説明

X線CT装置

【課題】X線CT装置のスキャン条件の設定において、被曝線量に対するコントラストノイズ比が改善される管電圧の設定を促すことを可能にする。
【解決手段】予備スキャンによる投影データを基に、第1X線管電圧による第1断層像と第1X線管電圧より低い第2X線管電圧による第2断層像とを再構成し、第1および第2断層像における画素値を用いて本スキャンにおけるスキャン条件の候補と、その候補のスキャン条件でスキャンしたときの、断層像のコントラストノイズ比を表す予測値と被検体の被曝線量を表す予測値とを、第1X線管電圧を含むスキャン条件の候補と、第2X線管電圧を含むスキャン条件の候補とについて、それぞれ決定する。そして、決定されたスキャン条件の各候補について、少なくとも、X線管電圧、コントラストノイズ比を表す予測値、および被曝線量を表す予測値を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置に関し、詳しくは、被検体の被曝低減の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置の操作者は、スキャン(scan)条件を設定する際に、断層像が所望のコントラストノイズ比(contrast
noise ratio)で得られ、かつ、被検体の被曝線量が極力小さくなるようなスキャン条件を設定しようとする。
【0003】
例えば、まず、本スキャンのときよりも低線量のX線によるスカウトスキャン(scout scan)を行って、被検体の体軸方向および投影角度方向における各位置でのX線透過性に係る情報を取得する。次に、操作者は、本スキャンにおけるX線管の管電圧として、慣例的に使用している標準的な管電圧、例えば120kVpを設定する。また、断層像において維持したい画像ノイズレベル、すなわちノイズインデックス(noise index)を設定する。このとき設定するノイズインデックスは、設定した管電圧でスキャンしたときに、所望のコントラストノイズ比の断層像が得られると考えられる値とする。そして、上記の取得されたX線透過性に係る情報に基づいてCT自動露出機構による処理を行い、設定された管電圧でスキャンを行ったときに、設定されたノイズインデックスの画像ノイズレベルで断層像が得られるようなX線管の管電流の変調曲線を求め、これを本スキャンにおける管電流として設定する(例えば特許文献1,図29等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−018044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、被検体の被曝線量に対する断層像のコントラストノイズ比を改善する手法として、管電圧を従来よりも下げる手法が注目され始めている。一般的に、管電流をそのままにして管電圧を下げると、断層像の画像ノイズは増えるが、断層像におけるCT値のコントラストは上がり、被曝線量も低減されるため、結果的に被曝線量に対するコントラストノイズ比が上がって改善される可能性が高くなる。
【0006】
しかしながら、従来、被検体のスキャンには、例えば120kVpといった特定の管電圧が標準として用いられており、これ以外の管電圧でのスキャンは、実験的なものを除いてはほとんど行われていない。また、管電圧を従来の標準より下げることによる、被曝線量に対するコントラストノイズ比の改善効果の大きさは、被検体のX線透過性と深く係っており、被検体のサイズ(size)や体脂肪率等によって異なる。
【0007】
このため、操作者は、管電圧を下げることが、被曝線量に対するコントラストノイズ比の改善に有効であることを理解していても、実際には、そのような条件でスキャンを行った経験がほとんどなく、その改善の効果に確信が持てないことが多い。そのため、操作者は、管電圧を従来の標準より下げて設定することに対して躊躇してしまい、実際に行われるケース(case)は非常に少ない。
【0008】
このような事情により、被曝線量に対するコントラストノイズ比が改善される管電圧の設定を促すことが可能なX線CT装置の提供が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の観点の発明は、本スキャンの前に、第1X線管電圧によるX線と前記第1X線管電圧より低い第2X線管電圧によるX線とを用いて被検体の予備スキャンを行うスキャン手段と、前記予備スキャンにより得られた投影データ(data)に基づいて、前記第1X線管電圧による第1断層像と前記第2X線管電圧による第2断層像とを再構成する再構成手段と、前記本スキャンにおけるスキャン条件候補と、該スキャン条件候補でスキャンしたときに得られる断層像のコントラストノイズ比を表す予測値と、該スキャン条件候補でスキャンしたときの前記被検体の被曝線量を表す予測値とを、前記第1X線管電圧を用いるスキャン条件候補と、前記第2X線管電圧を用いるキャン条件候補とについて、それぞれ求める手段であって、前記コントラストノイズ比を表す予測値を、前記第1および第2断層像における画素値を用いて求める手段と、前記求められた各スキャン条件候補について、少なくとも、X線管電圧、コントラストノイズ比を表す予測値、および被曝線量を表す予測値を表示する表示手段とを備えたX線CT装置を提供する。
【0010】
第2の観点の発明は、前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段は、第2X線管電圧を用いたスキャン条件候補であって、前記第1X線管電圧を用いるスキャン条件候補でスキャンしたときに得られる断層像のコントラストノイズ比を表す予測値または被検体の被曝線量を表す予測値に対し、コントラストノイズ比を表す予測値が同じになる或いはコントラストノイズ比が高くなるような予測値となる、または、被曝線量を表す予測値が同じになる或いは被曝が少なくなるような予測値となるスキャン条件候補を求める手段を有している請求項1に記載のX線CT装置。
【0011】
第3の観点の発明は、前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段が、前記第1X線管電圧と所望のX線管電流とを用いるスキャン条件候補を、第1候補として求める上記第1の観点または第2の観点のX線CT装置を提供する。
【0012】
第4の観点の発明は、前記所望のX線管電流が、CT自動露出機構を用いて得られたX線管電流である上記第3の観点のX線CT装置を提供する。
【0013】
第5の観点の発明は、前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段が、前記第2X線管電圧を用いるスキャン条件候補であって、X線管電流が前記第1候補のときと同じになるようなスキャン条件候補を、第2候補として求める上記第3の観点または第4の観点のX線CT装置を提供する。
【0014】
第6の観点の発明は、前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段が、前記第2X線管電圧を用いるスキャン条件候補であって、コントラストノイズ比を表す予測値が前記第1候補のときと同じになるようなスキャン条件候補を、第3候補として求める上記第3の観点から第5の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
