説明

がんの診断、処置および/または予防、および/または浸潤・転移の抑制のための方法、システムおよび組成物ならびに関連するスクリーニング方法

【課題】全く新規な、がん(特に、小細胞肺がん)の診断、処置および/または予防、および/または浸潤・転移の抑制のための技術を提供すること。
【解決手段】本発明は、がんの転移および/または浸潤の調節方法であって、A)TSLC1の分子経路を調節する工程を包含する方法を提供する。本発明はまた、がんの転移および/または浸潤の調節因子をスクリーニングする方法であって、A)候補物質を提供する工程、B)該候補物質をTSCL1の分子経路のアッセイ系に供する工程;C)該候補物質の内、TSLC1の分子経路を調節する因子を同定し、該調節する因子を、がんの転移および/または浸潤の調節因子であると決定する工程を包含する、方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんの転移および/または浸潤の調節方法であって、
A)TSLC1の分子経路を調節する工程
を包含する、方法。
【請求項2】
前記調節は、TSLC1を抑制することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記TSLC1の分子経路における因子は、TSLC1、Tiam1および低分子量Gタンパク質Rac1からなる群より選択される因子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記調節は、TSLC1の過剰発現を調節することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記調節は、TSLC1の分子経路における因子を調節する調節因子により達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記調節因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記調節は、TSLC1の分子経路における因子の過剰発現をRNAiにより抑制することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記調節は、TSLC1の分子経路における因子の過剰発現を抗体により抑制することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記調節は、TSLC1の分子経路における因子の優性欠失改変により抑制することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記がんは、小細胞肺がん、大腸がん、卵巣がん、骨肉腫および他の固形がんからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記TSLC1の分子経路の調節は、低分子量Gタンパク質Rac1の活性化の抑制を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記TSLC1は、配列番号1に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号2に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記Tiam1は、配列番号3に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号4に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記Rac1は、配列番号5に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号6に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記RNAiは、TSLC1のRNAiである、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記RNAiは、配列番号7および配列番号8に示す配列を有するTSLC1のRNAiである、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記RNAiは、Tiam1のRNAiである、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記RNAiは、配列番号9および配列番号10に示す配列を有するTiam1のRNAiである、請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記RNAiは、Rac1のRNAiである、請求項7に記載の方法。
【請求項20】
前記RNAiは、配列番号5に示す配列に基づいて作製されるRac1のRNAiである、請求項7に記載の方法。
【請求項21】
前記TSLC1の分子経路における因子の優性欠失改変は、TSLC1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される少なくとも1つの因子の優性欠失の改変を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項22】
前記優性欠失改変は、Rac1において(配列番号12(核酸配列)および配列番号13(アミノ酸配列)の配列を有することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
がんの転移および/または浸潤の調節システムであって、
A)TSLC1の分子経路を調節する手段
を備える、システム。
【請求項24】
がんの転移および/または浸潤の調節組成物であって、TSLC1の分子経路を調節する調節因子を含む、組成物。
【請求項25】
前記調節因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記調節因子は、TSLC1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される因子を調節する調節因子を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
