説明

医薬

【課題】TFFの産生を誘導し、消化管疾患、口腔疾患、上気道疾患、気道疾患、眼疾患、癌、創傷等の各種疾患の治療及び/又は予防に使用される医薬の提供。
【解決手段】一般式(1)


[式中、Aは直接結合、低級アルキレン基又は低級アルキリデン基を、Xは酸素原子又は硫黄原子を、Rは水素原子等を、Rは水素原子等を、Rは水素原子等を示す。nは、0〜7の整数を示す。]で表されるカルバゾール化合物又はその塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
トレフォイルファクターファミリー(Trefoil factorsfamily、TFF)は、6個のシステイン残基により三つ葉のクローバー様構造を有する非常に安定なペプチドである。これまでヒトで3種類(TFF1、TFF2及びTFF3)のペプチドが同定されている。これらTFFは、消化管等の粘液と関連した組織に分布しており、主に粘液産生細胞によって分泌されている。また、傷害粘膜周囲及び再生腺管でTFFの発現亢進がみられる。TFFペプチドの主な機能は細胞の遊走作用(motogenic effect)、細胞保護作用及び抗アポトーシス作用であることが報告されている(非特許文献1)。
【0003】
TFF2はブタ膵臓から最初に単離された106アミノ酸残基を有するペプチドである。TFF2は、胃粘膜の頸細胞、胃幽門部、潰瘍辺縁粘膜及び再生粘膜、被覆粘液層及びブルンネル腺等に豊富に含有されている。
【0004】
TFF2は、ラットにおける実験において、胃潰瘍及び大腸炎の発症阻止並びに治癒促進作用を有していることが報告されている(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6及び非特許文献7)。
【0005】
TFF2のノックアウトマウスを用いた実験では、インドメタシン潰瘍が増悪化することが報告されている(非特許文献8)。
【0006】
非特許文献9は、TFF2が粘液の安定化作用を有していることを開示している。
【0007】
更に、非特許文献10は、TFF2が気道上皮傷害の修復に関連している可能性を報告している。
【0008】
以上のことから、TFF2は、粘膜傷害の保護及び修復に大きな役割を演じていることが考えられる。内因性のTFF2産生を亢進させることは、TFF2による治療効果が期待される疾患に対して有効であると考えられる。
【0009】
非特許文献11は、TFF3が、制癌剤等によって惹起される口内炎をはじめ消化管全体の粘膜炎の治療に有効であることを開示している。非特許文献12及び非特許文献13は、TFF1のノックアウトマウスで胃癌が発生した事実から、TFF1が癌抑制遺伝子として機能すると結論づけている。非特許文献1及び非特許文献14は、TFF2もTFF1及びTFF3と同様に作用するであろうことを報告している。
【0010】
今日までに、TFF2を産生誘導(up-regulation)する物質として、PPARγ(peroxisome proliferator-activated receptor-γ)のリガンド活性を有する化合物(例えば、インドメタシン、アスピリン、プロスタグランジンJ2及びトログリタゾン)が知られている(非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17及び非特許文献18)。
【0011】
蛋白質ではケラチノサイト成長因子(Keratinocyte growthfactor、KGF)が、ラット下部消化管でTFF2及びTFF3の発現を増加することが報告されている(非特許文献19)。
【0012】
TFFペプチド自身の薬理活性及び臨床応用の可能性を示唆した報告はいくつかある(特許文献1、特許文献2及び特許文献3)。
【0013】
特許文献4及び特許文献5は、キノリンのようなヘテロアリール骨格に、2,4−ジオキソ−チアゾリジニル又は4−オキソ−2−チオオキソ−チアゾリジニル部分を含む置換基を有する種々の化合物を開示している。これらの文献は、またこのような化合物がテロメラーゼ(telomerase)抑制活性を有していることも開示している。
【特許文献1】WO第92/14837号公報
【特許文献2】WO第02/102403号公報
【特許文献3】WO第02/46226号公報
【特許文献4】WO第01/002377号公報
【特許文献5】WO第02/051409号公報
【非特許文献1】Nature Reviews,Molecular Cell Biology,2003, Vol.4, 721-732
【非特許文献2】Gastroenterology, 1995,108, 108-116
【非特許文献3】Gastroenterology, 1996,110, 489-497
【非特許文献4】Alim. Pharmacol. Ther., 2000, 14, 1033-1040
【非特許文献5】Gut, 1999,45, 516-522
【非特許文献6】Gut, 1999,44, 636-642
【非特許文献7】J. Leukoc.Biol., 2004, Vol.75,214-223
【非特許文献8】J. Clin.Invest., 2002, Vol.109,193-204
【非特許文献9】Eur. J. Clin. Invest.,2002, 32, 519-527
【非特許文献10】Am. J. Respir. Cell Mol. Biol.,2003, Vol.29, 458-464
【非特許文献11】Gastroenterology, 2004,126, 796-808
【非特許文献12】Science, 1996,Vol.274, 259-262
【非特許文献13】Gastroenterology, 2000,119, 691-698
【非特許文献14】Int. J. Mol. Med.,2003, 12, 3-9
【非特許文献15】FEBS Lett.,2001, 488, 206-210
【非特許文献16】Alim. Pharmacol. Ther., 2003, 18(suppl. 1), 119-125
【非特許文献17】FEBS Lett.,2004, 558, 33-38
【非特許文献18】Can. Res.,2001, 61, 2424-2428
【非特許文献19】Am. J. Physiol. Regul.Integr. Comp. Physiol., 2003, 284, R564-R573
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、TFFを産生誘導する新規な化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、内因性のTFFを産生誘導し得る新規な化合物を開発すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、下記一般式(1)で表される化合物が、内因性のTFF、特にTFF2を産生誘導し得ることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
【0016】
本発明は、下記項1〜13に示す医薬を提供する。
【0017】
項1.一般式(1)
【0018】
【化1】

【0019】
[式中、Aは、直接結合、低級アルキレン基又は低級アルキリデン基を示す。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を示す。
は、下記(1-1)〜(1-21)で示されるいずれかの基を示す。
(1-1) 水素原子
(1-2) 低級アルキル基
(1-3) フェニル環上に置換基としてフェニル基(フェニル環上には1個以上のフェニル基が置換していてもよい)、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、基−(B)NR、ニトロ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、フェニル低級アルコキシ基、フェノキシ基、ピペリジニル低級アルコキシカルボニル基、1個又は2個のシクロアルキル基を有することのあるアミノ低級アルコキシカルボニル基、2−イミダゾリン環上に置換基として1個以上の低級アルキルチオ基を有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基、3−ピロリン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのある3−ピロリニルカルボニル基、チアゾリジン環上にフェニル基を有することのあるチアゾリジニルカルボニル基、3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルカルボニル基、ピペリジニル低級アルキル基、アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基、フェニルチオ低級アルキル基、インドリニル低級アルキル基、ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニルカルボニル基、ピリジル基、チエニル基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基及び低級アルキルチオ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル低級アルキル基
(1-4) シクロアルキル低級アルキル基
(1-5) フェノキシ低級アルキル基
(1-6) ナフチル低級アルキル基
(1-7) 低級アルコキシ低級アルキル基
(1-8) カルボキシ低級アルキル基
(1-9) 低級アルコキシカルボニル低級アルキル基
(1-10)ピリジン環上に置換基としてハロゲン原子;ピペリジニル基;モルホリノ基;ピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び低級アルキル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピペラジニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるチエニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるフェニル基;ピリジル基;ピペリジニル低級アルキル基;フェニルチオ低級アルキル基;ビフェニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;ピリジルアミノ基;ピリジルカルボニルアミノ基;低級アルコキシ基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ基;及びフリル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピリジル低級アルキル基
(1-11) シアノ低級アルキル基
(1-12) フェニル基
(1-13) キノリル低級アルキル基
(1-14) 低級アルコキシ低級アルコキシ置換低級アルキル基
(1-15) 水酸基置換低級アルキル基
(1-16) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基
(1-17) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルカノイル基
(1-18) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシカルボニル基
(1-19) ベンゾイル基
(1-20) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基、シアノ基及び低級アルカノイルアミノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニルスルホニル基
(1-21) ナフチルスルホニル基;
は、下記(2-2)〜(2-6)で示されるいずれかの基を示す。
(2-2) 低級アルコキシ基
(2-3) 1個以上のフェニル基を有することのある低級アルキル基
(2-4) カルボキシ低級アルコキシ基
(2-5) 低級アルコキシカルボニル低級アルコキシ基
(2-6) 水酸基;
nは、0〜7の整数を示す。nが2以上の場合、n個のRは、夫々、同じでも異なっていてもよい。
は、下記(3-1)〜(3-6)で示されるいずれかの基を示す。
(3-1) 水素原子
(3-2) 1個以上のフェニル基を有することのある低級アルキル基
(3-3) 水酸基置換低級アルキル基
(3-4) シクロアルキル低級アルキル基
(3-5) カルボキシ低級アルキル基
(3-6) 低級アルコキシカルボニル低級アルキル基;
Bは、カルボニル基又は基−NHCO−を示す。
lは、0又は1を示す。
及びRは、各々下記(4-1)〜(4-6)で示されるいずれかの基を示す。
(4-1) 水素原子
(4-2) 低級アルキル基
(4-3) 低級アルカノイル基
(4-4) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;フェノキシ基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基;低級アルキルチオ基;低級アルキルスルホニル基;低級アルキル基及び低級アルカノイル基なる群から選ばれた基を1個又は2個有することのあるアミノ基;ピロリジン環上に置換基として1個以上のオキソ基を有することのあるピロリジニル基;ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニル基;低級アルケニル基;アミノスルホニル基;水酸基;1個以上の低級アルキル基を有することのあるカルバモイル基;フェニル低級アルコキシ基;及びシアノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル基
(4-5) シクロアルキル環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるシクロアルキル基
(4-6) チアゾリル基]
で表されるカルバゾール化合物又はその塩を有効成分として含有する医薬。
【0020】
項2.Aは、低級アルキレン基又は低級アルキリデン基を示し;
Xは、酸素原子又は硫黄原子を示し;
は、下記(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、(1-6)、(1-10)、(1-13)、(1-16)、(1-17)、(1-18)、(1-19)、(1-20)又は(1-21)で示される基を示し:
(1-1) 水素原子
(1-2) 低級アルキル基
(1-3) フェニル環上に置換基としてフェニル基(フェニル環上には1個以上のフェニル基が置換していてもよい)、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、基−(B)NR、ニトロ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、フェニル低級アルコキシ基、フェノキシ基、ピペリジニル低級アルコキシカルボニル基、1個又は2個のシクロアルキル基を有することのあるアミノ低級アルコキシカルボニル基、2−イミダゾリン環上に置換基として1個以上の低級アルキルチオ基を有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基、3−ピロリン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのある3−ピロリニルカルボニル基、チアゾリジン環上にフェニル基を有することのあるチアゾリジニルカルボニル基、3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルカルボニル基、ピペリジニル低級アルキル基、アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基、フェニルチオ低級アルキル基、インドリニル低級アルキル基、ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニルカルボニル基、ピリジル基、チエニル基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基及び低級アルキルチオ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル低級アルキル基
(1-4) シクロアルキル低級アルキル基
(1-6) ナフチル低級アルキル基
(1-10)ピリジン環上に置換基としてハロゲン原子;ピペリジニル基;モルホリノ基;ピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び低級アルキル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピペラジニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるチエニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるフェニル基;ピリジル基;ピペリジニル低級アルキル基;フェニルチオ低級アルキル基;ビフェニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;ピリジルアミノ基;ピリジルカルボニルアミノ基;低級アルコキシ基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ基;及びフリル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピリジル低級アルキル基
(1-13) キノリル低級アルキル基
(1-16) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基
(1-17) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルカノイル基
(1-18) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシカルボニル基
(1-19) ベンゾイル基
(1-20) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基、シアノ基及び低級アルカノイルアミノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニルスルホニル基
(1-21) ナフチルスルホニル基;
は、下記(2-2)又は(2-3)で示される基を示し:
(2-2) 低級アルコキシ基
(2-3) 1個以上のフェニル基を有することのある低級アルキル基;
nは、0〜2の整数を示し、但しnが2以上の場合、n個のRは、夫々、同じでも異なっていてもよく;
は、下記(3-1)又は(3-2)で示される基を示し:
(3-1) 水素原子
(3-2) 1個以上のフェニル基を有することのある低級アルキル基;
Bは、カルボニル基又は基−NHCO−を示し;
lは、0又は1を示し;
及びRは、各々下記(4-1)、(4-4)、(4-5)又は(4-6)で示される基を示す:
(4-1) 水素原子
(4-4) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;フェノキシ基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基;低級アルキルチオ基;低級アルキルスルホニル基;低級アルキル基及び低級アルカノイル基なる群から選ばれた基を1個又は2個有することのあるアミノ基;ピロリジン環上に置換基として1個以上のオキソ基を有することのあるピロリジニル基;ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニル基;低級アルケニル基;アミノスルホニル基;水酸基;1個以上の低級アルキル基を有することのあるカルバモイル基;フェニル低級アルコキシ基;及びシアノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル基
(4-5) シクロアルキル環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるシクロアルキル基
(4-6) チアゾリル基;
一般式(1)で表されるカルバゾール化合物又はその塩を含有する項1に記載の医薬。
【0021】
項3.下記式(1-i)、(1-ii)又は(1-iii):
【0022】
【化2】

【0023】
[式中、A、X、R、R、R及びnは、項1に記載のものと同じ。]
で表されるカルバゾール化合物又はその塩を含有する、項1に記載の医薬。
【0024】
項4.Aが、低級アルキレン基又は低級アルキリデン基を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する項3に記載の医薬。
【0025】
項5.Xが、酸素原子又は硫黄原子を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する項4に記載の医薬。
【0026】
項6.Rが、
(1-3) フェニル環上に置換基としてフェニル基(フェニル環上には1個以上のフェニル基が置換していてもよい)、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、基−(B)NR(ここで、B、l、R及びRは、それぞれ、項1に記載のものと同じ)、ニトロ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、フェニル低級アルコキシ基、フェノキシ基、ピペリジニル低級アルコキシカルボニル基、1個又は2個のシクロアルキル基を有することのあるアミノ低級アルコキシカルボニル基、2−イミダゾリン環上に置換基として1個以上の低級アルキルチオ基を有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基、3−ピロリン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのある3−ピロリニルカルボニル基、チアゾリジン環上にフェニル基を有することのあるチアゾリジニルカルボニル基、3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルカルボニル基、ピペリジニル低級アルキル基、アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基、フェニルチオ低級アルキル基、インドリニル低級アルキル基、ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニルカルボニル基、ピリジル基、チエニル基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基及び低級アルキルチオ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル低級アルキル基、又は
(1-20) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基、シアノ基及び低級アルカノイルアミノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニルスルホニル基
を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する項5に記載の医薬。
【0027】
項7.nが0を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する項6に記載の医薬。
【0028】
項8.Rが低級アルコキシ基を示し、nが1を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する項6に記載の医薬。
【0029】
項9.TFF産生亢進により予防又は治療効果が得られる疾患を予防及び/又は治療するための項1に記載の医薬。
【0030】
項10.TFF産生亢進により予防又は治療効果が得られる疾患が、消化管疾患、口腔疾患、上気道疾患、気道疾患、眼疾患、癌又は創傷である、項9に記載の医薬。
【0031】
項11.TFF産生亢進により予防又は治療効果が得られる疾患が、薬剤性潰瘍、消化性胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、薬剤性腸炎、虚血性大腸炎、過敏性腸症候群、内視鏡的粘膜切除術後潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎、逆流性食道炎、食道潰瘍、バレット食道、消化管粘膜炎、痔疾患、口内炎、シェーグレン症候群、口腔乾燥症、鼻炎、咽頭炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、ドライアイ又は角結膜炎である、項9又は10に記載の医薬。
【0032】
項12.TFF産生を誘導する化合物を含有する、消化管疾患、口腔疾患、上気道疾患、気道疾患、眼疾患、癌又は創傷を治療及び/又は予防するための医薬。

