説明

チオカルバミド酸エステル基を有するカルボジイミド

少なくとも1個のカルボジイミド基と、式(I)で示される少なくとも1個のチオカルバミド酸エステル基とを有しているチオカルバミド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1個のカルボジイミド基と、式
【0002】
【化1】

で示される少なくとも1個のチオカルバミド酸エステル基とを有しているチオカルバミドに関する。
【0003】
また本発明は、架橋剤又は安定剤としての前記チオカルバミドの使用にも関する。
【0004】
有機カルボジイミド及び水性ポリマー分散液への添加剤としてのそれらの使用は公知である。これらはポリマーの分子量を増大させるために、例えばポリマー分散液に添加される。カルボジイミドを単純な方法で分散液中へ均質に分配できるように、これらには親水性基が設けられている。
【0005】
独国特許出願公開(DE-A)第10 000 656号明細書によれば、イソシアナート基を有しているカルボジイミドは、ヒドロキシカルボン酸と反応される。この場合に不利であるのは、出発化合物の反応が水を含まない環境中で行われなければならないことである、それというのも、さもないとイソシアナート基をめぐってヒドロキシカルボン酸のOH基と水との望ましくない競合が行われるからである。このことは、カルボキシル基の中和のために無機塩基が使用されることができないことをまねく、それというのも得られた塩が反応媒体中に溶解しないからである。すなわち、反応媒体中に可溶の塩をもたらす塩基が使用されなければならない;これらは一般的に第三級アミンである。しかしながら第三級アミンの使用は毒性学及び臭気迷惑の理由から望ましくない。
【0006】
独国特許(DE)第19 954 500号明細書からは、アミノカルボン酸で親水化されているカルボジイミドが公知である。
【0007】
これらの化合物は、例えば、接着剤分散液の架橋剤としての使用の際に不十分な接着特性を示す。
【0008】
本発明の課題は、ポリマー分散液の架橋に適しており、第三級アミンを必然的に含有しておらず、かつ技術水準に比較して改善された架橋特性を有するカルボジイミドを提供することにあった。
【0009】
それに応じて、冒頭に定義されたチオカルバミド及びそれらの使用が見出された。
【0010】
本発明によるチオカルバミドは、少なくとも1個のカルボジイミド基及び少なくとも1個のチオカルバミド酸エステル基を有する。
【0011】
カルボジイミド基は単純な方法で、2つのイソシアナート基から、二酸化炭素の脱離下に得ることができる:
【0012】
【化2】

【0013】
ポリイソシアナートもしくはジイソシアナートから出発して、こうして、複数のカルボジイミド基及び場合によりイソシアナート基、特に末端イソシアナート基を有するカルボジイミドは得ることができる。
【0014】
チオカルバミド酸エステル基は式
【0015】
【化3】

を有し、かつイソシアナート基とメルカプト基(S−H)との反応により得ることができる。
【0016】
本発明によるチオカルバミドは好ましくは親水性基を有する。
【0017】
特に前記チオカルバミドは親水性基を有することにより水溶性であるか又は水分散性である。
【0018】
親水性基としてイオン性基並びに非イオン性の親水性基が考慮の対象になる。
【0019】
イオン性基は、イオン性基へ変換可能である基であるとも理解されるべきである。
【0020】
特に酸基、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びそれらの塩、すなわちカルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩を挙げることができる。
【0021】
非イオン性の親水性基は、例えばポリアルキレンオキシド基又はポリビニルピロリドン基である。ポリアルキレンオキシド基中のアルキレンオキシド単位は例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド又は双方の混合物であってよい。エチレンオキシドが好ましい。
【0022】
十分な親水性のためには、好ましくは少なくとも5個、特に好ましくは少なくとも8個のアルキレンオキシド単位もしくはビニルピロリドン単位を有するポリアルキレンオキシド基又はポリビニルピロリドン基が適している。ポリアルキレンオキシド基又はポリビニルピロリドン基は、例えば5〜80個のアルキレンオキシド単位又はビニルピロリドン単位を有していてよい。
【0023】
前記チオカルバミドは、チオカルバミドの質量に対して好ましくは0.01〜2mol/kg、特に好ましくは0.5〜1.8mol/kgの親水性基を有する。
【0024】
親水性基、特に非イオン性の親水性基の質量割合は、チオカルバミドに対して一般的に1〜30質量%である。
【0025】
カルボジイミド基の割合は、チオカルバミドの質量に対して一般的に0.05〜8mol/kg、好ましくは0.10〜5mol/kgである。
【0026】
