Y/C分離回路
【課題】 色信号の位相が変化した場合でもドット妨害現象を抑制する。
【解決手段】 3ラインY/C分離回路1には、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部21、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられ、色相関検出部21には、加算器4a、絶対値回路6、遅延回路7b、比較回路8、及びインバータINV1が設けられている。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部21からは“High”レベルの制御信号がセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は垂直BPF出力信号である出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部21からは“Low”レベルの制御信号がセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は出力信号Aを色信号として選択出力する。
【解決手段】 3ラインY/C分離回路1には、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部21、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられ、色相関検出部21には、加算器4a、絶対値回路6、遅延回路7b、比較回路8、及びインバータINV1が設けられている。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部21からは“High”レベルの制御信号がセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は垂直BPF出力信号である出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部21からは“Low”レベルの制御信号がセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は出力信号Aを色信号として選択出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色信号と輝度信号が混合されている複合映像信号から色信号と輝度信号を分離するY/C分離回路に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログテレビ放送を受信してテレビ受像機に映像を映し出すには、放送局から送信される色副搬送波を色差信号で直交変調して輝度信号に重畳した信号である複合映像信号(コンポジット映像信号とも呼称される)を、受信機側で色信号と輝度信号とに分離する。この分離をY/C分離と呼ばれ、Y/C分離を行う方法として複合映像信号の隣り合う複数のラインの相関性を利用してY/C分離を行うラインY/C分離が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1などに記載されているY/C分離回路では、色信号の位相が変化しない場合、色信号と輝度信号とを正しくY/C分離(ノイズのないきれいな信号に分離)できる。ところが、水平方向に色の変わり目がある場合(色信号の位相が変化した場合)、複合映像信号において、色の違いを色副搬送波の位相を変えることにより実現しているので、色副搬送波の周波数成分をすべて抜き出しきれなくなり、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象が発生するという問題点がある。また、輝度信号が色信号に漏れ込むと色の境界が不明瞭になるという問題点がある。
【特許文献1】特開2002−27493号公報(頁11、図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、色信号の位相が変化した場合でもドット妨害現象を抑制することができるY/C分離回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様のY/C分離回路は、複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、垂直方向に色の相関性があるかの判定を行い、その結果を色相関検出信号として出力する色相関検出部と、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合、前記色相関検出信号の第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合、前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
更に、上記目的を達成するために、本発明の他態様のY/C分離回路は、複数の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、2つの異なる前記複合映像信号の差分を算出し、その値が所定値以下或いは以上かを判定し、所定値以下の場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、所定値以上の場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、色信号の位相が変化した場合でもドット妨害現象を抑制することができるY/C分離回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、本発明の実施例1に係るY/C分離回路について、図面を参照して説明する。図1は3ラインY/C分離回路を示すブロック図、図2は垂直BPFを示すブロック図である。本実施例では、ドット妨害現象を抑制するために垂直BPF及び色相関検出部を設けている。
【0010】
図1に示すように、3ラインY/C分離回路1には、垂直BPF(Band Pass Filter)2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部21、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。
【0011】
3ラインY/C分離回路1は、TV放送信号処理回路として用いられ、図示しないADC(Analog−to−Digital Converter)でアナログ信号からデジタル信号に変換された複合映像信号入力−1H、複合映像信号入力0H、及び複合映像信号入力+1Hを入力し、Y/C分離された色信号と輝度信号を出力する。
【0012】
ここで、複合映像信号入力0H及び複合映像信号入力+1Hは、例えば、図示しないラインメモリなどにより、複合映像信号入力−1Hよりも水平期間遅延されたものである。複合映像信号入力0Hである0H信号は、複合映像信号入力−1Hである−1H信号よりもラインメモリにより1H遅延(色副搬送波(fsc)の1/2遅延)され、複合映像信号入力+1Hである+1H信号は複合映像信号入力0Hである0H信号よりもラインメモリにより1H遅延(色副搬送波(fsc)の1/2遅延)されている。このため、色信号は、−1H信号及び+1H信号と0H信号とでは位相が反転されている。また、輝度信号は−1H信号及び+1H信号と0H信号とでは位相が同相である。
【0013】
ここでは、3ラインの複合映像信号を−1H、0H、+1Hと表記しているが、例えば0H、1H、2Hのように3ラインの複合映像信号を順に1Hづつ遅延された信号として表記してもよい。
【0014】
水平BPFであるBPF3aは、−1H信号を入力し、色副搬送波帯域の信号を取り出し、その信号をインバータINV2に出力する。水平BPFであるBPF3bは、0H信号を入力し、色副搬送波帯域の信号を取り出し、その信号を信号cとして5タップ中間値フィルタ5に出力する。水平BPFであるBPF3cは、+1H信号を入力し、色副搬送波帯域の信号を取り出し、その信号をインバータINV3に出力する。
【0015】
インバータINV2は、BPF3aと5タップ中間値フィルタ5の間に設けられ、BPF3aから出力される信号を反転し、信号aとして5タップ中間値フィルタ5に出力する。インバータINV3は、BPF3cと5タップ中間値フィルタ5の間に設けられ、BPF3cから出力される信号を反転し、信号eとして5タップ中間値フィルタ5に出力する。加算器4bは、信号aと信号cを入力し、加算処理((a+b)/2)した信号bを5タップ中間値フィルタ5に出力する。加算器4cは、信号cと信号eを入力し、加算処理((c+e)/2)した信号dを5タップ中間値フィルタ5に出力する。
【0016】
5タップ中間値フィルタ5は、インバータINV2、インバータINV3、加算器4b、及び加算器4cとBPF3dとの間に設けられ、信号a乃至eの5種類(5タップ)の信号を入力し、信号a乃至eの中で3番目に信号レベルが大きい信号を選択してBPF3dに出力する。
【0017】
BPF3dは、5タップ中間値フィルタ5とセレクタSEL1の間に設けられ、5タップ中間値フィルタ5から出力される信号を入力し、所定帯域の信号が取り出された出力信号AをセレクタSEL1に出力する。ここで、色信号の位相が変化しない場合、出力信号Aは色信号としてセレクタSEL1から出力される。
【0018】
図2に示すように、垂直BPF2には、加算器4e、加算器4f、及びインバータINV5が設けられている。加算器4eは、−1H信号と+1H信号を入力して加算処理(−1H信号と+1H信号の和の1/2)を行い、その結果をインバータINV5に出力する。インバータINV5は、加算器4eから出力される信号を入力し、反転した信号を加算器4fに出力する。加算器4fは、0H信号とインバータINV5から出力される信号を入力して加算処理を行い、その結果を垂直BPF出力信号として遅延回路7aに出力する。遅延回路7aは、垂直BPF2から出力される垂直BPF出力信号を所定期間遅延させ出力信号BとしてセレクタSEL1に出力する。
【0019】
ここで、垂直BPF2は、垂直方向の非相関検出により色信号を抜き出す垂直BPFである。垂直BPFはDCF(垂直ダイナミックコムフィルタ)回路とも呼称され、水平BPFから出力される波形とは異なり、色信号の位相が変化した場合(水平方向に色の変わり目がある場合)、正確に色副搬送波成分を抽出することができる。ただし、色信号の位相が変化しない場合(垂直方向に色の相関がない場合)、正しく色副搬送波成分を抽出することができない。
【0020】
色相関検出部21には、加算器4a、絶対値回路6、遅延回路7b、比較回路8、及びインバータINV1が設けられている。色相関検出部21は、色相関性(色信号の位相が変化しているのか)があるかの判断を行う回路で、+1H信号と−1H信号の差分を算出し、その値が所定値以下であれば、垂直方向に色の相関性がある(水平方向に色の変わり目がある場合)と判断して垂直BPF出力信号である出力信号Bを選択する制御信号A(色相関検出信号)を出力する。
【0021】
インバータINV1は、+1H信号を入力し、反転信号を加算器4aに出力する。加算器4aは、インバータINV1から出力される信号と−1H信号を入力して加算処理を行い、その結果を絶対値回路6に出力する。
【0022】
絶対値回路6は、加算器4aと比較回路8の間に設けられ、加算器4aから出力される信号の絶対値をとり、その信号を比較回路8に出力する。比較回路8は、絶対値回路6と遅延回路7bの間に設けられ、絶対値回路6から出力される信号と所定の比較レベル値の基準信号Ref1を入力して比較演算する。
【0023】
ここで、絶対値回路6から出力される信号レベルが基準信号Ref1レベルよりも小さい場合(色信号の位相が変化した場合)、比較回路8から出力される信号は“High”レベルとなり、絶対値回路6から出力される信号レベルが基準信号Ref1レベルよりも大きい場合(色信号の位相が変化しない場合)、比較回路8から出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0024】
遅延回路7bは、比較回路8から出力される信号を所定期間遅延させ、制御信号AとしてセレクタSEL1に出力する。セレクタSEL1は、出力信号Aと出力信号Bを入力し、制御信号Aにもとづいて出力信号A或いは出力信号Bを選択出力する。セレクタSEL1は信号選択手段として機能する。制御信号Aが“High”レベルの場合(色信号の位相が変化した場合)、出力信号Bが色信号として選択出力され、制御信号Aが“Low”レベルの場合(色信号の位相が変化しない場合)、出力信号Aが色信号として選択出力される。
【0025】
ここでは、セレクタSEL1に入力される“High”レベル(第1の信号レベル)の制御信号Aにより出力信号Bが選択され、セレクタSEL1に入力される“Low”レベル(第1の信号レベルとは信号レベルの異なる第2の信号レベル)の制御信号Aにより出力信号Aが選択されているが、必ずしもこれに限定されるものではない。セレクタSEL1に入力される“Low”レベルの制御信号Aにより出力信号Bが選択され、セレクタSEL1に入力される“High”レベルの制御信号Aにより出力信号Aが選択されてもよい(例えば、色相関検出部の出力側にインバータを追加)。
