説明

X線異物検出装置

【課題】 検査条件を規定するパラメータの自動設定を行う際の、X線異物検出装置からのX線の漏洩を防止できるX線異物検出装置を提供すること。
【解決手段】 搬送部110と、X線発生器120と、X線ラインセンサ130と、筐体20と、複数の遮蔽カーテンと、被検査物1がX線ラインセンサ130上を通過したことを検知する通過検知手段と、異物混入判定を行う制御処理部140とを備えたX線異物検出装置100において、制御処理部140が、前記搬送部110が搬送する搬送方向を反転させる制御を含む所定の搬送制御を行う搬送制御手段144を有し、搬送制御手段144は、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、被検査物1がX線ラインセンサ130上を通過したことを通過検知手段が検知したときから所定時間以内に搬送速度の減速を開始し、遮蔽カーテンが被検査物1によって開けられないように搬送制御を行う構成を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送してX線を照射し、物品に混入している異物を検出する検査(以下、異物混入検査という。)を行うX線異物検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品等の生産ラインにおいては、商品を対象に異物混入検査を行うために、X線を用いて検査するX線異物検出装置が用いられる。ここで、上記のX線異物検出装置は、コンベア等を用いて搬送される検査対象の物品(以下、被検査物という。)にX線を照射し、被検査物を透過するX線の透過量を測定し、測定した透過量の情報に基づいて異物が混入しているか否かの判定(以下、異物混入判定という。)を行うものである。
【0003】
ここで、X線異物検出装置が検出対象とする異物としては、例えば、金属、魚等の骨、石、ガラス、プラスチック等がある。X線異物検出装置が検出対象とする異物には、金属検出装置では検出対象とならないものも含まれるため、X線異物検出装置は異物混入検査に有効である。検出対象とする異物の種類が異なると、異物の検出感度が一般に異なる。そのため、異物をより検出しやすくするために、異物混入検査に先立ってX線の透過量、X線の強度、異物混入判定の閾値、被検査物に意図的に付加されたものをマスクするためのマスク領域等の、各種のパラメータの設定が行われている。
【0004】
作業者は、被検査物をコンベアに載せて搬送させることを複数回行い、X線異物検出装置が有する自動設定機能を用いて上記の各パラメータを順次設定していた。金属検出装置については、被検査物が重くて作業者の負担になることを考慮して、被検査物を持ち運ぶことなくコンベアの反転を繰り返させて各パラメータの設定を行う技術が開示された(例えば、特許文献1参照。)。同様に、X線異物検出装置についても、近年、コンベアを反転させる技術が開示された(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
X線異物検出装置は、X線を用いて異物混入検査を行うため、外部に漏洩するX線の線量を法律で定められる基準値以下にしなければならない。ここで、法律には、漏洩が許されるX線の線量が被爆量(単位は、Sv)で規定され、3ヶ月間で1.3mSv以下の総被爆量にすることがされている。そのため、搬送方向の機長が短く装置の搬送口からX線の漏洩の恐れがあるX線異物検出装置では、装置内部の搬送路内に遮蔽カーテンを吊り下げて、X線発生器から照射されたX線がX線異物検出装置の外部に漏洩するのを防止している。
【特許文献1】実開平1−78978号公報
【特許文献2】特開2002−148212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような従来のX線異物検出装置では、コンベアの搬送方向の反転を伴うパラメータ設定を行う場合、コンベアの搬送方向を反転させる反転動作中に、コンベア上の被検査物が遮蔽カーテンを開けた状態で停止してしまい、X線がX線異物検出装置の外部に漏洩することがあるという問題があった。ここで、上記で説明したように、X線をX線異物検出装置から外部に漏洩させないようにすることは、作業者の安全を確保する観点からきわめて重要である。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、X線がX線異物検出装置から外部に漏洩することを防止できるX線異物検出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の点を考慮して、請求項1に係る発明は、被検査物(1)を搬送させながらX線を照射して前記被検査物に異物が混入しているか否かを検査するX線異物検出装置(100)であって、前記被検査物を搬送する搬送部(110)と、前記搬送部が搬送する被検査物に照射するX線を発生させるX線発生器(120)と、前記被検査物に照射されたX線のうち、前記被検査物を透過するX線の透過量を感知するX線ラインセンサ(130)と、前記搬送部が前記被検査物を搬送する搬送路の少なくとも一部を含む空間を覆うと共に前記X線発生器および前記X線ラインセンサを内部に収納し、前記被検査物が搬送されるための入口および出口を有する筐体と、前記筐体内の前記搬送路の上方に設けられ、前記入口および前記出口からX線が漏洩するのを防止する複数の遮蔽カーテンとを備えるX線異物検出装置において、被検査物が前記X線ラインセンサ上を通過したことを検知する通過検知手段と、予め検査対象となる被検査物を前記搬送部で繰り返し搬送させて検査条件を規定するパラメータの自動設定を行うときに、前記搬送部が搬送する搬送方向を反転させる制御を含む所定の搬送制御を行う搬送制御手段(144)とを備え、前記搬送制御手段は、前記被検査物が前記X線ラインセンサ上を通過したことを前記通過検知手段が検知したときから所定時間以内に搬送速度の減速を開始し、搬送方向が反転するために搬送が停止するときに、前記X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する前記遮蔽カーテンの少なくとも1つが前記被検査物によって開けられないように前記搬送制御を行う構成を有している。
