説明

つけ爪の製造方法

【課題】ポリウレタン樹脂からなる見栄えのよいつけ爪を製造する。
【解決手段】特性の異なる第1構成部12と第2構成部14を有するつけ爪10は、共通型28の成形面に設置した共通シート20と個別型30,32の成形面に設置した個別シート22,24との間において、共通型28および共通シート20に対して個別型30,32および個別シート22,24を入れ替えてポリウレタン原料34,36を反応・硬化させることにより、第1構成部12と第2構成部14とを段階的に成形して製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ポリウレタン樹脂からなるつけ爪の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特性の異なるポリウレタン樹脂からなる複数の構成部を有する成形品の製造方法としては、各構成部の特性に合わせて調製した2種類以上のポリウレタン樹脂原料を1つの型に同時に注入して一体成形する製造方法(以下、一体成形方法という)がある(例えば、特許文献1参照)。また、接着剤としても用いられるポリウレタン樹脂は、型と接着し易いので、離型剤を型の成形面に予め塗布することで、ポリウレタン樹脂からなる成形品の型からのスムーズな取り外しが図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2004/58473号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記一体成形方法では、隣り合う構成部の境界が、流動性を有する原料の混ざり合いによって不明瞭になり易い。特に、色の異なる構成部を隣り合わせて成形する場合は、一体成形方法で製造すると各色が混ざり合い著しく外観を損なう問題がある。装飾品であるつけ爪は、外観が非常に重視されるので、前記一体成形方法は、つけ爪の製造に向いていない。
【0005】
また、製造工程で離型剤を使用すると、離型剤がつけ爪に残留し、つけ爪に曇りや光沢不良等の外観不良が発生することがある。そして、つけ爪からの離型剤除去作業には労力および時間がかかり、生産効率が低下する。更に、型の成形面によってつけ爪の外面の外観性が規定されるので、型の成形面に高い鏡面度が求められるため、型の作製および型のメンテナンス費用が嵩む問題もある。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、ポリウレタン樹脂からなる見栄えのよいつけ爪の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に係る発明のつけ爪の製造方法は、
特性の異なる複数の構成部を有し、ポリウレタン樹脂からなるつけ爪の製造方法であって、
前記つけ爪の少なくとも一面に合った成形面を有する共通型と、前記構成部に応じて用意され、共通型の成形面との間に夫々の構成部に合ったキャビティを画成する個別型とを用い、
ポリウレタン樹脂原料に接して該ポリウレタン樹脂原料を硬化した際に得られるポリウレタン樹脂に接着する合成樹脂からなり、前記共通型の成形面に合わせて形成された共通シートと、ポリウレタン樹脂原料に接して該ポリウレタン樹脂原料を硬化した際に得られるポリウレタン樹脂から剥離可能な合成樹脂からなり、夫々の個別型の成形面に合わせて形成された個別シートとを用意し、
前記共通シートを前記共通型の成形面に設置すると共に、前記個別シートを前記個別型の成形面に設置して、共通シートと個別シートとの間でポリウレタン樹脂原料を硬化して各構成部を成形し、
前記共通型に対し前記個別型および前記個別シートを入れ替えて、構成部を段階的に成形することを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る発明によれば、構成部を段階的に成形するので、構成部をなすポリウレタン樹脂原料が混ざることはなく、隣り合う構成部の境界をはっきり区分することができ、得られるつけ爪の見栄えを向上できる。また、共通シートと個別シートとの間で構成部を成形するので、ポリウレタン樹脂原料が型の成形面に直接接触しない。これにより、離型剤が不要となるので、離型剤の残留によるつけ爪の外観不良を避けることができる。更に、ポリウレタン樹脂と接着し難く、型の成形面と比べて平滑に形成し易い合成樹脂からなる個別シートによって各構成部の露出面を形成するので、型の成形面の鏡面度に左右されずに得られるつけ爪の見栄えを向上できる。更にまた、得られたつけ爪は、共通シートを介して複数の構成部が接合しているので、構成部が分離し難く、一体性を向上できる。
【0009】
