説明

α−2−アドレナリンアゴニスト成分を含有する組成物

【課題】α−2−アドレナリンアゴニスト成分の有効性を増加する。
【解決手段】α−2−アドレナリンアゴニスト成分の有効性を増加するのに有用な組成物は、担体成分、α−2−アドレナリンアゴニスト成分、α−2−アドレナリンアゴニスト成分を溶解するのを助長する溶解度増加成分を含有する。1つの態様において、α−2−アドレナリンアゴニスト成分はα−2−アドレナリンアゴニストを包含する。他の態様において、溶解度増加成分はカルボキシメチルセルロースを包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2000年7月14日に出願された米国暫定出願第60/218200号の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、α−2−アドレナリンアゴニスト成分を含有する組成物に関する。本発明は特に、α−2−アドレナリンアゴニスト成分が、治療に有効な濃度において増加した溶解度を有するそのような組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、α−2−アドレナリン受容体に対して作用するまたは結合して治療効果を与えるのに有効な、化合物、イオン、複合体等のような化学物質を包含する。α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、アゴニスト自体、およびあらゆるその先駆物質、代謝物および組合せを意味する。α−2−アドレナリンアゴニスト成分を含有する組成物を処方する継続的努力の1つは、そのような成分をより有効にすることである。例えば、液体組成物中のα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、そのような組成物の液体担体に溶解性であることによって利益を得る場合が多い。そのような溶解性は、均質かつ正確な投与を助長する。
【0004】
さらに、分散されたまたは投与されたα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、例えば、細胞膜または脂質二重層を通過する効果的なまたは増加した生体内拡散のために、生物学的系または環境において溶解性であるのが有利である。より高いpKa、例えば約7より高いpKaを有するいくつかのα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、そのような環境において、中性ないしアルカリ性の生物学的環境では、主に非イオン化されているから、そのようなpKaに近いpH値において脂質膜を通って極めてよく分散する傾向がある。しかし、これらのα−2−アドレナリンアゴニスト成分の中には、中性ないしアルカリ性の生物学的pHにおいて非溶解性になるものもある。そのような非溶解性は、膜拡散能力を減少させ、α−2−アドレナリンアゴニスト成分を低い有効性にし、および/または所定の投与量における治療効果を変動させる。さらに、可溶化されたα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、他の利益、例えば、α−2−アドレナリンアゴニスト成分と相互作用する組織への減少した刺激を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分を含有する新規組成物が現在も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の開示)
新規α−2−アドレナリンアゴニスト成分含有組成物が見い出された。本発明の組成物は、組成物において、および好ましくは組成物を投与するまたは導入する環境、例えばヒトの眼のような生物学的環境において、α−2−アドレナリンアゴニスト成分を可溶化するのを少なくとも促進するまたは助長するのに有効なある種の物質を含有する。好ましくは、本発明によるα−2−アドレナリンアゴニスト成分の可溶化は、脂質膜を通るそのような成分の輸送を促進する。さらに、好ましくは、そのような可溶化は、より信頼性および再現性のある薬剤投与形態の提供も可能にする。さらに、防腐効果を維持しながら、実質的な利益を与える、例えば、α−2−アドレナリンアゴニスト成分とのおよび/または組成物を投与される患者との、不利な相互作用を減少する防腐剤を含有するα−2−アドレナリンアゴニスト成分含有組成物が見い出された。
【0007】
本発明の組成物は、好ましくは、α−2−アドレナリンアゴニスト成分の見掛(apparent)水溶性を、好ましくは中性より高いpHにおいて、増加させることによって、α−2−アドレナリンアゴニスト成分の有効性を増加させる。本発明の組成物は、アドレナリンアゴニスト成分の他に、α−2−アドレナリンアゴニスト成分の溶解度を増加させるのに有効な量の溶解度増加成分(Solubility Enhancing Components; SEC)を含有する。好ましくは、α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、例えば約7またはそれ以上のpHを有する本発明の組成物において、SECを含有しない同様の組成物と比較して、より可溶性である。他の態様において、本発明の組成物のα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、組成物が投与される中性、好ましくはアルカリ性の生物学的環境において、SECを含有しない同様の組成物におけるα−2−アドレナリンアゴニスト成分と比較して、より可溶性である。
【0008】
1つの態様において、α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、イミノ−イミダゾリン、イミダゾリン、イミダゾール、アゼピン、チアジン、オキサゾリン、グアニジン、カテコールアミン、生物学的に適合性のある塩およびエステルおよびそれらの混合物を包含する。好ましくは、α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、キノキサリン成分を包含する。キノキサリン成分は、キノキサリン、生物学的に適合性のあるその塩、そのエステル、他のその誘導体等、およびそれらの混合物を包含する。キノキサリン誘導体の非制限的な例は、(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、および生物学的に適合性のあるその塩およびそのエステル、好ましくは、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレート等、およびそれらの混合物である。以下、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレートは、「ブリモニジンタータレート」と称する。
【0009】
好ましい態様において、上記に示したようなα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、α−2A−アドレナリン受容体、α−2B−アドレナリン受容体および/またはα−2D−アドレナリン受容体に特異的である。
【0010】
1つの態様において、α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、組成物において非イオン化されている。好ましくは、α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、組成物が投与される生物学的環境においても非イオン化されている。
【0011】
有用な態様において、SECは、ポリアニオン成分を包含する。本明細書において使用される「ポリアニオン成分」という用語は、化学物質、例えば、イオン荷電された種、例えば、1より多い孤立(discrete)アニオン電荷、即ち複数の孤立アニオン電荷を有する、イオン荷電ポリマー物質を意味する。好ましくは、ポリアニオン成分は、複数のアニオン電荷を有するポリマー物質およびそれらの混合物から選択される。
【0012】