【0009】
この構成により、搬送制御手段が、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、被検査物がX線ラインセンサ上を通過したことを通過検知手段が検知したときから所定時間以内に搬送速度の減速を開始し、搬送方向が反転するために搬送が停止するときに、X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する遮蔽カーテンの少なくとも1つが被検査物によって開けられないように搬送制御を行うため、パラメータ設定の動作中に、X線がX線異物検出装置から外部に漏洩することを防止でき、もって作業者の安全を確保することが可能なX線異物検出装置を実現することができる。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1において、前記搬送制御手段が、前記被検査物が前記X線ラインセンサ上を通過したことを前記通過検知手段が検知した直後に、搬送速度を減速させる前記搬送制御を開始して前記被検査物を所定の目標位置に停止させる構成を有している。
【0011】
この構成により、請求項1の効果に加え、搬送制御手段が、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、被検査物がX線ラインセンサ上を通過したことを通過検知手段が検知した直後に、搬送速度を減速させる搬送制御を開始して被検査物を所定の目標位置に停止させるため、被検査物を停止させる搬送制御に要する時間を長くすることができ、被検査物を目標位置に停止させることを容易にすることが可能なX線異物検出装置を実現することができる。
【0012】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記搬送制御手段が、前記X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する最寄の前記遮蔽カーテンの近傍の所定の位置を、前記被検査物を停止させる前記目標位置として、前記搬送制御を行う構成を有している。
【0013】
この構成により、請求項1または請求項2の効果に加え、搬送制御手段が、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する最寄の遮蔽カーテンの近傍の所定の位置を、被検査物を停止させる目標位置として搬送制御を行うため、搬送方向を切り替えて搬送を開始するときに、搬送速度を要求される搬送速度まで上昇させるための搬送距離を長く確保することが可能なX線異物検出装置を実現することができる。
【0014】
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記X線異物検出装置が、前記X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する最寄の前記遮蔽カーテンの近傍の監視領域に前記被検査物が到達したことを検知する到達検知手段を備え、前記搬送制御手段は、前記被検査物が前記監視領域に到達したことを前記到達検知手段が検知したときに、搬送を停止させるように前記搬送制御を行う構成を有している。
【0015】
この構成により、請求項1乃至請求項3のいずれか1項の効果に加え、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、到達検知手段が、被検査物が監視領域に到達したことを検知したときに、搬送制御手段が搬送を停止させるように搬送制御を行うため、被検査物が外部の遮蔽カーテンを開けてしまいX線が漏洩してしまうことを防止することが可能なX線異物検出装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、搬送制御手段が、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、被検査物がX線ラインセンサ上を通過したことを通過検知手段が検知したときから所定時間以内に搬送速度の減速を開始し、搬送方向が反転するために搬送が停止するときに、X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する遮蔽カーテンの少なくとも1つが被検査物によって開けられないように搬送制御を行うため、パラメータ設定の動作中に、X線がX線異物検出装置から外部に漏洩することを防止でき、もって作業者の安全を確保できるという効果を有するX線異物検出装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係るX線異物検出装置のブロック構成を概念的に示す説明図である。本発明の実施の形態に係るX線異物検出装置100は、被検査物1を搬送する搬送部110と、搬送部110が搬送する被検査物1に照射するX線を発生させるX線発生器120と、被検査物1に照射されたX線のうち、被検査物1を透過するX線(以下、透過X線という。)の透過量を感知するX線ラインセンサ130と、X線ラインセンサ130から出力される透過X線の透過量に関する情報を情報処理して被検査物に異物が混入しているか否かの判定(以下、異物混入判定という。)を行うと共に、搬送部110およびX線発生器120の制御を行う制御処理部140と、制御処理部140から出力される情報等を表示する表示部150とを備える。
