URLフィルタリングシステム
【課題】被保護者がWebアクセスを行った際に、保護者によりリアルタイムな設定変更を可能とするURLフィルタリングシステムを提供する。
【解決手段】フィルタリングサーバ101は端末装置(被保護者用)102から不特定多数の端末装置から閲覧可能なWebサーバ104のサイトにアクセスを行った際に、URLによるアクセス制御を行う。フィルタリングサーバ101によりアクセス禁止と判定された場合、端末装置(被保護者用)102はアクセス規制解除要求をフィルタリングサーバ101に対して送信し、要求を受けたフィルタリングサーバ101は端末装置(保護者用)103にメールによる解除要求内容を送信する。解除要求を受けた端末装置(保護者用)103は、フィルタリングサーバ101に対して解除の可否を伝え、解除可の場合はフィルタリングサーバ101によりフィルタリングの設定がされる。
【解決手段】フィルタリングサーバ101は端末装置(被保護者用)102から不特定多数の端末装置から閲覧可能なWebサーバ104のサイトにアクセスを行った際に、URLによるアクセス制御を行う。フィルタリングサーバ101によりアクセス禁止と判定された場合、端末装置(被保護者用)102はアクセス規制解除要求をフィルタリングサーバ101に対して送信し、要求を受けたフィルタリングサーバ101は端末装置(保護者用)103にメールによる解除要求内容を送信する。解除要求を受けた端末装置(保護者用)103は、フィルタリングサーバ101に対して解除の可否を伝え、解除可の場合はフィルタリングサーバ101によりフィルタリングの設定がされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、PC、携帯電話等の端末装置からWebサイトへのアクセスを規制するURLフィルタリングシステムに関し、更に詳細には、被保護者が閲覧するのに好ましくないサイトへのアクセスの規制が可能でリアルタイムにフィルタ設定変更(アクセス設定)を可能とするURLフィルタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在インターネットの普及により、例えば携帯電話からWebサイトへのアクセスを行いさまざまな情報を誰でも手軽に閲覧可能となった。また、ネットショッピング、SNS(Social Networking Service)、ブログ、チャット、掲示板等のWebサービスも多様化し、利用者の取捨選択により自由に便利なサービスを利用することができる。
【0003】
しかし、これらの状況には、取捨選択の判断能力の未熟な子供やネットに不慣れな利用者にふさわしくない情報を与える危険性や、アクセス利用者をトラブルに巻き込む危険性が内在する。
【0004】
特に近年の携帯電話利用者の低年齢化により、子供のWebアクセス利用者が増えたため、Webサイトへのアクセスを規制するフィルタリングサービスが各社から提供され加入者数も増加している。
【0005】
このようなフィルタリングサービスには、アクセスを許可する特定のURLを事前に登録し、登録されたURLのみへのアクセスを許可するホワイトリスト方式、アクセスを拒否するURLを事前に登録し、登録されたURLへのアクセスを拒否するブラックリスト方式が存在する。また、利用者が無数に存在するWebサイトの個々のURLを事前登録するのは不可能なため、ゲーム、音楽、暴力等のいくつかのカテゴリに分類したデータベースを提供し、カテゴリごとのアクセスの規制を実施可能なサービスが提供されている。例えば、特許文献1に示すものがある。
【0006】
これらのフィルタリングサービスによれば、利用者がサービスに加入し、事前にアクセス規制の登録を行うことで、子供等にふさわしくない情報を与えるのを防ぐことが可能である。しかし、アクセス拒否されたサイトに調べ物等で一時的にアクセスしたい場合に、アクセスができないという問題があった。
【0007】
また、従来のカテゴリベースのフィルタリングではユーザ毎にURLリストが用意されておらず、カテゴリの特定のURLにアクセスする設定ができなかった。
【0008】
これらの問題を解決するには、ユーザ毎にURLリストを用意し、サイトへのアクセス時に設定変更を容易に行える必要がある。例えば特許文献2に示す如く、規制対象のサイトへのアクセス時に一時的にパスワードを管理者に発行してもらい閲覧可能とするものが存在する。これはユーザ毎にURLリストを用意し、URL単位でのフィルタリングを実現したものではない。また、規制対象へのアクセス時に保護者の許可を得ることでサイト閲覧を可能とする方法が考えられるが、保護者が対象サイトの内容をよく理解することなく閲覧の許可を与える問題がある。
【0009】
【特許文献1】特開2005−107831号公報
【特許文献2】特開2004−362031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、本願発明の第1の目的は、ユーザ毎にURLリストを用意し、URL単位でのフィルタリングを行うことで、柔軟なフィルタリング設定可能なフィルタリングシステムを提供することにある。
【0011】
また、本願発明の第2の目的は、被保護者が規制対象サイトへアクセスした時点で保護者の許可を得ることでサイト閲覧を可能とし、これによりリアルタイムなアクセス規制の設定変更が可能なフィルタリングシステムを提供することにある。
【0012】
また、保護者の許可によりリアルタイムにフィルタの設定が可能となっても、保護者が作業的に許可を与えるようなシステムでは、フィルタリングの機能が十分に働かない。保護者は対象サイトの内容を確認することで閲覧許可を与えるか判断可能であるが、Webサービスに関しての知識が少ない保護者も多く、判断できないケースも有り得る。
【0013】
そこで、本願発明の第3の目的は、保護者に対して対象サイトへの全フィルタリングサービス加入者の年齢別フィルタリング設定状況等の判断材料を提供可能なフィルタリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は、URLフィルタリングシステムにおいて、例えばPC、携帯電話、PDA、モバイル端末等のWebアクセス可能な通信装置を有する端末からのWebアクセスを受信するプロキシ、ゲートウェイ等の中継機器および中継機器と通信を行うサーバ上に、アクセス規制手段、規制解除要求手段、フィルタ設定変更手段、サイト情報提供手段、フィルタ設定結果通知手段を設けたものである。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、例えばPC、携帯電話、PDA、モバイル端末等のWebアクセス可能な通信装置を有する端末装置のHTTPプロトコルによるTCP/IP通信でのWebサーバへのアクセスに対して、URLに基づいたアクセス規制行い、被保護者にふさわしくない情報の閲覧を防止するURLフィルタリングシステムが提供できる。また、被保護者が特定URLに対してのアクセス規制の解除要求を保護者に対して送ることができ、及び保護者がアクセス規制解除要求に対してフィルタリング設定変更を可能とするURLフィルタリングシステムを実現できる。
【0016】
更に、保護者がフィルタリングの解除要求を受け、フィルタリングの設定変更を行う際の判断材料として、対象サイトのURLに関する年齢/性別毎のアクセス規制の割合等を提供可能とするURLフィルタリングシステムを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
