説明

「LVDS」タイプのリンク用のビデオデジタル信号を送信および受信するためのシステム

【課題】「LVDS」タイプのビデオデジタル信号を送信および受信するためのシステムの提供。
【解決手段】ビデオデジタル画像信号を送受信するシステムであり、送信モジュール、送信リンク、受信モジュールが含まれる。「RGB」ビデオ信号には、色信号、同期信号、クロック信号が含まれ、送信される「LVDS」ビデオ信号には、いくつかの原信号が含まれ、第1の原信号は、クロック信号専用であり、第2の原信号には同期情報が、他の原信号には色符号化情報だけが含まれる。送信モジュールの機能は、「RGB」ビデオ信号を「LVDS」ビデオ信号に符号化、受信モジュールの機能は、「LVDS」信号を「RGB」信号に復号化である。また、送信システムは、グラフィック認識パターンを「RGB」ビデオ信号にはめ込む手段を含み、受信手段は、オーバーサンプリングにて動作し、かつ同期情報およびグラフィック認識パターンを識別できるテスト手段を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、「Low Voltage Differential Signaling(低電圧差動信号)」を意味する頭字語である「LVDS」タイプのデジタルリンクの分野である。本発明は、特に、送信信号の送信および受信ならびにそれらの符号化のためのシステムに関する。本発明は、ビデオ情報を送信するために「LVDS」インタフェースを用いる任意の分野に適用可能である。しかしながら、本発明は、主として、航空用途用に設計されている。
【背景技術】
【0002】
これらのリンクは、通常、画像の送信用に用いられ、異なる名称を有する。最も普及しているものは、「FPDリンク」、「カメラリンク」、「チャネルリンク」、「フラットリンク」等である。例として、図1は、「LVDS」タイプの完全な送信システムを表す。それには、送信インタフェース1、送信ライン自体2、および受信インタフェース3が含まれる。典型的には、送信インタフェース1および受信インタフェース3には、増幅手段10および30、ならびに符号化モジュール11および31が含まれる。図1の場合には、システムは、3×6ビットで符号化された「RGB」タイプのビデオ信号を送信するように設計されている。リンク2には、並列に配置された4ペアのツイストワイヤが含まれる。送信インタフェース1は、ビデオ信号(R、G、B)および同期情報SYNCを符号化し、それらを最初の3ペアのリンクワイア上で送信する。送信インタフェース1はまた、第4のペア上でクロック信号CLKを送信する。リンク2のもう一方の端部において、受信インタフェース3は、逆の仕事をして、受信された信号に基づいてビデオ信号を復号化する。ビデオ情報が3×8ビットで符号化された場合には、リンク2は、第5のペアのツイストワイヤを必要とする。
【0003】
本来、「LVDS」リンクは、グラフィック構成要素からフラットスクリーンへと、携帯マイクロコンピュータ内のリンク用に最初は開発され、それらは、この種の短距離用途に非常に適している。この種のリンクは非常に発達し、今日では、それらはほとんどコストがかからず、多数の液晶パネルが「LVDS」インタフェースを備えている。また、多くのユーザが、この技術を用いて、機器内だけでなく機器間のリンクを作製しようという気にさせられている。航空分野において、航空電子工学機器のあるアイテム、例えば機内マニュアルおよび文書に取って代わるように設計された「電子フライトバッグ」または「EFB」と呼ばれる機能を実行するアイテム用に、この技術を用いることが可能である。「EFB」機器のこれらのアイテムのインタフェースを規定するARINC828規格は、とりわけ「LVDS」リンクの使用を認可している。この使用は価値がある。なぜなら、携帯コンピュータ用のハードカードに基づいた機器アイテムが、最初から「LVDS」ビデオ出力部を有するからである。
【0004】
この種の「LVDS」リンクにおいて、高周波クロックが、画素クロックに基づいた従来の受信手段によって再構成され、かつ図2に示すように、ビデオデータを含むRin0、Rin1およびRin2と呼ばれるチャネルをサンプリングするために直接用いられるが、図2では、位相ロックループ32または「PLL」が、「フリップフロップ」33を制御する。したがって、このサンプリング原理は、「ペア間スキュー」とも呼ばれる、ライン間のスキューに非常に敏感である。リンクが数メートルを超える長さである場合には、マルチペアケーブルの特徴に依存して、長さと共に増加する様々なチャネル間のスキューゆえに、送信誤差が生じる可能性がある。したがって、チャネル間のスキューが、「画素」期間の7分の1に等しい、「LVDS」シリアル送信の「ビット」期間より明確に小さいままであることが必要である。