【0019】
搬送部110は、搬送ベルト111、ローラ112、および、モータユニット等の搬送駆動手段113とを含むように構成される。ローラ112は、搬送方向の前後部にそれぞれ2個づつ配置され、これらが高さ方向に所定の高さを有している。搬送ベルト111は無端状であり、ローラ112に巻回されている。搬送駆動手段113は、ローラ112の一つに接続され、ローラ112を回転駆動する。搬送ベルト111は、原子量の大きい元素以外の元素からなる、X線を透過しやすい材料でできている。
【0020】
X線異物検出装置100は、さらに、図2に示すようにX線が外部に漏洩するのを防止する筐体20を備える。図2は、本発明の実施の形態に係るX線異物検出装置100の一例を示す斜視図である。筐体20は、筐体20内に格納された搬送部110等を取り扱う場合に開放する線源部フロントパネル21と、X線ラインセンサ130、搬送部110等を取り扱う場合等に開放する搬送部フロントパネル22と、線源部フロントパネル21または搬送部フロントパネル22と対向する面に設けられたリアパネル23と、線源部フロントパネル21、搬送部フロントパネル22およびリアパネル23以外の部分(例えば、X線異物検出装置100の外側の側面部等。)からなる固定部24によって構成される。
【0021】
X線発生器120は、線源部フロントパネル21と固定部24によって取り囲まれる空間に格納されている。搬送部110の一部または全部、および、X線ラインセンサ130は、搬送部フロントパネル22と固定部24によって取り囲まれる空間に格納されている。また、搬送部フロントパネル22と固定部24との間には、被検査物1をX線異物検出装置100内に搬送するための搬送口221(入口221aおよび出口221bからなる。)が設けられている。
【0022】
搬送部フロントパネル22は、固定部24下部に設けられたヒンジ222に軸支され、前方側(図2に示すY軸方向手前側)に開放自在に構成されている。筐体20は、X線発生器120が発生させたX線が入口221aおよび出口221b以外の部分から外部に漏洩しないように、金属等のX線が透過しにくい材料でできている。
【0023】
図3は、X線異物検出装置100の搬送ベルト111面上の搬送ベルト111面に平行な面における断面図である。X線異物検出装置100は、外部からX軸方向に搬送されてくる被検査物1を搬送口221(入口221a)を介して受け取り、他端の搬送口221(出口221b)から外部に排出するようになっている。ただし、後述するように、検査条件を規定するパラメータ(以下、検査条件規定パラメータという。)の自動設定を行う場合は、搬送口221を介した上記の被検査物1の出入りは、行われない。
【0024】
図4は、筐体20内の被検査物1が搬送される空間近傍の構成を概念的に説明する搬送方向に沿った断面図である。図3および図4に示すように、筐体20内の搬送路上には、入口221aおよび出口221bからX線が漏洩するのを防止する複数の遮蔽カーテン11、12が設けられている。ここで、遮蔽カーテン11は、筐体20の入口221aおよび出口221bを塞ぐように筐体20に吊り下げられて設けられている。
【0025】
これに対して、遮蔽カーテン12は、遮蔽カーテン11とX線ラインセンサ130との間に設けられている。ここで、X線ラインセンサ130(またはX線発生器120)に最寄りの遮蔽カーテンとX線ラインセンサ130との間には、X線を照射して被検査物1に異物が混入しているか否かの異物混入検査を行うときに、被検査物1の搬送速度を適切に確保できるように、所定の距離が確保されている。
【0026】
以下、2つの遮蔽カーテン11によって仕切られた筐体20内の搬送路上の空間を搬送空間といい、搬送空間のうちのX線ラインセンサ130(またはX線発生器120)の最寄の遮蔽カーテン12によって仕切られた空間を検出空間という。遮蔽カーテン11、12は、具体的には、検出空間を除く搬送空間に筐体20から吊り下げられて設けられている。
【0027】
X線発生器120は、図4に示すように、電圧を印加して加速させた電子をターゲットに衝突させてX線を発生させる円筒状のX線管121と、X線管121が発生させたX線をX線ラインセンサ130に向けて照射するための照射スリット122とを有する。以下、電子を加速してターゲットに衝突させるための電圧を加速電圧という。
【0028】
X線管121は、金属製の箱体内部に保持された絶縁油に浸漬される等、冷却されるようになっている。X線管121は、また、その長手方向が被検査物1の搬送方向(図2に示すX軸方向)と直交するように設けられている。X線管121により生成されたX線は、X線ラインセンサ130に向けて、X線管121の長手方向に沿った照射スリット122を介して、略円錐状のX線を略三角形状のスクリーン状にして照射するようになっている。
【0029】
また、図4に示すように、X線ラインセンサ130の近傍には、被検査物1がX線ラインセンサ130上を通過したことを検知する通過検知手段114が設けられている。通過検知手段114は、被検査物1がX線ラインセンサ130上を通過したことを検知したとき、被検査物1がX線ラインセンサ130上を通過したことを示す通過検知信号を判定手段142に出力するようになっている。
【0030】
