説明

[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)メチル]アミンの製造方法

式I
【化1】


(式中、R1はH、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C1-6アルコキシ、−OH又はアミノであり;そしてn、m、及びpは0、1及び2より独立して選択される)の化合物の製造方法であって、該方法は式II
【化2】


の化合物を、適切な溶媒中で還元剤と混合して反応混合物とすることにより反応させることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジフルオロ化合物の製造方法、及び特にアミノ基を含有するジフルオロ化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ基を含有するジフルオロ化合物は、治療効果を有する化合物の合成における有用な中間体である。特許文献1は、これらのアミノ基を含有するジフルオロ化合物のうちの一つ、[(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)メチル]アミンを製造する方法を記載する。しかし、これらの化合物を製造する改善された方法がまだ望まれている。より少ない数の工程を含み、かつより高い総合収率を生じる改善された方法を提供することが特に望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2004/108688
【特許文献2】WO 96/36590
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「Protective Groups in Organic Synthesis」、T.W. Green、P.G.M. Wuts、Wiley−Interscience、New York、(1999)
【非特許文献2】「Comprehensive Organic Transformations − A Guide to Functional Group Preparations」 R. C. Larock、VHC Publishers、Inc. (1989)
【非特許文献3】「Advanced Organic Chemistry」、March、4th ed. McGraw Hill (1992)
【非特許文献4】「Organic Synthesis」、Smith、McGraw Hill、(1994)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施態様の説明
一局面において、本発明は、式I
【化1】

[式中、R1は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C1-6アルコキシ、−OH、及びアミノより選択され;そしてn、m、及びpは、0、1及び2より独立して選択される]の化合物の製造方法を提供し;該方法は、式II
【化2】

