説明

UV光からポリマーを防護するための方法及び組成物

【課題】押出もしくは成形品または二軸延伸テープもしくはフィルムのようなポリマー製品及びUV光への暴露による分解からそのようなポリマー製品を防護するために該製品を安定化する方法を提供する。
【解決手段】重合物質を、約50〜約5,000ppmの少なくとも1つのオルトヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤及び少なくとも約500の分子量を有する約500ppm〜約1.25%の少なくとも1つのオリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALS[ここで、HALS:トリアジン吸光剤の重量比は約3:1〜約20:1である]とブレンドして安定化ポリマー組成物を生成せしめ、そして安定化ポリマー組成物から押出もしくは成形品または二軸延伸テープもしくはフィルムを成形することにより製品を形成せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外輻射または紫外線(「UV光」)から重合物質を防護する組成物及び方法に関する。特に、本発明は、少なくとも1つのオルト−ヒドロキシトリス−アリール−トリアジンUV光吸収剤及び少なくとも1つのオリゴマー状、ポリマー状または高分子量ヒンダードアミン光安定剤(「HALS」)の相乗的組み合わせを含んでなるポリマー製品に関する。
【背景技術】
【0002】
特に日光からのUV光または輻射がポリマーの分解を引き起こす可能性があることはよく知られている。しばしば、これは成形品(molded article)、ポリマーフィルム、テープ、被覆等の形態であってもよいポリマーの脆化または黄変をもたらす。しかしながら、そのような製品中または上に紫外線安定剤及び紫外線吸収剤を混和することによりこの分解を抑制することができる。
【0003】
重合物質を安定化するために、HALS及びUV光吸収剤(「UVA」)の個々の及び組み合わせた両方の使用が当該技術分野において一般に知られている。特に、重合物質を安定化するため及びUV光への暴露からそのような物質の分解を防ぐためにベンゾトリアゾール及びベンゾフェノンのようなUV光吸収剤が最初に用いられた。その後、UV光にさらされた場合に重合物質中で形成された遊離基を捕捉するHALSがUV光吸収剤より有効であることが見いだされ、従って、現在、UV光吸収剤は大部分の通常の用途において少なくとも1つのHALSと組み合わせて用いられる。
【0004】
特許文献1は、50ミクロン以下の厚さの着色繊維を開示しており、ここで、この顔料はHALS及びUV光吸収剤の相乗的混合物で安定化される。この出願は、繊維中の顔料を安定化するのに有効なHALS及びUV光吸収剤の両者の量が0.05〜5重量%であることを開示しているが、HALSの量をUV光吸収剤の量より増やした場合にいかなる著しい改善も示さない実施例を提供している。
【0005】
特許文献2は、少なくとも1つの2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール及び少なくとも1つの2−ヒドロキシフェニルトリアジンまたは2−ヒドロキシベンゾフェノンを含有する紫外線吸収剤の混合物を0.01〜5重量%含み、ここで、それらのUV光吸収剤が3:1〜1:3のモル比で存在する被覆組成物を開示している。場合により、この被覆組成物は2,2,6,6−テトラメチルピペリジンのようなポリアルキルピペリジンHALSの誘導体を含有してもよい。多数のそのようなポリアルキルピペリジン誘導体が特許文献2に開示されているが、クレームされた組成物において有用なHALSの量は開示されておらず、またいずれの実施例もHALSを含有する組成物を具体的に開示していない。全ての実施例は、キセノンウェザロメーターへの1,000〜2,000時間の暴露後またはフロリダの日光への約1年の期間の暴露後にいくらかの分解を示す。
【0006】
特許文献3は、光、湿気及び酸素の作用に対してポリマーフィルム、被覆または成形品を安定化する方法を開示している。この方法は、HALS及びトリス−アリール−2−トリアジンUV光吸収剤をポリマー中に導入することを含んでなる。好ましくは、HALSが2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン化合物、塩または金属錯体であり、そしてUV光吸収剤が式
【0007】
【化1】

