説明

うつおよび不安の治療のための医薬組成物

チョウセンニンジンサポニン(Rg1+Rb1)、グリシルリジン酸およびナツメcAMPを含む、うつおよび不安を治療するための医薬組成物または機能性食品。うつおよび不安を治療するための好ましい薬剤である従来のパロキセチンおよびジアゼパムと比較して、本発明が顕著な抗うつ有効性および抗不安有効性を有することが実験から示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、うつおよび不安症の治療のための、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸ならびにナツメサイクリックサイクリックアデニル酸(ナツメcAMP)を含む原料から製造される医薬組成物または健康食品に関する。特に、本発明は、うつおよび不安症の治療のための医薬組成物または健康食品に関する;それは、明確な機能および成分、明白な治療効果、より小さな副作用および長期使用に対する高い安全性を有する。
【背景技術】
【0002】
精神障害は脳機能障害によって引き起こされ、罹患した個人は、意識、考え、感情、振る舞い、意志および知能等に異常を示す。精神障害は、社会で最も重大な負担をもたらす10の疾病の内4つを占めている。人々は現在、社会発展の過程において精神障害にますます多くの注意を払っている。医学界および社会全体は、精神障害を駆逐するための精神的な医薬を至急求めている。不安症およびうつは最も一般的な精神的な機能障害であり、抗不安薬および抗うつ薬は治療の主な方法である。
【0003】
不安症は、主として不安な感情として表れる精神的な疾病である。主な特徴は、自立神経障害、筋硬直および運動障害等の症候群とともに脱走または不安、緊張型分裂病および恐れなどのような継続的な不安な感情である。ジーグムント・フロイトが神経衰弱から不安症を分けて以来、世界中の学者は不安症に関する大規模研究を開始し、大量のデータを蓄積した。現代の医学研究によれば、不安症の病因には、精神的な解剖、神経伝達物質/変調器受容体および神経内分泌系における欠陥などを含まれる。
【0004】
現在の主流の抗不安薬はベンゾジアゼピンであり、そのメカニズムは、抑制性神経伝達物質ガンマ−アミノ酪酸(GABA)の活性を調節して、病徴を低減および軽減することである。しかしながら、ベンゾジアゼピンは、不眠、アレルギー、筋肉痛、弱さ、吐き気、運動障害、視力障害、疲労、障害および妄想等を含む多くの副作用を有する。
【0005】
うつは一般的な疾病である。世界保健機構(WHO)は、「世界中のうつの発生率は約11%である。現在、約3億4000万人の精神的うつ病患者が世界に存在し、その数は増加している。」と公表している。調査により、うつは、今後20年で、世界で第2の一般的な疾病になるまで増大するであろうことがわかっている。
【0006】
現在の主流な抗うつ薬はプロザック、パキシルおよびゾロフト等であり、これらは、選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)、セロトニン−ノルエピネフリン再吸収阻害剤(SNRI)、およびノルエピネフリンおよびドーパミン再吸収阻害剤(NDRI)に属し、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)、ノルエピネフリン(NE)およびドーパミン(DA)の取り込みを阻害する。これらの抗うつ薬の機能のメカニズムは、5−HTのようなヒト神経伝達物質の量を増加させて、うつの病徴を緩和することである。しかしながら、市販される抗うつ薬は異なるレベルで副作用を有しており、例えば、自殺率の増大、頭痛、めまい(giddiness)、めまい(vertigo)、不眠、過眠症、耳鳴り、渇望、拒食、欲動、体重増加、血上昇圧、腹痛、逆流吐き気、嘔吐、消化不良、下痢、便秘、下肢痛、発疹、動揺、痙攣、多汗症、浮腫、性欲および性的無能力等である。
【0007】
近年、プロザックなどのような抗うつ薬が重大な社会問題になっている。2004年、アメリカの食品医薬品局(FDA)はさらに、製薬会社に対して、製品ラベルにて明確に副作用を示すよう改訂し、市場における32の主要な抗うつ薬の指示において注意することを命じ、これらの調合薬が子供および青年の自殺率を増加させるかもしれないことを内科医および看護婦に強調した。しかしながら、治療の状態にあり、治療を望む多くのうつ患者が、現在の抗うつ薬の多くの副作用に耐えることを不安に思い、または耐えることができないために、その治療を中止または拒絶している。現在の状況に照らして、長期的使用におけるより少ない副作用、高い安全性を示し、より顕著/強力な抗うつ品質および抗不安品質を示す新世代の医薬の検索が、製薬の世界全体の注目の中心になっている。
【0008】
それ故、出願人は、先行技術が直面する上記の状況を解決することを試みた。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、うつおよび不安症の現在利用可能な治療法の不足を克服するために医薬組成物または健康食品を提供することである。医薬組成物または健康食品は、うつおよび不安症の治療のための、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸およびナツメcAMPを含む原料から製造される。特に、明確な機能および成分を提供する新規の技術的なスキーム、明白な治療効果、より少ない副作用および長期的な使用法のための高い安全性が提供される。
【0010】
本発明の医薬の解決スキームは、うつおよび不安症の治療のための現代医療に関する病理学的および薬理学の理論に従って発明者によって努力された結果である。チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメを含む3つの原料を使用するスキームは、不安を治療する現代的医薬の病理学的および薬理学の理論にもとづいて研究されてきた。特に、それは、過去の医薬標的研究と、近年のポスト受容体機構の開発とを統合する。チョウセンニンジンからのジンセノサイドにはアデニル酸シクラーゼ(AC)活性があり、cAMP合成を刺激し、および、cAMPホスホジエステラーゼ(CAPD)阻害活性があり、cAMP分解を低減する;カンゾウからのグリシルリジン酸(およびグリチルレチン酸)はCAPDの強い阻害剤である。ジンセノサイドRg1およびRb1ならびにグリシルリジン酸は、組み合わせられ、まとめて使用された場合、生物内において、それぞれcAMPおよびプロテインキナーゼA(PKA)の濃度および活性をさらに増大させる。cAMPの濃度および活性の増大は、(1)ノルエピネフリンなどのような神経伝達物質の合成および放出を増加させ、(2)脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現を増加させ、および(3)視床下部−脳下垂体−副腎(HPA)軸の活動過多およびグルココルチコイドの分泌を抑制して、顕著な抗うつ機能を達成する。PKAの濃度および活性の増加は、ニューロンにおけるGABAの阻害機能を拡大して、顕著な抗不安機能を達成することができる。さらに、外来的な加水分解できないcAMPであるナツメcAMPは、生物におけるcAMPの転移に関与し、酵素機能を装い、および生物におけるcAMPおよびPKAの発現を増加させ、抗うつ機能および抗不安機能を達成することができる。それ故、ジンセノサイドRg1およびRb1はグリシルリジン酸およびナツメcAMPと組み合わせられる;これらの原料は、集団的に本発明の抗うつ効果および抗不安効果をさらに増大するように作用すると予想される。チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメは漢方にて一般に使用される医薬用原料および食物であり、数千年間滋養医学食に使用されている。この長い臨床および食事の歴史において、チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメの併用の安全性および効果は十分に証明されている。発明者の研究および実験結果は、これらの3つの医薬原料が単に通常煮出され、抽出されて抽出物が得られる場合、現代技術の主要な抗うつ薬および抗不安薬と比較して、その抽出物には有意な抗うつ効果および抗不安効果がないことを示す。しかしながら、これらの3つの医薬原料の抽出物をさらに精製して、この発明に記述されるように、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸およびナツメcAMPを含む有効な成分などの濃度を増加させることで、顕著な抗うつ機能および抗不安機能を有する医薬組成物が得られる。実験結果から、うつおよび不安症の治療のための主流な医薬であるパロキセチンおよびジアゼパムと比較して、本発明にはそれぞれ有意な抗うつ効果および抗不安効果があることが示された。抽出および精製の後に3つの医薬原料に起因するデブリも収集され、動物実験にて試験した。デブリは微量のジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸ならびにナツメcAMPを含むものの、動物実験において顕著な抗うつ機能および抗不安機能は示さなかった。重要なことに、チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメの摂取は、現代技術の主要な抗うつ薬および抗不安薬の副作用を生じさせなかった。患者は、副作用に関する心配を必要とせず、医薬の療法を常に中止または拒絶することがないだろう。それ故、発明者は、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸ならびにナツメcAMPは、うつおよび不安症の治療のための医薬組成物または健康食品を製造するための原料であると提案する。特に、新規の技術的なスキームは、副作用なく、明確な機能および成分、長期的な使用法のための高い安全性を提供し、先行技術にて生じる欠点を実質的に改善する。
【0011】
グリチルレチン酸はグリシルリジン酸より高い脂溶解性を有し、容易に脳血液関門を通って脳に入ることができる。グリシルリジン酸は、ほぼ100%の効率で人体にてグリチルレチン酸に変換されるため、グリシルリジン酸によるCAPDの阻害は、身体におけるグリシルリジン酸からグリチルレチン酸への変換によって進行される。従って、グリシルリジン酸またはグリチルレチン酸は、本発明の医薬組成物を製造するための原料でありえる。
【0012】
本発明の一側面によると、少なくとも1つのうつおよび不安症の治療のための医薬組成物が提供される。医薬組成物は次のものを含む:ジンセノサイドRg1およびRb1;グリシルリジン酸、グリチルレチン酸およびそれらの組み合わせから成る群から選択されるグリチルリジン関連酸;およびナツメcAMP。
【0013】
好ましくは、医薬組成物は、2〜25重量部のジンセノサイド、3〜46重量部のグリチルリジン関連酸(glycyrrhizically related acid)および0.002〜0.4重量部のナツメcAMPを含む。
【0014】
好ましくは、医薬組成物は、4〜12重量部のジンセノサイド、5〜15重量部のグリチルリジン関連酸および0.01〜0.08重量部のナツメcAMPを含む。
【0015】
好ましくは、ジンセノサイドはチョウセンニンジンから抽出され、グリチルリジン関連酸はカンゾウから抽出され、およびナツメcAMPはナツメから抽出される。
【0016】
好ましくは、ナツメは、第1のナツメcAMP濃度を有する第1の抽出物を得るために抽出され、第1の抽出物は、さらに、第2のナツメcAMP濃度を有する第2の抽出物を得るために抽出され、第2のナツメcAMP濃度は第1のナツメcAMP濃度より高く、および第2の抽出物は医薬組成物における原料である。
【0017】
本発明の別の側面によると、少なくとも1つのうつおよび不安症の治療のための医薬組成物が提供される。医薬組成物は次のものを含む:ジンセノサイド;グリシルリジン酸、グリチルレチン酸およびそれらの組み合わせから成る群から選択される1つであるグリチルリジン関連酸。
