説明

[1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリン誘導体の配合物

本発明は、[1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリン誘導体の固形投薬配合物およびこれらの製造方法を提供する。いくつかの特定の実施形態において、本発明は、抗精神病薬および肥満抑制薬(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12aデカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライド(化合物A・HCl)の新規配合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、[1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリン誘導体の固形投薬配合物およびこれらの製造方法に関する。いくつかの特定の実施形態において、本発明は、抗精神病薬および肥満抑制薬(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライド(化合物A・HCl)の新規配合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
統合失調症は、約5百万人の人々を冒している。現在のところ、統合失調症についての最も広く行き渡った治療は、「非定型(atypical)」抗精神病薬であり、これはドーパミン(D2)受容体アンタゴニズムとセロトニン(5−HT2A)受容体アンタゴニズムとを組み合わせる。典型的な抗精神病薬よりも優れた、非定型抗精神病薬の効力および副作用傾向において報告されている進歩にもかかわらず、これらの化合物は、統合失調症の症状のすべてを適切に治療するわけではなく、体重増加を包含する厄介な副作用をともなう(Allison, D. B., et. Al., Am. J. Psychiatry, 156: 1686-1696, 1999;Masand, P.S., Exp. Opin. Pharmacother. 1: 377-389, 2000; Whitaker, R., Spectrum Life Sciences. Decision Resources, 2:1-9、2000)。体重増加を生じることなく統合失調症における気分障害または認知障害の治療において効果的な新規抗精神病薬は、統合失調症の治療において有意な進歩となる。
【0003】
5−HT2Cアゴニストおよび部分アゴニストは、統合失調症の治療への新規治療アプローチである。いくつかの一連の証拠が、統合失調症の治療としての5−HT2C受容体アゴニズムの役割を裏付ける。5−HT2Cアンタゴニストを用いた研究は、これらの化合物がドーパミンのシナプスレベルを増加し、かつパーキンソン病の動物モデルにおいて効果的でありうることを示唆している(Di Matteo, V., et al., Neuropharmacology, 37: 265-272、, 1998; Fox, S.H., et al., Experimental Neurology, 151: 35-49, 1998)。統合失調症の陽性症状は、増加したレベルのドーパミンと関連しているので、5−HT2Cアンタゴニストの作用と反対の作用を有する化合物、例えば5−HT2Cアゴニストおよび部分アゴニストは、シナプスドーパミンのレベルを低下させる。最近の研究は、5−HT2Cアゴニストが、前頭前野(prefrontal cortex)および側坐核(nucleus accumbens)、(Millan, M.J., et al., Neuropharmacology, 37: 953-955, 1998; Di Matteo, V., et al., Neuropharmacology 38:1195-1205, 1999; Di Giovanni, G., et al., Synapse 35: 53-61, 2000)、すなわちクロザピンなどの薬品の臨界的抗精神病効果を仲介すると考えられている脳の領域におけるドーパミンのレベルを減少させることを証明した。これに対して5−HT2Cアゴニストは、線条体、すなわち錐体外路副作用と最も密接に関連している脳の領域においてドーパミンレベルを減少させない。これに加えて、最近の研究は、5−HT2Cアゴニストが、腹側被蓋領域(ventral tegmental area)(VTA)において発火 (firing)を減少させるが、黒質においては減少させないことを証明している。黒質線条体経路に対しての中脳辺縁性経路における5−HT2Cアゴニストの異なる効果は、5−HT2Cアゴニストが辺縁系選択性を有し、典型的な抗精神病薬に関連した錐体外路副作用を生じる可能性のより少ないことを示唆している。
【0004】
非定型抗精神病薬は、高い親和性で5−HT2C受容体へ結合し、5−HT2C受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニストとして機能する。体重増加は、非定型抗精神病薬、例えばクロザピンおよびオランザピンに関連した厄介な副作用であり、5−HT2Cアンタゴズムは、高められた体重増加の原因であると示唆されてきた。逆に、5−HT2C受容体の刺激は、食物摂取および体重の減少を結果として生じることが知られている(Walsh et al., Psychopharmacology, 124: 57-73, 1996; Cowen, P.J., et al., Human Psychopharmacology, 10: 385-391, 1995; Rosenzweig-Lipson, S., et al., ASPET abstract, 2000)。その結果、5−HT2Cアゴニストおよび部分アゴニストは、現在の非定型抗精神病薬に関連した体重増加を生じる可能性がより少ない。実際、5−HT2Cアゴニストおよび部分アゴニストは、肥満、すなわち過剰な体脂肪または脂肪組織を特徴とし、かつ例えばII型糖尿病、心臓血管病、高血圧、高脂血症、脳卒中、変形性関節症、睡眠時無呼吸、胆嚢病、痛風、なんらかの癌、なんらかの不妊症、および早死などの併存疾患に関連した内科的疾患の治療にとって非常に有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
化合物(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライド(化合物A・HCl)
【化2】

は、有力な5−HT2Cアゴニストである。2003年4月24日出願の米国特許出願第10/422,524号および国際出願第WO 03/091250号参照。これらの各々は、その全体が参照して本明細書に組み込まれる。化合物Aはまた、統合失調症に関連した気分障害または認知障害の治療においても効果的でありうる。
【0006】
化合物、例えば化合物Aの製薬剤としての重要性を考慮すれば、これらの送達のために効果的な配合物が非常に重要であるということが分かる。本発明は、これらの重要な目的、ならびにほかの重要な目的を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様において、本発明は、本明細書に記載されているような式Iの化合物、好ましくは(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライド(化合物A・HCl)を、腸溶性コーティングされた形態で含む医薬組成物を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、1またはそれ以上の放出制御賦形剤を包含しうる徐放性成分もさらに含む、このような組成物を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態において、本発明は、医薬組成物であって、
a)医薬組成物の約10〜約80重量%を構成する、医薬的に有効な量の活性薬物;
b)医薬組成物の約10〜約80重量%を構成する充填剤成分;
c)医薬組成物の約0.01〜約5重量%を構成する任意のシールコート成分;
d)医薬組成物の約0.01〜約20重量%を構成する腸溶性コート成分;
e)医薬組成物の約0.01〜約20重量%を構成する任意の流動促進剤成分;
f)医薬組成物の約0.01〜約3重量%を構成する任意の可塑剤成分;
g)医薬組成物の約0.01〜約1.5重量%を構成する任意の中和剤成分;
h)医薬組成物の約0.001〜約1.0重量%を構成する任意の界面活性剤成分;
i)医薬組成物の約0.01〜約5.0重量%を構成する任意の潤滑剤成分
を含み、この活性薬物が、式I:
【化3】