WebサーバへのアクセスはHTTPプロトコルによるTCP/IP通信であり、上記アクセス規制手段はフィルタリング処理部で実現され、通信リクエスト中のURL情報に基づいてアクセス規制(フィルタ設定)を実施する。URLフィルタリングシステムはユーザ情報、URLをカテゴリ分類したURLカテゴリ情報、各ユーザの各カテゴリに対するアクセス可否情報をデータベース(DB)に保持することで、カテゴリ単位のアクセス規制を実現する。また他に、各ユーザのアクセスを許可するURLホワイトリスト情報をデータベースDBに保持することでURL単位でのアクセス規制を実現する。これらカテゴリ単位およびURL単位でのアクセス規制を組み合わせることで前記課題である柔軟なフィルタリング設定が達成される。
【0018】
上記規制解除要求手段は、フィルタリング処理部とメール通知処理部の組み合わせで実現され、サイトへのアクセスが拒否された場合、被保護者の端末からHTTPプロトコルによるTCP/IP通信である対象サイトへの規制解除要求を受け取り、保護者の端末にメールにより規制解除要求の内容を伝える。保護者は規制解除要求に対して対象サイトのURLのフィルタ設定を変更しアクセス許可を与えるかを判断する。
【0019】
上記対象前記フィルタ設定変更手段は、フィルタ設定処理部で実現され、保護者の端末からHTTPプロトコルによるTCP/IP通信であるフィルタ設定要求を受け取り、フィルタの設定変更を行う。
【0020】
上記フィルタ設定結果通知手段は、メール通知処理部で実現され、保護者によるフィルタの設定変更結果を被保護者の端末にメールにより通知する。これらの規制解除要求手段、フィルタ設定変更手段、フィルタ設定結果通知手段により、前記課題であるリアルタイムな設定変更可能なフィルタリングシステムが達成される。
【0021】
上記サイト情報提供手段は、サイト情報生成処理部で実現され、URLフィルタリングシステムが保持するユーザ情報、URLをカテゴリ分類したURLカテゴリ情報、各ユーザの各カテゴリに対するアクセス可否情報、各ユーザのアクセス許可するURLホワイトリスト情報から、対象サイトのURLに関する年齢/性別毎のアクセス規制の割合等を生成し、保護者に提供することで、前記課題である判断材料を提供可能なフィルタリングシステムが達成される。
【実施例】
【0022】
以下、本願発明の実施例について図面を参照して説明する。 図1は本願発明のフィルタリングシステムの概要を示す概要図である。
【0023】
本願発明のURLフィルタリングシステムは、例えばPC、携帯電話、PDA、モバイル端末等のWebアクセス可能な通信装置を有する端末装置(被保護者)102および端末装置(保護者)103がインターネット等のネットワーク上のWebサーバ104に対して、HTTPプロトコルによるTCP/IP通信でのアクセスを行う環境での通信経路上に存在するプロキシ、ゲートウェイ等の中継機器および中継機器と通信を行うサーバであるフィルタリングサーバ101上で実現される。
【0024】
フィルタリングサーバ101は、ユーザ情報、URLをカテゴリ分類したURLカテゴリ情報、各ユーザの各カテゴリに対するアクセス可否情報、各ユーザのアクセス許可するURLホワイトリスト情報を保持したデータベース(DB)を持ち、端末装置102(被保護者用)および端末装置103(保護者用)からのHTTPプロトコルによるTCP/IP通信に対してこれらの情報を適宜参照し、端末装置102(被保護者用)および端末装置103(保護者用)への通信応答、Webサーバ104への通信、端末装置102(被保護者用)および端末装置103(保護者用)へのメール送信等の処理を行う。
【0025】
以下、フィルタリングサーバの構成図を用いて、本願発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】
図2は本願発明の実施の一例を示すフィルタリングサーバの構成図である。同図において、フィルタリングサーバ101、端末装置102(被保護者用)、端末装置103(保護者用)、Webサーバ104は図1と同じものである。
【0027】
フィルタリングサーバ101は、本願発明でのURLフィルタリングシステムを実現するフィルタリング処理部201、フィルタ設定処理部202、サイト情報生成処理部203、メール通知処理部204を有している。フィルタリング処理部201は、端末装置からWebサーバへのアクセスを規制するアクセス規制手段を含んでいる。またフィルタリング処理部201は、メール通知処理部294と連携して規制解除要求手段を構成する。フィルタ設定処理部202は、フィルタ設定を変更するフィルタ設定変更手段を含んでいる。サイト情報生成処理部203は、サイト情報を端末装置(保護者用)の利用者に提供するサイト情報提供手段を含んでいる。メール通知処理部204は、フィルタ設定結果を端末装置(保護者用)の利用者に通知するフィルタ設定結果手段を構成している。これらの処理部はハードディスク(図示せず)に格納されたプログラムを実行することでサーバ上に実現される。
【0028】
また、フィルタリングサーバ101は、上記各処理部で参照する情報を格納したユーザ情報管理データベース(DB)205、URLカテゴリ管理データベース(DB)206、フィルタ情報管理データベース(DB)207、URLホワイトリスト管理データベース(DB)208を有する。ユーザ情報管理DB205は、URLフィルタリングサービスに加入したユーザ情報を管理する。
【0029】
図3はユーザ情報管理DB205の構成例である。同図において、ユーザID部301、ユーザ名部302、メールアドレス部303、保護者のメールアドレス部304、性別部305、年齢部306、サービス期間部307の項目を設定している。ユーザID部301には、サービス加入ユーザを一意に識別できるIDが格納される。ユーザ名部302には、ユーザの名前が特定できる情報が格納される。メールアドレス部303には、ユーザのメールアドレスが格納される。保護者のメールアドレス部304には、ユーザの保護者のメールアドレスが格納される。性別部305には、ユーザの性別が格納される。年齢部306には、ユーザの年齢が格納される。サービス期間部307には、フィルタリングサービスの利用期間、例えばサービス終了日が格納される。
【0030】
URLカテゴリ管理DB206は、URLをカテゴリ分類した情報を管理する。
【0031】
図4はURLカテゴリ管理DB206の構成例である。同図において、URL部401、カテゴリ部402、有効期限部403の項目を設定している。URL部401には、カテゴリ分類されるURLが格納される。カテゴリ部402にはURLが分類されたカテゴリが格納される。有効期限部403には、URLとカテゴリの紐付けの有効期限が格納される。
【0032】
フィルタ情報管理DB207は、各ユーザの各カテゴリに対するアクセス可否情報を管理する。
【0033】
図5はフィルタ情報管理DB207の構成例である。同図において、ユーザID部0501、各カテゴリ名部502の項目を設定している。ユーザID部501には、サービス加入ユーザを一意に識別できるIDを格納される。各カテゴリ名部502には、ユーザのカテゴリに対するアクセス可否を格納される。例えば設定値0:アクセス可能、設定値1:アクセス拒否とする。
【0034】
URLホワイトリスト管理DB208は、各ユーザのアクセスを許可するURLホワイトリスト情報を管理する。アクセス拒否されるカテゴリに属するURLであってもホワイトリストに登録されていればアクセス可能とする。