本発明によるチオカルバミド中のカルボジイミド単位は、本質的には、NCO基2個ずつが二酸化炭素の脱離下に一緒になって1個のカルボジイミド単位となるようにして形成される。
【0027】
前記チオカルバミドは、好ましくは少なくとも1個のカルボジイミド単位、好ましくは1個よりも多いカルボジイミド単位を有し、特に好ましくは平均縮合度(数平均値)、すなわち本発明によるカルボジイミド中のカルボジイミド単位の平均数は、1〜20、特に2〜15である。
【0028】
本発明によるチオカルバミドは、
a)少なくとも1個のイソシアナート基を有するカルボジイミド、
b)少なくとも1個のメルカプト基を有するメルカプト化合物及び
c)場合により、イソシアナート基又はイソシアナートと反応性の基を有する別の化合物
の反応により好ましくは得ることができる。
【0029】
カルボジイミドa)は、前記のようにポリイソシアナートから得ることができる。ポリイソシアナートとして特にジイソシアナートX(NCO)が考慮の対象となり、ここでXは、炭素原子4〜12個を有する脂肪族炭化水素基、炭素原子6〜15個を有する環式脂肪族又は芳香族の炭化水素基又は炭素原子7〜15個を有する芳香脂肪族炭化水素基を表す。そのようなジイソシアナートの例は、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ドデカメチレンジイソシアナート、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナト−3,5,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、2,2−ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−プロパン、トリメチルヘキサンジイソシアナート、1,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルメタン、2,4’−ジイソシアナト−ジフェニルメタン、p−キシリレンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシアナート(TMXDI)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(HMDI)の異性体、例えばトランス/トランス−、シス/シス−及びシス/トランス−異性体並びにこれらの化合物からなる混合物である。
【0030】
脂肪族又は芳香脂肪族のC〜C20ポリイソシアナートもしくはジイソシアナートが好ましい。
【0031】
TMXDIが特に好ましい。
【0032】
メルカプト化合物b)は、少なくとも1個のメルカプト基、好ましくは1又は2個のメルカプト基、特に好ましくは1個のメルカプト基を有する化合物である。
【0033】
前記化合物b)は好ましくは、90〜1000、特に90〜500g/molのモル質量を有する低分子量化合物である。
【0034】
前記メルカプト化合物は、好ましくは付加的に、少なくとも1個、特に1又は2個、特に好ましくは1個の親水性基を有する。
【0035】
特に、前記チオカルバミドはそれに応じて、メルカプト化合物b)によって前記の親水性基を有する。故に、前記メルカプト化合物中の親水性基は、前記のイオン性基又は親水性の非イオン性基である。
【0036】
好ましいメルカプト化合物はメルカプト酸、例えばメルカプトカルボン酸、メルカプトスルホン酸又はメルカプトホスホン酸、特に好ましくはメルカプトカルボン酸又はメルカプトスルホン酸である。
【0037】
このための例として次のものを挙げることができる:
メルカプト酢酸、2−及び3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、メルカプトエタンスルホン酸、2−及び3−メルカプトプロパンスルホン酸。
【0038】
カチオン性基を有するメルカプト化合物は、例えば第三級アミノ基を有するメルカプトアミン、例えばジアルキルアミノチオール、例えば2−ジメチルアミノ−1−エタンチオール、3−ジエチルアミノ−1−プロパンチオール等である。
【0039】
非イオン性の親水性基を有するメルカプト化合物は、例えばメルカプト基を有しているポリアルキレンオキシド又はポリビニルピロリドンである。前記メルカプト化合物は、メルカプト基及び親水性基に加えて、イソシアナートと反応することのできる別の基、例えばヒドロキシル基又はアミノ基を有していてよい。例えばシステイン又はホモシステインを挙げることができる。
【0040】
特にメルカプト化合物b)は脂肪族化合物である。
【0041】
化合物c)は、カルボジイミド基を有しない任意のポリイソシアナート又はイソシアナートに対して反応性の基を有する化合物であってよい。
【0042】
ポリイソシアナートとして、前記のポリイソシアナートに加えて、芳香族ポリイソシアナート及び2個よりも多いイソシアナート基を有するポリイソシアナートも考慮の対象になる。
【0043】
イソシアナートに対して反応性の基を有する化合物は、例えばヒドロキシル化合物又はアミノ化合物、例えばアルカンジオール、脂肪族ジアミン、アルカノールアミン等である。