特に有用なポリアニオン成分は、アクリル酸から誘導されるアニオン性ポリマー(アクリル酸、アクリレート等、およびそれらの混合物から誘導されるポリマーを包含する)、メタクリル酸から誘導されるアニオン性ポリマー(メタクリル酸、メタクリレート等、およびそれらの混合物から誘導されるポリマーを包含する)、アルギン酸から誘導されるアニオン性ポリマー(アルギン酸、アルギネート等、およびそれらの混合物から誘導されるポリマー包含する)、アミノ酸から誘導されるアニオン性ポリマー(アミノ酸、アミノ酸塩等、およびそれらの混合物のポリマーを包含する)、およびそれらの混合物から選択される。非常に効果的なポリアニオン成分は、アニオン性セルロース誘導体およびそれらの混合物、特にカルボキシメチルセルロースから選択される。
【0013】
好ましくは、ポリアニオン成分は、α−2−アドレナリン成分の溶解性と相互作用するか、そうでなければ該溶解性に作用するか、特に該溶解性を増加させるのに充分なアニオン性である。この相互作用は、α−2−アドレナリン成分を、治療に有効な濃度において実質的に充分に可溶性にするのに充分であるのが好ましい。組成物におけるSECの量は、約0.1%(w/v)〜約30%(w/v)、より好ましくは約0.2%(w/v)〜約10%(w/v)、さらに好ましくは約0.2%(w/v)〜約0.6%(w/v)である。
【0014】
組成物は、担体成分、例えば水性液体担体成分を含有する。1つの態様において、組成物は約7またはそれ以上、好ましくは約7〜約9のpHを有し、眼用に許容される。
【0015】
好ましい態様において、組成物を投与される患者に少なくとも1つの治療利益を与えるのに有効な量のα−2−アドレナリンアゴニスト成分、α−2−アドレナリンアゴニスト成分の溶解度を増加させるのに有効な量のアニオン性セルロース誘導体、および水性液体担体成分を含有する組成物を提供する。α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、好ましくは、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレートを含んで成る。アニオン性セルロース誘導体は、好ましくは、カルボキシメチルセルロースを含んで成る。組成物におけるアニオン性セルロース誘導体の濃度は、約0.2%(w/v)〜約0.6%(w/v)でなければならない。
【0016】
好ましい態様において、本発明の組成物は眼用に許容され、例えば、該組成物は、組成物を投与されるヒトまたは動物の眼を害する有害なまたは毒性の特性を有さない。
【0017】
本発明の1つの広い局面において、複合体が組成物において形成される。1つの態様において、複合体は、少なくとも1つのキノキサリン成分から誘導されるモノマー単位を有する。好ましい態様において、本発明の複合体はダイマーである。特に好ましい態様において、複合体は、ブロモニジンタータレートの複合体、特にダイマーである。
【0018】
本発明の他の広い局面において、α−2−アドレナリンアゴニスト成分、および組成物を保存するのを少なくとも助長するのに有効な量の防腐剤成分を含んで成る組成物を提供する。好ましくは、防腐剤成分は、生物学的に許容され、化学的に安定であり、組成物においてまたは組成物を投与される患者において、α−2−アドレナリンアゴニスト成分に実質的にまたは有意に不利な影響を与えないオキシ−クロロ成分、例えば、化合物、イオン、複合体等を包含する。そのような組成物は、組成物において、または組成物を投与される患者において、シクロデキストリンを実質的に含有しないのが好ましい。
【0019】
状況、本明細書および当業者の知識から明らかなように、本明細書に記載されるあらゆる特徴、または特徴の組合せは、そのような組合せに含まれる特徴が相互に矛盾しないことを条件として、本発明に含まれる。
本発明の他の利点および局面は、下記の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかである。
【0020】
(発明の詳細な説明)
α−2−アドレナリンアゴニスト成分およびSECを含んで成る組成物を提供する。本発明の組成物におけるα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、より可溶性にされ、治療薬としてより効果的に使用することができる。本発明の組成物に使用されるSECは、イオン化α−2−アドレナリンアゴニスト成分、非イオン化α−2−アドレナリンアゴニスト成分、またはそれらの両方の可溶化に有効である。本発明の組成物は、液体担体成分を含有し、液体、例えば、水性液体、溶液の性質を有する。
【0021】
好ましくは、α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、7より高いpHの本発明の組成物において、SECを含有しない同様の組成物における匹敵する濃度の同じα−2−アドレナリンアゴニスト成分と比較して、増加した溶解度を有する。より好ましくは、α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、約7〜約10のpHの本発明の組成物において、SECを含有しない匹敵する濃度の同様の組成物における同じα−2−アドレナリンアゴニスト成分と比較して、増加した溶解度を有する。
【0022】
いかなる理論または操作メカニズムにも限定されるものではないが、可溶化されたα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、非可溶化α−2−アドレナリンアゴニスト成分と比較して、脂質膜をより容易に通過することができると考えられる。更に、可溶化α−2−アドレナリンアゴニスト成分は物理的に小さく、従って、より容易に脂質膜を通って、物理的に浸透または拡散することができると考えられる。
【0023】
1つの態様において、本発明のSECはα−2−アドレナリンアゴニスト成分を、それらが治療に有効な濃度で導入される生物学的環境において、可溶化することができる。本発明の組成物が導入される生物学的環境は、好ましくは約7〜約9のpHを有する。例えば、約7のpHを有し、α−2−アドレナリンアゴニスト成分が投与領域において実質的に可溶化される眼の角膜に、SECおよびα−2−アドレナリンアゴニスト成分を含んで成る組成物を投与することができる。さらに、1つの態様において、投与領域においてSECによって可溶化されたα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、SECによって可溶化されていないα−2−アドレナリンアゴニスト成分より容易に、生体脂質膜を通って拡散する。α−2−アドレナリンアゴニスト成分の可溶化は、好ましくは、α−2−アドレナリンアゴニスト成分と接触または相互作用する感受性組織への刺激を減少させる。
【0024】
現在の有用なα−2−アドレナリンアゴニスト成分は、SECの存在から利益を得るように選択するのが好ましい。一般に、α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、SECの存在によって、増加した見掛溶解性、好ましくは増加した見掛水溶性を付与される。
【0025】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分の例は、アミンを含む分子である。α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、約7より大きい、より好ましくは約7〜約9のpKaを有するアミン含有分子であるのが好ましい。
