説明

X及びY座標データが分割されてそれぞれのタグのそれぞれの半分に入れられたタグを含む符号化パターン

【課題】符号化パターンが表面上に配置された基材を得る。
【解決手段】符号化パターンは複数の連続するタグを含み、各タグはx座標データ及びy座標データを含む。y軸は南北として定義されx軸は東西として定義される。複数のデータ要素が各タグ内に含まれる。x座標データはデータ要素それぞれの集合により表され、y座標データはデータ要素それぞれの集合により表される。x座標データは、各タグ内に2つの複製を有する、即ちタグの西側半分に第1の複製を、タグの東側半分に第2の複製を有する。y座標データは、各タグ内に2つの複製を有する、即ちタグの北側半分に第1の複製を、タグの南側半分に第2の複製を有する。座標データのフラグメントは、符号化パターンのタグサイズ部分にタグ全体が含まれるか否かに関係なく、該タグサイズ部分が1つのタグのx座標データ及びy座標データを含むよう配列される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面上の位置符号化パターンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
出願人は、ユーザが印刷された基材、例えば紙を介してコンピュータシステムからの情報にアクセスすることができるようにする方法についてすでに説明している。基材は、その上に符号化パターンが印刷されており、この符号化パターンは、感知デバイスを使用してユーザと基材とのインタラクションが行われるときに光学的感知デバイスによって読み取られる。コンピュータは、感知デバイスからインタラクションデータを受け取り、このデータを使用して、ユーザによってどのようなアクションが要求されているかを判別する。例えば、ユーザは、フォーム上に手書き入力を行ったり、印刷されたアイテムの周りで選択ジェスチャーを実行したりすることができる。この入力は、コンピュータシステムによって印刷された基材に対応するページ記述を参照しつつ解釈される。
【0003】
感知デバイスによって取り込まれる画像を最大限利用可能なように基材上の符号化パターンを改善することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,832,717号
【発明の概要】
【0005】
第1の態様において、本発明は、表面上に符号化パターンが配置されている基材を形成し、前記符号化パターンは、
y軸が南北として公称的に定義され、x軸が東西として公称的に定義される、それぞれがx座標データ及びy座標データを含む複数の連続するタグと、
それぞれのタグに含まれる複数のデータ要素であって、前記x座標データがデータ要素のそれぞれの集合により表され、前記y座標データがデータ要素のそれぞれの集合により表される複数のデータ要素とを含むが、
ただし、
前記x座標データは、それぞれのタグ内に2つの複製を有する、つまり、前記タグの西側半分に第1の複製を、前記タグの東側半分に第2の複製を有し、
前記y座標データは、それぞれのタグ内に2つの複製を有する、つまり、前記タグの北側半分に第1の複製を、前記タグの南側半分に第2の複製を有し、
前記座標データのフラグメントは、前記符号化パターンのタグサイズの部分が前記部分にタグ全体が含まれるかどうかに関係なく1つのタグに関する前記x座標データ及び前記y座標データを含むことを保証されるように配列される。
【0006】
適宜、それぞれのタグは正方形である。
【0007】
適宜、前記符号化パターンは、
複数のセルを含む、ターゲットグリッドを定める複数のターゲット要素を含み、隣接するセルはターゲット要素を共有し、それぞれのタグは、複数の連続するセルによって定められる。
【0008】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、Mを少なくとも値2を有する整数としてM個の連続する正方形のセルを含む。
【0009】
適宜、前記データ要素は、マクロドットである。
【0010】
適宜、データの一部は、セル内の複数の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、複数の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0011】
適宜、データのnビット部分は、セル内の2個の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、nを整数として、2個の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0012】
適宜、それぞれのセルは、シンボルグループを定義し、それぞれのシンボルグループは複数の前記データ要素によって符号化された複数のリードソロモンシンボルを含む。
【0013】
適宜、それぞれのシンボルは、2つの半分を含み、それぞれの半分は前記半分内の4つの可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表される2ビットのデータを含む。
【0014】
適宜、前記x座標データは、リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなるx座標コードワードとして符号化され、前記y座標データは、リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなるy座標コードワードとして符号化される。
【0015】
適宜、それぞれのタグは、1つ又は複数の共通コードワードを含み、それぞれの共通コードワードは前記リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなり、前記1つ又は複数の共通コードワードは、複数の連続するタグに共通のコードワードとして定義される。
【0016】
適宜、それぞれのシンボルグループは、前記1つ又は複数の共通コードワードのうちの少なくとも1つのコードワードのフラグメントを含み、連続するシンボルグループは、前記符号化パターンのタグサイズの部分が、前記部分にタグ全体が含まれているかどうかに関係なく前記1つ又は複数の共通コードワードを含むことを保証されるように配列される。
【0017】
適宜、前記1つ又は複数の共通コードワードは、前記表面の一領域を一意的に識別する領域識別データを符号化する。
【0018】
適宜、前記1つ又は複数の共通コードワードは、前記基材を一意的に識別する。
【0019】
適宜、それぞれのセルは、少なくとも1つのデータ要素によって符号化された方向シンボルを含み、前記方向シンボルは前記表面に関する前記符号化パターンの方向を識別する。
【0020】
適宜、それぞれのセルは、前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された1つ又は複数の平行移動シンボルを含み、前記平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルの平行移動を識別する。
【0021】
適宜、それぞれのセルは、一対の直交平行移動シンボルを含み、それぞれの直交平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルのそれぞれの直交平行移動を識別する。
【0022】
適宜、前記ターゲット要素は、ローパスフィルタによって前記データ要素から十分に区別可能な大きさである。
【0023】
適宜、前記ターゲット要素はターゲットドットであり、前記データ要素はマクロドットである。
【0024】
適宜、それぞれのターゲットドットは、それぞれのマクロドットの直径の少なくとも2倍の直径を有する。
【0025】
第2の態様において、本発明は、基材の表面上に配置された符号化パターンを撮像する方法を提供し、前記方法は、
(a)前記表面に相対的に光学式読み取り装置を位置決めするステップと、前記符号化パターンの一部の画像を取り込むステップとを動作可能なように行うステップであって、前記符号化パターンは、
y軸が南北として公称的に定義され、x軸が東西として公称的に定義される、それぞれがx座標データ及びy座標データを含む複数の連続するタグと、
それぞれのタグに含まれる複数のデータ要素であって、前記x座標データがデータ要素のそれぞれの集合により表され、前記y座標データがデータ要素のそれぞれの集合により表される複数のデータ要素とを含み、
前記x座標データは、それぞれのタグ内に2つの複製を有する、つまり、前記タグの西側半分に第1の複製を、前記タグの東側半分に第2の複製を有し、
前記y座標データは、それぞれのタグ内に2つの複製を有する、つまり、前記タグの北側半分に第1の複製を、前記タグの南側半分に第2の複製を有する、ステップと、
(b)前記撮像された部分に含まれるx座標データ及びy座標データをサンプリングし、復号するステップと、
(c)前記ペンの位置を判定するステップとを含み、
前記部分は、少なくともタグ直径1つ分の、またタグ直径2つ分よりも小さい直径を有する。
適宜、それぞれのタグは正方形である。
【0026】
適宜、前記符号化パターンは、
複数のセルを含む、ターゲットグリッドを定める複数のターゲット要素を含み、隣接するセルはターゲット要素を共有し、それぞれのタグは、複数の連続するセルによって定められる。
【0027】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、Mを少なくとも値2を有する整数としてM個の連続する正方形のセルを含む。
【0028】
適宜、前記データ要素は、マクロドットである。
【0029】
適宜、データの一部は、セル内の複数の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、複数の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0030】
適宜、データのnビット部分は、セル内の2個の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、nを整数として、2個の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0031】
適宜、それぞれのセルは、シンボルグループを定義し、それぞれのシンボルグループは複数の前記データ要素によって符号化された複数のリードソロモンシンボルを含む。
【0032】
適宜、それぞれのシンボルは、2つの半分を含み、それぞれの半分は前記半分内の4つの可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表される2ビットのデータを含む。
【0033】
適宜、前記x座標データは、リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなるx座標コードワードとして符号化され、前記y座標データは、リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなるy座標コードワードとして符号化される。
【0034】
他の態様において、基材の表面上に配置された符号化パターンを撮像するシステムが実現され、前記システムは、
(A)前記基材であって、前記符号化パターンは、
y軸が南北として公称的に定義され、x軸が東西として公称的に定義される、それぞれがx座標データ及びy座標データを含む複数の連続するタグと、
それぞれのタグに含まれる複数のデータ要素であって、前記x座標データがデータ要素のそれぞれの集合により表され、前記y座標データがデータ要素のそれぞれの集合により表される複数のデータ要素とを含み、
前記x座標データは、それぞれのタグ内に2つの複製を有する、つまり、前記タグの西側半分に第1の複製を、前記タグの東側半分に第2の複製を有し、
前記y座標データは、それぞれのタグ内に2つの複製を有する、つまり、前記タグの北側半分に第1の複製を、前記タグの南側半分に第2の複製を有する、前記基材と、
(B)光学式読み取り装置であって、
前記符号化パターンの一部の画像を取り込む、少なくともタグ1つ分の直径の大きさであり、タグ2つ分の直径よりも小さい視野を有する、画像センサーと、
プロセッサであって、
(i)前記取り込まれた画像内にあるx座標データ及びy座標データをサンプリングし、復号するステップと、
(ii)前記ペンの位置を判定するステップとを実行するように構成されたプロセッサとを備える光学式読み取り装置とを備える。
【0035】
適宜、それぞれのタグは正方形である。
【0036】
適宜、前記符号化パターンは、
複数のセルを含む、ターゲットグリッドを定める複数のターゲット要素を含み、隣接するセルはターゲット要素を共有し、それぞれのタグは、複数の連続するセルによって定められる。
【0037】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、Mを少なくとも値2を有する整数としてM個の連続する正方形のセルを含む。
【0038】
適宜、データの一部は、セル内の複数の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、複数の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0039】
適宜、データのnビット部分は、セル内の2個の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、nを整数として、2個の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0040】
適宜、それぞれのセルは、シンボルグループを定義し、それぞれのシンボルグループは複数の前記データ要素によって符号化された複数のリードソロモンシンボルを含む。
【0041】
適宜、それぞれのシンボルは、2つの半分を含み、それぞれの半分は前記半分内の4つの可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表される2ビットのデータを含む。
【0042】
適宜、前記x座標データは、リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなるx座標コードワードとして符号化され、前記y座標データは、リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなるy座標コードワードとして符号化される。
【0043】
適宜、前記読み取り装置は、ペン先を有する光学式撮像ペンである。
【0044】
第3の態様において、本発明は、表面上に符号化パターンが配置されている基材を形成し、前記符号化パターンは、
複数のセルを含むターゲットグリッドを定める、隣接するセルが共有する複数のターゲット要素と、
それぞれのセル内に含まれる複数のデータ要素と、
それぞれのタグが複数の連続するセルによって定められ、それぞれのタグが前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化されたそれぞれのローカルタグデータを含む複数のタグとを含み、
それぞれのタグは、少なくとも9個のターゲット要素を含む。
【0045】
適宜、それぞれのタグは、少なくとも16個のターゲット要素を含む。
【0046】
適宜、それぞれのタグは、少なくとも25個のターゲット要素を含む。
適宜、それぞれのタグは正方形であり、Mを少なくとも値2を有する整数としてM個の連続する正方形のセルを含む。
【0047】
適宜、前記ターゲット要素は、前記符号化パターンの一部が光学的感知デバイスによって取得される場合に前記ターゲットグリッドの遠近歪みの計算を容易にするように構成される。