【0005】
例として、60Hzのリフレッシュレートで、「Standard Panel Working Group(標準パネルワーキンググループ)」を意味する「SPWG」規格に合わせて1024×768画素を含む画像を送信する「XGA」タイプのビデオ形式は、56MHzの「画素」周波数を有する。そのシリアル送信周波数は、7倍高く、したがって392MHzに等しい。したがって、「ビット」期間、または「単位間隔」を表す「UI」は、約2.5nsの期間を有する。その結果、例えば「SERDES」と呼ばれるシリアライザ/デシリアライザ構成要素、プリント回路のトラックの長さ、コネクタ、およびケーブルによるスキューの全ての原因の合計は、1.25nsを超える合計誤差を引き起こしてはならない。しかしながら、最良のマルチペアケーブル、すなわち、この使用のために規定されたケーブルは、50ps/m以下の規定ペア間スキューを有するが、50ps/mは、数十メートルの非常に長いケーブルに対しては既に限界である。例えば、航空電子工学の環境のような厳しい環境における使用に関しては、かかるケーブルは存在せず、ケーブルのペア間のスキューは、利用可能な航空ケーブルを用いては制御されない。
【0006】
また、「LVDS」リンクの標準受信手段は、特定のハーネスを用いる、短いかまたは非常に短いリンク用にのみ、航空電子工学において合理的に用いることができる。
【0007】
「LVDS」リンクの問題を解決するために、「Silicon Image」社は、「DVI」および「HDMI」ビデオ規格用に採用された、「Transition Minimized Differential Signalling(遷移時間最短差動信号伝送方式)」を意味する「TMDS」と呼ばれる新しい規格を開発した。「TMDS」形式におけるビデオデータは、8ビット−10ビット符号化装置によって符号化されるが、この装置には次の効果がある。
−「DCバランス」と言われる符号、すなわち、実際的に「1」ビットと同数の「0」ビットを含む符号を生成すること。この符号は、連続成分の送信を省くことを可能にし、かつアイダイアグラムの改善をもたらす。
−「ランレングス」と呼ばれる、遷移のない期間を制限すること。これは、チャネルのそれぞれにおけるビット位相を独立して見つけるために、アナログ位相ループの結合を可能にする。
−「ワード境界」と呼ばれるワード位相を見つけることができるようにし、かつ「データイネーブル」、「HSYNC」および「VSYNC」などのビデオ同期信号の送信を可能にする特殊文字を取得すること。
【0008】
この規格を用いれば、チャネル間のスキューの許容値は、原則としてもはや全く制限されない。「PanelLink(登録商標)」または「PanelBusTM」と呼ばれる最近の構成要素に関して、許容値は、たっぷり十分な画素クロック期間である。残念にも、「TMDS」リンクは、「LVDS」リンクとは全く互換性がなく、それらのそれぞれのインタフェースは、互いに通信することができない。したがって、既存のハードウェアとの互換性を危険にさらさずに、「LVDS」リンクを「TMDS」リンクに取り替えることによって、システムを改善することは不可能である。「TMDS」送信の別の欠点は、必要な帯域幅の増加である。10B符号化を使用するためには、「Video Electronics Standards Association Discrete Monitor Timing(ビデオエレクトロニクス規格協会独立モニタタイミング)」を意味する「VESA DMT」規格に合わせて、「XGA」タイプの画像用に650Mbaudの送信速度を必要とする。「LVDS」送信の場合には、必要な速度は、「SPWG」規格に合わせた同じ形式用の392Mbaudだけである。したがって、「LVDS」送信用に設けられた配線は、「TMDS」リンクをサポートすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明によるシステムの目的は、「LVDS」送信規格に対して大きな変更をせずに、航空用途の大部分に対してたっぷり十分な、少なくとも一画素期間の、ペア間スキューに対する許容値を、ちょうど「TMDS」受信機のように受信において提供することである。このシステムは、次のことを可能にする3つの主な機能からなる。
− ビット位相(シリアル信号)の検索と、
− ビデオ同期情報を伝達する「Rin2」と呼ばれるライン上での画素位相(送信ワード)の検索と、