【0018】
好ましくは、ジンセノサイドはRg1およびRb1を含む。
【0019】
好ましくは、医薬組成物は、2〜25重量部のジンセノサイドおよび3〜46重量部のグリチルリジン関連酸を含む。
【0020】
好ましくは、医薬組成物は、4〜12重量部のジンセノサイドおよび5〜15重量部のグリチルリジン関連酸を含む。
【0021】
本発明の別の側面によると、少なくとも1つのうつおよび不安症の治療のための医薬組成物が提供される。医薬組成物はチョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメを含む。
【0022】
好ましくは、医薬組成物は、4〜60重量部のチョウセンニンジン、2〜30重量部のカンゾウおよび2〜40重量部のナツメを含む。
【0023】
好ましくは、医薬組成物は、10〜28重量部のチョウセンニンジン、5〜14重量部のカンゾウおよび4〜18重量部のナツメを含む。
【0024】
本発明の別の側面によると、少なくとも1つのうつおよび不安症の治療のための医薬組成物が提供される。医薬組成物はチョウセンニンジンおよびカンゾウを含む。
【0025】
好ましくは、医薬組成物は4〜60重量部のチョウセンニンジンおよび2〜30重量部のカンゾウを含む。
【0026】
好ましくは、医薬組成物は10〜28重量部のチョウセンニンジンおよび5〜14重量部のカンゾウを含む。
【0027】
好ましくは、医薬組成物はさらに少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体および添加剤を含む。
【0028】
好ましくは、医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末、ピル、ダスト、溶液、マイクロカプセル、懸濁剤、エマルション、粒子、滴下ピルおよびロールから成る群から選択される剤形を有する。
【0029】
好ましくは、医薬組成物は、健康食品および栄養サプリメントの1つとして製造される。
【0030】
本発明の別の側面によると、少なくとも1つのうつおよび不安症の治療のための医薬組成物のナツメcAMPの製造方法が提供される。製造方法は、次の工程を含む:(a)ナツメを抽出して、第1のナツメcAMP濃度を有する第1の抽出物を得る;および(b)第1の抽出物を精製して、第2のナツメcAMP濃度を有する第2の抽出物を得る。第2のナツメcAMP濃度は第1のナツメcAMP濃度より高い。
【0031】
好ましくは、工程(b)はアルデヒド基に結合したマクロ孔質樹脂を用いた第1の抽出物のクロマトグラフィにより処理される。
【0032】
好ましくは、工程(b)は、さらに次の工程を含む:(b1)アルデヒド基に結合したOU−2マクロ孔質樹脂による第1の抽出物のクロマトグラフィ;および(b2)アルデヒド基に結合したME−2マクロ孔質樹脂による第1の抽出物のクロマトグラフィ。
【0033】
本発明の別の側面によると、ナツメcAMPを作製する方法が提供される。方法は、次の工程を含む:(a)ナツメを抽出して、第1の抽出物を得る;および、(b)結合したアルデヒド基を有するマクロ孔質樹脂による第1の抽出物のクロマトグラフィ。
【0034】
うつおよび不安症の治療のための本発明の明細書およびクレームにおいて記述された医薬組成物は、本発明の中核の内容を達成する。本発明が公表された後、当業者は、漢方に関する理論または現代の薬理学に関する理論に従って、上記の医薬と同一の効果/機能を有する薬草剤(オンジサポニン(onjisaponin)、サイコサポニン(saikosaponin)およびカンゾウ・クマリン等)のその他の有効な成分について、通常の増加/減少を行うことができ、または置換することができる。この通常の増加/減少、同様の機構を有する薬草剤、その他の同一のCAPD阻害剤、AC活性化剤または対応する有効成分の置換は、当業者の通常の技術的活動に属する。それ故、置換は本発明の保護する範囲にある。
【0035】
本発明の上記の目的および利点は、以下の詳細な記述および添付図面を見ることで、当業者にとってより容易に明確となるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の第1の好ましい実施態様に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の第2の好ましい実施態様に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の第3の好ましい実施態様に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の第4の好ましい実施態様に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の第5の好ましい実施態様に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の第6の好ましい実施態様に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートである。
【発明の詳細な説明】
【0037】
本発明は、現在、以下の実施態様に関連してより明確に記述されるだろう。本発明の好適な実施態様の以下の記述は、例証および記述のみの目的のためにここに示されることに留意される。それは、網羅または開示される正確な形態への限定との意図はない。
【0038】
本発明の目的を遂行するために、本発明の技術的なスキームは特に以下のように提供される。
【0039】
うつおよび不安症の治療のための医薬組成物が本発明にて開示され、医薬組成物はジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸およびナツメcAMPの原料を含めることにより製造される。
【0040】
例1:
うつおよび不安症の治療のための医薬組成物は、チョウセンニンジンおよびカンゾウを含む原料から製造される。
【0041】
例2:
うつおよび不安症の治療のための医薬組成物は、4〜60重量部のチョウセンニンジンおよび2〜30重量部のカンゾウを含む原料から製造される。
【0042】
例3:
うつおよび不安症の治療のための医薬組成物は、10〜28重量部のチョウセンニンジンおよび5〜14重量部のカンゾウを含む原料から製造される。
【0043】
例4:
うつおよび不安症の治療のための医薬組成物は、チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメを含む原料から製造される。
【0044】
例5:
うつおよび不安症の治療のための医薬組成物は、4〜60重量部のチョウセンニンジン、2〜30重量部のカンゾウおよび2〜40重量部のナツメを含む原料から製造される。
【0045】
例6:
うつおよび不安症の治療のための医薬組成物は、10〜28重量部のチョウセンニンジン、5〜14重量部のカンゾウおよび4〜18重量部のナツメを含む原料から製造される。
【0046】
例7:
うつおよび不安症の治療のための医薬組成物は、ジンセノサイドRg1およびRb1、およびグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)を含む原料から製造される。
【0047】
例8:
本発明の医薬組成物は、合計で2〜25重量部のジンセノサイドRg1およびRb1および3〜46重量部のグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)を含む原料から製造される。
【0048】
例9:
本発明の医薬組成物は、合計で4〜12重量部のジンセノサイドRg1およびRb1を含む原料および5〜15重量部のグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)から製造される。
【0049】
例10:
本発明の医薬組成物は、上記重量部のジンセノサイドRg1およびRb1を含むチョウセンニンジン抽出物、および上記重量部のグリシルリジン酸を含むカンゾウ抽出物を含む原料から製造される。
【0050】
例11:
本発明の医薬組成物は、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)およびナツメcAMPを含む原料から製造される。
【0051】
例12:
本発明の医薬組成物は、合計で2〜25重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、3〜46重量部のグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)および0.002〜0.4重量部のナツメcAMPを含む原料から製造される。
【0052】
例13:
本発明の医薬組成物は、合計で4〜12重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、および5〜15重量部のグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)および0.01〜0.08重量部のナツメcAMPを含む原料から製造される。
【0053】
例14:
本発明の医薬組成物は、上記重量部のジンセノサイドRg1およびRb1を含むチョウセンニンジン抽出物、上記重量部のグリシルリジン酸を含むカンゾウ抽出物および上記重量部のナツメcAMPを含むナツメ抽出物を含む原料から製造される。
【0054】
例15:
本発明の医薬組成物が提供され、ここにおいて、ナツメcAMPを有する原料は以下に記載の第2の抽出物である。第1に、ナツメは第1の抽出物を得るために抽出され、その後、第1の抽出物は第2の抽出物を得るためにさらに抽出され、ここにおいて、第2の抽出物のナツメcAMP濃度は第1の抽出物よりも高い。
【0055】
例16:
本発明の医薬組成物が提供され、ここにおいて、ナツメcAMPを含む原料の製造方法は、次の工程を含む:
(a)第1の抽出物を得るためにナツメを抽出すること;および
(b)第2の抽出物を得るために第1の抽出物を抽出すること、および、第2の抽出物のナツメcAMP濃度は第1の抽出物のそれよりも高い。
【0056】
例17:
上記の製造方法が提供され、ここにおいて、工程(b)は、アルデヒド基に結合したマクロ孔質樹脂を使用する第1の抽出物のナツメcAMPのクロマトグラフィ、吸収および分離により行われる。
【0057】
例18:
上記の製造方法が提供され、ここにおいて、工程(b)は、アルデヒド基に結合したOU−2マクロ孔質樹脂を使用する第1の抽出物のナツメcAMPのクロマトグラフィ、吸収および分離により行われる。
【0058】
例19:
上記の製造方法が提供され、ここにおいて、工程(b)は、さらに、アルデヒド基に結合したME−2マクロ孔質樹脂を使用する第1の抽出物のナツメcAMPのクロマトグラフィ、吸収および分離により行われる。
【0059】
例20:
本発明の医薬組成物は、医薬的に許容可能な担体、添加剤およびそれらの組み合わせを含み得る。
【0060】
例21:
本発明の医薬組成物は剤形として製造することができ、剤形は、錠剤、カプセル、粉末、ピル、ダスト、溶液、マイクロカプセル、懸濁剤、エマルション、粒子、滴下ピル、ロールおよび薬理学的経口医薬剤形から成る群から選択される。
【0061】
例22:
本発明の医薬組成物は、うつおよび不安症の治療のための医薬、健康食品および栄養サプリメントとして製造することができる。
【0062】
本発明の目的を遂行するために、医薬組成物の製造方法は以下のように記述される。
【0063】
方法1:
うつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物は、4〜60重量部のチョウセンニンジンおよび2〜30重量部のカンゾウの原料から製造され、その原料は抽出および精製され、ジンセノサイドRg1およびRb1並びにグリシルリジン酸を有する抽出物が得られる。
【0064】
方法2:
うつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物は、10〜28重量部のチョウセンニンジンおよび5〜14重量部のカンゾウを有する原料から製造され、その原料は抽出および精製され、ジンセノサイドRg1およびRb1ならびにグリシルリジン酸を有する抽出物が得られる。
【0065】
方法3:
うつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物は、4〜60重量部のチョウセンニンジン、2〜30重量部のカンゾウおよび2〜40重量部のナツメを有する原料から製造され、その原料は抽出および精製され、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸ならびにナツメcAMPを有する抽出物が得られる。
【0066】
方法4:
うつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物は、10〜28重量部のチョウセンニンジン、5〜14重量部のカンゾウおよび4〜18重量部のナツメを有する原料から製造され、その原料は抽出および精製され、ジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸ならびにナツメcAMPを有する抽出物が得られる。
【0067】
方法5:
うつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物は、チョウセンニンジンから抽出および精製されたジンセノサイドRg1およびRb1を有し、およびカンゾウから抽出および精製されたグリシルリジン酸を有する抽出物の原料から、またはジンセノサイドRg1およびRb1ならびにグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)を有する調製した原料から製造される。
【0068】
方法6:
本発明の医薬組成物は、合計で2〜25重量部のジンセノサイドRg1およびRb1ならびに3〜46重量部のグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)の原料から製造される。
【0069】
方法7:
本発明の医薬組成物は、合計で4〜12重量部のジンセノサイドRg1およびRb1ならびに5〜15重量部のグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)の原料から製造される。
【0070】
方法8:
うつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物は、チョウセンニンジンから抽出および精製されたジンセノサイドRg1およびRb1、カンゾウから抽出および精製されたグリシルリジン酸ならびにナツメから抽出および精製されたナツメcAMPを有する抽出物の原料から、またはジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)ならびにナツメcAMPを有する抽出物の調製した原料から製造される。
【0071】
方法9:
本発明の医薬組成物は、合計で2〜25重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、3〜46重量部のグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)ならびに0.002〜0.4重量部のナツメcAMPの原料から製造される。
【0072】
方法10:
本発明の医薬組成物は、合計で4〜12重量部のジンセノサイドRg1およびRb1、5〜15重量部のグリシルリジン酸(またはグリチルレチン酸)および0.01〜0.08重量部のナツメcAMPの原料から製造される。
【0073】
方法11:
本発明の医薬組成物が提供されるが、ここにおいて、ナツメcAMPの原料を含む原料の製造方法は以下の工程を含む:
(a)ナツメを抽出し、第1の抽出物を得ること;および
(b)前記第1の抽出物を精製して第2の抽出物を取得すること、ここにおいて前記第2の抽出物のナツメcAMP濃度は前記第1の抽出物のそれよりも高い。
【0074】
方法12:
上記製造方法が提供され、ここにおいて、工程(b)は、アルデヒド基に結合したマクロ孔質樹脂を使用する第1の抽出物のナツメcAMPのクロマトグラフィ、吸収および分離により行われる。
【0075】
方法13:
上記製造方法が提供され、ここにおいて、アルデヒド基に結合したOU−2マクロ孔質樹脂を使用する第1の抽出物のナツメcAMPのクロマトグラフィ、吸収および分離により行われる。
【0076】
方法14:
上記製造方法が提供され、ここにおいて、アルデヒド基に結合したME−2マクロ孔質樹脂を使用する第1の抽出物のナツメcAMPのクロマトグラフィ、吸収および分離により行われる。
【0077】
方法15:
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体、添加物およびそれらの混合物を含む。
【0078】
方法16:
本発明の医薬組成物は、剤形として製造されてよく、当該剤形は、錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬、ロールおよび薬学的な経口剤形のうちのいずれか一から選択される。
【0079】
方法17:
本発明の医薬組成物は、Good Manufacturing Practice (GMP)医薬基準および健康食品生産/製造基準の方法にしたがって、うつおよび不安症の治療のための薬剤、健康食品および栄養サプリメントとして製造されてよい。
【0080】
[好ましい実施形態]
以下のとおり、図および好ましい実施形態を組み合わせることにより、本発明をさらに説明する。
【0081】
実施形態1:
図1は、本発明の第1の好ましい実施形態に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートを示す。図1では、20kgのチョウセンニンジン(101)を破砕した後、破砕したチョウセンニンジンを加熱して、70%のエタノール溶液で抽出する。抽出したチョウセンニンジンを、カラム・クロマトグラフィにて分離および精製し、乾燥し、120gのジンセノサイドRg1およびRb1を有する0.8kgのチョウセンニンジン抽出物を得る(102)。さらに、10kgのカンゾウ(103)を破砕した後、破砕したカンゾウを12時間室温で浸す。浸したカンゾウを、煎出およびアルコール沈降により抽出し、濃縮しおよび乾燥し、200gのグリシルリジン酸を有する2kgのカンゾウ抽出物を得る(104)。その後、得られた150gのチョウセンニンジン抽出物および得られた200gのカンゾウ抽出物を粉砕して混合し、本発明の350gの医薬組成物(22.5gのジンセノサイドRg1およびRb1、および20gのグリシルリジン酸を含む)を得る(105)。
【0082】
実施形態2
図2は、本発明の第2の好ましい実施形態に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートを示す。図2では、96%の純度を有する調製された3.96gのグリチルレチン酸(202)および実施形態1にて得られた200gのチョウセンニンジン抽出物(201)を破砕して混合した後、203.96gの本発明の医薬組成物(30gのジンセノサイドRg1およびRb1、および3.8gのグリチルレチン酸を含む)を得る(203)。
【0083】
実施形態3:
図3は、本発明の第3の好ましい実施形態に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートを示す。図3では、90%の純度を有する3.4gの調製したジンセノサイドRg1(301)、90%の純度を有する7.8gの調製したジンセノサイドRb1(302)および90%の純度を有する36.8gのグリシルリジン酸(303)を破砕して混合した後、48gの本発明の医薬組成物(10gのジンセノサイドRg1およびRb1、および35gのグリシルリジン酸を含む)を得る(304)。
【0084】
実施形態4:
図4は、本発明の第4の好ましい実施形態に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートを示す。図4では、10kgのナツメ(401)を破砕して、室温で水に浸し、その後、浸したナツメを、煎出およびアルコール沈降によって抽出して、ナツメ抽出物を取得し、さらに、OU−2およびME−2のマクロ孔質樹脂にて連続的に吸収および分離し、乾燥する。0.3gのナツメcAMPを含む30gのナツメ抽出物が得られ、本発明の医薬を製造するための原料とされる(402)。
【0085】
その後、実施形態1にて得られた150gのチョウセンニンジン抽出物および200gのカンゾウ抽出物を破砕して、3gの上記ナツメ抽出物と混合し、353gの本発明の医薬組成物(22.5gのジンセノサイドRg1およびRb1、20gのグリシルリジン酸および0.03gのナツメcAMPを含む)を得る(403)。
【0086】
実施形態5:
図5は、本発明の第5の好ましい実施形態に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートを示す。図5では、それぞれ実施形態1にて得られた150gのチョウセンニンジン抽出物(501)および200gのカンゾウ抽出物(502)を破砕し、実施形態4にて得られた0.5gのナツメ抽出物(503)と混合した後、350.5gの本発明の医薬組成物(22.5gのジンセノサイドRg1およびRb1、20gのグリシルリジン酸および0.005gのナツメcAMPを含む)を得る(504)。
【0087】
実施形態6:
図6は、本発明の第6の好ましい実施形態に関する医薬組成物の製造方法を示すフローチャートを示す。図6では、90%の純度を有する6.8gの調製したジンセノサイドRg1(601)、90%の純度を有する15.6gの調製したジンセノサイドRb1(602)、96%の純度を有する26gのグリチルレチン酸(603)および実施形態4にて得られた10gのナツメ抽出物(604)を破砕し混合した後、58.4gの本発明の医薬組成物(20gのジンセノサイドRg1およびRb1、25gのグリチルレチン酸および0.1gのナツメcAMPを含む)を得る(605)。
【0088】
実験1:マウス尾つり下げ実験における実施形態1の影響
1.1 実験動物:ICRマウス(オス、体重22.0±2g、二代目(secondary))は、首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。
【0089】
1.2 実験医薬:実施形態1の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され、パロキセチン(パキシル)はZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品である。
【0090】
1.3 実験装置:ストップウォッチ。
【0091】
1.4 用量設計:1.高用量の実施形態1(80mg/kg/d);2.中用量の実施形態1(40mg/kg/d);および3.低用量の実施形態1(20mg/kg/d)。
【0092】
1.5 実験方法および結果:
1.5.1 群の分割および薬剤の投与:マウスを、それぞれの群に10匹を含むようにランダムにグループ分けする。1.高用量の実施形態1(80mg/kg、経口当たり(P.O.)、7日間投与);2.中用量の実施形態1(40mg/kg、P.O.、7日間投与);3.低用量の実施形態1(20mg/kg、P.O.、7日間投与);4.パロキセチン(3mg/kg、P.O.、7日間投与);および5.生理食塩水(P.O.)。薬剤の最後の投与から1時間後、マウス尾つり下げ実験を開始する。
【0093】
1.5.2 実験方法: マウスの尾(尾の末端1cm)を木製小板上に対してプラットフォームより5cm高い位置で貼り付け、6分間吊るす。最後の5分間のマウスの非運動の時間を記録する。
【0094】
1.5.3 統計計算:実験データを、
【数1】

