説明

UV及び光保護フィルム

本発明は、紫外線及び短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも接触透明な単層フィルム又は多層フィルムに関し、場合により変性された少なくとも1つの熱可塑性オレフィンホモポリマー又はコポリマーに基づく層を少なくとも1つ含み、短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素と、紫外線を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの有機化合物又は無機化合物との組み合わせを含む。更に、紫外線及び短波長可視光の作用に対する保護フィルムとしての前記フィルムの使用、並びに外側ホースフィルムとしての前記多層フィルムと、内側多層プラスチックフィルムと、2つのホースフィルムの間にある含浸UV硬化性担体材料とを含む下水管ライニング系にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線及び短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも接触透明な単層フィルム又は多層フィルムに関し、更に、好ましくは下水管修復系で、紫外線及び短波長可視光の作用に対する保護フィルムとしてのその使用及び相当する下水管修復系に関し、このフィルムは、場合により変性された少なくとも1つの熱可塑性オレフィンホモポリマー又はコポリマーに基づく層を少なくとも1つ含み、かつ短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素と、紫外線を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの有機化合物又は無機化合物との組み合わせを含む。
【背景技術】
【0002】
紫外線に対して保護効果はあるが、なお不透明である保護フィルムが先行技術から知られている。
【0003】
しかしながら、多くの理由から、そのような保護フィルムは、透明な場合に有利である。例えば、食品包装の場合、紫外線の作用に対し保護するよう包装された物質を、購入者が外から観察できることが望ましい。EP1138479B1には、紫外線吸収顔料として、二酸化チタンを含有することにより、350nm未満までの波長の紫外線の作用に対して保護するような保護フィルムが記載されている。二酸化チタンは、保護フィルムの十分な透明性を確保するために、特に微細な分散形状で供給されねばならない。
【0004】
DE1002177A1には、熱可塑性物質からなる熱成形可能な透明フィルムが記載され、そのフィルムでは、有機化合物又は有機金属化合物を用いて、紫外線は380nm未満の波長までが完全に吸収される。
【0005】
WO00/27914には、紫外線を吸収する無機化合物と有機化合物の組み合せ、例えば、酸化亜鉛又は二酸化チタンとベンゾトリアゾールの化合物を有することで、280〜390nmの波長範囲の紫外線に対し保護効果のある透明な単層フィルム又は多層フィルムが記載される。
【0006】
紫外線に対して保護効果のある保護フィルムは、特に、いわゆる管ライニング工法による下水管及び下水管路の修復のために使用される。この方法によれば、まず、可撓管を準備し、これを修復すべきパイプ中に挿入する。この管は、異なる直径の管状フィルムを2つ含み、その間に、反応性合成樹脂が含浸された担体材料、好ましくはガラス繊維材料が収容されている。管を下水管の中に挿入し、吹き込みにより、下水管内で膨張させた後、修復すべき下水管の内壁面に安定な管を提供するために、2つの管状フィルムの間の合成樹脂を硬化させる必要がある。硬化は、紫外線に曝露することにより実施でき、その場合、紫外線の作用下に合成樹脂中の光開始剤で重合又は硬化プロセスを開始させる。修復すべき下水管への挿入前に、合成樹脂の望ましくない早期硬化が起こるのを防ぐために、管の外側管状フィルムは、紫外線の早期作用、従って早期の樹脂硬化を防止する保護層を含むか又はそれから構成されねばならない。他方、そのような修復管の内側管状フィルムは、吹き込みによる膨張後に硬化プロセスを可能にするために紫外線を透過させねばならない。管ライニング工法による下水管修復に使用される従来の多層管状フィルからなる管は、通常、紫外線の充分な吸収を示す。しかも、反応性合成樹脂中に含有される光開始剤は、より長い波長の放射線、例えば短波長可視光の作用下ですら活性化され得るので、特に保管の間の早期硬化のリスクを回避することも必要である。特に、このことは、不透明な管状フィルムを使用することで試みられている。
【0007】
しかしながら、このため、担体材料が、硬化性合成樹脂で均一に含浸されているかを確認できず、従って、不均一な含浸により修復下水管中に欠陥が生じるのを防止できない。
【0008】
その結果、少なくとも接触透明である保護フィルム、即ち不透明でないが、紫外線及び短波長可視光両方の作用を回避する保護フィルムに対する需要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の目的は、少なくとも接触透明であるが、それでも、紫外線及び短波長可視光の作用を防ぐ保護フィルムを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、本発明により、紫外線及び短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも接触透明な単層又は多層フィルムを提供することにより達成され、このフィルムは、少なくとも1つの場合により変性された熱可塑性オレフィンホモポリマー又はコポリマーに基づく層を少なくとも1つ含み、短波長可視光を吸収及び/又は反射する有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素を少なくとも1つと、紫外線を吸収及び/又は反射する有機化合物又は無機化合物を少なくとも1つとの組み合わせを含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明との関係における用語「接触透明な(contact transparent)」の意図する意味は、本発明によるフィルムは、担体材料が、硬化性合成樹脂で均一に含浸されているか確認するのに十分透明であることである。これは、含浸担体材料の輝度(brightness)を検査することに基づく。接触透明性は、下記実施例中に記載の方法により決定される。
【0012】
本発明との関係における用語「紫外線」は、200〜400nmの波長範囲の電磁放射線を意味する意図がある。
【0013】
本発明との関係における用語「短波長可視光」は、400〜500nm、好ましくは400〜450nmの波長範囲の電磁放射線を意味する意図がある。
【0014】
本発明によるフィルムは、好ましくは、カルボニル色素、好ましくは、キノン色素、インジゴ色素及びキナクリドン、アゾ化合物、シアニン化合物、好ましくはトリフェニルメタン化合物、アゾメチン、イソインドリン、ジオキサジン、金属酸化物、遷移金属酸化物、水和金属酸化物及び水和遷移金属酸化物を含む群から選択される少なくとも1つの有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は少なくとも1つの有機色素もしくは無機色素を含有する。これらの色素群又は着色顔料から、黄色色素群又は黄色着色顔料が特に好ましく選択される。
【0015】