前記調節因子は、TSLC1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される因子のRNAiである、請求項24に記載の組成物。
【請求項28】
前記調節因子は、TSLC1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される因子に対する抗体である、請求項24に記載の組成物。
【請求項29】
前記調節因子は、TSLC1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される因子の優性欠失変異体またはその誘導因子である、請求項24に記載の組成物。
【請求項30】
前記がんは、小細胞肺がんである、請求項24に記載の組成物。
【請求項31】
がんの転移および/または浸潤の調節因子をスクリーニングする方法であって、
A)候補物質を提供する工程、
B)該候補物質をTSCL1の分子経路のアッセイ系に供する工程;
C)該候補物質の内、TSLC1の分子経路を調節する因子を同定し、該調節する因子を、がんの転移および/または浸潤の調節因子であると決定する工程
を包含する、方法。
【請求項32】
前記がんは、小細胞肺がんであり、前記TSCL1の分子経路においてTSCL1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される少なくとも1つの調節が観察される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記候補物質は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
請求項31に記載の方法によって同定された、がんの転移および/または浸潤の調節因子。
【請求項35】
TSCL1の分子経路の因子の優性欠失改変体。
【請求項36】
前記改変体は、ゲノム、細胞、組織、臓器または個体の全部または一部である、請求項35に記載の改変体。
【請求項37】
がんの転移および/または浸潤の調節因子をスクリーニングする方法であって、
A)候補物質を提供する工程、
B)該候補物質をTSCL1の分子経路のアッセイ系に供する工程;
C)該候補物質の内、TSLC1の分子経路を調節する因子を同定し、該調節する因子を、がんの転移および/または浸潤の調節因子の候補であると決定する工程;
D)さらに、該調節因子の候補を、がんの転移および/または浸潤のアッセイ系に供する工程;
E)該調節因子の候補の内、がんの転移および/または浸潤を調節する因子を選択する工程
を包含する、方法。
【請求項38】
前記がんは、小細胞肺がんであり、前記TSCL1の分子経路においてTSCL1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される少なくとも1つの調節が観察される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記候補物質は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
請求項37に記載の方法によって同定された、がんの転移および/または浸潤の調節因子。
【請求項41】
がんの診断方法であって、
A)TSLC1の分子経路の因子のレベルを測定する工程
を包含する、方法。
【請求項42】
前記TSLC1の分子経路の因子は、TSLC1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される因子を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記レベルは、前記因子の特異的因子によって測定される、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記特異的因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記特異的因子は、標識されまたは標識され得る、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記特異的因子は、配列番号5に示す配列の核酸分子に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有する核酸分子である、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記特異的因子は、配列番号6に示す配列のポリペプチドに対する抗体である、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記がんは、小細胞肺がん、大腸がん、卵巣がん、骨肉腫および他の固形がんからなる群より選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記がんは、小細胞肺がんである、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記TSLC1の分子経路の因子はRac1であり、該Rac1の活性化の抑制は、がんの指標である、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
前記測定は、細胞または血清におけるRac1遺伝子の転写産物またはRac1タンパク質の有無を検出することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
前記検出は、配列番号5に示す配列の核酸分子の全部または一部を増幅するように設計されたプライマーを含む試薬を用いて行われる、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
前記検出は、配列番号5に示す配列の核酸分子の全部または一部に相補的な配列となるように設計されたプローブを含む試薬を用いて行われる、請求項41に記載の方法。
【請求項54】
前記検出は、配列番号6に示す配列のポリペプチドを特異的に認識する抗体を含む試薬を用いて行われる、請求項41に記載の方法。
【請求項55】
前記検出は、活性化型Rac1を特異的に認識する抗体を含む試薬を用いて行われる、請求項41に記載の方法。
【請求項56】
がんの診断薬であって、TSLC1の分子経路の因子のレベルを測定する手段を備える、診断薬。