(式中:
1は、水素、1〜6炭素原子のアルキル、2〜6炭素原子のアルカノイル、または7〜11炭素原子のカルボアリールアルコキシであり;
2およびR3は各々独立して、水素、ヒドロキシ、1〜6炭素原子のアルキル、1〜6炭素原子のアルコキシ、ハロゲン、カルボキサミド、2〜6炭素原子のカルボアルコキシ、1〜6炭素原子のペルフルオロアルキル、シアノ、1〜6炭素原子のアルカンスルホンアミド、1〜6炭素原子のアルカンスルホニル、1〜6炭素原子のアルカンアミド、アミノ、1〜6炭素原子のアルキルアミノ、1アルキル部分あたり1〜6炭素原子のジアルキルアミノ、1〜6炭素原子のペルフルオロアルコキシ、2〜6炭素原子のアルカノイルオキシ、2〜6炭素原子のアルカノイル、6〜8炭素原子のアロイル、5〜7炭素原子のアリール、アリール部分に5〜7炭素原子を有するC6〜C13アルキルアリール基、5〜7員ヘテロアリール基、またはヘテロアリール部分に5〜7員を有する、6〜13員アルキルヘテロアリール基であり、ここで、アリールまたはヘテロアリール部分を有するあらゆるR2またはR3置換基は場合により、アリールまたはヘテロアリール部分上で、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシ基から独立して選択された1〜3置換基で置換されてもよく;
4およびR5は独立して、水素または1〜6炭素原子のアルキルであるか、またはR4およびR5は、これらが付着している炭素とともに、4〜8炭素原子のシクロアルカン、4〜8炭素原子のシクロアルケン、5〜10炭素原子の架橋二環式アルカン、5〜10炭素原子の架橋二環式アルケン、硫黄原子が場合によりスルホキシドもしくはスルホンへ酸化されているピランもしくはチオピランを形成し、ここで、R4およびR5によって形成された環状部分は場合により、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシ基から独立して選択された1〜3置換基で置換されてもよく;
6およびR7は各々独立して、水素または1〜6炭素原子のアルキルであり;
nは1または2であり;そして
破線は、任意二重結合を表わす)または
医薬的に許容し得るその塩
を有する医薬組成物を提供する。
【0009】
いくつかの実施形態において、R2は、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のペルフルオロアルキル、1〜6炭素原子のアルキル、1〜6炭素原子のアルコキシ、2〜6炭素原子のアルカノイル、1〜6炭素原子のアルカンスルホニル、または5〜7炭素原子のアリールである。いくつかのさらなる実施形態において、R2は、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のアルコキシ、フェニル、またはトリフルオロメチルである。なおさらなる実施形態において、R3は、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のペルフルオロアルキル、1〜6炭素原子のアルキル、1〜6炭素原子のアルコキシ、2〜6炭素原子のアルカノイル、1〜6炭素原子のアルカンスルホニル、または5〜7炭素原子のアリールである。
【0010】
いくつかのさらなる実施形態において、R3は、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のアルコキシ、フェニル、またはトリフルオロメチルである。さらなる実施形態において、R4およびR5は好ましくは、これらが付着している炭素原子とともに、5〜8炭素原子のシクロアルカンまたはシクロアルケン部分を形成し、ここで、これらの炭素原子の1またはそれ以上が、場合により1〜4炭素原子のアルキルによって置換されている。なおさらなる実施形態において、R4およびR5は好ましくは、これらが付着している炭素原子とともに、5〜7炭素原子のシクロアルカン部分を形成する。いくつかの実施形態において、R6およびR7は、各々水素である。さらなる実施形態において、nは1である。いくつかのさらなる実施形態において、R2およびR3は独立して、水素、ハロ、トリフルオロメチル、フェニル、または1〜3炭素原子のアルコキシから選択され、R1、R6、およびR7は各々水素であり、nは1であり、R4およびR5は、これらが付着している炭素原子とともに、シクロペンタン、シクロヘキサン、またはシクロヘプタンを形成する。いくつかの特に好ましい実施形態において、この活性薬物は、化合物A、または医薬的に許容し得るその塩、好ましくは化合物A・HClである。
【0011】
いくつかの実施形態において、
活性薬物は、医薬組成物の約15〜約25重量%、または約20〜約22重量%、または約20〜約40重量%、または約30〜約40重量%を構成し;
【0012】
充填剤成分は、医薬組成物の約50〜約70重量%、または約60〜約66重量%、または約40〜約70重量%、または約40〜約50重量%を構成し;
【0013】
任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約3重量%、または約1〜約3重量%、または約1〜約2重量%、または約2〜約3重量%を構成し;
【0014】
腸溶性コート成分は、医薬組成物の約5〜約15重量%、または約8〜約12重量%、または約12〜約16重量%、または約8〜約16重量%、または約9〜約11重量%、または約9.6〜約10.6重量%、または約10.0〜約10.2重量%を構成し;
【0015】
任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約1重量%、または約0.1〜約0.3重量%、または約0.1〜約3重量%を構成し;
【0016】
任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約1.5重量%、または約0.5〜約1.0重量%、または約0.5〜約2.0重量%を構成し;
【0017】
任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約0.8重量%、または約0.05〜約0.3重量%、または約0.03〜約0.3重量%を構成し;
【0018】
任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.05重量%、または約0.005〜約0.025重量%、または約0.001〜約0.3重量%を構成し;
【0019】
任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約4重量%、または約2.5〜約3.5重量%、または約2〜約3.5重量%を構成する。
【0020】
いくつかのさらなる実施形態において、
a)活性薬物は、医薬組成物の約30〜約80重量%、または医薬組成物の約30〜約45重量%、または医薬組成物の約50〜約70重量%、または医薬組成物の約60〜約70重量%を構成し;
b)充填剤成分は、医薬組成物の約40〜約60重量%、または医薬組成物の約10〜約30重量%を構成し;
c)任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約3重量%を構成し;
d)腸溶性コート成分は、医薬組成物の約5〜約15重量%を構成し;
e)任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約2重量%を構成し;
f)任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約1.5重量%を構成し;
g)任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約0.8重量%を構成し;
h)任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.05重量%を構成し;
i)任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約4重量%を構成する。
【0021】
いくつかの実施形態において、流動促進剤成分、可塑剤成分、中和剤成分、界面活性剤成分、および潤滑剤成分は、各々配合物中に存在する。
【0022】
いくつかの実施形態において、充填剤成分は、微晶質セルロース、ラクトース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ポリエチレングリコール、置換セルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルシウムホスフェート、無水ジカルシウムホスフェート、金属アルミノシリケート、マグネシウムアルミノメタシリケート(例えばNeusilin(登録商標))、糖または炭水化物含有化合物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、ソルビトール、デンプン、キシリトール、金属ホスフェート、金属カルボネート、およびマグネシウムカルボネートのうちの1またはそれ以上を含む。いくつかの好ましい実施形態において、充填剤は、微晶質セルロースを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、任意のシールコート成分が存在する時、Opadry(登録商標)IIクリア、ほかのOpadry(登録商標)コート材料、Kollicoat(登録商標)マルトデキストリン、Pure−Cote(登録商標)、Pharmacoat(登録商標)、またはほかのセルロース−もしくはデンプン−ベースコートのうちの1またはそれ以上を含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、腸溶性コート成分は、メタクリレートコポリマーであって、このコポリマーが、アニオン性、例えばEudragit(登録商標)L30D−55ドライポリマー、またはカチオン性、例えばEudragit(登録商標)アミノアルキルメタクリレートコポリマーであるpHにおいて官能基を有するものであるか、またはこのコポリマーが官能基を有していない、すなわちpH−非依存性であり、したがって中性であるもの、例えばEudragit(登録商標)NE30D/40D;メタクリル酸コポリマー、例えばAcryl−EZE(登録商標);HPMC含有腸溶性コーティング系、例えばSpectrablend(商標);CAP;HPMCP;アクリルポリマー、例えばEastacryl(商標)、またはほかのアクリレート−、メタクリレート−、またはセルロースアセテートフタレート−ベースコートのうちの1またはそれ以上を含む。いくつかの好ましい実施形態において、腸溶性コート成分は、Eudragit(登録商標)L30D−55ドライポリマーを含む。このような実施形態において、このコポリマー、ポリマー、またはコーティング系は、多様な形態、例えば顆粒、固体物質、分散液、または有機溶液であってもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、任意の流動促進剤成分が存在する時、モノ−およびジ−グリセリド、タルク、二酸化ケイ素、ステアリン酸、デンプン、粉末セルロース、ラクトース、ステアレート、カルシウムホスフェート、マグネシウムカルボネート、マグネシウムオキシド、シリケート、および二酸化ケイ素エーロゲルのうちの1またはそれ以上を含む。いくつかの好ましい実施形態において、流動促進剤は、モノ−およびジ−グリセリド、例えばImwitor(登録商標)900Kを含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、任意の可塑剤成分が存在する時、トリエチルシトレート、ジブチルセベケート(dibutyl sebecate)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、ソルビトール、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、ジブチルフタレート、トリエチルシトレート、およびトリエタノールアミンのうちの1またはそれ以上を含む。いくつかの好ましい実施形態において、可塑剤成分は、トリエチルシトレートを含む
【0027】
いくつかの実施形態において、任意の中和剤成分が存在する時、NaOH、KOH、およびNH4OHのうちの1またはそれ以上を含む。いくつかの好ましい実施形態において、可塑剤成分は、NaOHを含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、任意の界面活性剤成分が存在する時、ポリソルベート80、ナトリウムラウリルスルフェート、スクロースパルミテート、ポロキサマー、ドクセートナトリウム、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアレート、スクロース脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルのうちの1またはそれ以上を含む。いくつかの好ましい実施形態において、界面活性剤成分は、ポリソルベート80を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、任意の潤滑剤成分が存在する時、タルク、金属ステアレート、二酸化ケイ素、ナトリウムステアリルフマレート、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪アルコール、グリセリルベヘネート、鉱油、パラフィン、水素化植物油、ロイシン、ポリエチレングリコール、金属ラウリルスルフェート、シリカ、例えばAerosil(登録商標)200、およびナトリウムクロライドのうちの1またはそれ以上を含む。いくつかの好ましい実施形態において、潤滑剤成分は、タルクを含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、活性薬物は、化合物A、または医薬的に許容し得るその塩、好ましくは化合物A・HClを含み、充填剤成分は、微晶質セルロースを含み;シールコート成分は、Opadry(登録商標)IIクリアを含み;腸溶性コート成分は、Eudragit(登録商標)L30D−55ドライポリマーを含み;流動促進剤成分は、モノ−およびジ−グリセリドを含み;可塑剤成分は、トリエチルシトレートを含み;中和剤成分はNaOHを含み;界面活性剤成分はポリソルベート80を含み;潤滑剤成分は、タルクを含む。
【0031】
前記組成物の各々のいくつかの実施形態において、この組成物は、複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む。いくつかのこのような実施形態において、これらの腸溶性コーティングされたペレットは、カプセル中に存在する。
【0032】
本発明はさらに、開示された医薬組成物の調製方法であって、
a)前記充填剤および前記活性薬物を含む未コーティングペレットの調製工程;
b)場合により、これらの未コーティングペレットへサブコートを加える工程;および
c)これらのペレットへ腸溶性コーティングを加える工程
を含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、この方法はさらに、
d)化合物A、または医薬的に許容し得るその塩、好ましくは化合物A・HClの所定の用量を得るために、カプセルを前記ペレットで充填する工程
も含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、工程(a)は、
i)充填剤と活性薬物とを混合して、混合物を形成する工程;
ii)この混合物を湿式造粒して、グラニュレートを形成する工程;および
iii)このグラニュレートを押出して、球状化する工程
を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、工程(c)は、
i)前記腸溶性コート、前記可塑剤、前記中和剤、および前記界面活性剤を含む懸濁液の調製工程;
ii)前記懸濁液を前記ペレット上にスプレーする工程
を含む。
【0035】
本発明はまた、本明細書に記載された方法の生成物も提供する。
【0036】
いくつかの実施形態において、本発明は、複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む医薬組成物であって、前記ペレットが
a)医薬組成物の約20〜約22重量%を構成する活性薬物;
b)医薬組成物の約60〜約66重量%を構成する充填剤成分;
c)存在する場合、医薬組成物の約1〜約2重量%を構成する任意のシールコート成分;
d)医薬組成物の約8〜約12重量%を構成する腸溶性コート成分;
e)存在する場合、医薬組成物の約0.1〜約0.3重量%を構成する任意の流動促進剤成分;
f)存在する場合、医薬組成物の約0.5〜約1.0重量%を構成する任意の可塑剤成分;
g)存在する場合、医薬組成物の約0.05〜約0.3重量%を構成する任意の中和剤成分;
h)存在する場合、医薬組成物の約0.005〜約0.025重量%を構成する任意の界面活性剤成分;
i)存在する場合、医薬組成物の約2.5〜約3.5重量%を構成する任意の潤滑剤成分
を含み、
活性薬物が、化合物A、または医薬的に許容し得るその塩、好ましくは化合物A・HClを含み;
充填剤成分が、微晶質セルロースを含み;
シールコート成分が存在する時、Opadry(登録商標)IIクリアを含み;
腸溶性コート成分が、メタクリルコポリマー、例えばEudragit(登録商標)L30D−55を含み;
流動促進剤成分が存在する時、モノ−およびジ−グリセリドを含み;
可塑剤成分が存在する時、トリエチルシトレートを含み;
中和剤成分が存在する時、NaOHを含み;
界面活性剤成分が存在する時、ポリソルベート80を含み;そして
潤滑剤成分が存在する時、タルクを含む、
医薬組成物を提供する。
を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、前記成分(c)、(e)、(f)、(g)、(h)、および(i)の各々が存在する。
【0038】
前記医薬組成物および方法の各々のいくつかの実施形態において、この組成物は、約0.5mg〜約5.0mgの活性薬物、または約1.0mg〜約3.0mgの活性薬物、または約1.5mg〜約2.5mgの活性薬物、または約20mg〜約30mgの活性薬物、または約22.5mg〜約27.5mgの活性薬物、または約24.0mg〜約26.0mgの活性薬物、または約50mg〜約100mgの活性薬物、または約65mg〜約85mgの活性薬物、または約70mg〜約80mgの活性薬物、または約75mg〜約125mgの活性薬物、または約90mg〜約110mgの活性薬物、または約72mg〜約76mgの活性薬物、または約20mg〜約110mgの活性薬物を含有する。
【0039】
いくつかのさらなる実施形態において、この組成物は、約50.0mg〜約750.0mgの活性薬物、または約50.0mg〜約200.0mgの活性薬物、または約100.0mg〜約175.0mgの活性薬物、または約125.0mg〜約175.0mgの活性薬物を含有する。
【0040】
いくつかのさらなる実施形態において、この組成物は、約100.0mg〜約750.0mgの活性薬物、または約150.0mg〜約750.0mgの活性薬物、または約200.0mg〜約750.0mgの活性薬物、または約300.0mg〜約750.0mgの活性薬物を含有する。いくつかの実施形態において、この組成物は、約2mg、約4mg、約10mg、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約750mgの活性薬物を含有する。
【0041】
本明細書に記載されている医薬組成物の各々のいくつかの実施形態において、この組成物はさらに、徐放性成分を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この徐放性成分は、任意のシールコート成分と腸溶性コート成分との間に配置されているコーティングである。いくつかの実施形態において、この徐放性コーティングは、放出制御賦形剤、例えばゼラチン、セラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、グリセリルベヘネート、パラフィン、またはカルナウバワックスのうちの1またはそれ以上を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
初期の毒性テストの間、薬品が経口懸濁液として与えられた時に、化合物A・HClへの催吐反応が、イヌに認められた。この薬品の放出を遅らせる、腸溶性コーティングがなされたカプセルが開発された。この配合物は、耐用性(tolerability)を改善し、イヌを用いた毒性調査において、より多い投薬を可能にすることが発見された。ヒト臨床調査については、用量柔軟性、および腸管におけるより均一な放出のための腸溶性コーティングされたカプセルよりも優れた利点を与える、腸溶性コーティングされたペレットが開発された。
【0043】
このようにして本発明は、[1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリン誘導体を含む医薬組成物、および特に抗精神病薬および肥満抑制薬の化合物A、または医薬的に許容し得るその塩、好ましくは化合物A・HClを提供する。いくつかの好ましい実施形態において、本発明の組成物は、遅延放出性配合物である。いくつかのこのような実施形態において、遅延放出性は、腸溶性コーティングを用いて達成される。いくつかの実施形態において、この組成物は、腸溶性コーティングされたペレットを含む。
【0044】
1つの実施形態において、本発明は、医薬組成物であって、
a)医薬組成物の約10〜約80重量%を構成する、医薬的に有効な量の活性薬物;
b)医薬組成物の約10〜約80重量%を構成する充填剤成分;
c)医薬組成物の約0.01〜約5重量%を構成する任意のシールコート成分;
d)医薬組成物の約0.01〜約20重量%を構成する腸溶性コート成分;
e)医薬組成物の約0.01〜約20重量%を構成する任意の流動促進剤成分;
f)医薬組成物の約0.01〜約3重量%を構成する任意の可塑剤成分;
g)医薬組成物の約0.01〜約1.5重量%を構成する任意の中和剤成分;
h)医薬組成物の約0.001〜約1.0重量%を構成する任意の界面活性剤成分;
i)医薬組成物の約0.01〜約5.0重量%を構成する任意の潤滑剤成分
を含み、この活性薬物が、式I:
【化4】