X線ラインセンサ130は、X線センサがアレイ状に配置された構成を有し、X線ラインセンサ130上を搬送される被検査物1を透過してX線センサに到達する透過X線の量をアレイを構成する各X線センサが感知し、感知したX線の透過量に応じた電気信号を出力するようになっている。図示はしないが、X線ラインセンサ130には、例えば、搬送ベルト111上を搬送される被検査物1の搬送方向と直交する方向(図2に示すY軸方向)にアレイ状に配列された複数のフォトダイオードと、フォトダイオード上に設けられたシンチレータとを備えたアレイ状のラインセンサが用いられる。X線ラインセンサ130は公知であり、更なる説明を省略する。
【0031】
このような構成によるX線ラインセンサ130では、被検査物1にX線発生器120からX線が照射されたときに、被検査物1を透過してくるX線をシンチレータで受けて光に変換する。さらにシンチレータで変換された光は、その下部に配置されるフォトダイオードによって受光される。そして、各フォトダイオードは、受光した光を電気信号に変換してアレイ信号として制御処理部140に出力する。ここで、アレイ信号は、デジタル信号に変換されてから制御処理部140に出力されるのでもよい。
【0032】
通過検知手段114は、例えば、光線を出射する光源と、光源が出射する光線を受光する受光器とを有し、光源が光線を出射している間に受光器がこの光線を受光できなくなったことを検出して物品の進入を検出する、所謂、投受光器等によって構成されるのでもよい。投受光器が被検査物1の進入を監視する位置を監視位置といい、通過検知手段114として投受光器を用いる場合は、受光器が生成する信号を通過検知信号として制御処理部140に出力する。
【0033】
また、通過検知手段114としての投受光器は、受光した際に生成する信号を微分して、被検査物1が通過検知手段114の監視位置に進入したことを示すパルス信号(以下、監視位置進入パルス信号という。)および通過検知手段114の監視位置を通過したことを示すパルス信号(以下、監視位置通過パルス信号という。)を、上記の通過検知信号として制御処理部140に出力するのでもよい。
【0034】
通過検知手段114として投受光器を用い、かつ、監視位置がX線ラインセンサ130の配置された位置から所定値以上離れている場合、被検査物1がX線ラインセンサ130上を通過したことを、制御処理部140が所定の信号処理を行って検知するものとする。被検査物1がX線ラインセンサ130上を通過したことの検知は、搬送速度、および、監視位置とX線ラインセンサ130との間の距離の情報に基づいて行うことができる。
【0035】
以下では、上記の「受光器からの出力信号」、「監視位置進入パルス信号」および「監視位置通過パルス信号」を「通過検知信号」に含めるものとし、通過検知手段114として投受光器を用い、「受光器からの出力信号」を「通過検知信号」として説明する。なお、図4には、通過検知手段114がX線ラインセンサ130の左側を監視するように設けられる場合について示したが、X線ラインセンサ130上を監視するように設けるのでも、X線ラインセンサ130の右側を監視するように設けるのでも、X線ラインセンサ130の両側を監視するように設けるのでも、X線ラインセンサ130上の通過を検知することができるその他の位置を監視するように設けるのでもよい。
【0036】
さらに、図4に示すように、筐体20内には、X線ラインセンサ130に対して搬送方向(図4に矢印で示す方向。)前方に位置する最寄の遮蔽カーテンの近傍の監視領域に被検査物が到達したことを検知する到達検知手段115が設けられている。到達検知手段115は、被検査物1が監視領域に到達したことを検知したとき、被検査物1が監視領域に到達したことを示す到達検知信号を搬送制御手段144に出力するようになっている。
【0037】
到達検知手段115は、例えば、上記の投受光器等によって構成されるのでもよい。また、上記では、図4に示す位置に到達検知手段115が設けられる例について説明したが、到達検知手段115は、戻り方向(図4に矢印で示す方向と反対の方向。)の搬送に関して、上記の位置に相当する位置に設けられるのでも、両方の監視位置に設けられるのでもよい。さらに、上記では、通過検知手段114と到達検知手段115とを両方とも設ける場合について説明したが、通過検知手段114または到達検知手段115のいずれか一方を設けなくともよい。
【0038】
制御処理部140には、X線ラインセンサ130からの透過X線の量の情報であるアレイ信号、通過検知手段114からの通過検知信号、到達検知手段115からの到達検知信号、図示しない操作部からの操作入力に応じた操作信号等のその他の信号が入力される。制御処理部140は、X線ラインセンサ130から入力されたアレイ信号に基づいて、被検査物1内の透過画像を生成する画像処理等の所定の情報処理を行う画像処理手段141と、画像処理手段141から出力された透過画像の情報に基づいて、異物混入判定を行うと共に、後述するX線制御手段143と搬送制御手段144とが行う制御に必要な所定の情報を生成して出力する判定手段142と、判定手段142から出力された信号に応じて、X線発生器120にX線を発生させ、または、X線を一時停止させる制御を行うX線制御手段143と、判定手段142から出力された信号に応じて、搬送部110を制御する搬送制御手段144とを有する。ここで、搬送制御手段144が行う制御には、検査条件規定パラメータの自動設定の際に、搬送方向を反転させる制御が含まれる。
【0039】