請求項2に係る発明は、個別シートは、対応の構成部におけるつけ爪の意匠面を成形し、硬化した構成部から取り除かれることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、ポリウレタン樹脂から剥離可能な合成樹脂からなる個別シートを取り除いて構成部におけるつけ爪の意匠面となる面を形成するので、つけ爪の意匠面に構成部の特性の違いが現れ、つけ爪の見栄えを向上することができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、構成部は、ポリウレタン樹脂原料に顔料を混合することで、透明な基材に分散する顔料によって着色されることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、顔料が、構成部をなす透明な基材中に顔料を分散して着色するので、透明な基材での光の屈折および顔料による光の反射により、得られたつけ爪の立体感を向上することができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、共通シートには、前記構成部との接着面に模様が施されると共に、当該模様に対応する構成部が透明または半透明に形成されることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、構成部を通して共通シートの模様が視認できるので、簡単な方法で得られたつけ爪の装飾性を向上することができる。また、つけ爪において共通シートの模様は、構成部に覆われているため保護される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るつけ爪の製造方法によれば、ポリウレタン樹脂からなる見栄えの良いつけ爪を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例に係るつけ爪の平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】実施例のつけ爪の第1成形工程を示す説明図である。
【図5】実施例のつけ爪の第2成形工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るつけ爪の製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。つけ爪10は、爪に装着した際を基準として方向または部位を指称し、つけ爪10において爪の根元側になる部位を根元側といい、爪の先端側になる部位を先端側という。また、つけ爪10において爪に接合する側を接合面16といい、この接合面16と反対側の外方に臨む側を意匠面18という。更に、つけ爪10において、つけ爪10の根元側からつけ爪10の先端側に向かう方向を長さ方向と指称する。
【0015】
図1に示すように、実施例では、特性の異なる2つの構成部12,14を有するフレンチネイルと呼ばれるタイプのつけ爪10をポリウレタン樹脂で製造する例を挙げて説明する。図2および図3に示すように、実施例のつけ爪10は、先端側を構成する第1構成部12と、この第1構成部12の根元側に並べて設けられ、根元側を構成する第2構成部14と、第1構成部12および第2構成部14の接合面側に設けられ、爪との接合面16を構成する共通シート20とから構成されている。このように、実施例のつけ爪10は、長さ方向に隣り合って特性の異なる2つの構成部12,14が並べて配置され、1枚の共通シート20で裏打ちされている。ここで、構成部の特性の相違とは、熱的、電気的、磁気的、光学的、機械的などの性質の違いをいい、色、質感、模様等の相違も含む。すなわち、構成部をなすポリウレタン樹脂の違いによる物性の違いや、ポリウレタン樹脂が同じであっても配合する着色料等の違いによる外観の違いが、本願でいう構成部の特性の相違に該当する。実施例では、第1構成部12が赤色に着色される一方、第2構成部14が白色に着色され、特性として色が異なっている。
【0016】
