説明

かしめ装置およびかしめ方法

【課題】小スペースでのかしめが可能であるとともに,高荷重を受けることが可能なかしめ装置およびかしめ方法を提供すること。
【解決手段】機械かしめ装置のかしめ型2は,断面が略U字状に開口した形状である固定型21と,固定型21によって形成された溝210内を上下方向に摺動する可動型22とによって構成される。また,固定型21は,開口部に位置する鍔部213がL字状のフック部31と係合することにより,かしめユニット3に保持される。そして,固定型21によって形成された溝210内に端子114を配置し,さらにその端子114がコイル端102を保持するように配置する。そして,可動型22が溝210の底に向かって移動し,端子114およびコイル端102に荷重をかけて両者がかしめられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,複数の部材をかしめて繋ぎ合わせるかしめ装置およびかしめ方法に関する。さらに詳細には,小スペースでのかしめが可能であるとともに,高荷重を受けることが可能なかしめ装置およびかしめ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,低公害等の観点からハイブリッド自動車,電気自動車等が注目されている。ハイブリッド自動車等に搭載される車両駆動用モータでは,カセットコイルを利用した集中巻モータが提案されている。カセットコイルを利用した集中巻モータは,分布巻モータと比較して,作業者の熟練度に左右されない,品質のばらつきが少ない等の利点がある。
【0003】
カセットコイルを利用したモータでは,導線をコイルボビンに巻き付けてカセットコイルを形成し,そのカセットコイルをステータコアに組み付ける。そして,コイルの端部をバスバーの端子とともに機械的にかしめて繋ぎ合わせる。ここでいう「バスバー」は,カセットコイル間を電気的につなぎ合わせるための導電材であり,図2乃至図3に示すようにバスバーモジュール113としてステータコア11に備えられている。
【0004】
導線を機械的にかしめる機械かしめ装置には種々のタイプがあり,例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1は,油圧式の圧着工具に関するものであり,圧着型(かしめ型)が左右に開く構造を有するものである。特許文献2は,導電端子の圧着用の歯型に関するものであり,歯型(かしめ型)の形状を規定している。
【特許文献1】特開平8−11066号公報
【特許文献2】実開昭61−48681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,前記した従来の機械かしめ装置には,次のような問題があった。すなわち,カセットコイルのコイル端と繋ぎ合わせるバスバーの端子114は,図2乃至図3に示したように,ステータコア11の上面にカセットコイル10の幅に合わせて取り出されており,隣り合う端子114,114間の距離は非常に狭い。具体的に,ハイブリッド自動車等に搭載される車両駆動用モータでは,端子114,114間の距離がおよそ14mmである。また,カセットコイルのコネクタ13もバスバーモジュール113に隣接配置される。そのため,かしめを行うスペースについての制約が大きい。
【0006】
また,車両駆動用モータでは,かしめ部分の引張強度が数百N以上なくてはならない。そのため,機械かしめ装置のかしめ型は,圧着時の数千Nの高荷重に耐える必要があり,機械的強度を得るためにはある程度の肉厚が必要となる。その結果,かしめ型が端子114,114間の隙間に入ることが困難になる。よって,かしめ部分のコンパクト化と,高荷重によるかしめとを両立できない。
【0007】
特許文献1に開示されたような左右に開く構造を有する圧着型では,左右方向に開くためのスペースが必要になる。また,このような圧着型は,左右方向に荷重を受ける。そのため,圧着型の左右方向の厚みを大きくする必要がある。その結果,バスバー間のスペースに圧着型が入り込めなくなる。また,特許文献2では,圧着型の内側面の形状について記載されているが,高荷重を受ける構造については記載されていない。
【0008】
本発明は,前記した従来のかしめ装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,小スペースでのかしめが可能であるとともに,高荷重を受けることが可能なかしめ装置およびかしめ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題の解決を目的としてなされたかしめ装置は,固定型と,その固定型に対して接離可能な可動型とを備え,固定型と可動型との間で第1部材および第2部材を挟み,荷重をかけて第1部材および第2部材をかしめ,両者を繋ぎ合わせるかしめ装置であって,固定型は,平行配置された一対のガイド部と,そのガイド部の一方の端部同士を連結し,第1部材および第2部材を支持する支持部と,ガイド部の他方の端部に連結し,装置本体と係合する鍔部とを有し,ガイド部によって挟まれた領域内に第1部材および第2部材を配置し,可動型がガイド部によって挟まれた領域内を移動し,可動型にて荷重をかけて第1部材および第2部材をかしめ,鍔部が可動型による荷重を受けることを特徴としている。