【0044】
一般的に、成分(c)の割合は、前記チオカルバミドの製造に使用される全ての成分(a)〜(c)の割合に対して、0〜40質量%以下、好ましくは0〜30質量%、特に好ましくは10質量%未満、殊に5質量%未満である。
【0045】
成分c)を含有することは本発明の目的のためには強制的に必要とされず、故に成分c)は完全に放棄されることができる。
【0046】
本発明によるチオカルバミドの製造は、本質的には2つの反応工程:
I.成分(a)のイソシアナート基の一部をカルボジイミド化することによって、末端イソシアナート基を有するカルボジイミドを製造し、かつ
II.工程Iにより製造された末端イソシアナート基を有する化合物を、成分(b)及び場合により成分(c)と反応させる
ことによって、行われる。
【0047】
工程Iにおいて、一般的に公知のイソシアナート基の相互の反応により二酸化炭素の脱離下にこの反応に公知である常用の触媒の存在でカルボジイミド構造が製造される。工程IIにおいて、前記カルボジイミド及び場合によりその他のポリイソシアナートは、イソシアナートに対して反応性の化合物と、チオカルバミド酸エステル構造及び場合によりウレタン構造及び/又は尿素構造の製造のために公知方法で反応される。
【0048】
NCO基と、イソシアナートに対して反応性の基からなる総和とのモル比は、通常10:1〜0.2:1、好ましくは5:1〜0.5:1である。
【0049】
選択的に、本発明によるカルボジイミドは、まず最初にポリイソシアナートを成分(b)及び場合により(c)と反応させ、その場合に、使用されるイソシアナート基と、イソシアナートに対して反応性の基からなる総和との比が少なくとも2:1であり、引き続いてイソシアナート基を有している反応生成物を、触媒の存在で二酸化炭素遊離下にカルボジイミドへ反応させることにより得ることができる。この変法によれば、まず最初に前記ポリイソシアナートのイソシアナート基の50質量%まで、好ましくは25質量%までがイソシアナートに対して反応性の化合物と反応され、その後、遊離イソシアナート基は触媒の存在で二酸化炭素遊離下に完全にか又は部分的にカルボジイミド基へ反応される。
【0050】
前記反応は好ましくは溶剤の存在で実施されることができる。溶剤として、とりわけ、工程Iによる反応の反応生成物を良好に溶解させ、そのうえ水と混和性であるそのような化合物、例えばプロパノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及び/又はプロピレンカーボネートが適している。好ましくは1013mbarで100℃未満の沸点を有する溶剤が使用される。
【0051】
カルボジイミド基が形成される処理工程は、高められた温度、例えば50〜200℃、好ましくは150〜185℃の温度で、好都合には触媒の存在で実施されることができる。触媒として、例えば、好ましくはホスホレン(Phospholene)、ホスホレンオキシド(Phospholenoxide)、ホスホリジン(Phospholidine)及びホスホリンオキシド(Phospholinoxide)の群から選択されるリン化合物が卓越していることが判明している。前記反応混合物が所望のNCO基含量を有する場合に、ポリカルボジイミド形成は通常終了される。このためには、前記触媒は、減圧下に留去されることができるか、又は失活剤、例えば三塩化リンの添加により失活されることができる。前記触媒は生成物中に残留したままであってもよい。ポリカルボジイミド製造は、さらに前記反応条件下で不活性な溶剤の不在又は存在で実施されることができる。
【0052】
ポリイソシアナートがまず最初にイソシアナート基を有しているカルボジイミド(工程I)へ反応される場合には、工程Iにおいて形成された中間生成物は好ましくは1〜18質量%のNCO含量を有する。
【0053】
反応条件、例えば反応温度、触媒の種類及び触媒量並びに反応時間の適した選択により、当業者は常用の方法で縮合度を調節することができる。前記反応の経過は、最も単純にはNCO含量の決定により追跡されることができる。また他のパラメーター、例えば粘度上昇、色の深まり又はCO発生は、前記経過の推移及び前記反応の制御のために考慮されることができる。
【0054】
チオカルバミド酸エステル基及び場合によりウレタン基及び尿素基が形成される工程での温度は通常10〜100℃である。
【0055】
本発明によるチオカルバミドはとりわけ、水性分散液又は水溶液の形で存在するポリマーの分子量を増大させるのに適している。水性分散液が好ましい。
【0056】
ポリマーとして、事実上全ての塗膜形成性ポリマーが考慮の対象になる。
【0057】
好ましい一実施態様において、前記ポリマーは、カルボキシル基を一般的に0.01〜2mol/kgポリマー、好ましくは0.05〜2mol/kgの量で有する。
【0058】
適しているポリマーは例えば水分散性ポリウレタンである。そのようなポリウレタン及びこれらを含有している分散液は一般的に公知である。
【0059】
好ましくは、そのようなポリウレタンは、
