2,3−ジヒドロインドリル、インドリジニル、ナフチリジニル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、フタラジニル、ピラノピリジニル、キノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル及びチオピラノピリジニルが含まれるが、これらに限定されない。三環系環系の例は、本明細書に定義されているアリール基、本明細書に定義されているシクロアルキル基又は単環式環系に縮合されている上記二環式環系の何れでもある。三環式環系の代表例には、アクリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ジベンゾ[b,d]フラニル、ジベンゾ[b,d]チエニル、ナフト[2,3−b]フラン、ナフト[2,3−b]チエニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、チアントレニル、チオキサンテニル及びキサンテニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0106】
本発明の複素環は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールチオ、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ホルミル、ホルミルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、メルカプトアルキル、ニトロ、オキソ、−NZ、−(NZ)アルキル、−(NZ)カルボニル、−(NZ)カルボニルアルキル、−(NZ)スルホニル、−NRS(O)OR、−S(O)OR及び−S(O)(R及びRは、本明細書に定義されているとおりである。)からなる群から独立に選択される1、2又は3個の置換基で置換され得る。本発明の複素環は、本明細書に定義されている追加のアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールチオ、複素環、複素環アルキル、複素環オキシ又は複素環チオ基の何れか1つでさらに置換されることができ、追加のアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールチオ、複素環、複素環アルキル、複素環オキシ又は複素環チオ基は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルスルホニル、アルキルチオ、アルキニル、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、エチレンジオキシ、ホルミル、ホルミルアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、メルカプトアルキル、ニトロ、−NZ、−(NZ)アルキル、−(NZ)カルボニル、−(NZ)カルボニルアルキル、−(NZ)スルホニル、−NRS(O)OR、−S(O)OR及び−S(O)(R及びRは、本明細書に定義されているとおりである。)からなる群から独立に選択される1、2又は3個の置換基で置換され得る。代表例には、2,6−ジメチルモルホリニル、4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル、4−(3,4−ジメチルフェニル)−1−ピペラジニル、4−(4−クロロフェニル)−1−ピペラジニル、4−(4−メチルフェニル)−3−メチル−1−ピペラジニル、4−(2,3−ジメチルフェニル)−1−ピペラジニル、4−(2,3−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル、4−(3,4−ジクロロフェニル)−1−ピペラジニル、4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−ピペラジニル、4−(4−ブロモフェニル)−1−ピペラジニル、4−[4−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]−1−ピペラジニル、2−オキソ−1−ピロリジニル、5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル、6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0107】
本明細書において使用される「複素環アルキル」という用語は、本明細書において定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義されている複素環を意味する。複素環アルキルの代表例には、ピリジン−3−イルメチル及び2−ピリミジン−2−イルプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0108】
本明細書において使用される「複素環オキシ」という用語は、酸素原子を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義されている複素環基を意味する。複素環オキシの代表例には、ピリジン−3−イルオキシ及びキノリン−3−イルオキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0109】
本明細書において使用される「複素環チオ」という用語は、硫黄原子を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義されている複素環基を意味する。複素環チオの代表例には、ピリジン−3−イルスルファニル及びキノリン−3−イルスルファニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0110】
本明細書において使用される「ヒドロキシ」という用語は、−OH基を意味する。
【0111】
本明細書において使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付着された本明細書に定義されている少なくとも1つのヒドロキシ基を意味する。ヒドロキシアルキルの代表例には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシペンチル及び2−エチル−4−ヒドロキシヘプチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0112】
本明細書において使用される「メルカプト」という用語は、−SH基を意味する。
【0113】
本明細書において使用される「メルカプトアルキル」という用語は、本明細書に定義されているアルキル基を通じて親分子部分に付加された、本明細書に定義されているメルカプト基を意味する。メルカプトアルキルの代表例には、2−ヒドロキシエチル及び3−メルカプトプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0114】
本明細書において使用される「メチレンジオキシ」という用語は、メチレンジオキシの酸素原子が2つの隣接する炭素原子を通じて親分子部分に付加されている−OCHO−基を意味する。
【0115】
本明細書において使用される「ニトロ」という用語は−NO基を意味する。
【0116】
本明細書において使用される「−NZ」という用語は、窒素原子を通じて親分子部分に付加されている2つの基Z及びZを意味する。Z及びZは、水素、アルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、アリール及びアリールアルキルからなる群から各々独立に選択される。−NZの代表例には、アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノ、ベンジルアミノ、フェニルアミノ及びアセチルメチルアミノが含まれるが、これらに限定されない。
【0117】
本明細書において使用される「(NZ)アルキル」という用語は、本明細書において定義されるアルキル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義される−NZ基を意味する。(NZ)アルキルの代表例には、アミノメチル、2−(メチルアミノ)エチル、2−(ジメチルアミノ)エチル及び(エチルメチルアミノ)メチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0118】
本明細書において使用される「(NZ)アルキルカルボニル」という用語は、本明細書において定義されているカルボニル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義されている−(NZ)アルキル基を意味する。(NZ)アルキルカルボニルの代表例には、ジメチルアミノメチルカルボニル、2−(ジメチルアミノ)エチルカルボニル及び(エチルメチルアミノ)メチルカルボニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
本明細書において使用される「(NZ)カルボニル」という用語は、本明細書において定義されるカルボニル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義される−NZ基を意味する。(NZ)カルボニルの代表例には、アミノカルボニル、(メチルアミノ)カルボニル、(ジメチルアミノ)カルボニル及び(エチルメチルアミノ)カルボニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0120】
本明細書において使用される「(NZ)カルボニルアルキル」という用語は、本明細書において定義されるアルキル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義される−(NZ)カルボニル基を意味する。(NZ)カルボニルアルキルの代表例には、(アミノカルボニル)メチル、2−((メチルアミノ)カルボニル)エチル及び((ジメチルアミノ)カルボニル)メチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