− 特に、送信に挿入される「ポストイット」信号と呼ばれる信号の復号化による、他の2つのチャネル上における画素位相の検索と、である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
より正確には、本発明の主題は、「LVDS」タイプのリンク用の「RGB」タイプのビデオデジタル画像の信号を送信および受信するためのシステムであって、システムが、少なくとも1つの送信モジュール、送信リンクおよび受信モジュールを含み、
「RGB」ビデオ信号が、送信画像の画素の色符号化に対応する3つの色信号、3つの同期信号、および1つのクロック信号を含み、
送信リンクを介して送信される「LVDS」ビデオ信号が、少なくとも4つの原信号を含み、各原信号が、それ専用の送信ケーブル上で送信され、第1の原信号「CLK」が、クロック信号専用であり、第2の原信号「Rin2」が、同期情報を含み、少なくとも第3および第4の原信号「Rin0」および「Rin1」が、色符号化情報だけを含み、
「LVDS」送信モジュールが、「RGB」ビデオ信号を「LVDS」ビデオ信号に符号化する機能を有し、受信モジュールが、「LVDS」信号を「RGB」信号に復号化する機能を有し、
送信システムが、グラフィック認識パターンを「RGB」ビデオ信号にはめ込むことを可能にする手段を含むことと、
受信手段が、オーバーサンプリングにおいて、すなわち、クロック信号の周波数の整倍数であるサンプリング周波数において動作することと、
受信手段が、第2の「LVDS」原信号における同期情報、およびグラフィック認識パターンを識別できるテスト手段を含むことと、を特徴とするシステムである。
【0011】
有利なことに、色信号が6ビットで符号化される場合には、送信リンクには4つの送信ケーブルが含まれ、色信号が8ビットで符号化される場合には、送信リンクには5つの送信ケーブルが含まれる。
【0012】
有利なことに、グラフィックパターンは、「ポストイット」タイプであり、すなわち画像の一部に対応し、ビデオ画像の同じ位置に常に位置し、かつそれが取って代わるビデオ画像の最初の部分の上に常に重ね合わされる。その高さをビデオ画像の一ラインに制限することが可能である。パターンは、非周期的であるのが好ましい。
【0013】
有利なことに、サンプリング周波数は、クロック信号の周波数の5倍に等しい。
【0014】
非限定的な例として提供される以下の説明を読むこと、および添付の図によって、本発明はよりよく理解され、他の利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】「LVDS」タイプのリンク用の「RGB」タイプのビデオデジタル画像の信号を送信および受信するためのシステムの一般的原理を表す。
【図2】先行技術による受信ラインまたは「LVDS」信号のための手段の一般的ブロック図を表す。
【図3】ラインまたは「LVDS」信号の一般的内容を表す。
【図4】本発明による受信モジュールの一般的ブロック図を表す。
【図5】「ビット」信号を検索するために必要な、本発明による受信モジュールの入力チャネルにおけるオーバーサンプリング回路の1つの一般的ブロック図を表す。
【図6】入力チャネルのオーバーサンプリング回路、および本発明による受信モジュールのサンプリングクロックを生成する回路の一般的ブロック図を表す。
【図7】ライン信号「Rin2」の値の変動およびこの信号における特性シーケンスの検出の例を表す。
【図8】「画素」信号を検索するために必要な、本発明によるグラフィックパターンの識別回路の1つの一般的ブロック図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
説明の残りでは、定義および以下の用語が採用された。
送信の対象であるビデオ信号には次のものが含まれる。
− 送信画像の画素の色符号化に対応する3つの色信号。これらの画素は、6ビットまたは8ビットで符号化してもよい。6ビットの符号化の第1の場合には、「赤色」画素に対応するビットが、R0〜R5とマークされ、「緑色」画素に対応するビットが、G0〜G5とマークされ、「青色」画素に対応するビットが、B0〜B5とマークされる。
− 「データイネーブル」を意味するDE、「垂直同期」意味するVS、および「水平同期」を意味するHSとマークされた3つの同期信号。これらの3つの信号は、それぞれ、一ビットで符号化される。
− クロック信号;
「LVDS」ビデオ信号を送信するリンクには、ビデオ信号が6ビットで符号化される場合には4つの原信号が含まれ、信号が8ビットで符号化される場合には5つの原信号が含まれ、各原信号は、それ専用の送信ケーブル上で送信され、各信号には、直列に配置された一連の7ビットワードが含まれる。このリンクは、「SPWG」規格に従って6ビットで符号化されたビデオ信号の場合において図3に示されている。次に、「LVDS」信号は、次の方法で構成される。