IIa)炭素原子4〜30個を有するジイソシアナート、
IIb)以下のジオール
IIb1)前記ジオール(IIb)の全量に対して、500〜5000の分子量を有するジオール10〜100mol%、及び
IIb2)前記ジオールの全量に対して、60〜500g/molの分子量を有するジオール0〜90mol%、
IIc)モノマー(IIa)及び(IIb)とは異なり、少なくとも1個のイソシアナート基又はイソシアナート基に対して反応性の少なくとも1個の基を有しており、さらにまた少なくとも1個の親水性基又は1個の潜在的な親水性基を有するモノマー、それにより、前記ポリウレタンの水分散性が引き起こされる、
IId)場合により、モノマー(IIa)〜(IIc)とは異なり、アルコール性ヒドロキシル基、第一級又は第二級アミノ基又はイソシアナート基である反応性基を有する別の多価化合物、及び
IIe)場合により、モノマー(IIa)〜(IId)とは異なり、アルコール性ヒドロキシル基、第一級又は第二級アミノ基又はイソシアナート基である反応性基を有する一価化合物
から構成されている。
【0060】
モノマー(IIa)として、通常、ポリウレタン化学において使用される脂肪族又は芳香族のジイソシアナートが考慮の対象になる。モノマー(IIa)として独国特許出願公開(DE-A)第19521500号明細書にも挙げられたモノマー(IIa)又はそれらの混合物が好ましい。
【0061】
モノマー(IIb)及び(IId)として、好ましくは独国特許出願公開(DE-A)第19521500明細書においてモノマー(IIb)及び(IId)として挙げられたモノマーが考慮の対象になる。
【0062】
モノマーIIb1は例えばポリエステルジオール又はポリエーテルジオールである。
【0063】
モノマーIIb2は例えば炭素原子2〜12個を有する脂肪族ジオール、例えば1,4−ブタンジオール又は1,6−ヘキサンジオールである。
【0064】
モノマー(IId)として、例えば炭素原子2〜12個及び第一級又は第二級アミノ基の群から選択される基2〜4個を有する脂肪族アミンが適している。例はエチレンジアミン、イソホロンジアミン又はジエチレントリアミンである。
【0065】
ポリウレタンの水分散性を達成するために、前記ポリウレタンは、成分(IIa)、(IIb)及び(IId)に加えて、少なくとも1個のイソシアナート基又はイソシアナート基に対して反応性の少なくとも1個の基及びさらにまた少なくとも1個の親水性基又は親水性基へ変換されうる1個の基を有する、成分(IIa)、(IIb)及び(IId)とは異なるモノマー(IIc)から構成されている。以下のテキストにおいて、“親水性基又は潜在的な親水性基”という概念は“(潜在的な)親水性基”と略される。前記の(潜在的な)親水性基は、前記ポリマー主鎖の合成に利用されるモノマーの官能基よりも本質的にゆっくりとイソシアナートと反応する。
【0066】
好ましいモノマー(IIc)は同様に独国特許出願公開(DE-A)第19521500号明細書においてモノマー(IIc)と呼ばれたモノマーである。
【0067】
成分(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)及び(IIe)の全量に関して(潜在的な)親水性基を有する成分の割合は、一般的に、(潜在的な)親水性基のモル量が、全てのモノマー(a)〜(e)の質量による量に対して、80〜1200、好ましくは100〜1000及び特に好ましくは150〜800mmol/kgであるように計量される。
【0068】
(潜在的な)親水性基は、非イオン性の、例えばポリエチレンオキシド基又は好ましくは(潜在的な)イオン性の親水性基、例えばカルボキシレート基又はスルホネート基であってよい。好ましくは非イオン性基の有効な量を用いずに操作される。
【0069】
非イオン性の親水性基の含量は、そのような基が組み込まれる場合には、全てのモノマー(IIa)〜(IIe)の質量による量に対して、一般的に5質量%まで、好ましくは3質量%まで、特に好ましくは1質量%までである。
【0070】
場合により併用されるモノマー(IIe)は、モノイソシアナート、モノアルコール及びモノ−第一級及び第二級アミンである。一般的にそれらの割合はモノマーの全モル量に対して最大10mol%である。これらの単官能性化合物は通常、別の官能基、例えばカルボニル基を有し、かつ分散もしくは架橋又はポリウレタンのさらなるポリマー類似反応を可能にする官能基をポリウレタン中へ導入するために利用される。
【0071】
ポリウレタン化学の分野では、ポリウレタンの分子量がどのようにして互いに反応性のモノマーの割合の選択並びに1分子当たり反応性官能基の数の算術平均により調節されることができるかは、一般的に公知である。
【0072】
通常、成分(IIa)〜(IIe)並びにそれらのそれぞれのモル量は、比A:Bが、0.5:1〜2:1、好ましくは0.8:1〜1.5、特に好ましくは0.9:1〜1.2:1であるように選択され、ここで、
A)イソシアナート基のモル量及び
B)ヒドロキシル基のモル量及びイソシアナートと付加反応において反応することができる官能基のモル量からなる総和