【0026】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分は、α−2−アドレナリンアゴニストを含有する。本明細書において使用する場合、「α−2−アドレナリンアゴニスト」なる用語は、例えば、交感神経節後神経末端におけるシナプス前α−2受容体か、または平滑筋細胞におけるシナプス後α−2受容体に結合することによって、最終的(net)交感神経遮断反応を生じ、その結果、増加した調節を生じる化学物質、例えば、化合物、イオン、複合体等を包含する。交感神経遮断反応は、交感神経系によって伝達されるインパルスの作用の阻害、減少または防止を特徴とする。本発明のα−2−アドレナリンアゴニストは、シナプス前α−2−アドレナリン受容体において結合して、負のフィードバックを生じて、ニューロンのノルエピネフリンの放出を減少させる。さらに、それらはシナプス後α−2−アドレナリン受容体においても作用し、他の細胞内経路におけるシナプス後α−2−アドレナリン受容体の作用の他に、毛様体筋の弛緩に寄与する環状AMPのβ−アドレナリン受容体刺激形成を阻害する。シナプス前またはシナプス後α−2−アドレナリン受容体における活性は、減少したアドレナリン作用を生じる。減少したアドレナリン作用は、コリン作用性神経支配から生じる増加した収縮を生じる。α−2−アドレナリンアゴニストは、神経保護活性を有する化合物も包含する。例えば、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンは、未解明のメカニズムによる神経保護活性を有するα−2−アドレナリンアゴニストである。
【0027】
本発明を、以下に示す特定の群および化合物に限定するものではないが、本発明で有用な代表的α−2−アドレナリンアゴニストを以下に示す:クロニジン、アプラクロニジンを包含するイミノ−イミダゾリン;ナファゾリン、キシメタゾリン、テトラヒドロゾリンおよびトラマゾリンを包含するイミダゾリン;デトミジン、メデトミジンおよびデキシメデトミジンを包含するイミダゾール;B−HT 920(6−アリル−2−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チアゾロ[4,5−d]−アゼピン)およびB−HT 933を包含するアゼピン;キシラジンを包含するチアジン;リルメニジンを包含するオキサゾリン;グアナベンツおよびグアンファシンを包含するグアニジン;カテコールアミン等;およびそれらの誘導体。
【0028】
特に有用なα−2−アドレナリンアゴニストは、キノキサリン成分を包含する。1つの態様において、キノキサリン成分は、キノキサリン、その誘導体およびそれらの混合物を包含する。好ましくは、キノキサリンの誘導体は、(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンを包含する。より好ましくは、キノキサリンの誘導体は、5−ハライド−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンを包含する。5−ハライド−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンの「ハライド」は、フッ素、塩素、沃素、好ましくは臭素であり、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンを形成することができる。さらに好ましくは、本発明で使用されるキノキサリンの誘導体は、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレートまたはブリモニジンタータレートを包含する。
【0029】
他の有用なキノキサリン誘導体もよく知られている。例えば、有用なキノキサリン誘導体は、Burkeらの米国特許第5703077号に開示されているキノキサリン誘導体を包含する。Danielwiczらの米国特許3890319号も参照できる。BurkeらおよびDanielwiczらの特許に開示されている内容は、それぞれ、本発明の開示の一部を構成するものとする。
【0030】
キノキサリンおよびその誘導体、例えばブリモニジンタータレートは、アミンを含有し、7より大きい、好ましくは約7.5〜9のpKaを有するのが好ましい。
【0031】
α−2−アドレナリンアゴニストとして作用する前記化合物の類似体も特に本発明に含まれるものとする。
【0032】
好ましくは、α−2−アドレナリンアゴニスト、例えば、前記のα−2−アドレナリンアゴニストは、α−2A−アドレナリン受容体、α−2B−アドレナリン受容体およびα−2D−アドレナリン受容体を活性化するのに有効である。
【0033】
1つの態様において、α−2−アドレナリンアゴニスト、例えばブリモニジンタータレートは、組成物において実質的に非イオン化されている。他の態様において、アドレナリン化合物は、それらが投与される環境、例えば角膜において、実質的に非イオン化されている。いかなる理論または作用メカニズムにも限定されるものではないが、アドレナリン化合物の非イオン化形態は、膜脂質二重層を通るそれらの浸透を促進すると考えられる。
【0034】
あらゆる好適なSECを本発明に使用することができる。1つの態様において、SECはピロリニドン成分を包含する。ピロリニドン成分の例は、ポリビニルピロリニドンおよびその誘導体である。好ましい態様において、SECはポリアニオン成分を包含する。有用なポリアニオン成分は、低溶解性α−2−アドレナリンアゴニスト成分の見掛溶解性、好ましくは水溶性を増加させるのに有効であり、および/またはα−2−アドレナリンアゴニスト成分の安定性を増加させ、および/またはα−2−アドレナリンアゴニスト成分の好ましくない副作用を減少させる物質を包含するがそれらに限定されない。さらに、ポリアニオン成分は、使用される濃度において眼用に許容されるのが好ましい。さらに、ポリアニオン成分は、3またはそれ以上のアニオン(または負)電荷を有するのが好ましい。ポリアニオン成分がポリマー物質である場合、ポリマー物質の各反復単位は、孤立アニオン電荷を有するのが好ましい。特に有用なアニオン成分は、水溶性、例えば、α−2−アドレナリン成分を含有する液体水性媒体のような現在の有用な液体水性媒体に使用される濃度において溶解性のアニオン成分である。
【0035】
ポリアニオン成分は、α−2−アドレナリンアゴニスト成分と相互作用するのに充分にアニオン性であるが好ましい。そのような相互作用は、α−2−アドレナリンアゴニスト成分を可溶化し、および/またはそのようなα−2−アドレナリンアゴニスト成分を担体成分、例えば液体媒体において、可溶性に維持するのに好ましいと考えられる。
【0036】
ポリアニオン成分は、複数のアニオン電荷を有する1つまたはそれ以上のポリマー物質も包含する。その例は下記のものである:
金属カルボキシメチルスターチ、
金属カルボキシメチルヒドロキシエチルスターチ、
加水分解ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル、
ヘパリン、
1つまたはそれ以上の下記物質のホモポリマー及びコポリマー:
アクリル酸およびメタクリル酸、
アクリル酸金属塩およびメタクリル酸金属塩、
アルギン酸、
アルギン酸金属塩、
ビニルスルホン酸、
ビニルスルホン酸金属塩、
アミノ酸、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等、
アミノ酸の金属塩、
p−スチレンスルホン酸、
p−スチレンスルホン酸金属塩、
2−メタクリロイルオキシエチルスルホン酸、
2−メタクリロイルオキシエチルスルホン酸金属塩、
3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸、
3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸金属塩、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸金属塩、
アリルスルホン酸、
アリルスルホン酸金属塩等。
【0037】
他の態様において、ポリアニオン成分は、より高いpH、例えば約7またはそれ以上のpHにおいて、イオン化形態で存在する傾向があるアニオン性多糖を包含する。本発明に使用しうるアニオン性多糖の例を以下に示す。
【0038】
ポリデキストロースは、哺乳動物によって部分的にのみ代謝される、デキストロースのランダム結合縮合ポリマーである。このポリマーは、少量の結合ソルビトール、クエン酸およびグルコースを含有することができる。
【0039】