【0035】
図6はURLホワイトリスト管理DB208の構成例である。同図において、ユーザID部601には、サービス加入ユーザを一意に識別できるIDを格納される。URL部602には、ユーザに対してアクセス許可するURLを格納する。登録日部603にはURLを登録した日を格納する。
【0036】
次に、URLフィルタリングサービス加入者が、本願発明でのURLフィルタリングシステムを利用するシーケンスの説明と、シーケンスの中でのURLフィルタリングシステムの処理の詳細について説明する。
【0037】
図7はアクセス規制サイトへのURLフィルタリングシステム利用のシーケンス図である。図8はアクセス許可サイトへのURLフィルタリングシステム利用のシーケンス図である。
【0038】
同図において、シーケンスS1は、端末装置(被保護者用)102からWebサーバ104へのHTTPプロトコルによるWebアクセスである。Webアクセスはフィルタリングサーバ101経由で行われ、フィルタリングサーバ101のフィルタリング処理部202でWebサーバ104へのアクセスを許可するかを判定する。この判定は以下のようになされる。
【0039】
図9はフィルタリング処理部202の処理手順を示すフローチャートものである。フィルタリング処理部202は、WebアクセスのリクエストURLを取得し、URLカテゴリ管理DB206のURL部401に一致する行を検索し、カテゴリ部402の設定値からリクエストURLがどのカテゴリに所属するかを判定する。URLとカテゴリの結び付けには有効期限を設け、有効期限部403の設定値が現在日時より前である場合は結び付けを無効とする。
【0040】
次に、フィルタ情報管理DB207を参照し、被保護者のユーザID部501を特定し、該当カテゴリへのアクセス可否を各カテゴリ名部502の項目の設定値を参照して判定する。被保護者のユーザID部501特定方法については、端末装置(被保護者用)102のIPからの特定等が考えられるがここでは割愛する。
【0041】
フィルタリング処理部202で、対象URLへのアクセスが可能と判定された場合は、Webサーバ104へWebアクセスのリクエストが転送される。
【0042】
次に、シーケンスS2はリクエストを受信したWebサーバ104から端末装置(被保護者用)102への応答である。フィルタリング処理部202で、対象URLへのアクセスが拒否された場合は、シーケンスS3のアクセス拒否応答を生成し、端末装置(被保護者用)102へ送信される。
【0043】
図13はフィルタリング処理部202で生成されるアクセス拒否応答(シーケンスS2)の応答画面の一例である。対象URLへのアクセス規制情報1301には、ユーザID1302、URL1303、規制理由1304が表示される。ユーザIDは特定した被保護者のユーザIDが設定される。URLにはリクエストのURLが設定される。規制理由には規制対象となったURLのカテゴリが表示される。画面下部分には解除理由記入テキストボックス1305および解除要求送信ボタン1306が設けられており、被保護者は理由記入した上で解除要求送信ボタン1306を押下することで、アクセス規制解除要求を送信可能である。解除要求内容には、フィルタリングサーバ101が管理するユーザ情報、フィルタ設定情報等により生成された、対象サイトに関する情報を付与し保護者が解除可否の判断に利用することが可能である。
【0044】
シーケンスS4は、端末装置(被保護者用)102からフィルタリングサーバ101へのアクセス規制解除要求である。アクセス規制解除要求はHTTPプロトコルによるTCP/IP通信であり、上記アクセス拒否応答で表示されたユーザID、URL、カテゴリ等の情報や入力された解除理由は、CGIパラメータ、HTTPヘッダ、リクエストボディ等に格納され送信される。
【0045】
図10はサイト情報生成処理部203の処理手順を示すフローチャートである。アクセス規制解除要求を受信したフィルタリングサーバ101は、サイト情報生成処理部203にてアクセス規制解除要求からURL情報を取得し、対象URLに対する全ユーザのフィルタリング設定情報を生成する。フィルタリング設定情報の生成方法については後に説明する。
【0046】
図12はメール通知処理部204の処理手順を示すフローチャートである。サイト情報生成処理部203での処理終了後、メール通知処理部204にて、アクセス規制解除要求通知メールを生成する。生成したメールは、ユーザ管理情報DB205の保護者のメールアドレス304から取得可能な端末装置(保護者)103のメールアドレス宛に送信される。
【0047】
シーケンスS5は、フィルタリングサーバ101から端末装置(保護者)103へのアクセス規制解除要求通知である。
【0048】
図14はアクセス規制解除要求通知メールの例である。ユーザ名部1401には、前記アクセス規制解除要求から取得したユーザIDをキーとしユーザ管理情報DB205のユーザ名部302を参照して取得した値を設定する。カテゴリ部1402には、アクセス規制解除要求から取得したカテゴリを設定する。解除要求理由部1403にはアクセス規制解除要求から取得した解除要求理由を設定する。サイトURL部1404には、アクセス規制解除要求から取得したURLが設定され、保護者がURLにアクセスすることでサイトの内容を確認することが可能である。サイト情報URL1405には、サイト情報生成処理部203で生成された前記フィルタリング設定情報を参照するためのURLが設定され、保護者がURLにアクセスすることでURLに対する全ユーザのフィルタリング設定情報を確認可能である。アクセス許可URL1406およびアクセス拒否URL1407は、フィルタリングサーバ101へアクセス規制の解除可否を伝えるためのURLである。
【0049】
次に、上記フィルタリング設定情報の生成方法について説明する。図15はサイト情報生成処理部203で生成されるフィルタリング設定情報の例である。フィルタリング設定情報の内容は、フィルタリング規制率(男子)1501、フィルタリング規制率(女子)1502、個別規制解除率(男子)1503、個別規制解除率(女子)1504で構成される。
【0050】
フィルタリング規制率(男子)1501は全男子ユーザ数内の対象URLへの規制対象となっているユーザ数の割合を年齢別に示しており、ユーザ管理情報DB205の性別部305、年齢部306からの男子の年齢別ユーザ数の算出と、フィルタ情報管理DB0207を参照し対象URLのカテゴリに対しての規制ユーザ数の算出から、割合が算出される。URLの属するカテゴリは、アクセス規制解除要求に付与されたパラメータとして取得する。フィルタリング規制率(女子)1502についても同様な方法で算出される。
【0051】
個別規制解除率(男子)1503は対象URLへの規制ユーザ数内の前記アクセス規制解除要求による規制解除を行ったユーザ数を示しており、フィルタリング規制率(男子)1501で算出した年齢別規制ユーザ数と、URLホワイトリスト管理DB208からの対象URLへの規制解除ユーザ数の算出から、割合が算出される。個別規制解除率(女子)1504についても同様な方法で算出される。
【0052】
シーケンスS6は、端末装置(保護者用)103からフィルタリングサーバ101へのフィルタ設定要求である。アクセス規制解除要求はHTTPプロトコルによるTCP/IP通信であり、前記アクセス許可URL1406およびアクセス拒否URL1407へのアクセスにより送信される。アクセス規制解除要求のCGIパラメータには、ユーザIDおよび対象URLの情報を暗号化または一意に特定できる文字列の形で付与する。
