UMTS無線定位のための協調受信機選択
ソフトハンドオーバーをサポートする無線通信ネットワーク(WCN)では、TDOA、AOA、TDOA/AOA、または混成ネットワーク基盤あるいはネットワークオーバーレイの無線定位システム(WLS)のための協調主体受信機選択では、サービングセルとしての1つ以上のネットワーク基地局に対処しなければならない。アクティブなセットが2つ以上の構成員を含む場合に、所在地推定のための信号収集に使用する協調受信機と復調受信機のセットを決定する2つの技術を開示する。一実施形態によると、アクティブセット構成員は、代替サービングセルとして使用される単一の構成員に建設的に減じられる。他の実施形態によると、アクティブセット構成員の有する情報が保持され、復調受信機と協調主体受信機の新規セットが、アクティブセットの全メンバーシップに基づいて生成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、代理人整理番号TPI−1120に基づき、2009年12月29日出願の米国特許出願第12/648,753号の利益を主張し、その開示内容全体を参照としてここに組み込む。さらに本出願は、代理人整理番号TPI−1121に基づき、2009年12月29日出願の同時係属中の米国特許出願第12/648,783号のタイトル「UMTS無線定位のための協調受信機選択」に関連の発明の対象に係る。
【0002】
技術分野
本明細書に記載の発明の対象は、通常、セルラー無線ネットワークおよびその他のボイスまたはデータの無線通信システムを使用して無線装置を定位する方法およびシステムに係る。より具体的には、本明細書に記載の発明の対象は、通常動作の一部として移動体からネットワークに提供される測定により、受信機選択を容易にし、符号分割多重アクセス方式のスペクトラム拡散基盤無線通信システムにおける移動体通信装置の定位のためのネットワーク基盤定位技術の使用に貢献する技術に係るが、これに限定されるものでない。
【背景技術】
【0003】
背景
ネットワーク基盤無線定位システムに係る初期研究は、到達時間差(TDOA)技術を使用した携帯電話の定位を行うシステムを開示した同一出願人の米国特許第5,327,144号「携帯電話定位システム」に記載されている。末尾144の同特許に開示のシステムの改良型としては、同一出願人の米国特許第5,608,410号「バースト性送信元の定位システム」に開示されている。ネットワーク基盤到達角度(AoA)およびAoAとTDOAとの混成による移動体装置の定位に係る初期の技術としては、同一出願人の保持する米国特許第4,728,959号「方向決定測位システム」、第6,119,013号および第6,108,555号の共通タイトル「改良型時間差測位システム」が挙げられる。
【0004】
CDMAシステムのためのネットワーク基盤無線定位システムの改良型は、同一出願人の保持する米国特許第7,340,259号「ロバストかつ効率的な測位システム」、第6,546,256号「ロバストかつ効率的な定位関連測定」、および第6,047,192号「ロバストかつ効率的な測位システム」に見出すことができる。
【0005】
CDMA基盤システムによる移動体装置およびネットワーク基地局間の多数レグを維持する能力は、「ソフトハンドオフ」(IS−95/IS−2000)または「ソフトハンドオーバー」(UMTS)と称される。
【0006】
CDMA基盤システムのソフトハンドオフは、移動体装置(ユーザー機器(UMTS)または移動局(IS−95/IS−2000))により測定されるいくつかの基地局セットのビーコンまたはパイロット信号の強度に基づき、発生する。
【0007】
これら基地局セットは、IS−95/IS−2000においては、アクティブセット、隣接セット、候補セット、およびその他セットとして種々に了解される。UMTSシステムにおいては、大雑把にノードBに対応するセットは、アクティブかつモニタリングおよび検出対象のセットであると考えられる。
【0008】
アクティブセットとは、アクティブな通信を成立させる基地局セットすなわちノードBのセットである。アクティブセットについてのこの定義は、前述のCDMA基盤無線通信システム(WCN)すべてに適用する。
【0009】
IS−95/IS_2000において、隣接セットは、アクティブな基地局に近接する基地局セットであり、通信を成立させるのに十分なレベルのパイロット信号強度を有する可能性が高いが、アクティブな通信が未だ成立されていない基地局を含む。その他セットは、移動体の検出が可能なパイロット信号を有するものの、その他3種のセットに含むには、その質または出力が十分でない基地局セットである。
【0010】
UMTSにおいて、アクティブセットに加え、2つの互いに排他的セットが定義される。「モニタリング対象セット」には、通常ネットワークに知られていない非アクティブセットのセルが含まれる。UMTSにおいてこのようなセルは、UTRANによりブロードキャスト「CELL_INFO_LIST」に含まれる。「検出対象セットのセル」は、移動局(ユーザ機器またはUEとも称する)により検出される、ネットワークに知られていないセルである。UMTSにおいて、このようなセルは、CELL_INFO_LISTまたはアクティブセットには見出されない。
【0011】
CDMA(IS−95およびIS−2000)において、アクティブセットの構成員では通常、隣接セット、候補セット、およびその他セットに比して高いパイロット信号強度が測定される。移動体はこれらのセットを使用することにより、移動体主導ハンドオーバー(MAHO)として周知のハンドオーバー/ハンドオフプロセスの管理を促す。ネットワークおよび移動体間の通信が最初に成立すると、移動体は電波送信信号を介して、単一の基地局、通常は、受信したパイロット出力が最も高く、常にアクティブセットに含まれる際の閾値を満たした基地局と通信する。ソフトハンドオフに際して、アクティブセットは2つ以上の基地局を包含する。移動体は、アクティブセット、候補セット、隣接セット、およびその他セットにおける基地局のパイロット信号強度をモニタリングする。ハンドオフに際して、隣接またはその他セットのうちのある基地局におけるパイロット信号強度が規定の閾値レベルに到達すると、移動体装置により、その基地局は候補セットに追加され、隣接またはその他セットから除外される。移動体が比較的強い候補パイロット信号を検出すると、UEは「パイロット強度測定メッセージ」(PSMM)を基地局コントローラ/パケット制御ユニット(BSC/PCU)に、同パイロット信号の基地局をUEのアクティブセットに追加する旨の要求とともに送信する。PSMMレポートは、強いパイロット検出信号と関連の基地局によるソフトハンドオフ処理を調整するBSCにより評価される。
【0012】
CDMA基盤システムの無線通信システムにおいて、用語の一例および起源としてUMTS WCNを使用すると、「サービングセル」の概念は、一方向、二方向、三方向等のソフトハンドオフハンドオーバー(SHO)と置き換えられ、マクロダイバーシティを利用してきた。(ノードBからUEへの)ダウンリンクにおいてマクロダイバーシティは、移動体のRAKE受信機において、多数のアンテナからの送信または送信信号のマルチパス破損によって発生したダウンリンク信号の多数のコピーを組み合わせることにより達成される。
【0013】
アップリンク方向においては、UE送信信号の多数のコピーを収集する多数の受信アンテナを使用することにより、マクロダイバーシティが達成される。UE送信信号のマルチパス破損が行われるため、多数レベルの信号結合が実施可能となる。
【0014】
あらゆるCDMA基盤電波エアインタフェースの無線通信システムにおいて、周辺セルビーコンの検出は、周波数再使用および遠近効果を最少化するための出力制御により複雑化する。
【0015】
遠近の問題は、セルラー周波数再使用の電波ネットワークにおける典型的な同一チャンネルインタフェース(クロストークとも称される)問題である。遠近の問題は、関心対象の受信機に近接した送信機からの電波信号が、遠くに位置する送信機からの信号に比して電波経路損失による減衰が小さいという事実により発生する。したがって、近隣の送信機からの強い信号が、より遠方の送信機からの弱い信号をマスクする。
【0016】
CDMA基盤電波ネットワークにおいて、遠近同一チャンネルインタフェースは、(UEからノードBへの)アップリンクおよび(ノードBからUEへの)ダウンリンクの双方向において送信機の出力を動的に調整することにより、能動的に最少化される。出力の動的な調整により、より近接した(より電波経路損失が少ない)送信機がより低い出力でブロードキャストすることで、サービス中の受信機における全送信機に対するSNRが略同一となるようにする。
【0017】
ネットワーク無線定位サービスのシナリオには、ダウンリンクとの混成、およびユニバーサル移動電話システム(UMTS)のようなCDMA基盤無線通信ネットワーク(WCN)のための衛星定位技術が含まれてもよい。UMTS WCNは、1998年12月以降の第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP)による完全仕様である。
【0018】
UMTSの無線メッセージ、メッセージ要素、およびパラメータについては、その詳細を、技術仕様書3GPP TS24.008「移動体電波インタフェースレイヤー3仕様、コアネットワークプロトコル、ステージ3」および3GPP TS25.331「電波リソース制御(RRC)、プロトコル仕様」に見出すことができる。
【0019】
UMTS標準の無線定位システムについては、その詳細を、技術仕様書3GPP TS25.305「ユニバーサル地上電波アクセスネットワーク(UTRAN)におけるユーザ機器(UE)位置決め、ステージ2」に詳述してある。また一例としてのUMTSネットワークにおけるハンドオーバーについては、その詳細を、3GPP TS23.009「ハンドオーバ手続き」、3GPP TR25.832「ハンドオーバーの発生およびSRNS再定位」、および3GPP TR25.936「PSドメインからのリアルタイムサービスのためのハンドオーバー」に見出すことができる。
【0020】
ETSIおよび3GPP規定の用語LMU(定位移動体ユニット)は、ANSI規定の用語位置決定ユニット(PDE)または引用のTruePosition社の特許にて使用される信号収集システム(SCS)という用語と機能的に同等である。ネットワーク基盤WLSは、中央サーバを備えたローカル無線通信ネットワークのオーバーレイ内、または同無線通信ネットワークと一体的に設けられた地理的に分散した受信機(LMU)からなるが、このネットワーク基盤WLSにおいてサービス中の移動体定位センター(SMC)は、コア通信ネットワークに接続する。中央サーバは、定位トリガを取得して、本例では関心対象の移動体のアクティブセットを含む定位タスク関連情報を収集するために、WCNと通信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
以前のU−TDOAシステムでは、参照LMU受信機と見做される少なくとも1つの受信機が、関心対象の移動体からの信号の少なくとも一部の復調に成功することが必要であった。
【0022】
ソフトハンドオーバーを伴うCDMA基盤WCNにおいて、2つ以上のLMUが関心対象の移動体からの信号を完全または部分的に復調できるようにしてもよい。結果としての完全または部分的な信号復調は、ソフト結合を介して、個々の復調のいずれかから取得可能な最良のレプリカに比して劣ることのない、本来の送信のレプリカを再構築するのに使用されてもよい。この再構築された参照信号は、その後、相互関連付け処理のための定位に係る全LMUで利用可能となる。復調プロセスに関与したLMUは、「復調LMU」または「demod LMU」と称する。復調LMU受信機に加え、地理的に隣接または近接したLMU(「協調主体」または「coop LMU」)には、参照信号との相互関連付けのため、関心対象の移動体からの信号収集タスクを課してもよい。これらの協調主体は、LMU、LMUセクター、または同LMU用の多数のアンテナであってもよい。一連の潜在的な協調LMUは、復調LMUも含む。「demodセクター」は、復調タスクが課された1つのLMUセクターである。「coopセクター」は、協調タスクが課された1つのLMUセクターである。復調タスクをどのLMUセクターに課すかを特定する問題は、協調タスクをどのLMUセクターに課すかを特定する問題と関連するものの、別個の問題である。本明細書に記載の技術は両問題を解決するものの、一方の問題を他方の問題から独立して解決するのに使用されてもよい。したがって、例えばWCNによってWLSに参照信号が提供されるためにWLSが同参照信号を収集する必要がない実施形態において、本明細書に記載の技術は、協調タスクをどのLMUに課すかを特定するために使用可能である。このような場合、本技術によりdemod LMUと識別されたLMUは、協調のためのみに使用され、復調に使用されることはない。必ずしもすべてのセクターまたはセルが内蔵LMUを有していなくてもよい(例えば、TruePosition社による米国特許出願第11/736950号、第11/736920号、第11/736868号、および第11/736902号の共通タイトル「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」に記載の非密集型ネットワーク展開)。coopセクターおよびdemodセクターは双方とも、関連LMUを有するセクターおよびセルに限定される。
【0023】
したがって、「サービングセクター」は、サービングセルのカバー領域を意味してもよい。「LMUセクター」という用語は、受信ダイバーシティが使用中でない場合には1つの受信アンテナからの電波信号、または受信ダイバーシティが使用中である場合には互いに近接配置されて同領域のダイバーシティによるカバーを提供する多数のアンテナからの電波信号の受信および処理を担うLMUの一部に使用されてもよい。
【0024】
CDMA基盤無線通信ネットワークにおいて動作するネットワーク基盤無線定位システムにとって、ネットワーク基盤無線定位のためにアップリンク受信機の最も最適と思われるグループを選択することは、同ネットワークに特有の出力制御故に問題となり、結果として遠近問題に繋がることになる。
【課題を解決するための手段】
【0025】
概要
確実なTDOAおよび/またはAoA基盤定位および速度計算を行うのに数的に最も少なく、地理的に最も好適な一連の受信機に対して動的にタスクを課す無線定位システムのため、移動体装置のアクティブセットが無線通信ネットワークから取得され、協調受信機および復調受信機の所定の一覧からの選択、または協調受信機および復調受信機の新規一覧の構築に使用されてもよい。
【0026】
ソフトハンドオーバーをサポートする無線通信ネットワーク(WCN)にとって、TDOA、AoA、TDОA/AoA、または混成のネットワーク基盤またはネットワークオーバーレイの無線定位システム(WLS)用の協調受信機選択では、サービングセルとしての1つ以上のネットワーク基地局に対処することが必要である。FDD(周波数分割二重)システムまたはTDD(時分割二重)システムで有り得るCDMA(符号分割多重アクセス方式)基盤システムのようなソフトハンドオフをサポートするWCNにおいて、サービングセルまたはサービングセクターといった概念は、より複雑となる。まず移動体装置は、多数のサービングセクター(アクティブセットの構成員としても既知である)を有してもよい。次に、各セクターは異なる数の送受信用アンテナを有するか、TDD基盤システムにおいて送受信用に同一のアンテナを使用してもよい。アクティブセットが単一の構成員からなる場合、その解決法は簡単であり、協調的受信機がいくつかの指標または方法を使用して選択されてもよい。アクティブセットが2つ以上の構成員からなる場合、所在地推定のための信号収集に使用する協調主体および復調主体のセットを決定する2つの技術を本明細書に開示する。
【0027】
1.一実施形態によると、アクティブセットの構成員が代替サービングセルとして使用される単一の構成員に建設的に減じられるため、第1の方法は代替方法と称する。
【0028】
2.他の実施形態によると、アクティブセットのメンバーシップに含まれる情報が保持され、復調受信機および協調主体受信機の新たなセットが同アクティブセットの全メンバーシップに基づいて生成されるため、第2の方法は一括方法と称する。
【0029】
両技術によると、選択された協調的受信機および復調受信機は、移動体装置にとって良好なTDOAおよびAoAカバーを提供する可能性の高い受信機である。
【0030】
CDMA移動局およびUMTSユーザ機器は、広帯域エアインタフェースに基づいており、UTDOA定位システムが幅広く展開されている他の狭帯域エアインタフェース(GSM(登録商標)、TDMA、およびAMPSを含む)に比して非常に低いEb/N0レベルで送信する。これまで、CDMA/UMTSにおけるUTDOA展開は十分に小さく、全LMU受信機を他の各LMUに対する協調主体および復調主体として使用するのに実際的であった。
【0031】
Eb/N0の低いレベルが使用されるため、UMTSユーザ機器の定位に際して、復調受信機および協調受信機の選択において許容される誤差の余地がより少ない。本開示の技術による復調受信機および協調受信機の選択により、CDMA基盤UTDOAシステムを可能にする復調受信機および協調受信機の選択機構を提供して、その他類似のエアインタフェース用UTDOAシステムにより達成できる精度に比して同等またはそれ以上の定位精度を得ることが可能となる。本開示の技術では、使用する協調主体の数がより少なくてもよく、その場合、システムのスループットを向上することができる。可能性のある個別のアクティブセットの数が膨大であるため、当面するすべてのケースにおいて予めこの選択を実施することが不可能であることがある。故に、あらゆる実際的ソリューションは、本開示の技術からの恩恵を享受することになるであろう。
【0032】
本開示の技術は、移動体基盤OTDOAおよび/またはアシスト型GPS(A−GPS)およびネットワーク基盤アップリンク到達時間差(U−TDOA)技術を使用した混成ソリューションにも適用される。このような技術は独立して作動し、最終的な混成所在地計算において組み合わせ可能な範囲推定を取得するか、または1つ以上の他の方法が失敗した場合にある定位方法が使用されるフォールバックモードにて作動する。本開示の概念を使用した混成無線定位システムを使用して、精度、生産性、および性能を向上した高度な定位ソリューションを生み出す。衛星基盤ダウンリンクTDOAを含む、ネットワーク基盤かつ移動体基盤の技術を使用した方法は、TruePosition社の米国特許第7,440,762号「TDOA/GPS混成無線定位システム」およびTruePosition社の米国特許出願シリアル番号12/192,057「混成GNSSおよびTDOA無線定位システム」に開示されている。
【0033】
本明細書に記載の発明に係る技術および概念は、CDMAOne(IS−95AおよびIS−95Bの改定を伴うTIA/EIA IS−95CDMA)、電波プロトコルのCDMA2000ファミリー(第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト2(3GPP2)に規定)、およびユニバーサル移動電話システム(UMTS)の一部として第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP)により規定の広帯域符号分割多重アクセス方式(W−CDMA)電波システム等の符号分割電波通信システムに適用される。本明細書で述べるUMTSモデルは一例であり、本発明が使用されてもよい排他的条件ではない。
【0034】
本発明は、ユニバーサル移動電話システム(UMTS)等のCDMA基盤無線通信ネットワーク(WCN)のためのダウンリンクおよび衛星定位技術との混成を含むネットワーク無線定位サービスのシナリオにおいて使用されてもよい。UMTS WCNは、1998年12月以降、第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP)の完全仕様となった。同じく3GPP仕様である広帯域CDMA(W−CDMA)電波エアインタフェースを伴うUMTS WCNが、本文書全体に亘ってモデルの一例として使用される。
【0035】
本概要は、以下に詳述する概念のいくつかを簡略な形で紹介するものであることに注意が必要である。本概要は、請求の発明の対象につき、キーとなる特徴または必須の特徴を特定するためのものではなく、請求の発明の対象の範囲を決定する補助として使用されることを意図するものでもない。
【0036】
図面の簡単な説明
以上の概要および以下の詳細な説明は、添付の図面とともに読むことで一層理解されるものである。本発明を説明する目的で、図面には本発明の一例としての構成を示したが、本発明は、開示された特定の方法および手段に限定されるものではない。図中、
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、ネットワーク基盤無線定位システム(WLS)を説明する図である。
【図2a】図2aは、全方向性セルにおける代表的マーカーポイントの選択の一例を描いた図である。
【図2b】図2bは、セクターセルサイト内のセルにおける代表的マーカーポイントの選択の一例を描いた図である。
【図2c】図2cは、協調的LMUセクターおよび復調LMUセクターの選択のための半径方向分割および螺旋アルゴリズムパターンを描いた図である。
【図2d】図2dは、サービス領域における各サービングセルとその目標とする協調LMUセクターおよび復調LMUセクターとの間の平均信号クオリティに係る電波伝播研究結果を描いた表である。
【図2e】図2eは、半径方向分割および予測された信号クオリティの順に最適な協調LMUセクターおよび復調LMUセクターを選択する、処理中の螺旋アルゴリズムを説明する表である。
【図2f】図2fは、協調主体の初期一覧を表す表である。
【図2g】図2gは、復調LMUセクターの初期一覧を表す表である。
【図3】図3は、ネットワーク基盤無線定位システムのための協調的LMUセクターおよび復調LMUセクターを選択する代替方法を実施する際の一般的な動作ステップを説明する図である。
【図4】図4は、重心に対する最近傍アクティブセットの構成員を代替として選択する代替方法1の一実施形態を説明する図である。
【図5】図5は、復調LMU一覧上で最多数のアクティブセット構成員を含むアクティブセットの構成員を代替セルとして選択する代替方法2の一実施形態を説明する図である。
【図6】図6は、カバー境界多面体に基づいて代替サービングセルを選択する代替方法3の一実施形態を説明する図である。
【図7】図7は、ネットワーク基盤無線定位システムのための協調LMUセクターおよび復調LMUセクターを選択する一括方法を実施する際の一般的な動作ステップを詳述する図である。
【図8a】図8aは、アクティブセット構成員の八分円に基づいて総当り式に新たな協調主体の構築を行う一括方法1の一実施形態を説明する図である。
【図8b】図8bは、アクティブセット構成員の八分円に基づいて総当り式に新たな協調主体の構築を行う一括方法1で実施される螺旋アルゴリズムを描いた図である。
【図8c】図8cは、アクティブセット構成員の八分円に基づいて総当り式に新たな協調主体の構築を行う一括方法1で実施される螺旋アルゴリズムの結果を描いた表である。
【図9a】図9aは、アクティブセット構成員のマーカーポイントに基づいて新たな協調主体一覧の構築を行う一括方法2の一実施形態を説明する図である。
【図9b】図9bは、アクティブセット構成員のマーカーポイントに基づいて新たな協調主体一覧の構築を行う一括方法2で実施される螺旋アルゴリズムを描いた図である。
【図10a】図10aは、アクティブセット全構成員に共通のカバー領域に基づいて新たなcoopを構築する一括方法3の一実施形態を説明する図である。
【図10b】図10bは、アクティブセット全構成員に共通のカバー領域に基づいて新たなcoopを構築する一括方法3で実施される螺旋アルゴリズムを描いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
実施形態の詳細な説明
以下の説明および図面中に、特定の詳細を記述することにより、本発明の種々の実施形態につき、徹底的な理解を促すこととする。本発明の種々の実施形態をいたずらに不明確にしてしまうのを避けるため、しばしばコンピュータ関連技術およびソフトウェア技術と関連付けられる周知の詳細については、以下の開示に記述しない。さらに、通常の技術を有する当業者は、以下に記した詳細の1つ以上を省略しても、本発明の他の実施形態が実施し得ることを理解するであろう。最後に、以下の開示中にはステップおよびシーケンスを参照して種々の方法が記されるが、そのような記述は、本発明の実施形態の明確な実現を提供するためになされるものであり、同ステップおよびステップのシーケンスは、本発明を実施する際の必要に応じて、実施されなくてもよい。
【0039】
本発明の実例としての一実施形態を説明する。まず問題の大筋につき詳細に説明し、続いて我々の解決法につき、より詳細な説明を行う。
【0040】
広帯域スペクトラム拡散CDMA基盤無線通信システムの主な利点の一つとして、異なる時間遅延を伴って受信機に到達する多数の信号を結合する能力が挙げられる。狭帯域システムとは異なり、CDMA基盤無線システムはマルチパスの望ましくない影響を軽減するのに等化を行わず、むしろRAKE受信機を使用して(「光線」として周知の)マルチパス信号を結合する。
【0041】
RAKE受信機は、「指」と称される多数の復調主体を含む。各指は、光線を探索し、RAKE受信機の他の指に対してその情報を提供する。その後各指は、強い光線に対応する信号を復調する。そして各指からの結果が互いに結合され、信号クオリティを改善する。
【0042】
CDMA基盤無線通信システムにおいて、ソフトハンドオーバー(SHO)およびソフターハンドオーバー(同様にSHO)に係る技術を使用して、マルチパス結合により可能となる性能を活用し、電波エアインタフェースの急変に伴って送達されるボイスまたはデータのクオリティ改善を図ることができる。マクロダイバーシティを使用して、ローカル基地局のアンテナからの信号を結合することにより、受信信号(ソフターハンドオーバー)を改善することができ、また他のローカル基地局からの信号を基地局または電波ネットワークコントローラにおいて収集および統合(ソフトハンドオーバー)することができる。
【0043】
機能的広帯域スペクトラム拡散CDMA基盤無線通信ネットワークの一例として3GPP規定UMTSシステムを使用し、ネットワークおよび信号情報の取得により、精度、待機時間、およびコストに関して無線定位システムの性能の改善が可能である旨を示すことができる。
【0044】
ネットワーク基盤無線定位システムは、三角測量(AoA)および三辺測量(TDOA)として周知のアルゴリズムによって所在地推定の計算を行う際に、最少3つの受信機(または到達角度のみを基盤とするシステムの場合には2つ)を要求する。実際のところ、定位精度を最大化するためにはより多くの受信機が通常必要となる。
【0045】
多辺測量(および多角測量との組み合わせ)を使用したネットワーク基盤WLSでは、最も受信状況の良好な受信機サイト(例えばSNRのような信号クオリティにより決定される)のみを選択することにより、定位精度を向上することができる。受信機サイトの各ペアは、所在地推定および速度推定の計算が実施される基線ペアを形成する。受信タイミングと予想タイミングとの間の不一致も、追加受信機または代替受信機の選択指標としてSNRとともに使用可能である。