[式中、R1、n、m、及びpは、式Iに関して規定されたとおりである]の化合物を、該式IIの化合物を還元剤と適切な溶媒中で混合して反応混合物にすることにより、還元剤と反応させることからなる。
【0006】
本特許出願を通して、必要に応じて、適切な保護基が、有機合成の当業者に容易に理解されるやり方で、種々の反応物及び中間体に加えられ、その後除去されることが理解されるべきである。このような保護基を使用するための従来の手順に加えて、適切な保護基の例が、例えば非特許文献1に記載される。化学操作による基又は置換基の別の基又は置換基への変換は、最終生成物への合成経路でのいずれかの中間体又は最終生成物に対して行うことができ、ここで変換の可能な種類は、変換において使用される条件又は試薬に対する、その段階で分子が保有する他の官能基の固有の不適合性によってのみ制限されることも理解されるべきである。このような固有の不適合性、及び適切な変換及び合成工程を適切な順序で行うことによりそれらを回避する方法は、有機合成の当業者に容易に理解されるだろう。変換の例は以下に示され、そして記載される変換は、変換が例示される包括的な基又は置換基のみに限定されないことは理解されるべきである。他の適切な変換に関する参考文献及び説明は非特許文献2に示される。他の適切な反応の参考文献及び説明は、有機化学のテキストブック、例えば非特許文献3又は非特許文献4に記載される。中間体及び最終生成物の精製のための技術としては、例えば、カラムまたは回転プレートでの順相及び逆相のクロマトグラフィー、再結晶、蒸留及び液−液又は固−液抽出が挙げられ、これらは当業者により容易に理解される。置換基及び基の定義は、異なるように定義される場合を除いて式Iのとおりである。用語「室温」及び「周囲温度」は、他に指定がなければ、16℃と25℃との間の温度を意味するとする。
【0007】
本明細書で使用される場合、単独又は接頭辞として使用される用語「Cm-n」又は「Cm-n基」は、m〜n個の炭素原子を有するあらゆる基を指す。
【0008】
単独又は接尾辞若しくは接頭辞として使用される用語「炭化水素」は、14個までの炭素原子で炭素原子及び水素原子のみを含むあらゆる構造を指す。
【0009】
単独又は接尾辞若しくは接頭辞として使用される用語「炭化水素ラジカル」又は「ヒドロカルビル」は、炭化水素から1つ又はそれ以上の水素を除いた結果としてのあらゆる構造を指す。
【0010】
単独又は接尾辞若しくは接頭辞として使用される用語「アルキル」は、1〜約12個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の飽和一価炭化水素ラジカルを指す。アルキルの説明のための例としては、限定されないが、C1-6アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びヘキシル、並びにより長鎖のアルキル基、例えばヘプチル及びオクチルが挙げられる。アルキルは、非置換でも、1つ又は2つの適切な置換基で置換されていてもよい。
【0011】
単独又は接尾辞若しくは接頭辞として使用される用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、かつ少なくとも2個から約12個までの炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の一価炭化水素ラジカルを指す。アルケニルの二重結合は、非共役でも別の不飽和基と共役していてもよい。適切なアルケニル基としては、限定されないがC2-6アルケニル基、例えばビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2−エチルヘキセニル、2−プロピル−2−ブテニル、4−(2−メチル−3−ブテン)−ペンテニルが挙げられる。アルケニルは非置換であっても、1つ又は2つの適切な置換基で置換されていてもよい。
【0012】
単独又は接尾辞若しくは接頭辞として使用される用語「アルコキシ」は、一般式−O−Rのラジカル[式中Rは、炭化水素ラジカルより選択される]を指す。典型的なアルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、イソブトキシ、シクロプロピルメトキシ、アリルオキシ、及びプロパルギルオキシが挙げられる。
【0013】
用語「アミノ」は−NH2を指す。
【0014】
「RT」又は「rt」は室温を意味する。
【0015】
他に記載がなければ、本明細書で使用される用語「触媒量」は、準化学量論量(substoichiometric amount)のその成分を使用することにより、生成物の収量を(直接的又は間接的に)増加させるか、又は生成物に対する選択性を増加させることのできる成分の量を含む。
【0016】
一実施態様において、還元剤は、水素化ナトリウムアルミニウム、水素化リチウムアルミニウム、ジボラン、(ジメチルアミノ)水素化ホウ素ナトリウム、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、トリエチル水素化ホウ素リチウム、アミノ水素化ホウ素リチウム;水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)−アルミニウム;ヨウ素、若しくは例えば非特許文献3に記載されるような他の試薬と組み合わされた水素化ホウ素ナトリウム;ボラン若しくはそのTHF錯体、又はこれらの組み合わせより選択され得る。
【0017】
特定の実施態様において、還元剤は、水素化リチウムアルミニウム、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラン又はそのTHF錯体、水素化ナトリウムビス(2−メトキシ−エトキシ)アルミニウム、及びジボランより選択される。
【0018】
一実施態様において、式IIの化合物及び還元剤を1:5と1:1.5との間のモル比で反応させる。特定の実施態様において、式IIの化合物と還元剤との間のモル比は1:3と1:2との間である。
【0019】
一実施態様において、有機溶媒は、芳香族炭化水素、例えばトルエン;
脂肪族炭化水素、例えばn−ヘプタン;
エーテル類、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン又はジエチレングリコールジメチルエーテル
又は上記溶媒の2種若しくはそれ以上の混合物より選択される。
【0020】
一実施態様において、使用される溶媒の総量は、出発物質1質量部あたり約100体積部までである。
【0021】
本発明の一実施態様において、方法は−100℃と+150℃との間の温度で行われ;本発明の方法の特定の実施態様において、方法は室温と+130℃との間の温度で行われる。
【0022】
特定の実施態様において、還元剤は、THFとトルエンの混合物中に溶解された水素化リチウムアルミニウムである。大規模製造については、適切な濃度は約4〜20質量パーセントの範囲であり得る。特定の実施態様において、THF/トルエン溶液は、溶液の総質量で計算して15質量パーセントの水素化リチウムアルミニウムを含有する。
【0023】
別の実施態様において、還元剤はジエチルエーテルに溶解された水素化リチウムアルミニウムである。
【0024】
一実施態様において、R1は水素及びC1-6アルキルより選択される。
【0025】
別の実施態様において、n、m、及びpはそれぞれ1であり、そしてR1は水素である。
【0026】
本発明の実施態様によれば、式IIの化合物は、式III
【化3】