【0015】
第7の観点の発明は、前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段が、前記第2X線管電圧を用いるスキャン条件候補であって、被曝線量を表す予測値が前記第1候補のときと同じになるようなスキャン条件候補を、第4候補として求める上記第3の観点から第6の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
【0016】
第8の観点の発明は、前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段が、操作者の操作に応じてまたは前記第1および第2断層像の解析結果に基づいて、前記第1および第2断層像の各々に対し、相対的に高い画素値を含む第1関心領域と相対的に低い画素値を含む第2関心領域とを設定する設定手段を有しており、前記第1および第2関心領域の画素値を用いて前記コントラストノイズ比の予測値を求める上記第1の観点から第7の観点のいずれか一つ観点のX線CT装置を提供する。
【0017】
第9の観点の発明は、前記再構成手段が、時系列的な複数の第1および第2断層像を再構成し、前記設定手段が、操作者の操作に応じてまたは前記複数の第1および第2断層像の解析結果に基づいて、前記複数の第1および第2断層像の中から、特定の部位の画素値が実質的にピーク(peak)に達しているタイミング(timing)における第1および第2断層像を選択し、該選択された第1および第2断層像に対して前記第1および第2関心領域を設定する上記第8の観点のX線CT装置を提供する。
【0018】
第10の観点の発明は、前記予備スキャンが、X線管電圧を1または数ビュー(view)単位で前記第1X線管電圧および第2X線管電圧を含む複数のX線管電圧に切り換えながらX線を照射するスキャンである上記第1の観点から第9の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。「数ビュー」は、例えば2ビュー以上10ビュー未満である。
【0019】
第11の観点の発明は、前記予備スキャンおよび本スキャンが、造影スキャンである上記第1の観点から第10の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
【0020】
第12の観点の発明は、前記予備スキャンが、テストインジェクションスキャン(test injection scan)を兼ねている上記第11の観点のX線CT装置を提供する。
【0021】
第13の観点の発明は、前記第1X線管電圧が、実質的に120kVpである上記第1の観点から第12の観点のいずれか一つの観点のX線CT装置を提供する。
【0022】
なお、コントラストノイズ比は、ノイズに対するコントラストの比である。ノイズは、例えば所定の画像領域における画素値の標準偏差、コントラストは、例えば同画像領域における最大レベルの画素値と最小レベルの画素値との差とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のX線CT装置によれば、本スキャンにおけるスキャン条件の候補と、その候補のスキャン条件でスキャンしたときの断層像のコントラストノイズ比を表す予測値および被検体の被曝線量を表す予測値とを、第1X線管電圧を含むスキャン条件の候補と、第2X線管電圧を含むスキャン条件の候補とについて、それぞれ求め、前記求められたスキャン条件の各候補について、少なくとも、X線管電圧、コントラストノイズ比を表す予測値、および被曝線量を表す予測値を表示するので、管電圧を下げることが、被曝線量に対するコントラストノイズ比の改善に有効であることのエビデンス(evidence)を、操作者に示すことができ、被曝線量に対するコントラストノイズ比が改善される管電圧の設定を、操作者に対して促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】発明の実施形態に係るX線CT装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】発明の実施形態に係るX線CT装置における処理の流れを示すフローチャート(flow chart)である。
【図3】時系列的な複数の第1断層像および第2断層像の表示例を示す図である。
【図4】第1および第2断層像における第1および第2関心領域の設定例を示す図である。
【図5】スキャン条件の第1〜第4候補についての管電圧、管電流、コントラストノイズ比の予測値、および被検体被曝線量の予測値の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0026】
図1は、本実施形態に係るX線CT装置の構成を概略的に示す図である。
【0027】
X線CT装置100は、操作コンソール(console)1と、撮影テーブル(table)10と、走査ガントリ(gantry)20とを具備している。
【0028】
操作コンソール1は、操作者からの入力を受け付ける入力装置2と、被検体の撮影を行うための各部の制御や画像を生成するためのデータ処理などを行う中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得したデータを収集するデータ収集バッファ(buffer)5と、画像を表示するモニタ(monitor)6と、プログラム(program)やデータなどを記憶する記憶装置7とを具備している。
【0029】
撮影テーブル10は、被検体40を載せて走査ガントリ20の開口部Bに入れ出しするクレードル(cradle)12を具備している。クレードル12は、撮影テーブル10に内蔵するモータ(motor)で昇降および水平直線移動される。なお、ここでは、被検体40の体軸方向すなわちクレードル12の水平直線移動方向をz方向、鉛直方向をy方向、z方向およびy方向に垂直な水平方向をx方向とする。
【0030】
走査ガントリ20は、回転部15と、回転部15を回転可能に支持する本体部20aとを有する。回転部15には、X線管21と、X線管21を制御するX線コントローラ(controller)22と、X線管21から発生したX線ビーム81をコリメート(collimate)して整形するコリメータ(collimator)23と、被検体40を透過したX線ビーム81を検出するX線検出器24と、X線検出器24の出力を投影データに変換して収集するDAS(Data Acquisition System)(データ収集装置ともいう)25と、X線コントローラ22,コリメータ23,DAS25の制御を行う回転部コントローラ26とが搭載されている。本体部20aは、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10と通信する制御コントローラ29を具備する。回転部15と本体部20aとは、スリップリング(slip ring)30を介して電気的に接続されている。
【0031】
