説明

ねじ検査装置

【課題】ねじの異なる規格への適用性が良く、検査効率が高く測定精度の良いねじ検査装置を提供する。
【解決手段】定位手段は、台枠の搭載面311にねじを着脱可能に装着するためのチャックユニット41が取り付けられ、該チャックユニット41にはねじが装着されるための、該搭載面と平行なX方向の両端に開口すると共に該X方向と垂直なZ方向に開口するスリット412が形成されている。検出手段5は、スリット412に対してZ方向沿いに往復移動可能に台枠に設けられた滑り台と、滑り台をZ方向沿いに往復移動させるように駆動する第1の動力源54と、スリット412のX方向の両端開口の外側に互いに対向して滑り台に設けられている発光器52と受光器53とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学検査によるねじ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の器具は、二つ以上の部品を組み合わせ、ねじ、ボルト等のねじ類の締結材で結合することによって構成されている場合が多いが、ねじ類のねじ山などにつぶれなどの破損が生じると、締結強度が不足する。これによりねじ類の品質によって器具の使用性や安全性に影響を及ぼすため、このような問題がないように、製品となるまでには厳格に検査しなければならない。
【0003】
このねじの不良品を検出するためには、通常ねじ転造装置の近傍にてノギスでねじの長さ、厚さ、直径などの外観サイズを測定すると共に、ねじゲージでねじ山などを測定することによりねじの検査を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾実用新案登録公報第266116号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来より、ねじを検査するには、ノギス或いはねじゲージを用いて一般規格のねじの検査を簡単に行うことができるが、特殊な規格のねじとなると別である。また、ノギス或いはねじゲージによる測定は手作業で行なわれるので、測定者の熟練度及び個人差によって測定値のばらつきが大きくなり、検査の精度や信頼性も低下する問題点がある。また、ノギスやねじゲージなどによる手作業で多量のねじを測定するには多大な労力を要し、時間と手間がかかり、作業性が悪い。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ねじの異なる規格への適用性が良く、検査効率が高く測定精度の良いねじ検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るねじ検査装置は、ねじを検査する装置であって、
該装置の構成部材を搭載支持する台枠と、
前記台枠における搭載面にねじを着脱可能に装着するためのチャックユニットが取り付けられ、該チャックユニットにはねじが装着されるための、該搭載面と平行な第1の方向の両端に開口すると共に該第1の方向と垂直な第2の方向に開口するスリットが形成されている定位手段と、
前記スリットに対して前記第2の方向沿いに往復移動可能に前記台枠に設けられた滑り台と、前記滑り台に設けられた発光器と、前記発光器よりの発光が受光可能に前記滑り台に前記発光器と所定間隔をおいて設けられた受光器と、前記滑り台を前記第2の方向沿いに往復移動させるように駆動する第1の動力源と、を有し、前記発光器と前記受光器とは前記スリットの前記第1の方向の両端開口の外側に互いに対向して前記滑り台に設けられている検出手段と、
前記受光器と前記第1の動力源とに電気的に連結される制御モジュールと、前記制御モジュールに電気的に連結されてねじの検査情報を表示する出力ユニットとを有する制御手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るねじ検査装置において、前記台枠は、前記搭載面を有するテーブルと、前記定位手段と所定間隔をおいて前記チャックユニットに対向すると共に前記搭載面より前記第2の方向に直立して前記テーブルに設けられたコラムとを有し、前記滑り台は、前記コラムに第2の方向沿いに往復可能に取り付けられることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るねじ検査装置において更に、前記台枠に前記第2の方向沿いに往復移動可能に設けられた転向手段を有し、該転向手段は、前記コラムに前記第2の方向に往復移動可能に設けられた滑り座と、前記チャックユニットの上側に前記滑り座に設けられた第2の動力源と、前記滑り座に回転自在に取り付けられて前記第2の動力源によって駆動される回転保持部材と、前記回転保持部材に着脱可能に保持され、ねじの向きを変えるための転向部材とを有し、前記転向部材は、前記回転保持部材より前記第2の方向沿いに前記スリット側に突出され、前記第2の動力源は、前記制御モジュールに電気的に連結されることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