【0053】
図11はフィルタ設定処理部202の処理手順を示すフローチャートである。アクセス規制解除要求のURLがアクセス許可URL1006の場合、フィルタリングサーバ0101は、フィルタ設定解除のフィルタ設定処理部202で、URLホワイトリスト管理DB208に、アクセス規制解除要求から取得したユーザIDおよびURLを登録することで、ユーザに対するアクセス規制を解除する。
図12はメール通知処理部204の処理手順を示すフローチャートである。フィルタ設定処理部202での処理終了後、メール通知処理部204にて、フィルタ設定結果通知のメールを生成する。生成したメールは、ユーザ管理情報DB205のメールアドレス303から取得可能な端末装置(被保護者用)102のメールアドレス宛に送信される。
【0054】
シーケンスS7は、フィルタリングサーバ101から端末装置(被保護者用)102へのフィルタ設定結果通知である。被保護者は通知により保護者がアクセス規制の解除を許可したかを知ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
不特定多数のユーザへの情報公開を行うネットワーク上のサイト閲覧を条件によって規制するフィルタリングサービスにおいて、一時的な規制の解除手段および規制対象となっているサイトに関しての情報を生成、提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の概要を示す概要図である。
【図2】本発明の実施の一例を示す構成図である。
【図3】本発明の構成要素であるユーザ情報管理DBの構成例である。
【図4】本発明の構成要素であるURLカテゴリ管理DBの構成例である。
【図5】本発明の構成要素であるフィルタリング情報管理DBの構成例である。
【図6】本発明の構成要素であるURLホワイトリスト管理DBの構成例である。
【図7】本発明のシステム動作を説明するための、アクセス禁止サイトへのアクセスを行った場合のシーケンス図である。
【図8】本発明のシステム動作を説明するための、アクセス許可サイトへのアクセスを行った場合のシーケンス図である。
【図9】本発明の構成要素であるフィルタリング処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の構成要素であるサイト情報生成処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の構成要素であるフィルタ設定処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の構成要素であるメール通知処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明のシステムで生成するアクセス拒否応答画面例である。
【図14】本発明のシステムで生成するアクセス規制解除要求通知例である。
【図15】本発明のシステムで生成するフィルタリング設定情報例である。
【符号の説明】
【0057】
101:フィルタリングサーバ
102:端末装置(被保護者)
103:端末装置(保護者)
104:Webサーバ
201:フィルタリング処理部
202:フィルタ設定処理部
203:サイト情報生成処理部
204:メール通知処理部
205:ユーザ管理情報DB
206:URLカテゴリ管理DB
207:フィルタ情報管理DB
208:URLホワイトリスト管理DB
S1:Webアクセス
S2:Webアクセス応答
S3:アクセス拒否応答
S4:アクセス規制解除要求
S5:アクセス規制解除要求通知
S6:フィルタ設定要求
S7:フィルタ設定結果通知
【技術分野】
【0001】
本願発明は、PC、携帯電話等の端末装置からWebサイトへのアクセスを規制するURLフィルタリングシステムに関し、更に詳細には、被保護者が閲覧するのに好ましくないサイトへのアクセスの規制が可能でリアルタイムにフィルタ設定変更(アクセス設定)を可能とするURLフィルタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在インターネットの普及により、例えば携帯電話からWebサイトへのアクセスを行いさまざまな情報を誰でも手軽に閲覧可能となった。また、ネットショッピング、SNS(Social Networking Service)、ブログ、チャット、掲示板等のWebサービスも多様化し、利用者の取捨選択により自由に便利なサービスを利用することができる。
【0003】
しかし、これらの状況には、取捨選択の判断能力の未熟な子供やネットに不慣れな利用者にふさわしくない情報を与える危険性や、アクセス利用者をトラブルに巻き込む危険性が内在する。
【0004】
特に近年の携帯電話利用者の低年齢化により、子供のWebアクセス利用者が増えたため、Webサイトへのアクセスを規制するフィルタリングサービスが各社から提供され加入者数も増加している。
【0005】
このようなフィルタリングサービスには、アクセスを許可する特定のURLを事前に登録し、登録されたURLのみへのアクセスを許可するホワイトリスト方式、アクセスを拒否するURLを事前に登録し、登録されたURLへのアクセスを拒否するブラックリスト方式が存在する。また、利用者が無数に存在するWebサイトの個々のURLを事前登録するのは不可能なため、ゲーム、音楽、暴力等のいくつかのカテゴリに分類したデータベースを提供し、カテゴリごとのアクセスの規制を実施可能なサービスが提供されている。例えば、特許文献1に示すものがある。
【0006】
これらのフィルタリングサービスによれば、利用者がサービスに加入し、事前にアクセス規制の登録を行うことで、子供等にふさわしくない情報を与えるのを防ぐことが可能である。しかし、アクセス拒否されたサイトに調べ物等で一時的にアクセスしたい場合に、アクセスができないという問題があった。
【0007】
また、従来のカテゴリベースのフィルタリングではユーザ毎にURLリストが用意されておらず、カテゴリの特定のURLにアクセスする設定ができなかった。
【0008】
これらの問題を解決するには、ユーザ毎にURLリストを用意し、サイトへのアクセス時に設定変更を容易に行える必要がある。例えば特許文献2に示す如く、規制対象のサイトへのアクセス時に一時的にパスワードを管理者に発行してもらい閲覧可能とするものが存在する。これはユーザ毎にURLリストを用意し、URL単位でのフィルタリングを実現したものではない。また、規制対象へのアクセス時に保護者の許可を得ることでサイト閲覧を可能とする方法が考えられるが、保護者が対象サイトの内容をよく理解することなく閲覧の許可を与える問題がある。
【0009】
【特許文献1】特開2005−107831号公報
【特許文献2】特開2004−362031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、本願発明の第1の目的は、ユーザ毎にURLリストを用意し、URL単位でのフィルタリングを行うことで、柔軟なフィルタリング設定可能なフィルタリングシステムを提供することにある。
【0011】
また、本願発明の第2の目的は、被保護者が規制対象サイトへアクセスした時点で保護者の許可を得ることでサイト閲覧を可能とし、これによりリアルタイムなアクセス規制の設定変更が可能なフィルタリングシステムを提供することにある。