図4および図5に示すように、つけ爪10は、型装置26を用いてモールド成形工程を多段(実施例では2段)に行うことで製造される。型装置26は、つけ爪10の接合面16を成形する共通型28と、つけ爪10の意匠面18を成形する複数の個別型30,32とから構成される。型装置26は、共通型28がモールド成形工程の各段で共用されるのに対し、個別型30,32は、構成部に応じて設定されるモールド成形工程の段数に合わせて用意される。すなわち、実施例の製造方法では、第1構成部12を成形する第1成形工程と、第2構成部14を成形する第2成形工程との2段のモールド成形工程を行うので、第1個別型30と第2個別型32との2つが用いられる。共通型28は、つけ爪10の接合面16全体に合わせて形成された成形面を有している。第1個別型30は、第1構成部12の意匠面18に合わせて形成された成形面を有している。型装置26は、第1個別型30の成形面と共通型28の成形面との間に第1構成部12に相似するキャビティを画成するようになっている。第2個別型32は、第1構成部12および第2構成部14の意匠面18に合わせて形成された成形面を有している。型装置26は、第2個別型32の成形面と共通型28の成形面との間に第1構成部12および第2構成部14に相似するキャビティを画成するようになっている。このように、型装置26は、2段目以降に用いられる個別型32が当該成形工程で成形する対象となる構成部14の意匠面18に合わせて形成された成形面だけでなく、前の成形工程で成形した全ての構成部12の意匠面18も含めた成形面を備えている。そして、型装置26は、2段目以降の成形工程において、前の成形工程で成形された構成部12をキャビティの対応部位に残した状態で、次の構成部14を成形するようになっている。
【0017】
図4および図5に示すように、つけ爪10の製造方法では、共通型28の成形面と個別型30,32の成形面との間で構成部12,14が直接成形されるのではなく、共通型28の成形面に設置した共通シート20と個別型30,32の成形面に設置した個別シート22,24との間で構成部12,14が成形される。共通シート20は、成形工程の各段で共用されるのに対し、個別シート22,24は、構成部12,14に応じて設定されるモールド成形工程の段数に合わせて用意される。個別シート22,24は、個別型30,32と一対一の関係で用意され、実施例では、第1個別型30に合わせて形成された第1個別シート22と、第2個別型32に合わせて形成された第2個別シート24とを用いている。共通シート20は、共通型28の成形面(つけ爪10の接合面側)に合わせて形成され、該成形面に整合させて被着可能になっている。共通シート20は、ポリウレタン樹脂に接着する合成樹脂からなる薄肉のフィルム状体を、共通型28の成形面に合わせて真空成形等によって賦形したものである。ここで、「ポリウレタン樹脂に接着する」とは、ポリウレタン樹脂原料に共通シート20を構成する合成樹脂を接して該ポリウレタン樹脂原料を硬化した際に、得られるポリウレタン樹脂に共通シート20が接着することをいう。ポリウレタン樹脂共通シート20としては、賦形の容易性等から熱可塑性樹脂を採用するのが好ましく、実施例ではABS樹脂が用いられている。
【0018】
前記個別シート22,24は、対応する個別型30,32の成形面(構成部12,14の意匠面側)に合わせて形成され、該成形面に整合させて被着可能になっている。第1個別シート22は、第1個別型30において第1構成部12の意匠面18に合わせて形成された成形面に合致し、共通シート20との間に第1構成部12に合致する空間を画成するようになっている。第2個別シート24は、第2個別型32において第1構成部12および第2構成部14の意匠面18に合わせて形成された成形面に合致し、共通シート20との間に第1構成部12および第2構成部14に合致する空間を画成するようになっている。すなわち、2段目以降の成形工程で用いられる個別シート24は、当該成形工程で成形する対象となる構成部14の意匠面18に合わせた形状だけでなく、前の成形工程で成形した全ての構成部12の意匠面18も含めた形状に形成される。個別シート22,24は、ポリウレタン樹脂から剥離可能な合成樹脂からなる薄肉のフィルム状体を、対応の個別型30,32の成形面に合わせて真空成形等によって賦形したものである。ここで、「ポリウレタン樹脂から剥離可能」とは、ポリウレタン樹脂原料に個別シート22,24を構成する合成樹脂を接して該ポリウレタン樹脂原料を硬化した際に、得られるポリウレタン樹脂から個別シート22,24が剥離可能なことをいい、例えばポリオレフィン系樹脂を採用し得る。実施例では、個別シート22,24としてポリプロピレン樹脂が用いられている。
【0019】