るねじ検査装置において、前記コラムは、前記搭載面より直立して延伸される筐体を有し、該筐体に前記第2の方向沿いに延伸されて設けられた第1のガイドレールを有し、前記滑り台は、前記第1の動力源によって前記第2の方向沿いに往復動可能に駆動されるように前記第1のガイドレールに摺動自在に設けられることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るねじ検査装置において、前記滑り台は、前記滑り台に固定される取付板と、前記取付板の一端側に連結された固定板と、前記取付板の他端側に前記固定板と所定間隔をおいて取り付けられると共に前記第1の方向沿いに移動可能に設けられた可動板と、前記可動板の前記第2の方向に所定間隔をおいて配置された回転板と、を有し、前記発光器は、前記固定板上に取り付けられ、前記受光器は、前記回転板上に取り付けられることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るねじ検査装置において、前記コラムは更に、前記第1のガイドレールと所定間隔をおいて前記第2の方向に沿って延伸されて設けられたサブガイドレールと、前記サブガイドレールの前記第2の方向沿いの両端側に互いに対向するように所定間隔をおいて配置された2つの第1の感知部材と、前記滑り台に連結されて該滑り台の移動に連動されて前記二つの第1の感知部材の間にいずれの前記第1の感知部材と接触すると前記滑り台の移動を止めるように移動可能に配置された第2の感知部材と、前記サブガイドレールの前記第2の方向沿いの一側に配置された位置検出部材とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るねじ検査装置において、前記制御手段は更に、前記制御モジュールに電気的に接続されて前記第1の動力源、前記第2の動力源及び前記受光器を制御する入力ユニットを有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るねじ検査装置において、前記チャックユニットは、前記第1の方向と同一平面上に対して直角の第3の方向において所定間隔をおいて対向して前記スリットを画成する二つのチャックブロックと、前記チャックブロックと連結して前記二つのチャックブロックの間隔を調節するボルトとを有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るねじ検査装置において、前記制御モジュールは、前記検出手段及び前記転向手段と電気的に接続されている電源システムと、前記電源システム、前記出力ユニット及び前記入力ユニットに電気的に接続されているコンピュータとを有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係るねじ検査装置において、前記出力ユニットは、前記コンピュータに電気的に連結されているスクリーン及びプリンターを有し、前記入力ユニットは、前記コンピュータに電気的に連結されているキーボード及びマウスを有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るねじ検査装置において、前記第1の動力源としては、サーボモータであり、前記第2の動力源としてはステッピングモータであることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るねじ検査装置において、前記コラムは更に、前記第1のガイドレールと所定間隔をおいて第2のガイドレールが設けられ、前記転向手段の滑り座は、前記第2のガイドレールに滑り移動可能に取り付けられることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るねじ検査装置において、前記コラムは、前記第1のガイドレールと所定間隔をおいてスロットが設けられ、前記転向手段は更に、前記滑り座を前記スロットに往復移動させる第1の距離調節部材と、前記回転保持部材を前記チャックユニットに対して往復移動させる第2の距離調節部材とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のねじ測定装置は、上記の構成によれば、発光器と受光器とをスリットを介して滑り台の両端側に設けているので、ねじの映像を取得することができ、従来技術のように手間を掛けずにねじの測定を簡単に施すことができ、手作業による測定値のばらつきをなくし、ねじ検査の精度や信頼性を高めることができる。また、ねじのサイズに応じてチャックブロックのねじ夾持スペースを調節することができるので、ねじの異なる規格への適用性も良い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本考案に係る一実施形態のねじ検査装置を示す組立正面断面図である。
【図2】図1のねじ検査装置の要部斜視図である。
【図3】図2の一部正面図である。
【図4】図2の側面図である。
【図5】図2の正面図である。