【0046】
ネットワーク基盤無線定位システムにおけるTDOA/FDOA決定のための基線方法では、同期受信機を介して異なるアンテナを使用し、予想伝播遅延に合わせて延長および調整された同一間隔で参照信号およびローカル信号が収集されるという、両信号間の信号相互関連性を使用する。
【0047】
図1
図1は、ネットワーク基盤無線定位システム(WLS)を描いた図である。WLSは、無線通信システム(ここには最強セル102、隣接セル103、および近接セル104として図示)のオーバーレイとして、または無線通信システム内に一体化されて設けられている。無線装置105は、電波信号路106、107、および108を介してローカルセル102、103、および104とのソフトハンドオフにある様子が示されている。所在地測定ユニット(LMU)109は、地理的に分散されることにより、移動体装置105の発信したアップリンク電波信号を受信する。LMUは、デジタルデータリンク110を介してSMLC111に接続される。SMLC111、すなわちサービス中の移動体定位センターは、WLSおよびその他の無線通信ネットワークノード間の相互接続の提供に加え、LMU109の動作、維持、およびセットアップを管理する。SMLCは、J−STD−036規定E5インタフェース、ETSI規定Lbインタフェース、3GPP規定Iupcインタフェース、および/またはATIS規定Lbisインタフェースのようなデジタルデータリンク112を介したWCNからのトリガ関連およびタスク関連情報を受信する。SMLCは、リンクモニタリングシステム(LMS)と連携して展開される場合、LMSからのトリガ関連およびタスク関連の形成につき、替わりのトリガ関連インタフェース113をサポートしてもよい。LMSについては、同一出願人の米国特許第6,782,264号および第7,023,383号の共通タイトル「無線定位システムにおける通話情報モニタリング」および同一出願人の特許出願シリアル番号11/150414の「無線定位システムにおける所在地基盤サービスアプリケーションのための高度トリガ」に詳述している。
【0048】
ネットワーク基盤WLSにおいて、受信信号は、好ましくは地理的に分散したアンテナサイトを使用した広帯域受信機(LMU109)を使用して収集される。
【0049】
参照アンテナ(またはサイト)および協調主体は、受信信号特性、信号伝播モデル化に基づく事前計画方式、またはサービングセルあるいは移動体装置のためのアクティブセットのメンバーシップを含み得るその他の指標に基づいて選択される。
【0050】
各LMU109の受信機は、関心対象チャンネルにおいて受信した電波送信をデジタル化する。取得した関心対象信号(SOI)または同SOIの一部は、参照受信機によって復調され、協調サイトに分配される。本技術の仕様に係る追加情報は、同一出願人によって保持されている米国特許第5,327,144号「携帯電話定位システム」および第6,047,192号の「ロバストかつ効率的な測位システム」に見出されてもよい。
【0051】
参照信号およびローカル信号は、サンプル持続時間に亘って収集されたデジタル化サンプルセットであり、その後、可能性のある時間オフセット(範囲)および周波数オフセット(ドップラーおよびドリフト)のセットと相互に関連付けられることにより、相互関連強度、範囲、およびドップラー/ドリフト(同一出願人による特許第6,876,859号「無線定位システムにおけるTDOAおよびFDOAの推定方法」の通り)の3次元探索空間を生成する。
【0052】
前記相互関連付け手続きは、協調LMU109受信機毎に反復される。相互関連付けの結果は、障害を除去するために編集してもよい。デジタル編集技術の仕様に係る追加情報は、同一出願人による米国特許第6,765,531号「所在地計算における障害消去システムおよび方法」に見出されてもよい。
【0053】
精密度の幾何学的希釈(GDOP)では、送信移動体装置との比較においてTDOAおよび/またはAoAシステムの受信アンテナの配列に対する定位精度の感度を測定する。GDOPは、定位システムの性能を強化または劣化し得る誤差乗算器と見做すことができる。例えば、TDOA多辺測量プロセスにおいて、所在地推定におけるすべての基線測定を精度Xにて行い、アンテナ配列のGDOPが結果としてYになった場合、最終所在地推定の予想誤差はX*Yとなる。
【0054】
UTDOAの定位精度は、限られた数のLMUによる部分的復調および再構築によって取得した参照信号の取得と、良好な協調主体サイトの選択によるところが大きい。WLSにおける全LMUに対して参照信号を取得するタスクを課していれば、同一期間中にその他の定位を実施する際に、これらLMUが使用不能となるため、LMUの数を限定することが重要である。これが、WLSのサービス能力(容量および待機時間)に深刻に影響を与えるであろう。
【0055】
能力への過度の影響を伴うことなく参照信号検出を向上するために、数少ないLMU(復調LMU)に、参照信号またはミッドアンブル等参照信号の一部の復調を試みるようタスクが課され、後に最適なものが選択される(またはそれらが結合される)。復調または協調のタスクをどのLMUに課すかといった初期選択は固定的である。この選択は、無線システム内の各セル毎のシステム構成中に一度実施される。
【0056】
最適なサイトを選択するに際し、復調または協調のタスクをどのLMUに課すかといった選択において多くの側面(例えばGDOPまたは基線ペア間の距離)を考慮することが可能である一方、各システム再構成後に広範かつ高価なドライブテストが実施されるのでなければ、マルチパス伝播およびフェーディングを考慮することができない。したがって、ドライブテストの代用とするには、電波伝播環境のモデル化は不十分であることが証明された。参照信号の検知および復調を行うのに最適なセルが、関心対象の移動体に近いセルでない場合もある。WCNが変化するか、追加ドライブテストおよび調査データが利用可能になると、「固定的」復調または協調の初期一覧のその後の改正が可能になる。固定的一覧の作成に際して履歴情報を使用した一覧の改正も可能である(同一出願人による特許出願である、米国特許出願シリアル番号11/948244「無線定位システムの自動化構成」参照)。
【0057】
一例としてのUMTS WCNにおいて、「ソフトハンドオーバー(SHO)は、数少ないセルがデータを同一移動体装置に対して同時に送受信している状態である。UMTSにおいて、セルは、規定の電波カバー領域を有するアンテナ列に対応する。UMTSセルは、全方向性セル、またはカバー領域を規定および提供するために方向性アンテナ列を使用するセクターセルであってもよい。1つ以上の全方向性セルまたはセクターセルが、単一のセルサイトにおいて配置されてもよい。
【0058】
マクロダイバーシティ/ソフトハンドオーバーにより、UEは、ローカルノードBからの2つ以上の電波ダウンリンクを結合することで、受信クオリティを改善する。UEが同時サポート可能な電波リンクの最大数は8つであるが、SHOのために使用される数が、電波アクセスネットワークの制御下において1〜6の範囲内で動的に変化し得る。
【0059】
一般的に、RRC接続の成立に際して、RRC接続はまず1つのセル上にて成立されなければならない。UMTSネットワークは、UEにおける周波数内測定を開始することにより、他のセルの適合を決定する。適合したセルは、デルタT秒に対して動的閾値[Best_SS−AS_TH+AS_Th_Hyst]を超えるCPICH(共通パイロットチャンネル)強度(Ec/Ioにより測定)を有する。セルのCPICHがこの閾値を満たし、アクティブセットが未だ最大限に達していなければ(つまり、測定したCPICHが、既存のアクティブセット構成員のCPICH強度に、デルタT秒につきAs_Rep_Hystを加えたものよりも良好な場合)、同セルは適合である。
【0060】
適合なセルが見つかると、アクティブセット更新手続き(3GPP TS25.331「電波リソース制御プロトコル仕様」8.3.4節)が開始される。アクティブセット更新メッセージを使用して、ネットワークはUEに対して1(以上の)電波リンクを追加または削除する。このアクティブセット更新手続きの開始から終了まで、1つの電波リンクが共通で有り続けることが、唯一要求される。
【0061】
移動体/UEにて作成されたRF測定レポートに基づいてアクティブセットに対してセルが追加または削除されるため、アクティブセット内のセルは、ネットワーク基盤無線定位方法における復調および協調に関し、非常に良好な候補である可能性が高い。
【0062】
TDMA/FDMA無線通信ネットワークにおける所在地計算
現場で実証され、現在幅広く使用されている高精度ネットワーク基盤無線定位技術には、UTDOA(アップリンク到達時間差)、到達角度(AOA)、およびU−TDOA/AoAの混成が含まれる。
【0063】
アップリンク到達時間差(UTDOA)は、セル信号が多数の所在地測定ユニット(LMU)に到達した時間を比較することにより、携帯電話の所在地を決定する。
【0064】
到達角度(AOA)は、他の多数要素アンテナにより展開された角度とともに各アンテナ要素の正確な所在地を精密に周知している場合に、多数要素アンテナ列によって展開された角度を比較することにより、携帯電話の所在地を決定する。各要素は、アップリンク電波信号を個別に受信可能である。信号強度、到達時間、および列の各要素におけるフェーズを測定することにより、移動体装置からAoA列までの視線経路(方位線)を計算することができる。2つ以上のAoA装備LMUを使用することにより、多数の方位線を作成する。所在地推定は、方位線の交差位置から計算することができる。
【0065】
セルID(CID)、信号出力測定、改良セルID(E−CID)、到達角度(AOA)、およびアップリンク到達時間差(U−TDOA)の組み合わせを使用するネットワーク基盤混成定位ソリューションを使用することにより、地理的サービス領域内における定位精度および生産性を向上することができる。
【0066】
TDMA(時分割多重アクセス方式)、FDMA(周波数分割多重アクセス方式)、GSMのようなFDD(周波数分割二重方式)システムにおいて、サービングセル(通常、移動局により受信された測定電波信号が最良のセル)は、LMU受信機に連結され、かつ、地理的に分散したアンテナの調整に必要な電波チャンネル情報とともに、WCNまたはリンクモニタリングシステム(LMS)によりWLSに対して特定される。サービングセルはまた、サービングセクター(セクター方式基地局の場合)またはサービングアンテナペア(セルラーセクターは名目上、少なくとも1つの送信アンテナと受信アンテナとを有する)としても周知である。受信機のダイバーシティを使用して、追加受信アンテナをセクターに追加する。本明細書において、セクターという用語は、セルサイトの特質(全方向性またはセクター方式)に関わらず、受信機アンテナまたはダイバーシティ受信機アンテナの電波カバー領域を指して用いる。したがって、「サービングセクター」はサービングセルのカバー領域を意味する。
【0067】
起動に先立ち、広範な設計フェーズが、通常、LMUの最適配置(同一出願人による2007年4月18日出願の米国特許出願シリアル番号11/736,950「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」、2007年4月18日出願の米国特許出願シリアル番号11/736,920「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」、2007年4月18日出願の米国特許出願シリアル番号11/736,902「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」、および2007年4月18日出願の米国特許出願シリアル番号11/736,868「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」を参照のこと)および地理的サービス領域に亘る精度推定が計算されるネットワーク基盤WLS上にて実施される。設計フェーズの一部として、所定の協調的LMU受信機一覧(coopすなわち協調主体一覧)および所定の二次的復調候補LMU一覧(demod一覧)が、WCNの各セクター毎に作成される。
【0068】
協調主体初期一覧および復調主体一覧作成プロセスでは、LMUセクター受信機アンテナと理論ポイント(マーカーポイントまたはサンプルポイント)との間の電波経路損失をモデル化する。モデル化された電波経路損失を使用して、各マーカーポイントと受信機アンテナとの間の電波経路のクオリティ測定値を決定する。本例では、拡張COST231−Hata電波伝播モデルが使用される。
【0069】
1つ以上のマーカーポイントを使用して、各セルのカバー領域を表す。マーカーポイントの配置は、均質地理的分布、電波伝播マッピングに基づく選択的配置、およびモンテカルロ法またはその他の確率的方法に基づく技術によるランダム配置を含むいくつかの技術を使用して実施可能である。本明細書中では、単純な幾何学的配置を使用して、初期マーカー配置を説明する。
【0070】
図2aおよび2bは、単純な幾何学モデルから計算した代表的マーカーポイントの例を説明する図である。図2aは、全方向性アンテナ(単一セル)セルサイト201のカバー領域上のオーバーレイにおける単純幾何学モデルから計算した代表的マーカーポイントの実例を描いた図である。(n=4)個のマーカーポイント202が、各々均一に分布した(n=4)本の半径205に沿って、一定半径204にてアンテナサイト206周辺に分布している。
【0071】
図2bは、6つのセクターセルサイト203のうちの1つのセクター上のオーバーレイにおける単純幾何学モデルから計算された代表的マーカーポイントの実例を描いた図である。現在のセクター205は、単純幾何学モデルのオーバーレイとなる。(n=4)個のマーカーポイント204は、名目上のセクター縁部の中点に沿って、名目上のセクター深さの1/3の地点に配置される。
【0072】
地理的無線通信システム仕様および/または調査情報を使用して、各受信機アンテナの所在地を決定する。1つのセル内に多数の受信機アンテナが存在する場合、そのセルの全受信アンテナに対して単一の代表ポイントが選択可能であるか、または各受信アンテナが独自のセルに関連付けられているかのように計算を実施可能である。
【0073】
非LMUセルに係る地理的所在地およびその他のセルサイト情報は、SMLCにおいて既知であり、これら非LMUセクターのための協調主体およびdemodセクター一覧を用いた生成に使用される。非LMUセクターは、唯一サービングセルであり得るが、協調主体またはdemodセクターではあり得ない。
【0074】
サービス中の領域におけるいずれかのセルの定位を実施する際に、協調および/または復調にどのLMUセクターを使用するかを決定する必要がある。以下は、カバー領域を示すのに上述のいずれかのマーカーポイント配置方法により決定されたセルのマーカーポイントを使用して、同セルの協調主体およびdemodセクターの初期一覧を決定する手続きの一例である。
【0075】
サービス領域内の各セルに対して、以下のステップ1〜4を実施する。
1.規定範囲内(この値は、ネットワーク伝播モデル化に基づき変化してもよく、各セルに独自の値も可能である)の他の全LMUセクター(目標セクター)を選択する。
【0076】
2.n個の代表的カバーポイント(マーカーポイントまたはサンプルポイント)を規定する。図2aおよび2bでは、マーカーポイントが、現在のセルの予測カバー領域上に均一に分布している。実際には、4つのマーカーが通常使用される。
【0077】
3.電波チャンネルを表すために選択された電波伝播モデルを使用して、選択された各目標セクターに対する全マーカーからの予想経路損失を演算する。このモデル化は、同モデルを改善するために、ドライブテストデータを使用して改良されてもよい。
【0078】
4.経路損失モデル化結果を、現在のセルと選択された各目標セクターとの間の予測電波リンククオリティを表す単一のクオリティ測定値へと平均化し、これらの値を後の使用のために保存する。使用される平均化の種別としては、単純算術平均、幾何平均、または伝播モデルに適したその他の平均計算が使用可能である。平均化は、正比例またはその割合の対数表現(例えば、デシベル表現)を含むあらゆる適切な経路損失表現を使用して実施可能である。
【0079】
図2dは、1つのサービングセルおよび1つの目標セクターからなるすべてのペアについて、ステップ4に保存された平均を表す表の一例を描いたものである。
【0080】
セルCにより提供される通話のための協調セクター一覧およびdemodセクター一覧を作成するために、以下のステップ5〜10に詳述の「螺旋アルゴリズム」を実施する。
【0081】
5.Cの受信アンテナ周辺領域を、m個の半径セグメントに細分する。Cのカバー領域の重心またはCのホストである基地局の所在地等の代表ポイントを、半径パターンの中心に使用してもよい。このポイントは、中央ポイントと称されてもよい。実際には、種々のネットワークトポロジーにおいて有用な結果をもたらすとして、m=8が示されてきている。図2cは、m=8の場合のサービングセクターの一例を説明する図であり、したがって現在のセクターの周辺領域を八分円に分割する。各八分円には、時計周りに1〜8の番号が付される。
【0082】
6.各八分円につき、上述のステップ4で保存した情報を使用して、現在のセルの目標セクターに対するクオリティ測定値およびセクター特定情報を含む、目標セクター一覧と称される一覧を作成する。
【0083】
7.いずれかの八分円から開始して、その八分円内の最良クオリティ測定値を有する目標セクターを選択し、その八分円の目標セクター一覧からそれを協調主体一覧作成に移動する。
【0084】
8.現在のセクターの代表ポイント周辺の初期通過中に、空間的対称を増大する(引いてはGDOPを低減する)ために、次の八分円の選択に、パターン1−4−7−2−5−8−3−6(必要に応じて反復される)または類似の非連続的パターンを使用してもよい。各八分円につき順に、最良のクオリティ測定値を有する目標セクターを選択し、その八分円の目標セクター一覧からそれを協調主体一覧作成に移動する。
【0085】
9.協調主体が目標数に到達するまで、あるいは、いずれの八分円にもこれ以上の目標セクターが残っていない状態となるまで、残っている中でも最良のクオリティ測定値に基づき、八分円の選択と、協調的受信機一覧に未選出の目標セクターの選出とを反復する。
【0086】
10.追加された最終目標セクターに対する経路損失に留意する。協調主体一覧に以前に追加された全LMUセクターを調べ、そのようなセクターの各々につき、対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられて基線測定をもっともらしく実施可能な十分に低い平均経路損失を有するアンテナに接続された、協調主体一覧上にまだない全LMUセクターを協調主体一覧に追加する。
【0087】
11.現在のセルに対して、クオリティ測定値表からセルのD個の最良目標セクター(最高出力または最少経路損失)を使用して、demodセクター一覧を作成する。(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常、2〜10の範囲内である。)第1一覧入力のクオリティ測定値が最も高く、第2一覧入力(がある場合には、第2一覧入力)のクオリティ測定値が2番目に高く、という具合になるように、クオリティ測定値によってこの一覧を順序付ける。demod一覧に以前に追加された全LMUセクターについて調べ、そのようなセクターの各々につき、アンテナが対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられた、demod一覧上にまだない全LMUを、推定された経路損失に関わらず、demod一覧に追加する。
【0088】
ステップ5〜10は、LMUにデータ収集のタスクを課す前の任意のタイミングで実施可能である。
【0089】
到達角度(AoA)能力が現在のセルに対してインストールされた場合、別個のAoA協調主体一覧は、AoAアンテナ列の光線の電波到達範囲内にある現在のマーカーポイントのうちのいずれかを含む範囲(AoA範囲はセルごとの単位で変化する)内のすべてのAoA装備LMUセクターを追加することにより作成される。
【0090】
図2cは、現在のセル206の周辺領域の区分を説明する図である。区分は、中央ポイント207から半径方向に行われる。中央ポイントは、セルアンテナの所在地、またはセクターの(セクター二等分線の交差点とセクター到達の中間点から計算した)重心であり得る。セグメント208、209、210、211、212、213、214、および215の各々には、本明細書において、螺旋アルゴリズムの分配効果を示すべく、1〜8の番号を付している。
【0091】
図2dは、サービングセル内の各マーカーポイントからの平均信号クオリティ測定により決定した、各サービングセルと目標LMUセクターとの間の計算信号測定一覧を詳述した図である。
【0092】
図2eは、各サービングセル毎の螺旋アルゴリズムの過程を説明する図であり、協調主体が分配不十分である結果としてGDOPが高くなるのを避けるため、協調主体を分配するのに使用される1−4−7−2−5−8−3−6の選択順で、半径方向セグメント(名目上8円分)を通して進行される。
【0093】
一例としての表形式フォーマットの協調主体初期一覧は、図2fに詳細に示されている。サービス領域(サービングセル)に含まれる各セルにつき、そのセルの協調主体一覧は、螺旋アルゴリズムにより選択された順において協調LMUセクターの一覧から構成される。
【0094】
一例としての表形式におけるdemodLMUセクター初期一覧は、図2gに詳細に示す。サービス領域(サービングセル)に含まれる各セルにつき、そのセルの復調主体一覧は、上述のステップ11において選択された順においてdemodLMUセクターの一覧から構成される。
【0095】
以上に説明した手続きでは、信号強度およびGDOP間の優先度について平衡を保つ順に、初期協調主体を選択する。信号強度は、サービングセクターにおいて最強の予測信号強度を有する順に、各セグメント内に配置されたLMUセクターを選択することにより優先付けられる。GDOPは、協調受信機を選択しつつ八分円を通じて配列し、引いては確実に協調受信機によりサービングセクターを包囲することにより優先付けられる。これら優先度の平衡は、このように各八分円における最適LMUセクターの選択と次の八分円への進行とを交互に行うことによって達成される。各セルは、最も好都合な順から最も好都合でない順へ、所望のLMUセクターについて独自の順番を有している。定位時には、Coop初期一覧を使用して、信号収集および相互関連付けには、どのLMU受信機と関連受信機アンテナが考えられるかを決定する。
【0096】
ソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバーを備えた無線通信ネットワークにおける所在地計算のために
FDD(周波数分割二重方式)またはTDD(時分割二重方式)システムでもあり得るが、例えばCDMA(符号分割多重アクセス方式)基盤システムのようなソフトハンドオフ/ハンドオーバーをサポートするWCNにおいて、サービングセルまたはサービングセクターといった概念はより複雑になる。ネットワーク基盤無線定位システム(WLS)が、ソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバーをサポートする無線通信ネットワーク(WCN)において機能するには、TDOA、AOA、TDOA/AOA、または混成ネットワーク基盤またはネットワークオーバーレイの無線定位システム(WLS)のための協調的(およびdemod)受信機の選択のために、1つ以上のサービングセルに対処しなければならない。
【0097】
移動体装置は、多数のサービングセル(アクティブセット構成員としても周知である)を有してもよい。さらに各セルは、異なる数の送信用および受信用アンテナを有してもよく、またはTDD基盤システムにおいては、送信および受信用に同一のアンテナを使用してもよい。
【0098】
アクティブセットが単一の構成員を含む場合、前述のような協調主体およびdemodセクターの初期一覧を使用した協調的受信機選択手続きが使用されてもよい。
【0099】
アクティブセットが2つ以上の構成員を含む場合、本明細書に開示の方法を使用して、信号収集に使用する協調主体およびdemodLMUセクターを選択してもよい。本明細書には、それぞれがいくつかの方法を含む2つのカテゴリーの方法を詳細に示す。
【0100】
第1カテゴリーの方法は、代替サービングセルとして使用するアクティブセットの一構成員を選択する方法であるため、代替方法と称する。第2カテゴリーの方法は、demodセクターおよびcoopセクターの選択にアクティブセット要素の全体(すなわち、一括)を使用するため、一括方法と称する。両カテゴリーにおいて、選択された協調的受信機および復調受信機は、移動体装置に対して良好なTDOAおよびAoAカバーを提供する可能性が非常に高い。
【0101】
ソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバーを備えた無線通信ネットワークの所在地計算のための代替方法
通話の定位に際し、移動体装置のアクティブセットが2つ以上の構成員を含む場合、設計者はアクティブセット要素により提供された潜在的に有用な情報の破棄を選び、協調者を選択する目的で、アクティブセットのデータを単一のサービングセルに抽出してもよい。この単一の代表的セルは代替サービングセルと見做され、この代替サービングセルを使用した協調的受信機の選択手続きは代替方法と称されてもよい。一旦代替が選択されると、同代替に基づいた協調的受信機一覧が決定される。代替方法では、既知の最適demodセクター候補がアクティブセット構成員自身に関連付けられたものであるため、demodセクター一覧の作成のためのアクティブセットに係る情報を保持する。したがって、まず接続されたLMUを有するアクティブセット全構成員が、その他のdemodセクターに先立ち(ひいてはより高い優先度で)、demodセクター一覧に含められる。接続されたLMUを有するアクティブセット構成員の数が、上述のステップ11の限度Dを超えている場合、アクティブセット構成員の数が優位になる(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常は2〜10の範囲内である)。その他の低優先度demodセクターは、上のステップ11に詳述した手続きを使用して、限度Dを超えない範囲で代替セルのみに基づき選択される。
【0102】
代替協調主体選択を実施する際に要求される作業のほとんどは、代替として使用されるセルの固定的一覧の形式で事前に演算可能である。リアルタイムのタスクは、(1)代表的(代替)サービングセクターの選択と、その事前演算coopの使用、および(2)一覧上にまだないアクティブセット全構成員を先頭追加することによる、同代替セルのdemodセクター一覧の増強を含んでもよい。この類の技術は、マルチモードLMUがTDMA/FDMAおよびCDMAの移動体装置の双方を定位してもよい混合モードシステム(GSM/UMTS等)に特に適している。
【0103】
図3は、代替決定と代替サービングセルを使用した定位のための高度手続きを描いた図である。
【0104】