【0026】
インバータINV4は、セレクタSEL1と加算器4dの間に設けられ、セレクタSEL1から出力される色信号を反転し、その信号を加算器4dに出力する。遅延回路7cは、複合映像信号としての0H信号を入力し、所定期間遅延させ、出力信号Cとして加算器4dに出力する。
【0027】
加算器4dは、出力信号CとインバータINV4から出力される信号を入力し、加算処理を行い、複合映像信号である0H信号から色信号を引き算した信号である輝度信号を出力する。加算器4dは、複合映像信号から色信号を引き算して、輝度信号を出力する輝度信号算出手段として機能する。
【0028】
次に、3ラインY/C分離回路の動作について図3乃至図7を参照して説明する。図3は色位相が変化し、異なるとき(垂直方向に色の相関があるとき)の3ラインの複合映像信号を示す図、図4は色位相が変化し、異なるときの3ラインY/C分離回路から出力される色信号を示す図、図5は色位相が変化し、異なるときの3ラインY/C分離回路から出力される輝度信号を示す図、図6は色位相が変化し、異なるときの従来の3ラインY/C分離回路から出力される色信号を示す図、図7は色位相が変化し、異なるときの従来の3ラインY/C分離回路から出力される輝度信号を示す図である。ここで、従来の3ラインY/C分離回路には垂直BPF及び色相関検出部が設けられていない。
【0029】
図3に示すように、例えばNTSC(National Television System Committee)信号での隣り合う3本のラインの複合映像信号入力−1H、複合映像信号入力0H、及び複合映像信号入力+1Hの波形は、輝度信号成分と色信号成分が複合化されている。ここでは、複合映像信号入力−1H、複合映像信号入力0H、及び複合映像信号入力+1Hの波形は、それぞれ点Aで色位相が水平方向に1/2周期((1/2)fsc)分ずれている。
【0030】
色位相が変化し、異なるとき、“High”レベルの制御信号AにもとづいてセレクタSEL1が出力信号Bを色信号として選択出力する。このため、図4に示すように、色信号は複合映像信号としてのOH信号から輝度信号成分を引き算した信号となるので、輝度信号が色信号に漏れ込む現象を大幅に抑制することができる。なお、色位相が変化しない場合、“Low”レベルの制御信号AにもとづいてセレクタSEL1が出力信号Aを色信号として選択出力する。このため、従来と同様に輝度信号が色信号に漏れ込む現象を抑制することができる。
【0031】
色位相が変化し、異なるとき、輝度信号は複合映像信号としてのOH信号から出力信号Bである色信号を引き算した信号となる。このため、図5に示すように、輝度信号に色信号成分が漏れ込まないのでドット妨害現象を大幅に抑制することができる。なお、色位相が変化しない場合、加算器4dが複合映像信号としてのOH信号から出力信号Aである色信号を引き算する。このため、従来と同様に輝度信号が色信号に漏れ込む現象を抑制することができる。
【0032】
一方、従来では、色位相が変化し、異なるときでも5タップ中間値フィルタから出力される色信号が出力される。このため、図6に示すように、輝度信号が色信号に漏れ込むので、色信号は輝度信号成分の影響を受けて色の境界が不明瞭になる。輝度信号は、複合映像信号としてのOH信号から色の境界が不明瞭な色信号を引き算した信号となる。このため、図7に示すように、輝度信号に色信号成分が漏れ込みドット妨害現象が発生する。
【0033】
上述したように、本実施例のY/C分離回路では、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部21、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。色相関検出部21には、加算器4a、絶対値回路6、遅延回路7b、比較回路8、及びインバータINV1が設けられ、−1H信号と+1H信号が入力され、色信号の位相が変化しているのかを判定する判定信号である制御信号AがセレクタSEL1に出力される。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部21からは“High”レベルの制御信号AがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は垂直BPF出力信号である出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部21からは“Low”レベルの制御信号AがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は水平BPFにより抜き出された色信号である出力信号Aを色信号として選択出力する。
【0034】
このため、色信号の位相が変化し、水平方向に色の変わり目がある場合でも色副搬送波の周波数成分を抜き出すことができ、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象を大幅に抑制することができる。また、輝度信号が色信号に漏れ込むことを大幅に抑制でき、色の境界を明瞭にすることができる。
【0035】
なお、本実施例では、Y/C分離回路をTV放送信号の処理に適用したが、デジタルカメラやビデオ等のデジタル映像信号処理に適用できる。また、セレクタSEL1の代わりにスイッチなどを用いてもよい。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の実施例2に係るY/C分離回路について、図面を参照して説明する。図8は3ラインY/C分離回路を示すブロック図、図9は色相関検出部を示すブロック図である。本実施例では色相関検出部の構成を変更している。
【0037】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0038】
図8に示すように、3ラインY/C分離回路1aには、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部22、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。3ラインY/C分離回路1aのセレクタSEL1は、色相関検出部22から出力される制御信号Bにもとづいて出力信号A或いは出力信号Bを色信号として選択出力する。
【0039】
図9に示すように、色相関検出部22には、加算器4g、加算器4h、加算器4j、遅延回路7d乃至7g、比較回路8a、差分算出回路9、及びインバータINV6が設けられている。
【0040】
色相関検出部22は、+1H信号と−1H信号の平均値に0H信号を加算した出力と、その出力を所定期間遅延させた信号との差分を算出してその時間的推移を求める。そして、所定の期間その差分値が所定の値以下となるか、増加し続けるか、或いは減少し続けるかに当てはまる場合、垂直方向に色の相関性がある(水平方向に色の変わり目がある場合)と判断して垂直BPF出力信号である出力信号Bを選択する制御信号Aを出力する。
【0041】
加算器4gは、−1H信号と+1H信号を入力して加算処理(−1H信号と+1H信号の和の1/2)を行い、その結果を加算器4hに出力する。加算器4hは、加算器4hと遅延回路7d及びインバータINV6の間に設けられ、加算器4gから出力される信号と0H信号を入力して加算処理を行い、その結果を遅延回路7d及びインバータINV6に出力する。
【0042】
遅延回路7dは、加算器4hと加算器4jの間に設けられ、加算器4hから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その信号を加算器4jに出力する。インバータINV6は、加算器4hと加算器4jの間に設けられ、加算器4hから出力される信号を反転させ、その信号を加算器4jに出力する。
【0043】
加算器4jは、遅延回路7d及びインバータINV6と比較回路8a及び遅延回路7fの間に設けられ、遅延回路7dから出力される信号とインバータINV6から出力される信号を入力して加算処理を行い、その結果を比較回路8a及び遅延回路7fに出力する。
【0044】
比較回路8aは、加算器4jと遅延回路7eの間に設けられ、加算器4jから出力される信号と所定の比較レベル値の基準信号Ref2を入力して比較演算する。ここで、加算器4jから出力される信号レベルが基準信号Ref2レベルよりも大きい場合、比較回路8aから出力される信号は“Low”レベルとなり、加算器4jから出力される信号レベルが基準信号Ref2レベルよりも小さい場合、比較回路8aから出力される信号は“High”レベルとなる。
【0045】
遅延回路7eは、比較回路8aと差分算出回路9の間に設けられ、比較回路8aから出力される信号を所定期間、例えば4周期(4fsc)分遅延させ、その信号(変化幅判別信号)を出力側のノードNaから差分算出回路9に出力する。遅延回路7fは、加算器4jと差分算出回路9の間に設けられ、加算器4jから出力される信号を所定期間、例えば4周期(4fsc)分遅延させ、その信号(符号のみ遅延された符号変化判別信号)を出力側のノードNbから差分算出回路9に出力する。
【0046】
差分算出回路9は、遅延回路7e及び遅延回路7fとインバータINV7の間に設けられ、遅延回路7eのノードNaの信号と遅延回路7fのノードNbの信号を入力し、差分検出を行う。ここで、ノードNaの信号とノードNbの信号との差分値が所定の範囲以下か、増加し続けるか、或いは減少し続けるかの場合、差分算出回路9から出力される信号は“High”レベルとなり、ノードNaの信号とノードNbの信号との差分値が所定の範囲以下か、増加し続けるか、或いは減少し続けるかに当てはまらない場合、差分算出回路9から出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0047】
遅延回路7gは、差分算出回路9から出力される信号を所定期間遅延させ出力信号BとしてセレクタSEL1に出力する。ここで、制御信号Bが“High”レベルのとき、色信号の位相が変化した場合の色信号としての出力信号Bを選択する信号となる。一方、制御信号Bが“Low”レベルのとき、色信号の位相が変化しない場合の色信号としての出力信号Aを選択する信号となる。
【0048】
上述したように、本実施例のY/C分離回路では、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部22、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。色相関検出部22には、加算器4g、加算器4h、加算器4j、遅延回路7d乃至7g、比較回路8a、差分算出回路9、及びインバータINV6が設けられ、−1H信号、0H信号、及び+1H信号が入力され、色信号の位相が変化しているのかを判定する判定信号である制御信号BがセレクタSEL1に出力される。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部22からは“High”レベルの制御信号BがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は垂直BPF出力信号である出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部22からは“Low”レベルの制御信号BがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は水平BPFにより抜き出された色信号である出力信号Aを色信号として選択出力する。
【0049】
このため、色信号の位相が変化し、水平方向に色の変わり目がある場合でも色副搬送波の周波数成分を抜き出すことができ、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象を大幅に抑制することができる。また、輝度信号が色信号に漏れ込むことを大幅に抑制でき、色の境界を明瞭にすることができる。
【0050】
なお、本実施例では、遅延回路7eと遅延回路7fで4周期(4fsc)分信号を遅延させているが必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、8周期分など信号遅延させてもよい。
【実施例3】
【0051】
次に、本発明の実施例3に係るY/C分離回路について、図面を参照して説明する。図10は3ラインY/C分離回路を示すブロック図、図11は色相関検出部を示すブロック図である。本実施例では色相関検出部の構成を変更している。
【0052】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0053】