[式中、R1、n、m、及びpは式Iに関して規定されたとおりである]の化合物を、アンモニアと反応させることにより製造される。
【0027】
アンモニアはガス状形態及び/又は適切な溶媒中で使用され得る。一実施態様において、アンモニアは、水;
脂肪族アルコール、例えばメタノール;
ハロゲン化溶媒、例えばジクロロメタン;
極性非プロトン性溶媒、例えばDMF若しくはDMSO
及びエーテル類、例えばTHF若しくは1,4−ジオキサン
又は上記溶媒の2種若しくはそれ以上の混合物より選択される溶媒中に存在する。
【0028】
一実施態様において、使用される溶媒の総量は、出発物質1質量部あたり100体積部までである。
【0029】
一実施態様において、式IIの化合物は、−100℃から+130℃の間の温度で上記方法に従って製造され;特定の実施態様において、温度は−20℃と+100℃との間である。
【0030】
本発明の一実施態様において、式IIIの化合物の溶液を、過剰の少なくとも2.5モル当量の水性アンモニアで処理する。
【0031】
一実施態様において、R1は水素及びC1-6アルキルより選択される。
【0032】
別の実施態様において、n、m、及びpはそれぞれ1であり、そしてR1は水素である。
【0033】
式IIIの化合物は、式IV
【化4】

[式中R1、n、m、及びpは式Iに関して規定されたとおりである]の化合物を、塩素化剤と反応させることにより製造され得る。
【0034】
塩素化剤は、塩化チオニル、塩化オキサリル、五塩化リン、三塩化リン、オキシ塩化リン、トリクロロトリアジン;四塩化炭素及び/又はトリクロロアセトニトリルと組み合わせたトリフェニルホスフィンより選択され得る。
【0035】
塩素化剤は、触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、トリフェニルホスフィン、1種若しくはそれ以上の第三級アミン、例えばトリエチルアミン、テトラメチルウレア、1種若しくはそれ以上の第四級アンモニウム塩、又はN−ホルミルモルホリンを含有する適切な溶媒中の、式IVの化合物の懸濁液又は溶液に加えることができる。第四級アンモニウム塩は、特許文献2に開示されるようなテトラアルキルアンモニウム塩より選択することができる。
【0036】
溶媒は、芳香族炭化水素、例えばトルエン;脂肪族炭化水素、例えばn−ヘプタン;エーテル類、例えばTHF、2−メチルテトラヒドロフラン又はジエチレングリコールジメチルエーテル;塩素化炭化水素、例えばクロロベンゼン又はジクロロメタン;及び上記溶媒の2つ又はそれ以上の混合物より選択することができる。
【0037】
R1は水素又はC1-6アルキルであり得;n、m及びpは1であり得る。
【0038】
本発明の一実施態様によれば、式IIの化合物は、最初に式IV
【化5】