展開の間、または、展開に先立ち、地理的トポグラフィーの追加により改良されてもよいネットワークトポロジーを伴う電波伝播モデル、シャドウィングモデル構築、およびドライブテストに係る収集信号データがサービス領域に対して生成301される。電波伝播モデルを使用して、WLSサービス領域内のいずれかのセルにつき、協調主体初期一覧およびdemodセクター一覧を決定302する。
【0105】
展開された無線定位システムには、初期一覧が蓄積303される。これらの一覧は、一方向性ハンドオフ(単一のアクティブセット構成員)の場合、および代替セクター技術において使用されるのであろう。
【0106】
展開後の任意のタイミングで、WCNまたはLMSがトリガイベントを検出304するが、このトリガイベントの例としては、9−1−1および1−1−2の緊急通話を含む。トリガについてはさらに、同一出願人による米国特許出願シリアル番号11/150414「無線定位システムにおける所在地基盤サービスアプリケーションのための高度トリガ」に詳述している。
【0107】
WCNまたはLMSは、トリガ関連情報およびタスク関連情報のWLSへの引渡し305を行う。タスク関連情報には、アクティブセットのメンバーシップが含まれる。WLSが多数のアクティブセット構成員を検出する(移動体装置が、ソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバーの状態にある)場合、WLSは、設計者または展開者の意向により、3つの代替方法のうちの1つを選出306するようにしてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態によると、電波伝播モデル化301が実施されていてもよいが、coopおよびdemodの初期一覧の作成302は、タスク関連情報の受信後まで実施されなくてもよい。WLSに事前蓄積302するための電波伝播モデル化301およびcoopおよびdemodの初期一覧の作成302が、タスク関連情報の受信後、かつ、信号収集の開始前に実行する演算の負荷を減じるようにしてもよい。同様に、いくつかの実施形態によると、電波伝播モデル化301およびcoopおよびdemodの初期一覧作成の双方が、タスク関連情報の受信後まで実施されなくてもよい。このような選択はすべて、設計者の意向によるものである。
【0109】
代替方法において一度、WLSは代替サービングセルを選択306し、関連の協調主体およびdemodセクター一覧を検索(または演算)して、アクティブセットに関連付けられた非包含LMUセクターを協調主体およびdemodセクター一覧に追加する。LMUにタスクを課す際、アクティブセット内のメンバーシップが、近接関係をインジケータとして使用するよりも、協調的受信機または復調受信機としての有用性を示すよりよいインジケータであることがある。WLSは、特定されたLMUを介して電波信号を収集307する。WLSはその後、収集した電波信号を使用し、TDOA、AoAを伴うTDOAを使用した、または、混成技術による所在地推定および速度推定の計算308を行う。
【0110】
代替方法1−重心に対する最近傍アクティブセット構成員の代替としての選択
アクティブセットが2以上の構成員を含む場合の代替サービングセル選択方法の1つとして、同アクティブセット構成員の重心に最も近いセルを見つける方法がある。重心は、個別のサイトにおける地理的座標xおよびyを(別個に)平均化することにより見出されてもよい。あるいは、重心は、出力または信号クオリティを基準に計算可能である。
【0111】
重心により、UEの所在地を大雑把に推定し、この点周辺をカバーしている代替セルの選択を可能にする。例えば、重心に最も近いセルが所定の範囲内にあって全方向性アンテナパターンを有する場合に、その最も近いセルが代替サービングセルとして使用するのに良好な選択であると予期できるように、全方向性アンテナのカバー領域は、その地理的所在地における中心となる。
【0112】
図4に示すように、重心413に最も近いセル401がアクティブセットの構成員でない可能性もある。最も近いセルを単純に選ぶというよりはむしろ、アクティブセット構成員が実際の受信信号クオリティに基づいて無線ネットワークにより選ばれているため、最も近いアクティブセットの構成員が選択される。アクティブセットにおけるメンバーシップは、近接関係よりも、協調的受信機または復調主体として有用なものを示すよりよいインジケータとなることがある。図4中、移動体装置406は、電波リンク407、408、および409を介してセクター410、411、および412と3方向のソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバー状態にある様子が示されている。図示のとおり、同一セルサイトに関連付けられた多数のセクターが関与可能であるものの、関与しているセクター410、411、および412は、基地局/セルサイト403、405、および404にそれぞれ関連付けられている。セルサイト401、402、403、404、および405に関連付けられた非関与セクターはすべて、潜在的に協調的またはdemodセクターであり得る。
【0113】
代替方法2−復調主体一覧上に最多数のアクティブセット構成員を含むアクティブセット構成員の、代替セルとしての選択
本方法では、アクティブセット構成員毎のdemodLMUセクター一覧を調べて、これらのdemodセクター自身がアクティブセットの構成員であるか否かを確認する。与えられたセルのdemod一覧が、アクティブセット全構成員を含む場合、そのセクターは代替サービングセルとして選ばれる。
【0114】
アクティブセット全構成員を含むセルのdemod一覧が無いが、1つ以上のセルが複数の構成員を含む場合、demod一覧においてアクティブセット構成員の数が最も多いセルを代替セクターとして選ぶ。
【0115】
図5は、基地局501、502、503、504、および505からなるセルラーネットワークを示す。移動体装置506は、電波リンク507、508、および509を使用して3つのセクター510、511、および512とソフトハンドオフ中である。本方法において、重心は計算されず、むしろSMLCが、関与しているセル510、511、および512の各々に関連付けられたdemod一覧を調べて、これらのdemod一覧のうちのいずれかがセクター510、511、および512を含んでいるか否かを決定する。アクティブセットメンバーのセルである510、511、および512のdemod一覧が、その他のアクティブセット構成員510、511、および512のすべてを含んでいる場合、その構成員としてのセルが代替として選択される。さもなければ、他のアクティブセット構成員510、511、および512を最も多く含んでいるdemod一覧を有するアクティブセット構成員のセル510、511、および512が代替サービングセルとして選択される。
【0116】
含まれるアクティブセット構成員の数が最大で同数である場合、その他の代替方法のうちの1つを使用して、同数でなくしてもよい。あるいは、アクティブセットからの任意の(決定論的またはランダムな)代替選択がなされてもよい。
【0117】
代替方法3−カバー境界多面体に基づく代替セル選択
本方法では、セクターがアクティブセット構成員として機能することを予期されるすべての移動体所在地を完全に取り囲む境界多面体がセクター毎に規定される。
【0118】
代替選択中、アクティブセット全構成員の境界多面体同士の交差点を、移動体装置の大雑把な推定位置として使用する。交差点の領域に最もよく合致した境界多面体を有するセクターが、代替セクターとして選ばれる。実際には、最も面積の小さい境界多面体を有するセクターが、代替として選択されてもよい。
【0119】
図6には、代替方法による境界多面体選択の地理的描写を示す。無線通信ネットワークは、5つのセクターセル601、602、603、604、および605で描かれている。本例で使用される多面体形状は、描写を単純にするため、長方形とする。境界長方形610、611、および612は、関与しているセクター613、614、および615により提供される有用な電波カバーの全領域を取り囲むようなサイズを有する。関与しているセクター613、614、および615と無線装置606との間の電波リンク607、608、および609が示されている。境界多面体選択方法を使用して、セクター614が代替セクターとして選択される。
【0120】
ソフトハンドオーバーを備えた無線通信ネットワークにおける所在地計算のための一括方法
代替方法では、代替サービングセルとして単一セルを選択するために情報を破棄し、協調主体およびdemodの初期一覧の使用を可能としたが、協調主体およびdemodセクターを選択するための一括方法では、2つ以上の構成員に関連付けられたアクティブセットにより提供される情報を使用して、アクティブセット全体の要素に基づいて新たな協調主体一覧およびdemod一覧を作成する。協調主体およびdemodセクターの一括選択では、可能性のある組み合わせの数が膨大に多く、故に事前演算が最小のWLS以外のすべてにおいて困難になるため、報告されたアクティブセット構成員に基づくリアルタイムの協調主体演算が要求される。このリアルタイムの演算は、プロセッサーが集約的に行うものであるが、ほとんどの場合、代替方法と比してよりよい協調主体およびdemodセクターの選択を生じさせる。
【0121】
図7は、一括方法の一般的動作を説明する図である。電波伝播モデルは領域に対して生成701され、同電波伝播モデルを使用して、WLSサービス領域内のいずれかのセルに対して、協調主体初期一覧およびdemodセクター初期一覧の決定702を行う。展開された無線定位システムには、初期一覧が蓄積703される。任意のタイミングで、WCNまたはLMSは、定位トリガイベントが発生したことを信号通知704し、アクティブセット詳細を含む通話関連情報のWLSへの引渡し705を行う。
【0122】
いくつかの設計によれば、電波伝播モデル化701が実施されていてもよく、coop初期一覧およびdemod初期一覧の作成702は、タスク関連情報の受信後まで実施されなくてもよい。WLSに事前蓄積703するための電波伝播モデル化701およびcoop初期一覧およびdemod初期一覧の作成702では、タスク関連情報の受信後、かつ、信号収集開始前に実行される演算の負荷を減じてもよい。同様に、いくつかの設計によれば、電波伝播モデル化701とcoop初期一覧およびdemod初期一覧の作成702との双方が、タスク関連情報の受信後まで実施されなくてもよい。このような選択はすべて、設計者の意向による。
【0123】
WLSは、新たに取得したアクティブセットの詳細を使用して、新たな協調主体一覧の演算706およびdemodセクター一覧の演算707を行う。その後WLSは、新たに演算した一覧を使用して、信号収集708のタスクをLMUに課す。報告された到達時間差および/または到達角度を使用して、WLSは、各々に対する誤差推定値により、最終所在地、スピード、および方位の演算709を行う。
【0124】
一括方法1−アクティブセット構成員の八分円に基づく総当り式の新規協調主体構築
この方法は、上述のような単一のサービングセルに対するcoop生成中に形成された八分円構造に基づく。アクティブセット全構成員は、それがあたかも単一のサービングセルであるかのように、八分円構造へと分割される。その後、単一サイト周辺で螺旋運動をする替わりに、八分円の番号を増加させながら、本方法をアクティブセット全構成員の八分円構造を通じて反復する。正味の影響としては、アクティブセット全構成員および各々を中心とする相対方位範囲からcoopを取り出すことが挙げられる。
【0125】
図8aおよび図8bは、潜在的な協調的受信機およびdemod受信機の選択、および移動体装置にTDOAおよびAoAのカバーを提供する可能性の高い協調的受信機およびdemod受信機の選択の決定におけるアクティブセットメンバーシップの使用を説明する図である。
【0126】
図8aは、基地局801、802、803、804、および805を含むセルラーネットワークを描いた図である。移動体装置806は、電波リンク807、808、および809を使用して、3つのセクター810、811、および812とソフトハンドオフ状態にある。この一括方法によると、SMLCは、マーカーポイントおよび関連クオリティ測定値を、関与しているセル810、811、および812に対する他のすべての潜在的協調主体へ呼び出す。そして関与しているセル810、811、および812の各々の周辺領域は、図2cに詳述した半径方向八分円方法を使用して分割される。その後SMLCは、現在の半径方向セグメント内のセクターに関連付けられたクオリティ測定値に基づき(本例のように8つの半径方向セグメントを使用し、各セグメントは1つの八分円となる)最も候補となる協調主体を選択することにより、新たな協調主体およびdemodセクターの一覧を再計算する。現在のセグメントの選択は、セクターおよび八分円の双方を通じて進行し、総当り式に実施される。例えば、現在関与しているセクターを通じて連続的に進行されてもよく(図8bでは、許容可能なセクターパターンは810−811−812−810−811−812…)、また八分円が、以下の八分円選択パターン1−4−7−2−5−8−3−6を通じて進行されてもよい。したがって、最初の24の選択された協調主体については、セルおよび八分円のパターンが、図8cの表に示すとおりであってもよい。八分円選択パターン1−4−7−2−5−8−3−6は一例であり、他の選択パターンを使用して、幾何学ダイバーシティまたは螺旋対称を提供してもよい。
【0127】
協調主体の新たなセットの選択を継続し、協調主体が目標数に達するまで、またはこれ以上の目標セクターが残っていない状況になるまで、残っている中での最良のクオリティ測定値に基づき、関与しているセクターからのセグメントの選択と、まだ選出されていない目標セクターの新たな協調的受信機一覧への選出とを繰り返してもよい。上述のステップ10のように、一旦停止ポイントに達すると、最後に追加されたLMUセクターの出力が決定される。協調主体一覧に以前に追加されたLMUセクターを調べ、そのようなセクターの各々につき、対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられて基線測定をもっともらしく実施可能な十分に低い平均経路損失を有するアンテナに接続された、協調主体一覧上にまだないLMUセクターを協調主体一覧に追加する。
【0128】
その後、新たなdemodセクター一覧が作成される。まず接続されたLMUを有するアクティブセット全構成員が、その他のdemodセクターに先立ち(ひいてはより高い優先度で)、demodセクター一覧に含められる。接続されたLMUを有するアクティブセット構成員の数が、上述のステップ11の限度Dを超えている場合、アクティブセット構成員の数が優位になる(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常は2〜10の範囲内である)。次に、demod一覧に以前に追加された全LMUセクターについて調べ、そのようなセクターの各々につき、アンテナが対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられた、demod一覧上にまだないLMUを、推定された経路損失に関わらず、demod一覧に追加する。その他、低優先度のdemodセクターが、ステップ11に詳述した手続きのように、但し、coop選択で使用されて図8a、8b、および8cに説明されたような同一の総当りパターンにしたがって、個々のアクティブセット構成員のdemodセクター一覧から総当り式に(低い優先度で、かつ重複のないように)選択される。
【0129】
この一括方法は、比較的容易であるが、アクティブセット構成員のカバー領域の交差点よりむしろ、その集合体を間接的に使用するため、最適でないことがある。したがってこの一括方法では、場合によっては、最適な候補でない協調的受信機を選択してしまうことがある。しかしながら、そのアプローチのシンプルさ故、この方法は依然として、膨大な数の協調的受信機が対応されなければならないような状況においては有用であり得る。あらゆる一括方法と同様に、この方法は、協調受信機およびdemodセクターの選択に際してアクティブセット全構成員のカバー領域に係る情報を包含するという利点がある。
【0130】
一括方法1は、分散アンテナシステム(DAS)を包含する無線通信システムにおいて移動体ユニットを定位するためのcoop一覧およびdemodセクター一覧の構築に、等しく適用可能である。分散アンテナシステムでは、離間した地理的サイトに通常位置づけられた多数のアンテナを使用して、単一セルのための電波カバーを提供する。分散アンテナシステムにより提供されたカバー領域は通常、その構成アンテナの1つにより提供されるカバー領域に比して非常に大きい。
【0131】
単一のサービングセルが存在し、そのセルのための受信(アップリンク)アンテナシステムがDASである場合にこの方法を適用するには、アクティブセットがあたかもDASの構成アンテナからなるかのように、そのセルのDAS構成アンテナが、一括方法1のアクティブセット構成員の替わりにされてもよい。したがって、マーカーポイントが使用され、関連の伝播測定値がDAS構成アンテナ毎に計算され、DAS構成アンテナの1つに接続されたLMUセクターが、demodセクターとして選出される。設計者または展開者が、サービングセルのDASの一部としてよりも多くのdemodセクターを要求する場合、その他のdemodセクターが、ステップ11に詳述した手続きのように、但し、coop選択で使用されて図8a、8b、および8cに説明されたような同一の総当りパターンにしたがって、DAS構成要素のdemodセクター一覧から総当り式に(低い優先度で、かつ重複のないように)選択されてもよい。
【0132】
2つ以上のセルからなるアクティブセットが存在し、少なくとも1つのアクティブセット構成員の受信(アップリンク)アンテナシステムがDASである場合にこの方法を適用するには、アクティブセットがあたかも非DASアクティブセット全構成員とDASアクティブセットの構成員のDAS構成要素とからなるかのように、非DASアクティブセット全構成員に関連付けられた全LMUセクターと、DASアクティブセット全構成員のDAS全構成アンテナに関連付けられた全LMUセクターとの集合体が、一括方法1のアクティブセット構成員の替わりにする。したがって、マーカーポイントが使用され、関連の伝播測定値が、非DASのアクティブセット構成員毎、およびDASであるアクティブセット構成員のDAS構成アンテナ毎に計算され、非DASアクティブセット構成員またはアクティブセット構成員のDAS構成アンテナの1つに接続された全LMUセクターが、demodセクターとして選出される。設計者または展開者がより多くのdemodセクターを要求する場合、その他のdemodセクターが、ステップ11に詳述した手続きのように、但し、coop選択で使用されて図8a、8b、および8cに説明されたような同一の総当りパターンにしたがって、DAS構成要素のdemodセクター一覧から総当り式に(低い優先度で、かつ重複のないように)採り出されてもよい。
【0133】
一括方法2−アクティブセット構成員のマーカーポイントに基づく新規協調主体一覧の構築
この方法では、アクティブセット構成員に関連付けられたマーカーポイントの集合体に基づき、coopおよびdemodセクターの新規一覧を演算する。一実施形態によると、上述の一括方法は、アクティブセット構成員に関連付けられた地理的情報に基づいて選ばれた代表ポイントを中心とする半径方向セグメントを使用して、アクティブセット構成員周辺領域を分割することにより、拡張されてもよい。一実施形態によると、アクティブセット構成員の地理的所在地の重心が使用される。アクティブセット構成員のマーカーポイントから各候補セクターまでの損失が平均化されてもよい。
【0134】
図9aは、基地局901、902、903、904、および905からなるセルラーネットワークを説明する図である。移動体装置906は、電波リンク907、908、および909を使用して3つのセル910、911、および912とソフトハンドオフ状態にある。この一括方法によると、関与しているすべてのセルにつき、マーカーポイントが呼び出され、すべての目標LMUセクターと各マーカーポイントとの間のクオリティ測定値が計算される。その後、潜在的協調主体(目標セクター)の各々が単一の関連の包括的クオリティ測定値を有するように、関与しているセル毎の各マーカーポイントからのクオリティ測定値が平均化される。
【0135】
そして、アクティブセットによるカバー領域の代表的中心ポイントが選ばれる。一実施形態によると、関与しているセクターの重心が使用される。図9bは、重心913を示す図である。重心は、個別のセクター910、911、および912の受信機アンテナの地理的座標xおよびyを(別個に)平均化することにより見出される。代表的中心ポイントを選択する他の方法としては、出力または信号クオリティのモデルに基づく重み付けを使用し、重み付けされた重心を計算する方法が挙げられる。
【0136】
一旦中心ポイント913が決定されると、重心913の周辺領域が半径方向に分割される(本例では、重心は八分円に分割される)。八分円選択パターン1−4−7−2−5−8−3−6に従い、八分円毎に順に、変更後のクオリティ測定値が最良である現在の八分円において目標セクターを選択することにより、協調主体および復調主体の新たなセットが選択される。協調主体が所望の数に達するまで、または八分円に対して目標セクターがもはや残っていない状況になるまで、残っている中でも最良のクオリティ測定値に基づき、関与しているセルからのセグメント選択と、協調的受信機一覧に対する未選択の目標セクターの選出とを繰り返すことにより、協調主体セットの選択が継続される。一旦停止ポイントに達すると、最後に追加されたLMUセクターの出力が決定される。協調主体一覧に以前に追加されたLMUセクターを調べ、そのようなセクターの各々につき、対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられて基線測定をもっともらしく実施可能な十分に低い平均経路損失を有するアンテナに接続された、協調主体一覧上にまだないLMUセクターを協調主体一覧に追加する。
【0137】
その後、新たなdemodセクター一覧が作成される。まず接続されたLMUを有するアクティブセット全構成員が、その他のdemodセクターに先立ち(ひいてはより高い優先度で)、demodセクター一覧に含められる。接続されたLMUを有するアクティブセット構成員の数が、上述のステップ11の限度Dを超えている場合、アクティブセット構成員の数が優位になる(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常は2〜10の範囲内である)。次に、demod一覧に以前に追加された全LMUセクターについて調べ、そのようなセクターの各々につき、アンテナが対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられた、demod一覧上にまだない全LMUセクターを、推定された経路損失に関わらず、demod一覧に追加する。その他、低優先度のdemodセクターが、上のステップ11に詳述した手続きを使用して、限度Dを超えない範囲で選択される。
【0138】
この方法は、全マーカーポイントおよび候補セクター間の経路損失の再演算を要求するものの、実際のアクティブセット構成員に基づく新たな測定値により協調セクターのより良好な選択指標を提供できるという点において、よりコンピュータ集約的である。アクティブセット全構成員のカバー領域を表すマーカーポイントにおける信号クオリティ推定に基づいて各LMUセクターを選択することにより、この方法は、一括方法1に比してより精密となる潜在性を有する。あらゆる一括方法と同様に、この方法は、協調受信機および復調受信機の選択に際してアクティブセット全構成員のカバー領域に係る情報を包含する。
【0139】
一括方法3−アクティブセット全構成員に共通のカバー領域に基づく新規協調主体の構築
本方法では、アクティブセット全構成員の共通カバー領域の予測に基づき、新規の協調的受信機およびdemod受信機を構築する。新たなマーカーポイントセットを選択して、交差するカバー領域を表す。交差するカバー領域の代表的中心ポイントが選択され、八分円構造が中心ポイントに配置される。八分円構造は、これらの新たなマーカーポイントからの信号損失の各候補セクターへの平均化に基づいて蓄積される。その後、前述の螺旋アルゴリズムが使用され、協調的受信機およびdemodセクターが選択される。
【0140】
図10aに示すとおり、関与しているセル毎のセクターカバー領域を近似する境界多面体を使用することにより、関与している同セルが機能する地理的領域を完全に取り囲む境界多面体を生成する。
【0141】
まず、関与する全セクターの境界多面体に納まる地理的領域が決定される。図10aにおいて、地理的重複領域1016が、境界多面体(描写を容易にするため、図10a中では長方形として描かれている)により決定される。無線通信ネットワークは、5つのセクターセル1001、1002、1003、1004、および1005により描かれている。境界長方形1010、1011、および1012は、関与しているセクター1013、1014、および1015により提供される有用な電波カバーの全領域を取り囲むようなサイズにしてある。関与しているセクター1013、1014、および1015と無線装置1006との間の電波リンク1007、1008、および1009が示されている。
【0142】
一旦重複領域1016が決定されると、地理的に分散したh個のマーカーポイントのセットが生成される。1からhまでの新たなマーカーポイントの各々につき、電波伝播モデルが使用されて、範囲内の全目標セクターに対するクオリティ測定値が決定される。同範囲は、調整可能であり、ネットワークトポロジーに依存する。同範囲は、セル半径の距離またはセル半径の数として表現されてもよい。
【0143】
一旦新たな各マーカーポイントの範囲内の全目標セクターに対する新たなクオリティ測定値が生成されると、重複領域1016内の新たな各マーカーポイントからのクオリティ測定値が平均化され、目標セクター毎に単一のクオリティ測定値が生成される。図10bに示すように、重複領域1016の重心1017が計算され、重心1017周辺の地理的領域が半径方向に分割される(本例では、再び八分円への分割がなされる)。半径方向に分割された区画1〜8は、図10bに示すとおりであり、関与しているセクター1013、1014、および1015の有用な電波カバー領域から導き出された境界多面体1010、1011、および1012から計算される重複領域1016の重心1017を中心とする。八分円選択パターン1−4−7−2−5−8−3−6に従い、八分円毎に順に、新たなクオリティ測定値が最良である現在の八分円において目標セクターを選択することにより、協調主体およびdemodセクターの新たなセットが選択される。協調主体が所望の数に達するまで、または目標セクターがもはや残っていない状況になるまで、残っている中でも最良のクオリティ測定値に基づき、関与しているセルからのセグメント選択と、新たな協調的受信機一覧に対する未選択の目標セクターの選出とを繰り返すことにより、更新された協調主体セットの選択が継続される。一旦停止ポイントに達すると、最後に追加されたセクターの出力が決定される。協調主体一覧に以前に追加されたLMUセクターを調べ、そのようなセクターの各々につき、対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられて基線測定をもっともらしく実施可能な十分に低い平均経路損失を有するアンテナに接続された、協調主体一覧上にまだないLMUセクターを協調主体一覧に追加する。