【0095】
として表し、実験結果を、分散分析(ANOVA)としてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0096】
1.5.4 実験結果: 表1を参照されたい。
【表1】

【0097】
結論:上記実験によると、高および中用量の本発明の実施形態1およびパロキセチンのいずれも、生理食塩水群(コントロール)と有意に異なって、マウスの尾のつり下げ後の非運動の時間を減少させたことが分かる。したがって、本発明の実施形態1が抗実験的うつ機能を有すると推定できる。
【0098】
実験2:Resetpine誘導型マウス体温低下実験における実施形態1の影響
2.1実験動物:ICRマウス(オス、体重22.0±2g、二代目)は、首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。
【0099】
2.2 実験医薬:実施形態1の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され、パロキセチン(パキシル)はZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品であり、ResetpineはGuangdong BangMin Pharmaceutical Co., Ltd.の製品である。
【0100】
2.3 実験装置:電子式温度計(モデル:GM222)およびストップウォッチ。
【0101】
2.4 用量設計:1.高用量の実施形態1(80mg/kg/d);2.中用量の実施形態1(40mg/kg/d);および3.低用量の実施形態1(20mg/kg/d)。
【0102】
2.5 実験方法および結果:
2.5.1 群の分割および薬剤の投与:マウスを、それぞれの群に10匹を含むようにランダムにグループ分けする。1.高用量の実施形態1(80mg/kg、P.O.、7日間投与);2.中用量の実施形態1(40mg/kg、P.O.、7日間投与);3.低用量の実施形態1(20mg/kg、P.O.、7日間投与);4.パロキセチン(3mg/kg、P.O.、7日間投与);および5.生理食塩水(P.O.)。
【0103】
2.5.2 実験方法:8日目において薬剤の最後の投与の1時間後に、マウスの肛門の温度を測定する。その後、体重の1キログラム当たり2mgのResetpineを腹腔内の注射で投与する。Resetpineの注射から4時間後、マウスの肛門温度を再び測定する。マウスの肛門に温度計を注入する深さおよび時間は、各々の温度測定において同一とする。
【0104】
2.5.3 統計計算:実験データを、
【数2】

【0105】
として表し、実験結果を、ANOVAとしてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0106】
2.5.4 実験結果:表2を参照されたい。
【表2】

【0107】
結論:上記実験によると、高、中および低用量の本発明の実施形態1並びにパロキセチンのいずれも、Resetpineによって誘導される体温の低下を低減することがわかり、このことは、これらの抗実験的うつ機能は、モノアミン神経伝達物質の量に関連し、影響することを意味する。したがって、本発明の実施形態1が抗実験的うつ機能を有すると推定できる。
【0108】
実験3:マウス明暗遷移実験における実施形態1の影響
3.1 実験動物:Kunming(KM)マウス(オス、体重24〜26g、二代目)は、首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。
【0109】
3.2 実験医薬:実施形態1の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され、ジアゼパムはTianjin Jinhuei Amino Acid Co. Ltd.の製品である。
【0110】
3.3 実験装置:自製の明暗遷移チャンバー.
3.4 用量設計:1.高用量の実施形態1(80mg/kg/d);2.中用量の実施形態1(40mg/kg/d);および3.低用量の実施形態1(20mg/kg/d)。
【0111】
3.5 実験方法および結果:
3.5.1 群の分割および薬剤の投与:マウスをランダムに5つの群に分ける。各々の群には10匹のマウスが存在する。1.高用量の実施形態1(80mg/kg);2.中用量の実施形態1(40mg/kg);3.低用量の実施形態1(20mg/kg);4.ジアゼパム(2.5mg/kg);および5.生理食塩水(生理食塩水(NS))。一日に一度、マウスの胃に薬剤を与え、マウスは連続的に7日間投与を受ける。投与の期間において、マウスは自由に摂食可能とし、実験は、8日目において薬剤の最後の投与の1時間後に開始する。
【0112】
3.5.2 実験方法:
マウス明暗遷移実験:暗チャンバーは明暗遷移チャンバー(44cm×21cm×21cm)の3分の1を占め、上部は覆われている。明チャンバーは、その3分の2を占め、明るく照らされている。2つチャンバー間のドアはマウスの通行のために並べられている。試験の開始時、マウスは明チャンバーの中心に置かれる。マウスの背中は暗チャンバーに面するようにする。10分以内にマウスが暗チャンバーに入り明チャンバーに戻る回数を決定し、その回数を薬剤の抗不安機能を評価するための指標とする。
【0113】
3.5.3 統計計算:実験データを、
【数3】