本明細書において使用される「(NZ)スルホニル」という用語は、本明細書において定義されるスルホニル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義される−NZ基を意味する。(NZ)スルホニルの代表例には、アミノスルホニル、(メチルアミノ)スルホニル、(ジメチルアミノ)スルホニル及び(エチルメチルアミノ)スルホニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0122】
本明細書において使用される「−NZ」という用語は、窒素原子を通じて親分子部分に付加された2つの基Z及びZを意味する。Z及びZは、水素、アルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、アリール及びアリールアルキルからなる群から各々独立に選択される。−NZの代表例には、アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノ、ベンジルアミノ、フェニルアミノ及びアセチルメチルアミノが含まれるが、これらに限定されない。
【0123】
本明細書において使用される「−NZ」という用語は、窒素原子を通じて親分子部分に付加された2つの基Z及びZを意味する。Z及びZは、水素、アルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、アリール及びアリールアルキルからなる群から各々独立に選択される。−NZの代表例には、アミノ、メチルアミノ、アセチルアミノ、ベンジルアミノ、フェニルアミノ及びアセチルメチルアミノが含まれるが、これらに限定されない。
【0124】
本明細書において使用される「(NZ)アルキル」という用語は、本明細書において定義されるアルキル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義される−NZ基を意味する。(NZ)アルキルの代表例には、アミノメチル、2−(メチルアミノ)エチル、2−(ジメチルアミノ)エチル及び(エチルメチルアミノ)メチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0125】
本明細書において使用される「(NZ)カルボニル」という用語は、本明細書において定義されるカルボニル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義される−NZ基を意味する。(NZ)カルボニルの代表例には、アミノカルボニル、(メチルアミノ)カルボニル、(ジメチルアミノ)カルボニル及び(エチルメチルアミノ)カルボニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0126】
本明細書において使用される「(NZ)カルボニルアルキル」という用語は、本明細書において定義されるアルキル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義される−(NZ)カルボニル基を意味する。(NZ)カルボニルアルキルの代表例には、(アミノカルボニル)メチル、2−((メチルアミノ)カルボニル)エチル及び((ジメチルアミノ)カルボニル)メチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0127】
本明細書において使用される「(NZ)スルホニル」という用語は、本明細書において定義されるスルホニル基を通じて親分子部分に付加された本明細書において定義される−NZ基を意味する。(NZ)スルホニルの代表例には、アミノスルホニル、(メチルアミノ)スルホニル、(ジメチルアミノ)スルホニル及び(エチルメチルアミノ)スルホニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0128】
全ての炭化水素は、O、S及びNなどのヘテロ原子で置換され得る。
【0129】
本明細書において使用される「オキソ」という用語は、=Oを意味する。
【0130】
本明細書において使用される「スルホニル」という用語は、−S(O)基を意味する。
【0131】
本発明の化合物は、無機酸又は有機酸から誘導される、医薬として許容される塩の形態で使用することが可能である。「医薬として許容される塩」という用語は、健全な医学的判断の範疇で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応等がなしに、ヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに適し、合理的な有益性/リスク比と整合する塩を意味する。
【0132】
医薬として許容される塩は、本分野において周知である。例えば、S.M.Berge他は、「J.Pharmaceutical Sciences,1977,66:1 et seq」中で、医薬として許容される塩を詳しく記載している。塩は、本発明の化合物の最終単離及び精製の間にその場で、又は遊離塩基官能基を適切な有機酸と別個に反応させることによって調製することが可能である。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミトン酸塩(palmitoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、炭酸水素塩、p−トルエンスルホン酸塩及びウンデカン酸塩が含まれるが、これらに限定されない。また、塩基性含窒素基は、塩化、臭化及びヨウ化メチル、エチル、プロピル及びブチルなどの(但し、これらに限定されない。)低級ハロゲン化アルキル;ジメチル、ジエチル、ジブチル及びジアミルサル硫酸などのジアルキル硫酸;塩化、臭化及びヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルなどの(但し、これらに限定されない。)長鎖ハロゲン化物、臭化ベンジル及び臭化フェネチルなどのハロゲン化アリールアルキルその他の因子を用いて第四級化することができる。それによって水溶性若しくは油溶性又は分散性生成物が得られる。医薬として許容される酸付加塩を形成するために使用することができる酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸及びリン酸などの無機酸並びに酢酸、フマル酸、マレイン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、コハク酸及びクエン酸などの有機酸が含まれる。塩基付加塩は、カルボン酸含有部分を、医薬として許容される金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩若しくは炭酸水素塩などの(但し、これらに限定されない。)適切な塩基と、又はアンモニア若しくは有機一級、二級若しくは三級アミンと反応させることによって、本発明の化合物の最終単離及び精製の間にその場で調製することが可能である。医薬として許容される塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩などの(但し、これらに限定されない。)アルカリ金属又はアルカリ土類金属陽イオン並びにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミンなどの無毒な四級アンモニア及びアミン陽イオンを基礎とする陽イオンが含まれるが、これらに限定されない。塩基付加塩の形成のために有用な他の代表的な有機アミンには、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどが含まれる。
【0133】
本明細書において使用される「医薬として許容されるプロドラッグ」又は「プロドラッグ」という用語は、健全な医学的判断の範疇で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応等なしに、ヒト及び下等動物の組織と接触させて使用するのに適し、合理的な有益性/リスク比と整合し、並びにそれらの意図される用途に対して有効である、本発明の化合物のプロドラッグを表す。
【0134】
本発明の化合物は、(Advanced Chemistry Developmetn,Inc.,Toronto,ON,Canadaによって開発された)ACD/ChemSketchバージョン5.0によって名付けられ、又はACD命名法と合致すると思われる名称を与えた。
【0135】
略号
以下のスキーム及び実施例の記述において使用された略号は、dba=ジベンジリデンアセトン;DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン;BINAP=2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル;DCC=1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド;DIEA=ジイソプロピルエチルアミン;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO=ジメチルスルホキシド;EDCI又はEDC=1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−カルボジイミド塩酸塩;HMPA=ヘキサメチルホスホルアミド;HPLC=高圧液体クロマトグラフィー;NBS=N−ブロモスクシンイミド;Pd=パラジウム;Ph=フェニル;psi=ポンド/平方インチ;及びTHF=テトラヒドロフラン。
【0136】
本発明の化合物の調製
本発明の化合物及び方法は、以下の実施例と関連してよりよく理解される。以下の実施例は、例示を意図するものであり、添付されている特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0137】
実施例1から3は、以下に再掲されているスキーム5を一部参照する。
【0138】
【化33】