【0012】
また、保護者の許可によりリアルタイムにフィルタの設定が可能となっても、保護者が作業的に許可を与えるようなシステムでは、フィルタリングの機能が十分に働かない。保護者は対象サイトの内容を確認することで閲覧許可を与えるか判断可能であるが、Webサービスに関しての知識が少ない保護者も多く、判断できないケースも有り得る。
【0013】
そこで、本願発明の第3の目的は、保護者に対して対象サイトへの全フィルタリングサービス加入者の年齢別フィルタリング設定状況等の判断材料を提供可能なフィルタリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は、URLフィルタリングシステムにおいて、例えばPC、携帯電話、PDA、モバイル端末等のWebアクセス可能な通信装置を有する端末からのWebアクセスを受信するプロキシ、ゲートウェイ等の中継機器および中継機器と通信を行うサーバ上に、アクセス規制手段、規制解除要求手段、フィルタ設定変更手段、サイト情報提供手段、フィルタ設定結果通知手段を設けたものである。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、例えばPC、携帯電話、PDA、モバイル端末等のWebアクセス可能な通信装置を有する端末装置のHTTPプロトコルによるTCP/IP通信でのWebサーバへのアクセスに対して、URLに基づいたアクセス規制行い、被保護者にふさわしくない情報の閲覧を防止するURLフィルタリングシステムが提供できる。また、被保護者が特定URLに対してのアクセス規制の解除要求を保護者に対して送ることができ、及び保護者がアクセス規制解除要求に対してフィルタリング設定変更を可能とするURLフィルタリングシステムを実現できる。
【0016】
更に、保護者がフィルタリングの解除要求を受け、フィルタリングの設定変更を行う際の判断材料として、対象サイトのURLに関する年齢/性別毎のアクセス規制の割合等を提供可能とするURLフィルタリングシステムを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
WebサーバへのアクセスはHTTPプロトコルによるTCP/IP通信であり、上記アクセス規制手段はフィルタリング処理部で実現され、通信リクエスト中のURL情報に基づいてアクセス規制(フィルタ設定)を実施する。URLフィルタリングシステムはユーザ情報、URLをカテゴリ分類したURLカテゴリ情報、各ユーザの各カテゴリに対するアクセス可否情報をデータベース(DB)に保持することで、カテゴリ単位のアクセス規制を実現する。また他に、各ユーザのアクセスを許可するURLホワイトリスト情報をデータベースDBに保持することでURL単位でのアクセス規制を実現する。これらカテゴリ単位およびURL単位でのアクセス規制を組み合わせることで前記課題である柔軟なフィルタリング設定が達成される。
【0018】
上記規制解除要求手段は、フィルタリング処理部とメール通知処理部の組み合わせで実現され、サイトへのアクセスが拒否された場合、被保護者の端末からHTTPプロトコルによるTCP/IP通信である対象サイトへの規制解除要求を受け取り、保護者の端末にメールにより規制解除要求の内容を伝える。保護者は規制解除要求に対して対象サイトのURLのフィルタ設定を変更しアクセス許可を与えるかを判断する。
【0019】
上記対象前記フィルタ設定変更手段は、フィルタ設定処理部で実現され、保護者の端末からHTTPプロトコルによるTCP/IP通信であるフィルタ設定要求を受け取り、フィルタの設定変更を行う。
【0020】
上記フィルタ設定結果通知手段は、メール通知処理部で実現され、保護者によるフィルタの設定変更結果を被保護者の端末にメールにより通知する。これらの規制解除要求手段、フィルタ設定変更手段、フィルタ設定結果通知手段により、前記課題であるリアルタイムな設定変更可能なフィルタリングシステムが達成される。
【0021】
上記サイト情報提供手段は、サイト情報生成処理部で実現され、URLフィルタリングシステムが保持するユーザ情報、URLをカテゴリ分類したURLカテゴリ情報、各ユーザの各カテゴリに対するアクセス可否情報、各ユーザのアクセス許可するURLホワイトリスト情報から、対象サイトのURLに関する年齢/性別毎のアクセス規制の割合等を生成し、保護者に提供することで、前記課題である判断材料を提供可能なフィルタリングシステムが達成される。
【実施例】
【0022】
以下、本願発明の実施例について図面を参照して説明する。 図1は本願発明のフィルタリングシステムの概要を示す概要図である。
【0023】
本願発明のURLフィルタリングシステムは、例えばPC、携帯電話、PDA、モバイル端末等のWebアクセス可能な通信装置を有する端末装置(被保護者)102および端末装置(保護者)103がインターネット等のネットワーク上のWebサーバ104に対して、HTTPプロトコルによるTCP/IP通信でのアクセスを行う環境での通信経路上に存在するプロキシ、ゲートウェイ等の中継機器および中継機器と通信を行うサーバであるフィルタリングサーバ101上で実現される。
【0024】
フィルタリングサーバ101は、ユーザ情報、URLをカテゴリ分類したURLカテゴリ情報、各ユーザの各カテゴリに対するアクセス可否情報、各ユーザのアクセス許可するURLホワイトリスト情報を保持したデータベース(DB)を持ち、端末装置102(被保護者用)および端末装置103(保護者用)からのHTTPプロトコルによるTCP/IP通信に対してこれらの情報を適宜参照し、端末装置102(被保護者用)および端末装置103(保護者用)への通信応答、Webサーバ104への通信、端末装置102(被保護者用)および端末装置103(保護者用)へのメール送信等の処理を行う。
【0025】
以下、フィルタリングサーバの構成図を用いて、本願発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】
図2は本願発明の実施の一例を示すフィルタリングサーバの構成図である。同図において、フィルタリングサーバ101、端末装置102(被保護者用)、端末装置103(保護者用)、Webサーバ104は図1と同じものである。
【0027】
フィルタリングサーバ101は、本願発明でのURLフィルタリングシステムを実現するフィルタリング処理部201、フィルタ設定処理部202、サイト情報生成処理部203、メール通知処理部204を有している。フィルタリング処理部201は、端末装置からWebサーバへのアクセスを規制するアクセス規制手段を含んでいる。またフィルタリング処理部201は、メール通知処理部294と連携して規制解除要求手段を構成する。フィルタ設定処理部202は、フィルタ設定を変更するフィルタ設定変更手段を含んでいる。サイト情報生成処理部203は、サイト情報を端末装置(保護者用)の利用者に提供するサイト情報提供手段を含んでいる。メール通知処理部204は、フィルタ設定結果を端末装置(保護者用)の利用者に通知するフィルタ設定結果手段を構成している。これらの処理部はハードディスク(図示せず)に格納されたプログラムを実行することでサーバ上に実現される。
【0028】
また、フィルタリングサーバ101は、上記各処理部で参照する情報を格納したユーザ情報管理データベース(DB)205、URLカテゴリ管理データベース(DB)206、フィルタ情報管理データベース(DB)207、URLホワイトリスト管理データベース(DB)208を有する。ユーザ情報管理DB205は、URLフィルタリングサービスに加入したユーザ情報を管理する。