である。極めて特に好ましくは比A:Bはできるだけほぼ1:1である。
【0073】
使用されるモノマー(IIa)〜(IIe)は、平均して通常1.5〜2.5、好ましくは1.9〜2.1、特に好ましくは2.0個のイソシアナート基もしくはイソシアナートと付加反応において反応することができる官能基を有する。
【0074】
前記ポリウレタンの多様な製造方法は一般的に公知であり、かつ例えば独国特許出願公開(DE-A)第19807754号明細書により詳細に記載されている。
【0075】
さらに、前記ポリマーは、エチレン系不飽和化合物(モノマー)のラジカル重合により得ることができるそのようなポリマーであってよい(重付加物と略す)。
【0076】
そのような重付加物は、一般的に、
IIIa)C−〜C20−アルキル(メタ)アクリレート、炭素原子を20個まで有しているカルボン酸のビニルエステル、炭素原子を20個まで有するビニル芳香族化合物、エチレン系不飽和ニトリル、ハロゲン化ビニル及び炭素原子2〜8個及び二重結合1又は2個を有する脂肪族炭化水素から選択される主モノマー30〜100質量%、
IIIb) オレフィン系二重結合1個を有するカルボン酸0〜20質量%、好ましくは0.01〜20質量%及び
IIIc) (IIIa)及び(IIIb)とは異なるラジカル重合性モノマー0〜20質量%
から構成されている。
【0077】
モノマー(IIIa)として、例えば、C〜C10−アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートを挙げることができる。
【0078】
特に(メタ)アクリル酸アルキルエステルの混合物も適している。
【0079】
炭素原子1〜20個を有するカルボン酸のビニルエステルは、例えばラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、プロピオン酸ビニル及び酢酸ビニルである。
【0080】
ビニル芳香族化合物として、ビニルトルエン、α−及びp−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン及び好ましくはスチレンが考慮の対象になる。
【0081】
ニトリルの例は、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルである。
【0082】
ハロゲン化ビニルは、塩素、フッ素又は臭素で置換されたエチレン系不飽和化合物、好ましくは塩化ビニル及び塩化ビニリデンである。
【0083】
炭素原子2〜8個及びオレフィン系二重結合1又は2個を有する非芳香族炭化水素として、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン、並びにエチレン、プロピレン及びイソブチレンを挙げることができる。
【0084】
モノマー(IIIa)は好ましくは混合物でも使用される。
【0085】
ビニル芳香族化合物、例えばスチレンは、例えばしばしばC〜C20−アルキル(メタ)アクリレート、特にC〜C−アルキル(メタ)アクリレート、又は非芳香族炭化水素、例えばイソプレン又は好ましくはブタジエンとの混合物で使用される。
【0086】
モノマー(IIIb)として、好ましくは(メタ)アクリル酸又はマレイン酸が考慮の対象になる。
【0087】
モノマー(IIIc)として、例えば次のものが考慮の対象になる:アルコール基中の酸素原子に加えて少なくとも1個の別のヘテロ原子を有する及び/又は脂肪族又は芳香族の環を有する、炭素原子1〜20個を有するアルコールのアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、例えば2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリール−、−アルカリール−又はシクロアルキルエステル、例えばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニルエチル−(メタ)アクリレート、フェニルプロピル−(メタ)アクリレート又はヘテロ環式アルコールのアクリル酸エステル、例えばフルフリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0088】
さらにまた、モノマー(IIIc)としてさらにアミノ基又はアミド基を有するモノマー、例えば(メタ)アクリルアミド、並びに窒素上でC〜C−アルキルで置換されたそれらの誘導体が考慮の対象になる。
【0089】
モノマー(IIIc)として重要であるのは、特にヒドロキシ官能性モノマー、例えば、1又は2個のヒドロキシ基により置換されている(メタ)アクリル酸−C〜C15−アルキルエステルである。ヒドロキシ官能性コモノマーとして特に重要であるのは、(メタ)アクリル酸−C〜C−ヒドロキシアルキルエステル、例えばn−ヒドロキシエチル−、n−ヒドロキシプロピル−又はn−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートである。