【実施例1】
【0139】
4−ブロモ−1−メチルインダゾール(XXVI)
内部温度を35℃未満に維持しながら、DMSO(44mL)中の未精製2−ブロモ−6−フルオロベンズアルデヒド(42g、0.2mol)(XXV)の溶液をメチルヒドラジン(63g、7当量)に添加した。次いで、混合物を22時間80℃に加熱した後、内部温度を25℃に調整した。内部温度を40℃未満に維持しながら、水(160mL)及びヘプタン(160mL)で混合物を希釈した。層を分離し、水性層をヘプタン(40mL)で抽出した。合わせた有機層を10%クエン酸(100mL)で洗浄し、真空中で濃縮した。静置すると生成物は直ちに固化して、黄色がかった固体(27.5g、70%収率)を得た。HNMR(CDCl,400mHz);8.04(1H,s);7.29−7.27(2H,m);7.12−7.10(1H,m);4.07(3H,s)。
【実施例2】
【0140】
1−メチル−4−アミノインダゾール塩酸塩
【0141】
【化34】

酢酸パラジウム(82mg、2%mol)及びXantphos(9.9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン;287mg、3%mol)をトルエン(10mL)中に溶解し、室温で5分間混合した。得られた溶液に、トルエン(30mL)中の、4−ブロモ−1−メチルインダゾーウ(3.68g、17.4mmol)及びベンゾフェノンイミン(3.0g、17.4mmol)の溶液を添加した。得られた溶液を排出し、窒素を2回吹き付け、次いで、室温で少なくとも15分間混合した。次いで、NaOBu−t(1.9g、1.4当量)を添加し、混合物を排出し、再び窒素を吹き付けた。
【0142】
混合物を80から85℃まで2時間加熱した(HPLCによって完了)。次いで、混合物を室温まで冷却し、水(30mL)で希釈した。水層を分離させ、トルエン(約20mL)を用いて抽出した。合わせた有機層に6NHCl(10mL)を添加した。室温で1時間後(HPLCによって、加水分解を完了)、水(40mL)を添加して、固体を溶解させた。トルエン層を廃棄し、幾らかの不溶性物質を除去するために、水層をろ過した。50%NaOHを用いて水層のpHを14に調整し、生成物を沈殿させた。生成物をろ過し、アセトニトリル(25mL)中に溶解した。濃塩酸を滴加して、pH1を達成した。沈殿をろ過し、水で洗浄し、乾燥させて白色固体の2.5g(80%)を得た。
【0143】
HNMR(DMSO−d,400mHz):10.6(3H,br.s);8.25(1H,s);7,59(1H,d);7.40(1H,dd);7.13(1H,d);4.06(3H,s)
【実施例3】
【0144】
【化35】

