説明

UHMWポリマーの混合物からなる薄膜

【課題】強さを維持又は増加させつつ分離薄膜の厚さを薄くできる2次リチウムイオン電池のための電池分離薄膜を提供する。
【解決手段】第1の超重量高分子ポリエチレン及び第2の超重量高分子量ポリエチレンの混合物からなる微細中空シートを含む電池分離薄膜であって、及び前記第2の重量分子量は100万を超え、両者は互いに異なる重量分子量であり、この薄膜の固有粘度(IV)は6.3以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超重量高分子ポリオレフィン(UHMW)の混合物からなる微細中空薄膜に関する。
【背景技術】
【0002】
微細中空薄膜は、電気化学装置(例えば、電池、燃料電池及びコンデンサー)、分離装置(例えば、質量変換装置及びろ過装置)、医療装置(例えば、血液酸化及び透析)、圧力調整器、合成紙などを含む多くの製品に使用されている。
【0003】
微細中空ポリオレフィン薄膜の製造方法は、大きく分けて乾式(又はセルガード)法と湿式法に分けられる。
【0004】
セルガード法は、結晶化ポリオレフィン樹脂を溶融し、その溶融物を薄膜に押し出し、薄膜をアニール(加熱)し、その薄膜に中空を形成するように一方向に伸ばす(伸張する)工程を含む。セルガード法は抽出工程(すなわち、溶媒処理)を含まず、したがって、湿式法より本質的に簡略である。
【0005】
湿式法は、ポリオレフィン樹脂に炭化水素溶液又は他の低分子量物質を混合させ、その混合物を溶融させ、その溶融物をシートに押出し、一方向に伸ばし(伸張し)、揮発性の溶媒によってシートから溶液を抽出する工程を含む。湿式プロセスは、超重量高分子ポリオレフィン(UHMW)を含む中空薄膜を作成するために使用される。
【0006】
湿式法は、典型的には次の相分離機構を含む。(1)液体−液体相分離又は(2)固体−液体相分離である。TIPSとしても知られる液体−液体相分離は、ポリマーリッチ液体マトリックスと分散されたポリマーリーン液体の形成、その後のポリマーの凝固を意味する。GEL法としても知られる固体−液体相分離は溶融混合物からのポリマーの結晶化を意味する。
【0007】
粒子状物質で充填され又はされないUHMWPEからなる微細中空薄膜は、Daramic of Owensboro,KY,日本国東京のトーネン化学、日本国東京の旭化成化学より市販されている。これらのタイプの薄膜は、例えば、米国特許第6,824,865号、6,666,969号、6,245,272号、6,153,133号、6,096,213号、5,993,954号、5,922,492号、5,853,633号、5,830,554号、5,786,396号、5,741,848号、5,281,491号、5,051,183号、4,873,034号、4,734,196号、4,650,730号、4,620,955号、4,600,633号、4,588,633号、4,539,256号、日本国特許第3497569号(特開平08−064194号)、第3258737号(特開平06−212006号)に開示されている。
【特許文献1】米国特許第6,824,865号明細書
【特許文献2】特開平08−064194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
1つの最終用途として、2次リチウムイオン電池のための電池分離薄膜については、その強さを維持又は増加させつつ分離薄膜の厚さを薄くする需要が継続して存在する。
【0009】
したがって、これら及び他の要求を満足する新しい薄膜の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
薄膜は、第1の超重量高分子ポリエチレン及び第2の超重量高分子量ポリエチレンの混合物からなる中空シートである。各ポリエチレンは重量分子量を有し、両者とも100万を超える重量分子量を有し、一方は他方より大きな重量分子量を有する。加えて、薄膜の固有粘度(IV)は6.3以上である。
【0011】
薄膜は、少なくとも2つの超重量ポリオレフィンの混合物からなる。これら混合物については、下記に詳細に説明する。薄膜又は中空シート1又は2以上の次のパラメータによって特徴付けられている。すなわち、厚さ、多孔性、平均孔径、破壊強度(puncture strength)、Macmullin数、Gurley数、固有粘度(IV)及びシャットダウン温度である。それぞれについて次に説明する。
【0012】