【0114】
として表し、実験結果を、一元配置分散分析(one−way ANOVA)としてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0115】
3.5.4 実験結果: 表3を参照されたい。
【表3】

【0116】
3.6 説明:本実験で採用する明暗遷移試験は、マウスが生来的に明るい光を嫌うこと、およびその新しい環境に対する自発的な探索行動に基づき構築される。ヒトにおける不安を治療するための臨床医薬(ジアゼパム)および実施形態1は、このモデルにおけるマウスの自発的な探索行動を増大させる機能の改善との間で優れた相関を有する。上記実験によると、本発明の高、中および低用量の実施形態1ならびにジアゼパムのいずれも、マウスが暗チャンバーから明チャンバーへと通過する回数を有意に増加させ、生理食塩水と比較して統計的な意味を有することを見出すことができる。当該実験結果により、実施形態1が抗不安効果を有することが明らかになった。
【0117】
3.7 結論:上記の実験結果によると、本発明の高、中および低用量の実施形態1ならびにジアゼパムのいずれも、マウスが暗チャンバーから明チャンバーへ通過する回数を増加させることを示す。当該結果は、実施形態1が抗不安効果を有することを示す。
【0118】
実験4:マウス尾つり下げ実験における実施形態2の影響
4.1 実験動物: ICRマウス(オス、体重22.0±2g、二代目)は、首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。
【0119】
4.2 実験医薬:実施形態2の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され、パロキセチン(パキシル)はZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品である。
【0120】
4.3 実験装置:ストップウォッチ.
4.4 用量設計:1.高用量の実施形態2(80mg/kg/d);2.中用量の実施形態2(40mg/kg/d);および3.低用量の実施形態2(20mg/kg/d)。
【0121】
4.5 実験方法および結果:
4.5.1 群の分割および薬剤の投与:マウスを、それぞれの群に10匹を含むようにランダムにグループ分けする。1.高用量の実施形態2(80mg/kg、P.O.、7日間投与);2.中用量の実施形態2(40mg/kg、P.O.、7日間投与);3.低用量の実施形態2(20mg/kg、P.O.、7日間投与);4.パロキセチン(3mg/kg、P.O.、7日間投与);および5.生理食塩水(P.O.)。薬剤の最後の投与から1時間後、マウス尾つり下げ実験を開始する。
【0122】
4.5.2 実験方法:マウスの尾(尾の末端1cm)を木製小板上に対してプラットフォームより5cm高い位置で貼り付け、6分間吊るす。最後の5分間のマウスの非運動の時間を記録する。
【0123】
4.5.3 統計計算:実験データを、
【数4】

【0124】
として表し、実験結果を、ANOVAとしてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0125】
4.5.4 実験結果:表4を参照されたい。
【表4】

【0126】
結論:上記実験によると、中用量の本発明の実施形態2およびパロキセチンのいずれも、生理食塩水群(コントロール)と有意に異なって、マウスの尾のつり下げ後の非運動の時間を減少させることが分かる。したがって、本発明の実施形態2が抗実験的うつ機能を有すると推定できる。
【0127】
実験5:Resetpine誘導型マウス体温低下実験における実施形態2の影響
5.1 実験動物:ICRマウス(オス、体重22.0±2g、二代目)は、首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。
【0128】
5.2 実験医薬:実施形態2の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され、パロキセチン(パキシル)はZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品であり、ResetpineはGuangdong BangMin Pharmaceutical Co., Ltd.の製品である。
【0129】
5.3 実験装置:電子式温度計(モデル:GM222)およびストップウォッチ。
【0130】
5.4 用量設計:1.高用量の実施形態2(80mg/kg/d);2.中用量の実施形態2(40mg/kg/d);および3.低用量の実施形態2(20mg/kg/d)。
【0131】
5.5 実験方法および結果:
5.5.1 群の分割および薬剤の投与:マウスを、それぞれの群に10匹を含むようにランダムにグループ分けする。1.高用量の実施形態2(80mg/kg、P.O.、7日間投与);2.中用量の実施形態2(40mg/kg、P.O.、7日間投与);3.低用量の実施形態2(20mg/kg、P.O.、7日間投与);4.パロキセチン(3mg/kg、P.O.、7日間投与);および5.生理食塩水(P.O.)。
【0132】
5.5.2 実験方法:8日目において薬剤の最後の投与の1時間後に、マウスの肛門の温度を測定する。その後、体重1キログラム当たり2mgのResetpineを腹腔内注射にて投与する。Resetpineの注射から4時間後、マウスの肛門温度を再び測定する。マウスの肛門に温度計を注入する深さおよび時間は、各々の温度測定において同一とする。
【0133】
5.5.3 統計計算:実験データを、
【数5】

【0134】
として表し、実験結果を、ANOVAとしてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0135】
5.5.4 実験結果: 表5を参照されたい。
【表5】

【0136】
結論:上記実験によると、中用量の本発明の実施形態1およびパロキセチンは全て、Resetpineによって誘導される体温の低下を低減することがわかり、このことは、これらの抗実験的うつ機能は、モノアミン神経伝達物質の量に関連し、影響することを意味する。したがって、本発明の実施形態2が抗実験的うつ機能を有すると推定できる。
【0137】
実験6:マウス尾つり下げ実験における実施形態3の影響
6.1 実験動物:ICRマウス(オス、体重22.0±2g、二代目)は、首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。
【0138】
6.2 実験医薬:実施形態3の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され、パロキセチン(パキシル)はZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品である。
【0139】
6.3 実験装置:ストップウォッチ.
6.4 用量設計:1.高用量の実施形態3(80mg/kg/d);2.中用量の実施形態3(40mg/kg/d);および3.低用量の実施形態3(20mg/kg/d)。
【0140】
6.5 実験方法および結果:
6.5.1 群の分割および薬剤の投与:マウスを、それぞれの群に10匹を含むようにランダムにグループ分けする。1.高用量の実施形態3(80mg/kg、P.O.、7日間投与);2.中用量の実施形態3(40mg/kg、P.O.、7日間投与);3.低用量の実施形態3(20mg/kg、P.O.、7日間投与);4.パロキセチン(3mg/kg、P.O.、7日間投与);および5.生理食塩水(P.O.)。薬剤の最後の投与から1時間後、マウス尾つり下げ実験を続行する。
【0141】
6.5.2 実験方法:マウスの尾(尾の末端1cm)を木製小板上に対してプラットフォームより5cm高い位置で貼り付け、6分間吊るす。最後の5分間のマウスの非運動の時間を記録する。
【0142】
6.5.3 統計計算:実験データを、
【数6】

【0143】
として表し、実験結果を、ANOVAとしてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0144】
6.5.4 実験結果:表6を参照されたい。
【表6】

【0145】
結論:上記実験によると、高および中用量の本発明の実施形態3およびパロキセチンのいずれも、生理食塩水群(コントロール)と有意に異なって、マウスの尾のつり下げ後の非運動の時間を減少させることが分かる。したがって、本発明の実施形態3が抗実験的うつ機能を有すると推定できる。
【0146】
実験7:Resetpine誘導型マウス体温低下実験における実施形態3の影響
7.1 実験動物: ICRマウス(オス、体重22.0±2g、二代目)は、首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。
【0147】
7.2 実験医薬:実施形態3の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され、パロキセチン(パキシル)はZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品であり、ResetpineはGuangdong BangMin Pharmaceutical Co., Ltd.の製品である。
【0148】
7.3 実験装置:電子式温度計(モデル:GM222)およびストップウォッチ。
【0149】
7.4 用量設計:1.高用量の実施形態3(80mg/kg/d);2.中用量の実施形態3(40mg/kg/d);および3.低用量の実施形態3(20mg/kg/d)。
【0150】
7.5 実験方法および結果:
7.5.1 群の分割および薬剤の投与:マウスを、それぞれの群に10匹を含むようにランダムにグループ分けする。1.高用量の実施形態3(80mg/kg、P.O.、7日間投与);2.中用量の実施形態3(40mg/kg、P.O.、7日間投与);3.低用量の実施形態3(20mg/kg、P.O.、7日間投与);4.パロキセチン(3mg/kg、P.O.、7日間投与);および5.生理食塩水(P.O.)。
【0151】
7.5.2 実験方法:8日目における薬剤の最後の投与の1時間後に、マウスの肛門の温度を測定する。その後、体重1キログラム当たり2mgのResetpineを腹腔内注射にて投与する。Resetpineの注射から4時間後、マウスの肛門温度を再び測定する。マウスの肛門に温度計を注入する深さおよび時間は、各々の温度測定において同一とする。
【0152】
7.5.3 統計計算:実験データを、
【数7】