【請求項57】
前記TSLC1の分子経路の因子は、TSLC1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される因子を含む、請求項56に記載の診断薬。
【請求項58】
前記手段は、前記TSLC1の分子経路の因子の特異的因子である、請求項56に記載の診断薬。
【請求項59】
前記特異的因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項58に記載の診断薬。
【請求項60】
前記特異的因子は、標識されまたは標識され得る、請求項58に記載の診断薬。
【請求項61】
前記特異的因子は、配列番号5に示す配列の核酸分子に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有する核酸分子である、請求項58に記載の診断薬。
【請求項62】
前記特異的因子は、配列番号6に示す配列のポリペプチドに対する抗体である、請求項58に記載の診断薬。
【請求項63】
前記がんは、小細胞肺がん、大腸がん、卵巣がん、骨肉腫、軟部組織肉腫および他の固形がんからなる群より選択される、請求項56に記載の診断薬。
【請求項64】
前記がんは、小細胞肺がんである、請求項56に記載の診断薬。
【請求項65】
前記TSLC1の分子経路の因子はRac1であり、前記手段は、該Rac1の活性化の抑制を同定する手段である、請求項56に記載の診断薬。
【請求項66】
前記手段は、細胞または血清においてRac1遺伝子の転写産物またはRac1タンパク質の有無を検出する手段である、請求項56に記載の診断薬。
【請求項67】
前記手段は、配列番号5に示す配列の核酸分子の全部または一部を増幅するように設計されたプライマーを含む、請求項56に記載の診断薬。
【請求項68】
前記手段は、配列番号5に示す配列の核酸分子の全部または一部に相補的な配列となるように設計されたプローブを含む、請求項56に記載の診断薬。
【請求項69】
前記手段は、配列番号6に示す配列のポリペプチドを特異的に認識する抗体を含む、請求項56に記載の診断薬。
【請求項70】
前記手段は、活性化型Rac1を特異的に認識する抗体を含む、請求項56に記載の診断薬。
【請求項71】
がんの処置または予防の方法であって、
A)TSLC1の分子経路の因子のレベルを調節する工程
を包含する、方法。
【請求項72】
前記調節は、TSLC1を抑制することを包含する、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記TSLC1の分子経路における因子は、TSLC1、Tiam1および低分子量Gタンパク質Rac1からなる群より選択される因子を含む、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記調節は、TSLC1の分子経路における因子を調節する調節因子により達成される、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記調節因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記調節因子は、TSLC1の分子経路における因子のRNAi、抗体または優性欠失改変を誘導する因子である、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
前記がんは、小細胞肺がん、大腸がん、卵巣がん、骨肉腫、軟部組織肉腫およびその他の固形がんからなる群より選択される、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
前記TSLC1の分子経路の調節は、低分子量Gタンパク質Rac1の活性化の抑制を包含する、請求項71に記載の方法。
【請求項79】
前記TSLC1は、配列番号1に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号2に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記Tiam1は、配列番号3に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号4に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項81】
前記Rac1は、配列番号5に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号6に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項82】
がんの処置または予防のシステムであって、
A)TSLC1の分子経路の因子のレベルを調節する手段
を備える、システム。
【請求項83】
がんの処置または予防のための組成物であって、TSLC1の分子経路の因子のレベルを調節する因子を含む、組成物。
【請求項84】
前記調節因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項83に記載の組成物。
【請求項85】
前記調節因子は、TSLC1、Tiam1およびRac1からなる群より選択される因子を調節する調節因子を含む、請求項83に記載の組成物。
【請求項86】
がんの処置または予防のための因子をスクリーニングする方法であって、
A)候補物質を提供する工程、
B)該候補物質をTSCL1の分子経路のアッセイ系に供する工程;
C)該候補物質の内、TSLC1の分子経路を調節する因子を同定し、該調節する因子を、がんの処置または予防のための因子であると決定する工程
を包含する、方法。
【請求項87】
がんの処置または予防ための因子をスクリーニングする方法であって、
A)候補物質を提供する工程、
B)該候補物質をTSCL1の分子経路のアッセイ系に供する工程;
C)該候補物質の内、TSLC1の分子経路を調節する因子を同定し、該調節する因子を、がんの処置または予防のための因子であると決定する工程
D)さらに、該調節因子の候補を、がんの処置または予防のためのアッセイ系に供する工程;
E)該調節因子の候補の内、がんの処置または予防のための因子を選択する工程
を包含する、方法。
【請求項88】