【0048】
適宜、前記ターゲット要素は、ローパスフィルタによって前記データ要素から十分に区別可能な大きさである。
【0049】
適宜、前記ターゲット要素はターゲットドットであり、前記データ要素はマクロドットである。
【0050】
適宜、それぞれのターゲットドットは、それぞれのマクロドットの直径の少なくとも2倍の直径を有する。
【0051】
適宜、前記マクロドットは、パルス位置変調によりデータ値を符号化する。
【0052】
適宜、データのnビット部分は、セル内の2個の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、nを整数として、2個の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0053】
適宜、それぞれのタグは前記ローカルタグデータの複数の複製を含み、これにより、前記符号化パターンのタグサイズの部分は前記部分にタグ全体が含まれるかどうかに関係なく前記ローカルタグデータを含むことを保証される。
【0054】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、前記ローカルタグデータの4つの複製を含み、それぞれの複製は前記タグのそれぞれの四分の一の中に配置される。
【0055】
適宜、前記ローカルタグデータは、それぞれのタグの配置を識別する。
【0056】
適宜、それぞれのタグは、前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された共通データを含むが、ただし、前記共通データは、複数の連続するタグに共通のデータとして定義される。
【0057】
適宜、それぞれのセルは、前記共通データのフラグメントを含み、連続するセルは、前記符号化パターンのタグサイズの部分が前記部分にタグ全体が含まれるかどうかに関係なく前記共通データを含むことを保証されるように配列される。
【0058】
適宜、前記共通データは、前記表面の一領域を一意的に識別する領域識別データである。
【0059】
適宜、前記共通データは、前記基材を一意的に識別する。
【0060】
適宜、それぞれのセルは、前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された方向データを含み、前記方向データは、前記表面に関して前記符号化パターンの方向を識別する。
【0061】
適宜、それぞれのセルは、前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された平行移動データを含み、前記平行移動データは前記セルを含むタグに相対的な前記セルの平行移動を識別する。
【0062】
適宜、それぞれのセルは、シンボルグループを定義し、それぞれのシンボルグループは複数の前記データ要素によって符号化された複数のリードソロモンシンボルを含む。
【0063】
第4の態様において、本発明は、表面上に符号化パターンが配置されている基材を形成し、前記符号化パターンは、
複数のセルを含むターゲットグリッドを定める、隣接するセルが共有する複数のターゲット要素と、
それぞれのセル内に含まれる複数のデータ要素と、
それぞれのタグが複数の連続するセルによって定められ、それぞれのタグが前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化されたそれぞれのローカルタグデータを含む複数のタグとを含み、
前記データ要素は、パルス位置変調によりデータ値を符号化する。
【0064】
適宜、前記データ要素は、マクロドットである。
【0065】
適宜、データの一部は、セル内の複数の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、複数の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0066】
適宜、データのnビット部分は、セル内の2個の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、nを整数として、2個の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0067】
適宜、それぞれのセルは、シンボルグループを定義し、それぞれのシンボルグループは複数の前記データ要素によって符号化された複数のリードソロモンシンボルを含む。
【0068】
適宜、それぞれのシンボルは、2つの半分を含み、それぞれの半分は前記半分内の4つの可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表される2ビットのデータを含む。
【0069】
適宜、前記ローカルタグデータは、前記リードソロモンシンボルの集合からなるローカルコードワードとして符号化される。
【0070】
適宜、それぞれのタグは前記ローカルコードワードの複数の複製を含み、これにより、前記符号化パターンのタグサイズの部分は前記部分にタグ全体が含まれるかどうかに関係なく前記ローカルコードワードを含むことを保証される。
【0071】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、前記ローカルコードワードの4つの複製を含み、それぞれの複製は前記タグのそれぞれの四分の一の中に配置される。
【0072】
適宜、それぞれのローカルコードワードは、それぞれのタグの配置を識別する。
【0073】
適宜、それぞれのタグは、1つ又は複数の共通コードワードを含み、それぞれの共通コードワードは前記リードソロモンシンボルの集合からなり、前記1つ又は複数の共通コードワードは、複数の連続するタグに共通のコードワードとして定義される。
【0074】
適宜、それぞれのシンボルグループは、前記1つ又は複数の共通コードワードのうちの少なくとも1つのコードワードのフラグメントを含み、連続するシンボルグループは、前記符号化パターンのタグサイズの部分が、前記部分にタグ全体が含まれているかどうかに関係なく前記1つ又は複数の共通コードワードを含むことを保証されるように配列される。
【0075】
適宜、前記1つ又は複数の共通コードワードは、前記表面の一領域を一意的に識別する領域識別データを符号化する。
【0076】
適宜、前記1つ又は複数の共通コードワードは、前記基材を一意的に識別する。
【0077】
適宜、それぞれのセルは、少なくとも1つのデータ要素によって符号化された方向シンボルを含み、前記方向シンボルは前記表面に関する前記符号化パターンの方向を識別する。
【0078】
適宜、それぞれのセルは、前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された1つ又は複数の平行移動シンボルを含み、前記平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルの平行移動を識別する。
【0079】
適宜、それぞれのセルは、一対の直交平行移動シンボルを含み、それぞれの直交平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルのそれぞれの直交平行移動を識別する。
【0080】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、Mを少なくとも値2を有する整数としてM個の連続する正方形のセルを含む。
【0081】
適宜、前記ターゲット要素は、ローパスフィルタによって前記データ要素から十分に区別可能な大きさである。
【0082】
適宜、前記ターゲット要素はターゲットドットであり、前記データ要素はマクロドットであり、それぞれのターゲットドットは、それぞれのマクロドットの直径の少なくとも2倍の直径を有する。
【0083】
第5の態様において、本発明は、表面上に符号化パターンが配置されている基材を形成し、前記符号化パターンは、
複数のセルを含むターゲットグリッドを定める、隣接するセルが共有する複数のターゲット要素と、
それぞれのセル内に含まれる複数のデータ要素と、
それぞれのタグが複数の連続するセルによって定められる、それぞれのタグが前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化されたそれぞれのタグデータを含む複数のタグとを含み、
それぞれのセルは、少なくとも1つのデータ要素によって符号化された少なくとも1つの方向シンボルを含み、これにより、前記符号化パターンのタグサイズの部分は、それぞれの方向シンボルが前記ターゲットグリッドに関して前記タグデータのレイアウトの方向を識別する複数の前記方向シンボルを含むことを保証される。
【0084】
適宜、それぞれの方向シンボルは、それぞれのセル内の、それぞれの位置が4つの可能な方向のうちの1つの方向を表す4つの可能な位置のうちの1つの位置に位置決めされたデータ要素を含む。
【0085】
適宜、それぞれの方向シンボルは、前記4つの方向のうちのどれかの方向に光学的感知デバイスによって読み取り可能である。
【0086】
適宜、それぞれのタグは、N個のセルを含み、少なくともN個の方向シンボルは、Nを少なくとも4の値を持つ整数として最小距離Nを有する方向符号を形成する。
【0087】
適宜、前記セルは、前記符号化パターンのタグサイズの部分が少なくともN個の方向シンボルを含む前記方向符号を含むことを保証されるように配列される。
【0088】
適宜、前記データ要素は、マクロドットである。
【0089】
適宜、データの一部は、セル内の複数の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、複数の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0090】
適宜、データのnビット部分は、セル内の2個の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、nを整数として、2個の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0091】
適宜、それぞれのセルは、シンボルグループを定義し、それぞれのシンボルグループは複数の前記データ要素によって符号化された複数のリードソロモンシンボルを含む。
【0092】
適宜、それぞれの方向シンボルは、前記ターゲットグリッドに関して前記リードソロモンシンボルのレイアウトの方向を識別する。
【0093】
適宜、前記タグデータは、前記リードソロモンシンボルの集合からなるローカルコードワードとして符号化される。
【0094】
適宜、それぞれのタグは前記ローカルコードワードの複数の複製を含み、これにより、前記符号化パターンのタグサイズの部分は前記部分にタグ全体が含まれるかどうかに関係なく前記ローカルコードワードを含むことを保証される。
【0095】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、前記ローカルコードワードの4つの複製を含み、それぞれの複製は前記タグのそれぞれの四分の一の中に配置される。
【0096】
適宜、それぞれのローカルコードワードは、それぞれのタグの配置を識別する。
【0097】
適宜、それぞれのタグは、1つ又は複数の共通コードワードを含み、それぞれの共通コードワードは前記リードソロモンシンボルの集合からなり、前記1つ又は複数の共通コードワードは、複数の連続するタグに共通のコードワードとして定義される。
【0098】
適宜、それぞれのシンボルグループは、前記1つ又は複数の共通コードワードのうちの少なくとも1つのコードワードのフラグメントを含み、連続するシンボルグループは、前記符号化パターンのタグサイズの部分が、前記部分にタグ全体が含まれているかどうかに関係なく前記1つ又は複数の共通コードワードを含むことを保証されるように配列される。
【0099】
適宜、前記1つ又は複数の共通コードワードは、前記表面の一領域を一意的に識別する領域識別データを符号化する。
【0100】
適宜、前記1つ又は複数の共通コードワードは、前記基材を一意的に識別する。
【0101】
適宜、それぞれのセルは、前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された1つ又は複数の平行移動シンボルを含み、前記平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルの平行移動を識別する。
【0102】
適宜、それぞれのセルは、一対の直交平行移動シンボルを含み、それぞれの直交平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルのそれぞれの直交平行移動を識別する。
【0103】
第6の態様において、本発明は、表面上に符号化パターンが配置されている基材を形成し、前記符号化パターンは、
複数のセルを含むターゲットグリッドを定める、隣接するセルが共有する複数のターゲット要素と、
それぞれのセル内に含まれる複数のデータ要素と、
それぞれのタグが複数の連続するセルによって定められ、それぞれのタグが前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化されたそれぞれのローカルタグデータを含み、それぞれのタグが前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された共通データを含み、前記共通データが複数の連続するタグに共通のデータとして定義される複数のタグとを含み、
それぞれのセルは、前記共通データのフラグメントを含み、連続するセルは、前記符号化パターンのタグサイズの部分が前記部分にタグ全体が含まれるかどうかに関係なく前記共通データを含むことを保証されるように配列される。
【0104】
適宜、前記共通データは、前記表面の一領域を一意的に識別する領域識別データである。
【0105】
適宜、前記共通データは、前記基材を一意的に識別する。
【0106】
適宜、前記データ要素は、マクロドットである。
【0107】
適宜、データの一部は、セル内の複数の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、複数の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0108】
適宜、データのnビット部分は、セル内の2個の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、nを整数として、2個の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0109】
適宜、それぞれのセルは、シンボルグループを定義し、それぞれのシンボルグループは複数の前記データ要素によって符号化された複数のリードソロモンシンボルを含む。
【0110】
適宜、それぞれのシンボルは、2つの半分を含み、それぞれの半分は前記半分内の4つの可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表される2ビットのデータを含む。
【0111】
適宜、前記共通データは、それぞれの共通コードワードが前記リードソロモンシンボルの集合からなる1つ又は複数の共通コードワードとして符号化される。
【0112】
適宜、それぞれのシンボルグループは、前記1つ又は複数の共通コードワードのうちの少なくとも1つのコードワードのフラグメントを含み、連続するシンボルグループは、前記符号化パターンのタグサイズの部分が、前記部分にタグ全体が含まれているかどうかに関係なく前記1つ又は複数の共通コードワードを含むことを保証されるように配列される。