図10に示すように、3ラインY/C分離回路1bには、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部23、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。3ラインY/C分離回路1aのセレクタSEL1は、色相関検出部23から出力される制御信号Cにもとづいて出力信号A或いは出力信号Bを色信号として選択出力する。
【0054】
図11に示すように、色相関検出部23には、加算器4k、加算器4m、遅延回路7h、遅延回路7j、遅延回路7k、遅延回路7m、遅延回路7n、比較回路8b乃至8d、及び2入力AND回路AND1が設けられている。
【0055】
色相関検出部23は、出力信号Aと出力信号Bを比較し、所定期間ごとに比較結果を観測し、任意回数垂直BPF出力信号の方が大きい状態となる場合、垂直方向に色の相関性がある(水平方向に色の変わり目がある場合)と判断して垂直BPF出力信号である出力信号Bを選択する制御信号Aを出力する。
【0056】
比較回路8bは、色信号の位相が変化しない場合の色信号としての出力信号Aと色信号の位相が変化した場合の色信号としての出力信号Bを入力して比較演算を行い、その比較演算結果を遅延回路7h及び加算器4mに出力する。ここで、出力信号Aの信号レベルが出力信号Bの所定値レベル、例えば垂直BPF出力信号レベルの1/2或いは3/4よりも大きい場合、比較回路8bから出力される信号は“High”レベルとなり、出力信号Aの信号レベルが出力信号Bの所定値レベル以下の場合、比較回路8bから出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0057】
遅延回路7hは、比較回路8bと遅延回路7j及び加算器4kの間に設けられ、比較回路8bから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7j及び加算器4kに出力する。遅延回路7jは、遅延回路7hと遅延回路7k、加算器4k、及び加算器4mの間に設けられ、遅延回路7hから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7k、加算器4k、及び加算器4mに出力する。遅延回路7kは、遅延回路7jと遅延回路7m及び加算器4kの間に設けられ、遅延回路7jから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7m及び加算器4kに出力する。遅延回路7mは、遅延回路7kと加算器4mの間に設けられ、遅延回路7kから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その結果を加算器4mに出力する。
【0058】
加算器4mは、比較回路8bから出力される比較演算信号、遅延回路7jから出力される信号、及び遅延回路7mから出力される信号を入力して加算処理を行い、その結果を比較回路8cに出力する。加算器4kは、遅延回路7hから出力される信号、遅延回路7jから出力される信号、及び遅延回路7kから出力される信号を入力して加算処理を行い、その結果を比較回路8dに出力する。
【0059】
比較回路8cは、加算器4mと2入力AND回路AND1の間に設けられ、加算器4mから出力される信号と所定の比較レベル値の基準信号Ref3を入力して比較演算する。ここで、加算器4mから出力される信号レベルが基準信号Ref3レベルよりも大きい場合、比較回路8cから出力される信号は“High”レベルとなり、加算器4mから出力される信号レベルが基準信号Ref3レベルよりも小さい場合、比較回路8cから出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0060】
比較回路8dは、加算器4kと2入力AND回路AND1の間に設けられ、加算器4kから出力される信号と所定の比較レベル値の基準信号Ref4を入力して比較演算する。ここで、加算器4kから出力される信号レベルが基準信号Ref4レベルよりも大きい場合、比較回路8dから出力される信号は“High”レベルとなり、加算器4kから出力される信号レベルが基準信号Ref4レベルよりも小さい場合、比較回路8dから出力される信号は“Low”レベルとなる。なお、基準信号Ref3と基準信号Ref4の信号レベルは同一の値が好ましい。
【0061】
2入力AND回路AND1は、比較回路8c及び比較回路8dと遅延回路7nの間に設けられ、比較回路8cから出力される信号と比較回路8dから出力される信号を入力して論理演算した信号を遅延回路7nに出力する。ここで、比較回路8cから出力される信号と比較回路8dから出力される信号とが“High”レベル(色信号の位相が変化した場合)のとき、2入力NAND回路NAND1から出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外のとき2入力AND回路AND1から出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0062】
遅延回路7nは、2入力AND回路AND1から出力される信号を所定期間遅延させ出力信号CとしてセレクタSEL1に出力する。ここで、制御信号Cが“High”レベルのとき、色信号の位相が変化した場合の色信号としての出力信号Bを選択する信号となる。一方、制御信号Bが“Low”レベルのとき、色信号の位相が変化しない場合の色信号としての出力信号Aを選択する信号となる。
【0063】
上述したように、本実施例のY/C分離回路では、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部23、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。色相関検出部23には、加算器4k、加算器4m、遅延回路7h、遅延回路7j、遅延回路7k、遅延回路7m、遅延回路7n、比較回路8b乃至8d、及び2入力AND回路AND1が設けられ、水平BPFにより抜き出された色信号である出力信号Aと垂直BPF出力信号である出力信号Bが入力され、色信号の位相が変化しているのかを判定する判定信号である制御信号CがセレクタSEL1に出力される。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部23からは“High”レベルの制御信号CがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部23からは“Low”レベルの制御信号CがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は出力信号Aを色信号として選択出力する。
【0064】
このため、色信号の位相が変化し、水平方向に色の変わり目がある場合でも色副搬送波の周波数成分を抜き出すことができ、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象を大幅に抑制することができる。また、輝度信号が色信号に漏れ込むことを大幅に抑制でき、色の境界を明瞭にすることができる。
【0065】
なお、本実施例では、遅延回路7h、遅延回路7j、遅延回路7k、及び遅延回路7mで1周期(fsc)分信号を遅延させているが必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、2周期分或いは3周期分など信号遅延させてもよい。
【実施例4】
【0066】
次に、本発明の実施例4に係るY/C分離回路について、図面を参照して説明する。図12は3ラインY/C分離回路を示すブロック図である。本実施例では色相関検出部の構成を変更している。
【0067】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0068】
図12に示すように、3ラインY/C分離回路1cには、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部24、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。
【0069】
色相関検出部24には、遅延回路7p、遅延回路7q、遅延回路7r、遅延回路7s、Ex−OR回路11a、Ex−OR回路11b、及び2入力OR回路OR1が設けられ、色相関性(色信号の位相が変化しているのか)があるかの判断を行う回路である。
【0070】
色相関検出部24は、垂直BPF出力信号を、例えば2周期(2fsc)遅延させた信号と、垂直BPF出力信号を、例えば4周期(4fsc)遅延させた信号と、垂直BPF出力信号を、例えば6周期(6fsc)遅延させた信号とを比較して、いずれか1つでも異なる状態の場合、垂直方向に色の相関性がある(水平方向に色の変わり目がある場合)と判断して垂直BPF出力信号である出力信号Bを選択する制御信号Dを出力する。
【0071】
遅延回路7pは、垂直BPF2と遅延回路7q及びEx−OR回路11aの間に設けられ、垂直BPF出力信号を所定期間、2周期(2fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7q及びEx−OR回路11aに出力する。
【0072】
遅延回路7qは、遅延回路7pと遅延回路7r、Ex−OR回路11a及びEx−OR回路11bの間に設けられ、遅延回路7pから出力される信号を所定期間、2周期(2fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7r、Ex−OR回路11a、及びEx−OR回路11bに出力する。
【0073】
遅延回路7rは、遅延回路7qとEx−OR回路11bの間に設けられ、遅延回路7rから出力される信号を所定期間、2周期(2fsc)分遅延させ、その信号をEx−OR回路11bに出力する。
【0074】
Ex−OR回路11aは、遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号を入力して論理演算した信号を2入力OR回路OR1に出力する。ここで、遅延回路7p及び遅延回路7qから出力される信号が符号付信号の場合、Ex−OR回路11aは、+或いは−の符号を観測して論理演算する。遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号とが符号が異なるときが色信号の位相が変化した場合であり、遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号とが符号が同一のときが色信号の位相が変化しない場合である。色信号の位相が変化した場合、Ex−OR回路11aから出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外は“Low”レベルとなる。
【0075】
また、遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号とが符号付信号ではない場合、最大ビット幅の半分の値、例えば最大ビットが10bitであれば511に対して遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号とが小さいか、大きいか、或いは同一かをEx−OR回路11aで観測し、論理演算する。この場合でも色信号の位相が変化した場合、Ex−OR回路11aから出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外は“Low”レベルとなる。
【0076】
Ex−OR回路11bは、遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号を入力して論理演算した信号を2入力OR回路OR1に出力する。ここで、遅延回路7q及び遅延回路7rから出力される信号が符号付信号の場合、Ex−OR回路11bは、+或いは−の符号を観測して論理演算する。遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号とが符号が異なるときが色信号の位相が変化した場合であり、遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号とが符号が同一のときが色信号の位相が変化しない場合である。色信号の位相が変化した場合、Ex−OR回路11bから出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外は“Low”レベルとなる。
【0077】
また、遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号とが符号付信号ではない場合、最大ビット幅の半分の値、例えば最大ビットが10bitであれば511に対して遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号とが小さいか、大きいか、或いは同一かをEx−OR回路11bで観測し、論理演算する。この場合でも色信号の位相が変化した場合、Ex−OR回路11bから出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外は“Low”レベルとなる。
