説明

搬送位置可変ベルトコンベヤ

【目的】 ベルトコンベヤが輸送物を運搬中であっても、その輸送物を自在な位置にて連続的に積載可能な技術を提供する。
【構成】 始点位置に位置するテールプーリー(17)と、終点位置に位置するヘッドプーリー(45)と、それらテールプーリー(17)およびヘッドプーリー(45)に掛け渡された搬送ベルト(18)とが回転することで、輸送物を始点位置から下流側に位置する終点位置へ搬送させる。レール部材(41a,41b)は、ヘッドプーリー(45)の回転軸(45b)を支持して移動軌跡軌道を形成する。ヘッドプーリー移動手段(43,44)が、レール部材(41a,41b)に沿って回転軸(45b)を移動させる。この移動によって、搬送ベルト(18)が弛んだ場合には、搬送ベルト収納機構(90)に搬送ベルト(18)を収納し、伸張した場合には、搬送ベルト収納機構(90)から搬送ベルト(18)を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベヤの技術に関する。特に、ベルトコンベヤに搭載されているヘッドプーリーの位置を自在に移動可能とした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱石や石炭等のバラモノの輸送物を一定方向に連続的に運搬するベルトコンベヤの中間排出方式としては、ベルトコンベヤの途中で輸送物を脱貨するトリッパー方式や、走行しているベルト表面にゴムベルトまたは鋼板を押しつけて運搬物をせきとめ、ベルトの側方(片側)に荷卸しをするスクレーパ方式(斜板方式)、また、V型のスクレーパであり、輸送物をベルトの両側に荷卸しする斜板方式(スクレーパ方式)がある。さらに、ベルトコンベヤを中心として左右を貯炭場として使用するための配炭機を備えたベルトコンベヤがある。これは、トリッパーとシャトルコンベヤとをいったい構造としたベルトコンベヤ本体移動式などが知られている。
【0003】
ここで、本願発明に関連する技術として特許文献1を抽出した。この技術は、装置全体を移動させることができる走行手段と、その走行手段の上に搭載されるベルトコンベヤとを備え、前記走行手段に対してベルトコンベヤがその長さ方向にスライド可能に設けたことでベルトコンベヤ全体の移動を可能とした技術である。これにより、各種工事現場での色々な施工の状況に機動的に対応することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−211736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した技術では、次のような問題が生じていた。
第一に、トリッパー方式では、輸送物の排出位置の関係からベルトコンベヤの(特に上方の)設置スペースを大きくする必要がある。このため、設置場所が制限される場合や、設置場所に合わせたオーダー的な設計が必要な場合が生じていた。
また、スクレーパ方式及び斜板方式では、ベルト上にスクレーパを載置するため、任意の位置に荷降しすることが困難であり、かつ荷卸しがトリッパーのように完全に排出することができない、という問題があった。
【0006】
さらに、特許文献1にも示すようなベルトコンベヤ本体移動式では、ベルトコンベヤ本体全体を移動させることから、その移動に要する装置としてベルトコンベヤ本体の移動装置、モーターの移動に使用する集電装置などが必要となり、ベルトコンベヤ全体の重量が増大し、さらに動荷重によりそれらを支える架構も大型化してしまう。
また、効率よく積荷するためには、機構上の制限から輸送物の中央投入可逆輸送しか成立しないため、当該コンベヤの中央まで輸送物を搬送する別の手段が必要になっていた。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、ベルトコンベヤが輸送物を運搬中であっても、その輸送物を自在な位置に連続的に積載可能な技術を提供することである。
請求項1から請求項21に記載の発明の目的は、ベルトコンベヤが輸送物を運搬中であっても、その輸送物を自在な位置にて連続的に積載可能な搬送位置可変ベルトコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、輸送物を輸送物投入口である始点の位置から下流側に位置する終点位置へ搬送させるとともに、前記終点位置を変更可能なベルトコンベヤ(10)に係る。
前記始点位置の側近において水平な回転軸にて回転可能なテールプーリー(17)と、前記終点位置において水平な回転軸(45b)にて回転可能であるとともにその回転軸(45b)の位置を変更可能なヘッドプーリー(45)と、そのヘッドプーリー(45)および前記テールプーリー(17)に掛け渡された搬送ベルト(18)と、前記ヘッドプーリー(45)の回転軸(45b)を支持するとともにその回転軸(45b)の移動軌跡を形成するレール部材(41a,41b)と、そのレール部材(41a,41b)に沿って回転軸(45b)を移動させるためのヘッドプーリー移動手段と、そのヘッドプーリー移動手段が移動することによって弛むまたは伸張する前記搬送ベルト(18)を収納または搬出させるとともに、その搬送ベルト(18)のテンションを保つ搬送ベルト収納機構(90)とを備えた搬送位置可変ベルトコンベヤを提供する。
【0009】
(作用)
始点置に位置するテールプーリー(17)と、終点位置に位置するヘッドプーリー(45)と、それらテールプーリー(17)およびヘッドプーリー(45)に掛け渡された搬送ベルト(18)とが回転することで、輸送物を始点位置から下流側に位置する終点位置へ搬送させることができる。
レール部材(41a,41b)は、ヘッドプーリー(45)の回転軸(45b)を支持して移動軌跡軌道を形成する。ヘッドプーリー移動手段が、レール部材(41a,41b)に沿って回転軸(45b)を移動させる。この移動によって、ヘッドプーリー(45)およびテールプーリー(17)に掛け渡された搬送ベルト(18)が弛むまたは伸張するが、弛んだ場合には、搬送ベルト収納機構(90)に搬送ベルト(18)を収納し、伸張した場合には、搬送ベルト収納機構(90)から搬送ベルト(18)を排出する。
以上のような構成により、搬送ベルト(18)上に輸送物を運搬した場合には、ヘッドプーリー(45)の位置(輸送物の終点位置)を変更することができる。また、ヘッドプーリー(45)のみを移動させるように形成したので、ベルトコンベヤ全体の省スペース化に寄与する。さらに、輸送物はヘッドプーリー(45)の先端から脱貨されるので、輸送物の排出の完全化にも寄与する。
【0010】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
すなわち、前記搬送ベルト(18)によって搬送される輸送物の重さ重量と搬送ベルト(18)の重量及び張力を支持するためのベルト支持手段(60)を搬送経路に沿って複数備え、ヘッドプーリー移動手段(43,44)の移動時において移動を妨げる位置に該当するベルト支持手段(60)は、その移動の邪魔にならない位置に待避する待避機構(61,62,64)を備えたことを特徴とする。
【0011】
(作用)
ベルト支持手段(60)が搬送ベルト(18)及び輸送物を支持して搬送経路に沿って複数設置される。ヘッドプーリー移動手段(43,44)がヘッドプーリー(45)とともに、搬送距離を変更する際には、ベルト支持手段(60)の待避機構(61,62,64)がヘッドプーリー移動手段(43,44)及びヘッドプーリー(45)の移動の邪魔にならない位置に待避することとなる。
したがって、ベルト支持手段(60)は、搬送ベルト(18)及び輸送物を支持する機能を有しながらも、ヘッドプーリー移動手段(43,44)及びヘッドプーリー(45)の移動経路を確保することができる。
【0012】
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
すなわち、前記待避機構は、搬送方向に沿って延伸され待避機構(61,62,64)を固定するための本体フレーム(11)と、その本体フレーム(11)に対して搬送方向を遮る方向に回動可能に軸支される曲線材状のキャリヤスタンド(62a,62b)と、そのキャリヤスタンド(62a,62b)における一端において搬送ベルト(18)を下方から支持するキャリヤローラ(66)と、そのキャリヤローラ(66)とは反対端における前記キャリヤスタンド(62a,62b)と前記本体フレーム(11)とに固定され、前記キャリヤスタンド(62a,62b)の回動を制御するために弾性部材(64a,64b)とを備えて構成されていることを特徴とする。
弾性部材(64a,64b)とは、図示のコイルスプリング以外に、板バネ、ゴム、などが採用可能である。また弾性部材によらなくとも、エアーシリンダー、油圧シリンダー、電動シリンダー、磁石応用装置、重錘などの採用も可能である。またはねあげヒンジ63を中心に捻りばね、または油圧、空圧、電動を利用したトルク発生装置などの採用も可能である。
待避機構は、他の請求項で「一対」として構成する旨を限定しているが、一対でなくてもよく、待避機構として機能するのであれば、たとえば片側のみでもよい。すなわち、キャリヤスタンド(62a,62b)を互い違いに形成せずに作用すれば、互い違いでなくてもよい。
【0013】
(作用)
本体フレーム(11)が搬送方向に沿って延伸され待避機構(61,62,64)を固定し、その本体フレーム(11)に対しては、曲線材状のキャリヤスタンド(62a,62b)が搬送方向を遮る方向に回動可能に軸支されている。そのキャリヤスタンド(62a,62b)における一端においては、キャリヤローラ(66)が備えられ、搬送ベルト(18)を下方から支持する。そのキャリヤローラ(66)とは反対端におけるキャリヤスタンド(62a,62b)および前記本体フレーム(11)には、キャリヤスタンド(62a,62b)の回動を制御するための弾性部材(64a,64b)とが備えられている。
待避機構は、以下のように作動する。すなわち、弾性部材(64a,64b)にてキャリヤスタンド(62a,62b)が搬送方向を遮るように位置している。この際、キャリヤローラ(66)は搬送ベルト(18)を下方から支持している。