【0113】
適宜、前記ローカルタグデータは、前記リードソロモンシンボルの集合からなるローカルコードワードとして符号化される。
【0114】
適宜、それぞれのタグは前記ローカルコードワードの複数の複製を含み、これにより、前記符号化パターンのタグサイズの部分は前記部分にタグ全体が含まれるかどうかに関係なく前記ローカルコードワードを含むことを保証される。
【0115】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、前記ローカルコードワードの4つの複製を含み、それぞれの複製は前記タグのそれぞれの四分の一の中に配置される。
【0116】
適宜、前記ローカルタグデータは、それぞれのタグの配置を識別する。
【0117】
適宜、それぞれのセルは、少なくとも1つのデータ要素によって符号化された方向シンボルを含み、前記方向シンボルは前記表面に関する前記符号化パターンの方向を識別する。
【0118】
適宜、それぞれのセルは、前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された1つ又は複数の平行移動シンボルを含み、前記平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルの平行移動を識別する。
【0119】
適宜、それぞれのセルは、一対の直交平行移動シンボルを含み、それぞれの直交平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルのそれぞれの直交平行移動を識別する。
【0120】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、Mを少なくとも値2を有する整数としてM個の連続する正方形のセルを含む。
【0121】
適宜、前記ターゲット要素は、ローパスフィルタによって前記データ要素から十分に区別可能な大きさである。
【0122】
適宜、前記ターゲット要素はターゲットドットであり、前記データ要素はマクロドットであり、それぞれのターゲットドットは、それぞれのマクロドットの直径の少なくとも2倍の直径を有する。
【0123】
第7の態様において、本発明は、表面上に符号化パターンが配置されている基材を形成し、前記符号化パターンは、
複数のセルを含むターゲットグリッドを定める、隣接するセルが共有する複数のターゲット要素と、
それぞれのセル内に含まれる複数のデータ要素と、
それぞれのタグが複数の連続するセルによって定められる、それぞれのタグが前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化されたそれぞれのタグデータを含む複数のタグとを含み、
それぞれのセルは、前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された1つ又は複数の平行移動シンボルを含み、前記1つ又は複数の平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルの平行移動を識別する。
【0124】
適宜、それぞれのセルは、一対の直交平行移動シンボルを含み、それぞれの直交平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルのそれぞれの直交平行移動を識別する。
【0125】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、Mを少なくとも値2を有する整数としてM個の連続する正方形のセルを含む。
【0126】
適宜、1行のM個のセル内のM個の平行移動シンボルは、最小距離Mを有する巡回位置符号を定義し、前記符号は第1のコードワードによって定義される。
【0127】
適宜、1列のM個のセル内のM個の平行移動シンボルは、最小距離Mを有する巡回位置符号を定義し、前記符号は第2のコードワードによって定義される。
【0128】
適宜、それぞれのタグは、N個のセルを含み、少なくともN個の平行移動シンボルは、Nを少なくとも4の値を持つ整数として最小距離Nを有する第3のコードワードを形成する。
【0129】
適宜、前記符号化パターンのタグサイズの部分は、少なくともN個の平行移動シンボルを含むことを保証されており、これにより前記第3のコードワードを取り込む。
【0130】
適宜、それぞれのセルは、少なくとも1つのデータ要素によって符号化された少なくとも1つの方向シンボルを含み、これにより、前記符号化パターンのタグサイズの部分は、それぞれの方向シンボルが前記表面に関して前記符号化パターンの方向を識別する複数の前記方向シンボルを含むことを保証される。
【0131】
適宜、前記データ要素は、マクロドットである。
【0132】
適宜、データの一部は、セル内の複数の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、複数の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0133】
適宜、データのnビット部分は、セル内の2個の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、nを整数として、2個の可能なデータ値のうちの1つの値を表す。
【0134】
適宜、それぞれのセルは、シンボルグループを定義し、それぞれのシンボルグループは複数の前記データ要素によって符号化された複数のリードソロモンシンボルを含む。
【0135】
適宜、それぞれのシンボルは、2つの半分を含み、それぞれの半分は前記半分内の4つの可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表される2ビットのデータを含む。
【0136】
適宜、前記タグデータは、前記リードソロモンシンボルの集合からなるローカルコードワードとして符号化される。
【0137】
適宜、それぞれのタグは前記ローカルコードワードの複数の複製を含み、これにより、前記符号化パターンのタグサイズの部分は前記部分にタグ全体が含まれるかどうかに関係なく前記ローカルコードワードを含むことを保証される。
【0138】
適宜、それぞれのタグは正方形であり、前記ローカルコードワードの4つの複製を含み、それぞれの複製は前記タグのそれぞれの四分の一の中に配置される。
【0139】
適宜、それぞれのローカルコードワードは、それぞれのタグの配置を識別する。
【0140】
適宜、それぞれのタグは、1つ又は複数の共通コードワードを含み、それぞれの共通コードワードは前記リードソロモンシンボルの集合からなり、前記1つ又は複数の共通コードワードは、複数の連続するタグに共通のコードワードとして定義される。
【0141】
適宜、それぞれのシンボルグループは、前記1つ又は複数の共通コードワードのうちの少なくとも1つのコードワードのフラグメントを含み、連続するシンボルグループは、前記符号化パターンのタグサイズの部分が、前記部分にタグ全体が含まれているかどうかに関係なく前記1つ又は複数の共通コードワードを含むことを保証されるように配列される。
【0142】
適宜、前記1つ又は複数の共通コードワードは、前記表面の一領域を一意的に識別する領域識別データを符号化する。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】サンプルの印刷されたネットページとそのオンラインページ記述との間の関係を示す略図である。
【図2】リレーデバイスのさまざまな代替形態を持つ基本ネットページアーキテクチャの一実施形態を示す図である。
【図3】タグの構造を示す図である。
【図4】9つのシンボルと4つのターゲットとからなる1つのグループを示す図である。
【図5】左手シンボルユニットセルを示す図である。
【図6】右手シンボルユニットセルを示す図である。
【図7】中央シンボルユニットセルを示す図である。
【図8】マクロドット位置の間隔を示す図である。
【図9】シンボルグループ内のシンボルのレイアウトを示す図である。
【図10】方向符号シンボルのレイアウトを示す図である。
【図11】平行移動符号シンボルのレイアウトを示す図である。
【図12】シンボルグループ内の方向及び平行移動符号シンボルのレイアウトを示す図である。
【図13】第1のコピーが陰影付きで示されている複製されたローカルコードワードAを示す図である。
【図14】コードワードBが陰影付きで示されている共通コードワードB、C、D、及びEを示す図である。
【図15】データストリームフラグメントのコードワードFを示す図である。
【図16】完全なタグのレイアウトを示す図である。
【図17】ローカルコードワードのレイアウトを示す図である。
【図18】画像処理の流れ図である。
【図19】ユーザが握るペンのペン先と仰角を示す図である。
【図20】ユーザが筆記面に対しある標準的な傾斜角度で握るペンを示す図である。
【図21】ペンの横断面を示す図である。
【図22A】ペンの底部及びペン先端の部分斜視図である。
【図22B】センサー窓の照明野と視野が点線の輪郭で示されている底部及びペン先端の部分斜視図である。
【図23】ペンの縦断面を示す図である。
【図24A】ペン先及び外筒成形物の部分縦断面を示す図である。
【図24B】IR LED及び外筒成形物の部分縦断面を示す図である。
【図25】インクカートリッジのスケッチに隣接するペン光学系のレイトレースを示す図である。
【図26】レンズの側面図である。
【図27】ペン先の側面及び光学センサーの視野を示す図である。
【図28】ペン電子回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0144】
本発明のいくつかの好ましい実施形態及び他の実施形態は、限定されない実施例のみを使って、付属の図面を参照しつつ説明される。
【0145】
1.1 ネットページシステムのアーキテクチャ
好ましい一実施形態では、本発明は、ネットページネットワーク接続コンピュータシステムと連携するように構成され、これらの詳細な概要を以下に示す。すべての実装が、基本システムに関して以下で説明されている具体的な詳細及び拡張の全部を、又は大部分であっても、必ずしも具現化するとは限らないことは理解されるであろう。しかし、システムは、本発明の好ましい実施形態及び態様が動作する背景状況を理解しようとしたときに外部の参考文献をあまり参照しなくて済むように最も完全な形で説明されている。
【0146】
簡単に述べると、ネットページシステムの好ましい形態では、マッピングされた表面、つまり、コンピュータシステム内に保持されている表面のマップへの参照を含む物理的表面の形態のコンピュータインターフェースを使用する。マップ参照に対するクエリーは、適切な感知デバイスによって行われうる。特定の実装に応じて、マップ参照は、可視的に、又は不可視的に符号化され、マッピングされて表面上のローカルクエリーがマップ内及び異なるマップ間の両方において曖昧でないマップ参照を生成するように定義されうる。コンピュータシステムは、マッピングされた表面上の特徴に関する情報を格納することができ、そのような情報は、マッピングされた表面とともに使用される感知デバイスによって供給されるマップ参照に基づいて取り出すことができる。こうして取り出された情報は、オペレータと表面特徴とのインタラクションに応じてオペレータの代わりにコンピュータシステムによって起動されるアクションの形態を採りうる。
【0147】
好ましい形態では、ネットページシステムは、ネットページの生成及びネットページに対するヒューマンインタラクションを利用する。これらは、通常の紙に印刷された、ただしインタラクティブなWebページのように機能する数ページ分のテキスト、グラフィックス、及び画像である。情報は、肉眼では実質的に見えないインクを使用してそれぞれのページ上に符号化される。しかし、インクは、したがって符号化されたデータは、光学式撮像感知デバイスによって感知され、ネットページシステムに伝送されるようにできる。感知デバイスは、クリッカー(表面上の特定の位置をクリックするため)、スタイラス(ポインタストロークを使用して表面上でポイントするか、又はジェスチャーを使用するため)を有するポインタ、又はマーキング用ペン先(表面上でポイントしたり、ジェスチャーを使用したり、書いたりするときに表面にインクでマーキングするため)を有するペンの形態を採りうる。本明細書で「ペン」又は「ネットページペン」と称しているが、これは例に過ぎない。もちろん、ペンは、説明されている感知デバイスのうちのどれかの形態を採りうることは理解されるであろう。
【0148】
一実施形態では、それぞれのページ上のアクティブボタン及びハイパーリンクは、ネットワークからの情報を要求するか、又はネットワークサーバーへの参照を信号で伝えるために、感知デバイスでクリックされうる。一実施形態では、ネットページ上で手書きされたテキストは、ネットページシステム内で自動的に認識され、コンピュータテキストに変換され、これによりフォームへの書き込みが可能になる。他の実施形態では、ネットページ上に記録された署名は、自動的に確認され、eコマース取引を安全に認証することができる。他の実施形態では、ユーザによって指示されたキーワードに基づき検索を開始するために、ネットページ上のテキストがクリックされるか、又はテキストに対しジェスチャーが使用されうる。
【0149】
図1に例示されているように、印刷されたネットページ1は、ユーザによって、印刷されたページ上に、物理的に書き込まれるだけでなく、ペンとネットページシステムとの間の通信を介して「電子的に」書き込まれうるインタラクティブフォームを表すことができる。この実施例は、名前及びアドレスのいくつかのフィールドと送信ボタンを含む「Request」フォームを示している。ネットページ1は、可視インクを使用して印刷されたグラフィックデータ2とこのグラフィックデータを重ね表示された表面符号化パターン3とからなる。表面符号化パターン3は、タグ4の集合体を備える。1つのこのようなタグ4は、図1の陰影付き領域内に示されているが、符号化パターン3によって定義された連続するタグ4がネットページ1全体にわたって密にタイル状に配列されていることは理解されるであろう。
【0150】
ネットページネットワーク上に格納されている、対応するページ記述5で、ネットページの個別要素を記述する。特に、これは、ネットページシステムがネットページを介して入力を正しく解釈できるように、それぞれのインタラクティブ要素(つまり、実施例におけるテキストフィールド又はボタン)のタイプ及び空間的広がり(ゾーン)を記述する。例えば、送信ボタン6は、対応するグラフィック8の空間的広がりに対応するゾーン7を有する。
【0151】
図2に例示されているように、第3節で説明されているペンなどのネットページ感知デバイス400は、家庭で使用する、事務所で使用する、又は移動中に使用するためのインターネット接続デバイスであるネットページリレーデバイス601と連携動作する。ペン400は、無線通信を行い、短距離無線リンク9を介してネットページリレーデバイス601と安全に通信する。代替の一実施形態では、ネットページペン400は、リレーデバイス601に対しUSB又は他のシリアル接続などの有線接続を使用する。
【0152】
リレーデバイス601は、インタラクションデータを解釈する、ページサーバー10にインタラクションデータを中継する基本機能を実行する。図2に示されているように、リレーデバイス601は、例えば、パーソナルコンピュータ601a、ネットページプリンタ601b、又は他の何らかのリレー601c(例えば、Webブラウザを組み込んだパーソナルコンピュータ又は携帯電話)の形態を採りうる。
