説明

車両用収納装置

【課題】車両の余裕空間に該当するリアバンパーの内部空間を活用する手段を提供することで、車両の余裕空間を積極的に活用し、限られた車両内空間を更に有効に利用する。
【解決手段】リアバンパー51の内部空間52に固定されて設置された収納箱70と、リアバンパー51に回転可能に設置され収納箱70を開閉させるバンパードア80と、を含み、収納箱70は、バックビーム53とリアエンドパネル54に固定設置されて支持され、内部に物品が保管される空間を具備した下部トレー71と、下部トレー71に対して回転可能に設置され下部トレー71を開閉させるトレーカバー72と、を含んで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用収納装置に係り、より詳しくは、リアバンパーの内部空間に手荷物を保管するか、又はステップ及びベンチとして利用する車両用収納装置に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
図1は、トランクルームに収納箱が設けられた従来構造の車両を示す図である。図1に示すように、トランクルーム1の空間に収納箱2が設けられた従来の車両は、トランクリッド3を開放して収納箱2を引き出す構造であるため、余裕空間に該当するリアバンパーの内部空間を収納構造として活用することができない短所がある。
また、トランクリッド3の開放及び密閉作動による不便さがあり、また、トランクルーム1の空間が水分などによって汚染されることがあるという短所があった。
【0003】
図2は、リアバンパーを収納空間のドアとして活用した従来の車両を示す図である。図2は、リアバンパー11を開放した後、車両下部に設けられた収納空間12に物品13を保管することができる構造である。
【0004】
しかし、図2に示す従来構造の収納空間は、リアバンパー11が収納空間12のドアとして使用され、図1の従来構造のように余裕空間に該当するリアバンパー11の内部空間を収納として活用することができないという短所がある。
リアバンパーに設けた収納が開示されている(例えば特許文献1を参照)。しかし特許文献1に記載された収納は、充電用コードのような小物しか収容できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開第2010−179785公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる課題を解決するためになされた本発明は、車両の余裕空間に該当するリアバンパーの内部空間を活用する手段を提供することで、車両の余裕空間を積極的に活用し、限られた車両内空間を更に有効に利用することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような目的を達成するための本発明車両用収納装置は、リアバンパーの内部空間に固定されて設置された収納箱と、リアバンパーに回転可能に設置され収納箱を開閉させるバンパードアと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、収納箱が、バックビームとリアエンドパネルに固定設置されて支持され、内部に物品が保管される空間を具備した下部トレーと、下部トレーに対して回転可能に設置され下部トレーを開閉させるトレーカバーと、を含んで構成される。
また本発明は、バンパードアとトレーカバーが一体で結合されることが望ましい。
【0009】
また本発明は、下部トレーは、サポートトレー上に載置される形態で固定設置され、サポートトレーの底面は、バックビームの上端に支持されて固定設置され、サポートトレーの車両進行方向前面は、リアエンドパネルに支持されて固定設置される。
【0010】
また本発明は、一端がトレーカバーの側面に回転可能に結合され、他端がサポートトレーの側面に回転可能に結合された複数個のリンク部材と、
バックビームの車両進行方向後面とサポートトレーの底面とに同時に固定して設置され、バックビームと収納箱との荷重を支持する支持ブラケットと、を更に備える。
また本発明は、トレーカバーと共に車両の進行方向後方に回転されたバンパードアをステップ(step)又はベンチ(bench)として使用可能に形成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、車両の余裕空間に該当するリアバンパー内の内部空間を活用して、収納装置が設置された構造で車両の空間活用性を極大化できるようになり、特に、収納箱開放時にはバンパードアをステップ(step)又はベンチ(bench)として使用するか、又は開放されたバンパードア上に物品を載せておいて使用することができることで、車両の商品性を大きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】トランクルームに収納箱が設けられた従来構造の車両を示す図である。
【図2】リアバンパーを収納空間のドアとして活用した従来の車両を示す図である。
【図3】本発明による収納装置がリアバンパーに具備された車両を示す図である。
【図4】図3の断面図である。
【図5】本発明による収納装置の作動状態の図面である。
【図6】図5の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施例による車両用収納装置について説明する。
図3は、本発明による収納装置がリアバンパーに具備された車両を示す図であり、図4は図3の断面図であり、図5は本発明による収納装置の作動状態の図面であり、図6は図5の断面図である。
図3乃至図6に示すように、本発明による車両用収納装置は、余裕空間に該当する車両リアバンパーの内部空間を活用した構造であり、リアバンパー51の内部空間52に固定されて設置された収納箱70と、リアバンパー51に回転可能に設置され、収納箱70を開閉させるバンパードア80と、を含む構成である。
【0014】
収納箱70は、バックビーム53とリアエンドパネル54とに支持されるように固定設置され、内部に物品が保管される空間71aを具備した下部トレー71と、該下部トレー71に対して回転可能に設置されて、下部トレー71を開閉させるトレーカバー72と、で構成される。
【0015】
ここで、バンパードア80とトレーカバー72は、使用者の便宜性を確保するために一体で結合されることが望ましい。
すなわち、バンパードア80をリアバンパー51から車両進行方向後方に回転させれば、トレーカバー72も共に回転する構造であるため、使用者はバンパードア80とトレーカバー72とを別個に回転させなくても良いので、使用時の便宜性を向上させることができる。
【0016】
本発明による収納箱70は、サポートトレー73を更に備える構成であり、下部トレー71はサポートトレー73上に載置されて固定設置され、サポートトレー73の底面は、バックビーム53の上端に支持されて固定設置され、サポートトレー73の車両進行方向前面は、リアエンドパネル54に支持されて固定設置される。
【0017】
サポートトレー73は、下部トレー71の剛性を補うために設置されるものであり、また、下部トレー71とサポートトレー73とが分離可能な構造にすることにより、下部トレー71のみを分離して修理及び掃除作業を容易に実施することができるようになる。
【0018】
本発明の車両用収納装置は、トレーカバー72の回転作動のために複数個のリンク部材74が設置される。リンク部材74は、トレーカバー72とサポートトレー73の両側面に設けられ、リンク部材74の一端はトレーカバー72の側面にヒンジ74aを介して回転可能に結合され、リンク部材74の他端はサポートトレー73の側面にヒンジ74bを介して回転可能に結合される。
【0019】
図6に示すように、トレーカバー72が車両進行方向後方に回転して、下部トレー71が開放された状態である時、トレーカバー72の車進行方向の前端部分が、進行方向後方側に位置するリンク部材74のヒンジ74bと接触して係止された状態になり、これによってトレーカバー72の開放角が制御される。
【0020】
また、本発明は、バックビーム53の後面とサポートトレー73の底面に同時に固定して設置され、バックビーム53と前記収納箱70との荷重を支持する支持ブラケット75を更に備える。支持ブラケット75は断面が逆『L』字型に形成される。
【0021】
図6に示すように、本発明の車両用収納装置は、トレーカバー72が車両進行方向後方に回転して下部トレー71を開放させた状態である時に、トレーカバー72と結合されたバンパードア80をステップ(step)又はベンチ(bench)などで利用できる形状に形成される。
未説明図面番号55は、トランクリッド又はテールゲートであり、56はリアフロアパネルである。
【0022】
図3及び図に示すように、本発明の車両用収納装置は、トレーカバー72が下部トレー71を密閉させている状態である時、必要な品物を下部トレー71の空間71a内に収納して保管することができるようになる。
前記の状態でトレーカバー72及びバンパードア80は図示されない別途の閉鎖装置によって動きが拘束された状態を維持する。
【0023】
図3及び図4に示すような状態で後方追突事故によって外力がリアバンパー51に印加される場合は、本発明による収納箱70が外力によって破壊されながら衝撃を吸収することによって、本発明による収納箱70は乗客保護のための衝撃収機能も備える長所がある。
【0024】
図5及び図6に示すように、閉鎖装置解除後トレーカバー72とバンパードア80を車両進行方向後方に回転させて下部トレー71を開放すると、下部トレー71の空間71a内に保管された物品を取り出して使用するか、又は新しい物品を空間71a内に収納することができる。
【0025】
そして図6に示すように、本発明の車両用収納装置は、トレーカバー72を車両進行方向後方に回転して下部トレー71が開放された状態である時、トレーカバー72と結合されたバンパードア80をステップ(step)又はベンチ(bench)として活用するか、又はバンパードア80上に物品を載せて使用することができる。
【0026】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0027】
51 リアバンパー
52 内部空間
53 バックビーム
54 リアエンドパネル
55 トランクリッド又はテールゲート
56 リアフロアパネル
70 収納箱
71 下部トレー
71a 空間
72 トレーカバー
73 サポートトレー
74 リンク部材
74a,74b ヒンジ
75 支持ブラケット
80 バンパードア