【図6】図5においてねじを検査する状態を示す正面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】本考案に係る他の実施形態のねじ検査装置の要部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るねじ検査装置について、添付図面を用いて説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は本考案に係る第1の実施形態のねじ検査装置を示す組立正面断面図、図2は図1のねじ検査装置の要部斜視図、図3は図2の一部正面図、図4は図2の側面図、図5は図2の正面図、図6は図5においてねじを検査する状態を示す正面図、図7は図6の側面図である。なお、各図において、説明の便宜のため、一部の構成を取り外して示している。なお、オペレターから見た方向に従って、第1の方向の左右方向をX方向、第2の方向の上下方向をZ方向、第3の方向の前後方向をY方向とする。
【0024】
本実施形態に係るねじ検査装置は装置内に装着したねじを検査するための装置であって概ね、図示のごとく、定位手段4と検出手段5と転向手段6と制御手段7などの構成手段を集めて台枠3内に取り付けている。
【0025】
本実施形態において、台枠3は、例えばその底部に取り付けられた数個のキャスターによって移動可能で、且つ数本の支持脚により地面に安定して直立するように構成された枠体であり、X方向に水平の搭載面311を有するテーブル31によりほぼ上部、下部に仕切られており、上部において搭載面311にて定位手段4と検出手段5と転向手段6とを適宜に搭載配置し、下部に制御手段7が設置されるようになっている。
【0026】
図1〜3に示すように、テーブル31上にコラム32が直立して設置されており、コラム32は、搭載面311より直立して延伸され、チャックユニット41側の対向面321(図2の正面側)を有する筐体320を有し、筐体320の対向面321にZ方向沿いに延伸される第1のガイドレール322と、右側に第1のガイドレール322と所定間隔をおいて平行の第2のガイドレール323と、左側に第1のガイドレール322と所定間隔をおいて平行のサブガイドレール324とが設けられている。
【0027】
図1〜4に示すように、定位手段4は、テーブル31上にねじを装着して検査するためのチャックユニット41が配置されている。チャックユニット41は載置面311上に設けられる固定座414と、固定座414上にY方向においてねじを装着するためのスリット412を画成するように所定の間隔をおいて対向する二つのチャックブロック411、411と、チャックブロック411と連結してスリット412の間隔を調整するためのボルト413とを有する。
【0028】
検出手段5は、ねじを検査するようにコラム32に取り付けられており、この形態において、第1のガイドレール322に摺動可能に設けられる滑り台51と、滑り台51のX方向の両端側にそれぞれ取り付けられる発光器52と受光器53と、滑り台51を第1のガイドレール322に摺動自在に駆動させる第1の動力源54と有する。この形態において、第1の動力源54として例えばサーボモータを用いる。
【0029】
図4、5に示すように、滑り台51に該滑り台51と共に摺動可能な矩形取付板511が載置面311に対して垂直に連結されている。取付板511の正面のX方向の一端側に発光器52を取り付けるための固定板512が該取付板511と直角に連結され、他端側に受光器53を取り付けるための側面がL字形を呈するブラケット座515が連結されている。該ブラケット座515には受光器53の発光器52に対する距離を調整するための可動板513と、受光器53の発光器52に対する受光角度を変更可能な回転板514とを設けている。
【0030】
発光器52は固定板512に取り付けられ、受光器53は回転板514に取り付けられるように所定の間隔をおいて定位手段4のX方向の両端側、即ちスリット412を介して配置されている。この形態において、受光器53は、ねじの発光器52の発光による映像を捉えることができる受光素子を用いればよい。
【0031】
サブガイドレール324には、互いに間隔をおいて対向する二つの第1の感知部材325、325と、取付板511に連結され、二つの第1の感知部材325、325の間に突き出て設けられる第2の感知部材326と、制御手段7に電気的に接続され、サブガイドレール324の長さ方向の一側に配置される位置検出部材327とを設けられている。
【0032】
第1の感知部材325、325の間に取付板511に固定された第2の感知部材326が配置されることにより、第2の感知部材326がいずれの第1の感知部材325に近づくとその移動を止めることができる。従って、滑り台51の第1のガイドレール322における移動を制限することができる。
【0033】