【0153】
ネットページプリンタ601bは、定期的に、又はオンデマンドで、個人向け新聞、雑誌、カタログ、冊子、及び他の刊行物を、すべてインタラクティブネットページとして高品位印刷して配布することができる。パーソナルコンピュータとは異なり、ネットページプリンタは、例えば、ユーザの台所で、朝食のテーブルの近くで、又はその日一日の家庭の出発点の近くで朝のニュースが最初に消費される領域に隣接して壁掛けできるアプライアンスである。さらに、テーブルの上に置くバージョン、机の上に置くバージョン、携帯型バージョン、及び小型バージョンのものもある。消費の時点においてオンデマンドで印刷されるネットページは、紙の使いやすさとインタラクティブ媒体の即時性及び双方向性とを兼ね備える。
【0154】
それとは別に、ネットページリレーデバイス601は、携帯電話若しくはPDAなどの携帯型デバイス、ラップトップ若しくはデスクトップコンピュータ、又はテレビなどの共有ディスプレイに接続された情報アプライアンスとしてもよい。リレーデバイス601が、ネットページをオンデマンドでデジタル印刷するネットページプリンタ601bでない場合、ネットページは、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、及び輪転グラビア印刷などの技術を使用する伝統的なアナログ印刷機によって、さらにはドロップオンデマンドインクジェット、連続インクジェット、転染、及びレーザー印刷などの技術を使用するデジタル印刷機によって印刷されうる。
【0155】
図2に示されているように、ネットページ感知デバイス400は、印刷されたネットページ1、又は製品251のラベルなどの他の印刷された基材上のタグパターンの一部とのインタラクションを実行し、短距離無線リンク9を介してそのインタラクションをリレーデバイス601に伝える。リレー601は、解釈のため対応するインタラクションデータを関連するネットページページサーバー10に送信する。感知デバイス400から受信された生データは、インタラクションデータとしてページサーバー10に直接中継されうる。それとは別に、インタラクションデータは、インタラクションURIの形で符号化され、ユーザのWebブラウザ601cを介してページサーバー10に送信されうる。次いで、Webブラウザ601cは、ページサーバー10からURIを受信し、Webサーバー201を介してWebページにアクセスすることができる。いくつかの状況において、ページサーバー10は、ネットページアプリケーションサーバー13上で実行中のアプリケーションコンピュータソフトウェアにアクセスできる。
【0156】
ネットページリレーデバイス601は、任意の数の感知デバイスをサポートするように構成することができ、感知デバイスは、任意の数のネットページリレーと連携動作しうる。好ましい実装では、それぞれのネットページ感知デバイス400は一意的な識別子を有する。これにより、それぞれのユーザは、ネットページページサーバー10又はアプリケーションサーバー13に関して異なるプロファイルを維持することができる。
【0157】
ネットページ1のデジタルオンデマンド配布は、利用が高まっているブロードバンドインターネットアクセスを利用するネットページプリンタ601bによって実行されうる。ネットページネットワーク上のネットページパブリケーションサーバー14は、印刷品質の刊行物をネットページプリンタに配信するように構成される。定期刊行物は、ポイントキャスト及びマルチキャストのインターネットプロトコルを介してサブスクライブするネットページプリンタに自動的に配信される。個人向け刊行物は、個々のユーザプロファイルに従ってフィルタ処理され、フォーマットされる。
【0158】
ネットページペンは、ネットページ登録サーバー11に登録され、1つ又は複数の決済カード口座にリンクされうる。これにより、ネットページペンを使用してeコマース決済を安全に認証することができる。ネットページ登録サーバーは、ネットページペンによって取り込まれた署名とすでに登録されている署名との比較を行い、eコマースサーバーに対しユーザIDを認証することができる。他のバイオメトリクスも、本人確認に使用できる。ネットページペンの一バージョンは、ネットページ登録サーバーによって類似の方法で確認される、指紋スキャニングを含む。
【0159】
1.2 ネットページ
ネットページは、ネットページネットワークを構築するための基礎である。これらは、公開された情報及びインタラクティブサービスに対する紙を利用したユーザインターフェースを構成する。
【0160】
図1に示されているように、ネットページは、ページのオンライン記述5を参照しつつ不可視タグが付けられた印刷されたページ(又は他の表面領域)からなる。オンラインページ記述5は、ネットページページサーバー10によって永続的に保持される。ページ記述は、テキスト、グラフィックス、及び画像を含む、ページの可視レイアウト及びコンテンツを記述するものである。また、ボタン、ハイパーリンク、及び入力フィールドを含む、ページ上の入力要素も記述する。ネットページを使用すると、表面上にネットページペンで付けられたマーキングが、ネットページシステムによって同時に取り込まれ、処理されるようにできる。
【0161】
複数のネットページ(例えば、アナログ印刷機によって印刷されたネットページ)は、同じページ記述を共有することができる。しかし、他の何らかの形で同一のページを通じての入力を区別できるように、それぞれのネットページに、一意的なページ識別子を割り当てることができる。このページIDは、非常に多くのネットページを区別できる十分に高い精度を有する。
【0162】
ページ記述5に対するそれぞれの参照は、ネットページパターンで繰り返し符号化される。それぞれのタグ(及び/又は連続するタグの集合体)は、それが出現する一意的なページを識別し、それにより、ページ記述5を間接的に識別する。それぞれのタグは、さらに、ページ上のそれ固有の位置を識別する。タグの特性については、以下でさらに詳しく説明される。
【0163】
タグは、典型的には、通常の紙などの赤外線を反射する基材上に赤外線吸収インクで印刷されるか、又は赤外線蛍光インクで印刷される。近赤外線波長は、人の目には不可視であるが、適切なフィルタを使った固体画像センサーを使用すれば容易に感知される。
【0164】
タグは、ネットページ感知デバイス内の2D領域画像センサーによって感知され、タグデータは、最も近い位置にあるネットページリレーデバイス601を介してネットページシステムに伝送される。ペン400は、無線通信を行い、短距離無線リンクを介してネットページリレーデバイス601と通信する。インタラクションはステートレスなので、ペン側でページとのインタラクション毎にページのID及び位置を認識することが重要である。タグは、表面の損傷に対する部分的耐性を持たせるために誤り訂正可能なように符号化される。
【0165】
ネットページページサーバー10は、それぞれの一意的な印刷されたネットページについて一意的なページインスタンスを保持し、これにより、印刷されたネットページ1毎にページ記述5の入力フィールドに対しユーザが指定する値の異なる集合を保持することができる。
【0166】
2 ネットページタグ
2.1 タグデータのコンテンツ
それぞれのタグ4は、基材の一領域内のそのタグの絶対位置を識別する。
【0167】
ネットページとのそれぞれのインタラクションでは、タグ位置と併せて領域IDも構成すべきである。好ましい一実施形態では、タグが参照する領域は、ページ全体と一致し、したがって、領域IDは、タグが出現するページのページIDと同義である。他の実施形態では、タグが参照する領域は、ページの任意の部分領域であるか、又は他の表面であってもよい。例えば、これは、インタラクティブ要素のゾーンと一致してもよく、この場合、領域IDはインタラクティブ要素を直接的に識別することができる。
【0168】
出願人の以前の出願(例えば、特許文献1)で説明されているように、領域IDは、それぞれのタグ4で個別に符号化されうる。以下でさらに詳しく説明されるように、領域IDは、タグ全体が感知デバイスの視野内にない場合であっても基材とのすべてのインタラクションにおいて領域IDを識別するような方法で複数の連続するタグで符号化されうる。
【0169】
それぞれのタグ4は、好ましくは、タグが印刷される基材に関してタグの方向を識別すべきである。タグから読み取られた方向データにより、基材に関するペン101の方向(ヨー)を決定することができる。
【0170】
タグ4は、さらに、全体として領域に関係するか、又は個別のタグに関係する1つ又は複数のフラグを符号化することもできる。例えば、1つ又は複数のフラグビットは、感知デバイス側で領域の記述を参照しなくても、タグの即時領域に関連する機能を示すフィードバックを返すように感知デバイスに通知することができる。例えば、ネットページペンは、ハイパーリンクのゾーン内にあるときに「アクティブ領域」LEDを点灯させることができる。
【0171】
タグ4は、さらに、デジタル署名又はそのフラグメントを符号化することもできる。(部分的な)デジタル署名を符号化するタグは、製品が本物であることを確認する必要があるアプリケーションにおいて有用である。このようなアプリケーションは、例えば米国特許出願公開第2007/0108285号明細書において説明されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれている。デジタル署名は、基材とのすべてのインタラクションで取り出せるように符号化されうる。それとは別に、デジタル署名は、基材のランダムなスキャン、又は部分的なスキャンで組み立てられるように符号化されうる。
【0172】
もちろん、以下でさらに詳しく説明されるように、他のタイプの情報(例えば、タグサイズなど)も、符号化してそれぞれのタグ又は複数のタグの中に入れることができることは理解されるであろう。
【0173】
2.2 一般的なタグ構造
図1に関して上で説明されているように、ネットページ表面符号化は、一般に、タグの高密度平面状タイリングからなる。本発明では、それぞれのタグ4は、2種類の要素を含む符号化パターンによって表される。図3及び4を参照すると、第1の種類の要素は、ターゲット要素である。ターゲットドット301の形態のターゲット要素により、タグ4を符号化された表面の画像内に配置することができ、またタグの遠近歪みを推論することができる。第2の種類の要素は、マクロドット302の形態のデータ要素である(図7を参照)。それぞれのマクロドット302は、データ値を符号化する。出願人の以前の開示(例えば、米国特許第6,832,717号明細書)で説明されているように、バイナリビットを表すためにマクロドットの有無が使用される。しかし、本発明のタグ構造は、第2.3節でさらに詳しく説明されている、パルス位置変調を使用してデータ値を符号化する。
【0174】
符号化パターン3は、光学的撮像系によって取得できるように、特に近赤外線の狭帯域応答を持つ光学系によって取得できるように表面上に表される。パターン3は、典型的には、狭帯域の近赤外線インクを使用して表面上に印刷される。
【0175】
図3は、ターゲット要素301が示されている完全なタグ4の構造を示している。タグ4は、正方形であり、16のターゲット要素を含む。タグのエッジとコーナーに配置されているこれらのターゲット要素301(全部で12個)は、隣接するタグによって共有され、タグの周を定める。出願人の以前のタグ設計とは対照的に、多数のターゲット要素301を用意することで、感知デバイス101による撮像時にタグ4の遠近歪みを正確に測定することが容易に行えて有利である。これは、タグの感知及び最終的には位置決定の精度を高める。
【0176】
タグ4は、9個のシングルグループ303の正方形の配列からなる。シンボルグループ303は、それぞれのシンボルグループは4つのターゲット要素によって定められた正方形内に収まるようにターゲット要素301によって区別される。隣接するシンボルグループ303は、連続的であり、ターゲットを共有する。
【0177】
ターゲット要素301はすべて同一なので、隣接するタグ同士を区別しない。純粋にターゲット要素のレベルで見たときに、ターゲットグリッドのセルを定めるシンボルグループ303のみが区別されうる−タグ4それ自体は、ターゲット要素のみを見ることでは区別不可能である。したがって、タグ4は、タグ復号の一環としてターゲットグリッドと位置を揃えられなければならない。
【0178】
タグ4は、すべてのタグデータを、埋め込みデータオブジェクトを除き(第2.8.3節を参照)、タグのサイズ(+1マクロドットユニット)以下の撮像視野から復元できるように設計される。これは、タグ4に固有のいかなるデータも、タグ内に4回、つまり、各象限又は四分の一毎に1回、出現しなければならず、1列又は1行のタグに固有のいかなるデータも、タグ内に2回、つまり、それぞれタグの水平方向半分又は垂直方向半分毎に1回、出現しなければならず、タグの集合に共通のいかなるデータも、タグ内に1回出現する必要があることを意味する。
【0179】
2.3 シンボルグループ
図4に示されているように、9個のシンボルグループ303のそれぞれは、12個のデータシンボル304を備え、それぞれのデータシンボルは1つのコードワードの一部となっている。それに加えて、それぞれのシンボルグループ303は、方向符号(「OR」)及び2つの直交平行移動符号(「HT」及び「VT」)のそれぞれからの1つのシンボルを含む。方向符号により、視野内のタグの方向を決定することができる。2つの直交平行移動符号により、視野内のシンボルグループ303に関する(1つ又は複数の)タグの平行移動を決定することができる。つまり、この平行移動符号により、「不可視」タグとターゲットグリッドとの位置を揃えることができる。
【0180】
それぞれのシンボルグループ304は、フラグ符号(F)からの2つのシンボルを含む。フラグ符号は、アクティブ領域フラグを符号化したものである。
【0181】
それぞれのシンボル304は、4ビットのデータを格納する。一般に、それぞれのシンボル304は、二等分され、この二等分{h,h}のそれぞれは、2ビットパルス位置変調を使用して、つまり半分の中の4位置{p00,p01,p10,p11}のうちの1つの中の単一マクロドット302を使用して、符号化される。半分hは、シンボルの最下位ビットを符号化し、半分hは、最上位ビットを符号化する。
【0182】
図5は、水平矩形データシンボルのレイアウトを示している。図6は、垂直矩形データシンボルのレイアウトを示している。
【0183】
2.4 ターゲット及びマクロドット
マクロドット302の両方の次元における間隔は、図7に示されているように、パラメータsによって指定される。これは、1インチ当たり1600ドットのピッチで6つのドットが印刷されることに基づき、95μmの公称値を有する。
【0184】
マクロドット302のみが、パターン内のシンボル304の表現の一部となっている。シンボル304のアウトラインが、例えば、図3及び4に示されているのは、タグの構造をより明確に示すために過ぎない。
【0185】
マクロドット302は、公称直径が(4/6)sである公称円形である。しかし、パターンを形成するために使用されるデバイスの能力に応じてサイズを±15%ほど変えることは許される。
【0186】
ターゲット301は、公称直径が(12/6)sである公称円形である。しかし、パターンを形成するために使用されるデバイスの能力に応じてサイズを±15%ほど変えることは許される。
【0187】
それぞれのタグ4は、幅40s、長さ40sを有する。
【0188】