ナトリウムコンドロイチンスルフェートとしても知られているコンドロイチン硫酸は、ヒト組織の全ての部分、特に、軟骨、骨、腱、靱帯および血管壁に見られるムコ多糖である。このムコ多糖は、サメの軟骨から抽出され精製される。
【0040】
カラゲーニンは、反復ガラクトース単位および3,6無水ガラクトース単位をする直鎖多糖であり、該単位の両方は、硫酸化されているかまたは硫酸化されていなくてもよく、交互1−3およびβ1−4グリコシド結合によって結合している。カラゲーニンは、紅藻およびトチャカの数種から加熱抽出されるヒドロコロイドである。
【0041】
麦芽デキストリンは、水の存在下での、澱粉と酸および/または酵素との反応によって形成される水溶性グルコースポリマーである。
【0042】
本発明で有用であることが見い出された他のアニオン性多糖は、親水性コロイド物質であり、天然ゴム、例えば、ゲラン(gellan)ゴム、アルギン酸塩ゴム、即ち、アルギン酸のアンモニウムおよびアルカリ金属塩、およびそれらの混合物を包含する。さらに、脱アセチルキチンの通称であるキトサンも有用である。キチンは、ポリ−(N−アセチル−D−グルコサミン)を含んで成る天然産物である。ゲランゴムは、細胞外ヘテロ多糖を産生するシュードモナスエロデアの発酵によって産生される。アルギネートおよびキトサンは、Protan,Inc.,Commack,N.Y.から乾燥粉末として入手できる。ゲランゴムは、Kelco Devision of Merk & Co.,Inc.,San Diego,Californiaから入手できる。
【0043】
一般に、アルギン酸塩は、アルギン酸アルカリ金属塩、例えば、アルギン酸のナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウムおよびセシウム塩ならびにアンモニウム塩、および有機塩基の可溶性アルギン酸塩、例えば、モノ−、ジ−またはトリ−エタノールアミンアルギネート、アルギン酸アニリン等を包含するどのような水溶性アルギン酸塩であってもよい。一般に、組成物の合計重量に基づいて、約0.2重量%〜約1重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3.0重量%のゲラン、アルギン酸塩またはキトサンイオン性多糖を使用して、本発明のゲル組成物を得る。
【0044】
好ましくは、アニオン性多糖は環化されている。より好ましくは、環化アニオン性多糖は10未満のモノマー単位を有する。さらに好ましくは、環化多糖は6未満のモノマー単位を有する。
【0045】
1つの態様において、環化アニオン性多糖の特に有用な群は、シクロデキストリンである。シクロデキストリン群の例は、以下のものであるがそれらに限定されない:α−シクロデキストロリン、α−シクロデキストリンの誘導体、β−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンの誘導体、γ−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンの誘導体、カルボキシメチル−β−シクロデキストリン、カルボキシメチルエチル−β−シクロデキストリン、ジエチル−β−シクロデキストリン、ジメチル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、ランダムメチル−β−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン等、およびそれらの混合物。スルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンは、本発明において好ましい環化アニオン性多糖である。本発明で使用される前記シクロデキストリンを包含するSECは、使用される濃度において、本発明の組成物を投与される動物、ヒトに非毒性であるのが有利である。シクロデキストリンに関連して本明細書で使用される「誘導体」なる用語は、シクロデキストリン成分として機能し、例えば、本明細書に記載したように、活性成分の溶解性および/または安定性を増し、および/または活性成分の好ましくない副作用を減少し、および/または活性成分との包括的(inclusive)複合体を形成するのに充分な、シクロデキストリンの特徴的化学構造を有する、あらゆる置換されたまたは修飾(改質)された化合物を意味する。
【0046】
シクロデキストリンおよび/またはそれらの誘導体をSECとして使用することができるが、本発明の1つの態様は、シクロデキストリン以外のSECおよび/またはそれらの誘導体も包含する。
【0047】
特に有用で、好ましい種類のポリアニオン成分は、アニオン性セルロース誘導体を包含する。アニオン性セルロース誘導体は、金属カルボキシメチルセルロース、金属カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース並びにそれらの誘導体を包含する。
【0048】
本発明のポリアニオン成分は、多くの場合、非イオン化状態において、例えば固体状態において、コンパニオンイオンまたは対イオン、特に、孤立アニオン電荷の数に等しい数の複数の孤立カチオンとの組合せとして、存在することができ、非イオン化ポリアニオン成分は電気的に中性となる。例えば、本発明の非イオン化ポリアニオン成分は、酸形態において、および/または1つまたはそれ以上の金属との組合せとして、存在することができる。ポリアニオン成分は眼用に許容されるのが好ましいので、非イオン化ポリアニオン成分と会合する金属は、使用される濃度において眼用に許容されるのが好ましい。特に有用な金属は、アルカリ金属、例えばナトリウムおよびカリウム、アルカリ土類金属、例えばカルシウムおよびマグネシウム、およびそれらの混合物を包含する。ナトリウムは、非イオン化ポリアニオン成分に対イオンを供給するのに極めて有用である。非イオン化状態においてH以外のカチオンおよび金属カチオンと結合するポリアニオン成分を、本発明に使用することができる。
【0049】
本発明の組成物におけるSECの量は、α−2−アドレナリンアゴニスト成分の溶解度が少なくともいくらか増加する限りは限定的でなく、生物学的に許容される量で存在する。そのような量は、本発明の組成物において、および/またはヒトまたは動物への投与後に、所望の作用をするのに有効な量でなければならない。1つの態様において、SEC、好ましくはポリアニオン成分の量は、本発明の組成物におけるα−2−アドレナリンアゴニスト成分の大部分の量、より好ましくは実質的に全ての量と、複合するのに充分な量である。1つ有用な態様において、本発明の組成物におけるポリアニオン成分の量は、組成物の約0.1%〜約30%(w/v)またはそれ以上である。好ましくは、ポリアニオン成分の量は、約0.2%(w/v)〜約10%(w/v)である。より好ましくは、ポリアニオン成分の量は、約0.2%(w/v)〜約0.6%(w/v)である。さらに好ましくは、ポリアニオン成分はカルボキシメチルセルロースであり、組成物中に約0.2%(w/v)〜約0.6%(w/v)で存在する。本発明の組成物におけるカルボキシメチルセルロースの特に有効な濃度は、約0.5%である。
【0050】
1つの態様において、SEC、例えばカルボキシメチルセルロースは、組成物中にα−2−アドレナリンアゴニスト成分を可溶化するのを助長する。SECは、イオン化α−2−アドレナリンアゴニスト成分の可溶化を助長することができるが、本発明で使用されるSECは、非イオン化α−2−アドレナリンアゴニスト成分の可溶化を助長しうるのが好ましい。例えば、1つの態様において、カルボキシメチルセルロースは、イオン化α−2−アドレナリンアゴニスト成分を可溶化するのを助長することができる。他の態様において、カルボキシメチルセルロースは、非イオン化α−2−アドレナリンアゴニスト成分を可溶化するのを助長することができる。好ましい態様において、カルボキシメチルセルロースは、組成物中でのイオン化ブリモニジンタータレートを可溶化するのを助長する。より好ましくは、カルボキシメチルセルロースは、組成物中での非イオン化ブリモニジンタータレートを可溶化するのを助長する。
【0051】