続いて、その弾性部材(64a,64b)に抗して回動させ、ヘッドプーリーの移動方向から待避させる。すると、キャリヤローラ(66)は搬送ベルト(18)を下方から待避し、ヘッドプーリー移動手段(43,44)の邪魔にはならない。
【0014】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項2記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
すなわち、前記待避機構(31,32,34,35)は、搬送方向と垂直に立設され待避機構(31,32,34,35)を固定するための本体フレーム(11a)と、その本体フレーム(11a)に沿って垂直方向に延伸し、待避機構(31,32,34,35)の開閉動作を補助する弾性部材(34a,34b)を備えたヒンジ(35a,35b)と、そのヒンジ(35a,35b)に接続されたヒンジアーム(31a,31b)と、そのヒンジアーム(31a,31b)に連結され、前記搬送ベルト(18)の搬送方向を遮る方向に回動可能に軸支された曲線材状のキャリヤスタンド(32a,32b)と、そのキャリヤスタンド(32a,32b)における一端において搬送ベルト(18)を下方から支持する複数のキャリヤローラ(36)と、を備え、前記ヒンジアーム(31a,31b) におけるヒンジ(35a,35b)の軸方向は、ヘッドプーリー(45)の通過時に、搬送ベルト(18)の進行方向と平行に開閉動作する方向としたことを特徴とする。
【0015】
(作用)
この待避機構(31,32,34,35)は、ヒンジアーム(31a,31b)、キャリヤスタンド(32a,32b)、弾性部材(34a,34b)およびヒンジ(35a,35b)からなる。
ヘッドプーリー(45)が所定方向に移動すると、ヒンジアーム(31a,31b) におけるヒンジ(35a,35b)の軸方向は、搬送ベルト(18)の進行方向と平行に開閉動作する。すなわち、退避機構(31,32,34,35)が搬送ベルト(18)の進行方向と平行に開閉することで、ヘッドプーリー(45)の移動を妨げないようにするとともに、ベルト支持手段(30)は、搬送ベルト(18)及び輸送物を支持する機能を有しながらも、ヘッドプーリー移動手段(43,44)及びヘッドプーリー(45)の移動経路を確保している。
以上のような構成により、搬送ベルト(18)上に輸送物を運搬した場合には、ヘッドプーリー(45)の位置(輸送物の終点位置)を変更することができる。また、ヘッドプーリー(45)のみを移動させるように形成したので、ベルトコンベヤ全体の省スペース化及び軽量化に寄与する。さらに、輸送物はヘッドプーリー(45)の先端から脱貨されるので、輸送物の完全排出も可能となる。
【0016】
(請求項5)
請求項5記載の発明は、請求項4記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
すなわち、前記弾性部材 (34a,34b)は、前記ヒンジ(35a,35b)における垂直方向の両端部に固定されるとともに、前記ヘッドプーリー(45)の通過に応じて前記ヒンジアーム (31a,31b)が水平方向に回転することを特徴とする。
【0017】
(作用)
ヘッドプーリー(45)が移動すると、ヒンジアーム (31a,31b)が水平方向に回転する。また、弾性部材 (34a,34b)が回転時の補助をなすので、ヘッドプーリー(45)の移動時をスムーズにさせる。
【0018】
(請求項6)
請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
すなわち、前記弾性部材(34a,34b)は、捻りばねで形成されていることを特徴とする。
【0019】
(作用)
弾性部材である捻りばね(34a,34b)を上下2個で形成し、かつそれぞれの巻き方向を逆にすると、退避機構(31,32,34,35)前後どちらに開閉した場合でも、すなわち開閉方向がどちらであっても容易に回転する。また、捻りばね(34a,34b)を採用すれば、待避機構を動かすことについて別の動力源を必要としないので、制御、メンテナンスが容易となる。
なお、弾性部材は、捻りばねに限定されるものではなく、他の弾性部材を使用することも可能である。
【0020】
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものであり、
前記キャリヤスタンドを一対とし、
その一対のキャリヤスタンド(32a,32b)は、所定間隔を離して上面視で前後に互い違いに配置されており、それらキャリヤスタンド(32a,32b)を互いに固定するためのロック機構(70)を備えたことを特徴とする。
【0021】
(作用)
ヘッドプーリーが移動すると、各キャリヤスタンド(32a,32b)が開かれるが、この際、キャリヤスタンド(32a)とキャリヤスタンド(32b)が上面視で前後に互い違いに配置されかつガイドローラー(37a,37b)が設けられているので、ヘッドプーリーの移動がスムーズになる。一方、閉じるときには、ロック機構(70)が各キャリヤスタンド(32a,32b)同士を固定する。
【0022】
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項7記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものであり、
前記キャリヤスタンド(32a,32b)の先端部には、上下方向を回転軸として回転可能なガイドローラ(37a,37b)を備えたことを特徴とする。
【0023】
(作用)
ヘッドプーリーが移動すると、各キャリヤスタンド(32a,32b)が水平に開いていく。開く際には、キャリヤスタンド(32a,32b)の先端部に固定されたガイドローラ(37a,37b)が接触して回転し、開く動作をスムーズにする。閉じる際にも接触すれば、その動作をスムーズにする。すなわち、ガイドローラ(37a,37b)は、ガイドローラが無くても開閉するが、キャリヤスタンド(32a,32b)をよりスムーズに開閉させるための補助手段である。
【0024】
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものであり、
前記ロック機構(70)は、一方のキャリヤスタンド(32a)に固定された第一ロック部材(70c)と第二ロック部材(70d)とで形成されるとともに、それら第一ロック部材(70c)と第二ロック部材(70d)が強磁性体で形成されていることを特徴とする。
【0025】
(作用)
各キャリヤスタンド(32a,32b)が閉止状態の時には、第一ロック部材(70c)と第二ロック部材(70da)が吸着して各キャリヤスタンド(32a,32b)を固定する。これは、第一ロック部材(70c)と第二ロック部材(70da)が強磁性体で形成されているからである。強磁性体を用いると、各キャリヤスタンド(32a,32b)の開閉が容易となるので好ましい。
なお、強磁性体としては、一方を磁石として、他方を磁石につく物質としてもよいし、両方を磁石としても良い。また、磁石としては、構造を簡単にするには永久磁石が好ましいが、電磁石でも良い。なお、ロック機構(70)は、磁石に限定されることはなく、請求項11から請求項13で特定するロック機構(70)としてもよい。
【0026】
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項7から請求項9のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものであり、
前記ヘッドプーリー移動手段は、ヘッドプーリー台車ユニット(40)からなり、そのヘッドプーリー台車ユニット(40)から垂直方向に立設された固定キャリヤスタンド(67)が固定されていることを特徴とする。
【0027】
(作用)
ヘッドプーリー移動手段であるヘッドプーリー台車ユニット40には、ヘッドプーリー台車ユニット(台車フレーム44)から垂直方向に立設された固定キャリヤスタンド(67)を備えている。この固定キャリヤスタンド(67)を設けると、台車フレーム44の上流側直近の平開式キャリヤローラユニット30への負荷が固定キャリヤスタンド(67)に分散され軽減される。すなわち、搬送ベルト(18)が平型からU字型への変曲点は他より大きな負荷が発生する。この変曲点負荷を固定キャリヤスタンド(67)がサポートすることにより、その上流側直近の平開式キャリヤローラユニット30への変曲点負荷が軽減されるばかりでなく、固定キャリヤスタンド(67)にくらべて複雑で故障しやすい構造の平開式キャリヤローラユニット30を、変曲点付加から保護することができる。
【0028】
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項2記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
すなわち、前記待避機構(61,62,64)は、搬送ベルト(18)を支持する状態においてその支持状態を保つためのロック手段(70)を備え、前記ヘッドプーリー移動手段(43,44)は、その移動経路に該当する際に、前記ロック手段(70)による支持状態を解除するための解除機構(46,47.48)を備え、前記ロック手段(70))は、上流側に移動していたヘッドプーリー移動手段(43,44)が下流側へ戻る状態においては、搬送ベルト(18)を支持する状態に戻すように形成したことを特徴とする。
【0029】
(作用)
待避機構(61,62,64)が閉状態では、ロック手段(70)が搬送ベルト(18)の支持状態を保つ。そして、ヘッドプーリー移動手段(43,44)の解除機構(46,47.48)が、ロック手段(70)による支持状態を解除する。解除後は、ロック手段(70))が上流側に移動していたヘッドプーリー移動手段(43,44)が下流側へ戻る状態となると、再び搬送ベルト(18)を支持する状態に戻す。
ロック手段(70)と解除機構(46,47.48)によって、ヘッドプーリー移動手段(43,44)の上下流の移動に応じて、ロックと解除を連続的に実現することができる。このため、輸送物を連続的かつ輸送を中断することなく効率的に積載することが可能となる。