マクロドット間隔、したがってタグパターンの全体的スケールは、パターンを形成するために使用されるデバイスの能力に応じて±11%ほど変えることは許される。公称スケールからの偏差は、位置サンプルを正確に生成できるようにそれぞれのタグ(タグサイズIDフィールド)内に記録される。
【0189】
これらの許容範囲は、互いに無関係である。これらは、特定のプリンタ特性を参照しつつ再定義できる。
【0190】
2.5 符号化された符号及びコードワード
以下の節では、図11から16の中のそれぞれのシンボルは、一意的なラベルとともに示されている。ラベルは、シンボルがどのコードワードの一部であるかを識別するアルファベットのプレフィックスとコードワード内のシンボルのインデックスを示す数値のサフィックスとからなる。簡単にするため、データシンボル304のみが示されており、方向及び平行移動符号シンボルは示されていない。
【0191】
いくつかのシンボルラベルは、いくつかのコードワードレイアウトの対称性を示すように回転して示されているが、それぞれのシンボルのレイアウトは、シンボルグループ内の位置によって決定され、シンボルラベルの回転によって決定されるわけではない(例えば、出願人の米国特許出願公開第2006/146069号明細書で説明されている)。
【0192】
2.5.1 方向符号
方向符号は、2ビットのデータを含む単一のシンボルからなり、パルス位置変調を使用して符号化される。図8は、方向符号シンボルのレイアウトを示している。
【0193】
図4に示されているように、方向符号シンボルのレイアウトは、タグの方向を示すためにそれぞれのシンボルグループ303内に1回出現する(ORシンボルを介して)。
【0194】
それぞれのシンボルグループは、1シンボル4値方向符号を符号化する。符号は、コードワードの集合{{0},{1},{2},{3}}によって定義される。これらのコードワードは、それぞれ、0、90、180、及び270度の時計回りのタグ回転に対応する。それぞれのコードワードは、90度の方向で読み取られる先行要素に対応し、したがって、単一のコードワードが、回転時に符号全体を生じさせる。符号は、最小距離1を有する。タグ全体の符号は、最小距離9を持つ符号を形成し、4つのシンボル誤りを訂正できる。追加のシンボルが、視野内で見える場合、これらは、冗長性を増すために使用され、なおいっそうロバストな復号が行える。単一シンボル誤りを訂正できるためには、最低でも3つの方向符号が、組み合わせた最小距離3で、復号されなければならない。
【0195】
2.5.2 平行移動符号
それぞれの平行移動符号シンボルは、2ビットのデータを含み、パルス位置変調を使用して符号化される。図8は、平行移動符号シンボルのレイアウトを示している。
【0196】
図4に示されているように、平行移動符号シンボルのレイアウトは、タグの水平及び垂直の平行移動を示すためにシンボルグループ内で2つの方向に2回出現する(それぞれHT及びVTシンボルを介して)。
【0197】
シンボルグループのそれぞれの行及びシンボルグループのそれぞれの列は、3シンボル4値巡回位置符号を符号化する(出願人の巡回位置符号は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,082,562号で説明されている)。符号は、コードワード{0,1,2,}によって定義される。シンボル値3は、消去として取り扱うことができる。これは、最小距離3を有し、単一シンボル誤りを訂正することができる。タグ全体の符号は、最小距離9を持つ符号を形成し、4つのシンボル誤りを訂正できる。追加のシンボルが、視野内で見える場合、これらは、冗長性を増すために使用され、なおいっそうロバストな復号が行える。
【0198】
非回転タグの左上コーナーは、2つの直交巡回位置コードワード内の第1のシンボルを符号化するシンボルグループによって識別される。
【0199】
2.5.3 フラグ符号
アクティブ領域フラグシンボルは、1ビットのデータからなり、1ビットパルス位置変調を使用して、つまり、2つの位置{p,p}のうちの1つで単一マクロドットを使用して符号化される。図10は、フラグシンボルのレイアウトを示している。
【0200】
フラグシンボルは、タグ4に固有のものであり、したがって、タグのそれぞれの象限において冗長符号化される。図10に示されているように、フラグシンボルは、2回複製されるが、それぞれのシンボルグループ303内で4通りに定義される。これにより、フラグシンボルの少なくとも4つの異なるコピーがタグの1つの象限から復元されうることが保証される。4つのシンボルは、最小距離3を有する符号を形成し、単一の誤りを訂正することができる。追加のシンボルが、視野内で見える場合、これらは、冗長性を増すために使用されうる。
【0201】
2.5.4 座標データ
タグは、タグのx座標及びy座標をそれぞれ符号化するために使用されるx座標コードワード及びy座標コードワードを含む。これらのコードワードは、パンクチャード2値(8,4)リードソロモン符号のコードワードである。したがって、タグは、座標毎に最大16ビットまでの情報を符号化する。
【0202】
それぞれのx座標コードワードは、タグ内で、つまり、水平方向の各半分(「北」と「南」)内で2回複製され、そのタグを含むタグの列内で一定である。同様に、それぞれのy座標コードワードは、タグ内で、つまり、垂直方向の各半分(「東」と「西」)内で2回複製され、そのタグを含むタグの行内で一定である。これにより、完全なタグを含む十分な大きさのタグパターンの画像が、必ず、画像とタグパターンとの位置が揃っているかどうかに関係なく、それぞれの座標コードワードの完全なインスタンスを含むことが保証される。いずれかの座標コードワードのインスタンスは、異なるタグからのフラグメントで構成することができる。
【0203】
x座標コードワードのレイアウトは、図11に示されている。y座標コードワードのレイアウトは、図12に示されている。
【0204】
2.5.5 共通データ
タグ4は、表面領域内の連続するタグの集合に共通の情報を符号化する3つのコードワードB、C、及びDを含む。それぞれのコードワードは、2値(15,11)リードソロモン符号のコードワードである。したがって、タグは、連続するタグの集合に共通の最大132ビットまでの情報を符号化する。
【0205】
共通コードワードは、タグ付き領域全体を通して複製される。これにより、完全なタグを含む十分な大きさのタグパターンの画像が、必ず、画像とタグパターンとの位置が揃っているかどうかに関係なく、それぞれの共通コードワードの完全なインスタンスを含むことが保証される。それぞれの共通コードワードのインスタンスは、異なるタグからのフラグメントで構成することができる。
【0206】
共通コードワードのレイアウトは、図13に示されている。コードワードは、互いに関して90度回転された、同じレイアウトを有する。
【0207】
2.5.6 秘密鍵署名
タグは、適宜、表面領域内の連続するタグの集合に共通の秘密鍵デジタル署名を含む。この署名は、15個の2値シンボルからなる。したがって、タグは、最大60ビットまでの秘密鍵署名データを適宜符号化する。
【0208】
署名は、タグ付き領域全体を通して複製される。これにより、完全なタグを含む十分な大きさのタグパターンの画像が、必ず、画像とタグパターンとの位置が揃っているかどうかに関係なく、署名の完全なインスタンスを含むことが保証される。署名のインスタンスは、異なるタグからのフラグメントで構成することができる。
【0209】
署名は、第2.5.5節で説明されている3つの共通コードワードと同じ(回転された)レイアウトを有する。
【0210】
秘密鍵署名のレイアウトは、図14に示されている。
【0211】
署名は、冗長符号化されていない。署名を確認するサーバーは、完全な署名にアクセスする権限を有しており、したがって、リードソロモン符号によって必要とされる訂正シンボル毎に2つのシンボルではなく訂正シンボル毎に1つのシンボルでよいという効果的なコストで誤り訂正を実行することができる。誤り訂正をサーバーに委ねることで、長い署名が可能になり、したがって署名の強さが高まり、或いは逆に、誤り訂正能力を高めて同じ効果的な署名の長さを使用できるようになる。
【0212】
デジタル署名については、第2.8.4節でさらに説明する。
【0213】
2.5.7 埋め込みデータフラグメント
タグは、適宜、表面符号化に埋め込まれたより大きなデータオブジェクトのフラグメント符号化するコードワードを含む。コードワードは、2値(15,11)リードソロモン符号のコードワードである。したがって、タグは、適宜44ビットのデータオブジェクトを符号化する。
【0214】
データ埋め込みについては、第2.8.3節でさらに説明する。
【0215】
2.5.8 完全なタグ
図16は、それぞれのシンボルグループが12個のデータシンボルを含む、完全なタグのデータのレイアウトを示している。方向及び平行移動符号は、図16には示されていない。
【0216】
2.6 リードソロモン符号化
2.6.1 リードソロモン符号
すべてのデータは、GF(16)上で定義されたリードソロモン符号を使用して符号化される。符号は、15の自然長nを有する。選択した長さとなるように、適宜パンクチャーされる。符号の次元kは、符号の誤り訂正能力とデータ容量とのバランスをとるように選択され、これらはそれぞれ、(n−k)/2個のシンボル及びk個のシンボルである。
【0217】
符号は、原始多項式
p(x)=x+x+1
を有する。
【0218】
符号は、生成多項式
【数1】


を有する。
【0219】
リードソロモン符号の詳細については、Wicker、S.B.、及びV.K.Bhargava、編集、「Reed−Solomon Codes and Their Applications」IEEE Press、1994年を参照のこと。
【0220】
2.6.2 コードワードの編成
図17に示されているように、符号の冗長座標r及びデータ座標dは、対応する多項式の項のべきに従って左から右へインデックスが付けられる。完全なコードワードのシンボルXは、データのビット順と一致するように右から左へインデックスが付けられる。それぞれのシンボル内のビット順序は、全体的なビット順序と同じである。
【0221】
2.6.3 符号のインスタンス
表1は、タグで使用されるさまざまな符号のパラメータを定めたものである。
【表1】


2.7 タグ座標空間
タグ座標空間は、x及びyとそれぞれ標識された2本直交する軸を有する。正のx軸が右を指す場合、正のy軸は下を指す。
【0222】
表面符号化では、特定のタグ付けされた表面上にタグ座標空間の原点を配置することを指定せず、また表面に関してタグ座標空間の向きを指定することもしない。この情報は、アプリケーション特有のものである。例えば、タグ付けされる表面が1枚の紙である場合、タグを紙に印刷するアプリケーションは、実際のオフセットと方向を記録し、この記録を使用して、後で表面と連動して取り込まれたデジタルインクを正規化することができる。
【0223】
タグ内に符号化された位置は、タグを単位として定義される。規約として、タグ位置は、それぞれのタグ内の左上ターゲットの位置であるとみなされる。
【0224】
2.8 タグ情報のコンテンツ
2.8.1 フィールドの定義
表2は、表面符号化に埋め込まれる情報フィールドを定義するものである。
【表2】


アクティブ領域とは、取り込まれた入力が解釈のため対応するネットページサーバー10に即座に転送されるべき領域のことである。これにより、さらに、ネットページサーバー10は、入力が即時的効果を有していたことをユーザに通知することができる。サーバーには、正確な領域定義に対するアクセス権があるため、表面符号化におけるアクティブ領域指示は、包含的である限り不正確である可能性がある。
【表3】


特定のフィールドが存在していないことを領域フラグが示している場合、フィールドは、タグパターン内に符号化されない、つまり、フィールドの値を符号化するマクロドットがない。
【0225】
2.8.2 コードワードへのフィールドのマッピング
表4は、コードワードへの情報フィールドのマッピングの仕方を定義するものである。
【表4】


2.8.3 埋め込みデータオブジェクト
領域フラグ内で「領域が埋め込みデータを含む」フラグがセットされている場合、表面符号化は埋め込みデータを含む。埋め込みデータは、複数の連続するタグのデータフラグメント内に符号化され、収まるだけ何回も表面符号化において複製される。
【0226】
埋め込みデータは、埋め込みデータを含む表面符号化のランダム及び部分的スキャンでデータ全体を十分に取り出せるように符号化される。スキャンシステムは、取り出されたフラグメントからデータを再構成し、誤りなしに十分なフラグメントが取り出されたときにユーザに報告する。
【0227】
表5に示されているように、それぞれのブロックは、176ビットのデータ容量を有する。ブロックデータは、2×2の正方形に配列された4つのタグの連続するグループのデータフラグメント内に符号化される。タグは、2で除算されたタグの座標である整数座標を有するブロックに属す。それぞれのブロック内で、データは、増大するy座標内で増大するx座標とともにタグ内に配列される。
【0228】
ブロックパラメータは、表5において定義されている。それぞれのタグのEコードワードは、埋め込みデータのフラグメントを符号化することができる。
【表5】


特定のタグのEコードワードが、埋め込みデータのフラグメントを含まない場合、ペン101は、コードワードの復号失敗によりこれを暗黙のうちに発見するか、又はタグのアクティブ領域フラグからこれを明示的に発見することができる。
【0229】
任意のサイズのデータは、矩形に配列されたブロックの連続する集合からなるスーパーブロック内に符号化されうる。スーパーブロックのサイズは、それぞれのブロック内に符号化されうる。ブロックは、スーパーブロックサイズで除算されたブロックの座標である整数座標を有するスーパーブロックに属す。それぞれのスーパーブロック内で、データは、増大するy座標内で増大するx座標とともにブロック内に配列される。
【0230】
スーパーブロックは、収まるだけ何回も表面符号化において複製されるが、これは表面符号化のエッジに部分的にそうことを含む。
【0231】
スーパーブロック内に符号化されるデータは、より正確な型情報、より正確なサイズ情報、及びより広範な誤り検出及び/又は訂正データを含むことができる。
【0232】
2.8.4 デジタル署名
領域フラグ内の「領域は秘密鍵署名を持つ」フラグがセットされている場合、署名フィールドは、最大幅64ビットの領域IDの秘密鍵デジタル署名を含む。オンライン環境では、署名は、秘密鍵署名又は対応する秘密鍵を知っているサーバーに問合せを行うことにより領域IDと併せて確認されうる。
【0233】
領域フラグ内の「領域は埋め込みデータを含む」及び「埋め込みデータは公開鍵署名である」フラグがセットされている場合、表面符号化は、領域IDの埋め込み公開鍵デジタル署名を含む。
【0234】
「埋め込み公開鍵署名は短い」フラグがセットされている場合、埋め込み公開鍵署名は、署名と16ビットCRCだけからなる、つまり、スーパーブロックパラメータを省いた単一ブロック内に符号化された160ビット署名である。
【0235】
オンライン環境では、任意の数の署名フラグメントが、領域ID及び適宜秘密鍵署名と併せて使用され、これにより、完全公開鍵署名又は対応する秘密鍵を知っているサーバーに問合せを行うことにより公開鍵署名を検証することができる。
【0236】
オフライン(又はオンライン)環境では、複数のタグを読み込むことにより公開鍵署名全体が復元され、次いで、対応する公開署名鍵を使用して確認されうる。署名の実際の長さ及び型は、署名検証時に領域IDから決定される。