薄膜の厚さは、5ミル(125μ)未満である。他の実施態様においては、厚さは10μ〜25μである。さらに他の実施態様においては、厚さは10μ〜50μである。
【0013】
薄膜の多孔性は25〜85%である。他の実施態様においては、多孔性は32〜58%である。さらに他の実施態様においては、多孔性は43〜57%である。
【0014】
薄膜の平均孔径は、0.01〜0.5μである。1つの実施態様において、平均孔径の範囲は0.025〜0.09μである。さらに他の実施態様に平均孔径の範囲は0.027〜0.54μである。
【0015】
破壊強度(puncture strength)は、300gr力/ミルである。破壊強度は、Midtech Stevens LFRA構造解析機及び1.65mm径、0.5mm半径の針を使用して、最大6mmのふれで2mm/秒の速度で記録しながら最終製品の幅にわたって10測定値を平均することによって決められる。
【0016】
MacMullin数(Nmac)は6〜15の範囲である。MachMullin数は、イオンの移動に対する抵抗値である。MacMullin数は、電解液の抵抗値(r)に対する電解液飽和分離膜の抵抗値(r)の比である(Nmac=r/r)。引用文献として本明細書に組み込まれる米国特許第4,464,238号も参照されたい。
【0017】
Gurley数(1ミルの厚さに標準化)は、60秒/10cc/ミル厚さ未満である。1つの実施態様において、Gurley数の範囲は12〜56秒/10cc/ミルである。Gurley数は、ASTM D−726によれば、Gurley濃度計(例えば、モデル4120)によって測定された水12.2インチの圧力において10ccの空気が1平方インチの薄膜を通過するのに要する時間(秒)である。
【0018】
薄膜の固有粘度(IV)は6.3dl/g以上である。他の実施態様において、IVは7.7dl/g以上である。押し出しの間はポリマーは主鎖が分断し、したがって重量分子量は低下するので、薄膜のIVは膜を構成する予備押し出し樹脂の重量平均ではない。本明細書で使用される固有粘度は、溶液の粘度を増加させるために溶液中のポリマーの可能性の測定を意味する。固有粘度数は、特定の粘度/濃度0における濃度比の限界値と定義される。したがって、異なる濃度における粘度を測定し、0濃度まで外挿する必要がある。濃度における粘度数のばらつきは分子ならびに溶媒の種類に依存する。一般的に、線状マクロ分子物質の固有粘度は平均重量分子量又は重合の度合いに関係する。線状マクロ分子を有すると、粘度数の測定は、粘度と分子量の関係が確立されるときの重量分子量の迅速な決定方法を提供することができる。IVは、150℃で1時間100ml中に薄膜0.02gを最初に溶解し、Ubbelohhd粘度計によって135℃の固有粘度を決定する。これは、ASTM D4020(RSV値が報告されている)に基づく。
【0019】
シャットダウン温度は140℃以下であることができる。1つの実施態様において、シャットダウン温度は135℃未満であることができる。さらに、他の実施態様において、シャットダウン温度は130℃未満であることができる。
【0020】
薄膜は、異なる分子量を有する超重量分子量の混合物であることができる。1つの実施態様において、これら超重量分子量ポリオレフィンは超重量ポリエチレン(UHMWPE)であり得る。他の実施態様において、薄膜は第1の重量分子量を有する第1の超重量分子量ポリエチレンと第2の重量分子量を有する第2の超重量分子量ポリエチレンの混合物であり、第1の重量分子量と第2の重量分子量は100万を超える互いに異なるものであり得る。他の実施態様において、薄膜は第1の重量分子量を有する第1の超重量分子量ポリエチレン、第2の重量分子量を有する第2の超重量分子量ポリエチレン及び第3の重量分子量を有するポリオレフィンの混合物であり、第1の重量分子量と第2の重量分子量は100万を超えて互いに異なり、第3の重量分子量は100万未満であり得る。さらに、他の実施態様において、薄膜は6.3dl/g以上のIVを有することができる。他の実施態様において、薄膜は7.7dl/g以上を有することができる。
【0021】
第1の超高分子量ポリエチレンは7<IV<15の範囲のIVを有することができる。例えば、そのような材料は、GUR4012(IV=10)として、Ticona of Florence,KYより市販されている。
【0022】