【0033】
項13.TFFがTFF2である、項9〜12のいずれか一項に記載の医薬。
【0034】
上記一般式(1)において示される各基は、より具体的にはそれぞれ次の通りである。
【0035】
本明細書中において、低級とは、他に記載がない限り、C1−6を示す。
【0036】
低級アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−メチルトリメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等の直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキレン基を挙げることができる。
【0037】
低級アルキリデン基としては、例えば、メチリデン、エチリデン、プロピリデン、ブチリデン、ペンチリデン、ヘキシリデン等の直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキリデン基を挙げることができる。
【0038】
低級アルキル基としては、直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であって、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2−エチルブチル基等を挙げることができる。
【0039】
フェニル基(フェニル環上には1個以上のフェニル基が置換していてもよい)としては、フェニル、(2−、3−又は4−)フェニルフェニル、2,3−ジフェニルフェニル基等のフェニル基が1〜2個置換していてよいフェニル基を挙げることができる。
【0040】
低級アルコキシ基としては、直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であって、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、3−メチルペンチルオキシ基等を挙げることができる。
【0041】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を示す。
【0042】
低級アルコキシカルボニル基としては、アルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるアルコキシカルボニル基であって、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、イソヘキシルオキシカルボニル、3−メチルペンチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0043】
フェニル低級アルコキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ、2−フェニルエトキシ、1−フェニルエトキシ、3−フェニルプロポキシ、4−フェニルブトキシ、5−フェニルペンチルオキシ、6−フェニルヘキシルオキシ、1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ、2−メチル−3−フェニルプロポキシ基等のアルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるフェニルアルコキシ基を挙げることができる。
【0044】
ピペリジニル低級アルコキシカルボニル基としては、例えば、[(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル]メトキシカルボニル、2−[(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル]エトキシカルボニル、1−[(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル]エトキシカルボニル、3−[(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル]プロポキシカルボニル、4−[(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル]ブトキシカルボニル、5−[(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル]ペンチルオキシカルボニル、6−[(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル]ヘキシルオキシカルボニル、1,1−ジメチル−2−[(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル]エトキシカルボニル、2−メチル−3−[(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル]プロポキシカルボニル基等のアルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるピペリジニルアルコキシカルボニル基を挙げることができる。
【0045】
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等のC3−8シクロアルキル基を挙げることができる。
【0046】
1個又は2個のシクロアルキル基を有することのあるアミノ低級アルコキシカルボニル基としては、例えば、アミノメトキシカルボニル、2−アミノエトキシカルボニル、シクロプロピルアミノメトキシカルボニル、2−シクロヘキシルアミノエトキシカルボニル、1−シクロブチルアミノエトキシカルボニル、3−シクロペンチルアミノプロポキシカルボニル、4−シクロヘプチルアミノブトキシカルボニル、5−シクロオクチルアミノペンチルオキシカルボニル、6−シクロヘキシルアミノヘキシルオキシカルボニル、1,1−ジメチル−2−シクロヘキシルアミノエトキシカルボニル、2−メチル−3−シクロプロピルアミノプロポキシカルボニル、2−(N−シクロプロピル−N−シクロヘキシルアミノ)エトキシカルボニル基等のC3−8シクロアルキル基を1〜2個有することがあり、アルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるアミノ置換アルコキシカルボニル基を挙げることができる。
【0047】
低級アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ基等の直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキルチオ基を挙げることができる。
【0048】
2−イミダゾリン環上に置換基として1個以上の低級アルキルチオ基を有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基としては、例えば、(1−、2−、4−又は5−)2−イミダゾリニルカルボニル、2−メチルチオ−(1−、4−又は5−)−2−イミダゾリニルカルボニル、2−エチルチオ−(1−、4−又は5−)−2−イミダゾリニルカルボニル、4−プロピルチオ−(1−、2−又は5−)−2−イミダゾリニルカルボニル、5−イソプロピルチオ−(1−、2−又は4−)−2−イミダゾリニルカルボニル、2−n−ブチルチオ−(1−、4−又は5−)−2−イミダゾリニルカルボニル、2−n−ペンチルチオ−(1−、4−又は5−)−2−イミダゾリニルカルボニル、2−n−ヘキシルチオ−(1−、4−又は5−)−2−イミダゾリニルカルボニル、2,4−ジメチルチオ−(1−又は5−)−2−イミダゾリニルカルボニル、2,4,5−トリメチルチオ−(1−)−2−イミダゾリニルカルボニル基等の2−イミダゾリン環上に置換基として低級アルキルチオ基を1〜3個有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基を挙げることができる。
【0049】
3−ピロリン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのある3−ピロリニルカルボニル基としては、例えば、(1−、2−又は3−)3−ピロリニルカルボニル、2−メチル−(1−、2−、3−、4−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、2−エチル−(1−、2−、3−、4−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、3−プロピル−(1−、2−、4−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、4−イソプロピル−(1−、2−、3−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、5−n−ブチル−(1−、2−、3−、4−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、2−n−ペンチル−(1−、2−、3−、4−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、2−n−ヘキシル−(1−、2−、3−、4−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、2,5−ジメチル−(1−、2−、3−、4−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、2,4−ジメチル−(1−、2−、3−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、2,3−ジメチル−(1−、2−、4−又は5−)3−ピロリニルカルボニル、2,4,5−トリメチルチオ−(1−、2−、3−又は5−)3−ピロリニルカルボニル基等の3−ピロリン環上に置換基として低級アルキル基を1〜3個有することのある3−ピロリニルカルボニル基を挙げることができる。
【0050】
チアゾリジン環上にフェニル基を有することのあるチアゾリジニルカルボニル基としては、例えば、(2−、3−、4−又は5−)チアゾリジニルカルボニル、2−フェニル−(3−、4−又は5−)チアゾリジニルカルボニル、3−フェニル−(2−、4−又は5−)チアゾリジニルカルボニル、4−フェニル−(2−、3−又は5−)チアゾリジニルカルボニル、5−フェニル−(2−、3−又は4−)チアゾリジニルカルボニル基等を挙げることができる。
【0051】
ピペリジニル低級アルキル基としては、例えば、[(1−、2−、3−、又は4−)ピペリジニル]メチル、2−[(1−、2−、3−、又は4−)ピペリジニル]エチル、1−[(1−、2−、3−、又は4−)ピペリジニル]エチル、3−[(1−、2−、3−、又は4−)ピペリジニル]プロピル、4−[(1−、2−、3−、又は4−)ピペリジニル]ブチル、5−[(1−、2−、3−、又は4−)ピペリジニル]ペンチル、6−[(1−、2−、3−、又は4−)ピペリジニル]ヘキシル、1,1−ジメチル−2−[(1−、2−、3−、又は4−)ピペリジニル]エチル、2−メチル−3−[(1−、2−、3−、又は4−)ピペリジニル]プロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるピペリジニルアルキル基を挙げることができる。
【0052】
アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基としては、アニリノメチル、N−メチルアニリノメチル、N−エチルアニリノメチル、N−n−プロピルアニリノメチル、N−イソプロピルアニリノメチル、N−n−ブチルアニリノメチル、N−sec−ブチルアニリノメチル、N−tert−ブチルアニリノメチル、N−n−ペンチルアニリノメチル、N−n−ヘキシルアニリノメチル、2−アニリノエチル、2−(N−メチルアニリノ)エチル、2−(N−エチルアニリノ)エチル、2−(N−n−プロピルアニリノ)エチル、2−(N−イソプロピルアニリノ)エチル、2−(N−n−ブチルアニリノ)エチル、2−(N−sec−ブチルアニリノ)エチル、2−(N−tert−ブチルアニリノ)エチル、2−(N−n−ペンチルアニリノ)エチル、2−(N−n−ヘキシルアニリノ)エチル、3−アニリノプロピル、3−(N−メチルアニリノ)プロピル、4−(N−エチルアニリノ)ブチル、4−(N−n−プロピルアニリノ)ブチル、5−(N−イソプロピルアニリノ)ペンチル、5−(N−n−ブチルアニリノ)ペンチル、6−(N−sec−ブチルアニリノ)ヘキシル、6−(N−tert−ブチルアニリノ)ヘキシル、6−(N−n−ペンチルアニリノ)ヘキシル、6−(N−n−ヘキシルアニリノ)ヘキシル基等のアミノ基上に1個又は2個の直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を有することのあるアニリノアルキル基を挙げることができる。
【0053】
フェニルチオ低級アルキル基としては、例えば、フェニルチオメチル、2−フェニルチオエチル、1−フェニルチオエチル、3−フェニルチオプロピル、4−フェニルチオブチル、5−フェニルチオペンチル、6−フェニルチオヘキシル、1,1−ジメチル−2−フェニルチオエチル、2−メチル−3−フェニルチオプロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるフェニルチオアルキル基を挙げることができる。
【0054】
インドリニル低級アルキル基としては、例えば、[(1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−)インドリニル]メチル、2−[(1−、2−、3−、4−又は5−)インドリニル]エチル、1−[(1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−)インドリニル]エチル、3−[(1−、2−、3―、4−、5−、6−又は7−)インドリニル]プロピル、4−[(1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−)インドリニル]ブチル、5−[(1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−)インドリニル]ペンチル、6−[(1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−)インドリニル]ヘキシル、1,1−ジメチル−2−[(1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−)インドリニル]エチル、2−メチル−3−[(1−、2−、3−、4−、5−、6−又は7−)インドリニル]プロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるインドリニルアルキル基を挙げることができる。
【0055】
ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニルカルボニル基としては、例えば、(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニルカルボニル、1−メチル−(2−、3−又は4−)ピペリジニルカルボニル、1−エチル−(2−、3−又は4−)ピペリジニルカルボニル、1−n−プロピル−(2−、3−又は4−)ピペリジニルカルボニル、1−n−ブチル−(2−、3−又は4−)ピペリジニルカルボニル、1−n−ペンチル−(2−、3−又は4−)ピペリジニルカルボニル、1−n−ヘキシル−(2−、3−又は4−)ピペリジニルカルボニル、1,2−ジメチル−(3−、4−、5−又は6−)ピペリジニルカルボニル、1,2,3−トリメチル−(4−、5−又は6−)ピペリジニルカルボニル、2−n−プロピル−(1−、3−、4−、5−又は6−)ピペリジニルカルボニル、3−エチル−(1−、2−、4−、5−又は6−)ピペリジニルカルボニル、2−メチル−4−イソプロピル−(1−、3−、5−又は6−)ピペリジニルカルボニル基等のピペリジン環上に置換基として直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜3個有することのあるピペリジニルカルボニル基を挙げることができる。
【0056】
低級アルキルスルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル、sec−ブチルスルフィニル、n−ペンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、n−ヘキシルスルフィニル、イソヘキシルスルフィニル、3−メチルペンチルスルフィニル基等の直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキルスルフィニル基を挙げることができる。
【0057】
低級アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル,イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、n−ヘキシルスルホニル、イソヘキシルスルホニル、3−メチルペンチルスルホニル基等の直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキルスルホニル基を挙げることができる。
【0058】
フェニル環上に置換基としてフェニル基(フェニル環上には1個以上のフェニル基が置換していてもよい);低級アルキル基;低級アルコキシ基;ハロゲン原子;基−(B)NR;ニトロ基;カルボキシ基;低級アルコキシカルボニル基;シアノ基;フェニル低級アルコキシ基;フェノキシ基;ピペリジニル低級アルコキシカルボニル基;1個又は2個のシクロアルキル基を有することのあるアミノ低級アルコキシカルボニル基;2−イミダゾリン環上に置換基として1個以上の低級アルキルチオ基を有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基;ピロリン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのある3−ピロリニルカルボニル基;チアゾリジン環上にフェニル基を有することのあるチアゾリジニルカルボニル基;3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルカルボニル基;ピペリジニル低級アルキル基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基;フェニルチオ低級アルキル基;インドリニル低級アルキル基;ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニルカルボニル基;ピリジル基;チエニル基;低級アルキルスルフィニル基;低級アルキルスルホニル基;及び低級アルキルチオ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル低級アルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、3−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、4−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、2−メチル−3−フェニルプロピル、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル、1,1−ジフェニルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3,3−ジフェニルプロピル、1,2−ジフェニルエチル、(2−、3−又は4−)フェニルベンジル、4−{(2−、3−又は4−)フェニルフェニル}ベンジル、4−[N−(3−ピリジル)アミノカルボニル]ベンジル、4−[N−(2−メトキシフェニル)アミノカルボニル]ベンジル、4−[2−(2−ピペリジニル)エトキシカルボニル]ベンジル、4−[2−(シクロヘキシルアミノ)エトキシカルボニル]ベンジル、4−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノカルボニル)ベンジル、4−(N,N−ジ−n−ブチルアミノカルボニル)ベンジル、4−[2−メチルチオ−1−(2−イミダゾリニル)カルボニル]ベンジル、4−(N,N−ジイソブチルアミノカルボニル)ベンジル、4−[2,5−ジメチル−1−(3−ピロリニル)カルボニル]ベンジル、4−(3−チアゾリジニルカルボニル)ベンジル、4−[1−(3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルカルボニル)ベンジル、4−(N−n−ブチルアミノカルボニル)ベンジル、4−(N−シクロプロピルアミノカルボニル)ベンジル、4−[3,5−ジメチル−1−ピペリジニルカルボニル]ベンジル、4−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノカルボニル)ベンジル、4−(N−n−プロピルアミノカルボニル)ベンジル、4−[N−(1−メチル−1−シクロペンチル)アミノカルボニル]ベンジル、4−[N−(1−メチル−1−シクロヘキシル)アミノカルボニル]ベンジル、4−フェニルベンジル、2−フェニルベンジル、3−フェニルベンジル、4−tert−ブチルベンジル、4−アミノベンジル、4−ニトロベンジル、4−メトキシカルボニルベンジル、4−カルボキシベンジル、3−メトキシー4−クロロベンジル、4−メトキシベンジル、2,4,6−トリメトキシベンジル、3,4−ジクロロベンジル、2−クロロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、2,4,6−トリフルオロベンジル、4−フルオロベンジル、4−シアノベンジル、4−ピペリジニルカルボニルベンジル、4−アニリノカルボニルベンジル、4−(N−シクロヘキシルアミノカルボニル)ベンジル、4−(N−シクロヘキシルアミノ)ベンジル、4−メチルベンジル、3,4−ジメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−ベンジルオキシベンジル、4−エチルアミノカルボニルベンジル、4−イソプロピルアミノカルボニルベンジル、4−[N−(4−クロロフェニル)アミノカルボニル]ベンジル、4−[N−(4−イソプロピルフェニル)アミノカルボニル]ベンジル、4−[N−(4−フェノキシフェニル)アミノカルボニル]ベンジル、4−[N−(3−フェノキシフェニル)アミノカルボニル]ベンジル、4−[N−(4−メトキシフェニル)アミノカルボニル]ベンジル、4−フェノキシベンジル、4−エタノイルアミノベンジル、4−(N−アセチルアミノ)ベンジル、4−[N−(4−イソプロピルフェニル)アミノカルボニル]ベンジル、4−[2−メチル−(1−、3−、4−、5−又は6−)ピペリジニルカルボニル]ベンジル、4−(N−メチル−N−n−ペンチルアミノカルボニル)ベンジル、4−[N−(2−メチルシクロヘキシル)アミノカルボニル]ベンジル、4−[2−フェニル−(3−、4−又は5−)チアゾリジニルカルボニル]ベンジル、4−[N−メチル−(2−メトキシアニリノ)カルボニル]ベンジル、4−(3−メチルチオアニリノカルボニル)ベンジル、4−(2−メチルチオアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3,4−ジクロロアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−トリフルオロメトキシ−4−アニリノカルボニル)ベンジル、4−アニリノカルボニルベンジル、4−(4−クロロアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−メトキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−メトキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(2−クロロアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−メチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(2,4−ジメトキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−メトキシ−5−クロロアニリノカルボニル)ベンジル、4−(2−メトキシ−5−アセチルアミノアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3,4−ジメトキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−[2−(1−メチルアリル)アニリノカルボニル]ベンジル、4−(3−トリフルオロメトキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(2−メチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(2−フルオロアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−フルオロアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−フルオロアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−ジメチルアミノアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−エトキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−トリフルオロメチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−トリフルオロメチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−アセチルアミノアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−アセチルアミノアニリノカルボニル)ベンジル、4−[N−メチル−(3−メチルアニリノ)カルボニル]ベンジル、4−(2−フェノキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−フェノキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−フェノキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3,5−ジクロロアニリノカルボニル)ベンジル、4−(2,3−ジメチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(2,4−ジメチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3,5−ジメチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3,5−ジフルオロアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−フルオロ−4−メトキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−アミノスルホニルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−メチル−3−メトキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−クロロ−4−メトキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−クロロ−4−メチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−メトキシ−5−トリフルオロメチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−クロロ−4−フルオロアニリノカルボニル)ベンジル、4−[(2−、4−又は5−)チアゾリルアミノカルボニル]ベンジル、4−(3−クロロ−4−ヒドロキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(2−クロロ−5−アセチルアミノアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−メチルチオアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−イソプロピルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−tert−ブチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−{4−[2−オキソ−(1−、3−、4−又は5−)ピロリジニル]アニリノカルボニル}ベンジル、4−(4−メチルカルバモイルアニリノカルボニル)ベンジル、アニリノカルボニルベンジル、4−(2−ベンジルオキシアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−ビニルアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−アセチルアミノアニリノカルボニル)ベンジル、4−(3−アセチルアミノアニリノカルボニル)ベンジル、4−(4−トリフルオロメチルアニリノカルボニル)ベンジル、4−[N−メチル−(4−クロロアニリノ)カルボニル]ベンジル、4−[(2−クロロアニリノ)カルボニル]ベンジル、4−[(3−シアノアニリノ)カルボニル]ベンジル、4−[(4−シアノアニリノ)カルボニル]ベンジル、4−[(2−シアノアニリノ)カルボニル]ベンジル、4−[(2−クロロ−4−フルオロアニリノ)カルボニル]ベンジル、(2−、3−又は4−)(1−ピペリジニルメチル)ベンジル、(2−、3−又は4−)(N−メチルアニリノメチル)ベンジル、(2−、3−又は4−)(フェニルチオメチル)ベンジル、(2−、3−又は4−)(1−インドリルメチル)ベンジル、(2−、3−又は4−)ピリジン−(2−、3−又は4−)イルベンジル、(2−、3−又は4−)チオフェン−(2−又は3−)イルベンジル、(2−、3−又は4−)メチルスルフィニルベンジル、(2−、3−又は4−)エチルスルフィニルベンジル、(2−、3−又は4−)プロピルスルフィニルベンジル、(2−、3−又は4−)メチルスルホニルベンジル、(2−、3−又は4−)エチルスルホニルベンジル、
(2−、3−又は4−)プロピルスルホニルベンジル、(2−、3−又は4−)メチルチオベンジル、(2−、3−又は4−)エチルチオベンジル、(2−、3−又は4−)プロピルチオベンジル基等のフェニル環上に置換基としてフェニル基(フェニル基上には、フェニル基が1〜3個置換していてもよい);前記した直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基;前記した直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基;ハロゲン原子;後記の基−(B)NR;ニトロ基;カルボキシ基;前記した直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシカルボニル基;シアノ基;前記したアルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるフェニルアルコキシ基;フェノキシ基;前記したアルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるピペリジニルアルコキシカルボニル基;前記したC3−8シクロアルキル基を1〜2個有することがあり、アルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるアミノアルコキシカルボニル基;前記した2−イミダゾリン環上に置換基として直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキルチオ基を1〜3個有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基;前記した3−ピロリン環上に置換基として直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜3個有することのある3−ピロリニルカルボニル基;チアゾリジン環上にフェニル基を有することのあるチアゾリジニルカルボニル基;3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルカルボニル基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるピペリジニルアルキル基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であり、アミノ基上に直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜2個有することのあるアニリノアルキル基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるフェニルチオアルキル基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6基であるインドリニルアルキル基;前記したピペリジン環上に置換基として直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜3個有することのあるピペリジニルカルボニル基;ピリジル基;チエニル基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるアルキルスルフィニル基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるアルキルスルホニル基;及びアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるアルキルチオ基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのあるフェニルを1〜2個有する直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を挙げることができる。
【0059】
シクロアルキル低級アルキル基としては、例えば、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロプロピルエチル、1−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、3−シクロペンチルプロピル、4−シクロヘキシルブチル、5−シクロヘプチルペンチル、6−シクロオクチルヘキシル、1,1−ジメチル−2−シクロヘキシルエチル、2−メチル−3−シクロプロピルプロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるC3−8シクロアルキルアルキル基を挙げることができる。
【0060】
フェノキシ低級アルキル基としては、例えば、フェノキシメチル、2−フェノキシエチル、1−フェノキシエチル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、1,1−ジメチル−2−フェノキシエチル、5−フェノキシペンチル、6−フェノキシヘキシル、1−フェノキシイソプロピル、2−メチル−3−フェノキシプロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるフェノキシアルキル基を挙げることができる。
【0061】
ナフチル低級アルキル基としては、例えば、(1又は2−)ナフチルメチル、2−[(1又は2−)ナフチル]エチル、1−[(1又は2−)ナフチル]エチル、3−[(1又は2−)ナフチル]プロピル、4−[(1又は2−)ナフチル]ブチル、5−[(1又は2−)ナフチル]ペンチル、6−[(1又は2−)ナフチル]ヘキシル、1,1−ジメチル−2−[(1又は2−)ナフチル]エチル、2−メチル−3−[(1又は2−)ナフチル]プロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるナフチルアルキル基を挙げることができる。
【0062】
低級アルコキシ低級アルキル基としては、例えば、メトキシメチル、2−メトキシエチル、1−エトキシエチル、2−エトキシエチル、3−n−ブトキシプロピル、4−n−プロポキシブチル、1−メチル−3−イソブトキシプロピル、1,1−ジメチル−2−n−ペンチルオキシエチル、5−n−ヘキシルオキシペンチル、6−メトキシヘキシル、1−エトキシイソプロピル、2−メチル−3−メトキシプロピル基等のアルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であり、アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるアルコキシアルキル基を挙げることができる。
【0063】
カルボキシ低級アルキル基としては、例えば、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、1−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、5−カルボキシペンチル、6−カルボキシヘキシル、1,1−ジメチル−2−カルボキシエチル、2−メチル−3−カルボキシプロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるカルボキシアルキル基を挙げることができる。
【0064】
低級アルコキシカルボニル低級アルキル基としては、例えば、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、1−エトキシカルボニルエチル、3−メトキシカルボニルプロピル、3−エトキシカルボニルプロピル、4−エトキシカルボニルブチル、5−イソプロポキシカルボニルペンチル、6−n−プロポキシカルボニルヘキシル、1,1−ジメチル−2−n−ブトキシカルボニルエチル、2−メチル−3−tert−ブトキシカルボニルプロピル、2−n−ペンチルオキシカルボニルエチル、n−ヘキシルオキシカルボニルメチル基等のアルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であり、アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるアルコキシカルボニルアルキル基を挙げることができる。
【0065】
ピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び低級アルキル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピペラジニル基としては、例えば、(1−又は2−)ピペラジニル、4−メチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−エチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−n−プロピル−1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−tert−ブチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−sec−ブチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−n−ブチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−n−ペンチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、4−n−ヘキシル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、3,4−ジメチル−(1−、2−、5−又は6−)ピペラジニル、3,4,5−トリメチル−(1−又は2−)ピペラジニル、4−フェニル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル、2,4−ジフェニル−(1−、3−、5−又は6−)ピペラジニル、2,3,4−トリフェニル−(1−、5−又は6−)ピペラジニル、4−フェニル−2−メチル−(1−、3−、5−又は6−)ピペラジニル基等のピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのあるピペラジニル基を挙げることができる。