【0237】
デジタル署名確認は、例えば、参照により本明細書に組み込まれている出願人の米国特許出願公開第2007/0108285号明細書において説明されている。
【0238】
2.9 タグの撮像及び復号
タグ全体からのデータの取得を保証するのに必要な最小撮像視野は、直径53.74s即ち、
【数2】


を有し、視野内で表面符号化の任意の回転及び平行移動を行わせることができる。特に、撮像視野は、タグ全体の取り込みを保証するのに十分な大きさでなくてもよく、それぞれのタグ内のデータシンボルの配置が、タグ全体が実際に可視であるかどうかに関係なく、任意のタグサイズの視野において必要な情報を完全に取り込めることを保証する。
【0239】
本明細書で使用されているように、「タグサイズの」という用語は、タグと同じサイズ及び寸法の面積を意味するために使用される。符号化パターンの撮像に関して、撮像視野は、典型的には円形である。撮像円は、符号化パターンのタグサイズの部分を含む十分な大きさの直径を有していなければならない。したがって、撮像視野は、好ましくは、少なくともタグ直径1つ分の、またタグ直径2つ分よりも小さい直径を有しているべきである。重要なのは、視野内のタグ全体を取り込むことは本発明では本質的でないため、この視野が従来技術のタグ設計とは対照的に少なくともタグ直径2つ分である必要がないことである。
【0240】
適宜、視野は、タグの対角線方向の長さ約1つ分に1つ又は2つのマクロドット単位の大きさを加えた直径を有する。余分なマクロドット単位により、部分的マクロドットが視野のエッジでまったく読み取られなくてもよいことが保証される。現在の背景状況において、「タグ直径」は、タグの対角線方向の長さを意味するために使用されている。
【0241】
最大マクロドット間隔を106ミクロンとすると、これにより必要な視野は5.69mmとなる。
【0242】
表6は、異なるサンプリングレート、したがって画像センサーアレイサイズに対し現在の表面符号化で得ることができるピッチ範囲を示している。
【表6】


図18は、データコードワードをサンプリングし、復号する段階までのタグ画像処理及び復号プロセスフローを示している。最初に、例えば、CCD画像センサー、CMOS画像センサー、又は走査レーザーとフォトダイオード画像センサーなどの画像センサーを介して、タグパターンの生画像802が取得される(800で)。次いで、生画像802は、典型的には、コントラストが改善され、ピクセル強度の一様性が高められた強調画像806が生成されるように強調される(804で)。画像強調は、大域的又は局所的な範囲拡大、等化、及び同様の操作を含むことができる。次いで、強調画像806は、典型的にはフィルタ処理されて(808で)、フィルタ処理画像810が生成される。画像フィルタ処理は、ローパスフィルタ処理からなり、ローパスフィルタのカーネルサイズはマクロドット302を目立たなくし、ターゲット301を保存するように調整される。フィルタ処理ステップ808は、ターゲット特徴301を強調する追加のフィルタ処理(エッジ検出など)を含むことができる。パルス位置変調(PPM)を使用するデータコードワード304の符号化では、単純な2値ドット符号化(例えば、米国特許第6,832,717号明細書で説明されているような)と比べて一様性の高い符号化パターン3を形成する。有利には、これにより、ターゲット301をデータ領域から分離しやすくなり、したがって、2値符号化データに比べてPPM符号化データのローパスフィルタ処理の効果が高まる。
【0243】
ローパスフィルタ処理の後、次いで、フィルタ処理画像810は、ターゲット301を特定するために処理される(812で)。これは、空間的相互関係がタグパターンの知られている幾何学的形状と一致するターゲット特徴の探索からなるものとしてよい。候補ターゲットは、フィルタ処理画像810内の最大から直接識別されうるか、又は(2値又はグレースケールの)形状モーメント(典型的にはフィルタ処理画像810内の極大に基づいて強調画像806内のピクセルから計算される)を介するなどして行われる、さらなる特徴付け及びマッチングの対象としてもよく、これは、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,055739号明細書で説明されている。
【0244】
次いで、識別されたターゲット301は、ターゲットグリッド816に割り当てられる。グリッド816のそれぞれのセルは、シンボルグループ303を含み、複数のシンボルグループは、もちろん、画像内で可視となる。この段階で、個々のタグ4は、ターゲット301がタグ同士を区別しないので、ターゲットグリッド816内で識別可能でない。
【0245】
マクロドット値を正確にサンプリングできるように、取り込まれた画像の透視変換が推論されうる。ターゲット301のうちの4つは、タグ空間内で知られているサイズの正方形の遠近歪みのあるコーナーであるとみなされ、自由度8の透視変換822が、4つのタグ空間と画像空間の点対を関係付けるよく理解されている方程式を解くことに基づき、(820で)推論される。2D透視変換の計算は、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、出願人の米国特許第6,832,717号明細書において説明されている。
【0246】
それぞれの画像は、正方形のグリッド内に配列された少なくとも9個、少なくとも16個、又は少なくとも25個のターゲットを含むことになるので、2D透視変換の計算精度は、例えば米国特許第6,832,717号明細書で説明されている出願人の以前のタグ設計と比較すると改善されている。したがって、本発明のタグ設計を使用するとより正確な位置計算を行うことが可能である。
【0247】
タグ空間内のそれぞれの知られているマクロドット位置を画像空間内に射影するために、推論されたタグ空間−画像空間透視変換822が使用される。タグ内のすべてのビットは、PPM符号化によってで表されるため、それぞれのマクロドット302の有無は、個別の強度基準ではなく、局所的な強度基準を使用して決定されうる。したがって、PPM符号化では、純粋な2値符号化と比べてデータサンプリングを改善できる。
【0248】
次の段階で、視野内の(1つ又は複数の)タグの方向、つまりその部分を決定する。少なくとも3つの方向コードワードが、サンプリングされ、復号されて(824で)、方向826が求められる。ロバストな方向決定が行われるが、それは、上述のように、多数のシンボルグループ303が画像内に含まれ、それぞれのシンボルグループは方向シンボルを含むからである。さらに、第2.5.1節で説明されているように、タグ内のN個の方向シンボルは、最小距離Nを持つ符号を形成するので、この符号は(N−1)/2個の誤りを訂正することができる。したがって、方向決定は、非常にロバストであり、サンプリングされる方向シンボルの個数に応じて、誤りを訂正することができる。
【0249】
方向の決定826の後、次の段階で、2つ又はそれ以上の直交平行移動コードワードをサンプリングし、復号して(828で)、ターゲットグリッドに関して視野内の(1つ又は複数の)タグの相対的平行移動830を決定する。これで、タグ4とターゲットグリッド818との位置を揃えることができ、したがって、(1つ又は複数の)個別のタグ、又はその部分を視野内の符号化パターン3において区別できる。それぞれのシンボルグループ303は、平行移動符号を含むので、ロバストな平行移動決定を行うために複数の平行移動符号がサンプリングされうる。第2.5.2節で説明されているように、平行移動符号は、巡回位置符号である。タグのそれぞれの行及びそれぞれの列は、M個のシンボルグループを含むため、符号は、最小距離M×Mを有する。これにより、タグ4とターゲットグリッド818との位置を揃えることについて非常にロバストな決定を行うことができる。この位置揃えは、それぞれのタグ4が複数のシンボルグループ303を含むときに多数の可能な位置揃えがあるため、ロバストで、さらに正確でもある必要がある。
【0250】
初期撮像及び復号でターゲットグリッドに関する(1つ又は複数の)タグの2D透視変換、方向、及び平行移動が行われた後、必要な復号されたコードワード838を生成するためにデータコードワード304がサンプリングされ、復号されうる(836)。
【0251】
データコードワード304の復号は、典型的には以下のように進行する。
・共通リードソロモンコードワードをサンプリングする。
・共通リードソロモンコードワードを復号する。
・タグデータCRCを確認する。
・復号後誤りフラグ不正領域IDサンプル
・符号化の種類を決定し、未知の符号化を拒否する。
・領域フラグを決定する。
・領域IDを決定する。
・x及びy座標リードソロモンコードワードをサンプリングし、復号する。
・コードワードからタグx−y位置を決定する。
・タグx−y位置及び透視変換からペン先x−y位置を決定する。
・4つ又はそれ以上のフラグシンボルをサンプリングし、復号して、アクティブ領域フラグを決定する。
・アクティブ領域フラグを参照しつつペン先位置のアクティブ領域ステータスを決定する。
・デジタルインク(「インタラクションデータ」)で領域ID、ペン先x−y位置、及びペン先アクティブ領域ステータスを符号化する。
・領域フラグに基づきデジタルインクの経路を指定する。
【0252】
当業者であれば、上述の復号の手順は、本発明の一実施形態を表すことを理解するであろう。もちろん、ペン101からネットページシステムに送信されたインタラクションデータは、他のデータ、例えば、デジタル署名(第2.8.4節を参照)、ペンモード(米国特許出願公開第2007/125860号明細書を参照)、方向データ、ペンID、ペン先IDなどを含むことができる。
【0253】
ネットページペン101からネットページシステムによって受信された、インタラクションデータを解釈する実施例については、上で簡単に説明されている。ネットページシステムがインタラクションデータを解釈する仕方に関するより詳細な説明は、出願人が以前に出願した特許出願に見ることができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2007/130117号明細書及び米国特許出願公開第2007/108285号明細書を参照)。
【0254】
3.ネットページペン
3.1 機能の概要
ネットページシステムのアクティブな感知デバイスは、クリッカー(表面上の特定の位置をクリックするため)、スタイラス(ポインタストロークを使用して表面上でポイントするか、又はジェスチャーを使用するため)を有するポインタ、又はマーキング用ペン先(表面上でポイントしたり、ジェスチャーを使用したり、書いたりするときに表面にインクでマーキングするため)を有するペンの形態を採りうる。さまざまなネットページ感知デバイスの説明については、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7,105,753号明細書、米国特許第7,015,901号明細書、米国特許第7,091,960号明細書、及び米国特許出願公開第2006/0028459号明細書を参照されたい。
【0255】
本発明は、好適な光学式読み取り装置を使用できることは理解されるであろう。しかし、本明細書では、ネットページペン400は、そのような一実施例として説明される。
【0256】
ネットページペン400は、タグ付けされたネットページ表面と連携するモーション感知筆記用具である(第2節を参照)。ペンは、表面にマーキングするための従来のボールペンカートリッジ、表面上のペンの絶対経路を取り込み、表面を識別することを同時に行う画像センサー及びプロセッサ、ペン先に加えられた力を同時に測定する力センサー、並びに時間の経過を同時に測定するリアルタイムクロックを組み込んである。
【0257】
力センサーによって指示されるように、タグ付けされた表面と接触している間に、ペンは、継続的に、ペン先に隣接する表面領域を撮像し、その視野内にある最も近くにあるタグを復号し、表面の両方のID、表面上のそれ固有の瞬間位置、及びペンの姿勢を決定する。こうして、ペンは、特定の表面に関してタイムスタンプ付きの位置サンプルのストリームを生成し、このストリームをネットページサーバー10に伝送する。サンプルストリームは、一連のストロークを記述するもので、従来、デジタルインク(DInk)と呼ばれているものである。それぞれのストロークは、力センサーによって検出される、ペンダウン及びペンアップのイベントによって区切られる。より一般的には、ネットページとのインタラクションから結果として得られ、ネットページサーバー10に伝送されるデータは、本明細書では、「インタラクションデータ」と呼ばれる。
【0258】
ペンは、ネットページサーバーが手描きストロークを再現し、手書きテキストを認識し、手書き署名を確認することを正確に行える十分に高いレート(公称的には100Hz)でその位置をサンプリングする。
【0259】
ネットページペンは、さらに、インタラクティブアプリケーションにおけるホバーモードもサポートする。ホバーモードでは、ペンは紙と接触せず、紙(又は他の基材)の表面からわずかな距離だけ上にあるようにできる。これにより、ペンの位置をその高さと姿勢を含めて、報告することができる。インタラクティブアプリケーションの場合、ホバーモードの動作は、紙にマーキングすることなくカーソルを移動するために使用され、或いは符号化された表面からのペン先の距離は、ツールの動作制御、例えばエアーブラシ機能に使用されうる。
【0260】
ペンは、リレーデバイスを介してネットページサーバーにデジタルインクを伝送するためにBluetooth(登録商標)無線機を備える。ネットページサーバーからオフラインで動作する場合、ペンは、取り込まれたデジタルインクを不揮発性メモリ内に取り込む。ネットページサーバーへオンラインで動作する場合、ペンはデジタルインクをリアルタイムで伝送する。
【0261】
ペンには、ドッキングクレードル又は「ポッド」が付属する。ポッドは、Bluetooth−USB間のリレーを含む。ポッドは、USBケーブルを介してコンピュータに接続され、ローカルアプリケーションの通信をサポートし、ネットページサービスへのアクセスを可能にする。
【0262】
ペンは、充電式電池によって駆動される。電池は、ユーザ側で取り扱ったり、又はユーザ側で交換したりすることができない。ペンを充電する電力は、USB接続から供給されるか、又はポッドを通じて外部電源アダプターから供給されうる。ペンは、さらに、外部接続し、使用中に給電されうるように、電源及びUSB互換データソケットも有する。
【0263】
ペンキャップは、キャップをしたときにペン先及び撮像光学系を保護し、キャップを外したときに節電状態のままにするようペンに通知するという二重の目的を持つ。
【0264】
3.2 人間工学とレイアウト
図19は、丸みのある三角形の外形が、ペン400に対して、ペンを正しい機能的な向きで握って使用する上で人間工学的に快適な形状を与えることを示している。また、これは、内部コンポーネントを収納するためにも実用的な形状である。通常のペン風のグリップは、当然ながら、親指402、人差し指404、及び中指406の間の三角形の形状に適合する。
【0265】
図20に示されているように、通常のユーザは、ペン400を手に持ったときに法線方向から手408に向かって約30度(正の角度)の公称ピッチで書くが、負のピッチ(手から離れる方向に)の約10度を超えてペンを操作することは滅多にしない。ペン400が紙上のパターンを撮像することができるピッチ角度の範囲は、この非対称的な利用に合わせて最適化されている。ペン400の形状は、ユーザの手408の中でペンを正しく向き付け、ユーザがペンを「逆さま」に使用しにくいようにするのに役立つ。ペンは、「逆さま」でも機能するが、許容可能な傾斜角度範囲は、狭くなる。