− クロック信号専用の第1の原信号「CLK」、
− 同期情報DE、VSおよびHDを含む第2の原信号「Rin2」、
− 色符号化情報だけを含む第3および第4の原信号「Rin0」および「Rin1」。
【0017】
図3の場合には、色信号の符号化に対応するビットは、Ri、Gi、およびBiとマークされ、iは、0〜5に変化する。ビデオ信号が、8ビットで符号化される場合には、第5の原信号が、追加的な最下位の色情報をサポートする。
【0018】
図4は、ビデオ信号が6ビットで符号化される状況で、本発明による受信モジュールの一般的なブロック図を表す。したがって、「LVDS」リンクには、Rin0、Rin1、Rin2およびCLKとマークされた4つの原信号が含まれる。3つの信号Rin0、Rin1およびRin2は、3つのほぼ同一の電子チェーンを通過する。各チェーンには、増幅段(モジュール300、310および320)、デシリアライゼーション段(モジュール301、311および321)、基本「ビット」の位相を検索する段(モジュール302、312および322)、および基本画素の位相を検索する段(モジュール303、313および323)が含まれる。3つのチェーンのアセンブリは、復号化された信号を記憶および再整形するための最終電子モジュール340を設けているが、この電子モジュール340は、初期ビデオ信号のR、G、B信号、同期信号、およびクロック信号を出力部で供給する。
【0019】
明確にするために、以下の全ては、4つの送信ラインを含む「LVDS」リンク上で送信される、6ビットで符号化された信号に関するが、しかし5つの送信ラインを含む「LVDS」リンク上で送信される、8ビットで符号化された信号に容易に置き換えることができる。
【0020】
言及したように、「LVDS」リンクの様々な信号は、互いに歪む可能性がある。したがって、各チャネルにおいて、様々ないわゆる「ビット」位相信号を含む基本ビットの位相を独立して検索することが不可欠である。
【0021】
アナログ位相ループに基づいた従来のクロック検索回路は、ビデオデータが符号化されないので、用いることができない。「ランレングス」とも呼ばれる、遷移のない期間は、制限されず、最悪の場合は、「黒い」画像に対応する。この極端な場合には、チャネルRin0およびRin1は、動作しない。したがって、毎秒60画像の画像リフレッシュレートの場合には、チャネルRin0およびRin1上の「ランレングス」が、例えば、画像期間、すなわち16.7msに等しくなるような画像を想定することが可能である。
【0022】
この問題を解決するために、受信手段は、ビデオ信号のクロック周波数より著しく高い周波数で、入力チャネルのオーバーサンプリングを行う。この原理は、低速送信用にか、または「FPGA」タイプのプログラマブル論理回路を用いた、「Serial Digital Interface(シリアルデジタルインタフェース)」信号を意味する「SDI」信号の受信など、特定の用途用に適用される。
【0023】
クロック周波数の5倍に等しいサンプリング周波数を用いることが可能である。比率5の選択は、実際的である。なぜなら、それが、理想的な中央サンプリング位置、および高周波「ジッタ」の許容値用に容認可能な2つの隣接位置を提供するからである。しかし、他の選択肢も可能である。
【0024】
例として、図5は、同期信号DE、VSおよびHSを含む受信チャネルRin2の機能ブロック図を示す。この装置には、基本的に2つのモジュール321および322が含まれる。第1のモジュール321は、シリアル信号であるRin2信号のデシリアライザの機能を実行し、第2のモジュール322は、ビット位相を認識する。より正確には、Rin2受信チャネルのこれらの電子サブアセンブリには、次のものが含まれる。
− Rin2チャネルから生じる7ビットワードのストリームを、クロック周波数の5倍の周波数でオーバーサンプリングすること、および20サンプルを含むストリームを送信することを可能にするシフトレジスタ3210。
− 第1および第2の同一の記憶レジスタ3212および3221。
− 通常は、これらの5つのサンプルの中央サンプルにおいて索引を付けられる電子ポインタPを含む索引付けおよび比較手段3222。索引付けおよび比較手段3222にはまた、これらのサンプルの状態遷移を検出するための手段が含まれる。この機能を実行するために、XORと呼ばれる「排他的論理和」関数を実行する論理ゲートアレイを用いることが可能である。これらの2つの入力の1つだけが論理レベル1である場合にのみ、XORゲートの出力が論理レベル1であることが知られている。この手段によって、XORゲートの出力部で論理レベル「1」に帰着する状態遷移を決定するのは簡単である。