【0144】
その後、新たなdemodセクター一覧が作成される。まず接続されたLMUを有するアクティブセット全構成員が、その他のdemodセクターに先立ち(ひいてはより高い優先度で)、demodセクター一覧に含められる。接続されたLMUを有するアクティブセット構成員の数が、上述のステップ11の限度Dを超えている場合、アクティブセット構成員の数が優位になる(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常は2〜10の範囲内である)。次に、demod一覧に以前に追加された全LMUセクターについて調べ、そのようなセクターの各々につき、アンテナが対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられた、demod一覧上にまだない全LMUを、推定された経路損失に関わらず、demod一覧に追加する。その他、低優先度のdemodセクターが、上のステップ11に詳述した手続きを使用して、限度Dを超えない範囲で選択される。
【0145】
この方法(および代替方法3)は、セクターカバー領域の有用な拘束を決定することを前提としている。拘束が過度に緩いと(多面体が必要以上に大きくなるという意味)、coopセクターおよびdemodセクターの選択において、精度が損なわれてしまう。拘束が過度に厳格であると、交差判定が不可能になってしまうことがある。いくつかの技術を使用して、交差/重複を与える境界多面体決定と、それでも依然として結果がもはや有用でなくなるほど多面体を大きくしてしまわないこととの間の平衡を取るようにしてもよい。このような技術は、1)より複雑な多面体形状を許容すること、および/または、2)例えば、50%、70%、または95%のカバー領域を取り囲む多数の交差輪郭を使用し、交差領域を解析することにより、移動体装置の所在地らしい位置を包含したコンパクトな交差多面体を得ること、を含む。代表的交差が見出せない場合、他の方法をフォールバックの目的で使用してもよい。
【0146】
一括方法3は、各セルのカバー領域を推定してこれら領域の交差を見出す追加ステップを包含する。一旦同ステップが採られると、この方法は、全マーカーポイントの集合体よりも少ないマーカーポイントのセットからなるため、経路損失計算が少なくて済むという利点がある。結果としての測定値はまた、移動体装置の所在地らしい位置(集合体でなく、カバー領域の交差)のより良好な推定により演算がなされるため、協調的受信機選択のより良好な指標を提供することもある。この方法は、前述の一括方法2に比してより複雑であるものの、アクティブセットカバーの最適表現により近づくことができる。演算の複雑さと、定位精度に対する定位待機時間への潜在的影響との間のトレードオフである。
【0147】
D.まとめ
CDMA基盤無線通信ネットワークのアクティブセット生成によって表現される移動体生成電波クオリティ情報を使用すると、その他の方法を越える明らかな向上を示す。本開示の技術を使用することにより、ドライブテストの労を要することなく、定位精度の向上を図ることができる。参与しているWLS受信機サイトが、実際のRFチャンネル状況(フェーディング、一時的遮断等を考慮に入れる)に基づいてリアルタイムで選択され、精度向上の試みにおいて、システムスループットが受信機サイトの過剰選択に影響を受けない。
【0148】
本発明の真の範囲は、本明細書に開示した現在好適な実施形態に限定されるものではない。例えば、以上に開示の現在好適な実施形態に係る無線定位システムは、サービス移動体位置センター(SMLC)、所在地測定ユニット(LMU)等の説明用語を使用したが、これは、以下の請求項の保護範囲を限定し、または無線定位システムの発明的側面が開示の特定方法および装置に限定されることを意図するものと解釈されてはならない。さらに、当業者に了解されるように、本明細書に開示した発明的側面の多くは、TDOAまたはAoA技術に基づかない定位システムにおいて適用されてもよい。実質的には、LMU等は、本明細書に開示の発明的概念から逸脱しない範囲で種々の形態を採り得るプログラム可能なデータ収集および処理装置である。デジタル信号処理およびその他の処理機能のコストを早急に低減することを考慮するのであれば、例えば、システムの発明的動作を変更することなく、特定機能の処理を本明細書に開示のある機能要素(例えばSMLC)から他の機能要素(例えばLMU)に移行することが容易に可能となる。多くの場合、本明細書に開示の実施箇所(すなわち、機能要素)は単に設計者の選択によるものであり、必須ではない。したがって、限定する旨の明示がない限り、以下の請求項の保護範囲は、前述の特定の実施形態に限定されることを意図するものでない。
【0149】
以上に述べた実施様態はすべて、方法、システム、コンピュータ読取可能な媒体、もしくはあらゆるタイプの製造物として実現可能である。当業者は、本明細書に記載の種々の技術が、ハードウェアもしくはソフトウェア、または適宜その双方の組み合わせとの関連で実現されてもよいことを理解するであろう。例えば、本発明の実施様態は、プログラム化されたコンピュータ上で実行されてもよい。従って、本発明の方法および装置、またはその一実施様態または一部は、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD−ROM、ハードドライブ、またはその他の機械読取可能な記憶媒体等の有形媒体に組み込まれたプログラムコード(すなわち指示)の形式をとってもよく、同プログラムコードがコンピュータ等の機器に搭載されて実行されると、同機器は本発明を実施する装置となる。プログラム可能なコンピュータ上でプログラムコードを実行する場合、同演算装置は通常、プロセッサ、プロセッサにより読取可能な記憶媒体(揮発性および不揮発性メモリおよび/または記憶要素を含む)、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置を備える。1つ以上のプログラムは、例えばAPI、再利用可能制御等を介して、本発明と関連して記述したプロセスを実現または使用してもよい。このようなプログラムは、高レベル手続きまたはオブジェクト指向プログラム言語において実現され、コンピュータシステムと通信を行うのが望ましい。しかしながら、プログラムは、希望に応じてアセンブリまたは機械言語にて実現可能である。いずれにしても、同言語は適合言語または解釈言語であり、ハードウェアによる実現と組み合わせられてもよい。一例として実施形態によると、コンピュータ読取可能な記憶媒体として、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、例えば電気機械ハードドライブ、半導体ハードドライブ等の記憶装置、フラッシュRAMまたはROM等のファームウェア、例えばCD−ROM、フロッピーディスク、DVD、フラッシュドライブ、外部記憶装置等のような脱着式記憶装置を挙げることができる。当業者は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ等、その他のコンピュータ読取可能な記憶媒体も使用可能である旨、理解するであろう。コンピュータ読取可能な記憶媒体により、プロセッサにより実行可能な指示、データ構造、プログラムモジュール、およびその他コンピュータ関連データのための不揮発性記憶装置を提供してもよい。
【0150】
最後に、種々の図面に示したように、好ましい実施様態との関連で本発明の説明がなされたが、その他類似の実施様態を使用してもよく、また本開示と同一機能を実施するために、本開示の趣旨範囲内で前述の実施様態に対して変更および追加がなされてもよい。例えば、開示された種々の実施様態によると、移動体装置と関連付けられた対象を追跡するための種々の機構が開示されている。しかしながら、本開示中の教示により、これら前述の実施様態と同等の他の機構も検討される。したがって本開示は、単一の実施様態に限定されるものでなく、添付の請求項に応じた幅および範囲に解釈されなければならない。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、代理人整理番号TPI−1120に基づき、2009年12月29日出願の米国特許出願第12/648,753号の利益を主張し、その開示内容全体を参照としてここに組み込む。さらに本出願は、代理人整理番号TPI−1121に基づき、2009年12月29日出願の同時係属中の米国特許出願第12/648,783号のタイトル「UMTS無線定位のための協調受信機選択」に関連の発明の対象に係る。
【0002】
技術分野
本明細書に記載の発明の対象は、通常、セルラー無線ネットワークおよびその他のボイスまたはデータの無線通信システムを使用して無線装置を定位する方法およびシステムに係る。より具体的には、本明細書に記載の発明の対象は、通常動作の一部として移動体からネットワークに提供される測定により、受信機選択を容易にし、符号分割多重アクセス方式のスペクトラム拡散基盤無線通信システムにおける移動体通信装置の定位のためのネットワーク基盤定位技術の使用に貢献する技術に係るが、これに限定されるものでない。
【背景技術】
【0003】
背景
ネットワーク基盤無線定位システムに係る初期研究は、到達時間差(TDOA)技術を使用した携帯電話の定位を行うシステムを開示した同一出願人の米国特許第5,327,144号「携帯電話定位システム」に記載されている。末尾144の同特許に開示のシステムの改良型としては、同一出願人の米国特許第5,608,410号「バースト性送信元の定位システム」に開示されている。ネットワーク基盤到達角度(AoA)およびAoAとTDOAとの混成による移動体装置の定位に係る初期の技術としては、同一出願人の保持する米国特許第4,728,959号「方向決定測位システム」、第6,119,013号および第6,108,555号の共通タイトル「改良型時間差測位システム」が挙げられる。
【0004】
CDMAシステムのためのネットワーク基盤無線定位システムの改良型は、同一出願人の保持する米国特許第7,340,259号「ロバストかつ効率的な測位システム」、第6,546,256号「ロバストかつ効率的な定位関連測定」、および第6,047,192号「ロバストかつ効率的な測位システム」に見出すことができる。
【0005】
CDMA基盤システムによる移動体装置およびネットワーク基地局間の多数レグを維持する能力は、「ソフトハンドオフ」(IS−95/IS−2000)または「ソフトハンドオーバー」(UMTS)と称される。
【0006】
CDMA基盤システムのソフトハンドオフは、移動体装置(ユーザー機器(UMTS)または移動局(IS−95/IS−2000))により測定されるいくつかの基地局セットのビーコンまたはパイロット信号の強度に基づき、発生する。
【0007】
これら基地局セットは、IS−95/IS−2000においては、アクティブセット、隣接セット、候補セット、およびその他セットとして種々に了解される。UMTSシステムにおいては、大雑把にノードBに対応するセットは、アクティブかつモニタリングおよび検出対象のセットであると考えられる。
【0008】
アクティブセットとは、アクティブな通信を成立させる基地局セットすなわちノードBのセットである。アクティブセットについてのこの定義は、前述のCDMA基盤無線通信システム(WCN)すべてに適用する。
【0009】
IS−95/IS_2000において、隣接セットは、アクティブな基地局に近接する基地局セットであり、通信を成立させるのに十分なレベルのパイロット信号強度を有する可能性が高いが、アクティブな通信が未だ成立されていない基地局を含む。その他セットは、移動体の検出が可能なパイロット信号を有するものの、その他3種のセットに含むには、その質または出力が十分でない基地局セットである。
【0010】
UMTSにおいて、アクティブセットに加え、2つの互いに排他的セットが定義される。「モニタリング対象セット」には、通常ネットワークに知られていない非アクティブセットのセルが含まれる。UMTSにおいてこのようなセルは、UTRANによりブロードキャスト「CELL_INFO_LIST」に含まれる。「検出対象セットのセル」は、移動局(ユーザ機器またはUEとも称する)により検出される、ネットワークに知られていないセルである。UMTSにおいて、このようなセルは、CELL_INFO_LISTまたはアクティブセットには見出されない。
【0011】
CDMA(IS−95およびIS−2000)において、アクティブセットの構成員では通常、隣接セット、候補セット、およびその他セットに比して高いパイロット信号強度が測定される。移動体はこれらのセットを使用することにより、移動体主導ハンドオーバー(MAHO)として周知のハンドオーバー/ハンドオフプロセスの管理を促す。ネットワークおよび移動体間の通信が最初に成立すると、移動体は電波送信信号を介して、単一の基地局、通常は、受信したパイロット出力が最も高く、常にアクティブセットに含まれる際の閾値を満たした基地局と通信する。ソフトハンドオフに際して、アクティブセットは2つ以上の基地局を包含する。移動体は、アクティブセット、候補セット、隣接セット、およびその他セットにおける基地局のパイロット信号強度をモニタリングする。ハンドオフに際して、隣接またはその他セットのうちのある基地局におけるパイロット信号強度が規定の閾値レベルに到達すると、移動体装置により、その基地局は候補セットに追加され、隣接またはその他セットから除外される。移動体が比較的強い候補パイロット信号を検出すると、UEは「パイロット強度測定メッセージ」(PSMM)を基地局コントローラ/パケット制御ユニット(BSC/PCU)に、同パイロット信号の基地局をUEのアクティブセットに追加する旨の要求とともに送信する。PSMMレポートは、強いパイロット検出信号と関連の基地局によるソフトハンドオフ処理を調整するBSCにより評価される。
【0012】
CDMA基盤システムの無線通信システムにおいて、用語の一例および起源としてUMTS WCNを使用すると、「サービングセル」の概念は、一方向、二方向、三方向等のソフトハンドオフハンドオーバー(SHO)と置き換えられ、マクロダイバーシティを利用してきた。(ノードBからUEへの)ダウンリンクにおいてマクロダイバーシティは、移動体のRAKE受信機において、多数のアンテナからの送信または送信信号のマルチパス破損によって発生したダウンリンク信号の多数のコピーを組み合わせることにより達成される。
【0013】
アップリンク方向においては、UE送信信号の多数のコピーを収集する多数の受信アンテナを使用することにより、マクロダイバーシティが達成される。UE送信信号のマルチパス破損が行われるため、多数レベルの信号結合が実施可能となる。
【0014】
あらゆるCDMA基盤電波エアインタフェースの無線通信システムにおいて、周辺セルビーコンの検出は、周波数再使用および遠近効果を最少化するための出力制御により複雑化する。
【0015】
遠近の問題は、セルラー周波数再使用の電波ネットワークにおける典型的な同一チャンネルインタフェース(クロストークとも称される)問題である。遠近の問題は、関心対象の受信機に近接した送信機からの電波信号が、遠くに位置する送信機からの信号に比して電波経路損失による減衰が小さいという事実により発生する。したがって、近隣の送信機からの強い信号が、より遠方の送信機からの弱い信号をマスクする。
【0016】
CDMA基盤電波ネットワークにおいて、遠近同一チャンネルインタフェースは、(UEからノードBへの)アップリンクおよび(ノードBからUEへの)ダウンリンクの双方向において送信機の出力を動的に調整することにより、能動的に最少化される。出力の動的な調整により、より近接した(より電波経路損失が少ない)送信機がより低い出力でブロードキャストすることで、サービス中の受信機における全送信機に対するSNRが略同一となるようにする。
【0017】
ネットワーク無線定位サービスのシナリオには、ダウンリンクとの混成、およびユニバーサル移動電話システム(UMTS)のようなCDMA基盤無線通信ネットワーク(WCN)のための衛星定位技術が含まれてもよい。UMTS WCNは、1998年12月以降の第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP)による完全仕様である。
【0018】
UMTSの無線メッセージ、メッセージ要素、およびパラメータについては、その詳細を、技術仕様書3GPP TS24.008「移動体電波インタフェースレイヤー3仕様、コアネットワークプロトコル、ステージ3」および3GPP TS25.331「電波リソース制御(RRC)、プロトコル仕様」に見出すことができる。
【0019】
UMTS標準の無線定位システムについては、その詳細を、技術仕様書3GPP TS25.305「ユニバーサル地上電波アクセスネットワーク(UTRAN)におけるユーザ機器(UE)位置決め、ステージ2」に詳述してある。また一例としてのUMTSネットワークにおけるハンドオーバーについては、その詳細を、3GPP TS23.009「ハンドオーバ手続き」、3GPP TR25.832「ハンドオーバーの発生およびSRNS再定位」、および3GPP TR25.936「PSドメインからのリアルタイムサービスのためのハンドオーバー」に見出すことができる。
【0020】
ETSIおよび3GPP規定の用語LMU(定位移動体ユニット)は、ANSI規定の用語位置決定ユニット(PDE)または引用のTruePosition社の特許にて使用される信号収集システム(SCS)という用語と機能的に同等である。ネットワーク基盤WLSは、中央サーバを備えたローカル無線通信ネットワークのオーバーレイ内、または同無線通信ネットワークと一体的に設けられた地理的に分散した受信機(LMU)からなるが、このネットワーク基盤WLSにおいてサービス中の移動体定位センター(SMC)は、コア通信ネットワークに接続する。中央サーバは、定位トリガを取得して、本例では関心対象の移動体のアクティブセットを含む定位タスク関連情報を収集するために、WCNと通信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
以前のU−TDOAシステムでは、参照LMU受信機と見做される少なくとも1つの受信機が、関心対象の移動体からの信号の少なくとも一部の復調に成功することが必要であった。
【0022】
ソフトハンドオーバーを伴うCDMA基盤WCNにおいて、2つ以上のLMUが関心対象の移動体からの信号を完全または部分的に復調できるようにしてもよい。結果としての完全または部分的な信号復調は、ソフト結合を介して、個々の復調のいずれかから取得可能な最良のレプリカに比して劣ることのない、本来の送信のレプリカを再構築するのに使用されてもよい。この再構築された参照信号は、その後、相互関連付け処理のための定位に係る全LMUで利用可能となる。復調プロセスに関与したLMUは、「復調LMU」または「demod LMU」と称する。復調LMU受信機に加え、地理的に隣接または近接したLMU(「協調主体」または「coop LMU」)には、参照信号との相互関連付けのため、関心対象の移動体からの信号収集タスクを課してもよい。これらの協調主体は、LMU、LMUセクター、または同LMU用の多数のアンテナであってもよい。一連の潜在的な協調LMUは、復調LMUも含む。「demodセクター」は、復調タスクが課された1つのLMUセクターである。「coopセクター」は、協調タスクが課された1つのLMUセクターである。復調タスクをどのLMUセクターに課すかを特定する問題は、協調タスクをどのLMUセクターに課すかを特定する問題と関連するものの、別個の問題である。本明細書に記載の技術は両問題を解決するものの、一方の問題を他方の問題から独立して解決するのに使用されてもよい。したがって、例えばWCNによってWLSに参照信号が提供されるためにWLSが同参照信号を収集する必要がない実施形態において、本明細書に記載の技術は、協調タスクをどのLMUに課すかを特定するために使用可能である。このような場合、本技術によりdemod LMUと識別されたLMUは、協調のためのみに使用され、復調に使用されることはない。必ずしもすべてのセクターまたはセルが内蔵LMUを有していなくてもよい(例えば、TruePosition社による米国特許出願第11/736950号、第11/736920号、第11/736868号、および第11/736902号の共通タイトル「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」に記載の非密集型ネットワーク展開)。coopセクターおよびdemodセクターは双方とも、関連LMUを有するセクターおよびセルに限定される。
【0023】
したがって、「サービングセクター」は、サービングセルのカバー領域を意味してもよい。「LMUセクター」という用語は、受信ダイバーシティが使用中でない場合には1つの受信アンテナからの電波信号、または受信ダイバーシティが使用中である場合には互いに近接配置されて同領域のダイバーシティによるカバーを提供する多数のアンテナからの電波信号の受信および処理を担うLMUの一部に使用されてもよい。
【0024】
CDMA基盤無線通信ネットワークにおいて動作するネットワーク基盤無線定位システムにとって、ネットワーク基盤無線定位のためにアップリンク受信機の最も最適と思われるグループを選択することは、同ネットワークに特有の出力制御故に問題となり、結果として遠近問題に繋がることになる。
【課題を解決するための手段】
【0025】
概要
確実なTDOAおよび/またはAoA基盤定位および速度計算を行うのに数的に最も少なく、地理的に最も好適な一連の受信機に対して動的にタスクを課す無線定位システムのため、移動体装置のアクティブセットが無線通信ネットワークから取得され、協調受信機および復調受信機の所定の一覧からの選択、または協調受信機および復調受信機の新規一覧の構築に使用されてもよい。
【0026】
ソフトハンドオーバーをサポートする無線通信ネットワーク(WCN)にとって、TDOA、AoA、TDОA/AoA、または混成のネットワーク基盤またはネットワークオーバーレイの無線定位システム(WLS)用の協調受信機選択では、サービングセルとしての1つ以上のネットワーク基地局に対処することが必要である。FDD(周波数分割二重)システムまたはTDD(時分割二重)システムで有り得るCDMA(符号分割多重アクセス方式)基盤システムのようなソフトハンドオフをサポートするWCNにおいて、サービングセルまたはサービングセクターといった概念は、より複雑となる。まず移動体装置は、多数のサービングセクター(アクティブセットの構成員としても既知である)を有してもよい。次に、各セクターは異なる数の送受信用アンテナを有するか、TDD基盤システムにおいて送受信用に同一のアンテナを使用してもよい。アクティブセットが単一の構成員からなる場合、その解決法は簡単であり、協調的受信機がいくつかの指標または方法を使用して選択されてもよい。アクティブセットが2つ以上の構成員からなる場合、所在地推定のための信号収集に使用する協調主体および復調主体のセットを決定する2つの技術を本明細書に開示する。
【0027】
1.一実施形態によると、アクティブセットの構成員が代替サービングセルとして使用される単一の構成員に建設的に減じられるため、第1の方法は代替方法と称する。
【0028】
2.他の実施形態によると、アクティブセットのメンバーシップに含まれる情報が保持され、復調受信機および協調主体受信機の新たなセットが同アクティブセットの全メンバーシップに基づいて生成されるため、第2の方法は一括方法と称する。
【0029】
両技術によると、選択された協調的受信機および復調受信機は、移動体装置にとって良好なTDOAおよびAoAカバーを提供する可能性の高い受信機である。
【0030】
CDMA移動局およびUMTSユーザ機器は、広帯域エアインタフェースに基づいており、UTDOA定位システムが幅広く展開されている他の狭帯域エアインタフェース(GSM(登録商標)、TDMA、およびAMPSを含む)に比して非常に低いEb/N0レベルで送信する。これまで、CDMA/UMTSにおけるUTDOA展開は十分に小さく、全LMU受信機を他の各LMUに対する協調主体および復調主体として使用するのに実際的であった。
【0031】
Eb/N0の低いレベルが使用されるため、UMTSユーザ機器の定位に際して、復調受信機および協調受信機の選択において許容される誤差の余地がより少ない。本開示の技術による復調受信機および協調受信機の選択により、CDMA基盤UTDOAシステムを可能にする復調受信機および協調受信機の選択機構を提供して、その他類似のエアインタフェース用UTDOAシステムにより達成できる精度に比して同等またはそれ以上の定位精度を得ることが可能となる。本開示の技術では、使用する協調主体の数がより少なくてもよく、その場合、システムのスループットを向上することができる。可能性のある個別のアクティブセットの数が膨大であるため、当面するすべてのケースにおいて予めこの選択を実施することが不可能であることがある。故に、あらゆる実際的ソリューションは、本開示の技術からの恩恵を享受することになるであろう。
【0032】
本開示の技術は、移動体基盤OTDOAおよび/またはアシスト型GPS(A−GPS)およびネットワーク基盤アップリンク到達時間差(U−TDOA)技術を使用した混成ソリューションにも適用される。このような技術は独立して作動し、最終的な混成所在地計算において組み合わせ可能な範囲推定を取得するか、または1つ以上の他の方法が失敗した場合にある定位方法が使用されるフォールバックモードにて作動する。本開示の概念を使用した混成無線定位システムを使用して、精度、生産性、および性能を向上した高度な定位ソリューションを生み出す。衛星基盤ダウンリンクTDOAを含む、ネットワーク基盤かつ移動体基盤の技術を使用した方法は、TruePosition社の米国特許第7,440,762号「TDOA/GPS混成無線定位システム」およびTruePosition社の米国特許出願シリアル番号12/192,057「混成GNSSおよびTDOA無線定位システム」に開示されている。
【0033】
本明細書に記載の発明に係る技術および概念は、CDMAOne(IS−95AおよびIS−95Bの改定を伴うTIA/EIA IS−95CDMA)、電波プロトコルのCDMA2000ファミリー(第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト2(3GPP2)に規定)、およびユニバーサル移動電話システム(UMTS)の一部として第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP)により規定の広帯域符号分割多重アクセス方式(W−CDMA)電波システム等の符号分割電波通信システムに適用される。本明細書で述べるUMTSモデルは一例であり、本発明が使用されてもよい排他的条件ではない。
【0034】
本発明は、ユニバーサル移動電話システム(UMTS)等のCDMA基盤無線通信ネットワーク(WCN)のためのダウンリンクおよび衛星定位技術との混成を含むネットワーク無線定位サービスのシナリオにおいて使用されてもよい。UMTS WCNは、1998年12月以降、第3世代移動体通信システム標準化プロジェクト(3GPP)の完全仕様となった。同じく3GPP仕様である広帯域CDMA(W−CDMA)電波エアインタフェースを伴うUMTS WCNが、本文書全体に亘ってモデルの一例として使用される。
【0035】
本概要は、以下に詳述する概念のいくつかを簡略な形で紹介するものであることに注意が必要である。本概要は、請求の発明の対象につき、キーとなる特徴または必須の特徴を特定するためのものではなく、請求の発明の対象の範囲を決定する補助として使用されることを意図するものでもない。