(式中:
1は、水素、1〜6炭素原子のアルキル、2〜6炭素原子のアルカノイル、または7〜11炭素原子のカルボアリールアルコキシであり;
2およびR3は各々独立して、水素、ヒドロキシ、1〜6炭素原子のアルキル、1〜6炭素原子のアルコキシ、ハロゲン、カルボキサミド、2〜6炭素原子のカルボアルコキシ、1〜6炭素原子のペルフルオロアルキル、シアノ、1〜6炭素原子のアルカンスルホンアミド、1〜6炭素原子のアルカンスルホニル、1〜6炭素原子のアルカンアミド、アミノ、1〜6炭素原子のアルキルアミノ、1アルキル部分あたり1〜6炭素原子のジアルキルアミノ、1〜6炭素原子のペルフルオロアルコキシ、2〜6炭素原子のアルカノイルオキシ、2〜6炭素原子のアルカノイル、6〜8炭素原子のアロイル、5〜7炭素原子のアリール、アリール部分に5〜7炭素原子を有するC6〜C13アルキルアリール基、5〜7員ヘテロアリール基、またはヘテロアリール部分に5〜7員を有する、6〜13員アルキルヘテロアリール基であり、ここで、アリールまたはヘテロアリール部分を有するいずれのR2またはR3置換基も場合により、アリールまたはヘテロアリール部分上で、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシ基から独立して選択された1〜3置換基で置換されてもよく;
4およびR5は独立して、水素または1〜6炭素原子のアルキルであるか、またはR4およびR5は、これらが付着している炭素とともに、4〜8炭素原子のシクロアルカン、4〜8炭素原子のシクロアルケン、5〜10炭素原子の架橋二環式アルカン、5〜10炭素原子の架橋二環式アルケン、硫黄原子が場合によりスルホキシドもしくはスルホンへ酸化されているピランもしくはチオピランから選択される環状部分を形成し、ここで、R4およびR5によって形成された環状部分は場合により、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシ基から独立して選択された1〜3置換基で置換されてもよく;
6およびR7は各々独立して、水素または1〜6炭素原子のアルキルであり;
nは1または2であり;そして
破線は、任意二重結合を表わす)または、
医薬的に許容し得るその塩
を有する医薬組成物を提供する。
【0045】
いくつかの実施形態において、R2は、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のペルフルオロアルキル、1〜6炭素原子のアルキル、1〜6炭素原子のアルコキシ、2〜6炭素原子のアルカノイル、1〜6炭素原子のアルカンスルホニル、または5〜7炭素原子のアリールである。いくつかのさらなる実施形態において、R2は、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のアルコキシ、フェニル、またはトリフルオロメチルである。なおさらなる実施形態において、R3は、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のペルフルオロアルキル、1〜6炭素原子のアルキル、1〜6炭素原子のアルコキシ、2〜6炭素原子のアルカノイル、1〜6炭素原子のアルカンスルホニル、または5〜7炭素原子のアリールである。
【0046】
いくつかのさらなる実施形態において、R3は、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のアルコキシ、フェニル、またはトリフルオロメチルである。さらなる実施形態において、R4およびR5は好ましくは、これらが付着している炭素原子とともに、5〜8炭素原子のシクロアルカンまたはシクロアルケン部分を形成し、ここで、これらの炭素原子の1またはそれ以上は、場合により1〜4炭素原子のアルキルによって置換されている。なおさらなる実施形態において、R4およびR5は好ましくは、これらが付着している炭素原子とともに、5〜7炭素原子のシクロアルカン部分を形成する。いくつかの実施形態において、R6およびR7は、各々水素である。さらなる実施形態において、nは1である。いくつかのさらなる実施形態において、R2およびR3は独立して、水素、ハロ、トリフルオロメチル、フェニル、または1〜3炭素原子のアルコキシから選択され、R1、R6、およびR7は各々水素であり、nは1であり、R4およびR5は、これらが付着している炭素原子とともに、シクロペンタン、シクロヘキサン、またはシクロヘプタンを形成する。
【0047】
いくつかの特に好ましい実施形態において、この活性薬物は、化合物A・HClである。
【0048】
いくつかの実施形態において、
活性薬物は、医薬組成物の約15〜約25重量%、または約20〜約22重量%、または約20〜約40重量%、または約30〜約40重量%を構成し;
充填剤成分は、医薬組成物の約50〜約70重量%、または約60〜約66重量%、または約40〜約70重量%、または約40〜約50重量%を構成し;
任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約3重量%、または約1〜約3重量%、または約1〜約2重量%、または約2〜約3重量%を構成し;
腸溶性コート成分は、医薬組成物の約5〜約15重量%、または約8〜約12重量%、または約12〜約16重量%、または約8〜約16重量%、または約9〜約11重量%、または約9.6〜約10.6重量%、または約10.0〜約10.2重量%を構成し;
任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約1重量%、または約0.1〜約0.3重量%、または約0.1〜約3重量%を構成し;
任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約1.5重量%、または約0.5〜約1.0重量%、または約0.5〜約2.0重量%を構成し;
任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約0.8重量%、または約0.05〜約0.3重量%、または約0.03〜約0.3重量%を構成し;
任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.05重量%、または約0.005〜約0.025重量%、または約0.001〜約0.3重量%を構成し;そして
任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約4重量%、または約2.5〜約3.5重量%、または約2.0〜約3.5重量%を構成する。
【0049】
いくつかのさらなる実施形態において、
a)活性薬物は、医薬組成物の約30〜約80重量%、または医薬組成物の約30〜約45重量%、または医薬組成物の約50〜約70重量%、または医薬組成物の約60〜約70重量%を構成し;
b)充填剤成分は、医薬組成物の約40〜約60重量%、または医薬組成物の約10〜約30重量%を構成し;
c)任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約3重量%を構成し;
d)腸溶性コート成分は、医薬組成物の約5〜約15重量%を構成し;
e)任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約2重量%を構成し;
f)任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約1.5重量%を構成し;
g)任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約0.8重量%を構成し;
h)任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.05重量%を構成し;そして
i)任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約4重量%を構成する。
【0050】
いくつかの実施形態において、流動促進剤成分、可塑剤成分、中和剤成分、界面活性剤成分、および潤滑剤成分は、各々配合物中に存在する。
【0051】
本明細書に記載されている医薬組成物および方法のいくつかの実施形態において、この組成物は、約0.5mg〜約5.0mgの活性薬物、または約1.0mg〜約3.0mgの活性薬物、または約1.5mg〜約2.5mgの活性薬物、または約20mg〜約30mgの活性薬物、または約22.5mg〜約27.5mgの活性薬物、または約24.0mg〜約26.0mgの活性薬物、または約50mg〜約100mgの活性薬物、または約65mg〜約85mgの活性薬物、または約70mg〜約80mgの活性薬物、または約75mg〜約125mgの活性薬物、または約90mg〜約110mgの活性薬物、または約72mg〜約76mgの活性薬物を含有する。
【0052】
いくつかのさらなる実施形態において、この組成物は、約50.0mg〜約750.0mgの活性薬物、または約50.0mg〜約200.0mgの活性薬物、または約100.0mg〜約175.0mgの活性薬物、または約125.0mg〜約175.0mgの活性薬物を含有する。
【0053】
いくつかのさらなる実施形態において、この組成物は、約100.0mg〜約750.0mgの活性薬物、または約150.0mg〜約750.0mgの活性薬物、または約200.0mg〜約750.0mgの活性薬物、または約300.0mg〜約750.0mgの活性薬物を含有する。いくつかの実施形態において、この組成物は、約2mg、約4mg、約10mg、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約750mgの活性薬物を含有する。
【0054】
前記組成物の各々のいくつかの実施形態において、この組成物は、複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む。いくつかのこのような実施形態において、これらの腸溶性コーティングされたペレットは、カプセル中に存在する。
【0055】
本発明はさらに、開示された医薬組成物の調製方法であって、
a)前記充填剤および前記活性薬物を含む未コーティングペレットの調製工程;
b)場合により、これらの未コーティングペレットへサブコートを加える工程;および
c)これらのペレットへ腸溶性コーティングを加える工程
を含む方法も提供する。
【0056】
いくつかの実施形態において、これらの方法はさらに、
d)所定の用量の化合物A、または医薬的に許容し得るその塩、好ましくは化合物A・HClを得るために、カプセルを前記ペレットで充填する工程
も含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、工程(a)は、
i)この充填剤とこの活性薬物とを混合して、混合物を形成する工程;
ii)この混合物を湿式造粒して、グラニュレートを形成する工程;および
iii)このグラニュレートを押出して、球状化する工程
を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、工程(c)は、
i)前記腸溶性コート、前記可塑剤、前記中和剤、および前記界面活性剤を含む懸濁液の調製工程;
ii)前記懸濁液を前記ペレット上にスプレーする工程
を含む。
【0059】
本発明はまた、本明細書に記載されている方法の生成物も提供する。
【0060】
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載されている組成物を含有する複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、これらのペレットは、
a)医薬組成物の約20〜約22重量%を構成する活性薬物;
b)医薬組成物の約60〜約66重量%を構成する充填剤成分;
c)存在する場合、医薬組成物の約1〜約2重量%を構成する任意のシールコート成分;
d)医薬組成物の約8〜約12重量%を構成する腸溶性コート成分;
e)存在する場合、医薬組成物の約0.1〜約0.3重量%を構成する任意の流動促進剤成分;
f)存在する場合、医薬組成物の約0.5〜約1.0重量%を構成する任意の可塑剤成分;
g)存在する場合、医薬組成物の約0.05〜約0.3重量%を構成する任意の中和剤成分;
h)存在する場合、医薬組成物の約0.005〜約0.025重量%を構成する任意の界面活性剤成分;
i)存在する場合、医薬組成物の約2.5〜約3.5重量%を構成する任意の潤滑剤成分
を含み、
活性薬物は、化合物A、または医薬的に許容し得るその塩、好ましくは化合物A・HClを含み;
充填剤成分は、微晶質セルロースを含み;
シールコート成分が存在する時、Opadry(登録商標)IIクリアを含み;
腸溶性コート成分は、メタクリルコポリマー、例えばEudragit(登録商標)L30D−55を含み;
流動促進剤成分が存在する時、モノ−およびジ−グリセリドを含み;
可塑剤成分が存在する時、トリエチルシトレートを含み;
中和剤成分が存在する時、NaOHを含み;
界面活性剤成分が存在する時、ポリソルベート80を含み;そして
潤滑剤成分が存在する時、タルクを含む。
【0061】
上記の複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む医薬組成物のいくつかの実施形態において、この活性薬物は、医薬組成物の約30〜約80重量%、または医薬組成物の約30〜約45重量%、または医薬組成物の約50〜約70重量%、または医薬組成物の約60〜約70重量%を構成し;充填剤成分は、医薬組成物の約40〜約60重量%、または医薬組成物の約10〜約30重量%を構成し;任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約3重量%を構成し;腸溶性コート成分は、医薬組成物の約5〜約15重量%を構成し;任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約2重量%を構成し;任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約1.5重量%を構成し;任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約0.8重量%を構成し;任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.05重量%を構成し;任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約4重量%を構成する。
【0062】
いくつかの実施形態において、前記成分(c)、(e)、(f)、(g)、(h)、および(i)の各々が存在する。
【0063】
いくつかの実施形態において、特に約30%未満、または約25%未満の充填剤を有する実施形態において、ペレット凝集を容易にするために、ペレット中にさらにバインダーを含めることが有利であることがある。医薬配合物用の多くの公知のバインダーのどれを用いてもよく、例えば非限定的にHPMCおよびポリビニルピロリドンである。適切なバインダーのさらなる例は、例えば下記Remington's Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。このバインダーは、いずれかの有効量で、例えばこの医薬組成物の約5重量%まで存在しうる。
【0064】
本明細書に記載されている医薬組成物の各々のいくつかの実施形態において、これらの組成物はさらに、徐放性成分を含んでいてもよい。一般にこの徐放性成分は、活性薬物の徐放性を引起こすコーティングである。いくつかの実施形態において、この徐放性コーティングは、任意のシールコート成分と腸溶性コート成分との間に配置されている。一般にこの徐放性コーティングは、1またはそれ以上の放出制御賦形剤を含む。当分野において公知の非常に多様なこのような材料のどれも適切である。適切な放出制御賦形剤の例は、ゼラチン、セラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、グリセリルベヘネート、パラフィン、またはカルナウバワックスのうちの1またはそれ以上を含む。適切な放出制御賦形剤のさらなる例は、上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。
【0065】
本明細書に記載されている医薬組成物の成分について示されている重量パーセンテージは、各成分が、カプセルに関係なく、最終医薬組成物を構成するパーセンテージであると理解されるであろう。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、腸溶性コーティングされたペレットを含むか、またはこれらから構成されている。いくつかのこのような実施形態において、この組成物に望まれる投薬量は、カプセルまたは同様な送達ビヒクルを、所望量の腸溶性コーティングされたペレットで充填することによって達成することができる。低投薬量が望まれるいくつかの例において、追加充填剤が、このカプセルの充填重量を増すために腸溶性コーティングされた活性ペレットへ添加されてもよい。医薬分野において有用ないずれかの便利な充填剤を用いることができる。このような追加充填剤の1つの非限定例は、不活性糖球(inert sugar spheres)である。
【0066】