− 11ビットの第3の記憶レジスタ3223。
− 7ビットの第4の記憶レジスタ3224。
− 初期Rin2信号を形成する直列の様々な信号を検出するための従来の手段を含む従来の並列信号処理機能323。この回路の出力部において、3つの同期成分DE、VSnおよびHSnを含む、Rin2信号の様々な成分が、7つの並列チャネル上で検索される。7つの成分の抽出は、中間値において画素周波数の速度で行われる。
【0025】
このデシリアライゼーション方法の「SDI」受信タイプの通常の用途では、ソースの周波数とサンプリングクロックとの間の周波数シフトに依存して、3、4または5ビットをサンプリングしなければならない。また、11ビットレジスタは、いくらか特別な方法で管理しなければならない。データの到着方向に依存して、ポインタの位置変更の推移は、その1つを失わないように5つのデータのサンプリングが必要とされ得るか、またはその1つを複写しないように、3つのサンプルだけが許可され得る。
【0026】
遷移位相の検出は、単に、2つの隣接ビットに対して「排他的論理和」論理関数を実行する論理ゲートの出力、すなわち遷移を示す1状態を識別することによって実行される。データのサンプリングは、5対1「MUX」と呼ばれる4つのマルチプレクサ構成要素および第5のサンプル用の固定位置を用いて実行される。ポインタの情報に依存して、3、4または5つのサンプルが転送される。次のレジスタは、サンプルが到着するにつれて徐々に一杯にされ、かつ11ビットを有するが、4つのサンプルは、最初の7つが抽出された場合に繰り越すことができる。
【0027】
「ランレングス」期間、すなわち同一の「0」または「1」状態の最大期間に、かかる装置が通常の使用において正しく動作する能力は、ソースとサンプリングとの間の周波数差に依存する。周波数シフトゆえに、サンプリング位相の十分に頻繁なキャッチアップが必要であるが、このキャッチアップは、遷移の存在によってのみ引き起こすことができる。したがって、認可される最大「ランレングス」は、周波数シフトが小さい場合には、それだけ大きい。したがって、我々の出願において、ソースの「メソクロノス(mesochronous)」サンプリングを用いれば、その結果、「ランレングス」は無限大であり、装置は、符号化されていない信号をデシリアライズすることができる。
【0028】
図6に示すように、サンプリングクロックは、クロックにスキューをもたらす可能性がある位相ロックループ331または「PLL」を用いて生成される。最悪の場合には、「ランレングス」が極端に長くなる可能性があり、次には装置が、ジッタ、すなわちワンダとして周知の高周波ジッタおよび低周波ジッタの両方に敏感になることが知られている。位相ロックループが正確にプログラムされているならば、ジッタが存在しないことが実証されている。
【0029】
別のチャネルRin0およびRin1は、ビット位相の検索に関係する電子部のための同じ設定を有する。
【0030】
基本「ビット」位相のデシリアライゼーションおよび検索段の電子インプリメンテーションは、特別な問題を招かない。例として、85MHzに等しい画素の最大送信周波数を用いれば、各画素は7ビットを含み、各ビットは5つのサンプルでサンプリングされ、オーバーサンプリングを実行する論理回路は、2975MHzまたは2.975Gbaudの周波数で動作しなければならない。シリアル入力部において3Gbaudまで使用可能な、ALTERA社の「ARRIA GX」または「STRATIX」ブランドのFPGA回路は、この機能の実行にぴったり適している。
【0031】
言及したように、3つの受信チャネル上で「画素」位相を検索することがまた必要である。位相認識モジュールの7ビットレジスタの出力部におけるワードには、2つの隣接画素に属するデータを含んでもよい。次に、「バレルシフタを用いるワードアライナ」(「バレルシフタ」は「バレル」レジスタを示す)とも呼ばれる、並列ワードの先端を検索するための装置が、各チャネル上で用いられる。バレルシフタは、並列レジスタおよび7つの7対1マルチプレクサからなる。実行すべき正確な多重化を見つけるために、送信信号における特定のメッセージを認識できることが必要である。
【0032】