【0036】
図面の簡単な説明
以上の概要および以下の詳細な説明は、添付の図面とともに読むことで一層理解されるものである。本発明を説明する目的で、図面には本発明の一例としての構成を示したが、本発明は、開示された特定の方法および手段に限定されるものではない。図中、
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、ネットワーク基盤無線定位システム(WLS)を説明する図である。
【図2a】図2aは、全方向性セルにおける代表的マーカーポイントの選択の一例を描いた図である。
【図2b】図2bは、セクターセルサイト内のセルにおける代表的マーカーポイントの選択の一例を描いた図である。
【図2c】図2cは、協調的LMUセクターおよび復調LMUセクターの選択のための半径方向分割および螺旋アルゴリズムパターンを描いた図である。
【図2d】図2dは、サービス領域における各サービングセルとその目標とする協調LMUセクターおよび復調LMUセクターとの間の平均信号クオリティに係る電波伝播研究結果を描いた表である。
【図2e】図2eは、半径方向分割および予測された信号クオリティの順に最適な協調LMUセクターおよび復調LMUセクターを選択する、処理中の螺旋アルゴリズムを説明する表である。
【図2f】図2fは、協調主体の初期一覧を表す表である。
【図2g】図2gは、復調LMUセクターの初期一覧を表す表である。
【図3】図3は、ネットワーク基盤無線定位システムのための協調的LMUセクターおよび復調LMUセクターを選択する代替方法を実施する際の一般的な動作ステップを説明する図である。
【図4】図4は、重心に対する最近傍アクティブセットの構成員を代替として選択する代替方法1の一実施形態を説明する図である。
【図5】図5は、復調LMU一覧上で最多数のアクティブセット構成員を含むアクティブセットの構成員を代替セルとして選択する代替方法2の一実施形態を説明する図である。
【図6】図6は、カバー境界多面体に基づいて代替サービングセルを選択する代替方法3の一実施形態を説明する図である。
【図7】図7は、ネットワーク基盤無線定位システムのための協調LMUセクターおよび復調LMUセクターを選択する一括方法を実施する際の一般的な動作ステップを詳述する図である。
【図8a】図8aは、アクティブセット構成員の八分円に基づいて総当り式に新たな協調主体の構築を行う一括方法1の一実施形態を説明する図である。
【図8b】図8bは、アクティブセット構成員の八分円に基づいて総当り式に新たな協調主体の構築を行う一括方法1で実施される螺旋アルゴリズムを描いた図である。
【図8c】図8cは、アクティブセット構成員の八分円に基づいて総当り式に新たな協調主体の構築を行う一括方法1で実施される螺旋アルゴリズムの結果を描いた表である。
【図9a】図9aは、アクティブセット構成員のマーカーポイントに基づいて新たな協調主体一覧の構築を行う一括方法2の一実施形態を説明する図である。
【図9b】図9bは、アクティブセット構成員のマーカーポイントに基づいて新たな協調主体一覧の構築を行う一括方法2で実施される螺旋アルゴリズムを描いた図である。
【図10a】図10aは、アクティブセット全構成員に共通のカバー領域に基づいて新たなcoopを構築する一括方法3の一実施形態を説明する図である。
【図10b】図10bは、アクティブセット全構成員に共通のカバー領域に基づいて新たなcoopを構築する一括方法3で実施される螺旋アルゴリズムを描いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
実施形態の詳細な説明
以下の説明および図面中に、特定の詳細を記述することにより、本発明の種々の実施形態につき、徹底的な理解を促すこととする。本発明の種々の実施形態をいたずらに不明確にしてしまうのを避けるため、しばしばコンピュータ関連技術およびソフトウェア技術と関連付けられる周知の詳細については、以下の開示に記述しない。さらに、通常の技術を有する当業者は、以下に記した詳細の1つ以上を省略しても、本発明の他の実施形態が実施し得ることを理解するであろう。最後に、以下の開示中にはステップおよびシーケンスを参照して種々の方法が記されるが、そのような記述は、本発明の実施形態の明確な実現を提供するためになされるものであり、同ステップおよびステップのシーケンスは、本発明を実施する際の必要に応じて、実施されなくてもよい。
【0039】
本発明の実例としての一実施形態を説明する。まず問題の大筋につき詳細に説明し、続いて我々の解決法につき、より詳細な説明を行う。
【0040】
広帯域スペクトラム拡散CDMA基盤無線通信システムの主な利点の一つとして、異なる時間遅延を伴って受信機に到達する多数の信号を結合する能力が挙げられる。狭帯域システムとは異なり、CDMA基盤無線システムはマルチパスの望ましくない影響を軽減するのに等化を行わず、むしろRAKE受信機を使用して(「光線」として周知の)マルチパス信号を結合する。
【0041】
RAKE受信機は、「指」と称される多数の復調主体を含む。各指は、光線を探索し、RAKE受信機の他の指に対してその情報を提供する。その後各指は、強い光線に対応する信号を復調する。そして各指からの結果が互いに結合され、信号クオリティを改善する。
【0042】
CDMA基盤無線通信システムにおいて、ソフトハンドオーバー(SHO)およびソフターハンドオーバー(同様にSHO)に係る技術を使用して、マルチパス結合により可能となる性能を活用し、電波エアインタフェースの急変に伴って送達されるボイスまたはデータのクオリティ改善を図ることができる。マクロダイバーシティを使用して、ローカル基地局のアンテナからの信号を結合することにより、受信信号(ソフターハンドオーバー)を改善することができ、また他のローカル基地局からの信号を基地局または電波ネットワークコントローラにおいて収集および統合(ソフトハンドオーバー)することができる。
【0043】
機能的広帯域スペクトラム拡散CDMA基盤無線通信ネットワークの一例として3GPP規定UMTSシステムを使用し、ネットワークおよび信号情報の取得により、精度、待機時間、およびコストに関して無線定位システムの性能の改善が可能である旨を示すことができる。
【0044】
ネットワーク基盤無線定位システムは、三角測量(AoA)および三辺測量(TDOA)として周知のアルゴリズムによって所在地推定の計算を行う際に、最少3つの受信機(または到達角度のみを基盤とするシステムの場合には2つ)を要求する。実際のところ、定位精度を最大化するためにはより多くの受信機が通常必要となる。
【0045】
多辺測量(および多角測量との組み合わせ)を使用したネットワーク基盤WLSでは、最も受信状況の良好な受信機サイト(例えばSNRのような信号クオリティにより決定される)のみを選択することにより、定位精度を向上することができる。受信機サイトの各ペアは、所在地推定および速度推定の計算が実施される基線ペアを形成する。受信タイミングと予想タイミングとの間の不一致も、追加受信機または代替受信機の選択指標としてSNRとともに使用可能である。
【0046】
ネットワーク基盤無線定位システムにおけるTDOA/FDOA決定のための基線方法では、同期受信機を介して異なるアンテナを使用し、予想伝播遅延に合わせて延長および調整された同一間隔で参照信号およびローカル信号が収集されるという、両信号間の信号相互関連性を使用する。
【0047】
図1
図1は、ネットワーク基盤無線定位システム(WLS)を描いた図である。WLSは、無線通信システム(ここには最強セル102、隣接セル103、および近接セル104として図示)のオーバーレイとして、または無線通信システム内に一体化されて設けられている。無線装置105は、電波信号路106、107、および108を介してローカルセル102、103、および104とのソフトハンドオフにある様子が示されている。所在地測定ユニット(LMU)109は、地理的に分散されることにより、移動体装置105の発信したアップリンク電波信号を受信する。LMUは、デジタルデータリンク110を介してSMLC111に接続される。SMLC111、すなわちサービス中の移動体定位センターは、WLSおよびその他の無線通信ネットワークノード間の相互接続の提供に加え、LMU109の動作、維持、およびセットアップを管理する。SMLCは、J−STD−036規定E5インタフェース、ETSI規定Lbインタフェース、3GPP規定Iupcインタフェース、および/またはATIS規定Lbisインタフェースのようなデジタルデータリンク112を介したWCNからのトリガ関連およびタスク関連情報を受信する。SMLCは、リンクモニタリングシステム(LMS)と連携して展開される場合、LMSからのトリガ関連およびタスク関連の形成につき、替わりのトリガ関連インタフェース113をサポートしてもよい。LMSについては、同一出願人の米国特許第6,782,264号および第7,023,383号の共通タイトル「無線定位システムにおける通話情報モニタリング」および同一出願人の特許出願シリアル番号11/150414の「無線定位システムにおける所在地基盤サービスアプリケーションのための高度トリガ」に詳述している。
【0048】
ネットワーク基盤WLSにおいて、受信信号は、好ましくは地理的に分散したアンテナサイトを使用した広帯域受信機(LMU109)を使用して収集される。
【0049】
参照アンテナ(またはサイト)および協調主体は、受信信号特性、信号伝播モデル化に基づく事前計画方式、またはサービングセルあるいは移動体装置のためのアクティブセットのメンバーシップを含み得るその他の指標に基づいて選択される。
【0050】
各LMU109の受信機は、関心対象チャンネルにおいて受信した電波送信をデジタル化する。取得した関心対象信号(SOI)または同SOIの一部は、参照受信機によって復調され、協調サイトに分配される。本技術の仕様に係る追加情報は、同一出願人によって保持されている米国特許第5,327,144号「携帯電話定位システム」および第6,047,192号の「ロバストかつ効率的な測位システム」に見出されてもよい。
【0051】
参照信号およびローカル信号は、サンプル持続時間に亘って収集されたデジタル化サンプルセットであり、その後、可能性のある時間オフセット(範囲)および周波数オフセット(ドップラーおよびドリフト)のセットと相互に関連付けられることにより、相互関連強度、範囲、およびドップラー/ドリフト(同一出願人による特許第6,876,859号「無線定位システムにおけるTDOAおよびFDOAの推定方法」の通り)の3次元探索空間を生成する。
【0052】
前記相互関連付け手続きは、協調LMU109受信機毎に反復される。相互関連付けの結果は、障害を除去するために編集してもよい。デジタル編集技術の仕様に係る追加情報は、同一出願人による米国特許第6,765,531号「所在地計算における障害消去システムおよび方法」に見出されてもよい。
【0053】
精密度の幾何学的希釈(GDOP)では、送信移動体装置との比較においてTDOAおよび/またはAoAシステムの受信アンテナの配列に対する定位精度の感度を測定する。GDOPは、定位システムの性能を強化または劣化し得る誤差乗算器と見做すことができる。例えば、TDOA多辺測量プロセスにおいて、所在地推定におけるすべての基線測定を精度Xにて行い、アンテナ配列のGDOPが結果としてYになった場合、最終所在地推定の予想誤差はX*Yとなる。
【0054】
UTDOAの定位精度は、限られた数のLMUによる部分的復調および再構築によって取得した参照信号の取得と、良好な協調主体サイトの選択によるところが大きい。WLSにおける全LMUに対して参照信号を取得するタスクを課していれば、同一期間中にその他の定位を実施する際に、これらLMUが使用不能となるため、LMUの数を限定することが重要である。これが、WLSのサービス能力(容量および待機時間)に深刻に影響を与えるであろう。
【0055】
能力への過度の影響を伴うことなく参照信号検出を向上するために、数少ないLMU(復調LMU)に、参照信号またはミッドアンブル等参照信号の一部の復調を試みるようタスクが課され、後に最適なものが選択される(またはそれらが結合される)。復調または協調のタスクをどのLMUに課すかといった初期選択は固定的である。この選択は、無線システム内の各セル毎のシステム構成中に一度実施される。
【0056】
最適なサイトを選択するに際し、復調または協調のタスクをどのLMUに課すかといった選択において多くの側面(例えばGDOPまたは基線ペア間の距離)を考慮することが可能である一方、各システム再構成後に広範かつ高価なドライブテストが実施されるのでなければ、マルチパス伝播およびフェーディングを考慮することができない。したがって、ドライブテストの代用とするには、電波伝播環境のモデル化は不十分であることが証明された。参照信号の検知および復調を行うのに最適なセルが、関心対象の移動体に近いセルでない場合もある。WCNが変化するか、追加ドライブテストおよび調査データが利用可能になると、「固定的」復調または協調の初期一覧のその後の改正が可能になる。固定的一覧の作成に際して履歴情報を使用した一覧の改正も可能である(同一出願人による特許出願である、米国特許出願シリアル番号11/948244「無線定位システムの自動化構成」参照)。
【0057】
一例としてのUMTS WCNにおいて、「ソフトハンドオーバー(SHO)は、数少ないセルがデータを同一移動体装置に対して同時に送受信している状態である。UMTSにおいて、セルは、規定の電波カバー領域を有するアンテナ列に対応する。UMTSセルは、全方向性セル、またはカバー領域を規定および提供するために方向性アンテナ列を使用するセクターセルであってもよい。1つ以上の全方向性セルまたはセクターセルが、単一のセルサイトにおいて配置されてもよい。
【0058】
マクロダイバーシティ/ソフトハンドオーバーにより、UEは、ローカルノードBからの2つ以上の電波ダウンリンクを結合することで、受信クオリティを改善する。UEが同時サポート可能な電波リンクの最大数は8つであるが、SHOのために使用される数が、電波アクセスネットワークの制御下において1〜6の範囲内で動的に変化し得る。
【0059】
一般的に、RRC接続の成立に際して、RRC接続はまず1つのセル上にて成立されなければならない。UMTSネットワークは、UEにおける周波数内測定を開始することにより、他のセルの適合を決定する。適合したセルは、デルタT秒に対して動的閾値[Best_SS−AS_TH+AS_Th_Hyst]を超えるCPICH(共通パイロットチャンネル)強度(Ec/Ioにより測定)を有する。セルのCPICHがこの閾値を満たし、アクティブセットが未だ最大限に達していなければ(つまり、測定したCPICHが、既存のアクティブセット構成員のCPICH強度に、デルタT秒につきAs_Rep_Hystを加えたものよりも良好な場合)、同セルは適合である。
【0060】
適合なセルが見つかると、アクティブセット更新手続き(3GPP TS25.331「電波リソース制御プロトコル仕様」8.3.4節)が開始される。アクティブセット更新メッセージを使用して、ネットワークはUEに対して1(以上の)電波リンクを追加または削除する。このアクティブセット更新手続きの開始から終了まで、1つの電波リンクが共通で有り続けることが、唯一要求される。
【0061】
移動体/UEにて作成されたRF測定レポートに基づいてアクティブセットに対してセルが追加または削除されるため、アクティブセット内のセルは、ネットワーク基盤無線定位方法における復調および協調に関し、非常に良好な候補である可能性が高い。
【0062】
TDMA/FDMA無線通信ネットワークにおける所在地計算
現場で実証され、現在幅広く使用されている高精度ネットワーク基盤無線定位技術には、UTDOA(アップリンク到達時間差)、到達角度(AOA)、およびU−TDOA/AoAの混成が含まれる。
【0063】
アップリンク到達時間差(UTDOA)は、セル信号が多数の所在地測定ユニット(LMU)に到達した時間を比較することにより、携帯電話の所在地を決定する。
【0064】
到達角度(AOA)は、他の多数要素アンテナにより展開された角度とともに各アンテナ要素の正確な所在地を精密に周知している場合に、多数要素アンテナ列によって展開された角度を比較することにより、携帯電話の所在地を決定する。各要素は、アップリンク電波信号を個別に受信可能である。信号強度、到達時間、および列の各要素におけるフェーズを測定することにより、移動体装置からAoA列までの視線経路(方位線)を計算することができる。2つ以上のAoA装備LMUを使用することにより、多数の方位線を作成する。所在地推定は、方位線の交差位置から計算することができる。
【0065】
セルID(CID)、信号出力測定、改良セルID(E−CID)、到達角度(AOA)、およびアップリンク到達時間差(U−TDOA)の組み合わせを使用するネットワーク基盤混成定位ソリューションを使用することにより、地理的サービス領域内における定位精度および生産性を向上することができる。
【0066】
TDMA(時分割多重アクセス方式)、FDMA(周波数分割多重アクセス方式)、GSMのようなFDD(周波数分割二重方式)システムにおいて、サービングセル(通常、移動局により受信された測定電波信号が最良のセル)は、LMU受信機に連結され、かつ、地理的に分散したアンテナの調整に必要な電波チャンネル情報とともに、WCNまたはリンクモニタリングシステム(LMS)によりWLSに対して特定される。サービングセルはまた、サービングセクター(セクター方式基地局の場合)またはサービングアンテナペア(セルラーセクターは名目上、少なくとも1つの送信アンテナと受信アンテナとを有する)としても周知である。受信機のダイバーシティを使用して、追加受信アンテナをセクターに追加する。本明細書において、セクターという用語は、セルサイトの特質(全方向性またはセクター方式)に関わらず、受信機アンテナまたはダイバーシティ受信機アンテナの電波カバー領域を指して用いる。したがって、「サービングセクター」はサービングセルのカバー領域を意味する。
【0067】
起動に先立ち、広範な設計フェーズが、通常、LMUの最適配置(同一出願人による2007年4月18日出願の米国特許出願シリアル番号11/736,950「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」、2007年4月18日出願の米国特許出願シリアル番号11/736,920「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」、2007年4月18日出願の米国特許出願シリアル番号11/736,902「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」、および2007年4月18日出願の米国特許出願シリアル番号11/736,868「非密集U−TDOA無線定位ネットワーク」を参照のこと)および地理的サービス領域に亘る精度推定が計算されるネットワーク基盤WLS上にて実施される。設計フェーズの一部として、所定の協調的LMU受信機一覧(coopすなわち協調主体一覧)および所定の二次的復調候補LMU一覧(demod一覧)が、WCNの各セクター毎に作成される。
【0068】
協調主体初期一覧および復調主体一覧作成プロセスでは、LMUセクター受信機アンテナと理論ポイント(マーカーポイントまたはサンプルポイント)との間の電波経路損失をモデル化する。モデル化された電波経路損失を使用して、各マーカーポイントと受信機アンテナとの間の電波経路のクオリティ測定値を決定する。本例では、拡張COST231−Hata電波伝播モデルが使用される。
【0069】
1つ以上のマーカーポイントを使用して、各セルのカバー領域を表す。マーカーポイントの配置は、均質地理的分布、電波伝播マッピングに基づく選択的配置、およびモンテカルロ法またはその他の確率的方法に基づく技術によるランダム配置を含むいくつかの技術を使用して実施可能である。本明細書中では、単純な幾何学的配置を使用して、初期マーカー配置を説明する。
【0070】
図2aおよび2bは、単純な幾何学モデルから計算した代表的マーカーポイントの例を説明する図である。図2aは、全方向性アンテナ(単一セル)セルサイト201のカバー領域上のオーバーレイにおける単純幾何学モデルから計算した代表的マーカーポイントの実例を描いた図である。(n=4)個のマーカーポイント202が、各々均一に分布した(n=4)本の半径205に沿って、一定半径204にてアンテナサイト206周辺に分布している。
【0071】
図2bは、6つのセクターセルサイト203のうちの1つのセクター上のオーバーレイにおける単純幾何学モデルから計算された代表的マーカーポイントの実例を描いた図である。現在のセクター205は、単純幾何学モデルのオーバーレイとなる。(n=4)個のマーカーポイント204は、名目上のセクター縁部の中点に沿って、名目上のセクター深さの1/3の地点に配置される。
【0072】
地理的無線通信システム仕様および/または調査情報を使用して、各受信機アンテナの所在地を決定する。1つのセル内に多数の受信機アンテナが存在する場合、そのセルの全受信アンテナに対して単一の代表ポイントが選択可能であるか、または各受信アンテナが独自のセルに関連付けられているかのように計算を実施可能である。
【0073】
非LMUセルに係る地理的所在地およびその他のセルサイト情報は、SMLCにおいて既知であり、これら非LMUセクターのための協調主体およびdemodセクター一覧を用いた生成に使用される。非LMUセクターは、唯一サービングセルであり得るが、協調主体またはdemodセクターではあり得ない。
【0074】
サービス中の領域におけるいずれかのセルの定位を実施する際に、協調および/または復調にどのLMUセクターを使用するかを決定する必要がある。以下は、カバー領域を示すのに上述のいずれかのマーカーポイント配置方法により決定されたセルのマーカーポイントを使用して、同セルの協調主体およびdemodセクターの初期一覧を決定する手続きの一例である。
【0075】
サービス領域内の各セルに対して、以下のステップ1〜4を実施する。
1.規定範囲内(この値は、ネットワーク伝播モデル化に基づき変化してもよく、各セルに独自の値も可能である)の他の全LMUセクター(目標セクター)を選択する。
【0076】
2.n個の代表的カバーポイント(マーカーポイントまたはサンプルポイント)を規定する。図2aおよび2bでは、マーカーポイントが、現在のセルの予測カバー領域上に均一に分布している。実際には、4つのマーカーが通常使用される。
【0077】
3.電波チャンネルを表すために選択された電波伝播モデルを使用して、選択された各目標セクターに対する全マーカーからの予想経路損失を演算する。このモデル化は、同モデルを改善するために、ドライブテストデータを使用して改良されてもよい。
【0078】
4.経路損失モデル化結果を、現在のセルと選択された各目標セクターとの間の予測電波リンククオリティを表す単一のクオリティ測定値へと平均化し、これらの値を後の使用のために保存する。使用される平均化の種別としては、単純算術平均、幾何平均、または伝播モデルに適したその他の平均計算が使用可能である。平均化は、正比例またはその割合の対数表現(例えば、デシベル表現)を含むあらゆる適切な経路損失表現を使用して実施可能である。
【0079】
図2dは、1つのサービングセルおよび1つの目標セクターからなるすべてのペアについて、ステップ4に保存された平均を表す表の一例を描いたものである。
【0080】
セルCにより提供される通話のための協調セクター一覧およびdemodセクター一覧を作成するために、以下のステップ5〜10に詳述の「螺旋アルゴリズム」を実施する。
【0081】
5.Cの受信アンテナ周辺領域を、m個の半径セグメントに細分する。Cのカバー領域の重心またはCのホストである基地局の所在地等の代表ポイントを、半径パターンの中心に使用してもよい。このポイントは、中央ポイントと称されてもよい。実際には、種々のネットワークトポロジーにおいて有用な結果をもたらすとして、m=8が示されてきている。図2cは、m=8の場合のサービングセクターの一例を説明する図であり、したがって現在のセクターの周辺領域を八分円に分割する。各八分円には、時計周りに1〜8の番号が付される。
【0082】
6.各八分円につき、上述のステップ4で保存した情報を使用して、現在のセルの目標セクターに対するクオリティ測定値およびセクター特定情報を含む、目標セクター一覧と称される一覧を作成する。
【0083】
7.いずれかの八分円から開始して、その八分円内の最良クオリティ測定値を有する目標セクターを選択し、その八分円の目標セクター一覧からそれを協調主体一覧作成に移動する。
【0084】
8.現在のセクターの代表ポイント周辺の初期通過中に、空間的対称を増大する(引いてはGDOPを低減する)ために、次の八分円の選択に、パターン1−4−7−2−5−8−3−6(必要に応じて反復される)または類似の非連続的パターンを使用してもよい。各八分円につき順に、最良のクオリティ測定値を有する目標セクターを選択し、その八分円の目標セクター一覧からそれを協調主体一覧作成に移動する。
【0085】
9.協調主体が目標数に到達するまで、あるいは、いずれの八分円にもこれ以上の目標セクターが残っていない状態となるまで、残っている中でも最良のクオリティ測定値に基づき、八分円の選択と、協調的受信機一覧に未選出の目標セクターの選出とを反復する。
【0086】
10.追加された最終目標セクターに対する経路損失に留意する。協調主体一覧に以前に追加された全LMUセクターを調べ、そのようなセクターの各々につき、対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられて基線測定をもっともらしく実施可能な十分に低い平均経路損失を有するアンテナに接続された、協調主体一覧上にまだない全LMUセクターを協調主体一覧に追加する。
【0087】
11.現在のセルに対して、クオリティ測定値表からセルのD個の最良目標セクター(最高出力または最少経路損失)を使用して、demodセクター一覧を作成する。(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常、2〜10の範囲内である。)第1一覧入力のクオリティ測定値が最も高く、第2一覧入力(がある場合には、第2一覧入力)のクオリティ測定値が2番目に高く、という具合になるように、クオリティ測定値によってこの一覧を順序付ける。demod一覧に以前に追加された全LMUセクターについて調べ、そのようなセクターの各々につき、アンテナが対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられた、demod一覧上にまだない全LMUを、推定された経路損失に関わらず、demod一覧に追加する。
【0088】
ステップ5〜10は、LMUにデータ収集のタスクを課す前の任意のタイミングで実施可能である。
【0089】
到達角度(AoA)能力が現在のセルに対してインストールされた場合、別個のAoA協調主体一覧は、AoAアンテナ列の光線の電波到達範囲内にある現在のマーカーポイントのうちのいずれかを含む範囲(AoA範囲はセルごとの単位で変化する)内のすべてのAoA装備LMUセクターを追加することにより作成される。
【0090】