【0266】
キャップ410は、ペン400の上端に被さるように設計され、これにより、ペンの使用中に安全に収容しておくことができる。多色LEDは、上端近くでペン400の上部エッジ内(丸みのある三角形断面の頂点の中のような)のステータスウィンドウ412の照明となる。ステータスウィンドウ412は、キャップが収納されたときに隠されない。振動モーターも、触覚フィードバックシステムとしてペン内に含まれる(以下で詳細を説明する)。
【0267】
図21に示されているように、ペンのグリップ部分は、他のコンポーネントを収納できるようにベースの成形部528によって封じ込められた中空シャシ成形部416を有する。ボールペンの先端(図に示されていない)に対するインクカートリッジ414は、自然に、三角形断面の頂点420に嵌り、それをユーザの握りと整合するように配置する。これは、次に、ペンの中心にあるメインPCB 422及びペンの基部内にある電池424用のスペースを設ける。図22Aを参照すると、これでまた、当然、タグ感知光学系426がペン先418の下に目障りにならないように置かれることがわかる(公称ピッチに関して)。ペン400のペン先成形部428がインクカートリッジ414の下で後ろに延ばされ、これにより、ペンが最大ピッチで操作されているときにペン先成形部428と紙面との間の接触が防止される。
【0268】
図22Bに最もよく示されているように、撮像視野430は、ペン先418の下に中央位置のIRフィルタ/窓432を通して現れ、2つの近赤外線照明用LED 434、436は、ペン先成形部428の2つの底部コーナーから現れる。それぞれのLED 434、436は、対応する照明野438、440を有する。
【0269】
ペンは、ハンドヘルドなので、画像センサーにとって都合の悪い複数のLEDのうちの1つからの反射を引き起こす角度で手に持つとよい。複数のLEDを備えることにより、問題となる反射を引き起こすLEDを消すことができる。
【0270】
ペン機械設計の具体的詳細は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2006/0028459号明細書に見られる。
【0271】
3.3 ペンフィードバック指示
図23は、ペン400(キャップ410がペンの端部に収納されている状態の)の場合、中心線を通る縦方向断面を示している。ペンは、色及び輝度変調を使用して、複数の状態を示すために赤色及び緑色のLED 444を組み込む。LED 444上のライトパイプ448は、管成形部416内のステータスインジケータ窓412に信号を送信する。これらは、電源オン、電池充電レベル、未伝送デジタルインク、ネットワーク接続オンライン、アクションを伴うフォルト又は誤り、「アクティブ領域」フラグの検出、「埋め込みデータ」フラグの検出、埋め込みデータを取得するために必要なさらなるデータサンプリング、完了した埋め込みデータの取得などを含むステータス情報をユーザに通知する。
【0272】
振動モーター446は、取引の際に重要な確認機能に関して触覚を通じてユーザに情報を伝達するために使用される。このシステムは、LEDインジケータ444に注意を払わなかったために、或いは周囲光のレベルが高いために見落とされる恐れのある重要なインタラクティブな指示のために使用される。触覚システムが、ユーザに指示するのは、以下の場合である。
・ペンがスタンバイモードから目覚める。
・アクションに誤りがある。
・取引を了承する。
【0273】
3.4 ペン光学系
ペンは、固定焦点狭帯域赤外線撮像システムを組み込む。これは、露光時間の短い、絞りの小さいカメラを利用し、明るい同期照明で、ピンぼけ又はモーションブラーの影響を受けないシャープな画像を取り込む。
【表7】


ペン光学系を示す断面が、図24A及び図24Bに示されている。ペン先418に隣接する表面548上に印刷されているネットページタグの画像は、レンズ488によって画像センサー490のアクティブ領域上に集束される。小口径494であるため、有効被写界深度は、ペン400の必要なピッチ及びロール範囲に必ず適合する。
【0274】
第1及び第2のLED 434及び436は、視野430内の表面549を明るく照らす。LEDのスペクトル放射ピークは、ネットページタグを印刷するために使用される赤外線インクのスペクトル吸収ピークに整合し、これによりタグの取り込まれた画像のコントラストを最大にする。LEDの明るさは、ピンぼけ及びモーションブラーを最小限に抑えるために必要な小口径サイズ及び短露光時間に整合している。
【0275】
ロングパスIRフィルタ432は、撮像されたタグ及びフィルタ432のカットオフは長以下の周囲照明と空間的に一致するカラーグラフィックス又はテキストに対する画像センサー490の応答を抑制する。フィルタ432の透過率は、赤外線インクのスペクトル吸収ピークと整合し、これによりタグの取り込まれた画像のコントラストを最大にする。このフィルタは、さらに、汚染物質が光学系アセンブリ470内に入り込むのを防止する、ロバストな物理的窓として働く。
【0276】
3.5 ペンの撮像系
光路のレイトレースは、図25に示されている。画像センサー490は、縦横140ピクセルのアクティブ領域を持つCMOS画像センサーである。それぞれのピクセルは10μm平方で、フィルファクターが93%となっている。図26を参照すると、レンズ488が詳しく示されている。寸法は以下の通りである。
D=3mm
R1=3.593mm
R2=15.0mm
X=0.8246mm
Y=1.0mm
Z=0.25mm
これは、焦点距離を6.15mmとし、指定されたピッチ、ロール、及びヨー範囲にわたってすべての画像の復号に成功する正しいサンプリング周波数で像を対物面(タグ付けされた表面548)から像面(画像センサー490)に移す。レンズ488は、両凸レンズであり、最も湾曲している表面が画像センサーに面している。それぞれのインタラクションで十分なタグデータを取得することを保証するのに必要な最小撮像視野430は、特定の符号化パターンに依存する。本発明の符号化パターンに対する必要な視野は、第2.9節で説明されている。
【0277】
光学系の必要な近軸倍率は、10μmピクセルの画像センサー490に対し、ペン400の完全指定傾斜範囲について1マクロドット当たり2.25ピクセルの最小空間サンプリング周波数により定義される。典型的には、撮像系は、最小128×128ピクセルの画像センサー490上で、0.225の近軸倍率、つまり画像センサーにおける倒立像の直径対対物面における視野の直径との比を使用する。しかし、画像センサー490は、製造公差に適応するように、140×140ピクセルである。これにより、視野内の情報を喪失することなく光軸と画像センサー軸との間のずれを最大±120μm(画像センサーの平面内のそれぞれの方向に12ピクセル)までとすることができる。
【0278】
レンズ488は、ポリメチルメタクリラート(PMMA)から作られ、これは典型的には射出成形の光学コンポーネントに使用される。PMMAは、引っかき傷に強く、屈折率は1.49、810nmでの透過率は90%である。レンズは、成形精度を補助するように両凸レンズであり、レンズをオプティカルバレル成形部492に正確に嵌め合わせる取り付け面を備える。
【0279】
直径0.8mmの開口494を使用して、設計の被写界深度要件を満たす。
【0280】
ペンの指定傾斜範囲は、ピッチが〜15.0から45.0度までで、ロール範囲が〜30.0から30.0度までである。ペンを指定された範囲で傾斜させると、傾斜対物面は焦面から離れる方向に最大6.3mmまで移動する。こうして、指定された開口は、〜6.5mmの対応する被写界深度をもたらし、画像センサーでの許容可能なぼかし半径は16μmとなる。
【0281】
ペン設計のこの幾何学的形状により、ペンは、約33.0から45.0度までのピッチ範囲にわたって正しく動作する。
【0282】
図27を参照すると、光軸550は、ペン先軸552から0.8度離れる方向に傾斜している。光軸とペン先軸は、紙面548に向かって収束する。ペン先軸552が紙に対し垂直であれば、ペン先軸に最も近い視野430のエッジとペン先軸それ自体との間の距離Aは1.2mmである。
【0283】
ロングパスIRフィルタ432は、磨耗及びアセトンなどの化学物質に対し非常に強い軽量の熱硬化プラスチックであるCR−39で作られている。これらの特性があるため、フィルタは窓ともしても役立つ。フィルタは、厚さ1.5mmであり、屈折率は1.50である。それぞれのフィルタは、COレーザーカッターを使用して大きな1枚のシートから容易に切り出せる。
【0284】
3.6 電子回路設計
【表8】


図28は、ペン電子回路のブロック図である。ペンの電子回路設計は、5個のメインセクション周りをベースとする。これらは以下の通りである。
・メインARM7マイクロプロセッサ574
・画像センサー及び画像処理プロセッサ576
・Bluetooth通信モジュール578
・パワーマネージメントユニットIC(PMU)580
・力センサーマイクロプロセッサ582
【0285】
3.6.1 マイクロプロセッサ
ペンには、80MHzで動作するAtmel AT91FR40162マイクロプロセッサ(Atmel、AT91 ARM Thumb Microcontrollers−AT91FR40162 Preliminary、http://www.keil.com/dd/docs/datashts/atmel/at91fr40162.pdfを参照)が使用される。AT91FR40162は、ARM7マイクロプロセッサ、256kBのオンチップシングルウェイトステートSRAM、及び2MBの外部フラッシュメモリをスタックチップパッケージに組み込んだものである。
【0286】
このマイクロプロセッサ574は、ペン400のコアをなす。これの役割は以下の通りである。
・Jupiter画像センサー584をセットアップすること
・力センサーマイクロプロセッサ582から受け取った力センサーデータとともにデジタルインクストリームに入れるため、画像センサー584の画像処理機能からの補助を受けて、ネットページ符号化パターン(第2.9節を参照)の画像を復号すること
・パワーマネージメントIC(PMU)580をセットアップすること
・Bluetooth通信モジュール578を介してデジタルインクを圧縮し、送信すること
・力センサーマイクロプロセッサ582をプログラムすること
ARM7マイクロプロセッサ574は、80MHzの発振器を使用して動作する。これは、40MHzクロックを備えるUSRT(Universal Synchronous Receiver Transmitter)586を使用してJupiter画像センサー576と通信する。ARM7 574は、115.2kbaudで動作するUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)588を使用してBluetoothモジュール578と通信する。PMU 580及びFSP(Force Sensor microProcessor)582の通信には、LSS(Low Speed Serial)バス590が使用される。LSSは、ソフトウェアで実装され、マイクロプロセッサの2つの汎用IOを使用する。
【0287】
ARM7マイクロプロセッサ574は、そのJTAGポートを介してプログラムされる。
【0288】
3.6.2 画像センサー
「Jupiter」画像センサー584(参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2005/0024510号明細書を参照のこと)は、モノクロセンサーアレイ、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)、フレームストアバッファ、単純な画像処理プロセッサ、及び位相ロックループ(PLL)を備える。このペンにおいて、Jupiterは、USRTのクロック線とその内部PLLを使用して、自分のクロッキングに必要なすべてを生成する。センサーアレイによって取り込まれた画像は、フレームストアバッファに格納される。これらの画像は、Jupiterに含まれる「Callisto」画像処理プロセッサからの助けを得て、ARM7マイクロプロセッサ574によって復号される。Callisto画像処理プロセッサは、マイクロプロセッサ574によるマクロドットサンプリング及び復号の前に、とりわけ、取り込まれた画像のローパスフィルタ処理(第2.9節及び米国特許出願公開第2005/0024510号明細書を参照)を実行する。
【0289】
Jupiterは、画像配列が露光するのと同時に2つの赤外線LED 434及び436のストローブを制御する。これら2つの赤外線LEDのうちの一方又は他方は、特定の角度で発生しうる紙からの正反射を防止するため、画像配列が露光されている間、オフにするとよい。
【0290】
3.6.3 Bluetooth通信モジュール
ペンは、CSR BlueCore4−Externalデバイス(CSR、BlueCore4−External Data Sheet rev c、6−Sep−2004を参照)をBluetoothコントローラ578として使用する。これは、プログラムコードを保持するために8Mビットの外部フラッシュメモリデバイス594を必要とする。BlueCore4は、Bluetooth v1.2規格に適合し、またv0.9のEnhanced Data Rate(EDR)規格に準拠しており、最大3Mbpsまでの速度で通信を行うことができる。
【0291】
Bluetooth通信のために2.45GHzのチップアンテナ486がペンで使用される。
【0292】
BlueCore4は、UART−USB間ブリッジを形成することができる。これは、ペン456の上部にあるデータ/電源ソケット458を介してUSB通信を行えるようにするために使用される。
【0293】
Bluetoothの代替としては、IEEE 802.11(Wi−Fi)(IEEE、802.11 Wireless Local Area Networks、http://grouper.ieee.org/groups/802/11/index.htmlを参照)、IEEE 802.15(IEEE、802.15 Working Group for WPAN、http://grouper.ieee.org/groups/802/15/index.htmlを参照)、ZigBee(ZigBee Alliance、http://www.zigbee.orgを参照)、及びWirelessUSB Cypress(WirelessUSB LR 2.4−GHz DSSS Radio SoC、http://www.cypress.com/cfuploads/img/products/cywusb6935.pdfを参照)などの無線LAN及びPAN標準、さらにはGSM(GSM Association、http://www.gsmworld.com/index.shtmlを参照)、GPRS/EDGE(GPRS Platform、http://www.gsmworld.com/technology/gprs/index.shtmlを参照)、CDMA(CDMA Development Group、http://www.cdg.org、及びQualcomm、http://www.qualcomm.comを参照)、及びUMTS(3rd Generation Partnership Project(3GPP)、http://www.3gpp.orgを参照)などの携帯電話標準がある。
【0294】