図5は、本発明の実施の形態に係るX線異物検出装置100を構成する制御処理部140のブロック構成を示す図である。制御処理部140は、所定の信号が入力される入力インタフェース541と、X線異物検出装置100の機能を実現するための所定の情報処理や制御を行うCPU(Central Processing Unit)542と、CPU542を立ち上げるためのOS(Operating System)やその他のプログラムおよび制御用の検査条件規定パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)543と、CPU542が動作に用いるOSやアプリケーションの実行コードやデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)544と、アプリケーションソフトや所定のデータを不揮発に記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)545と、所定の信号を出力する出力インタフェース546とを含むように構成されている。
【0040】
なお、上記では、アプリケーションソフトや所定のデータを不揮発に記憶する記憶手段として、EEPROM545を用いる構成について説明したが、係る記憶手段は、EEPROM545に限られるものではなく、ハードディスク、その他の不揮発記憶素子でもよい。以下、EEPROM545というときは、不揮発に記憶する記憶手段を意味するものとする。
【0041】
ここで、入力インタフェース541には、X線ラインセンサ130からのアレイ信号、通過検知手段114からの通過検知信号、到達検知手段115からの到達検知信号、図示しない操作部からの操作信号、その他の信号が入力される。その他の信号としては、例えば、X線異物検出装置100の動作モードを指定するためのモード指定信号、所定の制御を行う際の通信で受信する信号等が含まれるのでもよい。また、入力インタフェース541に入力される信号は、デジタル信号のみに限定されるものではなく、必要に応じてアナログ信号を含むものとする。この場合、入力インタフェース541は、アナログ信号をデジタル信号に変換する構成手段を有するのでもよい。
【0042】
出力インタフェース546は、CPU542の制御の下、異物混入判定の判定結果を示す判定信号を、例えば選別機等の図示しない外部の装置に出力する。また、出力インタフェース546は、搬送部110を制御するための搬送制御信号、その他の信号を出力する。その他の信号としては、例えば、表示部150等を制御するための信号、制御を行う際の通信で送信する信号等の所定の信号が含まれる。また、出力インタフェース546が出力する信号は、デジタル信号のみに限定されるものではなく、必要に応じてアナログ信号を含むものとする。この場合、出力インタフェース546は、デジタル信号をアナログ信号に変換する構成手段を有するものとする。
【0043】
制御処理部140のCPU542は、X線発生器120が被検査物1にX線を照射したときに、入力インタフェース541を介して、X線ラインセンサ130から入力されるアレイ信号に基づいて、異物混入判定を行うようになっている。CPU542が行う異物混入判定は、入力インタフェース541を介して入力されるアレイ信号に基づいて、X線透過量が予め設定されたしきい値以下の部分が検出されたときに、被検査物1に異物が混入していると判定する。なお、上記のしきい値は、被検査物1および被検査物1に混入する異物の種類に応じて異なるものとする。異物混入判定は、公知であり、その他の詳細な説明を省略する。
【0044】
CPU542は、また、検査条件規定パラメータの自動設定において、通過検知手段114から入力された通過検知信号と到達検知手段115とのうちのいずれか一方の検知信号に基づいて、搬送部110を制御する搬送制御信号を到達検知手段115に出力する。ここで、説明の都合上、X線制御手段143としてのCPU542は、検査条件規定パラメータの自動設定の動作モードが指定されたとき、検査条件規定パラメータの自動設定の動作中にX線をX線ラインセンサ130に向けて照射し、検査条件規定パラメータの自動設定の動作時以外は照射を停止するようにX線発生器120を制御するものとする。また、異物混入検査を行うときは、異物混入検査の動作中にX線をX線ラインセンサ130に向けて照射し、異物混入検査の動作時以外は照射を停止するようにX線発生器120を制御するものとする。
【0045】
CPU542は、また、検査条件規定パラメータの自動設定を行う場合は、異物混入検査で行う搬送の搬送方向と同一の方向のみの透過画像を生成するのでも、反転を行う搬送の各搬送方向について透過画像を生成するのでもよい。そして、異物混入検査で行う搬送の搬送方向と同一の方向のみの透過画像を生成する場合、後に詳述するX線照射の一時停止は、被検査物1を検知した後、被検査物1の搬送が反転されて元の停止位置に戻り、元の停止位置から再度搬送が開始されるまで停止させてもよい。
【0046】
CPU542は、また、検査条件規定パラメータの自動設定において、通過検知手段114から入力された通過検知信号と到達検知手段115とのうちのいずれか一方の検知信号に基づいて、X線の発生を制御する線源制御信号をX線発生器120に出力すると共に、搬送を制御する搬送制御信号を搬送部110に出力する。
【0047】
CPU542は、通過検知手段114から通知検知信号が入力され、かつ、通過検知手段114がX線ラインセンサ130に対して図4または図6に示す相対位置関係に設けられている場合、被検査物1が通過検知手段114の監視位置を通過した後、X線ラインセンサ130を完全に通過する(被検査物1が図6に示す被検査物1'の位置まで移動する)までに要する時間(以下、通過後経過時間という。)が経過した後に、搬送部110の搬送駆動手段113に搬送速度を減速させる搬送制御信号を出力する。
【0048】