一般に1または複数の活性薬物は、医薬組成物の約10〜約80重量%で存在しうる。いくつかの実施形態において、この活性薬物は、医薬組成物の約15〜約25重量%、または医薬組成物の約20〜約22重量%、または医薬組成物の約30〜約40重量%で存在しうる。いくつかのさらなる実施形態において、この活性薬物は、医薬組成物の約30〜約80重量%、または医薬組成物の約30〜約45重量%、または医薬組成物の約50〜約70重量%、または医薬組成物の約60〜約70重量%で存在しうる。いくつかの実施形態において、この活性薬物は、化合物A、または医薬的に許容し得るその塩を含む。
【0067】
充填剤成分は一般に、医薬組成物の約10〜約80重量%、約50〜約70重量%、または約60〜約66重量%、または約40〜約50重量%を構成する。いくつかのさらなる実施形態において、充填剤成分は、医薬組成物の約10%〜約30%、または約10%〜約20%を構成する。充填剤成分は、医薬調製物の調製に有用なあらゆる充填剤化合物を含んでいてもよい。適切な充填剤の例は、微晶質セルロース、ラクトース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ポリエチレングリコール、ほかの置換セルロース、例えばエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルシウムホスフェート、例えば無水ジカルシウムホスフェート、金属アルミノシリケート、例えばマグネシウムアルミノメタシリケート(例えばNeusilin(登録商標))、糖または炭水化物含有化合物、例えばマンニトール、スクロース、マルトデキストリン、ソルビトール、デンプン、およびキシリトール、ならびに金属ホスフェートおよび金属カルボネート、例えばマグネシウムカルボネートのうちの1またはそれ以上を含む。ほかの適切な充填剤材料は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences、17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985に見ることができ、これは参照してその全体が本明細書に組み込まれる。より好ましい実施形態において、この充填剤は、微晶質セルロースである。
【0068】
一般に、本発明の医薬組成物は、遅延放出配合物である。いくつかの実施形態において、遅延放出は、腸溶性コート成分(胃抵抗性コーティング)によって得られる。これは、小腸まで、活性薬物に至る放出を防ぐ。このようにして、いくつかの実施形態において、この腸溶性コート成分は、胃に見られるpHよりも高いpH(すなわち約1〜約2超のpH)で、かつ好ましくは小腸における活性薬物の放出を生じるのに適したpH(例えば少なくとも約5のpH、例えば約5〜約7のpH)での活性薬物の放出を与える。
【0069】
いくつかの実施形態において、シールコート(すなわちサブコート)が、場合により最初に加えられ、これは腸溶性コーティングに先立って、より均一な表面を与える。いくつかの実施形態において、シールコートは本質的に、瞬時放出性コートである。すなわちこれは、コーティング下のこれらの内容物の放出を有意に遅らせない。当分野において公知の多様な適切なシールコートを用いることができる。このようなシールコートの非限定例は、Opadry(登録商標)IIクリア、ほかのOpadry(登録商標)コート材料(カラーコン(Colorcon)から入手しうる)、Kollicoat(登録商標)(BASFから入手しうる、IR、IRホワイト、もしくはプロテクトグレード)、マルトデキストリン、およびPure−Cote(登録商標)(アイオワ州マスカティーン、グレイン・プロセシング社(Grain Processing Corp.)から入手しうる)、Pharmacoat(登録商標)(ニューヨーク州ニューヨーク、信越化学工業(株)から入手しうるヒドロキシプロピルメチルセルロース型ポリマー)、およびほかのセルロース−もしくはデンプン−ベースコートのうちの1またはそれ以上を含む。さらなる例は、上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。いくつかの好ましい実施形態において、このシールコート成分は、Opadry(登録商標)IIクリアを含む。一般に、任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約5重量%、約0.5〜約3重量%、または約1〜約2重量%、または約2〜約3重量%を構成する。
【0070】
一般に腸溶性コート成分は、医薬組成物の約0.01〜約20重量%、または約5〜約15重量%、または約8〜約12重量%、または約12〜約16重量%、または約9〜約11重量%、または約9.6〜約10.6重量%、または約10.0〜約10.2重量%を構成する。この腸溶性コート成分は、医薬分野において有用ないずれかの腸溶性コーティングを含んでいてもよい。
【0071】
典型的には、腸溶性コーティングは、このコーティングの腸溶性放出特徴を付与するのに役立つ1またはそれ以上のポリマーを含有する。適切な腸溶性コート成分(胃抵抗性コーティング)の例は、セルロースアセテートフタレート(CAP)(例えばAquacoat(登録商標)CPD)、同時処理された(co-processed)ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)(例えばシュアテティック(Suretetic))、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、メタクリルコポリマー(例えばニュージャージー州ピスカタウエイ(Piscataway)のローム・アメリカLLC、すなわちデグッサ社(Degussa AG)の一部門であるドイツ国ローム社(Rohm GmbH & Co. KG)の支社からのEudragit(登録商標)型ポリマー)、例えばEudragit(登録商標)L30D−55ドライポリマーであって、カルボン酸であるpHでアニオン性官能基を有するメタクリルコポリマーの分散液(30%固体)、Acryl−EZE(登録商標)(ペンシルベニア州ウエストポイントのカラーコン)であって、メタクリル酸コポリマーC型、Eastacryl(登録商標)(テネシー州キングスポートのイーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical Company, Kingsport))であって、アクリルポリマーの水性分散液、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)、およびほかのHPMC含有腸溶性コーティング、例えばSpectrablend(商標)(ニュージャージー州サウスプレインフィールド、センシエント・ファーマシューティカル・テクノロジーズ(Sensient Pharmaceutical Technologies, South Plainfield))を包含する。さらなる例は、上記Remington's Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。いくつかのより好ましい実施形態において、この腸溶性コート成分は、Eudragit(登録商標)L30D−55ドライポリマーを含む。いくつかの実施形態において、このコーティングは、未コーティングペレットの重量に対して、約12%〜約22%の腸溶性ポリマー(例えばEudragit(登録商標)L30D−55ドライポリマー)の増量が得られるように加えられる。
【0072】
一般に、任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約2重量%、約0.01〜約1重量%、または約0.1〜約0.3重量%、または約0.1〜約3重量%を構成する。流動促進剤は、当業界で公知のもののいずれであってもよい。非限定例は、モノ−およびジ−グリセリド、タルク、二酸化ケイ素、ステアリン酸、デンプン、粉末セルロース、ラクトース、ステアレート、カルシウムホスフェート、マグネシウムカルボネート、マグネシウムオキシド、シリケート、および二酸化ケイ素エーロゲルのうちの1またはそれ以上を含む。さらなる例は、上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。いくつかの好ましい実施形態において、この流動促進剤は、モノ−およびジ−グリセリド、例えばImwitor(登録商標)900Kを含む。
【0073】
一般に任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約3重量%、約0.1〜約1.5重量%、または約0.5〜約1.0重量%、または約0.5〜約2.0重量%を構成する。多様な可塑剤が、本明細書に記載されている組成物において有用である。非限定例は、トリエチルシトレート、ジブチルセベケート(dibutyl sebecate)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、ソルビトール、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、ジブチルフタレート、トリエチルシトレート、およびトリエタノールアミンのうちの1またはそれ以上を含む。適切な可塑剤のさらなる例は、上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。いくつかの好ましい実施形態において、この可塑剤成分は、トリエチルシトレートを含む。
【0074】
一般に任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約1.5重量%、約0.01〜約0.8重量%、または約0.05〜約0.3重量%、または約0.003〜約0.3重量%を構成する。医薬分野に適したあらゆる中和性化合物を用いることができる。非限定例は、NaOH、KOH、およびNH4OHのうちの1またはそれ以上を含む。適切な界面活性剤のさらなる例は、上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。いくつかの好ましい実施形態において、この中和剤成分は、NaOHを含む。
【0075】
一般に任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.001〜約1.0重量%、0.005〜約0.05重量%、または約0.005〜約0.025重量%、または約0.001〜約0.3重量%を構成する。当分野において公知の多様な界面活性剤を用いることができる。非限定例は、ポリソルベート80、ナトリウムラウリルスルフェート、スクロースパルミテート、ポロキサマー、ドクセートナトリウム、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアレート、スクロース脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルのうちの1またはそれ以上を含む。適切な界面活性剤のさらなる例は、上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。いくつかの好ましい実施形態において、この界面活性剤成分は、ポリソルベート80を含む。
【0076】
一般に任意の潤滑剤成分は、医薬組成物の約0.01〜約5.0重量%、約1〜約4重量%、または約2.5〜約3.5重量%、または約2.0〜約3.5重量%を構成する。当分野において公知の多様な潤滑剤成分を、本組成物中に用いることができる。適切な潤滑剤の非限定例は、タルク、金属ステアレート、二酸化ケイ素、ナトリウムステアリルフマレート、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪アルコール、グリセリルベヘネート、鉱油、パラフィン、水素化植物油、ロイシン、ポリエチレングリコール、金属ラウリルスルフェート、シリカ、例えばアエロジル(登録商標)200、およびナトリウムクロライドのうちの1またはそれ以上を含む。適切な潤滑剤のさらなる例は、上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesに見ることができる。いくつかの好ましい実施形態において、この流動促進剤成分は、タルクを含む。
【0077】
本明細書に記載されている配合物は、いずれかの従来から用いられている経口形態を含んでいてもよい。これは、タブレット、ペレット、カプセル、口腔形態、トローチ、飴錠剤、および経口液体、懸濁液などを包含する。カプセルが好ましい。本配合物を含有するカプセルまたはタブレットはまた、ほかの活性化合物または不活性充填剤および/または希釈剤、例えば医薬的に許容し得るデンプン(例えばコーン、ポテト、またはタピオカデンプン)、糖、人工甘味料、粉末セルロース、例えば結晶質および微晶質セルロース、小麦粉、ゼラチン、ガムなどの混合物と組み合わされてもよい。いくつかの好ましい実施形態において、これらの配合物は、カプセル中に含有される。
【0078】
タブレット配合物は、従来の圧縮方法によって製造することができ、医薬的に許容し得る希釈剤または充填剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、縣濁剤または安定剤を利用する。これは、マグネシウムステアレート、ステアリン酸、タルク、ナトリウムラウリルスルフェート、微晶質セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸、アカシアゴム、キサンタンガム、ナトリウムシトレート、複合シリケート、カルシウムカルボネート、グリシン、デキストリン、スクロース、ソルビトール、ジカルシウムホスフェート、カルシウムスルフェート、ラクトース、カオリン、マンニトール、ナトリウムクロライド、タルク、ドライデンプン、および粉末糖を包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0079】
本発明の配合物を用いた場合に有用な追加のフィルムコーティングは、当分野において公知であり、一般に、ポリマー(通常、セルロース型のポリマー)、着色料、および可塑剤からなる。追加の成分、例えば湿潤剤、糖、風味料、オイル、および潤滑剤が、フィルムコートへあるいくつかの特徴を付与するために、フィルムコーティング配合物中に含まれてもよい。本発明における組成物および配合物はまた、固体として組み合わされ、加工処理され、ついでカプセル形態、例えばゼラチンカプセルに入れられてもよい。
【0080】
理解されるように、本発明の配合物のいくつかの成分は、多重機能を有しうる。いくつかのこのような場合、ある一定の成分の機能は、たとえその特性が多重機能を許容しうるとしても、単一と考えることができる。
【0081】
本発明における医薬組成物および賦形剤系はまた、酸化防止剤、または酸化防止剤の混合物、例えばアスコルビン酸も含有しうる。用いることができるほかの酸化防止剤は、場合によりある量のアスコルビン酸とともにナトリウムアスコルベートおよびアスコルビルパルミテートを含む。1または複数の酸化防止剤の範囲の例は、約15重量%まで、例えば約0.05〜約15重量%、約0.5〜約15重量%、または約0.5〜約5重量%である。いくつかの実施形態において、これらの医薬組成物は、実質的に酸化防止剤を含有しない。
【0082】
本発明の固体分散剤とともに用いるのに適した追加の多数の様々な賦形剤、投薬形態、分散剤などは、当分野において公知であり、例えば上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
【0083】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている、化合物A・HClを含有する医薬組成物およびこれを含む投薬形態は、治療的有効量の化合物A・HClを、これを必要としている患者へ供給する。このような投薬量は、本発明の単一または単位投薬形態によって、または多重のこのような投薬形態の投与によって供給することができることは、当業者によって理解されるであろう。例えばいくつかの実施形態において、患者は、好ましくは約175mg〜約200mgのBIDの2回投薬で与えられた、約350mg〜約400mgの化合物A・HClの全部で24時間の投薬で治療される。このような投薬量は、本発明の単一投薬形態、すなわち所望の用量の化合物A・HClを含有する、本発明の組成物を含有するか、またはこれからなる投薬形態を投与することによって得ることができる。あるいはまた、合わせて所望の投薬量を含有する複数のこのような投薬形態を用いることができる。例えば、各々100mgを含有する本発明の2つの投薬形態は、化合物A・HClの200mg用量を得るために用いることができる。
【0084】
いくつかの実施形態において、本発明の配合物は、活性薬物、好ましくは化合物A・HClの腸溶性放出を与える。いくつかの実施形態において、化合物A・HClの放出は、以下のものを提供するのに効果的である:
100mgの化合物A・HClの投薬量に対して約33.23hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または100mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有するヒト統合失調症患者において、化合物A・HClについての平均血漿濃度プロフィール;または
150mgの化合物A・HClの投薬量に対して約54.88hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または150mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有するヒト統合失調症患者において、化合物A・HClについての平均血漿濃度プロフィール;または