実施例のつけ爪10の製造方法は、第1構成部12を成形する第1成形工程と、第2構成部14を成形する第2成形工程と、必要に応じて仕上げ工程とが行われる。第1成形工程では、共通シート20を共通型28の成形面にセットすると共に、第1個別シート22を第1個別型30の成形面にセットする。ポリオール(例えば、イノアック製ポリオール:VTK8008−M0A)、イソシアネート(例えば、イノアック製イソシアネート:VTK8008−M0B)および各種添加剤からなる、第1構成部12の特性に合わせたポリウレタン樹脂原料を別に用意する。実施例では、赤色に着色する第1構成部12のポリウレタン樹脂原料34が、ポリオールおよびイソシアネートの他に、着色剤として顔料を混合して調製される。顔料としては、無機系と有機系とがあるが、フレーク状のガラス(例えば、メタシャイン:日本板硝子製)等を用いるのが好ましい。第1成形工程では、共通型28および第1個別型30を閉じることで、共通シート20と第1個別シート22との間に第1構成部12分の空間が画成される。ポリウレタン樹脂原料34を、共通シート20と第1個別シート22との間に入れ、反応・硬化させることで、透明な基材中に赤色の顔料が分散し、赤色に着色された第1構成部12が成形される。そして、型装置26を開放することで、第1個別型30から第1構成部12を取り出し、第1構成部12から第1個別シート22を取り外す。
【0020】
第2成形工程では、第1成形工程で得られた第1構成部12が接合した共通シート20を共通型28の成形面にセットすると共に、第2個別シート24を第2個別型32の成形面にセットする。ポリオール(例えば、イノアック製ポリオール:VTK8008−M0A)、イソシアネート(例えば、イノアック製イソシアネート:VTK8008−M0B)および各種添加剤からなる、第2構成部14の特性に合わせたポリウレタン樹脂原料を別に用意する。実施例では、白色に着色する第2構成部14のポリウレタン樹脂原料36が、ポリオールおよびイソシアネートの他に、着色剤として白色の顔料を混合して調製される。第2構成部14に用いる顔料は、第1成形工程と同様にフレーク状のガラス(例えば、メタシャイン:日本板硝子製)等を用いるのが好ましい。第2成形工程では、共通型28および第2個別型32を閉じることで、共通シート20と第2個別シート24との間に第1成形工程で成形された第1構成部12が整合すると共に、第1構成部12に隣接して第2構成部14分の空間が画成される。ポリウレタン樹脂原料36を、共通シート20と第2個別シート24との間の第2構成部14分の空間に入れ、反応・硬化させることで、透明な基材中に白色の顔料が分散し、白色に着色された第2構成部14が第1構成部12に接合して一体成形される。そして、型装置26を開放することで、第2個別型32から第1構成部12および第2構成部14を取り出し、第1構成部12および第2構成部14から第2個別シート24を取り外す。
【0021】
実施例の仕上げ工程では、第1構成部12および第2構成部14の接合面側に残った共通シート20について、第1構成部12および第2構成部14から延出した部位を切り取ることで、つけ爪10が完成する。
【0022】
このように、実施例の製造方法によれば、1つの共通型28および共通シート20に対して個別型30,32および個別シート22,24を入れ替えて、赤色の第1構成部12と白色の第2構成部14とを段階的に成形することで、隣り合う構成部の境界がはっきりとしたつけ爪10を製造することができる。共通型28の成形面および個別型30,32の成形面は、共通シート20および個別シート22,24に覆われており、ポリウレタン樹脂原料34,36が型の成形面と直接接触しないため、型装置26につけ爪10が接着することはない。すなわち、型装置26の成形面に離型剤を塗布する必要がなく、離型剤の塗布作業および成形品に残った離型剤の除去作業を省略することができる。また、得られたつけ爪10は、離型剤の残留による曇り等の外観不良がなく、装飾性を向上することができる。しかも、得られたつけ爪10は、金属等で構成される型装置26の成形面より表面平滑性に優れた合成樹脂製のシート20,22,24で表面が規定されるので、意匠面18の平滑性を向上することができる。そして、つけ爪10が型装置26の成形面の鏡面度の影響を受けないので、型装置26の製作コストやメンテナンスコストを低減することができる。更に、得られたつけ爪10は、第1構成部12および第2構成部14が、互いの接合部分だけでなく、夫々共通シート20とも接合しているため、強度に優れている。
【0023】
実施例の製造方法によれば、個別シート22,24としてポリウレタン樹脂から剥離可能な合成樹脂を採用しているので、各段階で個別シート22,24を構成部から簡単に取り除くことができる。これに対して、共通シート20は、ポリウレタン樹脂に接着する合成樹脂を採用しているので、各構成部12,14が各段階で共通シート20に順次接着することになる。すなわち、各段階での取り扱いを共通シート20を介して行うことができる。特に、1枚の共通シート20で多数のつけ爪10を製造する場合に、多数のつけ爪10を共通シート20を介して取り扱うことができるので、作業性が向上する。
【0024】