【0030】
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
前記キャリヤスタンドは、搬送ベルト(18)を挟んで一対のキャリヤスタンド(62a,62b)にて構成され、前記ロック手段(70)は、一対のキャリヤスタンド(62a,62b)の一方に接続されたロックユニット開閉レバー(72)と、そのロックユニット開閉レバー(72)の中途部から突出し、一対のキャリヤスタンド(62a,62b)のキャリヤローラ(66)側を連結するロックピン(74)と、
そのロックピン(74)が挿出入されるロックピン受け板(75a,75b)とを備えていることを特徴とする。
【0031】
(作用)
ロックピン(74)が、ロックピン受け板(75a,75b)に挿入されて一対のキャリヤスタンド(62a,62b)のキャリヤローラ(66)側を連結した状態がロックである。一方、ロックユニット開閉レバー(72)の移動によってロックピン(74)がロックピン受け板(75a,75b)から外れることで、一対のキャリヤスタンド(62a,62b)の連結も外れロックが解除される。
【0032】
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
前記解除機構(46,47.48)は、前記ロック手段(70)のロックピン(74)を解除する第二開閉用突起部材(48)と、その第二開閉用突起部材(48)によって解除された前記一対のキャリヤスタンド(62a,62b)をそれぞれのキャリヤローラ(66)が離れるように押し広げるキャリヤローラ開閉案内板(46)と、そのキャリヤローラ開閉案内板(46)の一部に、解除補助動作をする第一開閉用突起部材(48)と、を備えたことを特徴とする。
【0033】
(作用)
解除機構における第二開閉用突起部材(48)がロックピン(74)を解除する。第一開閉用突起部材(48)が解除補助動作をし、キャリヤローラ開閉案内板(46)が第二開閉用突起部材(48)によって解除された一対のキャリヤスタンド(62a,62b)は、キャリヤローラ(66)が離れるように押し広げられる。それによってヘッドプーリー移動手段(43,44)の移動時において、ヘッドプーリー(45)の移動が妨げられない位置となる。
【0034】
(請求項14)
請求項14に記載の発明は、請求項1から請求項13のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
すなわち、前記ヘッドプーリー移動手段(43,44)は、前記ヘッドプーリー(45)が固定された台車フレーム(44)と、その台車フレーム(44)に直交して並列固定され、前記レール部材(41a,41b)に対して摺動可能に嵌合されたコロによって形成されていることを特徴とする。
【0035】
(作用)
コロがレール部材(41a,41b)を摺動し、台車フレーム(44)とヘッドプーリー(45)を移動させる。
【0036】
(請求項15)
請求項15に記載の発明は、請求項1から請求項14のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものであり、
前記ヘッドプーリー移動手段(43,44)は、前記ヘッドプーリー(45)が固定された台車フレーム(44)と、その台車フレーム(44)に直交して並列固定され、前記レール部材(41a,41b)に沿って回転可能な車輪 (43)によって形成されていることを特徴とする。
【0037】
(作用)
車輪 (43)がレール部材(41a,41b)を転動し、台車フレーム(44)とヘッドプーリー(45)を移動させることができる。
【0038】
(請求項16)
請求項16に記載の発明は、請求項1から請求項15のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものであり、
前記ヘッドプーリー移動手段(43,44)は、ヘッドプーリー(45)を搭載した台車フレーム(44)に接続されたワイヤーロープ(83)と、そのワイヤーロープ(83)を牽引するウィンチ(81)によって構成された牽引手段(80)によって牽引されることを特徴とする。
【0039】
本請求項に係る発明は、牽引手段(80)の一例である。そのほかの牽引手段(80)としては、チェーンおよびギヤの噛み合せによる、ラックアンドピニオン方式などが考えられる。
【0040】
(作用)
ヘッドプーリー(45) を搭載した台車フレーム(44)にワイヤーロープ(83)が接続され、そのワイヤーロープ(83)をウィンチ(81)が牽引する。ワイヤーロープ(83)およびウィンチ(81)の組み合わせは、省スペースおよび低コストで実現可能である。
【0041】
(請求項17)
請求項17に記載の発明は、請求項16記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものであり、前記牽引手段(80)は、ヘッドプーリー(45) を搭載した台車フレーム(44)に接続されたチェーンと、そのチェーンを牽引するギヤによって構成されていることを特徴とする。
【0042】
(作用)
本発明は、牽引手段(80)の一例である。すなわち、ヘッドプーリー(45) を搭載した台車フレーム(44)にチェーンが接続され、そのチェーンをギヤが牽引する。すなわち、本請求項では、請求項12で記載したワイヤーロープ(83)及びウィンチ(81)に替えてチェーンをギヤによって牽引作用を及ぼすものである。
【0043】
(請求項18)
請求項18に記載の発明は、請求項3から請求項17のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
すなわち、キャリヤスタンド(62a,62b)は、搬送ベルト(18)を挟んで一対のキャリヤスタンド(62a,62b)にて構成され、そのキャリヤスタンド(62a,62b)は、搬送方向に所定間隔で複数対を備え、各キャリヤスタンド(62a,62b)には、回転可能な複数のキャリヤローラ(66)が配置され、その複数のキャリヤローラ(66)によって搬送ベルト(18)を支持搬送することを特徴とする。
【0044】
(作用)
複数のキャリヤローラ(66)が搬送ベルト(18)を支持し、各キャリヤローラ(66)が回転することで、搬送ベルト(18)をエンドレスに回転させ、搬送物を搬送する。
第一キャリヤスタンド(62a)及び第二キャリヤスタンド(62b)のそれぞれに、キャリヤローラ(66)を複数ずつ配置することで、安定度を保持した状態で搬送ベルト(18)を搬送することができる。
【0045】
なお、搬送ベルト(18)がトラフ型であると、本請求項に係る発明のような配置構造が好ましい。
【0046】
(請求項19)
請求項19に記載の発明は、請求項17記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものであり、
前記キャリヤローラ(66)は、キャリヤスタンド(62a,62b)のそれぞれに三カ所ずつ配置され、一方のキャリヤスタンド(62a,62b) (たとえば62a)は 、他方のキャリヤスタンド(62b)よりも搬送方向にずれて配置され、前記キャリヤローラ(66)が平面視で縦列に配置されていることを特徴とする。
【0047】
(作用)
キャリヤスタンド(62a,62b)のそれぞれに三カ所ずつ、且つ一方のキャリヤスタンド(たとえば62a)が他方の開閉レバー(62b)よりも搬送方向にずれて配置されているので、輸送物を積載する際の支持力が強固になり、搬送ベルト(18)の耐久性能向上に寄与するとともに市販のキャリヤローラ(66)が採用できるのでコストも抑えられる。
【0048】
(請求項20)
請求項20に記載の発明は、請求項13記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものである。
すなわち、前記第二開閉用突起部材(48)は、その第二開閉用突起部材(48)の先端をなす突起先端(48a)と、その突起先端(48a)に連続し外側に張り出した面状の斜面部(48b)とを備える。その斜面部(48b)は、前記第一開閉用突起部材(47)の先端(47a)よりも側面視で突出して形成されているとともに、前記ヘッドプーリー(45)の進行動作によって前記ロックユニット開閉レバー(72)の開閉レバー摺子(77)の側面(77b)に当接されることを特徴とする。
【0049】
(作用)
第二開閉用突起部材(48)の突起先端(48a)は、第一開閉用突起部材(47)の先端(47a)よりも突出しているので、ヘッドプーリー(45)の進行時に開閉レバー摺子(77)に先に当接する。そして、開閉レバー摺子(77)の側面(77b)に突起先端(48a)の斜面部(48b)を当接させ、開閉レバー摺子(77)を外側方向に移動させる。外側方向に移動すると、開閉レバー摺子(77)に固定されたロックピン(74)が一緒に移動することで、第一キャリヤスタンド(62a)及び第二キャリヤスタンド(62b)から外れることとなる。
したがって、第二開閉用突起部材(48)は、開閉式キャリヤローラユニットにおけるロック解除の第一段階を実現することで、ヘッドプーリー台車ユニットの移動アシストを可能とする。
【0050】
(請求項21)
請求項21に記載の発明は、請求項13記載の搬送位置可変ベルトコンベヤを限定したものであり、前記第一開閉用突起部材(47)は、前記第二開閉用突起部材(48)と平行して配置され、平面視で概ね三角形または逆三角形をなして形成され、第一開閉用突起部材(47)の先端(47a)は、前記ヘッドプーリー(45)の進行動作によって前記搬送ベルト(18)と第一キャリヤローラ(66a)との間に挿入して間域を形成するとともに、その間域を形成しながら、前記第一開閉用突起部材(47)の一辺となる第一斜面部(47b)と、他辺となる第二斜面部(47c)が、前記ヘッドプーリー(45)の進行動作によって第一キャリヤローラ(66a)及び第二キャリヤローラ(66b)のそれぞれに当接されるよう配置されたことを特徴とする。
【0051】
(作用)