【0066】
1個以上のハロゲン原子を有することのあるチエニル基としては、例えば、(2−又は3−)チエニル、2−クロロ−(3−,4−又は5−)チエニル、4−ブロモ−(2−、3−又は5−)チエニル、5−フルオロ−(2−、3−又は4−)チエニル、3−ヨード−(2−、4−又は5−)チエニル、2,3−ジクロロ−(4−又は5−)チエニル、2,4,5−トリクロロ−3−チエニル、2−フルオロ−(3−、4−又は5−)チエニル基等の置換基としてハロゲン原子を1〜3個有することがあるチエニル基を挙げることができる。
【0067】
1個以上のハロゲン原子を有することのあるフェニル基としては、例えば、フェニル、(2−、3−又は4−)クロロフェニル、(2−、3−又は4−)フルオロフェニル、(2−、3−又は4−)ブロモフェニル、(2−、3−又は4−)ヨードフェニル、(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−)ジクロロフェニル、(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−)ジフルオロフェニル、(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−)ジブロモフェニル、(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−)ジヨードフェニル、(2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−又は3,4,5−)トリクロロフェニル、(2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−又は3,4,5−)トリフルオロフェニル、(2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−又は3,4,5−)トリブロモフェニル、(2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−又は3,4,5−)トリヨードフェニル、2−クロロ−3−フルオロフェニル基等の置換基としてハロゲン原子を1〜3個有することがあるフェニル基を挙げることができる。
【0068】
1個以上のハロゲン原子を有する低級アルキル基としては、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、ヨードメチル、ジフルオロメチル、ジブロモメチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、3−クロロプロピル、2,3−ジクロロプロピル、4,4,4−トリクロロブチル、4−フルオロブチル、5−クロロペンチル、3−クロロ−2−メチルプロピル、5−ブロモヘキシル、5,6−ジブロモヘキシル基等の置換基としてハロゲン原子を1〜3個有する直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を挙げることができる。
【0069】
ピリジルアミノ基としては、(2−、3−又は4−)ピリジルアミノ基を挙げることができる。
【0070】
ピリジルカルボニルアミノ基としては、(2−、3−又は4−)ピリジルカルボニルアミノ基を挙げることができる。
【0071】
アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ基としては、アニリノ、N−メチルアニリノ、N−エチルアニリノ、N−n−プロピルアニリノ、N−イソプロピルアニリノ、N−n−ブチルアニリノ、N−sec−ブチルアニリノ、N−tert−ブチルアニリノ、N−n−ペンチルアニリノ、N−n−ヘキシルアニリノ基等のアミノ基上に1個又は2個の直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を有することのあるアニリノ基を挙げることができる。
【0072】
ピリジル低級アルキル基としては、例えば、[(2−、3−又は4−)ピリジル]メチル、2−[(2−、3−又は4−)ピリジル]エチル、1−[(2−、3−又は4−)ピリジル]エチル、3−[(2−、3−又は4−)ピリジル]プロピル、4−[(2−、3−又は4−)ピリジル]ブチル、1,1−ジメチル−2−[(2−、3−又は4−)ピリジル]エチル、5−[(2−、3−又は4−)ピリジル]ペンチル、6−[(2−、3−又は4−)ピリジル]ヘキシル、1−[(2−、3−又は4−)ピリジル]イソプロピル、2−メチル−3−[(2−、3−又は4−)ピリジル]プロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるピリジルアルキル基を挙げることができる。
【0073】
ピリジン環上に置換基としてハロゲン原子;ピペリジニル基;モルホリノ基;ピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び低級アルキル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピペラジニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるチエニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるフェニル基;ピリジル基;ピペリジニル低級アルキル基;フェニルチオ低級アルキル基;ビフェニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;ピリジルアミノ基;ピリジルカルボニルアミノ基;低級アルコキシ基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ基;及びフリル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピリジル低級アルキル基としては、例えば、(2−、3−又は4−)ピリジルメチル、2−[(2−、3−又は4−)ピリジル]エチル、1−[(2−、3−又は4−)ピリジル]エチル、3−[(2−、3−又は4−)ピリジル]プロピル、4−[(2−、3−又は4−)ピリジル]ブチル、1,1−ジメチル−2−[(2−、3−又は4−)ピリジル]エチル、5−[(2−、3−又は4−)ピリジル]ペンチル、6−[(2−、3−又は4−)ピリジル]ヘキシル、1−[(2−、3−又は4−)ピリジル]イソプロピル、2−メチル−3−[(2−、3−又は4−)ピリジル]プロピル、(2−クロロ−3−ピリジル)メチル、[2−クロロ−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2,3−ジクロロ−(4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−ブロモ−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2,4,6−トリフルオロ−(3−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(1−ピペリジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(4−モルホリノ)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、2−[2−(4−エチル−1−ピペラジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]エチル、3−[2−(4−イソプロピル−1−ピペラジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]プロピル、4−[2−(4−sec−ブチル−1−ピペラジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]ブチル、5−[2−(4−n−ペンチル−1−ピペラジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]ペンチル、6−[2−(4−n−ヘキシル−1−ピペラジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]ヘキシル、[2−(4−フェニル−2−メチル−1−ピペラジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(4−フェニル−1−ピペラジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(2−チエニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(3−チエニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(2−クロロチオフェン−5−イル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−フェニル−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(2−クロロフェニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、2−[2,4−ジフェニル−(3−、5−又は6−)ピリジル]エチル、3−[2−(2−ピリジル)−6−(3−チエニル)−(3−、4−又は5−)ピリジル]プロピル、4−(3−アニリノ−(2−、4−、5−又は6−)ピリジル)ブチル、5−[2−(4−モルホリノ)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]ペンチル、6−[2−(1−ピペリジニル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]ヘキシル、[2−(2−ピリジル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(3−ピリジル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、(3−、4−、5−又は6−)(1−ピペリジニルメチル)−2−ピリジルメチル、(3−、4−、5−又は6−)フェニルチオメチル−2−ピリジルメチル、(4−、5−又は6−)ビフェニル−3−ピリジルメチル、(4−、5−又は6−)トリフルオロメチル−3−ピリジルメチル、(4−、5−又は6−)(2−ピリジルアミノ)−3−ピリジルメチル、(4−、5−又は6−)[(2−又は3−)ピリジルカルボニルアミノ]−3−ピリジルメチル、3、5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジルメチル、(3−、4−、5−又は6−)(N−メチルアニリノメチル)−2−ピリジルメチル、[2−(N−メチルアニリノ)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、[2−(3−フリル)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]メチル、2−[2−(N−エチルアニリノ)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]エチル、3−[2−(N−n−プロピルアニリノ)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]プロピル、4−[2−(N−n−ブチルアニリノ)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]エチル、5−[2−(N−n−ペンチルアニリノ)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]ペンチル、6−[2−(N−n−ヘキシルアニリノ)−(3−、4−、5−又は6−)ピリジル]ヘキシル基等のピリジン環上に置換基として前記したハロゲン原子;ピペリジニル基;モルホリノ基;前記したピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのあるピペラジニル基;ハロゲン原子を1〜3個有することのあるチエニル基;ハロゲン原子を1〜3個有することのあるフェニル基;ピリジル基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるピペリジニルアルキル基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるフェニルチオアルキル基;ビフェニル基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であり、ハロゲン原子を1〜3個有することのある低級アルキル基;ピリジルアミノ基;ピリジルカルボニルアミノ基;直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基;アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であり、アミノ基上に直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜2個有することのあるアニリノアルキル基;前記したアミノ基上に直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1個又は2個以上有することのあるアニリノ基;及びフリル基なる群から選ばれた基を1〜3個有することがあり、アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるピリジルアルキル基を挙げることができる。
【0074】
シアノ低級アルキル基としては、例えば、シアノメチル、2−シアノエチル、1−シアノエチル、3−シアノプロピル、4−シアノブチル、1,1−ジメチル−2−シアノエチル、5−シアノペンチル、6−シアノヘキシル、1−シアノイソプロピル、2−メチル−3−シアノプロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるシアノアルキル基を挙げることができる。
【0075】
キノリル低級アルキル基としては、例えば、[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]メチル、2−[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]エチル、1−[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]エチル、3−[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]プロピル、4−[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]ブチル、1,1−ジメチル−2−[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]エチル、5−[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]ペンチル、6−[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]ヘキシル、1−[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]イソプロピル、2−メチル−3−[(2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−)キノリル]プロピル基等のアルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるキノリルアルキル基を挙げることができる。
【0076】
低級アルコキシ低級アルコキシ置換低級アルキル基としては、例えば、メトキシメトキシメチル、2−(メトキシメトキシ)エチル、1−(エトキシメトキシ)エチル、3−(2−n−ブトキシエトキシ)プロピル、4−(3−n−プロポキシプロポキシ)ブチル、1,1−ジメチル−2−(4−n−ペンチルオキシブトキシ)エチル、5−(5−n−ヘキシルオキシペンチルオキシ)ペンチル、6−(6−メトキシヘキシルオキシ)ヘキシル、1−エトキシメトキシイソプロピル、2−メチル−3−(2−メトキシエトキシ)プロピル、3,3−ジメチル−3−(メトキシメトキシ)プロピル基等の2つのアルコキシ部分が各々直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であり、アルキル部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基であるアルコキシアルコキシ置換アルキル基を挙げることができる。
【0077】
水酸基置換低級アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、3,3−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル、2−メチル−3−ヒドロキシプロピル、2,3,4−トリヒドロキシブチル基等の水酸基を1〜3個有する直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を挙げることができる。
【0078】
1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルカノイル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、tert−ブチルカルボニル、ヘキサノイル、クロロアセチル、ジブロモアセチル、トリフルオロアセチル、3−クロロプロピオニル、4−フルオロブチリル、5−ブロモペンタノイル、6−クロロヘキサノイル基等の置換基としてハロゲン原子を1〜3個有することのある直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルカノイル基を挙げることができる。
【0079】
1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシカルボニル基としては、例えば、前記低級アルコキシカルボニル基に加えて、トリフルオロメトキシカルボニル、トリクロロメトキシカルボニル、クロロメトキシカルボニル、ブロモメトキシカルボニル、フルオロメトキシカルボニル、ヨードメトキシカルボニル、ジフルオロメトキシカルボニル、ジブロモメトキシカルボニル、2−クロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、3−クロロプロポキシカルボニル、2,3−ジクロロプロポキシカルボニル、4,4,4−トリクロロブトキシカルボニル、4−フルオロブトキシカルボニル、4,4,4−トリフルオロブトキシカルボニル、5−クロロペンチルオキシカルボニル、3−クロロ−2−メチルプロポキシカルボニル、5−ブロモヘキシルオキシカルボニル、5,6−ジブロモヘキシルオキシカルボニル基等のアルコキシ部分が直鎖又は分枝状のC1−6アルコキシ基であり、置換基としてハロゲン原子を1〜3個有することのあるアルコキシカルボニル基を挙げることができる。
【0080】
1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基としては、前記低級アルコキシ基に加えて、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、フルオロメトキシ、ヨードメトキシ、ジフルオロメトキシ、ジブロモメトキシ、2−クロロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、3−クロロプロポキシ、2,3−ジクロロプロポキシ、4,4,4−トリクロロブトキシ、4−フルオロブトキシ、5−クロロペンチルオキシ、3−クロロ−2−メチルプロポキシ、5−ブロモヘキシルオキシ、5,6−ジブロモヘキシルオキシ基等の置換基としてハロゲン原子を1〜3個有することのある直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基を挙げることができる。
【0081】
低級アルカノイル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、tert−ブチルカルボニル、ヘキサノイル基等の直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルカノイル基が挙げられる。
【0082】
低級アルカノイルアミノ基としては、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、ペンタノイルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、ヘキサノイルアミノ、N,N−ジアセチルアミノ、N−アセチル−N−プロピオニルアミノ基等の直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルカノイル基を1〜2個有するアミノ基を挙げることができる。
【0083】
フェニル環上に置換基としてハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基、シアノ基及び低級アルカノイルアミノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニルスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)クロロフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)フルオロフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)ブロモフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)ヨードフェニルスルホニル、(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−)ジクロロフェニルスルホニル、(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−)ジフルオロフェニルスルホニル、(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−)ジブロモフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)メチルフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)エチルフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)プロピルフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)イソプロピルフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)ペンチルフェニルスルホニル、(2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−又は3,5−)ジメチルフェニルスルホニル、(2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,5−、2,4,6−又は3,4,5−)トリメチルフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)クロロメチルフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)ジクロロメチルフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)トリフルオロメチルフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−){(1−又は2−)クロロエチル}フェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)フェニルフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)フェノキシフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)メトキシフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)エトキシフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)プロポキシフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)クロロメトキシフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)ジクロロメトキシフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)トリフルオロメトキシフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−){(1−又は2−)クロロエトキシ}フェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)シアノフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)ホルミルアミノフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)アセチルアミノフェニルスルホニル、(2−、3−又は4−)プロピオニルアミノフェニルスルホニル、2−メチル−3−クロロフェニルスルホニル基等のフェニル環上に置換基として前記したハロゲン原子、前記した1〜3個のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、前記した1〜3個のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基、シアノ基及び前記した低級アルカノイルアミノ基なる群から選ばれた基を1個又は2個有することのあるフェニルスルホニル基を挙げることができる。
【0084】
ナフチルスルホニル基としては、例えば、(1−又は2−)ナフチルスルホニル基を挙げることができる。
【0085】
1個以上のフェニル基を有することのある低級アルキル基としては、前記低級アルキル基に加えて、フェニルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、2−フェニルエチル、2,2,2−トリフェニルエチル、3−フェニルプロピル、2,3−ジフェニルプロピル、4,4,4−トリフェニルブチル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、5,6−ジフェニルヘキシル基等の置換基としてフェニル基等のフェニル基を1〜3個有することのある直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を挙げることができる。
【0086】
カルボキシ低級アルコキシ基としては、例えば、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、1−カルボキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシ、4−カルボキシブトキシ、5−カルボキシペンチルオキシ、6−カルボキシヘキシルオキシ、1,1−ジメチル−2−カルボキシエトキシ、2−メチル−3−カルボキシプロポキシ基等のアルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるカルボキシアルコキシ基を挙げることができる。
【0087】
低級アルコキシカルボニル低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルメトキシ、エトキシカルボニルメトキシ、2−メトキシカルボニルエトキシ、2−エトキシカルボニルエトキシ、1−エトキシカルボニルエトキシ、3−メトキシカルボニルプロポキシ、3−エトキシカルボニルプロポキシ、4−エトキシカルボニルブトキシ、5−イソプロポキシカルボニルペンチルオキシ、6−n−プロポキシカルボニルヘキシルオキシ、1,1−ジメチル−2−n−ブトキシカルボニルエトキシ、2−メチル−3−tert−ブトキシカルボニルプロポキシ、2−n−ペンチルオキシカルボニルエトキシ、n−ヘキシルオキシカルボニルメトキシ基等の2つのアルコキシ部分が各々直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるアルコキシカルボニルアルコキシ基を挙げることができる。
【0088】
低級アルキル基及び低級アルカノイル基なる群から選ばれた基を1個又は2個有することのあるアミノ基としては、例えば、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジ−n−ペンチルアミノ、ジ−n−ヘキシルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、N−エチル−N−n−プロピルアミノ、N−メチル−N−n−ブチルアミノ、N−メチル−N−n−ヘキシルアミノ、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、ペンタノイルアミノ、tert−ブチルカルボニルアミノ、ヘキサノイルアミノ、N,N−ジアセチルアミノ、N−アセチル−N−プロピオニルアミノ、N−メチル−N−アセチルアミノ、N−エチル−N−プロピオニルアミノ基等の置換基として直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基及び直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルカノイル基なる群から選ばれた基を1〜2個有することのあるアミノ基を挙げることができる。
【0089】
ピロリジン環上に置換基として1個以上のオキソ基を有することのあるピロリジニル基としては、例えば、(1−、2−又は3−)ピロリジニル、2−オキソ−(1−、3−、4−又は5−)ピロリジニル、2,5−ジオキソ−(1−又は3−)ピロリジニル基等のピロリジン環上に置換基としてオキソ基を1〜2個を有することのあるピロリジニル基を挙げることができる。
【0090】
ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニル基としては、例えば、(1−、2−、3−又は4−)ピペリジニル、1−メチル−(2−、3−又は4−)ピペリジニル、1−エチル−(2−、3−又は4−)ピペリジニル、1−n−プロピル−(2−、3−又は4−)ピペリジニル、1−イソプロピル−(2−、3−又は4−)ピペリジニル、1−n−ブチル−(2−、3−又は4−)ピペリジニル、1−n−ペンチル−(2−、3−又は4−)ピペリジニル、1−n−ヘキシル−(2−、3−又は4−)ピペリジニル、1,2−ジメチル−(3−、4−、5−又は6−)ピペリジニル、1,2,3−トリメチル−(4−、5−又は6−)ピペリジニル、2−n−プロピル−(1−、3−、4−、5−又は6−)ピペリジニル、3−エチル−(1−、2−、4−、5−又は6−)ピペリジニル、2−メチル−4−イソプロピル−(1−、3−、5−又は6−)ピペリジニル基等のピペリジン環上に置換基として直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜3個有することのあるピペリジニル基を挙げることができる。
【0091】
低級アルケニル基としては、例えば、ビニル、1−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、1−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、2−ペンテン−4−イル、2−ヘキセニル、1−ヘキセニル、5−へキセニル、3−ヘキセニル、4−へキセニル、3,3−ジメチル−1−プロペニル、2−エチル−1−プロペニル、1,3,5−ヘキサトリエニル、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニル基等の二重結合を1〜3個有する直鎖又は分枝鎖状のC2−6アルケニル基を挙げることができる。
【0092】
1個以上の低級アルキル基を有することのあるカルバモイル基としては、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、tert−ブチルカルバモイル、n−ペンチルカルバモイル、n−ヘキシルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジ−n−プロピルカルバモイル、ジ−n−ブチルカルバモイル、ジ−n−ペンチルカルバモイル、ジ−n−ヘキシルカルバモイル、N−メチル−N−エチルカルバモイル、N−エチル−N−n−プロピルカルバモイル、N−メチル−N−n−ブチルカルバモイル、N−メチル−N−n−ヘキシルカルバモイル基等の直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜2個有することのあるカルバモイル基を挙げることができる。
【0093】
フェニル環上に置換基としてハロゲン原子;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;フェノキシ基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基;低級アルキルチオ基;低級アルキルスルホニル基;低級アルキル基及び低級アルカノイル基なる群から選ばれた基を1個又は2個有することのあるアミノ基;ピロリジン環上に置換基として1個以上のオキソ基を有することのあるピロリジニル基;ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニル基;低級アルケニル基;アミノスルホニル基;水酸基;1個以上の低級アルキル基を有することのあるカルバモイル基;フェニル低級アルコキシ基;及びシアノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル基としては、例えば、フェニル、4−フェノキシフェニル、3−フェノキシフェニル、2−フェノキシフェニル、4−イソプロピルフェニル、3−イソプロピルフェニル、2−イソプロピルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−メチルフェニル、3−メチルフェニル、2−メチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、4−メチル−3−メトキシフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、4−メチル−3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、2−クロロフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、3−ブロモフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、2−クロロ−5−フルオロフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−メトキシ−5−クロロフェニル、2−メトキシ−5−アセチルアミノフェニル、2−クロロ−5−アセチルアミノフェニル、4−エトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、3−メトキシ−5−トリフルオロメチルフェニル、4−メチルチオフェニル、3−メチルチオフェニル、2−メチルチオフェニル、2−(1−メチル−1−ビニル)フェニル、4−ビニルフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、4−メチルアミノフェニル、2−(N−メチル−N−アセチルアミノ)フェニル、3−アセチルアミノフェニル、4−プロピオニルアミノフェニル、4−アセチルアミノフェニル、2−アセチルアミノフェニル、4−アミノスルホニルフェニル、3−アミノスルホニルフェニル、2−アミノスルホニルフェニル、4−メチルチオフェニル、3−メチルチオフェニル、2−メチルチオフェニル、4−メチルスルホニルフェニル、3−メチルスルホニルフェニル、2−メチルスルホニルフェニル、4−メチルカルバモイルフェニル、3−カルバモイルフェニル、2−エチルカルバモイルフェニル、2−ベンジルオキシフェニル、3−ベンジルオキシフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、2−フェニルフェニル、3−フェニルフェニル、4−フェニルフェニル、2−シアノフェニル、3−シアノフェニル、4−シアノフェニル、4−[2−オキソ−(1−、3−、4−又は5−)ピロリジニル]フェニル、3−[2,5−ジオキソ−(1−又は3−)ピロリジニル]フェニル、4−[4−メチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル]フェニル、3−[4−エチル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル]フェニル、2−[4−イソプロピル−(1−、2−又は3−)ピペラジニル]フェニル基等のフェニル環上に置換基として前記したハロゲン原子;前記したハロゲン原子を1〜3個有することのある直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基;フェノキシ基;前記したハロゲン原子を1〜3個有することのある直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基;前記した直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキルチオ基;前記した直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキルスルホニル基;前記した直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルキル基及び直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルカノイル基なる群から選ばれた基を1〜2個有することのあるアミノ基;前記したピロリジン環上に置換基としてオキソ基を1〜2個有することのあるピロリジニル基;前記したピペリジン環上に置換基として直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜3個有することのあるピペリジニル基;前記した二重結合を1〜3個有する直鎖又は分枝鎖状のC2−6アルケニル基;アミノスルホニル基;水酸基;前記した直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜2個有することのあるカルバモイル基;前記したアルコキシ部分が直鎖又は分枝鎖状のC1−6アルコキシ基であるフェニルアルコキシ基;及びシアノ基なる群から選ばれた基を1〜3個有することのあるフェニル基を挙げることができる。
【0094】
シクロアルキル環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるシクロアルキル基としては、例えば、前記したシクロアルキル基に加えて、1−メチルシクロプロピル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロブチル、1−エチルシクロオクチル、1−n−プロピルシクロヘプチル、1,2−ジメチルシクロヘキシル、1,4,5−トリメチルシクロオクチル、1−n−ブチルシクロプロピル、1−n−ペンチルシクロペンチル、1−n−ヘキシルシクロヘキシル基等のシクロアルキル環上に置換基として直鎖及び/又は分枝鎖状のC1−6アルキル基を1〜3個有することのあるC3−8シクロアルキル基を挙げることができる。
【0095】
本発明の化合物は、例えば、下記反応式−1〜反応式−9に示すようにして製造される。これらの反応式−1〜反応式−9に記載される全ての原料化合物及び目的化合物は、それらの適切な塩であってもよい。これらの塩は、下記に述べる化合物(1)のところで例示されている塩と同じでよい。
【0096】
反応式−1
【0097】
【化3】