それぞれ遊離化合物の形態、互変異性体又は酸もしくは塩基の塩又は溶媒和物、好ましくは水和物の形態で、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、1,4−キノン誘導体、1,4−ナフトキノン誘導体、9,10−アントラキノン誘導体、フェニルアゾフェノール誘導体を含む群から選択される黄色有機着色顔料又は黄色有機色素を供給するのが好ましい。遷移金属酸化物及び水和遷移金属酸化物を含む群から選択される黄色無機着色顔料又は黄色無機色素を好ましくは供給する。4−フェニルアゾフェノール、2−(2’−メチル)フェニルアゾ−4−メチルフェノール、n−(4−フェニルアゾ)フェニルジエタノールアミン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾロン、酸化鉄及び水和酸化鉄を含む群から選択される黄色着色顔料又は黄色色素が特に好ましく、ベンズイミダゾロンは、更に特に好ましい。
【0016】
有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は有機色素もしくは無機色素は、好ましくは、波長範囲400〜500nm、特に好ましくは、波長範囲400〜450nmの短波長可視光を吸収及び/又は反射し、何れの場合にも好ましくは90%より多く吸収及び/又は反射する。
【0017】
好ましい実施形態では、本発明によるフィルムは、それぞれ遊離化合物の形態、互変異性体又は酸もしくは塩基の塩の形態の金属酸化物、遷移金属酸化物、水和金属酸化物、水和遷移金属酸化物、亜リン酸塩、ベンゾフェノン、アントラニル酸塩、サリチル酸塩、ジベンゾイルメタン誘導体、p−アミノ安息香酸誘導体、ケイ皮酸誘導体(フェニルアクリル酸誘導体)、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、シアノアクリレート、β−β’−ジビニルアクリレート、アルキル−α−シアノ−β−β’−ジビニルアクリレート、1,3,5−トリアジン化合物及び立体障害アミンを含む群から選択される少なくとも1つの有機化合物又は無機化合物を、紫外線吸収及び/又は反射化合物として含有する。そのような化合物の一部は、市販品、例えばBASF AGのUvinuls(登録商標名)である。
【0018】
用語「立体障害アミン」は、1種以上の空間充填有機基が、少なくとも1つの三価の窒素原子に結合している化合物を意味する意図がある。それらは、好ましくは、芳香族又は脂肪族、非環状又は環状の、第二アミン及び第三アミン、例えばN,N’’−二置換p−フェニレンジアミン又は置換(アミノ)ピペリジンである。
【0019】
紫外線を吸収及び/又は反射する有機化合物又は無機化合物として、金属及び遷移金属酸化物並びに以下の一般構造式a〜u:
【化1A】

【化1B】

【化1C】

の化合物を含む群から選択される少なくとも1つの化合物を供給することが好ましい。
【0020】
これらの式中のRは、それぞれ、水素;OH;ハロゲン;NH;CN;C(=O)H;C(=O)OH;SOH;OH、ハロゲン、=O、C(=O)H、C(=O)OH、フェニル、NH、それぞれ分岐又は非分岐の、飽和又は不飽和のC(=O)−C1−10アルキル、C(=O)−O−C1〜10アルキル、O−C1−10アルキル、O−C(=O)−C1−10アルキルの1つ以上で置換された又は非置換の、それぞれ分岐もしくは非分岐、飽和もしくは不飽和のO−C1−10アルキル、NH(C1−10アルキル)、N(C1−10アルキル)、C1−10アルキル、−C1−10アルキル−O−C1−10アルキル−;それぞれOH、ハロゲン、C(=O)H、C(=O)OH、NH、C(=O)−C1−10アルキル、C(=O)−O−C1−10アルキル、O−C1−10アルキル、O−C(=O)−C1−10アルキルの1つ以上で置換された又は非置換のフェニル、メンチル、ホモメンチル、ベンジル、シクロヘキシルを含む群から相互に独立してそれぞれ選択される1つ以上の、例えば2、3、又は4個の基を表す。
【0021】
は、それぞれ、水素;OH、ハロゲン、=O、NH、C(=O)Hの1つ以上で置換された又は非置換の、それぞれ分岐もしくは非分岐の、飽和もしくは不飽和C1−8アルキル;C(=O)OH;CN;それぞれ分岐又は非分岐の、飽和又は不飽和のC(=O)−C1−10アルキル、C(=O)−O−C1−10アルキル、O−C1−10アルキル、O−C(=O)−C1−10アルキル;それぞれOH、ハロゲン、C(=O)Hの1つ以上で置換された又は非置換の、フェニル、メンチル、ホモメンチル、ベンジル、シクロヘキシル;C(=O)OH;NH、C(=O)−C1−10アルキル、C(=O)−O−C1−10アルキル、O−C1−10アルキル、O−C(=O)−C1−10アルキルを含む群から相互に独立してそれぞれ選択される1つ以上の、例えば2、3、又は4個の基を表す。
【0022】
は、それぞれ、水素;OH;NH;CN;C(=O)H;C(=O)OH;=O;SOH;OH、ハロゲン、=O、エポキシ、NH、フェニル、それぞれ分岐又は非分岐の、飽和又は不飽和のC(=O)−C1−8アルキル、C(=O)−O−C1−10アルキル、O−C1−10アルキル、O−C(=O)−C1−10アルキルの1つ以上で置換された又は非置換の、それぞれ分岐もしくは非分岐の、飽和もしくは不飽和のO−C1−10アルキル、NH(C1−10アルキル)、N(C1−10アルキル)、C1−10アルキル、−C1−10アルキル−O−C1−10アルキル−;それぞれOH、ハロゲン、C(=O)Hの1つ以上で置換された又は非置換の、フェニル、メンチル、ホモメンチル、ベンジル、シクロヘキシル;C(=O)OH;NH、C(=O)−C1−10アルキル、C(=O)−O−C1−10アルキル、O−C1−10アルキル、O−C(=O)−C1−10アルキルを含む群から相互に独立してそれぞれ選択される1つ以上の、例えば2、3、4、5又は6個の基を表す。
【0023】
Xは、H;ハロゲン;OH;=O;エポキシ;NH;C(=O)H;C(=O)OH;CN;それぞれ分岐又は非分岐の、飽和又は不飽和のC(=O)−C1−10アルキル、C(=O)−O−C1−10アルキル、O−C1−10アルキル、O−C(=O)−C1−10アルキルを含む群から相互に独立して選択される置換基の1つ以上で置換された又は非置換の、飽和もしく不飽和の、分岐もしくは非分岐C1−20アルキルを表し、その場合、C1−20アルキルのC原子1個以上、例えば2個又は3個が、N、O、S、NH及びN(C1−8アルキル)を含む群から相互に独立して選択されるヘテロ原子1つ以上、例えば1、2又は3個で場合により置換されていてよい。
【0024】
nは、0〜200、好ましくは0〜100、特に好ましくは0〜20、更に特に好ましくは0〜10を表す。
【0025】
本発明との関係において「C1−10アルキル」及び「C1−20アルキル」という表現は、分岐又は非分岐で、1回以上置換された又は非置換であって良い、C原子1〜8個又は1〜20個を有する非環状の飽和又は不飽和炭化水素基、即ちC1−10−アルカニル、C2−10−アルケニル及びC2−10−アルキニル又はC1−20−アルカニル、C2−20−アルケニル及びC2−20−アルキニルを包含する。ここで、アルケニルは、少なくとも1つのC−C二重結合を有し、アルキニルは、少なくとも1つのC−C三重結合を有する。
【0026】
アルキルは、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−へキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、エチレニル(ビニル)、エチニル、プロペニル(−CHCH=CH、−CH=CH−CH、−C(=CH)−CH)、プロピニル(−CH−C≡CH、−C≡C−CH)ブテニル、ブチニル、ペンテニル、ペンチニル、ヘキセニル及びヘキシニル、ヘプテニル、ヘプチニル、オクテニル及びオクチニルを含む群から選択される。
【0027】