第二ロック解除手段は、第一開閉用突起部材(47)の先端(47a)が搬送ベルト(18)と第一キャリヤローラ(66a)の間に挿入して第一キャリヤローラ(66a)を下側方向に押し下げる。続いて、第一開閉用突起部材(47)の第一斜面部(47b)及び第二斜面部(47c)が、第一キャリヤローラ(66a)及び第二キャリヤローラ(66b)にそれぞれ接触し、各キャリヤローラ(66a)、(66b)を外側に押し広げる。
したがって、第一ロック解除によって、ロックピンを外した後、キャリヤローラ開閉案内板(46)の第一斜面部(46a)及び第二斜面部(46b)が第一キャリヤローラ(66a)及び第二キャリヤローラ(66b)を外側にずらしていくので、第一キャリヤスタンド(62a)及び第二キャリヤスタンド(62b)が左右に広げられる。このため、ヘッドプーリー台車ユニットの移動通路を確保され、また、ヘッドプーリー台車ユニットを所定の進行方向に自在に可動させることができる。
【発明の効果】
【0052】
請求項1から請求項21に記載の発明によれば、ベルトコンベヤが輸送物を運搬中であっても、その輸送物を自在な位置にて連続的に積載可能な搬送位置可変ベルトコンベヤを提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
本発明の実施の形態について、図面を参照させながら説明する。ここで使用する図面は、図1から図16である。図1は、移動式ベルトコンベヤの全体構成を示した側面図であり、図2は、移動式ベルトコンベヤの先端部とヘッドプーリー付近を示した斜視図であり、図3は、移動式ベルトコンベヤの正面断面図であり、図4は、ヘッドプーリー台車ユニットの構成を示す斜視図であり、図5は、ヘッドプーリー台車ユニットの構成を示す平面図であり、図6は、ヘッドプーリー台車ユニットの構成を示す平面断面図であり、図7は、開閉式キャリヤローラユニットにおけるキャリヤスタンド開状態を示す斜視図であり、図8は、開閉式キャリヤローラユニットにおけるキャリヤスタンド閉状態を示す斜視図である。
【0054】
また、図9は、キャリヤスタンドロックユニットの構成を示す側面図であり、図10は、キャリヤスタンドロックユニットの構成を示す正面図であり、図11は、キャリヤスタンドロックユニットにおけるロック及びロック解除動作を示す作用図であり、(a)は正面図、(b)は平面断面図であり、図12は、キャリヤスタンドロックユニットにおけるロック解除動作を示す側面図であり、図13は、ヘッドプーリー台車ユニット及びウィンチユニットの構成を示す側面図であり、図14は、ベルト貯めユニットの構成を示す斜視図であり、図15は、ヘッドプーリーを上流側または下流側に移動させた場合の輸送物の積載状況について説明した図であり、図16は、移動式ベルトコンベヤの他の構成を示した側面図である。
【0055】
図1に示すように、移動式ベルトコンベヤは、ヘッドプーリー45を上流側及び下流側に移動させることで、搬送ベルト18上に載置された輸送物を任意の位置に自在に落下させることが可能な機能を有し、ベルトコンベヤ本体ユニット10、ヘッドプーリーを台車で移動させるヘッドプーリー台車ユニット40、ヘッドプーリー45の通過に応じて開閉する開閉式キャリヤローラユニット60、その開閉式キャリヤローラユニット60を閉状態に維持しロックするキャリヤスタンドロックユニット70、ヘッドプーリー45を上流側または下流側に牽引移動させる台車移動用ウィンチユニット80及びヘッドプーリー45の移動によって弛んだ搬送ベルト18を貯めおくベルト貯めユニット90から構成されている。
【0056】
(ベルトコンベヤ本体ユニット)
図1から図3に示すように、ベルトコンベヤ本体ユニット10は、床面から垂直に立設された縦部材11aと、その縦部材11aの反床面側に直交し、搬送ベルト18方向に沿って架け渡された横梁11b、11cとによって略矩形状に形成されたコンベヤ本体フレーム11と、そのコンベヤ本体フレーム11を中心とした両側に配置されるとともに、移動式ベルトコンベヤのメンテナンス時に作業員が歩行可能な歩廊12及び歩廊12の歩行時の安全性確保のために設置された手摺13と、輸送物の投入口である輸送物投入口14、その輸送物投入口14から投入された輸送物が搬送ベルト18を介して排出される輸送物排出部15とを備えている。
【0057】
また、ベルトコンベヤ本体ユニット10は、その先端部に配置されたヘッドプーリー45、そのヘッドプーリー45の反対側の端部に位置するテールプーリー17及びヘッドプーリー45とテールプーリー17を架け渡して配置された搬送ベルト18を備える。
【0058】
さらに、駆動モーター19から駆動チェーン20を介して伝達した駆動力によって駆動する駆動プーリー21と、その駆動プーリー21の駆動力が伝達可能に配設され、搬送ベルト18を支持する複数の普通型キャリヤローラ22とを備える。この普通型キャリヤローラ22は、後述する縮状態制限リミットスイッチよりも上流側に位置し、開閉動作をしないローラである。また、リターン側の搬送ベルト18を回転しながら支持するリターンローラ23を備えている。
【0059】
(ヘッドプーリー台車ユニット)
ヘッドプーリー台車ユニット40は、台車フレーム44上に載置されたヘッドプーリー45を移動可能なユニットであり、搬送ベルト18方向に所定間隔離して配置された断面コ字型の二本のレール41、41と、車輪軸42の両端に設置され、各レール41、41のレール溝41aに沿って移動可能に嵌め込まれた車輪43、43と、台車フレーム44上に載置されたヘッドプーリー45とを備える。
【0060】
また、図示は省略するが、台車の上流側に普通型キャリヤローラユニット一基を備える場合がある。この目的は、開閉式キャリヤローラユニット60の開閉動作をスムーズに行うためである。なぜならば、ヘッドプーリー45の上流側で最初の開閉式キャリヤローラユニット60は、他のそれよりベルト張力が最も高い位置なので、負荷が高く開閉に困難をきたす場合がある。
【0061】
この現象は、ヘッドプーリー及びテールプーリーの距離が短い短機長の場合は起こらないが、ヘッドプーリー及びテールプーリーの距離が長い長機長や高比重の輸送物を搬送する場合に起こる。よって台車の上流側に普通型キャリヤローラユニット22を一基搭載することで、これに負荷を分担させて開閉式キャリヤローラユニット60の開閉動作をスムーズに行わせることができる。
【0062】
また、ヘッドプーリー45の側面から上面に掛けて被覆され、ヘッドプーリー45の移動時にキャリヤローラを押し広げる作用をなすキャリヤローラ開閉案内板46と、台車フレーム44の前後の略中心部にそれぞれ固定され、ヘッドプーリー45の移動時にキャリヤローラを押し下げる作用をなす第一開閉用突起部材47、47、キャリヤスタンドロックユニット70におけるロックピンを解錠するための第二開閉用突起部材48、48及び搬送ベルト18のベルト表面に付着した付着物を除去するベルトクリーナーユニット49を備える。
【0063】
図4から図6を参照して、ヘッドプーリー45をさらに説明する。図4は、ヘッドプーリー及び台車フレームを示す斜視図であり、図5及び図6は、ヘッドプーリー及び台車フレームを示す側面図である。
ヘッドプーリー45は、ヘッドプーリー軸受け45aにヘッドプーリー軸45bが嵌合されて台車フレーム44の台車フレーム上端部44aに固定されている。台車フレーム44には、フック44bが固定され、このフック44bにヘッドプーリー45を搬送ベルト18方向に沿って前後に移動させるワイヤーロープ83が接続されている。このワイヤーロープ83は、滑車82、82に巻き回して方向転換され、ウィンチユニット80の駆動力によってヘッドプーリー45を前後に移動させる。
このヘッドプーリー45の移動範囲としては、図1に示した輸送物投入口14を下流限界とし、輸送物排出部15を上流限界とした範囲であり、この範囲内では自在に移動可能となっている。
【0064】
(開閉式キャリヤローラユニット)
図7は、開閉式キャリヤローラユニットのキャリヤスタンド開状態を示した斜視図であり、図8は、開閉式キャリヤローラユニットのキャリヤスタンド閉状態を示した斜視図である。
開閉式キャリヤローラユニット60は、ヘッドプーリー45の通過時に開閉可能に形成されており、二本の開閉レバー61a、61bがコンベヤ本体フレーム11の横梁11b、11cに挟まれて支持され、その開閉レバー61a、61bの一端に、キャリヤスタンド62a、62bがはねあげヒンジ63a、63bを介して一体的に形成されている。キャリヤスタンド62a、62bは、トラフ状に湾曲した状態の搬送ベルト18を下側から支持する複数のキャリヤローラ66を保持する。
【0065】
また、開閉レバー61a、61bの他端には、開状態の開閉レバー61a、61bを元の状態に復旧させる二本のスプリング64a、64bが接続され、そのスプリング64a、64bは、台車フレーム11の上面11cにスプリング支持部材65a、65bで固定されている。キャリヤローラ66は、各キャリヤスタンド62a、62bの内側表面上に、ローラ固定部材67を介して各々3個ずつ固定されている。キャリヤローラ66は、内部にベアリングを内蔵し、そのベアリングによって回転する。
【0066】
また、図8に示すように、キャリヤスタンド62aに設置されたキャリヤローラ66aは、キャリヤスタンド62bに設置されたキャリヤローラ66bよりも前方(上流側)に位置している。すなわち、キャリヤローラ66aとキャリヤローラ66bは、正面視で前後に重なるよう配置され、上面視では2列存在(二重に)することとなる。このようにキャリヤローラ66aと66bを二重に配置することは、閉状態で一番負荷のかかる中央寄りのキャリヤローラの負担を分散することで、市販の安価なローラを採用可能としている。もちろん、この中央寄りのキャリヤローラを半分の長さに分割することにより、キャリヤスタンドも1列化にすることが可能である。そして、これらのキャリヤローラ66は搬送ベルト18を支持して回転し、搬送ベルト18の滑らかな移動とトラフ形状保持を補助している。
【0067】
また、キャリヤスタンド62a、62bが閉状態においての形状は、正面視で略U字型となっている。U字型とすれば、輸送物が石炭などの不安定なバラモノであっても搬送ベルト18の側面からの落下を効果的に防止できる。
【0068】
(キャリヤスタンドロックユニット)