実施例の製造方法によれば、ポリウレタン樹脂から剥離可能な合成樹脂からなる個別シート22,24を取り除いて構成部12,14におけるつけ爪10の意匠面18となる面を形成するので、つけ爪10の意匠面側に構成部12,14の特性の違いが現れ、つけ爪10の見栄えを向上することができる。また、顔料が、構成部をなす透明な基材中に顔料を分散して着色するので、透明な基材での光の屈折および顔料による光の反射により、得られたつけ爪10の立体感を向上することができる。
【0025】
(変更例)
前述した実施例に限定されず、以下のように変更することもできる。
(1)模様を施した共通シートを用いて、模様の施された面が構成部との接着面となるよう共通型に模様付き共通シートを設置して、透明または半透明な構成部を有するつけ爪を製造してもよい。得られたつけ爪は、構成部を通して共通シートの模様が視認できるので、簡単な方法で得られたつけ爪の装飾性を向上することができる。また、つけ爪において共通シートの模様は、構成部に覆われているため保護される。
(2)実施例では、色の異なる構成部を有するつけ爪を例に挙げたが、構成部の特性が異なっていればよく、例えば硬さの異なる構成部を有するつけ爪でもよい。また、構成部の数および構成部の区切方も実施例に限られず、共通シートも透明に限られず半透明や不透明でもよい。
(3)実施例の型装置は、共通型を上に個別型を下に配置しているが、個別型を上に共通型を下に配置してもよく、左右に配置してもよい。
(4)実施例では、共通シートとしてABS樹脂を採用するが、ポリウレタン樹脂に接着する合成樹脂からなるものであればよく、例えばポリアクリル樹脂でもよい。また、個別シートとしてポリプロピレン樹脂を採用するが、ポリウレタン樹脂から剥離可能な合成樹脂であればよく、例えばポリオレフィン系樹脂以外の合成樹脂でもポリウレタン樹脂から剥離可能であれば採用し得る。更に、共通シートおよび個別シートとして真空成形されたものを採用したが、型装置の成形面に合わせて形成されていればよい。
(5)実施例では、構成部を2段の成形工程で成形したが、2段に限定されることはなく、3階以上の多段の成形工程で成形してもよい。
(6)実施例では、共通型でつけ爪の接合面を成形して個別型でつけ爪の意匠面を成形しているが、共通型でつけ爪の意匠面を成形して個別型でつけ爪の接合面を成形してもよい。
【符号の説明】
【0026】
10 つけ爪、12 第1構成部、14 第2構成部、16 接合面、18 意匠面、 20 共通シート、22 第1個別シート、24 第2個別シート、26 型装置、
28 共通型、30 第1個別型、32 第2個別型、
34,36 ポリウレタン樹脂原料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特性の異なる複数の構成部を有し、ポリウレタン樹脂からなるつけ爪の製造方法であって、
前記つけ爪の少なくとも一面に合った成形面を有する共通型と、前記構成部に応じて用意され、共通型の成形面との間に夫々の構成部に合ったキャビティを画成する個別型とを用い、
ポリウレタン樹脂原料に接して該ポリウレタン樹脂原料を硬化した際に得られるポリウレタン樹脂に接着する合成樹脂からなり、前記共通型の成形面に合わせて形成された共通シートと、ポリウレタン樹脂原料に接して該ポリウレタン樹脂原料を硬化した際に得られるポリウレタン樹脂から剥離可能な合成樹脂からなり、夫々の個別型の成形面に合わせて形成された個別シートとを用意し、
前記共通シートを前記共通型の成形面に設置すると共に、前記個別シートを前記個別型の成形面に設置して、共通シートと個別シートとの間でポリウレタン樹脂原料を硬化して各構成部を成形し、
前記共通型に対し前記個別型および前記個別シートを入れ替えて、構成部を段階的に成形する
ことを特徴とするつけ爪の製造方法。
【請求項2】
前記個別シートは、対応の構成部におけるつけ爪の意匠面側を成形し、硬化した構成部から取り除かれる請求項1記載のつけ爪の製造方法。
【請求項3】
前記構成部は、ポリウレタン樹脂原料に顔料を混合することで、透明な基材に分散する顔料によって着色される請求項1または2記載のつけ爪の製造方法。
【請求項4】
前記共通シートには、前記構成部との接着面に模様が施されると共に、当該模様に対応する構成部が透明または半透明に形成される請求項1〜3の何れか一項に記載のつけ爪の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−217968(P2011−217968A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90785(P2010−90785)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】