図3に示したように、Rin2チャネルは、同期情報、すなわちDE、VSおよびHS情報を有する。アクティブビデオゾーンの外側で、Rin2チャネルにおける連続した7ビットワードを表す図7で見ることができるように、DEは、0ならびにビデオRGBビット、すなわちB5、B4、B3およびB2に等しい。「0110000111」とマークされた10ビットシーケンスであって、そのうち第1の位置に配置された「0」および第8の位置に配置された「1」がDEの値の変化に対応する10ビットシーケンスは、したがって各アクティブラインの初めにおけるこの遷移を特徴とし、別の時間には見つけることができない。したがって、受信モードにおける7つの可能な位相に関して、「ワード境界パターン」とも呼ばれるこのシーケンスのテストを実行することで十分である。それが現われた場合に、位相は識別され、次に、「バレルシフタ」のマルチプレクサは、出力ワードがDEから始まるように配置される。
【0033】
図3によって、次のことが理解できる。すなわち、残念にも、Rin0およびRin1チャネル、ならびに24ビットで符号化されたRGB信号の場合の追加チャネルに関して、位相情報の同様のアイテムを見つけられる可能性がないことが理解できる。また、本発明による装置は、受信モジュールに適用される資源と共に、送信器に含まれた資源と関連付けられることが必要である。この関連する資源は、ハードウェアまたはソフトウェアタイプであってもよい。
【0034】
ハードウェア解決法は明白である。DEの値が「0」である場合に、画像遷移位相または「ブランキング」中に、Rin1およびRin0チャネルのビットをある方法で変調することで十分である。残念にも、この解決法は、実行するのが困難である。なぜなら、送信機器は、事実上全ての場合に、ハードウェアの観点から変更するのが困難な「PC」タイプのマイクロコンピュータ用の硬化構成要素など、「Component Off The Shelf(市販の構成要素)」を意味する「COTS」と呼ばれる構成要素であるからである。「LVDS」出力は、最も頻繁に、必要な変更ができないグラフィックチップの出力である。
【0035】
したがって、関連する資源は、ソフトウェアによって生成できなければならず、かつそれは、可能な最も単純で最も悪影響が少ない方法でビデオ信号の内容を修正することにのみ存してもよい。
【0036】
第1の実施形態は、画像上に小さなタトゥー動作、すなわち、例えば左上において画像の隅に収容される「透かし」として周知の動作を実行することに存する。タトゥーは、画像画素の最下位ビットまたは「LSB」を用いる低い強度である。例えば、色ビットG0およびB0を用いることが可能である。このタトゥーは、その位置およびその低い視覚的影響ゆえに、視覚的に知覚できない。しかし、この種の機能は、PCタイプのマイクロコンピュータ用のカードに基づいた機器アイテムの場合には、アプリケーションソフトウェアプログラムを用いて実行するのがアプリオリに簡単ではない。
【0037】
第2の実施形態は、「ポストイット」タイプの認識グラフィックパターンを導入することに存する。この場合には、グラフィックパターンは、送信機器によって実行されるどんなアプリケーションにおいても、画像上に重ね合わせなければならない。これは、オリジナルのビデオ画像を常に取って代わる画像「パッチ」を生成することが必要であることを意味する。このパターンの生成を可能にする方法は、「常にオントップ」パラメータをイネーブルにする、「ポストイット」と呼ばれる小さなソフトウェアプログラムの方法に似ている。我々の出願では、「ポストイット」ソフトウェアプログラムと比較した主な違いは、この画像断片の位置が絶対的に固定され、移動が不可能でなければならないということである。パターンの高さは、好ましくはスクリーンのトップラインの左における一ラインだけであってもよい。
【0038】
Rin1およびRin0チャネルの同期は、このグラフィックパターンの認識に基づいている。当然、検出は、Rin2チャネルから抽出された同期情報に関連する時間窓において確認される。これは、グラフィックパターンが偶然見つけられる特定の画像内容に関連した望ましくない検出のリスクを防ぐ。
【0039】
認識パターンは、次の2つの条件を満たさなければならない。
− パターンは、単に画素をシフトすることによって再生成してはならない。すなわち、パターンは、周期性を含んではならない。換言すれば、パターンは、強い自己相関を有しなければならない。
− パターンは、別の画像部分との混同の可能性が非常にわずかであるように十分な画素を含まなければならない。検出をより安定的にするために、パターンの存在は、所定の期間の時間窓において確認される。容認されるスキューが数画素である場合には、窓は、パターンより十分に長い期間でなければならず、この場合には、かなり長いパターンで動作することが好ましい。
【0040】