【0010】
また,本発明のかしめ方法は,第1部材および第2部材をかしめ,両者を繋ぎ合わせるかしめ方法であって,平行配置された一対のガイド部と,ガイド部の一方の端部同士を連結する支持部とを有する固定型のガイド部間に挟まれた領域内に第1部材および第2部材を配置し,ガイド部によって挟まれた領域内に可動型を移動させ,可動型が荷重をかけて第1部材および第2部材をかしめ,前記可動型による荷重を,ガイド部の他方の端部に連結する鍔部にて受けることを特徴としている。
【0011】
本発明のかしめ装置の固定型は,可動型の移動方向に沿って平行配置された一対のガイド部と,そのガイド部の一方の端部同士を連結し,第1部材および第2部材を支持する支持部とによって断面略U字状に開口した形状をなしている。また,かしめ装置の可動型は,ガイド部によって挟まれた領域内を移動するように設けられている。そして,かしめ装置は,ガイド部によって挟まれた領域内に第1部材および第2部材を配置し,可動型が荷重をかけて第1部材および第2部材をかしめ,両者を繋ぎ合わせる。第1部材および第2部材としては,線材とその保持部材(例えば,導線とその圧着端子)が好適である。本発明のかしめ装置では,固定型によって囲まれたスペース内で,可動型を固定型のガイド部に沿って移動させることでかしめを行う。そして,このガイド部を上下方向に配設することで,可動型が上下方向に押圧する構造とすることができる。そのため,かしめ型の左右方向の肉厚を薄くすることができる。さらに,かしめ型が左右に開く構造を回避できる。そのため,小スペースでかしめを行うことができる。
【0012】
また,固定型は,ガイド部の他方の端部に,装置本体と係合する鍔部を有している。そして,固定型は,可動型からの荷重を,支持部およびガイド部を介して鍔部で受ける構造をなしている。すなわち,固定型のガイド部は,可動型のガイド機能と荷重の伝達機能とを兼ねる。これにより,本発明のかしめ装置は,かしめを行う部分よりも,可動型の移動方向の上流側で一部の荷重を受ける構造になっている。
【0013】
このように構成することで,荷重を受ける部分(鍔部およびその周辺,以下,「被荷重部」とする)とかしめを行う部分(支持部およびその周辺,以下,「かしめ部」とする)とを離すことができる。すなわち,かしめ部から離れたところで荷重を受けることができる。よって,かしめ部がコンパクトなまま,高荷重でかしめを行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば,かしめ部のコンパクト化と,高荷重によるかしめとを両立することができる。よって,小スペースでのかしめが可能であるとともに,高荷重を受けることが可能なかしめ装置およびかしめ方法が実現されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお,本実施の形態は,車両駆動用モータに利用されるカセットコイルのコイル端とバスバーモジュールの端子とを機械的にかしめる機械かしめ装置に本発明を適用したものである。
【0016】
まず,カセットコイルおよびカセットコイルを装着したステータの構成例について簡単に説明する。図1は,カセットコイルの外観を示す斜視図である。図2は,ステータコアの外観を示す斜視図である。そして,図3は,カセットコイルをステータコアに装着した状態の外観を示す斜視図である。
【0017】
カセットコイル10は,図1に示すように,コイルボビン101に導線102を巻装してコイルを形成したものである。導線102は,単線であってもペア線であってもよい。コイルボビン101は,導線102が巻装される断面矩形の筒体104と,筒体104の両端に位置する一対の鍔部105,106とを有している。コイルボビン101および鍔部105,106は,絶縁性を有する材料からなり,例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)が適用可能である。
【0018】
カセットコイル10は,筒体104内の貫通孔109からステータコア11のティース111に嵌め込まれることでステータコア11に装着される(図2,図3参照)。また,カセットコイル10は,ステータコア11に装着された際に,鍔部105がステータコアの外径側に,鍔部106が内径側になるように配置される。すなわち,鍔部106がロータと対向するように配置される。
【0019】