【0098】
[式中、R、R、R、X及びnは前記に同じ。R15は、水素原子又は低級アルキル基を示す。Aは、直接結合又は低級アルキレン基を示す。ここで、カルバゾール骨格上に置換している基−CH(R15)−A−の総炭素数は6を超えないものとする。]
化合物(2)と化合物(3)との反応は、適当な溶媒中、塩基性化合物又は酸の存在下に行われる。
【0099】
ここで使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の低級アルコール系溶媒、酢酸等の脂肪酸、無水酢酸等の酸無水物、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0100】
塩基性化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウム、カリウム、ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウム n−ブトキシド等の金属アルコラート、ピペリジン、ピリジン、イミダゾール、N−エチルジイソプロピルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の有機塩基又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0101】
酸としては、例えば、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等の脂肪酸等の有機酸;塩酸、硫酸、臭化水素酸、燐酸等の無機酸;又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0102】
本反応においては、塩基性化合物と酸とを併用してもよい。
【0103】
塩基性化合物又は酸は、化合物(2)に対して、通常触媒量、好ましくは、0.01〜等モル量程度使用するのがよい。
【0104】
化合物(3)は、化合物(2)に対して、通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜2倍モル量程度使用するのがよい。
【0105】
該反応は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃付近にて行われ、一般に0.5〜20時間程度にて反応は終了する。
【0106】
化合物(1a)を化合物(1b)に導く反応は、例えば、無溶媒又は適当な溶媒中、還元剤の存在下に行われる。
【0107】
ここで使用される溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の低級アルコール系溶媒、アセトニトリル、蟻酸、酢酸等の脂肪酸、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド又はこれらの混合溶媒等を例示できる。
【0108】
還元剤としては、例えば、ジエチル 1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボキシレート等のピリジン化合物とシリコンジオキシドとの混合物、水素化硼素ナトリウム、水素化硼素リチウム、水素化シアノ硼素ナトリウム、水素化トリアセチルオキシ硼素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム等の水素化還元剤又はこれらの水素化還元剤の混合物、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、酸化白金、白金黒、ラネーニッケル等の接触水素還元剤等を例示できる。
【0109】
還元剤としてピリジン化合物とシリコンジオキシドとの混合物を使用する場合、反応温度は、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜150℃程度付近が適当である。該反応は一般に0.5〜50時間程度にて終了する。ピリジン化合物は、化合物(1a)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜3倍モル量使用される。シリコンジオキシドは、化合物(1a)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜10倍モル量使用される。
【0110】
水素化還元剤を使用する場合、反応温度は、通常−80〜100℃程度、好ましくは−80〜70℃程度が適当である。該反応は一般に30分〜60時間程度で終了する。水素化還元剤は、化合物(1a)に対して、通常0.1倍モル〜20倍モル量程度、好ましくは0.1倍モル〜6倍モル程度用いられる。特に水素化還元剤として水素化硼素リチウムを使用する場合、溶媒はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のエーテル系溶媒及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を使用するのが好ましい。該反応の反応系内に、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン等のアミン、水酸化ナトリウム等の無機塩基又は/及びジメチルグリオキシム、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナンスロリン等のリガンドを添加してもよい。水素化還元剤として水素化硼素ナトリウムを使用する場合、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン等のアミン、水酸化ナトリウム等の無機塩基又は/及びジメチルグリオキシム、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナンスロリン等のリガンドが存在している反応系内に、塩化第二コバルト、塩化第三コバルト、酢酸第二コバルト等のコバルト化合物を添加してもよい。
【0111】
接触水素還元剤を使用する場合、通常常圧〜20気圧程度、好ましくは常圧〜10気圧程度の水素雰囲気中で、又は蟻酸、蟻酸アンモニウム、シクロへキセン、包水ヒドラジン等の水素供与剤の存在下で、通常−30〜100℃程度、好ましくは0〜100℃程度の温度で反応を行うのがよい。該反応は、一般に1〜12時間程度で終了する。接触水素還元剤は、化合物(1a)に対して、通常0.01〜5倍重量、好ましくは1〜3倍重程度用いられる。
【0112】
反応式−2
【0113】
【化4】