図9及び図10に示すように、キャリヤスタンドロックユニット70は、閉状態の時に輸送物等の重さでキャリヤスタンド62a、62bが開かないようにロックしておくユニットであり、キャリヤスタンド62aの下端部からキャリヤスタンド62bの下端部に掛けて連結されたロックユニット本体70aと、キャリヤスタンド62a側からロックユニット本体70aに対して挿入された支点ピン71と、その支点ピン71を支軸として固定されたロックユニット開閉レバー72と、そのロックユニット開閉レバー72の中途部72bからキャリヤスタンド62b側に向かって直交し、ボルト79aによって接続されたリンクプレート73と、そのリンクプレート73の一端にボルト79bを介して接続されたロックピン74とを備える。このロックピン74は、ピン孔74bに挿出入可能に形成されている。
【0069】
また、ロックユニット開閉レバー72には、基軸部72aからロックユニット本体70aの幅方向付近までを、ロックユニット開閉レバー72を常時ロック状態に保持しておくための渦巻きばね78が嵌め込まれている。この渦巻きばね78は、常態においてロックユニット開閉レバー72がロックされる方向(内側)に力が作用している。
【0070】
ロックユニット開閉レバー72の先端には、図9に示すように、側面視で逆T字状をなすように先端から前後に張り出された開閉レバー摺子77が設けられている。また、ロックユニット本体70aの下端部には、ロックユニット開閉レバー72をロック状態またはアンロック状態に形成するためのロックピン受け板75aは、キャリヤスタンド62aに固定され、ロックピン受け板75bはキャリヤスタンド62bに固定されている。(図面追加かも)
【0071】
なお、ロックピン受け板75a、75bを永久磁石に形成し、ロックピン受け板75aがロックピン受け板75bに固定されるようにすることもできる。このようにすれば、ロックピン74を必用としない。また、永久磁石に換えて面ファスナーとして形成することも可能である。
【0072】
(ロック開閉動作について)
次に、キャリヤスタンドロックユニット70のロック解除動作について、図11及び図12を参照して説明する。
まず、ヘッドプーリー45が所定方向に移動すると、第二開閉用突起部材48の突起先端48aが開閉レバー摺子77に接触する。この際、第二開閉用突起部材48の斜面部48bに開閉レバー摺子77の側面77bが当接するので、比較的滑らかにロックユニット開閉レバー72を外側方向に移動させる。そして、ロックユニット開閉レバー72の移動に応じて、ロックピン74がピン孔74b及びロックピン受け板75a、75bから外れる(図11(a)のAからB)。ロックピン74が外れると、ロックユニット開閉レバー72のロック状態が解除される。
【0073】
また、図12に示すように、第一開閉用突起部材47の先端47aが搬送ベルト18とキャリヤローラ66a、66bとの間を挿入し、キャリヤローラ66a、66bを下側方向に押し下げる。これは、前述したロックピン74の解除からは若干遅れるものの、ほぼ同じタイミングで作用する。つまり、すでに、ロックユニット開閉レバー72のロック状態は解除されているが、渦巻きばね78の弾性力によって、ロック状態に復旧させようと作用する。
【0074】
なお、第二開閉用突起部材48がロックピン74を解除し、第一開閉用突起部材47が搬送ベルト18とキャリヤローラ66との間に挿入し、キャリヤスタンドを押し下げた状態では、ロックピン74はピン孔74bからずれることになる。このため、ピン孔74bにロックピン74が挿入されることによる自動復旧は発生しないことになる。
【0075】
そして、第一開閉用突起部材47によるキャリヤローラ66a、66bの押し下げる動作に連続し、図5で示したキャリヤローラ開閉案内板46の斜面部46aに、キャリヤローラ66aが接触し、キャリヤスタンド62aを外側へ押し広げる。また、斜面部46bも同様にキャリヤローラ66bに接触してキャリヤスタンド62bを外側に押し広げ、ヘッドプーリー45が進行方向に進められていく。このように、移動式ベルトコンベヤ上に複数設置された開閉式キャリヤローラユニット60を、順々に開閉を繰り返しながら通過し、予め制御手段によって設定された停止位置まで進行するのである。
【0076】
なお、キャリヤローラ開閉案内板46における斜面部46a及び斜面部46bの形状は、キャリヤローラ66の先端部が描く軌跡に合う形状に形成されており、ヘッドプーリー45の移動もスムーズになるため好ましい。
【0077】
一方、ヘッドプーリー45通過後には、開閉式キャリヤローラユニット60は前項の逆な順序で閉状態に戻るとともにロックユニット本体70はロックピン74の渦巻きばね78の作用によって、ロックピン74がロックピン受け板75a、75b及びそのロックピン受け板75a、75bによって形成されるピン孔74に挿入され、再びロック状態へと復旧する。
すなわち、これら一連の動作により、ヘッドプーリー45を上流側及び下流側の前後に自在に移動させることができるので、搬送ベルト18上の輸送物を搬送しながら所定の箇所まで運搬し、自在に排出させることができる。
【0078】
(ウィンチユニット)
図13に示すように、ウィンチユニット80は、スイッチ(図示は表示しない)のオンオフによってヘッドプーリー45を所定位置に電動駆動させるユニットであり、所定間隔離して配置された複数の滑車82の外周を巻き回されたワイヤーロープ83の一端を、台車フレーム44のフック44bに接続され、任意の方向(本実施形態では上流側または下流側)に台車フレーム44及びヘッドプーリー45を移動させる電動ウィンチ本体81を備える。また、搬送ベルト18の縮状態において、ヘッドプーリー45を限界位置に停止させるためのリミットスイッチ84a及び搬送ベルト18の伸状態において、ヘッドプーリー45を限界位置に停止させるためのリミットスイッチ84bを備える。各リミットスイッチ84a、84bは、ベルトコンベヤ本体40の先端部とウィンチユニット近くにそれぞれ設置されており、ヘッドプーリー45が移動可能な限界範囲として機能する。
【0079】
ここで、「搬送ベルト縮状態」とは、ヘッドプーリー45を上流側に移動させた場合に、搬送ベルト18が弛んで余剰ベルトが生じることになる。この余剰ベルトを縮めた状態のことをさす。一方、「搬送ベルト伸状態」とは、ヘッドプーリー45を下流側に移動させた場合に、搬送ベルト18が伸びた状態のことをさす。
なお、本実施形態におけるウィンチユニット80は、電動ウィンチ本体81とワイヤーロープ83によって牽引を実現しているが、動力源について限定されるものではない。例えば、ギヤとチェーンを用いてヘッドプーリー45を牽引することもできるし、また、ウィンチユニットの電動モーターの代替として油圧モーター、空圧モーター、内燃機、人力、重力、バネ力等を利用することもできる。ただし、ワイヤーロープ83および電動ウィンチ81の組み合わせは、省スペースおよび低コストで実現可能であるため好ましい。
【0080】
(制御手段)
また、図示は省略するが、ウィンチユニット80には、ヘッドプーリー45の移動距離を制御する制御手段を備えている。この制御手段は、ヘッドプーリー45の回転数によって制御する。つまり、予め設定された移動距離を回転数に換算するのである。例えば、1mの移動に要するヘッドプーリーの回転数が2.5回転であれば、「10m」の移動設定をする場合には、25回転とすればよい。この移動距離については、任意に設定することができ、「5m」単位、「10m」単位、「50cm」単位などが考えられる。
【0081】
(ベルト貯めユニット)
図14は、ベルト貯めユニット90の構成を示した部分拡大図である。ベルト貯めユニット90は、「搬送ベルト縮状態」における余剰ベルトを貯めておくための機能を有し、地面から立設され、ヘッドプーリー移動式ベルトコンベヤ全体を支持するベルト貯めユニット架構91、搬送ベルト18の方向を必要に応じて変化させる複数のアイドルプーリー92、搬送ベルト18を一定の張力に保つために上下動が可能なカウンターウェイト((相対移動部材))93から構成されている。
【0082】
アイドルプーリー92は、駆動プーリー21を挟んで左右に設置された3つの固定型アイドルプーリー92aと、それら固定型アイドルプーリー92aから伸びた搬送ベルト18を巻き回して支持するとともに、所定間隔離して対向配置され、カウンターウェイト93の上面部93aに接地された3つの可動型アイドルプーリー92bとからなる。これら各アイドルプーリー92a、92bは、それぞれに巻き回された搬送ベルト18の伸び縮みを制御している。また、固定型アイドルプーリー92aは、固定部材94によってベルトコンベヤ本体裏面に固定され、移動型アイドルプーリー92aは、固定部材94によってカウンターウェイト93に固定されている。このカウンターウェイト93は、重力により搬送ベルト18の張力を保持するとともに、起動時のショックを和らげる機能を備える。
【0083】
具体的な動作としては次にようになる。ヘッドプーリー45が上流側に移動すると搬送ベルト18が弛み余剰ベルトが生じる。この際、ヘッドプーリー45の移動距離に応じてカウンターウェイト93を重力により下側(地面側)に移動させる。すると、搬送ベルト18の弛みによって生じるはずの余剰ベルトは、可動型アイドルプーリー92bの下移動によって伸ばすことができる。つまり、ベルト貯めユニット架構91内で搬送ベルト18の張力を一定に保持し、かつ貯めておくことが可能となる。
【0084】
一方、ヘッドプーリー45が下流側に移動した際には、その移動距離に追従してカウンターウェイト93は上移動する。このようにして搬送ベルト18のベルト張力を一定に保つのである。したがって、ヘッドプーリー45を前後に移動させて、輸送物の落下場所を自在にした場合でも、ベルト貯めユニット架構91内で余剰ベルトを格納するとともに、張力を一定に保持することができる。
【0085】
以下、ヘッドプーリー45を上流側または下流側に移動させた場合の輸送物の積載状況について説明する。
最初に移動型ベルトコンベヤの電源スイッチを押すと、駆動モーター19が駆動プーリー21を駆動させて搬送ベルト18を回転させる。
次に、投入口14から輸送物が上流系統から投入される。輸送物は、搬送ベルト18上を流れていき輸送物排出部15から輸送物を貯留するための輸送物貯留スペースに落下する。