図2cは、現在のセル206の周辺領域の区分を説明する図である。区分は、中央ポイント207から半径方向に行われる。中央ポイントは、セルアンテナの所在地、またはセクターの(セクター二等分線の交差点とセクター到達の中間点から計算した)重心であり得る。セグメント208、209、210、211、212、213、214、および215の各々には、本明細書において、螺旋アルゴリズムの分配効果を示すべく、1〜8の番号を付している。
【0091】
図2dは、サービングセル内の各マーカーポイントからの平均信号クオリティ測定により決定した、各サービングセルと目標LMUセクターとの間の計算信号測定一覧を詳述した図である。
【0092】
図2eは、各サービングセル毎の螺旋アルゴリズムの過程を説明する図であり、協調主体が分配不十分である結果としてGDOPが高くなるのを避けるため、協調主体を分配するのに使用される1−4−7−2−5−8−3−6の選択順で、半径方向セグメント(名目上8円分)を通して進行される。
【0093】
一例としての表形式フォーマットの協調主体初期一覧は、図2fに詳細に示されている。サービス領域(サービングセル)に含まれる各セルにつき、そのセルの協調主体一覧は、螺旋アルゴリズムにより選択された順において協調LMUセクターの一覧から構成される。
【0094】
一例としての表形式におけるdemodLMUセクター初期一覧は、図2gに詳細に示す。サービス領域(サービングセル)に含まれる各セルにつき、そのセルの復調主体一覧は、上述のステップ11において選択された順においてdemodLMUセクターの一覧から構成される。
【0095】
以上に説明した手続きでは、信号強度およびGDOP間の優先度について平衡を保つ順に、初期協調主体を選択する。信号強度は、サービングセクターにおいて最強の予測信号強度を有する順に、各セグメント内に配置されたLMUセクターを選択することにより優先付けられる。GDOPは、協調受信機を選択しつつ八分円を通じて配列し、引いては確実に協調受信機によりサービングセクターを包囲することにより優先付けられる。これら優先度の平衡は、このように各八分円における最適LMUセクターの選択と次の八分円への進行とを交互に行うことによって達成される。各セルは、最も好都合な順から最も好都合でない順へ、所望のLMUセクターについて独自の順番を有している。定位時には、Coop初期一覧を使用して、信号収集および相互関連付けには、どのLMU受信機と関連受信機アンテナが考えられるかを決定する。
【0096】
ソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバーを備えた無線通信ネットワークにおける所在地計算のために
FDD(周波数分割二重方式)またはTDD(時分割二重方式)システムでもあり得るが、例えばCDMA(符号分割多重アクセス方式)基盤システムのようなソフトハンドオフ/ハンドオーバーをサポートするWCNにおいて、サービングセルまたはサービングセクターといった概念はより複雑になる。ネットワーク基盤無線定位システム(WLS)が、ソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバーをサポートする無線通信ネットワーク(WCN)において機能するには、TDOA、AOA、TDOA/AOA、または混成ネットワーク基盤またはネットワークオーバーレイの無線定位システム(WLS)のための協調的(およびdemod)受信機の選択のために、1つ以上のサービングセルに対処しなければならない。
【0097】
移動体装置は、多数のサービングセル(アクティブセット構成員としても周知である)を有してもよい。さらに各セルは、異なる数の送信用および受信用アンテナを有してもよく、またはTDD基盤システムにおいては、送信および受信用に同一のアンテナを使用してもよい。
【0098】
アクティブセットが単一の構成員を含む場合、前述のような協調主体およびdemodセクターの初期一覧を使用した協調的受信機選択手続きが使用されてもよい。
【0099】
アクティブセットが2つ以上の構成員を含む場合、本明細書に開示の方法を使用して、信号収集に使用する協調主体およびdemodLMUセクターを選択してもよい。本明細書には、それぞれがいくつかの方法を含む2つのカテゴリーの方法を詳細に示す。
【0100】
第1カテゴリーの方法は、代替サービングセルとして使用するアクティブセットの一構成員を選択する方法であるため、代替方法と称する。第2カテゴリーの方法は、demodセクターおよびcoopセクターの選択にアクティブセット要素の全体(すなわち、一括)を使用するため、一括方法と称する。両カテゴリーにおいて、選択された協調的受信機および復調受信機は、移動体装置に対して良好なTDOAおよびAoAカバーを提供する可能性が非常に高い。
【0101】
ソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバーを備えた無線通信ネットワークの所在地計算のための代替方法
通話の定位に際し、移動体装置のアクティブセットが2つ以上の構成員を含む場合、設計者はアクティブセット要素により提供された潜在的に有用な情報の破棄を選び、協調者を選択する目的で、アクティブセットのデータを単一のサービングセルに抽出してもよい。この単一の代表的セルは代替サービングセルと見做され、この代替サービングセルを使用した協調的受信機の選択手続きは代替方法と称されてもよい。一旦代替が選択されると、同代替に基づいた協調的受信機一覧が決定される。代替方法では、既知の最適demodセクター候補がアクティブセット構成員自身に関連付けられたものであるため、demodセクター一覧の作成のためのアクティブセットに係る情報を保持する。したがって、まず接続されたLMUを有するアクティブセット全構成員が、その他のdemodセクターに先立ち(ひいてはより高い優先度で)、demodセクター一覧に含められる。接続されたLMUを有するアクティブセット構成員の数が、上述のステップ11の限度Dを超えている場合、アクティブセット構成員の数が優位になる(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常は2〜10の範囲内である)。その他の低優先度demodセクターは、上のステップ11に詳述した手続きを使用して、限度Dを超えない範囲で代替セルのみに基づき選択される。
【0102】
代替協調主体選択を実施する際に要求される作業のほとんどは、代替として使用されるセルの固定的一覧の形式で事前に演算可能である。リアルタイムのタスクは、(1)代表的(代替)サービングセクターの選択と、その事前演算coopの使用、および(2)一覧上にまだないアクティブセット全構成員を先頭追加することによる、同代替セルのdemodセクター一覧の増強を含んでもよい。この類の技術は、マルチモードLMUがTDMA/FDMAおよびCDMAの移動体装置の双方を定位してもよい混合モードシステム(GSM/UMTS等)に特に適している。
【0103】
図3は、代替決定と代替サービングセルを使用した定位のための高度手続きを描いた図である。
【0104】
展開の間、または、展開に先立ち、地理的トポグラフィーの追加により改良されてもよいネットワークトポロジーを伴う電波伝播モデル、シャドウィングモデル構築、およびドライブテストに係る収集信号データがサービス領域に対して生成301される。電波伝播モデルを使用して、WLSサービス領域内のいずれかのセルにつき、協調主体初期一覧およびdemodセクター一覧を決定302する。
【0105】
展開された無線定位システムには、初期一覧が蓄積303される。これらの一覧は、一方向性ハンドオフ(単一のアクティブセット構成員)の場合、および代替セクター技術において使用されるのであろう。
【0106】
展開後の任意のタイミングで、WCNまたはLMSがトリガイベントを検出304するが、このトリガイベントの例としては、9−1−1および1−1−2の緊急通話を含む。トリガについてはさらに、同一出願人による米国特許出願シリアル番号11/150414「無線定位システムにおける所在地基盤サービスアプリケーションのための高度トリガ」に詳述している。
【0107】
WCNまたはLMSは、トリガ関連情報およびタスク関連情報のWLSへの引渡し305を行う。タスク関連情報には、アクティブセットのメンバーシップが含まれる。WLSが多数のアクティブセット構成員を検出する(移動体装置が、ソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバーの状態にある)場合、WLSは、設計者または展開者の意向により、3つの代替方法のうちの1つを選出306するようにしてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態によると、電波伝播モデル化301が実施されていてもよいが、coopおよびdemodの初期一覧の作成302は、タスク関連情報の受信後まで実施されなくてもよい。WLSに事前蓄積302するための電波伝播モデル化301およびcoopおよびdemodの初期一覧の作成302が、タスク関連情報の受信後、かつ、信号収集の開始前に実行する演算の負荷を減じるようにしてもよい。同様に、いくつかの実施形態によると、電波伝播モデル化301およびcoopおよびdemodの初期一覧作成の双方が、タスク関連情報の受信後まで実施されなくてもよい。このような選択はすべて、設計者の意向によるものである。
【0109】
代替方法において一度、WLSは代替サービングセルを選択306し、関連の協調主体およびdemodセクター一覧を検索(または演算)して、アクティブセットに関連付けられた非包含LMUセクターを協調主体およびdemodセクター一覧に追加する。LMUにタスクを課す際、アクティブセット内のメンバーシップが、近接関係をインジケータとして使用するよりも、協調的受信機または復調受信機としての有用性を示すよりよいインジケータであることがある。WLSは、特定されたLMUを介して電波信号を収集307する。WLSはその後、収集した電波信号を使用し、TDOA、AoAを伴うTDOAを使用した、または、混成技術による所在地推定および速度推定の計算308を行う。
【0110】
代替方法1−重心に対する最近傍アクティブセット構成員の代替としての選択
アクティブセットが2以上の構成員を含む場合の代替サービングセル選択方法の1つとして、同アクティブセット構成員の重心に最も近いセルを見つける方法がある。重心は、個別のサイトにおける地理的座標xおよびyを(別個に)平均化することにより見出されてもよい。あるいは、重心は、出力または信号クオリティを基準に計算可能である。
【0111】
重心により、UEの所在地を大雑把に推定し、この点周辺をカバーしている代替セルの選択を可能にする。例えば、重心に最も近いセルが所定の範囲内にあって全方向性アンテナパターンを有する場合に、その最も近いセルが代替サービングセルとして使用するのに良好な選択であると予期できるように、全方向性アンテナのカバー領域は、その地理的所在地における中心となる。
【0112】
図4に示すように、重心413に最も近いセル401がアクティブセットの構成員でない可能性もある。最も近いセルを単純に選ぶというよりはむしろ、アクティブセット構成員が実際の受信信号クオリティに基づいて無線ネットワークにより選ばれているため、最も近いアクティブセットの構成員が選択される。アクティブセットにおけるメンバーシップは、近接関係よりも、協調的受信機または復調主体として有用なものを示すよりよいインジケータとなることがある。図4中、移動体装置406は、電波リンク407、408、および409を介してセクター410、411、および412と3方向のソフトハンドオフ/ソフトハンドオーバー状態にある様子が示されている。図示のとおり、同一セルサイトに関連付けられた多数のセクターが関与可能であるものの、関与しているセクター410、411、および412は、基地局/セルサイト403、405、および404にそれぞれ関連付けられている。セルサイト401、402、403、404、および405に関連付けられた非関与セクターはすべて、潜在的に協調的またはdemodセクターであり得る。
【0113】
代替方法2−復調主体一覧上に最多数のアクティブセット構成員を含むアクティブセット構成員の、代替セルとしての選択
本方法では、アクティブセット構成員毎のdemodLMUセクター一覧を調べて、これらのdemodセクター自身がアクティブセットの構成員であるか否かを確認する。与えられたセルのdemod一覧が、アクティブセット全構成員を含む場合、そのセクターは代替サービングセルとして選ばれる。
【0114】
アクティブセット全構成員を含むセルのdemod一覧が無いが、1つ以上のセルが複数の構成員を含む場合、demod一覧においてアクティブセット構成員の数が最も多いセルを代替セクターとして選ぶ。
【0115】
図5は、基地局501、502、503、504、および505からなるセルラーネットワークを示す。移動体装置506は、電波リンク507、508、および509を使用して3つのセクター510、511、および512とソフトハンドオフ中である。本方法において、重心は計算されず、むしろSMLCが、関与しているセル510、511、および512の各々に関連付けられたdemod一覧を調べて、これらのdemod一覧のうちのいずれかがセクター510、511、および512を含んでいるか否かを決定する。アクティブセットメンバーのセルである510、511、および512のdemod一覧が、その他のアクティブセット構成員510、511、および512のすべてを含んでいる場合、その構成員としてのセルが代替として選択される。さもなければ、他のアクティブセット構成員510、511、および512を最も多く含んでいるdemod一覧を有するアクティブセット構成員のセル510、511、および512が代替サービングセルとして選択される。
【0116】
含まれるアクティブセット構成員の数が最大で同数である場合、その他の代替方法のうちの1つを使用して、同数でなくしてもよい。あるいは、アクティブセットからの任意の(決定論的またはランダムな)代替選択がなされてもよい。
【0117】
代替方法3−カバー境界多面体に基づく代替セル選択
本方法では、セクターがアクティブセット構成員として機能することを予期されるすべての移動体所在地を完全に取り囲む境界多面体がセクター毎に規定される。
【0118】
代替選択中、アクティブセット全構成員の境界多面体同士の交差点を、移動体装置の大雑把な推定位置として使用する。交差点の領域に最もよく合致した境界多面体を有するセクターが、代替セクターとして選ばれる。実際には、最も面積の小さい境界多面体を有するセクターが、代替として選択されてもよい。
【0119】
図6には、代替方法による境界多面体選択の地理的描写を示す。無線通信ネットワークは、5つのセクターセル601、602、603、604、および605で描かれている。本例で使用される多面体形状は、描写を単純にするため、長方形とする。境界長方形610、611、および612は、関与しているセクター613、614、および615により提供される有用な電波カバーの全領域を取り囲むようなサイズを有する。関与しているセクター613、614、および615と無線装置606との間の電波リンク607、608、および609が示されている。境界多面体選択方法を使用して、セクター614が代替セクターとして選択される。
【0120】
ソフトハンドオーバーを備えた無線通信ネットワークにおける所在地計算のための一括方法
代替方法では、代替サービングセルとして単一セルを選択するために情報を破棄し、協調主体およびdemodの初期一覧の使用を可能としたが、協調主体およびdemodセクターを選択するための一括方法では、2つ以上の構成員に関連付けられたアクティブセットにより提供される情報を使用して、アクティブセット全体の要素に基づいて新たな協調主体一覧およびdemod一覧を作成する。協調主体およびdemodセクターの一括選択では、可能性のある組み合わせの数が膨大に多く、故に事前演算が最小のWLS以外のすべてにおいて困難になるため、報告されたアクティブセット構成員に基づくリアルタイムの協調主体演算が要求される。このリアルタイムの演算は、プロセッサーが集約的に行うものであるが、ほとんどの場合、代替方法と比してよりよい協調主体およびdemodセクターの選択を生じさせる。
【0121】
図7は、一括方法の一般的動作を説明する図である。電波伝播モデルは領域に対して生成701され、同電波伝播モデルを使用して、WLSサービス領域内のいずれかのセルに対して、協調主体初期一覧およびdemodセクター初期一覧の決定702を行う。展開された無線定位システムには、初期一覧が蓄積703される。任意のタイミングで、WCNまたはLMSは、定位トリガイベントが発生したことを信号通知704し、アクティブセット詳細を含む通話関連情報のWLSへの引渡し705を行う。
【0122】
いくつかの設計によれば、電波伝播モデル化701が実施されていてもよく、coop初期一覧およびdemod初期一覧の作成702は、タスク関連情報の受信後まで実施されなくてもよい。WLSに事前蓄積703するための電波伝播モデル化701およびcoop初期一覧およびdemod初期一覧の作成702では、タスク関連情報の受信後、かつ、信号収集開始前に実行される演算の負荷を減じてもよい。同様に、いくつかの設計によれば、電波伝播モデル化701とcoop初期一覧およびdemod初期一覧の作成702との双方が、タスク関連情報の受信後まで実施されなくてもよい。このような選択はすべて、設計者の意向による。
【0123】
WLSは、新たに取得したアクティブセットの詳細を使用して、新たな協調主体一覧の演算706およびdemodセクター一覧の演算707を行う。その後WLSは、新たに演算した一覧を使用して、信号収集708のタスクをLMUに課す。報告された到達時間差および/または到達角度を使用して、WLSは、各々に対する誤差推定値により、最終所在地、スピード、および方位の演算709を行う。
【0124】
一括方法1−アクティブセット構成員の八分円に基づく総当り式の新規協調主体構築
この方法は、上述のような単一のサービングセルに対するcoop生成中に形成された八分円構造に基づく。アクティブセット全構成員は、それがあたかも単一のサービングセルであるかのように、八分円構造へと分割される。その後、単一サイト周辺で螺旋運動をする替わりに、八分円の番号を増加させながら、本方法をアクティブセット全構成員の八分円構造を通じて反復する。正味の影響としては、アクティブセット全構成員および各々を中心とする相対方位範囲からcoopを取り出すことが挙げられる。
【0125】
図8aおよび図8bは、潜在的な協調的受信機およびdemod受信機の選択、および移動体装置にTDOAおよびAoAのカバーを提供する可能性の高い協調的受信機およびdemod受信機の選択の決定におけるアクティブセットメンバーシップの使用を説明する図である。
【0126】
図8aは、基地局801、802、803、804、および805を含むセルラーネットワークを描いた図である。移動体装置806は、電波リンク807、808、および809を使用して、3つのセクター810、811、および812とソフトハンドオフ状態にある。この一括方法によると、SMLCは、マーカーポイントおよび関連クオリティ測定値を、関与しているセル810、811、および812に対する他のすべての潜在的協調主体へ呼び出す。そして関与しているセル810、811、および812の各々の周辺領域は、図2cに詳述した半径方向八分円方法を使用して分割される。その後SMLCは、現在の半径方向セグメント内のセクターに関連付けられたクオリティ測定値に基づき(本例のように8つの半径方向セグメントを使用し、各セグメントは1つの八分円となる)最も候補となる協調主体を選択することにより、新たな協調主体およびdemodセクターの一覧を再計算する。現在のセグメントの選択は、セクターおよび八分円の双方を通じて進行し、総当り式に実施される。例えば、現在関与しているセクターを通じて連続的に進行されてもよく(図8bでは、許容可能なセクターパターンは810−811−812−810−811−812…)、また八分円が、以下の八分円選択パターン1−4−7−2−5−8−3−6を通じて進行されてもよい。したがって、最初の24の選択された協調主体については、セルおよび八分円のパターンが、図8cの表に示すとおりであってもよい。八分円選択パターン1−4−7−2−5−8−3−6は一例であり、他の選択パターンを使用して、幾何学ダイバーシティまたは螺旋対称を提供してもよい。
【0127】
協調主体の新たなセットの選択を継続し、協調主体が目標数に達するまで、またはこれ以上の目標セクターが残っていない状況になるまで、残っている中での最良のクオリティ測定値に基づき、関与しているセクターからのセグメントの選択と、まだ選出されていない目標セクターの新たな協調的受信機一覧への選出とを繰り返してもよい。上述のステップ10のように、一旦停止ポイントに達すると、最後に追加されたLMUセクターの出力が決定される。協調主体一覧に以前に追加されたLMUセクターを調べ、そのようなセクターの各々につき、対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられて基線測定をもっともらしく実施可能な十分に低い平均経路損失を有するアンテナに接続された、協調主体一覧上にまだないLMUセクターを協調主体一覧に追加する。
【0128】
その後、新たなdemodセクター一覧が作成される。まず接続されたLMUを有するアクティブセット全構成員が、その他のdemodセクターに先立ち(ひいてはより高い優先度で)、demodセクター一覧に含められる。接続されたLMUを有するアクティブセット構成員の数が、上述のステップ11の限度Dを超えている場合、アクティブセット構成員の数が優位になる(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常は2〜10の範囲内である)。次に、demod一覧に以前に追加された全LMUセクターについて調べ、そのようなセクターの各々につき、アンテナが対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられた、demod一覧上にまだないLMUを、推定された経路損失に関わらず、demod一覧に追加する。その他、低優先度のdemodセクターが、ステップ11に詳述した手続きのように、但し、coop選択で使用されて図8a、8b、および8cに説明されたような同一の総当りパターンにしたがって、個々のアクティブセット構成員のdemodセクター一覧から総当り式に(低い優先度で、かつ重複のないように)選択される。
【0129】
この一括方法は、比較的容易であるが、アクティブセット構成員のカバー領域の交差点よりむしろ、その集合体を間接的に使用するため、最適でないことがある。したがってこの一括方法では、場合によっては、最適な候補でない協調的受信機を選択してしまうことがある。しかしながら、そのアプローチのシンプルさ故、この方法は依然として、膨大な数の協調的受信機が対応されなければならないような状況においては有用であり得る。あらゆる一括方法と同様に、この方法は、協調受信機およびdemodセクターの選択に際してアクティブセット全構成員のカバー領域に係る情報を包含するという利点がある。
【0130】
一括方法1は、分散アンテナシステム(DAS)を包含する無線通信システムにおいて移動体ユニットを定位するためのcoop一覧およびdemodセクター一覧の構築に、等しく適用可能である。分散アンテナシステムでは、離間した地理的サイトに通常位置づけられた多数のアンテナを使用して、単一セルのための電波カバーを提供する。分散アンテナシステムにより提供されたカバー領域は通常、その構成アンテナの1つにより提供されるカバー領域に比して非常に大きい。
【0131】
単一のサービングセルが存在し、そのセルのための受信(アップリンク)アンテナシステムがDASである場合にこの方法を適用するには、アクティブセットがあたかもDASの構成アンテナからなるかのように、そのセルのDAS構成アンテナが、一括方法1のアクティブセット構成員の替わりにされてもよい。したがって、マーカーポイントが使用され、関連の伝播測定値がDAS構成アンテナ毎に計算され、DAS構成アンテナの1つに接続されたLMUセクターが、demodセクターとして選出される。設計者または展開者が、サービングセルのDASの一部としてよりも多くのdemodセクターを要求する場合、その他のdemodセクターが、ステップ11に詳述した手続きのように、但し、coop選択で使用されて図8a、8b、および8cに説明されたような同一の総当りパターンにしたがって、DAS構成要素のdemodセクター一覧から総当り式に(低い優先度で、かつ重複のないように)選択されてもよい。
【0132】
2つ以上のセルからなるアクティブセットが存在し、少なくとも1つのアクティブセット構成員の受信(アップリンク)アンテナシステムがDASである場合にこの方法を適用するには、アクティブセットがあたかも非DASアクティブセット全構成員とDASアクティブセットの構成員のDAS構成要素とからなるかのように、非DASアクティブセット全構成員に関連付けられた全LMUセクターと、DASアクティブセット全構成員のDAS全構成アンテナに関連付けられた全LMUセクターとの集合体が、一括方法1のアクティブセット構成員の替わりにする。したがって、マーカーポイントが使用され、関連の伝播測定値が、非DASのアクティブセット構成員毎、およびDASであるアクティブセット構成員のDAS構成アンテナ毎に計算され、非DASアクティブセット構成員またはアクティブセット構成員のDAS構成アンテナの1つに接続された全LMUセクターが、demodセクターとして選出される。設計者または展開者がより多くのdemodセクターを要求する場合、その他のdemodセクターが、ステップ11に詳述した手続きのように、但し、coop選択で使用されて図8a、8b、および8cに説明されたような同一の総当りパターンにしたがって、DAS構成要素のdemodセクター一覧から総当り式に(低い優先度で、かつ重複のないように)採り出されてもよい。
【0133】
一括方法2−アクティブセット構成員のマーカーポイントに基づく新規協調主体一覧の構築
この方法では、アクティブセット構成員に関連付けられたマーカーポイントの集合体に基づき、coopおよびdemodセクターの新規一覧を演算する。一実施形態によると、上述の一括方法は、アクティブセット構成員に関連付けられた地理的情報に基づいて選ばれた代表ポイントを中心とする半径方向セグメントを使用して、アクティブセット構成員周辺領域を分割することにより、拡張されてもよい。一実施形態によると、アクティブセット構成員の地理的所在地の重心が使用される。アクティブセット構成員のマーカーポイントから各候補セクターまでの損失が平均化されてもよい。
【0134】
図9aは、基地局901、902、903、904、および905からなるセルラーネットワークを説明する図である。移動体装置906は、電波リンク907、908、および909を使用して3つのセル910、911、および912とソフトハンドオフ状態にある。この一括方法によると、関与しているすべてのセルにつき、マーカーポイントが呼び出され、すべての目標LMUセクターと各マーカーポイントとの間のクオリティ測定値が計算される。その後、潜在的協調主体(目標セクター)の各々が単一の関連の包括的クオリティ測定値を有するように、関与しているセル毎の各マーカーポイントからのクオリティ測定値が平均化される。
【0135】
そして、アクティブセットによるカバー領域の代表的中心ポイントが選ばれる。一実施形態によると、関与しているセクターの重心が使用される。図9bは、重心913を示す図である。重心は、個別のセクター910、911、および912の受信機アンテナの地理的座標xおよびyを(別個に)平均化することにより見出される。代表的中心ポイントを選択する他の方法としては、出力または信号クオリティのモデルに基づく重み付けを使用し、重み付けされた重心を計算する方法が挙げられる。