これより、本実施形態に係るX線CT装置における処理の流れについて説明する。
【0032】
図2は、本実施形態に係るX線CT装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
ステップ(step)S1では、被検体40のスカウトスキャン(scout scan)を行って被検体の投影データであるスカウトスキャンデータDsを収集し、このスカウトスキャンデータDsを基にスカウト像を生成する。スカウト像は、モニタ6の画面に表示される。
【0034】
スカウトスキャンとしては、例えば、X線管21を被検体40の真上、真下、真横等に位置させて、X線管21を被検体40に対してz方向に相対移動させながらX線81を照射し、投影データを収集する方法が考えられる。また例えば、本スキャンより低線量のX線を用いて被検体40のヘリカルスキャンを行って投影データを収集する方法が考えられる。なお、本例では、後者の方法を採用し、少なくとも被検体40の正面像を表すスカウト像を再構成する。
【0035】
ステップS2では、操作者が、スカウト像を参照して、本スキャンである造影スキャンを行うz方向の範囲(以下、本スキャンz方向範囲という)を設定する。
【0036】
ステップS3では、CT自動露出機構により、収集されたスカウトスキャンデータDs、本スキャンにおける仮の管電圧としての第1管電圧kV1,操作者により入力されたノイズインデックスNI、プリセット(preset)されている、または入力されたガントリ1回転時間RT等に基づいて、本スキャンにおける管電流の変調曲線(以下、mA曲線という)を求める。本例では、本スキャンz方向範囲における各z位置での断層像を、ノイズインデックスNIで規定される所望のノイズレベル(noise level)すなわちSD値で得ることができるよう、本スキャンの実行中に、管電流mAの変調を行う。例えば、X線管21のz方向位置またはz方向位置および投影角度位置に応じて管電流mAを変化させる。mA曲線は、このような管電流mAの変調を行う場合の、管電流mAのz方向またはz方向および投影角度方向における変調曲線である。なお、本スキャンにおける管電流mAは固定値であってもよい。
【0037】
ステップS4では、予備スキャンとして、高速kVスイッチング(switching)によるテストインジェクションスキャンを行う。高速kVスイッチングとは、管電圧kVを1または数ビュー単位で複数の設定管電圧に順次切り換えることをいう。テストインジェクションスキャンとは、被検体40に本スキャンより少量または低濃度の造影剤を投与し、本スキャンと同じまたは本スキャンより低線量のX線を照射して行う試験的な造影スキャンである。テストインジェクションスキャンを行う目的は、撮影部位が造影剤で染まってゆく様子を撮影して、本スキャンにおける造影剤投与後の最適なスキャン開始タイミングを見積もること、被検体の造影アレルギーの有無を確認することなどである。
【0038】
本例では、管電流mAを本スキャンのときより低い所定の管電流mAtestにして、管電圧kVを従来の標準である第1管電圧kV1と、その第1管電圧kV1より低い第2管電圧kV2とに、1または数ビューごとに交互に切り換えながらテストインジェクションスキャンを行う。つまり、管電圧kVを高速に切り換えるタイプ(type)のデュアルエネルギー(dual energy)撮影法によりテストインジェクションスキャンを行う。これにより、第1管電圧kV1による投影データである第1テストインジェクションデータDt1と、第2管電圧kV2による投影データである第2テストインジェクションデータDt2とが収集される。なお、本例では、具体例として、第1管電圧kV1を120kVpとし、第2管電圧kV2を100kVpとする。
【0039】
ステップS5では、第1テストインジェクションデータDt1を基に、第1管電圧kV1による時系列的な複数の第1断層像を再構成するとともに、第2テストインジェクションデータDt2を基に、第2管電圧kV2による時系列的な複数の第2断層像を再構成する。再構成された各断層像は、モニタ6の画面に表示される。
【0040】
図3に、時系列的な複数の第1断層像および第2断層像の表示例を示す。
【0041】
本例では、図3に示すように、造影剤の投与を開始してからの経過時間t(秒)が、t=t1,t2,t3,…となる各タイミングにおける第1断層像41(t)および第2断層像42(t)を再構成して表示する。ここでの各タイミングは、例えば、造影剤の投与を開始してから2秒間隔で刻まれる時点とし、t1=2秒,t2=4秒,t3=6秒,…とする。
【0042】
ステップS6では、操作者が、所望の同一タイミングtdにおける第1断層像41(td)および第2断層像42(td)を選択する。ここでの所望のタイミングtdは、関心のある特定の部位の造影剤の染まり程度が最大レベルとなり、CT値が実質的にピークに達しているタイミングとする。
【0043】
ステップS7では、操作者が、選択された第1断層像41(td)および第2断層像42(td)において、位置的に互いに対応する幾つかの部分領域に関心領域を設定する。本例では、特定の部位に対応する部分領域であって、造影剤の染まり程度が最大レベルとなり、CT値が実質的にピークに達している部分領域に第1関心領域ROI1を設定する。また、造影剤の染まり程度が最小レベルとなる部分領域に第2関心領域ROI2を設定する。
【0044】
図4に、選択された第1および第2断層像における第1および第2関心領域の設定例を示す。図4に示すように、第1関心領域ROI1は、例えば、断層像内で関心のある部位のうち輝度が最も高く、CT値が最も高いと思われる部分に設定し、第2関心領域ROI2は、例えば、同断層像内で輝度が低く、CT値が低いと思われる部分に設定する。各関心領域は、例えば実空間上で直径1cm〜数cm程度の円領域に対応する領域とする。
【0045】
なお、ステップS7およびS8における断層像の選択および関心領域の設定は、断層像の解析結果に基づいて自動で行われるようにしてもよい。
【0046】
ステップS8では、本スキャンにおけるスキャン条件の候補と、その候補のスキャン条件でスキャンしたときの、断層像のコントラストノイズ比CNRの予測値および被検体被曝線量CTDIの予測値とを、第1管電圧kV1を含むスキャン条件の候補と、第2管電圧kV2を含むスキャン条件の候補とについて、それぞれ求め、表示する。なお、コントラストノイズ比CNRの予測値を求める際に、第1および第2関心領域ROI1,ROI2の画素値を用いる。
【0047】
本例では、まず、選択された第1断層像41(td)に設定された第1関心領域ROI1および第2関心領域ROI2の画素値を基に、第1管電圧kV1による断層像の第1暫定コントラストノイズ比CNRtemp_kv1を求める。同様に、選択された第2断層像42(td)に設定された第1関心領域ROI1および第2関心領域ROI2の画素値を基に、第2管電圧kV2による断層像の第2暫定コントラストノイズ比CNRtemp_kv2を求める。
【0048】
第1および第2暫定コントラストノイズ比CNRtemp_kv1,CNRtemp_kv2は、例えば、次式によって求めることができる。
【数1】