位置検出部材327としては、例えば光磁性尺を用いる。検査するねじが長く、受光器53が所定回数でその映像のすべてをとることができないとき、位置検出部材327により滑り台51の移動距離を検知することによって、ねじ全体の映像をとるように滑り台51の移動をとめずに移動し続かせることができる。したがって、ねじの映像をとるための摺動距離を制御することができる。このように、滑り台51の間欠移動に伴って受光器53がねじの映像を間欠的に取ることができ、ねじの長さ、径幅などを精確に測定することができる。
【0034】
転向手段6は、定位手段4の上側に第2のガイドレール323にZ方向沿いに定位手段4に対して昇降可能に設けられているものであり、第2のガイドレール323に摺動可能に設けられる滑り座61と、チャックブロック411、411の上側に位置するように滑り座61に設けられる第2の動力源62と、第2の動力源62と回転自在に連結され第2の動力源62によって駆動される回転保持部材63と、回転保持部材63に着脱可能に保持され、ねじの向きを変えるための夾持される転向部材64とを有する。
【0035】
この形態において、第2の動力源62として、例えばステッピングモータを用いる。回転保持部材63は例えば転向部材64を締め付けて固定させる三爪タイプのスクロールチャックを用いる。
【0036】
転向部材64は、例えばねじの頭部に形成された窪みに嵌入される所定の径をもつ差しヘッドを有し、定位手段4に装着されるねじの向きを変えるためのものであって、ねじの頭部をもって定位手段4のねじに対する夾持定位を解除すると、転向部材64が上昇・回転し、ねじの検査部位を変えた後再び下降してねじをスリット412間の所定の検査位置までに下ろす。こうして、ねじの向きを変えてねじの外周を360°に亘って検査することができる。転向部材64としては、この形態においてスリット412に突き出て延伸される棒状部材であり、径の異なる差しヘッドを取り替え可能な着脱式ヘッドを有し、回転保持部材63によって締め付けられて保持されるようになる。
【0037】
制御手段7は、検出手段5及び転向手段6を制御するものであり、受光器53、第1の動力源54及び第2の動力源62に電気的に接続される制御モジュール71と、制御モジュール71に電気的に接続されてねじの検査情報などを表示する出力ユニット72と、受光器53、第1の動力源54及び第2の動力源62を制御するように制御モジュール71に電気的に接続されている入力ユニット73とを有する。
【0038】
制御モジュール71は、検出手段5及び転向手段6と電気的に接続されている電源システム711と、電源システム711、出力ユニット72及び入力ユニット73に電気的に接続されているコンピュータ712とを有する。なお、電源システム711は、ユニット化されて例えば電気制御ボックスに収容される。
【0039】
この形態において、出力ユニット72は、コンピュータ712に電気的に接続されるスクリーン721と、コンピュータ712に電気的に接続されるプリンター722とを有し、入力ユニット73は、コンピュータ712に電気的に接続されるキーボード731とマウス732を有する。なお、出力ユニット72と入力ユニット73は、この形態に開示された構成に限らないことは言うまでもない。
【0040】
以上のように構成されたねじ検査装置の動作を以下に説明する。図6は図5においてねじを検査する状態を示す正面図、図7は図6の側面図である。
【0041】
まず、窪み203が形成されたヘッド201付のシャンク202を有するねじ20を検査する。チャックユニット41のチャックブロック411、411によってねじ20を締め付けるとき、ねじ20のシャンク202がチャックブロック411、411の間のスリット412に突き出るようにねじ20のヘッド201を締め付けて保持する。制御手段7の入力ユニット73による入力情報によって第1の動力源54が作動される。第1の動力源54による作動力によって滑り台51が駆動されて第1のガイドレール322に摺動すると、滑り台51の摺動に連動して取付板511が例えばZ方向沿いに往復移動することができる。滑り台51がねじ20のヘッド201が発光器52と受光器53との間に介在するまで摺動すると、受光器53は作動されてねじ20の映像をとる。ここで、発光器52による平行光をねじ20に照らすと、受光器53がねじ20のシャンク202とチャックブロック411との間の隙間に通り抜けた光を受け取り、ねじ20の明暗映像を取得する。更に滑り台51を下降させて同様にしていくと、ねじ20の全体映像を取得することができる。コンピュータ712によってねじ20の取得映像に対して計算を行うとスクリーン721に該ねじ20の長さ、径幅、ねじ山などの測定情報を表示することができる。プリンター722により取得したねじ20の測定情報を出力することもできる。
【0042】
次に、転向手段6が駆動されると、滑り座61が下降して転向部材64がねじ20のヘッド201の窪み203に嵌合され、チャックブロック411、411によるねじ20の夾持を解除する。回転保持部材63によってねじ20を保持したまま回転するとねじ20を転向させる。また、チャックブロック411、411によってねじ20を締め付け、滑り座61の上昇に伴って転向部材64が窪み203から脱離する。
