説明

β1−アドレナリン作動性レセプター抗体を阻害する変異体二重環化レセプターペプチド

本発明は、分子間結合を形成可能なシステイン残基を2つだけ含む新規のβ-AR相同シクロペプチド変異体、これらのシクロペプチド変異体を形成し得る直鎖ペプチドならびにこれらのシクロペプチド変異体および直鎖ペプチドをコードする核酸分子に関する。さらに、前記核酸分子を含むベクターおよび組換え宿主細胞、ならびに開示されるシクロペプチドを製造するための方法が提供される。さらに、本発明のペプチド、核酸分子、ベクターまたは宿主細胞を含む組成物が提供される。本発明はまた、本発明のペプチドの利点を利用する治療的および診断的な手段、方法および使用、ならびに抗β1アドレナリン作動性レセプター抗体のような抗βアドレナリン作動性レセプター抗体を検出するための手段、方法および使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:


(式中
a) xはCys以外のアミノ酸であり;
b) hは1〜15の任意の整数であり;
c) iは0〜14の任意の整数であり;
d) xa、xbおよびxcの1つはProであり;
e) yはCys以外のアミノ酸であり;
f) 環状ペプチドは少なくとも16個から多くとも25個のアミノ酸からなる)
の環状ペプチド。
【請求項2】
e)β1-アドレナリン作動性レセプター(β1-AR)のECIIループに対する(自己)抗体に結合し得る;
f) β1-ARとβ1-ARのECIIループに対する(自己)抗体の相互作用を阻害し得る;
g) β1-ARのECIIループの天然コンホメーション中に提示される(1つまたは複数の)エピトープを模倣する;および/または
h) 抗体媒介性のβ1-ARの活性化を減少し得る、
請求項1記載の環状ペプチド。
【請求項3】
yが個々におよび独立して、極性アミノ酸からなる群より選択される、請求項1または2記載の環状ペプチド。
【請求項4】
yがSerまたはSerアナログである、請求項1〜3いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項5】
hが5、8または9である、請求項1〜4いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項6】
iが3、4または6である、請求項1〜5いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項7】
式I’またはI’’:


(式中、xIはAla、Gly、Val、ThrまたはSerであり、xIIIはArgである)
の環状ペプチドである、請求項1〜6いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項8】
式I’’’またはI’’’’:


(式中、xIIはGln、Glu、AspまたはAsnであり、xIVはGlyまたはGlyアナログである)
の環状ペプチドである、請求項1〜7いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項9】
xIがAlaである、請求項7または8記載の環状ペプチド。
【請求項10】
xIIがGlnまたはGluである、請求項7〜9いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項11】
xIIがDGluである、請求項7〜10いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項12】
xcがProである、請求項1〜11いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項13】
xbが酸性アミノ酸である、請求項1〜12いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項14】
yがProでない、および/またはxa、xbもしくはxc以外のxがProでない、請求項1〜13いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項15】
式II、IIIまたはIII’:


(式中
a) x1は個々におよび独立して酸性アミノ酸からなる群より選択される;および/または
b) x2は個々におよび独立して塩基性アミノ酸からなる群より選択される)
の環状ペプチドである、請求項1〜14いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項16】
式IV、VまたはV’:


(式中
a) x1は個々におよび独立して酸性アミノ酸からなる群より選択される;
b) x2は個々におよび独立して塩基性アミノ酸からなる群より選択される;
c) x3は個々におよび独立してLeu、Ile、Val、Met、Trp、TyrおよびPheからなる群より選択される;
d) x4は個々におよび独立してSer、Thr、AlaおよびGlyからなる群より選択される;および/または
e) x5は個々におよび独立してGlnおよびAsnからなる群より選択される)
の環状ペプチドである、請求項1〜15いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項17】
アミノ酸鎖


(式中、Xxx1は請求項1のa)、請求項15のa)および請求項16のa)のいずれかで規定され、Xxx3は請求項1のa)または請求項16のc)で規定され、および/またはXxx4は請求項1のa)または請求項16のd)で規定される)
を含む、請求項1〜16いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項18】
アミノ酸鎖