【0049】
ここで、CT#roi1_kv1は、第1断層像41(td)の第1関心領域ROI1における代表画素値であり、CT#roi2_kv1は、第1断層像41(td)の第2関心領域ROI2における代表画素値である。SDroi2_kv1は、第1断層像41(td)の第2関心領域ROI2における画像ノイズ値である。また、CT#roi1_kv2は、第2断層像42(td)の第1関心領域ROI1における代表画素値であり、CT#roi2_kv2は、第1断層像41(td)の第2関心領域ROI2における代表画素値である。SDroi2_kv2は、第2断層像42(td)の第2関心領域ROI2における画像ノイズ値である。代表画素値は、例えば画素値の平均値であり、画像ノイズ値は、例えば画素値の標準偏差である。なお、数式1において、SDroi2_kv1は、第1断層像41(td)の第1関心領域ROI1における画像ノイズ値SDroi1_kv1や、第1断層像41(td)の他の部分領域における画像ノイズ値に代えてもよい。また、数式2において、SDroi1_kv2は、第2断層像42(td)の第1関心領域ROI1における画像ノイズ値SDroi1_kv2や、第2断層像42(td)の他の部分領域における画像ノイズ値に代えてもよい。
【0050】
次に、本スキャンにおけるスキャン条件の候補として、以下に示すような第1〜第4候補を求める。なお、スキャン条件には、管電圧および管電流が含まれる。また、本例のようにX線管21のz方向の位置や投影角度位置に応じて管電流を変化させる管電流変調を行う場合には、便宜上、演算や表示に用いる管電流として、変調により変化する管電流の時間平均を用いるようにする。
【0051】
第1候補は、従来から標準として用いられている第1管電圧kV1と、所定の管電流とを含むものとする。第2候補は、第1候補を基準に、管電流は変えず、管電圧をより低くしたものとする。第3候補は、第1候補を基準に、コントラストノイズ比CNRを変えず、管電圧をより低くしたものとする。第4候補は、第1候補を基準に、被検体の被曝線量CTDIを変えず、管電圧をより低くしたものとする。
【0052】
以下、第1〜第4候補の管電圧、管電流と、その候補でのコントラストノイズ比および被検体の被曝線量の求め方について説明する。
【0053】
(第1候補)
第1候補の管電圧kV(1)、第1候補の管電流mA(1)は、以下の通り決定する。
【数2】