【0043】
このように、従来技術のように手間を掛からずねじの測定を簡単に施すことができ、手作業による測定値のばらつきをなくし、ねじ検査の精度や信頼性を高めることができる。また、ねじのサイズに応じてチャックブロック411、411のねじ夾持スペースを調節することができるので、ねじの異なる規格への適用性も良い。
【0044】
また、転向手段6によってねじを回転させることができるので、ねじの外周を360°に亘って検査することができる。転向手段6の定位手段4に対する移動としては、入力ユニット73へのマニュアル入力により、ねじの異なる規格に応じて転向手段6の移動距離をも調節することができる。
【0045】
なお、この形態において、検査ねじとしては、ヘッド201に窪み203が形成されたねじについて説明したが、転向部材64としてはねじヘッドに応じて嵌合する挿入孔が形成されたものを用いても同様なねじ転向効果を奏することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
本発明に係る第2の実施形態のねじ検査装置について説明する。図8は第2の実施形態に係るねじ検査装置の要部を示す正面図である。第1の実施形態に係るねじ検査装置と異なる点は、コラム32と検出手段5と転向手段6の構成であり、その他の第1の実施形態と同一構成には同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0047】
この形態において、検出手段5における取付板511としては図示しないが例えば平面視でU字形フレームであり、第1のガイドレール(図示せず)が筐体320の対向面321と対向する裏面(図8の奥側)に設けられ、更に、対向面321に第1のガイドレール(図示せず)と平行に設けられ滑り座61が摺動可能に配置されるスロット328を有し、転向手段6は更に、滑り座61をスロット328に往復移動させる第1の距離調節部材65と、回転保持部材63をチャックユニット41に対して往復移動させる第2の距離調節部材66とを有する。
【0048】
この形態において、第1の距離調節部材65及び第2の距離調節部材66としては、手動操作により滑り座61、回転保持部材63のチャックユニット41に対する距離を調節するためのものであり、ハンドル付のホイール、つまみなど用いることができる。これにより、転向手段6の定位手段4に対する移動を精確に行うことができ、ねじの検査精度をより一層高めることができる。
【符号の説明】
【0049】
20 ねじ
201 ヘッド
202 シャンク
203 窪み
3 台枠
31 テーブル
311 搭載面
32 コラム
320 筐体
321 対向面
322 第1のガイドレール
323 第2のガイドレール
324 サブガイドレール
325 第1の感知部材
326 第2の感知部材
327 位置検出部材
328 スロット
4 定位手段
41 チャックユニット
411 チャックブロック
412 スリット
413 ボルト
414 固定座
5 検出手段
51 滑り台
511 取付板
512 固定板
513 可動板
514 回転板
515 ブラケット座
52 発光器
53 受光器
54 第1の動力源
6 転向手段
61 滑り座
62 第2の動力源
63 回転保持部材
64 転向部材
65 第1の距離調節部材
66 第2の距離調節部材
7 制御手段
71 制御モジュール
711 電源システム
712 コンピュータ
72 出力ユニット
721 スクリーン
722 プリンター
73 入力ユニット
731 キーボード
732 マウス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじを検査する装置であって、
該装置の構成部材を搭載支持する台枠と、
前記台枠における搭載面にねじを着脱可能に装着するためのチャックユニットが取り付けられ、該チャックユニットにはねじが装着されるための、該搭載面と平行な第1の方向の両端に開口すると共に該第1の方向と垂直な第2の方向に開口するスリットが形成されている定位手段と、
前記スリットに対して前記第2の方向沿いに往復移動可能に前記台枠に設けられた滑り台と、前記滑り台に設けられた発光器と、前記発光器よりの発光が受光可能に前記滑り台に前記発光器と所定間隔をおいて設けられた受光器と、前記滑り台を前記第2の方向沿いに往復移動させるように駆動する第1の動力源と、を有し、前記発光器と前記受光器とは前記スリットの前記第1の方向の両端開口の外側に互いに対向して前記滑り台に設けられている検出手段と、
前記受光器と前記第1の動力源とに電気的に連結される制御モジュールと、前記制御モジュールに電気的に連結されてねじの検査情報を表示する出力ユニットとを有する制御手段と、
を備えていることを特徴とするねじ検査装置。
【請求項2】
前記台枠は、前記搭載面を有するテーブルと、前記定位手段と所定間隔をおいて前記チャックユニットに対向すると共に前記搭載面より前記第2の方向に直立して前記テーブルに設けられたコラムとを有し、