【0078】
2入力OR回路OR1は、Ex−OR回路11a及びEx−OR回路11bと遅延回路7sの間に設けられ、Ex−OR回路11aから出力される信号とEx−OR回路11bから出力される信号を入力して論理演算した信号をインバータINV8に出力する。ここで、Ex−OR回路11aから出力される信号とEx−OR回路11aから出力される信号が“High”レベル(色信号の位相が変化した場合)の場合、2入力OR回路OR1から出力される信号は“High”レベルとなる。それ以外の場合、2入力OR回路OR1から出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0079】
遅延回路7sは、2入力OR回路OR1とセレクタSEL1の間に設けられ、2入力OR回路OR1から出力される信号を所定期間遅延させ、制御信号DとしてセレクタSEL1に出力する。ここで、制御信号Dが“High”レベルの場合(色信号の位相が変化した場合)、出力信号Bが選択され、制御信号Dが“High”レベルの場合(色信号の位相が変化しない場合)、出力信号Aが選択されて色信号として出力される。
【0080】
上述したように、本実施例のY/C分離回路では、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部24、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。色相関検出部24には、遅延回路7p、遅延回路7q、遅延回路7r、遅延回路7s、Ex−OR回路11a、Ex−OR回路11b、及び2入力OR回路OR1が設けられ、垂直BPF出力信号が入力され、色信号の位相が変化しているのかを判定する判定信号である制御信号DがセレクタSEL1に出力される。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部24からは“High”レベルの制御信号DがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は垂直BPF出力信号である出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部24からは“Low”レベルの制御信号DがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は水平BPFにより抜き出された色信号である出力信号Aを色信号として選択出力する。
【0081】
このため、色信号の位相が変化し、水平方向に色の変わり目がある場合でも色副搬送波の周波数成分を抜き出すことができ、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象を大幅に抑制することができる。また、輝度信号が色信号に漏れ込むことを大幅に抑制でき、色の境界を明瞭にすることができる。
【0082】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更してもよい。
【0083】
例えば、本実施例では、NTSC信号のY/C分離について説明しているが、NTSC信号の代わりにPAL(Phase Alternating Line)信号やSECAM(Sequential Couleur Avec Memoire)信号などにも適用できる。また、本実施例では複合映像信号を3ラインにしてY/C分離しているが、複合映像信号を2ラインや4ラインなどにしてY/C分離してもよい。
【0084】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 複数の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、2つの異なる前記複合映像信号の差分を算出し、その値が所定値以下或いは以上かを判定し、所定値以下の場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、所定値以上の場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、前記複合映像信号から前記信号選択手段から出力された色信号を引き算して、引き算した結果を輝度信号として出力する輝度信号算出手段とを具備するY/C分離回路。
【0085】
(付記2) 第1の複合映像信号、前記第1の複合映像信号よりも1H遅延された第2の複合映像信号、及び前記第2の複合映像信号よりも1H遅延された第3の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、前記第1の複合映像信号と前記第3の複合映像信号の平均値に前記第2の複合映像信号を加算した出力と、その出力を所定期間遅延させた信号との差分を算出して時間的推移を求め、所定の期間差分値が所定の値以下となるか、増加し続けるのか、或いは減少し続けるのか判定し、当てはまる場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、当てはまらない場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合、前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合、前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、前記複合映像信号から前記信号選択手段から出力された色信号を引き算して、引き算した結果を輝度信号として出力する輝度信号算出手段とを具備するY/C分離回路。
【0086】
(付記3) 複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を比較し、所定期間ごとに比較結果を観測し、任意回数前記第1の色信号が前記第2の色信号よりも大きいかどうかの判定を行い、大きい場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、小さい場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記第1の色信号と前記第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、前記複合映像信号から前記信号選択手段から出力された色信号を引き算して、引き算した結果を輝度信号として出力する輝度信号算出手段とを具備するY/C分離回路。
【0087】
(付記4) 複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、前記垂直BPFから出力された第1の色信号を所定期間遅延させた第1の信号と、前記第1の信号を前記所定期間遅延させた第2の信号と、前記第2の信号を前記所定期間遅延させた第3の信号とを比較して、いずれか1つでも異なる状態であるかの判定を行い、いずれか1つでも異なる場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、異ならない場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、前記複合映像信号から前記信号選択手段から出力された色信号を引き算して、引き算した結果を輝度信号として出力する輝度信号算出手段とを具備するY/C分離回路。
【0088】
(付記5) 前記BPFは、第1の加算器、第2の加算器、及びインバータから構成されている付記1乃至4のいずれかに記載のY/C分離回路。
【0089】
(付記6) 前記信号選択手段は、セレクタである付記1乃至5のいずれかに記載のY/C分離回路。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施例1に係る3ラインY/C分離回路を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係る垂直BPFを示すブロック図。
【図3】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの3ラインの複合映像信号を示す図。
【図4】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの3ラインY/C分離回路から出力される色信号を示す図。
【図5】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの3ラインY/C分離回路から出力される輝度信号を示す図。
【図6】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの従来の3ラインY/C分離回路から出力される色信号を示す図。
【図7】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの従来の3ラインY/C分離回路から出力される輝度信号を示す図。
【図8】本発明の実施例2に係る3ラインY/C分離回路を示すブロック図。
【図9】本発明の実施例2に係る色相関検出部を示すブロック図。
【図10】本発明の実施例3に係る3ラインY/C分離回路を示すブロック図。
【図11】本発明の実施例3に係る色相関検出部を示すブロック図。
【図12】本発明の実施例4に係る3ラインY/C分離回路を示すブロック図。
【符号の説明】
【0091】
1、1a、1b、1c 3ラインY/C分離回路
2 垂直BPF
3a〜d BPF
4a〜h、4j、4k、4m 加算器
5 5タップ中間値フィルタ
6 絶対値回路
7a〜h、7j、7k、7m、7n、7p、7q、7r、7s 遅延回路
8、8a〜d 比較回路
9 差分算出回路
11a、11b Ex−OR回路
21、22、23、24 色相関検出部
AND1 2入力AND回路
INV1〜6 インバータ
N1〜3、Na、Nb ノード
OR1 2入力OR回路
Ref1〜4 基準信号
SEL1 セレクタ
−1H、0H、+1H 複合映像信号入力
【技術分野】
【0001】
本発明は、色信号と輝度信号が混合されている複合映像信号から色信号と輝度信号を分離するY/C分離回路に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログテレビ放送を受信してテレビ受像機に映像を映し出すには、放送局から送信される色副搬送波を色差信号で直交変調して輝度信号に重畳した信号である複合映像信号(コンポジット映像信号とも呼称される)を、受信機側で色信号と輝度信号とに分離する。この分離をY/C分離と呼ばれ、Y/C分離を行う方法として複合映像信号の隣り合う複数のラインの相関性を利用してY/C分離を行うラインY/C分離が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1などに記載されているY/C分離回路では、色信号の位相が変化しない場合、色信号と輝度信号とを正しくY/C分離(ノイズのないきれいな信号に分離)できる。ところが、水平方向に色の変わり目がある場合(色信号の位相が変化した場合)、複合映像信号において、色の違いを色副搬送波の位相を変えることにより実現しているので、色副搬送波の周波数成分をすべて抜き出しきれなくなり、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象が発生するという問題点がある。また、輝度信号が色信号に漏れ込むと色の境界が不明瞭になるという問題点がある。
【特許文献1】特開2002−27493号公報(頁11、図11)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、色信号の位相が変化した場合でもドット妨害現象を抑制することができるY/C分離回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様のY/C分離回路は、複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、垂直方向に色の相関性があるかの判定を行い、その結果を色相関検出信号として出力する色相関検出部と、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合、前記色相関検出信号の第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合、前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