【0054】
ここで、mAautoは、CT自動露出機構により、スカウトスキャンデータDs、第1管電圧kV1,ノイズインデックスNI,ガントリ1回転時間RT等を基に決定されたmA曲線の平均値である。
【0055】
第1候補でのコントラストノイズ比CNR(1)は、例えば次のように求める。
【0056】
一般的に、コントラストノイズ比CNRは、次式で表すことができる。
【数3】

【0057】
ここで、ΔCT#は断層像における最大CT値と最小CT値とのCT値差、SDはCT値のばらつき程度を示すSD値である。また、αはCT値差に関する係数、p(Cio)は造影剤の濃度・量・注入圧等の条件Cioに応じて変化する、CT値差に関するゲイン(gain)、q(kV)は管電圧に応じて変化する、CT値差に関するゲインである。また、k(kV)は、管電圧kVに応じて変化する、SD値に関するゲイン、mAは管電流、sはX線照射時間である。
【0058】
第1暫定コントラストノイズ比CNRtemp_kv1は、上記数式5を基に、次式で表すことができる。
【数4】

【0059】
ここで、Ciotestは、テストインジェクションスキャンを行ったときの造影剤に関する条件であり、mAtestはテストインジェクションスキャンを行ったときの管電流である。
【0060】
一方、第1候補でのコントラストノイズ比CNR(1)は、上記数式5を基に、次式で表すことができる。
【数5】

【0061】
ここで、Ciorealは、本スキャンを行うときの造影剤に関する条件、例えば、造影剤の量、濃度、注入圧などである。
【0062】
数式7を、数式6を用いて変形すると、次式にように、第1候補でのコントラストノイズ比CNR(1)が求められる。
【数6】

【0063】
また、第1候補での被検体被曝線量CTDI(1)は、例えば次のように求める。
【0064】
一般的に、被検体被曝線量CTDIは、次式で表すことができる。
【数7】