【0008】
式中、
X、Y及びZは各々芳香族炭素環式基であり、そしてそれらの芳香族基の少なくとも一つはトリアジン環への結合点に対しオルトにヒドロキシ基を有し、R1〜R9の各々は水素、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、スルホ、カルボキシ、ハロ、ハロアルキルまたはアシルアミノである、
のトリス−アリール−2−トリアジンである。UV光吸収剤及びHALSの各々は約0.01〜約5重量%の量で用いられるが、等量のUV光吸収剤及びHALSを有する配合物のみが例示されている。それらの組成物は重合物質を安定化することにおいて有効であり、それは約1,000〜約2,400時間のUV光への暴露後まで光沢を失うかまたは黄変し始めない。
【0009】
Hardyへの特許文献4は、光安定剤としての使用のためのオリゴマーを開示している。開示されたオリゴマーHALSを含有するポリマーフィルムは、ポリプロピレンのような重合物質の防護を与えるが、約1,700時間のUV光への暴露後に脆くなった。
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開EP 0 704 560号明細書
【特許文献2】欧州特許第EP 0 453 396号明細書
【特許文献3】米国特許第4,619,956号明細書
【特許文献4】米国特許第4,331,586号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、重合物質を安定化し、そして長期間のUV光への暴露からの防護を与える組成物及びそれらの使用方法が依然として必要とされている。本発明はそのような方法及び組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の要約
本発明は、成形品、押出品並びに二軸延伸テープ及びフィルムのようなポリマー製品に関し、ここで、該製品は重合物質、約50〜約5,000ppmの少なくとも1つのオルトヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤及び約500ppm〜約1.25%の少なくとも約500の分子量を有する少なくとも1つのオリゴマー状、ポリマー状または高分子量HALSを含んでなり、ここで、HALS:トリアジンの重量比は約3:1〜約20:1、好ましくは約5:1〜約10:1、最も好ましくは約6:1〜約7.5:1である。好ましくは、ポリマー製品が約1mm以上の厚さを有する成形または押出品である。
【0013】
本発明において有用なHALSは、式(I)
【0014】
【化2】

【0015】
式中、
Rはモルホリノ、C1−C8アルキルアミン、ジ(C1−C8)アルキルアミン、ピロリジルまたはシクロヘキシルアミンであり、
X及びX1は同一もしくは異なり、水素、C1−C20アルキルまたは式(II)
【0016】
【化3】

【0017】
の基であり、ここで、R1は水素、C2−C3ヒドロキシアルキル、C1−C8アルキル、ヒドロキシルまたはオキシルを表し;R2は水素、C1−C8アルキルまたはベンジルを表し;R3及びR4は同一もしくは異なり、C1−C8アルキル、ベンジルもしくはフェネチルであるか、またはC5−C10シクロアルキルを形成し;
Zは直鎖状もしくは分枝鎖状のC2−C20アルキレンまたは少なくともオキシ、チオもしくは
【0018】
【化4】

【0019】
基[ここで、R5は水素、C1−C20アルキルまたは式(II)の基である]により中断された直鎖状もしくは分枝鎖状のC2−C20アルキレン鎖、C5−C10シクロアルキレン、
【0020】
【化5】

【0021】
6−C12アリーレンまたはC8−C14アラルキレンであり;
nは1より大きい整数であり;そして
Yはハロゲン原子、C1−C8アルキルアミン、ジ(C1−C8)アルキルアミン、ピロリジル、モルホリノ、シクロヘキシルアミンまたは
【0022】
【化6】

【0023】
であり、ここで、X、X1及びZは前記定義のとおりであり;ただし、X及びX1の少なくとも1つは式(II)のものである、
のオリゴマーを含む。最も好ましくは、X及びX1が同一もしくは異なり、式(II)のものであり、ここで、Rはモルホリノまたはオクチルアミンであり、R1はHまたはCH3
あり、R2はHであり、R3及びR4はCH3であり、ZはC612であり、そしてYはモルホリノ、オクチルアミンまたは
【0024】
【化7】

【0025】
であり、ここで、X、X1及びZは前記定義のとおりである。
【0026】
本発明において有用な他のHALSには、以下のものが包含されるが、これらに限定されるものではない:
1. ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、
2. 4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのコハク酸ジメチルポリマー、
3. 4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのコハク酸ジメチルポリマーならびにN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミン,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン及び2,4,4−トリメチル−2−ペンタミンとのポリマーのブレンド、
4. 1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N'”−[1,2−エタンジイルビス[[[(4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス[N’N”−ジブチル−N’,N”−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、
5. 1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N'”−[1,2−エタンジイルビス[[[(4,6−ビス[ブチル(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス[N’,N”−ジブチル−N’,N”−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、
6. 1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N'”−[1,2−エタンジイルビス[[[(4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス[N’,N”−ジブチル−N’,N”−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、
7. 2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン及び2,4,4−トリメチル−1,2−ペンタミンとのN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミンポリマー、
8. ポリ−メチルプロピル−3−オキシ−(4−(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル)シロキサン、
9. ポリ−メチルプロピル−3−オキシ−(4−(1,2,2,6,6−ペンタメチル)ピペリジニル)シロキサン、
10. テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソ−ジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサンとエピクロロヒドリンとの反応のポリアルキル−1−オキサ−ジアザスピロデカン生成物、
11. 1,3−プロパンジアミン,N,N”−1,2−エタンジイルビス−,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン,N−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジンアミンとの反応生成物とのポリマー。
【0027】
典型的には、トリアジン吸光剤は式(III)
【0028】
【化8】