更に、上記目的を達成するために、本発明の他態様のY/C分離回路は、複数の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、2つの異なる前記複合映像信号の差分を算出し、その値が所定値以下或いは以上かを判定し、所定値以下の場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、所定値以上の場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、色信号の位相が変化した場合でもドット妨害現象を抑制することができるY/C分離回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、本発明の実施例1に係るY/C分離回路について、図面を参照して説明する。図1は3ラインY/C分離回路を示すブロック図、図2は垂直BPFを示すブロック図である。本実施例では、ドット妨害現象を抑制するために垂直BPF及び色相関検出部を設けている。
【0010】
図1に示すように、3ラインY/C分離回路1には、垂直BPF(Band Pass Filter)2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部21、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。
【0011】
3ラインY/C分離回路1は、TV放送信号処理回路として用いられ、図示しないADC(Analog−to−Digital Converter)でアナログ信号からデジタル信号に変換された複合映像信号入力−1H、複合映像信号入力0H、及び複合映像信号入力+1Hを入力し、Y/C分離された色信号と輝度信号を出力する。
【0012】
ここで、複合映像信号入力0H及び複合映像信号入力+1Hは、例えば、図示しないラインメモリなどにより、複合映像信号入力−1Hよりも水平期間遅延されたものである。複合映像信号入力0Hである0H信号は、複合映像信号入力−1Hである−1H信号よりもラインメモリにより1H遅延(色副搬送波(fsc)の1/2遅延)され、複合映像信号入力+1Hである+1H信号は複合映像信号入力0Hである0H信号よりもラインメモリにより1H遅延(色副搬送波(fsc)の1/2遅延)されている。このため、色信号は、−1H信号及び+1H信号と0H信号とでは位相が反転されている。また、輝度信号は−1H信号及び+1H信号と0H信号とでは位相が同相である。
【0013】
ここでは、3ラインの複合映像信号を−1H、0H、+1Hと表記しているが、例えば0H、1H、2Hのように3ラインの複合映像信号を順に1Hづつ遅延された信号として表記してもよい。
【0014】
水平BPFであるBPF3aは、−1H信号を入力し、色副搬送波帯域の信号を取り出し、その信号をインバータINV2に出力する。水平BPFであるBPF3bは、0H信号を入力し、色副搬送波帯域の信号を取り出し、その信号を信号cとして5タップ中間値フィルタ5に出力する。水平BPFであるBPF3cは、+1H信号を入力し、色副搬送波帯域の信号を取り出し、その信号をインバータINV3に出力する。
【0015】
インバータINV2は、BPF3aと5タップ中間値フィルタ5の間に設けられ、BPF3aから出力される信号を反転し、信号aとして5タップ中間値フィルタ5に出力する。インバータINV3は、BPF3cと5タップ中間値フィルタ5の間に設けられ、BPF3cから出力される信号を反転し、信号eとして5タップ中間値フィルタ5に出力する。加算器4bは、信号aと信号cを入力し、加算処理((a+b)/2)した信号bを5タップ中間値フィルタ5に出力する。加算器4cは、信号cと信号eを入力し、加算処理((c+e)/2)した信号dを5タップ中間値フィルタ5に出力する。
【0016】
5タップ中間値フィルタ5は、インバータINV2、インバータINV3、加算器4b、及び加算器4cとBPF3dとの間に設けられ、信号a乃至eの5種類(5タップ)の信号を入力し、信号a乃至eの中で3番目に信号レベルが大きい信号を選択してBPF3dに出力する。
【0017】
BPF3dは、5タップ中間値フィルタ5とセレクタSEL1の間に設けられ、5タップ中間値フィルタ5から出力される信号を入力し、所定帯域の信号が取り出された出力信号AをセレクタSEL1に出力する。ここで、色信号の位相が変化しない場合、出力信号Aは色信号としてセレクタSEL1から出力される。
【0018】
図2に示すように、垂直BPF2には、加算器4e、加算器4f、及びインバータINV5が設けられている。加算器4eは、−1H信号と+1H信号を入力して加算処理(−1H信号と+1H信号の和の1/2)を行い、その結果をインバータINV5に出力する。インバータINV5は、加算器4eから出力される信号を入力し、反転した信号を加算器4fに出力する。加算器4fは、0H信号とインバータINV5から出力される信号を入力して加算処理を行い、その結果を垂直BPF出力信号として遅延回路7aに出力する。遅延回路7aは、垂直BPF2から出力される垂直BPF出力信号を所定期間遅延させ出力信号BとしてセレクタSEL1に出力する。
【0019】
ここで、垂直BPF2は、垂直方向の非相関検出により色信号を抜き出す垂直BPFである。垂直BPFはDCF(垂直ダイナミックコムフィルタ)回路とも呼称され、水平BPFから出力される波形とは異なり、色信号の位相が変化した場合(水平方向に色の変わり目がある場合)、正確に色副搬送波成分を抽出することができる。ただし、色信号の位相が変化しない場合(垂直方向に色の相関がない場合)、正しく色副搬送波成分を抽出することができない。
【0020】
色相関検出部21には、加算器4a、絶対値回路6、遅延回路7b、比較回路8、及びインバータINV1が設けられている。色相関検出部21は、色相関性(色信号の位相が変化しているのか)があるかの判断を行う回路で、+1H信号と−1H信号の差分を算出し、その値が所定値以下であれば、垂直方向に色の相関性がある(水平方向に色の変わり目がある場合)と判断して垂直BPF出力信号である出力信号Bを選択する制御信号A(色相関検出信号)を出力する。
【0021】
インバータINV1は、+1H信号を入力し、反転信号を加算器4aに出力する。加算器4aは、インバータINV1から出力される信号と−1H信号を入力して加算処理を行い、その結果を絶対値回路6に出力する。
【0022】
絶対値回路6は、加算器4aと比較回路8の間に設けられ、加算器4aから出力される信号の絶対値をとり、その信号を比較回路8に出力する。比較回路8は、絶対値回路6と遅延回路7bの間に設けられ、絶対値回路6から出力される信号と所定の比較レベル値の基準信号Ref1を入力して比較演算する。
【0023】
ここで、絶対値回路6から出力される信号レベルが基準信号Ref1レベルよりも小さい場合(色信号の位相が変化した場合)、比較回路8から出力される信号は“High”レベルとなり、絶対値回路6から出力される信号レベルが基準信号Ref1レベルよりも大きい場合(色信号の位相が変化しない場合)、比較回路8から出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0024】
遅延回路7bは、比較回路8から出力される信号を所定期間遅延させ、制御信号AとしてセレクタSEL1に出力する。セレクタSEL1は、出力信号Aと出力信号Bを入力し、制御信号Aにもとづいて出力信号A或いは出力信号Bを選択出力する。セレクタSEL1は信号選択手段として機能する。制御信号Aが“High”レベルの場合(色信号の位相が変化した場合)、出力信号Bが色信号として選択出力され、制御信号Aが“Low”レベルの場合(色信号の位相が変化しない場合)、出力信号Aが色信号として選択出力される。
【0025】
ここでは、セレクタSEL1に入力される“High”レベル(第1の信号レベル)の制御信号Aにより出力信号Bが選択され、セレクタSEL1に入力される“Low”レベル(第1の信号レベルとは信号レベルの異なる第2の信号レベル)の制御信号Aにより出力信号Aが選択されているが、必ずしもこれに限定されるものではない。セレクタSEL1に入力される“Low”レベルの制御信号Aにより出力信号Bが選択され、セレクタSEL1に入力される“High”レベルの制御信号Aにより出力信号Aが選択されてもよい(例えば、色相関検出部の出力側にインバータを追加)。
【0026】
インバータINV4は、セレクタSEL1と加算器4dの間に設けられ、セレクタSEL1から出力される色信号を反転し、その信号を加算器4dに出力する。遅延回路7cは、複合映像信号としての0H信号を入力し、所定期間遅延させ、出力信号Cとして加算器4dに出力する。
【0027】
加算器4dは、出力信号CとインバータINV4から出力される信号を入力し、加算処理を行い、複合映像信号である0H信号から色信号を引き算した信号である輝度信号を出力する。加算器4dは、複合映像信号から色信号を引き算して、輝度信号を出力する輝度信号算出手段として機能する。
【0028】
次に、3ラインY/C分離回路の動作について図3乃至図7を参照して説明する。図3は色位相が変化し、異なるとき(垂直方向に色の相関があるとき)の3ラインの複合映像信号を示す図、図4は色位相が変化し、異なるときの3ラインY/C分離回路から出力される色信号を示す図、図5は色位相が変化し、異なるときの3ラインY/C分離回路から出力される輝度信号を示す図、図6は色位相が変化し、異なるときの従来の3ラインY/C分離回路から出力される色信号を示す図、図7は色位相が変化し、異なるときの従来の3ラインY/C分離回路から出力される輝度信号を示す図である。ここで、従来の3ラインY/C分離回路には垂直BPF及び色相関検出部が設けられていない。
【0029】
図3に示すように、例えばNTSC(National Television System Committee)信号での隣り合う3本のラインの複合映像信号入力−1H、複合映像信号入力0H、及び複合映像信号入力+1Hの波形は、輝度信号成分と色信号成分が複合化されている。ここでは、複合映像信号入力−1H、複合映像信号入力0H、及び複合映像信号入力+1Hの波形は、それぞれ点Aで色位相が水平方向に1/2周期((1/2)fsc)分ずれている。
【0030】
色位相が変化し、異なるとき、“High”レベルの制御信号AにもとづいてセレクタSEL1が出力信号Bを色信号として選択出力する。このため、図4に示すように、色信号は複合映像信号としてのOH信号から輝度信号成分を引き算した信号となるので、輝度信号が色信号に漏れ込む現象を大幅に抑制することができる。なお、色位相が変化しない場合、“Low”レベルの制御信号AにもとづいてセレクタSEL1が出力信号Aを色信号として選択出力する。このため、従来と同様に輝度信号が色信号に漏れ込む現象を抑制することができる。
【0031】
色位相が変化し、異なるとき、輝度信号は複合映像信号としてのOH信号から出力信号Bである色信号を引き算した信号となる。このため、図5に示すように、輝度信号に色信号成分が漏れ込まないのでドット妨害現象を大幅に抑制することができる。なお、色位相が変化しない場合、加算器4dが複合映像信号としてのOH信号から出力信号Aである色信号を引き算する。このため、従来と同様に輝度信号が色信号に漏れ込む現象を抑制することができる。
【0032】
一方、従来では、色位相が変化し、異なるときでも5タップ中間値フィルタから出力される色信号が出力される。このため、図6に示すように、輝度信号が色信号に漏れ込むので、色信号は輝度信号成分の影響を受けて色の境界が不明瞭になる。輝度信号は、複合映像信号としてのOH信号から色の境界が不明瞭な色信号を引き算した信号となる。このため、図7に示すように、輝度信号に色信号成分が漏れ込みドット妨害現象が発生する。
【0033】
上述したように、本実施例のY/C分離回路では、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部21、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。色相関検出部21には、加算器4a、絶対値回路6、遅延回路7b、比較回路8、及びインバータINV1が設けられ、−1H信号と+1H信号が入力され、色信号の位相が変化しているのかを判定する判定信号である制御信号AがセレクタSEL1に出力される。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部21からは“High”レベルの制御信号AがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は垂直BPF出力信号である出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部21からは“Low”レベルの制御信号AがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は水平BPFにより抜き出された色信号である出力信号Aを色信号として選択出力する。
【0034】
このため、色信号の位相が変化し、水平方向に色の変わり目がある場合でも色副搬送波の周波数成分を抜き出すことができ、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象を大幅に抑制することができる。また、輝度信号が色信号に漏れ込むことを大幅に抑制でき、色の境界を明瞭にすることができる。