25℃未満の内部温度を維持しながら、約5分にわたって、アセトニトリル(125mL)中の、1−メチル−4−アミノインダゾール塩酸塩(9.0g、49mmol)及びジスクシンイミジルカルボナート(13.2g、51.5mmol、1.05当量)のスラリーにピリジン(8.0g、101mmol、2.07当量)を添加した。15分後、水(約10滴)を添加した。10分後、ベンジルアミン塩酸塩(14.9g、1当量)を一度に添加した後、内部温度を25℃未満に維持しながら、約10分にわたって、ジイソプロピルエチルアミン(19.25g、0.15m、3当量)を添加した。30分後(HPLCによって、反応を完了)、水(100mL)をゆっくり添加して生成物を沈殿させ、これをろ過し、100mL(1:1ACN−水)で洗浄し、真空中において50℃で乾燥させた。ピンクがかった色を有する生成物(18.7g(85%収率))を得た。酢酸エチル/ヘプタンからの再結晶によって、色が除去された。
【0145】
粗生成物を70℃で酢酸エチル(46mL)中に溶解し、次いで、65℃から70℃で、ヘプタン(184mL)をゆっくり添加することによって沈殿させた。混合物を室温まで冷却し、ろ過し、4:1のヘプタン:酢酸エチル40mLで洗浄し、真空中で乾燥させた。
【0146】
以下の実施例は、下に再掲されているスキーム4を一部参照する。
【0147】
【化36】