1つの態様において、組成物は、組成物の保存を助長する防腐剤成分も含有することができる。防腐剤成分は、本発明の組成物において、即ちポリアニオン成分の存在下で、防腐剤として有効であり、組成物をヒトまたは動物に投与した場合に、好ましくは低下した毒性を有し、より好ましくは実質的に毒性を有さないように、選択される。
【0052】
組成物の保存を助長する、医薬組成物に一般に使用される防腐剤または成分は、可溶化剤の存在下に使用した場合に、効果が低いことが多い。ある場合には、この低下した保存効果を、増加した量で防腐剤を使用することによって補うことができる。しかし、感受性または過敏性の体組織に関係する場合、組成物を投与されるヒトまたは動物において防腐剤自体がある種の不利な反応または感受性を誘発する場合があるので、この方法を使用することができない。
【0053】
組成物、好ましくは組成物中のα−2−アドレナリンアゴニスト成分の保存を助長する本発明の防腐剤成分は、約1%(w/v)未満または約0.8%(w/v)未満の濃度において有効であるのが好ましく、500ppm(w/v)またはそれ以下、例えば約10ppm(w/v)またはそれ以下から約200ppm(w/v)までであってよい。本発明の防腐剤成分は、好ましくは、塩化ベンザルコニウムよりも少ない程度でポリアニオン成分と複合体を形成する防腐剤成分を包含するが、それらに限定されない。
【0054】
本発明の防腐剤成分の非常に有用な例は、酸化性防腐剤成分、例えば、オキシ−クロロ成分、過酸化物、過酸塩、過酸等およびそれらの混合物であるが、それらに限定されない。本発明の防腐剤として有用なオキシ−クロロ成分の例は、次亜塩素酸塩成分、例えば次亜塩素酸塩;塩素酸塩成分、例えば塩素酸塩;過塩素酸塩成分、例えば過塩素酸塩;および亜塩素酸成分を包含する。亜塩素酸塩成分の例は、安定化二酸化塩素(SCD)、亜塩素酸金属塩等、例えば亜塩素酸のアルカリ金属およびアルカル土類金属塩等およびそれらの混合物を包含する。工業グレード(またはUSP(米国薬局方)グレード)亜塩素酸ナトリウムは、極めて有用な防腐剤成分である。多くの亜塩素酸塩成分、例えばSCDの正確な化学組成は、充分には理解されていない。ある種の亜塩素酸塩成分の製造は、McNicholasの米国特許第3278447号に開示されており、そこに開示されている内容は全体として本発明の開示の一部を構成するものとする。有用なSCD製品の特定の例は、Rio Linda Chemical Company,Inc.から商標名Dura Klorで市販されているもの、およびInternational Dioxide,Inc.から商標名Anthium Dioxideで市販されているものを包含する。特に有用なSCDは、Allergan Inc.からPurite(登録商標)として市販されている製品である。酸化防腐剤成分の他の例は、パーオキシ成分を包含する。例えば、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)または1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸のような、過酸化水素安定剤で安定化した微量のパーオキシ成分は、眼環境において使用するように設計された成分中で使用する防腐剤として使用することができる。さらに、水中で加水分解して過酸化水素を生成する限り、実質的にいかなるパーオキシ成分も使用することができる。有効量の過酸化水素を発生するそのような過酸化水素源の例は、過硼酸ナトリウム十水化物、過酸化ナトリウムおよび過酸化尿素を包含する。過酢酸、有機パーオキシ化合物は、本発明の系を使用して安定化されない。例えば、Martinらの米国特許第5725887号参照(そこに開示の内容は本発明の開示の一部を構成するものとする)。
【0055】
酸化性防腐剤成分以外の防腐剤を組成物に含ませることができる。防腐剤の選択は、投与経路に依存する。1つの経路によって投与される組成物に好適な防腐剤は、他の経路による該組成物の投与を不可能にする不利な特性を有する場合がある。鼻および眼用組成物について、好ましい防腐剤は、第四級アンモニウム化合物、特に、「塩化ベンザルコニウム」として総称的に知られているアルキルベンジルジメチルアンモニウム化合物の混合物等を包含する。しかし、吸入によって投与される組成物については、好ましい防腐剤はクロロブタノール等である。特に直腸投与される組成物に使用される他の防腐剤は、p−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステルおよびそれらの混合物、例えば、「Nipastat」の商品名で市販されているメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル等の混合物を包含する。
【0056】
本発明の他の広い局面において、α−2−アドレナリンアゴニスト成分、組成物の保存を少なくとも助長するのに有効な量、好ましくは保存するのに有効な量の防腐剤成分、および液体担体成分を含んで成る組成物を提供する。好ましくは、防腐剤成分は、(1)組成物または組成物を投与される患者においてα−2−アドレナリンアゴニスト成分に実質的にまたは有意に不利な影響を与えず、(2)実質的に生物学的に許容され、化学的に安定な、化合物、イオン、複合体等のようなオキシ−クロロ成分を包含する。そのような本発明の組成物は、α−2−アドレナリンアゴニスト成分、オキシ−クロロ成分および液体担体成分を含んで成り、シクロデキストリンを実質的に含有しない。
【0057】
本発明で有用な担体成分は、非毒性であり、本発明の組成物、本発明の組成物の使用、または組成物を投与されるヒトまたは動物に、実質的に不利な影響を与えないように選択される。1つの態様において、担体成分は液体担体である。好ましい態様において、担体成分は液体水性担体成分である。特に有用な水性液体担体成分は、生理食塩水、例えば、従来の生理食塩水または従来の緩衝生理食塩水から誘導される。水性液体担体は、好ましくは約6〜約9または約10、より好ましくは約6〜約8、さらに好ましくは約7.5のpHを有する。液体媒体は、例えば少なくとも約200mOsmol/kg、より好ましくは約200〜約400mOsmol/kgの眼用に許容される張度(tonicity)レベルを有するのが好ましい。特に有用な態様において、担体成分のモル浸透圧濃度または張度は、眼、特にヒトの眼の液体の張度に実質的に相当する。
【0058】
1つの態様において、SECおよびα−2−アドレナリンアゴニスト成分を含有する担体成分は、25℃において約0.01センチポイズ(cps)より大きい、より好ましくは25℃において約1cpsより大きい、さらに好ましくは25℃において約10cpsより大きい粘度を有する。好ましい態様において、組成物は、25℃において約50cpsの粘度を有し、従来の緩衝生理食塩水、カルボキシメチルセルロースおよびブリモニジンタータレートを含んで成る。
【0059】
水性液体担体成分のpH、従って組成物のpHを所望範囲に維持することを確実にするために、水性液体担体成分は、少なくとも1つの緩衝剤成分を含有する。あらゆる好適な緩衝剤成分を使用することができるが、有意な量の二酸化塩素を生じないか、または有意な量のCO2のようなガスを発生しない成分を選択するのが好ましい。緩衝剤成分は無機であるのが好ましい。アルカリ金属およびアルカリ土類金属緩衝剤成分を本発明に使用するのが有利である。
【0060】
あらゆる好適な眼用に許容される張度成分を使用することができるが、但し、そのような成分は、液体水性担体成分の他の成分と相溶性であり、本発明の組成物を投与されるヒトまたは動物を害しうる有害なまたは毒性の特性を有してはならない。有用な張度成分の例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、デキストロース、グリセリン、プロピレングリコールおよびそれらの混合物を包含する。1つの態様において、張度成分は、無機塩およびそれらの混合物から選択される。
【0061】