【0029】
図3はユーザ情報管理DB205の構成例である。同図において、ユーザID部301、ユーザ名部302、メールアドレス部303、保護者のメールアドレス部304、性別部305、年齢部306、サービス期間部307の項目を設定している。ユーザID部301には、サービス加入ユーザを一意に識別できるIDが格納される。ユーザ名部302には、ユーザの名前が特定できる情報が格納される。メールアドレス部303には、ユーザのメールアドレスが格納される。保護者のメールアドレス部304には、ユーザの保護者のメールアドレスが格納される。性別部305には、ユーザの性別が格納される。年齢部306には、ユーザの年齢が格納される。サービス期間部307には、フィルタリングサービスの利用期間、例えばサービス終了日が格納される。
【0030】
URLカテゴリ管理DB206は、URLをカテゴリ分類した情報を管理する。
【0031】
図4はURLカテゴリ管理DB206の構成例である。同図において、URL部401、カテゴリ部402、有効期限部403の項目を設定している。URL部401には、カテゴリ分類されるURLが格納される。カテゴリ部402にはURLが分類されたカテゴリが格納される。有効期限部403には、URLとカテゴリの紐付けの有効期限が格納される。
【0032】
フィルタ情報管理DB207は、各ユーザの各カテゴリに対するアクセス可否情報を管理する。
【0033】
図5はフィルタ情報管理DB207の構成例である。同図において、ユーザID部0501、各カテゴリ名部502の項目を設定している。ユーザID部501には、サービス加入ユーザを一意に識別できるIDを格納される。各カテゴリ名部502には、ユーザのカテゴリに対するアクセス可否を格納される。例えば設定値0:アクセス可能、設定値1:アクセス拒否とする。
【0034】
URLホワイトリスト管理DB208は、各ユーザのアクセスを許可するURLホワイトリスト情報を管理する。アクセス拒否されるカテゴリに属するURLであってもホワイトリストに登録されていればアクセス可能とする。
【0035】
図6はURLホワイトリスト管理DB208の構成例である。同図において、ユーザID部601には、サービス加入ユーザを一意に識別できるIDを格納される。URL部602には、ユーザに対してアクセス許可するURLを格納する。登録日部603にはURLを登録した日を格納する。
【0036】
次に、URLフィルタリングサービス加入者が、本願発明でのURLフィルタリングシステムを利用するシーケンスの説明と、シーケンスの中でのURLフィルタリングシステムの処理の詳細について説明する。
【0037】
図7はアクセス規制サイトへのURLフィルタリングシステム利用のシーケンス図である。図8はアクセス許可サイトへのURLフィルタリングシステム利用のシーケンス図である。
【0038】
同図において、シーケンスS1は、端末装置(被保護者用)102からWebサーバ104へのHTTPプロトコルによるWebアクセスである。Webアクセスはフィルタリングサーバ101経由で行われ、フィルタリングサーバ101のフィルタリング処理部202でWebサーバ104へのアクセスを許可するかを判定する。この判定は以下のようになされる。
【0039】
図9はフィルタリング処理部202の処理手順を示すフローチャートものである。フィルタリング処理部202は、WebアクセスのリクエストURLを取得し、URLカテゴリ管理DB206のURL部401に一致する行を検索し、カテゴリ部402の設定値からリクエストURLがどのカテゴリに所属するかを判定する。URLとカテゴリの結び付けには有効期限を設け、有効期限部403の設定値が現在日時より前である場合は結び付けを無効とする。
【0040】
次に、フィルタ情報管理DB207を参照し、被保護者のユーザID部501を特定し、該当カテゴリへのアクセス可否を各カテゴリ名部502の項目の設定値を参照して判定する。被保護者のユーザID部501特定方法については、端末装置(被保護者用)102のIPからの特定等が考えられるがここでは割愛する。
【0041】
フィルタリング処理部202で、対象URLへのアクセスが可能と判定された場合は、Webサーバ104へWebアクセスのリクエストが転送される。
【0042】
次に、シーケンスS2はリクエストを受信したWebサーバ104から端末装置(被保護者用)102への応答である。フィルタリング処理部202で、対象URLへのアクセスが拒否された場合は、シーケンスS3のアクセス拒否応答を生成し、端末装置(被保護者用)102へ送信される。
【0043】
図13はフィルタリング処理部202で生成されるアクセス拒否応答(シーケンスS2)の応答画面の一例である。対象URLへのアクセス規制情報1301には、ユーザID1302、URL1303、規制理由1304が表示される。ユーザIDは特定した被保護者のユーザIDが設定される。URLにはリクエストのURLが設定される。規制理由には規制対象となったURLのカテゴリが表示される。画面下部分には解除理由記入テキストボックス1305および解除要求送信ボタン1306が設けられており、被保護者は理由記入した上で解除要求送信ボタン1306を押下することで、アクセス規制解除要求を送信可能である。解除要求内容には、フィルタリングサーバ101が管理するユーザ情報、フィルタ設定情報等により生成された、対象サイトに関する情報を付与し保護者が解除可否の判断に利用することが可能である。
【0044】
シーケンスS4は、端末装置(被保護者用)102からフィルタリングサーバ101へのアクセス規制解除要求である。アクセス規制解除要求はHTTPプロトコルによるTCP/IP通信であり、上記アクセス拒否応答で表示されたユーザID、URL、カテゴリ等の情報や入力された解除理由は、CGIパラメータ、HTTPヘッダ、リクエストボディ等に格納され送信される。
【0045】
図10はサイト情報生成処理部203の処理手順を示すフローチャートである。アクセス規制解除要求を受信したフィルタリングサーバ101は、サイト情報生成処理部203にてアクセス規制解除要求からURL情報を取得し、対象URLに対する全ユーザのフィルタリング設定情報を生成する。フィルタリング設定情報の生成方法については後に説明する。
【0046】
図12はメール通知処理部204の処理手順を示すフローチャートである。サイト情報生成処理部203での処理終了後、メール通知処理部204にて、アクセス規制解除要求通知メールを生成する。生成したメールは、ユーザ管理情報DB205の保護者のメールアドレス304から取得可能な端末装置(保護者)103のメールアドレス宛に送信される。
【0047】
シーケンスS5は、フィルタリングサーバ101から端末装置(保護者)103へのアクセス規制解除要求通知である。
【0048】