TSLC1の分子経路を調節する因子の、がんの転移および/または浸潤の調節のための組成物の製造における、使用。
【請求項89】
TSLC1の分子経路を調節する因子の、がんの診断のための組成物の製造における、使用。
【請求項90】
TSLC1の分子経路を調節する因子の、がんの処置または予防のための組成物の製造における、使用。
【請求項91】
前記因子は、Rac1であり、および/または前記がんは小細胞肺がんを含む、請求項88〜90のいずれか1項に記載の使用。
【請求項92】
がん細胞の浸潤性の程度を識別するための方法であって、該がん細胞のTiam1の全長型およびTiam1の短縮型の発現のレベルを測定する工程を包含する、方法。
【請求項93】
前記Tiam1は、配列番号3に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号4に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記Tiam1の短縮型は、エクソン14−29に対応するバリアントである、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
前記レベルは、前記因子の特異的因子によって測定される、請求項92に記載の方法。
【請求項96】
前記特異的因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記特異的因子は、標識されまたは標識され得る、請求項95に記載の方法。
【請求項98】
前記特異的因子は、配列番号3または配列番号23に示す配列の核酸分子に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有する核酸分子である、請求項95に記載の方法。
【請求項99】
前記特異的因子は、配列番号4または配列番号24に示す配列のポリペプチドに対する抗体である、請求項95に記載の方法。
【請求項100】
前記がんは、小細胞肺がん、大腸がん、卵巣がん、骨肉腫および他の固形がんからなる群より選択される、請求項92に記載の方法。
【請求項101】
前記がんは、小細胞肺がんである、請求項92に記載の方法。
【請求項102】
前記測定は、細胞または血清におけるTiam1タンパク質の全長型およびTiam1の短縮型の有無を検出することを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項103】
前記検出は、配列番号3および配列番号23からなる群より選択される少なくとも1つの配列の核酸分子の全部または一部を増幅するように設計されたプライマーを含む試薬を用いて行われる、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記検出は、配列番号3および配列番号23からなる群より選択される少なくとも1つの配列の核酸分子の全部または一部に相補的な配列となるように設計されたプローブを含む試薬を用いて行われる、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記検出は、配列番号4および配列番号24からなる群より選択される少なくとも1つの配列のポリペプチドを特異的に認識する抗体を含む試薬を用いて行われる、請求項102に記載の方法。
【請求項106】
前記測定は、配列番号3と配列番号23とを識別することができる因子を用いて行われる、請求項92に記載の方法。
【請求項107】
前記測定は、配列番号4と配列番号24とを識別することができる因子を用いて行われる、請求項92に記載の方法。
【請求項108】
前記因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項106または107に記載の方法。
【請求項109】
前記浸潤の程度の識別は、ATL細胞およびHTLV-1感染細胞からなる群より選択される細胞と同程度と、それより弱い浸潤性を有する細胞とを識別することを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項110】
前記浸潤の程度の識別は、ATL細胞およびHTLV-1感染細胞以外のALL細胞と同程度と、それより強い浸潤性を有する細胞とを識別することを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項111】
前記浸潤の程度の識別は、ATL細胞およびHTLV-1感染細胞からなる群より選択される細胞と同程度の浸潤性と、ATL細胞およびHTLV-1感染細胞以外のALL細胞と同程度の浸潤性とを識別することを含む、請求項92に記載の方法。
【請求項112】
がん細胞の浸潤性の程度を識別するためのシステムであって、Tiam1の全長型およびTiam1の短縮型の発現のレベルを測定する手段を包含する、システム。
【請求項113】
前記Tiam1は、配列番号3に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号4に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項112に記載のシステム。
【請求項114】
前記Tiam1の短縮型は、エクソン14−29に対応するバリアントである、請求項112に記載のシステム。
【請求項115】
前記レベルは、前記因子の特異的因子によって測定される、請求項112に記載のシステム。
【請求項116】
前記特異的因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項115に記載のシステム。
【請求項117】
前記特異的因子は、標識されまたは標識され得る、請求項115に記載のシステム。
【請求項118】
前記特異的因子は、配列番号3または配列番号23に示す配列の核酸分子に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有する核酸分子である、請求項115に記載のシステム。
【請求項119】
前記特異的因子は、配列番号4または配列番号24に示す配列のポリペプチドに対する抗体である、請求項115に記載のシステム。
【請求項120】
前記がんは、小細胞肺がん、大腸がん、卵巣がん、骨肉腫および他の固形がんからなる群より選択される、請求項112に記載のシステム。