第2の超高分子量ポリエチレンは15以上のIVを有することができる。例えば、そのような材料はGUR4020(4022)(IV=21)として、Ticona of Florence,KYより、また、STAMYLAN UH 034(IV=15)として、DSM of Beek,Netherlandsより市販されている。
【0023】
第3のポリオレフィンは「溶融プロセス可能」なポリオレフィンであり得る。本明細書で使用される「溶融プロセス可能」とは、溶融温度で溶融するときポリマーが流動することを意味する。そのような溶融プロセス可能なポリマーは1.0×10以下の重量分子量を有することができ、また、0.5×10以下の分子量を有することができる。このようなポリマーは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテンを含む。1つの実施態様において、ポリオレフィンはポリエチレンであり、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)である。例えば、そのようなHDPEはGHR8020(MW=0.35×10及び2110(MW=0.5×10)として、Ticona of Florence,KYより市販されている。この成分の1つの機能は、薄膜が電池分離膜として使用される場合シャットダウンを可能にすることである。
【0024】
薄膜IV値は中空シートの形成後測定することができる。薄膜IV値は、押出しにおける混合とゲル化に過程でポリマー鎖は分断されるので最初の材料のIVの単純な重み平均値とはならい。鎖の分断は、IVの最初の成分の重み平均より低くなる。
【0025】
第1及び第2のUHMWPE成分のみを有する薄膜のこれら実施態様において、これら混合物は両成分の全ての配合割合、例えば、各成分について1〜99%を含む。1つの実施態様において、混合物は第1の成分の樹脂の20〜80重量%及び第2の成分の20〜80重量%を含むことができる。第1及び第2の成分のみを有する他の実施態様において、混合物は第1の成分の樹脂の40〜60重量%及び第2の成分の60〜40重量%を含むことができる。
【0026】
第1のUHMWPE、第2のUHMWPE及び第3のポリオレフィンを有する薄膜の実施態様において、混合物は、第1成分:第2成分:第3成分の比が1〜6:1〜6:1〜6を含むことができる。この薄膜の他の実施態様において、成分比は1〜6:1〜3:1〜6であることができる。さらに、他の実施態様において、混合物は1〜5.5:1〜2:1〜5.5の重量比の成分を含むことができる。
【0027】
薄膜は湿式法で製造することができる。下記に説明するように、最初の樹脂成分に約10%のプロセス油を混合することにより乾燥混合物を形成することができる。この混合物は、押出し物に全ての成分を混合する前に、残りのプロセス油を押出し物に注入しながら2つのらせん状押出し物に充填される。この混合物は細長い穴のスロットダイ(slot die)を通して非中空シートに押し出される。
【0028】
選択的に、延伸(orientation)(伸張)の前に抽出(従来法)によってプロセス油のある割合又は全てがこのシートから除去される。このシートは、例えば、2軸の延伸に延伸される。必要があれば、その後、残りの油が抽出される(従来の抽出法)。あるいは、最初のポリマー成分は直接押し出し物に充填され、全ての油は押出し物の部分を混合する前に押出し物に注入され、その後上記のプロセスが行われる。上記の実施態様のいずれかにおいて、油の一部を押出し物中の最初の混合前に注入し、残りの油を最初の混合の後に注入することも可能である。必ずしも必要ではないが、VEL(粘性潤滑油)の添加も次のプロセスのためには有益であることがわかった。押し出しにおいては、樹脂は混合物全体の約10〜55%を占めることができ、残部はプロセス油及びVELである。他の実施態様において、押し出しにおいて、樹脂は全体の混合物の約10〜40%を占めることができる。
【0029】
プロセス油は低温(例えば、60℃)においてUHMWPEに対してほとんど溶媒和効果を有しないが、上昇した温度(例えば、200℃)については十分な溶媒和効果を有する。このような油としては、パラフィン油、ナフテン油及び芳香族油、並びにジブチルフタレート、ビス(2−エチレン)フタレート、ジイソデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート及びジトリデシルフタレートのようなフタレートエステル可塑剤が挙げられる。追加の油、可塑剤及び/又は溶媒は米国特許第3,351,495号、4,588,633号、4,833,172号、5,248,461号及び5,948,557号に開示されており、前記油、可塑剤及び/又は溶媒に関してはこれら特許の関係部分のみが引用文献として本明細書に組み込まれる。