所定時間経過後、同じ箇所に輸送物が排出されたことで輸送物貯留スペース内に山型に形成された輸送物が積載されていく。(図15(a))
【0086】
次に、運転中であるとの条件のもと、制御手段を用いて下流側に移動させるための操作命令を実行する。すると、電動ウィンチ81が下流側に牽引する動力をなし、ワイヤーロープ83に接続されたヘッドプーリー45を下流側に移動させる。ヘッドプーリー45は、山型の輸送物の下流側に設定された場所(斜面C1)まで移動して停止し、その場所で搬送ベルト18から輸送物を落下させ輸送物貯留スペースに輸送物を積載していく。(図15(b))
【0087】
所定時間経過後、最初の積載物の山(C)と同じぐらいまで積載したら、反対側の斜面(斜面C2)にヘッドプーリー45を移動させる。これは、下流側に移動させた場合と同様に、制御手段を用いて上流側に移動させるための操作命令を実行し、電動ウィンチ81が上流側に牽引する動力によって、ワイヤーロープ83に接続されたヘッドプーリー45を上流側に移動させる。ヘッドプーリー45は、山型の輸送物(落ち山)の上流側に設定された場所(斜面C2)まで移動して停止し、その場所で搬送ベルト18から輸送物を落下させ輸送物貯留スペースに輸送物を積載していく。(図15(c))
【0088】
すなわち、輸送物を同一箇所に積載し続けることで、輸送物の山が生じてしまい、その山に隣接するスペースまでを十分に積載することが困難となるが、本実施形態における移動型ベルトコンベヤによれば、ヘッドプーリー45を上流側または下流側に任意に移動可能な構成としているため、輸送物(落ち山)に隣接する空いたスペースまでを十分にカバーすることができる。したがって、輸送物貯留スペースに輸送物を連続的に隙間無く効率良く積載することができる。
【0089】
また、電動ウィンチ81とカウンターウェイト93とを相対的に移動させたことで、ベルト貯めユニット架構91内に搬送ベルト18を保持しておくことができ、搬送ベルト18の弛みや伸張を効果的に防止することができる。このため、ヘッドプーリー45の先端から輸送物を落下させる際に、落下点を自在に変位させることが可能となる。
【0090】
なお、具体的な動作としては、輸送物によって形成された山の高さを判別し、その山の高さが予め設定された高さに達したと判別された場合に、ヘッドプーリー45を前後の一方に移動させる。これを繰り返していき、均一の高さに積載していく。時間間隔としては、例えば2秒間隔ぐらいで前後に動作する。
【0091】
図16は、収納機構付きベルトコンベヤの他の形態を示した収納機構付きベルトコンベヤ10Aである。収納機構付きベルトコンベヤ10Aは、前述した収納機構付きベルトコンベヤ10と基本的な構成を同一であるが、ベルト貯めユニット架構90の固定位置が異なる。すなわち、本実施形態におけるベルト貯めユニット架構90の搬送ベルト収納部91は、収納機構付きベルトコンベヤ10Aよりも上側に固定されている。
搬送ベルト収納部91がベルトコンベヤ10よりも上側に固定されていれば、既存のベルトコンベヤ10に対して搬送ベルト収納部91を新たに設置するための工事が容易となる。また、本実施形態のようにした場合、搬送ベルト18が弛んだ際には、カウンターウェイト93をウィンチ等によって自動的に巻き上げられるように構成しても良い。
【0092】
なお、本実施形態では、開閉式キャリヤローラユニット60のキャリヤローラ66の数を6としているが、これに限定されることはない。搬送ベルト18の幅に合わせて適宜調節可能であり、例えば、4本であっても良いし、また、8本とすることもできる。また、キャリヤスタンド62a、62bはU字型に形成されているが、平型に成形されたキャリヤスタンドとしても良い。
【0093】
また、本実施形態では、キャリヤスタンド62a、62bの開閉をスプリング64a、64bのバネ力によって実現しているが、これは特に限定されるものではない。例えば、油圧シリンダー、空圧シリンダー、電圧シリンダー等の各シリンダーを用いることもできる。またはねあげヒンジ63を中心に捻りばね、または油圧、空圧、電動を利用したトルク発生装置などの採用も可能である。
【0094】
さらに、キャリヤスタンド62にキャリヤローラ66を左右それぞれ3つずつ配置しているが、これも特に限定されることはない。これは、本実施形態の搬送ベルト18がトラフ型に形成されているためであり、例えば、搬送ベルト18が平型に形成されている場合には、キャリヤローラ66が左右に一つずつ配置し、中央から分割するような構造とすることが望ましい。
【0095】
また、ベルト貯めユニット90のベルト貯め方法としては次のようにしても良い。すなわち、本実施形態では、ベルト貯めユニット架構91の幅方向に厚みを持たせ、固定アイドルプーリー92を並列させて配置しているが、ベルト貯めユニット架構91の奥行き方向に厚みを持たせるようにすることもできる。このようにすれば、ベルトコンベヤ全体の長さを短くすることができ、省スペース化に寄与する。
【0096】
次に、収納機構付きベルトコンベヤにおける他の形態を示した収納機構付きベルトコンベヤ10Bを図17から図21を参照して説明する。
図17(a)、(b)に示すように、収納機構付きベルトコンベヤ10Bは、ヘッドプーリー45を上流側及び下流側に移動させることで、搬送ベルト18上に載置された輸送物を任意の位置に自在に落下させることが可能な機能を有する。前述した収納機構付きベルトコンベヤ10と比較し、ベルトコンベヤ本体ユニット、ヘッドプーリー45を台車で移動させるヘッドプーリー台車ユニット40、ヘッドプーリー45の通過に応じて開閉する平開式キャリヤローラユニット30、ヘッドプーリー45を上流側または下流側に牽引移動させる台車移動用ウィンチユニット80及びヘッドプーリー45の移動によって弛んだ搬送ベルト18を貯めおくベルト貯めユニット90を備えている点は同一である。しかしながら、ヘッドプーリー台車ユニットの形状および開閉式キャリヤローラユニットの開閉構造が異なる。
【0097】
(ヘッドプーリー台車ユニット)
ヘッドプーリー台車ユニット40は、台車フレーム44上に載置されたヘッドプーリー45を移動可能なユニットであり、搬送ベルト18方向に所定間隔離して配置された断面コ字型の二本のレール41、41と、車輪軸42の両端に設置され、各レール41、41のレール溝(図示は省略する)に沿って移動可能に嵌め込まれた車輪43、43と、台車フレーム44上に支柱46dが立設され、その支柱46dに支持されたヘッドプーリー45とを備える。
【0098】
また、ヘッドプーリー45の側面から上面に掛けて被覆され、ヘッドプーリー45の移動時にキャリヤローラを押し広げる作用をなすキャリヤローラ開閉案内板46と、そのキャリヤローラ開閉案内板46の先端をなし、ヘッドプーリー45の移動時にキャリヤローラに押し当たる先端47aを有する第一開閉用突起部材47を備える。
キャリヤローラ開閉案内板46は、第一斜面部46aと第二斜面部46bを備え、これら各斜面部によってキャリヤローラを押し広げて進行する。
【0099】
(平開式キャリヤローラユニット)
平開式キャリヤローラユニット30は、前述した開閉式キャリヤローラユニット60のように、ヘッドプーリー45の通過に応じて垂直方向に開閉する方式ではなく、ヘッドプーリー45の進行方向に対して垂直に支持された軸を支点として水平方向に開閉させて、ヘッドプーリー45の移動を可能にした水平開閉式のキャリヤローラユニットとなっている。以下、さらに具体的に説明する。
【0100】
平開式キャリヤローラユニット30は、ヘッドプーリー45の通過時に水平に開閉可能に形成されており、二本のヒンジアーム31a、31bがコンベヤ本体フレーム11の縦部材11aに支持され、そのヒンジアーム31a、31bの一端に、キャリヤスタンド32a、32bが連続して一体的に形成されている。
【0101】
ヒンジアーム31a、31bの他端には、そのヒンジアーム31a、31bと直交して垂直方向に延びたヒンジ35a、35bが固定されている。このヒンジ35a、35bの上下両端部には、ヒンジアーム31a、31bの開閉動作を行う捻りばね(弾性部材)34a、34bが回転可能に固定されている。
図21(a)、(b)に示すように、弾性部材である捻りばね34a、34bは、ばねケース341の内壁に対して、ばね固定部342、343がそれぞれ当接することでバネ本体344全体を回転可能に支持している。また、捻りばね34a、34bは、巻き方向がそれぞれ逆になるように形成されている。
【0102】
つまり、巻き方向をそれぞれ逆にすると、ヒンジアーム31a、31bやキャリヤスタンド32a、32bが前後どちらかに開閉しても、捻りばね34a、34bは貯力することができる。すなわち、開閉方向がどちらであっても良いことになる。
この捻りばね34a、34bを採用することで、ヒンジアーム31a、31bやキャリヤスタンド32a、32bを開閉させる際に、モーターなどの別の動力源を必要としない。このため、制御を簡素化するとともに、メンテナンスも容易とする。
【0103】
ヘッドプーリー移動手段であるヘッドプーリー台車ユニット40には、台車フレーム44から垂直方向に立設された固定キャリヤスタンド(67)を備えている。この固定キャリヤスタンド67を設けると、台車フレーム44の上流側直近の平開式キャリヤローラユニット30への負荷が固定キャリヤスタンド67に分散され軽減される。すなわち、搬送ベルト18が平型からU字型への変曲点は他より大きな負荷が発生する。この変曲点負荷を固定キャリヤスタンド67がサポートすることにより、その上流側直近の平開式キャリヤローラユニット30への変曲点負荷が軽減されるばかりでなく、固定キャリヤスタンド67にくらべて複雑で故障しやすい構造の平開式キャリヤローラユニット30を変曲点付加から保護することができる。これにより、ヘッドプーリー台車ユニット40がよりスムーズに移動可能となる。
【0104】
キャリヤスタンド32a、32bは、トラフ状に湾曲した状態の搬送ベルト18を下側から支持する複数のキャリヤローラ36を保持している。キャリヤローラ36は、各キャリヤスタンド32a、32bの内側表面上に、ローラ固定部材(図示は省略する)を介して各々3個ずつ固定されている。キャリヤローラ36は、内部にベアリングを内蔵し、そのベアリングによって回転する。なお、キャリヤローラ36の数は3個に限定するものではなく、増減可能である。