【0153】
として表し、実験結果を、ANOVAとしてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0154】
7.5.4 実験結果:表7を参照されたい。
【表7】

【0155】
結論:上記実験によると、高、中および低用量の本発明の実施形態3並びにパロキセチンのいずれも、Resetpineによって誘導される体温の低下を低減することがわかり、このことは、これらの抗実験的うつ機能は、モノアミン神経伝達物質の量に関連し、影響することを意味する。したがって、本発明の実施形態3が抗実験的うつ機能を有すると推定できる。
【0156】
実験8:マウス嗅球傷害実験における実施形態4の影響
8.1 実験動物:
嗅球傷害モデル:Health Wistarオスラット(二代目、体重330±20g)は、Beijing Vital River Experimental Animal Technology Ltd. Co.から購入する(品質証明番号:SCXK (JING) 2002−2003)。
【0157】
8.2 試薬および医薬:実施形態4の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され(Lot: 060313)、パロキセチンはZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品である(Lot: 04050011)。上記医薬は、胃への給餌のために、0.5%のナトリウム・カルボキシメチルセルロース(CMC−Na)とともに用意される。注射のためのベンジルペニシリン・ナトリウムは、North China Pharmaceutical Huasheng Co. Ltd.の製品(Lot:S0511204)であり、ノルエピネフリン(NE)および5−ヒドロトリプタミン(5−HT)標準はSigma Co.の製品である。その他の試薬は全て市販品である。
【0158】
8.3 装置:自製オープンフィールド活動ボックス、ステップスルーボックス、ラット定位装置、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、および10−チューブγ放射線免疫加算器(mode:DFM−96)。
【0159】
8.4 実験方法:
8.4.1 群の分割および薬剤の投与:ラットをランダムに6つの群に分ける。1.偽治療群;2.モデル群(コントロール);3.高用量の実施形態4(60mg/kg/d);4.中用量の実施形態4(30mg/kg/d);5.低用量の実施形態4(15mg/kg/d);および6.パロキセチン(2mg/kg/d)。試験薬剤および陽性薬剤は、一日に一度の胃への供給のために0.5%のCMC−Naとともに用意する。
【0160】
8.4.2 モデルの製造方法:抱水クロラールによってラットに麻酔をかける。麻酔後、ラットの泉門の正中線を、大泉門の1cm前から大泉門の1cm後ろまで切り、頭蓋骨を露出させる。2mmの直径を有する頭蓋骨窓を、大泉門の8mm前から正中線の2側面の2mmにて開ける。特別に作製した電気はんだごてを頭蓋骨に垂直に2秒間挿入し、嗅球を破壊する。止血スポンジを頭蓋骨窓に詰め、皮膚を縫合する。療法後、体重の1キログラム当たりの40,000ユニットのベンジルペニシリン・ナトリウムを4日間毎日腹腔内注射し、試験医薬を24日間続けて投与する。
【0161】
8.5 観察指標:
8.5.1 オープンフィールド活動実験:オープンフィールド活動ボックス(1m×1m×0.4m)を、水色の合板およびアルミニウム合金フレームによって構築する。ボックスの底を25格子(各々の格子につき20cm×20cm)に分離し、周囲は周辺格子(16格子)とし、他を中央格子(9格子)とする。ラットは中央格子の中心に置き、ラットの格子横断数(3爪を超えて隣接する格子を横断する数)およびラットの立ち上がり数(2つの前肢が1cmを超えて地面を離れる)を3分間計算/観察する。
【0162】
8.5.2 受動的回避実験(ステップスルー試験):ステップスルーボックスは明チャンバーおよび暗チャンバーによって形成され、マウスの出入りのために明チャンバーと暗チャンバーとの間はチャネルで繋がっている。暗チャンバーの仕切りは感電装置に接続されており、モバイルプレートがその間にセットされる。ラットが暗チャンバーに入った場合、ラットは電気的に衝撃を受ける。トレーニングの間、ラットは明チャンバーに置かれ、その後、5分間適応のために穴に戻る。その後、プレートが除去され、ラットをさらに5分間観察する。ラットが初めて入る時間を記録し(感電潜伏期間)、その時間は習得記録である。24時間後、試験を繰り返す。プレートを除去し、暗チャンバーに5分間通電し、ラットが初めて暗チャンバーに入る時間を観察する。その時間は記憶記録である。
【0163】
8.6 統計計算:実験データを、
【数8】

【0164】
として表し、実験結果を、ANOVAとしてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0165】
8.7 実験結果:
8.7.1 オープンフィールド活動実験の結果:表8を参照されたい。
【表8】

【0166】
8.7.2 ステップスルー試験の結果:表9を参照されたい。
【表9】

【0167】
結論:実験8の結果は、高用量の実施形態4は、嗅球傷害によって引き起こされるラットの水平および垂直運動の増大を明らかに改善することができ、中用量の実施形態4もまた、ラット嗅球傷害モデルによって引き起こされる垂直運動の増大に対して、改善する機能を明確に有することがわかる。さらに、高および中用量の実施形態4は、嗅球傷害によって引き起こされるラットの学習および記憶の減少に対して、明確に改善する効果を有する。
【0168】
実験9:予測不能長期刺激実験における実施形態4の影響
9.1 実験動物:
予測不能長期刺激モデル:Health Wistarオスラット(二代目、体重240〜270g)は、Beijing Vital River Experimental Animal Technology Ltd. Co.から購入する(品質証明番号:SCXK (JING) 2002−2003)。
【0169】
9.2 試薬および医薬:実施形態4の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され(Lot: 060313)、パロキセチンはZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品である(Lot: 04050011)。上記医薬は、胃への給餌のために0.5%のナトリウム・カルボキシメチルセルロース(CMC−Na)とともに用意される。注射のためのベンジルペニシリン・ナトリウムは、North China Pharmaceutical Huasheng Co. Ltd.の製品(Lot:S0511204)であり、ノルエピネフリン(NE)および5−ヒドロトリプタミン(5−HT)標準はSigma Co.の製品である。その他の試薬は全て市販品である。
【0170】
9.3 装置:自製オープンフィールド活動ボックス、ステップスルーボックス、ラット定位装置、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、および10−チューブγ放射線免疫加算器(mode:DFM−96)。
【0171】
9.4 実験方法:
9.4.1 群の分割および薬剤の投与:ラットをランダムに6つの群に分ける。1.偽治療群;2.モデル群(コントロール);3.高用量の実施形態4(60mg/kg/d);4.中用量の実施形態4(30mg/kg/d);5.低用量の実施形態4(15mg/kg/d);および6.パロキセチン(2mg/kg/d)。試験薬剤および陽性薬剤は、一日に一度の胃への供給のために0.5%のCMC−Naとともに用意する。
【0172】
9.4.2 モデルの製造方法:
予測不能長期刺激モデル:コントロール群のラットは通常通り給餌され、刺激は与えられない。その他の5群では、1匹のラットは各々のケージにて給餌され、ラットは24日間の予測不能ストレス/刺激を受ける。これには、3回の24時間の禁欲、3回の24時間の禁飲水、3回の24時間の湿性の就寝(200mlの水をラットのケージに添加する)、3回の一晩中の照明、3回の5分間4℃でのスイミング、3回の5分間の45℃のオーブンによる加熱、3回の1分間のラットの尾を吊るすこと、および3回の30分間の高速の水平振動を含む。1つの刺激は毎日任意に行なわれ、合わせて24日間行われる。各々の刺激は連続的に行なうことはできない。医薬を、一日一度、全部で24日、ラットの胃に与える。
【0173】
9.5 観察指標:
9.5.1 オープンフィールド活動実験:上記と同じ。
【0174】
9.5.2 受動的回避実験:上記と同じ。
【0175】
9.5.3 強制試験によるラットのスイミング:この実験は、薬剤の最後の投与の2日後に開始する。初日において、15分間予め実験が行なわれる。ガラスタンクの温度は25℃であり、水の深さは25cmである。24時間後、正式の実験を開始する。薬剤の投与の1時間後、ラットをタンクに入れ、最後5分間のラットの非運動の時間を記録する。
【0176】
9.5.4 体重測定:それぞれの動物実験の前後の増加値を比較する。
【0177】
9.5.5 スクロース摂取量の試験:ラットのスクロース摂取量が比較される。各々の群におけるラットは、1時間1%のスクロースを飲む。飲んだ量は、刺激の前および刺激の3週間後に決定する。ラットを14時間禁欲および禁水にさせた後、1%のスクロースをケージに置き、当初の飲料水と取り替える。ラットがスクロースを1時間飲んだ前後のボトル重量の差を測定して記録し、それぞれの時間のスクロース摂取量を算出する。各々の時間のスクロース摂取量の差を比較する。
【0178】
9.5.6 HPLC電気化学試験:ラット大脳皮質におけるノルエピネフリンおよび5−ヒドロトリプタミンの量を測定する。
【0179】
9.6 統計計算:実験データを、
【数9】