を含む、請求項1〜17いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項19】
a) 配列番号:41、43、1〜4および17〜20のいずれか1つで示されるアミノ酸配列で形成され得るかまたは該アミノ酸配列で形成される環状ペプチド;
b) 配列番号:42、44、9〜12、25〜28、49、50、53および54のいずれか1つで示されるヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列で形成され得るかまたは該アミノ酸配列で形成される環状ペプチド;
c) 遺伝コードの縮重のために配列番号:42、44、9〜12、25〜28、49、50、53および54のいずれか1つで示されるヌクレオチド配列とは異なるヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列で形成され得るかまたは該アミノ酸配列で形成される環状ペプチド;ならびに
d) 式VI〜IX’:


のいずれかの環状ペプチド
からなる群より選択される環状ペプチドである、請求項1〜18いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項20】
酸性アミノ酸の少なくとも1つが、酸性アミノ酸からなる群より選択される異なるアミノ酸で置き換えられる、請求項19記載の環状ペプチド。
【請求項21】
塩基性アミノ酸の少なくとも1つが、塩基性アミノ酸からなる群より選択される異なるアミノ酸で置き換えられる、請求項19または20記載の環状ペプチド。
【請求項22】
脂肪族アミノ酸残基の少なくとも1つが、脂肪族アミノ酸からなる群より選択される異なるアミノ酸で置き換えられる、請求項19〜21いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項23】
S-S結合、ペプチド結合、C-CまたはC=Cなどの炭素結合、エステル結合、エーテル結合、アゾ結合、C-S-C結合、C-N-C結合およびC=N-C結合からなる群より選択される共有結合である少なくとも1つの結合により環化が起こる、請求項1〜22いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項24】
S-S結合およびペプチド結合である少なくとも2つの結合により環化が起こる、請求項1〜23いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項25】
前記S-S結合がペプチドの2つのCys残基により形成される、請求項23または24記載の環状ペプチド。
【請求項26】
前記ペプチド結合が、N末端アミノ酸のNH2基およびC末端アミノ酸のCOOH基で形成される、請求項23〜25いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項27】
構成アミノ酸のNH2基およびCOOH基の側鎖によりさらなる結合が形成される、請求項23〜26いずれか記載の環状ペプチド。
【請求項28】
請求項1〜27いずれか記載の環状ペプチドのアミノ酸主鎖をコードする核酸分子。
【請求項29】
配列番号:9〜12、25〜28、42および44のいずれか1つで示されるヌクレオチド配列または遺伝コードの縮重のためにそれらと異なるヌクレオチド配列を含む、請求項28記載の核酸分子。
【請求項30】
請求項28または29記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項31】
請求項28もしくは29記載の核酸分子または請求項30記載のベクターを含む、組換え宿主細胞。
【請求項32】
a) (i)請求項31記載の組換え宿主細胞を、請求項1〜27いずれか記載のポリペプチドのアミノ酸主鎖が発現されるような条件下で培養して、前記アミノ酸主鎖を回収する工程;または
(ii)請求項1〜27いずれか記載のポリペプチドのアミノ酸主鎖を化学的に合成する工程;および
b) 前記アミノ酸主鎖を環化して、請求項1〜27いずれか記載の環状ペプチドを形成する工程
を含む、請求項1〜27いずれか記載の環状ペプチドの製造方法。
【請求項33】
前記環化が請求項23〜27いずれかで規定される、請求項32記載の方法。
【請求項34】
それぞれ、前記N末端アミノ酸がAlaもしくはArgであり、前記C末端アミノ酸がGlnもしくはGluもしくはGlyであるか、または前記N末端アミノ酸がLysであり、前記C末端アミノ酸がProである、請求項33記載の方法。
【請求項35】
GluがDGluである、請求項31記載の方法。
【請求項36】
請求項32〜35いずれか記載の方法により得られ得る環状ペプチド。