3.6.4 パワーマネージメントチップ
ペンは、Austria Microsystems AS3603 PMU 580を使用する(Austria Microsystems、AS3603 Multi−Standard Power Management Unit Data Sheet v2.0を参照のこと)。PMUは、電池管理、電圧発生、電源投入リセット発生、並びにインジケータLED及びバイブレーターモーターの駆動に使用される。
【0295】
PMU 580は、LSSバス590を介してARM7マイクロプロセッサ574と通信する。
【0296】
3.6.5 力センサーサブシステム
力センサーサブシステムは、カスタマイズされたHokuriku力センサー500(Hokuriku、HFD−500 Force Sensor、http://www.hdk.co.jp/pdf/eng/e1381AA.pdfをベースとする)、OPアンプを使用して実装された増幅器及びローパスフィルタ600、並びに力センサーマイクロプロセッサ582を備える。
【0297】
ペンは、Silicon Laboratories C8051F330を力センサーマイクロプロセッサ582として使用する(Silicon Laboratories、C8051F330/1 MCU Data Sheet、rev1.1を参照)。C8051F330は、オンチップフラッシュメモリ、10ビットADC、及び10ビットDACを搭載する8051マイクロプロセッサである。これは、内蔵24.5MHz発振器を備え、外部32.768kHzチューニングフォークも使用する。
【0298】
Hokuriku力センサー500は、シリコンピエゾ抵抗ブリッジセンサーである。OPアンプ段600は、力センサー出力を増幅し、それをローパス(アンチエイリアシング)フィルタ処理する。次いで、この信号は、5kHzで力センサーマイクロプロセッサ582によってサンプリングされる。
【0299】
ピエゾ抵抗力感知機能の代替として、容量性及び誘導性力感知機能がある(Wacom、「Variable capacity condenser and pointer」、2001年11月8日に出願された米国特許出願公開第20010038384号明細書、Wacom、Technology、http://www.wacom−components.com/english/tech.aspを参照のこと)。
【0300】
力センサーマイクロプロセッサ582は、力信号のさらなる(デジタル)フィルタ処理を実行し、デジタルインクストリームに対する力センサー値を生成する。デジタルインクストリームのそれぞれの力サンプルの生成をトリガするために、Jupiter画像センサー576からのフレーム同期信号が使用される。チップ温度センサー上で力センサーマイクロプロセッサ582を介して温度を測定し、この結果を使用して、力センサー及び増幅器の温度依存関係を補正する。力信号のオフセットは、増幅器段600へのマイクロプロセッサのDAC出力入力により動的に制御される。
【0301】
力センサーマイクロプロセッサ582は、LSSバス590を介してARM7マイクロプロセッサ574と通信する。力センサーマイクロプロセッサ582からARM7マイクロプロセッサ574への2本の独立した割り込み信号線がある。1本は、力センサーサンプルの読み取り準備ができていることを示すために使用され、もう1本は、ペンダウン/アップイベントが発生したことを示すために使用される。
【0302】
力センサーマイクロプロセッサのフラッシュメモリは、ARM7マイクロプロセッサ574によって回路内にプログラムされる。
【0303】
力センサーマイクロプロセッサ582は、さらに、ペン400のリアルタイムクロック機能も備える。RTC機能は、マイクロプロセッサの複数のカウンタータイマーのうちの1つで実行され、また外部32.768kHzのチューニングフォークから実行される。その結果、力センサーマイクロプロセッサは、キャップ472がオンになり、ARM7 574の電源が切られたときもオンのままである必要がある。しかし、力センサーマイクロプロセッサ582は、電源としてPMU 580と別の低電力LDOを使用する。リアルタイムクロック機能は、ARM7 574の電源をオンにするようにプログラムできる割り込みを含む。
【0304】
キャップスイッチ602は、力センサーマイクロプロセッサ582によって監視される。キャンプアセンブリ472が取り去られると(又はリアルタイムクロックの割り込みが発生した場合)、力センサーマイクロプロセッサ582は、PMU 580においてパワーオン及びリセットサイクルを開始することによりARM7 572を起動する。
【0305】
3.7 ペンソフトウェア
ネットページペンソフトウェアは、ネットページペン400及びネットページポッド内マイクロプロセッサ上で実行されるソフトウェアを含む。
【0306】
ペンは、第3.6節で詳述されるように、多数のマイクロプロセッサを備える。ネットページペンソフトウェアは、Atmel ARM7 CPU 574(これ以降CPUと称する)、力センサーマイクロプロセッサ582、さらにCSR BlueCore Bluetoothモジュール578上のVMで実行されるソフトウェア(これ以降ペンBlueCoreを称する)を含む。これらのプロセッサはそれぞれ、設定及び他の永続的データとともに、プロセッサ固有のソフトウェアを格納する関連フラッシュメモリを有する。ペンBlueCore 578は、さらに、モジュールメーカーによって提供されるファームウェアからも実行され、このファームウェアは、ネットページペンソフトウェアの一部とはみなされない。
【0307】
ポッドは、CSR BlueCore Bluetoothモジュール(これ以降ポッドBlueCore)を含む。ネットページペンソフトウェアは、さらに、ポッドBlueCore上のVMで実行されるソフトウェアも含む。
【0308】
ネットページペン400がネットページタグ付け表面548をトラバースすると、相関付けられた位置及び力サンプルのストリームが生成される。このストリームは、DInkと称される。DInkは、ネットページペンが、ネットページタグ付け表面の近くにあるが、マーキングしていないときに生成されるゼロの力(いわゆる「ホバーDInk」)を持つサンプルを含むことができるという点に留意されたい。
【0309】
ネットページペンソフトウェアのCPUコンポーネントは、DInk取り込み、タグ画像処理及び復号(Jupiter画像センサー576と連携する)、格納及びオフロード管理、ホスト通信、ユーザフィードバック、並びにソフトウェアアップグレードの機能を受け持つ。これは、オペレーティングシステム(RTOS)及び関連するハードウェアドライバを備える。それに加えて、これは、較正、構成、又は詳細(非現場)障害診断のための製造及びメンテナンスモードを備える。ネットページペンソフトウェアの力センサーマイクロプロセッサ582コンポーネントは、メインCPU用に力サンプルをフィルタ処理し、準備する役割を有する。ペンBlueCore VMソフトウェアは、ペンがテザリングモードで動作しているときに、CPU UART 588インターフェースをUSBにブリッジする役割を有する。ペンBlueCore VMソフトウェアは、ペンがBluetoothモードで動作しているときには使用されない。
【0310】
ポッドBlueCore VMソフトウェアは、ポッドがペン400を充電中の場合にそれを感知し、ポッドLEDを適宜制御し、USBを介してホストPCと通信する役割を持つ。
【0311】
ソフトウェアモジュールの詳細な説明については、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2006/0028459号明細書を参照のこと。
【0312】
本発明は、好ましい一実施形態及び多数の特定の代替実施形態を参照しつつ説明されている。しかし、当業者であれば、具体的に説明されているこれらの実施形態と異なる、多数の他の実施形態も、本発明の精神及び範囲内にあることを理解するであろう。したがって、本発明は、適宜相互参照により組み込まれる文書を含む、本明細書で説明されている特定の実施形態に限定されることは意図されていないということが理解できるであろう。本発明の範囲は、付属の請求項によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化パターンが表面上に配置されている基材であって、
前記符号化パターンは、
y軸が南北方向に沿って公称的に定義され、x軸が東西方向に沿って公称的に定義される、それぞれがx座標データ及びy座標データを含む、複数の連続するタグと、
それぞれのタグに含まれる複数のデータ要素であって、前記x座標データがデータ要素のそれぞれの集合により表され、前記y座標データがデータ要素のそれぞれの集合により表される、複数のデータ要素と、
を含み、
前記x座標データは、それぞれのタグ内に2つの複製を有する、つまり、前記タグの西側半分に第1の複製を、前記タグの東側半分に第2の複製を有し、
前記y座標データは、それぞれのタグ内に2つの複製を有する、つまり、前記タグの北側半分に第1の複製を、前記タグの南側半分に第2の複製を有し、
前記符号化パターンのタグサイズの部分にタグ全体が含まれるかどうかに関係なく、当該タグサイズの部分が1つのタグに関する前記x座標データ及び前記y座標データを含むことを保証されるように、座標データのフラグメントが配列されている、
基材。
【請求項2】
それぞれのタグは、正方形である請求項1に記載の基材。
【請求項3】
前記符号化パターンは、
複数のセルを含んだターゲットグリッド、を定める複数のターゲット要素、
を含み、
隣接するセルはターゲット要素を共有し、
それぞれのタグは、複数の連続するセルによって定められる、請求項1に記載の基材。
【請求項4】
それぞれのタグは、正方形で、M個の連続する正方形のセルを含み、
前記Mは2以上の整数である、請求項3に記載の基材。
【請求項5】
前記データ要素は、マクロドットである請求項1に記載の基材。
【請求項6】
データの一部は、セル内の複数の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、複数の可能なデータ値のうちの1つの値を表す、請求項4に記載の基材。
【請求項7】
データのnビット部分は、セル内の2個の可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表され、それぞれの位置は、nを整数として、2個の可能なデータ値のうちの1つの値を表す、請求項5に記載の基材。
【請求項8】
それぞれのセルは、シンボルグループを定義し、それぞれのシンボルグループは複数の前記データ要素によって符号化された複数のリードソロモンシンボルを含む、請求項3に記載の基材。
【請求項9】
それぞれのシンボルは、2つの半分を含み、それぞれの半分は前記半分内の4つの可能な位置のうちの1つの位置を占有するマクロドットによって表される2ビットのデータを含む、請求項8に記載の基材。
【請求項10】
前記x座標データは、リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなるx座標コードワードとして符号化され、前記y座標データは、リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなるy座標コードワードとして符号化される、請求項1に記載の基材。
【請求項11】
それぞれのタグは、1つ又は複数の共通コードワードを含み、それぞれの共通コードワードは前記リードソロモンシンボルのそれぞれの集合からなり、前記1つ又は複数の共通コードワードは、複数の連続するタグに共通のコードワードとして定義される請求項8に記載の基材。
【請求項12】
それぞれのシンボルグループは、前記1つ又は複数の共通コードワードのうちの少なくとも1つのコードワードのフラグメントを含み、
前記符号化パターンのタグサイズの部分にタグ全体が含まれているかどうかに関係なく、当該タグサイズの部分が、前記部分前記1つ又は複数の共通コードワードを含むことを保証されるように、連続するシンボルグループが配列されている、請求項11に記載の基材。
【請求項13】
前記1つ又は複数の共通コードワードは、前記表面の一領域を一意的に識別する領域識別データを符号化する請求項11に記載の基材。
【請求項14】
前記1つ又は複数の共通コードワードは、前記基材を一意的に識別する請求項13に記載の基材。
【請求項15】
それぞれのセルは、少なくとも1つのデータ要素によって符号化された方向シンボルを含み、前記方向シンボルは前記表面に関する前記符号化パターンの方向を識別する請求項3に記載の基材。
【請求項16】
それぞれのセルは、前記データ要素のそれぞれの集合によって符号化された1つ又は複数の平行移動シンボルを含み、前記平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルの平行移動を識別する請求項3に記載の素材。
【請求項17】
それぞれのセルは、一対の直交平行移動シンボルを含み、それぞれの直交平行移動シンボルは前記セルを含むタグに相対的な前記セルのそれぞれの直交平行移動を識別する請求項16に記載の基材。
【請求項18】
前記ターゲット要素は、ローパスフィルタによって前記データ要素から十分に区別可能な大きさである請求項3に記載の基材。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか一項に記載の基材、の表面上に配置された符号化パターンを撮像する方法であって、
(a)前記表面に相対的に光学式読み取り装置を位置決めするステップと前記符号化パターンの一部の画像を取り込むステップとを動作可能なように行うステップと、
(b)前記撮像された部分に含まれるx座標データ及びy座標データをサンプリングし、復号するステップと、
(c)前記ペンの位置を判定するステップとを含み、
前記部分は、少なくともタグ直径1つ分の、またタグ直径2つ分よりも小さい直径を有する方法。
【請求項20】
基材の表面上に配置された符号化パターンを撮像するシステムであって、
(A)請求項1〜18のいずれか一項に記載の基材と、
(B)光学式読み取り装置であって、
前記符号化パターンの一部の画像を取り込む、少なくともタグ1つ分の直径の大きさであり、タグ2つ分の直径よりも小さい視野を有する画像センサーと、
プロセッサであって、(i)前記取り込まれた画像内にあるx座標データ及びy座標データをサンプリングし復号するステップと、(ii)前記ペンの位置を判定するステップと、を実行するよう構成されたプロセッサと、を備える光学式読み取り装置と、
を備えるシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A−24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2010−518496(P2010−518496A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548542(P2009−548542)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【国際出願番号】PCT/AU2008/000124
【国際公開番号】WO2008/095232
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(303024600)シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド (150)
【Fターム(参考)】