紫外線を吸収及び/又は反射する有機化合物又は無機化合物として、酸化亜鉛、二酸化チタン、p−メトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、p−メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、p−メトキシケイ皮酸オクチル、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、ケイ皮酸カリウム、4−メトキシケイ皮酸プロピル、4−メトキシケイ皮酸アミル、α−シアノ−4−メトキシケイ皮酸又は対応するヘキシルエステル、4−メトキシケイ皮酸シクロヘキシル、グリセリルp−アミノベンゾエート、アミルp−ジメチルアミノベンゾエート、エチル4−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、オクチルp−ジメチルアミノベンゾエート、エトキシル化4−アミノ安息香酸、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸の塩、サリチル酸4−イソプロピルベンジル、2−エチルヘキシル2−(4−フェニルベンゾイル)ベンゾエート、サリチル酸ホモメンチル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2−エチルヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、p−クメニル−3−フェニルプロパン−1,3−ジオン、1,3−ビス(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、アントラニル酸メンチル、N−アセチルアントラニル酸ホモメンチル、2−ヒドロキシ−4−オクチルベンゾフェノン(Uvinul(登録商標)3008、Uvinul(登録商標)3008FL)、6−tert−ブチル−2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール(Uvinul(登録商標)3026、Uvinul(登録商標)3026GR)、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール(Uvinul(登録商標)3027)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(Uvinul(登録商標)3028、Uvinul(登録商標)3028GR)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(Uvinul(登録商標)3029、Uvinul(登録商標)3029GR)、1,3−ビス[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン(Uvinul(登録商標)3030、Uvinul(登録商標)3030GR)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール(Uvinul(登録商標)3033P)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(Uvinul(登録商標)3034)、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Uvinul(登録商標)3035)、(2−エチルヘキシル)2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Uvinul(登録商標)3039)、N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ヘキサメチレンジアミン(Uvinul(登録商標)4050H)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(Uvinul(登録商標)4077H、Uvinul(登録商標)4077GR)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(Uvinul(登録商標)4092H)、
【化2】

を含む群からの少なくとも1つの化合物を使用するのが特に好ましい。
【0028】
有機化合物又は無機化合物は、好ましくは波長範囲200〜400nm、特に好ましくは波長範囲300〜400nmの紫外線を吸収及び/又は反射し、何れの場合にも好ましくは90%より多く吸収及び/又は反射する。
【0029】
本発明によるフィルムは、少なくとも1つの有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素と、少なくとも1つの有機化合物又は無機化合物との組み合せを、それぞれフィルムの総重量に対して好ましくは0.05〜20wt%、特に好ましくは0.1〜5wt%、更に特に好ましくは0.1〜2wt%含有する。
【0030】
本発明によるフィルムは、フィルムの総重量に対して、好ましくは0.05〜10wt%、特に好ましくは0.1〜3wt%の有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素を含有する。
【0031】
本発明によるフィルムは、フィルムの総重量に対して、好ましくは0.05〜10wt%、特に好ましくは0.1〜2wt%の有機化合物又は無機化合物を含有する。
【0032】
組み合せの各成分は、好ましくは、300℃の温度まで安定である。
【0033】
本発明によるフィルムは、単層又は多層、好ましくは多層構造である。本発明によるフィルムは、好ましくは収縮性ではない。
【0034】
本発明によるフィルムは、好ましくは少なくとも1つのバリア層、特に好ましくは酸素バリア層、水蒸気バリア層又は油バリア層を含む。
【0035】
好ましくは、少なくとも1つのポリアミド(PA)、エチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)又は少なくとも2つの前記ポリマーの混合物、特に好ましくは少なくとも1つのポリアミドが、バリア層の製造に好適である。
【0036】
バリア層を製造するのに使用されるポリアミド(PA)は、好ましくは、熱可塑性の脂肪族、半芳香族又は芳香族ポリアミドである。それに対応して、これらのポリアミドを製造するのに使用されるジアミンは、炭素原子2〜10個を有する脂肪族ジアミン、例えばヘキサメチレンジアミン、又は炭素原子6〜10個を有する芳香族ジアミン、例えばp−フェニレンジアミンであってよく、かつこれらのポリアミドを製造するのに使用されるジカルボン酸は、炭素原子6〜14個を有する脂肪族又は芳香族ジカルボン酸、例えばアジピン酸、テレフタル酸又はイソテレフタル酸であってよい。ポリアミドは、さらに、炭素原子4〜10個を有するラクタム、例えばε−カプロラクタムから製造することができる。本発明により使用されるポリアミドは、例えば、PA6、PA12、PA66、PA6I、PA6T及び/又は少なくとも2つの前記ポリマーの混合物である。
【0037】
バリア層を製造するのに使用されるポリビニルアルコールは、対応するポリ酢酸ビニル(PVA)の完全又は部分加水分解により得られ、そのため、50〜98モル%のケン化度を有する部分的ケン化ポリ酢酸ビニルと98%以上のケン化度を有する完全にケン化されたポリ酢酸ビニルの両方を含む。
【0038】
バリア層を製造するのに使用されるエチレン−ビニルアルコールコポリマー(EVOH)は、エチレンを含有する相当するポリ酢酸ビニル(EVAc)の完全又は部分加水分解により得られ、とりわけ、ケン化度が98%以上の完全にケン化されたエチレン含有ポリ酢酸ビニルを含む。
【0039】