CPU542は、通過検知手段114がX線ラインセンサ130の出口221b側に設けられている場合であって、被検査物1が出口221b側の停止位置から入口221a側へ搬送される場合も、上記と同様に動作する。通過検知手段114がX線ラインセンサ130の出口221b側に設けられている場合であって、被検査物1が入口221a側の停止位置から出口221b側へ搬送される場合は、被検査物1が通過検知手段114としての投受光器の監視位置に進入したことを検知してから被検査物1がX線ラインセンサ130を完全に通過するまでに要する時間(以下、進入後経過時間という。)が経過した後に、搬送駆動手段113に搬送速度を減速させる搬送制御信号を出力する。
【0049】
通過検知手段114がX線ラインセンサ130の出口221b側に設けられている場合であって、被検査物1が入口221a側の停止位置から出口221b側へ搬送される場合も、被検査物1が通過検知手段114としての投受光器の監視位置に進入したことを検知してから進入後経過時間が経過した後に、搬送駆動手段113に搬送速度を減速させる搬送制御信号を出力する。上記の通過後経過時間および進入後経過時間の情報は、予め、EEPROM545に書き込まれているものとする。ただし、予め、EEPROM545から読み出してRAM544に記憶させておくのでもよい。また、ROM543に、通過後経過時間および進入後経過時間を算出するために必要な距離の情報、搬送速度の情報等を格納しておき、ROM543に格納したこれらの情報に基づいて通過後経過時間および進入後経過時間を算出するのでもよい。
【0050】
制御処理部140は、搬送部110の搬送方向を反転させる制御を行うために、以下の情報を保持すると共に動作する。まず、搬送方向毎に停止を希望する位置として予め決められた位置(以下、目標位置という。)の情報、および、被検査物1毎の搬送を停止させるのに要する制動距離の情報を予めEEPROM545等に記憶する記憶させておくものとする。なお、制御目標とする搬送速度の時間変化のデータ(以下、搬送速度プロファイルという。)をさらに記憶するのでもよい。
【0051】
ここで、被検査物1をX線ラインセンサ130上を通過させた後に停止させる方法として、搬送方向に応じて決まる目標位置から被検査物1に対する制動距離を差し引いた位置(以下、制動制限位置という。)または制動制限位置以前の位置で搬送駆動手段113に駆動を停止させて被検査物1を停止させる方法(以下、慣性停止法という。)、制動制限位置以前の所定の位置から予め決められた搬送速度プロファイルで搬送速度を減速し、目標位置で停止させる方法(以下、減速制御停止法という。)等がある。上記の目標位置を、上記の検出空間内の最もX線ラインセンサ130(またはX線発生器120)から離れた位置にするすることは、搬送速度を要求される搬送速度まで上昇させるための搬送距離を長く確保しやすくなり、好適である。
【0052】
以下、検査条件規定パラメータの自動設定における各構成部の動作について、図6を用いて説明する。ここで、検査条件規定パラメータとしては、例えば、X線の透過量、X線の強度、混入判定の閾値、透過画像作成処理の種類、被検査物に意図的に付加されたものをマスクするためのマスク領域等が上げられる。作業者は、検査条件規定パラメータの設定において、搬送部フロントパネル22を開けて被検査物1を上記の検出空間に置くだけで、その後、パラメータ設定が完了するまで、いずれのパネル21、22、23も開くことはないものとする。
【0053】
以下では、被検査物が図6に示す被検査物1の位置に停止している状態から制御が行われるものとして説明する。まず、上記の停止位置から出口221b側へ被検査物1の搬送を開始するために、所定の搬送速度プロファイルで搬送ベルト111が移動するように搬送駆動手段113の回転を制御する搬送制御信号が、出力インタフェース546を介して、制御処理部140のCPU542から搬送駆動手段113に出力される。
【0054】
上記の搬送速度プロファイルとしては、例えば、図6(b)に示すように、時間に対して一定の割合で搬送速度が増加し、被検査物1が通過検知手段114の監視位置に到達する前に所定の搬送速度(以下、定常搬送速度という。)に到達し、被検査物1がX線ラインセンサ130を通過し終わるまで定常搬送速度を保ち、その後、時間に対して一定の割合で搬送速度が減少するものがある。図6(b)に示す搬送速度プロファイルは、減速制御停止法で停止させる場合の一例でもある。
【0055】
ただし、上記の搬送速度プロファイルは、図6(b)に示す搬送速度プロファイルに限られるものではなく、被検査物1が通過検知手段114の監視位置に進入してからX線ラインセンサ130を通過し終わるまでの間、定常搬送速度を維持できるものであれば、その他の搬送速度プロファイルでもよい。図6(a)は、図6(b)に示す搬送速度プロファイルで搬送したときの、搬送距離と搬送速度の関係を示すグラフである。上記の搬送速度プロファイルを実現するために搬送駆動手段113の回転数を指定する搬送速度制御データは、予め、EEPROM545に書き込まれているものとする。ただし、予め、EEPROM545から読み出してRAM544に記憶させておくのでもよい。
【0056】
なお、図6(c)は、検査条件規定パラメータの自動設定の動作が開始したときのX線強度の変化を示す図であり、図6(d)は、X線発生器120に印加される電圧の変化を示す図である。入口221a側の停止位置から出口221b側へ被検査物1の搬送が開始され、被検査物1が通過検知手段114の監視位置に進入する前の状態では、通過検知手段114としての投受光器は、受光器が光を受光しているため、ノイズレベル以上の所定のレベルの直流信号を発生し、通過検知信号として制御処理部140に出力している。
【0057】
次に、被検査物1が通過検知手段114の監視位置に進入すると、投光器から出射された光が被検査物1によって遮られ、受光器からは、レベルがゼロすなわちノイズレベルの直流信号が通過検知信号として制御処理部140に出力される。以下、投光器から出射された光が被検査物1によって遮られたときに、受光器から制御処理部140に出力される直流信号のレベルを、単にレベルゼロという。