【0065】
ここで、βは係数、f(kV)は、管電圧kVに応じて変化する関数(例えばkVの二乗もしくは三乗)である。
【0066】
よって、第1候補での被検体被曝線量CTDI(1)は、次式のように求められる。
【数8】

【0067】
(第2候補)
第2候補の管電圧kV(2)は、次式のように、第1管電圧kV1より低い第2管電圧kV2とする。
【数9】

【0068】
第2候補の管電流mA(2)は、次式のように、第1候補の管電流mA(1)と同じになる。
【数10】

【0069】
第1候補でのコントラストノイズ比CNR(1)は、例えば次のようにして求める。
【0070】
第1候補および第2候補でのコントラストノイズ比CNR(1),CNR(2)、第1および第2暫定コントラストノイズ比CNRtemp_kv1,CNRtemp_kv2は、それぞれ、次式で表すことができる。
【数11】

【0071】
これらの式から次の関係式が導き出せる。
【数12】

【0072】
この式を変形すると、次式のように、第2候補でのコントラストノイズ比CNR(2)が求められる。
【数13】

【0073】
また、第2候補での被検体被曝線量CTDI(2)は、次式のように求められる。
【数14】

【0074】
(第3候補)
第3候補の管電圧kV(3)は、次式のように、第1管電圧kV1より低い第2管電圧kV2とする。
【数15】

【0075】
第3候補でのコントラストノイズ比CNR(3)は、第1候補でのコントラストノイズ比CNR(1)と同じであるから、次式が成り立つ。
【数16】

【0076】
CNR(1)およびCNR(3)は、それぞれ次のように表される。
【数17】

【0077】
ここで、上記の数式22および数式23により、次式が成り立つ。
【数18】

【0078】
この式を変形すると、次式が得られる。
【数19】

【0079】
一方、テストインジェクションスキャンで得られた断層像から実測により得られた第1および第2暫定コントラストノイズ比CNRtemp_kv1,CNRtemp_kv2は、次式で表される。
【数20】

【0080】
数式26と数式27とで比を取り、数式25と比較すると、次式が得られる。
【数21】

【0081】
この数式28を変形すると、さらに次式が得られる。
【数22】

【0082】
両辺を自乗すると、次式のように、第3候補の管電流mA(3)が得られる。
【数23】

【0083】
第3候補での被検体被曝線量CTDI(3)は、次式のようになる。
【数24】

【0084】
(第4候補)
第4候補の管電圧kV(4)は、次式のように、第1管電圧kV1より低い第2管電圧kV2とする。
【数25】

【0085】
第4候補での被検体被曝線量CTDI(4)は、次式のように、第1候補での被検体被曝線量CTDI(1)と同じになる。
【数26】

【0086】
第4候補の管電流mA(4)は、例えば次のようにして求める。
【0087】
第1候補および第4候補での被検体被曝線量CTDI(1),CTDI(4)は、それぞれ次式で表すことができる。
【数27】

【0088】
これらを数式33に代入すると、次式が得られる。
【数28】

【0089】
この式を変形すると、次式のように、第4候補の管電流mA(4)が求められる。
【数29】

【0090】
第4候補でのコントラストノイズ比CNR(4)は、例えば次にようにして求める。
【0091】
第2候補および第4候補でのコントラストノイズ比CNR(2),CNR(4)は、それぞれ、次式のようになる。
【数30】

【0092】
これらの式を左辺同士、右辺同士で比を取ると、次式が得られる。
【数31】

【0093】
この式を変形し、先に得られた数式37の第4候補の管電流mA(4)を代入すると、次式のように、第4候補でのコントラストノイズ比CNR(4)が得られる。
【数32】