【0136】
一旦中心ポイント913が決定されると、重心913の周辺領域が半径方向に分割される(本例では、重心は八分円に分割される)。八分円選択パターン1−4−7−2−5−8−3−6に従い、八分円毎に順に、変更後のクオリティ測定値が最良である現在の八分円において目標セクターを選択することにより、協調主体および復調主体の新たなセットが選択される。協調主体が所望の数に達するまで、または八分円に対して目標セクターがもはや残っていない状況になるまで、残っている中でも最良のクオリティ測定値に基づき、関与しているセルからのセグメント選択と、協調的受信機一覧に対する未選択の目標セクターの選出とを繰り返すことにより、協調主体セットの選択が継続される。一旦停止ポイントに達すると、最後に追加されたLMUセクターの出力が決定される。協調主体一覧に以前に追加されたLMUセクターを調べ、そのようなセクターの各々につき、対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられて基線測定をもっともらしく実施可能な十分に低い平均経路損失を有するアンテナに接続された、協調主体一覧上にまだないLMUセクターを協調主体一覧に追加する。
【0137】
その後、新たなdemodセクター一覧が作成される。まず接続されたLMUを有するアクティブセット全構成員が、その他のdemodセクターに先立ち(ひいてはより高い優先度で)、demodセクター一覧に含められる。接続されたLMUを有するアクティブセット構成員の数が、上述のステップ11の限度Dを超えている場合、アクティブセット構成員の数が優位になる(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常は2〜10の範囲内である)。次に、demod一覧に以前に追加された全LMUセクターについて調べ、そのようなセクターの各々につき、アンテナが対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられた、demod一覧上にまだない全LMUセクターを、推定された経路損失に関わらず、demod一覧に追加する。その他、低優先度のdemodセクターが、上のステップ11に詳述した手続きを使用して、限度Dを超えない範囲で選択される。
【0138】
この方法は、全マーカーポイントおよび候補セクター間の経路損失の再演算を要求するものの、実際のアクティブセット構成員に基づく新たな測定値により協調セクターのより良好な選択指標を提供できるという点において、よりコンピュータ集約的である。アクティブセット全構成員のカバー領域を表すマーカーポイントにおける信号クオリティ推定に基づいて各LMUセクターを選択することにより、この方法は、一括方法1に比してより精密となる潜在性を有する。あらゆる一括方法と同様に、この方法は、協調受信機および復調受信機の選択に際してアクティブセット全構成員のカバー領域に係る情報を包含する。
【0139】
一括方法3−アクティブセット全構成員に共通のカバー領域に基づく新規協調主体の構築
本方法では、アクティブセット全構成員の共通カバー領域の予測に基づき、新規の協調的受信機およびdemod受信機を構築する。新たなマーカーポイントセットを選択して、交差するカバー領域を表す。交差するカバー領域の代表的中心ポイントが選択され、八分円構造が中心ポイントに配置される。八分円構造は、これらの新たなマーカーポイントからの信号損失の各候補セクターへの平均化に基づいて蓄積される。その後、前述の螺旋アルゴリズムが使用され、協調的受信機およびdemodセクターが選択される。
【0140】
図10aに示すとおり、関与しているセル毎のセクターカバー領域を近似する境界多面体を使用することにより、関与している同セルが機能する地理的領域を完全に取り囲む境界多面体を生成する。
【0141】
まず、関与する全セクターの境界多面体に納まる地理的領域が決定される。図10aにおいて、地理的重複領域1016が、境界多面体(描写を容易にするため、図10a中では長方形として描かれている)により決定される。無線通信ネットワークは、5つのセクターセル1001、1002、1003、1004、および1005により描かれている。境界長方形1010、1011、および1012は、関与しているセクター1013、1014、および1015により提供される有用な電波カバーの全領域を取り囲むようなサイズにしてある。関与しているセクター1013、1014、および1015と無線装置1006との間の電波リンク1007、1008、および1009が示されている。
【0142】
一旦重複領域1016が決定されると、地理的に分散したh個のマーカーポイントのセットが生成される。1からhまでの新たなマーカーポイントの各々につき、電波伝播モデルが使用されて、範囲内の全目標セクターに対するクオリティ測定値が決定される。同範囲は、調整可能であり、ネットワークトポロジーに依存する。同範囲は、セル半径の距離またはセル半径の数として表現されてもよい。
【0143】
一旦新たな各マーカーポイントの範囲内の全目標セクターに対する新たなクオリティ測定値が生成されると、重複領域1016内の新たな各マーカーポイントからのクオリティ測定値が平均化され、目標セクター毎に単一のクオリティ測定値が生成される。図10bに示すように、重複領域1016の重心1017が計算され、重心1017周辺の地理的領域が半径方向に分割される(本例では、再び八分円への分割がなされる)。半径方向に分割された区画1〜8は、図10bに示すとおりであり、関与しているセクター1013、1014、および1015の有用な電波カバー領域から導き出された境界多面体1010、1011、および1012から計算される重複領域1016の重心1017を中心とする。八分円選択パターン1−4−7−2−5−8−3−6に従い、八分円毎に順に、新たなクオリティ測定値が最良である現在の八分円において目標セクターを選択することにより、協調主体およびdemodセクターの新たなセットが選択される。協調主体が所望の数に達するまで、または目標セクターがもはや残っていない状況になるまで、残っている中でも最良のクオリティ測定値に基づき、関与しているセルからのセグメント選択と、新たな協調的受信機一覧に対する未選択の目標セクターの選出とを繰り返すことにより、更新された協調主体セットの選択が継続される。一旦停止ポイントに達すると、最後に追加されたセクターの出力が決定される。協調主体一覧に以前に追加されたLMUセクターを調べ、そのようなセクターの各々につき、対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられて基線測定をもっともらしく実施可能な十分に低い平均経路損失を有するアンテナに接続された、協調主体一覧上にまだないLMUセクターを協調主体一覧に追加する。
【0144】
その後、新たなdemodセクター一覧が作成される。まず接続されたLMUを有するアクティブセット全構成員が、その他のdemodセクターに先立ち(ひいてはより高い優先度で)、demodセクター一覧に含められる。接続されたLMUを有するアクティブセット構成員の数が、上述のステップ11の限度Dを超えている場合、アクティブセット構成員の数が優位になる(Dの値は、ネットワーク特性に応じて変化するが、通常は2〜10の範囲内である)。次に、demod一覧に以前に追加された全LMUセクターについて調べ、そのようなセクターの各々につき、アンテナが対象アンテナに対して地理的に非常に近接して位置づけられた、demod一覧上にまだない全LMUを、推定された経路損失に関わらず、demod一覧に追加する。その他、低優先度のdemodセクターが、上のステップ11に詳述した手続きを使用して、限度Dを超えない範囲で選択される。
【0145】
この方法(および代替方法3)は、セクターカバー領域の有用な拘束を決定することを前提としている。拘束が過度に緩いと(多面体が必要以上に大きくなるという意味)、coopセクターおよびdemodセクターの選択において、精度が損なわれてしまう。拘束が過度に厳格であると、交差判定が不可能になってしまうことがある。いくつかの技術を使用して、交差/重複を与える境界多面体決定と、それでも依然として結果がもはや有用でなくなるほど多面体を大きくしてしまわないこととの間の平衡を取るようにしてもよい。このような技術は、1)より複雑な多面体形状を許容すること、および/または、2)例えば、50%、70%、または95%のカバー領域を取り囲む多数の交差輪郭を使用し、交差領域を解析することにより、移動体装置の所在地らしい位置を包含したコンパクトな交差多面体を得ること、を含む。代表的交差が見出せない場合、他の方法をフォールバックの目的で使用してもよい。
【0146】
一括方法3は、各セルのカバー領域を推定してこれら領域の交差を見出す追加ステップを包含する。一旦同ステップが採られると、この方法は、全マーカーポイントの集合体よりも少ないマーカーポイントのセットからなるため、経路損失計算が少なくて済むという利点がある。結果としての測定値はまた、移動体装置の所在地らしい位置(集合体でなく、カバー領域の交差)のより良好な推定により演算がなされるため、協調的受信機選択のより良好な指標を提供することもある。この方法は、前述の一括方法2に比してより複雑であるものの、アクティブセットカバーの最適表現により近づくことができる。演算の複雑さと、定位精度に対する定位待機時間への潜在的影響との間のトレードオフである。
【0147】
D.まとめ
CDMA基盤無線通信ネットワークのアクティブセット生成によって表現される移動体生成電波クオリティ情報を使用すると、その他の方法を越える明らかな向上を示す。本開示の技術を使用することにより、ドライブテストの労を要することなく、定位精度の向上を図ることができる。参与しているWLS受信機サイトが、実際のRFチャンネル状況(フェーディング、一時的遮断等を考慮に入れる)に基づいてリアルタイムで選択され、精度向上の試みにおいて、システムスループットが受信機サイトの過剰選択に影響を受けない。
【0148】
本発明の真の範囲は、本明細書に開示した現在好適な実施形態に限定されるものではない。例えば、以上に開示の現在好適な実施形態に係る無線定位システムは、サービス移動体位置センター(SMLC)、所在地測定ユニット(LMU)等の説明用語を使用したが、これは、以下の請求項の保護範囲を限定し、または無線定位システムの発明的側面が開示の特定方法および装置に限定されることを意図するものと解釈されてはならない。さらに、当業者に了解されるように、本明細書に開示した発明的側面の多くは、TDOAまたはAoA技術に基づかない定位システムにおいて適用されてもよい。実質的には、LMU等は、本明細書に開示の発明的概念から逸脱しない範囲で種々の形態を採り得るプログラム可能なデータ収集および処理装置である。デジタル信号処理およびその他の処理機能のコストを早急に低減することを考慮するのであれば、例えば、システムの発明的動作を変更することなく、特定機能の処理を本明細書に開示のある機能要素(例えばSMLC)から他の機能要素(例えばLMU)に移行することが容易に可能となる。多くの場合、本明細書に開示の実施箇所(すなわち、機能要素)は単に設計者の選択によるものであり、必須ではない。したがって、限定する旨の明示がない限り、以下の請求項の保護範囲は、前述の特定の実施形態に限定されることを意図するものでない。
【0149】
以上に述べた実施様態はすべて、方法、システム、コンピュータ読取可能な媒体、もしくはあらゆるタイプの製造物として実現可能である。当業者は、本明細書に記載の種々の技術が、ハードウェアもしくはソフトウェア、または適宜その双方の組み合わせとの関連で実現されてもよいことを理解するであろう。例えば、本発明の実施様態は、プログラム化されたコンピュータ上で実行されてもよい。従って、本発明の方法および装置、またはその一実施様態または一部は、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD−ROM、ハードドライブ、またはその他の機械読取可能な記憶媒体等の有形媒体に組み込まれたプログラムコード(すなわち指示)の形式をとってもよく、同プログラムコードがコンピュータ等の機器に搭載されて実行されると、同機器は本発明を実施する装置となる。プログラム可能なコンピュータ上でプログラムコードを実行する場合、同演算装置は通常、プロセッサ、プロセッサにより読取可能な記憶媒体(揮発性および不揮発性メモリおよび/または記憶要素を含む)、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置を備える。1つ以上のプログラムは、例えばAPI、再利用可能制御等を介して、本発明と関連して記述したプロセスを実現または使用してもよい。このようなプログラムは、高レベル手続きまたはオブジェクト指向プログラム言語において実現され、コンピュータシステムと通信を行うのが望ましい。しかしながら、プログラムは、希望に応じてアセンブリまたは機械言語にて実現可能である。いずれにしても、同言語は適合言語または解釈言語であり、ハードウェアによる実現と組み合わせられてもよい。一例として実施形態によると、コンピュータ読取可能な記憶媒体として、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、例えば電気機械ハードドライブ、半導体ハードドライブ等の記憶装置、フラッシュRAMまたはROM等のファームウェア、例えばCD−ROM、フロッピーディスク、DVD、フラッシュドライブ、外部記憶装置等のような脱着式記憶装置を挙げることができる。当業者は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ等、その他のコンピュータ読取可能な記憶媒体も使用可能である旨、理解するであろう。コンピュータ読取可能な記憶媒体により、プロセッサにより実行可能な指示、データ構造、プログラムモジュール、およびその他コンピュータ関連データのための不揮発性記憶装置を提供してもよい。
【0150】
最後に、種々の図面に示したように、好ましい実施様態との関連で本発明の説明がなされたが、その他類似の実施様態を使用してもよく、また本開示と同一機能を実施するために、本開示の趣旨範囲内で前述の実施様態に対して変更および追加がなされてもよい。例えば、開示された種々の実施様態によると、移動体装置と関連付けられた対象を追跡するための種々の機構が開示されている。しかしながら、本開示中の教示により、これら前述の実施様態と同等の他の機構も検討される。したがって本開示は、単一の実施様態に限定されるものでなく、添付の請求項に応じた幅および範囲に解釈されなければならない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号分割多重アクセス方式(CDMA)基盤無線通信ネットワーク(WCN)において移動体装置を定位する際に使用する協調主体信号収集受信機および復調主体信号収集受信機のセットの特定方法であって、
前記移動体装置と前記WCNとの間でアクティブな通信を成立させる基地局のアクティブセットを特定するデータを取得するステップと、
前記アクティブセットに基づき、代替サービングセルを特定するステップと、
前記代替サービングセルに基づき、少なくとも1つの協調主体受信機と少なくとも1つの復調主体受信機とを特定するステップと、
前記少なくとも1つの協調主体受信機と、前記少なくとも1つの復調主体受信機とを用いることにより、前記移動体装置からの信号データを収集するステップと、
前記信号データを用いることにより、前記移動体装置を定位するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記代替サービングセルが特定され、その後、前記代替サービングセルに対応するセクターのための協調主体受信機および復調主体受信機に係る事前演算の固定的一覧に基づいて、協調主体受信機および復調主体受信機が特定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サービス領域の電波伝播モデルに基づいて、前記事前演算の固定的一覧を作成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、マルチモード所在地測定ユニット(LMU)がTDMA/FDMAおよびCDMA移動体装置の双方の定位を行うために展開された、混合モードシステム(GSM/UMTS等)において使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記移動体装置の定位を開始するトリガイベントを検出するステップと、
無線定位システム(WLS)に対してトリガ関連情報とタスク関連情報とを通信するステップとをさらに備え、
前記タスク関連情報は、アクティブセットメンバーシップ情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
多数のアクティブセット構成員の前記WLSによる検知に際して(前記移動体装置はソフトハンドオフ状態にある)、前記WLSは、所定の代替方法セットのうちの1つを選出し、
代替方法において一度、前記WLSは、代替サービングセルを特定し、初期の信号クオリティサンプリングのタスクをLMUに課すための関連協調主体一覧および復調主体一覧を検索することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
収集された信号測定値を使用して、前記協調主体一覧および復調主体一覧から、信号収集のための協調主体受信機および復調主体受信機の最終セットへとダウンセレクトするステップをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
電波信号は、地理的に分散したLMUを介して収集されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、前記アクティブセット内の基地局の地理的重心に対して最近傍の代替サービングセルを決定するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記地理的重心は、前記基地局の地理的座標を平均化することにより決定されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記地理的重心は、前記基地局から受信した信号出力レベルの関数として決定されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記地理的重心は、前記基地局に関連付けられた信号クオリティ測定値の関数として決定されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む復調主体受信機一覧を有する基地局を選択し、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む前記復調主体受信機一覧を有する基地局が存在しない場合、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含んだ復調主体受信機一覧を有する基地局を選択するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
2つ以上の基地局が、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含む場合、前記代替サービングセルは、所定の選択方法を使用して、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含む基地局中から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、
前記アクティブセットの共通カバー領域を決定するステップと、
前記共通カバー領域に最も合致する地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップとを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記地理的カバー領域は、所定の境界多面体であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替を特定するステップはさらに、最小の地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
符号分割多重アクセス方式(CDMA)基盤無線通信ネットワーク(WCN)において移動体装置を定位する際に使用する協調主体信号収集受信機および復調主体信号収集受信機のセットを特定するシステムであって、前記システムは、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに対して通信可能に連結された少なくとも1つの記憶媒体とを備え、
前記記憶媒体は、以下のステップを実施する際に前記プロセッサに指示しするためのコンピュータ実行可能な指示を記憶しており、
前記以下のステップは、
前記移動体装置と前記WCNとの間でアクティブな通信を成立させる基地局のアクティブセットを特定するデータを取得するステップと、
前記アクティブセットに基づき、代替サービングセルを特定するステップと、
前記代替サービングセルに基づき、少なくとも1つの協調主体受信機と、少なくとも1つの復調主体受信機とを特定するステップと、
前記少なくとも1つの協調主体受信機と、前記少なくとも1つの復調主体受信機とを用いることにより、前記移動体装置からの信号データを収集するステップと、
前記信号データを用いることにより、前記移動体装置を定位するステップとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項19】
前記代替サービングセルが特定され、その後、前記代替サービングセルに対応するセクターのための協調主体受信機および復調主体受信機に係る事前演算の固定的一覧に基づいて、協調主体受信機および復調主体受信機が特定されることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
サービス領域の電波伝播モデルに基づいて、前記事前演算の固定的一覧を作成するステップを実施する際に、前記プロセッサに指示するための指示をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記方法は、マルチモード所在地測定ユニット(LMU)がTDMA/FDMAおよびCDMA移動体装置の双方の定位を行うために展開された、混合モードシステム(GSM/UMTS等)において使用されることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記移動体装置の定位を開始するトリガイベントを検出するステップと、
無線定位システム(WLS)に対してトリガ関連情報とタスク関連情報とを通信するステップとを実施する際に、前記プロセッサに指示するための指示をさらに備え、
前記タスク関連情報は、アクティブセットメンバーシップ情報を含むことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
多数のアクティブセット構成員の前記WLSによる検知に際して(前記移動体装置はソフトハンドオフ状態にある)、前記WLSは、所定の代替方法セットのうちの1つを選出し、
代替方法において一度、前記WLSは、代替サービングセルを特定し、初期の信号クオリティサンプリングのタスクをLMUに課すための関連協調主体一覧および復調主体一覧を検索することを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
収集された信号測定値を使用して、前記協調主体一覧および復調主体一覧から、信号収集のための協調主体受信機および復調主体受信機の最終セットへとダウンセレクトするステップを実施する際に、前記プロセッサに指示するための指示をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
電波信号は、地理的に分散したLMUを介して収集されることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、前記アクティブセット内の基地局の地理的重心に対して最近傍の代替サービングセルを決定するステップを備えることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項27】
前記地理的重心は、前記基地局の地理的座標を平均化することにより決定されることを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記地理的重心は、前記基地局から受信した信号出力レベルの関数として決定されることを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記地理的重心は、前記基地局に関連付けられた信号クオリティ測定値の関数として決定されることを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む復調主体受信機一覧を有する基地局を選択し、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む前記復調主体受信機一覧を有する基地局が存在しない場合、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含んだ復調主体受信機一覧を有する基地局を選択するステップを備えることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項31】
2つ以上の基地局が、前記アクティブセット内に前記最多数を含む場合、前記代替サービングセルは、所定の選択方法を使用して、前記アクティブセット内に前記最多数を含む基地局中から選択されることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、
前記アクティブセットの共通カバー領域を決定するステップと、
前記共通カバー領域に最も合致する地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップとを備えることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項33】
前記地理的カバー領域は、所定の境界多面体であることを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替を特定するステップはさらに、最小の地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップを備えることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項35】
符号分割多重アクセス方式(CDMA)基盤無線通信ネットワーク(WCN)において移動体装置を定位する際に使用する協調主体信号収集受信機および復調主体信号収集受信機のセットを特定するためのコンピュータ実行可能な指示を記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能な指示は、
前記移動体装置と前記WCNとの間でアクティブな通信を成立させる基地局のアクティブセットを特定するデータを取得するステップと、