【請求項121】
前記がんは、小細胞肺がんである、請求項112に記載のシステム。
【請求項122】
前記測定する手段は、細胞または血清におけるTiam1タンパク質の全長型およびTiam1の短縮型の有無を検出する手段を含む、請求項112に記載のシステム。
【請求項123】
前記手段は、配列番号3および配列番号23からなる群より選択される少なくとも1つの配列の核酸分子の全部または一部を増幅するように設計されたプライマーを含む試薬を備える、請求項122に記載のシステム。
【請求項124】
前記手段は、配列番号3および配列番号23からなる群より選択される少なくとも1つの配列の核酸分子の全部または一部に相補的な配列となるように設計されたプローブを含む試薬を備える、請求項122に記載のシステム。
【請求項125】
前記手段は、配列番号4および配列番号24からなる群より選択される少なくとも1つの配列のポリペプチドを特異的に認識する抗体を含む試薬を備える、請求項122に記載のシステム。
【請求項126】
前記手段は、配列番号3と配列番号23とを識別することができる因子を備える、請求項112に記載のシステム。
【請求項127】
前記手段は、配列番号4と配列番号24とを識別することができる因子を備える、請求項112に記載のシステム。
【請求項128】
前記因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項126または127に記載のシステム。
【請求項129】
前記浸潤の程度の識別は、ATL細胞およびHTLV-1感染細胞からなる群より選択される細胞と同程度と、それより弱い浸潤性を有する細胞とを識別することを含む、請求項112に記載のシステム。
【請求項130】
前記浸潤の程度の識別は、ATL細胞およびHTLV-1感染細胞以外のALL細胞と同程度と、それより強い浸潤性を有する細胞とを識別することを含む、請求項112に記載のシステム。
【請求項131】
前記浸潤の程度の識別は、ATL細胞およびHTLV-1感染細胞からなる群より選択される細胞と同程度の浸潤性と、ATL細胞およびHTLV-1感染細胞以外のALL細胞と同程度の浸潤性とを識別することを含む、請求項112に記載のシステム。
【請求項132】
浸潤性の強いがん細胞の識別するための組成物であって、該組成物は、Tiam1の短縮型を認識する因子を含む、組成物。
【請求項133】
前記浸潤性の強いがん細胞は、ATL細胞およびHTLV-1感染細胞からなる群より選択される、請求項132に記載の組成物。
【請求項134】
前記Tiam1の短縮型は、少なくとも配列番号23の配列もしくはその改変体、またはその相補体を有する、請求項132に記載の組成物。
【請求項135】
エクソン13−29に対応するTiam1の短縮型。
【請求項136】
前記Tiam1バリアントは、少なくとも配列番号23の配列もしくはその改変体、またはその相補体を有する、請求項135に記載のTiam1の短縮型。
【請求項137】
エクソン13−29に対応するTiam1の短縮型を認識する能力を有する因子。
【請求項138】
前記Tiam1バリアントは、少なくとも配列番号23の配列もしくはその改変体、またはその相補体を有する、請求項137に記載の因子。
【請求項139】
エクソン13−29に対応するTiam1の短縮型とTiamの全長型とを識別する能力を有する因子。
【請求項140】
前記Tiam1バリアントは、少なくとも配列番号23の配列もしくはその改変体、またはその相補体を有する、請求項139に記載の因子。
【請求項141】
細胞の遊走能を測定する方法であって、TSLC1活性のレベルを測定する工程を包含する、方法。
【請求項142】
前記レベルは、TSLC1の特異的因子によって測定される、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記特異的因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記特異的因子は、標識されまたは標識され得る、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
前記特異的因子は、配列番号1に示す配列の核酸分子に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有する核酸分子である、請求項142に記載の方法。
【請求項146】
前記特異的因子は、配列番号2に示す配列のポリペプチドに対する抗体である、請求項142に記載の方法。
【請求項147】
前記細胞は、腎臓細胞である、請求項141に記載の方法。
【請求項148】
前記細胞は、MDCK細胞である、請求項141に記載の方法。
【請求項149】
前記遊走能は、E-カドヘリンおよびb−カテニンからなる群より選択される少なくとも1つの産物の発現の消失によって確認される、請求項141に記載の方法。
【請求項150】
前記遊走能は、ビメンチンおよびフィブロネクチンからなる群より選択される、少なくとも1つの産物の発現の増加によって確認される、請求項141に記載の方法。
【請求項151】
細胞の遊走能を測定する試薬であって、TSLC1活性のレベルを測定する因子を包含する、試薬。
【請求項152】
前記因子は、TSLC1の特異的因子である、請求項151に記載の試薬。
【請求項153】
前記特異的因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項152に記載の試薬。
【請求項154】
前記特異的因子は、標識されまたは標識され得る、請求項152に記載の試薬。
【請求項155】
前記特異的因子は、配列番号1に示す配列の核酸分子に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を有する核酸分子である、請求項152に記載の試薬。
【請求項156】
前記特異的因子は、配列番号2に示す配列のポリペプチドに対する抗体である、請求項152に記載の試薬。
【請求項157】
前記細胞は、腎臓細胞である、請求項152に記載の試薬。
【請求項158】
前記細胞は、MDCK細胞である、請求項152に記載の試薬。
【請求項159】