【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアバンパー(51)の内部空間(52)に固定されて設置された収納箱(70)と、前記リアバンパー(51)に回転可能に設置され前記収納箱(70)を開閉させるバンパードア(80)と、を含むことを特徴とする車両用収納装置。
【請求項2】
前記収納箱(70)は、バックビーム(53)とリアエンドパネル(54)に固定設置されて支持され、内部に物品が保管される空間(71a)を具備した下部トレー(71)と、前記下部トレー(71)に対して回転可能に設置され前記下部トレー(71)を開閉させるトレーカバー(72)と、で構成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用収納装置。
【請求項3】
前記バンパードア(80)と前記トレーカバー(72)が、一体で結合されることを特徴とする請求項2に記載の車両用収納装置。
【請求項4】
前記下部トレー(71)は、サポートトレー(73)上に載置される形態で固定設置され、
前記サポートトレー(73)の底面は、前記バックビーム(53)の上端に支持されて固定設置されて、
前記サポートトレー(73)の車両進行方向前面は、前記リアエンドパネル(54)に支持されて固定設置されることを特徴とする請求項2に記載の車両用収納装置。
【請求項5】
一端が前記トレーカバー(72)の側面に回転可能に結合され、他端が前記サポートトレー(73)の側面に回転可能に結合された複数個のリンク部材(74)を更に有することを特徴とする請求項4に記載の車両用収納装置。
【請求項6】
前記バックビーム(53)の車両進行方向後面と前記サポートトレー(73)の底面とに同時に固定して設置され、前記バックビーム(53)と前記収納箱(70)との荷重を支持する支持ブラケット(75)を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の車両用収納装置。
【請求項7】
前記トレーカバー(72)と共に車両の進行方向後方に回転された前記バンパードア(80)が、ステップ(step)又はベンチ(bench)として使用可能に形成されることを特徴とする請求項2に記載の車両用収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−82425(P2013−82425A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−67990(P2012−67990)
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【Fターム(参考)】