バリア層を製造するのに使用される環状オレフィンコポリマー(COC)は、炭素原子4〜10個を有するα,β−不飽和環状オレフィン、例えばノルボルネン、及び熱可塑性α,β−不飽和オレフィン、例えばエチレン又はプロピレンのコポリマーであってもよい。
【0040】
本発明によるフィルムの少なくとも1つの表面層は、好ましくは、少なくとも1つの熱可塑性オレフィンホモポリマー又はコポリマーに基づき、これは、好ましくはシール可能である。
【0041】
本発明の状況下でのオレフィンホモポリマー又はコポリマーは、炭素原子2〜6個を有するα,β−不飽和オレフィンの熱可塑性ポリマー、例えばポリエチレン(PE、特にLDPE又はHDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)、ポリイソブチレン(PI)又は少なくとも2つの前記ポリマーの混合物である。「LDPE」は、0.86〜0.93g/cmの範囲の密度を有する低密度ポリエチレンを示し、分子の分岐度が高いことにより分類される。「HDPE」は、分子鎖の分岐がほとんどない高密度ポリエチレンを示す。その密度は、0.94〜0.97g/cmの範囲であってよい。
【0042】
前記オレフィンホモポリマー又はコポリマーは、場合により、少なくとも1つの有機酸又は少なくとも1つの有機酸無水物、好ましくは環状有機酸無水物、特に好ましくは無水マレイン酸で変性されていてよく、そのため、本発明による多層フィルム中の接着促進剤層用材料として使用することができる。
【0043】
このようにして、好ましい実施形態では、好ましくは少なくとも1つの変性ポリオレフィンを含有する接着促進剤層を、表面層とバリア層との間に配置することができる。
【0044】
変性ポリオレフィンは、炭素原子2〜6個を有するα,β−不飽和オレフィンの熱可塑性ポリマー、例えばポリエチレン(PE、特にLDPE又はHDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)、ポリイソブチレン(PI)又は少なくとも2つの前記ポリマーの混合物を意味することを意図し、これらは少なくとも1つの有機酸又は少なくとも1つの有機酸無水物で変性されている。環状有機酸無水物で変性されたポリエチレン又はポリプロピレン、特に好ましくは無水マレイン酸で変性されたポリエチレン又はポリプロピレン、が、変性ポリオレフィンとして好ましい。
【0045】
接着促進剤層は、好ましくは変性ポリオレフィンからなり、これは、特に好ましくは無水マレイン酸でグラフトされている。
【0046】
好ましい実施形態では、本発明による多層フィルムの表面層のそれぞれは、好ましくは少なくとも1つのシール可能なオレフィンホモポリマー又はコポリマーに基づき、かつ前記の接着促進剤層を介してそれぞれバリア層に結合する。
【0047】
好ましい実施形態では、本発明による多層フィルムの少なくとも1つの内部の層は、有害な放射線を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素と、少なくとも1つの有機化合物又は無機化合物とからなる組み合せを含有する。
【0048】
組み合せの成分は、好ましくは本発明による多層フィルムの同一層、特に好ましくは接着促進剤層に供給されている。
【0049】
好ましくは、本発明による多層フィルムの接着促進剤層それぞれは、少なくとも1つの有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素と少なくとも1つの有機化合物又は無機化合物とからなる、有害な放射線を吸収及び/又は反射する組み合せを含有してよい。
【0050】
別の好ましい実施形態では、組み合せの成分は、本発明による多層フィルムの種々の層に供給されている。
【0051】
好ましくは、着色顔料又は色素は、本発明による多層フィルムの少なくとも1つの表面層に供給され、有機化合物又は無機化合物は、少なくとも1つの内部の層に供給されている。
【0052】
本発明による多層フィルムの接着促進剤層のそれぞれは、好ましくは、少なくとも1つの有機化合物又は無機化合物を含有してよい。
【0053】
他の好ましい実施形態では、本発明による多層フィルムのバリア層以外の層のそれぞれは、少なくとも1つの有機もしくは無機着色顔料又は色素を含有してよい。
【0054】
好ましくは、本発明によるフィルムは、中央結合層、好ましくは接着剤層に対して対称的に配置されていてよい。
【0055】
好ましくは、本発明によるフィルムは、20〜2000μm、特に好ましくは50〜1500μm、更に特に好ましくは100〜1000μm、とりわけ150〜500μmの層厚さを有する。
【0056】
本発明によるフィルムは、任意の望ましい製法、例えばラミネート加工、押出又は好ましくは共押出により製造することができる。
【0057】
その場合、本発明による多層フィルムの一部の層又は全部の層ですら、押出、特にインフレーションフィルム押出及び/又はフラットフィルム押出、特にインフレーションフィルム共押出及び/又はフラットフィルム共押出により製造することができる。
【0058】
本発明によるフィルムの一部の層が、前記方法の1つにより別途製造される場合、接着促進剤は、例えば粉末として、フィルム形状で、融液調製物又は液体調製物、例えば溶液又は分散液として、スプレー又は流し込みなどの慣用の方法により、本発明によるフィルムの層の1つ、例えばバリア層又は表面層の1つの上に適用でき、そこに他の層を結合させることができる。別の方法としては、押出により、接着促進剤を、層の1つ、例えばバリア層又は表面層の1つの上にラミネートし、他の層をそこに結合させることもできる。
【0059】
この製法及び相当する生産パラメーターは、当業者に広く知られている。
【0060】
本発明による多層フィルムは、好ましくは、共押出により製造でき、その場合、インフレーションフィルム共押出法がさらに特に好まれる。
【0061】
本発明によるフィルムは、好ましくは、エンボス加工されているか及び/又は引き伸ばされていてよい。
【0062】
本発明によるフィルムは、更に好ましくは印刷されていてよい。
【0063】
本発明によるフィルム、特に本発明による多層フィルムは、紫外線及び短波長可視光の作用に対する保護フィルムの製造に好適である。
【0064】
そのため、本発明は、本発明によるフィルム、特に本発明による多層フィルムの、紫外線及び短波長可視光の作用に対する保護フィルムの製造のための使用も対象とする。
【0065】
本発明は、管形状の保護フィルムとして、特に、2つの管形状フィルムを含む管、即ち二重壁の管の管形状の外部保護フィルムとして、本発明によるフィルムを使用することも対象とし、このフィルムにより、2つの管状フィルムの間に詰められ、反応性合成樹脂を含浸させた担体材料の、紫外線及び/又は短波長光により開始される硬化を回避する。
【0066】
管ライニング工法による下水管修復のために、反応性合成樹脂を含浸させた担体材料を2つのフィルム管の間に有する二重壁フィルム管の外側にある管状保護フィルムとして、本発明によるフィルムを使用することが特に好ましい。
【0067】
管ライニングのために使用される二重壁管の、外側管状保護フィルムとして本発明によるフィルムを使用することは、紫外線の作用の他に、短波長可視光の作用も防止するという大きな利点を有する。このように、硬化性合成樹脂に含有される光開始剤が、より長波長の放射線の作用下でさえ活性化され得ないので、望ましくない早期の硬化が防止されて、管は、長期間、好ましくは少なくとも1年間貯蔵することができる。本発明によるフィルムは、更に接触透明であるので、硬化性合成樹脂で担体材料を均一に含浸したかどうかの確認を、直接に実施でき、その結果、修復下水管に欠陥が生じるのを防止する。
【0068】