[式中、R1、n、m、及びpは式Iに関して規定されるとおりである]
の化合物を、塩素化剤と反応させて、式III
【化6】

[式中、R1、n、m、及びpは式Iに関して規定されたとおりである]
の化合物を製造し、次いでこれを単離することなく、アンモニアと反応させることにより製造される。
【0039】
本発明の一実施態様において、塩素化剤は、触媒量のDMF、NMP、トリフェニルホスフィン、トリエチルアミン、1種若しくはそれ以上の第三級アミン類、テトラメチルウレア、第四級アンモニウム塩、又はホルミルモルホリンを含有する適切な溶媒中の式IVの化合物の懸濁液又は溶液に加えられる。特定の実施態様において、上記第四級アンモニウム塩は、特許文献2に開示されるようなテトラアルキルアンモニウム塩より選択される。
【0040】
過剰の試薬、二酸化硫黄、及び塩化水素を除いた後、冷却した溶液を、上記の手順に従って過剰のアンモニアで処理する。
【0041】
一実施態様において、塩素化剤は、塩化チオニル、塩化オキサリル、五塩化リン、三塩化リン、ホスゲン、オキシ塩化リン、トリクロロトリアジン、塩化スルフリル;及びトリフェニルホスフィン;(場合により四塩化炭素又はトリクロロアセトニトリルと共に)より選択される。特定の実施態様において、塩素化剤は塩化チオニルである。
【0042】
一実施態様において、R1は水素及びC1-6アルキルより選択される。
【0043】
別の実施態様において、n、m、及びpはそれぞれ1であり、そしてR1は水素である。
【0044】
別の局面において、本発明は4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸アミドに関する。
【0045】
さらなる局面において、本発明は、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸アミドの、4,4−ジフルオロ−シクロヘキサンメタンアミンの製造のための使用に関する。
【実施例】
【0046】
本発明はここで以下の非限定的実施例により説明される。
【0047】
実施例1
4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸クロリド
4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(4.45kg、27.1mol)、DMF (10g、0.1mol)及びトルエン(10.5L)を、事前にトルエンですすいだグラスライニング反応器に加えた。
次いで塩化チオニル(3.30kg、27.7mol)を22分間の間に21℃で加えた。反応後38℃で1時間後、反応混合物を70℃に加熱した。1時間45分後にサンプルを採取し、ガスクロマトグラフィー分析にかけて出発物質の転換を確認した。分析により2.8%の残留4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸(そのメチル誘導体として検出される)の存在が明らかになった。
【0048】
実施例2
4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸アミドの製造
実施例1からの反応混合物を終夜周囲温度で放置した。残りの塩化水素及び二酸化硫黄をトルエンの蒸留により除去した。液体温度が115℃に達するまで蒸留を続けた。冷却後、酸塩化物溶液をポリエチレン容器に移して保存した。酸塩化物溶液を、25質量%(全溶液に基づく)のアンモニア(4.6kg、67.3mol)を含有する冷たい水溶液に、温度を40℃未満に維持しながら67分間の間ゆっくりと加えた。反応後30分の後、生成物をろ過し、そしてアセトンで洗浄した。生成物をヌッチェフィルタで終夜可能な限り乾燥した。次いで生成物を水を用いてろ過し、再びろ過し、そしてアセトンで洗浄した。収量: 4.1kg (92%)。
1H NMR (CD3OD、TMS) δ 2.37−2.30 (m、1H)、2.13−2.03 (m、2H)、1.93−1.67 (m、6H);13C NMR (CD3OD) δ178.8、122.5 (dd、J1 = 241 Hz、J2 = 239 Hz)、41.7、32.6 (d、J = 23.5 Hz)、32.2 (d、J = 23.5 Hz)、25.6 (app d、J = 10 Hz)。
【0049】
実施例3
4,4−ジフルオロ−シクロヘキサンメタンアミンの製造
実施例2からの湿った4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸アミドを、きれいな容器に入れて減圧下で48時間100℃のジャケット温度で乾燥した。サンプリング及び分析により、0.1%未満の水が示された。この乾燥した4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸アミド (4.1kg、25.1mol)が入った容器に、19.5LのTHFを入れた。撹拌懸濁液をサンプリングし、そして安全の理由から水分含有量を分析し、0.1%の水分含有量が示された。15質量%(全溶液に基づく)の水素化リチウムアルミニウム溶液(12.9kg、51.0moles)を含有するTHF/トルエン (2.4:1 w/w)溶液を懸濁液に100分間かけて加え、その間に液体の温度は41℃と58℃との間の範囲であった。添加の最初の3分の一の間は水素が発生した。添加の完了後、容器を閉じて温度を69℃に上げた。反応をさらに約4時間進行させた。次いで反応液を0℃未満に冷却して終夜放置した。次いで水及び希水酸化ナトリウム(0.3kg、7.3mol)溶液を3時間の間に温度を30℃未満に維持しながら継続して加えることにより反応混合物を注意深くクエンチした。水の2回目の部分を45−55℃で加えた。最後の添加の間温度を維持するために、外部加熱が必要であった。水酸化ナトリウム溶液を加える間、温度は50に上昇した。クエンチした反応混合物を10分撹拌した後、ろ過した。リチウム及びアルミニウム塩をTHFで洗浄した。溶媒を生成物溶液から大気圧で液体温度が115℃に達するまで蒸留した。次いで粗生成物溶液を2つのバッチに分けて減圧下で蒸留して4,4−ジフルオロ−シクロヘキサンメタンアミンを無色油状物として得た。収量: 2.1kg (56%)。1H NMR (DMSO−d6) δ 2.51 (m、DMSO)、2.42 (d、J = 6Hz、2H)、2.03−1.93 (m、2 H)、1.83−1.65 (m、4H)、1.32−1.28 (m、2H)、1.15−1.05 (m、2H);13C NMR (DMSO−d6) δ 124.6 (dd、J1 = 241 Hz、J2 = 239 Hz)、46.7 (配座の柔軟性に起因する、間が2Hzの2つのピーク)、38.4、32.8 (d、J = 22Hz)、32.5 (d、J = 22Hz)、26.3 (app d、J = 9Hz)。MS [M+H]+ 150。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