パターンは、ある数の7ビットワードからなる。パターンが、多数のワードを含む場合には、パターンは、ワード当たり単一ビットの認識によって検出できるようにしてもよい。この場合には、所与のビットに関連する特定のシーケンスだけを検出することが可能になる。これは、パターンが非常に長い場合には、必要なレジスタの量、および結合論理学のサイズを単純化する。なぜなら、この場合には、ビット量が、過剰であるからである。
【0041】
図8は、認識パターンの識別に基づいて、基本画素の位相を検索する段の例示的な実施形態を提供する。この段は、Rin0チャネルにおいて適所に配置された段に対応する。当然、増幅段は、Rin1チャネル上のものと同一である。この段の機能の1つは、シフトレジスタ3031およびパターン検出モジュール3032をそれぞれが含む認識モジュール3030のセットによって、所与のビットに対応する、求められたシーケンスまたは「パターン」をビットのそれぞれにおいて見つけることである。言及したように、検出は、モジュール3033によって制御された時間窓においてのみ実行される。この実施形態において、かなり長いパターンに関しては、位相許容値が1を超える画素になり得るので、Rin2チャネルから生じるDE信号に対してワードの位相を前後に移動させるために、いくつかの7ビットレジスタを「バレルシフタ」機能に追加することが必要である。この位相変化は、DE信号とパターンの検出との間に経過する時間によって制御される。
【0042】
より短いパターンに関しては、「バイト境界アライメント」とも呼ばれる、シリアル信号のバイトアライメント用に用いられる設定など、より通常の設定を用いることが可能である。
【0043】
認識パターンの視覚効果は、それが画像のトップラインに限定されているので、非常に制限されている。ユーザがその存在に気づいていても、例えば「スクランブリング」とも呼ばれる擬似ランダム符号変換によって、パターンをノイズに変換しようとすることは必ずしも適切ではない。他方では、パターンが、曖昧さもなく明確に認識可能であり、したがって、ある長さであることが望ましい場合もある。数ラインにわたって延びるパターンを用いることさえも可能である。
【0044】
受信機が、適切なパターンを追加しなかったソースとさえも動作できることは非常に望ましい。これによって、例えば、短いケーブルを備えた標準的な手段において受信機を使用することが可能になる。また、メッセージが、Rin0およびRin1チャネルのどのビット上でも規則的に見つけられない場合に、ソースがそれを送信していないと結論を下すことが、確認後に可能である。この場合には、受信インタフェースは、スキューに対して通常の、ビット期間未満の許容値で、普通の「LVDS」受信機のモードに似たモードにおいて自動的に構成される。この「パターンのない」モードにおいて、Rin0およびRin1チャネルは、スキューがビット期間未満であるとの仮定のもとで、Rin2チャネル上で直接に位相制御される。このためには、Rin0およびRin1チャネルの「バレルシフタ」モジュールを、Rin2チャネルに関連して配置することで十分である。このモードにおいて、「SERDES」とマークされたデシリアライゼーションブロック、および「BitSampler」モジュールは、同一の方法で慎重に初期化されなければならない。クロックチャネルClkの位相が、絶対に重要でないことに留意されたい。それは、単にチャネル間の、カウントするスキューである。したがって、「重ね合わせたパターンのない」モードにおける普通の「LVDS」回路に比べて、クロックの送信とチャネルの送信との間の構造的差に起因し得る位相誤差が回避される。受信と同様に送信において、Rinチャネルは、同じ方法で処理され、その結果、集積回路に関連するスキューは最小化される。
【0045】
本発明による送信システムの利点は、以下のとおりである。
− 本発明を形成する装置を備えた受信機を用いれば、数ペアのラインを通じた「LVDS」送信は、「ペア間スキュー」の影響を受けない。
− 「スキュー」に関する許容値は、ケーブルの高周波損失を補償するために等化回路を追加することを可能にし、これによって、より大きな長さにわたる送信が可能になる。
− 受信機は、標準的な性能で、追加パターンのないソースとの互換性を維持する。
【0046】
装置の欠点は、ほどほどである。それには、実質的に次のものが含まれる。
− 信号をオーバーサンプリングするために、送信速度の5倍の周波数で動作できる電子回路を用いること。かかる構成要素の使用が、特別な問題を招かないことが分かった。
− 重ね合わされるパターンをソース画像に追加すること。このパターンは、そのインプリメンテーションおよびその視覚的外観の両方の観点から、わずかな影響を有する。
【符号の説明】
【0047】