250mgの化合物A・HClの投薬量に対して約173.49hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または250mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有するヒト統合失調症患者において、化合物A・HClについての平均血漿濃度プロフィール;または
25mgの化合物A・HClの投薬量に対して約8.73hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または25mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、化合物A・HClについての平均血漿濃度プロフィール;または
50mgの化合物A・HClの投薬量に対して約26.49hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または50mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、化合物A・HClについての平均血漿濃度プロフィール;または
75mgの化合物A・HClの投薬量に対して約24.95hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または75mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、化合物A・HClについての平均血漿濃度プロフィール;または
100mgの化合物A・HClの投薬量に対して約62.76hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または100mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、化合物A・HClについての平均血漿濃度プロフィール;または
150mgの化合物A・HClの投薬量に対して約109.50hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または150mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、化合物A・HClについての平均血漿濃度プロフィール;または
250mgの化合物A・HClの投薬量に対して約234.75hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または250mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、化合物A・HClについての平均血漿濃度プロフィール;または
健康なヒトまたは統合失調症患者において約4〜約6.5時間のTmax
【0085】
いくつかのさらなる実施形態において、本発明は、約2〜約150mgの化合物A・HClを含む単位投薬形態であって、対象への投与の約4〜約8時間後に化合物AのCmaxを生じる投薬形態を提供する。
【0086】
いくつかのさらなる実施形態において、本発明は、化合物A・HCl、および分解性コーティングを含む薬剤の単位投薬形態であって、化合物Aの30%未満が2時間後に放出されるように、コーティングが分解することを特徴とする投薬形態を提供する。
【0087】
いくつかのさらなる実施形態において、本発明は、化合物A・HClの均一投薬量を有する薬剤の単位投薬形態であって、化合物A・HClが、対象への投与の約4〜約8時間後の間に化合物AのCmaxが発生するように放出される、経口投与時の溶解プロフィールを特徴とする投薬形態を提供する。いくつかのこのような実施形態において、この投薬形態は、複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む。
【0088】
いくつかのさらなる実施形態において、本発明は、化合物A・HClおよびバインダーまたは充填剤を含むコーティングされた押出し物であって、単位投薬形態中に配合された時、化合物AのCmaxが、被験者への投与の約4〜約8時間後に発生するように化合物A・HClの放出を達成することを特徴とする押出し物を提供する。いくつかのこのような実施形態において、充填剤またはバインダーは、微晶質セルロース、ラクトース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ポリエチレングリコール、置換セルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルシウムホスフェート、無水ジカルシウムホスフェート、金属アルミノシリケート、マグネシウムアルミノメタシリケート(Neusilin(登録商標))、糖または炭水化物含有化合物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、ソルビトール、デンプン、キシリトール、金属ホスフェート、金属カルボネートおよびマグネシウムカルボネートからなる群から選択され、好ましくは微晶質セルロースである。
【0089】
いくつかのさらなる実施形態において、本発明は、化合物A・HClを含む配合物の調製方法であって、
化合物A・HClを含むペレットを供給する工程;および
腸溶性コーティングポリマーを含む腸溶性コーティングを、未コーティングペレットの重量に対して、約12%〜約22%の腸溶性コーティングポリマーの増量を与える量でこれらのペレットに加える工程
を含む方法を提供する。
【0090】
いくつかのさらなる実施形態において、本発明は、化合物A・HClを含む配合物の調製方法であって、
化合物A・HClを含むペレットを供給する工程;および
腸溶性コーティング(ここで、化合物AのCmaxが、対象への投与の約4〜約8時間後に発生するように化合物A・HClが放出されるように、この配合物の投与後にコーティングが分解する)をこれらのペレットに加える工程
を含む方法を提供する。いくつかのこのような実施形態において、このコーティングは、2時間後の化合物A・HClの30%未満の放出を特徴とする溶解プロフィールを達成する。
【0091】
下で考察されているように、本発明の配合物の投与の時、小さい二次ピークが、定常状態で、投与の約24〜28時間後に見られた。したがっていくつかの実施形態において、本発明の配合物は、最大ピーク、ついでより小さい値の二次ピークを特徴とする化合物A・HClの血清レベルを生じる。
【0092】
本明細書において報告されている「Cmax」、「Tmax」、および「AUC」値は、「平均」値であると記載されているのでなければ、個人患者において観察された値のことを言う。さらには、Cmax、Tmax、およびAUC値は、ほかの記載がなければ、複数の日数の間、規則的な時間間隔で(例えば12時間毎に)投与した(例えば多重用量投与)時に定常状態で観察された値、または単一用量投与についての値であってもよい。いくつかの実施形態において、本発明の配合物は、活性薬物、例えば下に記載された動的パラメーター、例えばCmax、Tmax、およびAUCの1またはそれ以上に一致する化合物A・HClについての放出特徴を提供する。本発明のこのような実施形態は、本明細書の表および図面に記載されている値の±20%である、これらのパラメーターについての値を含むものとする。
【0093】
本明細書において用いられているようなアルキルは、脂肪族炭化水素鎖のことを言い、直鎖および分岐鎖、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオ−ペンチル、n−ヘキシル、およびイソヘキシルを包含するが、これらに限定されるわけではない。低級アルキルとは、1〜3炭素原子を有するアルキルのことを言う。
【0094】
本明細書において用いられているようなアルカンアミドは、基R−C(=O)−NH−(式中、Rは、1〜5炭素原子のアルキル基である)のことを言う。
【0095】
本明細書において用いられているようなアルカノールは、基R−C(=O)−(式中、Rは、1〜5炭素原子のアルキル基である)のことを言う。
【0096】
本明細書において用いられているようなアルカノイルオキシは、基R−C(=O)−O−(式中、Rは、1〜5炭素原子のアルキル基である)のことを言う。
【0097】
本明細書において用いられているようなアルカンスルホンアミドは、基R−S(O)2−NH−(式中、Rは、1〜6炭素原子のアルキル基である)のことを言う。
【0098】
本明細書において用いられているようなアルカンスルホニルは、基R−S(O)2−(式中、Rは、1〜6炭素原子のアルキル基である)のことを言う。
【0099】
本明細書において用いられているようなアルコキシは、基R−O−(式中、Rは、1〜6炭素原子のアルキル基である)のことを言う。
【0100】
本明細書において用いられているようなアリールは、芳香族5〜7員一炭素環式環、例えばフェニルのことを言う。ヘテロアリールは、独立して窒素、酸素、または硫黄であってもよい、1または2へテロ原子を有する単環式環を含有する芳香族5〜7員一炭素を意味する。
【0101】
本明細書において用いられているようなアロイルは、基Ar−C(=O)−(式中、Arは上に規定されているようなアリールである)のことを言う。例えばC6〜C8アロイル部分は、Ar−C(=O)−(式中、Arは、芳香族5〜7員一炭素環式環である)のことを言う。
【0102】
本明細書において用いられているようなアルキルアリールは、基−R−Ar(式中、Arは上に規定されているようなアリールであり、Rは、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3炭素原子を有するアルキル部分である)のことを言う。アルキルアリールの例は、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、および4−フェニルブチルを包含する。本明細書において用いられているようなアルキルヘテロアリールは、基−R−hetAr(式中、Arは、上に規定されているようなヘテロアリールであり、Rは、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3炭素原子を有するアルキル部分である)のことを言う。
【0103】
本明細書において用いられているようなカルボキサミドは、基NH2−C(=O)−のことを言う。
【0104】
本明細書において用いられているようなカルボアルコキシは、基R−O−C(=O)−(式中、Rは1〜5炭素原子のアルキル基である)のことを言う。
【0105】
本明細書において用いられているようなカルボアリールアルコキシは、基Ar−Ra−O−C(=O)−(式中、Arは、上に規定されているようなアリールであり、Raは1〜3炭素原子の低級アルキル基である)のことを言う。
【0106】
本発明の医薬組成物は、精神障害の治療に用いられてもよい。これは、精神病、例えば妄想型、破爪型、緊張型、および識別不能型を包含する統合失調症、統合失調症様障害、統合失調症感情障害、妄想性障害、物質誘発性精神病、およびほかに特定されない精神病;L−DOPA−誘発性精神病;アルツハイマー型認知症に関連した精神病;パーキンソン病に関連した精神病;レビー小体病に関連した精神病;双極性障害、例えばI型双極性障害、II型双極性障害、および気分循環性障害;鬱病性障害、例えば大鬱病性障害、気分変調性障害、物質誘発性気分障害、およびほかに特定されない鬱病性障害;気分エピソード、例えば大鬱病性エピソード、躁病性エピソード、混合エピソード、および軽躁病性エピソード;不安障害、例えば不安発作、広場恐怖症、パニック障害、恐怖症(specific phobia)、対人恐怖、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、分離不安障害、物質誘発性不安障害、およびほかに特定されない不安障害;適応障害、例えば不安および/または抑鬱気分を有する適応障害;知的欠陥障害、例えば認知症、アルツハイマー病、および記憶障害;摂食障害(例えば過食、過食症、または拒食症)、および哺乳類に存在しうるこれらの精神障害の組み合わせを包含する。例えば、気分障害、例えば鬱病性障害または双極性障害は、精神異常、例えば統合失調症にともなって起こることが多い。前記精神障害のより完全な記載は、「精神障害の診断および統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」、第4版、ワシントンDC、アメリカ精神科協会(American Psychiatric Association)(1994年)において見ることができる。
【0107】
本発明の医薬組成物はまた、癲癇;片頭痛;性機能不全;睡眠障害;胃腸障害、例えば胃腸の運動性の機能不全;およびII型糖尿病、心臓血管病、高血圧、高脂血症、脳卒中、変形性関節症、睡眠時無呼吸、胆嚢病、痛風、なんらかの癌、ならかの不妊症、および早死を包含する、その結果として生じる併存疾患を有する肥満の治療にも有利である。本発明の医薬組成物はまた、例えば外傷、脳卒中、および脊椎損傷に関連した中枢神経系欠陥の治療にも用いることができる。本発明の医薬組成物はしたがって、問題の疾患または外傷の間またはその後の中枢神経系活動のさらなる悪化を改善または阻害するために用いることができる。これらの改善には、運動および運動性技能、制御、調整、および強さの維持または改良も含まれる。
【0108】
このようにして本発明は、哺乳類、好ましくはヒトにおける、上にリストアップされた疾患の各々の治療方法であって、治療的有効量のこの発明の医薬組成物を、これを必要としている哺乳類へ供給することを含む方法を提供する。本明細書において用いられているような「治療」によって、障害の部分的または完全な軽減、阻害、予防、改善、および/または緩和を意味する。例えば、本明細書において用いられているような「治療」は、問題の状態の部分的または完全な軽減、阻害、または緩和を包含する。
【0109】
本明細書において示されている材料、方法、および実施例は、例証的であるものとし、本発明の範囲を制限するものではない。本明細書において挙げられているすべての出版物、特許出願、特許、およびほかの引例は、参照してその全体が組み込まれる。
【0110】
(実施例)
理解されるであろうが、本明細書に開示されている組成物の様々な成分の最適量は、これらの組成物の調製のために選択されたプロセスパラメーターとともに変えることができる。本明細書に示された実施例は、どの点においても本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0111】
化合物A・HClを含有する腸溶性コーティングされたカプセルの調製
高用量カプセルが、2%クロスポビドンと0.25%Mgステアレートとを含有する化合物A・HClの97.75%造粒を行なうことによって調製された。低強度カプセルが、ラクトースを希釈剤として添加することによって調製された。造粒は、湿式造粒方法によって行なわれた。カプセルは、Clear・Opadry(登録商標)サブコート、ついでEudragit(登録商標)の水性分散液を用いて、コーティング・パンにおいてコーティングされた。このコーティングは、Eudragit(登録商標)ポリマーの%増量が、酸中へのこの薬品物質の放出を防ぎ、かつ約60分後にpH6.8緩衝液中の完全放出を生じるのに十分になるまで、約30〜35℃の床温度において加えられた。小さいバッチは、溶媒を用いて手で調製された。
【実施例2】
【0112】
化合物A・HCl腸溶性コーティングされたペレットを含有するカプセルの調製
これらの配合物は、サブコートおよび腸溶性コートを含有する化合物A・HClを含有する球(ペレット)からなっていた。3つのカプセル強度が、充填重量を調節することによって、腸溶性コーティングされたペレット(約20%w/w化合物A・HCl)の通常の素材(stock)から調製された。総充填重量を25〜75mgカプセル充填重量の範囲内に入れるために、不活性糖球が、2mgカプセルについて腸溶性コーティングされた活性ペレットへ添加される。
【0113】
化合物A・HCl腸溶性コーティングされたペレットの調製
化合物A・HCl 25%未コーティングペレットが、押出し/球状化方法を用いることによって調製された。この化合物A・HCl 25%未コーティングペレットは、25%化合物A・HCl薬品物質および75%微小質セルロース(MCC)からなっていた。USP水が、MCCでの25%化合物A・HClの湿式造粒を行なうために用いられた。核を調製するために、下記の押出しおよび球状化方法が用いられた。
【0114】
この化合物A・HCl 25%未コーティングペレットは、次の手順にしたがって調製された:
1.微晶質セルロース(75%)と化合物A・HCl(25%)とが、5分間混合された。
2.この混合物が、精製水USPで顆粒化され、押出しに適した湿潤塊体が形成された。
3.この顆粒化物は、1.0mmスクリーンを有するNica(商標)押出し機/球状化機を用いて押出された。
4.この押出し物は、Nica(商標)押出し機/球状化機を用いて球状化された。
およその球状化時間は5分であった。
5.これらのペレットは、流動床乾燥機において、50℃±5℃の流入温度で、Computracにおいて100℃でテストされた3〜4%の含水率まで乾燥された。
【0115】
上の手順によって調製された化合物A・HCl 25%未コーティングペレットのそれぞれの粒子サイズ分布が、下の表1に示されている。
【表1】