キャリヤスタンド32a、32bの先端部には、上下方向を回転軸として回転可能なガイドローラ37a、37bを備える。ガイドローラ37a、37bは、キャリヤスタンド32a、32bの開閉時に、キャリヤスタンド32aがキャリヤスタンド32b(またはその逆)に接触するが、この際、ガイドローラ37a、37bのローラが所定方向に接触して回転する。また、閉じる際にも接触するので、その動作がスムーズになる。
【0105】
また、図19に示すように、キャリヤスタンド32bに保持されたキャリヤローラ36bは、キャリヤスタンド32aに保持されたキャリヤローラ36aよりも前方(上流側)に位置している。すなわち、キャリヤローラ36aとキャリヤローラ36bは、正面視で前後に重なるよう配置され、上面視では二列存在(二重に)することとなる。このようにキャリヤローラ36aと36bを二重に配置することは、閉状態で一番負荷のかかる中央寄りのキャリヤローラの負担を分散することで、市販の安価なローラを採用可能としている。
【0106】
一方、キャリヤローラ36aとキャリヤローラ36bを正面視で前後、上面視で2列に重なるよう配置することは、キャリヤローラ開閉案内板の斜面部46a、46bが上面視で対称形であることから、閉止時に左前になったり右前になったりといった絡み合いは発生しない。
もちろん、この中央寄りのキャリヤローラを半分の長さに分割することにより、キャリヤスタンドも一列化にすることが可能である。そして、これらのキャリヤローラ36は、搬送ベルト18を支持して回転し、搬送ベルト18の滑らかな移動とトラフ形状保持を補助している。
【0107】
また、キャリヤスタンド32a、32bが閉状態においての形状は、正面視で略U字型となっている。U字型とすれば、輸送物が石炭などの不安定ないわゆる「バラモノ」であっても、搬送ベルト18の側面からの落下を効果的に防止できる。
【0108】
また、キャリヤスタンドロックユニット70(ロック機構)は、キャリヤスタンド32a、32bをロックしておくロックユニットである。このキャリヤスタンドロックユニット70は、例えば、永久磁石などの強磁性体で形成されており、キャリヤスタンド32a側に固定された第一ロック部材70cと、キャリヤスタンド32b側に固定された第二ロック部材70dとからなる。強磁性体としては、一方を磁石として、他方を磁石につく物質としてもよいし、両方を磁石としても良い。また、磁石としては、構造を簡単にするには永久磁石が好ましいが、電磁石でも良い。
【0109】
(作用)
次に、図18から図20を参照して作用を説明する。
まず、ヘッドプーリー45が上流側に移動する場合には、第一開閉用突起部材47の先端47aがキャリヤローラ36aに当接する。この際、キャリヤスタンド32a、32bは、第一ロック部材70cと第二ロック部材70dの磁力によって固着されているが、第一開閉用突起部材47の前方への押す力によって、これら各ロック部材が離間していく。
続いて、キャリヤローラ開閉案内板46の斜面部46aに、キャリヤローラ36aが接触し、キャリヤスタンド32aを前方へと押し広げる。そして、斜面部46bも同様にキャリヤローラ36bに接触してキャリヤスタンド32bを前方に押し広げ、ヘッドプーリー45が進行方向に進められていく。
【0110】
一方、平開式キャリヤローラユニット30は、ヘッドプーリー45によって前方に押し広げられるわけだが、この際、ヒンジアーム31a、31bにおけるヒンジ35a、35bの軸方向は、ヘッドプーリー45の通過時に、搬送ベルト18の進行方向と平行に開閉動作する方向となっている。そして、ヒンジ35a、35bの上下に設けられた捻りばね34a、34bが回転して、キャリヤスタンド32a、32bの開閉動作が行われる。
【0111】
なお、捻りばね34aは右回転用であり、捻りばね34bは左回転用に形成されている。つまり、キャリヤスタンド32a、32bが開閉するときに、左右どちらでも回転可能となっているので、開閉方向が反対(上流側または下流側)であっても容易に初期状態(閉状態)へと復旧する。
このように、移動式ベルトコンベヤ上に複数設置された平開式キャリヤローラユニット30を、順々に開閉を繰り返しながらヘッドプーリー45が通過し、予め制御手段によって設定された停止位置まで進行する。
また、捻りばね34a、34bを採用したことで、平開式キャリヤローラユニット30を動かす際に、モータなどの別の動力源を必要としないので、制御面やメンテナンスの点で容易となる。
【0112】
なお、キャリヤローラ開閉案内板46における斜面部46a及び斜面部46bの形状は左右対称であり、かつキャリヤローラ36aとキャリヤローラ36bを正面視で前後、上面視で2列に重なるよう配置しているので、平開式キャリヤローラユニット30の先端部が描く軌跡は非対称なので、閉止時に左前になったり右前になったりといった絡み合うことはなく、ヘッドプーリー45の移動もスムーズになるため好ましい。
【0113】
一方、ヘッドプーリー45通過後には、平開式キャリヤローラユニット30は、捻りばね34a、34bのばね作用によって、初期状態(閉状態)へと復旧する。
すなわち、これら一連の動作により、ヘッドプーリー45を上流側及び下流側の前後に自在に移動させることができるので、搬送ベルト18上の輸送物を搬送しながら所定の箇所まで運搬し、自在に排出させることができる。
【0114】
なお、本実施形態では、キャリヤスタンドが前後に開閉動作するように形成されているので、前述したキャリヤスタンドロックユニット70は、マグネット式等のさらに簡便な方式であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本願発明は、バラモノ輸送物定型輸送物をベルトコンベヤで運搬を行う物流業者、ベルトコンベヤの製造業者及びベルトコンベヤのメンテナンス業界などにおいて、利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】移動式ベルトコンベヤの全体構成を示した側面図である。
【図2】移動式ベルトコンベヤの先端部とヘッドプーリー付近を示した斜視図である。
【図3】移動式ベルトコンベヤの正面断面図である。
【図4】ヘッドプーリー台車ユニットの構成を示す斜視図である。
【図5】ヘッドプーリー台車ユニットの構成を示す平面図である。
【図6】ヘッドプーリー台車ユニットの構成を示す平面断面図である。
【図7】開閉式キャリヤローラユニットにおけるキャリヤスタンド開状態を示す斜視図である。
【図8】開閉式キャリヤローラユニットにおけるキャリヤスタンド閉状態を示す斜視図である。
【図9】キャリヤスタンドロックユニットの構成を示す側面図である。
【図10】キャリヤスタンドロックユニットの構成を示す正面図である。
【図11】キャリヤスタンドロックユニットにおけるロック及びロック解除動作を示す作用図であり、(a)は正面図、(b)は平面断面図であり、図12は、キャリヤスタンドロックユニットにおけるロック解除動作を示す側面図である。
【図12】キャリヤスタンドロックユニットにおけるロック解除動作を示す側面図である。
【図13】ヘッドプーリー台車ユニット及びウィンチユニットの構成を示す側面図である。
【図14】ベルト貯めユニットの構成を示す斜視図である。
【図15】ヘッドプーリーを上流側または下流側に移動させた場合の輸送物の積載状況について説明した図である。
【図16】移動式ベルトコンベヤの他の構成を示した側面図である。
【図17】移動式ベルトコンベヤのさらに他の構成を示した図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図18】平開式キャリヤローラユニットを示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図19】平開式キャリヤローラユニット及びヘッドプーリー台車ユニットを示す平面図である。
【図20】ヘッドプーリー台車ユニットを示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図21】平開式キャリヤローラユニットを示す正面図である。
【符号の説明】
【0117】
10 10A 10B ベルトコンベヤ本体ユニット
11 コンベヤ本体フレーム
11a 縦部材 11b、11c 横梁
12 歩廊 13 手摺
14 輸送物投入口 15 輸送物排出部
18 搬送ベルト 19 駆動モーター
20 駆動チェーン 21 駆動プーリー
22 普通型キャリヤローラユニット
23 リターンローラユニット
30 平開式キャリヤローラユニット
31a、31b ヒンジアーム
32a、32b キャリヤスタンド
34a 捻りばねユニット(右回転用)、34b 捻りばねユニット(左回転用)
341 ばねケース
342,343 ばね固定部
344 バネ本体
35a、35b ヒンジ
36 a 、36b キャリヤローラ
37a、37b ガイドローラ
40 ヘッドプーリー台車ユニット
41 レール 41a レール溝
42 車輪軸 43 車輪
44 台車フレーム 44a 上端部
44b フック
45 ヘッドプーリー 45a ヘッドプーリー軸受け
45b ヘッドプーリー軸
46 キャリヤローラ開閉案内板
46a 第一斜面部、46b 第二斜面部
46d 支柱
47 第一開閉用突起部材
47a 先端
47b 第一斜面部 47c 第二斜面部
48 第二開閉用突起部材
48a 突起先端 48b 斜面部
49 ベルトクリーナーユニット
60 開閉式キャリヤローラユニット
61a、61b 開閉レバー
62a、62b キャリヤスタンド
63a、63b はねあげヒンジ
64a、64b スプリング
65a、65b スプリング支持部材
66 キャリヤローラ
67 固定キャリヤスタンド
70 キャリヤスタンドロックユニット
70a ロックユニット本体
71 支点ピン 72 ロックユニット開閉レバー
72a 基軸部 72b 中途部
73 リンクプレート 74 ロックピン
74b 孔
75a、75b ロックピン受け板
77 開閉レバー摺子 78、79b ボルト