【0029】
式中、
A、B及びCは各々芳香族であり、A、B及びCのうち少なくとも1つはトリアジン環への結合点のオルトでヒドロキシ基で置換されており、そしてR1〜R9の各々は水素、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、スルホ、カルボキシ、ハロ、ハロアルキル及びアシルアミノよりなる群から選択される、
のものである。好ましくは、トリアジン吸光剤は式(IV)
【0030】
【化9】

【0031】
式中、
10、R11、R12及びR13は同一もしくは異なり、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、スルホ(sulfonic)、カルボキシ、ハロ、ハロアルキル及びアシルアミノよりなる群から個々に選択され、そしてR14は水素またはC1〜C18アルキルである、
のものである。最も好ましくは、R10、R11、R12及びR13はHまたはCH3であり、そしてR14は水素、C613またはC817である。
【0032】
他の有用なトリアジン吸光剤は、
2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール、
2−(4−((2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)−オキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−((2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)−オキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−((2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)−オキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び
2−(4−((2−ヒドロキシ−3−イソオクチルオキシプロピル)−オキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
並びにそれらのブレンド
を包含するが、それらに限定されるものではない。
【0033】
光安定化ポリマー製品をポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリケトン、ポリアミド、天然及び合成ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリスチレン、ABS、SAN(スチレンアクリロニトリル)、ASA(アクリレートスチレンアクリロニトリル)、酢酸酪酸セルロース、セルロースポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニルスルフィド、PPO、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリケトン、脂肪族ポリケトン、熱可塑性TPU、アミノ樹脂架橋したポリアクリル酸エステルまたはポリエステル、ポリイソシアネート架橋したポリエステルまたはポリアクリル酸エステル、フェノール/ホルムアルデヒド、尿素/ホルムアルデヒドまたはメラミン/ホルムアルデヒド樹脂、乾性または非乾性アルキド樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂で架橋したアクリル酸樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、カルバメート、またはエポキシ樹脂、無水物またはアミンで架橋された、脂肪族、脂環式、複素環式または芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋したエポキシ樹脂、ポリシロキサン、マイケル付加ポリマー、アミン、活性化した不飽和またはメチレン化合物とのブロックアミン、活性化した不飽和またはメチレン化合物とのケチミン、不飽和のアクリル酸ポリアセト酢酸樹脂と組み合わせたポリケチミン、不飽和のアクリル酸樹脂と組み合わせたポリケチミン、放射線硬化性組成物、エポキシメラミン樹脂、有機染料、化粧品、セルロースに基づく紙配合物、写真フィルム紙、インク並びにそれらのブレンドのいずれかのような重合物質から生成せしめることができる。
【0034】
好ましくは、光安定化ポリマー製品はポリオレフィンホモポリマー、コポリマーまたはターポリマー、より好ましくは、ポリエチレンまたはポリプロピレンのホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーから形成され、ここで、ポリエチレンまたはポリプロピレンは少なくとも1つの単一部位触媒(single site catalyst)、少なくとも1つのチーグラー−ナッタ触媒、またはチーグラー−ナッタ触媒と少なくとも1つの単一部位触媒の両方の存在下での重合の生成物である。
【0035】
本発明の製品を生成せしめるために用いることができる他の有用な重合物質には、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール及びポリウレタンが包含されるが、それらに限定されるものではない。
【0036】
本発明はまた、少なくとも1つのオルトヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤及び少なくとも約500の分子量を有する少なくとも1つのオリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALSを含んでなり、ここで、HALS:トリアジン吸光剤の重量比が上に記述したように約3:1〜約20:1である光安定化添加剤組成物、並びに約30〜約98重量%、好ましくは約50〜約95重量%のポリマー樹脂、少なくとも1つのオルトヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤及び少なくとも約500の分子量を有する少な
くとも1つのオリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALSを含んでなり、ここで、HALS:トリアジン吸光剤の重量比が約3:1〜約20:1である光安定化添加剤濃縮物にも関し、ここで該濃縮物はペレット、粒(prill)または錠剤(pastille)の形態であることができる。吸光剤及びHALSの溶液の噴霧、溶融配合、押出により、または物理的圧縮により添加剤組成物を生成せしめることができる。
【0037】
本発明はさらに安定化ポリマー製品を生成せしめる方法に関する。該方法は、重合物質を、約50〜5,000ppmの少なくとも1つのオルトヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤及び約500ppm〜約1.25%の少なくとも500の分子量を有する少なくとも1つのオリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALSとブレンドし、ここで、HALS:トリアジン吸光剤の重量比が約3:1〜約20:1である、安定化ポリマー組成物を生成せしめ、そして安定化ポリマー組成物から押出もしくは成形品または二軸延伸テープもしくはフィルムを生成せしめることを含んでなる。
【0038】
発明の詳細な記述
本発明は、UV光、特に約290〜約350nmの波長を有するUV光への暴露による分解を防ぐための、成形もしくは押出品、二軸延伸テープ及びフィルム並びに被覆のような重合物質を安定化するための組成物に関する。約50〜約5,000ppm(百万分率)のオルトヒドロキシトリス−アリールトリアジン及び約500ppm〜約1.25%のオリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALSを約3:1〜約20:1、好ましくは約5:1〜約10:1、最も好ましくは約6:1〜約7.5:1のHALS:トリアジンの重量比で重合物質とブレンドすると、意外にも、HALS、UV光吸収剤またはそれらの組み合わせを含有するあらゆる先行技術の光安定剤組成物によりもたらされるより実質的に長い期間UV光への暴露から重合物質が防護されることが見いだされた。
【0039】
好ましくは、オリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALSは約500より大きい、好ましくは約1,000より大きい分子量を有する。適当なHALSは米国特許第4,331,586号に開示された型のオリゴマーであり、その内容は全部本明細書に組み込まれる。
【0040】
本発明において有用なHALSは、式(I)
【0041】
【化10】