前記滑り台は、前記コラムに第2の方向沿いに往復可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のねじ検査装置。
【請求項3】
更に、前記台枠に前記第2の方向沿いに往復移動可能に設けられた転向手段を有し、該転向手段は、
前記コラムに前記第2の方向に往復移動可能に設けられた滑り座と、前記チャックユニットの上側に前記滑り座に設けられた第2の動力源と、前記滑り座に回転自在に取り付けられて前記第2の動力源によって駆動される回転保持部材と、前記回転保持部材に着脱可能に保持され、ねじの向きを変えるための転向部材とを有し、
前記転向部材は、前記回転保持部材より前記第2の方向沿いに前記スリット側に突出され、
前記第2の動力源は、前記制御モジュールに電気的に連結されることを特徴とする請求項2に記載のねじ検査装置。
【請求項4】
前記コラムは、前記搭載面より直立して延伸される筐体を有し、該筐体に前記第2の方向沿いに延伸されて設けられた第1のガイドレールを有し、
前記滑り台は、前記第1の動力源によって前記第2の方向沿いに往復動可能に駆動されるように前記第1のガイドレールに摺動自在に設けられることを特徴とする請求項3に記載のねじ検査装置。
【請求項5】
前記滑り台は、前記滑り台に固定される取付板と、前記取付板の一端側に連結された固定板と、前記取付板の他端側に前記固定板と所定間隔をおいて取り付けられると共に前記第1の方向沿いに移動可能に設けられた可動板と、前記可動板の前記第2の方向に所定間隔をおいて配置された回転板と、を有し、
前記発光器は、前記固定板上に取り付けられ、
前記受光器は、前記回転板上に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載のねじ検査装置。
【請求項6】
前記コラムは更に、前記第1のガイドレールと所定間隔をおいて前記第2の方向に沿って延伸されて設けられたサブガイドレールと、前記サブガイドレールの前記第2の方向沿いの両端側に互いに対向するように所定間隔をおいて配置された2つの第1の感知部材と、前記滑り台に連結されて該滑り台の移動に連動されて前記二つの第1の感知部材の間にいずれの前記第1の感知部材と接触すると前記滑り台の移動を止めるように移動可能に配置された第2の感知部材と、前記サブガイドレールの前記第2の方向沿いの一側に配置された位置検出部材とを有することを特徴とする請求項5に記載のねじ検査装置。
【請求項7】
前記制御手段は更に、前記制御モジュールに電気的に接続されて前記第1の動力源、前記第2の動力源及び前記受光器を制御する入力ユニットを有することを特徴とする請求項6に記載のねじ検査装置。
【請求項8】
前記チャックユニットは、前記第1の方向と同一平面上に対して直角の第3の方向において所定間隔をおいて対向して前記スリットを画成する二つのチャックブロックと、前記チャックブロックと連結して前記二つのチャックブロックの間隔を調節するボルトとを有することを特徴とする請求項7に記載のねじ検査装置。
【請求項9】
前記制御モジュールは、前記検出手段及び前記転向手段と電気的に接続されている電源システムと、前記電源システム、前記出力ユニット及び前記入力ユニットに電気的に接続されているコンピュータとを有することを特徴とする請求項8に記載のねじ検査装置。
【請求項10】
前記出力ユニットは、前記コンピュータに電気的に連結されているスクリーン及びプリンターを有し、
前記入力ユニットは、前記コンピュータに電気的に連結されているキーボード及びマウスを有することを特徴とする請求項9に記載のねじ検査装置。
【請求項11】
前記第1の動力源としては、サーボモータであり、前記第2の動力源としてはステッピングモータであることを特徴とする請求項1に記載のねじ検査装置。
【請求項12】
前記コラムは更に、前記第1のガイドレールと所定間隔をおいて第2のガイドレールが設けられ、
前記転向手段の滑り座は、前記第2のガイドレールに滑り移動可能に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載のねじ検査装置。
【請求項13】
前記コラムは、前記第1のガイドレールと所定間隔をおいてスロットが設けられ、
前記転向手段は更に、前記滑り座を前記スロットに往復移動させる第1の距離調節部材と、前記回転保持部材を前記チャックユニットに対して往復移動させる第2の距離調節部材とを有することを特徴とする請求項4に記載のねじ検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−112929(P2012−112929A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121121(P2011−121121)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(511131273)精湛光▲学▼科技股▲ふぇん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】