前記アクティブセットに基づき、代替サービングセルを特定するステップと、
前記代替サービングセルに基づき、少なくとも1つの協調主体受信機と、少なくとも1つの復調主体受信機とを特定するステップと、
前記少なくとも1つの協調主体受信機と、前記少なくとも1つの復調主体受信機とを用いることにより、前記移動体装置からの信号データを収集するステップと、
前記信号データを用いることにより、前記移動体装置を定位するステップとを実施するための指示であることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項36】
前記代替サービングセルが特定され、その後、前記代替サービングセルに対応するセクターのための協調主体受信機および復調主体受信機に係る事前演算の固定的一覧に基づいて、協調主体受信機および復調主体受信機が特定されることを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項37】
サービス領域の電波伝播モデルに基づいて、前記事前演算の固定的一覧を作成するステップを実施するための指示をさらに含むことを特徴とする請求項36に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項38】
前記協調主体信号収集受信機および復調主体信号収集受信機のセットは、マルチモード所在地測定ユニット(LMU)がTDMA/FDMAおよびCDMA移動体装置の双方の定位を行うために展開された、混合モードシステム(GSM/UMTS等)において特定されることを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項39】
前記移動体装置の定位を開始するトリガイベントを検出するステップと、
無線定位システム(WLS)に対してトリガ関連情報とタスク関連情報とを通信するステップとを実施するための指示をさらに含み、
前記タスク関連情報は、アクティブセットメンバーシップ情報を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項40】
多数のアクティブセット構成員の前記WLSによる検知に際して(前記移動体装置はソフトハンドオフ状態にある)、前記WLSは、所定の代替方法セットのうちの1つを選出し、
代替方法において一度、前記WLSは、代替サービングセルを特定し、初期の信号クオリティサンプリングのタスクをLMUに課すための関連協調主体一覧および復調主体一覧を検索することを特徴とする請求項39に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項41】
収集された信号測定値を使用して、前記協調主体一覧および復調主体一覧から、信号収集のための協調主体受信機および復調主体受信機の最終セットへとダウンセレクトするステップを実施するための指示をさらに含むことを特徴とする請求40に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項42】
電波信号は、地理的に分散したLMUを介して収集されることを特徴とする請求項41に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項43】
前記代替サービングセルを特定するステップを実施するための指示はさらに、前記アクティブセット内の基地局の地理的重心に対して最近傍の代替サービングセルを決定するステップを実施するための指示を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項44】
前記地理的重心は、前記基地局の地理的座標を平均化することにより決定されることを特徴とする請求項43に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項45】
前記地理的重心は、前記基地局から受信した信号出力レベルの関数として決定されることを特徴とする請求項43に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項46】
前記地理的重心は、前記基地局に関連付けられた信号クオリティ測定値の関数として決定されることを特徴とする請求項43に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項47】
前記代替サービングセルを特定するステップを実施するための指示はさらに、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む復調主体受信機一覧を有する基地局を選択し、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む前記復調主体受信機一覧を有する基地局が存在しない場合、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含んだ復調主体受信機一覧を有する基地局を選択するステップを実施するための指示を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項48】
2つ以上の基地局が、前記アクティブセット内に前記最多数を含む場合、前記代替サービングセルは、所定の選択方法を使用して、前記アクティブセット内に前記最多数を含む基地局中から選択されることを特徴とする請求項47に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項49】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替サービングセルを特定するステップを実施するための指示はさらに、
前記アクティブセットの共通カバー領域を決定するステップと、
前記共通カバー領域に最も合致する地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップとを実施するための指示を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項50】
前記地理的カバー領域は、所定の境界多面体であることを特徴とする請求項49に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項51】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替を特定するステップを実施するための指示はさらに、最小の地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップを実施するための指示を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項1】
符号分割多重アクセス方式(CDMA)基盤無線通信ネットワーク(WCN)において移動体装置を定位する際に使用する協調主体信号収集受信機および復調主体信号収集受信機のセットの特定方法であって、
前記移動体装置と前記WCNとの間でアクティブな通信を成立させる基地局のアクティブセットを特定するデータを取得するステップと、
前記アクティブセットに基づき、代替サービングセルを特定するステップと、
前記代替サービングセルに基づき、少なくとも1つの協調主体受信機と少なくとも1つの復調主体受信機とを特定するステップと、
前記少なくとも1つの協調主体受信機と、前記少なくとも1つの復調主体受信機とを用いることにより、前記移動体装置からの信号データを収集するステップと、
前記信号データを用いることにより、前記移動体装置を定位するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記代替サービングセルが特定され、その後、前記代替サービングセルに対応するセクターのための協調主体受信機および復調主体受信機に係る事前演算の固定的一覧に基づいて、協調主体受信機および復調主体受信機が特定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
サービス領域の電波伝播モデルに基づいて、前記事前演算の固定的一覧を作成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、マルチモード所在地測定ユニット(LMU)がTDMA/FDMAおよびCDMA移動体装置の双方の定位を行うために展開された、混合モードシステム(GSM/UMTS等)において使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記移動体装置の定位を開始するトリガイベントを検出するステップと、
無線定位システム(WLS)に対してトリガ関連情報とタスク関連情報とを通信するステップとをさらに備え、
前記タスク関連情報は、アクティブセットメンバーシップ情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
多数のアクティブセット構成員の前記WLSによる検知に際して(前記移動体装置はソフトハンドオフ状態にある)、前記WLSは、所定の代替方法セットのうちの1つを選出し、
代替方法において一度、前記WLSは、代替サービングセルを特定し、初期の信号クオリティサンプリングのタスクをLMUに課すための関連協調主体一覧および復調主体一覧を検索することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
収集された信号測定値を使用して、前記協調主体一覧および復調主体一覧から、信号収集のための協調主体受信機および復調主体受信機の最終セットへとダウンセレクトするステップをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
電波信号は、地理的に分散したLMUを介して収集されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、前記アクティブセット内の基地局の地理的重心に対して最近傍の代替サービングセルを決定するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記地理的重心は、前記基地局の地理的座標を平均化することにより決定されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記地理的重心は、前記基地局から受信した信号出力レベルの関数として決定されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記地理的重心は、前記基地局に関連付けられた信号クオリティ測定値の関数として決定されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む復調主体受信機一覧を有する基地局を選択し、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む前記復調主体受信機一覧を有する基地局が存在しない場合、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含んだ復調主体受信機一覧を有する基地局を選択するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
2つ以上の基地局が、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含む場合、前記代替サービングセルは、所定の選択方法を使用して、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含む基地局中から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、
前記アクティブセットの共通カバー領域を決定するステップと、
前記共通カバー領域に最も合致する地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップとを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記地理的カバー領域は、所定の境界多面体であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替を特定するステップはさらに、最小の地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップを備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
符号分割多重アクセス方式(CDMA)基盤無線通信ネットワーク(WCN)において移動体装置を定位する際に使用する協調主体信号収集受信機および復調主体信号収集受信機のセットを特定するシステムであって、前記システムは、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに対して通信可能に連結された少なくとも1つの記憶媒体とを備え、
前記記憶媒体は、以下のステップを実施する際に前記プロセッサに指示しするためのコンピュータ実行可能な指示を記憶しており、
前記以下のステップは、
前記移動体装置と前記WCNとの間でアクティブな通信を成立させる基地局のアクティブセットを特定するデータを取得するステップと、
前記アクティブセットに基づき、代替サービングセルを特定するステップと、
前記代替サービングセルに基づき、少なくとも1つの協調主体受信機と、少なくとも1つの復調主体受信機とを特定するステップと、
前記少なくとも1つの協調主体受信機と、前記少なくとも1つの復調主体受信機とを用いることにより、前記移動体装置からの信号データを収集するステップと、
前記信号データを用いることにより、前記移動体装置を定位するステップとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項19】
前記代替サービングセルが特定され、その後、前記代替サービングセルに対応するセクターのための協調主体受信機および復調主体受信機に係る事前演算の固定的一覧に基づいて、協調主体受信機および復調主体受信機が特定されることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
サービス領域の電波伝播モデルに基づいて、前記事前演算の固定的一覧を作成するステップを実施する際に、前記プロセッサに指示するための指示をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記方法は、マルチモード所在地測定ユニット(LMU)がTDMA/FDMAおよびCDMA移動体装置の双方の定位を行うために展開された、混合モードシステム(GSM/UMTS等)において使用されることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記移動体装置の定位を開始するトリガイベントを検出するステップと、
無線定位システム(WLS)に対してトリガ関連情報とタスク関連情報とを通信するステップとを実施する際に、前記プロセッサに指示するための指示をさらに備え、
前記タスク関連情報は、アクティブセットメンバーシップ情報を含むことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
多数のアクティブセット構成員の前記WLSによる検知に際して(前記移動体装置はソフトハンドオフ状態にある)、前記WLSは、所定の代替方法セットのうちの1つを選出し、
代替方法において一度、前記WLSは、代替サービングセルを特定し、初期の信号クオリティサンプリングのタスクをLMUに課すための関連協調主体一覧および復調主体一覧を検索することを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
収集された信号測定値を使用して、前記協調主体一覧および復調主体一覧から、信号収集のための協調主体受信機および復調主体受信機の最終セットへとダウンセレクトするステップを実施する際に、前記プロセッサに指示するための指示をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
電波信号は、地理的に分散したLMUを介して収集されることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、前記アクティブセット内の基地局の地理的重心に対して最近傍の代替サービングセルを決定するステップを備えることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項27】
前記地理的重心は、前記基地局の地理的座標を平均化することにより決定されることを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記地理的重心は、前記基地局から受信した信号出力レベルの関数として決定されることを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記地理的重心は、前記基地局に関連付けられた信号クオリティ測定値の関数として決定されることを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む復調主体受信機一覧を有する基地局を選択し、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む前記復調主体受信機一覧を有する基地局が存在しない場合、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含んだ復調主体受信機一覧を有する基地局を選択するステップを備えることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項31】
2つ以上の基地局が、前記アクティブセット内に前記最多数を含む場合、前記代替サービングセルは、所定の選択方法を使用して、前記アクティブセット内に前記最多数を含む基地局中から選択されることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替サービングセルを特定するステップはさらに、
前記アクティブセットの共通カバー領域を決定するステップと、
前記共通カバー領域に最も合致する地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップとを備えることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項33】
前記地理的カバー領域は、所定の境界多面体であることを特徴とする請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替を特定するステップはさらに、最小の地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップを備えることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項35】
符号分割多重アクセス方式(CDMA)基盤無線通信ネットワーク(WCN)において移動体装置を定位する際に使用する協調主体信号収集受信機および復調主体信号収集受信機のセットを特定するためのコンピュータ実行可能な指示を記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能な指示は、
前記移動体装置と前記WCNとの間でアクティブな通信を成立させる基地局のアクティブセットを特定するデータを取得するステップと、
前記アクティブセットに基づき、代替サービングセルを特定するステップと、
前記代替サービングセルに基づき、少なくとも1つの協調主体受信機と、少なくとも1つの復調主体受信機とを特定するステップと、
前記少なくとも1つの協調主体受信機と、前記少なくとも1つの復調主体受信機とを用いることにより、前記移動体装置からの信号データを収集するステップと、
前記信号データを用いることにより、前記移動体装置を定位するステップとを実施するための指示であることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項36】
前記代替サービングセルが特定され、その後、前記代替サービングセルに対応するセクターのための協調主体受信機および復調主体受信機に係る事前演算の固定的一覧に基づいて、協調主体受信機および復調主体受信機が特定されることを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項37】
サービス領域の電波伝播モデルに基づいて、前記事前演算の固定的一覧を作成するステップを実施するための指示をさらに含むことを特徴とする請求項36に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項38】
前記協調主体信号収集受信機および復調主体信号収集受信機のセットは、マルチモード所在地測定ユニット(LMU)がTDMA/FDMAおよびCDMA移動体装置の双方の定位を行うために展開された、混合モードシステム(GSM/UMTS等)において特定されることを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項39】
前記移動体装置の定位を開始するトリガイベントを検出するステップと、
無線定位システム(WLS)に対してトリガ関連情報とタスク関連情報とを通信するステップとを実施するための指示をさらに含み、
前記タスク関連情報は、アクティブセットメンバーシップ情報を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項40】
多数のアクティブセット構成員の前記WLSによる検知に際して(前記移動体装置はソフトハンドオフ状態にある)、前記WLSは、所定の代替方法セットのうちの1つを選出し、
代替方法において一度、前記WLSは、代替サービングセルを特定し、初期の信号クオリティサンプリングのタスクをLMUに課すための関連協調主体一覧および復調主体一覧を検索することを特徴とする請求項39に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項41】
収集された信号測定値を使用して、前記協調主体一覧および復調主体一覧から、信号収集のための協調主体受信機および復調主体受信機の最終セットへとダウンセレクトするステップを実施するための指示をさらに含むことを特徴とする請求40に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項42】
電波信号は、地理的に分散したLMUを介して収集されることを特徴とする請求項41に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項43】
前記代替サービングセルを特定するステップを実施するための指示はさらに、前記アクティブセット内の基地局の地理的重心に対して最近傍の代替サービングセルを決定するステップを実施するための指示を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項44】
前記地理的重心は、前記基地局の地理的座標を平均化することにより決定されることを特徴とする請求項43に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項45】
前記地理的重心は、前記基地局から受信した信号出力レベルの関数として決定されることを特徴とする請求項43に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項46】
前記地理的重心は、前記基地局に関連付けられた信号クオリティ測定値の関数として決定されることを特徴とする請求項43に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項47】
前記代替サービングセルを特定するステップを実施するための指示はさらに、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む復調主体受信機一覧を有する基地局を選択し、前記アクティブセットの前記基地局すべてを含む前記復調主体受信機一覧を有する基地局が存在しない場合、前記アクティブセット内に最多数の基地局を含んだ復調主体受信機一覧を有する基地局を選択するステップを実施するための指示を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項48】
2つ以上の基地局が、前記アクティブセット内に前記最多数を含む場合、前記代替サービングセルは、所定の選択方法を使用して、前記アクティブセット内に前記最多数を含む基地局中から選択されることを特徴とする請求項47に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項49】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替サービングセルを特定するステップを実施するための指示はさらに、
前記アクティブセットの共通カバー領域を決定するステップと、
前記共通カバー領域に最も合致する地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップとを実施するための指示を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項50】
前記地理的カバー領域は、所定の境界多面体であることを特徴とする請求項49に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項51】
前記基地局は各々、地理的カバー領域に関連付けられ、
前記代替を特定するステップを実施するための指示はさらに、最小の地理的カバー領域を有する基地局を、前記代替サービングセルとして特定するステップを実施するための指示を含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図1】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図3】
【図7】
【図8c】
【図2b】
【図2c】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図1】
【図2d】
【図2e】
【図2f】
【図2g】
【図3】
【図7】
【図8c】
【公表番号】特表2013−516145(P2013−516145A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547124(P2012−547124)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061250
【国際公開番号】WO2011/082002
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(500532540)トゥルーポジション・インコーポレーテッド (48)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061250
【国際公開番号】WO2011/082002
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(500532540)トゥルーポジション・インコーポレーテッド (48)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]