図14はアクセス規制解除要求通知メールの例である。ユーザ名部1401には、前記アクセス規制解除要求から取得したユーザIDをキーとしユーザ管理情報DB205のユーザ名部302を参照して取得した値を設定する。カテゴリ部1402には、アクセス規制解除要求から取得したカテゴリを設定する。解除要求理由部1403にはアクセス規制解除要求から取得した解除要求理由を設定する。サイトURL部1404には、アクセス規制解除要求から取得したURLが設定され、保護者がURLにアクセスすることでサイトの内容を確認することが可能である。サイト情報URL1405には、サイト情報生成処理部203で生成された前記フィルタリング設定情報を参照するためのURLが設定され、保護者がURLにアクセスすることでURLに対する全ユーザのフィルタリング設定情報を確認可能である。アクセス許可URL1406およびアクセス拒否URL1407は、フィルタリングサーバ101へアクセス規制の解除可否を伝えるためのURLである。
【0049】
次に、上記フィルタリング設定情報の生成方法について説明する。図15はサイト情報生成処理部203で生成されるフィルタリング設定情報の例である。フィルタリング設定情報の内容は、フィルタリング規制率(男子)1501、フィルタリング規制率(女子)1502、個別規制解除率(男子)1503、個別規制解除率(女子)1504で構成される。
【0050】
フィルタリング規制率(男子)1501は全男子ユーザ数内の対象URLへの規制対象となっているユーザ数の割合を年齢別に示しており、ユーザ管理情報DB205の性別部305、年齢部306からの男子の年齢別ユーザ数の算出と、フィルタ情報管理DB0207を参照し対象URLのカテゴリに対しての規制ユーザ数の算出から、割合が算出される。URLの属するカテゴリは、アクセス規制解除要求に付与されたパラメータとして取得する。フィルタリング規制率(女子)1502についても同様な方法で算出される。
【0051】
個別規制解除率(男子)1503は対象URLへの規制ユーザ数内の前記アクセス規制解除要求による規制解除を行ったユーザ数を示しており、フィルタリング規制率(男子)1501で算出した年齢別規制ユーザ数と、URLホワイトリスト管理DB208からの対象URLへの規制解除ユーザ数の算出から、割合が算出される。個別規制解除率(女子)1504についても同様な方法で算出される。
【0052】
シーケンスS6は、端末装置(保護者用)103からフィルタリングサーバ101へのフィルタ設定要求である。アクセス規制解除要求はHTTPプロトコルによるTCP/IP通信であり、前記アクセス許可URL1406およびアクセス拒否URL1407へのアクセスにより送信される。アクセス規制解除要求のCGIパラメータには、ユーザIDおよび対象URLの情報を暗号化または一意に特定できる文字列の形で付与する。
【0053】
図11はフィルタ設定処理部202の処理手順を示すフローチャートである。アクセス規制解除要求のURLがアクセス許可URL1006の場合、フィルタリングサーバ0101は、フィルタ設定解除のフィルタ設定処理部202で、URLホワイトリスト管理DB208に、アクセス規制解除要求から取得したユーザIDおよびURLを登録することで、ユーザに対するアクセス規制を解除する。
図12はメール通知処理部204の処理手順を示すフローチャートである。フィルタ設定処理部202での処理終了後、メール通知処理部204にて、フィルタ設定結果通知のメールを生成する。生成したメールは、ユーザ管理情報DB205のメールアドレス303から取得可能な端末装置(被保護者用)102のメールアドレス宛に送信される。
【0054】
シーケンスS7は、フィルタリングサーバ101から端末装置(被保護者用)102へのフィルタ設定結果通知である。被保護者は通知により保護者がアクセス規制の解除を許可したかを知ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
不特定多数のユーザへの情報公開を行うネットワーク上のサイト閲覧を条件によって規制するフィルタリングサービスにおいて、一時的な規制の解除手段および規制対象となっているサイトに関しての情報を生成、提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の概要を示す概要図である。
【図2】本発明の実施の一例を示す構成図である。
【図3】本発明の構成要素であるユーザ情報管理DBの構成例である。
【図4】本発明の構成要素であるURLカテゴリ管理DBの構成例である。
【図5】本発明の構成要素であるフィルタリング情報管理DBの構成例である。
【図6】本発明の構成要素であるURLホワイトリスト管理DBの構成例である。
【図7】本発明のシステム動作を説明するための、アクセス禁止サイトへのアクセスを行った場合のシーケンス図である。
【図8】本発明のシステム動作を説明するための、アクセス許可サイトへのアクセスを行った場合のシーケンス図である。
【図9】本発明の構成要素であるフィルタリング処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の構成要素であるサイト情報生成処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の構成要素であるフィルタ設定処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の構成要素であるメール通知処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明のシステムで生成するアクセス拒否応答画面例である。
【図14】本発明のシステムで生成するアクセス規制解除要求通知例である。
【図15】本発明のシステムで生成するフィルタリング設定情報例である。
【符号の説明】
【0057】
101:フィルタリングサーバ
102:端末装置(被保護者)
103:端末装置(保護者)
104:Webサーバ
201:フィルタリング処理部
202:フィルタ設定処理部
203:サイト情報生成処理部
204:メール通知処理部
205:ユーザ管理情報DB
206:URLカテゴリ管理DB
207:フィルタ情報管理DB
208:URLホワイトリスト管理DB
S1:Webアクセス
S2:Webアクセス応答
S3:アクセス拒否応答
S4:アクセス規制解除要求
S5:アクセス規制解除要求通知
S6:フィルタ設定要求
S7:フィルタ設定結果通知
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被保護者および保護者用不特定多数の端末装置と、Webサーバと、上記端末装置から上記Webサーバへのアクセスを規制するフィルタリングサーバと、上記端末装置、上記Webサーバ、上記フィルタリングサーバを結合するネットワークからなるURLフィルタリングシステムにおいて、
上記フィルタリングサーバは、上記不特定多数の端末装置からアクセス可能であるネットワーク上の上記Webサーバのサイトへの被保護者によるアクセスを規制するアクセス規制手段と、規制対象サイトへのアクセス時にアクセス規制の解除要求を上記保護者用端末装置に送る規制解除要求手段と、上記解除要求に対して上記保護者用端末装置から上記アクセス規制内容を設定するフィルタ設定を変更するフィルタ設定変更手段と、上記規制対象サイトに関する情報を上記保護者用端末装置に提供するサイト情報提供手段と、上記フィルタ設定変更手段の結果を上記保護者用端末装置に通知するフィルタ設定結果通知手段を有することを特徴とするURLフィルタリングシステム。
【請求項2】
上記端末装置がPC、携帯電話、PDA、モバイル端末等のWebアクセス可能な通信装置およびWebサイト閲覧可能なブラウザを有する端末装置であり、プロキシ、ゲートウェイ等の中継機器を介して前記Webサーバへアクセスする、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項3】