【0042】
式中、
Rはモルホリノ、C1−C8アルキルアミン、ジ(C1−C8)アルキルアミン、ピロリジルまたはシクロヘキシルアミノであり、好ましくはモルホリノまたはオクチルアミンであり、
X及びX1は同一もしくは異なり、水素、C1−C20アルキルまたは基(II)
【0043】
【化11】

【0044】
を表し、ここで、R1は水素、C2−C3ヒドロキシアルキル、C1−C8アルキル、ヒドロキシルまたはオキシルを表し;R2は水素、C1−C8アルキルまたはベンジルを表し;R3及びR4は同一もしくは異なり、C1−C8アルキル、ベンジルもしくはフェネチルを表すか、またはそれらが結合している炭素と一緒になってC5−C10シクロアルキルを形成し;
Zはアルカリン鎖がオキシ、チオまたは
【0045】
【化12】

【0046】
基[ここで、R5は水素、C1−C20アルキルまたは基(II)を表す]により中断されていてもよい直鎖状または分枝鎖状のC2−C20アルキレン、C5−C10シクロアルキレン、
【0047】
【化13】

【0048】
6−C12アリーレンまたはC8−C14アラルキレンを表し;
nは1より大きい整数であり;そして
Yはハロゲン原子、C1−C8アルキルアミン、ジ(C1−C8)アルキルアミン、ピロリジル、モルホリノまたは
【0049】
【化14】

【0050】
を表し、ここで、X、X1及びZは前記定義のとおりであり;ただし、式(II)の少なくとも1つのピペリジニル部分が反復単位に存在する、
のオリゴマーを包含するが、それらに限定されるものではない。
【0051】
式(I)の好ましい組成物は、X及びX1の両方が式(II)の部分であるものである。式(I)の特に好ましい組成物は、X及びX1が2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジニルであり、そしてZがヘキサメチレンであるものである。
【0052】
UV光吸収剤として本発明において有用なオルトヒドロキシトリス−アリールトリアジンは、米国特許第4,619,956号に開示された型のものであり、その内容はその全部が本明細書に組み込まれる。一般に、本発明のトリアジン吸光剤は式(III)
【0053】
【化15】