また,導線102の巻き始め部分であるコイル端102aおよび巻き終わり部分であるコイル端102bは,鍔部105から取り出されている。そして,鍔部105は両コイル端を非接触で把持している。
【0020】
ステータコア11は,図2に示すように,円環状であり,内側にティース111およびスロット112を有している。さらに,ステータコア11の上面には,カセットコイル10が装着された際に,カセットコイル10,10間を電気的に接続するためのバスバーモジュール113が付設されている。バスバーモジュール113からは,コイル端102aあるいはコイル端102bと電気的に接続するための端子114が上方に取り出されている。
【0021】
カセットコイル10は,図3に示すように,ステータコア11に組み付けられる。具体的には,ステータコア11のティース111にカセットコイル10が挿し込まれる。そして,カセットコイル10のコイル端102a,102bがそれぞれバスバーモジュール113の端子114とかしめられて接続される。さらに,カセットコイル10,10間を絶縁するために,絶縁紙(インシュレータ)12がカセットコイル10,10間に配設される。このように構成されたステータの中心に,ロータを配置することにより集中巻モータが構成される。
【0022】
続いて,機械かしめ装置について説明する。図4は,機械かしめ装置の外観を示す正面視図である。図5は,機械かしめ装置の外観を示す側面視図である。図6は,機械かしめ装置の外観を示す上面視図である。
【0023】
本形態の機械かしめ装置100は,かしめ型2と,かしめ型2をワーク1(カセットコイル10が装着されたステータコア11)に対して圧接・離間させるかしめユニット3と,ワーク1を支持する回転テーブル4と,かしめユニット3を保持するとともに回転テーブル4に向けて移動可能に設けられた移動ユニット5とを備えている。なお,かしめユニット3,回転テーブル4,および移動ユニット5については一般的なものであり,詳細な説明および図面は省略する。
【0024】
かしめ型2は,図7に示すように,断面が略U字状に開口した形状である固定型21と,断面が棒形状であり,固定型21によって形成された溝210内を上下方向に摺動する可動型22とによって構成される。すなわち,かしめ型2は,可動型22が固定型21内に収容される構成になっている。また,かしめ型2は,かしめユニット3によって保持される。
【0025】
固定型21は,厚さが7.5mmで幅が14mmの底部211と,底部211の両端から上方に平行に延出し,厚さが3.5mmで高さが41mmの側壁部212と,両側壁部212の頂上から互いに離れる向きに直角に延出し,幅が7mmで厚さが17mmの鍔部213とによって構成される。底部211は,カセットコイルのコイル端およびバスバーモジュールの端子を支持する。側壁部212は,可動型22をガイドする機能を有している。また,側壁部212の厚さは3.5mmであり,バスバーモジュールの端子114,114間の隙間に余裕をもって入り込める。鍔部213は,可動型22の移動方向と直交する方向に突起し,かしめユニット3の先端部に設けられたL字状のフック部31と係合している。これにより,固定型21は,かしめユニット3に保持される。また,鍔部213は,可動型22からの荷重を受ける。そのため,他の部位と比較して肉厚が厚い。
【0026】
可動型22は,幅が3.5mmの胴体部221を備えている。そして,固定型21の底部211と対向する先端部には,2つのアーチ部が対象に形成された圧接面222が設けられている。可動型22は,固定型21の底部211および側壁部212によって形成された溝210内を側壁部212に沿って,すなわち上下方向に摺動可能となるようにかしめユニット3に保持される。
【0027】
具体的にかしめ型2は,図8(a)に示すように,固定型21によって形成された溝210内にバスバーモジュールの端子114を配置し,さらにその端子114がカセットコイルのコイル端102を保持するように配置する。そして,図8(b)に示すように,可動型22が溝210の底に向かって移動し,所定の荷重(6000N以上)をかけて端子114およびコイル端102を押圧する。これにより,両者がかしめられる。すなわち,上下方向(図5のY方向)に押圧してかしめられる。
【0028】
本形態の機械かしめ装置100では,かしめ処理中,可動型22からの荷重を固定型21の側壁部212を介して鍔部213および固定型21を支持するフック部31が受ける構造になる。すなわち,図9に示すように,かしめ部23と被荷重部24とが離れた構造になっている。そのため,かしめ部23から離れたところで可動部22からの荷重を受けることができ,かしめ部23のコンパクト化が図られる。よって,隣り合う端子114やコネクタ13等によるスペースの制約が緩和される。一方,被荷重部24は,かしめ部から離れた所にある。そのため,スペースの制約を受けることなく,機械的強度の強化を図ることができる。よって,6000N以上の高荷重でかしめを行うことができる。