上記アクセス規制手段、上記規制解除要求手段、上記フィルタ設定変更手段、上記サイト情報提供手段、上記フィルタ設定結果通知手段とをプロキシ、ゲートウェイ等の中継機器および中継機器と通信を行う上記フィルタリングサーバ上で実現する、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項4】
上記アクセス規制手段が、上記WebサイトのURL毎にアクセス規制を行い、ユーザ情報およびURLをカテゴリ分類したカテゴリ情報、各ユーザの各カテゴリに対してのアクセス可否情報を保持し、カテゴリ単位でのアクセス規制可能とする、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項5】
上記アクセス規制手段が、請求項4のカテゴリ単位によるアクセス規制に加え、各ユーザのアクセス許可するURLホワイトリスト情報を保持し、アクセス規制対象のカテゴリであってもURLホワイトリストに登録することで、上記Webサイトへのアクセスを可能とする、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項6】
上記サイト情報提供手段が、上記サイトのURL、カテゴリ等の情報に加え、該当サイトに対する年齢/性別毎のアクセス規制の割合等、保護者がアクセス規制の設定を行う上での判断材料を提供可能とする、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項7】
上記端末装置が、上記Webサーバとの通信にHTTPプロトコルによるTCP/IP通信を用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項8】
上記規制解除要求手段が、被保護者の端末装置からの規制解除要求にHTTPプロトコルによるTCP/IP通信を用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項9】
上記フィルタ設定変更手段が、保護者の端末装置からのフィルタ設定変更の要求にHTTPプロトコルによるTCP/IP通信を用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項10】
上記規制解除要求手段が、保護者の端末装置に対して解除要求を送信する手段としてメールを用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項11】
上記フィルタ設定結果通知手段が、被保護者の端末装置に対してフィルタの設定変更結果を送信する手段としてメールを用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項1】
被保護者および保護者用不特定多数の端末装置と、Webサーバと、上記端末装置から上記Webサーバへのアクセスを規制するフィルタリングサーバと、上記端末装置、上記Webサーバ、上記フィルタリングサーバを結合するネットワークからなるURLフィルタリングシステムにおいて、
上記フィルタリングサーバは、上記不特定多数の端末装置からアクセス可能であるネットワーク上の上記Webサーバのサイトへの被保護者によるアクセスを規制するアクセス規制手段と、規制対象サイトへのアクセス時にアクセス規制の解除要求を上記保護者用端末装置に送る規制解除要求手段と、上記解除要求に対して上記保護者用端末装置から上記アクセス規制内容を設定するフィルタ設定を変更するフィルタ設定変更手段と、上記規制対象サイトに関する情報を上記保護者用端末装置に提供するサイト情報提供手段と、上記フィルタ設定変更手段の結果を上記保護者用端末装置に通知するフィルタ設定結果通知手段を有することを特徴とするURLフィルタリングシステム。
【請求項2】
上記端末装置がPC、携帯電話、PDA、モバイル端末等のWebアクセス可能な通信装置およびWebサイト閲覧可能なブラウザを有する端末装置であり、プロキシ、ゲートウェイ等の中継機器を介して前記Webサーバへアクセスする、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項3】
上記アクセス規制手段、上記規制解除要求手段、上記フィルタ設定変更手段、上記サイト情報提供手段、上記フィルタ設定結果通知手段とをプロキシ、ゲートウェイ等の中継機器および中継機器と通信を行う上記フィルタリングサーバ上で実現する、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項4】
上記アクセス規制手段が、上記WebサイトのURL毎にアクセス規制を行い、ユーザ情報およびURLをカテゴリ分類したカテゴリ情報、各ユーザの各カテゴリに対してのアクセス可否情報を保持し、カテゴリ単位でのアクセス規制可能とする、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項5】
上記アクセス規制手段が、請求項4のカテゴリ単位によるアクセス規制に加え、各ユーザのアクセス許可するURLホワイトリスト情報を保持し、アクセス規制対象のカテゴリであってもURLホワイトリストに登録することで、上記Webサイトへのアクセスを可能とする、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項6】
上記サイト情報提供手段が、上記サイトのURL、カテゴリ等の情報に加え、該当サイトに対する年齢/性別毎のアクセス規制の割合等、保護者がアクセス規制の設定を行う上での判断材料を提供可能とする、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項7】
上記端末装置が、上記Webサーバとの通信にHTTPプロトコルによるTCP/IP通信を用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項8】
上記規制解除要求手段が、被保護者の端末装置からの規制解除要求にHTTPプロトコルによるTCP/IP通信を用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項9】
上記フィルタ設定変更手段が、保護者の端末装置からのフィルタ設定変更の要求にHTTPプロトコルによるTCP/IP通信を用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項10】
上記規制解除要求手段が、保護者の端末装置に対して解除要求を送信する手段としてメールを用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【請求項11】
上記フィルタ設定結果通知手段が、被保護者の端末装置に対してフィルタの設定変更結果を送信する手段としてメールを用いる、請求項1に記載のURLフィルタリングシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−117874(P2010−117874A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290476(P2008−290476)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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