【0054】
式中、
A、B及びCは各々芳香族であり、A、B及びCのうち少なくとも1つはトリアジン環への結合点のオルトでヒドロキシ基で置換されており、そしてR1〜R9の各々は水素、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、スルホ(sulfonic)、カルボキシ、ハロ、ハロアルキル及びアシルアミノよりなる群から選択される、
のものである。
【0055】
好ましくは、トリアジン吸光剤が式(IV)
【0056】
【化16】

【0057】
式中、
10、R11、R12及びR13はR1〜R9について前記したとおりであり、最も好ましくはHまたはCH3であり、そしてR14は水素またはC1〜C18アルキルであり、水素、C6アルキル及びC8アルキルが最も好ましい、
のものである。
【0058】
典型的には、製品を生成せしめるために使用する重合物質と約50〜約5,000ppmの本発明のトリアジン吸光剤及び約500ppm〜約1.25%の本発明のHALSとをブレンドすることにより成形もしくは押出品または二軸延伸テープもしくはフィルムのようなポリマー製品を本発明において安定化することができる。HALS:トリアジン吸
光剤の比率は、典型的には、約20:1〜約3:1、好ましくは約10:1〜約5:1、最も好ましくは約6:1〜約7.5:1である。理想的には、ポリオレフィンでは、この比率は重合物質の重量に基づいて、約7:1、すなわち、約2,000ppmのHALS及び約300ppmのトリアジンである。
【0059】
当該技術分野において既知のいずれかの方法により重合物質の加工中に本発明のHALS及びトリアジン吸光剤を個々に重合物質に加えることができるが、加工前にそれら2成分の混合物を生成せしめることができる。典型的には、本発明の添加剤組成物は本発明のHALS及びUV光吸収剤を含んでなるペレット、粒または錠剤状に成形される。HALS及びトリアジンを一緒に溶融し、混合物を押出し、それら2成分の溶液を一緒に噴霧して溶媒の蒸発時に混合物のペレットもしくは粒を形成せしめることによるか、または物理的圧縮によりこれを実施することができる。
【0060】
また、約2〜約70%、好ましくは約5〜約50%の添加剤組成物をポリマー樹脂を含んでなる残りと一緒に含有し、ここで、HALS:トリアジン吸光剤の比率が典型的には約20:1〜約3:1、好ましくは約10:1〜約5:1である濃縮物の形態で本発明の光安定化添加剤組成物を提供することもできる。
【0061】
成形品、フィルム等として、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン等のような熱可塑性基質を安定化するために本発明の光安定化添加剤組成物を用いることができる。好ましくは、熱可塑性基質はポリオレフィンである。
【0062】
本明細書において用いる場合、Apolyorefin@という用語には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のようなアルファオレフィンのホモポリマー;エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−ブテン、エチレン−ヘキセン及びエチレン−オクテンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンターポリマー等を包含するアルファオレフィンのコポリマーが包含される。好ましいポリオレフィンにはポリエチレン及びポリプロピレンが包含される。
【0063】
光の作用による分解を受けやすく、本発明の化合物を導入することにより特性が改善される他の有機材料には、ポリスチレン、天然及び合成ゴムが包含され;後者は例えばアクリロニトリル、ブタジエン及びスチレンのホモ−、コ−及びターポリマー並びにそれらのブレンドが含まれる。
【0064】
場合により、組成物は、酸化防止剤、補助光安定剤、可塑剤、難焼剤、静電防止剤及び滑り防止剤、増量剤、染料、顔料等のような他の添加剤、特にポリオレフィンにおいて有用な添加剤を含有してもよい。
【0065】
適当な酸化防止剤には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール;4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール);テトラキス[メチレン(3,5−ジtert−ブチル)4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート)]メタン;1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン;1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン;トリス(2,4−ジtert−ブチルフェニル)ホスファイト;ビス(2,4−ジt−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト;2[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2[[2,4,8,1
0−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エタンアミン;酸化ビス(牛脂アルキル)アミン;4,4’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェノール);2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール;2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール);オクタデシル2(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート等のようなヒンダードフェノール型のもの;チオジプロピオン酸ジラウリル及びチオジプロピオン酸ジステアリル等のようなチオジプロピオン酸のエステル;亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリノニル、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフェート、亜リン酸ジフェニルデシル等のような亜リン酸ヒドロカルビル;及びそれらの組み合わせが包含される。
【0066】
適当な補助光安定剤には、2−(2’−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2(2’−ヒドロキシ−3=−5=−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールのようなベンゾトリアゾール群のもの;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン;2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジ−メトキシベンゾフェノンのようなヒドロキシベンゾフェノン型のもの;n−ヘキサデシル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート及び−2’,4’−ジ−t−ブチルフェニル3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートのようなヒンダードフェノールエステル;2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノール)の金属錯体;ビス(4−t−オクチルフェニル)スルホンのニッケル錯体;ニッケルジブチルジチオカルバメート;4−ヒドロキシ−3,−ジーt−ブチルベンジルリン酸モノアルキルエステルのニッケル塩[ここで、アルキルはメチル、エチル、プロピル、ブチル等である];2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトンオキシム等のニッケル錯体が包含される。
【0067】
本発明を用いてUV光から防護できるポリマ製品は成形もしくは押出品、被覆、テープ及びフィルムを含むが、それらに限定されるものではない。それらの製品を押出、シート押出、射出成形、吹込成形、射出吹込成形、回転(rotational)または回転(roto−)成形、圧延、熱成形、圧縮成形、真空成形、加圧成形、反応射出成形及び当該技術分野において既知の他の同様の技術により形成せしめることができる。さらに、粉末被覆、押出被覆、電気被覆、噴霧、浸漬及び当該技術分野において既知の他の同様の技術により被覆を適用することができる。
【0068】
実施例
以下の非限定的な実施例は本発明の好ましい態様の単なる実例であり、本発明を限定すると解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求項により定義される。
【0069】
実施例1
試験サンプルを以下のようにして調製した:酸化防止剤、Irganox 1010(0.5g)、加工安定剤としてのホスファイト、Irgafos 168(1.0g)及びステアリン酸亜鉛(0.25g)をLLDPE(低密度ポリエチレン)及び表1に挙げたUV安定剤とドライブレンドした。得られた配合物を1.25インチ一軸スクリュー押出機で175ECで配合し、60ECの金型温度を用いて200ECで射出成形することにより引張試験片に転化した。引張試験片を散水を用いてAtlas Ci65 WOMにおいて暴露し、破断点伸びを時間の関数として測定した。破断点伸び%として与えられる結果を表1に示し、ここで、50%未満の伸びは破損とみなされる。
【0070】
【表1】