【0090】
ポリマー(PIII)の製造はラジカル重合により行われる。適している重合法、例えばバルク重合、溶液重合、懸濁重合又は乳化重合は当業者に公知である。
【0091】
好ましくは前記コポリマーは、溶液重合、引き続き水中の分散によるか又は特に好ましくは乳化重合により製造される。
【0092】
故に特に好ましくはエマルションポリマーが重要である。
【0093】
前記コモノマーは、乳化重合の場合に通常通り水溶性の開始剤及び乳化剤の存在で好ましくは30〜95℃で重合されることができる。
【0094】
適している開始剤は、例えば過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム、t−ブチルヒドロペルオキシド類、水溶性アゾ化合物又はまたレドックス開始剤である。
【0095】
乳化剤として、例えばより長鎖の脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル化されたアリールスルホン酸塩又はアルキル化されたビフェニルエーテルスルホン酸塩が利用される。さらに、乳化剤としてアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドと脂肪アルコール、脂肪酸又はフェノール類との反応生成物、もしくはアルキルフェノールが考慮の対象になる。
【0096】
水性二次分散液の場合に、前記コポリマーはまず最初に有機溶剤中での溶液重合により製造され、引き続いて塩形成剤、例えばアンモニアをカルボン酸基を有しているコポリマーに添加しながら、乳化剤又は分散助剤を使用せずに水中に分散される。前記有機溶剤は留去されることができる。水性二次分散液の製造は当業者に公知であり、かつ例えば独国特許出願公開(DE-A)第37 20 860号明細書に記載されている。
【0097】
分子量の調節のためには調節剤が使用されることができる。適しているのは、例えば−SHを有している化合物、例えばメルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、チオフェノール、チオグリセリン、チオグリコール酸エチルエステル、チオグリコール酸メチルエステル及びt−ドデシルメルカプタンであり、これらは、前記コポリマーに対して、例えば0〜0.5質量%の量で付加的に使用されることができる。
【0098】
前記コモノマーの種類及び量は、好ましくは、得られるコポリマーが−60〜+140℃、好ましくは−60〜+100℃のガラス転移温度を有するように選択される。コポリマーのガラス転移温度は、ASTM 3418/82による示差熱分析又は示差走査熱量測定法によって決定される。
【0099】
さらに前記ポリマーは、カルボキシル基を有する水分散性ポリエステルであってよい。
【0100】
カルボキシル基を有する水分散性ポリエステルは例えばEncyclopedia of Polymer Science and Engineering、John Wiley & Sons、第2版、第12巻、p. 300-313から公知である。
【0101】
前記ポリマーを含有する水性分散液又は水溶液は、通常10〜70質量%の固体含量を有する。
【0102】
チオカルバミドと前記ポリマーの水性分散液もしくは水溶液とからなる混合物は、チオカルバミド及びポリマーを好ましくは0.005:1〜1:1の質量比で含有する。
【0103】
ポリマー分散液又は溶液への前記チオカルバミドの添加は臨界的でなく、かつ例えば、ポリマーを含んでいる水性分散液中へ撹拌導入することにより行われることができる。前記添加は、それらの使用前の任意の時点に行われることができる。得られた混合物は貯蔵安定である。
【0104】
チオカルバミド及びポリマーからなる本発明による混合物は、市販の助剤及び添加剤、例えば湿潤剤、消泡剤、つや消し剤、乳化剤、増粘剤及びチキソトロープ剤、着色剤、例えば染料及び顔料を含有していてよい。
【0105】
これらは、例えば、多様な基体、例えば木材、金属、プラスチック、紙、革又はテキスタイルの接着又はコーティングのため、テキスタイルの含浸のため並びに成形体及び印刷インキの製造のために適している。
【0106】
本発明による分散液の加工はその場合に接着剤、革工業又は塗料工業において一般的に常用の方法により、すなわち分散液が基体上へ噴霧され、ロール塗され、又はナイフ塗布され、かつ引き続いて乾燥されることによって、行われることができる。
【0107】
接着剤として加工する場合には、コーティングされた材料片は分散フィルムの乾燥前にか又は乾燥後に、他の材料片と、好ましくは圧力の適用下に接合される。
【0108】
特に堅い接着剤結合は、乾燥された接着剤フィルムが設けられている材料片が、接合の直前、接合中又は接合後に約50〜100℃の温度に加熱される場合に得られる。
【0109】
これらの方法を用いて製造された接着剤結合は、これらが貯蔵安定であり、かつ高い熱安定性を有する点に特に傑出している。
【0110】