本発明の組成物は、便利には、水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液として、または水中油または油中水の液体エマルジョンとして存在し得る。本発明の組成物は、1つまたはそれ以上の付加成分、例えば、稀釈剤、香味剤、界面活性剤、増粘剤、潤滑剤、および同じ一般的なタイプの組成物に一般に使用される付加成分等を含有することができる。
【0062】
水性懸濁液の形態の本発明の組成物は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤を含有することができる。そのような賦形剤は、沈殿防止剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴムであり;分散または湿潤剤は、天然ホスファチド、例えば、レシチン、または、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等、およびそれらの混合物である。そのような水性懸濁液は、1つまたはそれ以上の着色剤、1つまたはそれ以上の香味剤、および1つまたはそれ以上の甘味剤、例えば、スクロース、サッカリン等、およびそれらの混合物も含有することができる。
【0063】
油状懸濁液の形態の本発明の組成物は、植物油、例えば、オリーブ油、ゴマ油またはココナツ油、または流動パラフィンのような鉱油中で処方することができる。そのような懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。前記のような甘味剤、および香味剤を添加して、嗜好性経口製剤を得ることができる。
【0064】
本発明の組成物は、水中油エマルジョンの形態にすることもできる。油相は、植物油、例えば、オリーブ油または落花生油、または鉱油、例えば流動パラフィン等、およびそれらに混合物であってよい。好適な乳化剤は、天然ゴム、例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えば、大豆レシチン、および脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、および該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートである。エマルジョンは、甘味剤および香味剤も含有することができる。
【0065】
シロップ剤またはエリキシル剤の形態の本発明の組成物は、本明細書に記載したような甘味剤を使用して処方することができる。そのような組成物は、粘滑剤、香味剤および着色剤も含有することができる。
【0066】
特定のヒトまたは動物についての特定の投与量レベルは、使用される活性成分の活性、年齢、体重、全身的健康状態、性別、食事、投与時刻、投与経路、排泄速度、薬剤組合せ、および治療を受けている特定の疾患の重症度を包含する種々の要因に依存する。
【0067】
本発明の1つの広い局面において、本発明の組成物中に複合体を形成する。1つの態様において、複合体は、キノキサリン成分のモノマー単位を少なくとも1つ有する。キノキサリン成分の例は、キノキサリン、(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、それらの塩、それらのエステル、それらの他の誘導体等、およびそれらの混合物を包含する。例えば、1つの態様において、本発明の複合体は、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンモノマー単位の結合体(conjugation)を包含してよい。他の態様において、複合体は、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンモノマー単位とブリモニジンタータレートモノマー単位との結合体を包含する。
【0068】
好ましい態様において、本発明の複合体はダイマーである。例えば、本発明のダイマーは、キノキサリンおよび5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンを包含する。好ましくは、本発明のダイマーは、2つのブリモニジンタータレートモノマー単位を有する。
【0069】
いかなる理論または操作メカニズムにも限定されるものではないが、酸化性防腐剤成分のようなあらゆる過酸化物形成剤または強酸化剤、例えば、オキシ−クロロ成分、過酸化物、過酸塩、過酸等およびそれらの混合物は、複合体、好ましくはα−2−アドレナリンアゴニスト成分の複合体の形成を促進すると考えられる。例えば、ブリモニジンタータレートモノマー単位のダイマーは、亜塩素酸塩、好ましくは安定化二酸化塩素の存在下に形成されると考えられる。
【0070】
さらに、モノマーまたはモノマーサブユニットを結合した状態に維持する働きをして、複合体、好ましくはオリゴマー、より好ましくはダイマーを形成するモノマー間の相互作用は、共有結合、イオン結合、疎水性結合、静電結合、水素結合、他の化学的および/または物理的相互作用等、およびそれらの組合せを包含すると考えられるが、それらに限定されない。そのような複合体は、液体、例えば水性液体媒体において解離することができる。1つの態様において、モノマーまたはモノマーサブユニットは、共有結合以外の結合によって結合される。1つの態様において、モノマーまたはモノマーサブユニットは、静電結合または静電力によって結合される。
【0071】
(実施例)
下記の非限定的な実施例は、本発明のある種の局面を説明するものである。
【実施例1】
【0072】
ブリモニジンタータレートは、約7.78のpKaを有する。処方、眼用溶液における0.5%(w/v)ブリモニジンタータレートのpH−溶解度プロフィールを、23℃において約5〜約8のpHで確認した(表1)。0.5%以外のアドレナリンアゴニスト濃度を、それら濃度が治療活性を有する限り使用しうることが理解される。同様に、温度も変化させることができ、例えば、37℃(98.6°F)において溶解度曲線を得ることができる。配合担体は、先ずポリビニルアルコール(PVA)を水に溶解させることによって調製した。継続的に撹拌しながら、精製水の必要合計量の約1/3にPVAを添加した。スラリーを20〜30分間撹拌し、次に、継続的に撹拌しながら80〜95℃に加熱した。80〜90℃の温度に到達してから1時間以内に、混合物を熱源から外し、さらに10分間撹拌して、均質性を確実にした(パートI)。ブリモニジンタータレート以外の眼用溶液の他の成分を、精製水の必要合計量の1/3を含有する別の容器において溶解させた(パートII)。次に、数回の洗浄容量の精製水を使用して、PVA混合物(パートI)をパートIIに定量的に移した。pHの調節を行わずに、精製水を使用して溶液を最終容量に調節した。
【0073】
ブリモニジンタータレートを計量し、前記の配合担体5mLを含有する10mLの試験管に入れた。次に、稀水酸化ナトリウムおよび/または稀塩酸を使用して、各試料のpHを所望の値に調節した。撹拌プレート上のラックに試料を配置し、高速で撹拌して、2日間にわたる均質混合を行った;仕切板をラックと撹拌プレートに間に配置して、撹拌プレートから試料への熱拡散を防止した。試験中、実験室の温度を監視し、23±1℃であることを確認した。
【0074】
2日間の撹拌の終了時に、各試料のpH値を測定し、次に、約1mLの各試料をミクロ遠心管(ポリプロピレン)に入れ、4,000rpmで10分間遠心分離した。上澄みを1μmフィルターユニット(Whatman、13mm、PTFE)で濾過した。濾液の初めの3〜4滴を捨て、残りの濾液を採取し、HPLC移動相で定量的に稀釈した。次に、ブリモニジンタータレートアッセイ用のHPLCカラム(Dupont Zorbax、250mm x 4.6mm、5μm)に稀釈試料を直接注入して、ブリモニジンタータレートの量を定量した。10.05%ブリモニジンタータレートの対照を、配合担体中、pH6.3〜6.5で調製し、遠心分離および濾過の前(非処理)および後(処理済)にアッセイに付した。このようにすることによて、試料調製のこれらの2つの段階におけるブリモニジンタータレートの潜在的損失を評価した。再現性を確実にするために、連続する日に試験を繰り返した。
【0075】
【表1】

【0076】