【0058】
さらに、被検査物1が出口221b側方向に搬送されると、被検査物1が通過検知手段114の監視位置を通過し、受光器からの出力が再びレベルゼロ以上の所定の値となる。制御処理部140のCPU542は、通過検知手段114から出力された信号のレベルがレベルゼロから所定の値に立ち上がったを検知して、被検査物1が通過検知手段114の監視位置を通過したことを検知する。
【0059】
制御処理部140のCPU542は、被検査物1が通過検知手段114の監視位置を通過したことを検知したとき、搬送を停止させる方法として慣性停止法と減速制御停止法のうちのいずれが指定されているかを判断し、指定されている停止法に応じて以下の処理を行う。
【0060】
まず、慣性停止法が指定されている場合、制御処理部140のCPU542は、上記の制動距離と目標位置の情報をEEPROM545から読み出し(予め、読み出してRAM544に記憶させておき、RAM544から読み出すのでもよい。)、制動制限位置を算出し、制動制限位置以前の予め決められた位置で搬送駆動手段113を停止させる搬送制御信号を搬送駆動手段113に出力する。CPU542は、また、駆動停止の搬送制御信号を搬送駆動手段113に出力すると同時に経過時間を測定し、予め決められた時間が経過するまで待つ。ここで、この予め決められた時間を、駆動停止の搬送制御信号を搬送駆動手段113に出力してから被検査物1が停止するまでの時間以上とする。
【0061】
一方、搬送を停止させる方法として減速制御停止法が指定されている場合は、指定された搬送速度プロファイルを実現するための搬送速度制御データがEEPROM545から既に読み出されているため、継続して搬送速度制御データに応じて搬送速度を制御する搬送制御信号を搬送駆動手段113に出力する。制御処理部140は、搬送速度を減速する搬送制御信号の出力後、搬送速度プロファイルがゼロとなる時刻まで待ち、被検査物1が停止するのを待つ。ここで、制御処理部140が行う搬送制御によって搬送方向が反転するために搬送が停止するときに、X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する遮蔽カーテンの少なくとも1つが被検査物によって開けられないようになっている。
【0062】
次に、制御処理部140は、搬送制御信号を搬送駆動手段113に出力し、搬送を停止させる方法毎に決められた所定時間が経過したと判断しとき、搬送ベルト111の搬送方向を反転させて搬送を開始させる。搬送方向反転後の搬送開始の動作は、反転前の動作と同様であり、その説明を省略する。反転後の搬送方向に被検査物1を搬送し、被検査物1がX線ラインセンサ130上を通過して通過検知手段114の監視位置に進入すると、投光器から出射された光が被検査物1によって遮られ、受光器からは、レベルゼロの直流信号が通過検知信号として制御処理部140に出力される。
【0063】
受光器から出力された信号のレベルがゼロの変わったことを検知すると、制御処理部140のCPU542は、信号のレベルがレベルゼロに変わったときからの経過時間を測定し、進入後経過時間の情報をEEPROM545から読み出す(予め、読み出してRAM544に記憶させておき、RAM544から読み出すのでもよい。)。
【0064】
CPU542は、上記で測定中の経過時間が進入後経過時間に達したと判断したとき、入口221a側から出口221b側への搬送において行った制御と同様の制御を行い、被検査物1を入口221a側の目標位置(停止位置)に停止させる。制御処理部140は、搬送制御信号を搬送駆動手段113に出力して所定時間経過したと判断したとき、すなわち、被検査物1が入口221a側の目標位置に停止したと判断したとき、上記の双方向への搬送を伴う動作を、図示しない操作部を介して入力された回数だけ繰り返して検査条件規定パラメータの自動設定を行う。
【0065】
また、搬送部フロントパネル22を開けて被検査物1を検出空間に置いて検査条件規定パラメータの設定が行われるように説明したが、搬送部フロントパネル22を開けずに入り口から被検査物1を搬送制御手段144で制御開始位置に移動させてから、検査条件規定パラメータの設定が行われるようにしてもよい。
【0066】
以上説明したように、搬送制御手段が、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、被検査物がX線ラインセンサ上を通過したことを通過検知手段が検知したときから所定時間以内に搬送速度の減速を開始し、搬送方向が反転するために搬送が停止するときに、X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する遮蔽カーテンの少なくとも1つが被検査物によって開けられないように搬送制御を行うため、パラメータ設定の動作中に、X線がX線異物検出装置から外部に漏洩することを防止でき、もって作業者の安全を確保することができる。
【0067】
また、搬送制御手段が、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、被検査物がX線ラインセンサ上を通過したことを通過検知手段が検知した直後に、搬送速度を減速させる搬送制御を開始して被検査物を所定の目標位置に停止させるため、被検査物を停止させる搬送制御に要する時間を長くすることができ、被検査物を目標位置に停止させることを容易にすることができる。
【0068】