さらに、前記チオカルバミドは、接着剤シートの製造に使用されることができる。このためには、例えば、ポリウレタン又は重付加物を含有している水性分散液は、チオカルバミド及び場合により別の助剤とブレンドされる。この混合物は、前記の常用の方法を用いてプラスチックシート上へ施与され、その場合にコロナ処理されたポリエチレンシートが好ましい。施与量は通常5〜6g/mである。
【0111】
例えばコロナ処理されたポリエチレンシートからなる、コーティングされた接着剤シートは、全ての種類の対象物の粘着に適している。圧感接着剤として適しているポリマーが使用される場合には、コーティングされたシートは特に、残留物を含まずに基体からはがされることができる点に傑出している。
【0112】
故にそのような接着剤シートは特にラベルの製造のためにか又は対象物、特に感受性表面、例えば塗装された表面を有するそのような対象物又はプレキシガラス、ポリカーボネート又はガラスからなるそのような対象物、例えばスクリーン(Bildschirme)又は窓ガラス(Scheiben)を、貯蔵及び輸送の際に、機械的損傷、例えば引っかき、又はその他の環境の影響から保護するために、保護シートとしての使用のために適している。これらは付加的に、これらが良好な“タック(Tack)”を有する、すなわち前記シートが、高い圧力を適用せずに単に接触した際に、例えば手で塗ることによるか又は前記シートを置くことにより、既に基体上に接着し、かつ中程度の力で(例えば25mmの幅を有する接着剤ストリップの場合に1.25〜2.5Nの適用下に)再び基体からはがされることができるという利点を有する。
【0113】
前記チオカルバミドはさらに、エステル基又はアミド基含有ポリマー用の安定剤としても適している。
【0114】
有利であるのは、特に前記チオカルバミドを含有しているポリマー分散液又はポリマー溶液の貯蔵安定性及び接着剤として使用する際の良好な応用技術的性質、例えば高いはく離強さ及び良好な熱安定性である。
【0115】
実験の部
1.親水性カルボジイミド
1.1.チオカルバミド酸エステル基を有する親水性カルボジイミドの製造(本発明による)
7.8質量%のNCO含量を有し、TMXDIからなるNCOを末端基とするカルボジイミド471gをアセトン800g中に溶解させ、45℃に加熱した。これに、撹拌しながらNaOH 40g、メルカプト酢酸73.7g、水320g及びアセトン200gの混合物を添加した。撹拌6min後に水700gで希釈し、アセトンを真空中で除去した。
【0116】
固体含量36.4%、10.8のpH値及び100のLD値を有するカルボジイミドのコロイド水溶液が得られた。
【0117】
1.2.尿素基を有する親水性カルボジイミドの製造(比較、独国特許(DE)第19 954 500号明細書の教示による)
7.8質量%のNCO含量を有し、TMXDIからなるNCOを末端基とするカルボジイミド471gをアセトン800g中に溶解させ、45℃に加熱した。これに、撹拌しながら、NaOH 40g、グリシン60.0g、水320g及びアセトン200gの混合物を添加した。撹拌6min後に水700gで希釈し、アセトンを真空中で除去した。
【0118】
固体含量36.8%、12.7のpH値及び100のLD値を有するカルボジイミドのコロイド水溶液が得られた。
【0119】
2.ポリウレタン分散液の製造
省略形:
DMPA:ジメチロールプロピオン酸
DBTL:ジブチルスズジラウレート
IPDI:イソホロンジイソシアナート。
【0120】
アジピン酸及びブタンジオール−1,4からなるOH価45.2のポリエステルオール23.8kg(9.6mol)、DMPA 0.429kg(3.2mol)、DBTL 0.008kg及びアセトン3.2kgを撹拌釜中で60℃に加熱した。これに、IPDI 3.59kg(16.2mol)を添加し、90℃で3時間反応させた。ついでアセトン29kgで希釈し、その際に温度は30℃に低下した。引き続いて水0.23kg中に溶解したNaOH 0.23kg(2.88mol)を添加した。その後5分間、アセトン中の7.8質量%のNCO含量を有し、TMXDIからなるNCOを末端基とするカルボジイミド50質量%溶液0.16kg及び引き続いて2’−アミノエチル−2−アミノエタンスルホン酸のナトリウム塩の50質量%水溶液1.2kgを添加した。その後4分間、水42kgを用いて分散させ、ついでアセトンを真空中で除去した。
【0121】
39.2%の固体含量、7.9のpH値及び160mPasの250s−1での粘度を有する水性ポリウレタン分散液が得られた。
【0122】
3.熱ラミネート接着剤(Thermokaschierkleber)としての試験
熱ラミネート接着剤としての試験のために、ポリウレタン分散液100部をAirflex EP 17 100部(酢酸ビニル及びエチレンからなるコポリマーの分散液)及び例1.1.及び1.2.からの架橋剤10部と混合した。前記混合物を、ABSからなる自動車(Kfz)成形部材上へ施与し、23℃で1h乾燥させた。乾燥後に、加熱プレス中で工業用自動車ラミネート用の市販のPVCシートをフィルム温度60℃及び1barで積層する。
【0123】