配合担体におけるブリモニジンタータレートの溶解度データを表2に示す。これらの結果は、ブリモニジンタータレートの溶解度はpHに高依存性であり、pH5〜8において2桁を越える範囲に及ぶことを示している。pHが増加すると共に、溶解度は急激に減少する。処理および非処理対照についての結果は極めて似ており、遠心分離および濾過はブリモニジンタータレートの有意な損失を生じないことを示している。連続する日に得た2つの溶解度プロフィールは、一致している。
【0077】
【表2】

a 遠心分離および濾過のために試料採取する前に、2日間撹拌した後に測定。
b 試料重量に基づく理論濃度を示す。試料溶液は透明であり、全てのブリモニジンタータレートが溶解したことを示す。
c 遠心分離および濾過段階の前の、対照におけるブリモニジンタータレートの濃度。
d 遠心分離および濾過段階の後の、対照におけるブリモニジンタータレートの濃度。
e %w/v。
【実施例2】
【0078】
SECおよびオキシ−クロロ成分を含有する組成物(溶液)における、ブリモニジンタータレートのpH−溶解度プロフィールを求めた。特に、種々のpH条件におけるブリモニジンタータレートの溶解度に対する、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)、SECの影響を測定した。ブリモニジンタータレートを使用して試験したCMCの種々の濃度は、0%、0.056%、0.17%、0.5%、1.5%(w/v)であった(表3)。
【0079】
試験した試料は、等張成分、緩衝剤成分および安定化二酸化塩素(Purite(商標))も含有していた(表3)。ナトリウムカルボキシメチルセルロース、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム二水化物および塩化マグネシウム六水化物は、USPグレードであった。硼酸および硼酸ナトリウム十水化物はNFグレードであった。
【0080】
【表3】

a Allergan,Inc.から商品名Purite(商標)として市販。
【0081】
各試料(1〜5)を、約7〜約10のpHにした。試料溶液を含むバイアルを実験用回転器に配置し、室温(約21℃)で15日間にわたって平衡させた。0.45μmの孔サイズを有する25mm直径のポリスルホンセルロースアセテートシリンジ型フィルターを使用して、試料溶液を濾過した。濾過した溶液をブリモニジンについてアッセイに付した。
【0082】
通常のHPLCおよび検出法を使用して、可溶性ブリモニジンタータレートの濃度を検出し、測定した(表4)。各CMC濃度に関して、溶解度をpHに対してプロットした。実験データポイントは、非線形最小二乗法ルーチン(nonlinear least squares routine)(Deltagraph バージョン4.0、DeltaPoint Inc.)を使用する改良Henderson−Hasselbalch式に適合させた(図1)。R2値は、実験値と理論式との適合度が0.991より大であることを示す。
【0083】
【表4】

【0084】
図1は、ブリモニジンタータレートの溶解度が、CMC濃度の増加と共に増加する傾向にあることを明らかに示している。例えば、pH7.5において、0%CMCの試料は1000ppmのブリモニジンタータレートを生じ、0.056%CMCは1300ppm、0.17%CMCは1300ppm、0.5%は1600ppmを生じた。pH7.5において、1.5%CMCを含有する試料は、約1400ppmを生じ、これは、0.5%のCMCを含有する同じ溶液より少ない。現在のところ、この観察結果の原因は解明されていない。それにもかかわらず、ブリモニジンタータレートは、1.5%CMCを含有する溶液において、CMCを含有しない溶液におけるより高い溶解性である。
【0085】
CMCは、生物学的環境、例えば、角膜の生物学的環境においても、ブリモニジンタータレートを可溶化するのに有効である。
【実施例3】
【0086】
ブリモニジンタータレートダイマー
亜塩素酸塩を含有する組成物を入れた試験管に、ブリモニジンタータレートを添加する。該試験管を、10日間にわたって平衡させる。試験管から得た試料を分析する。ブリモニジンタータレートモノマー単位の一部が結合してダイマーを形成するのが観察される。
【0087】
種々の特定の実施例および態様に関して本発明を説明したが、本発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲において種々の変更を加えて実施しうると理解されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】種々のカルボキシメチルセルロース濃度における、pHに対する可溶性ブリモニジンタルタレートのグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物を投与される患者に治療利益を与えるのに有効な量のα−2−アドレナリンアゴニスト成分;
組成物におけるα−2−アドレナリンアゴニスト成分の溶解度を、溶解度増加成分を含有しない同様の組成物における同じα−2−アドレナリンアゴニスト成分の溶解度と比較して、増加させるのに有効な量の溶解度増加成分;および
液体担体成分;
を含んで成る組成物。
【請求項2】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分が、イミノ−イミダゾリン、イミダゾリン、イミダゾール、アゼピン、チアジン、オキサゾリン、グアニジン、カテコールアミン、それらの誘導体およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
治療に有効な成分が、キノキサリン成分を包含する請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
キノキサリン成分が、キノキサリン、その誘導体およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
キノキサリン成分が、キノキサリン、(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレート、それらの誘導体およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
治療に有効な成分が、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレートを含んで成る請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分が実質的に非イオン化されている請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が投与される生物学的環境において、α−2−アドレナリンアゴニスト成分が実質的に非イオン化されている請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分が、溶解度増加成分を含有しない同様の組成物における同じα−2−アドレナリンアゴニスト成分と比較して、脂質膜を通る増加した拡散を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分が、α−2A−アドレナリン受容体のアゴニスト、α−2B−アドレナリン受容体のアゴニスト、α−2D−アドレナリン受容体のアゴニストおよびそれらの混合物から成る群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
溶解増加成分が、α−2−アドレナリンアゴニスト成分の生物学的環境における溶解度を、溶解度増加成分を含有しない同様の組成物における同じα−2−アドレナリンアゴニスト成分の生物学的環境における溶解度と比較して、増加させるのに有効である請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
溶解度増加成分がポリアニオン成分を含んで成る請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