【0116】
化合物A・HCl 20%腸溶性コーティングされたペレットの調製
化合物A・HCl 25%ペレットの腸溶性コーティングレベルが、酸からの完全な保護を与え、かつ最小コーティングレベルを有する様々なコーティングレベルから選択された。腸溶性コーティング層において、乾燥Eudragit(登録商標)ポリマー増量の14%は、この薬品の酸からの完全な保護、およびついで緩衝相中のこの薬品の放出を与えることができるし、この薬品のほぼ100%が、pH6.8緩衝液中で2時間後に放出されると決定された。
【0117】
酸溶解からの保護およびpH6.8緩衝液中の完全放出を与えるために、十分なコーティングがこれらのペレットへ確実に加えられるように、処理中の溶解テストが用いられた。
【0118】
1)未コーティングペレットのサブコーティング
腸溶性コーティング層を加える前に、オパドライIIクリアを用いて、活性ペレット上へサブコートが加えられた。サブコートは、腸溶性コーティングに先立って、これらのペレットへ均一な表面を与えるために用いられた。スプレーノズルを詰まらせる傾向があり、かつこの分散液中で不均一になる傾向があるタルクの使用をともなわずに分散液へ良好な潤滑を与えるために、Eudragit(登録商標)分散液が、グリセリルモノステアレート(Imwitor(登録商標))とともに配合された。次の配合物が調製された:
サブコーティング溶液(5.0%重量/重量固体)
オパドライIIクリアY−19−7483溶液の5.0%重量/重量が、当初シールコートにおいて用いられた。1kgのシールコーティング溶液の調製物が、下に示されている:

【表2】

手順:
1.精製水USP/BP/EPが、低せん断(ライトニン(Lightnin)型)または適切なミキサーを備えた適切な容器に入れられた。
2.Opadry(登録商標)IIクリアY−19−7483が、工程1における適度の攪拌によって、精製水USP/BP/EP中に生じた渦巻きへ、小さい増分で添加された。
3.工程2混合物の攪拌は、最低1時間、またはすべてのOpadry(登録商標)IIクリアが溶解されるまで続行された。
4.工程3の溶液は、必要であれば、精製水USP/BP/EPを用いて総計算重量にされた。
5.この溶液は、使用を待ちながら、室温で十分に閉鎖された容器に保存された。この溶液は、室温で保存された時、24時間以内に用いられた。この溶液は、84時間、2〜10℃で保存されてもよい。
【0119】
最初のシーリングコーティングのために、次のコーティングパラメーターが用いられた:
【表3】

【0120】
2)ペレットへの腸溶性コートの塗布
サブコート後、約14%腸溶性コーティングの層(ドライポリマー重量を基準にして14.81%重量/重量固体)が、ペレットへ加えられた。このコーティング溶液配合物およびコーティングパラメーターは、下にリストアップされている。
腸溶性コーティング分散液の調製(14.81%重量/重量固体)
A.Imwitor(登録商標)900K分散液の調製
200gのImwitor(登録商標)900K分散液についての処方は、次のとおりである:
【表4】

手順:
1.精製水USP/BP/EP、Imwitor(登録商標)900K、トリエチルシトレート、およびツイーン80、植物グレードが、適切なサイズのビーカーに注ぎ込まれ、磁気攪拌棒により攪拌しながら65℃まで加熱された。
2.この混合物は、適切なホモジナイザーを用いて15分間均質化された。
3.20℃までの冷却後、この混合物は、ポリマー分散液へ添加された。
【0121】
B.腸溶性コーティング懸濁液の調製
次の表は、1kgの腸溶性コーティング懸濁液についての処方を示す:
【表5】

手順:
1.Eudragit(登録商標)L30D−55が、低せん断(ライトニン型)または適切なミキサーを備えた適切な容器に入れられた。Eudragit(登録商標)は、分散に先立って180ミクロンハンドスクリーンを通してスクリーニングされる方がよいことに留意のこと。
2.適度の攪拌をともなって、トリエチルシトレート、NF、およびImwitor(登録商標)900K分散液が、工程1懸濁液へ徐々に添加された。ついで400.00gの精製水が、懸濁液へ添加され、攪拌が最低60分間続行された。
3.水酸化ナトリウムNF 1N溶液が、pHを5.45に徐々に調節するために、工程2からの懸濁液へ添加された。
4.工程3懸濁液が、必要であれば精製水USP/BP/EPで総計算重量にされ、完全に均一な混合物を得るために、最低30分間混合された。
5.この混合物は、スプレープロセスの開始前に、48時間まで攪拌下に室温で保存された。
6.この混合物は、使用前に180ミクロンハンドスクリーンを通してスクリーニングされた。
【0122】
腸溶性コーティングのためのコーティングパラメーター
次のものは、腸溶性コーティングプロセスについての目標コーティングパラメーターを示す:
【表6】

【0123】
化合物A・HCl 2、25、75、および100mg腸溶性コーティングされたペレットの配合物が、下の表2に示されている:
【表7】

【0124】
化合物A・HCl 2、25、75、および100mg腸溶性コーティングされたペレットの配合物中に用いられている賦形剤の機能が、下の表3にリストアップされている。
【表8】

【実施例3】
【0125】
75、100、125、および150mg強度化合物A・HCl腸溶性コーティングされたペレットを含有するカプセルの調製
実施例2の手順が用いられた。その違いは、未コーティングペレットが、45%化合物A・HClおよび55%微晶質セルロース(MCC)を含有しているということであった。これらのペレットのコーティングは、実施例2においてのように実施された(同じ配合物が同じ増量へ加えられた)が、1%モノ−およびジ−グリセリドを含有していた。カプセルはついで、150mg投薬量まで充填された。所望であれば、カプセルは、ほかの投薬量、例えば75mg、100mg、または125mgまで充填することができる。
【実施例4】
【0126】
200、300、500、および750mg強度化合物A・HCl腸溶性コーティングされたペレットを含有するカプセルの調製
実施例2の手順が用いられる。その違いは、未コーティングペレットが、80%化合物A・HClおよび20%微晶質セルロース(MCC)を含有しているということである。これらのペレットのコーティングは、実施例2においてのように実施される(同じ配合物が同じ増量へ加えられた)が、1%モノ−およびジ−グリセリドを含有している。カプセルはついで、200mg、300mg、500mg、または750mgの投薬量まで充填される。
【実施例5】
【0127】
経口溶液と腸溶性配合物との比較
化合物A(150mg)が、10時間の一晩絶食後、経口溶液の形態で、および150mg腸溶性カプセルとして、6人の健康な若い被検者へ投与された。経口投与の時、化合物Aは、腸溶性コーティングされたカプセル配合物(150mg、絶食)と比較して、溶液から、より急速に吸収された。平均Tmaxは2.3時間である(カプセルについての平均Tmax=7.0時間に対して)。図1から分かるように、化合物A Cmaxは、カプセルと比較して、溶液を用いた場合、約1.8倍高かった(溶液の場合の平均Cmax=7.5ng/mL対カプセルについての平均Cmax=4.1ng/mL、p<0.05)。化合物Aの排出t1/2は、約6.6時間であることが発見された。2つの異なる配合物を用いて、化合物A AUC、CL/F、Vz/F、およびt1/2において有意差はなかった(p>0.05)。
【0128】
これらの結果は、腸溶性カプセルについてのCmaxがより小さく、したがってGI副作用についての可能性の減少を生じるが、これらの2つの配合物のバイオアベイラビリティーは同等であることを示す。結論として、溶液は、暴露およびクリアランスの点で、カプセルと有意に異なる挙動をしない。
【実施例6】
【0129】
健康な被験者への、化合物A・HClを含有する腸溶性コーティングされたカプセルの投与
25、50、75、100、150、および250mg化合物A・HClの上行性(ascending)多重用量が、8人の健康な被験者(6人活性および2人プラシーボ)のコホートにおいて14日間、一日2回投薬計画(q12h)として投与された。化合物A・HCl分析のための血液サンプルが、1日目および14日目に、テスト品投与の2時間以内に、およびテスト品投与の0.5〜48時間後の様々な時点で得られた。用量は、これらの2日間、少なくとも10時間の一晩絶食後に経口投与された。定常状態に達したかどうかを評価するために、7、10、および12日目に、トラフ(trough)PKサンプルが収集された。
【0130】
全部で48人の被験者が、この分析のために薬物動態学的データを与えた。単一および多重用量後、化合物A・HClについての薬物動態学的パラメーターが、それぞれ表4Aおよび4Bに示されている。図2は、1日目および14日目における化合物A・HCl平均血漿濃度対時間プロフィールを示す。図3は、様々な用量レベルにおいて、7、10、および12日目における化合物A・HClトラフレベルを示す。図4Aおよび4Bは、それぞれCmax対用量とAUC対用量との関係を示す。
【0131】
単一用量および多重用量の両方の投与後、化合物A・HClは、平均Tmaxが4〜6時間で、腸溶性コーティングされた配合物から吸収された。患者における化合物A・HClの平均排出t1/2は、8〜11時間(単一用量)および6〜8時間(多重用量)であった。
【0132】
小さい二次ピークは、被験者の大部分において、すべての用量グループで14日目に約24〜28時間の時点で見られた。
【0133】
化合物A・HCl Cmax対用量とAUC対用量との間の関係は、等式CmaxまたはAUC=a*(用量)bを用いて記載された。化合物A・HClは、単一用量および定常状態AUCおよびCmaxについて、25〜150mg q12hの用量範囲にわたって、ほぼ直線の用量比例性を示した。しかしながら、定常状態CmaxおよびAUCにおける、比例よりもわずかに上回る(greater-than-proportional)増加が、250mg q12h用量で見られ(用量における2倍増加に対してAUCにおける約21.4倍増加、用量における2倍増加に対してCmaxにおける約21.3倍増加)、定常状態Cl/Fは、より低い用量グループと比較して、250mg q12h用量で54〜60%低かった。用量比例性のグラフ評価が、図4Aおよび4Bに示されている。
【表9】

【表10】

【実施例7】
【0134】
統合失調症患者への、化合物A・HClを含有する腸溶性コーティングされたカプセルの投与
100、150、および250mg化合物A・HClの上行性多重用量が、8人の統合失調症患者(6人活性および2人プラシーボ)のコホートにおいて10日間、一日2回投薬計画(q12h)として投与された。化合物A・HCl分析のための血液サンプルが、1日目に、テスト品投与の2時間以内に、およびテスト品投与の0.5〜24時間後の様々な時点で得られた。10日目に、血液サンプルが、用量投与の12時間後までに収集された。用量は、これらの2日間、少なくとも10時間の一晩絶食後に経口投与された。定常状態に達したかどうかを評価するために、6、8、および9日目に、トラフPKサンプルが収集された。
【0135】
単一および多重用量後、化合物A・HClについての薬物動態学的パラメーターが、それぞれ表5Aおよび5Bに示されている。図5は、1日目および10日目における化合物A・HCl平均血漿濃度対時間プロフィールを示す。図6は、様々な用量レベルにおいて、6、8、および9日目における化合物A・HClトラフレベルを示す。図7Aおよび7Bは、それぞれCmax対用量とAUC対用量との間の関係を示す。健康な被験者と統合失調症患者との間の化合物A・HClの定常状態薬物動態学的パラメーターの比較が、表8に示されている。
【0136】
統合失調症患者への単一用量および多重用量の両方の投与後、化合物A・HClは、腸溶性コーティングされた配合物から吸収された。平均Tmaxは4〜5時間であった。患者における化合物A・HClの平均排出t1/2は、単一用量投与の8〜10時間後であった。多重用量投与後の排出t1/2は、サンプルが24時間までについてのみ収集されただけなので、正確に評価することはできない。
【0137】
化合物A・HCl Cmax対用量とAUC対用量との間の関係は、等式CmaxまたはAUC=a*(用量)bを用いて記載された。定常状態CmaxおよびAUCは、250mg q12h用量で、比例性を上回るように増加するように見えた(用量の2倍増加に対してAUCおよびCmaxにおける約21.6倍増加)。指数(exponent)値における1からの逸脱は、大部分、この用量グループにおいて非常に高い血漿濃度を有する二人の患者(外れ値)によって引起こされた。用量と暴露との間の関係は、これら二人の外れ値患者を分析から除外した後、ほぼ直線的であった。用量比例性のグラフ評価が、図7Aおよび7Bに示されている。これらの用量比例結果は、健康な患者からの結果と一貫性があり、この場合、暴露における比例を上回る増加が、250mgの多重経口用量後に見られた。非直線性の同様な兆候はまた、500mgの化合物A・HClの単一経口用量後、単一上行性用量試験においても見られた。250mg q12h用量レベルにおける化合物A・HClのTmaxまたはt1/2において、有意差はなかった。
【0138】
化合物A・HCl薬物動態学における有意差は、健康な被験者と統合失調症患者との間には見られなかった。
【表11】

【表12】

【0139】
本特許文献に挙げられている書籍を包含する特許、出願、および印刷された出版物の各々は、参照してその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0140】
本出願は、2004年11月5日に出願された米国仮出願第60/625,280号の優先権を主張し、これの全体の開示が、参照してその全体が本明細書に組み込まれる。
【0141】
当業者なら理解するであろうが、本発明の好ましい実施形態に対して本発明の精神から逸脱することなく、多くの変更および修正がなされてもよい。すべてのこのような変形例は、本発明の範囲内に入るものとする。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明による腸溶性投薬形態と比較した、溶液としての150mg化合物Aの単一用量投与後についての、化合物A平均血漿濃度対時間プロフィールを示す。
【図2】25、50、75、100、150、または250mg化合物A・HClの単一および多重(q12h)経口用量を受けている健康な被験者における、化合物A・HCl血漿濃度(平均±SEM)対時間プロフィールを示す。
【図3】25、50、75、100、150、または250mg化合物A・HClの多重(q12h)経口用量を受けている健康な被験者における、化合物A・HClトラフ血漿濃度を示す。
【図4A】25、50、75、100、150、または250mg化合物A・HClの単一および多重(q12h)経口用量を受けている健康な若い被験者における、化合物A・HCl Cmaxと用量との間の関係を示す。
【図4B】25、50、75、100、150、または250mg化合物A・HClの単一および多重(q12h)経口用量を受けている健康な若い被験者における、化合物A・HCl AUCと用量との間の関係を示す。
【図5】100、150、または250mg化合物A・HClの単一および多重(q12h)経口用量を受けている統合失調症患者における、化合物A・HCl血漿濃度(平均±SEM)対時間プロフィールを示す。
【図6】100、150、または250mg化合物A・HClの多重(q12h)経口用量を受けている統合失調症患者における、化合物A・HClトラフ血漿濃度を示す。
【図7A】100、150、または250mg化合物A・HClの単一および多重(q12h)経口用量を受けている統合失調症患者における、化合物A・HCl Cmaxと用量との間の関係を示す。
【図7B】100、150、または250mg化合物A・HClの単一および多重(q12h)経口用量を受けている統合失調症患者における、化合物A・HCl AUCと用量との間の関係を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬組成物であって、
a)医薬組成物の約10〜約80重量%を構成する、医薬的に有効な量の活性薬物;
b)医薬組成物の約10〜約80重量%を構成する充填剤成分;
c)医薬組成物の約0.01〜約5重量%を構成する任意のシールコート成分;
d)医薬組成物の約0.01〜約20重量%を構成する腸溶性コート成分;
e)医薬組成物の約0.01〜約20重量%を構成する任意の流動促進剤成分;
f)医薬組成物の約0.01〜約3重量%を構成する任意の可塑剤成分;
g)医薬組成物の約0.01〜約1.5重量%を構成する任意の中和剤成分;
h)医薬組成物の約0.001〜約1.0重量%を構成する任意の界面活性剤成分;
i)医薬組成物の約0.01〜約5.0重量%を構成する任意の潤滑剤成分
を含み、前記活性薬物が、式I:
【化1】