【0180】
として表し、実験結果を、ANOVAとしてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0181】
9.7 実験結果:
9.7.1 スクロース摂取量試験:表10を参照されたい。
【表10】

【0182】
9.7.2 ラット体重増大の結果:表11を参照されたい。
【表11】

【0183】
9.7.3 強制によるラットスイミングの非運動の時間:表12を参照されたい。
【表12】

【0184】
9.7.4 オープンフィールド活動実験の結果:表13を参照されたい。
【表13】

【0185】
9.7.5 ラット受動的回避実験の結果:表14を参照されたい。
【表14】

【0186】
9.7.6 ラット大脳皮質のNEおよび5−HT含有量の結果:表15を参照されたい。
【表15】

【0187】
結論:実験9の結果は以下のように示される。中および低用量の実施形態4は、予測不能長期ストレス/刺激におけるスクロース摂取量減少および体重減少を明確に改善することができる。高、中および低用量の実施形態4はいずれも、強制試験によるラットのスイミングにおける非運動の時間を明確に増大させる。高用量の実施形態4は、予測不能長期ストレス/刺激によって引き起こされるラット水平および垂直運動の減少を明確に改善することができる。低用量の実施形態4は、さらに、予測不能長期ストレス/刺激によって引き起こされるラット垂直運動の減少に対して、明確に改善された機能を有する。低用量の実施形態4は、予測不能長期ストレス/刺激によって引き起こされるラット学習能力に対して、改善された機能を有する。高、中および低用量の実施形態4は何れも、ラット大脳皮質のNEおよび5HT含有量を明確に増大させる。
【0188】
実験10:マウス明暗遷移実験における実施形態4の影響
10.1 実験動物:Kunming(KM)マウス(オス、体重24〜26g、二代目)は首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。
【0189】
10.2 実験医薬:実施形態4の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され、ジアゼパムはTianjin Jinhuei Amino Acid Co. Ltd.の製品である。
【0190】
10.3 実験装置:自製明暗遷移ボックス。
【0191】
10.4 用量設計:1.高用量の実施形態4(80mg/kg/d);2.中用量の実施形態4(40mg/kg/d);および3.低用量の実施形態4(20mg/kg/d)。
【0192】
10.5 実験方法および結果:
10.5.1 群の分割および薬剤の投与:マウスは、各群10匹となるように、5つの群にランダムに分ける。1.高用量の実施形態4(80mg/kg);2.中用量の実施形態4(40mg/kg);3.低用量の実施形態4(20mg/kg);4.ジアゼパム(2.5mg/kg);および5.生理食塩水(生理食塩水(NS))。薬剤をマウスの胃に一日一度与え、7日間連続で投与する。投与の期間、マウスは自由に摂食させ、8日目において薬剤の最後の投与の1時間後に実験を開始する。
【0193】
10.5.2 実験方法:
マウス明暗遷移実験:暗チャンバーは明暗遷移チャンバー(44cm×21cm×21cm)の3分の1を占め、上部が覆われる。明チャンバーはその3分の2を占め、明るく照らされる。2つのチャンバー間のドアはマウスの通行のために配置される。実験の開始時において、マウスは明チャンバーの中心に置かれ、マウスの背中は暗チャンバーに向けられる。10分以内にマウスが暗チャンバーに入り明チャンバーに戻る回数を決定し、その回数は、薬剤の抗不安機能を評価するための指標となる。
【0194】
10.5.3 統計計算:実験データを、
【数10】

【0195】
として表し、実験結果を、一元配置分散分析としてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0196】
10.5.4 実験結果:表16を参照されたい。
【表16】

【0197】
10.6 説明:本実験で採用する明暗遷移試験は、マウスが生来的に明るい光を嫌うこと、およびその新しい環境に対する自発的な探索行動に基づき構築される。ヒトにおける不安を治療するための臨床医薬(ジアゼパム)および実施形態4は、マウスモデルにおける自発的な探索行動を増大させる機能の改善との間で優れた相関を有する。上記実験によると、本発明の高、中および低用量の実施形態4ならびにジアゼパムのいずれも、マウスが暗チャンバーから明チャンバーへと通過する回数を有意に増加させ、生理食塩水と比較して統計的な意味を有することを見出すことができる。当該実験結果により、実施形態4が抗不安効果を有することが明らかになった。
【0198】
10.7 結論:上記の実験結果によると、本発明の高、中および低用量の実施形態4ならびにジアゼパムのいずれも、マウスが暗チャンバーから明チャンバーへ通過する回数を有意に増加させることを示す。当該結果は、実施形態4が抗不安効果を有することを示す。
【0199】
実験11:マウス尾つり下げ実験における実施形態5の影響
11.1 実験医薬:実施形態5の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され(パイロット誇張製品)、パロキセチンはZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品である(Lot:05070384)。上記医薬は、胃への給餌のために、生理食塩水にて用意される。
【0200】
11.2 実験動物:ICRマウス(オス、体重20.0±1g、二代目)は、首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。マウスの品質保証番号はSCXK(JING)2006−2008である。
【0201】
11.3 実験装置:ストップウォッチ。
【0202】
11.4 方法:70匹のマウスを、5つの群にランダムに分ける:生理食塩水(NS)群、パロキセチン(3mg/kg/d)、高用量の実施形態5(80mg/kg/d)、中用量の実施形態5(40mg/kg/d)、および低用量の実施形態5(20mg/kg/d)。医薬を一日一度マウスの胃に与える。8日目において薬剤の最後の投与の1時間後に、マウスの尾(末端から1cm)をオープンボックスにおいて水平の支柱に貼り付ける。マウスは逆さにされ吊るされた状態となる。マウスの頭部は、オープンボックスの底から約10cm離れており、マウスは6分間掛けられる。最後の5分のマウスの非運動の時間を記録する。
【0203】
11.5 統計計算:実験データを、
【数11】

【0204】
として表し、実験結果を、一元配置分散分析としてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0205】
11.6 実験結果:尾つり下げ実験におけるマウスの非運動の時間の結果:表17を参照されたい。
【表17】

【0206】
結論:高、中および低用量の実施形態5並びに臨床的に有効な抗うつ薬であるパロキセチンの何れも、吊るされたマウスの尾の累積非運動の時間を明確に減少する。このことは、本発明の実施形態5が抗実験的うつ能力を有することを示す。
【0207】
実験12:強制実験によるマウスのスイミングにおける実施形態5の影響
12.1 実験医薬:実施形態5の医薬はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.から提供され(パイロット誇張製品)、パロキセチンはZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品である(Lot: 05070384)。上記医薬は、胃への給餌のために生理食塩水にて用意される。
【0208】
12.2 実験動物:ICRマウス(オス、体重20.0±1g、二代目)は首都医科大学実験動物科学部(北京)から入手される。マウスの品質保証番号はSCXK (JING) 2006−2008である。
【0209】
12.3 実験装置:ストップウォッチ。
【0210】
12.4 実験方法:マウス群および薬剤投与はマウス尾つり下げ実験と同一である。各々の群における試験マウスは、薬剤投与の1時間後に実験を開始する。マウスは、実験の前および8日目に、15分間泳ぐよう訓練する。24時間後、実験を開始する。マウスを、10cmの水深、14cmの直径を有するガラスタンク中の25℃の水に入れる。最後の5分間のマウスの累積非運動の時間を記録する。
【0211】
12.5 統計計算:実験データを、
【数12】

【0212】
として表し、実験結果を、一元配置分散分析としてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0213】
12.6 実験結果:強制によるマウスのスイミングの結果:表18を参照されたい。
【表18】