【0071】
1. N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミン,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン及び2,4,4−トリメチル−1,2−ペンタミンとのポリマー
2. 4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのコハク酸ジメチルポリマー
3. ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)][2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[2,2,6,6−テトラメチル)−4−ピペリジル]イミノ]
4. R10、R11、R12及びR13が全てメチルであり、そしてR14がC817である式(IV)の化合物
【0072】
データから明らかに分かるように、本発明により光安定化された組成物は先行技術の組成物よりはるかに優れており、16,000時間程度の長い間UV光からの防護を与え、その時点で該組成物はその最初の伸びの80%をなお維持した。それに反して、先行技術の組成物により光安定化された組成物の破断点伸びは4,000〜10,000時間のみのUV光暴露後に劇的に減少し始め、破損、すなわち、50%未満の破断点伸びが10,000〜16,000時間で起こる。
【0073】
実施例2
Susiへの米国特許第4,619,956号(「’956特許」)に開示された光安定化組成物がUV光への暴露時の分解から重合物質を防護する能力を本発明の組成物のものと比較した。’956特許はUV光への重合物質の長い暴露の影響を例示しており、ここで、重合物質の各サンプルは、式
【0074】
【化17】

【0075】
式中、
10、R11、R12及びR13はCH3であり、そしてR14はC8アルキルである、
のトリアジン吸光剤を含んでなる光安定化組成物及び市販されているHALS、すなわち、Tinuvin7 765、Tinuvin7 440、Tinuvin7 900及びSanduvor7 3050を等量含有する。8時間のUV光への暴露及びそれに続くUVなしの4時間の交互のサイクルにさらすと、重合物質のサンプルは1,200〜2,400時間の期間の後に光沢の顕著な減少及び黄色度の増加を示す。それに反して、本発明の組成物を含んでなる重合物質は少なくとも16,000時間有用な特性を保持し、等量のHALS及びトリアジンを含有する組成物に比較した場合に本発明の組成物が優れていることを明らかに示す。
【0076】
実施例3
ポリアミドを、約50〜約5,000ppmのオルト−ヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤及び少なくとも500の分子量を有する約500ppm〜約1.25%のオリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALS[ここで、HALS:トリアジン吸光剤の重量比は約3:1〜約20:1である]とブレンドすることにより光安定化したポリアミドは、先行技術の光安定剤組成物とブレンドしたポリアミドより著しく長い期間UV光に暴露した場合に有用な物理的特性を維持する。HALS:トリアジン吸光剤の重量比が約5:1〜約10:1である場合に良好な結果が得られる。
【0077】
実施例4
ポリエステルを、約50〜約5,000ppmのオルト−ヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤及び少なくとも500の分子量を有する約500ppm〜約1.25%のオリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALS[ここで、HALS:トリアジン吸光剤の重量比は約3:1〜約20:1である]とブレンドすることにより光安定化したポリエステルは、先行技術の光安定剤組成物とブレンドしたポリエステルより著しく長い期間UV光に暴露した場合に有用な物理的特性を維持する。HALS:トリアジン吸光剤の重量比が約5:1〜約10:1である場合に良好な結果が得られる。
【0078】
実施例5
ポリアセタールを、約50〜約5,000ppmのオルト−ヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤及び少なくとも500の分子量を有する約500ppm〜約1.25
%のオリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALS[ここで、HALS:トリアジン吸光剤の重量比は約3:1〜約20:1である]とブレンドすることにより光安定化したポリアセタールは、先行技術の光安定剤組成物とブレンドしたポリアセタールより著しく長い期間UV光に暴露した場合に有用な物理的特性を維持する。HALS:トリアジン吸光剤の重量比が約5:1〜約10:1である場合に良好な結果が得られる。
【0079】
実施例6
ポリウレタンを、約50〜約5,000ppmのオルト−ヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤及び少なくとも500の分子量を有する約500ppm〜約1.25%のオリゴマー、ポリマーまたは高分子量HALS[ここで、HALS:トリアジン吸光剤の重量比は約3:1〜約20:1である]とブレンドすることにより光安定化したポリウレタンは、先行技術の光安定剤組成物とブレンドしたポリウレタンより著しく長い期間UV光に暴露した場合に有用な物理的特性を維持する。HALS:トリアジン吸光剤の重量比が約5:1〜約10:1である場合に良好な結果が得られる。
【0080】
本明細書に開示した本発明は上に記載した目的を満たすために十分に適合することは明らかであるが、多数の改変及び態様が当業者により考案される可能性があることが認識される。従って、添付の請求項は、本発明の真の精神及び範囲内に入る全てのそのような改変及び態様を含むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフインホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーである重合物質、50〜5,000ppmの少なくとも1種のオルト−ヒドロキシトリス−アリールトリアジン吸光剤(トリアジン吸光剤)、及び500ppm〜1.25%の少なくとも500の分子量を有する少なくとも1種のオリゴマー状、ポリマー状または高分子量ヒンダードアミン光安定剤(HALS)を含んでなり、ここで、HALS:トリアジン吸光剤の重量比が3:1〜20:1であり、成形品(molded article)、押出品または二軸延伸テープもしくはフィルムであり、そしてHALSがオリゴマーまたはポリマーであるかまたは
ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、
1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N”’−[1,2−エタンジイルビス[[[(4,6−ビス[ブチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス[N’,N”−ジブチル−N’,N”−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、及び
1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン,N,N’”−[1,2−エタンジイルビス[[[(4,6−ビス[ブチル(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2−イル]イミノ]−3,1−プロパンジイル]]−ビス[N’,N”−ジブチル−N’,N”−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)
よりなる群から選ばれる
ポリマー製品。
【請求項2】
HALS:トリアジン吸光剤の比率が5:1〜10:1である請求項1のポリマー製品。
【請求項3】
HALS:トリアジン吸光剤の比率が6:1〜7.5:1の範囲内である請求項1のポリマー製品。
【請求項4】
HALSが式(I)
【化1】

式中、
Rはモルホリノ、C1−C8アルキルアミン、ジ(C1−C8)アルキルアミン、ピロリジルまたはシクロヘキシルアミンであり、
X及びX1は同一もしくは異なり、水素、C1−C20アルキルまたは式(II)
【化2】

の基であり、ここで、R1は水素、C2−C3ヒドロキシアルキル、C1−C8アルキル、ヒドロキシルまたはオキシルを表し;R2は水素、C1−C8アルキルまたはベンジルを表し;R3及びR4は同一もしくは異なり、C1−C8アルキル、ベンジルもしくはフェネチルであるか、またはC5−C10シクロアルキルを形成し;
Zは直鎖状もしくは分枝鎖状のC2−C20アルキレンまたは少なくともオキシ、チオもしくは
【化3】