本発明による保護フィルムが、更にバリア層を含むならば、管ライニング工法による下水管修復の際に、保護フィルムとしてそれを使用すると、更に、樹脂の起こり得る乾燥、及びモノマーなどの物質の下水管系及び地下水への侵入に対するバリア効果が妨げられる。本発明による保護フィルムのシール可能な表面は、更に、少なくとも部分的に、好ましくは完全に総合的に、担体材料に、好ましくはヒートシールにより結合させることができ、これは、系の安定性を増加させる。
【0069】
更に、本発明による保護フィルムは、屋根ふきに、外装材として、防護衣に、建物部分、看板及び各種の表示パネルの外部カバーとして、メガネ又は窓ガラスに、梱包材料として、使用することもできる。
【0070】
管ライニング工法による下水管修復のために使用する管は、下水管修復に使用される、硬化性合成樹脂化合物で含浸された担体材料を保護するために、本発明による保護フィルムを外側保護フィルムとして含むだけではなく、下水管修復に必要な性質を有する、好ましくは透明なプラスチックフィルムも内側管状フィルムとして含むべきである。
【0071】
そのために、フィルムは、充分に貯蔵安定な機械特性を有して、修復下水管の取り扱い時、特に下水管系への吹き込みによる膨張時、その前の輸送及び貯蔵時に、ストレスに耐え得るばかりではなく、修復パイプを形成する担体材料中のプラスチック材料の硬化後に、これを引き裂き又は開裂させずにそこから取り外すことができねばならない。
【0072】
更に、下水管修復に使用される管を使用する場合、内側の管状フィルムも樹脂の乾燥に対して、即ちモノマー又は他の含浸材料の損失に対して、十分なバリアを提供し、かつ下水管内での硬化のために十分な紫外線を透過させることも保障せねばならない。
【0073】
そのため、本発明の他の目的は、その使用前に紫外線及び短波長可視光の作用を防ぐばかりか、下水管修復の間及び後の取り扱いの際に生じる問題も回避する下水管修復系を提供することである。
【0074】
これは、本発明による下水管修復系を提供することにより達成される。
【0075】
この本発明による下水管修復系は、その外側管状フィルムが、少なくとも接触透明であり、紫外線及び短波長可視光を吸収及び/又は反射する特性を有する前記の本発明による保護フィルムに相当する管により優れているのみならず、少なくとも紫外線については透過性で、好ましくは透明であり、必要な特性プロファイルを有する内側管状フィルムも含む。内側管状フィルムは、好ましくは収縮性でない。
【0076】
管は、好ましくは、保護フィルムとして外側にある管状フィルムと、内側にある管状フィルムと、その間の、硬化性合成樹脂で含浸された担体材料とを含む。硬化後、修復された下水管が、この含浸担体材料から形成される。ガラス繊維、フリース及び/又は不織織布からなり、好ましくはα,β−不飽和ポリエステル樹脂及び不飽和モノマー、例えばスチレンで含浸されたガラス布を、好ましくは担体材料とみなしてよい。
【0077】
吹き込みにより膨らまされた内側管状フィルムは、硬化後、プラスチック及び担体材料により形成された修復済み下水管から取り除かれる。
【0078】
管ライニング工法による下水管修復時の内部管状フィルムの問題のない取り扱いの要件を満たすために、本発明により、少なくとも3層プラスチックフィルムを使用するのが好ましく、前記フィルムは、バリア層、好ましくは酸素バリア層、水蒸気バリア層及び/又は油バリア層と、含浸担体材料に直に隣接する表面層とを含み、これは、例えば膨潤や硬化により、硬化性液体含浸材料、即ち硬化性合成樹脂化合物に恒久的に結合するのではなく、引き裂かずに取り外せる状態にある。
【0079】
バリア層は、好ましくは、本発明による下水管修復系の外側にある管状保護フィルムのバリア層の製造のために詳細に前記したポリマーの少なくとも1つに基づき、特に好ましくはポリアミド、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、ポリビニルアルコール、非環状オレフィンコポリマー、ポリ塩化ビニリデンの少なくとも1つに基づき、更に特に好ましくは少なくとも1つのポリアミドに基づく。
【0080】
管の内側にある管状多層フィルムのバリア層は、好ましくは、その各表面上に別のプラスチック層を担持し、硬化性担体材料に直に隣接するその表面層は、その機械特性に関しても、その取り外しに関しても、含浸液に影響されてはならない。
【0081】
これらの表面層の製造には、オレフィンホモポリマー又はコポリマーが好ましくは適している。特に好適なオレフィンホモポリマー又はコポリマーは、炭素原子2〜8個を有するα,β−不飽和オレフィンの熱可塑性ポリマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、又は少なくとも2つの前記ポリマーの混合物、である。好ましくはランダム構造(statistical structure)のポリプロピレン又はポリエチレンとポリプロピレンとの混合物が、片方又は両方の表面層の製造に、更に特に好ましく使用される。ポリエチレン混合物、好ましくは低密度ポリエチレンと低密度線状ポリエチレンとの混合物も、片方又は両方の表面層の製造に、好ましくは使用することができる。バリア層は、好ましくは、接着促進剤層を介して前記表面層に結合される。
【0082】
詳細に前記した接着促進剤層用のポリマー材料を、バリア層と各表面層との間の接着促進剤層の製造にも使用することができる。
【0083】
以下の構造を有する5層フィルムは、本発明による下水管修復系のための内側にある管状フィルムとして、更に特に好ましく使用される。
層a)好ましくはランダム構造を有するポリプロピレンとポリエチレンとの混合物に基づき、硬化性担体材料に直に隣接する。
層b)接着促進剤層としてグラフトされたポリプロピレンに基づく。
層c)バリア層として熱可塑性ポリアミドに基づく。
層d)接着促進剤層としてグラフトポリプロピレンに基づく。
層e)ポリエチレン、好ましくはLDPEとLLDPEの混合物に基づく。
【0084】
内側にあるフィルム管の各層は、必要ならば、それぞれ互いに無関係に、酸化防止剤、粘着防止剤、防曇剤、帯電防止剤、抗菌活性剤、熱安定剤、プロセス安定剤、プロセス助剤、防炎剤、核生成剤、結晶化剤、好ましくは結晶核生成剤、滑剤、柔軟剤、シール剤、可塑剤、シラン、スペーサー、充填剤、剥離剤、ワックス、湿潤剤、表面活性化合物、好ましくは界面活性剤、及び分散剤を含む群から選択される添加剤を備えてもよい。
【0085】
本発明による下水管修復系では、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物に基づく表面層は、直接に硬化性担体材料に隣接するように、内側にある管形状の多層フィルムを使用するのが好ましい。
【0086】
本発明による下水管修復系の内側管状フィルムは、好ましくは合計厚さ20〜2000μm、好ましくは120〜300μm、更に特に好ましくは150〜250μmを有し、極めて優れた機械的有用性で傑出している。
【0087】
修復すべき下水管に挿入された二重壁管は、本発明による管修復系の使用により、特に前記内部管状フィルムにより、問題なく、即ち破裂させることなく、吹き込みにより膨張させて、管内に収容され、かつ液体含浸材料で含浸された担体材料を問題なくUV硬化させることができる。硬化後、硬化担体材料からなる固化され修復された下水管が得られると、更に、内部管状フィルムを引裂きや粘着無しに取り外すことができる。
【実施例】
【0088】
以下の例は、本発明の説明を目的とし、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0089】
使用原料の化学的性質
バッチ1:マスターバッチ(酸化亜鉛及び立体障害アミン(ポリピペリジンアミノ誘導体(60wt%)、LDPE(40wt%))
バッチ2:マスターバッチ(黄色顔料:ベンズイミダゾロン(40wt%)、PE(60wt%))