【0094】
図5に、第1〜第4候補についての管電圧、管電流、コントラストノイズ比の予測値、および被検体被曝線量の予測値の表示例を示す。本表示例では、前述の通り、従来の標準である管電圧と所定の管電流とによる第1候補と、この第1候補を基準に、管電圧を下げて管電流を同じにした第2候補、管電圧を下げてコントラストノイズ比を同じにした第3候補、管電圧を下げて被検体被曝線量を同じにした第4候補を、コントラストノイズ比および被検体被曝線量の予測値と併せて表示している。なお、コントラストノイズ比の予測値および被曝線量の予測値は、各候補間において相対値で示してもよい。
【0095】
これにより、操作者は、管電圧が従来の標準である第1管電圧kV1となっている候補と、管電圧が第1管電圧より低い第2管電圧となっている幾つかの候補とについて、コントラストノイズ比CNRおよび被検体の被曝線量CTDIの予測値を見て、これらを指標に比較評価することができる。
【0096】
その結果、操作者は、管電圧を下げることによる、被曝線量に対するコントラストノイズ比の改善の有効性を、確信を持って理解することができる。また、本スキャンの管電圧として従来の標準を用いることにこだわることなく、断層像のコントラストノイズ比CNRと被検体の被曝線量CTDIとがより所望のバランス(balance)に近いスキャン条件を選択することができる。
【0097】
例えば、従来の標準である第1管電圧を用いる第1候補と比較して、コントラストノイズ比は若干下がるが、被検体の被曝線量を大幅に低減できるスキャン条件を選択したい場合には、第2候補を選択することができる。また例えば、第1候補と比較して、コントラストノイズ比はそのままで、被検体の被曝線量をより低減できるスキャン条件を選択したい場合には、第3候補を選択することができる。また例えば、第1候補と比較して、被検体の被曝線量はそのままで、コントラストノイズ比を大幅に向上できるスキャン条件を選択したい場合には、第4候補を選択することができる。
【0098】
また、実のところ、コントラストノイズ比と被曝線量とのバランスは、被検体の個体差に依るところが大きい。例えば、被検体の大きさや体脂肪率は、そのX線透過性に反映され、低線量のX線照射による量子ノイズの量に影響するので、コントラストノイズ比を決める重要なファクタとなる。そのため、コントラストノイズ比の予測は、完全なシミュレーション(simulation)によっては高い精度は望めない。
【0099】
一方、ここでは、テストインジェクションスキャンによって実際に得られた断層像を基に暫定コントラストノイズ比を実測し、これらを用いて、スキャン条件の各候補でのコントラストノイズ比を予測しているので、予測値の精度が非常に高い。
【0100】
ステップS9では、操作者が、表示された候補の中から、コントラストノイズ比および被検体被曝線量の予測値を参照して、所望の候補を選択する。
【0101】
ステップS10では、操作者が、テストインジェクションスキャンにより得られた時系列的な複数の断層像を参照して、本スキャンにおける待機時間、すなわち、造影剤の投与を開始してから、スキャンを開始するまでの時間を設定する。
【0102】
ステップS11では、選択された候補によるスキャン条件や、その他の設定条件に従って、本スキャンである造影スキャンを実行する。
【0103】
ステップS12では、造影スキャンにより得られたデータを基に画像再構成し、再構成画像を表示する。
【0104】
このように、本実施形態によれば、テストインジェクションスキャンをデュアルエネルギー撮影法によって行い、管電圧が従来の標準である第1管電圧kV1(本例では120kVp)となる場合と、それより低い第2管電圧kV2(本例では100kVp)となる場合とにおいて、それぞれ断層像を得、これら断層像から第1および第2暫定コントラストノイズ比を実測で求める。次に、これら実測された第1および第2暫定コントラストノイズ比を基に、種々の観点から、本スキャンのスキャン条件の候補として、管電圧が従来の標準の第1管電圧kV1である候補と、管電圧が第1管電圧より低い第2管電圧である幾つかの候補とを決定する。そして、各候補と、その候補のスキャン条件でスキャンしたときの断層像のコントラストノイズ比CNRおよび被検体被曝線量CTDIの予測値とを併せて表示する。
【0105】
このようなエビデンスの表示により、被曝線量に対するコントラストノイズ比が改善される管電圧の設定を、操作者に対して促すことができる。操作者は、示されたエビデンスを見ることで、管電圧を下げることにより被曝線量に対するコントラストノイズ比が改善されることに確信を持つことができ、躊躇することなく、被検体の被曝線量と断層像のコントラストノイズ比とが所望のバランスに近い候補を選択・設定することができる。
【0106】
なお、発明の実施形態は、上記に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
【0107】
例えば、本実施形態では、X線CTスキャンを造影スキャンとしているが、一般的な非造影スキャンであってもよい。ただし、造影スキャンの方が一般的なスキャンよりもスキャン時間が長くなるので、被曝低減の効果はより大きくなる。
【0108】
また例えば、本実施形態では、求められたスキャン条件の候補を表示する際に、その候補についての、管電圧、管電流、コントラストノイズ比、および被曝線量を表示しているが、少なくとも管電圧、コントラストノイズ比、被曝線量を表示すればよい。これらの情報だけでも、スキャン条件の候補間での比較評価が可能になる。
【0109】
また例えば、本実施形態では、被検体の撮影部位を特に指定していないが、撮影部位としては、頭部、心臓、腎臓等が考えられる。
【0110】
また、本実施形態は、X線CT装置であるが、発明は、X線CT装置とPETまたはSPECTとを組み合わせたPET−CT装置やSPECT−CT装置などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置
5 データ収集バッファ
6 モニタ
7 記憶装置
10 撮影テーブル
12 クレードル
15 回転部
20 走査ガントリ
21 X線管