基[ここで、R5は水素、C1−C20アルキルもしくは式(II)の基である]により中断された直鎖状もしくは分枝鎖状のC2−C20アルカレン鎖、C5−C10シクロアルキレン、
【化4】

6−C12アリーレンまたはC8−C14アラルキレンであり;
nは1より大きい整数であり;そして
Yはハロゲン原子、C1−C8アルキルアミン、ジ(C1−C8)アルキルアミン、ピロリジル、モルホリノ、シクロヘキシルアミンまたは
【化5】

であり、ここで、X、X1及びZは前記定義のとおりであり;ただし、X及びX1
の少なくとも1つは式(II)のものである、
のオリゴマーである請求項1〜3のいずれか1項のポリマー製品。
【請求項5】
X及びX1が同一もしくは異なり、式(II)のものであり、Rがモルホリノまたはオクチルアミンであり、R1がHまたはCH3であり、R2がHであり、R3及びR4がCH3であり、ZがC612であり、そしてYがモルホリノ、オクチルアミンまたは
【化6】

であり、ここで、X、X1及びZが前記定義のとおりである請求項4のポリマー
製品。
【請求項6】
HALSが、
コハク酸ジメチル,4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのポリマー;
コハク酸ジメチル,4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのポリマー、及び、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミン,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン,2,4,4−トリメチル−2−ペンタミンとの反応性生物とのポリマーのブレンド;
N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミン,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン,2,4,4−トリメチル−1,2−ペンタミンとの反応性生物とのポリマー;
ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−(2’,2’,6’,6’−テトラメチル−4’−ピペリジニル)]シロキサン;
ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−(1’,2’,2’,6’,6’−ペンタメチル−4’−ピペリジニル)]シロキサン;
2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソ−ジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン及びエピクロロヒドリンの反応生成物;並びに
1,3−プロパンジアミン,N,N”−1,2−エタンジイルビス−,2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン,N−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンとの反応生成物とのポリマー
よりなる群から選択される請求項1〜3のいずれか1項のポリマー製品。
【請求項7】
トリアジン吸光剤が式(III)
【化7】

式中、
A、B及びCは各々芳香族であり、A、B及びCの少なくとも1つはトリアジン環への結合点のオルトでヒドロキシ基で置換されており、そしてR1〜R9の各々は水素、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、スルホ(sulfonic)、カルボキシ、ハロ、ハロア
ルキル及びアシルアミノよりなる群から選択される、
のものである請求項1〜6のいずれか1項のポリマー製品。
【請求項8】
トリアジン吸光剤が式(IV)
【化8】

式中、
10、R11、R12及びR13は同一もしくは異なり、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、スルホ、カルボキシ、ハロ、ハロアルキル及びアシルアミノよりなる群から個々に選択され、そしてR14は水素またはC1〜C18アルキルである、
のものである請求項7のポリマー製品。
【請求項9】
10、R11、R12及びR13がHまたはCH3であり、そしてR14が水素、C613またはC817である請求項8のポリマー製品。
【請求項10】
トリアジン吸光剤が、
2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシル)オキシ−フェノール、
2−(4−((2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)−オキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−((2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)−オキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、及び
2−(4−((2−ヒドロキシ−3−イソオクチルオキシプロピル)−オキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン
よりなる群から選択される請求項7のポリマー製品。
【請求項11】
ポリマー製品が1mm以上の厚さを有する成形または押出品である請求項1〜10のいずれか1項のポリマー製品。
【請求項12】
重合物質がポリエチレンまたはポリプロピレンのホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーである請求項1〜11のいずれか1項のポリマー製品。
【請求項13】
ポリエチレンまたはポリプロピレンが少なくとも1種のチーグラー−ナッタ触媒の存在下での重合の生成物である請求項12のポリマー製品。
【請求項14】
ポリエチレンまたはポリプロピレンが少なくとも1種の単一部位触媒(single site catalyst)の存在下での重合の生成物である請求項12のポリマー製品。
【請求項15】
ポリエチレンまたはポリプロピレンがチーグラー−ナッタ触媒及び少なくとも1種の単一部位触媒の両方の存在下での重合の生成物である請求項12のポリマー製品。

【公開番号】特開2009−62549(P2009−62549A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283044(P2008−283044)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【分割の表示】特願2000−547154(P2000−547154)の分割
【原出願日】平成11年3月30日(1999.3.30)
【出願人】(594060532)サイテク・テクノロジー・コーポレーシヨン (36)
【Fターム(参考)】