【実施例4】
【0148】
【化37】

Pddba(0.405g)、DavePhos(0.6884g、1.75mmol)及びCuI(0.1655g)をフラスコに添加した。これに窒素を吹き付け、脱気した。次いで、トリエチルアミン(100mL)を添加した。次いで、ベンゾニトリル(XVII)(36.2g、176mmol)を添加し、65℃まで混合物を加熱した。次いで、2時間にわたって、3,3−ジメチルブチン(23.7g、288mmol)をゆっくり添加した。混合物をさらに2時間加熱し、熱を取り除いた。酢酸イソプロピル(150mL)を用いて混合物を希釈し、水(150mL)で2回及び10%クエン酸水溶液(150mL)で2回洗浄した。メタノール(40mL)で有機物を希釈し、容積を真空中で60mLまで低下させた。メタノール190mLを用いて、これを2回繰り返し、メタノールを用いて、残存物を250gまで希釈し、次の工程で、溶液として使用した。真空中で溶媒を全て除去することによって、分析用試料を得た。
【0149】
HNMR(CDCl,400mHz)7.75−7.70(m,2H)、7.60−7.55(m,1H)、1.37(s、9H);13CNMR(CDCl,100MHz)132.6,128.7,128.6,123.8,123.7,116.24、107.96,75.06,30.73,28.64。
【実施例5】
【0150】
【化38】

Raneyニッケル(19g)を含有するフラスコに、メタノール中のアルキン(XVIII)(134g、14.9重量%(XVIII))、水酸化カリウム(0.2305g)及びさらなるメタノール(44.3g)を添加した。混合物を水素で加圧し、42時間撹拌した。溶液をろ過し、メタノール(20g)でケーキを洗浄した。溶液に、コハク酸(10.65g、1.2当量)を添加した。溶液を真空中で100mLまで低下させ、イソプロパノール(100mL)で希釈し、再び100mLまで濃縮した。スラリーをろ過し、湿潤ケーキをイソプロパノール(120mL)で洗浄した。真空下、35℃でケーキを乾燥させて、白色固体を得た。HNMR(CDOD,400mHz)7.60−7.55(3H,m);4.21(2H,s);2.78−2.74(2H,m);2.51(4H,s);1.49−1.45(2H,m);1.04(9H,s);13CNMR(CDOD,100mHz)178.4,144.0,136.9,132.0,131.7,130.0,127.0,123.9,46.8,40.6,32.7,31.6,29.7,29.1。
【実施例6】
【0151】
【化39】

コハク酸塩(XIX)14.0gに、トルエン(150mL)、続いて、5%NaOH70mLを添加した。5%NaHCO(50mL)、続いて20%塩水(50mL)で、分離された有機層を2回洗浄し、次いで、濃縮し、2−メチルTHFで追跡して、ベンジルアミン遊離塩基を与えた。遊離塩基の収率は、通例99.8%である。2−メチルTHF(25mL)中のカルバミン酸フェニル(5.12g、1.07当量)のスラリーに、N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン(8.77g、2当量)及びベンジルアミン/2−メチルTHF溶液を添加した(溶媒総量約50mL)。混合物を45℃で一晩撹拌し、20℃まで冷却した。酢酸イソプロピル(55mL)を添加し、次いで、5%NaOHで2回(それぞれ50mL)、続いて、20%NaCl(それぞれ50mL)で有機物を3回洗浄した。有機層を濃縮し、メタノールで追跡して、約30mLにした。残留物にメタノール40mLを添加した。得られた混合物を50から60℃まで加熱し、水(80mL)をゆっくり添加した。スラリーを20℃まで冷却し、ろ過し、50%メタノール水溶液で、続いて水で洗浄した。55℃で湿潤ケーキを乾燥させて、98%の収率で尿素(XX)18.8gを得た。
【0152】
HNMR(d−DMSO,400mHz)7.50(1H,d,J=8.0Hz);7.45(1H,s);7.40(1H,J=8.1Hz);6.42(1H,t,J−5.7Hz);5.57(2H,s);4.25(2H,d,J=5.9Hz);2.65−2.60(2H,m);1.41−1.37(2H,m);0.96(9H,s);13CNMR(d−DMSO,100mHz)157.9,142.4,141.2,127.5,124.8,121.9,44.7,39.9,30.5,29.1,27.1。
【0153】
(85769−162)
【実施例7】
【0154】
【化40】