ABS及びPVCシートからなる接着された成形部材は、幅50mm及び長さ150mmであり、その際に接着を約12cmの長さに行い、かつシートの3cmは接着せずに残す。これらを23℃で5日間貯蔵した。ついではく離強さを100℃で測定した。
【0124】
試験方法の説明:
a)はく離強さ:
常用の引張試験機を用いる100℃でのローラーはく離試験、はく離角90゜、はく離速度100mm/min。はく離力はN/50mmで測定される。
【0125】
b)熱安定性:
PVCシート及びABS成形部材からなる試験すべきラミネートを、PVCシートと水平に、下へ向かって枠に張り、かつ自由な接着されていないPVC端部上に300gのおもりを取り付けて、前記シートをおもりの下でABS上の接着位置まで垂直に下へ向かって屈曲させた。試験体を80℃に加熱し、かつ前記シートが接着の開始から出発してABSからはがれた距離を測定した(記載[mm])。
【0126】
はく離強さ:
チオカルバミド酸エステル基を有するカルボジイミド:34N/50mm
尿素基を有するカルボジイミド:24N/50mm
さらに熱安定性を決定した。
【0127】
熱安定性(80℃での流れ距離(Ablaufstrecke)[mm]):
チオカルバミド酸エステル基を有するカルボジイミド(例1.1.、本発明による):4mm
尿素基を有するカルボジイミド(例1.2.、本発明によらない):13mm

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個のカルボジイミド基と、式
【化1】

で示される少なくとも1個のチオカルバミド酸エステル基とを有している、チオカルバミド。
【請求項2】
付加的に親水性基を有している、請求項1記載のチオカルバミド。
【請求項3】
親水性基がイオン性基又は非イオン性の親水性基から選択されている、請求項1又は2記載のチオカルバミド。
【請求項4】
非イオン性基がポリアルキレンオキシド基である、請求項1から3までのいずれか1項記載のチオカルバミド。
【請求項5】
前記化合物が、
a)少なくとも1個のイソシアナート基を有するカルボジイミド、
b)少なくとも1個のメルカプト基を有するメルカプト化合物及び
c)場合により、イソシアナート基又はイソシアナートと反応性の基を有する別の化合物
の反応により得ることができる、請求項1から4までのいずれか1項記載のチオカルバミド。
【請求項6】
カルボジイミドa)が、脂肪族又は芳香脂肪族のC〜C20ポリイソシアナートから誘導されている、請求項5記載のチオカルバミド。
【請求項7】
メルカプト化合物b)が、少なくとも1個のメルカプト基に加えて、少なくとも1個の親水性基を有している、請求項5又は6記載のチオカルバミド。
【請求項8】
平均してカルボジイミド基1〜20個及びチオカルバミド酸エステル基1〜4個を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のチオカルバミド。
【請求項9】
チオカルバミド1kg当たり平均して親水性基0.01〜2molを有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のチオカルバミド。
【請求項10】
水中に分散又は溶解されたポリマー用の架橋剤としての、請求項1から9までのいずれか1項記載のチオカルバミドの使用。
【請求項11】
ポリマー100質量部当たり請求項1から9までのいずれか1項記載のチオカルバミド0.1〜50質量部を含有している、水性ポリマー分散液又はポリマー水溶液。
【請求項12】
分散又は溶解されたポリマーが、ポリウレタン又はエチレン系不飽和化合物(モノマー)のラジカル重合により得ることができるポリマー(重付加物と略す)である、請求項11記載の水性ポリマー分散液又はポリマー水溶液。
【請求項13】
溶解又は分散されたポリマーが、カルボン酸基を有している、請求項11又は12記載の水性ポリマー分散液又はポリマー水溶液。
【請求項14】
接着剤、含浸剤又はコーティング剤としての、請求項11から13までのいずれか1項記載のポリマー分散液又はポリマー溶液の使用。
【請求項15】
熱活性化可能な接着剤として又は熱活性化可能な接着剤における、請求項11から13までのいずれか1項記載のポリマー分散液又はポリマー溶液の使用。
【請求項16】
請求項11から13までのいずれか1項記載のポリマー分散液又はポリマー溶液を用いてコーティング、含浸又は接着された基体。
【請求項17】
エステル基又はアミド基含有のポリマー用の安定剤としての、請求項1から9までのいずれか1項記載のチオカルバミドの使用。

【公表番号】特表2007−527942(P2007−527942A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502246(P2007−502246)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002293
【国際公開番号】WO2005/087718
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】