【0214】
結論:研究結果は、高、中および低用量の実施形態5並びに臨床的に有効な抗うつ薬であるパロキセチンの何れも、強制試験によるマウスのスイミングの累積非運動の時間を明確に減少させることを示す。このことは、本発明の実施形態5が抗実験的うつ能力を有することを示す。
【0215】
実験13:
実施形態1および実施形態4から抽出される9kgの残るチョウセンニンジンデブリおよび7kgの残るカンゾウデブリを回収し、乾燥し、粉砕しおよび十分混合して、微量のジンセノサイドRg1およびRb1、グリシルリジン酸並びにナツメcAMPを含むデブリ混合物を得る。マウス尾つり下げ実験における影響のコントロール実験を開始する。
【0216】
13.1 実験動物:ICRマウス(オス、体重22.0±2g、二代目)は首都医科大学実験動物科学部(北京)から提供される。
【0217】
13.2 実験医薬:デブリ混合物はBeijing Wonner Biotech. Ltd. Co.により提供され、パロキセチン(パキシル)はZhong Mei Tianjin Smith Kline pharmaceuticals Co. Ltd.の製品である。
【0218】
13.3 実験装置:ストップウォッチ.
13.4 用量設計:1.高用量のデブリ混合物(160mg/kg/d);2.中用量のデブリ混合物(80mg/kg/d);および3.低用量のデブリ混合物(40mg/kg/d)。
【0219】
13.5 実験方法および結果:
13.5.1 群の分割および薬剤の投与:マウスを、それぞれの群に10匹を含むようにランダムにグループ分けする。1.高用量のデブリ混合物(160mg/kg、P.O.、7日間投与);2.中用量のデブリ混合物(80mg/kg、P.O.、7日間投与);3.低用量のデブリ混合物(40mg/kg、P.O.、7日間投与);4.パロキセチン(3mg/kg、P.O.、7日間投与);および5.生理食塩水(P.O.)。薬剤の最後の投与から1時間後、マウス尾つり下げ実験を続行する。
【0220】
13.5.2 実験方法:マウスの尾(尾の末端1cm)を木製小板上に対してプラットフォームより5cm高い位置で貼り付け、6分間吊るす。最後の5分間のマウスの非運動の時間を記録する。
【0221】
13.5.3 統計計算:実験データを、
【数13】

【0222】
として表し、実験結果を、ANOVAとしてSPSS 11.5統計ソフトウェアにより計算する。
【0223】
13.5.4 実験結果:表19を参照されたい。
【表19】

【0224】
結論:上記実験によると、高、中および低用量のデブリ混合物は尾が吊るされるマウスの非運動の時間を短くすることができるものの、これらの3つの群には生理食塩水(コントロール)に対して有意性がないことがわかる。したがって、抗実験的うつ機能のないデブリ混合物を推定することができる。
【0225】
産業上の有用性:
うつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物の適用範囲は以下に存する:
1.開示されるうつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される添加物を含んでよい;
2.開示されるうつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物は、既知の剤形、例えば、粉末、カプセル、錠剤などとして製造されてよい;および
3.開示されるうつおよび不安症の治療のための本発明の医薬組成物は、うつおよび不安症の治療のための健康食品として製造されてもよい。
【0226】
現在何が最も実用的かつ好ましい実施形態かという観点から、本発明について説明したが、当該開示される実施形態に限られる必要はないと解されるものとする。反対に、添付の特許請求の範囲の精神および範囲に含まれる種々の修正および同様の配置を含むものとし、これらは最も広範な範囲の解釈と一致し、前記修正および同様の構成のすべてを包含するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チョウセンニンジンおよびカンゾウを含む、うつおよび不安症の治療のための医薬組成物。
【請求項2】
4〜60重量部の前記チョウセンニンジンおよび2〜30重量部の前記カンゾウを含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
10〜28重量部の前記チョウセンニンジンおよび5〜14重量部の前記カンゾウを含む請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体および添加剤をさらに含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬およびロールから成る群から選択される剤形を有する請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
栄養食品およびサプリメントの1つとして製造された請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
チョウセンニンジン、カンゾウおよびナツメを含む、うつおよび不安症の治療のための医薬組成物。
【請求項8】
4〜60重量部の前記チョウセンニンジン、2〜30重量部の前記カンゾウおよび2〜40重量部の前記ナツメを含む請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
10〜28重量部の前記チョウセンニンジン、5〜14重量部の前記カンゾウおよび4〜18重量部の前記ナツメを含む請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体および添加剤をさらに含む請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項11】
錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬およびロールから成る群から選択される剤形を有する請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項12】
栄養食品およびサプリメントの1つとして製造された請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項13】
以下を含む、うつおよび不安症の治療のための医薬組成物:
Rg1およびRb1を有するジンセノサイド;および
グリシルリジン酸、グリチルレチン酸およびそれらの組み合わせから成る群から選択される1つであるグリチルリジン関連酸。
【請求項14】
2〜25重量部の前記Rg1および前記Rb1を有する前記ジンセノサイドおよび3〜46重量部の前記グリチルリジン関連酸を含む請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
4〜12重量部の前記Rg1および前記Rb1を有する前記ジンセノサイドおよび5〜15重量部の前記グリチルリジン関連酸を含む請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
請求項13に記載の医薬組成物であって、ここにおいて、前記ジンセノサイドは、ジンセノサイドRg1およびRb1を有するチョウセンニンジン抽出物であって、前記グリチルリジン関連酸は、前記グリシルリジン酸を有するカンゾウ抽出物である医薬組成物。
【請求項17】
少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体および添加剤をさらに含む請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項18】
錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬およびロールから成る群から選択される剤形を有する請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項19】
栄養食品およびサプリメントの1つとして製造された請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項20】
以下を含む、うつおよび不安症の治療のための医薬組成物:
Rg1およびRb1を有するジンセノサイド;
グリシルリジン酸、グリチルレチン酸およびそれらの組み合わせから成る群から選択される1つであるグリチルリジン関連酸;および
ナツメサイクリックアデニル酸(ナツメcAMP)。
【請求項21】
2〜25重量部の前記Rg1および前記Rb1を有する前記ジンセノサイド、3〜46重量部の前記グリチルリジン関連酸および0.002〜0.4重量部の前記ナツメcAMPを含む請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
4〜12重量部の前記Rg1および前記Rb1を有する前記ジンセノサイド、5〜15重量部の前記グリチルリジン関連酸および0.01〜0.08重量部の前記ナツメcAMPを含む請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
請求項20に記載の医薬組成物であって、ここにおいて前記ジンセノサイドはジンセノサイドRg1およびRb1を有するチョウセンニンジン抽出物であって、前記グリチルリジン関連酸は前記グリシルリジン酸を有するカンゾウ抽出物であって、および前記ナツメcAMPは前記ナツメcAMPを有するナツメ抽出物である医薬組成物。
【請求項24】
請求項20に記載の医薬組成物であって、前記ナツメcAMPを含む原料が、まずナツメを抽出して第1の抽出物を取得し、その後前記第1の抽出物を精製することによって得られた第2の抽出物であり、前記第2の抽出物のナツメcAMP濃度が前記第1の抽出物のそれよりも高い医薬組成物。
【請求項25】
少なくとも1つの医薬的に許容可能な担体および添加剤をさらに含む請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項26】
錠剤、カプセル、粉末、丸剤、微粉、溶液、マイクロカプセル、懸濁液、エマルション、粒子、滴下薬およびロールから成る群から選択される剤形を有する請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項27】
栄養食品およびサプリメントの1つとして製造された請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項28】
不安症を治療するための医薬組成物の製造方法であって、
前記医薬組成物は、ナツメサイクリックアデニル酸(ナツメcAMP)を含み、
前記製造方法は、以下の工程を含む方法:
(a)ナツメを抽出し、第1の抽出物を得ること;および
(b)前記第1の抽出物を精製し、第2の抽出物を得ること、
ここにおいて、前記第2の抽出物のナツメcAMP濃度は、前記第1の抽出物のそれよりも高い。
【請求項29】
前記工程(b)が、アルデヒド基に結合したマクロ孔質樹脂によって前記第1の抽出物の前記ナツメcAMPをクロマトグラフに供することで行われる、請求項28に記載の製造方法。
【請求項30】
前記工程(b)が、アルデヒド基に結合したOU−2マクロ孔質樹脂によって前記第1の抽出物の前記ナツメcAMPをクロマトグラフに供することで行われる、請求項29に記載の製造方法。
【請求項31】
前記工程(b)が、さらに、アルデヒド基に結合したME−2マクロ孔質樹脂によって前記第1の抽出物の前記ナツメcAMPをクロマトグラフに供することで行われる、請求項30に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−504884(P2011−504884A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535189(P2010−535189)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【国際出願番号】PCT/CN2007/003386
【国際公開番号】WO2009/070915
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(507318093)
【出願人】(507317395)
【上記1名の代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
【Fターム(参考)】