22 X線コントローラ
23 コリメータ
24 X線検出器
25 DAS
26 回転部コントローラ
29 制御コントローラ
30 スリップリング
40 被検体
41 第1断層像
42 第2断層像
81 X線
100 X線CT装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本スキャンの前に、第1X線管電圧によるX線と前記第1X線管電圧より低い第2X線管電圧によるX線とを用いて被検体の予備スキャンを行うスキャン手段と、
前記予備スキャンにより得られた投影データに基づいて、前記第1X線管電圧による第1断層像と前記第2X線管電圧による第2断層像とを再構成する再構成手段と、
前記本スキャンにおけるスキャン条件候補と、該スキャン条件候補でスキャンしたときに得られる断層像のコントラストノイズ比を表す予測値と、該スキャン条件候補でスキャンしたときの前記被検体の被曝線量を表す予測値とを、前記第1X線管電圧を用いるスキャン条件候補と、前記第2X線管電圧を用いるスキャン条件候補とについて、それぞれ求める手段であって、前記コントラストノイズ比を表す予測値を、前記第1および第2断層像における画素値を用いて求める手段と、
前記求められた各スキャン条件候補について、少なくとも、X線管電圧、コントラストノイズ比を表す予測値、および被曝線量を表す予測値を表示する表示手段とを備えたX線CT装置。
【請求項2】
前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段は、第2X線管電圧を用いるスキャン条件候補であって、前記第1X線管電圧を用いるスキャン条件候補でスキャンしたときに得られる断層像のコントラストノイズ比を表す予測値または被検体の被曝線量を表す予測値に対し、コントラストノイズ比を表す予測値が同じになる或いはコントラストノイズ比が高くなるような予測値となる、または、被曝線量を表す予測値が同じになる或いは被曝が少なくなるような予測値となるスキャン条件候補を求める手段を有している請求項1に記載のX線CT装置。
【請求項3】
前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段は、前記第1X線管電圧と所望のX線管電流とを用いるスキャン条件候補を、第1候補として求める請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
【請求項4】
前記所望のX線管電流は、CT自動露出機構を用いて得られたX線管電流である請求項3に記載のX線CT装置。
【請求項5】
前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段は、前記第2X線管電圧を用いるスキャン条件候補であって、X線管電流が前記第1候補のときと同じになるようなスキャン条件候補を、第2候補として求める請求項3または請求項4に記載のX線CT装置。
【請求項6】
前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段は、前記第2X線管電圧を用いるスキャン条件候補であって、コントラストノイズ比を表す予測値が前記第1候補のときと同じになるようなスキャン条件候補を、第3候補として求める請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項7】
前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段は、前記第2X線管電圧を用いるスキャン条件候補であって、被曝線量を表す予測値が前記第1候補のときと同じになるようなスキャン条件候補を、第4候補として求める請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項8】
前記本スキャンにおけるスキャン条件候補を求める手段は、
操作者の操作に応じてまたは前記第1および第2断層像の解析結果に基づいて、前記第1および第2断層像の各々に対し、相対的に高い画素値を含む第1関心領域と相対的に低い画素値を含む第2関心領域とを設定する設定手段を有しており、
前記第1および第2関心領域の画素値を用いて前記コントラストノイズ比の予測値を求める請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項9】
前記再構成手段は、時系列的な複数の第1および第2断層像を再構成し、
前記設定手段は、操作者の操作に応じてまたは前記複数の第1および第2断層像の解析結果に基づいて、前記複数の第1および第2断層像の中から、特定の部位の画素値が実質的にピークに達しているタイミングにおける第1および第2断層像を選択し、該選択された第1および第2断層像に対して前記第1および第2関心領域を設定する請求項8に記載のX線CT装置。
【請求項10】
前記予備スキャンは、X線管電圧を1または数ビュー単位で前記第1X線管電圧および第2X線管電圧を含む複数のX線管電圧に切り換えながらX線を照射するスキャンである請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項11】
前記予備スキャンおよび本スキャンは、造影スキャンである請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のX線CT装置。
【請求項12】
前記予備スキャンは、テストインジェクションスキャンを兼ねている請求項11に記載のX線CT装置。
【請求項13】
前記第1X線管電圧は、実質的に120kVpである請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のX線CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−5896(P2013−5896A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139892(P2011−139892)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】