【0030】
VELは、上記の樹脂混合物に加えられるとき、混合物のプロセス性を改良する。改良されたプロセス性は、押出しモーターの電力消費量の減少にも見られ、また、潤滑油を使用し及び使用しない場合との比較において混合温度の低下にも見られる。この現象から生じる結果としては、これに限定されないが、電力消費量の減少、ポリマーの熱的及び機械的劣化の減少、ポリマー強度の増加、機械消耗の現象及び生産性の工場が挙げられる。
【0031】
このようなVELは、脂肪酸エステル、エトキシレート脂肪酸、PEGエステル、グリコールエステル、エトキシレートエステル、ゾルビトールエステル、エトキシレートゾルビトールエステル、芳香族エトキシレート、アルコールエトキシレート、メルカプトンエトキシレート、変性エトキシレート、アミド界面活性剤、フォスフェートエステル、フォスフォネートエステル、フォスフィートエステル、アルキルスルフェート、脂肪酸エステル、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアリールエーテルスルフェート、スルフォネート、ナフタレンスルフォネート、スルフォスクシネート、スルフォネートエステル、スルフォネートアミド、アルキルエーテルカルボキシレート、アルキルアリールエーテルカルボキシレート、クオーターナリアミン、アミノクオータナリアミン、エトキシレートアミン、イミダゾリン誘導体、ベタイン、スルテイン、アミノプロピオネート、カテコール誘導体、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸及びこれらの組み合わせがある。例えば、このような潤滑剤は市販されている。例示のリストを下表に示す。



【0032】
本発明の他の側面は、延伸の前にプロセス油(又はプロセス油とVEL)の一部の抽出によって薄膜の物理的特性を制御する方法に関する。物理的特性は、延伸の間前駆体のプロセス油の含有量によって強く影響を受ける。したがって、延伸の前に薄膜から除去された油の量により薄膜の物理的特性を制御することができる。
【0033】
例えば、平均孔径及び多孔性は、延伸の間前駆体のプロセス油の含有量によって強く影響を受ける。図1を参照すると、伸張の間前駆体に残っている油%(又は、油及びVEL)(x軸)と平均孔径(y軸)の間の関係が示されている。曲線1は、最初の(押出された)混合物が油中に約24%の樹脂を含むときの関係を示している。曲線2は、最初の(押出された)混合物が油中に約30%の樹脂を含むときの関係を示している。延伸の前に油を抽出することによって、平均孔径は増加することがわかる。図2を参照すると、薄膜の多孔性と平均孔径(図1に示される伸張の間前駆体に残っている油%(又は、油及びVEL)によって示される)の間の関係が示されている。図2において、図1に示される薄膜サンプルから決められる多孔性が示されている。伸張の前に油を抽出することによって多孔性を増加させることができることがわかる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は、次の限定されない実施例によってさらに説明される。
【実施例】
【0035】
表に規定される特性値は一定の条件における個々の値の編集である。次の全ての実施例
において、プロセス油(又は、示されるように、プロセス油及びVEL)の最初の溶液及び樹脂は、細長い穴のスロットダイ(slot die)を通じて2つのらせん状押出し物を経て抽出され、次いで、1)プロセス油の抽出(部分的又は全部)、ついで伸張され(二軸で)、最後に、もし必要なら、残りの油の完全抽出、又は、2)伸張前に抽出を行わず、伸張(二軸で)、最後にプロセス油が完全抽出される。実験は粘性潤滑油(VEL)を使用する又は使用しないものを含んでいる。%組成は全体の組成物に対する重量%を意味する。比は重量比を表す。
【0036】
最初の実験において、多孔性薄膜は、油:樹脂の比が3:1でVELを含まず、HPDEを33%、第1のUHMWPE(IV=10)を33%及び第2のUHMWPE(IV=24)を含む組成物から製造される。この実験により、押出しの間、樹脂混合物は、事前に押出された混合物の重み平均IVに比較してIVが20〜30%損失することが決められた。したがって、VELを含まない薄膜を作成が可能であるが、VELの使用が好ましい。