【0029】
かしめユニット3は,かしめ型2を保持するとともに,可動型22を固定型21に対して圧接させることで荷重をかけるものである。かしめユニット3は,図7に示したように,かしめ型2の固定型21を把持するL字形状のフック部31を備えている。そのほか,図中では省略されているが,かしめ型2の可動型22を上下方向(図5のY方向)に可動するための,すなわち荷重をかけるための油圧シリンダや,可動型22の高さ方向の位置を検知する変位センサ等を備えている。
【0030】
回転テーブル4は,図4乃至図6に示すように,ワーク1を支持するものである。ワーク1は,回転テーブル4の中心に設置される。また,回転テーブル4は,回転することにより,ワーク1の周方向の位置決めが可能になっている。
【0031】
移動ユニット5は,図4乃至図6に示すように,かしめユニット3を支持するとともに,かしめユニット3を横方向(図5のX方向)あるいは上下方向(図5のY方向)に移動させるものである。移動ユニット5の側面には,かしめユニット3を上下方向に移動させるためのレール51が設けられている。また,機械かしめ装置100の基台に設けられたレール52によって,移動ユニット5が横方向に移動可能になっている。これにより,かしめユニット3の位置決め,すなわちかしめ型2の横方向あるいは上下方向の位置決めが可能になっている。
【0032】
本形態の機械かしめ装置100は,次の手順でかしめ処理を行う。まず,ワーク1(カセットコイル10が装着されたステータコア11)を用意し,そのワーク1を回転テーブル4上にセットする。そして,回転テーブル4を回転させ,バスバーモジュールの端子114が所定の位置となるように位置決めする。
【0033】
次に,かしめユニット3を上下左右に移動させ,かしめ型2をバスバーモジュールの端子114に近づける。このとき,かしめ型2の固定型21と可動型22とは離間状態にあり,固定型21と可動型22との間には空隙がある。そして,かしめ型2の空隙に,カセットコイル10のコイル端102およびバスバーモジュールの端子114を挿入する。すなわち,固定型21の底部211と可動型22の端部222との間に,コイル端102および端子114を挟み込む(図8(a)参照)。
【0034】
次に,可動型22にて荷重をかけ,コイル端102および端子114を押圧しつつかしめる(図8(b))。このとき,固定型21の側壁部212が可動型22をガイドする。可動かしめ型22の移動中,バスバーモジュールの端子114が可動かしめ型24の圧接面222に当たる。その後,圧接面222の形状に沿ってバスバーモジュールの端子114が押し曲げられる。そして,最終的には,バスバーモジュールの端子114がコイル端102を取り囲むように押し曲げられ,カセットコイルのコイル端102とバスバーモジュールの端子114とが機械的にかしめられる。これにより,コイル端102と端子114とが繋ぎ合わせられる。
【0035】
かしめ処理を終えたら,可動型22の荷重を解放し,可動型22を固定型21から離間させる。その後,かしめユニット3を移動させ,かしめ型2をかしめ終えたバスバーモジュールの端子114から離間させる。そして,回転テーブル4を回転させ,次にかしめるバスバーモジュールの端子114を所定の位置に移動させる。その後,その端子114のかしめを行う。以降,端子114の数だけ繰り返す。これにより,機械かしめ装置100によってバスバーモジュールのすべての端子114がかしめられる。
【0036】
以上詳細に説明したように本形態のかしめ型2は,断面略U字状に開口した形状をなす固定型21と,その固定型21の側壁部212間を移動する可動部22とを有することとしている。そして,かしめ装置100は,可動型22と固定型21とによって囲まれた領域内にコイル端102およびバスバーモジュールの端子114を挟み,荷重をかけて両者をかしめて繋ぎ合わせることとしている。すなわち,本形態のかしめ型2は,コイル端102および端子114を上下方向に押圧する構造となっている。そのため,かしめ型2の左右方向の肉厚は薄い。また,かしめ型2は,固定型21によって形成された溝210内でかしめを行うことから,かしめ型2が左右方向に開くことはない。そのため,カセットコイル10に対応するバスバーモジュールの端子114のように,スペースの制約が厳しいところであってもかしめを行うことができる。
【0037】
また,固定型21は,その開口部に可動型22による荷重を受ける鍔部213を有することとしている。すなわち,固定型21は,かしめが行われる底部211からの荷重を,側壁部212を介して鍔部213で受ける構成になっている。この構成では,荷重を受ける被荷重部24がかしめを行うかしめ部23よりも可動型22の移動方向において上流側に位置し,被荷重部24とかしめ部23とが離れた所に位置する。すなわち,かしめ部23から離れたところで可動型22からの荷重を受けることができる。そのため,かしめ部23がコンパクトなまま,高荷重でかしめを行うことができ,所望の引張強度が得られる。よって,小スペースでのかしめが可能であるとともに,高荷重を受けることが可能なかしめ装置およびかしめ方法が実現している。