【0114】
[式中、R、R及びnは前記に同じ。Xはハロゲン原子を示す。R16は、低級アルキル基を示す。]
化合物(1c)は、化合物(4)と化合物(5)とを、適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下に反応させ、次いで得られる反応生成物を酸で処理することにより製造される。この酸処理を、以下「酸処理A」という。
【0115】
ここで使用される溶媒としては、例えば、水、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2−メトキシエタノール、モノグライム、ジグライム等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の低級アルコール系溶媒、酢酸等の脂肪酸、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0116】
塩基性化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウム、カリウム、ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウム n−ブトキシド等の金属アルコラート、酢酸ナトリウム、ピペリジン、ピリジン、イミダゾール、N−エチルジイソプロピルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、DBN、DBU、DABCO等の有機塩基又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0117】
塩基性化合物は、化合物(4)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜3倍モル程度使用される。
【0118】
化合物(5)は、化合物(4)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜2倍モル程度使用される。
【0119】
該反応は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃付近にて行われる。該反応は、一般に0.5〜10時間程度にて終了する。
【0120】
得られる反応生成物を酸で処理する際に使用される酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸等の無機酸を例示できる。これらの酸は、処理すべき反応生成物に対して、通常大過剰量使用される。
【0121】
酸処理の際に使用される溶媒としては、前記化合物(4)と化合物(5)の反応で使用される溶媒をいずれも使用することができる。
【0122】
酸処理は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃付近にて行われる。該酸処理は、一般に0.5〜30時間程度にて終了する。
【0123】
化合物(4)と化合物(6)との反応は、前記化合物(4)と化合物(5)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0124】
反応式−3
【0125】
【化5】

【0126】
[式中、R、R、X、A、X及びnは前記に同じ。R3aは、水素原子以外の前記Rに定義されている基と同じ。]
化合物(1e)と化合物(7)との反応は、適当な不活性溶媒中、塩基性化合物の存在下に行われる。
【0127】
用いられる不活性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2−メトキシエタノール、モノグライム、ジグライム等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の低級アルコール系溶媒、酢酸等の脂肪酸、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0128】
塩基性化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウム、カリウム、ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウム n−ブトキシド、ナトリウム tert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコラート、ピリジン、イミダゾール、N−エチルジイソプロピルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン、DBN、DBU、DABCO等の有機塩基又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0129】
塩基性化合物は、化合物(1e)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜10倍モル量使用される。
【0130】
化合物(7)は、化合物(1e)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜10倍モル量用いられる。
【0131】
該反応は、通常0〜200℃、好ましくは0〜150℃程度にて行われる。一般に5分〜80時間程度にて反応は終了する。
【0132】
この反応の反応系内には、沃化ナトリウム、沃化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化合物等を添加してもよい。
【0133】
化合物(1e)と化合物(7)との反応において、Xが硫黄原子を示す化合物(1e)を用いる場合、該反応によって一般式
【0134】
【化6】

【0135】
[式中、R、R、R3a、A及びnは前記に同じ。]
で表される化合物が生成することがある。該化合物は反応混合物から容易に単離され得る。
【0136】
反応式−4
【0137】
【化7】

【0138】
[式中、R、R、X、A、X及びnは前記に同じ。R1aは、水素原子以外の前記Rに定義されている基と同じ。]
化合物(1h)と化合物(10)との反応は、前記反応式−3における化合物(1e)と化合物(7)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0139】
反応式−5
【0140】
【化8】

【0141】
[式中、R、R、X、A及びnは前記に同じ。R1bは、前記Rの(1-9)で定義されている基と同じ。R1cは、前記Rの(1-8)で定義されている基と同じ。]
化合物(1l)を化合物(1m)に導く反応は、化合物(1l)を加水分解することにより行われる。
【0142】
この加水分解反応は、例えば、適当な溶媒中又は無溶媒で、酸又は塩基性化合物の存在下に行われる。
【0143】
用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等の低級アルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、モノグライム、ジグライム等のエーテル系溶媒、酢酸、蟻酸等の脂肪酸系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
【0144】
酸としては、例えば、塩酸、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸及び蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸等の有機酸を挙げることができる。これらの酸は、1種単独で又は2種以上混合して用いられる。
【0145】
塩基性化合物としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物等を挙げることができる。これらの塩基性化合物は、1種単独で又は2種以上混合して用いられる。
【0146】
加水分解反応は、通常0〜200℃程度、好ましくは0〜150℃程度にて好適に進行する。該反応は、一般に10分〜30時間程度で終了する。
【0147】
化合物(1m)を化合物(1l)に導く反応は、化合物(1m)と一般式
23OH (50)
[式中、R23は、低級アルキル基を示す。]
で表される化合物と反応させることにより行われる。
【0148】
この反応には、通常のエステル化反応条件をいずれも適用することができる。例えば、該反応は、塩酸、硫酸等の鉱酸、及び/又はチオニルクロリド、オキシ塩化燐、五塩化燐、三塩化燐等のハロゲン化剤の存在下で行われる。化合物(50)は、化合物(1m)に対して、大過剰量使用される。該反応は、通常0〜150℃程度、好ましくは50〜100℃程度にて好適に進行する。該反応は、一般に1〜10時間程度で終了する。
【0149】
反応式−6
【0150】
【化9】

【0151】
[式中、R、R、X、A及びnは前記に同じ。R1dは、フェニル環上に低級アルコキシカルボニル基を少なくとも1個有している以外は、前記Rの(1-3)で定義されている基と同じ。R1eは、フェニル環上にカルボキシ基を少なくとも1個有している以外は、前記Rの(1-3)で定義されている基と同じ。]
化合物(1u)を化合物(1v)に導く反応は、前記反応式−5における化合物(1l)を化合物(1m)に導く反応と同様の反応条件下に行われる。
【0152】
化合物(1v)を化合物(1u)に導く反応は、前記反応式−5における化合物(1m)を化合物(1l)に導く反応と同様の反応条件下に行われる。
【0153】
反応式−7
【0154】
【化10】

【0155】
[式中、R、R、X、A及びnは前記に同じ。R1kは、フェニル環上にニトロ基を少なくとも1個有している以外は、前記Rの(1-3)で定義されている基と同じ。R1lは、フェニル環上にアミノ基を少なくとも1個有している以外は、前記Rの(1-3)で定義されている基と同じ。]
化合物(1bb)を化合物(1cc)に導く反応は、例えば、(1)適当な溶媒中、接触水素還元剤を用いて化合物(1bb)を還元するか、又は(2)適当な不活性溶媒中、金属もしくは金属塩と酸又は金属もしくは金属塩とアルカリ金属水酸化物、硫化物、アンモニウム塩等との混合物等を還元剤として用いて化合物(1bb)を還元することにより行われる。
【0156】
上記(1)の方法を採用する場合、溶媒としては、例えば、水、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等又はこれらの混合溶媒等を使用できる。接触水素還元剤としては、例えば、パラジウム、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、白金−炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネーニッケル等を使用できる。これらの還元剤は、1種単独で又は2種以上混合して用いられる。還元剤は、化合物(1bb)に対して、一般に0.02〜1倍重量程度用いるのがよい。反応温度は、通常−20〜150℃付近、好ましくは0〜100℃付近である。水素圧は通常1〜10気圧である。該反応は一般に0.5〜100時間程度で終了する。該反応の反応系内には塩酸等の酸を添加してもよい。
【0157】
(2)の方法を採用する場合、鉄、亜鉛、錫もしくは塩化第一錫と塩酸、硫酸等の鉱酸、又は鉄、硫酸第一鉄、亜鉛もしくは錫と水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、硫化アンモニウム等の硫化物、アンモニア水、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩との混合物が還元剤として用いられる。不活性溶媒としては、例えば、水、酢酸、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジオキサン等のエーテル系溶媒等又はこれらの混合溶媒等を例示できる。還元反応の条件としては、用いられる還元剤によって適宜選択すればよい。例えば、塩化第一錫と塩酸とを還元剤として用いる場合、0℃〜150℃付近で、0.5〜10時間程度反応を行なうのが有利である。上記還元剤は、化合物(1bb)に対して、少なくとも等モル量、通常は約等モル〜5倍モル量用いられる。
【0158】
反応式−8
【0159】
【化11】

【0160】
[式中、R、R、X、A及びnは前記に同じ。
1mは、ピリジン環上にハロゲン原子を少なくとも1個有している以外は、前記Rの(1-10)で定義されている基と同じ。
1nは、ピリジン環上にピペリジニル基;モルホリノ基;ピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び低級アルキル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピペラジニル基並びにアミノ基上に1個以上の低級アルキル基を有することのあるアニリノ基からなる群から選ばれた基を少なくとも1個有している以外は、前記Rの(1-10)で定義されている基と同じ。
1oは、1個以上のハロゲン原子を有することのあるチエニル基、1個以上のハロゲン原子を有することのあるフェニル基、ピリジル基及びビフェニル基からなる群から選ばれた基を少なくとも1個有している以外は、前記Rの(1-10)で定義されている基と同じ。
19は、ピペリジニル基、モルホリノ基、ピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び低級アルキル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピペラジニル基、アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ基、ピリジルアミノ基又はピリジルカルボニルアミノ基を示す。
20は、1個以上のハロゲン原子を有することのあるチエニル基、1個以上のハロゲン原子を有することのあるフェニル基、ピリジル基又はビフェニル基を示す。
Mは、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、基−MgX(Xは前記に同じ)、基−ZnX(Xは前記に同じ)又は基−B(OH)を示す。
Yは、低級アルキル基を示す。
qは、1〜4の整数を示す。
rは、1〜3の整数を示す。但し、qとrとの合計は4であるものとする。]
化合物(1dd)と化合物(21)との反応は、適当な溶媒中、塩基性化合物及び触媒の存在下に行われる。
【0161】
ここで使用される溶媒及び塩基性化合物としては、前記反応式−3における化合物(1e)と化合物(7)の反応で用いられる溶媒及び塩基性化合物をいずれも使用することができる。
【0162】
触媒としては、例えば、ビス(トリブチル錫)/ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、R−トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、S−トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、パラジウム(II)アセテート等のパラジウム化合物、R−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(R−BINAP),S−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(S−BINAP)、RAC−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(RAC−BINAP)、2,2−ビス(ジフェニルイミダゾリジニリデン)等の化合物、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン等のキサンテン化合物、tert−ブチルホスフィン、tert−ブチルホスフィンテトラフルオロホウ酸塩等のアルキルホスフィン又はそれらの塩等又はこれらの混合物等を挙げることができる。
【0163】
塩基性化合物は、化合物(1dd)に対して、通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜2倍モル量使用される。
【0164】
触媒は、化合物(1dd)に対して、通常の触媒量で使用される。
【0165】
化合物(21)は、化合物(1dd)に対して、通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜2倍モル量使用される。
【0166】
該反応は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃付近にて行われる。該反応は、一般に0.5〜20時間程度にて終了する。
【0167】
化合物(1dd)と化合物(22a)又は(22b)との反応は、適当な溶媒中、塩基性化合物及び触媒の存在下に行われる。
【0168】
ここで使用される溶媒としては、水に加えて、前記反応式−3における化合物(1e)と化合物(7)との反応で用いられる溶媒をいずれも使用することができる。
【0169】
塩基性化合物としては、前記反応式−3における化合物(1e)と化合物(7)との反応で用いられる塩基性化合物をいずれも使用することができる。
【0170】
触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)等のパラジウム化合物を挙げることができる。
【0171】
塩基性化合物は、化合物(1dd)に対して、通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜5倍モル量使用される。
【0172】
触媒は、化合物(1dd)に対して、通常0.001〜等モル量、好ましくは0.01〜0.5倍モル量使用される。
【0173】
化合物(21)は、化合物(1dd)に対して、通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜5倍モル量使用される。
【0174】
該反応は、通常−30〜200℃、好ましくは0〜150℃付近にて行われる。該反応は、一般に0.5〜20時間程度にて終了する。
【0175】
該反応において、Mがアルカリ金属塩又はMgXを示す場合は、塩基性化合物及び触媒の非存在下でも反応は進行する。
【0176】
反応式−9
【0177】
【化12】