1 送信インタフェース
2 送信ライン
3 受信インタフェース
10 増幅手段
11 符号化モジュール
30 増幅手段
31 符号化モジュール
32 位相ロックループ
33 フリップフロップ
300 増幅段モジュール
301 デシリアライゼーション段モジュール
302 基本ビット位相検索段モジュール
303 基本画素位相検索段モジュール
310 増幅段モジュール
311 デシリアライゼーション段モジュール
312 基本ビット位相検索段モジュール
313 基本画素位相検索段モジュール
320 増幅段モジュール
321 デシリアライゼーション段モジュール
322 基本ビット位相検索段モジュール
323 基本画素位相検索段モジュール
331 位相ロックループ
340 電子モジュール
3030 認識モジュール
3031 シフトレジスタ
3032 パターン検出モジュール
3033 モジュール
3210 シフトレジスタ
3212 記憶レジスタ
3221 記憶レジスタ
3222 索引付けおよび比較手段
3223 記憶レジスタ
3224 記憶レジスタ
Rin0 チャネル
Rin1 チャネル
Rin2 チャネル
R ビデオ信号
G ビデオ信号
B ビデオ信号
DE データイネーブル
VS 垂直同期
HS 水平同期

【特許請求の範囲】
【請求項1】
「LVDS」タイプのリンク用の「RGB」タイプのビデオデジタル画像の信号を送信および受信するためのシステムであって、システムが、少なくとも1つの送信モジュール(1)、送信リンク(2)、および受信モジュール(3)を含み、
前記「RGB」ビデオ信号が、送信画像の画素の色符号化に対応する3つの色信号(R、G、B)、3つの同期信号(SYNC)、および1つのクロック信号(CLK)を含み、
前記送信リンクを介して送信される前記「LVDS」ビデオ信号が、少なくとも4つの原信号(Rin0、Rin1、Rin2、CLK)を含み、各原信号が、それ専用の送信ケーブル上で送信され、前記第1の「LVDS」原信号が、前記クロック信号専用であり、前記第2の「LVDS」原信号が、前記同期情報を含み、少なくとも前記第3および前記第4の「LVDS」原信号が、前記色符号化情報だけを含み、
前記「LVDS」送信モジュールが、前記「RGB」ビデオ信号を「LVDS」ビデオ信号に符号化する機能を有し、前記受信モジュールが、前記「ライン」信号を「RGB」信号に復号化する機能を有し、
前記送信システムが、グラフィック認識パターンを前記「RGB」ビデオ信号にはめ込むことを可能にする手段を含むことと、
前記受信手段が、オーバーサンプリングにおいて、すなわち、前記クロック信号の周波数の整倍数であるサンプリング周波数において動作することと、
前記受信手段が、前記第2の「LVDS」原信号における同期情報、および前記グラフィック認識パターンを識別できるテスト手段(301、302、311、312、321、322)を含むことと、を特徴とするシステム。
【請求項2】
前記色信号が6ビットで符号化される場合に、前記送信リンクが4つの送信ケーブルを含むことと、前記色信号が8ビットで符号化される場合に、前記送信リンクが5つの送信ケーブルを含むことと、を特徴とする、請求項1に記載のビデオデジタル画像の信号を送信および受信するためのシステム。
【請求項3】
前記グラフィックパターンが、「ポストイット」タイプであり、すなわち、画像の一部に対応し、前記ビデオ画像の同じ位置に常に位置し、かつそれが取って代わるビデオ画像の最初の部分の上に常に重ね合わされることを特徴とする、請求項1に記載のビデオデジタル画像の信号を送信および受信するためのシステム。
【請求項4】
前記グラフィックパターンが、一ラインに制限された高さを有することを特徴とする、請求項3に記載のビデオデジタル画像の信号を送信および受信するためのシステム。
【請求項5】
前記グラフィックパターンが、非周期的であることを特徴とする、請求項3に記載のビデオデジタル画像の信号を送信および受信するためのシステム。
【請求項6】
前記サンプリング周波数が、前記クロック信号の周波数の5倍に等しいことを特徴とする、請求項1に記載のビデオデジタル画像の信号を送信および受信するためのシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−54924(P2012−54924A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−179681(P2011−179681)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(505157485)テールズ (231)
【Fターム(参考)】