【0038】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,本実施の形態では,機械的にかしめる機械かしめ装置に本発明を適用しているが,これに限るものではない。すなわち,加圧しながら通電加熱することにより圧着端子等をかしめる通電かしめ装置に本発明を適用してもよい。
【0039】
また,本実施の形態では,車両駆動用モータについて検査を行っているが,これに限るものではない。すなわち,家電製品用モータの検査に本発明を適用してもよい。
【0040】
また,本実施の形態では,カセットコイルのコイル端とバスバーモジュールの端子とをかしめているが,これに限るものではない。例えば,モータ全般の結線部であってもよい。また,単なるワイヤと金具をかしめる場合であっても本発明を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】カセットコイルの概略構成を示す図である。
【図2】ステータの概略構成を示す図である。
【図3】カセットコイルを装着したステータの概略構成を示す図である。
【図4】実施の形態にかかる機械かしめ装置の全体構成(正面視)を示す概略図である。
【図5】実施の形態にかかる機械かしめ装置の全体構成(側面視)を示す概略図である。
【図6】実施の形態にかかる機械かしめ装置の全体構成(上面視)を示す概略図である。
【図7】かしめ型の概略構成を示す図である。
【図8】かしめ型の動作を示す図である。
【図9】かしめ部および被荷重部の位置を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
10 カセットコイル
102 導線(第1部材)
11 ステータコア
113 バスバーモジュール
114 バスバーモジュールの端子(第2部材)
2 かしめ型
21 固定型(固定型)
211 底部(支持部)
212 側壁部(ガイド部)
213 鍔部(鍔部)
22 可動型(可動型)
23 かしめ部
24 被荷重部
3 かしめユニット
100 機械かしめ装置(かしめ装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定型と,前記固定型に対して接離可能な可動型とを備え,前記固定型と前記可動型との間で第1部材および第2部材を挟み,荷重をかけて前記第1部材および前記第2部材をかしめて繋ぎ合わせるかしめ装置において,
前記固定型は,
平行配置された一対のガイド部と,
前記ガイド部の一方の端部同士を連結し,前記第1部材および前記第2部材を支持する支持部と,
前記ガイド部の他方の端部に連結し,装置本体と係合する鍔部とを有し,
前記ガイド部によって挟まれた領域内に前記第1部材および前記第2部材を配置し,前記可動型が前記ガイド部によって挟まれた領域内を移動し,前記可動型にて荷重をかけて前記第1部材および前記第2部材をかしめ,前記鍔部が前記可動型による荷重を受けることを特徴とするかしめ装置。
【請求項2】
請求項1に記載するかしめ装置において,
前記鍔部は,前記可動型の移動方向と直交する方向に突起する部位を有することを特徴とするかしめ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載するかしめ装置において,
前記第1部材は,線状の部材であり,
前記第2部材は,前記第1部材を保持する部材であることを特徴とするかしめ装置。
【請求項4】
請求項3に記載するかしめ装置において,
前記第1部材は,導線であり,
前記第2部材は,前記第1部材の圧着端子であることを特徴とするかしめ装置。
【請求項5】
第1部材および第2部材をかしめて繋ぎ合わせるかしめ方法において,
平行配置された一対のガイド部と,前記ガイド部の一方の端部同士を連結する支持部とを有する固定型の,前記ガイド部間に挟まれた領域内に前記第1部材および前記第2部材を配置し,
前記ガイド部によって挟まれた領域内に可動型を移動させ,前記可動型にて荷重をかけて前記第1部材および前記第2部材をかしめ,
前記可動型による荷重を,前記ガイド部の他方の端部に連結する鍔部にて受けることを特徴とするかしめ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−185704(P2007−185704A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−7369(P2006−7369)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】