【0035】
なお、本実施例では、Y/C分離回路をTV放送信号の処理に適用したが、デジタルカメラやビデオ等のデジタル映像信号処理に適用できる。また、セレクタSEL1の代わりにスイッチなどを用いてもよい。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の実施例2に係るY/C分離回路について、図面を参照して説明する。図8は3ラインY/C分離回路を示すブロック図、図9は色相関検出部を示すブロック図である。本実施例では色相関検出部の構成を変更している。
【0037】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0038】
図8に示すように、3ラインY/C分離回路1aには、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部22、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。3ラインY/C分離回路1aのセレクタSEL1は、色相関検出部22から出力される制御信号Bにもとづいて出力信号A或いは出力信号Bを色信号として選択出力する。
【0039】
図9に示すように、色相関検出部22には、加算器4g、加算器4h、加算器4j、遅延回路7d乃至7g、比較回路8a、差分算出回路9、及びインバータINV6が設けられている。
【0040】
色相関検出部22は、+1H信号と−1H信号の平均値に0H信号を加算した出力と、その出力を所定期間遅延させた信号との差分を算出してその時間的推移を求める。そして、所定の期間その差分値が所定の値以下となるか、増加し続けるか、或いは減少し続けるかに当てはまる場合、垂直方向に色の相関性がある(水平方向に色の変わり目がある場合)と判断して垂直BPF出力信号である出力信号Bを選択する制御信号Aを出力する。
【0041】
加算器4gは、−1H信号と+1H信号を入力して加算処理(−1H信号と+1H信号の和の1/2)を行い、その結果を加算器4hに出力する。加算器4hは、加算器4hと遅延回路7d及びインバータINV6の間に設けられ、加算器4gから出力される信号と0H信号を入力して加算処理を行い、その結果を遅延回路7d及びインバータINV6に出力する。
【0042】
遅延回路7dは、加算器4hと加算器4jの間に設けられ、加算器4hから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その信号を加算器4jに出力する。インバータINV6は、加算器4hと加算器4jの間に設けられ、加算器4hから出力される信号を反転させ、その信号を加算器4jに出力する。
【0043】
加算器4jは、遅延回路7d及びインバータINV6と比較回路8a及び遅延回路7fの間に設けられ、遅延回路7dから出力される信号とインバータINV6から出力される信号を入力して加算処理を行い、その結果を比較回路8a及び遅延回路7fに出力する。
【0044】
比較回路8aは、加算器4jと遅延回路7eの間に設けられ、加算器4jから出力される信号と所定の比較レベル値の基準信号Ref2を入力して比較演算する。ここで、加算器4jから出力される信号レベルが基準信号Ref2レベルよりも大きい場合、比較回路8aから出力される信号は“Low”レベルとなり、加算器4jから出力される信号レベルが基準信号Ref2レベルよりも小さい場合、比較回路8aから出力される信号は“High”レベルとなる。
【0045】
遅延回路7eは、比較回路8aと差分算出回路9の間に設けられ、比較回路8aから出力される信号を所定期間、例えば4周期(4fsc)分遅延させ、その信号(変化幅判別信号)を出力側のノードNaから差分算出回路9に出力する。遅延回路7fは、加算器4jと差分算出回路9の間に設けられ、加算器4jから出力される信号を所定期間、例えば4周期(4fsc)分遅延させ、その信号(符号のみ遅延された符号変化判別信号)を出力側のノードNbから差分算出回路9に出力する。
【0046】
差分算出回路9は、遅延回路7e及び遅延回路7fとインバータINV7の間に設けられ、遅延回路7eのノードNaの信号と遅延回路7fのノードNbの信号を入力し、差分検出を行う。ここで、ノードNaの信号とノードNbの信号との差分値が所定の範囲以下か、増加し続けるか、或いは減少し続けるかの場合、差分算出回路9から出力される信号は“High”レベルとなり、ノードNaの信号とノードNbの信号との差分値が所定の範囲以下か、増加し続けるか、或いは減少し続けるかに当てはまらない場合、差分算出回路9から出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0047】
遅延回路7gは、差分算出回路9から出力される信号を所定期間遅延させ出力信号BとしてセレクタSEL1に出力する。ここで、制御信号Bが“High”レベルのとき、色信号の位相が変化した場合の色信号としての出力信号Bを選択する信号となる。一方、制御信号Bが“Low”レベルのとき、色信号の位相が変化しない場合の色信号としての出力信号Aを選択する信号となる。
【0048】
上述したように、本実施例のY/C分離回路では、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部22、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。色相関検出部22には、加算器4g、加算器4h、加算器4j、遅延回路7d乃至7g、比較回路8a、差分算出回路9、及びインバータINV6が設けられ、−1H信号、0H信号、及び+1H信号が入力され、色信号の位相が変化しているのかを判定する判定信号である制御信号BがセレクタSEL1に出力される。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部22からは“High”レベルの制御信号BがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は垂直BPF出力信号である出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部22からは“Low”レベルの制御信号BがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は水平BPFにより抜き出された色信号である出力信号Aを色信号として選択出力する。
【0049】
このため、色信号の位相が変化し、水平方向に色の変わり目がある場合でも色副搬送波の周波数成分を抜き出すことができ、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象を大幅に抑制することができる。また、輝度信号が色信号に漏れ込むことを大幅に抑制でき、色の境界を明瞭にすることができる。
【0050】
なお、本実施例では、遅延回路7eと遅延回路7fで4周期(4fsc)分信号を遅延させているが必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、8周期分など信号遅延させてもよい。
【実施例3】
【0051】
次に、本発明の実施例3に係るY/C分離回路について、図面を参照して説明する。図10は3ラインY/C分離回路を示すブロック図、図11は色相関検出部を示すブロック図である。本実施例では色相関検出部の構成を変更している。
【0052】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0053】
図10に示すように、3ラインY/C分離回路1bには、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部23、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。3ラインY/C分離回路1aのセレクタSEL1は、色相関検出部23から出力される制御信号Cにもとづいて出力信号A或いは出力信号Bを色信号として選択出力する。
【0054】
図11に示すように、色相関検出部23には、加算器4k、加算器4m、遅延回路7h、遅延回路7j、遅延回路7k、遅延回路7m、遅延回路7n、比較回路8b乃至8d、及び2入力AND回路AND1が設けられている。
【0055】
色相関検出部23は、出力信号Aと出力信号Bを比較し、所定期間ごとに比較結果を観測し、任意回数垂直BPF出力信号の方が大きい状態となる場合、垂直方向に色の相関性がある(水平方向に色の変わり目がある場合)と判断して垂直BPF出力信号である出力信号Bを選択する制御信号Aを出力する。
【0056】
比較回路8bは、色信号の位相が変化しない場合の色信号としての出力信号Aと色信号の位相が変化した場合の色信号としての出力信号Bを入力して比較演算を行い、その比較演算結果を遅延回路7h及び加算器4mに出力する。ここで、出力信号Aの信号レベルが出力信号Bの所定値レベル、例えば垂直BPF出力信号レベルの1/2或いは3/4よりも大きい場合、比較回路8bから出力される信号は“High”レベルとなり、出力信号Aの信号レベルが出力信号Bの所定値レベル以下の場合、比較回路8bから出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0057】
遅延回路7hは、比較回路8bと遅延回路7j及び加算器4kの間に設けられ、比較回路8bから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7j及び加算器4kに出力する。遅延回路7jは、遅延回路7hと遅延回路7k、加算器4k、及び加算器4mの間に設けられ、遅延回路7hから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7k、加算器4k、及び加算器4mに出力する。遅延回路7kは、遅延回路7jと遅延回路7m及び加算器4kの間に設けられ、遅延回路7jから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7m及び加算器4kに出力する。遅延回路7mは、遅延回路7kと加算器4mの間に設けられ、遅延回路7kから出力される信号を所定期間、例えば1周期(fsc)分遅延させ、その結果を加算器4mに出力する。
【0058】
加算器4mは、比較回路8bから出力される比較演算信号、遅延回路7jから出力される信号、及び遅延回路7mから出力される信号を入力して加算処理を行い、その結果を比較回路8cに出力する。加算器4kは、遅延回路7hから出力される信号、遅延回路7jから出力される信号、及び遅延回路7kから出力される信号を入力して加算処理を行い、その結果を比較回路8dに出力する。
【0059】
比較回路8cは、加算器4mと2入力AND回路AND1の間に設けられ、加算器4mから出力される信号と所定の比較レベル値の基準信号Ref3を入力して比較演算する。ここで、加算器4mから出力される信号レベルが基準信号Ref3レベルよりも大きい場合、比較回路8cから出力される信号は“High”レベルとなり、加算器4mから出力される信号レベルが基準信号Ref3レベルよりも小さい場合、比較回路8cから出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0060】
比較回路8dは、加算器4kと2入力AND回路AND1の間に設けられ、加算器4kから出力される信号と所定の比較レベル値の基準信号Ref4を入力して比較演算する。ここで、加算器4kから出力される信号レベルが基準信号Ref4レベルよりも大きい場合、比較回路8dから出力される信号は“High”レベルとなり、加算器4kから出力される信号レベルが基準信号Ref4レベルよりも小さい場合、比較回路8dから出力される信号は“Low”レベルとなる。なお、基準信号Ref3と基準信号Ref4の信号レベルは同一の値が好ましい。
【0061】
2入力AND回路AND1は、比較回路8c及び比較回路8dと遅延回路7nの間に設けられ、比較回路8cから出力される信号と比較回路8dから出力される信号を入力して論理演算した信号を遅延回路7nに出力する。ここで、比較回路8cから出力される信号と比較回路8dから出力される信号とが“High”レベル(色信号の位相が変化した場合)のとき、2入力NAND回路NAND1から出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外のとき2入力AND回路AND1から出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0062】
遅延回路7nは、2入力AND回路AND1から出力される信号を所定期間遅延させ出力信号CとしてセレクタSEL1に出力する。ここで、制御信号Cが“High”レベルのとき、色信号の位相が変化した場合の色信号としての出力信号Bを選択する信号となる。一方、制御信号Bが“Low”レベルのとき、色信号の位相が変化しない場合の色信号としての出力信号Aを選択する信号となる。