【0178】
[式中、R、R、X、A及びXは前記に同じ。
2aは、前記Rの(2-2)、(2-4)又は(2-5)で定義されている基と同じ。
21は、低級アルキル基、カルボキシ低級アルキル基又は低級アルコキシカルボニル低級アルキル基を示す。]
化合物(1gg)と化合物(23)との反応は、前記反応式−3における化合物(1e)と化合物(7)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0179】
上記反応式において、出発原料として用いられる化合物(2)は、例えば、下記反応式−10に示すようにして製造される。他の出発原料は、公知であるか、又は公知の方法に準じて容易に製造される。
【0180】
反応式−10
【0181】
【化13】

【0182】
[式中、R1a、R、R15、X及びnは前記に同じ。]
化合物(34)をR15が水素原子を示す化合物(2c)に導く反応及び化合物(35)をR15が水素原子を示す化合物(2d)に導く反応は、適当な溶媒中、触媒の存在下、化合物(34)又は(35)と一般式
(X)CHOR24 (52)
[式中、Xは前記に同じ。Xはハロゲン原子を示す。R24は、低級アルキル基を示す。]
で表される化合物と反応させることにより行われる。
【0183】
ここで使用される溶媒としては、前記反応式−8における化合物(1dd)と化合物(22)の反応で用いられる溶媒をいずれも使用することができる。
【0184】
触媒としては、例えば、四塩化チタン等のチタン化合物、塩化(IV)スズ等のスズ化合物、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物等を例示できる。触媒は、化合物(34)又は(35)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜5倍モル量使用される。
【0185】
化合物(52)は、化合物(34)又は(35)に対して、通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜5倍モル量使用される。
【0186】
該反応は、通常0〜70℃、好ましくは0〜50℃付近にて行われる。一般に1分〜24時間程度で反応は終了する。
【0187】
化合物(34)をR15が水素原子を示す化合物(2c)に導く反応及び化合物(35)をR15が水素原子を示す化合物(2d)に導く反応は、ハロゲン化剤及び酸の存在下、化合物(34)又は(35)をパラホルムアルデヒドと反応させ、次いでヘキサメチレンテトラミンを反応させることにより行われる。
【0188】
ここで使用されるハロゲン化剤としては、例えば、塩酸、臭化水素酸等を挙げることができる。酸としては、例えば、硫酸、リン酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、蟻酸、酢酸等の有機酸又はこれらの混合物を例示できる。ハロゲン化剤及び酸は、それぞれ通常大過剰使用される。
【0189】
パラホルムアルデヒドは、化合物(34)又は(35)に対して、通常少なくとも0.1倍重量、好ましくは0.1〜等重量使用される。
【0190】
ヘキサメチルテトラミンは、化合物(34)又は(35)に対して、通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜5倍モル量使用される。
【0191】
該反応は、通常室温〜150℃程度、好ましくは室温〜100℃付近にて行われる。該反応は、一般に0.5〜10時間程度にて終了する。
【0192】
化合物(34)をR15が水素原子を示す化合物(2c)に導く反応及び化合物(35)をR15が水素原子を示す化合物(2d)に導く反応は、適当な溶媒中、酸の存在下、化合物(34)又は(35)をヘキサメチレンテトラミンと反応させることにより行うことができる。
【0193】
該反応は、一般に、ダッフ(Duff)反応と呼ばれている。ここで使用される酸としては、一般に、ダッフ反応で用いられる酸を好ましく使用でき、例えば、酢酸、硼酸/無水グリセロール、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等が挙げられる。酸は、化合物(34)又は(35)に対して、通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜大過剰量使用される。
【0194】
溶媒としては、前記反応式−8における化合物(1dd)と化合物(22)との反応で用いられる溶媒をいずれも使用することができる。
【0195】
該反応は、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜150℃付近にて行われる。該反応は、一般に0.5〜10時間程度で終了する。
【0196】
15が低級アルキル基を示す化合物(2c)及びR15が低級アルキル基を示す化合物(2d)は、適当な溶媒中、触媒の存在下、化合物(34)又は(35)と一般式
COR15a (53)
[式中、Xは前記に同じ。R15aは低級アルキル基を示す。]
で表される化合物と反応させることにより製造される。
【0197】
これらの反応は、一般にフリーデル−クラフツ反応(Friedel-Crafts Reaction)と呼ばれ、適当な溶媒中ルイス酸の存在下に行われる。
【0198】
ここで使用されるルイス酸としては、一般にこの種フリーデルクラフツ反応で用いられるルイス酸をいずれも使用可能であり、例えば、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化スズ(IV)、三臭化硼素、三フッ化硼素、濃硫酸等が挙げられる。
【0199】
使用される溶媒としては、例えば、二硫化炭素、ニトロベンゼン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ニトロエタン、ニトロメタン等の脂肪族ニトロ化合物又はこれらの混合溶媒等を例示できる。
【0200】
ルイス酸は、化合物(34)又は(35)に対して、通常等モル〜6倍モル量使用される。
【0201】
化合物(53)は、化合物(34)又は(35)に対して、通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜5倍モル量使用される。
【0202】
該反応は、通常、0〜150℃程度、好ましくは0〜100℃付近にて行われる。該反応は、一般に0.5〜25時間程度にて反応は終了する。
【0203】
化合物(34)と化合物(10)との反応及び化合物(2c)と化合物(10)との反応は、前記反応式−3における化合物(1e)と化合物(7)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0204】
上記に示す各反応式で得られる各々の目的化合物は、反応混合物を、例えば、冷却した後、濾過、濃縮、抽出等の単離操作によって粗反応生成物を分離し、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の精製操作によって、反応混合物から単離精製することができる。
【0205】
本発明の一般式(1)で表される化合物は、立体異性体、光学異性体、水和物等の溶媒和物を包含する。
【0206】
本発明化合物のうち塩基性基を有する化合物は、通常の薬理的に許容される酸と容易に塩を形成し得る。このような酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸が挙げられる。
【0207】
また本発明化合物のうち酸性基を有する化合物は、医薬的に許容される塩基性化合物を作用させることにより容易に塩を形成させることができる。このような塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。
【0208】
次に、本発明化合物を有効成分として含有する医療製剤について説明する。
【0209】
上記医療製剤は、本発明化合物を通常の医療製剤の形態に製剤したものであって、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。
【0210】
このような医療製剤としては、治療目的に応じて種々の形態の中から選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。
【0211】
錠剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が挙げられる。
【0212】
更に、錠剤は、必要に応じて通常の錠皮を施した錠剤、例えば、糖衣剤、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0213】
丸剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、寒天等の崩壊剤等が挙げられる。
【0214】
坐剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル、ゼラチン、半合成グリセライド等が挙げられる。
【0215】
注射剤として調製される場合は、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましい。これらの液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成形する際に用いられる希釈剤としては、公知のものを広く用いられているものを使用することができ、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルベタン脂肪酸エステル等が挙げられる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するのに十分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を、更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させてもよい。
【0216】
医療製剤中に含有される本発明化合物の量は、特に限定されず広い範囲内から適宜選択することができるが、通常、医療製剤中に本発明化合物を1〜70重量%含有させるのが好ましい。
【0217】
本発明に係る医療製剤の投与方法としては特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別、疾患の状態、その他の条件に応じた方法で投与される。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経口投与される。また、注射剤の場合には、単独であるいはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内に投与したり、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内に投与することができる。坐剤の場合には、直腸内に投与される。
【0218】
上記医療製剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件に応じて適宜選択すればよく、通常、1日あたり体重1kgに対して0.001〜100mg、好ましくは0.001〜50mgを1回〜数回に分けて投与される。
【0219】
上記投与量は、種々の条件で変動するので、上記範囲より少ない投与量で充分な場合もあるし、また上記範囲を超えた投与量が必要な場合もある。
【発明の効果】
【0220】
本発明の化合物は、例えば、TFF2等のTFFを産生誘導するので、TFF誘導剤(up-regulator)、特にTFF2誘導剤の有効成分として有用である。
【0221】
本発明化合物は、そのTFF産生誘導作用に基づいて、ヒト及び獣医学において、各種疾病の予防又は治療剤、例えば粘膜傷害の予防及び治療剤として使用できる。具体的には、TFF産生誘導作用、特にTFF2産生誘導作用に基づいて予防又は治療効果が得られる疾病として、様々な起源発生の急性及び慢性消化管疾患(例えば、薬剤性潰瘍、消化性胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、薬剤性腸炎、虚血性大腸炎、過敏性腸症候群、内視鏡的粘膜切除術後潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎、逆流性食道炎、食道潰瘍、バレット食道、消化管粘膜炎(例えば、化学療法、放射線療法等により惹起される消化管粘膜炎)、痔疾患等);口腔疾患(例えば、口内炎(例えば、化学療法、放射線療法等により惹起される口内炎、アフタ性口内炎等)、シェーグレン症候群、口腔乾燥症等);上気道疾患(例えば、鼻炎、咽頭炎等);気道疾患(例えば、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患等);眼疾患(例えば、ドライアイ、角結膜炎等);癌;及び創傷等を例示できる。
【0222】
本発明の化合物は、副作用が少なく、安全性に優れている。
【0223】
本発明に含まれる化合物(1)及びその塩は、TFFペプチド(TFF1、TFF2、TFF3等)、TFFを産生誘導する他のタイプの化合物、及び/又は他の薬剤(例えば、抗炎症剤、抗潰瘍剤等)と組み合わせて投与され得る。
【0224】
ここで記載された特許、特許出願及び文献は、参照として取り入れられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0225】
本発明をより一層明らかにするために、以下に実施例を掲げる。
【0226】
参考例1
9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール17.1g(64ミリモル)をジクロロメタン500mLに溶解し、この溶液に室温でジクロロメチルメチルエーテル 8.7ml (97ミリモル) を加え、混合液を氷水浴で冷却した。この溶液に10℃以下で四塩化チタン22.3ml (161ミリモル)を滴下した(約1時間)。反応液を室温で一夜撹拌し、これを氷水1.5Lに注ぎ、不溶物を濾過し、濾液を分液した。水層をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を水で2回洗浄し、飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製し、精製物を減圧下に濃縮乾固して、白色粉末の9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド10.7g(収率51%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ(ppm): 7.53 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.60 - 7.64 (1H, m), 8.04 (1H, dd, J = 7.9Hz, J = 1.2 Hz), 8.08 (1H, dd, J = 7.7Hz, J = 0.7 Hz), 8.14 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.23 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.80 (1H, s), 10.14 (1H, s)。
【0227】
参考例2
3−ホルミルカルバゾール−9−カルボン酸 tert−ブチルエステルの合成
9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド0.20g(1.0ミリモル)と4−ジメチルアミノピリジン25mg(0.2ミリモル)のテトラヒドロフラン(THF)溶液を氷冷し、当該溶液にトリエチルアミン0.47ml(3.3ミリモル)及び二炭酸ジ-tert-ブチル0.52ml(2.2ミリモル)を加え、室温で一夜撹拌した。反応液を減圧下に濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解し、溶液を水及び飽和食塩水で洗浄した。得られた溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧下に濃縮乾固して、淡黄色粉末の3−ホルミルカルバゾール−9−カルボン酸 tert−ブチルエステル0.33g(収率定量的)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ(ppm): 1.78 (9H, s), 7.41 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.53 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.98 - 8.00 (1H, m), 8.05 (1H, dd, J = 7.6Hz, J = 0.4 Hz), 8.29 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.46 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.49 (1H, t, J = 0.7 Hz),10.12 (1H, s)。
【0228】
参考例3
9−シクロヘキシルメチル−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
水素化ナトリウム(60%油性)0.44g(11ミリモル)をn−ヘキサンで洗浄し、ジメチルホルムアミド(DMF)5mlに懸濁した。得られた懸濁液に、氷冷下、9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド1.95g(10ミリモル)のDMF溶液(5ml)を加え、これを室温で1時間撹拌した。得られた懸濁液を、再度氷冷し、これにシクロヘキシルメチルブロミド1.54ml(11ミリモル)を加え、混合液を室温で一夜撹拌した。この反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、精製物を減圧下に濃縮乾固して、淡黄色粉末の9−シクロヘキシルメチル−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド2.21g(収率76%)を得た。
融点 128.8℃。
【0229】
参考例4
9−(4−ブロモベンジル)−1−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸エチルの合成
1−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸エチル0.55g(2.2ミリモル)のDMF溶液に氷冷下水素化ナトリウム(60%油性)96mg(2.4ミリモル)を加え、混合物を室温で30分撹拌した。得られた反応物を再度氷冷し、これに4−ブロモベンジルブロミド0.60g(2.4ミリモル)を加え、室温で30分撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた乾燥物を濾過した後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1→6:1)で精製し、精製物を減圧下に濃縮乾固して、白色粉末の9−(4−ブロモベンジル)−1−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸エチル0.93g(収率定量的)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :1.45(3H,t,J=7.1Hz),4.43(2H,q,J=7.1Hz),5.74(2H,s),6.86(2H,d,J=8.5Hz),7.21−7.50(5H,m),7.88(1H,d,J=1.4Hz),8.16(1H,d,J=7.7Hz),8.72(1H,d,J=1.4Hz)。
【0230】
参考例5
[9−(4−ブロモベンジル)−1−メチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールの合成
9−(4−ブロモベンジル)−1−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸エチル0.60g(1.42ミリモル)のTHF溶液を氷冷し、これに水素化リチウムアルミニウム108mg(2.84ミリモル)を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応物に硫酸ナトリウム10水和物を加え、これを1時間撹拌した。不溶物を濾別し、濾液を減圧下に濃縮乾固して白色粉末の[9−(4−ブロモベンジル)−1−メチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールを得た(収率定量的)。
1H-NMR (CDCl3) δppm :2.62(3H,s),4.82(2H,s),5.71(2H,s),6.86(2H,d,J=8.5Hz),7.20−7.50(5H,m),8.04(1H,s)、8.10(1H,J=8.3Hz)。
【0231】
参考例6
9−(4−ブロモベンジル)−1−メチル−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
[9−(4−ブロモベンジル)−1−メチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノール0.50g(1.31ミリモル)のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液(3ml)に、o−ヨードキシ安息香酸0.37g(2.05ミリモル)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応液に水及び酢酸エチルを加え、不溶物を濾別した。濾液を分液し、有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮乾固して白色粉末の9−(4−ブロモベンジル)−1−メチル−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド0.38g(収率76%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :2.69 (3H, s), 5.76 (2H, s), 6.88 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.25-7.52 (5H, m), 7.72 (1H, s), 8.17 (1H, d, J = 7.7 Hz), 8.51 (1H, s), 10.07 (1H, s)。
【0232】
参考例7
4−o−トリルアミノ安息香酸メチルの合成
4−アミノ安息香酸メチル12.5g(82.7ミリモル)、2−ブロモトルエン15.6g(91.0ミリモル)、RAC−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(RAC−BINAP)1.03g(1.65ミリモル)、酢酸パラジウム0.37g(1.65ミリモル)、及び炭酸セシウム53.9g(165ミリモル)をトルエン150mlに加え、混合物を100℃で4時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、不溶物を濾別した。濾液を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1→5:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、淡黄色油状物の4−o−トリルアミノ安息香酸メチル0.93g(収率99%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :2.25(3H,s),3.88(3H,s),5.69(1H,bs),6.79(2H,d,J=8.5Hz),7.09(1H,dd,J=7.4Hz, J =1.3Hz),7.15-7.30(3H,m),7.89(2H,d,J=8.5Hz)。
【0233】
参考例8
8−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチルの合成
4−o−トリルアミノ安息香酸メチル4.0g(16.6ミリモル)の酢酸溶液(40ml)に酢酸パラジウム4.84g(21.6ミリモル)を加え、混合物を100℃で2時間撹拌した。得られた反応物を室温まで冷却し、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=8:1→5:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、白色粉末の8−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチル0.92g(収率23%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δppm :2.57(3H, s), 3.89 (3H, s), 7.14(1H, dd, J=7.4Hz, J = 7.2Hz), 7.26(1H,d,J = 7.2Hz), 7.57(1H,d,J=8.5Hz),8.02(1H, dd,J = 8.5 Hz, J = 1.7Hz), 8.07(1H, d, J = 7.4Hz),8.77(1H, d, J = 1.7Hz), 11.6(1H, bs)。
【0234】
参考例9
9−(4−ブロモベンジル)−8−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチルの合成
原料化合物として8−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチル及び4−ブロモベンジルブロミドを用い、参考例3と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :2.62(3H,s),3.97(3H,s),5.73(2H,s),6.86(2H,d,J=8.4Hz),7.19-7.25(2H,m),7.39(2H,d,J=8.4Hz),8.03-8.12(2H,m),8.83(1H,d,J=1.4Hz)。
【0235】
参考例10
[9−(4−ブロモベンジル)−8−メチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールの合成
原料化合物として9−(4−ブロモベンジル)−8−メチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチルを用い、参考例5と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm : 2.64 (3H, s), 4.85(2H, s), 5.72 (2H, s), 6.87 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.19-7.30 (3H, m),7.35-7.43 (3H, m), 7.95 (1H, dd, J = 1.5 Hz, J = 8.6 Hz), 7.96-8.00 (1H, m), 8.06 (1H, d, J = 1.2 Hz)。
【0236】
参考例11
9−(4−ブロモベンジル)−8−メチル−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
原料化合物として[9−(4−ブロモベンジル)−8−メチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールを用い、参考例6と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm : 2.64 (3H, s), 5.76 (2H, s), 6.88 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.19-7.30 (3H, M), 7.33 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.35-7.43 (2H, M), 7.95 (1H, dd, J = 1.5Hz, J =8.6 Hz), 8.03-8.11 (1H, M), 8.63 (1H, d, J = 1.2 Hz), 10.10 (1H, s)。
【0237】
参考例12
9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
原料化合物として9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドと6−クロロピリジン−3−イルメチルクロリドを用い、参考例3と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm : 5.56 (2H, s), 7.20 (1H, d J=8.2Hz), 7.26-7.29 (1H, m), 7.35-7.39 (2H, m), 7.43 (1H, d, J=8.5Hz), 7.51-7.54 (1H, m), 8.01 (1H, dd, J1=1.5Hz, J2=8.5Hz), 8.20 (1H, d, J=8.5Hz), 8.38 (1H, d, J=2.2Hz), 8.66(1H, d, J=1.5Hz), 10.12 (1H, s)。
【0238】
参考例13
[9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−8−メチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールの合成
9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド1.0g(3.12ミリモル)をTHF20mlと水2mlに溶解し、得られた溶液に、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム59mg(1.56ミリモル)及び水4mlを加え、混合物を室温で1時間撹拌した。得られた反応物に氷冷下、酢酸0.36mlを加え、15分撹拌した。得られた反応物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び酢酸エチルを加え、混合物を分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後の有機層を濾過した後、減圧下に濃縮して淡黄色無定形固体の[9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−8−メチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノール1.08gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm : 4.87 (2H, s), 5.51 (2H, s), 7.15 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.20-7.40 (4H, m), 7.45 - 7.55 (2H, m), 8.10 - 8.20 (2H, m), 8.30 - 8.40 (1H, m)。
【0239】
参考例14
9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)−9H−カルバゾールの合成
[9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−8−メチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノール1.08g(3.12ミリモル)、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム0.157g(0.62ミリモル)及び3,4−ジヒドロ−2H-ピラン0.34ml(3.7ミリモル)をジクロロメタン20mlに加え、混合液を室温で一夜撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、黄色油状物の9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)−9H−カルバゾール1.18g(収率93%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm : 1.50 - 2.00 (6H, m), 3.55 - 3.65 (1H, m), 3.95 - 4.10 (1H, m), 4.47 (1H, d, J = 11.5 Hz), 4.75 - 4.85 (1H, m), 4.96 (1H, d, J = 11.5 Hz), 5.50 (2H, s), 7.05 - 7.55 (7H, m), 8.05 - 8.20 (2H, m), 8.37 (1H, d, J = 7.4 Hz)。
【0240】
参考例15
9−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジン−5’−イルメチル)−3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)−9H−カルバゾールの合成
9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)−9H−カルバゾール0.55g(1.35ミリモル)、ピペリジン0.20ml(2.03ミリモル)、酢酸パラジウム15.2mg(0.068ミリモル)、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム23.6mg(0.081ミリモル)及びナトリウムt-ブトキシド0.20g(2.1ミリモル)をトルエン11mlに加え、混合物を100℃で3時間撹拌した。得られた反応物を室温まで冷却し、不溶物を濾別した。濾物を酢酸エチルで洗浄し、濾液と洗液を合わせて減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2.5:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、黄色油状物の9−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジン−5’−イルメチル)−3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)−9H−カルバゾール0.32g(収率52%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm : 1.40 - 1.95 (12H, m), 3.30 - 3.65 (5H, m), 3.95 - 4.10 (1H, m), 4.67 (1H, d, J = 11.4 Hz), 4.75 - 4.85 (1H, m), 4.95 (1H, d, J = 11.4 Hz), 5.36 (2H, s), 6.47 (1H, d, J = 9.9 Hz), 7.10 - 7.60 (6H, m), 8.05 - 8.20 (3H, m)。
【0241】
参考例16
9−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2‘]ビピリジン−5’−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
9−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジン−5’−イルメチル)−3−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)−9H−カルバゾール0.32g(0.72ミリモル)のエタノール溶液(6ml)にp-トルエンスルホン酸一水和物134mg(0.70ミリモル)及び水5mlを加え、混合液を60℃で2.5時間撹拌し、さらに1時間加熱還流した。得られた反応物を室温まで冷却し、これに炭酸水素ナトリウムを加えて中和した後、中和物を減圧下に濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、残渣をDMSO4mlに溶解した。得られた溶液にo−ヨードキシ安息香酸122mg(0.44ミリモル)を加え、混合液を室温で13時間撹拌した。得られた反応液に水と酢酸エチルを加えて分液し、有機層を水洗(2回)し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に濃縮して黄色油状物の9−(3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジン−5’−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド125mg(収率48%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm : 1.50 - 1.70 (5H, m), 3.40-3.55 (4H, m), 5.43 (2H, s), 6.49 (1H, d, J = 9.0Hz), 7.15 - 7.25 (1H, m), 7.30 - 7.40 (1H, m), 7.45 - 7.55 (3H, m), 7.95 - 8.05 (1H, m), 8.15 - 8.25 (2H, m), 9.07 (1H, s), 10.10 (1H, s)。
【0242】
参考例17
9−(6−チオフェン−3−イルピリジン−3−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド1.2g(3.7ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.43g(0.37ミリモル)をジメトキシエタン24mlに加え、混合物をアルゴン置換して5分間室温で撹拌した後、これに3−チオフェンボロン酸0.62g(4.9ミリモル)及び2M−炭酸ナトリウム水溶液7.5mlを加えた。得られた混合物をアルゴン雰囲気下4時間加熱還流後、室温まで冷却した。反応液に酢酸エチルを加えて水で2回洗浄し、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥物を濾過した後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、精製物を減圧下に濃縮乾固して、黄色粉末の9−(6−チオフェン−3−イルピリジン−3−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド1.26g(収率91%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm : 5.82 (2H, s), 7.35 (1H, t, J=7.6Hz), 7.54-7.57 (2H, m), 7.60 (1H, dd, J1=2.9Hz, J2=5.1Hz), 7.66 (1H, dd, J1=1.1Hz, J2=5.1Hz), 7.75 (1H, d, J=8.2Hz), 7.83 (1H, d, J=8.2Hz), 7.95 (1H, d, J=8.6Hz), 8.02 (1H, dd, J1=1.5Hz, J2=8.6Hz), 8.09 (1H, dd, J1=1.1Hz, J2=2.9Hz), 8.34 (1H, d, J=7.6Hz), 8.56 (1H, d, J=1.5Hz), 8.81(1H, s), 10.08 (1H, s)。
【0243】
参考例18
9−(4−ブロモベンジル)−8−メトキシ−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチルの合成
原料化合物として8−メトキシ−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチル及び4−ブロモベンジルブロミドを用い、参考例3と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :3.88(3H,s),3.96(3H, s),5.83(2H, s),6.94-7.00(3H,m), 7.18-7.38 (4H, m), 7.77(1H, dd, J = 7.8 Hz, J = 0.6Hz),8.10(1H, dd, J=8.7 Hz, J = 1.6Hz), 8.81(1H, d, J = 1.5Hz)。
【0244】
参考例19
[9−(4−ブロモベンジル)−8−メトキシ−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールの合成
原料化合物として9−(4−ブロモベンジル)−8−メトキシ−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチルを用い、参考例5と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :3.88(3H, s), 4.84(2H, s), 5.81(2H, s), 6.91-6.99(3H, m), 7.13-7.41 (5H, m), 7.72(1H, dd, J = 7.8Hz, J = 0.7Hz),8.08(1H, d, J=0.8Hz)。
【0245】
参考例20
9−(4−ブロモベンジル)−8−メトキシ−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
原料化合物として[9−(4−ブロモベンジル)−8−メトキシ−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールを用い、参考例6と同様にして標記化合物を得た。
1H NMR (CDCl3)δppm:3.90 (3H, s), 5.85 (2H, s), 6.94-7.02 (3H, m), 7.20-7.30 (1H, m), 7.35-7.40 (3H, m), 7.78 (1H, dd, J = 0.9 Hz, J = 7.9 Hz), 7.95 (1H, dd, J = 1.6 Hz, J = 8.6 Hz), 8.56-8.62 (1H, m), 10.08 (1H, s)。
【0246】
参考例21
3−メチル−4−o−トリルアミノ安息香酸エチルの合成
原料化合物として4−アミノ−3−メチル−安息香酸エチルと2−ブロモトルエンを用い、参考例7と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :1.36(3H, t, J = 7.1Hz), 2.23(3H, s), 2.31(3H, s), 4.32(2H, q, J = 7.1Hz), 5.47(1H, bs), 6.73(1H, d, J = 8.5Hz), 7.05-7.11 (1H, m), 7.19-7.28(3H, m), 7.74(1H, dd, J = 8.5Hz, J = 2.0Hz), 7.85(1H, d, J = 1.4Hz)。
【0247】
参考例22
1,8−ジメチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸エチルの合成
原料化合物として3−メチル−4−o−トリルアミノ安息香酸エチルを用い、参考例8と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :1.45(3H,t,J=7.1Hz),2.60(3H,s),2.61(3H,s),4.43(2H,q,J=7.1Hz),7.17−7.28(2H,m),7.94−8.01(2H,m),8.66(1H,t,J=0.7Hz)。
【0248】
参考例23
9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸エチルの合成
原料化合物として1,8−ジメチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸エチル及び4−ブロモベンジルブロミドを用い、参考例3と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :1.44(3H, t, J = 7.1Hz), 2.57(3H, s), 2.60(3H, s), 4.42(2H, q, J = 7.1Hz), 5.94(1H, bs), 6.83(2H, d, J = 8.5Hz), 7.17-7.22(2H, m), 7.40(2H, d, J = 8.5Hz), 7.84(1H, d, J = 0.7Hz), 8.04(1H, dd, J = 7.1 Hz, J = 1.8Hz), 8.68(1H, d, J = 1.4Hz)。
【0249】
参考例24
[9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールの合成
原料化合物として9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメチル−9H−カルバゾール−3−カルボン酸エチルを用い、参考例5と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :1.63(1H,t,J=5.8Hz),2.57(6H,s),4.81(2H,d,J=5.8Hz),5.93(2H,s),6.85(2H,d,J=8.4Hz),7.13-7.15(3H,m),7.39(2H,d,J=8.4Hz),7.97(1H,s)。
【0250】
参考例25
9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメチル−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
原料化合物として[9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメチル−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールを用い、参考例6と同様にして標記化合物を得た。
1H NMR (CDCl3)δppm:2.58 (3H, s), 2.63 (3H, s), 5.97 (2H, s), 6.80-6.90 (2H, m), 7.15-7.30 (2H, m), 7.37-7.47 (2H, m), 7.68 (1H, s), 7.99-8.08 (1H, m), 8.48 (1H, d, J = 1.4 Hz), 10.06 (1H, s)。
【0251】
参考例26
3−メトキシ−4−o−トリルアミノ安息香酸メチルの合成
原料化合物として4−アミノ−3−メトキシ−安息香酸メチル及び2−ブロモトルエンを用い、参考例7と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :3.89(6H, s), 3.95(3H, s), 6.81-7.01 (3H, m), 7.28 (1H, d, J = 8.4Hz), 7.44 (1H, d, J = 7.7Hz), 7.53(1H, d, J = 1.7Hz), 7.60(1H, dd, J = 8.4 Hz, J = 1.7Hz)。
【0252】
参考例27
1,8−ジメトキシ−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチルの合成
原料化合物として3−メトキシ−4−o−トリルアミノ安息香酸メチルを用い、参考例8と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :3.97(3H, s), 4.01 (3H, s), 4.05(3H, s), 6.92(1H, d, J = 7.4Hz), 7.20(1H, t, J = 7.9Hz), 7.57(1H, d, J = 1.2Hz), 7.68(1H, d, J = 7.9Hz), 8.45(1H, d, J = 1.2Hz), 8.67(1H,bs)。
【0253】
参考例28
9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメトキシ−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチルの合成
原料化合物として1,8−ジメトキシ−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチル及び4−ブロモベンジルブロミドを用い、参考例3と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm :3.86(3H, s), 3.92(3H, s), 3.96(3H, s), 6.16(2H, s), 6.91(2H, d, J = 8.5Hz), 7.19(1H, t, J = 7.8Hz), 7.30(2H, d, J = 8.5Hz), 7.56(1H, d, J = 1.3Hz), 7.72(1H, dd, J = 7.8Hz, J = 0.6Hz), 8.44 (1H, d, J = 1.4Hz)。
【0254】
参考例29
[9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメトキシ−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールの合成
原料化合物として9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメトキシ−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチルを用い参考例5と同様にして合成した。
1H-NMR (CDCl3) δppm :1.65(1H, t, J = 5.9Hz), 3.86(3H, s), 3.88(3H, s), 4.81(2H, d,J = 5.9Hz), 6.13(2H, s), 6.86-6.93(4H, m), 7.13(1H, t, J = 7.9Hz), 7.28(2H, d, J = 8.4Hz), 7.63-7.67(2H,m)。
【0255】
参考例30
9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメトキシ−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
原料化合物として[9−(4−ブロモベンジル)−1,8−ジメトキシ−9H−カルバゾール−3−イル]メタノールを用い、参考例6と同様にして標記化合物を得た。
1H NMR (CDCl3)δppm:3.87 (3H, s), 3.94 (3H, s), 6.19 (2H, s), 6.87-6.96 (3H, m), 7.18-7.26 (1H, m), 7.43 (1H, d, J = 1.2 Hz), 7.72 (1H, dd, J = 0.8 Hz, J = 7.8 Hz), 8.18 (1H, d, J = 1.3 Hz), 10.03 (1H, s)。
【0256】
参考例31
9−(4−メタンスルホニルベンジル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド及び9−(4−メタンスルフィニルベンジル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
9−(4−メチルスルファニルベンジル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド0.9g(2.9ミリモル)のジクロロメタン溶液(20ml)を氷冷し、これにm-クロロ過安息香酸1.25g(7.2ミリモル)を加え、混合物を30分間氷冷下撹拌した。得られた反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合液を撹拌した後、分液した。ジクロロメタン層を水及び飽和食塩水で洗浄した後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製した。精製物を濃縮乾固して白色粉末の9−(4−メタンスルホニルベンジル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド1.13g(収率62%)を得た。
融点 204.2℃
シリカゲルカラムをさらにジクロロメタン:メタノール=5:1で溶出し、精製物を濃縮乾固して白色粉末の9−(4−メタンスルフィニルベンジル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド0.53g(収率31%)を得た。
融点 177℃。
【0257】
参考例32
9−(4−エチルベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド
水素化ナトリウム(60%油性)49mg(1.2ミリモル)をTHF5mlに懸濁し、この懸濁液に9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド0.20g(1.0ミリモル)を加え、混合液を室温で20分撹拌した。これに4−エチルベンゼンスルホニルクロリド0.18ml(1.1ミリモル)を加え、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。この反応液に水を加え、得られた混合物ジクロロメタンで抽出し、ジクロロメタン層を水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥物を濾過した後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。精製物を濃縮乾固して白色粉末の9−(4−エチルベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド192mg(収率52%)を得た。
融点 170.7℃。
【0258】
参考例33
9−(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒドの合成
9−(6−クロロピリジン−3−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド1.5g(4.7ミリモル)をモルホリン15mlに加え、混合物をアルゴン置換し、100℃で6時間、120℃で16時間撹拌した。得られた反応物を室温まで冷却し、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチルと水を加えて分液し、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した。洗浄した有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、淡黄色粉末の9−(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イルメチル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド1.24g(収率63%)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δppm : 3.44 (4H, t, J=4.9Hz), 3.77 (4H, t, J=4.9Hz), 5.30 (2H, s), 6.50 (1H, d, J=8.8Hz), 7.24 (1H, dd, J1=2.5Hz, J2=8.8Hz), 7.30-7.37 (1H, m), 7.45-7.55 (3H, m), 7.99 (1H, dd, J1=1.5Hz, J2=8.5Hz), 8.16-8.18 (2H, m), 8.63 (1H, d, J=1.5Hz), 10.10 (1H, s)。
【0259】
参考例34
9−(4−ブロモベンジル)−1−メトキシ−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド
水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(65%トルエン溶液)1.1ml(3.5ミリモル)とモルホリン0.34ml(3.9ミリモル)とから調製した試薬のトルエン溶液(10ml)を9−(4−ブロモベンジル)−1−メトキシ−9H−カルバゾール−3−カルボン酸メチル0.50g(1.2ミリモル)のトルエン溶液(10ml)に滴下し、混合物を室温で一夜撹拌した。反応液に水を加えて反応を停止し、得られた反応物を酢酸エチルで抽出した。抽出物を水で洗浄した後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1→5:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、白色粉末の9−(4−ブロモベンジル)−1−メトキシ−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド0.5g(収率定量的)を得た。
1H NMR (CDCl3) δppm:3.97 (3H, s), 5.86 (2H, s), 6.99 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.29-7.52 (6H, m), 8.14 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.24 (1H, d, J = 1.2 Hz), 10.06 (1H, s)。
【0260】
参考例35
9−(4−ピリジン−2−イルベンジル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド
9−(4−ブロモベンジル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド1.5g(4.1ミリモル)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.48g(0.41ミリモル)をトルエン30mlに加え、2−トリ−n−ブチルスタニルピリジン1.82g(4.9ミリモル)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、6時間加熱還流した後、室温まで冷却した。得られた反応液に水と酢酸エチルを加え、不溶物を濾別した。分液後、有機層を水で2回洗浄し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥物を濾過した後、減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:0→100:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、黄色粉末の9−(4−ピリジン−2−イルベンジル)−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド1.1g(収率74%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δppm : 5.83 (2H, s), 7.23-7.37 (4H, m), 7.50-7.57 (1H, m), 7.76 (1H, d, J=8.2Hz), 7.83-8.03 (6H, m), 8.35 (1H, d, J=7.7Hz), 8.61-8.63 (1H, m), 8.82 (1H, d, J=1.2Hz), 10.08 (1H, s)。
【0261】
適当な原料化合物を用い、参考例1と同様にして参考例31、45及び75の化合物を得た。
【0262】
適当な原料化合物を用い、参考例3と同様にして参考例32、34−41、48−49、71−74、及び77−85の化合物を得た。
【0263】
適当な原料化合物を用い、参考例17と同様にして参考例33、42−43及び86−90の化合物を得た。
【0264】
適当な原料化合物を用い、参考例32と同様にして参考例44、46−47、50−70及び76の化合物を得た。
【0265】
適当な原料化合物を用い、参考例35と同様にして参考例91の化合物を得た。
【0266】
【表1】