【請求項37】
請求項1〜27および36のいずれか一項記載の環状ペプチド、請求項28もしくは29記載の核酸分子、請求項30記載のベクターまたは請求項31記載の組換え宿主細胞、および任意に担体を含む組成物。
【請求項38】
前記組成物が医薬組成物であり、前記担体が薬学的に許容され得る担体である、請求項37記載の組成物。
【請求項39】
医学的介入の必要な患者に、請求項1〜27および36のいずれか一項記載の環状ペプチドおよび/または請求項38記載の医薬組成物の薬学的活性量、ならびに任意に薬学的に許容され得る担体を投与する工程を含む、
a) β-アドレナリン作動性レセプター(β-AR)の活性が増強された疾患の治療、改善または予防;
b) β-ARに対する抗体を有する患者の治療;または
c) 免疫寛容の誘導
のための方法。
【請求項40】
a) β-ARの活性が増強された疾患の治療、改善または予防;
b) β-ARに対する抗体を有する患者の治療;または
c) 免疫寛容の誘導
のための、請求項1〜27および36いずれか一項記載の環状ペプチド、または請求項38記載の医薬組成物、および任意に薬学的に許容され得る担体。
【請求項41】
前記環状ペプチドが少なくとも1つのさらなる医薬活性剤と共に投与される、または前記医薬組成物が少なくとも1つのさらなる医薬活性剤を含む、請求項38〜40いずれか記載の医薬組成物、方法または環状ペプチド。
【請求項42】
前記少なくとも1つのさらなる医薬活性剤がβレセプター遮断薬である、請求項41記載の医薬組成物、方法または環状ペプチド。
【請求項43】
前記βレセプター遮断薬が選択的β-AR遮断薬である、請求項42記載の医薬組成物、方法または環状ペプチド。
【請求項44】
前記選択的β-AR遮断薬がアテノロール、メトプロロール、ネビボロールおよびビソプロロールである、請求項43記載の医薬組成物、方法または環状ペプチド。
【請求項45】
βアドレナリン作動性レセプターの活性が増強された前記疾患が心臓疾患であるか、または前記患者が心臓疾患に苦しむ、請求項39〜44いずれか記載の方法、環状ペプチドまたは医薬組成物。
【請求項46】
前記心臓疾患が、感染性および非感染性心臓疾患、虚血性および非虚血性心臓疾患、炎症性心臓疾患および心筋炎、心臓拡張、特発性心筋症、(特発性)拡張型心筋症(DCM)、免疫心筋症、心不全、ならびに心室性および/または上室性期外捕捉収縮などの任意の心臓不整脈ならびに心房細動および/または心房粗動などの任意の心房性不整脈からなる群より選択される、請求項45記載の方法または環状ペプチドまたは医薬組成物。
【請求項47】
前記心臓疾患が(特発性)DCMである、請求項45または46記載の方法または環状ペプチドまたは医薬組成物。
【請求項48】
前記疾患がβ-ARに対する抗体により誘導される、請求項39〜47いずれか記載の方法、環状ペプチドまたは医薬組成物。
【請求項49】
前記免疫寛容の誘導が、β-ARに対する抗体の産生の抑制により得られる、請求項39〜44いずれか記載の方法、環状ペプチドまたは医薬組成物。
【請求項50】
前記免疫寛容の誘導が、抗体産生早期B細胞および記憶B細胞の抗原認識部位の遮断を介したβ-ARに対する抗体の産生の抑制により得られる、請求項49記載の方法、環状ペプチドまたは医薬組成物。
【請求項51】
前記環状ペプチドまたは前記医薬組成物が、少なくとも0.05mgの前記環状ペプチド/体重kgが達成されるように投与される、請求項39〜50いずれか記載の方法、環状ペプチドまたは医薬組成物。
【請求項52】
請求項1〜27および36のいずれか一項記載の環状ペプチドと検出対象の抗体を接触させる工程を含む、(試料中の)β-ARに対する抗体の検出方法。
【請求項53】
前記β-ARがβ1-ARである、請求項39〜52いずれか記載の方法、環状ペプチドまたは医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30】
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【公表番号】特表2010−536356(P2010−536356A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521365(P2010−521365)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006932
【国際公開番号】WO2009/027063
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(510048819)ユーリウス−マクシミリアンス−ウニベルジテート ヴュルツブルク (1)
【Fターム(参考)】