また、搬送制御手段が、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する最寄の遮蔽カーテンの近傍の所定の位置を、被検査物を停止させる目標位置として搬送制御を行うため、搬送方向を切り替えて搬送を開始するときに、搬送速度を要求される搬送速度まで上昇させるための搬送距離を長く確保することができる。
【0069】
また、検査条件を規定するパラメータの自動設定において、到達検知手段が、被検査物が監視領域に到達したことを検知したときに、搬送制御手段が搬送を停止させるように搬送制御を行うため、被検査物が外部の遮蔽カーテンを開けてしまいX線が漏洩してしまうことを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係るX線異物検出装置は、パラメータの設定処理を行う際に、X線がX線異物検出装置から外部に漏洩することを防止できるという効果が有用なX線異物検出装置等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態に係るX線異物検出装置のブロック構成を概念的に示す説明図
【図2】本発明の実施の形態に係るX線異物検出装置の一例を示す斜視図
【図3】X線異物検出装置の搬送ベルト面上の搬送ベルト面に平行な面における断面図
【図4】筐体内の被検査物が搬送される空間近傍の構成を概念的に説明する搬送方向に沿った断面図
【図5】本発明の実施の形態に係るX線異物検出装置を構成する制御処理部のブロック構成を示す図
【図6】本発明の実施の形態に係るX線異物検出装置の動作を説明するための説明図
【符号の説明】
【0072】
1 被検査物
11、12 遮蔽カーテン
20 筐体
21 線源部フロントパネル
22 搬送部フロントパネル
23 リアパネル
24 固定部
100 X線異物検出装置
110 搬送部
111 搬送ベルト
112 ローラ
113 搬送駆動手段
114 通過検知手段
115 到達検知手段
120 X線発生器
121 X線管
122 照射スリット
130 X線ラインセンサ
140 制御処理部
141 画像処理手段
142 判定手段
143 X線制御手段
144 搬送制御手段
150 表示部
221、221a、221b 搬送口
222 ヒンジ
541 入力インタフェース
542 CPU
543 ROM
544 RAM
545 EEPROM
546 出力インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物(1)を搬送させながらX線を照射して前記被検査物に異物が混入しているか否かを検査するX線異物検出装置(100)であって、
前記被検査物を搬送する搬送部(110)と、
前記搬送部が搬送する被検査物に照射するX線を発生させるX線発生器(120)と、
前記被検査物に照射されたX線のうち、前記被検査物を透過するX線の透過量を感知するX線ラインセンサ(130)と、
前記搬送部が前記被検査物を搬送する搬送路の少なくとも一部を含む空間を覆うと共に前記X線発生器および前記X線ラインセンサを内部に収納し、前記被検査物が搬送されるための入口および出口を有する筐体と、
前記筐体内の前記搬送路の上方に設けられ、前記入口および前記出口からX線が漏洩するのを防止する複数の遮蔽カーテンとを備えるX線異物検出装置において、
被検査物が前記X線ラインセンサ上を通過したことを検知する通過検知手段と、
予め検査対象となる被検査物を前記搬送部で繰り返し搬送させて検査条件を規定するパラメータの自動設定を行うときに、前記搬送部が搬送する搬送方向を反転させる制御を含む所定の搬送制御を行う搬送制御手段(144)とを備え、
前記搬送制御手段は、前記被検査物が前記X線ラインセンサ上を通過したことを前記通過検知手段が検知したときから所定時間以内に搬送速度の減速を開始し、搬送方向が反転するために搬送が停止するときに、前記X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する前記遮蔽カーテンの少なくとも1つが前記被検査物によって開けられないように前記搬送制御を行うことを特徴とするX線異物検出装置。
【請求項2】
前記搬送制御手段は、前記被検査物が前記X線ラインセンサ上を通過したことを前記通過検知手段が検知した直後に、搬送速度を減速させる前記搬送制御を開始して前記被検査物を所定の目標位置に停止させることを特徴とする請求項1に記載のX線異物検出装置。
【請求項3】
前記搬送制御手段は、前記X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する最寄の前記遮蔽カーテンの近傍の所定の位置を、前記被検査物を停止させる前記目標位置として、前記搬送制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線異物検出装置。
【請求項4】
前記X線異物検出装置は、前記X線ラインセンサに対して搬送方向前方に位置する最寄の前記遮蔽カーテンの近傍の監視領域に前記被検査物が到達したことを検知する到達検知手段を備え、前記搬送制御手段は、前記被検査物が前記監視領域に到達したことを前記到達検知手段が検知したときに、搬送を停止させるように前記搬送制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のX線異物検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−71577(P2006−71577A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258221(P2004−258221)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】