【0037】
次の実験において、多孔性薄膜は表1で決められる組成から製造される。
【0038】
【表1】

【0039】
プロセスのパラメータ及び薄膜の特性は表2(第1のUHMWPEと第2のUHMWPEの混合物を有する組成物)及び表3(HDPE,第1のUHMWPE及び第2のUHMWPE)において決められている。
【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
本発明は、本発明の精神及び本質的な特徴から離れない限り他の形式で実現することができ、したがって、本発明の範囲は、明細書ではなく特許請求の範囲を参照して決められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】伸張の前に前駆体に残っているプロセス油%と平均孔径の間の関係を示すグラフである。
【図2】薄膜の多孔性と平均孔径の間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0044】
1 最初の混合物が油中に約24%の樹脂を含むときの関係を示す線。
2 最初の混合物が油中に約30%の樹脂を含むときの関係を示す線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の重量分子量を有する第1の超重量高分子ポリエチレン及び第2の重量分子量を有する第2の超重量高分子量ポリエチレンの混合物からなる微細中空シートを含む薄膜であって、前記第1の重量分子量及び前記第2の重量分子量は100万を超え、両者は互いに異なる重量分子量である薄膜。
【請求項2】
6.3以上の固有粘度を有する請求項1に記載の薄膜。
【請求項3】
7.7以上の固有粘度を有する請求項1に記載の薄膜。
【請求項4】
前記第1の超重量高分子量ポリエチレンの固有粘度(IV)は7<IV<15である請求項1に記載の薄膜。
【請求項5】
前記第2の超重量高分子量ポリエチレンの固有粘度(IV)はIV≧15である請求項1に記載の薄膜。
【請求項6】
5ミル(125μ)以下の厚さ、25ないし85%の多孔性、0.01〜0.5μの平均孔径、300gr力/ミル(25μ)を超える破壊強度、6ないし15のMacMullin数、60秒/10cc/ミル以下のGurley数及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる特徴を有する請求項1に記載の薄膜。
【請求項7】
電池分離膜である請求項1に記載の薄膜。
【請求項8】
リチウム電池用電池分離膜である請求項1に記載の薄膜。
【請求項9】
第1の重量分子量を有する第1の超重量分子量ポリエチレン、第2の重量分子量を有する第2の超重量分子量ポリエチレン及び第3の重量分子量を有するポリオレフィンの混合物からなる微細中空シートを含む薄膜であって、第1の重量分子量と第2の重量分子量は100万を超え、互いに異なる分子量であり、第3の重量分子量は100万未満である薄膜。
【請求項10】
6.3を超える固有粘度を有する請求項9に記載の薄膜。
【請求項11】
前記固有粘度が7.7を超える請求項10に記載の薄膜。
【請求項12】
前記第1の超重量分子量ポリエチレンの固有粘度が7<IV<15である請求項9に記載の薄膜。
【請求項13】
前記第2の超重量分子量ポリエチレンの固有粘度がIV≧15である請求項9に記載の薄膜。
【請求項14】
前記第3重量分子量を有するポリオレフィンの固有粘度がIV≦7である請求項9に記載の薄膜。
【請求項15】
5ミル(125μ)以下の厚さ、25ないし85%の多孔性、0.01〜0.5μの平均孔径、300gr力/ミル(25μ)を超える破壊強度、6ないし15のMacMullin数、60秒/10cc/ミル以下のGurley数及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる特徴を有する請求項9に記載の薄膜。
【請求項16】
電池分離膜である請求項9に記載の薄膜。
【請求項17】
リチウム電池用電池分離膜である請求項9に記載の薄膜。
【請求項18】
第1の重量分子量を有する第1の超重量高分子ポリエチレン及び第2の重量分子量を有する第2の超重量高分子量ポリエチレンの混合物からなる微細中空シートを含む薄膜の製造方法であって、前記第1の重量分子量及び前記第2の重量分子量は100万を超え、両者は互いに異なる重量分子量であり、かつ、5ミル(125μ)以下の厚さ、25ないし85%の多孔性、0.01〜0.5μの平均孔径、300gr力/ミル(25μ)を超える破壊強度、6ないし15のMacMullin数、60秒/10cc/ミル以下のGurley数及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる特徴を有し、