炭酸カリウム(55.0g、0.4mol、2当量)、式XXI(32.1g、0.2mol)及びDMSO(317g)をフラスコに添加した。周囲温度で、メチルヒドラジン(47.3g、1.03mol、5当量)を添加した。次いで、混合物を70℃で7日間加熱した。混合物を周囲まで冷却し、水(250mL)及びメチルt−ブチルエーテル(950mL)で希釈した。上方の有機物を分離し、メチルt−ブチルエーテル(910mL)を用いて下層を再抽出した。合わせた有機物を10%クエン酸(125mL)、水(1250mL)で洗浄し、油になるまで濃縮した。油に水(125mL)を添加した。得られた固体をろ過し、水で洗浄し、30℃で乾燥して、未精製の化合物XXII27.4gを得た。化合物XXIIの精製:メタノール(260mL)中の未精製XXII(173g)の0から5℃の溶液に水(250mL)をゆっくり添加した。得られた固体をろ過し、33%メタノール/67%水(合計150mL)、続いて水で洗浄した。30℃での乾燥後、固体155gを回収した。
【0155】
HNMR(CDCl,400mHz)8.03(1H,s);7.29−7.25(1H,m);7.26(1H,s);7.13−7.09(1H,m);4.06(3H,s);13CNMR(CDCl,100mHz)140.4,131.1,126.5,126.3,122.9,119.8,107.3,36.1。
【実施例8】
【0156】
【化41】

式(XX)の尿素(20g、66.15mmol)、式(XXII)のインダゾール(13.23g、79.38mmol)、炭酸カリウム(21.04g、99.23mmol)、Pddba(606mg,0.66mmol)及び(VII)(1.34g、2.65mmol)をフラスコに添加した。窒素を吹き付けた後、吹き付けられたジメトキシエタン(DME、300mL)で混合物を希釈した。混合物を80℃まで18時間加熱し、さらなるPddba(150mg、0.33mmol)及びリガンド(VII)(337mg、6.0mmol)を添加した。さらに1.5時間加熱した後、混合物を周囲まで冷却し、ろ過し、約150gまで濃縮した。残留物を追跡し、イソプロパノール(2×500mL)で2回蒸留した。残りの材料をイソプロパノールで約230gまで希釈し、65℃まで加熱した。水(182g)をゆっくり添加し、溶液を0℃まで冷却した。スラリーを0℃で1時間撹拌し、ろ過し、45%水/メタノール(100mL)でケーキを洗浄した。40℃で固体を乾燥させて、生成物(XXIII)24.0gを得た。
【0157】
HNMR(d−DMSO,400mHz);8.83(1H,s);8.03(1H、d,J=0.7Hz);7.62(1H,d,J=7.4Hz);7.55−7.49(3H,m),7.23(1H,dd,J=7.95,7.95Hz);7.13(1H,d,J=8.4Hz);6.81(1H,dd,J=5.7,5.7Hz);4.44(2H,d,J=5.6Hz);3.98(3H,s);2.71−2.66(2H,m);1.46−1.41(2H,m);0.96(9H,s);13C−NMR(d−DMSO,100MHz)154.2,141.5,140.0,132.4,129.2,127.9,127.3,126.6,125.0,122.1,115.9,114.9,106.7,102.2,44.9,40.0,35.4,30.5,29.1,27.27。
(87909−45)
【0158】
前記詳細な説明及び付随する実施例は例示に過ぎず、添付の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ定義される本発明の範囲に対する限定と解釈すべきではないことが理解される。開示された実施形態に対する様々な変化及び改変が、当業者に自明である。本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、製剤及び/又は使用の方法に関連するものなど(これらに限定されない。)のこのような変化及び改変は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく実施され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)の化合物
【化1】

又はその塩を作製する方法であり、
式(I)の化合物
【化2】

を式(III)の化合物
(III)
と反応させること
(X及びXは、ハロゲン、ヒドロキシル及びアルコキシからなる群から独立に選択され;
式IIの化合物は、少なくとも1つのR基を含み;
は、表記されている環上に2回以上存在することができ:
各Rは、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、置換されたアミノ、置換された硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換されたC−Cアルキル、置換されたC−Cアルケニル、置換されたC−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;
は、水素、アルキル及びアリールからなる群から選択され;
は、水素、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)
を含む、方法。
【請求項2】
及びXの少なくとも1つがBr又はClである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
がアルキル又は水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
及びXの少なくとも1つがClであり、並びにRが水素又はメチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式(I)の化合物を式(III)の化合物と反応させることが塩基の存在下でこれらの化合物を反応させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
塩基が酢酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム、三塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸ナトリウム及び過剰の化合物IIIからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
塩基が炭酸カリウムである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式XXIVの化合物
【化3】