【0063】
上述したように、本実施例のY/C分離回路では、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部23、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。色相関検出部23には、加算器4k、加算器4m、遅延回路7h、遅延回路7j、遅延回路7k、遅延回路7m、遅延回路7n、比較回路8b乃至8d、及び2入力AND回路AND1が設けられ、水平BPFにより抜き出された色信号である出力信号Aと垂直BPF出力信号である出力信号Bが入力され、色信号の位相が変化しているのかを判定する判定信号である制御信号CがセレクタSEL1に出力される。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部23からは“High”レベルの制御信号CがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部23からは“Low”レベルの制御信号CがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は出力信号Aを色信号として選択出力する。
【0064】
このため、色信号の位相が変化し、水平方向に色の変わり目がある場合でも色副搬送波の周波数成分を抜き出すことができ、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象を大幅に抑制することができる。また、輝度信号が色信号に漏れ込むことを大幅に抑制でき、色の境界を明瞭にすることができる。
【0065】
なお、本実施例では、遅延回路7h、遅延回路7j、遅延回路7k、及び遅延回路7mで1周期(fsc)分信号を遅延させているが必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、2周期分或いは3周期分など信号遅延させてもよい。
【実施例4】
【0066】
次に、本発明の実施例4に係るY/C分離回路について、図面を参照して説明する。図12は3ラインY/C分離回路を示すブロック図である。本実施例では色相関検出部の構成を変更している。
【0067】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0068】
図12に示すように、3ラインY/C分離回路1cには、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部24、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。
【0069】
色相関検出部24には、遅延回路7p、遅延回路7q、遅延回路7r、遅延回路7s、Ex−OR回路11a、Ex−OR回路11b、及び2入力OR回路OR1が設けられ、色相関性(色信号の位相が変化しているのか)があるかの判断を行う回路である。
【0070】
色相関検出部24は、垂直BPF出力信号を、例えば2周期(2fsc)遅延させた信号と、垂直BPF出力信号を、例えば4周期(4fsc)遅延させた信号と、垂直BPF出力信号を、例えば6周期(6fsc)遅延させた信号とを比較して、いずれか1つでも異なる状態の場合、垂直方向に色の相関性がある(水平方向に色の変わり目がある場合)と判断して垂直BPF出力信号である出力信号Bを選択する制御信号Dを出力する。
【0071】
遅延回路7pは、垂直BPF2と遅延回路7q及びEx−OR回路11aの間に設けられ、垂直BPF出力信号を所定期間、2周期(2fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7q及びEx−OR回路11aに出力する。
【0072】
遅延回路7qは、遅延回路7pと遅延回路7r、Ex−OR回路11a及びEx−OR回路11bの間に設けられ、遅延回路7pから出力される信号を所定期間、2周期(2fsc)分遅延させ、その信号を遅延回路7r、Ex−OR回路11a、及びEx−OR回路11bに出力する。
【0073】
遅延回路7rは、遅延回路7qとEx−OR回路11bの間に設けられ、遅延回路7rから出力される信号を所定期間、2周期(2fsc)分遅延させ、その信号をEx−OR回路11bに出力する。
【0074】
Ex−OR回路11aは、遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号を入力して論理演算した信号を2入力OR回路OR1に出力する。ここで、遅延回路7p及び遅延回路7qから出力される信号が符号付信号の場合、Ex−OR回路11aは、+或いは−の符号を観測して論理演算する。遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号とが符号が異なるときが色信号の位相が変化した場合であり、遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号とが符号が同一のときが色信号の位相が変化しない場合である。色信号の位相が変化した場合、Ex−OR回路11aから出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外は“Low”レベルとなる。
【0075】
また、遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号とが符号付信号ではない場合、最大ビット幅の半分の値、例えば最大ビットが10bitであれば511に対して遅延回路7pから出力される信号と遅延回路7qから出力される信号とが小さいか、大きいか、或いは同一かをEx−OR回路11aで観測し、論理演算する。この場合でも色信号の位相が変化した場合、Ex−OR回路11aから出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外は“Low”レベルとなる。
【0076】
Ex−OR回路11bは、遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号を入力して論理演算した信号を2入力OR回路OR1に出力する。ここで、遅延回路7q及び遅延回路7rから出力される信号が符号付信号の場合、Ex−OR回路11bは、+或いは−の符号を観測して論理演算する。遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号とが符号が異なるときが色信号の位相が変化した場合であり、遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号とが符号が同一のときが色信号の位相が変化しない場合である。色信号の位相が変化した場合、Ex−OR回路11bから出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外は“Low”レベルとなる。
【0077】
また、遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号とが符号付信号ではない場合、最大ビット幅の半分の値、例えば最大ビットが10bitであれば511に対して遅延回路7qから出力される信号と遅延回路7rから出力される信号とが小さいか、大きいか、或いは同一かをEx−OR回路11bで観測し、論理演算する。この場合でも色信号の位相が変化した場合、Ex−OR回路11bから出力される信号は“High”レベルとなり、それ以外は“Low”レベルとなる。
【0078】
2入力OR回路OR1は、Ex−OR回路11a及びEx−OR回路11bと遅延回路7sの間に設けられ、Ex−OR回路11aから出力される信号とEx−OR回路11bから出力される信号を入力して論理演算した信号をインバータINV8に出力する。ここで、Ex−OR回路11aから出力される信号とEx−OR回路11aから出力される信号が“High”レベル(色信号の位相が変化した場合)の場合、2入力OR回路OR1から出力される信号は“High”レベルとなる。それ以外の場合、2入力OR回路OR1から出力される信号は“Low”レベルとなる。
【0079】
遅延回路7sは、2入力OR回路OR1とセレクタSEL1の間に設けられ、2入力OR回路OR1から出力される信号を所定期間遅延させ、制御信号DとしてセレクタSEL1に出力する。ここで、制御信号Dが“High”レベルの場合(色信号の位相が変化した場合)、出力信号Bが選択され、制御信号Dが“High”レベルの場合(色信号の位相が変化しない場合)、出力信号Aが選択されて色信号として出力される。
【0080】
上述したように、本実施例のY/C分離回路では、垂直BPF2、BPF3a乃至3d、加算器4b乃至4d、5タップ中間値フィルタ5、遅延回路7a、遅延回路7c、色相関検出部24、インバータINV2乃至INV4、及びセレクタSEL1が設けられている。色相関検出部24には、遅延回路7p、遅延回路7q、遅延回路7r、遅延回路7s、Ex−OR回路11a、Ex−OR回路11b、及び2入力OR回路OR1が設けられ、垂直BPF出力信号が入力され、色信号の位相が変化しているのかを判定する判定信号である制御信号DがセレクタSEL1に出力される。色信号の位相が変化している場合、色相関検出部24からは“High”レベルの制御信号DがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は垂直BPF出力信号である出力信号Bを色信号として選択出力する。色信号の位相が変化しない場合、色相関検出部24からは“Low”レベルの制御信号DがセレクタSEL1に出力され、セレクタSEL1は水平BPFにより抜き出された色信号である出力信号Aを色信号として選択出力する。
【0081】
このため、色信号の位相が変化し、水平方向に色の変わり目がある場合でも色副搬送波の周波数成分を抜き出すことができ、色信号が輝度信号に漏れ込むドット妨害現象を大幅に抑制することができる。また、輝度信号が色信号に漏れ込むことを大幅に抑制でき、色の境界を明瞭にすることができる。
【0082】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更してもよい。
【0083】
例えば、本実施例では、NTSC信号のY/C分離について説明しているが、NTSC信号の代わりにPAL(Phase Alternating Line)信号やSECAM(Sequential Couleur Avec Memoire)信号などにも適用できる。また、本実施例では複合映像信号を3ラインにしてY/C分離しているが、複合映像信号を2ラインや4ラインなどにしてY/C分離してもよい。
【0084】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 複数の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、2つの異なる前記複合映像信号の差分を算出し、その値が所定値以下或いは以上かを判定し、所定値以下の場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、所定値以上の場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、前記複合映像信号から前記信号選択手段から出力された色信号を引き算して、引き算した結果を輝度信号として出力する輝度信号算出手段とを具備するY/C分離回路。
【0085】
(付記2) 第1の複合映像信号、前記第1の複合映像信号よりも1H遅延された第2の複合映像信号、及び前記第2の複合映像信号よりも1H遅延された第3の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、前記第1の複合映像信号と前記第3の複合映像信号の平均値に前記第2の複合映像信号を加算した出力と、その出力を所定期間遅延させた信号との差分を算出して時間的推移を求め、所定の期間差分値が所定の値以下となるか、増加し続けるのか、或いは減少し続けるのか判定し、当てはまる場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、当てはまらない場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合、前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合、前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、前記複合映像信号から前記信号選択手段から出力された色信号を引き算して、引き算した結果を輝度信号として出力する輝度信号算出手段とを具備するY/C分離回路。
【0086】