第1の超重量高分子ポリエチレン、第2の超重量高分子量ポリエチレン及びプロセス油を押出機中で混合し、
非中空シートに押出し
前記非中空シートを延伸し、
前記延伸された非中空シートからプロセス油を抽出して薄膜を形成する工程を含む薄膜の製造方法。
【請求項19】
前記混合は、さらに第1の超重量高分子ポリエチレン、第2の超重量高分子量ポリエチレン及びプロセス油及び粘性潤滑油を混合することを含む請求項18に記載の薄膜の製造方法。
【請求項20】
前記混合は、さらに第1の超重量高分子ポリエチレン、第2の超重量高分子量ポリエチレン、100万以下の重量分子量を有する第3のポリオレフィン及びプロセス油を混合することを含む請求項18に記載の薄膜の製造方法。
【請求項21】
前記混合は、さらに第1の超重量高分子ポリエチレン、第2の超重量高分子量ポリエチレン、100万以下の重量分子量を有する第3のポリオレフィン、プロセス油及び粘性潤滑油を混合することを含む請求項18に記載の薄膜の製造方法。
【請求項22】
前記プロセス油は延伸の前に部分的に抽出される請求項18に記載の薄膜の製造方法。
【請求項23】
前記第1の超重量分子量ポリエチレン及び前記第2の超重量分子量ポリエチレンは、プロセス油中の前記第1の超重量分子量ポリエチレン及び前記第2の超重量分子量ポリエチレンの重量%が10ないし55%である請求項18に記載の薄膜の製造方法。
【請求項24】
前記第1の超重量分子量ポリエチレン及び前記第2の超重量分子量ポリエチレンは、プロセス油中の前記第1の超重量分子量ポリエチレン、前記第2の超重量分子量ポリエチレン及び100万以下の重量分子量を有するポリオレフィンが10ないし55%である請求項18に記載の薄膜の製造方法。
【請求項25】
微細中空薄膜の物理的特性を制御する方法であって、
ポリマー樹脂及びプロセス油の混合物を押出ダイにより押出すこれによって非中空前躯体を形成し、
前記非中空前躯体からプロセス油の一部を抽出し、
前記一部抽出の後前記前躯体を伸張する工程を含み、
一部抽出をしない微細中空膜の物理的特性は一部抽出をした微細中空膜の物理的特性と異なることを特徴とする微細中空薄膜の物理的特性を制御する方法。
【請求項26】
前記物理的特性は孔径及び多孔性からなる群より選ばれる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリマー樹脂は超重量分子量ポリエチレンを含む請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ポリマー樹脂は、第1の重量分子量を有する第1の超重量分子量ポリエチレン、第2の重量分子量を有する第2の超重量分子量ポリエチレンの混合物を含み、前記第1の重量分子量と前記第2の重量分子量は100万を超え、互いに異なる分子量である請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記ポリマー樹脂は、第1の重量分子量を有する第1の超重量分子量ポリエチレン、第2の重量分子量を有する第2の超重量分子量ポリエチレン及び第3の重量分子量を有するポリオレフィンの混合物を含み、前記第1の重量分子量と前記第2の重量分子量は100万を超え、互いに異なる分子量であり、前記第3の重量分子量を有するポリオレフィンは100万未満の分子量を有する請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記非多孔性前駆体から抽出されたプロセス油の一部は40%ないし100%である請求項25に記載の方法。





















【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−314764(P2007−314764A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−75209(P2007−75209)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(598064680)セルガード エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】