80 ウィンチユニット 81 電動ウィンチ本体
82 滑車 83 ワイヤーロープ
84a、84b リミットスイッチ
90 ベルト貯めユニット
91 ベルト貯めユニット架構
92a 固定型アイドルプーリー
92b 可動型アイドルプーリー
93 カウンターウェイト
94 固定部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送物を輸送物投入口である始点位置から下流側に位置する終点位置へ搬送させるとともに、前記終点位置を変更可能なベルトコンベヤであって、
前記始点の側近において水平な回転軸にて回転可能なテールプーリーと、前記終点位置において水平な回転軸にて回転可能であるとともにその回転軸の位置を変更可能なヘッドプーリーと、そのヘッドプーリーおよび前記テールプーリーに掛け渡された搬送ベルトと、
前記ヘッドプーリーの回転軸を支持するとともにその回転軸の移動軌跡を形成するレール部材と、
そのレール部材に沿って回転軸を移動させるためのヘッドプーリー移動手段と、
そのヘッドプーリー移動手段が移動することによって弛むまたは伸張する前記搬送ベルトを収納または搬出させるとともに、
その搬送ベルトのテンションを保つ搬送ベルト収納機構とを備えた搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項2】
前記搬送ベルトによって搬送される輸送物の重量と搬送ベルトの重量及び張力を支持するためのベルト支持手段を搬送経路に沿って複数備え、
ヘッドプーリー移動手段の移動時において移動を妨げる位置に該当するベルト支持手段は、その移動の邪魔にならない位置に待避する待避機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項3】
前記待避機構は、搬送方向に沿って延伸され待避機構を固定するための本体フレームと、
その本体フレームに対して搬送方向を遮る方向に回動可能に軸支される曲線材状のキャリヤスタンドと、
そのキャリヤスタンドにおける一端において搬送ベルトを下方から支持するキャリヤローラと、
そのキャリヤローラとは反対端における前記キャリヤスタンドと前記本体フレームとに固定され、
前記キャリヤスタンドの回動を制御するために弾性部材とを備えて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項4】
前記待避機構は、搬送方向と直角に立設され待避機構を固定するための本体フレームと、
その本体フレームに沿って直角方向に延伸し、待避機構の開閉動作をさせる弾性部材を備えたヒンジと、
そのヒンジに接続されたヒンジアームと、
その開閉レバーに連結され、前記搬送ベルトの搬送方向を遮る方向に回動可能に軸支された曲線材状のキャリヤスタンドと、
そのキャリヤスタンドにおける一端において搬送ベルトを下方から支持する複数のキャリヤローラと、を備え
前記開閉レバーにおける回転軸の軸方向は、ヘッドプーリーの通過時に、搬送ベルトの進行方向と平行に開閉動作する方向としたことを特徴とする請求項2に記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項5】
前記弾性部材は、前記ヒンジにおける垂直方向の両端部に固定されるとともに、前記ヘッドプーリーの通過に応じて前記弾性部材が水平方向に回転することを特徴とする請求項4記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項6】
前記弾性部材は、捻りばねで形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項7】
前記キャリヤスタンドを一対とし、
その一対のキャリヤスタンドは、所定間隔を離して上面視で前後に互い違いに配置されており、それらキャリヤスタンドを互いに固定するためのロック機構を備えたことを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項8】
前記キャリヤスタンドの先端部には、上下方向を回転軸として回転可能なガイドローラを備えたことを特徴とする請求項7記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項9】
前記ロック機構は、一方のキャリヤスタンドに固定された第一ロック部材と第二ロック部材とで形成されるとともに、それら第一ロック部材と第二ロック部材が強磁性体で形成されていることを特徴とする請求項7または請求項8記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項10】
前記ヘッドプーリー移動手段は、ヘッドプーリー台車ユニットからなり、そのヘッドプーリー台車ユニットから垂直方向に立設された固定キャリヤスタンドが固定されていることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項11】
前記待避機構は、搬送ベルトを支持する状態においてその支持状態を保つためのロック手段を備え、
前記ヘッドプーリー移動手段は、その移動経路に該当する際に、前記ロック手段による支持状態を解除するための解除機構を備え、
前記ロック手段は、上流側に移動していたヘッドプーリー移動手段が下流側へ戻る状態においては、
搬送ベルトを支持する状態に戻すように形成したことを特徴とする請求項2記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項12】
前記キャリヤスタンドは、搬送ベルトを挟んで一対のキャリヤスタンドにて構成され、
前記ロック手段は、一対のキャリヤスタンドの一方に接続されたロックユニット開閉レバーと、
そのロックユニット開閉レバーの中途部から突出し、一対のキャリヤスタンドのキャリヤローラ側を連結するロックピンと、
そのロックピンが挿出入されるロックピン受け板と、
を備えていることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項13】
前記解除機構は、前記ロック手段のロックピンを解除する第二開閉用突起部材と、
その第二開閉用突起部材によって解除された前記一対のキャリヤスタンドをそれぞれのキャリヤローラが離れるよう押し広げるキャリヤローラ開閉案内板と、
そのキャリヤローラ開閉案内板の一部に、解除補助動作をする第一開閉用突起部材と、
を備えたことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項14】
前記ヘッドプーリー移動手段は、前記ヘッドプーリーが固定された台車フレームと、その台車フレームに直交して並列固定され、前記レール部材に対して摺動可能に嵌合されたコロによって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項15】
前記ヘッドプーリー移動手段は、前記ヘッドプーリーが固定された台車フレームと、その台車フレームに直交して並列固定され、前記レール部材に沿って回転可能な車輪部材によって形成されていることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項16】
前記ヘッドプーリー移動手段は、台車フレームに接続されたワイヤーロープと、そのワイヤーロープを牽引するウィンチによって構成された牽引手段によって牽引されることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項17】
前記牽引手段は、台車フレームに接続されたチェーンと、そのチェーンを牽引するギヤによって構成されていることを特徴とする請求項16記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項18】
前記キャリヤスタンドは、搬送ベルトを挟んで一対のキャリヤスタンドにて構成され、
そのキャリヤスタンドは、搬送方向に所定間隔で複数対を備え、
各キャリヤスタンドには、回転可能な複数のキャリヤローラが配置され、
その複数のキャリヤローラによって搬送ベルトを支持搬送することを特徴とする請求項3から請求項17のいずれかに記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項19】
前記キャリヤローラは、キャリヤスタンドのそれぞれに三カ所ずつ配置され、
一方のキャリヤスタンドは 、他方のキャリヤスタンドよりも搬送方向にずれて配置され、
前記キャリヤローラが平面視で縦列に配置されていることを特徴とする請求項17に記載の搬送位置可変ベルトコンベヤ。
【請求項20】
前記第二開閉用突起部材は、その第二開閉用突起部材の先端をなす突起先端と、その突起先端に連続し外側に張り出した面状の斜面部とを備え、その斜面部は、前記第一開閉用突起部材の先端よりも側面視で突出して形成されているとともに、前記ヘッドプーリーの進行動作によって前記ロックユニット開閉レバーの開閉レバー摺子の側面に当接されることを特徴とする請求項13記載の搬送位置可変ベルトベルトコンベヤ。
【請求項21】
前記第一開閉用突起部材は、前記第二開閉用突起部材と平行して配置され、平面視で概ね三角形または逆三角形をなして形成され、
第一開閉用突起部材の先端は、前記ヘッドプーリーの進行動作によって前記搬送ベルトと第一キャリヤローラとの間に挿入して間域を形成するとともに、
その間域を形成しながら、前記第一開閉用突起部材の一辺となる第一斜面部と、他辺となる第二斜面部が前記ヘッドプーリーの進行動作によって第一キャリヤローラ及び第二キャリヤローラのそれぞれに当接されるよう配置されたことを特徴とする請求項13記載の搬送位置可変ベルトベルトコンベヤ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−186342(P2007−186342A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163216(P2006−163216)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(505460282)株式会社ケー・エフ (2)
【Fターム(参考)】