Admer NF 498E:無水マレイン酸基で変性されたLDPE(接着促進剤)、Mitsui社
Durethan C 38F:コポリアミド
Admer QB 520E:無水マレイン酸でグラフトされたポリプロピレン
Dow R 338−02N:Dow社製のランダム構造のポリプロピレン
【0090】
比較例1〜3及び例1の多層フィルムは、それぞれ5層からなり、各フィルムは層厚さ200μmを有し、インフレーションフィルム共押出により製造する。層1〜5は、それぞれ以下の順序で相互に直接隣接する。次の%データは、全てwt%を表す。
【0091】
比較例1(無色透明フィルム)
層1(65μm):100% LDPE
層2(20μm):100% Admer NF 498E
層3(30μm):100% PA
層4(20μm):100% Admer NF 498E
層5(65μm):100% LDPE
【0092】
比較例2(紫外線を吸収及び/又は反射する化合物を少なくとも1つ含有する無色フィルム):
層1(65μm):100% LDPE
層2(20μm):97% Admer NF 498E及び3% バッチ1
層3(30μm):100% PA
層4(20μm):97% Admer NF 498E及び3% バッチ1
層5(65μm):100% LDPE
【0093】
比較例3(短波長可視光を吸収及び/又は反射する着色顔料又は色素を少なくとも1つ含有する黄色フィルム)
層1(65μm):97% LDPE及び3% バッチ2
層2(20μm):100% Admer NF 498E
層3(30μm):100% PA
層4(20μm):100% Admer NF 498E
層5(65μm):97% LDPE及び3% バッチ2
【0094】
比較例4
比較例4の多層フィルムは、5層からなり、層厚さ230μmを有する市販品であり、かつ不透明な銀色から灰色の着色フィルムを表す。層1〜5は、それぞれ、以下の順序で相互に直接に隣接する。次の%データは、全てwt%を表す。
層1(95μm):LDPE及び銀色バッチ
層2(9μm):100% Admer NF 498E
層3(26μm):100% PA
層4(9μm):100% Admer NF 498E
層5(93μm):LDPE及び銀色バッチ
【0095】
[例1](短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの着色顔料又は色素と、紫外線を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの化合物とを含有する黄色フィルム)
層1(65μm):97% LDPE及び3% バッチ2
層2(20μm):97% Admer NF 498E及び3% バッチ1
層3(30μm):100% PA
層4(20μm):97% Admer NF 498E及び3% バッチ1
層5(65μm):97% LDPE及び3% バッチ2
【0096】
[例2](短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの着色顔料又は色素と、紫外線を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの化合物とを含有する黄色フィルム)
例2の多層フィルムは、9層からなり、層厚さ170μmを有し、インフレーションフィルム共押出及び管接着結合により製造した。層1〜9は、それぞれ、以下の順序で相互に直接隣接する。次の%データは、全てwt%を表す。
層1(29μm):97.5% LDPE及び2.5% バッチ2
層2(6μm):100% Admer NF 498E
層3(30μm):100% PA
層4(6μm):100% Admer NF 498E
層5(58μm):87.5% エチレン−酢酸ビニルコポリマー、2.5% バッチ2、10% バッチ1
層6(6μm):100% Admer NF 498E
層7(30μm):100% PA
層8(6μm):100% Admer NF 498E
層9(29μm):97.5% LDPE及び2.5% バッチ2
【0097】
[例3]
以下のデータによる無色透明多層フィルムを、合計層厚さ200μmで、インフレーションフィルム共押出により製造した。表示された層は、それぞれ、以下の順序で相互に直接隣接する。次の%データは、全てwt%を表す。
例3(無色透明フィルム)
層1(65μm):50wt% ポリプロピレン(Dow R 338−02N)と50wt% LDPEとの混合物
層2(15μm):100% Admer QP 520 E
層3(40μm):Durethan C 38 F(コポリアミド)
層4(15μm):Admer NF 498 E(接着促進剤)
層5(65μm):LDPE/LLDPE混合物(70:30)
【0098】
比較例5(無色/透明フィルム)
以下に示される層配列を有し、合計層厚さ200μmの多層フィルムを、インフレーションフィルム共押出により製造した。
層1(145μm):LDPE
層2(15μm):Admer QB 520 E(接着促進剤)
層3(40μm):Durethan C 38 F(コポリアミド)
【0099】
[測定方法]
接触透明性の測定
接触透明性を測定するために、黒インクでテキスト(フォント:Arial、フォントサイズ10)が印刷された白色DINA4のページ上に、各フィルムを置いた。その下に置いたテキストの視認性を、採点システムを使用して評価した。
評点1:非常に容易に読める(テキストは明確に識別でき、テキスト上にフィルムがあることは目立たない)
評点2:フィルム下のテキストの視認性に極小さな障害
評点3:フィルム下のテキストの視認性に小さな障害
評点4:フィルム下のテキストの視認性にかなりの障害。しかしながら、テキストは、まだ全体的に読める。
評点5:フィルム下のテキストの視認性に深刻な障害。文字は、非常に不鮮明かつ曖昧にみえ、もはや識別できないも同然である。テキストは事実上もはや読めない。
評点6:フィルム下のテキストは、もはや認識できず、読むことができない。フィルムはテキストを(殆ど)完全に遮る。もはや接触透明性はない。
【0100】
接触透明性は、各フィルムの層の厚さに左右される。例1と例2並びに比較例1〜3では、フィルムの層厚さは200μm以下である。比較例4では、フィルムの層厚さは230μmである。しかしながら、比較例4ではフィルムが不透明なので、層厚さが200μm未満でも同様の結果が得られよう。
【0101】
UV/光遮断効果の測定
使用UV−VIS装置:島津製UV−3101PC
紫外線又は短波長可視光に対するフィルムの保護効果を測定するために、シーリングによりフィルムから小さい袋(サイズ10×10cm)を作った。暗くした部屋で、この袋中に紫外線又は短波長可視光で硬化し得る約50gの反応性樹脂混合物を1分以内で装入した。次いで、袋を完全に密閉し、日光に曝した(テストは、7月の快晴の日に、1日当たり8時間より長く日光に曝して実施した)。
【0102】
包装された樹脂が、太陽光の放射線で誘発された硬化により固化するまでの時間を測定した。紫外線又は短波長可視光に対し最大の保護効果があると、樹脂を、硬化させずに無限の期間、日光に曝露することができる。
【0103】
測定結果
【表1】

【0104】
比較例1では、従来の無色の高透明性フィルムは、紫外線又は短波長可視光(Vis)に対し全く遮断効果を有さないので、UV−Vis放射線の作用下で直ちに樹脂の硬化が起こることが示されている。300〜450nmの波長範囲で90%より高い透過がある。フィルムの接触透明性は優れているが、フィルムは放射線誘発樹脂硬化に対し如何なる保護機能も果たさず、樹脂は300〜450nmの範囲で硬化する。
【0105】