(付記3) 複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を比較し、所定期間ごとに比較結果を観測し、任意回数前記第1の色信号が前記第2の色信号よりも大きいかどうかの判定を行い、大きい場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、小さい場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記第1の色信号と前記第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、前記複合映像信号から前記信号選択手段から出力された色信号を引き算して、引き算した結果を輝度信号として出力する輝度信号算出手段とを具備するY/C分離回路。
【0087】
(付記4) 複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、前記垂直BPFから出力された第1の色信号を所定期間遅延させた第1の信号と、前記第1の信号を前記所定期間遅延させた第2の信号と、前記第2の信号を前記所定期間遅延させた第3の信号とを比較して、いずれか1つでも異なる状態であるかの判定を行い、いずれか1つでも異なる場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、異ならない場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、前記第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、前記複合映像信号から前記信号選択手段から出力された色信号を引き算して、引き算した結果を輝度信号として出力する輝度信号算出手段とを具備するY/C分離回路。
【0088】
(付記5) 前記BPFは、第1の加算器、第2の加算器、及びインバータから構成されている付記1乃至4のいずれかに記載のY/C分離回路。
【0089】
(付記6) 前記信号選択手段は、セレクタである付記1乃至5のいずれかに記載のY/C分離回路。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施例1に係る3ラインY/C分離回路を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係る垂直BPFを示すブロック図。
【図3】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの3ラインの複合映像信号を示す図。
【図4】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの3ラインY/C分離回路から出力される色信号を示す図。
【図5】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの3ラインY/C分離回路から出力される輝度信号を示す図。
【図6】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの従来の3ラインY/C分離回路から出力される色信号を示す図。
【図7】本発明の実施例1に係る色位相が変化し、異なるときの従来の3ラインY/C分離回路から出力される輝度信号を示す図。
【図8】本発明の実施例2に係る3ラインY/C分離回路を示すブロック図。
【図9】本発明の実施例2に係る色相関検出部を示すブロック図。
【図10】本発明の実施例3に係る3ラインY/C分離回路を示すブロック図。
【図11】本発明の実施例3に係る色相関検出部を示すブロック図。
【図12】本発明の実施例4に係る3ラインY/C分離回路を示すブロック図。
【符号の説明】
【0091】
1、1a、1b、1c 3ラインY/C分離回路
2 垂直BPF
3a〜d BPF
4a〜h、4j、4k、4m 加算器
5 5タップ中間値フィルタ
6 絶対値回路
7a〜h、7j、7k、7m、7n、7p、7q、7r、7s 遅延回路
8、8a〜d 比較回路
9 差分算出回路
11a、11b Ex−OR回路
21、22、23、24 色相関検出部
AND1 2入力AND回路
INV1〜6 インバータ
N1〜3、Na、Nb ノード
OR1 2入力OR回路
Ref1〜4 基準信号
SEL1 セレクタ
−1H、0H、+1H 複合映像信号入力
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
垂直方向に色の相関性があるかの判定を行い、その結果を色相関検出信号として出力する色相関検出部と、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合、前記色相関検出信号の第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合、前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【請求項2】
複数の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
2つの異なる前記複合映像信号の差分を算出し、その値が所定値以下或いは以上かを判定し、所定値以下の場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、所定値以上の場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【請求項3】
第1の複合映像信号、前記第1の複合映像信号よりも1H遅延された第2の複合映像信号、及び前記第2の複合映像信号よりも1H遅延された第3の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
前記第1の複合映像信号と前記第3の複合映像信号の平均値に前記第2の複合映像信号を加算した出力と、その出力を所定期間遅延させた信号との差分を算出して時間的推移を求め、所定の期間差分値が所定の値以下となるか、増加し続けるのか、或いは減少し続けるのか判定し、当てはまる場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、当てはまらない場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合、前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合、前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【請求項4】
複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を比較し、所定期間ごとに比較結果を観測し、任意回数前記第1の色信号が前記第2の色信号よりも大きいかどうかの判定を行い、大きい場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、小さい場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、
前記第1の色信号と前記第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【請求項5】
複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号を所定期間遅延させた第1の信号と、前記第1の信号を前記所定期間遅延させた第2の信号と、前記第2の信号を前記所定期間遅延させた第3の信号とを比較して、いずれか1つでも異なる状態であるかの判定を行い、いずれか1つでも異なる場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、異ならない場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、
前記第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【請求項1】
複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
垂直方向に色の相関性があるかの判定を行い、その結果を色相関検出信号として出力する色相関検出部と、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合、前記色相関検出信号の第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合、前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【請求項2】
複数の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
2つの異なる前記複合映像信号の差分を算出し、その値が所定値以下或いは以上かを判定し、所定値以下の場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、所定値以上の場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【請求項3】
第1の複合映像信号、前記第1の複合映像信号よりも1H遅延された第2の複合映像信号、及び前記第2の複合映像信号よりも1H遅延された第3の複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
前記第1の複合映像信号と前記第3の複合映像信号の平均値に前記第2の複合映像信号を加算した出力と、その出力を所定期間遅延させた信号との差分を算出して時間的推移を求め、所定の期間差分値が所定の値以下となるか、増加し続けるのか、或いは減少し続けるのか判定し、当てはまる場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、当てはまらない場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合、前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合、前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【請求項4】
複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を比較し、所定期間ごとに比較結果を観測し、任意回数前記第1の色信号が前記第2の色信号よりも大きいかどうかの判定を行い、大きい場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、小さい場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、
前記第1の色信号と前記第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【請求項5】
複合映像信号を入力し、垂直方向の非相関検出により前記複合映像信号から色信号を抜き出す垂直BPFと、
前記垂直BPFから出力された第1の色信号を所定期間遅延させた第1の信号と、前記第1の信号を前記所定期間遅延させた第2の信号と、前記第2の信号を前記所定期間遅延させた第3の信号とを比較して、いずれか1つでも異なる状態であるかの判定を行い、いずれか1つでも異なる場合には第1の信号レベルの色相関検出信号を、異ならない場合には前記第1の信号レベルとは信号レベルの異なる前記色相関検出信号の第2の信号レベルを、それぞれ出力する色相関検出部と、
前記第1の色信号と前記複合映像信号から水平方向に色副搬送波帯域の信号が取り出された第2の色信号を入力し、垂直方向に色の相関がある場合には前記色相関検出信号の前記第1の信号レベルにもとづいて前記第1の色信号を色信号として選択出力し、垂直方向に色の相関がない場合には前記色相関検出信号の前記第2の信号レベルにもとづいて前記第2の色信号を色信号として選択出力する信号選択手段と、
を具備することを特徴とするY/C分離回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−324761(P2007−324761A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150559(P2006−150559)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000221199)東芝マイクロエレクトロニクス株式会社 (376)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000221199)東芝マイクロエレクトロニクス株式会社 (376)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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