(式中、R1は、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C1-6アルコキシ、−OH、及びアミノより選択され;そして
n、m、及びpは、0、1及び2より独立して選択される)
の化合物の製造方法であって、
該方法は、式II
【化2】

(式中、R1、n、m、及びpは式Iに関して規定されたとおりである)
の化合物を、該式IIの化合物を還元剤と適切な溶媒中で混合して反応混合物にすることにより、還元剤と反応させることを含む上記方法。
【請求項2】
R1が水素又はC1-6アルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
n、m、及びpがそれぞれ1であり、そしてR1が水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
還元剤が、水素化ナトリウムアルミニウム、水素化リチウムアルミニウム、ジボラン、場合によりヨウ素と組み合わされる、水素化ホウ素ナトリウム、(ジメチルアミノ)水素化ホウ素ナトリウム、場合によりTHF若しくはジメチルスルフィドとの錯体である、ボラン、トリエチル水素化ホウ素リチウム、1つ若しくはそれ以上のアミノ水素化ホウ素リチウム類、1つ若しくはそれ以上のトリアルキルアミン水素化ホウ素リチウム類、トリメトキシ水素化ホウ素リチウム、又は水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
還元剤が、水素化リチウムアルミニウム; 場合によりTHF若しくはジメチルスルフィドとの錯体である、ボラン; 水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム;又はジボランである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
式IIの化合物及び還元剤を、1:5と1:1.5との間のモル比で反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
式IIの化合物及び還元剤を、1:3と1:2との間のモル比で反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
式IIの化合物が、式III
【化3】

(式中、R1、n、m、及びpは請求項1において規定されたとおりである)
の化合物を、アンモニアと反応させることにより製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
R1が水素又はC1-6アルキルである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
n、m、及びpがそれぞれ1であり、そしてR1が水素である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
アンモニアが、水;
脂肪族アルコール、例えばメタノール;
ハロゲン化溶媒、例えばジクロロメタン;
極性非プロトン性溶媒、例えばDMF若しくはDMSO;
及びエーテル類、例えばTHF若しくは1,4−ジオキサン;
又は上記溶媒の2つ若しくはそれ以上の混合物より選択される溶媒中で提供される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
0℃と+100℃との間の温度で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
式IIIの化合物の溶液を、過剰な少なくとも2.5モル当量の水性アンモニアで処理する、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
式IIの化合物が、最初に式IV
【化4】

(式中、R1、n、m、及びpは請求項1において規定されるとおりである)
の化合物を、塩素化剤と反応させて、式III
【化5】

(式中、R1、n、m、及びpは請求項1において規定されたとおりである)
の化合物を製造し、次いでこれを単離することなく、アンモニアと反応させることにより製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
R1が水素又はC1-6アルキルである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
n、m、及びpがそれぞれ1であり、そしてR1が水素である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸アミド。
【請求項18】
4,4−ジフルオロ−シクロヘキサンメタンアミンの製造のための、4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボン酸アミドの使用。

【公表番号】特表2010−502599(P2010−502599A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526568(P2009−526568)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000762
【国際公開番号】WO2008/026986
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】