【0267】
【表2】

【0268】
【表3】

【0269】
【表4】

【0270】
【表5】

【0271】
【表6】

【0272】
【表7】

【0273】
【表8】

【0274】
実施例1
5−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−2−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−2−カルバルデヒド1.0g(3.0ミリモル)及びチアゾリジン−2,4−ジオン0.38g(3.3ミリモル)のトルエン溶液(15ml)に触媒量のピペリジンと酢酸とを加え、得られた溶液を1.5時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷し、不溶物を濾取し、トルエンで洗浄した。濾物をトルエン100mlに懸濁し、得られた懸濁液に1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル1.13g(4.5ミリモル)及びシリカゲル1.5gを加え、一夜加熱還流した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。ジクロロメタン−n−ヘキサン混合溶媒から再結晶して白色粉末の5−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−2−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン0.91g(収率70%)を得た。
融点 152.4℃。
【0275】
実施例2
5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−3−メトキシ−9H−カルバゾール−2−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−3−メトキシ−9H−カルバゾール−2−カルバルデヒド0.11g(0.28ミリモル)及びチアゾリジン−2,4−ジオン34mg(0.29ミリモル)のトルエン溶液(3ml)に触媒量のピペリジンと酢酸とを加え、得られた溶液を2時間加熱還流した。得られた反応液を室温まで放冷し、これにトルエン15ml、1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル0.14g(0.36ミリモル)及びシリカゲル0.2gを加え、混合物を一夜加熱還流した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。酢酸エチル−n−ヘキサン混合溶媒から再結晶して白色粉末の5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−3−メトキシ−9H−カルバゾール−2−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン70mg(収率70%)を得た。
融点 265.8℃。
【0276】
実施例3
5−{1−[9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−イル]メチリデン}チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
5−{1−[9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−−カルバルデヒド0.30g(1.0ミリモル)及びチアゾリジン−2,4−ジオン0.13g(0.29ミリモル)のトルエン溶液(15ml)に触媒量のピペリジンと酢酸とを加え、一夜加熱還流した。得られた反応液を室温まで放冷し、不溶物を濾取し、トルエンで洗浄した後、乾燥して黄色粉末の5−{1−[9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−イル]メチリデン}チアゾリジン−2,4−ジオン0.37g(収率92%)を得た。
融点 300℃以上。
【0277】
実施例4
5−(9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
5−{1−[9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−イル]メチリデン}チアゾリジン−2,4−ジオン0.30g(0.77ミリモル)をテトラヒドロフラン(THF)5mlに懸濁し、この懸濁液にピリジン1.2ml及び2M水素化ホウ素リチウムTHF溶液1.15mlを加え、混合物を4時間加熱還流した。得られた反応液を室温まで放冷後、これを氷−塩酸(濃塩酸1.5ml)に注ぎ、反応物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水洗、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥物を濾過した後、溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製した。精製物を濃縮乾固して淡黄色粉末の5−(9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン0.16g(収率77%)を得た。
融点 228.3℃。
【0278】
実施例5
2−チオキソ−5−{1−[9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−イル]メチリデン}チアゾリジン−4−オンの合成
5−{1−[9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−−カルバルデヒド1.02g(3.5ミリモル)及びローダニン0.51g(3.85ミリモル)のトルエン溶液(30ml)に触媒量のピペリジンと酢酸とを加え、一夜加熱還流した。反応液を室温まで放冷し、不溶物を濾取し、トルエンで洗浄した後、乾燥して淡黄色粉末の2−チオキソ−5−{1−[9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−イル]メチリデン}チアゾリジン−4−オン1.19g(収率84%)を得た。
融点 300℃以上。
【0279】
実施例6
2−チオキソ−5−(9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−4−オンの合成
2−チオキソ−5−{1−[9−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−9H−カルバゾール−3−イル]メチリデン}チアゾリジン−4−オン1.0g(2.5ミリモル)をTHF10mlに懸濁し、ピリジン6.0ml及び2M水素化ホウ素リチウムTHF溶液6.0mlを加え、3時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷後、これを氷−塩酸(濃塩酸6ml)に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水洗し、次いで飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥物を濾過した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣をジクロロメタン及び熱エタノールで洗浄して淡黄色粉末の2−チオキソ−5−(9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−4−オン0.30g(収率39%)を得た。
融点 244.1℃。
【0280】
実施例7
5−(6−トリチル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
5−(9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン0.30g(1.0ミリモル)、トリフェニルメタノール0.26g(1.0ミリモル)及びp−トルエンスルホン酸1水和物58mg(0.30ミリモル)をトルエン30mlに懸濁し、懸濁液を、Dean−Stark装置を付けた100mlの反応容器を用いて7時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷した後、酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順で洗浄した。洗浄後の反応液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して白色粉末の5−(6−トリチル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン0.47g(収率86%)を得た。
融点 166.4℃。
【0281】
実施例8
3−トリチル−5−(6−トリチル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
3−トリチル−5−(6−トリチル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン0.17g(0.32ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液(5ml)に炭酸カリウム48mg(0.35ミリモル)及びトリチルクロリド98mg(0.35ミリモル)を加え、混合液を室温で8時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水の順で洗浄した。洗浄後の反応液を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル−n−ヘキサン混合溶媒から再結晶して白色粉末の3−トリチル−5−(6−トリチル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン0.23g(収率92%)を得た。
融点 185.5℃。
【0282】
実施例9
5−(9H−カルバゾール−3−イルメチル)−3−トリチル−チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
原料化合物として5−(9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン及びトリチルクロリドを用い、実施例8と同様にして標記化合物を得た。
融点 169.9℃。
【0283】
実施例10
5−(9−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
5−[1−(9−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル)メチリデン]チアゾリジン−2,4−ジオン0.4g(1.0ミリモル)をトルエン10mlに懸濁し、得られた懸濁液に1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル0.38g(1.5ミリモル)及びシリカゲル0.4gを加え、これを一夜加熱還流した。得られた反応液を室温まで冷却した後、減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。精製物を濃縮乾固して白色粉末の5−(9−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン0.40g(収率99%)を得た。
融点 175.5℃。
【0284】
実施例11
5−(9−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オンの合成
5−[1−(9−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル)メチリデン]−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン0.34g(0.82ミリモル)をトルエン40mlに懸濁し、得られた懸濁液に1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル0.31g(1.23ミリモル)及びシリカゲル0.34gを加え、これを一夜加熱還流した。得られた反応液を室温まで冷却した後、減圧下に溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル−n−ヘキサン混合溶媒から再結晶して黄色粉末の5−(9−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン0.19g(収率56%)を得た。
融点 208.3℃。
【0285】
実施例12
4−[3−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)カルバゾール−9−イルメチル]安息香酸の合成
4−[3−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)カルバゾール−9−イルメチル]安息香酸メチル2.08g(4.7ミリモル)をTHF30mlとエタノール30mlとの混合溶媒に溶解し、得られた溶液に1N−水酸化リチウム水溶液15mlを滴下した。得られた反応液を室温で一夜撹拌後、1N−塩酸で中和した。減圧下に溶媒を留去し、反応物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した。洗浄後の有機層を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル−n−ヘキサン混合溶媒から再結晶して白色粉末の4−[3−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)カルバゾール−9−イルメチル]安息香酸1.55g(収率77%)を得た。
融点 232.8℃。
【0286】
実施例13
4−[3−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)カルバゾール−9−イルメチル]−N−チアゾール−2−イルベンズアミドの合成
4−[3−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)カルバゾール−9−イルメチル]安息香酸0.43g(1.0ミリモル)、2−アミノチアゾール0.10g(1.0ミリモル)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSC)0.20g(1.05ミリモル)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)0.16g(1.05ミリモル)をDMF5mlに加え、混合液を室温で一夜撹拌した。この混合液をさらに40℃で3時間撹拌した後、室温まで冷却した。得られた反応液に水を加え、酢酸エチルで反応物を抽出し、有機層を1N−塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順で洗浄した。洗浄後の有機層を減圧下に濃縮し、残渣をメタノールから再結晶して白色粉末の4−[3−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)カルバゾール−9−イルメチル]−N−チアゾール−2−イルベンズアミド0.28g(収率55%)を得た。
融点 290.7℃。
【0287】
実施例14
5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−3−メトキシ−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
原料化合物として9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−3−メトキシ−9H−カルバゾール−4−カルバルデヒド及びチアゾリジン−2,4−ジオンを用い、実施例2と同様にして標記化合物を得た。
融点 181.3℃。
【0288】
実施例15
5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン カリウム塩の合成
5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン1.0g(2.12ミリモル)のTHF溶液(30ml)にカリウムtブトキシド0.24g(2.12ミリモル)を加え、混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応液を減圧下に濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加え、生成した不溶物を濾取し、乾燥して白色粉末の5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン カリウム塩1.13gを得た。
融点 272.2℃。
【0289】
実施例16
5−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン カリウム塩の合成
原料化合物として5−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン及びカリウムtブトキシドを用い、実施例15と同様にして標記化合物を得た。
融点 212.2℃。
【0290】
実施例17
5−[9−(4−ブロモベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン カリウム塩の合成
原料化合物として5−[9−(4−ブロモベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン及びカリウムtブトキシドを用い、実施例15と同様にして標記化合物を得た。
融点 269.7℃。
【0291】
実施例18
5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン ナトリウム塩の合成
原料化合物として5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン及びナトリウムtブトキシドを用い、実施例15と同様にして標記化合物を得た。
【0292】
実施例19
5−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン ナトリウム塩の合成
原料化合物として5−(9−エチル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン及びナトリウムtブトキシドを用い、実施例15と同様にして標記化合物を得た。
融点 276.8℃。
【0293】
実施例20
5−[9−(4−ブロモベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン ナトリウム塩の合成
原料化合物として5−[9−(4−ブロモベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン及びナトリウムtブトキシドを用い、実施例15と同様にして標記化合物を得た。
融点 268.4℃。
【0294】
実施例21
5−[9−(4−ブロモベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン 1/2カルシウム塩の合成
原料化合物として5−[9−(4−ブロモベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン及びカルシウムメトキシドを用い、実施例15と同様にして標記化合物を得た。
融点 260.4℃。
【0295】
実施例22
5−[9−(4−ブロモベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン 1/2マグネシウム塩の合成
原料化合物として5−[9−(4−ブロモベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン及びマグネシウムエトキシドを用い、実施例15と同様にして標記化合物を得た。
融点 190.6℃。
【0296】
実施例23
5−[9−(4−アミノベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩の合成
5−[9−(4−ニトロベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン0.47g(1.09ミリモル)を酢酸エチル10mlとエタノール20mlとの混合溶媒に溶解し、得られた溶液に塩化すず(II)二水和物0.98g(4.36ミリモル)を加え、これを7時間加熱還流した。得られた反応液を室温まで冷却し、減圧下に濃縮した。残渣に水及び1N−塩酸を加え、析出した不溶物を濾取した。濾物を酢酸エチルとTHFの混合溶媒に懸濁し、得られた懸濁液にトリエチルアミン1ミリモルを加えて中和した。中和後の懸濁液を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1→2:3)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣に4N−塩酸/酢酸エチルを加え、析出した不溶物を濾取し、乾燥して白色粉末の5−[9−(4−アミノベンジル)−9H−カルバゾール−4−イルメチル]チアゾリジン−2,4−ジオン塩酸塩60mg(収率14%)を得た。
融点 240.7℃。
【0297】
実施例24
5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−3−イルメチル]−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オンの合成
9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−2−カルバルデヒド1.56g(4.2ミリモル)及びローダニン0.62g(4.6ミリモル)のトルエン溶液(20ml)に触媒量のピペリジンと酢酸とを加え、混合液を2時間加熱還流した。得られた反応液を室温まで放冷し、不溶物を濾取し、トルエンで洗浄した。濾物をキシレン150mlに懸濁し、得られた懸濁液に1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル1.60g(6.3ミリモル)及びシリカゲル2.0gを加え、混合液を一夜加熱還流した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。ジクロロメタンから再結晶して淡黄色粉末の5−[9−(4−クロロベンゼンスルホニル)−9H−カルバゾール−3−イルメチル]−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン0.54g(収率26%)を得た。
融点 215.3℃。
【0298】
実施例25
5−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オンの合成
9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド0.40g(1.2ミリモル)及びローダニン0.17g(1.31ミリモル)のトルエン溶液(10ml)に触媒量のピペリジンと酢酸とを加え、混合液を4時間加熱還流した。得られた反応液を室温まで放冷し、不溶物を濾取し、トルエンで洗浄した。濾物をTHF3mlに懸濁し、ピリジン1.7ml及び2M水素化ホウ素リチウムTHF溶液1.7mlを加え、混合液を2時間加熱還流した。得られた反応液を室温まで放冷後、これを氷−塩酸に注ぎ、反応物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水洗し、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥物を濾過した後、溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル及びn−ヘキサン混合溶媒から再結晶して白色粉末の5−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)−2−チオキソ−チアゾリジン−4−オン0.24g(収率45%)を得た。
融点 216.2℃。
【0299】
実施例26
5−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオンの合成
9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−3−カルバルデヒド0.37g(1.0ミリモル)及びチアゾリジン−2,4−ジオン0.13g(1.1ミリモル)のトルエン溶液(10ml)に触媒量のピペリジンと酢酸とを加え、混合液を6時間加熱還流した。得られた反応液を室温まで放冷し、不溶物を濾取し、トルエンで洗浄した。濾物をTHF3mlに懸濁し、得られた懸濁液にピリジン1.2ml及び2M水素化ホウ素リチウムTHF溶液1.2mlを加え、混合液を2.5時間加熱還流した。得られた反応液を室温まで放冷した後、これを氷−塩酸に注ぎ、反応物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水洗し、次いで飽和食塩水で洗浄した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル及びn−ヘキサン混合溶媒から再結晶して白色粉末の5−(9−ベンゼンスルホニル−9H−カルバゾール−3−イルメチル)チアゾリジン−2,4−ジオン134mg(収率30%)を得た。
融点 227.2℃。
【0300】
適当な原料化合物を用い、実施例1と同様にして実施例62−68、72、86−96、99−110、112及び118の化合物を得た。
【0301】
適当な原料化合物を用い、実施例3と同様にして実施例27−57の化合物を得た。
【0302】
適当な原料化合物を用い、実施例4と同様にして実施例58、76及び97−98の化合物を得た。
【0303】
適当な原料化合物を用い、実施例5と同様にして実施例125−138の化合物を得た。
【0304】
適当な原料化合物を用い、実施例6と同様にして実施例146、157及び182の化合物を得た。
【0305】
適当な原料化合物を用い、実施例10と同様にして実施例61、69−71、73、113−117、119−124及び139−145の化合物を得た。
【0306】
適当な原料化合物を用い、実施例11と同様にして実施例155−156、177−181及び183−185の化合物を得た。
【0307】
適当な原料化合物を用い、実施例13と同様にして実施例74−75の化合物を得た。
【0308】
適当な原料化合物を用い、実施例24と同様にして実施例148−154及び159−176の化合物を得た。
【0309】
適当な原料化合物を用い、実施例25と同様にして実施例147及び158の化合物を得た。
【0310】
適当な原料化合物を用い、実施例26と同様にして実施例59−60、77−85及び111の化合物を得た。
【0311】
【表9】