該ポリアニオン成分が、アニオン性セルロース誘導体、アクリル酸から誘導されるアニオン性ポリマー、メタクリル酸から誘導されるアニオン性ポリマー、アルギン酸から誘導されるアニオン性ポリマー、アミノ酸から誘導されるアニオン性ポリマー、およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
溶解度増加成分が、アニオン性セルロース誘導体およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
溶解度増加成分が、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの誘導体から成る群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
溶解度増加成分が、約0.1%(w/v)〜約30%(w/v)の量で存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
溶解度増加成分が、約0.2%(w/v)〜約10%(w/v)の量で存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
溶解度増加成分が、約0.2%(w/v)〜約0.6%(w/v)の量で存在する請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
液体担体成分が水性液体担体成分である請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
溶液である請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
約7またはそれ以上のpHを有する請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
約7〜約9のpHを有する請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
眼用に許容される請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
組成物を投与される患者に治療利益を与えるのに有効な量のα−2−アドレナリンアゴニスト成分;
α−2−アドレナリンアゴニスト成分の溶解度を増加させるのに有効な量のアニオン性セルロース誘導体;および
水性液体担体成分;
を含んで成る組成物。
【請求項25】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分が、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレートを含んで成る請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
アニオン性セルロース誘導体がカルボキシメチルセルロースを含んで成る請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
アニオン性セルロース誘導体が、約0.2%(w/v)〜約0.6%(w/v)の量で存在する請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
組成物を投与される患者に治療利益を与えるのに有効な量の5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレート;
5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレート溶解度を増加させるのに有効な量の溶解度増加成分;および
水性液体担体成分;
を含んで成る組成物。
【請求項29】
溶解度増加成分がカルボキシメチルセルロースを含んで成る請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
眼用に許容される請求項28に記載の組成物。
【請求項31】
1つまたはそれ以上のキノキサリン成分から誘導されるモノマー単位を含んで成る複合体。
【請求項32】
キノキサリン成分が、キノキサリン、(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレート、それらの誘導体およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項31に記載の複合体。
【請求項33】
キノキサリン成分が、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレートである請求項31に記載の複合体。
【請求項34】
キノキサリン成分から誘導されるモノマー単位を含んで成るオリゴマー。
【請求項35】
キノキサリン成分が、キノキサリン、(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリン、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレート、それらの誘導体およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項34に記載のオリゴマー。
【請求項36】
キノキサリン成分が、5−ブロモ−6−(2−イミドゾリン−2−イルアミノ)キノキサリンのタータレートである請求項34に記載のオリゴマー。
【請求項37】
ダイマーである請求項34に記載のオリゴマー。
【請求項38】
ダイマーである請求項35に記載のオリゴマー。
【請求項39】
ダイマーである請求項36に記載のオリゴマー。
【請求項40】
組成物を投与される患者に治療利益を与えるのに有効な量のα−2−アドレナリンアゴニスト成分;
組成物を保存するのを少なくとも助長するのに有効な量のオキシ−クロロ成分;および
液体担体成分;
を含んで成る組成物であって、シクロデキストリンを実質的に含有しない組成物。
【請求項41】
α−2−アドレナリンアゴニスト成分が、イミノ−イミダゾリン、イミダゾリン、イミダゾール、アゼピン、チアジン、オキサゾリン、グアニジン、カテコールアミン、それらの誘導体およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
治療に有効な成分がキノキサリン成分を包含する請求項40に記載の組成物。
【請求項43】
キノキサリン成分が、キノキサリン、それらの誘導体およびそれらの混合物から成る群から選択される請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
組成物におけるα−2−アドレナリンアゴニスト成分の溶解度を、溶解度増加成分を含有しない同様の組成物における同じα−2−アドレナリンアゴニスト成分の溶解度と比較して、増加させるのに有効な量の溶解度増加成分をさらに含有する請求項40に記載の組成物。
【請求項45】
溶解度増加成分が、α−2−アドレナリンアゴニスト成分の生物学的環境における溶解度を、溶解度増加成分を含有しない同様の組成物における同じα−2−アドレナリンアゴニスト成分の生物学的環境における溶解度と比較して、増加させるのに有効である請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
溶解度増加成分がポリアニオン成分を含んで成る請求項44に記載の組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2012−67128(P2012−67128A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−286579(P2011−286579)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【分割の表示】特願2002−511784(P2002−511784)の分割
【原出願日】平成13年7月9日(2001.7.9)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】