比較例2では、フィルムの透過率が380nmまでは1.1%以下であるので、紫外線を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの化合物の添加により、比較例1に比べ、紫外線(380nmまで)による樹脂の硬化に対する特定の保護機能が得られ得ることが示されている。それでもなお、380nmより長い短波長可視光により樹脂の硬化が起こる。これは、より長い波長で透過率が増加するためである。
【0106】
従って、放射線で誘発される樹脂の硬化に対するフィルムの保護機能は、まだ不十分である。フィルムの接触透明性はまだ優れている。
【0107】
比較例3では、透過率が400nm〜450nmでは3%以下であるので、短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの黄色着色顔料の添加により、比較例1に比べ、可視光(約400nm以上)による樹脂の硬化に対し、特定の保護機能が得られ得ることが示されている。それでもなお、380nmより短い波長のUV光により樹脂の硬化がまだ起こる。というのは、ここでの透過率があまりに高すぎるからである。従って、放射線で誘発される樹脂の硬化に対するフィルムの保護機能は、まだ不十分である。フィルムの接触透明性は、カラーバッチの添加のため、比較例1に比べ、多少減少した。接触透明性は、しかしながら、まだ優れている。
【0108】
比較例4は、もはや接触透明性を持たないフィルムを示している。このフィルムの透明性は1%未満であり、曇度は99%より高い。この場合、UV−Vis放射線に対する保護効果を得るために、高濃度の銀〜灰色顔料をフィルムに添加し、その結果樹脂は、300〜450nmの臨界波長の範囲で硬化しない。このフィルムでは、前記例示的実施形態に比べて、UV−Vis放射線に対する保護効果が著しく増加した。それでもなお、包装済み樹脂を日光に25日間曝した後で、樹脂の硬化がまだ見られた。しかしながら、接触透明性が不充分又は存在しないため、比較例4のフィルムは、非常に限定的にのみ使用できる。
【0109】
例えば、樹脂で含浸されたガラス繊維織物を、フィルムで包む場合、ガラス繊維材料の樹脂による含浸が完全かつ均一に行われたかどうかをチェックするのはもはや不可能である。
【0110】
例1と例2は、本発明によるフィルムが、300〜450nmの範囲で放射線硬化樹脂の硬化を回避する保護フィルムとして適していることを示している。
【0111】
紫外線を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの化合物と、短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも1つの着色顔料とを組み合わせることによってのみ、透過率を減じ得るので、日の当る所で3カ月貯蔵した後でも樹脂の硬化は事実上起こらない。透過率の値は、300〜450nmの範囲で、常に0.5%より小さい。本発明によるフィルムの接触透明性は、なお優れており、特に強調されるべきである。
【0112】
内側管状フィルムとしての適合性テスト
例3又は比較例5による透明多層フィルムを、本発明による管修復系用の内側管状フィルムと、どの程度みなし得るか確認するために、硬化性担体材料を、支持体上に施し、例3による多層フィルム又は比較例5による多層フィルムでそれぞれカバーした。この目的のために、例3又は比較例5による多層フィルムは、PP/PE混合物又はポリアミドの層により、硬化性担体材料と接触させ、引き続きUV光で硬化させた。
【0113】
例3による管状フィルムは、樹脂/担体材料の硬化後に難なく再び取り外すことができ、物理的なダメージを示さなかった。それに対して、多層フィルムは、一部の場所で担体材料と恒久的に結合されていたので、フィルムの引裂きがそのような場所で起こった。
【0114】
比較例5による多層フィルムのポリアミド層の、硬化樹脂へのあまりに強い結合のこのリスクは、脆化、従って、内側管状フィルムの物理的ダメージも伴い、硬化後の管状フィルムの取り外しは困難である。本発明による下水管修復系では、内側管状多層フィルムにより、どちらの形の損傷も生じない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線及び短波長可視光を吸収及び/又は反射する少なくとも接触透明な単層フィルム又は多層フィルムであって、場合により変性された少なくとも1つの熱可塑性オレフィンホモポリマー又はコポリマーに基づく層を少なくとも1つ含み、短波長可視光を吸収及び/又は反射する有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素少なくとも1つと、紫外線を吸収及び/又は反射する有機化合物又は無機化合物少なくとも1つとの組み合わせを含むフィルム。
【請求項2】
前記有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素が、短波長可視光を、好ましくは90%より多く、吸収及び/又は反射する請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記有機着色顔料もしくは無機着色顔料又は色素が、波長範囲400〜500nmの光を吸収及び/又は反射する請求項1又は2に記載のフィルム。
【請求項4】
カルボニル色素、好ましくはキノン、インジゴ色素及びキナクリドン、アゾ化合物、シアニン化合物、好ましくはトリフェニルメタン化合物、アゾメチン、イソインドリン、ジオキサジン、金属酸化物、遷移金属酸化物、水和金属酸化物及び水和遷移金属酸化物を含む群から選択される少なくとも1つの着色顔料、好ましくは、前記群より選択される黄色着色顔料又は黄色色素が、前記有機着色顔料又は無機着色顔料として供給される請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項5】
波長範囲200〜400nmの紫外線を、好ましくは90%より多く吸収及び/又は反射する少なくとも1つの化合物が、紫外線を吸収及び/又は反射する化合物として供給される請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項6】
金属酸化物、遷移金属酸化物、水和金属酸化物、水和遷移金属酸化物、ベンゾフェノン、アントラニル酸塩、サリチル酸塩、ジベンゾイルメタン誘導体、p−アミノ安息香酸誘導体、ケイ皮酸誘導体(フェニルアクリル酸誘導体)、シアノアクリレート、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、β−β’−ジビニルアクリレート、アルキル−α−シアノ−β−β’−ジビニルアクリレート、1,3,5−トリアジン化合物及び立体障害アミンを含む群から選択される少なくとも1つの化合物が、前記紫外線を吸収及び/又は反射する化合物として供給さる請求項5に記載のフィルム。
【請求項7】