又はその塩を作製する方法であり、
式XII又はXIIaの化合物
10−CN (XII)又はR10−NH (XIIa)
を、Ra−Niの存在下で水素と、及び次いで、酸HXと反応させて、式XIII又はXIIIaの化合物
【化4】

を与えること、
第一の塩基及び第一の溶媒の存在下で、式XIII又はXIIIaの化合物の遊離塩基をPhOCONHと反応させて、式IVの化合物
【化5】

を与えること、
式XII若しくはXIIaの化合物
10−CN (XII)若しくはR10−NH (XIIa)
を、第一の塩基及び第一の溶媒の存在下で、PhOCONHと場合によって反応させて、式IVの化合物
【化6】

を与えること、
又は式XII若しくはXIIaの化合物
10−CN (XII)若しくはR10−NH (XIIa)
を、Ra−Niの存在下の水素並びに酸HA並びに第一の塩基及び第一の溶媒の存在下のPhOCONHとその場で場合によってさらに反応させて、式IVの化合物
【化7】

を与えること、並びに
パラジウム触媒、第二の塩基、第二の溶媒及びリガンドの存在下で、式IVの化合物を式IIの化合物とさらに反応させること
【化8】

(Xは、ハロゲン及びスルホナート(スルホナートは、フッ素又はC−Cのフッ素化されたアルカンで独立に置換されている。)からなる群から選択され;
式IIの化合物は、少なくとも1つのR基を含み;
は、表記されている環上に2回以上存在することができ;
各Rは、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アミノ、置換されたアミノ、置換された硫黄、ハロゲン、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、置換されたC−Cアルキル、置換されたC−Cアルケニル、置換されたC−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から独立に選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;
は、ハロゲン、アルキル及びアリールからなる群から選択され;
は、水素、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し;並びに
10は、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、複素環、置換された複素環、−C−Cアルキル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、置換された−C−Cアルキル、置換された−C−Cアルケニル、置換された−C−Cアルキニル;−C−C12シクロアルキル、置換された−C−C12シクロアルキル、−C−C12シクロアルケニル及び置換された−C−C12シクロアルケニルからなる群から選択され;それぞれは、O、S及びNからなる群から選択される0、1、2又は3個のヘテロ原子を含有する。)
を含む、方法。
【請求項9】
がClであり、Rが水素又はメチルであり、及びR10がアリール又はアルキルである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
10が、式VIII又はVIIIaの基
【化9】

である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第一の塩基がN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり、及び第二の塩基が三塩基性リン酸カリウムである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
第一の溶媒がMe−THFであり、及び第二の溶媒がDMEである、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
パラジウム触媒がPd(dba)、PdCl(dba)、Pd(OAc)、Pd(OTFA)、PdCl、PdCl(CHCN)及びPdCl(PhCN)からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
パラジウム触媒がPddbaである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
リガンドが式XXX、XXXI、XXXII、XXXIII、XXXIV、XXV、XXVI、XXXVII、XXXVIII、XXXIX、XL、VIIの化合物:
【化10】

PdCl(dppf)及びPdCl(dppf)CHClからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
リガンドが式VIIの化合物
【化11】

である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
式XXIII若しくはXXIIIaの化合物
【化12】

又はこれらの塩を作製する方法であり、
式XX又はXXaの化合物
【化13】

を式XXII又はXXIIaの化合物
【化14】

と、塩基、溶媒、パラジウム触媒及び式VIIのリガンド
【化15】

の存在下で反応させることを含む、方法。
【請求項18】
塩基が三塩基性リン酸カリウムである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
溶媒がDMEである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
パラジウム触媒がPddbaである、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
式XIX又はXIXaの化合物。
【化16】

【請求項22】
式XX又はXXaの化合物。
【化17】


【公表番号】特表2011−515414(P2011−515414A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500970(P2011−500970)
【出願日】平成21年3月20日(2009.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/037741
【国際公開番号】WO2009/117626
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】