(式中:
1は、水素、1〜6炭素原子のアルキル、2〜6炭素原子のアルカノイル、または7〜11炭素原子のカルボアリールアルコキシであり;
2およびR3は各々独立して、水素、ヒドロキシ、1〜6炭素原子のアルキル、1〜6炭素原子のアルコキシ、ハロゲン、カルボキサミド、2〜6炭素原子のカルボアルコキシ、1〜6炭素原子のペルフルオロアルキル、シアノ、1〜6炭素原子のアルカンスルホンアミド、1〜6炭素原子のアルカンスルホニル、1〜6炭素原子のアルカンアミド、アミノ、1〜6炭素原子のアルキルアミノ、1アルキル部分あたり1〜6炭素原子のジアルキルアミノ、1〜6炭素原子のペルフルオロアルコキシ、2〜6炭素原子のアルカノイルオキシ、2〜6炭素原子のアルカノイル、6〜8炭素原子のアロイル、5〜7炭素原子のアリール、アリール部分に5〜7炭素原子を有するC6〜C13アルキルアリール基、5〜7員ヘテロアリール基、またはヘテロアリール部分に5〜7員を有する、6〜13員アルキルヘテロアリール基であり、ここで、アリールまたはヘテロアリール部分を有するいずれかのR2またはR3置換基は場合により、アリールまたはヘテロアリール部分上で、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシ基から独立して選択された1〜3置換基で置換されてもよく;
4およびR5は独立して、水素または1〜6炭素原子のアルキルであるか、またはR4およびR5は、これらが付着している炭素とともに、4〜8炭素原子のシクロアルカン、4〜8炭素原子のシクロアルケン、5〜10炭素原子の架橋二環式アルカン、5〜10炭素原子の架橋二環式アルケン、硫黄原子が場合によりスルホキシドもしくはスルホンへ酸化されているピランもしくはチオピランを形成し、ここで、R4およびR5によって形成された環状部分は場合により、ハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシ基から独立して選択された1〜3置換基で置換されてもよく;
6およびR7は各々独立して、水素または1〜6炭素原子のアルキルであり;
nは1または2であり;そして
破線は、任意二重結合を表わす)または
医薬的に許容し得るその塩
を有する医薬組成物。
【請求項2】
2が、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のペルフルオロアルキル、1〜6炭素原子のアルキル、1〜6炭素原子のアルコキシ、2〜6炭素原子のアルカノイル、1〜6炭素原子のアルカンスルホニル、または5〜7炭素原子のアリールである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
2が、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のアルコキシ、フェニル、またはトリフルオロメチルである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
3が、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のペルフルオロアルキル、1〜6炭素原子のアルキル、1〜6炭素原子のアルコキシ、2〜6炭素原子のアルカノイル、1〜6炭素原子のアルカンスルホニル、または5〜7炭素原子のアリールである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
3が、水素、ハロゲン、シアノ、1〜3炭素原子のアルコキシ、フェニル、またはトリフルオロメチルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
4およびR5は、これらが付着している炭素原子とともに、5〜8炭素原子のシクロアルカンまたはシクロアルケン部分を形成し、ここで、これらの炭素原子の1またはそれ以上が、場合により1〜4炭素原子のアルキルによって置換されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
4およびR5は、これらが付着している炭素原子とともに、5〜7炭素原子のシクロアルカン部分を形成する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
6およびR7は、各々水素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
nが1である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
2およびR3は独立して、水素、ハロ、トリフルオロメチル、フェニル、または1〜3炭素原子のアルコキシから選択され、R1、R6、およびR7は各々水素であり、nは1であり、そしてR4およびR5は、これらが付着している炭素原子とともに、シクロペンタン、シクロヘキサン、またはシクロヘプタンを形成する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記活性薬物が、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
a)活性薬物が、医薬組成物の約15〜約25重量%を構成し;
b)充填剤成分が、医薬組成物の約50〜約70重量%を構成し;
c)任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約3重量%を構成し;
d)腸溶性コート成分が、医薬組成物の約5〜約15重量%を構成し;
e)任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約1重量%を構成し;
f)任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約1.5重量%を構成し;
g)任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約0.8重量%を構成し;
h)任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.05重量%を構成し;
i)任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約4重量%を構成する、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
a)活性薬物が、医薬組成物の約20〜約22重量%を構成し;
b)充填剤成分が、医薬組成物の約60〜約66重量%を構成し;
c)任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約2重量%を構成し;
d)腸溶性コート成分が、医薬組成物の約8〜約12重量%を構成し;
e)任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約0.3重量%を構成し;
f)任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約1.0重量%を構成し;
g)任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.05〜約0.3重量%を構成し;
h)任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.025重量%を構成し;
i)任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約2.5〜約3.5重量%を構成する、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
a)活性薬物が、医薬組成物の約30〜約40重量%を構成し;
b)充填剤成分が、医薬組成物の約40〜約50重量%を構成し;
c)任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約2〜約3重量%を構成し;
d)腸溶性コート成分が、医薬組成物の約12〜約16重量%を構成し;
e)任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約3重量%を構成し;
f)任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約2.0重量%を構成し;
g)任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.03〜約0.3重量%を構成し;
h)任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.001〜約0.3重量%を構成し;
i)任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約2.0〜約3.5重量%を構成する、
請求項1〜11のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項15】
流動促進剤成分、可塑剤成分、中和剤成分、界面活性剤成分、および潤滑剤成分が各々存在する、請求項11〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
充填剤成分が、微晶質セルロース、ラクトース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ポリエチレングリコール、置換セルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルシウムホスフェート、無水ジカルシウムホスフェート、金属アルミノシリケート、マグネシウムアルミノメタシリケート、糖または炭水化物含有化合物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、ソルビトール、デンプン、キシリトール、金属ホスフェート、金属カルボネート、およびマグネシウムカルボネートのうちの1またはそれ以上を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
充填剤成分が、微晶質セルロースを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
腸溶性コート成分が、メタクリルコポリマー、メタクリル酸コポリマー、HPMC含有腸溶性コーティング系、CAP、HPMCP、アクリルポリマー、またはほかのアクリレート−、メタクリレート、またはセルロースアセテートフタレートベースのコートのうちの1またはそれ以上を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
腸溶性コート成分が、アニオン性官能基を有するメタクリルポリマーを含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
流動促進剤成分が存在する時、モノ−およびジ−グリセリド、タルク、二酸化ケイ素、ステアリン酸、デンプン、粉末セルロース、ラクトース、ステアレート、カルシウムホスフェート、マグネシウムカルボネート、マグネシウムオキシド、シリケート、および二酸化ケイ素エーロゲルのうちの1またはそれ以上を含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
流動促進剤成分が、モノ−およびジ−グリセリドを含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
可塑剤成分が、トリエチルシトレート、ジブチルセベケート、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、ソルビトール、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、ジブチルフタレート、トリエチルシトレート、およびトリエタノールアミンのうちの1またはそれ以上を含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
可塑剤成分が、トリエチルシトレートを含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
中和剤成分が、NaOH、KOH、およびNH4OHのうちの1またはそれ以上を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
可塑剤成分が、NaOHを含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
界面活性剤成分が、ポリソルベート80、ナトリウムラウリルスルフェート、スクロースパルミテート、ポロキサマー、ドクセートナトリウム、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアレート、スクロース脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルのうちの1またはそれ以上を含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
界面活性剤成分が、ポリソルベート80を含む、請求項1〜25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
潤滑剤成分が、タルク、金属ステアレート、二酸化ケイ素、ナトリウムステアリルフマレート、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪アルコール、グリセリルベヘネート、鉱油、パラフィン、水素化植物油、ロイシン、ポリエチレングリコール、金属ラウリルスルフェート、シリカ、およびナトリウムクロライドのうちの1またはそれ以上を含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
潤滑剤成分が、タルクを含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
充填剤成分が、微晶質セルロース、ラクトース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ポリエチレングリコール、置換セルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルシウムホスフェート、無水ジカルシウムホスフェート、金属アルミノシリケート、マグネシウムアルミノメタシリケート、糖または炭水化物含有化合物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、ソルビトール、デンプン、キシリトール、金属ホスフェート、金属カルボネート、およびマグネシウムカルボネートのうちの1またはそれ以上を含み;
腸溶性コート成分が、メタクリルコポリマー、メタクリル酸コポリマーC型、HPMC含有腸溶性コーティング系、CAP、HPMCP、アクリルポリマー、またはほかのアクリレート−、メタクリレート、またはセルロースアセテートフタレートベースのコートのうちの1またはそれ以上を含み;
任意の流動促進剤成分が存在する時、モノ−およびジ−グリセリド、タルク、二酸化ケイ素、ステアリン酸、デンプン、粉末セルロース、ラクトース、ステアレート、カルシウムホスフェート、マグネシウムカルボネート、マグネシウムオキシド、シリケート、および二酸化ケイ素エーロゲルのうちの1またはそれ以上を含み;
任意の可塑剤成分が存在する時、トリエチルシトレート、ジブチルセベケート、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、ソルビトール、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、ジブチルフタレート、トリエチルシトレート、およびトリエタノールアミンのうちの1またはそれ以上を含み;
任意の中和剤成分が存在する時、NaOH、KOH、およびNH4OHのうちの1またはそれ以上を含み;
任意の界面活性剤成分が存在する時、ポリソルベート80、ナトリウムラウリルスルフェート、スクロースパルミテート、ポロキサマー、ドクセートナトリウム、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアレート、スクロース脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルのうちの1またはそれ以上を含み;そして
任意の潤滑剤成分が存在する時、タルク、金属ステアレート、二酸化ケイ素、ナトリウムステアリルフマレート、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪アルコール、グリセリルベヘネート、鉱油、パラフィン、水素化植物油、ロイシン、ポリエチレングリコール、金属ラウリルスルフェート、アエロジル(Aerosil)200、およびナトリウムクロライドのうちの1またはそれ以上を含む、
請求項11〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
充填剤成分が、微晶質セルロースを含み;
腸溶性コート成分が、アニオン性官能基を有するメタクリルコポリマーを含み;
任意の流動促進剤成分が存在する時、モノ−およびジ−グリセリドを含み;
任意の可塑剤成分が存在する時、トリエチルシトレートを含み;
任意の中和剤成分が存在する時、NaOHを含み;
任意の界面活性剤成分が存在する時、ポリソルベート80を含み;そして
潤滑剤成分が存在する時、タルクを含む、
請求項11〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
約0.5mg〜約5.0mgの活性薬物を含有する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項33】
約1.0mg〜約3.0mgの活性薬物を含有する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
約20mg〜約30mgの活性薬物を含有する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項35】
約50mg〜約100mgの活性薬物を含有する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項36】
約70mg〜約80mgの活性薬物を含有する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項37】
約75mg〜約125mgの活性薬物を含有する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
約90mg〜約110mgの活性薬物を含有する、請求項1〜31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む、請求項1〜38のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記腸溶性コーティングされたペレットが、カプセル中に存在する、請求項39に記載の医薬組成物。
【請求項41】
複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む医薬組成物の調製方法であって、前記ペレットが請求項11に記載の医薬組成物を含み、
a)前記充填剤および前記活性薬物を含む未コーティングペレットの調製工程;
b)場合により、これらの未コーティングペレットへサブコートを加える工程;および
c)これらのペレットへ腸溶性コーティングを加える工程
を含む方法。
【請求項42】
さらに、
d)所定の用量の(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを得るために、カプセルを前記ペレットで充填する工程
も含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記工程(a)が、
i)前記充填剤と前記活性薬物とを混合して、混合物を形成する工程;
ii)前記混合物を湿式造粒して、グラニュレートを形成する工程;および
iii)前記グラニュレートを押出して球状化(spheronizing)する工程
を含む、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記工程(c)が、
i)前記腸溶性コート、前記可塑剤、前記中和剤、および前記界面活性剤を含む懸濁液の調製工程;
ii)前記懸濁液を前記ペレット上にスプレーする工程
を含む、請求項41〜43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記組成物が、約0.5mg〜約5.0mgの活性薬物を含有する、請求項41〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物が、約1.0mg〜約3.0mgの活性薬物を含有する、請求項41〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記組成物が、約20mg〜約30mgの活性薬物を含有する、請求項41〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記組成物が、約24.0mg〜約26.0mgの活性薬物を含有する、請求項41〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記組成物が、約50mg〜約100mgの活性薬物を含有する、請求項41〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記組成物が、約70mg〜約80mgの活性薬物を含有する、請求項41〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記組成物が、約75mg〜約125mgの活性薬物を含有する、請求項41〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物が、約90mg〜約110mgの活性薬物を含有する、請求項41〜44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
請求項41〜52のいずれか一項に記載の方法の生成物。
【請求項54】
複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む医薬組成物であって、前記ペレットが、
a)医薬組成物の約20〜約40重量%を構成する活性薬物;
b)医薬組成物の約40〜約70重量%を構成する充填剤成分;
c)存在する場合、医薬組成物の約1〜約3重量%を構成する任意のシールコート成分;
d)医薬組成物の約8〜約16重量%を構成する腸溶性コート成分;
e)存在する場合、医薬組成物の約0.1〜約3重量%を構成する任意の流動促進剤成分;
f)存在する場合、医薬組成物の約0.5〜約2.0重量%を構成する任意の可塑剤成分;
g)存在する場合、医薬組成物の約0.03〜約0.3重量%を構成する任意の中和剤成分;
h)存在する場合、医薬組成物の約0.001〜約0.3重量%を構成する任意の界面活性剤成分;
i)存在する場合、医薬組成物の約2.0〜約3.5重量%を構成する任意の潤滑剤成分
を含み、前記活性薬物が、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む組成物。
【請求項55】
充填剤成分が、微晶質セルロースを含み;
腸溶性コート成分が、アニオン性官能基を有するメタクリルコポリマーを含み;
流動促進剤成分が存在する時、モノ−およびジ−グリセリドを含み;
可塑剤成分が存在する時、トリエチルシトレートを含み;
中和剤成分が存在する時、NaOHを含み;
界面活性剤成分が存在する時、ポリソルベート80を含み;
潤滑剤成分が存在する時、タルクを含む、
請求項54に記載の医薬組成物。
【請求項56】
前記成分(c)、(e)、(f)、(g)、(h)、および(i)の各々が、前記組成物中に存在する、請求項54または55に記載の医薬組成物。
【請求項57】
約0.5mg〜約5.0mgの活性薬物を含有する、請求項54〜56のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項58】
約1.0mg〜約3.0mgの活性薬物を含有する、請求項54〜56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項59】
約20mg〜約30mgの活性薬物を含有する、請求項54〜56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
約24.0mg〜約26.0mgの活性薬物を含有する、請求項54〜56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項61】
約50mg〜約100mgの活性薬物を含有する、請求項54〜56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項62】
約70mg〜約80mgの活性薬物を含有する、請求項54〜56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項63】
約75mg〜約125mgの活性薬物を含有する、請求項54〜56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項64】
約90mg〜約110mgの活性薬物を含有する、請求項54〜56のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項65】
a)活性薬物が、医薬組成物の約30〜約45重量%を構成し;
b)充填剤成分が、医薬組成物の約40〜約60重量%を構成し;
c)任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約3重量%を構成し;
d)腸溶性コート成分が、医薬組成物の約5〜約15重量%を構成し;
e)任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約2重量%を構成し;
f)任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約1.5重量%を構成し;
g)任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約0.8重量%を構成し;
h)任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.05重量%を構成し;
i)任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約4重量%を構成する、
請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項66】
a)活性薬物が、医薬組成物の約50〜約70重量%を構成し;
b)充填剤成分が、医薬組成物の約10〜約30重量%を構成し;
c)任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.5%〜約3重量%を構成し;
d)腸溶性コート成分が、医薬組成物の約5〜約15重量%を構成し;
e)任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約2重量%を構成し;
f)任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約1.5重量%を構成し;
g)任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約0.8重量%を構成し;
h)任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.05重量%を構成し;
i)任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約4重量%を構成する、
請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項67】
a)活性薬物が、医薬組成物の約60〜約70重量%を構成し;
b)充填剤成分が、医薬組成物の約10〜約30重量%を構成し;
c)任意のシールコート成分が存在する時、医薬組成物の約0.5〜約3重量%を構成し;
d)腸溶性コート成分が、医薬組成物の約5〜約15重量%を構成し;
e)任意の流動促進剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約2重量%を構成し;
f)任意の可塑剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.1〜約1.5重量%を構成し;
g)任意の中和剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.01〜約0.8重量%を構成し;
h)任意の界面活性剤成分が存在する時、医薬組成物の約0.005〜約0.05重量%を構成し;
i)任意の潤滑剤成分が存在する時、医薬組成物の約1〜約4重量%を構成する、
請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項68】
充填剤成分が、微晶質セルロース、ラクトース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ポリエチレングリコール、置換セルロース、エチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルシウムホスフェート、無水ジカルシウムホスフェート、金属アルミノシリケート、マグネシウムアルミノメタシリケート、糖または炭水化物含有化合物、マンニトール、スクロース、マルトデキストリン、ソルビトール、デンプン、キシリトール、金属ホスフェート、金属カルボネート、およびマグネシウムカルボネートのうちの1またはそれ以上を含み;
腸溶性コート成分が、メタクリルコポリマー、メタクリル酸コポリマー、HPMC含有腸溶性コーティング系、CAP、HPMCP、アクリルポリマー、またはほかのアクリレート−、メタクリレート、またはセルロースアセテートフタレートベースのコートのうちの1またはそれ以上を含み;
任意の流動促進剤成分が存在する時、モノ−およびジ−グリセリド、タルク、二酸化ケイ素、ステアリン酸、デンプン、粉末セルロース、ラクトース、ステアレート、カルシウムホスフェート、マグネシウムカルボネート、マグネシウムオキシド、シリケート、および二酸化ケイ素エーロゲルのうちの1またはそれ以上を含み;
任意の可塑剤成分が存在する時、トリエチルシトレート、ジブチルセベケート、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、ソルビトール、トリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、ジブチルフタレート、トリエチルシトレート、およびトリエタノールアミンのうちの1またはそれ以上を含み;
任意の中和剤成分が存在する時、NaOH、KOH、およびNH4OHのうちの1またはそれ以上を含み;
任意の界面活性剤成分が存在する時、ポリソルベート80、ナトリウムラウリルスルフェート、スクロースパルミテート、ポロキサマー、ドクセートナトリウム、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアレート、スクロース脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルのうちの1またはそれ以上を含み;そして
任意の潤滑剤成分が存在する時、タルク、金属ステアレート、二酸化ケイ素、ナトリウムステアリルフマレート、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪アルコール、グリセリルベヘネート、鉱油、パラフィン、水素化植物油、ロイシン、ポリエチレングリコール、金属ラウリルスルフェート、アエロジル200、およびナトリウムクロライドのうちの1またはそれ以上を含む、
請求項65〜67のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項69】
充填剤成分が、微晶質セルロースを含み;
腸溶性コート成分が、アニオン性官能基を有するメタクリルコポリマーを含み;
任意の流動促進剤成分が存在する時、モノ−およびジ−グリセリドを含み;
任意の可塑剤成分が存在する時、トリエチルシトレートを含み;
任意の中和剤成分が存在する時、NaOHを含み;
任意の界面活性剤成分が存在する時、ポリソルベート80を含み;そして
潤滑剤成分が存在する時、タルクを含む、
請求項68に記載の医薬組成物。
【請求項70】
約50mg〜約200mgの活性薬物を含有する、請求項65〜69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項71】
約50mg〜約750mgの活性薬物を含有する、請求項65〜69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項72】
約100mg〜約750mgの活性薬物を含有する、請求項65〜69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項73】
約200mg〜約750mgの活性薬物を含有する、請求項65〜69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項74】
約300mg〜約750mgの活性薬物を含有する、請求項65〜69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項75】
約2mg、約4mg、約10mg、約25mg、約50mg、約75mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約750mgの活性薬物を含有する、請求項65〜69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項76】
複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む、請求項65〜75のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項77】
前記腸溶性コーティングされたペレットが、カプセル中に存在する、請求項76に記載の医薬組成物。
【請求項78】
さらに徐放性成分も含む、請求項65〜77のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項79】
前記徐放性成分が、前記任意のシールコート成分と前記腸溶性コート成分との間に配置されたコーティングである、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項80】
前記徐放性成分が、放出制御賦形剤を含む、請求項78または79に記載の医薬組成物。
【請求項81】
前記放出制御賦形剤が、ゼラチン、セラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、グリセリルベヘネート、パラフィン、またはカルナウバワックスのうちの1またはそれ以上を含む、請求項80に記載の医薬組成物。
【請求項82】
さらに徐放性成分も含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項83】
前記徐放性成分が、前記任意のシールコート成分と前記腸溶性コート成分との間に配置されたコーティングである、請求項82に記載の医薬組成物。
【請求項84】
前記徐放性コーティングが、放出制御賦形剤を含む、請求項82または83に記載の医薬組成物。
【請求項85】
前記放出制御賦形剤が、ゼラチン、セラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、メタクリル酸/メチルメタクリレートコポリマー、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、グリセリルベヘネート、パラフィン、またはカルナウバワックスのうちの1またはそれ以上を含む、請求項84に記載の医薬組成物。
【請求項86】
腸溶性コーティングされた形態の(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物。
【請求項87】
さらに徐放性コーティングも含む、請求項86に記載の医薬組成物。
【請求項88】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、100mg(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンの投薬量に対して約33.23hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または100mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有するヒト統合失調症患者において、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンについての平均血漿濃度プロフィールを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項89】
前記(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項88に記載の医薬組成物。
【請求項90】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、150mg(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの投薬量に対して約54.88hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または150mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有するヒト統合失調症患者において、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンについての平均血漿濃度プロフィールを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項91】
前記(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項90に記載の医薬組成物。
【請求項92】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、250mg(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの投薬量に対して約173.49hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または250mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有するヒト統合失調症患者において、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンについての平均血漿濃度プロフィールを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項93】
前記(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項92に記載の医薬組成物。
【請求項94】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、25mg(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの投薬量に対して約8.73hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または25mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンについての平均血漿濃度プロフィールを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項95】
前記(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項94に記載の医薬組成物。
【請求項96】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、50mg(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの投薬量に対して約26.49hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または50mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンについての平均血漿濃度プロフィールを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項97】
前記(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項96に記載の医薬組成物。
【請求項98】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、75mg(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの投薬量に対して約24.95hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または75mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンについての平均血漿濃度プロフィールを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項99】
前記(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項98に記載の医薬組成物。
【請求項100】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、100mg(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの投薬量に対して約62.76hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または100mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンについての平均血漿濃度プロフィールを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項101】
前記(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項100に記載の医薬組成物。
【請求項102】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、150mg(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの投薬量に対して約109.50hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または150mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンについての平均血漿濃度プロフィールを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項103】
前記(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項102に記載の医薬組成物。
【請求項104】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、250mg(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの投薬量に対して約234.75hr*ng/mL±20%の平均AUCss、または250mg以外の総用量に対しておよそこれに比例するそれぞれの平均AUC値を有する健康なヒトにおいて、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンについての平均血漿濃度プロフィールを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項105】
前記(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項104に記載の医薬組成物。
【請求項106】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む医薬組成物であって、前記組成物が、健康なヒトまたは患者において約4時間〜約6.5時間のTmaxを生じるのに効果的である医薬組成物。
【請求項107】
約2〜約150mgの(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む単位投薬形態であって、対象への投与の約4〜約8時間後に、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンのCmaxを生じる単位投薬形態。
【請求項108】
ある量の(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む単位投薬形態であって、前記投薬形態が分解可能なコーティングを含むことを特徴とし、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの30%未満が、2時間後に放出されるように、前記コーティングが分解することを特徴とする単位投薬形態。
【請求項109】
薬剤の単位投薬形態であって、
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドと、
分解可能なコーティングであって、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの30%未満が、2時間後に放出されるように分解することを特徴とするコーティング
とを含む単位投薬形態。
【請求項110】
薬剤の単位投薬形態であって、
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドと、
分解可能なコーティングであって、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが放出されて、投与の約4〜約8時間後に、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンのCmaxを生じるように分解することを特徴とするコーティング
とを含む単位投薬形態。
【請求項111】
均一投薬量の(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを有する薬剤の単位投薬形態であって、経口投与した時の溶解プロフィールを特徴とし、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドは、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンのCmaxが、対象への投与の約4〜約8時間後に発生するように放出される単位投薬形態。
【請求項112】
前記投薬形態が、複数の腸溶性コーティングされたペレットを含む、請求項107〜111のいずれか一項に記載の単位投薬形態。
【請求項113】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む配合物の調製方法であって、
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含むペレットを供給する工程;および
腸溶性コーティングポリマーを含む腸溶性コーティングを、未コーティングペレットの重量に対して約12%〜約22%の腸溶性コーティングポリマーの増量を与える量でこれらのペレットに加える工程
を含む方法。
【請求項114】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む配合物の調製方法であって、
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含むペレットを供給する工程;および
これらのペレットへ腸溶性コーティングを加える工程であって、配合物の投与後、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、対象への投与の約4〜約8時間後に(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンのCmaxが発生するように放出されるように、前記コーティングが分解する工程
を含む方法。
【請求項115】
前記コーティングは、2時間後の(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの30%未満の放出を特徴とする溶解プロフィールを達成する、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む配合物であって、最大ピーク、ついでより小さい値の二次ピークを特徴とする、(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの血清レベルを生じる配合物。
【請求項117】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドが、腸溶性コーティングされた形態で存在する、請求項116に記載の配合物。
【請求項118】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む配合物であって、約5超のpHでの(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの放出を与える配合物。
【請求項119】
(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドを含む配合物であって、対象への投与後の(9aR,12aS)−4,5,6,7,9,9a,10,11,12,12a−デカヒドロシクロペンタ[c][1,4]ジアゼピノ[6,7,1−ij]キノリンハイドロクロライドの放出が、遅延される配合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2008−519057(P2008−519057A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540135(P2007−540135)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/040290
【国際公開番号】WO2006/052887
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】