【0312】
【表10】

【0313】
【表11】

【0314】
【表12】

【0315】
【表13】

【0316】
【表14】

【0317】
【表15】

【0318】
【表16】

【0319】
【表17】

【0320】
【表18】

【0321】
【表19】

【0322】
【表20】

【0323】
【表21】

【0324】
【表22】

【0325】
【表23】

【0326】
【表24】

【0327】
【表25】

【0328】
【表26】

【0329】
【表27】

【0330】
【表28】

【0331】
【表29】

【0332】
【表30】

【0333】
【表31】

【0334】
【表32】

【0335】
【表33】

【0336】
試験例1
試験化合物におけるヒトトレフォイルファクター2(hTFF2)遺伝子の転写亢進活性をhTFF2遺伝子レポーターアッセイにより評価した。
【0337】
(1)hTFF2遺伝子レポーターベクターpGL3-hTFF2proの作製
HeLa細胞(CCL-2、大日本製薬株式会社)より、デオキシリボ核酸(DNA)抽出キット(DNeasy(トレードマーク)Tissue Kit、QIAGEN社製)を用い、DNAを抽出した。これを鋳型とし、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)法により、hTFF2プロモーター領域を増幅した。ベックらの報告(Beck S, Sommer P, Blin N, Gott P. (1998), 5'-flanking motifs control cell-specific expression of trefoilfactor genes (TFF),Int. J. Mol. Med. 2(3),353-361)をベースとし、5'-CACGCGTCAGACTGGCAACCCCCTGTC-3'及び5'-GAAGCTTCTAGCTCAGCTGCACCCCAG-3'を増幅されるべきPCRプライマーとして選択した。DNAポリメラーゼとしてPlatinum(登録商標)Pfx DNAポリメラーゼを使用した。PCRは、変性95℃ 30秒、アニーリング55℃ 30秒及び伸長反応68℃ 75秒で行い、この操作を32回繰り返した。
【0338】
PCR産物を1%アガロース電気泳動法により分離及び精製した後、クローニングキット(Zero Blunt(登録商標) TOPO(登録商標) PCR CloningKit、Invitrogen社製)に添付のpCR-BluntII-TOPOベクターにクローニングした。生産されたプラスミッドpCR-Blunt-TFF2proを形質転換用大腸菌(TOP 10 UltracompTM(トレードマーク)Cells、Invitrogen社製)に導入し、30μg/mlのゼオシン(Zeocin、Invitrogen社製)を含むLB寒天培地にて形質転換株pCR-Blunt-TFF2pro/TOP10を選択培養した。pCR-Blunt-TFF2pro/TOP10を30μg/mlのゼオシンを含むLB培地50mlにて37℃で一晩振盪培養し、プラスミッド調整用キット(Concert(トレードマーク)High PurityMidiprep System、GIBCO BRL社製)を用いてプラスミッドを調製した。
【0339】
プラスミッドpCR-Blunt-TFF2proにクローニングされたPCR産物の塩基配列を決定した。その塩基配列を遺伝子バンク(GenBank accession AB038162)に報告されたhTFF2プロモーター領域の塩基配列と比較した。pCR-Blunt-TFF2 proにクローニングされたMluI-HindIII領域の塩基配列はGenBank accession AB038162に完全に一致した(図1)。
【0340】
図1において、GenBank(accession AB038162)に報告されたhTFF2 プロモーター領域の塩基配列及び塩基番号を上段に示した。下段には、pCR-Blunt-TFF2pro プラスミッドにクローニングされたPCR産物の塩基配列を示した。下線部は制限酵素MluIの認識配列(ACGCGT)と制限酵素HindIIIの認識配列(AAGCTT)を示した。MluI−HindIII領域の塩基配列は、GenBank(accession AB038162)に報告されたhTFF2 プロモーター領域とpCR-Blunt-TFF2pro プラスミッドにクローニングされたPCR産物との間で完全に一致した。四角で囲んだATGは翻訳開始コドンを、矢印は転写開始位置を示した。
【0341】
プラスミッドpCR-Blunt-hTFF2proを制限酵素MluI及びHindIIIにより切断し、1%アガロース電気泳動法により分画し、核酸精製キット(ConcertTM(トレードマーク) MatrixGel Extraction System、GIBCO BRL社製)を用いてhTFF2プロモーター領域を精製した。市販のプラスミッドpGL-Basic(Promega社製)のMluI-HindIII領域にライゲーション試薬(Ligation high、東洋紡績株式会社製)を用いてhTFF2プロモーター領域を挿入し、pGL3-hTFF2 proを生産した。プラスミッドpGL3-hTFF2 proを形質転換用大腸菌(DH5α Competent Cell、東洋紡績株式会社製)に導入し、100μg/mlアンピシリンを含むLB寒天培地にて形質転換株pGL3-hTFF2pro/DH5αを選択培養した。
【0342】
pGL3-hTFF2pro/DH5αを100μg/mlアンピシリンを含むLB培地400mlを入れた2リットル三角フラスコに接種し、ロータリーシェーカー(rotary shaker)にて一晩37℃で200rpm振盪培養した。培養菌液からプラスミッド調整用キット(EndoFree PlasmidMaxi Kit、QIAGEN社製)を用い、プラスミッドpGL3-hTFF2proを抽出し、精製した。
【0343】
薬剤選択マーカーを含む市販のベクターpWLneo(Stratagene社製)を形質転換用大腸菌(DH5αCompetent Cell、東洋紡績株式会社製)に導入し、100μg/mlアンピシリンを含むLB寒天培地にて形質転換株pWLneo/DH5αを選択培養した。pWLneo/DH5αを100μg/mlアンピシリンを含むLB培地150mlを入れた1リットル三角フラスコに接種し、ロータリーシェーカーにて一晩37℃で200rpm振盪培養した。培養菌液からプラスミッド調整用キット(EndoFree PlasmidMaxi Kit、QIAGEN社製)を用い、プラスミッドpWLneoを抽出し、精製した。
【0344】
(2)hTFF2遺伝子レポーターアッセイ用細胞株pGL3-hTFF2pro・pWL-neo/MKN-45 #6-2の作製
ヒト胃癌細胞株MKN-45(JCRB0254、ヒューマンサイエンス研究資源バンク)は、培地(Iscove's Modified Dulbecco's Medium、SIGMA社製)500ml、56℃で30分間加温して非働化した牛胎児血清(SIGMA社製)50ml、ペニシリン−ストレプトマイシン液(SIGMA社製)5ml及び200mM L−グルタミン(SIGMA社製)20mlからなる培地(IMDM培地)にて10cm径培養ディッシュ(CORNING社製)を用いて37℃、5%COインキュベーターにて培養した。緩衝液(Dulbecco's Phosphate Buffered Saline、SIGMA社製)で細胞を洗浄し、懸濁のためのトリプシン(0.25% Tripsin−1mM EDTA・4Na、SIGMA社製)処理を行った。IMDM培地に細胞を懸濁し、トリパンブルー染色液0.4%(Invitrogen社製)を用いて染色し、血球計算盤にてトリパンブルーにより染色されない細胞を生細胞として計測した。緩衝液(Dulbecco's Phosphate Buffered Saline、SIGMA社製)で1回細胞を洗浄した後、10個の生細胞を遺伝子導入溶液(0.25M Mannitol−0.1 mM CaCl−0.1mM MgCl−0.2mM Tris−HCl、pH7.2〜7.4)に懸濁し、調製したプラスミッドpGL3-hTFF2pro 10μg及びプラスミッドpWLneo 2μgを添加した。プラスミッド添加細胞懸濁液を1mm幅のキュベット(Bio-Rad社製)に移し、細胞融合装置SSH-1(島津製作所製)を用いて電気穿孔法により細胞に遺伝子を導入した。細胞をIMDM培地に懸濁し、10cm径培養ディッシュ(CORNING社製)に播種し、37℃、5%COインキュベーターにて2日間培養した。次いでジェネティシン(Geneticin、Invitrogen社製)400μg/mlを含有するIMDM培地を用いて選択培養を行った。次に、まず、96ウェルプレート(FALCON社製)に100μl/ウェルにて播種し、増殖の見られた細胞は24ウェルプレート(FALCON社製)、6ウェルプレート(FALCON社製)へと継代培養を行い、pGL3-hTFF2pro・pWL-neo/MKN-45 #6細胞を得た。pGL3-hTFF2pro・pWL-neo/MKN-45 #6細胞を、ジェネティシン400μg/mlを含有するIMDM培地に懸濁し、96ウェルプレートに限界希釈法により播種し、クローニングを行い、これにより単一クローンpGL3-hTFF2pro・pWL-neo/MKN-45 #6-2 細胞を得た。pGL3-hTFF2pro・pWL-neo/MKN-45 #6-2細胞は、10cm径培養ディッシュで増殖させ、採取し、凍結保存した。
【0345】
(3)pGL3-hTFF2pro・pWL-neo/MKN-45 #6-2細胞株を用いたhTFF2遺伝子レポーターアッセイ
pGL3-hTFF2pro・pWL-neo/MKN-45 #6-2細胞株は、凍結保存したものを融解し使用した。細胞はジェネティシン400μg/mlを含有するIMDM培地を用い、10cm径培養ディッシュに播種し、3〜5日毎に継代培養した。継代時に、緩衝液(Dulbecco's Phosphate Buffered Saline、SIGMA社製)で細胞を洗浄し、トリプシン(0.25% Tripsin−1mM EDTA・4Na、SIGMA社製)を添加し、37℃、5分間処理により細胞を分離した。IMDM培地を加えて細胞懸濁液を回収し、トリパンブルー染色液0.4%(Invitrogen社製)を用いて染色し、血球計算盤にてトリパンブルーにより染色されない細胞を生細胞として計測した。hTFF2遺伝子レポーターアッセイに使用するのに先立って、生存率が90%以上であることを確認した。
【0346】
試験化合物添加の前日に96ウェルプレート(COSTAR社製)に約7.5×10セル/ウェルの細胞を含む懸濁液100μlを播種し、37℃、5%COインキュベーターで培養した。試験化合物は、ジメチルスルホキシド(和光純薬)で最終測定濃度の200倍に調製した。予め決められた濃度の各試験化合物をIMDM培地で100倍希釈し、96ウェルプレートに100μl/ウェル添加した。試験化合物非添加のウェルにはジメチルスルホキシドをIMDM培地で100倍希釈し、添加した。試験化合物添加後、37℃、5%COインキュベーターで24時間培養した。培養を完了した後、培養上清を除き、96ウェルプレートをディープフリーザー(SANYO製)に入れて解凍した。ルシフェラーゼ活性測定時に96ウェルプレートを室温に置いて融解し、ピッカジーン LT2.0(和光純薬製)を緩衝液(Dulbecco's Phosphate Buffered Saline、SIGMA社製)で2倍希釈した溶液100μlを各ウェルに添加した。各プレートを室温で30分以上静置し、ラボシステム ルミノスキャン(Labsystems Luminoskan, ICN Biomedicals Inc.社製)を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。
【0347】
プレート毎のジメチルスルホキシド添加群の平均値を100%とし、各試験化合物群のジメチルスルホキシド添加群に対する百分率(コントロール%)を算出した。
【0348】
結果を次表に示す。
【0349】
【表34】

【0350】
【表35】

【0351】
【表36】

【0352】
上記の表において、10−6Mの試験化合物濃度でTFF2産生亢進活性が1000%以上を示す場合に++、10−6Mの試験化合物濃度でTFF2産生亢進活性が300%以上を示す場合に+の記号を記した。
【0353】
上記結果は、300%以上のTFF2産生亢進活性を示すための本発明化合物の濃度が、10−5Mより低く、より好ましくは10−6Mより低いことを示している。
【0354】
試験例2
ラット酢酸胃潰瘍ラットモデルにおける治療効果
(1)酢酸胃潰瘍の作製
前日よりラットを絶食させておいた。各ラットをエーテル麻酔下にて開腹し、胃を露出させた。次に、胃体部と幽門部の境界粘膜下に30%酢酸水溶液20μlを、ディスポーザブルシリンジを用いて注入し、潰瘍を作製した。
【0355】
(2)試験化合物の投与
各試験化合物を0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液に0.75mg/ml又は2.5mg/ml濃度になるように懸濁した。手術後4日目から1日1回、8日間、3mg/kg又は10mg/kgの量で経口投与した。経口投与には、胃ゾンデ及びシリンジを用いた。各試験化合物及びビヒクルの投与容量は4ml/kgであった。
【0356】
(3)解剖
ビヒクル及び試験化合物を最後に投与した翌日に、エーテル麻酔下でラットを安楽死させ、胃を摘出した。摘出した胃を1%ホルマリン中で約15分間固定し、胃の大弯に沿って切開して潰瘍を露出させ、潰瘍面積を計測した。
【0357】
(4)潰瘍面積の計測
実体顕微鏡下(倍率×10)に接眼マイクロメーター(1mm/マス)を用いて潰瘍面積を測定し、治癒率を算出した。試験結果を表37に示した。治癒率は、次式により求めた。
【0358】
【数1】

【0359】
【表37】

【0360】
表37は、本発明化合物が粘膜傷害の予防及び/又は治療に有効であることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0361】
【図1】図1は、プラスミッドpCR-Blunt-TFF2proにクローニングされたPCR産物の塩基配列(配列表の配列番号1)と、遺伝子バンク(GenBank accession AB038162)に報告されたhTFF2プロモーター領域の塩基配列とを対比した図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Aは、直接結合、低級アルキレン基又は低級アルキリデン基を示す。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を示す。
は、下記(1-1)〜(1-21)で示されるいずれかの基を示す。
(1-1) 水素原子
(1-2) 低級アルキル基
(1-3) フェニル環上に置換基としてフェニル基(フェニル環上には1個以上のフェニル基が置換していてもよい)、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、基−(B)NR、ニトロ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、フェニル低級アルコキシ基、フェノキシ基、ピペリジニル低級アルコキシカルボニル基、1個又は2個のシクロアルキル基を有することのあるアミノ低級アルコキシカルボニル基、2−イミダゾリン環上に置換基として1個以上の低級アルキルチオ基を有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基、3−ピロリン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのある3−ピロリニルカルボニル基、チアゾリジン環上にフェニル基を有することのあるチアゾリジニルカルボニル基、3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルカルボニル基、ピペリジニル低級アルキル基、アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基、フェニルチオ低級アルキル基、インドリニル低級アルキル基、ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニルカルボニル基、ピリジル基、チエニル基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基及び低級アルキルチオ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル低級アルキル基
(1-4) シクロアルキル低級アルキル基
(1-5) フェノキシ低級アルキル基
(1-6) ナフチル低級アルキル基
(1-7) 低級アルコキシ低級アルキル基
(1-8) カルボキシ低級アルキル基
(1-9) 低級アルコキシカルボニル低級アルキル基
(1-10)ピリジン環上に置換基としてハロゲン原子;ピペリジニル基;モルホリノ基;ピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び低級アルキル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピペラジニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるチエニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるフェニル基;ピリジル基;ピペリジニル低級アルキル基;フェニルチオ低級アルキル基;ビフェニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;ピリジルアミノ基;ピリジルカルボニルアミノ基;低級アルコキシ基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ基;及びフリル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピリジル低級アルキル基
(1-11) シアノ低級アルキル基
(1-12) フェニル基
(1-13) キノリル低級アルキル基
(1-14) 低級アルコキシ低級アルコキシ置換低級アルキル基
(1-15) 水酸基置換低級アルキル基
(1-16) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基
(1-17) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルカノイル基
(1-18) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシカルボニル基
(1-19) ベンゾイル基
(1-20) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基、シアノ基及び低級アルカノイルアミノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニルスルホニル基
(1-21) ナフチルスルホニル基;
は、下記(2-2)〜(2-6)で示されるいずれかの基を示す。
(2-2) 低級アルコキシ基
(2-3) 1個以上のフェニル基を有することのある低級アルキル基
(2-4) カルボキシ低級アルコキシ基
(2-5) 低級アルコキシカルボニル低級アルコキシ基
(2-6) 水酸基;
nは、0〜7の整数を示す。nが2以上の場合、n個のRは、夫々、同じでも異なっていてもよい。
は、下記(3-1)〜(3-6)で示されるいずれかの基を示す。
(3-1) 水素原子
(3-2) 1個以上のフェニル基を有することのある低級アルキル基
(3-3) 水酸基置換低級アルキル基
(3-4) シクロアルキル低級アルキル基
(3-5) カルボキシ低級アルキル基
(3-6) 低級アルコキシカルボニル低級アルキル基;
Bは、カルボニル基又は基−NHCO−を示す。
lは、0又は1を示す。
及びRは、各々下記(4-1)〜(4-6)で示されるいずれかの基を示す。
(4-1) 水素原子
(4-2) 低級アルキル基
(4-3) 低級アルカノイル基
(4-4) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;フェノキシ基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基;低級アルキルチオ基;低級アルキルスルホニル基;低級アルキル基及び低級アルカノイル基なる群から選ばれた基を1個又は2個有することのあるアミノ基;ピロリジン環上に置換基として1個以上のオキソ基を有することのあるピロリジニル基;ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニル基;低級アルケニル基;アミノスルホニル基;水酸基;1個以上の低級アルキル基を有することのあるカルバモイル基;フェニル低級アルコキシ基;及びシアノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル基
(4-5) シクロアルキル環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるシクロアルキル基
(4-6) チアゾリル基]
で表されるカルバゾール化合物又はその塩を有効成分として含有する医薬。
【請求項2】
Aは、低級アルキレン基又は低級アルキリデン基を示し;
Xは、酸素原子又は硫黄原子を示し;
は、下記(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、(1-6)、(1-10)、(1-13)、(1-16)、(1-17)、(1-18)、(1-19)、(1-20)又は(1-21)で示される基を示し:
(1-1) 水素原子
(1-2) 低級アルキル基
(1-3) フェニル環上に置換基としてフェニル基(フェニル環上には1個以上のフェニル基が置換していてもよい)、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、基−(B)NR、ニトロ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、フェニル低級アルコキシ基、フェノキシ基、ピペリジニル低級アルコキシカルボニル基、1個又は2個のシクロアルキル基を有することのあるアミノ低級アルコキシカルボニル基、2−イミダゾリン環上に置換基として1個以上の低級アルキルチオ基を有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基、3−ピロリン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのある3−ピロリニルカルボニル基、チアゾリジン環上にフェニル基を有することのあるチアゾリジニルカルボニル基、3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルカルボニル基、ピペリジニル低級アルキル基、アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基、フェニルチオ低級アルキル基、インドリニル低級アルキル基、ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニルカルボニル基、ピリジル基、チエニル基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基及び低級アルキルチオ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル低級アルキル基
(1-4) シクロアルキル低級アルキル基
(1-6) ナフチル低級アルキル基
(1-10)ピリジン環上に置換基としてハロゲン原子;ピペリジニル基;モルホリノ基;ピペラジン環上に置換基としてフェニル基及び低級アルキル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピペラジニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるチエニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのあるフェニル基;ピリジル基;ピペリジニル低級アルキル基;フェニルチオ低級アルキル基;ビフェニル基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;ピリジルアミノ基;ピリジルカルボニルアミノ基;低級アルコキシ基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基;アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ基;及びフリル基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるピリジル低級アルキル基
(1-13) キノリル低級アルキル基
(1-16) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基
(1-17) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルカノイル基
(1-18) 1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシカルボニル基
(1-19) ベンゾイル基
(1-20) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基、シアノ基及び低級アルカノイルアミノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニルスルホニル基
(1-21) ナフチルスルホニル基;
は、下記(2-2)又は(2-3)で示される基を示し:
(2-2) 低級アルコキシ基
(2-3) 1個以上のフェニル基を有することのある低級アルキル基;
nは、0〜2の整数を示し、但しnが2以上の場合、n個のRは、夫々、同じでも異なっていてもよく;
は、下記(3-1)又は(3-2)で示される基を示し:
(3-1) 水素原子
(3-2) 1個以上のフェニル基を有することのある低級アルキル基;
Bは、カルボニル基又は基−NHCO−を示し;
lは、0又は1を示し;
及びRは、各々下記(4-1)、(4-4)、(4-5)又は(4-6)で示される基を示す:
(4-1) 水素原子
(4-4) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基;フェノキシ基;1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基;低級アルキルチオ基;低級アルキルスルホニル基;低級アルキル基及び低級アルカノイル基なる群から選ばれた基を1個又は2個有することのあるアミノ基;ピロリジン環上に置換基として1個以上のオキソ基を有することのあるピロリジニル基;ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニル基;低級アルケニル基;アミノスルホニル基;水酸基;1個以上の低級アルキル基を有することのあるカルバモイル基;フェニル低級アルコキシ基;及びシアノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル基
(4-5) シクロアルキル環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるシクロアルキル基
(4-6) チアゾリル基;
一般式(1)で表されるカルバゾール化合物又はその塩を含有する請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
下記式(1-i)、(1-ii)又は(1-iii):
【化2】

[式中、A、X、R、R、R及びnは、請求項1に記載のものと同じ。]
で表されるカルバゾール化合物又はその塩を含有する、請求項1に記載の医薬。
【請求項4】
Aが、低級アルキレン基又は低級アルキリデン基を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する請求項3に記載の医薬。
【請求項5】
Xが、酸素原子又は硫黄原子を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する請求項4に記載の医薬。
【請求項6】
が、
(1-3) フェニル環上に置換基としてフェニル基(フェニル環上には1個以上のフェニル基が置換していてもよい)、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、基−(B)NR(ここで、B、l、R及びRは、それぞれ、請求項1に記載のものと同じ)、ニトロ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、シアノ基、フェニル低級アルコキシ基、フェノキシ基、ピペリジニル低級アルコキシカルボニル基、1個又は2個のシクロアルキル基を有することのあるアミノ低級アルコキシカルボニル基、2−イミダゾリン環上に置換基として1個以上の低級アルキルチオ基を有することのある2−イミダゾリニルカルボニル基、3−ピロリン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのある3−ピロリニルカルボニル基、チアゾリジン環上にフェニル基を有することのあるチアゾリジニルカルボニル基、3−アザビシクロ[3.2.2]ノニルカルボニル基、ピペリジニル低級アルキル基、アミノ基上に1個又は2個の低級アルキル基を有することのあるアニリノ低級アルキル基、フェニルチオ低級アルキル基、インドリニル低級アルキル基、ピペリジン環上に置換基として1個以上の低級アルキル基を有することのあるピペリジニルカルボニル基、ピリジル基、チエニル基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基及び低級アルキルチオ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニル低級アルキル基、又は
(1-20) フェニル環上に置換基としてハロゲン原子、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、1個以上のハロゲン原子を有することのある低級アルコキシ基、シアノ基及び低級アルカノイルアミノ基なる群から選ばれた基を1個以上有することのあるフェニルスルホニル基
を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する請求項5に記載の医薬。
【請求項7】
nが0を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する請求項6に記載の医薬。
【請求項8】
が低級アルコキシ基を示し、nが1を示す式(1-i)、(1-ii)もしくは(1-iii)で表されるカルバゾール化合物又はそれらの塩を含有する請求項6に記載の医薬。
【請求項9】
TFF産生亢進により予防又は治療効果が得られる疾患を予防及び/又は治療するための請求項1に記載の医薬。
【請求項10】
TFF産生亢進により予防又は治療効果が得られる疾患が、消化管疾患、口腔疾患、上気道疾患、気道疾患、眼疾患、癌又は創傷である、請求項9に記載の医薬。
【請求項11】
TFF産生亢進により予防又は治療効果が得られる疾患が、薬剤性潰瘍、消化性胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、薬剤性腸炎、虚血性大腸炎、過敏性腸症候群、内視鏡的粘膜切除術後潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎、逆流性食道炎、食道潰瘍、バレット食道、消化管粘膜炎、痔疾患、口内炎、シェーグレン症候群、口腔乾燥症、鼻炎、咽頭炎、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、ドライアイ又は角結膜炎である、請求項9又は10に記載の医薬。
【請求項12】
TFF産生を誘導する化合物を含有する、消化管疾患、口腔疾患、上気道疾患、気道疾患、眼疾患、癌又は創傷を治療及び/又は予防するための医薬。

【請求項13】
TFFがTFF2である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の医薬。

【図1】
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【公開番号】特開2009−73766(P2009−73766A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244630(P2007−244630)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000206956)大塚製薬株式会社 (230)
【Fターム(参考)】