前記遊走能は、E-カドヘリンおよびb−カテニンからなる群より選択される少なくとも1つの産物の発現の消失によって確認される、請求項151に記載の試薬。
【請求項160】
前記遊走能は、ビメンチンおよびフィブロネクチンからなる群より選択される、少なくとも1つの産物の発現の増加によって確認される、請求項141に記載の試薬。
【請求項161】
細胞中のTSLC1活性を測定する方法であって、該細胞の遊走能を測定する工程を包含する、方法。
【請求項162】
前記遊走能は、HGFによって惹起されたものである、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記細胞は、腎臓細胞である、請求項161に記載の方法。
【請求項164】
前記細胞は、培養腎臓細胞である、請求項161に記載の方法。
【請求項165】
前記細胞は、MDCK細胞である、請求項161に記載の方法。
【請求項166】
細胞中のTSLC1活性を測定する試薬であって、該細胞の遊走能を測定する因子を備える試薬。
【請求項167】
前記遊走能は、HGFによって惹起されたものである、請求項166に記載の試薬。
【請求項168】
前記細胞は、腎臓細胞である、請求項166に記載の試薬。
【請求項169】
前記細胞は、培養腎臓細胞である、請求項166に記載の試薬。
【請求項170】
前記細胞は、MDCK細胞である、請求項166に記載の試薬。
【請求項171】
細胞の遊走能を調節する方法であって、細胞内のTSLC1活性を調節する工程を包含する、方法。
【請求項172】
前記調節は抑制である、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
前記調節は、TSLC1を抑制することを包含する、請求項171に記載の方法。
【請求項174】
前記調節は、TSLC1の発現を調節することを包含する、請求項171に記載の方法。
【請求項175】
前記調節は、TSLC1を調節する調節因子により達成される、請求項171に記載の方法。
【請求項176】
前記調節因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記調節は、TSLC1の発現をRNAiにより抑制することを包含する、請求項171に記載の方法。
【請求項178】
前記調節は、TSLC1の発現を抗体により抑制することを包含する、請求項171に記載の方法。
【請求項179】
前記調節は、TSLC1の優性欠失改変により抑制することを包含する、請求項171に記載の方法。
【請求項180】
前記TSLC1は、配列番号1に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号2に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項171に記載の方法。
【請求項181】
前記RNAiは、TSLC1のRNAiである、請求項175に記載の方法。
【請求項182】
前記RNAiは、配列番号7および配列番号8に示す配列を有するTSLC1のRNAiである、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記TSLC1活性の調節は、前記細胞内においてTSLC1の発現をさせる工程を包含する、請求項171に記載の方法。
【請求項184】
前記TSLC1は、少なくとも細胞内ドメインを含む、請求項183に記載の方法。
【請求項185】
前記細胞は、腎臓細胞である、請求項171に記載の方法。
【請求項186】
前記細胞は、培養腎臓細胞である、請求項171に記載の方法。
【請求項187】
前記細胞は、MDCK細胞である、請求項171に記載の方法。
【請求項188】
細胞の遊走能を調節する試薬であって、細胞内のTSLC1活性を調節する因子を包含する、試薬。
【請求項189】
前記調節は抑制である、請求項188に記載の試薬。
【請求項190】
前記調節は、TSLC1を抑制することを包含する、請求項188に記載の試薬。
【請求項191】
前記調節は、TSLC1の発現を調節することを包含する、請求項188に記載の試薬。
【請求項192】
前記因子は、TSLC1を調節する調節因子を含む、請求項188に記載の試薬。
【請求項193】
前記調節因子は、核酸分子、ポリペプチド、脂質、糖鎖、有機低分子およびそれらの複合分子からなる群より選択される、請求項192に記載の試薬。
【請求項194】
前記因子は、TSLC1のRNAiを包含する、請求項188に記載の試薬。
【請求項195】
前記因子は、TSLC1の抗体を包含する、請求項188に記載の試薬。
【請求項196】
前記因子は、TSLC1の優性欠失改変のための因子を包含する、請求項188に記載の試薬。
【請求項197】
前記TSLC1は、配列番号1に示す核酸配列またはその改変体によってコードされるか、配列番号2に示すアミノ酸配列またはその改変配列を有する、請求項188に記載の試薬。
【請求項198】
前記RNAiは、TSLC1のRNAiである、請求項194に記載の試薬。
【請求項199】
前記RNAiは、配列番号7および配列番号8に示す配列を有するTSLC1のRNAiである、請求項188に記載の試薬。
【請求項200】
前記TSLC1活性の調節は、前記細胞内においてTSLC1の発現をさせる工程を包含する、請求項188に記載の試薬。
【請求項201】
前記TSLC1は、少なくとも細胞内ドメインを含む、請求項200に記載の試薬。
【請求項202】
前記細胞は、腎臓細胞である、請求項188に記載の試薬。
【請求項203】
前記細胞は、培養腎臓細胞である、請求項188に記載の試薬。
【請求項204】
前記細胞は、MDCK細胞である、請求項188に記載の試薬。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−186492(P2007−186492A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−248743(P2006−248743)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(803000056)財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 (341)
【Fターム(参考)】