酸化亜鉛、二酸化チタン、p−メトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、p−メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、p−メトキシケイ皮酸オクチル、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、ケイ皮酸カリウム、4−メトキシケイ皮酸プロピル、4−メトキシケイ皮酸アミル、α−シアノ−4−メトキシケイ皮酸又は対応するヘキシルエステル、4−メトキシケイ皮酸シクロヘキシル、グリセリル−p−アミノベンゾエート、アミル−p−ジメチルアミノベンゾエート、エチル−4−ビス(ヒドロキシプロピル)アミノベンゾエート、オクチル−p−ジメチルアミノベンゾエート、エトキシル化4−アミノ安息香酸、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸の塩、サリチル酸4−イソプロピルベンジル、2−エチルヘキシル2−(4−フェニルベンゾイル)ベンゾエート、サリチル酸ホモメンチル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2−エチルヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、p−クメニル−3−フェニルプロパン−1,3−ジオン、1,3−ビス(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、アントラニル酸メンチル、N−アセチルアントラニル酸ホモメンチル、2−ヒドロキシ−4−オクチルベンゾフェノン、6−tert−ブチル−2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、1,3−ビス[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、(2−エチルへキシル)−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
【化1】

を含む群から選択される少なくとも1つの化合物が、紫外線吸収化合物として使用される請求項6に記載のフィルム。
【請求項8】
前記フィルムの総重量に対して、0.05〜20wt%、好ましくは0.1〜5wt%、特に好ましくは0.1〜2wt%の前記組み合せが供給される請求項1〜7のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項9】
前記フィルムが多層である請求項1〜8のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項10】
前記組み合せの前記成分が、異なる層又は同一の層中に供給される請求項9に記載のフィルム。
【請求項11】
前記組み合せが少なくとも1つの内部の層に供給される請求項9又は10に記載のフィルム。
【請求項12】
短波長可視光を吸収及び/又は反射する前記着色顔料又は色素が、前記フィルムの少なくとも1つの表面層中に供給され、紫外線を吸収及び/又は反射する前記有機化合物又は無機化合物が少なくとも1つの内部の層に供給される請求項9又は10に記載のフィルム。
【請求項13】
少なくとも1つのバリア層、好ましくは酸素バリア層、水蒸気バリア層又は油バリア層を含む請求項9〜12のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項14】
前記バリア層が、ポリアミド、EVOH、ポリビニルアルコール、COC、ポリ塩化ビニリデン、及び少なくとも2つの前記ポリマーの混合物を含む群から選択される少なくとも1つのポリマーに基づく請求項13に記載のフィルム。
【請求項15】
少なくとも1つの表面層が、オレフィンホモポリマー又はコポリマーに基づく請求項9〜14のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項16】
接着促進剤層が、前記表面層と前記バリア層との間に配置される請求項9〜15のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項17】
前記接着促進剤層が変性ポリオレフィンからなる請求項16に記載のフィルム。
【請求項18】
前記組み合せが接着促進剤層に供給される請求項17に記載のフィルム。
【請求項19】
前記表面層のそれぞれが少なくとも1つのオレフィンホモポリマー又はコポリマーに基づき、前記接着促進剤層を介して、前記バリア層にそれぞれ結合されている請求項9〜18のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項20】
前記接着促進剤層のそれぞれが、前記組み合せ、好ましくは少なくとも紫外線を吸収及び/又は反射する化合物を含有する請求項19に記載のフィルム。
【請求項21】
短波長光を吸収及び/又は反射する前記着色顔料又は相当する色素が、前記多層フィルムの前記バリア層を除く前記層のそれぞれに供給される請求項1〜19のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項22】
中央結合層、好ましくは接着剤層に対して対称的に配置される請求項1〜21のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項23】
前記組み合せの各成分が、300℃までの温度で安定である請求項1〜22のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項24】
前記フィルムが、共押出、好ましくはインフレーションフィルム共押出により得られる請求項1〜23のいずれか1項に記載のフィルム。
【請求項25】
紫外線及び短波長可視光の作用に対する保護フィルムとしての請求項1〜24のいずれか1項に記載のフィルムの使用。
【請求項26】
外側管状フィルム及び内側管状フィルムの間に詰められた反応性合成樹脂の、紫外線及び/又は短波長光により開始される硬化を回避するための、二重壁管の外側管状フィルムの形態の保護フィルムとしての請求項25に記載の使用。
【請求項27】
下水管修復のための前記管ライニング工法用の管形状の保護フィルムとしての請求項25又は26に記載の使用。
【請求項28】
屋根ふき用、外装材として、防護衣用、建物部分、看板及び各種表示パネルの外部カバーとして、メガネ又は窓ガラス用、梱包材料としての、請求項1〜24のいずれか1項に記載のフィルムの使用。
【請求項29】
管ライニング工法に好適な下水管修復系であって、修復すべき下水管へ導入するために用意された二重壁管を含み、該二重壁管は、請求項1〜23のいずれか1項に記載の管形状の外側保護フィルムと、内側多層プラスチック管状フィルムと、2つの前記管状フィルムの間に存在する、紫外線により硬化し得る含浸担体材料、好ましくは不飽和樹脂系が含浸されたガラス繊維材料とからなる下水管修復系。
【請求項30】
前記内側多層管状フィルムが、担体材料と直接に接触する、少なくとも1つのポリオレフィン、少なくとも1つのオレフィンコポリマー、又はポリオレフィン混合物の層a)と、接着促進剤層b)と、ポリアミドに基づくバリア層c)と、更なる接着促進剤層d)と、少なくとも1つのオレフィンホモポリマー又はコポリマーに基づく層e)とを含む請求項29に記載の下水管修復系。

【公表番号】特表2012−512287(P2012−512287A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541171(P2011−541171)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008845
【国際公開番号】WO2010/075946
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(503102423)フータマキ フォルヒハイム ツヴァイクニーダーラッスング デア フータマキ ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (9)
【氏名又は名称原語表記】Huhtamaki Forchheim Zweigniederlassung der Huhtamaki Deutschland GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Zweibrueckenstr. 15−25, D−91301 Forchheim, Germany
【Fターム(参考)】